【発明の詳細な説明】
セラミド仲介シグナル導入の抑制のための化合物
関連特許出願
本出願は、米国特許出願第08/367,102号(1994年12月29日出願)の部分継続出
願である。
政府の支援に関する記述
本発明は、米国国立衛生研究所の許可番号GM−23200の下、政府の支援
を受け行われた。合衆国政府は本発明について一定の権利を有する。
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、セラミド仲介シグナル導入によって刺激される細胞反応、特にサイ
トカイン腫瘍壊死因子α(TNF−α)による刺激に対する反応を調節するのに
有効な化合物に関し、より具体的には、セラミド仲介シグナル導入経路を介する
細胞刺激に付随する病状の進行を抑制する化合物に関する。
2.従来技術
スフィンゴミエリン経路は、いくつかのサイトカイン(TNF−αおよびIL
−1βを含む)および増殖因子(例えば血小板由来増殖因子および線維芽細胞増
殖因子)に対する細胞反応を仲介するのに必要であると考えられている細胞シグ
ナル導入経路である(例えば、Dresslerら、Science 259:1715-1718(1992);及び
Jacobs & Kester,Amer.J.Physiol.265:740-747(1993)を参照のこと)。その
ような分子と細胞表面レセプターとの相互反応が、形質膜のスフィンゴミエリナ
ーゼの活性化の引き金となると考えられている。スフィンゴミエリナーゼは、ス
フィンゴミエリンからセラミドおよびホスホコリンへの加水分解を触媒する。セ
ラミドは、プロリン誘導セリン/トレオニンキナーゼ(セラミド活性化タンパク
キナーゼ即ち“CaPK”)の活性化を介して第二のメッセンジャーとして作用
すると考えられている。セラミドはまた、MAPキナーゼおよびタンパクキナー
ゼCゼータ(例えば、Rivasら、Blood 83:2191-2197(1993)を参照のこと)、並
びにセリン/トレオニンタンパクホスファターゼとも相互作用する(Hannunら、
TIBS 20:73-77(1995)を参照のこと)。
最近の研究によって、スフィンゴミエリン経路は、TNF−αとの反応におい
て(例えば、Jayadev ら、J.Biol.Chem.270:2047-2052(1994); Dbaiboら、J
.Biol.Chem.268:17762-17766(1993)を参照のこと)、さらに照射に反応して
(Haimovitz-Friedmanら、J.Exp.Med.180:525-535(1994))細胞の老化および
アポプトシス(計画的細胞死)を仲介するのではないかという証拠が提供された
。この点についてセラミドは細胞内のプロセスにおいてTNF−αの作用を模倣
すると推測された。
発明の要旨
本発明は、スフィンゴミエリンシグナル導入経路、例えば炎症、線維症、紫外
線誘発皮膚免疫抑制、細胞老化およびアポプトシスのセラミド代謝物に対する細
胞反応を抑制する化合物の開発と使用を目的とする。
ある面において本発明は、生物学的に活性な側鎖をもつ複素環分子を含む新規
な化合物(“本発明の化合物”)からなる。プリン、プテリジン、チアジアゾロ
ピリミジン、キナロジンおよびイソキノロンをベースとした化合物が本発明に含
まれる。
本発明の化合物はcAMPホスホジエステラーゼの活性を抑制しないので、他
のTNF−α抑制物質(例えばペントキシフィリン)に付随する副作用、例えば
不眠や不安の危険性が生じない。実際驚くべきことには、本発明の化合物の中で
より強いTNF−α活性をもつ抑制物質の1つ(化合物37)は、ホスホジエス
テラーゼIV型、即ち単球および好中球で主要なホスホジエステラーゼアイソザ
イムに対する抑制効果が最も少なかった。これは、例えば37のような化合物は
メチルキサンチン構造をもたないという事実に依る。一般的なホスホジエステラ
ーゼ抑制物質の多く(例えばテオフィリン、テオブロミンおよびカフェイン)は
メチルキサンチン化合物である。
のみならず、本発明の化合物は全て、アポプトシスを抑制し、ペントキシフィ
リンよりもはるかに強くインビトロおよびインビボでTNF−αに対する細胞反
応を阻止する。予期せぬことには、少なくとも非イソキノリン化合物の能力は環
状窒素(ピリミジン系窒素以外)の存在に部分的に依存するようである。このこ
とは、これまで認められたTNF−αの活性の抑制に必要な標的レセプターへの
結合も、そのような環状窒素の存在によってある程度調節されることを示唆して
いる。さらに、該化合物の全ての作用はホスホジエステラーゼ抑制とは全体的に
無関係のようである。もし細胞内のcAMPレベルが増加することによりB細胞
のアポプトシスが誘発されるならば、このことは特に興味深い(Lφmoら、J.Imm
unol.154:1634-1643(1995))。
本発明の別の特徴は、刺激、特に細胞老化およびアポプトシスに対する刺激に
対するセラミド活性化細胞反応を抑制させるのに新規化合物を使用する方法から
なる。本発明のこの特徴は、細胞死を伴う病状、例えば卒中、心虚血、神経損傷
およびアルツハイマー病の治療に潜在的な治療的意義を有する。
本発明のまた別の特徴は、本発明の化合物のUV吸収能を活用する方法からな
る。本発明のこの特徴は、癌治療のための治療プログラムに付随するものを含む
照射性皮膚炎の治療および予防に潜在的な治療的意義を有する。
本発明の化合物は、皮膚の加齢の影響を抑制するとともに照射性皮膚炎の開始
と進行の抑制するのに特に有用であると期待される。
さらに、本明細書に含まれる本発明の利点および実施態様は以下の記載から明
白となろう。
図面の簡単な説明
図1は、細胞から血清を枯渇させることによって増殖停止を誘発した後、本発
明の3T3繊維芽細胞で細胞増殖停止を抑制したことを示す棒グラフである。細
胞を血清中で培養し集密度90%まで増殖させた。その後培養液を除去し、血清
非含有培養液と交換した。セラミドの存在下での細胞老化に対する本発明の化合
物(No.37、プテリジン系)の効果を評価するために、少量の細胞をそれぞれ
異なる濃度で培養した。化合物No.37の濃度は挿入説明文で表示され、一方セ
ラミドの濃度はx軸に表示されている。抑制効果をDNA合成量として評価した
。〔3H〕チミジンの取り込み検出をy軸に示す。
図2は、ヒト(ジャーカット)Tリンパ球における本発明による細胞アポプト
シスの抑制を示す棒グラフである。本発明の2つの化合物(No.37および6(プ
リン系))の抑制作用を、ペントキシフィリンおよびコントロール化合物、Ro2
0−1724の同じような作用と比較してテストした。スフィンゴミエリンシグ
ナル導入経路の活性化を、抗FASモノクローナル抗体(これは、細胞のアポプ
トシスの引き金となる細胞表面レセプターであるCD95と結合する)とととも
に当該細胞を培養することにより刺激した。生体染色色素エリトロシンBを排除
した細胞の数の関数として抑制%を測定した。抑制%をy軸に示し、被験化合物
の濃度をx軸に示す。
図3は、ジャーカット細胞のCaPK部分に対する本発明による活性の抑制を
示す棒グラフである。本発明の化合物(No.37)の抑制作用をセラミドまたは
抗FASのいずれかの存在下でテストした。CaPK活性の抑制をリン酸化の関
数として測定し、オートラジオグラフィーで検出した。細胞と培養した化合物を
y軸に示し、制御(コントロール)%(すなわちCaPKの抑制)をx軸に示す
。棒線が短ければ相対的抑制が大である強いことを示している。
図4(a)〜(c)は、本発明の化合物No.37、No.6、No.37とNo.6の組
み合わせ、No.37のオキソ変形型およびNo.6のオキソ変形型、並びに比較のた
