【発明の詳細な説明】
分散装置および分散方法
本発明は、分散すべき物質を収容すると共に処理するための容器と、シャフト
により駆動しうる流れ発生装置と、磨砕媒体を含有すると共に開口部を持ったハ
ウジングを備える磨砕装置(前記開口部を介し、分散すべき物質を流れ発生装置
により得られた流れに基づき流過させる)と、ハウジング内に配置されてハウジ
ングに対し相対回転しうる撹拌装置とを備えた分散装置に関するものである。さ
らに本発明は、分散させるべき物質に微細および最微細な固体物質を容器内で予
備−および微細−分散させるための、予備分散を溶解器により行うと共に微細分
散を撹拌ボールミルにより行う方法にも関するものである。
この種の装置により、微細および最微細な固体成分の液相における分散が達成
される。
分散法においては3つの部分工程が順次に進行する:
1. 処理すべき固体物質の表面を磨砕物質の液状成分により濡らす、
2. 凝集体を小凝集体および一次粒子まで機械的に磨耗する、および
3. 一次粒子、凝集体および凝固体を新たな凝固(=凝集)に対し安定化させ
る。
以下の具体例は主として色素およびラッカーの分散に関するものであるが、こ
の技術は他の分野(たとえば生物学、食品工学、医薬、農芸化学、セラミック工
業など)にも同様に応用することができる。
色素の分散に際し、たとえばコスト上高価かつ着色性の一次粒子の使用をでき
るだけ少なく保つことが経済上有利である。着色作用および光沢は、分散が良好
であるほど強度になる。したがって良好な分散により、たとえばコスト上高価か
つ着色性の一次粒子の使用をコスト上有利な二次粒子により減少させることがで
きる。理想的な場合、各一次粒子は別途に濡らされる。
US−PS 5,184,783号から、この種の磨砕装置が知られている。
この特許公報には、循環法にしたがって分散する撹拌機−浸漬ミルが公開されて
いる。この装置は実質的にボールミルが満たされた耐磨耗性のストレーナで構成
され、これは二重壁の容器に浸漬される。ストレーナの中心を円筒状駆動シャフ
トが貫通する。この駆動シャフトは、ストレーナ内に配置されたロッドとして形
成された撹拌装置を駆動させる。ストレーナの壁部は篩状に穿孔された穴部を有
する。
ストレーナを介する磨砕媒体の循環を可能にするには、駆動シャフトが撹拌装
置と共に流れ発生装置を駆動させる。この流れ発生装置は、充分な流動を実現す
るにはストレーナの外部に設置せねばならない。駆動シャフトはしたがってスト
レーナを貫通する。貫通位置には、分離−および封止−システムが組込まれ、篩
からの磨耗体の排出を防止する。
流れ発生装置の中心配置は、全体的容器における均一流過が確保されるので、
明らかな流動技術的利点をもたらす。
しかしながら従来技術から公知の分散装置により経済的な分散法を実施するに
は、分散すべき物質を予備分散させねばならない。好ましくは溶解器ディスクに
より予備分散される。何故なら、特に分散しにくい凝集体の場合は他の過程にて
さらに磨砕装置を使用する必要があり、経済的理由から最適な予備分散を不可欠
にするからである。不充分に予備分散された物質は、従来技術から公知の磨砕装
置の長い処理時間を必要とするだけでなく、しばしば所望の微細度をも達成しえ
ない。予備分散の際の失敗もしくは誤差は、一般に他のシステムにより補うこと
ができる。したがってさらに磨砕装置を使用する場合は特に、不充分な予備分散
物質はストレーナの穴部の閉塞をもたらしてストレーナに対する循環を困難にし
或いは完全に阻止する。
しかしながら、しばしば溶解器により予備分散のみが達成され、すなわち分散
すべき物質は所定の微細度までしか分散することができない。ここで微細分散と
呼ばれる更なる分散には、撹拌ボールミルまたは同様な磨砕装置を使用せねばな
らない。
予備分散から微細分散への切替えに際し、分散すべき物質を含有する容器につ
き機械または工具のための各駆動装置を交換せねばならず、或いは分散すべき物
質を容器からポンプ排出させて別の撹拌ボールミルに充填せねばならない。
さらに、たとえば赤色色素から白色色素への着色変換のような物質変換に際し
全装置を清浄せねばならない。ボールミルの清浄に際し、分離−および封止−シ
ステムは清浄困難である。交換過程および清浄過程は大きい空運転時間およびコ
ストを生ぜしめる。
したがって本発明の主題は、従来技術から公知の撹拌ボールミルを構造技術的
に簡単化させると共にその使用範囲を拡大することにある。
