【発明の詳細な説明】
機能的ヒト2−5A系を同時発現するトランスジェニック植物関連出願
米国特許のための本出願は、1993年3月8日に出願された米国特許出願番
号08/028,086の一部継続出願である1994年2月18日に出願され
た米国特許出願番号08/198,973の一部継続出願である。発明の分野
本発明は、2−5Aを結合および/または2−5Aに結合した際に一本鎖RN
Aを切断する能力を有する単離された2−5A依存性RNase、そのコード配
列、組み換えヌクレオチド分子、組み換えベクター、組み換え細胞、例えば2−
5A依存性RNase、2−5Aシンテターゼおよび/またはPKRと類似また
は同一の活性を有する抗ウイルス性アミノ酸配列を発現する抗ウイルストランス
ジェニック植物、並びに、例えば、タバコ腐食(etch)ウイルス(TEV)、タ
バコモザイクウイルス(TMV)およびアルファルファモザイクウイルス(AI
MV)に対する耐性を示す抗ウイルストランスジェニックタバコ植物に関する。背景
RNA分解の調節は重要な細胞機能であり、遺伝子発現はRNA安定のレベル
で制御されることが多い。例えば、Sha,G.およびKamen R.,Cell,46:659-667
(1986)を参照。にも係わらず、哺乳類または植物系でのRNA分解を仲介する生
化学的経路については比較的ほとんど知られていない。例えば、哺乳類または植
物細胞中でのmRNAの回転の原因となるリボヌクレアーゼの全部でないにして
も殆どは未同定のままである。これはBrawerman,G.,Cell,57:9-10(1989)に
概略された。
現在、2−5A系は、ヒトを含む高等動物由来の唯一の十分に解明されたRN
A分解経路であると考えられている。図1を参照。例えば、Kerr,I.M.およびBr
own,R.E., Prod .Natl.Aacd.Sci.USA, 75:256-260(1978)およびCayley,P.J
.他:Biophys Res .Commun.,108:1243-1250(1982); Sen,G.C.およびLengyel
,P., J .Biol.Chem., 267:5017-5020(1992)に概説、なども参照。2−5A
系の活性は2−5A依存性RNaseとして既知のエンドリボヌクレアーゼによ
って仲介されると考えられる。Clemens,M.J.およびWilliams,B.R.G.,Cell,
13:565-572(1978)を参照。2−5A依存性RNaseは、2−5A、2’,5
’ホスホジエステル結合を有する異常なオリゴアデニレート、pn(A2'p)nA をリ
ボヌクレアーゼ活性のために必要とする点で特別な酵素である。Kerr,I.M.およ
びBrown,R.E., Prod .Natl.Aacd.Sci.USA, 75:256-260(1978)を参照。2−
5Aは二本鎖RNA(dsRNA)を必要とする反応でシンテターゼのファミリ
ーによってATPから産生する。図1を参照。Hovanessian,A.G.他., Nature,
256:537-539(1997); Marie,I及びHovanessian,A.G., J .Biol.Chem,,267:
9933-9939(1992)も参照。2−5Aは、2’,5’−ホスホジエステラーゼお
よび5’−ホスファターゼの作用の組み合わせのために細胞中並びに無細胞系で
不安定である。Williams,B.R.G.他; Eur .J.Biochem.,92:455-562(1978);
およびJohnson,M.I.およびHearl,W.G., J .Bio.Chem.,262:8377-8382(198
7)を参照。2−5A依存性RNaseおよび2−5Aの相互作用(Kd=4×1
0-11M)、Silverman,R.H.他、Biol .Chem., 263:7336-7341(1988)は高度
に特異的である。Knight,M.他, Nature, 288:189-192(1980)を参照。2−5
A依存性RNaseは、2−5Aに結合することによってその活性状態に転換さ
れるまで検出可能なRNase活性を有さないと考えられる。Silverman,R.H.
他、Anal .Biochem.,144:450-460(1985)を参照。活性化された2−5A依存
性RNaseは、UUおよびUA配列を優先して、UpNpのRNA3’の一本
鎖領域を切断する。Wreschner,D.H.他、Nature, 289:414-417(1981a); および
Floyd-Smith,G.他、Science, 212:1020-1032(1981)を参照。マウス肝臓由来
の不活性2−5A依存性RNaseの分析により、それが約80kDaの単一ポ
リペプチドであることが分かった。Silverman,R.H.他、Biol .Chem., 263:733
6-7341(1988)を参照。
2−5A系の完全な範囲および生物学的重要性は未知のままであるが、インタ
ーフェロン作用の分子機構の研究は少なくとも幾つかの機能を提供してきた。イ
ンターフェロンα、またはYは2−5A依存性RNase(Jacobsen,H.他、Vi rology
,125:496-501(1983a)およびFloyd-Smith,G., J .Cellular Biochem.,
38:12-21(1988))および2−5Aシンテターゼ(Hovanessian,A.G.,他、 Natu re,
268:537-539(1977)、Sen,G.C.およびLengyel,P., J .Biol.Chem., 26
7:5017-5020(1992)に概説)の両方の蓄積を誘導すると考えられる。さらに、幾
つかの調査により、インターフェロンがピコルナウイルスの複製を阻害する機構
中での2−5A系が示されている。実際、2−5Aそれ自体および高度に特異的
な2−5A仲介rRNA切断生成物は、インターフェロンで処理した脳心筋炎ウ
イルス(EMCV)感染細胞中で誘導された。Williams,B.R.G.,Nature,282:5
82-586(1979); Wreschner,D.H.他., Nucleic Acids Res., 9:1571-1581(1981b
); およびSilverman,R.H.他、Eur .J.Biochem.,124:131-138(1982a)を参
照。さらに、2−5AシンテターゼcDNAの発現はピコルスウイルスの複製を
阻害し(Chebath,J., Nature, 330:587-588(1987)およびRysiecki,E.F.他、 J .Interferon Res.,
9:649-657(1989))、そして細胞内に2−5A依存性RNa
seの2−5Aアナログ阻害剤を導入するとEMCV複製のインターフェロン仲
介阻害を減少した。Watling,D.他、EMBO J., 4:431-436(1985)を参照。さら
に、2−5A依存性RNase量はインターフェロンの抗−EMCV活性に相関
して(Kumar,R.他、J .Virol., 62:3175-3181(1988))、EMCV由来のds
RNAはインターフェロン処理した感染細胞で2−5Aシンテターゼに結合し活
性化した。Bribaudo,G.他、 J .Virol.,65:1948-1757(1991)を参照。
しかし、2−5A系はほぼ確かに、インターフェロンの抗ピコルナウイルス活
性を越える機能を提供する。例えば、細胞内への2−5Aの導入(Hovanessian,
A.G.および Wood,J.M., Virology, 101:81-90(1980))、2−5Aシンテタ
ーゼcDNAの発現(Rysiecki,G.他、 J .Interferon Res., 9:649-657(1989))
は、細胞成長速度を阻害する。さらに、2−5A依存性RNase量は成長停止
細胞で増大し(Jacobsen,H.他、Proc .Natl.Aacd.Sci.USA,80:4954-4958(1
983b)、および2−5Aシンテターゼ(Stark,G.他、Nature,278:471-473(197
9))、および2−5A依存性RNase量は細胞分化の間に誘導される。例
えば、Krause,D.他、Eur .J.Biochem.,146:611-618(1985)を参照。従って、
興味深い関連が、2−5A依存性RNaseと細胞成長および分化の基本的調節
の間に存在しており、2−5A系が一般的なRNA代謝で機能しているかもしれ
ないことが示唆される。爬虫類、鳥類および哺乳類で2−5A系が共通して存在
することは、その経路のための幅広い役割を確かに裏付けている。例えば、Cayl
ey,P.J.他、Biochem .Biophys.Res.Commun.,108:1243-1250(1982)を参照。
2−5A系が高等動物由来の唯一の十分に解明されたRNA分解経路であると
現在では考えられている一方で、PKRとして知られるdsRNA依存性タンパ
ク質キナーゼ酵素もまた高等動物で抗ウイルス効果を有すると考えられる。2−
5Aシンテターゼ酵素と同様に、PKRはdsRNAによって刺激されると考え
られる。活性化PKRは、翻訳因子eIF2−アルファのアルファサブユニット
をリン酸化して、タンパク質合成開始を間接的に阻害するものと考えられる。イ
ンターフェロンα、およびYはPKRの蓄積を誘導すると考えられる。Hovaness
ian 他: J .Interferon Res., 9:641-647(1989)を参照。
2−5A系と同様に、PKR系もまたインターフェロンの抗ピコルナウイルス
活性を越える機能を提供するらしい。Meurs,E.F.他:J .Virology, 66:5805-5
814(1992)を参照。例えば、NIH3T3細胞での変異型のPKRの発現は、ヌ
ードマウスに注入した際に腫瘍形成を生じた。Meurs,E.F.他: Proc .Natl.A acd.Sci.USA,
90:232-236(1993)を参照。
簡単に言うと、2−5A系およびPKR系はウイルスタンパク質合成を阻害す
る。これは、mRNAおよびrRNAを分解することによって2−5A系によっ
て達成されると考えられる一方、PKR系はタンパク質合成開始を間接的に阻害
することによってこれを達成すると考えられる。
ウイルス植物病は広地域流行のものであり、それらの重症度は穏やかな症状か
ら植物の死に至るまで変化する。植物ウイルスの大部分は一本鎖RNAゲノムを
有すると考えられる。さらに、植物は、上記の3種の酵素、PKR、2−5Aシ
ンテターゼおよび2−5A依存性RNaseを欠いていると今日では考えられて
いる。Cayley,P.J.他:Biochem .Biophys.Res.Commun.,108:1243-1250(1982
)およびDevach,Y 他:Biochemistry,24: 593-599(1985)を参照;またCrum,C.
他: J .Biol.Chem., 263:13440-13443(1988); Hiddinga,H.J.他: Science,
241:451-453(1988);Sela,I.:TIBS,pp.31-33(1981,2 月):および Devach
,Y.他: Science, 216:1415-1416も参照。
インターフェロンファミリーのサイトカインは、高等脊椎動物の細胞中に抗ウ
イルス状態を誘導すると考えられる。J.Vilcek,G.C.Sen,In Virology,B.F
ields 編(Raven,ニューヨーク、1995)。ウイルス感染した細胞はインターフェ
ロンαおよびβを産生し分泌し、これらが、ウイルス感染が生じたことを未感染
細胞に信号を送ると考えられる。インターフェロンは、インターフェロンに刺激
された遺伝子を誘導するJak−STATシグナル伝達経路を活性化する、特異
的細胞表面受容体に結合すると考えられる。Darnell,J.E.他: Science, 264:1
415(1994)。これらの遺伝子によってコードされるタンパク質が、抗ウイルス応
答を含む、インターフェロンの生物学的作用の原因となるものと考えられる。2
−5A系は(Kerr,I.M.他: Proc .Natl.Aacd.Sci.USA, 75:256(1978)を参照
)は、爬虫類、鳥類および哺乳類の細胞中に存在する一つのそのようなインター
フェロンに誘導された抗ウイルス経路である。Cayley,他:Biochem .Biophys. Res.Commun.
,108:1243(1982)。2種の酵素が機能的2−5A系に必須である
と考えられている:1)2−5A、一連の5’−リン酸化された、2’,5’−
結合したオリゴアデニレート類、を産生するためにdsRNAを必要とする複数
の2−5Aシンテターゼのいずれか1つ、A.G.Hovanessian,A.G.他: Nature,
268:537(1977)、およびMarie,I.他: J .Biol.Chem.,267:9933(1992); 並
びに2)2−5A依存性RNaseL.Clemens,M.J.他: Cell,13:565(1978)
、Slattery他: Proc .Natl.Aacd.Sci.USA, 76:4778(1978)、およびZhou,
A.他: Cell,72:753(1993)。2−5Aは、主にUpNp配列後に、ウイルスお
よび細胞性一本RNAを切断するRNaseLを活性化すると考えられる。Floy
d-Smith,G.E.他:Science, 212:1020(1981); およびWreschner,D.H.他:Natu re
,289:414(1981)。ウイルス感染細胞は、例えばRNAウイルスの複製中間
体として、2−5AシンテターゼのdsRNA活性化因子を含むことが多いので
(例えば、Gribaudo G.他: J .Virol., 65:1748(1991)を参照)、RNase
LによるRNA分解はインターフェロンで処理したウイルス感染細胞で生じる
ことが多いと考えられる。Wreschner,D.H.他: Nucleic Acids Res.,9:1571(1
981);およびSilverman,R.H.他:Eur .J.Biochem.,124:131(1982)を参照。
2−5A系は、インターフェロン処理した哺乳細胞中でピコルナウイルス、脳心
筋炎ウイルスおよびメンゴウイルスの複製を阻害すると考えられる。Chebath,J
.他: Nature, 330:587(1987); Rysiecki,G.他: J .Interferon Res., 9:649
(1989); Coccia,E.M.他、Virology,179:228(1990); およびHassel,B.A.他: EMBO J
.,12:3297(1993)。
RNaseLは、2−5A結合活性で分析した場合、タバコ、Nicotiana glut
inosa および N.tabacum において検出されなかった。Cayley,他:Biochem .B iophys.Res.Commun.
,108:1243(1982)を参照。さらに、2−5Aシンテター
ゼはそのような植物では検出されず、そして2−5Aシンテターゼは、対照、タ
バコモザイクウイルス(TMV)−に感染した、インターフェロンで処理した、
またはポリ(I):ポリ(C)で処理した植物で検出されなかった。従って、植
物は2−5A系または哺乳類の2−5A系の同等物を欠いているようである。
以前は、RNaseLの同時発現を伴わないラット2−5AシンテターゼmR
NAのジャガイモでの発現は、全てではないがある種のトランスジェニック植物
でジャガイモウイルスX(PVX)に対する潜在的部分的耐性に関連していた。
Truve,E.他: Bio/Technology,11:1048(1993)を参照。この感知された効果と
非トランスジェニックN.glutinosa 葉面中での2’,5’−オリゴアデニレー
トの抗TMV効果の可能性の両方に対する生化学的基礎は確立していない。Y.D
evash 他、Science, 216 (1982) を参照。植物オリゴアデニレートは存在
すると考えられるけれども、2−5Aとは相違するようである。Y.Devash 他:Biochem.