めのPABA(p−アミノ安息香酸、一般的な遮光添加剤)およびイソキノリン
の吸収スペクトルの複製図である。本発明の化合物はUVB波長をほとんど吸収
する一方、No.37と6の化合物の混合物はUVB全体を吸収した。
図5(a)および(b)は、それぞれ、本発明の化合物及びコントロール化合
物で培養した細菌由来脂質多糖類(エンドトキシン)刺激ヒト単球によるTNF
−α産生に関する酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)の結果を示
す。コントロール化合物は、RO−1724であり、ホスホジエステラーゼIV
型(単球および好中球で主要なホスホジエステラーゼのアイソフォーム)の既知
の特異的抑制物質である。被験化合物は表1で割り当てたそれらの数字によって
特定されている。各グラフの水平軸は各被験化合物の量(単位、μm)を示し、
垂直軸は、化合物のみの存在下での産生に対する%としてTNF−α産生につい
てIC50値を示している。
図6は、コントロール化合物(Ro20−1724)および本発明の化合物の
いくつかによるホスホジエステラーゼIV型の活性の抑制に関してELISAア
ッセイした結果を示す棒グラフである。水平軸は、基質pmol/接触時間(分
)/ホスホジエステラーゼIV型のmgが達成した抑制の程度を示している。被
験化合物は表1でそれらに割り当てた数字で示されている。
図7は、脂質多糖類(LPS)に反応するマウス血中のインビボ白血球減少症
についてアッセイした結果を示すグラフである。LPSによって誘発される白血
球減少症はTNFによって仲介される。したがって、このモデルはTNFの産生
及び作用の双方を評価する。白血球減少症の抑制に関する被験化合物は表1で割
り当てた数で示す。グラフのx軸の数字は、液体の細胞数/mlとして検出した
白血球細胞の数に対応する。結果(棒線で示した)を、他の化合物の非存在下で
、純粋なLPSに対する白血球減少症反応(好中球含有量をベースとして)の%
として表している。
図8は、ヒト単球によるTNF−α産生に対する細胞透過性セラミド類似体(
C2セラミド)、ジヒドロセラミドおよびジアシルグリセロールの作用の本発明
の化合物(No.37)による抑制に関してアッセイした結果を示す。TNF−α
産生の抑制はELISAによって測定した。結果を、x軸のTNF−αのpg/
mlで示す。
図9は、ヒトリンパ球抽出物におけるC2セラミドまたはタンパクキナーゼC
活性の刺激作用を防止するために本発明の化合物(No.37)による抑制に関し
てアッセイした結果を示す。抑制効果はDNA合成を目安として表した。〔3H
〕チミジンの取り込み検出はy軸に示す。
図10は、脂質多糖類(LPS)に応じるヒトマクロファージによるTNF−
αのインビトロ産生、および本発明のプテリジンおよびイソキノリン化合物(No
.37および11−49)による当該産生の抑制についてアッセイした結果を示
す。グラフのx軸の数字は検出されたTNF−αの濃度(pg/ml)と対応す
る。
図11は、本発明の化合物に応じる3T3線維芽細胞でのPDGF誘発線維芽
細胞増殖の抑制を示す。被験化合物は、表1で割り当てたそれらの数字によりx
軸に示す。抑制効果はDNA合成を目安として表した。〔3H〕チミジン取り込
みの検出をy軸に示す。
図12は、本発明の化合物に応じる3T3線維芽細胞でのEGF誘発線維芽細
胞増殖の抑制を示す。被験化合物は、表1で割り当てたそれらの数字によりx軸
に示す。抑制効果はDNA合成を目安として表した。〔3H〕チミジン取り込み
の検出をy軸に示す。
図13は、化合物1C−261および1I−49によって代表される本発明の
化合物のアポプトシス防御特性を示すデータである。ヒトリンパ球を図のx軸に
表示する本発明の化合物の濃度を含む適切な量の血清中で培養した。防御効果は
、本発明の化合物の非存在下における培養細胞の生存と比較した、本発明の化合
物の存在下での培養細胞の生存の長さの関数として4日間にわたって測定した。
100%生存(y軸)は処理した細胞の総数が試験期間生存したのに対し、同じ
数の未処理細胞が死滅したことを意味する。
図14は市販のイソキノリン構造物の構造を示すが、その抑制効果を、本発明
にしたがって側鎖置換基を付加する改質前の、ヒト単球によるTNF−αの産生
についてテストした。化合物S52626−6(6,7−ジメトキシ−1(2H
)−イソキノリン、これは図10に示すように弱い抑制活性を有する)を除いて
、テストした化合物のいずれも本発明の改質前には、たとえ500μMまでの濃
度でもそのような抑制活性を示さなかった。
好ましい実施態様の記載
I.本発明の化合物
本発明の化合物は、一般に下記の模式図にしたがって調製したプリン、プテリ
ジン、チアジアゾロピリミジンおよびキナゾリンを含む。参考文献として、該化
合物の合成に用いた技術は周知のトラウベの合成プロトコル(Lister,"Purines"
,p220(Wily-Interscience刊、1971))の応用で、4,5−ジアミノピリミジンで
開始した。すなわち、(1)一般にプリンについては、Brown,“The Chemistry
of Heterocyclic Compounds:Fused Pyrimidines”第II部、プリン(1971)、pp31-
90を参照;(2)特に9−ジアザプリンについては、Foxら、J.Org.Chem.,43
:2536(1978)を参照;(3)プテリジンのためには、標準的なティミス(Timmis
)反応の記載についてはNishigaki ら、Heterocycles,15:757-759(1981); 及び
Timmis,Nature 164:139(1949)を参照(または二炭素試薬を用いたジアミノ−ピ
リ
ミジンの閉環によるプテリジン調製用の他の標準的なトラウベ様プロトコル);
および(4)ピリミジンについて、Schrage & Hitchings,J.Org.Chem.16:20
7(1951)を参照のこと。
本発明の化合物、中間体および本発明の化合物との活性の比較のためのテスト
化合物は、表1で各化合物に対して割り当てた数字を用いて下記の考察で特定す
る。
B.プリン合成
本発明のプリンは以下の一般式(I)を有する。
式中、ZはN又はCHであり;
R1は(CH2)nAであって、
AがNH2、アシルオキシ、SO3H、PO4H2、NNO(OH)、SO2
NH2、PO(OH)NH2、SO2R又はCOOR(RはH、炭素原子を1〜4
個有するアルキル、炭素原子を1〜4個有するアルケニル、テトラゾリル又はベ
ンジルである)であり、
nが飽和及び/又は不飽和炭素と炭素との結合を有する1〜7のうちのい
ずれかの原子数であって、原子として炭素に代わって酸素原子又は窒素原子を含
めることができ、その場合それぞれエーテル又はアミノ結合を形成するものであ
って、
好ましくはR1が炭素原子を1〜8個有するω−カルボキシアルキル、ω−カ
ルボキシアルケニル、又はω−カルボキシアリールであり、置換基A(上記で定
義した)として芳香族基をさらに有するものであり:
R2はH、アルキル(脂肪族及び脂環式、並びにヘテロ脂環式形態を含む)、
アルケニル、炭素原子を1〜7個有するアラルキル、又は炭素原子を1〜7個有
するω−ヒドロキシアルキルであり;
R3はR2と同じであり;及び
XはH、ハロゲン、OH、SH、OR’、又はSR’であり、R’が炭素原子
を1〜4個有するアルキル、アルケニル、フェニル又はベンジルである。
これらの化合物を下記の合成模式図にしたがって合成する(これについては実
施例でさらに詳細に述べる)。
模式図1
(プリン)
