JPH11502407A - 共優性で媒介される毒素 - Google Patents

共優性で媒介される毒素

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JPH11502407A JP8526307A JP52630796A JPH11502407A JP H11502407 A JPH11502407 A JP H11502407A JP 8526307 A JP8526307 A JP 8526307A JP 52630796 A JP52630796 A JP 52630796A JP H11502407 A JPH11502407 A JP H11502407A
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バーシヤブスキ,アレクサンダー
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カリフオルニア・インステイテユート・オブ・テクノロジー
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Abstract

(57)【要約】 共優性で媒介される毒素と称される新規のクラスの治療的試薬が開示される。これらの試薬は(1)エフェクタードメイン、(2)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置される第一の共優性のシグナル部分、および(3)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置される第二の共優性のシグナル部分、を包含する。細胞内の試薬の結合によるシグナル部分を遮蔽するおよび遮蔽を除く能力ならびにシグナル部分の共優性が、以前に達成できなかった選択性を有する新規のクラスの試薬をデザインするのに活用される。

Description

【発明の詳細な説明】 共優性で媒介される毒素 発明の背景 異常な細胞は、タンパク質組成を包含する多様な点でそれらの正常な祖先およ び同じ生物体の他の細胞と異なる。例えば、ウイルスに感染した細胞はウイルス 特異的なタンパク質を含有し、ある細胞タンパク質のレベルもまたウイルス感染 の結果として変えられる。それらの最初の出現部位およびそれらがコロニーを作 ることが可能である離れた部位で増殖し得る癌細胞は、遺伝子発現のパターンで それらの正常の祖先と異なる。腫瘍特異的なタンパク質のいくつかは正常なタン パク質の変えられた異形であり、そこでそれらはその突然変異が悪性の表現型の 原因のひとつであった遺伝子によりコードされる。 ウイルスゲノムは比較的少ないタンパク質をコードする。これらのタンパク質 の大部分はウイルスが感染する細胞で機能的な対照物を有するため、有効な抗ウ イルス薬は、全般に、到達されるべき最終目標のままである。外科手術単独によ り除去され得ない悪性腫瘍で、課題に従事して薬物を見出すという問題はより複 雑でさえある。なぜなら、腫瘍細胞とその正常な祖先との間の組成の差異はとら えにくくかつ質的よりはむしろ量的であり得るからである。加えて、腫瘍細胞は しばしば遺伝子的におよびタンパク質組成で不均一である。これらの困難は、大 部分の癌を治癒させる今日の治療の失敗の主な理由である。問題は必ずしも薬物 の不十分な特異性でない。癌療法で使用される細胞毒性化合物のいくつか、例え ばメトトレキセートおよびビンブラスチン(それぞれジヒドロ葉酸還元酵素およ びチューブリンに結合する)は、それらのリガンドに 高度に特異的である。問題は、ただ1個の薬物の標的が、除去されるべき細胞タ イプを十分にはっきりと明らかにしないことがあるということである。 癌療法への別のアプローチは、腫瘍細胞の表面上の標的に結合する抗体もしく は別のリガンド(例えば成長因子)への毒素の結合を必要とする。イムノトキシ ンもしくはキメラトキシンと呼ばれるこれらの薬物の腫瘍選択性は、メトトレキ セートのような小さな細胞毒性薬物のそれよりしばしば大きい。不幸なことに、 イムノトキシンが認識する表面マーカーは、標的細胞上にのみ存在するわけでは ない。さらに、このマーカーはしばしば腫瘍形成性に不可欠でないため、マーカ ーを欠くがしかしなお悪性である細胞が腫瘍中に存在しうる。これらは今日のイ ムノトキシンの限界のいくつかである。 さらに別のアプローチは、腫瘍細胞を同定しかつ選択的に破壊する免疫系の力 を増強するもしくは向け直すことである。癌の免疫療法は長くかつ真偽を確かめ られた歴史を有する。抗原呈示およびリンパ球で媒介される細胞殺害の理解の進 歩によりもたらされた、この戦略の最近の復活は、合理的かつ治癒力のある療法 の見込みを保持する。この最終目標は到達されるべきままであるため、免疫系の 理性的な操作が大部分の癌の完全かつ確実な治癒に十分であると判明するであろ うということは、なお少しも確実でない。 発明の要約 主題の発明は、危険な細胞を除去する(もしくは修飾する)ための新規のかつ 一般に適用できる一連の方法および試薬の発見に基づく。本発明は、ひとつの局 面で、共優性で媒介される毒素と称される新規のクラ スの治療的試薬に関する。これらの試薬は、(1)エフェクタードメイン、(2 )第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第一の共優性シグナル 部分、および(3)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二 の共優性シグナル部分を包含する。細胞内の試薬の結合によりシグナル部分を遮 蔽するおよび遮蔽を除く能力ならびにシグナル部分の共優性が、以前に達成でき なかった選択性を有する新規のクラスの試薬をデザインするのに活用される。 別の局面では、本発明は、第一のタンパク質および第二のタンパク質の双方を 含有することが既知である細胞の分裂を選択的に鎮めるもしくは排除する方法に 関する。この方法では、1)エフェクタードメイン、2)第一のタンパク質の結 合ドメインに近接して配置された第一の共優性デグロン、および3)第二のタン パク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性デグロンをコードする DNA構築物が提供される。当該DNA構築物は、細胞内デグロン依存性でリガ ンドで調節される毒素の発現に適切な条件下に細胞中に導入される。 図面の簡単な説明 第1図は、細胞内デグロン依存性でリガンドで調節される毒素(intracellula r degron-dependent,ligand-regulated toxinからインデリン(indelin)と命名 される)を示す図解である。タンパク質P1およびP2を発現する[P1+P2+ ]細胞を殺すがしかし他の細胞タイプすなわち[P1+P2-]、[P1-P2+] および[P1-P2-]を救うようにデザインされたインデリンは、細胞毒性のエ フェクタードメイン、ならびに、それぞれP1およびP2に結合する2個のドメ インP1*およびP2*内にもしくは近くに置かれた2個の分解シグナル(デグロ ン) d1およびd2を含有する。[P1+P2+]以外の細胞では、最低1個のインデ リンのデグロンすなわちd1および/もしくはd2が活性(妨げられない)であ り、寿命の短い、そして従って相対的に非毒性のインデリンをもたらす。対照的 に、[P1+P2+]細胞では、d1およびd2の双方がP1およびP2(それぞ れインデリンのP1*およびP2*ドメインに結合された)により遮蔽されるとみ られ、寿命の長い、そして従って毒性のインデリンをもたらす。このデザインは 、P1、P2およびインデリンが同じ区画、すなわちその中でインデリンの毒性 ドメインがその効果を発揮するもの(それはサイトゾル、核、および/もしくは 別の区画であり得る)に存することを必要とする。加えて、デグロンd1および d2は関連する区画で活性でなくてはならない。それらは同一であってもなくて もよく、このデザインはいずれかの選択と矛盾しない。 第2図は、細胞内トランスロケーションシグナル依存性でリガンドで調節され る毒素(intracellular translocation signal-dependent,ligand regulated t oxin からイントラリン(intralin)と命名される)を示す図解である。(A)[ P1+P2+]細胞を殺すがしかし他の細胞タイプすなわち[P1+P2-]、[P 1-P2+]および[P1-P2-]を救うようにデザインされたイントラリンは、 サイトゾルで毒性であるがしかし核で毒性でないエフェクタードメインならびに それぞれP1およびP2に結合する2個のドメインP1*およびP2*内にもしく は近くに置かれた2個の核局在化シグナル(NLS)を含有する融合物である。 [P1+P2+]以外の細胞では、インデリンのNLSの最低1種が活性(妨げら れない)であり、核の、そして従って非毒性のイントラリンをもたらす。対照的 に、[P1+P2+]細胞では、双方のNLSがP1お よびP2(それぞれイントラリンのP1*およびP2*ドメインに結合された)に より遮蔽されるとみられ、サイトゾルの、そして従って毒性のイントラリンをも たらす。[P1+P2+]細胞では、P1およびP2は少なくともサイトゾルに配 置されなくてはならない。(B)Aと同じであるが、しかし、イントラリンのエ フェクタードメインは核で毒性であるがしかしサイトゾルでは毒性でない。この イントラリンは、2種のサイトゾルタンパク質すなわちP1およびP2の少なく とも1種を欠く[P1+P2-]、[P1-P2+]および[P1-P2-]細胞を殺 すとみられるが、しかし、P1およびP2の双方を含有する[P1+P2+]細胞 を救うとみられる。 第3図は、ハイブリッドの共優性で媒介される毒素(codominance-mediated t oxin からコムトキシン(comtoxin)と命名される)を示す図解である。ハイブリッ ドコムトキシンは、核で活性であるがしかしサイトゾルで活性でないエフェクタ ードメイン、ドメインP1*内もしくは近くに置かれたデグロン、およびドメイ ンP2*内もしくは近くに置かれた核局在化シグナル(NLS)を含有する。P 1*およびP2*は、それぞれ細胞内タンパク質P1およびP2に結合する。図解 に記述されるように、このコムトキシンはもっぱら[P1+P2-]細胞を殺すと みられる。これはP1を含有するがしかしP2を欠く。これらの細胞では、P1 は少なくとも核に配置されなくてはならないが、一方、P2はサイトゾルタンパ ク質でなくてはならない。別の拘束は、デグロンd1は少なくとも核で活性でな くてはならないということである。[P1+P2+]細胞での実際に指摘されるコ ムトキシンの状況は、P1がサイトゾルおよび核の双方に存在すること、ならび に、デグロンd1がこれらの区画の双 方で活性であることを必要とする。P1が主として核に存在する場合、もしくは d1が核でのみ活性である場合、このコムトキシンの代謝特性は指摘されたもの と異なるとみられるが、しかしその選択性(もっぱら[P1+P2-]細胞を殺す )は同じままであるとみられる。 第4図は分裂毒素を示す図解である。このデザインで、毒性のエフェクタード メインの2個のサブドメインは、その配列が細胞内タンパク質P1の結合部位を 含有する挿入物により分離される。他のコムトキシンのP1*ドメインと異なり (第1−3図)、分裂コムトキシンのP1結合部位は、それがP1により結合さ れない限りコンホメーション的に可動性のままである比較的短い(ペプチドの大 きさの)領域であるはずである。このデザインがはたらくためには、毒性ドメイ ンのサブドメイン間の親和性がそれらの相互作用を本質的に可逆的にするのに十 分小さくあるべきである。毒素のサブドメイン間の可動性の挿入物は、細胞内タ ンパク質P1もしくはP2のいずれかの結合が活性の毒素の再構成を障害するの に十分であろうように配置されたP1およびP2の2個の結合部位もまた含有し 得る。結果として生じるコムトキシンは、もっぱらP1およびP2の双方を欠く 細胞を殺すとみられる。他の分裂毒素のデザインは別の場所で挙げられる。 発明の詳細な説明 本発明は、多細胞生物体中の危険な細胞を除去するもしくは修飾するための新 規のかつ一般に適用できる戦略の同定に基づく。この戦略の主な考えは、例えば タンパク質および核酸のような生体高分子に存する多様なシグナルにより表され る共優性の特性に基づく。論考を簡単にするため、本発明に関するタンパク質シ グナルおよびそれらの使用が例とし て使用されるであろう。当業者は、本明細書に記述される原理は、例えば核酸に 関する応用に移すことができ、そしてそうした拡張は本発明の範囲内にあること を認識するであろう。タンパク質シグナルは、分解シグナル(デグロン)および 核局在化シグナル(NLS)を包含する多様なトランスロケーションシグナルを 包含するが、しかしこれらに制限されない。NLSは、細胞のサイトゾルから核 内に輸送される能力をタンパク質に与える。 タンパク質に存在する2個のシグナルは、これらのシグナルのそれぞれが当該 タンパク質の他のシグナルと独立にかつそれによる重大な妨害なしに当該タンパ ク質に対するその影響を発揮し得る場合に、共優性と命名される。下により詳細 に記述されるように、この発明の主な考えは、共優性のシグナル部分、タンパク 質相互作用ドメインおよびエフェクタードメインの合理的かつ新規の複合が、以 前に達成されなかった選択性を有する新規のクラスの薬物の創造をもたらし得る ということである。これらの新規の製薬学的試薬は本明細書でコムトキシン(共 優性で媒介される毒素)と称され、また、特定の例が第1−4図に示される。 