24:593(1985)を参照。従って、植物は2−5Aシンテターゼおよび
RNaseLを産生または発現しないと現在は考えられている。
2−5A系に対する2−5A依存性RNaseの重要性にも係わらず、リボヌ
クレアーゼ機能を有する2−5A依存性RNase酵素は、これまでに単離も精
製も配列決定もなされていない。その結果、単離された活性な2−5A依存性R
Nase並びにそれらの完全なアミノ酸配列を求める必要があり、また活性な2
−5A依存性RNaseのコード配列を求める必要もある。また、ピコルナウイ
ルス、タバコモザイクウイルス(TMV)、タバコ腐食(etch)ウイルス(TEV
)およびアルファルファモザイクウイルス(AIMV)などのウイルスに対して
免疫であるか耐性であるトランスジェニックタバコ植物などの、ウイルスに対し
て免疫であるか耐性であるトランスジェニック植物を求める必要もある。発明の要旨
簡単に言うと、本発明は、新規な単離された2−5A依存性RNaseおよび
そのコード配列の発見を通じて、当分野の現状の上記課題並びに欠点の一定のも
のを軽減して解消するものである。
広く言うと、本発明の新規な2−5A依存性RNaseは、哺乳類などの動物
細胞での一本鎖RNA崩壊の基本的調節に関与し、また鳥類または爬虫類細胞な
どの動物細胞中に存在する。さらに詳細には、本発明の新規な2−5A依存性R
Naseは、5’−リン酸化した2’,5’−結合オリゴアデニレート(本書中
以下においては「2−5A」と称す)に結合することによって活性化された後に
、UpUpまたはUpAp配列の主として3’の一本鎖RNAを分解することが
できる能力を有している。その結果、この新規な2−5A依存性RNaseは細
胞増殖速度、ウイルス複製の阻害に関連して、そしてウイルス感染および癌のイ
ンターフェロン治療に関連して有用であると考えられる。本明細書で使用する場
合、「2−5A依存性RNase(単数または複数)」という用語は広義におい
て使用され、2−5A依存性RNaseが2−5Aによって活性化される場合に
、2−5A結合ドメインおよび/またはリボヌクレアーゼ作用を含む任意のアミ
ノ酸配列を含むことを意味する。2−5A依存性RNaseという用語はまた「
RNaseL」という用語も包含し、「2−5A依存性RNase」という用語
と交換可能的に使用される。
本発明の新規な2−5A依存性RNaseは、ゲル電気泳動移動および/また
はそれらの各々のコードヌクレオチド配列からの予測によって決定した場合で、
約74kDa(ネズミ)および約84kDa(ヒト)の間の大きさの分子量を有
するタンパク質酵素である。例えば、本発明のヒト2−5A依存性RNaseは
、そのコード配列から予測したアミノ酸配列から決定した場合で約83,539
D
aの分子量を有する一方、ネズミの2−5A依存性RNaseは、ゲル電気泳動
移動およびコード配列からのアミノ酸配列の予測によって決定した場合で約74
kDaの分子量を有する。約74kDaの分子量がネズミ2−5A依存性RNa
seに関して本明細書中に報告される一方で、報告された分子量が不完全なネズ
ミ2−5A依存性RNaseのものであることが理解されるべきである。それに
も係わらず、一度完全に配列決定されれば、即ち、約84アミノ酸末端領域が同
定されれば、完全なネズミ2−5A依存性RNaseの分子量はヒトの分子量、
即ち約84kDaと同様であるものと考えられる。
しかし、ゲル電気泳動移動がネズミ2−5A依存性RNaseの分子量を測定
するために使用されているので、74kDaの分子量は相対移動度に基づく見積
もりにすぎないことは、当業者にとって容易に自明であるはずでもある。
ヒト2−5A依存性RNaseタンパク質のアミノ酸配列は図3および表1に
記載する。ヒト2−5A依存性RNaseタンパク質のコード配列も表1に記載
する。ヒト2−5A依存性RNaseのmRNAは約5.0Kbの大きさである
。ネズミ2−5A依存性RNaseタンパク質の実質的に完全なアミノ酸配列お
よびそのコード配列を表2に記載する。ネズミ2−5A依存性RNaseのmR
NAは約5.7Kbの大きさである。
本発明の2−5A依存性RNaseのアミノ酸配列の分析により2−5A依存
性RNaseに特徴的な幾つかの特徴が明らかになった。例えば、本発明の新規
な2−5A依存性RNaseは、アミノ末端とカルボキシ末端の間に渡る以下の
特徴的なドメインを含むことが見つかった。例えば、少なくとも4個、そして多
分9個かそれ以上のアンキリン反復が存在し、そのうちの3個はアミノ末端に最
も近い所に位置していることが見つかった。しかし、4個のアンキリン反復が見
つかった一方で、本発明の2−5A依存性RNaseのアミノ酸配列をさらに分
析すれば、全部で例えば約8個またはそれ以上のさらに追加のアンキリン反復が
存在するかもしれないと考えられる。これらのアンキリン反復は多分、タンパク
質−タンパク質相互作用において機能するかもしれないと考えられる。アンキリ
ン反復1は一般に表1および2で58−90と付けられたアミノ酸の間に存在す
る。アンキリン反復2は一般に表1および2で91−123と付けられたアミノ
酸の間に存在する。アンキリン反復3は一般に表1および2で124−156と
付けられたアミノ酸の間に存在する。アンキリン反復4は一般に表1および2で
238−270と付けられたアミノ酸の間に存在する。図10Aおよび図10B
も参照。
この新規な2−5A依存性RNaseが、RNA認識またはタンパク質二量体
形成で多分機能する可能性がある、アミノ末端よりカルボキシ末端の近くに存在
するシステイン豊富領域(ジンクフィンガーと相同性を有する)を含むことも見
つかった。システイン豊富領域は、表1および図4に報告したヒト配列で395
−444と付けられたアミノ酸の間、あるいは表2および図4に報告したネズミ
配列で401−436と付けられたアミノ酸の間に一般的に存在する約5または
6個のシステイン残基を含むと考えられる。
さらに、この新規な2−5A依存性RNaseは、アンキリン反復モチーフ内
に一般的に存在する二重のホスフェート結合(2P−ループ)モチーフを含むこ
とが見つかった。2個のP−ループは同一方向であり、2−5Aに結合するのに
必要な結合ドメインを構成していると考えられる。各P−ループモチーフは最大
の2−5A結合活性に必須であるリジン残基を含むものと考えられる。リジン残
基は表1および2で240および274と付けられている。
この2−5A依存性RNaseタンパク質は、タンパク質キナーゼに相同であ
ると考えられるシステイン豊富領域の後に続くアミノ酸領域を含むことが見つか
った。この領域内に、表1および2で470−504と付けられたアミノ酸残基
の間に一般的に存在するドメインVIとVIIと付けられた別々のドメインが存
在するものと考えられる。さらに詳細には、ヒト配列の2−5A依存性RNas
eに関しては、ドメインVIは表1および図4に報告したような、501−50
4と付けられたアミノ酸残基の間に一般的に存在する。ネズミ配列の2−5A依
存性RNaseに関しては、表2および図4に報告したように、ドメインVIは
470−489と付けられたアミノ酸残基の間に一般的に存在し、ドメインVI
Iは499−502と付けられたアミノ酸残基の間に一般的に存在する。
本発明の2−5A依存性RNaseと、E.Coliの変更mRNA安定性(ams
)/rne遺伝子によってコードされるRNaseEとのアミノ酸配列の間には
限
定された相同性が存在することも見つかった。驚くべきことに、限定された相同
性は2−5A依存性RNaseのネズミおよびヒトのアミノ酸配列の間で一般的
に保存されており、一般的に200アミノ酸領域の間に存在する。さらに詳細に
は、ヒト配列については、そのアミノ酸領域は表1および図9Aおよび9Bで1
60−349と付けられたアミノ酸残基に渡る。ネズミ配列に関しては、そのア
ミノ酸領域は表2および図9Aおよび9Bで160−348と付けられたアミノ
酸残基に渡る。
本発明の新規な2−5A依存性RNaseタンパク質の完全でないにしてもほ
ぼ全てのアミノ酸配列がリボヌクレアーゼ機能のために必要であることが見つか
り、そのように考えられる。例えば、カルボキシ末端の約84アミノ酸領域がヒ
ト2−5A依存性RNaseに存在する場合、ヒト2−5A依存性RNaseは
2−5Aの存在下でリボヌクレアーゼ機能を有するものと考えられる。対照的に
、ネズミ2−5A依存性RNaseがカルボキシ末端に約84アミノ酸領域を欠
く場合は、それはリボヌクレアーゼ機能を欠く。
2−5Aへのネズミ2−5A依存性RNaseタンパク質の結合活性に関して
は、1個のP−ループをネズミ2−5A依存性RNaseタンパク質の反復P−
ループモチーフから欠失させた場合、ほぼ全ての2−5A結合活性が失われ、そ
して両方のP−ループを欠失させた場合、実質的に完全な活性が失われることが
見つかった。しかし、反復P−ループモチーフの後のネズミ2−5A依存性RN
aseタンパク質のアミノ酸配列のカルボキシ末端部分を欠失させた場合でさえ
も、部分的な2−5A結合活性は維持されることが判明した。
リジン残基240および274を両方のP−ループモチーフ中でアスパラギン
残基で置換すると、ネズミ2−5A依存性RNaseタンパク質の有意な2−5
A結合活性は失われることがさらに見つかった。しかし、リジン残基240また
は274のいずれかをP−ループモチーフのいずれか中で置換すると、部分的の
みの2−5A結合活性が失われることもさらに見つかった。従って、本発明の2
−5A依存性RNaseのためのアミノ酸配列中の両方のP−ループモチーフの
存在が2−5A結合活性で重要な役割を担っているものと考えられる。さらに、
各々のP−ループモチーフ中のリジン残基240および274の存在が増加した
2−5A結合活性のために重要な役割を担っているものと考えられる。また、本
発明の2−5A依存性RNaseの実質的に完全なアミノ酸配列の存在が、さら
に増加した2−5A結合活性を付与し、同様にリボヌクレアーゼ機能を付与する
ものと考えられる。
さらに、本発明はネズミおよびヒトの2−5A依存性RNase並びに新規な
ネズミおよびヒトのクローンのクローニングに関する。2−5A依存性RNas
eの組み換え体および天然体は、実質的に同一の2−5A結合性およびリボヌク
レアーゼ特異性を示した。
本発明はさらに、例えば、1)ウイルス疾患および癌を含むヒトおよび動物疾
患の遺伝子治療における、2)おそらく癌またはウイルス感染によるヒト疾患の
ための遺伝マーカーとして、3)一定のウイルスに耐性である植物および動物を
開発するために、そして4)RNAの構造の研究のため等のような研究開発に関
連した酵素として、などの使用のために、新規な単離された2−5A依存性RN
ase並びにそれのコード配列、並びにそのアナログおよび活性フラグメントを
使用することを包含する。上記を達成するための一つの方法において、そして本
発明により意図されるように、本発明のコード配列はex vivo治療で利用
することができ、即ち、当業者に公知の技術を使用して本発明のコード配列を使
用して組み換え細胞を開発することができる。上記を達成するために使用するこ
とができるもう一つ別の方法において、本発明のコード配列を適当なプロモータ
ーと組み合わせて組み換え分子を形成し、当業者に公知の技術を使用して動物、
植物、または他の下等生命体中に導入するために適当なベクターに挿入すること
ができる。もちろん、当業者に公知の手段の他の適当な方法を選択して、本発明
の新規な2−5A依存性RNaseおよびコード配列が適した上記の目的または
他の目的を達成することができる。
本発明はまた、ピコルナウイルスなどのウイルスに耐性である、上記のような
新規なトランスジェニック植物を意図する。一般的に言うと、本発明のトランス
ジェニック植物は、タンパク質を含む、任意の型の抗ウイルスアミノ酸配列をコ
ードする任意の挿入されたヌクレオチド配列を含む。好ましくは、本発明により
植物内に導入された抗ウイルスヌクレオチド配列は、インターフェロン産生およ
び/または治療に応答して刺激される遺伝子などのような動物抗ウイルス遺伝子
である。これらには、例えば、2−5Aシンテターゼ(synthetase、合成酵素)、
2−5A依存性RNase、およびPKRをコードする動物の抗ウイルス遺伝子
が含まれる。これらのインターフェロンに調節されたタンパク質、2−5Aシン
テターゼ、2−5A依存性RNaseおよびPKR(dsRNA依存性タンパク
質キナーゼ)は高等動物中で抗ウイルス効果を認識し、本発明のトランスジェニ
ック植物において抗ウイルス効果を有すると考えられる。PKRはdsRNAに
よって刺激されると、タンパク質合成開始を間接的に阻害する翻訳因子eIF2
をリン酸化する。一方、2−5AシンテターゼはdsRNAによって活性化され
、「2−5A」pxA(2’p5’A)y(式中X=約1〜約3であり、y≧約2
)のATPからの産生を生じる。次いで、2−5Aは2−5A依存性RNase
(RNaseLまたはヌクレアーゼFとしても知られる)と命名されるエンドリ
ボヌクレアーゼを活性化する。活性化されたリボヌクレアーゼはmRNAおよび
rRNAを分解し、タンパク質合成を阻害する。
これらの上記経路は、ピコルナウイルスなどの、dsRNA中間体を通じて複
製する一本鎖RNAゲノムを有する動物中のウイルスを阻害する上で特に効果的
であり、植物に感染する同様の型のウイルスを阻害する上でも効果的であると考
えられる。この考えは、大部分の一本鎖RNA植物ウイルスはそれらのウイルス
レプリカーゼによる複製の間に二本鎖構造を産生し(Dawson,W.O.他:Acad .Pr ess,
38:307-342(1990))、植物ウイルスが構造、組成および細胞中での複製機
構において動物ウイルスと類似しているという理解を前提としている。さらに、
ウイルスのいわゆる一本鎖RNAでさえ、PKRおよび2−5Aシンテターゼを
活性化して植物ウイルスに対する広範囲の植物保護を導くことができる二次構造
を含有している場合がある。2−5A依存性RNaseおよび2−5Aシンテタ
ーゼの同時発現がウイルスmRNAおよびウイルスゲノムRNAの破壊を導き、
それによって本発明のトランスジェニック植物をウイルスから保護するものと考
えられる。さらに、本発明のトランスジェニック植物によるPKRの発現がウイ
ルスタンパク質合成を阻害し、ウイルス複製を阻害し、トランスジェニック植物
を保護するものと考えられる。従って、本発明は部分的には、植物ウイルスRN
Aが本発明のトランスジェニック植物において2−5AシンテターゼおよびPK
Rを活性化し、ウイルス感染に対する免疫を導くという考えを前提としている。
さらに、2−5Aシンテターゼ単独または2−5A依存性RNase単独または
PKR単独の発現は、おそらくウイルス複製中間体などのウイルスRNAに結合
して、それによってウイルス複製を妨害することによって、ウイルスに対して植
物を保護するのかもしれない。さらに、PKRおよび/または2−5Aシンテタ
ーゼのdsRNA結合ドメインのみの発現も同様にウイルス感染に対して本発明
のトランスジェニック植物を保護することができる。
従って、ウイルス感染に対して耐性である新規なトランスジェニック植物が本
発明に従って今や作製することができることを当業者は理解するべきである。上
記のこれら3種の動物抗ウイルス遺伝子によってコードされる動物抗ウイルスタ
ンパク質はウイルス生活環の異なる段階と干渉するので、抗ウイルス保護の有効
性は、少なくとも3種の上記の動物抗ウイルス遺伝子を植物に挿入して本発明の
例示的トランスジェニック植物を形成する場合に、増大または最大化することが
できるものと考えられる。さらに、これらの動物抗ウイルスタンパク質またはア
ミノ酸配列は、ヒト並びに他の哺乳類、鳥類および爬虫類において天然に生じて
いるので、これらはヒトを含む動物に安全に与えて導入することができるらしい
と考えられる。
開示した特定の配列を参照して本発明が本明細書中に説明されているが、にも
係わらず、本発明は、2−5Aシンテターゼ活性、PKR活性および/または2
−5A依存性リボヌクレアーゼ活性を破壊しないアミノ酸および/またはヌクレ
オチド配列への変更を意図するということが当業者により理解されるべきである
。従って、本発明は、任意の活性部分、および任意のコード配列などの活性であ
る、2−5A依存性RNase、2−5Aシンテターゼ、およびPKRの任意の
アナログ、一部またはフラグメントを意図する。言い換えれば、本発明は、他の
なかでも、本発明の目的を達成することができる能力を有する任意のアミノ酸、
任意のヌクレオチド配列および任意のトランスジェニック植物を包含する。例え
ば、本発明には、抗ウイルス活性を有する任意のアミノ酸配列、並びにそれをコ
ードする任意のヌクレオチド配列、並びにそのようなヌクレオチド配列を発現す
るト
ランスジェニック植物が包含される。さらに詳細には、本発明には、例えば:1
)PKR活性、2−5Aシンテターゼ活性および/または2−5Aリボヌクレア
ーゼ活性と同様または同一の活性を有するアミノ酸配列などのウイルス複製を阻
害またはそれに干渉する能力を有する任意の動物アミノ酸配列、並びに任意のそ
のような活性を有するアミノ酸配列をコードする任意のヌクレオチド配列;並び
に2)任意のそのような抗ウイルス活性を有する任意のそのようなアミノ酸配列
をコードする任意の動物抗ウイルスヌクレオチド配列を有する任意のトランスジ
ェニック植物が包含される。
本発明によって意図されるさらに別の特徴によれば、ウイルス感染に対する免
疫または耐性をトランスジェニック植物に付与するために機能的2−5A系を発
現する能力を有する、トランスジェニックタバコ植物などの新規なトランスジェ
ニック植物が意外なことに見つかった。さらに詳細には、例えば、タバコモザイ
クウイルス(TMV)、タバコ腐食ウイルス(TEV)およびアルファルファモ
ザイクウイルス(AIMV)に対する耐性を付与するために機能的2−5A依存
性RNase(RNaseL)および機能的2−5Aシンテターゼを発現する能
力を有するトランスジェニックタバコ植物が見つかった。これらの優れたトラン
スジェニックタバコ植物は、トランスジェニックではなくそのような2−5A系
を発現する能力を有さない同様の植物よりも、TMV、TEVおよびAIMVに
よる感染に対して耐性および免疫が強いことが意外なことに見つかった。
本発明による植物中での2−5A系の発現は、これまでに利用されていた代替
的な植物抗ウイルス戦略と比較して、幾つかの自明な利点を有しているようであ
る。最も普通のアプローチは、病原体由来の耐性を包含し(Sanford,J.C.他:J .Theor.Biol.,
113:395(1985))、この場合植物は形質転換されて一定のウ
イルスにコードされたタンパク質またはアンチセンスRNAを発現する(Wilson
, T.M.A.他: Proc .Natl.Aacd.Sci.USA, 90:3134(1993):およびHull,R.