3つの基本的な合成プロトコルを模式図1に用いた。即ち、方法A
一般に、O−6アルキル化に代わってN−1アルキル化が確実に生じるような
条件下で、テオブロミンを出発材料として用いた。化合物4〜8、10および1
1(表I)を本方法によって調製した。特に化合物10および11はアルキル化
法の変形によって調製した。即ち、テオブロミンをまず臭素付加して、8−ブロ
モテオブロミン(化合物9)を生成し、その後アルキル化した。8−ブロモ置換
基をNaSHで置換し、対応する8−チオキソ誘導体(化合物12および13)
を得た。方法B
この方法は、上記で引用したトラウベのプリン合成プロトコルを本質的にベー
スにしている。本方法を用いて、N−7位にアルキル基を持たない1,3,8−
三置換キサンチンを調製した。この方法では、N−1置換ピリミジンをN−3位
でアルキル化した。プリン環の形成は、ニトロソを触媒水素化によりアミンに還
元するニトロセーション(nitrosation)、次いで尿素またはエチルキサントゲン
酸カリウムを用いて閉環することによって完了し、化合物24および25(それ
ぞれ8−オキソおよび8−チオキソ誘導体)を提供する。本プロトコルの詳細な
説明を実施例で提供する。方法C
この方法を用いて、N−3プロピルプリンを調製した。用いた出発材料は、ナ
トリウムエトキシドの存在下でシアン酢酸エチルで縮合したn−プロピル尿素で
、中等度の収量で6−アミノ−1−プロピルピリミジンジオンを得た。市販の3
−
n−プロピルキサンチンもまた出発材料として用いることができた。
閉環は、閉環工程で炭素源として酢酸ジエトキシメチルを用いた点を除いて方
法Aで述べたように実施した。続いて連続アルキル化をハロゲン化アルキルを用
いて実施し、最終化合物31(エチル4−(2,3,6,7−テトラヒドロ−2
,6−ジオキソ−7−メチル−3−n−プロピル−1H−プリン−1−イル)ブ
タン酸)を得た。本プロトコルの詳細な説明を実施例で提供する。
C.プテリジン合成
本発明のプテリジンは以下の一般式(II)を有する。
式中、R1は(CH2)nAであって、
AがNH2、アシルオキシ、SO3H、PO4H2、NNO(OH)、SO2
NH2、PO(OH)NH2、SO2R又はCOOR(RはH、炭素原子を1〜4
個有するアルキル、炭素原子を1〜4個有するアルケニル、テトラゾリル又はベ
ンジルである)であり、
nが飽和及び/又は不飽和炭素と炭素との結合を有する1〜7のうちのい
ずれかの原子数であって、原子として炭素に代わって酸素原子又は窒素原子を含
めることができ、その場合それぞれエーテル又はアミノ結合を形成するものであ
って、
好ましくはR1が炭素原子を1〜8個有するω−カルボキシアルキル、ω−カ
ルボキシアルケニル、又はω−カルボキシアリールであり、置換基A(上記で定
義した)として芳香族基をさらに有するものであり:
R2はH、アルキル(脂肪族及び脂環式、並びにヘテロ脂環式形態を含む)、
アルケニル、炭素原子を1〜7個有するアラルキル又は炭素原子を1〜7個有す
るω−ヒドロキシアルキルであり;
R4はR2と同じか、OH又は炭素原子を1〜5個有するO−アルキルであり;
R5はR2と同じか、OH又は炭素原子を1〜5個有するO−アルキルであり;
及び
ZはN又はCHである。
これらの化合物を下記の合成模式図(これについては実施例でさらに詳細に述
べる)にしたがって合成する。
模式図II
(プテリジン)
方法C(上記)を簡易な方法として選択して、この群におけるO−アルキルよ
りむしろN−アルキルを製造した。方法Cはその終わりで以下のように改変した
。
プテリジンの合成は前駆体としてオルトジアミノピリミジンをベースとした。
オルトジアミン(化合物33および28)の閉環を、二炭素源(例えばグリオキ
サール)を用いて達成し、化合物34および35(N−1置換プテリジン)を得
た。方法Aで述べたようにN−3でのアルキル化によって所望のプテリジン(化
合物36〜38)を製造した。さらに、閉環工程で3,4−ヘキサンジオンを用
いることにより、より親油性の誘導体(化合物41;6,7−ジエチルプテリジ
ン)を生成した。ジメチルアセチレンジカルボキシレートで化合物22を縮合す
ることにより、化合物39(1,3−ジアルキルプテリジン)を生じる一方、化
合物27をフェネチルアミンで処理し、続いてアルキル化を実施することによっ
て化合物43(6−フェニルジアキルプテリジン)を生じた。後者のプロトコル
はともにティミス反応を利用して所望の生成物を得た。これらのプロトコルの詳
細な説明を実施例で提供する。
D.チアジアゾロ−ピリミジン合成
本発明のチアジアゾロピリミジンは下記の一般式(III)を有する。
式中、R1は(CH2)nAであって、
AがNH2、アシルオキシ、SO3H、PO4H2、NNO(OH)、SO2
NH2、PO(OH)NH2、SO2R又はCOOR(RはH、炭素原子を1〜4
個有するアルキル、炭素原子を1〜4個有するアルケニル、テトラゾリル又はベ
ンジルである)であり、
nが飽和及び/又は不飽和炭素と炭素との結合を有する1〜7のうちのい
ずれかの原子数であって、原子として炭素に代わって酸素原子又は窒素原子を含
めることができ、その場合それぞれエーテル又はアミノ結合を形成するものであ
って、
好ましくはR1が炭素原子を1〜8個有するω−カルボキシアルキル、ω−カ
ルボキシアルケニル、又はω−カルボキシアリールであり、置換基A(上記で定
義した)として芳香族基をさらに有するものであり:及び
R2はH、アルキル(脂肪族及び脂環式、並びにヘテロ脂環式形態を含む)、
アルケニル、炭素原子を1〜7個有するアラルキル又は炭素原子を1〜7個有す
るω−ヒドロキシアルキルである。
これらの化合物を下記の合成模式図(実施例でさらに詳述される)にしたがっ
て合成する。
模式図III
(チアジアゾロピリミジン)
方法C(上記)を簡易な方法として選択して、この群におけるO−アルキルよ
りむしろN−アルキルを製造した。方法Cはその終わりで以下のように改変した
。
ピリミジンの合成は前駆体としてオルトジアミノピリミジンをベースとした。
オルトジアミンの閉環を、ピリジンの存在下で塩化チオニルで処理することによ
って達成した。これら中間体のアルキル化によって化合物47および48(二置
換ピリミジン)を製造した。このプロトコルの詳細な説明を実施例で提供する。
E.イソキノリン合成
本発明のイソキノリンは以下の一般式(IV)を有する。
式中、R2は(CH2)nAであって、
AがH、NH2、アシルオキシ、SO3H、PO4H2、NNO(OH)、S
O2NH2、PO(OH)NH2、SO2R又はCOOR(RはH、炭素原子を1〜
4個有するアルキル、炭素原子を1〜4個有するアルケニル、テトラゾリル又は
ベンジルである)であり、
nが飽和及び/又は不飽和炭素と炭素との結合を有する1〜7のうちのい
ずれかの原子数であって、原子として炭素に代わって酸素原子又は窒素原子を含
めることができ、その場合それぞれエーテル又はアミノ結合を形成するものであ
って、
好ましくはR1が炭素原子を1〜8個有するω−カルボキシアルキル、ω−カ
ルボキシアルケニル、又はω−カルボキシアリールであり、置換基A(上記で定
義した)として芳香族基をさらに有するものであり:
R3はH、アルキル(脂肪族及び脂環式、並びにヘテロ脂環式形態を含む)、
又は炭素原子を1〜7個有するω−ヒドロキシアルキルであり;
R4はH、OH、NH2又は炭素原子を1〜7個有するO−アルキルであり;
R6はH、OH、NO、NO2、NH2、炭素原子を1〜7個有するO−アルキ
ル、又はXであり(ここでXはH、ハロゲン、OH、SH、OR’、又はSR’