第1図は分解シグナルをもつコムトキシンを示す。このクラスのコムトキシン は本明細書でインデリン(細胞内デグロン依存性でリガンドで調節される毒素) と称されるであろう。「細胞タイプ」とラベルがつけられた第1図の左側の欄は 、問題の細胞中の第一のタンパク質もしくはポリペプチド(P1)または第二の タンパク質もしくはポリペプチド(P2)の非存在(P1-もしくはP2-)また は存在(P1+もしくはP2+)のいずれかを指摘する。右側の欄は、コムトキシ ンの必要とされる3個の要素のそれぞれを略図形式で示す。右側の欄に示される タイ プの融合タンパク質は、とりわけ、その融合タンパク質をコードする適切な発現 ベクターを細胞内に導入することにより細胞内に送達される。細胞内への発現ベ クターの導入の後に、コードされた融合タンパク質の転写および翻訳が続く。こ の例では、毒性ドメインは、少なくとも細胞のサイトゾルで毒性であるタンパク 質もしくはポリペプチドである。 第1図のコムトキシンのN末端ドメインは、第一の細胞内タンパク質の結合ド メイン(P1*)に近接して配置された第一のデグロン(d1)を含む。N末端 ドメインおよび毒性ドメインにより隣接されるドメインは、第二の細胞内タンパ ク質の結合ドメイン(P2*)に近接して配置された第二のデグロン(d2)を 含む。第一および第二のタンパク質は、右側の欄でそれぞれP1およびP2とし て指摘される。 第1図のコムトキシンについては、融合タンパク質の2個の二者択一の代謝的 運命が可能である。すなわち、融合タンパク質は寿命が短いか寿命が長いかのい ずれかである。融合タンパク質の寿命が長い場合、毒性ドメインを含有するコム トキシンは、細胞を殺すのに十分な時間の間細胞質に残存するであろう。融合タ ンパク質の寿命が短い場合、毒性ドメインは、コムトキシンのデグロンすなわち d1およびd2の1種もしくは双方のいずれかを認識しかつ標的とする、高度に プロセシングする(processive)ユビキチン依存性のタンパク質分解経路により分 解されるであろう。融合物の寿命が長いか短いかは、細胞のサイトゾルでのP1 もしくはP2の存在もしくは非存在に依存する。細胞にP1もP2も存在しない 場合、融合タンパク質は、妨げられない(遮蔽が除かれる)デグロンd1および d2の存在のため寿命が短い。P1もしくはP2のいずれかが存在するがしかし 双方ではない場合、融合タンパク質は、2種 の共優性デグロンのうち1種が妨げられない(遮蔽が除かれる)ままであり、か つ、コムトキシンの分解を合図するその能力を保持するであろうという事実のた め、なお寿命は短い。しかしながら、P1およびP2の双方が存在する場合、双 方のデグロン(d1およびd2)は立体的に遮蔽されるであろうし、そして、融 合タンパク質の寿命は長いであろう。かように、第1図のコムトキシンは、P1 およびP2の双方を発現する細胞を殺すが、しかしP1および/もしくはP2を 欠く細胞を救うようデザインされる。 コムトキシンのデザインの別の例が第2図に図解的に示される。「細胞タイプ 」とラベルがつけられた第2図の左側の欄は、問題の細胞中の第一のタンパク質 (P1)もしくは第二のタンパク(P2)の非存在(P1-もしくはP2-)また は存在(P1+もしくはP2+)のいずれかを指摘する。第2図のパネルAはサイ トゾル特異性の毒性ドメインをもつコムトキシン分子に関する一方、パネルBは 核特異性の毒性ドメインをもつコムトキシン分子に関する。第2図に描かれた全 てのコムトキシン分子で、細胞内シグナルドメインは核局在化シグナル(NLS )である。立体的に遮蔽されない最低1個のNLSをもつコムトキシン分子はサ イトゾルから核に輸送されるであろう。 かように、第2図のパネルAに示されたコムトキシンは、サイトゾルにP1も P2も存在しない場合、または、P1もしくはP2のいずれか(しかし双方では ない)が存在する場合に核に輸送されるであろう。このコムトキシンの毒性ドメ インはサイトゾル特異性であるため(下を参照)、その毒性効果は、コムトキシ ンがサイトゾルに保持される場合に、およびその場合にのみ、生じるであろうし 、また、これは、双方の共優 性のNLSが立体的に遮蔽される場合のみ(すなわちP1およびP2の双方がそ の細胞のサイトゾルに存在する場合のみ)起こるであろう。第2図に示されたタ イプのコムトキシンは、本明細書でイントラリン(細胞内トランスロケーション シグナル依存性でリガンドで調節される毒素)と称される。 第2図のパネルBは、イントラリンのエフェクタードメインが核で毒性である がしかしサイトゾルではそうでない逆の状況を示す(下を参照)。 このタイプのイントラリンは、P1もしくはP2またはそれらの双方を欠く細胞 を殺すとみられる。すなわち上で考察されたイントラリンのそれと反対の選択性 である(第2A図対第2B図)。実際、NLSをもつコムトキシンは、P1およ びP2の双方がサイトゾルに存在する場合に、およびその場合にのみ、その細胞 のサイトゾルに留まり、イントラリンの双方のNLSを遮蔽するとみられる(第 2B図)。かように、インデリン(デグロンをもつコムトキシン)(第1図)は もっぱらP1およびP2の双方を含有する細胞を殺す一方、その毒性ドメインが 核特異的であるイントラリン(第2B図)はもっぱらこれらの細胞を救う。予め 決められた一連のタンパク質を欠く細胞を標的とする能力は重要である。なぜな ら、癌細胞は、これらの細胞の正常の祖先に存在するある調節タンパク質(「腫 瘍サプレッサー」)を欠く(もしくは機能的に不活性なその異形を含有する)か らである。 ただ1個のP*タイプドメインをもつ第1および2図の構築物の対照物がイン デリンもしくはイントラリンとして機能し得ることに注目すべきである。しかし ながら、これらの構築物はまだコムトキシンではない (共優性の力学は1個より多いP*ドメインを必要とする)。同時に、これらの 新規構築物のリガンドで制御される毒性はコムトキシンのそれに類似であるとみ られる。かように、コムトキシンをデザインすることにおいて天然の中間体であ ることに加え、ただ1個のP*タイプドメインをもつインデリンもしくはイント ラリンは、ただ1個の細胞内標的に特異的な薬物としてもまた使用され得る。 ただ1個のP*タイプドメインをもつ本発明の条件付きの(conditional)毒素が 新規のドラッグデザインもまた代表することが強調されるべきである。それらの 選択性は1個のタンパク質標的に制限される一方、この標的は、今日のイムノト キシン(キメラトキシンともまた呼ばれる)の細胞表面で発現される標的と対照 的に、細胞内性である。本発明のただ1個のP*タイプドメインの条件付きの毒 素は、多P*タイプドメインのコムトキシンの構築での「天然の」中間体であり 、そして、ただ1個の予め決められた細胞内タンパク質を標的とすることが、与 えられた治療もしくはインビトロの哺乳動物細胞培養系での細胞毒性の細胞の選 択の最終目標に十分である条件下で、薬物としてもまた有用であるはずである。 本明細書でハイブリッドコムトキシンと称される別のタイプのコムトキシンが 第3図に図解的に示される。このタイプのコムトキシンはデグロンおよびNLS シグナル部分の双方をもつ。第3図に示されるこのクラスの最も単純なコムトキ シンは、核で毒性であるがしかしサイトゾルではそうでないエフェクタードメイ ン、ドメインP1*内もしくはその近くに置かれたデグロン、およびドメインP 2*内もしくはその近くに置かれたNLSを含有する。前のように、P1*および P2*ドメインは、 それぞれ、細胞内タンパク質P1およびP2に結合することが可能であるはずで ある。しかしながら、「純粋な」インデリンもしくはイントラリン(第1および 2図)と対照的に、この「ハイブリッド」コムトキシンは、もっぱら、核タンパ ク質P1を含有するがしかしサイトゾルタンパク質P2を欠く細胞を殺すとみら れる。というのは、そうした細胞でのみ、コムトキシンは核性(なぜならそのN LSはP2の非存在により遮蔽されない)かつ寿命が長い(なぜならそのデグロ ンはP1-P1*複合体により遮蔽される)の双方であるとみられる。 デグロンおよびNLSをもつコムトキシン(第3図)は、P1およびP2の双 方が核タンパク質である場合に[P1+P2-]細胞を他の細胞タイプと見分ける のに失敗するとみられる。第4図はその選択性の形式がとりわけこの問題に取り 組むクラスの条件付きの毒素を図解する。そのサブドメインがコンホメーション 的に可動性の挿入物により(表面のループで)分離されるただ1個のドメインの タンパク質は、(ほぼ)正常のコンホメーションを採用し得る。このコンホメー ションでは、挿入物はフォールディングしたドメインの外側に突き出ている。例 えば、76残基のタンパク質ユビキチンのインビボでのフォールディングは、ユビ キチンの2個のサブドメイン間の部位での関連のない80残基の配列の挿入により 実際に混乱されないことが示された(ジョンソン(Johnsson)とワルシャウスキ(V arshavsky)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91: 10340(1994))。「分裂」毒素の 考え(第4図)は、これらおよび類似のデータから、ならびにまた、タンパク質 の2個のサブドメイン間の挿入物のコンホメーション的可動性の程度がタンパク 質のフォールディングの動力学および平衡の局面の双方に影響を与え得るという 概念からも生じる。 とりわけ、コンホメーション的に固定した挿入物は、タンパク質のサブドメイン 間の相互作用を混乱させもしくは排除すると予測されるとみられる。 第4図の略図によると、毒性のドメインの2個のサブドメインは、細胞内タン パク質P1の結合部位(P1*)を含有する配列により分離される。他のコムト キシンのP1*ドメイン(第1−3図)と異なり、分裂コムトキシン(第4図) のP1*部位は、それがP1により結合されない限り、コンホメーション的に可 動性のままである比較的短い「ペプチドの大きさ」(約10ないし約40残基)の領 域であるはずである。第4図の構築物はP1を欠く細胞で毒性であるが、しかし P1を含有する細胞では相対的に非毒性であるとみられる。毒素のサブドメイン 間の可動性の挿入物は、細胞内タンパク質P1もしくはP2のいずれかの結合が 活性の毒素の再構成を障害するの十分であるとみられるように配置されたP1お よびP2の2個の結合部位もまた含有し得る。結果として生じるコムトキシンは 、もっぱら、P1およびP2の双方を欠く細胞を殺すとみられる。(ただ1個の P1結合部位を含有する分裂毒素は新規のデザインおよび有用な治療薬を代表す る一方、それは厳密な定義ではまだコムトキシンではないことに注目されたい。 なぜなら、共優性および多タンパク質結合部位は今までのところここで必要とさ れないからである。最も単純な「真の」分裂コムトキシンは、タンパク質P1お よびP2の最低2個のタンパク質結合部位を含有するとみられる。用語法を簡単 にするため、第4図に示される構築物は「コムトキシン」ともまた称されるであ ろう。) 分裂コムトキシンがはたらくためには、毒性ドメインのサブドメイン 間の親和性がそれらの相互作用を本質的に可逆的にするのに十分小さくあるべき である。これは、毒性ドメインのP1との遭遇前に、その不可逆的活性化を排除 するとみられる(第4図)。毒性ドメインのサブドメイン間の親和性は、必要な 場合は、ユビキチンのサブドメイン間の親和性を調整するのに使用されているも のと類似の突然変異的変更により調整され得る(ジョンソン(Johnsson)とワルシ ャウスキ(Varshavsky)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91: 10340(1994))。 分裂毒素のデザインのひとつの特定の例は、バルナーゼすなわち細菌バチルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)により分泌されるリボ ヌクレアーゼを利用する。バルナーゼはジスルフィド結合を欠く110残基のタン パク質である。それはタンパク質の構造およびフォールディングのモデルとして 広範囲に研究されている。とりわけ、バルナーゼの2個の断片(残基1−36およ び残基37−110)が、混合の際に再会合し、ほぼ正常な構造および熱安定性をも つ活性の酵素を形成し得ることが示されている(サンコ(Sanco)とフェルシュト( Fersht)、J.Mol.Biol.224: 741(1992))。これらの知見、ならびにバルナー ゼの三次元構造の知識、および上に引用された分裂ユビキチンの類似の研究(ジ ョンソン(Johnsson)とワルシャウスキ(Varshavsky)、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA 91: 10340(1994))は、バルナーゼの残基36および37の間に挿入された可動性 のペプチドリンカーがバルナーゼの2個のサブドメインの会合および合体に際し てフォールディングしたバルナーゼの球体の外側に突き出るとみられることを指 摘する。 活性のバルナーゼの再構成を調整する分裂毒素のP1結合部位(第4図)とし て機能するとみられるペプチドリンカーが多様な候補配列から 選ばれ得る。例えば、予め決められた配列の状況にリン酸化されたチロシン残基 を含有する10−15残基長さの合成ペプチドが、特定のタンパク質のいわゆるSH 2ドメインと密な複合体を形成し得ることが示されている(フェルダー(Felder) ら、Mol.Cell.Biol.13: 1449(1993))。