本発明によれば、この課題は磨砕装置のハウジングを中心穴部を有する環状路
として形成すると共にシャフトを環状路の中心穴部に貫通させることにより解決
される。
本発明による分散装置の好適実施例において、環状路のハウジングは開口プロ
フィルを有すると共に、撹拌装置は開口プロフィルを貫通する少なくとも1つの
接続ウェブを介しシャフトと接続することができる。しかしながら、ハウジング
を閉鎖して実施すると共にハウジング内に配置された撹拌装置をハウジング外部
に配置されたモータ(たとえば電磁モータ)により回転させることも考えられる
。駆動部の代案構成も考えられ、これは分散装置の使用分野に依存する。
本発明の分散装置の構成により、流れ発生装置の駆動シャフトはストレーナの
回転軸線に沿って中心に延在することができる。これにより、流れ発生装置の中
心配置の流動技術的利点が保持される。
分離−および封止−システムの使用は完全に省略しうる。何故なら、磨砕装置
のハウジングはシャフトにより貫通されないからである。磨砕装置の清浄は実質
的に容易かつ迅速に完結することができる。
本発明による分散装置の他の好適実施例において環状路のハウジングは開口プ
ロフィルを有し、撹拌装置は第2シャフトにより駆動自在であると共に、撹拌装
置は開口プロフィルを貫通する少なくとも1つの接続ウェブを介し他のシャフト
に接続しうる。
他のシャフトは好ましくは、流れ発生装置のシャフトを包囲する中空シャフト
として形成される。このようにして、外部位置する中空シャフトは磨砕装置のハ
ウジング内に配置された撹拌装置を特に簡単かつ流れ発生装置の駆動シャフトの
回転数とは独立して駆動することができる。両シャフトは同時に或いはそれぞれ
互いに別々に駆動することができ、或いは反対方向にさえ駆動することもできる
。勿論、磨砕装置内における動学反転も可能であり、すなわち全磨砕装置は固定
撹拌装置に対し相対回転自在である。
撹拌装置は、分散課題とは独立して任意に形成することができる。これはたと
えば円リング盤、円リング穴ディスク、スリットディスク、ピンなどとして形成
することができる。
好ましくは撹拌装置は、環状路に対し同軸に延びる少なくとも1個の、環状路
内に延びる円ディスク盤を備える。撹拌装置はしたがって、ハウジング内に配置
された磨砕媒体の連続運動をもたらす。
本発明の他の好適実施例において、流れ発生装置は分散のための手段を備える
。特に好ましくは、この分散のための手段を溶解器ディスクとして形成する。溶
解器ディスクは分散装置の操作に必要な流れを与えると共に磨砕媒体の予備分散
をも意図する。溶解器ディスクは分散のための特に重要な課題を果たし、すなわ
ち混合容器の縁部領域までの均一な物質循環をもたらす。溶解器ディスクは分散
の課題を果たし、したがって凝集体の解体および液相における一次粒子の湿潤化
を特に経済的に果たし、これは分散が明かに磨砕装置の内部よりも迅速に行われ
るからである。
本発明による分散装置は好ましくは、磨砕装置が高さ調整自在でありかつこれ
が分散物質中への高さ調整により浸漬自在となり、さらにそこから再び完全に取
出しうるよう構成される。このようにして、予備−および微細−分散の個々の工
程を互いに完全に分離して実施することができ、しかも分散すべき物質を容器か
ら取出すこと或いは撹拌装置の改変を必要としない。予備分散と微細分散との間
の切替は特に迅速かつ経済的に行うことができる。溶解器および撹拌ボールミル
のための別々の容器および駆動装置が省略される。
本発明による分散装置において、溶解器ディスクによる予備分散および撹拌ボ
ールミルによる微細分散の両過程は循環法により行うことができる。これら過程
は別々に或いは同時に行うことができる。特に後者の過程は本発明による分散装
置において特に簡単かつ経済的に実現しうる。何故なら、予備分散とそれに続く
磨砕装置における微細分散との間の撹拌機もしくは容器の切替が省略されるから
である。
好ましくは両シャフトは同一のモータにより駆動され、これにより操作構造が
明かに単純化される。分散装置の上部には適する被動手段を設け、この手段は両
シャフトを互いに別々に或いは互いに平行して駆動させることができる。
本発明による分散装置の特に好適な実施例において、環状路は矩形断面を有す
る。勿論、環状路の全ゆる他の適する断面形状も考えられ、たとえば円形断面も
考えられる。環状路の断面形状は、必要な流れ特性に実質的に依存する。