であり、R’は炭素原子を1〜7個有するアルキル、アルケニル、フェニル又は
ベンジルである);及び
R7はH、OH、NO、NO2、NH2、炭素原子を1〜7個有するO−アル
キル、又はXである(ここでXはH、ハロゲン、OH、SH、OR’、又はSR
’であり、R’は炭素原子を1〜7個有するアルキル、アルケニル、フェニル又
はベンジルである)である。
これらの化合物はアルドリッチケミカル社(Akdrich Chemical)からイソキノ
リンを購入し、本発明のプリン、プテリジンおよびチアジアゾロピリミジン化合
物に関して上記並びに実施例で述べる環状構造に側鎖を付加して合成した(図1
4参照)。6,7−ジメトキシ−1(2H)−イソキノリン化合物(Aldrich No
.S52626-6)のみが、上記の側鎖付加前にTNF−α産生に対してある抑制効果
を有していた(実施例7参照)。
F.キナゾリン合成
本発明のキナゾリンを以下の模式図により合成し、その構造を化合物52に表
す。
模式図IV
(ジデアザプテリジンまたはキナゾリン)
化合物52(キナゾリン誘導体;エチル4−(1−メチル−2,4−ジオキソ
キナゾル−3−イル)ブタン酸)を以下のように製造した。
本発明の出発材料は、N−メチルイサト酸無水物であった。本プロトコルの詳
細な説明を実施例で提供する。
II.本発明の化合物の使用方法
式IからIVの化合物を哺乳類ホストに投与して、TNF−αおよびIL−1
産生並びにセラミド仲介シグナル導入経路の活性化に伴う細胞反応を阻止するこ
とができる。特に、本発明の化合物を哺乳類に投与して、標的細胞内のホスホジ
エステラーゼの活性を抑制することなく、または該細胞内のジアシルグリセロー
ルレベルに影響を与えることなく該標的細胞内においてセラミド依存細胞内生化
学経路の活性化を阻止することができる。本明細書で例証するように、本発明の
方法は、刺激単球によるTNF−αの産生を低下させることによって、炎症およ
び線維組織の過剰形成に対する防御を提供するという用途が特に期待されている
。本明細書でさらに例証するように、本発明の化合物(特にイソキノリンおよび
プテリジン)は、例えば外傷(例えば照射性皮膚炎)および加齢(例えば皮膚お
よび他の器官の加齢)の結果として生じる細胞老化または細胞のアポプトシスに
対する防御を提供するうえでもまた有効であろうと期待されている。本明細書に
おいて、“〜に対する防御を提供する”という語句は、セラミド仲介、スフィン
ゴミエリンシグナル導入経路によってその細胞への伝達が全体として、または部
分的に促進される刺激(シグナル)に対する細胞反応を臨床上著しく抑制するこ
とを意味する。
したがって本発明の目的のためには、スフィンゴミエリン経路を介するセラミ
ド仲介シグナル導入に応じる炎症、線維芽細胞増殖、細胞老化および細胞アポプ
トシスは、“セラミド関連”病状であると考えられる。当業者は、特異的なセラ
ミド関連病状の特性および兆候を熟知し、また容易にこれを確認することができ
、さらに本明細書で例証するものの他に当該病状の兆候の改善(例えば血清中の
TNF−αレベルの低下および症状の改善)を特定することができるであろう。
投与のために、本発明の化合物を、好ましくは医薬的に許容可能なキャリア中
で製剤化される。そのようなキャリアとして、非水溶液の滅菌水溶液、懸濁液お
よび乳濁液が含まれる。非水溶媒の例として、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール、オリーブオイルのような植物油およびオレイン酸エチルのよう
な注射可能な有機エステルが挙げられる。水性キャリアとして、水、アルコール
性/水溶液、食塩水および緩衝媒体を含む乳濁液または懸濁液が挙げられる。
非経口ビヒクルとして、塩化ナトリウム溶液、リンゲルのデキストロース、デ
キストロース及び塩化ナトリウム、乳酸リンゲル溶液または固定油が挙げられる
。静脈内用ビヒクルとして栄養物補液、電解質補液(例えばリンゲル氏デキスト
ロースをベースとしたもの)などが挙げられる。保存料および他の添加物、例え
ば
抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガスなども加えることができる。
典型的な固形キャリアとして乳糖、白陶土、蔗糖、タルク、ゼラチン、寒天、
ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、微晶質セ
ルロース、ポリマーヒドロゲルなどが挙げられる。同様に、キャリアまたは希釈
剤として当業界で周知のいずれの有効時間延長剤、例えばモノステアリン酸グリ
セリルまたはジステアリン酸グリセリルを単独で又はワックスと合わせたもの、
マイクロカプセル、微小球、リポゾームおよびヒドロゲルを挙げることができる
。更に参考として、当業者は「レミントンの薬科学」(Remington's Pharmaceuti
cal Sciences)を参照することができる(この文献は、好適な医薬キャリアに関
して当業界の知識を例示するために、参考として本明細書に含まれる)。
広範囲の製剤形態を用いることができる。したがって、固形キャリアを用いる
場合、該調製物をタブレット化するか、硬質ゼラチンカプセルに粉末もしくはペ
レット状に封入するか、またはトローチ、ロゼンジもしくは坐剤の形状とするこ
とができる。液体キャリアを用いる場合、該調製物を液状、例えばアンプルとす
るか、または水性もしくは非水性懸濁液とすることができる。徐放性皮膚貼付薬
による局所投与もまた適切な薬剤形態である。
本発明の化合物の投与量は、年令、体重および処置を受けるホストの症状、並
びに投与する個々の化合物の効能によって変動するであろう。そのような変数は
臨床分野の当業者には容易に理解されよう。特に、投与量は、処置される症状の
重篤度および本発明の医薬製剤の標的細胞への接近の容易さにしたがって増減さ
れるであろう。可能な場合には、標的細胞部位に局所的に、例えば炎症を起こし
ている皮膚に、またはホストの別の器官に輸液によって本発明の医薬製剤を投与
するのが好ましい。したがって、投与量はまた投与経路によっても左右され、さ
らに本発明の製剤の希釈またはクリアランス前に該製剤が標的細胞に到達すると
予想される程度によって変動する。好ましい投与経路は、局所投与、局所注射、
または非経口輸液によるが、経口および静脈内経路もまた利用できる。
一般に、外部刺激(例えばペントキシフィリン)に対する細胞内反応の他の抑
制物質に関する経験および本明細書で提供するデータを基に、体重が約60kg
の成人ホストで、約500〜約4000mg/日、好ましくは約1000〜約3
500mg/日の投与量の範囲で良好な結果が期待される(すなわち“治療上有
効量”)。これらの投薬は、炎症および線維症のための他の病状の医薬的治療、
例えば非ステロイド性抗炎症性医薬の投与と併用することができる。
本発明の化合物は効能に差がある。各化合物の効能の要約を上記の表1で提供
する(これらは、LPSに対する細胞内反応、すなわちTNF−α産生の抑制%
として表され、この場合純粋なLPSに対する反応を100%とし、かつTNF
−α産生を50%まで抑制するのに必要な本発明の化合物の濃度として測定して
いる)。当業者には、投与される個々の化合物の効能にしたがって、本発明の化
合物の増減が必要となることは理解されよう。
III.本発明の化合物の治療上有効な類似体の同定方法
当業者は、構造的には同一ではないが同じ生物学的活性を有する、本明細書で
特に記載した化合物の類似体を開発する手段を熟知しているであろう。そのよう
な化合物は本発明の範囲内にあり、下記および実施例で述べるプロトコルにした