他:Crit .Rev.Plant Sci., 11:17(1992))。このアプローチの潜在的限界は
植物中で生じることがあるウイルス組み換えであり、多分より有毒なウイルス、
ウイルスまたはベクター特異性の宿主範囲の拡大を生じる。Greene,A.E.他:Sc ience
, 263:1423(1994); White,K.A.他: Proc .Natl.Aacd.Sci.USA, 91:
3642(1994);およびTepfer,M.他:Bio/Technology,11:1125(1993)を参照。これ
らの危険は一般には高いとは考えられない。Falk,B.W.他:Science, 263:1395(
1994)を参照。しかし、ウイルス感染に対する実質的な耐性の場合でさえも、保
護は、タンパク質またはアンチセンスRNAが由来するウイルス、または密接に
関連した株に通常は限定される。対照的に、本発明の機能的2−5A系を含有す
るトランスジェニック植物は、感染細胞にdsRNAを産生する任意の植物ウイ
ルスに対する免疫および耐性を与えることができるという実現性を根拠にしてい
る。経済的に重要なポチウイルス(potyvirus)群のものを含む大部分の植物ウ
イルスは、複製プロセスの間にdsRNA中間体を産生する正のセンス一本鎖R
NAウイルスである。さらに、植物ウイルスは機能的2−5A系に対して裸のま
ま(naive)であるので、これらのウイルスは高等脊椎動物のウイルスよりもそ
れに対してより傷を受けやすいようであると考えられる。従って、トランスジェ
ニック植物中での機能的2−5A系の発現は意外にもウイルス感染に対する幅広
い耐性を提供すると考えられる。従って、本発明によるトランスジェニック植物
戦略は、地面でのウイルス感染から作物および他の植物を保護するための意外で
有利なアプローチを提供する。
本発明の上記の特徴および利点は、添付する図面、詳細な説明および実施例を
参照してより良く理解されるであろう。本発明を例示する特定の方法、アミノ酸
配列、コード配列、構築体、ベクター、組み換え細胞、および抗ウイルストラン
スジェニック植物は例示的なものにすぎず、本発明の限定とみなされるべきでは
ないことも理解されるべきである。図面の簡単な説明
以下、添付する図面を参照するが、そこには本発明の例示的態様が示され、そ
こから本発明の新規な特徴および利点が明らかになるであろう。
図1は、2−5A系である:インターフェロン作用の分子機構で作用すると考
えられるリボヌクレアーゼ経路。5’−ホスファターゼ、P’ターゼ;2’−5
’−ホスホジエステラーゼ、2’−PDE。
図2Aおよび2Bは、ネズミ2−5A依存性RNaseの組み換え体および天
然体の2−5A結合活性の比較である。
図2Aは、2−5Aに対する先端切断したネズミ2−5A依存性RNaseの
特異的親和性である。32P−2−5Aプローブ(レーン1−7)のタンパク質へ
のUV共有架橋は、ネズミ2−5A依存性RNasemRNA(クローンZB1
由来)を有するか(レーン1−3)、RNAを添加しない(レーン4)小麦胚抽
出物(5μl)中、あるいはインターフェロンで処理したマウスL細胞の抽出物
(100μgのタンパク質)中での翻訳反応後に行われる。反応は競合物質の添
加なし(レーン1、4および5)または、いずれかのタイマーコアの存在下であ
る。(A2'p)2A,(100nM)(レーン2および6)またはタイマー2−5A、p3
(A2'p)2A,(100nM)(レーン3および7)。レーン8および9は、各々2
−5A依存性RNasemRNAの不在下または存在下で小麦胚抽出物を35S−
メチオニンと一緒にインキュベートするこによって産生される。
図2Bは、同一のキモトリプシン切断生成物であり、2−5A依存性RNas
eの組み換え体および天然体から得られる。部分的キモトリプシン消化(矢印)
は、小麦胚抽出物中で産生した先端切断した2−5A依存性RNase(クロー
ンZB1)(「組み換え」)並びにネズミL細胞2−5A依存性RNase(「
天然」)上で、2−5Aプローブへの架橋およびゲルからの精製後に行う。
図3Aおよび3Bは、ヒト2−5A依存性RNaseの完全コード配列のクロ
ーニングである。
図3Aは、ヒト2−5A依存性RNaseクローンの構築である。最初のヒト
2−5A依存性RNaseクローン。最初のヒト2−5A依存性RNasecD
NAクローン、HZB1は、放射標識したネズミ2−5A依存性RNasecD
NA(クローンZB1)をプローブとして使用して、λgt10中の成人ヒト腎
臓cDNAライブラリーから単離される。実施例を参照。放射標識したHZB1
DNAを使用して、部分的にオーバーラップするcDNAクローンHZB22を
単離し、これをNcoI部位でHZB1 DNAに融合し、クローンZC1を形
成する。コード配列の5’領域は、放射標識したHZB22 DNAフラグメン
トをプローブとして使用して単離したゲノミックSacIフラグメントから得ら
れる。示したSacI部位でゲノミックSACIフラグメントをZC1と融合し
てクローンZC3が得られる。次いで、幾つかのフランキング配列を有するコー
ド配列をHindIIIフラグメントとしてpBluescript(KS(+
)(Strategene)中にサブクローニングして、クローンZC5が得られる。複合
クローンZC5の制限地図を示す。クローンHZB1は、表Iで658−222
3として示したヌクレオチドを含み、これは表Iで220−741として示した
アミノ酸をコードする。クローンHZB22は、表Iで62−397として示し
たアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を含む。クローンZC1は、表Iで1
−741として示したアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を含む。
図3Bは、フランキングヌクレオチド配列を有するヒト2−5A依存性RNa
seのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列である。右への番号はヌクレオ
チドおよびアミノ酸残基の位置を示す。
図4は、ネズミ型およびヒト型の2−5A依存性RNaseの推定アミノ酸配
列の並列である。反復P−ループモチーフ、ジンクフィンガーとの相同性を有す
るシステイン(Cys)豊富領域、およびタンパク質キナーゼドメインVIおよ
びVIIと相同の領域の位置を示す。示したドメインの重要な成分であるアミノ
酸残基は太いタイプで表示され、イタリック体とされている。ネズミおよびヒト
の2−5A依存性RNase中の同一のアミノ酸残基をその間に隣接したコロン
(:)記号で表示する。
図5Aおよび図5Bは、インビトロで産生した組み換えヒト2−5A依存性R
Naseの2−5A結合性およびリボヌクレアーゼ活性である。
図5Aは、2−5Aに対する組み換えヒト2−5A依存性RNaseの特異的
親和性である。タンパク質への2−5Aプローブ(レーン1−7)の架橋は、ヒ
ト2−5A依存性RNasemRNA(レーン1−3)を含むか、RNAの添加
なしに(レーン4)小麦胚抽出物(5λl)中で、あるいはヒトインターフェロ
ンαで処理した(1000ユニット/mlで16時間)ヒトHeLa細胞の抽出
物(350μgのタンパク質)中での(レーン5−7)翻訳反応後に行う。反応
は、競合物質の添加なし(レーン1、4及び5)またはいずれかのタイマーコア
の(A2'p)2A,(100nM)(レーン2および6)またはタイマー2−5A、p3(
A2'p)2A,(100nM)(レーン3および7)の存在下である。35S−メチオニ
ンによるインキュベーションをレーン8から12に示す。レーン8は小麦胚抽出
物およびヒト2−5A依存性RNasemRNAによるものである。2−5A−
セルロースに予め吸着させた網状赤血球ライセートを、シクロヘキシミドの不在
下(レーン9)または存在下(レーン10)で、あるいは添加したmRNAの不
在下(レーン11)で、ヒト2−5A依存性RNasemRNAと一緒にインキ
ュベートする。レーン12は、未吸着の粗製網状赤血球ライセート中で産生する
ヒト2−5A依存性RNaseを示す。マーカータンパク質の位置および相対分
子量(kDa)を示す。
図5Bは、内生の2−5A依存性RNaseを除去するために前処理した網状
赤血球ライセートであり、添加したmRNAの不在下(■)、阻害剤なしでヒト
2−5A依存性RNasemRNAの存在下(○、□)、あるいは2−5A依存
性RNasemRNAとシクロヘキシミド(50μg/ml)の両方の存在下(
●)においてインキュベートされる。実施例Iを参照。続いて、組み換え2−5
A依存性RNase(または対照)を2−5Aセルロースに吸着させ、リボヌク
レアーゼ分析を、一般のヌクレアーゼ活性を減少するためにマトリックスを激し
く洗浄した後に行う。放射標識した基質RNAはポリ(U)(○、●、■)また
はポリ(C)(□)のいずれかであった。
図6A、6Bおよび6Cは、シクロヘキシミドの存在下でさえネズミL929
細胞のインターフェロン処理によって誘導される2−5A依存性RNasemR
NAの量を示す。
図6Aは、異なる期間(示したもの)ネズミインターフェロン(α+)(10
00ユニット/ml)および/またはシクロヘキシミド(50μg/ml)で処
理したネズミL929細胞から単離されたポリ(A)+RNA(4μg/レーン
)で作製したノーザンブロットであり、これは放射標識したネズミ2−5A依存
性RNasecDNAでプローブ検索される。インターフェロン、IFN;シク
ロヘキシミド、CHI。
図6Bは、ビデオカメラ及びQuickCapture及びイメージコンピュータープログ
ラムでパネル(a)に示したオートラジオグラムから見積もられる2−5A依存
性RNaseの量を示す。
図6Cは、パネル(a)に示した同一ブロット中で測定したグリセルアルデヒ
ド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)mRNAの量を示す。
図7Aおよび図7Bは、先端切断した組み換えネズミ2−5A依存性RNas
e、クローンZB1、および反復P−ループモチーフに位置した同一の2−5A
結合活性を有するネズミL細胞2−5A依存性RNaseである。
図7Aは、小麦胚抽出物中で産生した先端切断した2−5A依存性RNase
、クローンZB1(「組み換え体」)(上段のパネル)、あるいは32P−2−5
Aプローブを有するネズミL細胞2−5A依存性RNase(「天然」と命名、
下部パネル)(2.4nM)のインキュベーションであり、未標識2’,5’−
ホスホジエステル結合したオリゴヌクレオチド(示した通り)の不在下または存
在下であり、その後にUV共有架橋を行った。乾燥SDS/10%ポリアクリル
アミドゲルのオートラジオグラムを示す。オリゴヌクレオチド競合物質の濃度を
示す。それはイノシンである。
図7Bは、フィルター結合法によって2−5A結合活性について分析した小麦
胚抽出物中で産生した、先端切断した一連のネズミ2−5A依存性RNase変
異体を示す(ZB1からZB15)。実施例およびKnight 他.1980を参照。P
−ループモチーフの位置および翻訳産物の長さが示される。クローンZB1は、
Lys,Pro,Leu,Ser およびGly である最後の5アミノ酸酸基を除き、表2で1
−656と示したアミノ酸をコードする。クローンZB2は表2で1−619と
示したアミノ酸をコードする。クローンZB3は表2で1−515と示したアミ
ノ酸をコードする。クローンZB5は表2で1−474と示したアミノ酸をコー
ドする。クローンZB9は表2で1−403と示したアミノ酸をコードする。ク
ローンZB10は表2で1−365と示したアミノ酸をコードする。クローンZ
B13は表2で1−294と示したアミノ酸をコードする。クローンZB14は
表2で1265と示したアミノ酸をコードする。クローンZB15は表2で1−
218と示したアミノ酸をコードする。
図8Aおよび8Bは、2−5A依存性RNaseのP−ループモチーフ中のリ
ジン残基の置換変異体である。
図8Aは、先端切断したネズミ2−5A依存性RNase、クローンZB1、
並びに、小麦胚抽出物中で合成したクローンZB1のリジンからアスパラギンへ
の置換変異体を示す。(A)では、未標識翻訳産物はブロミド置換した、32P標
識2−5Aプローブ、Br−2−5A−〔32P〕pCpに共有結合している。No
lan-Sordan他,1990を参照。
図8Bは、別の反応で35S−メチオニンの存在下で翻訳されるmRNA種を示
す。乾燥したSDS/ポリアクリルアミドゲルのオートラジオグラムを示す。翻
訳産物(標識「RNase」)の大きさと位置およびタンパク質マーカーの相対
分子量(kDa)を示す。
図9Aおよび9Bは、RNaseEと2−5A依存性RNaseのアミノ酸配
列の比較である。
図9Aは、E.ColiのRNaseEおよびネズミ型とヒト型の2DRとの間で示
される同一で保存的な対合を示す。
図9Bは、2DRの構造と機能のモデルである。略号:P−ループモチーフ、
P−ループと相同性を有する反復配列;Cysx、一定のジンクフィンガーと相
同性を有するシステイン豊富領域;PK、タンパク質キナーゼドメインVIおよ
びVIIに相同。
図10Aおよび10Bは、ヒトおよびネズミ2−5A依存性RNaseタンパ
ク質中のアンキリン反復のアミノ酸配列の比較である。
図10Aは、4個のアンキリン反復を含有するネズミ型およびヒト型の2−5
A依存性RNaseを示す。アンキリンコンセンサス配列と、ネズミ型とヒト型
の2−5A依存性RNaseとの間の相同性を示す。Ψ,疎水性アミノ酸。
図10Bは、提案された2−5A結合ドメイン(↓)(反復したP−ループモ
チーフ)の位置と比較した、2−5A依存性RNase中の4個のアンキリン反
復の相対位置を示すモデルである;Cysx、システイン豊富領域;PK、タン
パク質キナーゼホモロジー領域、およびRNase活性に必要なカルボキシ末端
領域。
図11は、インターフェロン処理に対する細胞の抗ウイルス応答における2−
5A依存性RNaseの役割を示す。インターフェロンは特異的細胞表面受容体
に結合して、細胞核中の1セットの遺伝子を活性化するシグナルの生成を生じる
。2−5Aシンテターゼの遺伝子はこのように活性化して、不活性なネイティブ
な2−5Aシンテターゼを産生する。細胞のインターフェロン処理はまた、2−
5A依存性RNase遺伝子を活性化する(図示せず)。続いて、インターフェ
ロン処理した細胞はウイルスに感染する。ウイルスはその複製サイクルの間に二
本鎖RNA(dsRNA)を産生する。ウイルスdsRNAは次いで2−5Aシ
ンテターゼを活性化して、2−5Aの産生を生じる。次いで2−5Aは2−5A
依存性RNaseを活性化して、ウイルスRNAを分解して、ウイルス自体を破
壊する。
図12は、約12KbpのT;に基づいた2成分ベクターpAM943の物理
的地図を示す。略号:BL、左端;AMT、クロレラウイルスからのアデニルメ
チルトランスフェラーゼ遺伝子のプロモーター;35S、カリフラワーモザイク
ウイルスからの35S RNAのプロモーター;TER、RNA終始シグナル;
DNA複製のOvi VおよびOri Kオリジン。
図13は、哺乳類抗ウイルスタンパク質をコードするcDNAを含み、植物ゲ
ノムに再移入されるT−DNAsの右端と左端の間の重要なDNA要素を示す、
一定の組み換えプラスミド構築体の位置の物理的地図を示す。図13Aは、プラ
スミドpAM943:PK68の一定の部分を示す;図13Bは、プラスミドp
AM943:muPK68の一定の部分を示す;図13Cは、プラスミドpAM
943:シンテターゼの一定の部分を示す;図13Dは、プラスミドpAM94
3:2−5A依存性RNaseの一定の部分を示す;図13D/aは、プラスミ
ドpAM943:2−5A依存性RNase(センス)の一定の部分を示し、図
13Eは、pAM822:2−5A依存性RNase(アンチセンス)を示す。
略号:BL、左端;BR、右端;Kanr、カナマイシン耐性;Hygror、ヒグ
ロマイシン耐性;AMT、クロレラウイルスからのアデニルメチルトランスフェ
ラーゼ遺伝子のプロモーター;35S、カリフラワーモザイクウイルスからの3
5S RNAのプロモーター;PKR、ヒトPKRに対するcDNA;muPK
R、PKRのリジン(アミノ酸#296)からアルギニンへの変異型に対するc
DNA;シンテターゼ、ヒトPKRに対するcDNA;muPKR、PKRのリ
ジン(アミノ酸#296)からアルギニンへの変異型に対するcDNA;シンテ
ターゼ、ヒト2−5Aシンテターゼの低分子量型に対するcDNA;2−5A依
存性RNase、ヒト2−5A依存性RNaseに対するcDNA;TER、R
NA終始シグナル。
図14は、Tiを基礎とした、約14.6KbpのバイナリーベクターpAM
822の物理的地図を示している。略語:BL、左側端;BR、右側端;Kanr
、カナマイシン耐性;Hygror、ハイグロマイシン耐性;Tetr、テトラ
サイクリン耐性;AMT、クロレラウィルス由来のアデニルメチルトランスフェ
ラーゼ遺伝子のプロモーター;35S、カリフラワーモザイクウィルス由来の3
5S RNAに対するプロモーター;TER、RNA終止シグナル;Ovi V
、DNAの複製開始点。
図15は、ノザンブロットにおいてmRNA濃度を測定することにより決定し
た、トランスジェニックタバコ植物における、ヒト2−5A−合成酵素DNA
cDNAの発現を示している。構築物C(pAM943:合成酵素)を植物中に
導入した。対照の葉から(“C”と標識)、そしてトランスジェニック植物から
、RNASTAT−60(Tel−Test B.,Inc.)を使用して全R
NAを調製した。30μgのRNAをグリオキサルで処理し、1.5%アガロー
スゲル中で分離した。電気泳動の後、RNAをマグナグラフ(MSI)ナイロン
膜に転写し、ランダムプライムにより[α−32P]dCTPで標識したヒト2−
5A合成酵素cDNAでプローブした。オートラジオグラムは、乾燥したブロッ
トから行った。
図16は、ノザンブロットにおいてmRNA濃度を測定することにより決定し
た、トランスジェニックタバコ植物における、変異型および野生型ヒトPKRの
cDNAの発現を示している。野生型および変異型(296番のリジンがアルギ
ニンに置換)のPKRをそれぞれコードする、構築物A(pAM943:PK6
8)およびB(pAM943:muPK68)を植物に導入した。対照の葉から
(“C”と標識)、そしてトランスジェニック植物から、RNASTAT−60
(Tel−Test B.,Inc.)を使用して全RNAを調製した。30μ
gのRNAをグリオキサルで処理し、1.5%アガロースゲル中で分離した。電
気泳動の後、RNAをマグナグラフ(MSI)ナイロン膜に転写し、ランダムプ
ライムにより[α−32P]dCTPで標識したヒトPKRのcDNAでプローブ
した。オートラジオグラムは、乾燥したブロットから行った。
図17は、サザンブロットで決定した、トランスジェニック植物における、2
−5A依存性RNaseのcDNAの存在を示している。構築物D/a(pAM
943:2−5A依存性RNase、アンチセンス)を含むトランスジェニック
植物の葉から、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)を使用し
て、RogersとBendichの方法(1988,植物分子生物学マニュア
ル,A6,pp.1−10,Kluwar Academic Publishe
r,Dordrecht)に従って、ゲノムDNAを単離した。10μgのゲノ
ムDNAをHindIIIで37℃、5時間消化し、そして1%アガロースゲル
中で分画し、続いてキャピラリー転写法を使用してマグナグラフ(ナイロン転写
膜、Micron Separation,Inc.)に転写した。2−5A依