以下、添付図面を参照して本発明を実施例によりさらに説明する:
第1図: 予備分散の際の本発明による分散装置の断面正面図、
第2図: 微細分散に際し撹拌ボールミルが沈降した第1図におけると同様な
断面正面図、
第3図: 分散装置を清浄する際の第1図におけると同様な断面正面図、
第4図: 本発明による分散装置の代案実施例の正面図。
第1図から見られるように、本発明による分散装置は実質的に円筒状の二重壁
部かつカバーで閉鎖された容器1と溶解器2と撹拌ボールミル3と複数の清浄ノ
ズル4とで構成される。
溶解器は下端部に溶解器ディスク22を備えた円筒状シャフト21で構成され
る。溶解器ディスクはその外周に沿って円形平面上で交互に上方向および下方向
に湾曲する複数の歯23が装着される。
撹拌ボールミル3は篩状に穿孔されたハウジング31で構成され、ここに磨砕
用ボール32を保持する。ハウジング31はその上側に、リング状に包囲する開
口部33が設けられる。ハウジング31は図示した実施例において1壁部で形成
されるが、代案として二重壁部または他の適する方法で実施することもできる。
ハウジングは、中心穴部34を備えたトラス状の環状路を形成する。溶解器2
のシャフト21は、この穴部34を貫通する。環状路の内部には、環状路に対し
同軸に延びる2つの円リング盤35が存在する。円リング盤35はウェブ36に
より互いに接続される。ウェブ36は円リング盤35を中空シャフト37と接続
させる。中空シャフト37はシャフト21と同様に詳細には図示しないモータに
より駆動される。中空シャフト37およびシャフト21は互いに同軸に延び、こ
こでシャフト21は中空シャフト37の内部に延びる。
容器1はその壁部に多数の清浄ノズル4を設ける。各清浄ノズル4はスプレー
ヘッド41と容器1の壁部に固定される中空シリンダ42と中空シリンダ42に
挿入されるピストン43とを備え、このピストンは容器1の中心に指向する端部
にスプレーヘッド41を備える。
ボールミル3はその外周側にてロッド39により保持され、これにより詳細に
は図示しない駆動装置により高さを調整自在にしうる。ロッド39は、これらが
撹拌ボールミルの高さ調整を可能にするが、その回転を妨げないよう固定される
。
第1図において撹拌ボールミル3はその上方位置に存在し、したがってこれら
は分散すべき物質5と接触しない。中空シャフト37はこの位置にて駆動されな
い。予備分散は単に溶解器2の回転によってのみ行われ、その際に高さを調整し
て適する処理条件を実現することもできる。このようにして、予備分散に際し所
望される「ドーナッツ効果」を設定しうる。分散すべき物質5の循環(矢印によ
り示す)は撹拌ボールミル3により妨げられず、したがって効率的かつ迅速な予
備分散が溶解器2によって達成される。
第2図において、撹拌ボールミル3はその沈降位置で示される。撹拌ボールミ
ル3は容器1の内部にてロッド39により中空シャフト37で高さ調整され、さ
らに分散すべき物質中へ沈降される。撹拌ボールミル3は分散すべき物質5中へ
完全に浸漬され、円リング盤35は中空シャフト37により撹拌ボールミル3の
ハウジング31に対し相対回転する関係にされる。円リング盤35は磨砕用ボー
ル32を運動させ、かくして磨砕過程が撹拌ボールミル3の内部で達成される。
溶解器2はさらに分散物質5の循環(矢印で示す)を与えるが、好ましくは篩状
に穿孔された撹拌ボールミル3のハウジングによる循環も行われる。かくして、
微細分散は撹拌ボールミル3により循環過程で行われる。
第3図において、本発明による分散装置の清浄は分散すべき物質が適するポン
プ装置(図示せず)によりポンプ除去された後に行われる。清浄するには、容器
1の壁部に沿って配置されたスプーレーヘッド41を容器の内部空間に移動させ
る。これは、ピストン43が中空シリンダ42の内部にて軸方向にその長手軸線
に沿って容器1の中心まで移動するよう行われる。ピストン43は内部中空であ
ると共に、清浄用流体を圧力発生手段(詳細には図示せず)によりスプレーヘッ
ド41まで案内される。スプレーヘッド41は清浄剤を合理的に構成された開口
部を介し容器1の内部に噴霧する。このようにして、先ず最初に壁部および装置
に噴霧され、その後の過程で容器1に清浄液が満たされる。溶解器2および撹拌
ボールミル3に付着した分散物質5の粒子は清浄剤により分散装置から溶解され