がって同定することができる。
制御条件下で本発明の化合物に細胞を曝すことによって、炎症性薬剤に対する
細胞の反応性およびその細胞内メカニズムを調べることができる。このような情
報によって特定の刺激に対する細胞反応に必要な細胞内経路の解明が容易になる
だけでなく、抗炎症性および抗線維症性治療化合物の特定にもまた役立つであろ
う。
例えば炎症および線維症のようなセラミド関連病状を治療するために用いる治
療化合物を同定し選別するために、炎症性または線維芽細胞増殖誘発性薬剤(例
えばLPS、TNF−α、IL−1、PDGF)に曝されたことがない細胞(ま
たはミクロソームのような細胞内成分)をそのような薬剤および治療用候補化合
物に曝す。特にコントロール細胞群は、既知量の炎症性又は線維芽細胞増殖誘発
性薬剤と培養した。治療細胞群を同量の炎症性又は線維芽細胞増殖誘発性薬剤と
ともに少量の治療用候補化合物に曝す。各群における炎症性反応または線維芽細
胞増殖を、当業者に既知の通常の手段(例えば実施例で述べるアッセイ工程)に
よって検出し、比較する。
細胞老化およびアポプトシスのセラミド関連病状を治療するために用いる治療
用化合物を同定し選別するために、老化またはアポプトシス誘発性薬剤(例えば
TNF−αのようなサイトカインおよび例えば熱、照射および化学薬剤のような
外来刺激)に曝されたことがない細胞(またはミクロソームのような細胞内成分
)をそのような薬剤および治療用候補化合物に曝す。老化またはアポプトシスの
抑制は細胞増殖の関数として測定される。当業者は、そのような測定値を得るた
めの技術を熟知しているであろう。その例を下記に提供する。
“治療上有効な化合物”とは、本発明および適切な医学的慣行にしたがって投
与される場合に、セラミド関連病状を誘発する薬剤に対する細胞の反応について
コントロールの値と比較したとき、セラミド関連病状に対する防御を細胞に提供
する化合物である。
本発明をこれまで充分に説明してきたが、その実施について具体例を下記に詳
述する。しかしながら、これらの具体例は本発明の範囲を限定するためのものと
解釈すべきではなく、当該範囲は添付の請求の範囲によって限定される。
実施例では、“min”は分を指し、“hrs”および“h”は時間を指す。
測定単位(例えば“ml”)は標準的な略語により表され、“mp”は融点を指
す。
実施例1
血清依存細胞の血清欠乏後の細胞老化の抑制
多くの種類の細胞が増殖について血清因子に依存している。したがって、その
ような細胞から血清を除去することによって、細胞内セラミド仲介シグナル導入
に対する細胞反応を調節する化合物の評価用モデルが提供される。特に、血清依
存細胞培養から血清を排除することによって、内在性セラミドの細胞内レベルの
増加がもたらされ、内在性ジアシルグリセロールの細胞内レベルもまた増加する
(例えばJayadev ら、J.Biol.Chem.,270:2047-2052(1995)を参照のこと)。
セラミド関連病状に対する本発明の化合物のインビトロでの抑制効果を調べる
ために、この血清除去モデルを用いた。具体的には、10%ウシ胎児血清の存在
下、96ウェルマイクロタイタープレートのDMEM中に3T3線維芽細胞を播
種した。細胞を集密度90%まで培養した。
培養基を除去し、細胞を洗浄して血清非含有DMEMで再培養した。化合物No
.
37および細胞透過性セラミドをウェルに化合物No.37濃度をそれぞれ0、4
、40または 400μMおよびセラミド濃度を0、5または10μMで添加した。24時
間培養した後、〔3H〕チミジンを 0.5μCi各ウェルに2時間添加した。〔3H
〕チミジン取り込みの検出について通常の技術を用いて被験細胞集団のDNA合
成を調べた。このアッセイの結果を図1に示し、本発明の化合物(化合物37に
よって代表される)の細胞老化の抑制効果を確認する。
実施例2
CD95刺激後の細胞アポプトシスの抑制
細胞表面レセプターCD95(Fas/Apo−1抗原としても知られている
)の嵌合は細胞のアポプトシスを引き起こす。DX2は機能的な抗FAS(CD
95)抗体であり、CD95と結合して、スフィンゴミエリン加水分解のSmア
ーゼ触媒作用及びセラミド産生を活性化する(DX2について、Cifoneら、J.E
xp.Med.177:1547-1552(1993)を参照のこと。この文献の開示内容はDX2抗体
について知りたいときに参考として本明細書に含まれる)。したがって、CD9
5の結合はスフィンゴミエリンシグナル導入経路を介するアポプトシス誘発のた
めのモデルである。
セラミド仲介細胞アポプトシスに対する本発明の化合物の抑制効果を評価する
ために、ヒトTリンパ芽球(ジャーカット)を2×106細胞/mlでインスリ
ン、トランスフェリン、セレニウムおよびグルタミンを補充したRPMI−16
40に懸濁した。化合物No.37、化合物No.6、ペントキシフィリンまたはコン
トロール化合物(Ro−1724)のいずれかと室温で2時間培養した後、抗F
AS抗体を25ng/ml各懸濁液に加えた。さらに2時間後、細胞アポプトシス
を生体染色色素エリトロシンBを排除する細胞数(血球計数器で数えた)の関数
として測定した。実験の結果を図2に示し、これによって本発明の化合物(化合
物No.6およびNo.37、特に後者によって代表される)のアポプトシス抑制効果
を確認する。
ヒトリンパ球の細胞死に対する本発明の化合物の抑制効果を調べるために、ヒ
ト末梢血リンパ球を健常人の血液から単離し、プラスチック基材に付着させるこ
とによって単球を除去した。その後、10%自己血漿を含むRPMI−1640
培養液で開始濃度2×106細胞/mlでリンパ球を培養した。細胞サンプルを
少量分割し、サンプルの1/2を化合物37または化合物IL−49(イソキノ
ロン、その構造を実施例7に示す)と4日間培養した。サンプルの残りの半分を
4日間そのままにした。4日後の細胞の生存度をエリトロシンB色素排除によっ
て血球計数器で求めた。
図13に示すように、濃度を増加させると本発明の化合物(化合物37および
IL−49によって代表される)は、未処理リンパ球の生存率と比較したとき細
胞のサンプル集団を細胞死から100%まで防御した。
実施例3
セラミド活性化タンパクキナーゼの活性の抑制
セラミド活性化タンパクキナーゼ(CaPK)は97kDaタンパク質であり、
もっぱら膜に結合し、スフィンゴミエリンシグナル導入経路で役割を果たすと考
えられている。特に、CaPKは、上皮性増殖因子レセプターのThr669を取
り囲むアミノ酸配列(すなわちアミノ酸663−681)由来のペプチドのリン
酸化を仲介すると考えられている。この部位はまた、ミトゲン活性化キナーゼM
AP(また細胞外シグナル調節キナーゼ類としても知られている)によって認識
される。したがって、細胞内でのCaPK活性に対する本発明の化合物の効果は
、スフィンゴミエリン経路におけるシグナル導入で該化合物が具現する効果を示
している。
最終的に、ジャーカット細胞を、実施例2に記載したようにRPMI培養液に
2×106細胞/mlで懸濁した。2時間培養後、化合物37、セラミド20μm
または抗FAS抗体DX225ng/mlのいずれかを各懸濁液に加え、15分
間培養した。遠心分離及び洗浄後、ダウンスホモジナイザーで細胞を別々に均質
化した。
各テストサンプルのセラミドキナーゼレベルを、Liu ら、J.Biol.Chem.269
:3047-3052(1994)(この文献の開示内容は、セラミドキナーゼのアッセイでの使
用及び参考として本明細書に含まれる)に記載されるようにアッセイした。簡単
に記せば、各テストサンプルの均質化した処理細胞から超遠心および10%PA