SH2ドメインは、膜貫通レセプタ ーのサイトゾルに曝される領域を包含する多様な調節タンパク質に存在する。S H2ドメインの共通の特徴は、ホスホチロシン残基を含有する配列と密な複合体 を形成するそれらの能力であり、それぞれのSH2ドメインはホスホチロシンを 含有する特定の配列モチーフを認識する。かように、バルナーゼの2個のサブド メインを連結しかつSH2を含有する特定の細胞内タンパク質に結合する比較的 短い(10−20残基)リンカー配列をもつ分裂バルナーゼを含む分裂毒素が本発明 の条件付きの分裂毒素として機能するとみられる。この毒素の活性は、SH2を 含有する細胞内タンパク質のペプチドリンカーへの結合により調整され、そのコ ンホメーション(結合されたSH2ドメインの非存在下に可動性であり、その存 在下に比較的固定している)が、活性のバルナーゼの再構成の効率およびこれ故 にバルナーゼに基づくこの分裂毒素の全体の活性を決定するとみられる。 より複雑な分裂コムトキシンは、例えば、P1およびP2の双方が核タンパク 質である場合でさえ[P1+P2-]細胞を他の細胞タイプと区別するようデザイ ンされ得る。P1結合性の、分裂毒素のエフェクタードメイン(第4図)に加え 、このコムトキシンは、条件付きでないNLS、P2*ドメインすなわち核タン パク質P2のリガンド、および、P2とP2*との間の複合体により遮蔽され得 る隣接したデグロンもまたもっとみられる。この分裂コムトキシンは、もっぱら 、核タンパク質P 2を含有するがしかし核タンパク質P1を欠く細胞を殺すとみられる。というの は、そうした細胞でのみ、コムトキシンの寿命が長く(なぜならデグロンはP2 -P2*複合体により遮蔽される)かつ活性の毒性ドメインをもつ(なぜなら毒性 ドメインのサブドメインの間のP1*を含有する挿入物は、P1により結合され ず、そして従って可動性のままである)とみられるからである。これらのデザイ ンのサイトゾル特異的な異形もまた可能である。他のポリマー、例えばRNAも またリガンド結合ドメイン中にフォールディングし得、かつ、デグロンのような シグナルをもち得るため、核酸に基づくコムトキシンもまた実行可能であるはず である。 コムトキシンの特定の例を論考したので、それらの要素をより完全に論考する ことが重要である。好ましい態様において、コムトキシンは、最低3要素すなわ ち(1)エフェクタードメイン、(2)第一の細胞内タンパク質の結合ドメイン に近接して配置された第一の共優性細胞内シグナル部分、および(3)第二の細 胞内タンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性細胞内シグナ ル部分、を包含するアミノ酸コポリマー(例えば融合タンパク質)である。第一 のおよび第二の細胞内タンパク質が異なるという厳密な必要条件は存在しない。 加えて、この文脈で使用される場合、「細胞内タンパク質」という用語は、細胞 内のペプチドおよびポリペプチドもまた包含すると理解されるべきである。以前 に論考されたように、コムトキシンのインビボの半減期および/もしくは細胞内 の局在に影響することによりコムトキシンの選択性を決定するのは、第一のもし くは第二の共優性細胞内シグナル部分に近接して配置されたそれらの結合部位へ の第一もしくは第二のタンパク質の 結合である。 コムトキシンは、予め決められた配列の同一性を有するアミノ酸コポリマーを 産生する既知の方法のいずれかにより産生され得る。しかしながら、コムトキシ ンを構築しそして産生する好ましい方法は組み換えDNA技術を採用する。そう した慣習的技術の使用により、必要とされるコムトキシン要素をコードするDN Aが生物学的起源(1種もしくは複数)から単離され、そして部位特異的変異誘 発法のような技術を使用して必要なように修飾される。 好ましくは、必要とされる機能を与えるアミノ酸区分(例えば、ペプチド、ポ リペプチドもしくはタンパク質)をコードするのに必要とされる最小の数のヌク レオチドが採用される。コムトキシン分子の必要とされる要素のそれぞれは容易 にアッセイ可能であるため、機能的なコムトキシン要素をコードするであろうD NA断片の最小の長さを決定することはルーチンの実験の問題である。結果とし て生じるDNA断片は、標準的な組み換えDNA技術を使用して一緒に連結され 、必要とされるコムトキシン要素の全てを含む融合タンパク質に翻訳される読み 取り枠を生じる。過去10年にわたり、多くのアミノ酸配列が、ドメイン間のリン カー、すなわち、血流、細胞間空隙および細胞内部に存在するエンドプロテアー ゼに比較的抵抗性のポリペプチド鎖の親水性かつ可動性の区分を形成する配列と して使用可能であることが示されている。適するリンカーのとりわけ広範囲の収 集物は、一本鎖抗体のデザインから出現し、その中でリンカー配列はL鎖の抗原 結合ドメインを類似のH鎖ドメインに連結する。 上に記述されたように調製された読み取り枠は、転写プロモーターお よび発現に必要とされる他の配列を包含するDNA発現ベクター中に挿入される 。多くの入手可能な選択可能なもののなかからの発現ベクターの選択は、主に、 発現が所望される細胞タイプに依存する。下でより十分に論考されるように、真 核生物の発現ベクターが多くの応用に好ましい。 あるいは、コムトキシンは、細菌(例えば大腸菌(E.coli))中で原核生物の 発現ベクターの仲介によりそれを発現し、結果として生じる過剰発現されたタン パク質を精製し、そして精製されたタンパク質を標的細胞と直接接触させること によってもまた産生され得る。この様式で使用のために産生される場合、コムト キシンは、細胞のサイトゾル中へのそのトランスロケーションを可能にする付加 的なドメインもまたもつはずである。(明瞭さの目的のために、「細胞質」とい う用語はその核の外側の細胞の内部を示し、一方、「サイトゾル」は細胞質中に 存する、膜に囲まれた他の区画の外側の細胞質の環境であることが言及される。 )例えば完全なリシン、完全なシュードモナス属(Pseudomonas)の外毒素Aおよ び完全なジフテリア毒素のような多様な天然の毒素に存在するこうした「トラン スロケーション」ドメインの使用は、従来技術で幅広く報告される。典型的には 、そうした報告は慣習的な今日のキメラトキシンに関する(ヴィテッタ(Vitetta )ら、Imm.Today 14: 252(1993)、パスタン(Pastan)ら、Annu.Rev.Biochem.6 1: 331(1992))。現在のキメラトキシンと本発明のコムトキシンとの間の基礎的 な質的な差異は、(1)現在のキメラトキシンは表面マーカーを認識することが 可能であるがしかし細胞内のものは可能でない、および(2)現在のキメラトキ シンは、原則として、コムトキシンの特徴である多標的の組み合わせの 選択性を許さない、である。 エフェクタードメインは、そのエフェクターが予め決められた細胞内の位置に 送達される場合に、特定の効果(例えば、細胞死もしくはその最終分化を引き起 こすこと)を発揮することが可能であるタンパク質もしくはポリペプチドである 。かように、コムトキシンのエフェクタードメインは、細胞に送達された場合に 毒素として作用するタンパク質もしくはポリペプチドに由来し得る。例えばリシ ンのA鎖(および類似の植物毒素)、シュードモナス属(Pseudomonas)の外毒素 の毒性ドメインおよびジフテリア毒素の毒性ドメインを包含する多くのそうした 毒素が当該技術分野で既知である。以前に論考されたように、ある毒性タンパク 質もしくはポリペプチドの細胞内の区画特異性が、その基質がサイトゾルに配置 されるがしかし核にされないコムトキシンの選択性を変えるためにコムトキシン のデザインと共に活用され得る。そうしたタンパク質もしくはポリペプチドは、 例えばジフテリア毒素およびシュードモナス属(Pseudomonas)の外毒素Aを包含 し、その双方ともADPをリボシル化する(およびそれにより不活性化する)延 長因子2(EF2)によりタンパク質合成を阻害する。EF2の大部分はサイト ゾル性であるため、シュードモナス(Pseudomonas)タイプの毒性ドメインを含有 するコムトキシンのサイトゾルから核へのトランスロケーションは、毒素をその 基質から物理的に分離するとみられる。 エフェクタードメインは、予め決められた細胞の位置へのその導入が細胞死を 引き起こすとみられるいずれかのタンパク質もしくはポリペプチドに由来し得る 。例えば、デオキシリボヌクレアーゼは、標的細胞の核内(しかしサイトゾル中 でない)に導入される場合に毒性のエフェク タードメインとして作用するとみられる。実際、EcoRIがインビボ(酵母サッカ ロミセス セレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)中)で核DNAを切断し、細 胞を殺すことが示されている(バーンズ(Barnes)とライン(Rine)、Proc.Natl. Acad.Sci.USA 82: 1353(1985))。その基質がサイトゾルおよび核の双方に存 在する毒性ドメインの例は、リシンのA鎖に加え、RNアーゼAおよびバルナー ゼのようなリボヌクレアーゼを包含する。これらは慣習的なキメラトキシンを産 生するのに使用されている(リバク(Rybak)ら、J.Biol.Chem.266: 21202(199 1)、プライアー(Prior)ら、Cell 64: 1017(1991))。 治療の最終目標は危険な細胞を無害にすることであるため、一連の有用なエフ ェクターは細胞毒性タンパク質に限られない。この一連のものは、例えば、細胞 でのその存在が増殖停止および最終分化をもたらす転写因子を包含する(ヴァイ ントラウプ(Weintraub)、Cell 75: 1241(1993))。とりわけ、非筋肉細胞のMy oDもしくはミオゲニンのような筋肉特異的転写因子の発現は、それらが筋肉様 細胞に分化することを引き起こす。正常の条件下では、これらのタンパク質は筋 肉でのみかつ適切な時期にのみ発現される。そのエフェクタードメインがMyo D、ミオゲニンもしくは類似の転写因子に基づくコムトキシンは、標的細胞の最 終分化を引き起こすことが可能であるはずであるが、しかし薬物を投与されてい る他の細胞は可能でない。 共優性細胞内シグナルに関しては、多様なそうしたシグナルが文献に記述され ている。例えば、短いインビボの半減期は、はっきりした分解シグナルすなわち デグロンの1種もしくはそれ以上によりタンパク質に与えられ得る(ワルシャウ スキ(Varshavsky)、Cell 64: 13(1992)、ヘ ルシュコ(Hershko)とシエシャノヴァー(Ciechanover)、Ann.Rev.Biochem.61: 761(1992))。最もよく理解される細胞内分解シグナルはN-デグロンと呼ばれ る(ワルシャウスキ(Varshavsky)、Cell 64: 13(1991))。このシグナルは、タ ンパク質基質の不安定化するN末端残基および内部のリシン(1個もしくは複数 )を含む。異なる不安定化残基をもつN-デグロンの性向は、N-末端則と称され 、すなわちタンパク質のインビボの半減期とそのN末端残基の同一性との間の関 連である。N末端則の基質のリシン残基は多ユビキチン鎖の形成部位であり、こ れは基質の分解に必要とされる。 ユビキチンは、他のタンパク質へのその共有結合が主にタンパク質分解を伴う 経路により多数の過程で役割を演じるタンパク質である。N末端則の基質の認識 は、その成分がユビキチン結合性の酵素(細胞のいくつかのそうした酵素のひと つ)およびN-レコグニンもしくはE3と呼ばれるタンパク質を包含する、標的 を定める複合体により媒介される。標的を定められた、多ユビキチン化された基 質は、26Sプロテアソームすなわち多触媒、多サブユニットのプロテアーゼによ り、プロセシング様に分解される。N末端則、ユビキチン融合物および関連する 技術の局面は、米国特許第5,132,213号、同第5,212,058号、同第5,122,463号、 同第5,093,242号および同第5,196,321号を包含する、ワルシャウスキ(Varshavsk y)らに譲渡された多数の米国特許の主題であり、その明細は引用により本明細書 に組み込まれる。 アルギニンのような強く不安定化するN末端残基をもつタンパク質のインビボ の半減期は1分と同じくらい短くなり得る一方、バリンのような安定化するN末 端残基をもつ同一に発現されかつその他の点で同一な タンパク質は20時間を超える半減期を有し、細胞中のこれらのタンパク質の定常 状態の濃度の間で1,000倍より大きな差異をもたらす。ユビキチン依存性のタン パク質分解系(N末端則経路を含む)は26Sプロテアソームの多くの成分を共有 する。これらの系の間の差異は標的を定めるそれらの別個の複合体を包含し、そ のレコグニンはN-デグロン以外の分解シグナルに結合する。N-デグロンに加え 、分解シグナルとして機能しかつ他のタンパク質に移植可能であるアミノ酸配列 は、例えば、サイクリンと呼ばれる寿命の短いタンパク質の「破壊ボックス」( グロツァー(Glotzer)ら、Nature 349: 132(1991)、シエシャノヴァー(Ciechanov er)、Cell 79: 13(1994))およびS.セレビシエ(S.cerevisiae)の寿命の短い 転写調節体であるMatα2の2個の特定領域(ホーホシュトラサー(Hochstras ser)とワルシャウスキ(Varshavsky)、Cell 61: 697(1990))を包含する。 共優性の特性は分解シグナルに限られない。