る。容器1の底部には清浄剤と分散物質5との混合物が形成され、これをここで
は清浄液6と称する。溶解器2および撹拌ボールミル3は上記と同様に清浄液6
内で回転するが、これは構造部品の清浄のためである。撹拌ボールミル3の中心
穴部34は従来技術と比較してハウジングの表面を拡大させ、これにより清浄液
6が撹拌ボールミル3の内部に侵入し或いはここを流過することができる。清浄
過程は中心穴部34を有する撹拌ボールミル3の構成にしたがって加速される。
清浄ノズル4はこれが噴霧過程に際し撹拌ボールミル3の穴部34の内部まで
到達して撹拌ボールミル3の内側周辺の噴霧を達成するよう構成することもでき
、或いは交互に撹拌ボールミル3の外側および内側周辺を噴霧するよう配置する
こともできる。さらに、中空シャフト21には適する穴部を形成することもでき
、これを介し清浄剤を噴霧する。
清浄過程の後、清浄液6をポンプ排出し、清浄ノズル4を容器1から引き離し
、撹拌ボールミル3をロッド39によりその上方位置に移動させる。かくして分
散装置は再び使用状態となる。
第4図には本発明による分散装置の代案実施例を示す。単一のシャフト44は
円リング盤35もその下端部に設けた溶解器盤22をも駆動させる。この実施例
は本発明による分散装置の最も簡単かつコスト上有利な実施を可能にする。
ここに図示した実施例は、全てハウジングが静止すると共に撹拌装置がこのハ
ウジングに対し相対回転自在に配置された分散装置に該当する。さらに本発明の
範囲内において、分散装置は運動的に逆に構成することもできる。この種の分散
装置において流れ発生装置は静止して構成される一方、ハウジングは静止する撹
拌装置に対し相対回転される。撹拌装置および/または流れ発生装置のハウジン
グの駆動は当業者に知られた適する駆動手段をたとえば機械的、電気的もしくは
磁力的駆動部を介して行われる。
本発明の分散装置により、溶解器および撹拌ボールミルは1つの装置に合体さ
れる。従来技術により容器内に中心配置された流れ発生装置の利点が維持される
。さらに本発明によれば、溶解器の駆動シャフトによる撹拌ボールミルの侵入も
回避される。予備分散から微細分散への切替が単純化されると共に加速される。
さらに、完全閉鎖されたシステムとして最小の空間で両装置を配置することも実
現可能となる。したがって工程切替に際し溶剤が逸散することはない。
符号の説明
1 容器
2 溶解器
3 撹拌ボールミル
4 清浄ノズル
5 分散すべき物質
6 清浄液
21 シャフト
22 溶解器ディスク
23 歯
31 ハウジング
32 磨砕ボール
33 開口部
34 穴部
35 円リング盤
36 ウェブ
37 中空シャフト
39 ロッド
41 スプレーヘッド
42 中空シリンダ
43 ピストン
44 シャフト
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年9月15日
【補正内容】
補正明細書
分散装置および分散方法
本発明は、分散すべき物質を収容すると共に処理するための容器と、第1シャ
フトにより駆動しうる流れ発生装置と、磨砕媒体を含有すると共に開口部(これ
を介し、分散すべき物質を流れ発生装置により得られた流れに基づき流過させる
)を持ったハウジングを備える磨砕装置と、ハウジング内に配置されてハウジン
グに対し相対回転しうる撹拌機とを備えた分散装置に関するものである。さらに
本発明は、微細および最微細な固体物質を分散させるべき物質を収容するための
容器内で分離手段にて予備−および微細−分散させるための、予備分散を溶解器
により行うと共に微細分散を撹拌ボールミルにより行う方法にも関するものであ
る。
この種の装置により、微細および最微細な固体成分の液相における分散が達成
される。
分散法においては3つの部分工程が順次に進行する:
1. 処理すべき固体物質の表面を磨砕物質の液状成分により濡らす、
2. 凝集体を小凝集体および一次粒子まで機械的に磨砕する、および
3. 一次粒子、凝集体および凝固体を新たな凝固(=凝集)に対し安定化させ
る。
以下の具体例は主として色素およびラッカーの分散に関するものであるが、こ
の技術は他の分野(たとえば生物学、食品工学、医薬、農芸化学、セラミック工
業など)にも同様に応用することができる。
色素の分散に際し、たとえばコスト上高価かつ着色性の一次粒子の使用をでき
るだけ少なく保つことが経済上有利である。着色作用および光沢は、分散が良好