存性RNase(プラスミドpZC5由来)に対するcDNAを、Prime−
a−geneキット(Promega社製)を使用して企業が提供する手順書に
従って、ランダムプライムにより[α−32P]dCTP(3,000Ci/mm
ole)で標識した。標識した2−5A依存性RNaseのcDNA(1.0x
109-c.p.m./μgDNAの比活性)を洗浄し、そしてオートラジオグラ
ムは、乾燥した膜から行った。DNAマーカーの大きさ(キロベース)および位
置を示す。“2−5A依存性RNaseのcDNA”(矢印を参照)として示さ
れるバンドは、対照植物のサザンブロットでは欠損していた(データは示してい
ない)。
図18は、ヒトp68キナーゼmRNA(PKR)のcDNAコード配列を示
している。
図19は、図18に示しているヒトp68キナーゼmRNA(PKR)の完全
なコード配列の翻訳産物を示している。
図20は、ヒト2−5A合成酵素cDNAのコード配列を示している。
図21は、図20に示しているヒト2−5A合成酵素のコード配列の翻訳産物
を示している。
図22:トランスジェニックタバコ植物の確認
(A)トランスジェニック植物のサザンブロット
全ゲノムDNAをHindIIIで消化し、1%アガロースゲルで電気泳動し、
膜に転写し、そして2−5A合成酵素cDNAまたはRNase LのcDNA
から作成した32P標識しランダムプライムした断片とハイブリッド形成する。右
の数字は、kbpで表したサイズマーカーである。
(B)トランスジェニック植物のノザンブロット分析
全細胞RNAを単離し、1%ホルムアルデヒドゲルで電気泳動し、膜に転写し
、そして(A)におけるものと同一のプローブとハイブリッド形成した。レーン
1は対照のタバコ植物;レーン2〜5は2−5A合成酵素およびRNase L
の両方を発現しているトランスジェニック植物;レーン6は2−5A合成酵素の
みを発現しているトランスジェニック植物;レーン7はRNase Lのみを発
現しているトランスジェニック植物をそれぞれ示している。SYNは2−5A合
成酵素;RLはRNase Lをそれぞれ示している。
(C)は、発現プラスミドの部分的地図を示している。
図23:トランスジェニック植物中でのRNase Lタンパク質の免疫検出
トランスジェニック植物からの全タンパク質抽出物をSDS/PAGEにより単
離し、ニトロセルロース膜上にブロットし、そして昆虫細胞中で発現しそしてそ
こから単離した組換えヒトRNase Lタンパク質に対するモノクローナル抗
体試薬でプローブする(Dong,B.et al.,J.Biol.Chem
.,269:14153,1994)。右側の数字は、kDaで表したタンパク
質のサイズマーカーである。RNはヒトRNase Lタンパク質(200ng
);TCは対照タバコ植物からのタンパク質抽出物;T1−T5はトランスジェ
ニックタバコ植物からのタンパク質抽出物;T1は2−5A合成酵素のみを発現
しているトランスジェニック植物;T2はRNase Lのみを発現しているト
ランスジェニック植物;T3−T5は2−5A合成酵素およびRNase Lの
両方を発現している植物をそれぞれ示している。
図24:2−5AはRNase Lタンパク質を発現するトランスジェニック
植物中でのrRNAの変性を誘導する。葉に約2.5μMの2−5Aを注入し、
全RNAを3時間後に抽出し、32Pで標識した18SのcDNAでプローブする
。レーン1〜2は対照の植物;レーン3および4は2−5A合成酵素のみを発現
している植物(Syn);レーン5はRNase Lのみを発現している植物(
RL);レーン6〜7は2−5A合成酵素およびRNase Lの両方を発現し
て
いる植物(Syn+RL)をそれぞれ示している。
図25:トランスジェニック植物は、機能的なヒト組換え2−5A合成酵素を
産生する。ヒトRNase Lおよび2−5A合成酵素の両方に対するcDNA
を含む植物の抽出物(レーン8〜11)、ベクターのみをトランスフォームする
対照の植物の抽出物(レーン12〜15)、そしてインターフェロン処置したヒ
トHeLa細胞の抽出物(レーン16および17)を、2−5A合成酵素活性を
測定するためにアッセイする。トランスジェニック植物の抽出物中の2−5A合
成酵素活性を、2−5Aに対する機能的アッセイにより測定する。植物抽出物は
、約0.5%(v/v)Non−idet P−40、約90mMのKCl、約
5mMの酢酸マグネシウム、約20mMのTris−HCl、pH約7.5、約
5mMの2−メルカプトエタノール、そして約10μg/mlのロイペプチンを
含む、NP40融解緩衝液中で葉をホモジナイズすることにより調製する。全細
胞融解液は、約10,000xgで約10分間、約4℃で遠心分離し、上清を回
収し、そしてタンパク質濃度をBradford,M.ら(Anal.Bioc
hem.,72:248,1976)に記載されているように決定する。インタ
ーフェロン処理した(約200単位/mlのヒトインターフェロンαで約18時
間)ヒトHeLa細胞の抽出物を、細胞をボルテックスで混和することにより破
砕する以外は、同一の方法により調製する。アッセイごとにNP−40融解緩衝
液で約65μlに調節した約200μg(タンパク質)の抽出物を、約20mM
のTris−HCl、pH約7.5、約50mMのKCl、約5mMの酢酸マグ
ネシウム、約4mMの塩化マグネシウム、約5mMの2−メルカプトエタノール
、約10%(v/v)のグリセロール、約2mMのATP、約20μg/mlの
ポリ(I):ポリ(C)の約65μl(アッセイごとに)と、約30℃で約24
時間インキュベートすることにより、2−5A合成酵素アッセイを行う。反応混
合物を約100℃にして約5分間加熱することにより反応を停止し、そしてタン
パク質を変性し除去し、ついで約10,000xgで約10分間遠心分離する。
上清を回収し、スピードバック(Savant)中で約20μlにまで濃縮する
。ついで2−5A依存性リボヌクレアーゼLアッセイにより2−5Aをアッセイ
する。濃縮した上清(植物あたり約5および約10μl)、あるいは本物の2−
5A
(pA(2’p5’A)3)の希釈液を、約0.2mMのポリ(U)−(32P)
−pCp(Silverman,R.H.et al.,Anal.Bioch
em.,144:450,1985に記載されているように調製)を含む緩衝液
中(約90mMのKCl、約10mMの酢酸マグネシウム、約20mMのTri
s−HCl、pH約7.5、約8mMの2−メルカプトエタノールそして約10
μg/mlのロイペプチン)、約25μlの最終容量中で、約1μgの組換えヒ
トRNase L(Dong,B.et al.,J.Biol.Chem.,
269:14153,1994)とともにインキュベートし、そして約30℃で
約2時間インキュベートする。反応を約7.5μlの停止緩衝液により停止し、
約5分間沸騰させ、簡単に遠心分離し、そして約3μlを6%ポリアクリルアミ
ド/尿素ゲルにロードする。電気泳動の後、X線フィルムをゲルに暴露する。2
−5Aは、昆虫細胞中で発現しそれから単離されたRNase L(Dong,
B.et al.,J.Biol.Chem.,269:14153,1994
)をポリ(U)を切断して個々別々の産物(矢印)にするように活性化する能力
によりモニターする。レーン1〜7は本物のpA(2’p5’A)3によるRN
ase Lの活性化を示している。シークエンスゲルのオートラジオグラムを示
している。
図26:局部的な傷害を示すウィルスを接種した葉
トランスジェニックまたは対照の植物から採取した葉を、TEV、TMVある
いはAIMVのいずれかで機械的に接種する。トランスジェニック植物は、温室
の中で成長させる。これらの植物から採取した葉を葉柄の部分で切断し、そして
ペトリ皿中の湿らせたフィルター紙上に静置する。インキュベーションの期間ペ
トリ皿中で維持される葉は、生理学的によい状態を維持し続ける。タバコ腐食(
etch)ウィルス(TEV、重症系統、ATCC#PV69)、TMV(一般
的系統)、そしてアルファルファモザイクウィルス(AIMV、ネブラスカ系統
)が全体的に感染したタバコの葉から新しく調製した抽出物の約1:200、1
:1000、そして1:150希釈液それぞれを、葉に接種する。1:10,0
00、1:100,000そして1:15,000に希釈した液汁で接種した場
合に、6種の対照植物のうち6種で全体的な感染が起こる。ウィルスを接種し
た後、葉を水で洗い、そしてペトリ皿をのばしたパラフィルムでシールし、約2
2度で約18時間の光条件のもと約7日間インキュベーター中に静置する。パネ
ルa、c、eでは2−5A合成酵素およびRNase Lの両方を発現する植物
;パネルgでは2−5A合成酵素のみを発現する植物;パネルhではRNase
Lのみを発現する植物をそれぞれ示している。対照の植物(パネルb、dおよ
びf)は、ベクターのみの構築物をトランスジェニックしたものである。
図27では、(A)ゲノムDNAのサザンブロットおよび(B)対照植物(レ
ーン1)およびヒト2−5A合成酵素のトランスジェニックであった2種の植物
(レーン2および3)の全RNAをヒト2−5A合成酵素cDNAでプローブす
るノザンブロットを示している。
図28では、対照植物(レーン1)およびヒトRNase Lのトランスジェ
ニックである3種の植物(レーン2〜4)から採取したゲノムDNAを、ヒトR
Nase LのcDNAでプローブするサザンブロットを示している。
図29は、32P−標識2−5Aプローブと共有結合的に架橋させた後のRNa
se Lの検出を示している。対照植物(レーン1および2)、ヒトRNase
LのcDNAをトランスジェニックした植物(2−5A依存性RNase)(
レーン3〜12)あるいはヒトMCF−7細胞(レーン13および14)からの
抽出物を、紫外光下で32P−標識2−5Aプローブとインキュベートし、RNa
se Lとの架橋形成を誘導する。架橋の特異性は、過剰量の非標識2−5A(
示したように)で測定する。タンパク質マーカーの位置および分子量(kDa)
およびRNase Lの位置(矢印)を、乾燥したSDS/ポリアクリルアミド
ゲルのオートラジオグラム上に示す。
図30は、切断した葉中のRNase Lが、2−5Aを含む溶液中でインキ
ュベーションすることにより、rRNAを切断するように活性化されることを示
している。32P−標識cDNAで18CのrRNAに対してプローブしたノザン
ブロットを示している。切断した葉は、対照の植物(レーン1および2)あるい
はヒトRNase LのcDNAをトランスジェニックした植物(レーン3およ
び4)から採取する。2−5Aの存在あるいは非存在、および2−5A媒介性r
RNA切断産物の位置を示している。発明の詳細な説明
本発明のより完全な理解そしてそれに付随する利点の多くを示しそして提供す
るものとして、新規な2−5A依存性RNase、それのコード配列、組換えヌ
クレオチド分子、構築物、ベクター、組換え細胞、抗ウィルストランスジェニッ
ク植物および方法に関する、以下の詳細な説明および実施例を提供する。
2−5A依存性RNaseは、非常に量が少ないため(マウス肝臓中の全タン
パク質量の1/500,000、Silverman,R.H.et al.,
J.Biol.Chem.,263:7336−7341,1988)、そのク
ローニングのためには、感度の高いスクリーニングの方法を確立することが必要
である。2−5A依存性RNaseの基礎的濃度が高いことから、マウスL92
9細胞をmRNAの供給源として選択する。2−5A依存性RNaseの最適な
誘導が細胞をインターフェロンおよびシクロヘキシミドの両方で処理しついで培
養液のみで処理することにより得られるという観察に基づいて、2−5A依存性
RNaseのmRNA濃度を高めるためのプロトコルを開発する(実施例を参照
)。cDNAライブラリーは、DNA結合タンパク質のクローニングのために開
発された技術を応用することによりスクリーニングし(Singh,H.et
al.,Cell,52:415−423,1988;Singh,H.et
al.,BioTechniques,7:252−261,1989)、その
中で臭素置換32P−標識2−5A類似体(“2−5Aプローブ”)(実施例、お
よびNolan−Sorden,N.L.et al.,Anal.Bioch
em.,184:298−304,1990)を放射線標識のオリゴデオキシリ
ボヌクレオチドと置換した。このようにして約3,000,000のプラークか
ら単一のクローン(ZB1)を単離する。ZB1クローンから発現され、プラー
クからフィルターリフトに転写されるタンパク質は、2−5Aプローブおよび2
−5A依存性RNaseに対する高度に精製されたポリクローナル抗体の両方に
対して反応性を示す。
特性を調べるための組換えタンパク質を得るために、cDNAを無細胞系で転
写し翻訳する(実施例を参照)。ついで2−5A結合活性を、UV光下で2−5
Aプローブをタンパク質に対して共有結合的に架橋することにより測定する(た
とえば、Nolan−Sorden,N.L.et al.,Anal.Bio
chem.,184:298−304,1990を参照)。小麦胚抽出物中で生
成した組換え74kDaタンパク質は、2−5Aプローブに対して特異的な親和
性を示す(図2A、レーン1〜3を参照)。5’−ホスホリル基を欠く2−5A
の核となる誘導体、(A2’p)2Aは、タンパク質が2−5Aプローブに結合
することを阻害することはできないが、一方で三量体205A、p3(A2’p
)2Aはプローブの結合を完全に阻害する(それぞれ図2A、レーン2および3
)。添加RNAの非存在下でインキュベーションする際に示されるように、小麦
胚抽出物中には検出可能な2−5A結合タンパク質は存在しない(図2A、レー
ン4)。比較のため、ネズミL929細胞から採取し、オリゴヌクレオチドを添
加せず、または競争物として(A2’p)2Aまたはp3(A2’p)2Aを添加
してインキュベートした、80kDaの2−5A依存性RNaseについて、2
−5A結合活性の同様なプロフィールを得る(図2A、レーン5から7)。35
S−標識翻訳産物を、図2A、レーン9に示す。さらなる比較において、2−5
Aプローブを約74kDaのタンパク質に対してそしてネズミL929細胞の2
−5A依存性RNaseに対して共有結合させた後、キモトリプシンで部分的に
消化することにより、6種の標識ペプチドの独特のパターンを産生する(図2B
を参照)。同様に、2種の標識タンパク質をS.aureusのV8プロテアー
ゼで部分的に消化することにより、標識した切断産物の独特のパターンも産生す
る。これらの結果から、および約80kDaの2−5A依存性RNaseと比較
して、約74kDaの組換えタンパク質の見かけ分子量から(図2Aを参照)、
約74kDaのタンパク質は2−5A依存性RNaseの先端切断したかあるい
は部分的なクローンであることが示唆される。
ヒト2−5A依存性RNaseの完全なコード配列を得るために、ゲノムおよ
びcDNAを含む複合DNAを構築する(図3Aを参照)。ヒト腎臓cDNAラ
イブラリーを放射線標識ネズミ2−5A依存性RNaseのcDNAでスクリー
ニングすることにより、ヒト2−5A依存性RNaseのクローン(HZB1)
の開始cDNA部分を得る(実施例を参照)。コード配列の5’部分を含むゲノ
ムクローンを放射線標識したヒト2−5A依存性RNaseのcDNAで単離す
る。ヒト2−5A依存性RNaseのヌクレオチドおよび推定されるアミノ酸配
列を特定し(図3B)、その結果として83,539Daのタンパク質をコード
するオープンリーディングフレームであることがわかる。
タンパク質の保存的な領域を特定しそして評価するために、ヒト型およびネズ
ミ型の2−5A依存性RNaseの推定されるアミノ酸配列間で比較を行う(図
4を参照)。ネズミcDNA(クローンZB1)は、ネズミゲノムクローンに対
してさらに28の3’−コドンを添加した、2−5A依存性RNaseに対する
コード配列の約88%を含む。ネズミ型およびヒト型の2−5A依存性RNas
eの配列は、オーバーラップの領域において約65%の同一性を示す(図4を参
照)。さらに、ネズミおよびヒトの2−5A依存性RNaseについての対応す
るヌクレオチド配列間では、73%の同一性を有する。ネズミおよびヒトの2−
5A依存性RNase双方の見かけ上の翻訳開始コドンは、翻訳の開始のための
適切な文脈、すなわちそれぞれACCATGGおよびGTCATGGである(図
3Bを参照、同様にたとえば、Kozak,M.,Cell,44:283−2
92,1986も参照)。さらに、ヒトおよびネズミの2−5A依存性RNas
eの配列は両方とも、フレーム内停止コドンを翻訳開始点の上流に含む(図3B
参照)。
ヒト2−5A依存性RNaseの組換え体および天然体のヒト2−5A依存性
RNaseの2−5A結合特性は、2−5Aプローブに対するUV共有結合的架
橋形成により比較する。小麦胚抽出物中で産生する組換えヒト2−5A依存性R
Naseは、2−5Aに対して特異的な親和性を示す(図5A、レーン1から3
を参照)。クローン化ヒト2−5A依存性RNaseを2−5Aプローブで放射
線標識することは、(A2’p)2Aでは阻害されない(図5A、レーン1およ
び2を参照)。これと対照的に、三量体2−5Aであるp3(A2’p)2Aを添
加すると、組換え2−5A依存性RNaseとの結合について効率よく2−5A
プローブと競合する(レーン3を参照)。インターフェロンで処理したヒトHe
La細胞の抽出物中において、2−5A依存性RNaseに対する2−5Aの結
合活性について同一のパターンが得られる(図5A、レーン5から7を参照)。
HeLa細胞の2−5A依存性RNaseおよび網状赤血球融解物中で生成した35
S−標識組換えヒト2−5A依存性RNaseの見かけ分子量は、完全に同一
であると考えられる(約80kDa)(図5A、レーン5および9を参照)。小麦胚
抽出物中で生成した組換えヒト2−5A依存性RNaseは、おそらくは翻訳後
修飾により若干早めに移動する(図5A、レーン1、2および8を参照)。
クローン化2−5A依存性RNaseのリボヌクレアーゼ活性を示しそして特
徴づけるために、網状赤血球融解物系における方が事実上タンパク質合成の効率
がよいため、翻訳を小麦胚抽出物に代えて網状赤血球融解物中で行う(図5A、
レーン9および8を比較して参照)。翻訳の前に、内在性の網状赤血球2−5A
依存性RNaseを親和性マトリックスである2−5Aセルロースに融解物を吸
着させて除去する(実施例を参照、同様にSilverman,R.H.et
al.,Anal.Biochem.,144:450−460,1985を参
照)。2−5Aセルロースでの処理により、融解物からすべての測定可能な内在
性2−5A依存性RNase活性を効率よく除去する(2−5A依存性リボヌク
レアーゼアッセイおよび図5Bにより特定される)。さらに、吸着−枯渇(de
pletion)プロトコルでは、翻訳の効率を減少しなかった。図5Aのレー
ン9および12は、それぞれ2−5Aセルロース−前処理のおよび未処理の融解
物中で生成された35S−翻訳産物を示している。
活性化親和性マトリックスである2−5Aセルロース上に翻訳産物を固定化し
精製した後、組換え2−5A依存性RNaseでのリボヌクレアーゼアッセイを
行う。以前に示したように、ネズミL細胞の2−5A依存性RNaseは2−5
Aセルロースに結合し、結果としてポリ(C)に対してはなかったがポリ(U)
に対してはリボヌクレアーゼ活性を示した(Silverman,R.H.et
al.,Anal.Biochem.,144:450−460,1985を
参照)。さらに、2−5A依存性RNase:2−5Aセルロースを洗浄し、つ
いで基質を添加することにより、一般的な非2−5A依存性RNaseの濃度は
大きく減少する(Silverman,R.H.,Anal.Biochem.