デグロンについて上で考察された ものと類似の理由から、膜で囲まれた区画に入る能力をタンパク質に与えるシグ ナル(シャッツ(Schatz)、Protein Sci.2: 141(1993)、オズボーン(Osborne)と シルヴァー(Silver)、Annu.Rev.Biochem.62: 219(1993)、およびディングウ ォール(Dingwall)とラスキ(Lasky)、Trends Biochem.Sci.16: 478(1991))は 、それらが同じタンパク質の空間的に別個の領域に存在する場合には相互に独立 に機能するであろう。本明細書の論考は核局在化シグナル(NLS)に限られる が、しかし他の自律的シグナル、とりわけ他のトランスロケーションシグナルを もつコムトキシンにもまた関連する。 約60kDaより小さなタンパク質は核孔を通って拡散することにより核 に入り得るが、しかしより大きなタンパク質の孔で媒介される輸送は、核トラン スロケーション系の成分に接近可能な最低1種のNLSの存在を必要とする。N LSはリシンおよびアルギニンの豊富な短い配列(10−20残基)であり、標的タ ンパク質でのそれらの立体的な接近可能性は、核トランスロケーションシグナル としてのそれらの活性に十分であるようである。NLSをもつ多くのタンパク質 はサイトゾルでのそれらの合成後すぐに核に入るが、しかし若干のタンパク質の 輸送は構造性でない。それらのNLSは、しばしば、立体的に遮蔽されたNLS の遮蔽を除くことにより「活性化」されなくてはならない。コムトキシンの概念 に関連する一例は、哺乳動物タンパク質p110、すなわち転写因子NF-κB のp50サブユニットのNLSを含有する前駆体である。p110はサイトゾル に存続することが示されている。なぜなら、p110のC末端半分の領域は同じ タンパク質のN末端半分(p50領域)に配置されたNLSを立体的に遮蔽する からである。対照的に、p110のタンパク質分解性プロセシングの産物である タンパク質p50は、活性の(妨げられない)NLSをもち、そして核内に輸送 される。転写因子のNF-κBファミリーでのNLSの遮蔽による核の取り込み の微妙かつ正確な調節の他の例もまた記述されている(リオウ(Liou)とボルティ モア(Baltimore)、Curr.Op.Cell Biol.5: 477(1993)、ヘンケル(Henkel)ら、 Cell 68: 1121(1992)、およびベグ(Beg)とボルドウィン(Baldwin)、Genes Dev. 7: 2064(1993))。 本発明の概念は、コムトキシンと命名された新規のクラスの試薬を産生するの に生体高分子のシグナルの共優性の特性を利用することに基づく。コムトキシン の機能は、コムトキシンの代謝安定性(インビボの半 減期)もしくはその細胞内の位置(例えば、サイトゾル対核)のいずれかが標的 細胞のそれらのタンパク質リガンドによるコムトキシンの結合ドメイン(この論 考ではP*タイプドメインと称される)(第1−3図を参照)の占有に依存する という事実に基づく。コムトキシンのひとつの重要な特徴であるこの依存性は、 タンパク質のシグナル部分はシグナル部分に特異的な標的を定める大きな(タン パク質の大きさの)複合体により認識されるタンパク質表面の別個の領域である という事実により可能にされる。標的を定める複合体の物理的な嵩高さ、および タンパク質表面上のシグナル部分により占有される比較的大きな領域を考えると 、近くに結合された別のタンパク質球体によるタンパク質のシグナル部分の部分 的な妨害(立体的遮蔽)でさえ、標的を定めるそれぞれの複合体によるシグナル 部分の生産的な結合を防止するのに十分であるとみられる。 かように、コムトキシンのP*タイプドメインの例えばデグロンもしくはNL Sのような選ばれたシグナル部分に隣接した配置は、細胞内タンパク質リガンド のコムトキシンのP*タイプドメインへの結合に際し、シグナル部分の立体的遮 蔽を可能にする(第1−3図)。「隣接する」もしくは「近接する」という用語 により包含される距離の範囲をはっきりとかつ前もって記述することは可能でな い一方、上の考察は、遮蔽可能なシグナル部分およびP*タイプドメインの適す る相互の配置がそれぞれの特定のコムトキシンのデザインについて相対的に非常 に多いであろうことを指摘する。従って、タンパク質結合ドメインがシグナルド メインから変化する距離に配置された融合タンパク質を合成することはルーチン の実験の問題となるであろう。細胞内シグナルドメインの機能が アッセイされ得る容易さを考えると、多数のそうした融合タンパク質は、同時に 、タンパク質の結合がシグナルドメインの機能を妨害する程度を決定するために アッセイされ得る。立体的遮蔽による細胞内シグナルドメインのこの障害もしく は不活性化は、コムトキシン分子の細胞内の運命の変更をもたらす。 コムトキシンのP*タイプドメインは、特異的な、予め決められた細胞内リガ ンド(例えば特定の細胞内タンパク質P1、P2、など)に結合するよう選択さ れる。理想的には、一連のコムトキシンの細胞内リガンド、すなわち除去される べき細胞タイプを定義する一群は、標的とされた細胞集団により産生されるタン パク質の詳細な調査を実施することにより選ばれるべきである。特定の細胞タイ プ、とりわけ正常のおよび腫瘍由来のヒト細胞のタンパク質組成が決定されてい る(例えば、ホール(Hall)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 1927(1993)) が、しかし、これまで集められた情報は大部分の細胞タイプについて不完全であ る。従って、有用な戦略は、標的細胞で過剰産生されるかもしくはそれらに存在 しないかのいずれかであることがすでに既知である一連の細胞内タンパク質から リガンドを選ぶことである。後者のタンパク質は大部分(必ずしも全てでない) の非標的細胞に存在すべきである。 おそらくは細胞の悪性の表現型に寄与する遺伝子増幅の結果としての腫瘍抑制 タンパク質(この細胞の正常の祖先で発現される)の野生型の異形を欠きかつ別 のタンパク質を過剰産生する腫瘍細胞を考えよ。例えば、多くの(しかし全てで はない)ヒト乳癌は、腫瘍抑制タンパク質p53を欠くかもしくはその機能的に 不活性な変異体を含有する。さらに、これらの腫瘍の多くはタンパク質c-My cを(いくつかの他のタンパ ク質に加えて)過剰産生する。P1タンパク質を含有するがしかしP2タンパク 質を欠く細胞をもっぱら殺すコムトキシンは、そうした設定に必須の選択性を有 する。このコムトキシンのP1*ドメインはc-Mycに結合するとみられる一方 、このコムトキシンのP2*ドメインは野生型p53に結合するとみられる(し かし所定の癌でその突然変異の変異体には結合しない)。このコムトキシンの非 選択的細胞内送達でさえ、Mycを過剰発現する、p53を欠く癌細胞を殺すと みられるが、しかし、当該生物体の全部でない場合は大部分の他の細胞を救うと みられる。なぜなら、正常細胞はp53を含有し、例えあるとしても若干のp5 3を欠く正常の細胞タイプはc-Mycを過剰産生するとは思われないからであ る。さらに、このコムトキシンの選択性は、必要な場合は、標的細胞の記述を鋭 くするよう選ばれる第三の細胞内タンパク質すなわちP3に結合する、デグロン もしくはNLSを含有するP3*ドメインをそれに添加することにより、さらに 増大され得る。 この例は、他の抗腫瘍コムトキシンでもまた使用され得る戦略を例証する。詳 細に分析されている症例では、癌細胞は、少なくとも以下の特色、すなわち、祖 先の細胞で発現されるあるタンパク質の非存在(もしくは低下した産生)、正常 に発現されるタンパク質の突然変異の変異体の存在、および、祖先の細胞で発現 されなかった(もしくは弱く発現された)野生型もしくは突然変異のタンパク質 のいずれかの過剰産生、の組み合わせにより、それらの正常な祖先と異なること が見出された。かように、特定の癌に対する、特定のウイルスにより感染された 細胞に対する、そして他の所望されない細胞にもまた対するコムトキシンのデザ インのための細胞内リガンドの至適な一群を選択することが可能である はずである。後者の例は、アテローム硬化性斑を形成する細胞および新生血管内 皮細胞であり、それらの選択的切除は転移性腫瘍への血液供給を遮断するとみら れる。 P*タイプドメインと称されるタンパク質結合部位の選択では、ただ1個のコ ムトキシン分子中のP*タイプドメインのホモダイマー化が所望されないことが 認識されるべきである。なぜならそれはコムトキシンの機能を妨害するとみられ るためである。かように、P*タイプドメインは、高親和性のホモダイマーを形 成しない一方でその細胞内のパートナー(P1*タイプタンパク質)とヘテロダ イマーを形成することが可能なはずである。代替のP*タイプドメインの例は、 (1)P1タイプタンパク質の天然のタンパク質リガンド、(2)P1タイプタ ンパク質に対する親和性を保持する天然のリガンドのペプチドの大きさの断片、 (3)P1タイプタンパク質に特異的である一本鎖抗体もしくは同物の断片、お よび(4)P1タイプタンパク質の非ペプチド性の低Mrのリガンド、を包含す る。この後者の可能性は直接送達される(発現ベクターの仲介により送達される コムトキシンと区別されるような)コムトキシンに限られる。 上の項目(3)に記載される一本鎖抗体は従来技術に記述される(例えば、ウ イットロウ(Whitlow)とフィルプラ(Filpula)、Methods 2: 97(1991)、ヴィテッ タ(Vitetta)ら、Imm.Today 14: 252(1993)およびパスタン(Pastan)ら、Annu.R eview Biochem.61: 331(1992)を参照)。このクラスのP*タイプドメインは、 腫瘍形成性の染色体のトランスロケーションにより産生される腫瘍特異的融合タ ンパク質の連結領域に対する一本鎖抗体を包含する。これらの突然変異タンパク 質は、腫瘍細胞 の系統の進化の初期に生じ、悪性の表現型に必要とされるようであり、そして従 ってとりわけ適切なクラスのP1タイプタンパク質である。 特定のタンパク質もしくはタンパク質の特定の領域に対する一本鎖抗体の構築 は、第一に、必須の特異性をもつモノクローナル抗体の産生、および、第二に、 このモノクローナル抗体の一本鎖の対照物をコードする読み取り枠を含有するD NA断片の会合、を包含する。後者の段階は、抗体を産生するハイブリドーマ細 胞中で、抗体のH鎖およびL鎖のタンパク質結合ドメインをコードする2種の遺 伝子の関連する非隣接領域を増幅しかつ同じ読み取り枠で融合するポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)を使用して実施される。この過程の双方の段階(必須の特異 性の抗体を分泌するハイブリドーマの産生およびこの抗体の一本鎖の異形をコー ドする遺伝子のPCRで媒介される構築)は、現在、当業者に標準的かつルーチ ンの処置である。さらに、コムトキシンの多くの潜在的な標的(すなわちタンパ ク質P1、P2、など)は癌タンパク質、腫瘍サプレッサーおよび哺乳動物の他 の調節タンパク質であるため、これらのタンパク質の多くに対するモノクローナ ル抗体(およびこれらの抗体を産生する、対応するハイブリドーマ細胞クローン )のすでに存在しかつ増大する収集物が対応する一本鎖抗体の構築に選ばれ得、 多くの場合、最初のハイブリドーマの産生段階を迂回することを可能にする。( この後者の段階は、モノクローナル抗体を産生するための長年の技術の開発およ び完成によりルーチンとされている(例えば、ハーロウ(Harlow)とレーン(Lane) (編)、Antibodies,A Laboratory Manual(コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Labratory)、コールド スプリング ハー バー、ニューヨーク(1988)を参照)。) 本発明のコムトキシン分子に関するインビボおよびインビトロの双方の応用が 開示される。典型的なインビボの応用は、危険な細胞を除去するもしくはそれら を無害(分裂しない)にするようデザインされた治療レジメンにある。例えば、 癌がある患者で診断されており、そしてその選択性がこの患者の腫瘍細胞を標的 とするのに適切であるコムトキシンが、上に記述されるようにデザインされてい る状況を考えよ。このコムトキシンに関する2個の二者択一の送達経路は(1) 血管内、もしくは(2)標的細胞内でのコムトキシンの発現、である。 血管内経路を介する送達(ギルマン(Gilman)ら、編、The Pharmacological Ba sis of Therapeutics(ペルガモン プレス(Pergamon Press)、ニューヨーク、1 990)のためには、コムトキシンは毒性ドメインのみならず細胞表面からサイト ゾルへのタンパク質融合物のトランスロケーションを媒介するドメインも所有す べきである。コムトキシンのこの局面は直接送達する(発現に基づくのと区別さ れるような)戦略に限られ、また、現在のイムノトキシンの類似の局面と同様で ある(ヴィテッタ(Vitetta)ら、Imm.Today 14: 252(1993)、パスタン(Pastan) ら、Annu.Review Biochem.61:(1992)、およびオルスンス(Olsnes)ら、Som.Ce ll Biol.2: 7(1991))。必要な場合は、タンパク質としてのコムトキシンの送 達の最初の段階は、例えば標的細胞上の表面マーカーに結合する抗体のようなド メインにコムトキシンを融合させることにより、部分的に細胞タイプ選択的にし 得る。決定的には、そして現在のキメラトキシンでの状況と対照的に、前述の表 面マーカーは、コムトキシンの非特異的毒性を大きく増大させることなく、正し い標的細胞より多くに存在し得る。