GEゲルでの分離によって膜分画を分離した。このゲルを塩酸グアニジンで洗浄
し、HEPES緩衝液中で変性から復元させた。続いて、〔32P〕−ATPをゲ
ルに添加し10分保持した。その後、5%TCAでゲルを充分に洗浄した。自家
リン酸化キナーゼをオートラジオグラフィーによって検出した。このアッセイの
結果を図3に示し、本発明の化合物(化合物37によって代表される)のCaP
K抑制効果を確認する。
実施例4
本発明の化合物によるUVBの吸収
照射(特にUVB波長における)はヒトの皮膚損傷(アポプトシスを含む)の
主要な原因である。上記のどこかで述べたように、スフィンゴミエリンシグナル
導入経路は、照射によって誘発される皮膚症(照射性皮膚炎、日焼けおよび皮膚
のランゲルハンス細胞の照射性損傷によるUVB誘発免疫抑制(例えば、:Haim
ovitz-Friedmanら、J.Exp.Med.180:525-535(1994)「イオン化誘発照射に対す
る細胞反応」;Kurimoto & Streileinら、J.Immunol.145:3072-3078(1992)「
UVB曝露による皮膚の免疫抑制」を参照のこと)進行の少なくとも初期段階に
おいて重要であると考えられている。したがって、照射によるスフィンゴミエリ
ンシグナル導入経路の刺激に対する細胞反応を抑制し、かつ露出部位に局所的に
投与できる化合物は、照射曝露(例えば太陽光線または照射に対する曝露による
)に伴う損傷を阻止するうえで極めて有益であろう。
本発明の照射吸収能を評価するために、本発明の化合物(No.6および37、
それぞれ単独、組合せ、さらに8−オキソ誘導体として)の紫外線スペクトルを
調べ、市販の遮光性添加剤(PABA)およびイソキノリンと比較した。スペク
トルを、KONTRON分析装置を用いて同定した。図4に示したように、本発
明の化合物(化合物No.6およびNo.37によって代表される)は殆どのUVB領
域を吸収し、照射を吸収する効能を示した。驚いたことに、化合物No.6およびN
o.37の混合物はUVB領域全体を吸収することが分かった。したがって、化合
物6に較べて化合物37がいくらか強い吸収特性を有するとしたら、1:1の比
率の混合物または化合物37が多い混合物は、照射を吸収し細胞でのその影響を
阻止することについて実質的に相乗効果を有することが論理的に期待できる。
実施例5
本発明の化合物によるTNF−α産生の抑制
図5(a)で示すように、炭素数2〜5個の長さのN−1鎖を有する本発明の
化合物は、インビトロでのTNF−α産生の抑制で特に有用である一方、長さが
炭素数約4個のN−1鎖(末端エステルをもつ)はこの点において(コントロー
ル化合物と比較した場合;図5(b))最適であるようである。さらに、エステ
ル化化合物は、カルボキシル基をもつ対応物よりも一層顕著な効果を有するTN
F−α産生抑制物であった。これらのデータを以下のようにして得た。
健常人血液から末梢血の単核細胞をハイパークフィコール(Hypaque-Ficoll)
密度勾配で単離した。単離細胞の一部をゼラチン被覆フラスコに付着することに
よってさらに精製した。
単球 100μl容量を96ウェルマイクロタイタープレートの10%ウシ胎児血清
を含むRPMI−1640培養液中に5×105細胞/mlの密度で播種した。2
4時間培養後、種々の濃度の被験化合物(図5)を播種細胞に100μl容量で添
加し、1時間培養した。培養後、LPS1μg/mlを各ウェルに添加した。
播種細胞をLPSに曝露してから18時間後に 100μlの培養液を各ウェルから
採集し、標準物質として組換えヒトTNFを用いてTNF−αの遊離についてE
LISAによってアッセイした。アッセイの感度は10〜100pg/mlの範囲で
あった。
実施例6
本発明の化合物によるホスホジエステラーゼIV活性の比較的低い抑制
図6に示したように、本発明の化合物のホスホジエステラーゼ活性の抑制効果
とTNF−α活性の抑制効果との間には殆ど相関性は認められないようである。
例えば、TNF−α産生のインビトロ抑制で最も活性の高い化合物(No.37)
は、たとえマイクロモルの濃度でもホスホジエステラーゼに対して極めて弱い抑
制物質しかない。
これらのデータによって、本発明の化合物は、ホスホジエステラーゼを標的と
せずにTNF−α産生を制御することことがわかる。結果を以下のようにして得
た。
反応をPDEの添加で開始し、37℃で10分間培養し、その後2分間沸騰させて
停止した。0.1M HEPES/0.1M NaCl(pH 8.5)の 500μlを各試
験管に加え、その後反応混合物をボロネートカラムにかけた。未反応cAMPを
HEPES/NaClで洗い流し、さらに反応混合物を酢酸で溶出した。回収を
〔14C〕−AMPで測定した。
実施例7
LPSに応じるインビトロおよびインビボの白血球減少症および
本発明の化合物によるその抑制
図7〜9および表Iに示すように、本発明の化合物は、LPS、TNF−αの
既知誘発物質に対する細胞反応を効果的に低下する。セラミドの存在下で、本発
明の化合物のLPS誘発白血球減少症(接着分子のうちP−選択類のTNF−α
誘発表面発現に依存する現象)の抑制作用が増大した(図7)。しかしながら、
本発明の化合物の抑制作用は本質的にジアシルグリセロールによって影響を受け
ず(図8)、本発明の化合物の作用態様はホスファチジン酸の加水分解に依存し
ないことを示している。これらのデータを下記のようにして得た。
被験化合物の白血球減少症抑制能は、雌のICRマウス(6〜8週、体重19〜
23g)にLPS 0.5μgの食塩水溶液を腹腔内投与することによって測定した。
LPSを投与する1時間前に、被験化合物を50mg/kgの投与量で(等張食塩
水溶液中)腹腔内注射することによってマウスに投与した。LPS注射後2時間
してから、各マウスから血液 200μlをヘパリン化試験管に採集し、有核細胞の
総数を血球計数器で求めた(図7および9)。
ジャーカット細胞(5×108/ml)の1%トリトン−X100抽出物を用い
て、カルシウム非依存タンパクキナーゼ活性を測定した。反応混合物は、20mM
トリス(pH 7.5)、MgCl2 20mM、 200,000cpmの〔γ32P〕ATPを
含むATP20μMおよびミエリン塩基性タンパク質(Myelin Basic Protein)50
μMからなる。抽出物を、A)化合物37、B)セラミド10μM存在下、非存在
下での化合物37、C)セラミド、またはD)ジヒドロセラミドとともに15分間
予備培養し、その後基質およびATPを添加し、30℃で5分間培養した。有核細
胞の総数を血球計数器で測定した(図9)。同じプロトコルを実施して、図8に
示した結果を得た(テスト混合物のいくつかにジアシルグリセロールを添加した
)。
ヒト細胞でのLPS誘発TNF−α産生に関してその抑制効果について、本発
明のイソキノリン化合物をまたインビトロで調べた。この化合物、1I−49の
構造を下記に記載する。
ヒトマクロファージを96ウェルマイクロタイタープレートで培養し、LPS
とともに培養した。その後、刺激細胞を少量、1I−49をそれぞれ 0.1、1、
10、100 または1000μm、化合物37および市販のイソキノリン(アルドリッチ
ケミカル社の6,7-ジメトキシ−1(2H)-イソキノリンであって、図10ではS52-62
6-6と表示)と培養した。当該市販のイソキノリンは、本発明の化合物のように
、環状窒素に対してオルト位に酸素を有するが、本発明の化合物と異なり上記の
ように側鎖置換基がない(1L−49は、上記のどこかで述べたように側鎖置換
基を有する本発明のイソキノロン化合物の代表である)。各化合物の抑制効果を