であるほど強度になる。したがって良好な分散により、たとえばコスト上高価か
つ着色性の一次粒子の使用をコスト上有利な二次粒子により減少させることがで
きる。理想的な場合、各一次粒子は別途に濡らされる。
EP 526699A1号からは、上位概念の特徴を有する分散装置が公知で
ある。
US−PS 5,184,783号から、この種の磨砕装置が知られている。
この特許公報には、循環法にしたがって分散する撹拌機−浸漬ミルが公開されて
いる。この装置は実質的にボールミルが満たされた耐磨耗性のストレーナで構成
され、これは二重壁の容器に浸漬される。ストレーナの中心を円筒状駆動シャフ
トが貫通する。この駆動シャフトは、ストレーナ内に配置されたロッドとして形
成された撹拌機を駆動させる。ストレーナの壁部は篩状に穿孔された穴部を有す
る。
ストレーナを介する磨砕媒体の循環を可能にするには、駆動シャフトが撹拌機
と共に流れ発生装置を駆動させる。この流れ発生装置は、充分な流動を実現する
にはストレーナの外部に設置せねばならない。駆動シャフトはしたがってストレ
ーナを貫通する。貫通位置には、分離−および封止−システムが組込まれ、篩か
らの磨砕体の排出を防止する。
流れ発生装置の中心配置は、全体的容器における均一流過が確保されるので、
明らかな流動技術的利点をもたらす。
しかしながら従来技術から公知の分散装置により経済的な分散法を実施するに
は、分散すべき物質を予備分散させねばならない。好ましくは溶解器ディスクに
より予備分散される。何故なら、特に分散しにくい凝集体の場合は他の過程にて
さらに磨砕装置を使用する必要があり、経済的理由から最適な予備分散を不可欠
にするからである。不充分に予備分散された物質は、従来技術から公知の磨砕装
置の長い処理時間を必要とするだけでなく、しばしば所望の微細度をも達成しえ
ない。予備分散の際の失敗もしくは誤差は、一般に他のシステムにより補うこと
ができる。したがってさらに磨砕装置を使用する場合は特に、不充分な予備分散
物質はストレーナの穴部の閉塞をもたらしてストレーナに対する循環を困難にし
或いは完全に阻止する。
しかしながら、しばしば溶解器により予備分散のみが達成され、すなわち分散
すべき物質は所定の微細度までしか分散することができない。ここで微細分散と
呼ばれる更なる分散には、撹拌ボールミルまたは同様な磨砕装置を使用せねばな
らない。
予備分散から微細分散への切替えに際し、分散すべき物質を含有する容器につ
き機械または工具のための各駆動装置を交換せねばならず、或いは分散すべき物
質を容器からポンプ排出させて別の撹拌ボールミルに充填せねばならない。
さらに、たとえば赤色色素から白色色素への着色変換のような物質変換に際し
全装置を清浄せねばならない。ボールミルの清浄に際し、分離−および封止−シ
ステムは清浄困難である。交換過程および清浄過程は大きい空運転時間およびコ
ストを生ぜしめる。
本発明の課題は、従来技術により公知の分散装置を方法の工程が相当単純化さ
れると共に清浄経費が減少するよう改良することにある。
本発明によれば、この課題は流れ発生装置が分散のための手段を備え、磨砕装
置が流れ発生装置に対し高さ調整自在であり、さらに磨砕装置が高さ調整により
分散すべき物質中へ浸漬しうると共に、流れ発生装置が分散すべき物質中に残留
する間にそこから再び完全に取出しうるようにして解決される。
本発明による分散装置の好適実施例において、環状路のハウジングは開口プロ
フィルを有すると共に、撹拌機は開口プロフィルを貫通する少なくとも1つの接
続ウェブを介しシャフトと接続することができる。
本発明の分散装置の構成により、流れ発生装置の駆動シャフトはストレーナの
回転軸線に沿って中心に延在することができる。これにより、流れ発生装置の中
心配置の流動技術的利点が保持される。
分離−および封止−システムの使用は完全に省略しうる。何故なら、磨砕装置
のハウジングはシャフトにより貫通されないからである。磨砕装置の清浄は実質
的に容易かつ迅速に完結することができる。
本発明による分散装置の他の好適実施例において環状路のハウジングは開口プ
ロフィルを有し、撹拌機は第2シャフトにより駆動自在であると共に、撹拌機は
開口プロフィルを貫通する少なくとも1つの接続ウェブを介し他のシャフトに接
続しうる。
他のシャフトは好ましくは、流れ発生装置のシャフトを包囲する中空シャフト
として形成される。このようにして、外部位置する中空シャフトは磨砕装置のハ