実際、コムトキシンの条件付きの毒性は、そ れが細胞に入った後 に遭遇する環境により決定され、従って、コムトキシンは、その細胞内タンパク 質の「特徴」が標的とされたものと異なる細胞に影響を与えないとみられる。 直接送達の戦略のひとつの利点は、それが、ベクターで媒介されるインデリン の送達に関連する潜在的問題を迂回するということである。直接送達のひとつの 潜在的な欠点は、発現ベクターの仲介により送達される、他の点では同一のイン デリンに比較して、多ドメインのコムトキシンの(付加的ドメインの存在による )より大きな大きさである。これらの送達戦略のいずれかを使用するコムトキシ ンの試験は技術的にごまかしがなく、もっぱら現存する技術を必要とし、そして 直接かつ客観的に評価され得るため、慎重な実験的アプローチは、与えられたコ ムトキシンの評価で双方の戦略を使用すること、そして結果を比較することであ るとみられる。 コムトキシンは発現ベクターの仲介によってもまた細胞中に送達され得る。こ れらのアプローチの双方は、細胞毒性の治療から遺伝子治療までの医学的介入で 使用されるタンパク質性薬物のバイオアベイラビリティーを向上させるための進 行中の努力の一部である。不十分な選択性の問題は現在の細胞毒性の戦略の全て に共通である。すなわち、エフェクターがその意図される細胞内区画に到達する と、細胞は、それが標的であったか非特異的傍観者かに関係なく殺されるようで ある。例えば、現在のイムノトキシンでのひとつの困難は、主として肝に対して だがしかしそれのみでないそれらの非特異的毒性である。治療の期間および強度 の双方に限界を強要するこの毒性は、部分的には、静脈内に投与されたイムノト キシンの網内系細胞によるクリアランスから生じる(ヴィテッタ(V itetta)ら、Imm.Today 14: 252(1993))。 対照的に、本発明のコムトキシンの非選択的送達ですら大部分の非標的細胞に 影響を与えないとみられる。コムトキシンのこの特徴は、かなりより大きな治療 指数(すなわち、治療のかなりより大きな耐えられる強度および期間)を生じる 。必要な場合は、コムトキシンの送達の最初の段階は、コムトキシンを標的細胞 上の表面マーカーに結合するドメインに融合することにより選択的とされ得る。 決定的には、このマーカーは、コムトキシンの非特異的毒性を大きく増大させる ことなく正しい標的細胞よりも多くに存在し得る。 発現ベクターによる送達のためにデザインされたコムトキシンは、それらの直 接送達される対照物に必要とされる「区画横断」ドメインを欠くとみられる。こ のベクターは、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、別のウイル スベクター、もしくは遺伝子送達系例えばリポソームに基づく送達系内の単に裸 のDNAのいずれかであり得る。ウイルスベクターおよびリポソームに基づく遺 伝子送達系の双方が完全な動物での遺伝子発現へのアプローチでうまく使用され ている。遺伝子治療および他の応用のためのいくつかのタイプのベクターがすで に入手可能である(イー(Yee)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91: 9564(1994) により論評される、マリガン(Mulligan)、Science 260: 926(1993)およびアンダ ーソン(Anderson)、Science 256: 808(1992)もまた参照)。これらのベクターは 、細胞培養系で、完全な動物で、そして適切な予備試験と共にヒト患者でもまた コムトキシンの送達に使用され得る。ウイルスのおよびプラスミドに基づくベク ターのデザインでの最近の進歩(例えば、ナーベル(Nabel)ら、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 90: 11307(1 993)およびマリガン(Mulligan)、Science 260: 926(1993)を参照)は、増殖する および静止の双方の細胞をトランスフェクションし得、また、予め決められた表 面マーカーをもつ細胞に特異的かもしくはほとんど非選択的かのいずれかである 、目的にかなう非複製性のベクターをもたらす。遺伝子治療および他の応用への 使用でのそうしたベクター(例えば、マリガン(Mulligan)、Science 260: 926(1 993)およびアンダーソン(Anderson)、Science 256: 808(1992))は、コムトキシ ンの送達の強力な輸送手段である。 コムトキシンは多様なインビトロの応用にもまた使用され得る。例えば、白血 病患者の骨髄培養系移植で、コムトキシンは、骨髄の正常細胞を混乱させること なく、患者の骨髄サンプルから(その後の再注入のため)白血病性細胞を選択的 に除去するのに使用され得る。骨髄幹細胞のレスキューを伴う高用量化学療法は 、現在、白血病、リンパ腫、ならびに、より最近は膠芽腫および他の転移性固形 腫瘍を包含する多様な癌の標準的かつ時には治癒力のある治療である。現在の幹 細胞レスキューのプロトコールの全てで共通の段階は、骨髄を除去する化学療法 に先立ち患者の骨髄の一部を回収することを必要とする。結果として生じる短期 のインビトロの骨髄細胞培養系は、その後、可能な場合は、その固有の骨髄が高 用量化学療法により除去されている患者へのパージされた骨髄の再注入の前に、 その中に存在するいかなる悪性細胞も除去するよう処理される。 骨髄細胞培養系の悪性細胞を選択的に殺す現在の方法は、慣習的なキメラトキ シンでの処理を必要とし(ヴィテッタ(Vitetta)ら、Imm.Today 14: 252(1993) )、これは細胞毒性のエフェクタードメインおよび標 的細胞の表面上構造に結合するドメイン(典型的には抗体に基づく)を含む。キ メラトキシンのこのデザインは、骨髄の体外移植組織培養系から大部分の白血病 性細胞(その大部分は系統特異的な表面マーカーをもつ)を除去するのにしばし ば十分であるがしかし常にというわけではない。不幸なことに、非血液学的癌を 包含する多くのタイプの腫瘍細胞は、あるタイプの白血病よりも表面マーカーに 関してかなりより不均一である。従って、その再注入に先立つ骨髄のインビトロ の培養系からの転移性腫瘍細胞の完全、確実かつ選択的な除去は、一般に解決さ れるべき問題のままである。 対照的に、本発明のコムトキシンは、(細胞表面のものと区別されるような) 細胞内マーカーに対するそれらのより高い多標的の選択性および感受性により、 癌細胞のインビトロの骨髄のパージの代替のかつより選択的な手段を提供するは ずである。 実施例 実施例1:インデリンの構築および試験 インデリンの有効性および選択性の最初の試験は、完全な動物にてではなく、 哺乳動物(ヒト)細胞培養系の技術的により少なく損傷する設定にて催されるで あろう。ヒト細胞培養系の使用は、例えば、ヒト腫瘍の移植片を拒絶しない胸腺 の不完全な「ヌード」マウスを使用する、マウスのような実験動物でのインデリ ンの有効性および選択性のその後の試験を可能にする。細胞培養系では、ベクタ ーで媒介されるインデリンの送達は技術的にごまかしがない。なぜなら、(ヒト 細胞を包含する)哺乳動物細胞の短期もしくは長期のトランスフェクションのた めのいくつかの高効率のベクターおよびプロトコールが入手可能であるからであ る。簡単には、[P1+P2+]特異的なインデリンの試験は、この試薬が標的と されない([P1+P2-]、[P1-P2+]、もしくは[P1-P2-])細胞に 対して標的とされる[P1+P2+]に(直接にもしくは発現ベクターの仲介によ り)導入されると、それがもっぱら(もしくはほぼもっぱら)[P1+P2+]細 胞を殺すかどうかを決定することを必要とする。 この実施例でデザインされるべきインデリンは、そのC末端ドメインが、短い (5ないし20残基)リンカー配列により最も近い「上流」ドメイン(P2*)に 連結されたリシンのA鎖である、多ドメインの融合物である。ドメインP2*は 順にドメインP1*に結合される。単純な配列の、比較的親水性のリンカーGG GSGGGSGGGSGGGS(1文字のアミノ酸の省略形で)が、これらのド メインを結合するのに最初に使用されるであろう。第一のおよび第二のデグロン は、タンパク質のP1*への結合が第一のデグロンの活性を阻害し、かつ、タン パク質のP2*への結合が第二のデグロンの活性を阻害するように、ドメインP 1*およびP2*内もしくはその近くに配置されるであろう。 インデリン分子の多様な要素をコードする核酸は、天然に存在する起源から単 離されるであろうし、そして、慣習的な技術により、例えばストラタジーン イ ンク(Stratagene Inc)により販売されるpSG5ベクターのような適する発現ベ クター内で会合される。このベクターは、SV40初期プロモーターおよび哺乳 動物細胞での目的の挿入された遺伝子の発現のための他の適切な特徴を含有する 、4.1kbの大腸菌(E.coli)と哺乳動物細胞の「シャトル」プラスミドである。リ ンカー配列のような短い配列のため、DNAは合成技術により注文して作られる であろう。 採用される毒性ドメインはリシンのA鎖であろう(他の細胞毒性エフェクター、 例えばシュードモナス属(Pseudomonas)の外毒素の毒性ドメインもしくはジフテ リア毒素の毒性ドメインもまた、インデリンを構築するのに使用され得る)。リ シンのA鎖の推定されるアミノ酸配列は例えばフナツ(Funatsu)ら(Biochimie 7 3: 1157(1991))中に提供される。この実験では、努力は、欠失もしくは他の方 法により毒性ドメインの大きさを低下させるためになされないであろう。かよう に、完全なリシンのA鎖をコードするcDNAを含有する断片が、慣習的技術を 使用して、例えばプラスミドpRA229(レディ(Ready)ら、Proteins 10: 27 0(1991))から単離されるであろう。 P*タイプドメイン内もしくはすぐ隣接して配置されるべき分解シグナル(デ グロン)は、いくつかの現在既知のデグロンのなかから選ばれ得る。最初の研究 で採用される分解シグナルは、N-デグロン、およびサイクリンの「破壊ボック ス」により定義されるデグロンであろう。N-デグロンは生化学的にかつ遺伝子 的に詳細に分析されており、また、かなり詳細に理解される(ワルシャウスキ(V arshavsky)、Cell 69: 725(1992))。N-デグロンのいくつかの簡便な変異体が 記述されかつ分析されている(ワルシャウスキ(Varshavsky)、Cell 69: 725(199 2)により論評される)。最初の研究で採用される簡便なN-デグロンは、バック マイア(Bachmair)とワルシャウスキ(Varshavsky)(Cell 56: 1019(1989))によ り記述されたものであろう。このN-デグロンは、その後に大腸菌(E.coli)La cレプレッサー由来の45残基の配列が続く、アルギニン(Arg)のような不安定 化するN末端残基を含む。対応する処置、配列、およびプラスミドが、それらの 制限酵素切断地図と一緒に、バッ クマイア(Bachmair)とワルシャウスキ(Varshavsky)(Cell 56: 1019(1989))に より詳細に記述される。サイクリンの「破壊ボックス」により定義されるデグロ ンに関しては、関与する配列はプラスミドpAG132の特定の断片によりコー ドされる(グロツァー(Glotzer)ら、Nature 349: 132(1991))。 最初の実験では、少なくとも以下の細胞内タンパク質すなわち1)HPV16 のような発癌性のヒトパピローマウイルス(HPV)のE6タンパク質、2)同 じ発癌性のHPVのE7タンパク質、に結合するP*タイプドメインが使用され るであろう。発癌性のヒトパピローマウイルスのE6およびE7タンパク質は、 本発明のコムトキシンのデザインおよび試験に好ましい最初の細胞内標的のひと つである。肛門性器癌、とりわけ女性の子宮頸癌と特定のヒトパピローマウイル ス(HPV)との間の強い関連が多数の詳細な研究により確立されている。子宮 頸癌は単独で年間世界中で500,000を越える死亡の原因である。高リスクのHP VはHPV-16およびHPV-18を包含し、そしてこれらは潜在的に前癌性で ある落屑性の上皮内新形成と関連する。全体的にみて、90%を越える子宮頸癌が 、高リスクのHPVタイプのひとつのDNAを含有することが示され得る(シェ フナー(Scheffner)ら、Curr.Topics Microbiol.Immunol.186: 83(1995))。 HPVゲノムはおよそ6種のタンパク質をコードするとは言え、それらのうち 2種のみすなわちHPVタンパク質E6およびE7が一貫して子宮頸癌で発現さ れ、HPVの腫瘍形成性効果がこれらのタンパク質により特異的に媒介されるこ とを強く示唆する。最近の研究は、E7タンパク質は、網芽腫タンパク質(Rb )と呼ばれる核タンパク質すなわち 制御されない細胞増殖を防止するネットワークの調節成分を含む特異的な複合体 を形成することにより作用することを示している。Rbタンパク質は従って腫瘍 サプレッサーとして作用する。HPVのE7タンパク質とHPVに感染した細胞 のRbタンパク質との間の複合体形成は、それにより対応する細胞系統の悪性の 形質転換に寄与するRbの腫瘍サプレッサー機能を妨害する。 第二の癌関連HPVタンパク質E6が、p53と呼ばれる別の細胞性腫瘍サプ レッサータンパク質に特異的に結合することもまた示されている。