,144:450−460,1985を参照)。添加したmRNAの非存在下に
おいて、あるいはヒト2−5A依存性RNaseのmRNAおよびシクロヘキシ
ミ
ドの両方の存在下において融解物をインキュベーションすることにより、結果と
してほんのわずかな濃度のポリ(U)の分解しか引き起こさない(図5Bを参照
)。さらに、シクロヘキシミドは2−5A依存性RNaseの合成を完全に阻害
することが示されている(図5A、レーン10を参照)。対照的に、ヒト2−5
A依存性RNaseのmRNAの翻訳は、阻害剤の非存在下において、結果とし
てポリ(C)ではなくポリ(U)に対する実質的なリボヌクレアーゼ活性を引き
起こす(図5Bを参照)。ポリ(U)は、半減期が約10分で分解されるが、一
方でポリ(C)は1時間のインキュベーションの後にわずか20%しか分解され
ない。親和性マトリックスに対する組換え2−5A依存性RNaseの結合は、35
S−標識翻訳産物の存在をモニターすることによっても示された。これらの結
果は、in vitroにおいて生成した組換えヒト2−5A依存性RNase
が機能的で強力なリボヌクレアーゼであることを示すことが考えられる。さらに
、組換え型の2−5A依存性RNaseおよび天然型の2−5A依存性RNas
eの両方が、ポリ(C)を切断することができないがポリ(U)は切断すること
ができる(図5B参照、同様に、Silverman,R.H.,Anal.B
iochem.,144:450−460,1985およびFloyd−Smi
th,G.et al.,Science,212:1020−1032,19
81を参照)。
2−5A依存性RNaseのmRNA濃度がインターフェロンにより調節され
ているかどうかを調べるため、インターフェロンおよびシクロヘキシミドで処理
したネズミL929細胞からからのノザンブロットを、放射線標識したネズミの
2−5A依存性RNaseのcDNAでプローブすることで行う(図6を参照)
。2−5A依存性RNaseのmRNA濃度は、インターフェロン(α+β)の
処理によりシクロヘキシミドの存在下でさえも、3倍に増進する(図6Aおよび
B、レーン1および2を比較して参照)。時間の関数としてのインターフェロン
による2−5A依存性RNaseのmRNA濃度の調節が示される(図6Aおよ
びB、レーン3から6)。最大の2−5A依存性RNaseのmRNA濃度は、
インターフェロン処理の14時間後に観察された(図6AおよびB、レーン6)
。2−5A依存性RNaseそれ自体の濃度が同様に上昇することが、細胞をイ
ンター
フェロンで処理した後に観察される。比較的不変濃度のGAPDHのmRNAに
より、等量濃度のRNAが、ブロットのそれぞれのレーンに存在することを示す
(図6Cを参照)。これらの結果から、2−5A依存性RNaseの発現の誘導
がインターフェロン処理の最初の反応であることが示されると考える。ネズミお
よびヒト2−5A依存性RNaseのmRNAは、ノザンブロットからそれぞれ
5.7kbおよび5.0kbの長さであることが特定される(図6Aを参照)。
このことから、2−5A依存性RNaseのコード配列は、mRNA中に含まれ
るヌクレオチド配列の約40%しか含まない。
組換え型および天然型のネズミ2−5A依存性RNaseの2−5A結合機能
は、競合剤としての非標識2−5Aあるいは2−5A類似体の存在下において2
−5Aプローブに対して共有結合的に架橋することによって特徴づけられる(図
7を参照)。興味深いことに、約74kDaの先端切断された2−5A依存性R
Naseは約84kDaのアミノ酸をカルボキシ末端から欠損したものであるが
(図4を参照)、それにも関わらず天然の2−5A依存性RNaseと区別する
ことができないほどの2−5A結合活性を有する(図7Aを参照)。三量体の2
−5A[p3(A2’p)2A]は、約20nmの濃度で効果的に2−5Aプロー
ブがどちらかのタンパク質に結合することを阻害する(図7A、レーン8を参照
)。対照的に、両方のタンパク質に対するプローブの結合を阻害するためには、
500倍高い濃度の(A2’p)2A(10μM)が必要である(レーン13を
参照)。二量体種であるp3A2’pAは、10μMの濃度においても、2−5
Aプローブがタンパク質に対して結合することを阻害することができない(レー
ン18を参照)。しかしながら、イノシンの類似体であるp3I2’pA2’p
A(Imai,J.et al.,J.Biol.Chem.,260:139
0−1393,1985)は、約1.0μMの濃度で添加した場合にのみ両方の
タンパク質に対するプローブの結合を阻害することができる(レーン22を参照
)。
2−5Aの結合に関与する配列をさらに特定するために、ネズミ2−5A依存
性RNaseのcDNA、クローンZB1の、組となった3’−欠損したものを
構築し、in vitroで転写し、そして小麦胚抽出物中で発現する(図7B
を参照)。別個の欠損クローンは、35S−メチオニンの取り込みによりモニター
するように、比較的多量のポリペプチドを産生する。2−5A結合活性のレベル
は、膜結合アッセイ(Knight,M.et al.,Nature,288
:189−192,1980)およびUV架橋アッセイ(Nolan−Sord
en,N.L.et al.,Anal.Biochem.,184:298−
304,1990)の両方において同様な結果が得られることを、2−5Aプロ
ーブを使用して測定する(図7Bを参照)。アミノ酸残基1−342をコードす
るクローンZB11の発現により、結果としてクローンZB1(アミノ酸残基1
−656)と比較した場合に2−5A結合活性のうち約26%しか損失していな
いことがわかる(図7Bを参照)。長さがZB1とZB11の間であるクローン
中間体のすべてが、結果として顕著なレベルの2−5A結合活性を有する。対照
的に、ZB13(アミノ酸残基1−294)から産生されるタンパク質は、結果
としてクローンZB1の2−5A結合活性の約38.3%しか有さず、そのこと
は2−5A結合作用に対して重要な領域が影響を受けることを示唆している。実
際、クローンZB14はアミノ酸残基1−265をコードするタンパク質を産生
するが、それは2−5A結合アッセイに関してはほとんど不活性である(クロー
ンZB1の活性の約1.9%のみ)。興味深いことに、ZB14で観察される2
−5A結合活性の顕著な減少は、1または2個のP−ループモチーフ(多くのタ
ンパク質においてヌクレオチド結合ドメイン)が欠損することにより起こる(図
4および図7Bを参照、同様に、Saraste,M.et al.,TIBS
,14:430−434,1990も参照)。クローンZB15において両方の
P−ループモチーフを欠損したところ、結果として2−5A結合活性を完全に欠
損するタンパク質(アミノ酸1−218)を産生する(図7Bを参照)。
2−5A結合活性におけるP−ループモチーフにおいて、コンセンサスリジン
残基の関与をプローブするため、クローンZB1によってコードしたネズミ2−
5A依存性RNaseの先端切断型に対して、部位特定的変異誘導(サイト・ダ
イレクテド・ミュータジェネシス)を行う。以前に、真核細胞の開始因子4Aの
P−ループモチーフにおける保存的リジン残基の置換変異およびBacillu
s anthracisのアデニリルシクラーゼに対する置換変異により結果と
してATP結合活性およびATP触媒活性がそれぞれ減少することが報告されて
いる(Rozen et al.,Mol.Cell.Biol.,9:406
1−4063,1989およびXia,Z.and Storm,D.R.,J
Biol.Chem.,265:6517−6520,1990を参照)。前者
の研究において、不変のリジン残基をアスパラギンに変更させる(Rozen
et al.,Mol.Cell.Biol.,9:4061−4063,19
89を参照)。我々は、2−5A依存性RNaseの2個のP−ループモチーフ
における240番および274番のコンセンサスのリジンをアスパラギンに、単
独であるいは組み合わせて置換した(図8および実施例を参照)。これらの変異
の2−5A結合活性に対する効果の解析は、UV光下におけるin vitro
翻訳産物に対する32P−2−5Aプローブの共有結合的架橋により測定する(図
8A、Nolan−Sorden,N.L.et al.,Anal.Bioc
hem.,184:298−304,1990を参照)。35S−メチオニンを含
む別個の反応において示すように、タンパク質の同様の濃度を別個のmRNA種
から合成する(図8Bを参照)。2−5A依存性RNaseの3種の変異体にお
いて、2−5Aプローブに対する結合が減少することが示される(図8A、レー
ン2から4)。クローンZB1(Lys240→Asn)(図8A、レーン2)は
、実質的には2−5Aに対する親和性が低下した2−5A依存性RNaseを発
現し、すなわち乾燥ゲルのPhosphorimager分析(Molecul
ar Dynamics)により測定されるように、クローンZB1の活性の約
48.4%の活性しかない。2−5A結合活性においてより穏やかに減少するも
のは(対照値の約79%)は、クローンZB1(Lys274→Asn)から得ら
れる(図8A、レーン3)。対照的に、保存的リジン残基を両方ともアスパラギ
ン残基に置換したものである、クローンZB1(Lys240,274→Asn)から
得られる2−5A結合活性(図8A、レーン4)は、クローンZB1の活性のわ
ずか12.2%に減少する(3回の別個の実験からの平均)。これらの結果から
、2−5Aの2−5A依存性RNaseに対する結合の際に、240番および2
74番のリジン残基が反復P−ループモチーフの文脈中において機能することが
示される。
2−5A依存性RNaseの分子クローニングおよび発現、2−5A系におけ
る終末因子、そしてインターフェロン作用の分子機構における鍵となる酵素につ
いて記述する(図1を参照)。in vitroにおいて生成した組換えタンパ
ク質は、天然に発生する型のネズミおよびヒト2−5A依存性RNaseと同一
の2−5A結合特性を有することを示す(図2、図5Aおよび図7を参照)。さ
らに、先端切断したネズミ2−5A依存性RNaseおよびネズミL細胞2−5
A依存性RNaseに対する32P−2−5A類似体の架橋に続いて、部分的にタ
ンパク質融解をすることにより、標識ペプチドの同一のパターンを示す(図2B
を参照)。さらに、活性化親和性マトリックスである2−5Aセルロース上で単
離された完全長の組換えヒト2−5A依存性RNaseは、ポリ(C)には示さ
ないがポリ(U)に対しては強力なリボヌクレアーゼ活性を示す(図5Bを参照
)。同様に、以前に示されたことであるが、ネズミL細胞の2−5A依存性RN
aseは2−5Aセルロースにより活性化され、結果としてポリ(C)は切断し
ないがポリ(U)は切断した(Silverman,R.H.et al.,A
nal.Biochem.,144:450−460,1985を参照)。網状
赤血球の融解物中で生成した完全長のヒト2−5A依存性RNaseは、天然に
発生する2−5A依存性RNaseと同じように、同一の見かけ分子量を有する
(図5Aを参照)。しかしながら、ヒト2−5A依存性RNaseの実際の分子
量は、推定されるアミノ酸配列(図3B)から約83,539Daであると測定
される。
以前に報告したように、インターフェロンにより細胞の種類により2−から2
0倍に2−5A依存性RNaseの濃度が上昇する(Silverman,R.
H.et al.,Eur.J.Biochem.,126:333−341,
1982bおよびJacobsen,H.et al.,Virology,1
25:496−501,1983aを参照)。本明細書中で示した結果から、2
−5A依存性RNaseに対する遺伝子はインターフェロン刺激化の遺伝子であ
り得る(図6を参照)。ネズミL929細胞における2−5A依存性RNase
のmRNA濃度は、インターフェロン(α+β)処理の時間の関数として、約3
の因子で上昇する。さらに、シクロヘキシミドの存在下において観察されるため
、
誘導はインターフェロン処理の最初の反応であるように見えた。そのため、イン
ターフェロンは、2−5Aシンテターゼの合成のレベル(Hovanessia
n,A.G.et al.,Nature,268:537−539,1977
)および2−5A依存性RNaseのレベル(Jacobsen,H.et a
l.,Virology,125:496−501,1983a)を両方とも上
昇することにより2−5A経路を調節していると考えられる(図1、6および1
1を参照)。
2−5A依存性RNaseのクローニングから、タンパク質の幾つかの特徴が
示される。その他のヌクレアーゼと区別されるのは2−5Aにより活性化される
という2−5A依存性RNaseの能力であるため、2−5A結合ドメインは特
に興味深い。ネズミ2−5A依存性RNaseの一組の3’−欠損を発現するこ
とにより、2−5A結合活性に対して中心的であると考えられているアミノ酸残
基218と294の間にある領域を特定する(図7Bを参照)。興味深いことに
、特定される領域には残基229から241までに1回、そして残基253から
275までにもう一回、反復したP−ループモチーフが含まれる(図4および表
2を参照)。後者のP−ループモチーフ(アミノ酸253−275)を部分的に
削除する場合、2−5A結合活性が急速に減退する(図7BにおけるクローンZ
B14)。
ヒト型およびネズミ型の2−5A依存性RNase間でのP−ループの相同性
は、高度に保存されていると考えられ、従って2−5A結合活性に対するこの領
域の重要性が考えられることを強調している(図4を参照)。P−ループの同一
性は、グリシンの豊富な配列の前に3ペプチドの、すなわちグリシン−リジン−
トレオニンがあることで構成される。この点においては、2−5A依存性RNa
seの通常はない構造として、P−ループモチーフが反復し、そして同一の方向
であるものがある。Bacillus anthracisから採取したアデニ
リルシクラーゼには、複製されたP−ループモチーフも含まれるが、しかし、2
種の配列は反対の方向に挿入されており、そしてオーバーラップしている(Xi
a,Z.and Storm,D.R.,J.Biol.Chem.,265:
6517−6520,1990を参照)。
保存されたP−ループリジン(240番および274番)の相対的な重要性は
、ネズミ2−5A依存性RNaseであるクローンZB1の部位特定的変異誘導
(サイト・ダイレクテド・ミュータジェネシス)により評価する。2個のリジン
に別々に置換変異を起こした場合2−5A結合活性は顕著に減少するが、同一の
変異RNase中の両方のリジンをアスパラギン残基に置換することにより、2
−5A結合は極度に減少する(図8を参照)。おそらくは、2−5A依存性RN
aseのほとんどの型の活性化に必要とされる三量体2−5Aが、2−5Aの第
一あるいは第三のアデニリル残基が別個のP−ループ配列と相互作用して2−5
A依存性RNaseの構造的な変化を引き起こすかどうかを説明することができ
る。この点において、二量体2−5Aは、おそらくは2つのP−ループモチーフ
を覆うためには短すぎるため、2−5A依存性RNaseに効率よく結合するこ
とも、2−5A依存性RNaseを活性化することもない(図7A、Kerr,
I.M.およびBrown,R.E.,Prod.Natl.Acad.Sci
.USA,75:265−260,1978およびKnight,M.et a
l.,Nature,288:189−192,1980)。選択的には、点変
異体であるZB1(Lys240→Asn)およびZB1(Lys274→Asn)に
おいて観察される残存する2−5Aの結合活性、および2−5Aの二重変異体で
あるZB1(Lys240,274→Asn)の非常に低い親和性から、2つのP−ル
ープモチーフが別個の2−5A結合ドメインの部分であることを示しうる。
タンパク質キナーゼドメインVIおよびVIIとの相同性を有する部分も、2
−5A依存性RNase中に特定される(図4、同様にHanks,S.K.e
t al.,Science,241:42−52,1988を参照)。ドメイ
ンVIはATPとの結合に関与していると考えられているが、2−5A依存性R
Nase中のこの領域の欠損が2−5Aに対する親和性を最小限しか減少しない
ため、2−5A結合に対しては重要ではないと考えられている(図7Bを参照)
。しかしながら、2−5A依存性RNase活性に対するATPの緩やかな刺激
活性(2倍)が報告された(Wreschner,D.H.et al.,Eu
r.J.Biochem.,124:261−268,1982およびKrau
se,D.et al.,J.Biol.Chem.,261:6836−68
39,
1986を参照)。後者の報告は、ATPは2−5A依存性RNaseの活性に
は必要ではないが、酵素を安定化するために働きうることを示した。そのため、
タンパク質キナーゼと相同性を有する領域がおそらくはATPと結合し、結果と
して酵素の安定化を通じてリボヌクレアーゼ活性の刺激を引き起こしうる。
構造CX4CX3CX17CX3CX3C(表2中のアミノ酸残基401−436)
を有する6システイン残基から成る、コンセンサスのジンクフィンガードメイン
(zinc finger domein)(Evans,R.M.and H
ollenberg,S.M.,Cell,52:1−3,1988において総
説されている)を、ネズミ型の2−5A依存性RNase中に特定する(図4を
参照)。ヒト型2−5A依存性RNase中の相同性領域は、CX11CX25CX3
CX6C(表1中のアミノ酸残基395−444)である。ジンクフィンガーは
核酸結合ドメインであるため、2−5A依存性RNase中のシステインリッチ
の領域は、RNA基質との結合に関与しうる。選択的には、2−5A依存性RN
ase中のシステインリッチの領域は、2−5A依存性RNase二量体の形成
を媒介しうる。2−5A依存性RNaseの粗調製物を解析することにより、2
−5A依存性RNaseが希釈抽出物中では起こらない二量体形成が濃縮抽出物
中では起こりうることを示唆する(Slattery,E.et al.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA,76:4778−4782,19
79およびWreschner,D.H.et al.,Eur.J.Bioc
hem.,124:261−268,1982を参照)。
他のリボヌクレアーゼのアミノ酸配列と2−5A依存性RNaseとの比較に
より、E.coliから採取したエンドリボヌクレアーゼであるRNase E
といくつかの限定的な相同性を有する部位を特定する(図9Aを参照、Apir
ion,D.and Lassar,A.B.,J.Biol.Chem.,2
53:1738−1742,1978およびClaverie−Martin,
F.et al.,J.Biol.Chem.,266:2843−2851,
1991を参照)。RNase Eとの相同性を有する部位は、ヒト型およびネ
ズミ型2−5A依存性RNaseの間で比較的保存されている部分であり、そし
て約200アミノ酸残基の領域の範囲である。これらの領域の中に、RNase
Eとヒト型およびネズミ型2−5A依存性RNaseとの間にそれぞれ24%
および32%の同一な、そしていくつかのギャップを伴う保存的なマッチした配
列が存在する(図9Aを参照)。RNase Eをコードするrne遺伝子およ
び変化したmRNA安定化(ams)遺伝子(Ono,M.and Kuman
o,M.,J.Mol.Biol.,129:343−357,1979)は、
同一の遺伝子的位置に認められる(Mudd,E.A.et al.,Mol.