ウジング内に配置された撹拌機を特に簡単かつ流れ発生装置の駆動シャフトの回
転数とは独立して駆動することができる。両シャフトは同時に或いはそれぞれ互
いに別々に駆動することができ、或いは反対方向にさえ駆動することもできる。
勿論、磨砕装置内における動学反転も可能であり、すなわち全磨砕装置は固定撹
拌機に対し相対回転自在である。
撹拌機は、分散課題とは独立して任意に形成することができる。これはたとえ
ば円リング盤、円リング穴ディスク、スリットディスク、ピンなどとして形成す
ることができる。
好ましくは撹拌機は、環状路に対し同軸に延びる少なくとも1個の、環状路内
に延びる円ディスク盤を備える。撹拌機はしたがって、ハウジング内に配置され
た磨砕媒体の連続運動をもたらす。
本発明の他の好適実施例において、流れ発生装置は分散のための手段を備える
。特に好ましくは、この分散のための手段を溶解器ディスクとして形成する。溶
解器ディスクは分散装置の操作に必要な流れを与えると共に磨砕媒体の予備分散
をも意図する。溶解器ディスクは分散のための特に重要な課題を果たし、すなわ
ち混合容器の縁部領域までの均一な物質循環をもたらす。溶解器ディスクは分散
の課題を果たし、したがって凝集体の解体および液相における一次粒子の湿潤化
を特に経済的に果たし、これは分散が明かに磨砕装置の内部よりも迅速に行われ
るからである。
本発明による分散装置は好ましくは、磨砕装置が高さ調整自在でありかつこれ
が分散物質中への高さ調整により浸漬自在となり、さらにそこから再び完全に取
出しうるよう構成される。このようにして、予備−および微細−分散の個々の工
程を互いに完全に分離して実施することができ、しかも分散すべき物質を容器か
ら取出すこと或いは撹拌機の改変を必要としない。予備分散と微細分散との間の
切替は特に迅速かつ経済的に行うことができる。溶解器および撹拌ボールミルの
ための別々の容器および駆動装置が省略される。
本発明による分散装置において、溶解器ディスクによる予備分散および撹拌ボ
ールミルによる微細分散の両過程は循環法により行うことができる。これら過程
は別々に或いは同時に行うことができる。特に後者の過程は本発明による分散装
置において特に簡単かつ経済的に実現しうる。何故なら、予備分散とそれに続く
磨砕装置における微細分散との間の撹拌機もしくは容器の切替が省略されるから
である。
好ましくは両シャフトは同一のモータにより駆動され、これにより操作構造が
明かに単純化される。分散装置の上部には適する被動手段を設け、この手段は両
シャフトを互いに別々に或いは互いに平行して駆動させることができる。
本発明による分散装置の特に好適な実施例において、環状路は矩形断面を有す
る。勿論、環状路の全ゆる他の適する断面形状も考えられ、たとえば円形断面も
考えられる。環状路の断面形状は、必要な流れ特性に実質的に依存する。
以下、添付図面を参照して本発明を実施例によりさらに説明する:
第1図: 予備分散の際の本発明による分散装置の断面正面図、
第2図: 微細分散に際し撹拌ボールミルが沈降した第1図におけると同様な
断面正面図、
第3図: 分散装置を清浄する際の第1図におけると同様な断面正面図;
第4図: 本発明による分散装置の代案実施例の正面図。
第1図から見られるように、本発明による分散装置は実質的に円筒状の二重壁
部かつカバーで閉鎖された容器1と溶解器2と撹拌ボールミル3と複数の清浄ノ
ズル4とで構成される。
溶解器は下端部に溶解器ディスク22を備えた円筒状シャフト21で構成され
る。溶解器ディスクはその外周に沿って円形平面上で交互に上方向および下方向
に湾曲する複数の歯23が装着される。
撹拌ボールミル3は篩状に穿孔されたハウジング31で構成され、ここに磨砕
用ボール32を保持する。ハウジング31はその上側に、リング状に包囲する開
口部33が設けられる。ハウジング31は図示した実施例において1壁部で形成
されるが、代案として二重壁部または他の適する方法で実施することもできる。
ハウジングは、中心穴部34を備えたトラス状の環状路を形成する。溶解器2
のシャフト21は、この穴部34を貫通する。環状路の内部には、環状路に対し
同軸に延びる2つの円リング盤35が存在する。円リング盤35はウェブ36に
より互いに接続される。ウェブ36は円リング盤35を中空シャフト37と接続
させる。中空シャフト37はシャフト21と同様に詳細には図示しないモータに