E6-p53 複合体の形成は、増殖を抑制するp53の機能を混乱させるのみならず、E6に 結合したp53の促進された分解ももたらし、p53の濃度を低下させ、そして それによって事実上、1個より多い方法でp53の機能を阻害する(フイブレグ ツェ(Huibregtse)ら、EMBO J.10: 4129(1991))。 HPV由来の転移性癌の治癒力のある治療は現時点では利用できない。これお よび他の治癒不可能な転移性癌(癌の大多数である)に共通の理由は、細胞表面 上のマーカーを認識する低分子量の細胞毒性の薬物も現在のキメラトキシンもど ちらも癌と正常細胞の間を区別できないということである。対照的に、本発明の E6/E7特異的なコムトキシン(より特定してはインデリン)は、標的細胞内 部のE6およびE7の存在に敏感であるとみられ、そして従って、定義によりこ れらのHPV由来の細胞内(核内)タンパク質を欠く正常細胞を救うとみられる 。 E6/E7特異的なインデリンの構築を記述する前に、インデリンのP1*お よびP2*ドメイン(これらのドメインは集合的にP*タイプドメインとして表示 される)に関する一般的必要条件が簡単に考慮される。 これらの必要条件は以下のようである。すなわち、(i)P*タイプドメインは 細胞内(サイトゾルのもしくは核の)タンパク質P1もしくはP2(設計者によ り選ばれるこれらのタンパク質は標的細胞のタンパク質の「特徴」を含む)に結 合すべきである、(ii)P*タイプドメインは高親和性のホモダイマーを形成す べきでない、(iii)P*タイプドメインは、そのドメインの一部としてもしくは そのすぐ近傍にのいずれかに、サイトゾルのおよび/もしくは核のインデリンに 短い半減期を与える配列(分解シグナル)を含有すべきである。 これらの拘束を考えると、適するP*タイプドメインは、タンパク質P1もし くはP2の天然のタンパク質リガンド、または、例えばP1もしくはP2に結合 する一本鎖抗体のいずれかであり得る。P*タイプドメインとしての一本鎖抗体 の使用は、天然のリガンドがしがちでありうるホモダイマー化の問題を排除し、 それはまた、P*タイプドメインのデザインの標準化を可能にもする。というの は、異なるタンパク質ドメインに対する一本鎖抗体は共通の「核の」抗体構造を 有するからである。最後に、P*タイプドメインとしての一本鎖抗体の使用は、 ベクターで媒介されるインデリンの送達を技術的にごまかしのないものにする。 なぜなら、慣習的な(多鎖)抗体分子の会合は一本鎖抗体で必要とされないから である。 E6/E7-インデリンの実際の構築は、最初は別個に、E6-インデリンおよ びE7-インデリンを産生する2個の経路を介して進行するであろう。これらの ただ1個のP*タイプドメインのインデリンは、HPV16のE6および/もし くはE7タンパク質を欠くかもしくは発現するかのいずれかのヒト細胞培養系で 試験され得、かつ、必要な場合は微 調整され得る(下を参照)。その後、より複雑な、共優性に基づくコムトキシン (E6/E7-インデリン)が、そのただ1個のP*タイプドメイン前駆体(E6 -インデリンおよびE7-インデリン)から構築されるであろう。これらの「中間 体」さえも、E6/E7-インデリンのデザインでのただ1個のP*タイプドメイ ン構築物がそれら自身で有用な薬物であることが期待されることが強調されるべ きである。リガンドで調節されるこのタイプの条件付きの毒素(E6-インデリ ンもしくはE7-インデリン)は、薬物あたりただ1個のリガンドに感受性であ るとみられるとは言え、リガンドそれら自身は細胞内タンパク質(E6もしくは E7)である。かように、これらのただ1個のP*タイプドメインのインデリン (E6-インデリンおよびE7-インデリン)は、細胞表面マーカーを認識するが しかしそれらのデザインにより特定の細胞内マーカーに感受性であることが不可 能である現在のキメラトキシンと異なりかつこれにより達成できない選択性をす でに所有しているであろう。HPV誘発性の癌はE6およびE7の双方のタンパ ク質を産生するため、E7-インデリン(もしくは、代わりになるべきものとし てE6-インデリン)は、細胞培養系の設定でのおよび後にヒト患者でのこれら の癌細胞の選択的除去に十分であると実際に判明しうる。それでは、なぜより複 雑な、共優性で媒介されるコムトキシンタイプのE6/E7-インデリンを構築 しそして使用しようというのであろうか? 以下の節で論考される答えは二面性 である。 第一に、E6/E7-インデリンの、E6およびE7の双方を含有する細胞を もっぱら殺しかつこれらのタンパク質の1種さえ欠く細胞を救う能力は、コムト キシンタイプのE6/E7-インデリンを、比較的弱 くかつ非特異的なタンパク質-タンパク質相互作用のインビボの「ノイズ」によ り(E6-インデリンもしくはE7-インデリンのようなただ1個のP*タイプド メインのインデリンより)かなりより小さく混乱可能にする。例えば、E6-イ ンデリンのP*タイプドメインを形成しかつ高親和性でE6タンパク質(下を参 照)に結合する一本鎖抗体がHPVのE6およびE7タンパク質を欠く正常細胞 の正常な細胞タンパク質に比較的低親和性ででさえ偶然に結合する(交差反応す る)場合、この交差反応はE6/E7を含有する癌細胞に対するE6-インデリ ンの所望の選択性に悪く影響しうる。同じことがE7-インデリンで真実である とみられる。対照的に、コムトキシンタイプのE6/E7-インデリンは、選択 性を低下させるこの混乱に対し顕著により抵抗性であるとみられる。なぜなら、 存在すべきそれにとっては、このE6/E7-インデリンのE6結合性およびE 7結合性の双方のP*タイプドメインが正常な細胞タンパク質にもまた結合しな くてはならないからであり、これはいかなる特定の細胞系統でもかなりより小さ くありそうな出来事である。かように、コムトキシンタイプのE6/E7-イン デリンは、そのただ1個のP*タイプドメインの対照物よりも選択的であるのみ ならず、その選択性は他に上に記述された種類の混乱に対してより強くもある。 第二に、インデリンの分類のコムトキシンに関する第一の試験の基礎としてH PV誘発性の癌に焦点を当てることにより、人は、実際に、ウイルスにより引き 起こされないがしかしその代わりに特定の細胞遺伝子の(多重)突然変異の結果 である、他の比較的優勢なかつ治癒不可能な癌に関して都合のよい試験の分野を 選ぶ。上で論考されたように、これらの癌細胞はタンパク質組成でそれらの正常 な祖先にしばしば極めて近 く、主として特定のタンパク質の濃度によりそれらと異なる。例えば、癌細胞は c-Mycタンパク質およびいくつかの他のタンパク質を過剰発現しうるが、し かしこれらのタンパク質のいくつかは同じ生物体の若干の正常細胞でもまた低い レベルで存在するとみられる。言い換えれば、HPV誘発性の癌のE6/E7特 異性は、典型的な癌がするよりコムトキシンの選択性についてより少なく厳しい 要求をなす。かように、コムトキシンの第一の試験の基礎としてのHPV誘発性 の癌の選択がこれらの癌の現在の治癒不可能性および高頻度により正当化される 一方、それは、HPV誘発性の癌の細胞とそれらの正常な祖先との間のより明快 に定義される組成の差異によってもまた示唆される。これらの理由から、コムト キシンタイプのインデリンの(それらのただ1個のP*タイプドメインの対照物 に比較して)より大きな選択性は、大部分の非ウイルス性癌で治癒力のあるレベ ルの標的選択性を達成するのに決定的であろう。 a.E7-インデリンの構築 現時点では、HPV16のE6もしくはE7タンパク質に対する多様な高親和 性のポリクローナル抗体が入手可能であるが、しかし、モノクローナル抗体は、 これまで、E7タンパク質に対してのみ調製されている(シェフナー(Scheffner )ら、EMBO J.11: 2425(1992))。HPV16(およびヒトパピローマウイルス のいくつかの他の株)のE6およびE7タンパク質をコードする遺伝子はいくつ かのグループによりクローニングされており、対応するタンパク質が大腸菌(E. coli)で過剰発現され、均一にまで精製され、そして抗体を生じさせる抗原とし て使用されている(シェフナー(Scheffner)ら、Curr.Topics Microbiol.Immun ol.186: 83(1994)、およびその中の引用文献)。HPV16のE7タ ンパク質に対する一本鎖抗体の産生は、E7タンパク質に対するモノクローナル 抗体を分泌する、シェフナー(Scheffenr)ら(EMBO J.11: 2425(1992))により 記述されたマウスハイブリドーマ細胞系100201を利用するであろう。特定のモノ クローナル抗体の一本鎖の対照物の産生方法は従来技術に広範囲に記述されてい る(例えば、ウィットロウ(Whitlow)とフィルプラ(Filpula)、Methods 2: 97(19 91)、ヴィテッタ(Vitetta)ら、Imm.Today 14: 252(1993)、およびパスタン(Pas tan)ら、Annu.Rev.Biochem.61: 331(1992)を参照)。 抗E7モノクローナル抗体100201の一本鎖の対照物をコードするDNA断片は 、100201抗体のH鎖およびL鎖のE7結合ドメインをコードする2個の遺伝子の 関連する非隣接領域を増幅しかつ同じ読み取り枠で融合するポリメラーゼ連鎖反 応(PCR)および100201ハイブリドーマ細胞の精製されたゲノムDNAを使用 して産生されるであろう。目的のハイブリドーマに特異的な抗体をコードする、 DNAに基づく読み取り枠(ORF)のPCRで媒介される構築は、当業者には ルーチンの処置である。結果として生じる一本鎖の100201抗体をコードするOR Fは、従来技術で、とりわけ一本鎖抗体を産生する技術で(ウィットロウ(Whitl ow)とフィルプラ(Filpula)、Methods 2: 97(1991))記述される多くの適するリ ンカーのひとつである、可動性の、比較的プロテアーゼ抵抗性かつ親水性のリン カーGGGSGGGSGGGSGGGSを使用し、リシンのA鎖(上を参照)を コードする読み取り枠に、組み換えDNAを操作するための標準的技術を使用し て、同じ読み取り枠で結合されるであろう。結果として生じるより大きなORF は、リシンの毒性ドメイン(A鎖)に対する抗E7一本鎖抗体(インデリンのP* タイプドメイン がデザインされる)の融合物をコードし、リシンの毒性ドメインがこの融合物の C末端ドメインとなるであろう。これらの全て、ならびに哺乳動物の発現ベクタ ー(下を参照)内への最終構築物の配置に先立つその後の組み換えDNAの操作 は、用途の広い、大腸菌(E.coli)に基づくベクターpUC19(マニアティス( Maniatis)ら、Molecular Cloning、コールド スプリング ハーバー ラボラト リー(Cold Spring Harbor Laboratory)、コールド スプリング ハーバー、ニ ューヨーク(1989))を背景に実施されるであろう。 抗E7一本鎖抗体ドメインに近接して分解シグナル(デグロン)を配置するた めに、人は多様な異なる簡便な分解シグナルから選び得る(上を参照)。この特 定の構築のために、われわれはバックマイア(Bachmair)とワルシャウスキ(Varsh avsky)(Cell 56: 1019(1989))により記述されるN-デグロンの異形を利用する 。しかしながら、この選択は決して独特ではないことが強調されなければならな い。N-デグロンの他の異形およびN末端則経路に関係しない他の分解シグナル の双方がインデリンのデザインに比較的適するはずである。上に記述されたよう に、バックマイア(Bachmair)とワルシャウスキ(Varshavsky)(Cell 56: 1019(19 89))のN-デグロンは、その後に大腸菌(E.coli)Lacレプレッサー由来の45 残基の配列が続く、アルギニン(Arg)のような不安定化するN末端残基を含む 。このN-デグロンの核酸配列および対応するアミノ酸配列の双方は、バックマ イア(Bachmair)とワルシャウスキ(Varshavsky)(Cell 56: 1019(1989))により 記述されている。 N-デグロンは不安定化するN末端残基を含有するため、それは定義によりイ ンデリン融合構築物のN末端に置かれるべきである。タンパク 質のN末端に不安定化する残基を産生するため、われわれは本発明の著者により より早く開発されたユビキチン融合技術を利用する(ワルシャウスキ(Varshavsk y)、Cell 69: 725(1992)、米国特許第5,132,213号、同第5,212,058号、同第5,12 2,463号、同第5,093,242号および同第5,196,321号を包含する、ワルシャウスキ( Varshavsky)らに譲渡された米国特許)。ユビキチンは酵母からヒトまで本質的 に変化していない76残基のタンパク質である。ユビキチンをコードする、以前に 配列決定された多くの組み換えDNAプラスミドが入手可能である(例えば、バ ックマイア(Bachmair)らによるプラスミドpUB23、Science 234: 179(1986) )。 E7特異的なインデリンの、完全に会合されたDNAに基づくORFは、N末 端から始まる以下のタンパク質領域もしくはドメイン、すなわち 1)ユビキチン、 2)バックマイア(Bachmair)とワルシャウスキ(Varshavsky)(Cell 56: 1019(19 89))により記述されるN-デグロン、 3)HPV16ヒトパピローマウイルスのE7タンパク質に対する100201一本鎖 抗体、および 4)リシンの毒性ドメイン(A鎖) をコードするであろう。 b.E6-インデリンの構築 類似の処置が、E6特異的なインデリンをコードするDNAのORFを構築す るのに使用されるであろう。