TNF−α減少の関数としてpg/mlで測定した。実験結果を図10に示し、
本発明の化合物(1I−49および化合物37に代表される)は、ヒトの細胞で
LPS誘発TNF−α産生の減少に関して抑制効果を有することを確認する。調
べた他のイソキノリン(図14)は、本発明にしたがって付加される側鎖基の不
存在下では抑制活性を示さなかった。
実施例8
LPSに応じる線維芽細胞の増殖と本発明の化合物によるその抑制
図11に示すように、PDGF誘発線維芽細胞増殖は、本発明の化合物によっ
て選択的に抑制された。さらに、当該化合物は、調べた細胞のEGF誘発有糸分
裂に変化をもたらさないという点において、細胞増殖抑制性を示さず、細胞毒性
も示さなかった。これらのデータを以下のように得た。
マウス線維芽細胞株、3T3細胞(American Type Culture Collection #CCL
92)を完全な培養液中で96ウェルマイクロタイタープレートに播種し融合する
まで増殖させた。その後培養液を溶液を含まない血清に置き換え、細胞を24時間
培養した。その後、ヒトPDGFまたはEGFを5ng/ml各ウェルに添加す
る前に、被験化合物を細胞とともに1時間培養した。さらに24時間後、〔3H〕
チミジンを1μCi各ウェルに添加した。4時間後、細胞をガラス線維フィルタ
ーに集め、〔3H〕チミジンの細胞取り込みを液体シンチレーション計測によっ
て測定した(図11および12)。
実施例9
化合物2、4〜8および10〜13の合成
化合物4〜8、10、11(方法A)のための一般的アルキル化工程:
テオブロミンまたは8-ブロモテオブロミン(2mmol)を無水K2CO3(2.5mmol)
および乾燥DMF(15ml)と合わせ、この混合物を75℃に加温した。適切なハ
ロゲン化アルキル(2.5mmol)を加え、混合物を75℃で2〜18時間攪拌した。反応
混合物を冷却し、水(125ml)に注ぎ、さらに酢酸エチルで抽出した(2×75
ml)。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させて無色の油状または白
色の固形物を得た。この固形物をエチルエーテルで粉砕した。得られた固形物、
しばしば分析上純粋なものを所望により少量のエタノールで結晶化させることに
よってさらに精製することができる。収量58〜89%。化合物15〜17、31、
36〜38、41、43、47および48(下記に記載)を、テオブロミンの代
わりに適切な前駆体を用いてこれと同じ工程で調製した。
化合物12および13のための一般的チエーション(thiation)工程:
8-ブロモキサンチン10または11(0.25mmol)を無水エタノール(10ml)に
懸濁し、加熱還流した。NaSH.H2Ox(2.5mmol)を加えると、混合物はほ
ぼ瞬間的に緑色透明になった。混合物を還流下で30分間攪拌し、冷却してシリカ
ゲル上で蒸発させた。5〜7%MeOHのCH2Cl2溶液を用いたフラッシュカ
ラムクロマトグラフィーによって、12及び13を白色固形物としてそれぞれ63
%および75%の収量で得た。註記:化合物13は、反応条件下でのトランスエス
テル化のためにエチルエステルであることが 1H NMRで分かった。
1H NMRスペクトルおよび元素分析または正確な質量分析データは指定の
構造と一致した(表2および下記実施例13を参照)。
実施例10
化合物24、25、31および中間体の合成
ピリミジンの一般的C−ニトロソ化工程(化合物18〜20、27および32)
:
ピリミジン(15mmol)を1N HCl(30ml)に懸濁し、亜硝酸ナトリウム水
溶液(10ml中に20mmol)を10分かけて攪拌しながら滴下した。懸濁液はほぼ瞬
時にオフホワイトから紫色に変化した。1時間攪拌を続け、アンモニア水でpH
5に調整し、乾燥後75〜90%の収量で紫色の固形生成物を得た。 1H NMRで
特徴的なC−5プロトンの欠落が各化合物について明らかになった(表2)。5-
ニトロソから5-アミノピリミジンへの還元のための一般的工程(化合物21〜2
3、28および33):
5-ニトロソピリミジン(15mmol)を水(50ml)に懸濁し、80〜90℃に加熱した
。攪拌しながら、ヒドロ亜硫酸ナトリウム(45mmol)を5分かけて一部分ずつ添加
した。急速に紫色から淡い緑に変化した。さらに10分間攪拌を続けた。混合物を
氷で冷却し濾過した。濾過固形物を冷水、ETOHおよびEt2Oで洗浄し、70
〜88%の収量で褐色から青緑色の固形物としてオルトジアミンを得た。
1−n−ヘキシル−3−メチル尿酸中間体(24)の合成:
ニトロソピリミジン19(270mg、1.06mmol)を加温しながらエタノール(2
0ml)に溶解し、炭素上のパラジウム(75mg、10%)をアルゴン下で添加し
た。水素化を室温で15psiで2時間実施し、触媒を除去するために濾過し、蒸
発乾固した。残留物を尿素(600mg、10mmol)と合わせ、攪拌しながらホット
プレートで手際よく加熱した。透明な融解物を生じる 140℃に温度を上げ、さら
に尿素を1g添加して約10分間維持した。冷却して融解物を固形化し、1N N
aOH(25ml)に溶解し、脱色炭素とともに10分間煮沸し、濾過して熱いうち
にpH3〜4に酸性化した。得られた沈澱物を冷却後集め、水で洗浄して乾燥し
、24を以下の特性を有するオフホワイト固形物として 160mg(57%)得た:
mp>290℃分解。 1H NMR(500MHz,DMSO-d6)d 11.80 及び10.73(2s,2H,N-7
H,N-9H),3.78(t,2H,N-CH2),3.30(s,3H,N-CH3, H2O シグナル下),1.48(m,2
H, 2'CH2),1.24(m,6H,3',4',5' CH2),0.85(t,3H,CH3)。分析結果:C12H18
N4O3(C,H,N; 表2)。
3−メチル−8−チオ尿酸(25)中間体の合成:
ピリミジンジアミン33(100mg、0.63mmol)をエチルキサントゲン酸カリ
ウム(810mg、5mmol)およびDMF(10ml)と合わせ、100℃に加熱した。懸
濁液はほぼ瞬時に緑色になり、反応は30分後にTLCによって終了させた。
1時間の全反応時間後、混合物を冷却し、濾過してEt2Oで洗浄し乾燥してオ
フホワイトの固形物(310mg)を得た。これは、おそらく未反応のエチルキサン
トゲン酸カリウムと所望の生成物のカリウム塩を含んでいた。この固形物を水(
5ml)に懸濁し、加熱して溶解した。氷酢酸をpH5になるまで添加して、激
しい発泡が認められた。白色の固形物が生成され、これを温めながら濾過し、水
、その後エタノールで洗浄して乾燥し、99mg(79%)の表題の化合物を得た。1
H NMR(DMSO-d6)d 13.40,12.92 および11.80(3br s,3H,NHs),3.28(s,
3H,CH3)。分析結果:C6H6N4O2S(C、H、N;表2)。
3−n−プロピルキサンチン(29)中間体の合成:
ピリミジンジアミン28(750mg)を酢酸ジエトキシメチル(7ml)と合
わせ、80℃で2時間加熱した。混合物を蒸発乾固し、水(5ml)を加えて混合
物を20分間ほぼ沸騰するまで加熱した。その後、得られた溶液をゆっくりと蒸発
させオフホワイトの結晶を得た。収量680mg(86%);mp 282-284℃、Lit 15
291-292℃。
実施例11
化合物36−39、41および43並びに中間体の合成
ピリミジンジアミンからプテリジンへの閉環のための一般的工程:
オルトジアミン28および33(2mmol)を水(20ml)に懸濁し、さらに、