より駆動される。中空シャフト37およびシャフト21は互いに同軸に延び、こ
こでシャフト21は中空シャフト37の内部に延びる。
容器1はその壁部に多数の清浄ノズル4を設ける。各清浄ノズル4はスプレー
ヘッド41と容器1の壁部に固定される中空シリンダ42と中空シリンダ42に
挿入されるピストン43とを備え、このピストンは容器1の中心に指向する端部
にスプレーヘッド41を備える。
ボールミル3はその外周側にてロッド39により保持され、これにより詳細に
は図示しない駆動装置により高さを調整自在にしうる。ロッド39は、これらが
撹拌ボールミルの高さ調整を可能にするが、円リング盤35の回転を妨げないよ
う固定される。
第1図において撹拌ボールミル3はその上方位置に存在し、したがってこれら
は分散すべき物質5と接触しない。中空シャフト37はこの位置にて駆動されな
い。予備分散は単に溶解器2の回転によってのみ行われ、その際に高さを調整し
て適する処理条件を実現することもできる。
補正請求の範囲
1. 分散すべき物質(5)を収容および処理するための容器(1)と、第1シ
ャフト(21)により駆動しうる流れ発生装置と磨砕媒体を含有すると共に開口
部(これを介し、分散すべき物質を流れ発生装置により得られた流れに基づいて
流過させうる)を持ったハウジングを有する磨砕装置と、ハウジング内に配置さ
れてハウジングに対し相対回転しうる撹拌機とを備える分散装置において、流れ
発生装置が分散のための手段を有し、磨砕装置が流れ発生装置に対し高さ調整自
在であり、さらに磨砕装置が高さ調整により分散すべき物質中へ浸漬しうると共
に、流れ発生装置が分散すべき物質内に残留する間にそこから再び完全に取出し
うることを特徴とする分散装置。
2. 第1シャフト(21)が磨砕装置のハウジング(31)を貫通することを
特徴とする請求の範囲第1項に記載の分散装置。
3. 磨砕装置のハウジング(31)が中心穴部(34)を有する環状路の形態
に形成され、穴部を第1シャフト(21)が貫通することを特徴とする請求の範
囲第2項に記載の分散装置。
4. 磨砕装置のハウジング(31)が開口プロフィルを有して撹拌機を第2シ
ャフト(37)により駆動しうると共に、開口プロフィルを貫通する少なくとも
1つの接続ウェブ(37)を介し第2シャフト(37)と接続され、第2シャフ
ト(37)が第1シャフト(21)を包囲する中空シャフトであることを特徴と
する請求の範囲第3項に記載の分散装置。
5. 第1および第2シャフト(21および37)が共通モータにより駆動しう
ることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の分散装置。
6. 撹拌機が環状路に対し同軸に延びる少なくとも1個の円リング盤(35)
を備え、これを環状路内に配置したことを特徴とする請求の範囲第3〜5項のい
ずれか一項に記載の分散装置。
7. 磨砕装置がその外周側にてロッド(39)により保持され、これにより磨
砕装置を駆動装置により流れ発生装置に対しその高さにつき調整自在とし、ロッ
ドを磨砕装置のハウジングに対し相対的な撹拌機の回転を妨げることなく高さ調
整可能にすることを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか一項に記載の分
散装置。
8. 分散のための手段を溶解器ディスク(22)として形成したことを特徴と
する請求の範囲第1〜7項のいずれか一項に記載の分散装置。
9. 微細および最微細な固体物質を、分散すべき物質(5)を収容するための
容器(1)における分散手段にて予備分散および微細分散するに際し、予備分散
を溶解器により行うと共に微細分散を撹拌ボールミルにより行う方法において、
溶解器による予備分散の際に撹拌ボールミルを分散すべき物質と接触させず、さ
らに予備分散後に撹拌ボールミルを同じ容器内の分散すべき物質に対し微細分散
させるべく作用させることを特徴とする予備分散およひ微細分散の方法。
10. 微細分散に際し溶解器がさらに分散すべき物質に作用すると共に、撹拌
ボールミルを流過する流れを発生させることを特徴とする請求の範囲第9項に記
載の方法。
11. 撹拌ボールミルを予備分散に際し容器内に存在する分散すべき物質の上
方に位置せしめて駆動させず、微細分散するため容器内で分散すべき物質と作用
させるべく沈降させることを特徴とする請求の範囲第9項または第10項に記載
の方法。