唯一の大きな差異は以下のようである。第一に、H PVのE6タンパク質に対するモノクローナル抗体は 現時点で入手可能でないため(多様なポリクローナル抗体はこれまでE6/HP Vの研究で使用されている)、E6-インデリンの構築の一段階は、このタンパ ク質を過剰発現する大腸菌(E.coli)(シェフナー(Scheffner)ら、Curr.Topics Microbiol.Immunol.186: 83(1994))から精製されたE6および当業者によく 知られた、モノクローナル抗体を産生するためのルーチン技術(レーン(D.Lane )、Antibodies、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、ニューヨーク(1989))を使用して、モノクローナル抗E6 抗体の一団を産生することであろう。かように得られる最も高親和性の抗E6モ ノクローナル抗体は、E7-インデリン作成のプロトコールで上に記述された標 準的技術を使用して、一本鎖(sFv)抗体(もしくはむしろそうした抗体をコ ードするDNAのORF)に変換されるであろう。 第二に、E7-インデリンを構築するのに使用されるであろうN-デグロンの代 わりに(上を参照)、例えばサイクリンの破壊ボックス(グロツァー(Glotzer) ら、Nature 349: 132(1991))のような内部分解シグナルが、E6結合性の一本 鎖抗体ドメインに隣接して配置されるであろう。構築プロトコールの残りは、E 7-インデリンの構築について上に記述されたものと本質的に同一であろう。 E6特異的なインデリンをコードする、完全に会合されたDNAに基づくOR Fは、N末端から始まる以下のタンパク質領域もしくはドメイン、すなわち 1)ユビキチン、 2)サイクリンの破壊ボックスにより特定される内部デグロン(グロツァー(Glo tzer)ら、Nature 349: 132(1991)により記述される)、 3)HPV16ヒトパピローマウイルスのE6タンパク質に対する一本鎖抗体、 および 4)リシンの毒性ドメイン(A鎖) をコードするであろう。 結果として生じるE6-インデリンおよびE7-インデリンは、当業者によく知 られた方法を利用する本質的に同一のプロトコールを使用して、別個に試験され るであろう。従って、簡潔には、下の記述はもっぱらE7-インデリンを扱うで あろう。第一に、E7-インデリンをコードするDNAのORFは、例えばpE 7Moプラスミド(バルボサ(Barbosa)ら、EMBO J.9: 153(1990))のような哺 乳動物の発現ベクター内のメタロチオネインもしくはモロニー白血病ウイルスプ ロモーターのような中程度に活性のプロモーターの下流に配置されるであろうう 。結果として生じる、E7-インデリンを発現するプラスミドは、同一条件下で (下を参照)、E7タンパク質の存在により異なる他の点では同一の2個の試験 細胞培養系中に導入されるであろう。E7を欠くおよびE7を発現するヒト培養 系のそうした対が、とりわけ、バルボサ(Barbosa)ら(EMBO J.9: 153(1990)) により記述されており、それらはまた、以前にE7およびE6のHPVタンパク 質について記述されたように(例えば、ケシス(Kessis)ら、Proc.Natl.Acad. Sci.USA 90: 3988(1993))、クローニングされたE7のHPV遺伝子でそれを 安定にトランスフェクションすることによりHPVを欠くいずれかのヒト細胞系 から新規に産生され得る。プラスミドに基づくベクターでの哺乳動物細胞の高効 率の一過性のトランスフェクションは十分に確立された技術である。とりわけ、 われわれは、ギブコ/BRL インク(Gibco BRL Inc)により提供 される、リポフェクチンで媒介されるトランスフェクションのプロトコールを採 用する。これはこの脂溶性でトランスフェクションを高める試薬を産生する。こ のプロトコールは、同時に重大な毒性もしくは細胞死なしに、細胞培養系中のほ とんど全ての細胞へのトランスフェクションするプラスミドの導入をもたらす。 この試験は、E7-インデリンの最初の「調整されない」デザインが期待され るようにはたらくかどうかを即座に指摘するであろう。なぜなら、この場合には 、E7タンパク質を発現する細胞の大部分がE7-インデリンを発現するプラス ミドでのトランスフェクションに際して死ぬとみられる一方、そうした影響は、 E7タンパク質を欠く、他の点では同一の細胞の(同じプラスミドでの)トラン スフェクションに際しては観察されないであろうからである。実際、前者の細胞 では、E7は入ってくるE7-インデリンのE7結合性の一本鎖抗体ドメインと 相互作用するとみられ、近くのデグロンを遮蔽する。結果は寿命が長くかつ従っ て毒性のE7-インデリンであるとみられる。対照的に、E7を欠く細胞では、 E7結合性の一本鎖抗体ドメインに隣接する分解シグナルは活性のままである( 妨げられない)とみられ、寿命の短いかつ従って非毒性のE7-インデリンをも たらす。 上の(所望の)影響が観察されない場合は、E7-イントラリンのデザインで の調整が実施されるであろう。まず、調整処置を簡単にするため、インデリンの 細胞毒性(リシン)ドメインをコードするDNAのORFの領域が、標準的な組 み換えDNA技術を使用して、商業的に入手可能なモノクローナル抗体のいくつ かのエピトープのひとつ、例えばインフルエンザウイルスのヘマグルチニンおよ びベーリンガー インク(B oehringer Inc)から入手可能な対応する抗haモノクローナル抗体に由来する「 ha」と命名される9残基のエピトープ、をコードする短いDNA領域で(一時 的に)置き換えられるであろう。この修飾は、インデリンのリシンドメインの固 有の毒性を扱わなくてはならないことなしに、N-デグロンとE7-インデリンの E7結合性の一本鎖抗体ドメインとの間の距離を変えることを可能にするであろ う。 これもしくは他のいずれかのインデリンについての調整のプロトコールは、デ グロンとインデリンのE7結合ドメインとの間の距離を変えるであろう。その中 でリシンのようなインデリンの毒性のC末端ドメインがha(上を参照)のよう なエピトープ標識により置き換えられている、結果として生じる構築物は、上に 記述される細胞系および発現ベクターを使用して、E7を含有するかもしくはE 7を欠くかのいずれかのヒト細胞培養系で発現されるであろう。これらの構築物 (もっぱら、相互の配置ならびにデグロンおよびE7結合ドメインの近接により 相互に異なる)の代謝安定性のパルスチェイス分析が、その後実施され、それら のインビボの半減期を直接決定するであろう。パルスチェイスアッセイでは、比 較的短い時間(「パルス」)放射活性のトレーサー(例えば放射活性アミノ酸) で標識された一連のタンパク質分子がその後「追跡」され、この追跡はパルスの 終了後異なる時間での目的のタンパク質の免疫沈降および電気泳動分析(ならび に定量)により完遂される。パルスチェイス分析はルーチンのアッセイであり、 そのプロトコールおよび論理は当業者によく知られている(例えば、バックマイ ア(Bachmair)ら、Science 234: 179(1986))。 E7-インデリンの調整の目的は、E7タンパク質の非存在下でイン ビボで(可能な限り)寿命の短い、そして、E7タンパク質の存在下で(可能な 限り)寿命の長い構築物を産生することである。最終的な満足すべき構築物が細 胞毒性ドメイン(上を参照)に融合され、インデリンの構成を復帰させる。結果 として生じるE7-インデリンはその後、上に記述されるように、E7を含有す るおよびE7を欠く細胞培養系での条件付きの毒性について再度試験される。全 く初めての、最初のE7-インデリンさえ、必要とされる質を所有するようであ ることが強調されるべきである。調整処置は、最初のE7-インデリンの代謝特 性が上に述べられた基準に従って決して満足すべきものでない場合にのみ利用さ れるとみられる。 全く同じアプローチが、E6-インデリンをデザインし、試験し、そして必要 な場合は再調整するのに使用されるであろう。その後は、E6/E7-インデリ ンの構築のほぼ最終段階で、そのE6結合ドメインおよび近くの分解シグナルを 含有するE6-インデリンの領域をコードするDNA断片がE6-インデリンのO RFから摘出され、そして、E7-インデリンのORF中、E7結合ドメインを コードする領域とC末端の細胞毒性ドメインをコードする領域との間に挿入され るであろう。 E6/E7-インデリンの、結果として生じるDNAのORFは、N末端から 始まる以下のタンパク質領域もしくはドメイン、すなわち 1)ユビキチン、 2)バックマイア(Bachmair)とワルシャウスキ(Varshavsky)(Cell 56: 5019(19 89))により記述されるN-デグロン、 3)HPV16ヒトパピローマウイルスのE7タンパク質に対する100201一本鎖 抗体(上を参照)、 4)サイクリンの「破壊ボックス」により特定される内部デグロン(上を参照) 、 5)HPV16ヒトパピローマウイルスのE6タンパク質に対する一本鎖抗体、 および 4)リシンの毒性ドメイン(A鎖) をコードするであろう。 現時点では、モノクローナル抗体はE7タンパク質について入手可能であるが しかしE6タンパク質については入手可能でない(上を参照)。従って、E6/ E7-インデリンの構築でのひとつの予備段階は、E6タンパク質(E6を過剰 産生する大腸菌(E.coli)から精製されている)に対する一団のモノクローナル 抗体を産生すること、産生されたもののなかで適切な(最も高い親和性の)抗体 を選ぶこと、および、E6タンパク質に対する対応する一本鎖抗体をコードする ORFを構築するのに上に記述されたような対応するハイブリドーマ細胞を使用 することであろう。このプロトコールの双方の段階(必須の特異性のモノクロー ナル抗体を分泌するハイブリドーマの産生およびこの抗体の一本鎖の対照物をコ ードするORFのPCRで媒介される構築)は、当業者にとり標準的な処置であ る。さらに、インデリンの多くの潜在的な標的は癌タンパク質、腫瘍サプレッサ ーおよび哺乳動物の他の調節タンパク質であるため、これらのタンパク質の多く に対するモノクローナル抗体の広範な(そして急速に増大する)収集物がすでに 存在する。これらの抗体を産生するハイブリドーマ細胞クローンが対応する一本 鎖抗体の構築に使用され得、多くの場合、インデリンの標的に対するモノクロー ナル抗体を産生するという最初の段階を迂回することを可能にする。 実施例2:イントラリンの構築および試験 イントラリンはトランスロケーションシグナル、とりわけ核局在化シグナル( NLS)をもつコムトキシンである(第2図)。この実施例の実験では、シンド ビスウイルス(下を参照)で感染させた細胞に特異的なイントラリンが構築され るであろう。「nsP2/4-イントラリン」と命名される、このイントラリン のP*タイプドメインは、シンドビスウイルスの以下の「初期」タンパク質、す なわち a.nsP2タンパク質(部位特異的プロテアーゼ) b.nsP4タンパク質(RNAポリメラーゼ) を結合するようデザインされるであろう。 ヒトおよびいくつかの他の後生動物宿主に感染する+鎖RNAウイルスである シンドビスウイルスのこれらの細胞質(サイトゾル)タンパク質は、本発明のコ ムトキシンのデザインおよび試験の好ましい(最初の)細胞内標的のひとつであ る。シンドビスウイルスはアルファウイルスファミリーのメンバーである。この ファミリーは26の現在認識されるメンバーを有する(シュトラウス(Strauss)と シュトラウス(Strauss)、Microbiol.Rev.58: 491(1994)により論評される)。 アルファウイルスファミリーの多くの株はヒトの健康にとり重大な脅威となる。 例えば、東部および西部ウマ脳脊髄炎ウイルスは、北米および南米の双方で致命 的な脳炎を引き起こす。ロス川ウイルスおよび関連するアルファウイルスはヒト で流行性多発性関節炎を引き起こし、この疾患の肢体不自由の症状は数年持続し 得る。シンドビスウイルスはほぼ(完全にではないが)ヒトには無毒性であり、 また、同時に、上に挙げられるウイルスのようなアルファウイルスファミリーの 毒性のメンバーに密接に関連する。これ は、シンドビスウイルスを、シンドビスウイルスに感染した細胞を殺すがしかし 感染していない細胞を救うようにデザインされた第一世代のイントラリンのとり わけ魅力的な実験標的とする。なぜなら、これらのイントラリンは、ヒトのウイ ルス感染に対して大規模な予防措置なしに試験され得かつ完成され得るからであ る。同時に、シンドビスウイルス特異的なイントラリンは、デザインされかつ至 適化されれば、それをアルファウイルスファミリーの毒性のメンバーに対するイ ントラリンに変換するよう容易に修飾され得る。 シンドビスウイルスおよび他のアルファウイルスは、もっぱら、感染した細胞 の細胞質(より特定してはサイトゾル)で複製する。第2A図のイントラリンの 論理を考えると、シンドビスウイルスの生活環のサイトゾルへの局在がこのウイ ルスをイントラリンの第一の標的として選んだひとつの理由となる。シンドビス ウイルスのゲノムRNAは長さ11,703ヌクレオチド(nt)である。それは2個 の主要な領域を含む。すなわち、RNAポリメラーゼを包含する非構造タンパク 質をコードする非構造的ドメインおよびシンドビスビリオンの3種の構造タンパ ク質をコードする構造的ドメインである。非構造(「初期」)タンパク質nsP 1−nsP4は、ゲノムRNAそれ自身から1個もしくは2個のポリタンパク質 として翻訳される。