Microbiol.,4:2127−2135,1990;Babitzke
,P.and Kushner,S.R.,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,88:1−5,1991;およびTaraseviciene,
L.et al.,Mol.Microbiol.,5:851−855,19
91を参照)。RNase Eは、E.coli中での効率的なmRNAのター
ンオーバーおよびrRNAの切断の両方に必要とされる(Mudd,E.A.e
t al.,Mol.Microbiol.,4:2127−2135,199
0;およびBabitzke,P.and Kushner,S.R.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,88:1−5,1991を参照)。
2−5A依存性RNaseおよびRNase Eの切断の特異性は、2−5A依
存性RNaseが主としてUUまたはUAの後を切断し(Wreschner,
D.H.et al.,Nature,289:414−417,1981a;
およびFloyd−Smith,G.et al.,Science,212:
1020−1032,1981を参照)、そしてRNase Eが通常は(Gま
たは
A)AUU(AまたはU)の中心部分のAUU中を切断する(Ehretsma
nn,C.P.et al.,Genes&Development,6:14
9−159,1992)点で同様である。RNase Eの相同性部位およびそ
の他の2−5A依存性RNase中に特定された特徴を示している(図9Bを参
照)。これらの知見から、RNase Eが2−5A依存性RNaseの先祖前
駆体であり得る可能性が考えられる。この点において、E.coli中の2’,
5’−オリゴアデニレートの存在を示している(Brown,R.E.and
Kerr,I.M.,Process in Clinical and Bi
ological Research,202:3−10,1985;およびT
rujillo,M.A.et al.,Eur.J.Biochem.,16
9:167−173,1987を参照)。しかしながら、完全な2−5A系(す
なわち、2−5A合成酵素と2−5A依存性RNase)の進化的分布は、は虫
類以降、あるいは可能性があったとして両生類からしか始まらないと報告されて
いる(Cayley,P.J.et al.,Biochem.Biophys
.Res.Commun.,108:1243−1250,1982を参照)。
エンドリボヌクレアーゼは、RNAの分解における速度限定的な触媒作用によ
り、RNA代謝において調節的な働きをする(Brawerman,G.,Ce
ll,57:9−10,1989を参照)。2−5A依存性RNaseは、ピコ
ルナウィルスに対するインターフェロンの作用を媒介する、独特に調節されたエ
ンドリボヌクレアーゼである。2−5A依存性RNaseは、2−5Aに結合す
ることにより作用し、それに引き続きウィルスのRNAおよび細胞のRNAを分
解する(Wreschner,D.H.et al.,Nucleic Aci
ds Res.,9:1571−1581,1981bを参照)。さらに、2−
5A系は、インターフェロンの抗増殖作用にそしてRNAの安定性を根本的に調
節することに関与しうる。2−5A依存性RNaseおよび/または2−5A合
成酵素の細胞濃度は、インターフェロン処置の間(Hovanessian,A
.G.et al.,Nature,268:537−539,1977;およ
びJacobsen,H.et al.,Virology,125:496−
501,1983a)、細胞増殖の捕捉の間(Stark,G.et al.,
N
ature,278:471−473,1979;およびJacobsen,H
.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:49
54−4958,1983b)、細胞の分化の間(Krause,D.et a
l.,Eur.J.Biochem.,146:611−618,1985)、
ホルモン状態の変化の間(たとえば、Stark,G.et al.,Natu
re,278:471−473,1979)、そして肝臓の再生の間(Etie
nne−Smekens,M.et al.,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,80:4609−4613,1983)、調節されている。し
かしながら、2−5A依存性RNaseおよび2−5A合成酵素の基礎的濃度は
、すべてではないがほとんどのほ乳類の細胞中に存在する。別々の細胞内位置に
複数の型の2−5A合成酵素が存在する(Hovanessian,A.G.e
t al.,EMBO J.,6:1273−1280,1987)ことから、
2−5A系の多様な機能が示されうる。同様に、高等動物において2−5A系が
偏在的に存在することから、2−5A依存性RNaseについての機能の重要性
が示唆される(Cayley,P.J.et al.,Biochem.Bio
phys.Res.Commun.,108:1243−1250,1982)
。たとえば、2−5A依存性RNaseは正常のリボソームにおいて特異的な部
位でrRNAを切断し(Wreschner,D.H.et al.,Nucl
eic Acids Res.,9:1571−1581,1981b;および
Silverman,R.H.et al.,J.Virol.,46:105
1−1055,1983)、おそらくは翻訳の速度に影響を与える。2−5Aの
一過性の性質(Williams,B.R.G.et al.,Eur.J.B
iochem.,92:455−562,1978)および細胞中に導入した後
のその成長阻害効果(Hovanessian,A.G. and Wood,
J.N.,Virology,101:81−89,1980)から、2−5A
系は厳密に調節された経路であることが示される。実施例1
cDNAライブラリーを調製するためのmRNAの供給源は、約10%のFB
S(Gibco−BRL)と抗生物質を添加したEMEM(Whittaker
,Inc.)中で増殖したネズミL929細胞である。細胞を約50μg/ml
のシクロヘキシミドと1000単位/mlのネズミインターフェロン(α+β)
(1.3x107単位/mgのタンパク質:Lee Biomolecular
)で約2.5時間処理し、2−5A依存性RNaseのmRNA濃度を上昇させ
る。ついで全RNAを単離し(たとえば、Chomczynski,P.and
Sacchi,N.,Anal.Biochem.,162:156−159
,1987)、記載されているように、ポリ(A)+RNAをオリゴ(dT)−
セルロースクロマトグラフィーにより調製する(Sambrook,J.et
al.,Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess,1989)。第一鎖(first strand)cDNAの合成は、
5−メチル−dCTPをdCTPに置換し、XhoI−オリゴ−dTのアダプタ
ープライマー(Stratagene)を使用すること以外は記載されているよ
うに逆転写酵素(Superscript;BRL)を使用することにより行う
。第二鎖のcDNAの合成およびEcoRIリンカーのライゲーションを記載さ
れているように行った(Stratagene)。cDNAをEcoRIおよび
XhoIで消化し、あらかじめ消化したλZAPIIベクター(Stratag
ene)中に一方向性にクローン化する。ライブラリーは、Gigapack
Gold抽出物を使用してパッケージし、そしてPLK−Fバクテリアを用いて
タイターを測定する。
cDNAライブラリーは、あらかじめ増幅することなく直接的に、150mm
の培養プレートにつき約25,000のファージ密度でスクリーニングする。フ
ァージは、プラークが見えるようになるまで、約42℃で3.5時間増殖する。
IPTG(10mM)で飽和させその後乾燥したニトロセルロース膜をプレート
上にのせ、37℃でさらに4から6時間成長を継続させた。膜は、Singh,
H.ら(Cell,52:415−423,1988)およびSingh,H.
ら(BioTechniques,7:252−261,1989)の方法を改
良することにより処理する。約6Mのグアニジン−HClを含む氷冷した結合緩
衝液(約20mMのTris−HCl、約pH7.5、約20mMの酢酸マグネ
シ
ウム、約50mMのKCl、約1mMのEDTA、約50mMのβ−メルカプト
エタノール、約0.1mMのPMSF、約5%のグリセロール)で、膜を約20
分間洗浄する。ついで膜を含む溶液を結合緩衝液で2倍に希釈し、氷上でさらに
約5分間洗浄を続け、グアニジンの濃度が約187mMになるまで連続的に2倍
希釈を続けた。ついで膜を結合緩衝液で2回洗浄し、そして約5%の無脂乳を含
む結合緩衝液でおよそ室温において1時間インキュベートする。ついで膜を結合
緩衝液で2回洗浄し、p(A2’p)2(br8A2’p)2A3’−[32P]C
p(“2−5Aプローブ”)(Nolan−Sorden,N.L.et al
.,Anal.Biochem.,184:298−304,1990)を約2
x105カウント/分・ml(約3000Ci/mmole)で含む結合緩衝液
中(約0.25%脱脂粉乳、および約0.02%アジ化ナトリウムを添加)で、
約4℃で振とうしながら約24時間インキュベートする。膜を結合緩衝液で2回
洗浄し、水で2回洗浄し、風乾した後フィルムに暴露する。
ネズミL929細胞は、約50μg/mlのシクロヘキシミドの存在下あるい
は非存在下において約1000単位/mlのインターフェロン(α+β)で処理
し、ついで全RNAを記載されているように分離する(Chomczynski
,P.and Sacchi,N.,Anal.Biochem.,162:1
56−159,1987を参照)。ポリ(A)+RNAをオリゴ(dT)−セル
ロースクロマトグラフィーにより、Sambrook,J.ら(Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press,1989)によ
り記載されているように調製し、そしてグリオキサルアガロースゲル上で分離し
、そしてナイトラン膜に転写する。RNAをUV架橋により膜上に固定化する(
Stratalinker,Stratagene)。ネズミ2−5A依存性R
NaseのcDNAをランダムプライムにより32P−標識し、ついで膜に約42
℃でハイブリッド形成する(約50%のホルムアミド、約10%の硫酸デキスト
ラン、Denhardtの溶液(約1%SDS、6xSSPE;Sambroo
k,J.et al.,Cold Spring Harbor Labora
tory Press,1989)、約250μg/mlのサケ精子DNA)。
ヒト2−5A依存性RNaseのcDNAクローンであるHZB1を、放射線
標識(ランダムプライム)したネズミ2−5A依存性RNaseのcDNA(ク
ローンZB1)をプローブとして、λgt10中の成人ヒト腎臓cDNAライブ
ラリーから単離する(Sambrook,J.et al.,Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press,1989)。クロ
ーンHZB22を放射線標識したHZB1のDNAをプローブとして使用するこ
とにより単離する。ゲノムヒト2−5A依存性RNaseのクローンを、放射線
標識したHZB22の断片をプローブとして、ベクターpVE15中のヒト胎盤
コスミドライブラリー(Stratagene)から単離する。ネズミゲノム2
−5A依存性RNaseのクローンを、放射線標識した2−5A−BPのcDN
A(クローンHZB1)の断片をプローブとして、ベクターλFIXII中のマ
ウス129SVゲノムライブラリー(Stratagene)から単離する。D
NAのサブクローニングをBluescriptベクター中に行う(Strat
agene)。
ファージRNAポリメラーゼによるプラスミドの転写は、反応混合物に15%
のジメチルスルフォキシドを添加し、インキュベーションを約37℃で約90分
間行う以外は、記載されているように(Promega)mGppppGの存在
下において行う。RNAはセファデックスG50スパンカラムを使用して精製し
、エタノールで沈殿し翻訳をする。タンパク質合成は、記載されているように(
Promega)、ミクロコッカスのヌクレアーゼで前処理したウサギ網状赤血
球融解物中では約30℃で約1時間、あるいは小麦胚抽出物中ではおよそ室温で
1時間、ついで約40℃で約12時間行う。翻訳反応には、約50μMの硫酸亜
鉛を含む。網状赤血球融解物中に存在する内在性の2−5A依存性RNaseを
、セルロース(2−5A−セルロース)に共有結合的に接着する約30μMのp2
(A2’p)3A(Wells,J.A.et al.,J.Biol.Che
m.,259:1363−1370,1984およびSilverman,R.
H.and Krause,D.,I.R.L.Press,Oxford,E
ngland,pp.149−193,1987に記載されているように調製)
に、記載されているように氷上で約1時間かけて吸着することにより除去する(
Silverman,R.H.et al.,Anal.Biochem.,
144:450−460,1985を参照)。2−5A依存性RNase:2−
5A−セルロース複合体を約400xgで約5分間、約2℃で2回遠心分離する
ことにより回収する。上清は、測定可能な濃度の2−5A依存性RNaseを完
全に含まない(図5を参照)。
先端切断したネズミ2−5A依存性RNaseのcDNAであるZB1の一組
の3’−欠損したものを、エクソヌクレアーゼIII/S1ヌクレアーゼ消化に
より作成し、続いて“Erase−A−Base”系(Promega)を使用
することにより、KlenowDNAポリメラーゼで埋め込み反応を行う。
2−5Aプローブであるp(A2’p)2(br8A2’p)2A[32P]Cp
の合成、および2−5A依存性RNaseに対するその架橋を記載されていると
おり正確に行う(Nolan−Sorden,N.L.et al.,Anal
.Biochem.,184:298−304,1990を参照)。簡単に言う
と、2−5Aプローブ(3,000Ci/mmoleで約0.7から2.5nM
)を細胞抽出物(Silverman,R.H.and Krause,D.,
I.R.L.Press,Oxford,England,pp.149−19
3,1987に記載されているように調製)とともに約1時間、氷上で、未標識
オリゴヌクレオチド競争物の存在下あるいは非存在下においてインキュベートす
る。共有結合的架橋は、UV光(308nm)のもと、氷上で1時間行い、そし
てタンパク質をSDS/10%ポリアクリルアミドゲル上で分離する。2−5A
プローブを使用して、氷上で約1時間かけて、2−5A結合活性に対する膜をア
ッセイする(Knight,M.et al.,Nature,288:189
−192,1980に記載)。
ゲルで精製したタンパク質をゲル中でプロテアーゼ消化する。(Clevel
and,D.W.et al.,J.Biol.Chem.,252:110
2−1106,1977に記載の通り)。
2−5Aセルロースを用いたリボヌクレアーゼアッセイを行う(Silver
man,R.H.et al.,Anal.Biochem.,144:450
−460,1985に記載の通り)。簡単に言うと、融解物を約30μMの2−
5A−セルロースに氷上で約2時間吸着させる。ついでマトリックスを遠心し緩
衝液Aで再懸濁することにより3回洗浄する(Silverman,R.H.,
Anal.Biochem.,144:450−460,1985を参照)。つ
いでマトリックスをポリ(U)−[32P]Cpまたはポリ(C)−[32P]Cp
(両方ともヌクレオチド当量で約16μM)とともに、約30℃でインキュベー
トし、酸−沈殿可能な放射活性RNAの濃度をグラスファイバー膜での濾過によ
り決定する。
サンガーのジデオキシ配列決定法を使用し、DNA配列を決定する(Sequ
enase,United States Biomedical)。
先端切断したネズミ2−5A依存性RNase(クローンZB1)中の、24
0番および274番のリジンを別々におよび一緒に、アスパラギン残基へ変異す
る。変異体ZB1(Lys274→Asn)および二重変異体ZB1(Lys240,274
→Asn)は、ZB1のcDNAを記載されているように(Promega
)pALTER−1中にサブクローニングした後、変異オリゴヌクレオチドを使
用して得る。変異配列に接着した独自のHincII部位を含む上流側プライマ
ーと独自のBglII部位の下流側第二プライマーを使用したポリメラーゼ連鎖
反応によるZB1の分節の増幅の後、変異体ZB1(Lys240→Asn)を得
る。ついでHincII−およびBglII−消化したポリメラーゼ連鎖反応産
物と同様に消化したクローンZB1とをライゲーションする。特異的変異は、コ
ドン240についてのAAA→AACとコドン274についてのAAG→AAC
である。変異は、DNA配列決定により確定する。
実施例II
タバコの種(Nicotiana tabacum cv.Wisconsi
n)およびTiを基礎にしたバイナリベクターpAM943とpAM822をD
r.Amit Mitra(ネブラスカ大学植物病理学科、Lincoln,N
ebraska)から入手した。Argobacterium tumefac iens
LBA4404およびE.coli系統のK802およびMM294
をClonetech社(Palo Alto,California)および
Stratagene社(LaJolla,California)から購入し
た。植物組織培養培養液であるMurashigeとSkoogの調製混合物(
ready mix)(MS培地)はSigma Chemical Comp
any(St.Louis,Missouri)から購入した。PKRについて
のヒトcDNA、リジン→アルギニン変異PKR、そして2−5A合成酵素は、
Dr.B.R.G.Williams(クリーブランド臨床財団、癌生物学部門
)より入手した(たとえば、Meurs,E.et al.,Cell,62:
379−390,1990;Chong,K.L.et al.,EMBO J
.,11:1553−1562,1992;Rysieki,G.et al.