グリオキサール−重亜硫酸ナトリウム付加生成物溶液(水25mlに10mmol)を攪
拌しながら添加する前に70℃以上に加熱した。青緑色の懸濁液は徐々に淡黄土色
となり透明になった。5分間加熱後、TLCで反応が終了したことが示された。
混合物を冷却し、酢酸エチルで抽出し(5×40ml)、MgSO4上で乾燥し、
蒸発させて1−メチル(34)または1−n−プロピルプテリジン(35)をそ
れぞれ71%および78%で得た。 1H NMRによって、双方の化合物について、
2つの芳香環シグナルの出現を約8.74および8.55のダブレット(J=2.5Hz)として
示された。
6,7-ジエチル−1-メチルプテリジン−2,4-ジオン(40)中間体の合成:
化合物33(200mg、1.27mmol)をアセトニトリル(5ml)に懸濁し、3,4
-ヘキサンジオン(185μl、1.52mmol)を添加した。混合物を70℃で15分間加熱
し
て、33の不溶性により最小限の生成物が形成された。したがって、DMF(3
ml)および水(3ml)を加え、温度を 100℃に上げた。全反応時間90分後、
混合物を冷却し、水(100ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×75ml)で抽出した
。有機層をMgSO4上で乾燥し、さらに蒸発させて無色の結晶性生成物を得た
。収量 240mg(81%);mp 218-222℃; 1H NMR(DMSO-d6)d 11.78(br
s,1H,NH),3.46(s,3H,NCH3),2.95 および2.93(2q,4H,エチルの2CH2),
1.28および1.23(2t,6H,エチルの2CH3)。分析結果:C11H14N4O2(C、H
、N;表2)。
1−メチル−6−フェニルプテリジン−2,4−ジオン(42)中間体の合成:
ニトロソピリミジン32(220mg、1.28mmol)をフェネチルアミン塩酸塩(1.5
g、9.5mmol)と完全に混合し、ホットプレート上で開放ビーカーで加熱した。
約 160℃で数分後、紫色の反応混合物は溶解して褐色のペーストとなった。TL
Cによって多くの生成物が認められたので、スルフォレイン(1ml)を加え、
加熱を15分間継続した。反応混合物を水(10ml)中で加熱し、その後水50ml
に希釈し、さらに酢酸エチルで抽出(2×50ml)し、有機層をMgSO4上
で乾燥させその後濃縮した。残留物を4%メタノールのCH2Cl2溶液を用いて
シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにかけた。淡黄橙色の固形物とし
て42を75mg(23%)得た。mp>307℃分解; 1H NMR(500MHz、DMSO-d6
)d 11.95(brs,1H,NH),9.37(s,1H,C-7H),8.17(m,2H,2',6'フェニル),
7.55(m,3H,3',4',5'フェニル)、3.51(s,3H,NCH3)。分析結果:C13H10
N4O2(C、H、N;表2)。
実施例12
化合物44、47および48の合成
ピリミジンからチアジアゾロ−ピリミジンへの閉環のための一般的方法(化合物
44〜46):
オルトジアミン23、27または32(2.3 mmol)を乾燥アセトニトリル(5m
l)に懸濁し、乾燥ピリジン(1.5ml)を加えた。塩化チオニル(1ml、3.7
mml)を迅速に加え、透明で暗色になった混合物を60℃で10分間加熱した。その
後混合物を冷却し、1N HCl(40ml)に攪拌しながら注ぎ入れた。生じた
黄色溶液を酢酸エチルで抽出(3×40ml)し、MgSO4上で乾燥し、さらに
蒸発させて淡黄色固形物を得た。これをエーテルで粉砕した。収量65〜74%。
これら中間体のアルキル化によって二置換生成物47および48を得た。
実施例13
化合物50および52の合成
エチル4−〔(2−メチルアミノ)ベンゾイル〕アミノブタノエート(51):
無水N−メチルイサト酸(3.5g、19.8mmol)の混合物を乾燥DMF(50ml)
中で4−アミノ酪酸(2.5g、24.3mmol)と合わせ、100℃で2時間加熱した。TL
Cによって反応の終了を確認し、真空中でDMFを除去した。残留物をエステル
化に直接用いた。残留物を100%エタノール(50ml)に溶解し、クロロトリメ
チルシラン(2.5ml、20mmol)を加えて、エステル化を行った。混合物を65℃で
6時間加熱し、その後蒸発させて褐色のシロップを得た。粗生成物は無水イサト
酸から87%で得られた。7%メタノールのCH2Cl2溶液を用いて調製用TLC
で少量のサンプルを特性決定と生物学的テストのために精製した。材料の残りを
化合物52の調製のために直接用いた。分析結果:C14H20N2O3(C、H、N
;表2)。
エチル−1−メチル−1,4−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−3(2H)−キナ
ゾリンブタノエイト(52):
51の残留物をエチルクロロホルメート(10ml)と合わせ、90℃で1時間加熱
した。混合物を冷却し、飽和重曹水溶液(50ml)に攪拌しながら注ぎ入れ、10
分後に酢酸エチルで抽出した(2×75ml)。有機層をMgSO4上で乾燥し、
さらに蒸発させて褐色のシロップを得た。粗生成物を3%メタノールのCH2C
l2溶液を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにかけて濃厚な
油として52をg(%)得た。 1H NMR(500MHz,DMSO-d6)d 7.27-7.42(2
m,4H,C-5,6,7,8),4.04(t,2H,エチルのCH2),3.88(m,2H,NCH2),3.11(s
,3H,NCH2),2.33(t,2H,2'CH2),1.71(m,2H,3’CH2)。分析結果:C15H18
N2O4(C、H、N;表2)。
本発明を十分に記載してきたが、当業者にとって、それらを変更することは明
白であろう。そのような変更は添付の請求の範囲に規定する本発明の範囲内に包
含される。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/52 AED A61K 31/52 AED
AGZ AGZ
C07D 217/24 C07D 217/24
475/02 475/02
487/04 140 487/04 140
513/04 351 513/04 351
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B
Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES
,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,
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V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ
,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,
SK,TJ,TM,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 コッタム、ハワード ビー.
アメリカ合衆国 92028 カリフォルニア
州 ホールブルック ホワイト ホース
レーン 208
(72)発明者 ワッソン、ディー.ブルース
アメリカ合衆国 92109 カリフォルニア
州 サンディエゴ ベリル ストリート
ナンバー1 935