12. 溶解器を第1シャフトによりかつ撹拌ボールミルを第1シャフトに対し
同軸配置された第2シャフトにより駆動させ、第1シャフト(21)が環状路と
して形成された撹拌ボールミルのハウジングの中心開口部を貫通してなり、撹拌
ボールミルを微細分散のため第1シャフトに対する第2シャフトの同軸移動によ
り沈降させることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】1998年5月21日
【補正内容】
請求の範囲
1. 分散すべき物質(5)を収容および処理するための容器(1)と、
第1シャフト(21)により駆動しうる流れ発生装置と、
磨砕媒体を含有すると共に開口部のあるハウジングを有する磨砕装置であって 、該開口部を介し、分散すべき物質を流れ発生装置により得られた流れに基づい て流過させうる
磨砕装置と、
ハウジング内に配置されてハウジングに対し相対回転しうる撹拌機と、
を備える分散装置において、
流れ発生装置が分散のための手段を有し、磨砕装置が流れ発生装置に対し高さ
調整自在であり、さらに磨砕装置が高さ調整により分散すべき物質中へ浸漬しう
ると共に、流れ発生装置は分散すべき物質内に残留したまま磨砕装置はそこから
再び完全に取出しうることを特徴とする分散装置。
2. 第1シャフト(21)が磨砕装置のハウジング(31)を貫通することを
特徴とする請求の範囲第1項に記載の分散装置。
3. 磨砕装置のハウジング(31)が中心穴部(34)を有する環状路の形態
に形成され、穴部を第1シャフト(21)が貫通することを特徴とする請求の範
囲第2項に記載の分散装置。
4. 磨砕装置のハウジング(31)は開口プロフィルを有し、撹拌機は第2シ
ャフト(37)により駆動しうると共に、開口プロフィルを貫通する少なくとも
1つの接続ウェブ(36)を介し第2シャフト(37)と接続され、第2シャフ
ト(37)は第1シャフト(21)を包囲する中空シャフトであることを特徴と
する請求の範囲第3項に記載の分散装置。
5. 第1および第2シャフト(21および37)が共通モータにより駆動しう
ることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の分散装置。
6. 撹拌機が環状路に対し同軸に延びる少なくとも1個の円リング盤(35)
を備え、これを環状路内に配置したことを特徴とする請求の範囲第3〜5項のい
ずれか一項に記載の分散装置。
7. 磨砕装置がその外周側にてロッド(39)により保持され、該ロッドによ り流れ発生装置に対する磨砕装置の高さは駆動装置を用いて
調整自在であり、ロ ッドは、
磨砕装置のハウジングに対して相対的な撹拌機の回転を妨げることなく
高さ調整可能にするように取付けられることを特徴とする請求の範囲第1〜6項
のいずれか一項に記載の分散装置。
8. 分散のための手段を溶解器ディスク(22)として形成したことを特徴と
する請求の範囲第1〜7項のいずれか一項に記載の分散装置。
9. 微細および最微細な固体物質を、分散すべき物質(5)を収容するための
容器(1)における分散手段にて予備分散および微細分散するに際し、予備分散
を溶解器により行うと共に微細分散を撹拌ボールミルにより行う方法において、
溶解器による予備分散の際に撹拌ボールミルを分散すべき物質と接触させず、さ
らに予備分散後に撹拌ボールミルを同じ容器内の分散すべき物質に対し微細分散
させるべく作用させることを特徴とする予備分散および微細分散の方法。
10. 微細分散に際し溶解器がさらに分散すべき物質に作用すると共に、撹拌
ボールミルを流過する流れを発生させることを特徴とする請求の範囲第9項に記
載の方法。
11. 撹拌ボールミルを予備分散に際し容器内に存在する分散すべき物質の上
方に位置せしめて駆動させず、微細分散するため容器内で分散すべき物質と作用
させるべく沈降させることを特徴とする請求の範囲第9項または第10項に記載
の方法。
12. 溶解器を第1シャフトにより駆動させかつ撹拌ボールミルを第1シャフ
トに対し同軸配置された第2シャフトにより駆動させ、第1シャフト(21)が
環状路として形成された撹拌ボールミルのハウジングの中心開口部を貫通してな
り、撹拌ボールミルを微細分散のため第1シャフトに対する第2シャフトの同軸
移動により沈降させることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の方法。