,J.Interferon Res.,9:649−657,1989;Be
nech,P.et al.,EMBO J.,4:2249−2256,19
85;およびSaunders,M.E.et al.,EMBO J.,4:
1761−1768,1985を参照)。図3Aに示した2−5A依存性RNa
seに対するヒトcDNAは、Dr.R.H.Silvermanの研究室(ク
リーブランド臨床財団、癌生物学部門)でクローン化され、クリーブランド臨床
財団の所有物である(Zhou,A.et al.,Cell,72:753−
765,1993を参照)。
発現ベクターであるpAM943を使用し、cDNAとカナマイシン耐性マー
カー遺伝子を含むT DNAのArgobacterium媒介性転写を得る。
プラスミドベクターpAM943の物理的地図にはその構成要素を示している(
図12を参照)。プラスミドpAM943は、クロレラウィルス由来のアデニル
メチルトランスフェラーゼ(AMT)遺伝子のプロモーターおよびカリフラワー
モザイクウィルス由来の野生型35Sプロモーターからなる2つのプロモーター
を含む。ベクターは、トランスフォーム植物を選択するために、カナマイシン耐
性遺伝子も含む。最初に、cDNAをpAM943にサブクローン化し、E.c
oli系統のK802またはMM294中で、選択可能マーカーとしてテトラサ
イクリン耐性遺伝子を用いて増幅する。Argobacterium細胞は、組
換えpAM943でトランスフォームし、約5μg/mlのテトラサイクリン、
約10μg/mlのカナマイシンおよび約25μg/mlのストレプトマイシン
を含む培地中で増殖することにより選択する。
PKRに対するcDNA(PK68)をサブクローン化するために、リジン→
アルギニン変異PKR(muPK68;変異PKRタンパク質は、dsRNAと
結合するが、キナーゼ活性を有さず、そしてそれ故に対照として機能しうる)お
よび低分子量型2−5A合成酵素(合成酵素)、プラスミドpKS(+)PKR
、pKS(+)muPKRおよびpKS(+)合成酵素を、最初はXbaI制限
エンドヌクレアーゼで、ついでClaI制限エンドヌクレアーゼで消化し、cD
NA断片は低融点アガロースゲル中で精製し、そしてpAM943のXbaIお
よびClaI部位にセンス方向にサブクローン化する(図13を参照)。それぞ
れが図13A〜Cに記載する構築物に対応する組換えプラスミド(すなわち、構
築物A、pAM943:PK68;構築物B、pAM943:muPK68;そ
して構築物C、pAM943:合成酵素)を使用し、Argobacteriu m tumefaciens
LBA4404をトランスフォームする。それぞ
れAG68、AGmu68、そしてAGSynと特定される結果としてできるバ
クテリアを、タバコの葉を使用したディスクトランスフォームに使用する。組換
えプラスミドの産物(たとえば構築物A、pAM943:PK68;構築物B、
pAM943:muPK68;そして構築物C、pAM943:合成酵素)は、
本明細書の以降にさらに詳細に記載する。
2−5A依存性RNaseに対するcDNAのサブクローン化のために、プラ
スミドpKS(+)2C5のDNAをHindIII酵素で消化し、pAM94
3のHindIII部位に、両方向性にサブクローン化し(図13を参照)、そ
してそれぞれが図13Dおよび図13D/a中の構築物DおよびD/aに対応す
る組換えプラスミド(構築物D、pAM943:2−5A依存性RNaseセン
スおよび構築物D/a、pAM943:2−5A依存性RNaseアンチセンス
)を使用して、Argobacteriumをトランスフォームし、AG2DR
センスおよびAG2DRアンチセンスとそれぞれ呼ばれる細菌を作出する。組換
えプラスミドの生成(構築物D、pAM943:2−5A依存性RNaseセン
ス、構築物D/a、pAM943:2−5A依存性RNaseアンチセンスおよ
び構築物E、pAM822:2−5A依存性RNaseアンチセンス)も、本明
細書中の以降にさらに詳細に記載する。
コンピテントのArgobacterium細胞を調製し、たとえばAn,G
.らの方法(Plant Nolecular Biology Manual
,AD:1−19,1988)の方法に従ってトランスフォームを行う。プラス
ミドDNAを調製することにより、そして特異的相補的オリゴヌクレオチドを使
用したPCRを行うことにより、そして制限酵素消化を観察することにより、ト
ランスフォームしたArgobacterium細胞中の組換えプラスミドの存
在を確認する。
エレクトロポレーションにより植物細胞中に2−5A依存性RNaseに対す
る逆方向のcDNAを送達するために使用したベクターの一つである、プラスミ
ドpAM822の物理的地図も示す(図13Eおよび図14を参照)。pAM8
22中に2−5A依存性RNaseに対するcDNAをサブクローン化するため
に、ATG(開始コドン)の前およびTGA(終止コドン)の後にBamHI制
限酵素部位を含む2種のオリゴヌクレオチドプライマーを使用することにより、
2−5A依存性RNaseの完全なコード領域をPCRで増幅した。PCR産物
をBamHIで消化し、pAM822ベクターのBglII部位にサブクローン
化した。2−5A依存性RNaseに対して使用したcDNAは、Zhou,A
.ら(Cell,72:753−765,1994)において記載されたプラス
ミドpZC5中に存在するヒト型のcDNAである。配列も、本明細書中で開示
している。プラスミドpAM822は、第二の選択可能なマーカー遺伝子である
ハイグロマイシン耐性遺伝子を含み、これにより2−5A合成酵素のcDNAお
よび2−5A依存性RNaseのcDNAを両方とも含む植物の構築物を作成す
ることができる。このようにして、2−5A合成酵素のcDNAを含むカナマイ
シン耐性のトランスジェニックタバコ葉ディスク中への2−5A依存性RNas
eのcDNAを含むpAM822:2−5A依存性RNaseの挿入を行う(図
13E)。
MS培地として知られるMurashigeとSkoogの培地に約3%のシ
ョ糖(MSO培地)および約0.8%の寒天を添加したもので、成長チャンバー
中で約16時間の明期と約8時間の暗期の光周期のもと、約28℃のプラスチッ
クの箱(Phytatray)中で、タバコ植物を無菌的に成長させる。約2”
の
長さよりも大きな葉を、MSO培地のもとで約2〜3cm片に切り刻み、6〜8
片の葉を約2mlのMSO培地を含む6cmペトリ皿中に静置し、滅菌先細ピン
セットで葉片に穴をあける。AG68、AGmu68、AGSyn、AG2DR
センスおよびAG2DRアンチセンスを、50μMのアセトシリンゴン(ace
tosyringone)と適切な抗生物質を含むLB(Lブロス)中にて、約
28℃の水浴中で一晩成長させる。100μlの一晩培養液を葉片を含むそれぞ
れのペトリ皿中に添加する。成長チャンバー中で散乱光のもと、約28℃で約2
日間インキュベーションを行う。葉片をMSO培地で何回も洗浄し、発芽再生培
地(MSO培地;約0.5mg/lのBAP(ベンジル編みのプリン)、約20
0μg/mlのカナマイシン、約200μg/mlのカルベニシリン、および約
100μg/mlのセフォタキシン)中で選択するために固体寒天に、成長チャ
ンバー中で散乱光のもと、約28℃で移植する。3週間以内に、植物片の再生が
観察される。植物片が約2〜3cm長である時に、約200μg/mlのカナマ
イシンと約200μg/mlのカルベニシリンを含む根−誘導性の無ホルモンの
MSO固体寒天培地に植物片を移植する。2−5A合成酵素を発現するトランス
ジェニック植物を、2−5A依存性RNaseに対するcDNAを導入するため
に(図13Dの構築物D、pAM943:2−5A依存性RNaseセンスで)
実質的にトランスフォームする。選択的には、2−5A依存性RNaseのcD
NAをセンス方向に含み、かつハイグロマイシン耐性遺伝子を含むベクターpA
M822(図14)を使用し、2−5A合成酵素を含む植物をトランスフォーム
する。これにより、ハイグロマイシン含有MSO培地中での選択が可能になる。
植物の組織培養および再生を、上述したように行う。トランスジェニック植物を
生長させ、花を咲かせ、そして抗ウィルス遺伝子あるいはヌクレオチド配列が次
の世代に移動していることを示すために種を採る。特異的なプラスミド構築物に
ついては本明細書中で記載しているが、本発明は誘導可能なプロモーターを含む
ベクターを含む任意の植物ベクターを含むことを意図している。
4”から5”の高さの植物中でのPKR、変異PKR、2−5A合成酵素およ
び2−5A依存性RNaseの発現について、葉のタンパク質抽出物(10,0
00xgの遠心分離の上清)中で試験する。ノザンブロットおよびサザンブロッ
ト、そして2−5A依存性RNaseに対する機能的結合アッセイの結果につい
て、表1から5に報告している(図15も参照、その中で、ノザンブロットにお
いてmRNA濃度を測定することにより決定した、トランスジェニックタバコ植
物中での、ヒト2−5A合成酵素のcDNAの発現について示している)。一方
で図16は、ノザンブロットにおいてmRNA濃度を測定するとにより決定した
、トランスジェニックタバコ植物中での変異型および野生型ヒトPKRのcDN
Aの発現について示している。図17は、サザンブロットにより決定した、トラ
ンスジェニックタバコ植物中での2−5A依存性RNaseのcDNAの存在に
ついて示している。
放射性2−5Aへの紫外線架橋による、PKR、dsRNAで活性化した2−
5Aシンテターゼ及び2−5A依存性RNアーゼのdsRNA依存性自己リン酸
化アッセイ(Nolan−Sordenら:Analytical Bioch emists
,(184):298−304(1990)参照)を葉抽出物で実
施できる。PKR、2−5Aシンテターゼ及び2−5A依存性RNアーゼに対す
る抗体を使用するウェスタンブロット分析によりタンパク質のレベルも測定でき
る。
図13Dに示すような構築物D即ちpAM943:2−5A−依存性RNアー
ゼセンスを含むトランスジェニック植物における2−5A依存性RNアーゼの発
現を立証するために、放射性標識2−5A類似体と2−5A依存性RNアーゼと
の結合を測定する機能的アッセイを実施した。表III及びV参照。その結果、
トランスジェニック植物Z1、Z2、Z3、Z5及びZ6に2−5A依存性RN
アーゼが存在することが判明した。ヒト組換え2−5A依存性RNアーゼのレベ
ルが最も高いのは植物Z5であると考えられる。表V参照。
aタバコ植物は構築物D即ちpAM943:2−5A依存性RNアーゼ(センス
)を含む。2−5A結合アッセイはKnight,M.ら,Nature (2
8
8):189−192(1980)のフィルター結合法の変法により実施した。32
P標識臭素置換2−5A類似体p(A2’p)2(br8A2’p)2A3’−32
[P]Cp(約3,000Ci/mmolで約15,000cpm/アッセイ、
Nolan−Sorden,N.L.ら,Anal.Biochem.,(18
4):298−304(1990))を、タンパク質約100μg/アッセイを
含む植物抽出物と共に氷上で約4時間インキュベートした。次に反応混合物をニ
トロセルロースフィルターに移し、蒸留水で2回洗浄し、乾燥し、フィルター上
の2−5A依存性RNアーゼに結合した2−5Aプローブの量をシンチレーショ
ンカウントにより測定した(Silverman,R.H.とKrause,D
.,In,Clemens,M.J.,Morris,A.G.,とGeari
ng,A.J.H.,(編),Lymphokines and Interf erons − A Practical Approach
,I.R.L.P
ress,Oxford,pp.149−193(1987))。トランスジェ
ニック植物で発現される2−5A依存性RNアーゼに結合した標識2−5Aのc
pmとしてデータを示す。対照植物抽出物からのバックグラウンド放射能である
705cpmは2−5Aの非特異的結合から構成されるので、これらのデータか
ら差し引く。
2−5A依存性RNアーゼcDNAを含むトランスジェニック植物が機能的2
−5A依存性RNアーゼタンパク質又はアミノ酸配列を発現することを更に確認
するために、アフィニティー標識法を実施した(データは示さず)。この方法で
は、Nolan−Sorden,N.L.ら: Anal.Biochem.,
184:298−304(1990)に記載されているように、臭素置換32P標
識2−5A類似体(「プローブ」)を用いてウェスタンブロットで2−5A結合
活性を測定した。より具体的に説明すると、2−5A依存性RNアーゼcDNA
を含むトランスジェニック植物から葉を採取し、約5mMアスコルビン酸、約1
mMシステイン、約2μg/mlロイペプチン、約100μg/mlフェニルメ
チルスルホニルフルオリド及び約2μg/mlペプスタチンを補充したNP40
溶解用緩衝液(Silverman,R.H.とKrause,D.(1987
)
In,Clemens,M.J.,Morris,A.G.,とGearing
,A.J.H.,(編),Lymphokines and Interfer ons − A Practical Approach
,I.R.L.Pre
ss,Oxford,pp.149−193参照)中でホモジナイズした。抽出
物を約10,000×gで約10分間遠心分離して清澄化した。タンパク質約1
00μg/アッセイを含む抽出物の上清をSDS/10%ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動により分離した後、タンパク質をImmobilon−P膜フィルタ
ー(Millipore Corp.,Bedford,MA)に移した。次に
、Zhou,A.ら: Cell 73−753−765(1993)に従って
、フィルターを約4×105c.p.m./mlの32P標識2−5Aプローブと
共に約4℃で約24時間インキュベートした。洗浄乾燥したフィルターのオート
ラジオグラムは、植物Z3、Z5及びZ6で約80kDaバンドに目視可能な機
能的ヒト2−5A依存性RNアーゼの存在を示した(データは示さず)。
タバコモザイクウイルス(ATCC)及びタバコ腐食(etch)ウイルス(Am
it Mitra博士,Nebraskaから入手)を被覆したセライト粉末の
ラビングにより植物の抗ウイルス活性を測定した。対照及びトランスジェニック
植物からの葉のウイルス感染症状をモニターし、写真に記録した。
記載のプラスミド及び形質転換Argobacterium株を使用して他の
任意の植物をウイルス耐性植物に形質転換することができる。本発明により形質
転換可能な植物の例としては、トウモロコシ、ジャガイモ、ニンジン、レタス、
キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、マメ、カボチャ(squash)、カボチャ
(pumpkin)、コショウ、タマネギ、トマト、エンドウ、ビート、セロリ、キュ
ウリ、カブ及びラディッシュ等の野菜類、バナナ、リンゴ、ナシ、プラム、アプ
リコット、モモ、ネクタリン、チェリー、キーライム、オレンジ、レモン、ライ
ム、グレープフルーツ、ブドウ、ベリー及びメロン等の果物類、コムギ、オオム
ギ、コメ、エンバク及びライムギ等の穀類、牧草、花卉、樹木、潅木及び雑草(
例えばArabidopsis等の実験用雑草)が挙げられる。従って、本発明
はウイルス感染に対する免疫又は耐性をもつトランスジェニック植物を形成する
ために抗ウイルス活性をもつアミノ酸をコードする任意のヌクレオチド配列を
導入した任意の植物を含むとみなすべきである。pAM943:PKR(構築物A)及びpAM943:MuPKR(構築物B) の構築
大腸菌細胞(Cleveland Clinic,Cliveland,Oh
ioのB.R.G.Williams博士から入手)中に存在する夫々野生型P
KR及びPKRのコドン296のリシン→アルギニン突然変異体をコードするプ
ラスミドpKS(+)PKR及びpKS(+)muPKRを標準方法により調製
した。例えば、記載するような部位特異的突然変異誘発によるmuPKR即ちリ
シン−296→アルギニン突然変異体(K296R)の作製については、Kat
ze,M.G.ら: Mol.Cell Biol.,11:5497−550
5(1991)参照。プラスミドpKS(+)PKR及びpKS(+)muPK
Rを構築するために使用したPKRヌクレオチド配列を図18に示す。植物翻訳
器官がPKRタンパク質を合成する能力を調べるために、in vitro転写
により直鎖化pKS(+)PKRからキャップトPKR mRNAを作製した。
次に35S−メチオニンの存在下でコムギ胚芽エキス(Promega Corp
.,Madison,W.I.から入手)中でRNAを翻訳した。乾燥SDS/
ポリアクリルアミドゲルのオートラジオグラムで35S標識PKRの合成を検出し
た。
KpnI及びXbaIで消化することにより、PKR及びmuPKRをコード
するcDNAをプラスミドpKS(+)PKR及びpKS(+)muPKRから
切り出した。PKRとmuPKRをコードする完全配列を含む生成DNAフラグ
メントを低融点アガロースゲルから精製した。次に5’末端にXbaI部位、3
’末端にClaI部位を含むcDNAを作製するために、PKR cDNA及び
muPKR cDNAをClaIで消化し、精製した。得られた消化PKR c
DNA及びmuPKR cDNAを次にXbaI及びClaIで消化したpAM
943にDNA連結により強制クローニングした。得られたプラスミド(図13
の構築物A及びB)を使用してAgrobacterium tumefaci ens
株LBA4404(Clonetech,Palo Alto,CA)を
形質転換した。形質転換したAgrobacterium tumefacie ns
菌から標準方法により組換えプラスミドを調製し、単離したプラスミドのP
CR分析と制限酵素消化物によりPKR及びmuPKR cDNAの存在を確認
した。pAM943:シンテターゼ(構築物C)の構築
図20に示す小型の2−5A−シンテターゼ(1.8kb mRNAを産生)
のヒトcDNA(Cleveland Clinic,Cleveland,O
hioのB.R.G. Williams博士から入手)を含むプラスミドpt
ac−15を標準方法により調製し、BamHI及びEcoRIで消化した。シ
ンテターゼcDNAを低融点アガロースゲルから標準方法により精製した後、B
amHI及びEcoRI部位でプラスミドpKS(+)(Stratagen,
La Jolla,CA)にサブクローニングした。得られた組換えプラスミド
DNA(pKS(+)シンテターゼ)をXbaI及びClaIで消化し、2−5
AシンテターゼcDNAを低融点アガロースゲルから精製した後、XbaI及び
ClaIで消化したpAM943にサブクローニングし、構築物Cを得た(図1
3)。形質転換Agrobacterium tumefaciens菌から標
準方法により組換えプラスミドを調製し、単離したプラスミドのPCR分析と制
限酵素消化物により2−5A−シンテターゼcDNAの存在を確認した。pAM943:2−5A依存性RNアーゼセンス(構築物D)及びpAM943 :2−5A依存性RNアーゼアンチセンス(構築物D/a)の構築
ヒト2−5A依存性RNアーゼの完全コーディング配列をコードするプラスミ
ドpKS(+)ZC5をHindIIIで消化した。2−5A依存性RNアーゼ
の2.5kbp cDNAを低融点アガロースゲルで精製した後、HindII
Iで消化したpAM943にセンス(順方向)及びアンチセンス(逆方向)の両
方向にサブクローニングし、夫々図13D及びD/aに示すようなpAM943
:2−5A依存性RNアーゼセンス(構築物D)及びpAM943:2−5A依
存性RNアーゼアンチセンス(構築物D/a)を作製した。制限酵素消化物とP
CR分析により、形質転換Agrobacteriumが2−5A依存性RNア
ーゼcDNAを含むことを調べた。pAM822:2−5A依存性RNアーゼアンチセンス(構築物E)の構築
ヒト2−5A依存性RNアーゼをコードするプラスミドpKS(+)ZC5で
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、cDNAの両末端にHindIII及
びBamHI部位を生成し、5’及び3’非翻訳配列を還元した。使用したPC
Rプライマーは、
及び
である。PCR産物(約2.25kbp)を低融点アガロースゲル上で精製した
後、HindIIIで消化し、次いでHindIIIで消化したプラスミドpK
S(+)にサブクローニングした。得られたプラスミドpKS:pZC5をBa
mHIで消化し、2−5A依存性RNアーゼcDNAフラグメントを精製し、B
gIIIで消化したpAM822にクローニングした。逆方向(アンチセンス)
で単離した組換え株をpAM822:2−5A依存性RNアーゼアンチセンス(
構築物E)とする。図13E参照。
本明細書に開示するヌクレオチド配列に関して、Aはアデニン、Cはシトシン
、Gはグアニン、Tはチミン、Uはウラシルを意味する。本明細書に開示するア
ミノ酸配列に関しては、Aはala即ちアラニン、Rはarg即ちアルギニン、
Nはasn即ちアスパラギン、Dはasp即ちアスパラギン酸、Cはcys即ち
システイン、Eはglu即ちグルタミン酸、Qはgln即ちグルタミン、Gはg
ly即ちグリシン、Hはhis即ちヒスチジン、Iはile即ちイソロイシン、
Lはleu即ちロイシン、Kはlys即ちリジン、Mはmet即ちメチオニン、
Fはphe即ちフェニルアラニン、Pはpro即ちプロリン、Sはser即ちセ
リン、Tはthr即ちトレオニン、Wはtrp即ちトリプトファン、Yはtyr
即ちチロシン、Vはval即ちバリンを意味する。
下記材料はブダペスト条約に基づき、American Type Cult
ure Collection(ATCC),12301 Parklawn
Drive,Rockville,Maryland 20852,米国に寄託
し、下記寄託番号を付与されている。
*この種子は図13に示す構築物DであるpAM943:2−5Adep.RN
アーゼを含む。
**この種子は図13に示す構築物CであるpAM942:シンテターゼを含む。
*元のコドン番号95即ちアミノ酸番号95をコードするCTT即ちロイシンは
正しいが、コドン番号95の上の括弧内に示す代替コドン即ちアミノ酸番号95
の下の括弧内に示す代替アミノ酸プロリンをコードするCCTがこの位置に存在
してもよいと考えられる(81頁参照)。
配列番号1はヒト2−5A依存性RNアーゼタンパク質をコードするDNA配列
を表す。配列番号2は配列番号1のDNA配列によりコードされるアミノ酸配列
を表す。配列番号3は代替コドン番号95のCCTをもつ配列番号1のDNA配
列を表す。配列番号4は代替アミノ酸番号95のプロリンをもつ配列番号3によ
りコードされるアミノ酸配列を表す。
配列番号5はマウス2−5A依存性RNアーゼをコードするDNA配列(部分)
を表す。配列番号6は配列番号5によりコードされるアミノ酸配列を表す。実施例III
クロレラウイルスのアデニルメチルトランスフェラーゼ(AMT)の遺伝子の
上流領域と最短長の35Sプロモーターから構成されるデュアルプロモーターを
含むTi系バイナリベクターであるプラスミドpAM943(Mitra,A.