これらのタンパク質は、nsP1、nsP2、nsP3およ びnsP4を産生するよう切断される。これらのタンパク質の2種が構築される べきイントラリンの標的となるであろう。これらは、(nsP2が最初にその一 部であるポリタンパク質を包含する)シンドビスポリタンパク質をプロセシング (切断)してシンドビスウイルスの個々のタンパク質を産生する部位特異的プロ テアーゼである nsP2、および、シンドビスウイルスのゲノムRNAを複製するウイルスRN AポリメラーゼであるnsP4である(シュトラウス(Strauss)とシュトラウス( Strauss)、Microbiol.Rev.58: 491(1994)により論評される)。nsP2およ びnsP4の双方は、サイトゾルに配置され、正常な細胞タンパク質と異なり、 感染サイクルの初期に産生され、そして従って、その機能が、ウイルスに感染し た細胞での成熟したシンドビスビリオンのかなりの量の形成以前にこれらの細胞 を選択的に殺すことであるとみられるイントラリンの良好な標的である。(シン ドビスnsP2タンパク質はプロテアーゼであるとは言え、その高度に制限され た基質特異性が、それを哺乳動物細胞に対し無毒性にしかつそれが大部分の抗体 を切断することを不可能にすることが言及されるべきである。これらの抗体はn sP2およびnsP4を結合するドメインとして下で使用されるであろう。) イントラリンを構築するための方法およびプロトコールは、インデリンを構築 するのに使用されたものに高度に類似する。従って、下の記述で、われわれは、 E6/E7-インデリン(上を参照)の構築での段階と本質的に異なる、nsP 2/4-イントラリンの構築の局面のみを若干詳細に考慮し、また、他の関連す る段階の記述でインデリンのプロトコールを引用するであろう。 nsP2/4-イントラリンの会合されたDNAのORFは、N末端から始ま る以下のタンパク質領域もしくはドメイン、すなわち a)シンドビスウイルスのnsP2タンパク質に対する一本鎖抗体、 b)項目aのドメインに近接して配置された核局在化シグナル(NLS)Pro-Ly s-Lys-Lys-Arg-Lys-Val、 c)シンドビスウイルスのnsP4タンパク質に対する一本鎖抗体、 d)項目Cのドメインに近接して配置されたNLS配列Pro-Lys-Lys-Lys-Arg-Ly s-Val(上の項目bと同じ)、および e)ジフテリア毒素の毒性ドメイン(A鎖) をコードするであろう。 nsP2/4-イントラリンの構築プロトコールに関するコメント: 1)上の項目bおよびdで使用されるべきNLSは、SV40ウイルスのラージ T抗原に存在するものである。この強力かつ同時に短く簡便なNLSは広範囲に 特徴づけられている(ディングウォール(Dingwall)とラスキー(Laskey)、Trends Biochem.Sci.16: 478(1991))。 2)nsP2およびnsP4に対する一本鎖抗体は、E6/E7-インデリンに ついてまさに上に記述されたように産生され、抗nsP2および抗nsP4のモ ノクローナル抗体の調製がそれぞれnsP2およびnsP4に対する一本鎖抗体 をコードするORFの構築に先んじるであろう。 3)nsP2/4-イントラリンの調整戦略(それらが必要と判明した場合)は 、E6/E7-インデリンについて上に記述された調整戦略と同様に実行される であろう。とりわけ、NLSの位置は、イントラリンのnsP2もしくはnsP 4結合ドメインの近くの位置に関して変えられるであろう。 4)リシンに基づく細胞毒性ドメインを利用するE6/E7-インデリンと対照 的に(上を参照)、nsP2/4-イントラリンは、その細胞毒性ドメインとし てジフテリア毒素のA鎖を利用するであろう。この変更の理由は、第2A図に図 解されるイントラリンのデザインの論理から 生じる。すなわち、このタイプのイントラリンの細胞毒性ドメインは核で毒性で あるべきであるがしかしサイトゾルではそうであってはならない。実際、核およ びサイトゾルの双方で毒性であるリシンのA鎖と異なり、ジフテリア毒素のA鎖 は、ADPをリボシル化する(そしてそれにより不活性化する)延長因子2(E F2)により作用する。EF2の大部分はサイトゾル性のため、ジフテリアタイ プの毒性ドメインを含有するイントラリンのサイトゾルから核へのトランスロケ ーションは、毒素をその基質から物理的に分離するとみられる。 5)中間デザイン(nsP2-イントラリンおよびnsP4-イントラリン)もし くは最終構築物(nsP2/4-イントラリン)のいずれかの有効性の試験は、 シンドビスウイルスに感染したおよび感染していないヒト細胞が試験標的として 使用されるであろうことを除き、E6/E7-インデリンおよびその前駆体の試 験と同様に実施されるであろう。使用されるべき細胞およびウイルス株は、リ(L i)とライス(Rice)(J.Virology 63: 1326(1989))により記述されるように、ヒ ト細胞のSW−13系およびシンドビスウイルスのToto−1000株であろ う。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)エフェクタードメイン、 b)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第一の共優性の細胞 内シグナル部分、および c)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性の細胞 内シグナル部分 を含む、共優性で媒介される毒素。 2.第一および第二の細胞内シグナル部分が分解シグナルである、請求の範囲1 の共優性で媒介される毒素。 3.第一および第二の細胞内シグナル部分がトランスロケーションシグナルであ る、請求の範囲1の共優性で媒介される毒素。 4.トランスロケーションシグナルが核局在化シグナルである、請求の範囲3の 共優性で媒介される毒素。 5.第一の細胞内シグナル部分が分解シグナルでありかつ第二の細胞内シグナル 部分が核局在化シグナルである、請求の範囲1の共優性で媒介される毒素。 6.a)エフェクタードメイン、 b)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第一の共優性の分解 シグナル、および c)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性の分解 シグナル を含む、細胞内分解シグナル依存性でリガンドで調節される毒素。 7.a)エフェクタードメイン、 b)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第一の共優 性のトランスロケーションシグナル、および c)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性のトラ ンスロケーションシグナル を含む、細胞内分トランスロケーションシグナル依存性でリガンドで調節される 毒素。 8.第一および第二のトランスロケーションシグナルが核局在化シグナルである 、請求の範囲7の細胞内トランスロケーションシグナル依存性でリガンドで調節 される毒素。 9.エフェクタードメインがサイトゾル特異性である、請求の範囲8の細胞内ト ランスロケーションシグナル依存性でリガンドで調節される毒素。 10.エフェクタードメインが核特異性である、請求の範囲8の細胞内トランス ロケーションシグナル依存性でリガンドで調節される毒素。 11.a)エフェクタードメイン、 b)細胞表面結合ドメイン、 c)サイトゾル貫通ドメイン、 d)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第一の共優性の細胞 内シグナル部分、および e)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性の細胞 内シグナル部分 を含む、共優性で媒介される毒素。 12.第一および第二の細胞内シグナル部分が分解シグナルである、請求の範囲 11の共優性で媒介される毒素。 13.第一および第二の細胞内シグナル部分がトランスロケーションシ グナルである、請求の範囲11の共優性で媒介される毒素。 14.トランスロケーションシグナルが核局在化シグナルである、請求の範囲1 3の共優性で媒介される毒素。 15.エフェクタードメインがサイトゾル特異性である、請求の範囲14の共優 性で媒介される毒素。 16.エフェクタードメインが核特異性である、請求の範囲14の共優性で媒介 される毒素。 17.第一の細胞内シグナル部分が分解シグナルでありかつ第二の細胞内シグナ ル部分が核局在化シグナルである、請求の範囲11の共優性で媒介される毒素。 18.第一のタンパク質および第二のタンパク質の双方を含有することが既知の 細胞の分裂を選択的に鎮めるもしくは排除する方法であって、その方法が a)i)エフェクタードメイン、 ii)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置される第一の共優性の分解 シグナル、および iii)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置される第二の共優性の分 解シグナル を含む、細胞内分解シグナル依存性でリガンドで調節される毒素をコードするD NA発現構築物を提供すること、ならびに b)段階a)からのDNA構築物を、細胞内分解シグナル依存性でリガンドで調 節される毒素の発現に適切な条件下に殺されるべき細胞内に導入すること、 を含む方法。 19.第一のタンパク質および第二のタンパク質を含有することが既知の細胞が 原核細胞である、請求の範囲18の方法。 20.第一のタンパク質および第二のタンパク質を含有することが既知の細胞が 真核細胞である、請求の範囲18の方法。 21.第一のタンパク質および第二のタンパク質の双方をサイトゾルに含有する ことが既知の真核細胞の分裂を選択的に鎮めるもしくは排除する方法であって、 その方法が a)i)サイトゾル特異的なエフェクタードメイン、 ii)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第一の共優性の核局 在化シグナル、および iii)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性の核 局在化シグナル を含む、細胞内トランスロケーションシグナル依存性でリガンドで調節される毒 素をコードするDNA発現構築物を提供すること、ならびに b)段階a)からのDNA構築物を、細胞内デグロン依存性でリガンドで調節さ れる毒素の発現に適切な条件下に殺されるべき細胞内に導入すること、 を含む方法。 22.第一のタンパク質および第二のタンパク質の双方をサイトゾルで欠くする ことが既知の真核細胞の分裂を選択的に鎮めるもしくは排除する方法であって、 その方法が a)i)核特異的なエフェクタードメイン、 ii)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第一の共優性の核局 在化シグナル、および iii)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性の核 局在化シグナル を含む、細胞内トランスロケーションシグナル依存性でリガンドで調節される毒 素をコードするDNA発現構築物を提供すること、ならびに b)段階a)からのDNA構築物を、細胞内トランスロケーションシグナル依存 性でリガンドで調節される毒素の発現に適切な条件下に細胞内に導入すること、 を含む方法。 23.第一のタンパク質および第二のタンパク質の双方を含有することが既知の 真核細胞の分裂を選択的に鎮めるもしくは排除する方法であって、その方法が a)i)エフェクタードメイン、 ii)細胞表面結合ドメイン、 iii)サイトゾル貫通ドメイン、 iv)第一のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第一の共優性の細胞 内シグナル部分、および v)第二のタンパク質の結合ドメインに近接して配置された第二の共優性の細胞 内シグナル部分 を含む、多ドメインタンパク質融合物を提供すること、ならびに、 b)段階a)の多ドメイン融合物を標的細胞に接触させること、 を含む方法。 24.第一および第二の細胞内シグナル部分が分解シグナルである、請求の範囲 23の方法。 25.第一および第二の細胞内シグナル部分がトランスロケーションシ グナルである、請求の範囲23の方法。 26.トランスロケーションシグナルが核局在化シグナルである、請求の範囲2 3の共優性で媒介される毒素。 27.第一の細胞内シグナル部分が分解シグナルでありかつ第二の細胞内シグナ ル部分が核局在化シグナルである、請求の範囲23の方法 28.1種の予め決められた細胞内リガンドに特異的な、条件付きの、細胞内リ ガンド依存性の毒性を表す融合タンパク質であって、その融合タンパク質が a)エフェクタードメイン、および b)タンパク質の結合ドメインに近接して配置される細胞内シグナル部分、 を含むタンパク質。 29.1種の予め決められた細胞内リガンドに特異的な、条件付きの、細胞内リ ガンド依存性の毒性を表す融合タンパク質であって、その融合タンパク質が a)エフェクタードメイン、 b)細胞表面結合ドメイン、 c)サイトゾル貫通ドメイン、および d)タンパク質の結合ドメインに近接して配置される細胞内シグナル部分、 を含むタンパク質。
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