ら: Plant Mol Biol,26:85−93(1994))をこの
試験のクローニングベクターとして使用した。図13参照。ベクターは更に形質
転換植物の選択に用いるカナマイシン耐性遺伝子も含む。使用した細菌株はAg
robacterium tumefaciens株LBA4404と大腸菌株
MM294(Clonetech)である。低分子量形態の2−5Aシンテター
ゼをコードするヒトcDNAはB.R.G.Williams博士(Cleve
land,Ohio)とDirk Gewert博士(London,英国)の
寄贈品であり、ヒトRNアーゼLのcDNAはZhou,A.ら: Cell,
72:753−765(1993)に既に報告されている。
植物組織培地MurashigeとSkoogのレディミックス(MS培地)
はSigma Co.製品である。約25℃の培養室で3%スクロースを補充し
た0.8%アガロース培地(MSO培地)をプラスチック箱に入れ、約16時間
の明サイクルと約8時間の暗サイクルからなるサイクル下にNicotiana
tabacum cv.Wisconsin 38の種子を滅菌培養した。
2−5AシンテターゼのヒトcDNAのXbaI−ClaIフラグメントをp
AM943のXbaI、ClaI部位に指向的にクローニングした。図13C参
照。RNアーゼLのヒトcDNAをpAM943のHindIII部位にサブク
ローニングし、センス方向のcDNAをもつ組換えプラスミドを選択した。図1
3D参照。An,G.ら: Binary Vectors,In: SB S
elvin,RA SchilperoortとDPS Verma (編),Plant Molecular Biology Manual
,Marti
nus Nijhoff,Dordrecht,オランダ,pp.A−3:1−
19(1988)に記載されているように、プラスミドを大腸菌MM294株で
培養した後、Agrobacterium tumefaciens LBA4
404に導入した。pAM943:シンテターゼ又はpAM943:2−5A依
存性RNアーゼのいずれかで形質転換したAgrobacterium細胞を、
テトラサイクリン(5μg/ml)、カナマイシン(10μg/ml)及びスト
レプトマイシン(25μg/ml)を含むLB培地で培養した。タバコ葉盤をA
grobacterium−葉盤同時培養法に従って形質転換した。An,G.
ら: Binary Vectors,In: SB Selvin,RA S
chilperoortとDPS Verma (編),Plant Mole cular Biology Manual
,Martinus Nijhof
f,Dordrecht,オランダ,pp.A−3:1−19(1988)参照
。葉盤をMSO培地で十分に洗浄し、パラフィルムで覆ったペトリ皿にBAP(
ベンジルアミノプリン)(0.5mg/l)、カナマイシン(200μg/ml
)、カルベニシリン(200μg/ml)及びセフォタキシム(200μg/m
l)を含むMSO固体寒天選択及び苗条再生培地を入れ、25℃の培養室で拡散
光下にインキュベートした。再生した小植物をMSO固体寒天選択及び無ホルモ
ン培地に移し、その後のcDNAの存在をモニターした。
サザンブロットに備え、Robert,S.O.ら: Extraction
of DNA from plant tissues,In: SB Ge
lvin,RA SchilperoortとDPS Verma(編),Pl
ant Molecular Biology Manual,Martinu
s Nijhoff,Dordrecht,オランダ,pp.A6:1−10(
1988)に記載されているように対照及び形質転換植物の葉からDNAを調製
した。HindIIIの消化後、DNAフラグメントを1%アガロースゲル中で
分離し、Nytran膜(Scheilcher & Schuell)に移し
た。ノーザンブロットに備え、RNA−State 60試薬(Tel−Tes
t,B.Inc.)を使用して葉から全RNAを抽出した。グリオキサールで処
理したRNAをアガロースゲル中で分画し、Nytranフィルターに移した。
マルチプライムDNA標識キット(Promega)を使用してcDNAを32P
標識し、プローブとして使用した。
Silverman,R.H.ら: Analysis of anti−v
iral mechanisms: Interferon−regulate
d 2’,5’−oligoadenylate and protein k
inase systems,In: MJ Clemens,AG Morr
is,Gearing,AFH(編),Lymphokines and In
terferons: A Practical Approach,pp.1
49−193,Oxford: IRL Press(1987)に記載されて
いるように、トランスジェニックタバコ植物の葉で発現される2−5Aシンテタ
ーゼを活性化アフィニティーマトリックス、ポリ(I):ポリ(C)−セルロー
ス上で単離した。ATPと共にインキュベートすると、競合結合アッセイで測定
される2−5Aが合成され、インキュベーションで生じた未標識2−5Aはニト
ロセルロースディスク上でマウス肝RNアーゼLとの結合に関して放射性標識2
−5A類似体と競合する。Knight,M.ら: Nature,288:1
89−192(1980)参照。競合剤として加えた既知量の未標識2−5Aか
ら標準曲線を作成した。
葉の抽出物中のRNアーゼLレベルを測定するために、紫外光下で臭素置換32
P標識2−5Aプローブ(A2’p)2(br8A2’p)2A3’−[32P]C
pとRNアーゼLの架橋を行った。Nolan−Sorden,N.L.ら: Anal Biochem
,184:298−304(1990)参照。Sil
verman,R.H.ら: Analysis of anti−viral
mechanisms: Interferon−regulated 2’
,5’−oligoadenylate and protein kinas
e systems,In: MJ Clemens,AG Morris,G
earing,AFH(編),Lymphokines and Interf
erons: A Practical Approach,pp.149−1
93,Oxford: IRL Press(1987)に記載されているよう
に、対照及びトランスジェニック植物からの葉とヒト乳癌細胞系MCF7の抽出
物を調製した。未標識p3(A2’p)2A(100nM)の存在下及び不在下で
アッセイを行った。混合物に氷上で約1時間紫外光を照射し、SDS−ポリアク
リルアミド(10%)ゲル上でタンパク質を分離し、乾燥したゲルを使用してX
線フィルムを感光させた。
対照植物とトランスジェニック植物からの葉を切り取り、室温で蛍光下に約7
時間葉柄から2−5A[1μM p3(A2’p)3A]を取り込ませた。全RN
Aを調製し、これを使用してノーザンブロットを行った。ブロット中のRNAを32
P標識ヒト18S rRNA cDNAプローブにハイブリダイズさせた(c
DNAはJohn Thaden博士,Baltimoreから入手)。
2−5Aシンテターゼ又はRNアーゼLを発現するトランスジェニック植物を
温度制御下の温室で培養した。タバコ腐食(etch)ウイルス(TEV、重症株A
TCC#PV69)及びタバコモザイクウイルス(TMV、普通株)を夫々全身
感染させたタバコの葉から新たに調製した抽出物の1:500又は1:5000
希釈液を6週齢の植物に接種した。全身感染させた上部葉のウイルス力価を接種
から21日後にELISAにより測定した。TMVコートタンパク質(CP)又
はTEV円筒封入タンパク質(CI)に対するウサギポリクローナル抗体を使用
した。TMV CP又はTEV CIタンパク質を使用して標準曲線を作成した
。
トランスジェニックタバコ植物を作製するために、小型のヒト2−5Aシンテ
ターゼとヒトRNアーゼLのcDNAを植物発現プラスミドpAM943に個々
にサブクローニングした。図13参照(Mitra,A.ら: Plant M ol Biol
,26:85−93(1994))。このベクターで、カリフラ
ワーモザイクウイルスの35Sプロモーターに融合したクロレラウイルスのアデ
ニルメチルトランスフェラーゼ(AMT)から構成されるビパーチィクルプロモ
ーターにより挿入cDNAの転写を誘導した(図13)。カナマイシン選択後に
2種のcDNAのいずれかを含むAgrobacteriumで別々に形質転換
した葉盤から植物が再生された。完全ゲノムDNAを植物から単離し、Hind
IIIで消化してサザンブロットを行い、cDNAの組込みが行われたことを確
認した。形質転換植物は発現寸法の2−5AシンテターゼcDNA又はRNアー
ゼLcDNAの存在を示すが、対照植物は陰性である。夫々図27A及び28参
照。
2−5AシンテターゼcDNAがトランスジェニック植物に転写されることを
立証するために、これらの植物から単離した全RNAでノーザンブロットを行っ
た。図27B参照。シンテターゼ発現植物では約2.5kbの主要転写物が明白
に検出された。図27B中、レーン2及び3は代表的植物に相当する。対照植物
では交差ハイブリダイズするRNA種は検出されなかった。図27B、レーン1
参照。これらの植物に2−5Aシンテターゼ活性が存在するか否かを調べるため
に、葉の粗抽出物で酵素アッセイを行った。下表V参照。活性化アフィニティー
マトリックス、ポリ(I):ポリ(C)−セルロース上で2−5Aシンテターゼ
を単離した。例えば、Silverman,R.H.ら: Analysis
of anti−viral mechanisms: Interferon
−regulated 2’,5’−oligoadenylate and
protein kinase systems,In: MJ Clemen
s,AG Morrs,Gearing,AFH(編),Lymphokine
s and Interferons: A Practical Appro
ach,pp.149−193,Oxford: IRL Press(198
7)参照。ATPからの2−5Aオリゴマーの生成を高特異的放射性結合アッセ
イで測定した(Knight,M.ら: Nature,288:189−19
2(1980))。その結果、有意な2−5Aシンテターゼ活性はトランスジェ
ニック植物でしか検出されなかった。表V参照。
臭素置換32P標識2−5Aプローブを使用してRNアーゼLの発現を検出した
。Nolan−Sorden,N.L.ら: Anal Biochem,18
4:298−304(1990)参照。UV光を使用して2−5AプローブとR
NアーゼLの共有架橋を行った。Nolan−Sorden,N.L.ら: A nal Biochem
,184:298−304(1990)参照。83.5
kDa RNアーゼLはトランスジェニック植物ではっきり検出されたが、対照
植物では検出されなかった。図29参照。植物抽出物を過剰の未標識2−5Aと
共にインキュベートすることにより、RNアーゼLに対する2−5Aプローブの
結合の特異性を立証した。図29参照。未標識2−5Aと2−5Aプローブ間の
競合により、RNアーゼLを放射性標識することはできなかった。比較のために
、ヒトMCF−7細胞からのRNアーゼLを示す。図29、レーン13及び14
参照。
2−5Aの取り込みをモニターするために、葉柄の基部で葉を切り取った後、32
P標識2−5Aプローブの溶液に明光下に室温で約3時間入れておいた。葉柄
を更に切り取り、葉身からオートラジオグラムを作成した。葉脈を通って葉身の
全部分に向かう2−5Aプローブの取り込みと転流が容易に分かる(ここではデ
ータは示さず)。切り取った葉に未標識2−5A、p3A(2’p5’A)3(1
μM)を7時間取り込ませた後に、無傷の葉におけるRNアーゼLの触媒活性を
測定した。全RNAを抽出し、ノーザンブロットを行った後、18S rRNA
に対する32P標識cDNAでプローブした。その結果、2−5AはRNアーゼL
を発現する植物では18S rRNAから別個の分解物への分解を誘導するが、
対照植物では誘導しなかった。図30参照。RNアーゼLの活性化により哺乳動
物細胞で18S rRNAの同様の分解が誘導されることは過去の研究にも報告
されている。Wreschner,D.H.ら: Nucl Acids Re s
,9:1571−1581(1981)参照。これらの結果は、ヒト2−5A
シンテターゼとRNアーゼLの両者が植物で機能的に活性なタンパク質として発
現され得ることを立証していると思われる。
ウイルス耐性をモニターするために、TEVを感染させた葉とTMVを感染さ
せた葉から調製した希釈抽出物を使用して、対照及びトランスジェニック植物か
らの個々の葉に接種した。対照及びトランスジェニックの両者の全接種植物は1
週間以内に典型的な症状を示し、全身ウイルス感染を示した。接種から21日後
に精製ウイルスから作成した標準曲線を使用してELISAによりウイルス濃度
を測定した。これらの実験からの代表的なデータを下表VIに示す。結果は対照
植物に比較してトランスジェニック植物のウイルス収率に有意差がないことを示
している。
*ウイルス量は生きた組織1g当たりのウイルス抗原μgとして表す。各植物か
ら3枚の葉の最小値を定量した。ELISAを2回繰り返し、各試料を2回ずつ
定量した。対照:ベクター単独で形質転換した植物の葉のウイルスアッセイ。水
で濯いだ直後にELISAを行った接種葉の抽出物から構成されるゼロ時点の試
料はこれらのアッセイでTEV及びTMVについて夫々0.8及び1.4の値を
与える。
本実施例IIIでは、2−5A結合(図29参照)又は2−5A依存性リボヌ
クレアーゼ活性(図30参照)により測定した場合に、対照Nicotiana
tabacum植物の葉では2−5Aシンテターゼ活性(表V)もRNアーゼ
L活性も検出できなかった。Devashらもタバコ植物で2−5Aと結合でき
るタンパク質が存在しないことを報告している。Devash,Y.ら: JB iol Chem
,259:3482−3486(1984)参照。ヒト2−5
AシンテターゼcDNA又はRNアーゼL cDNAでプローブしたサザン及び
ノーザンブロットも陰性であった。図27及び28参照。これらの結果は、Ni
cotiana glutinosaとNicotiana tabacum
cv.xanthi−ncに2−5Aシンテターゼ活性又は2−5A結合活性(
RNアーゼLの尺度)が存在しないことを示しているCayley,P.J.ら
: Biochem Biophys Res Commun,108:124
3−1250(1982)の報告を裏付けていると思われる。更に、対照、TM
V感染、インターフェロン処理又はポリ(I):ポリ(C)処理植物でも2−5
Aシンテターゼと2−5Aは検出されなかった。Cayley,P.J.ら: Biochem Biophys Res Commun
,108:1243−
1250(1982)参照。2−5A経路の存在を確実に証明するには、[px
A(2’p5’A)y(式中、x=1〜3、y≧2)として定義されるような]
2−5Aを合成することが可能な酵素と、2−5Aにより活性化されるまで休眠
しているリボヌクレアーゼ活性との両者が最低限必要である。植物のこれらの最
低基準を満たす報告は未だなされていない。従って、植物にはいずれかの2−5
A系が存在するが、高等脊椎動物とは非常に異なるため、検出に至っていないか
、又は植物に2−5A系は存在しない。これについては、2−5Aと実質的に異
なるオリゴアデニルレートがタバコ植物で検出されており(Devash,Y.
ら: J Biol Chem,259:3482−3486(1984))、
2’,5’−オリゴアデニレートは植物無細胞タンパク質合成(Truve,E
.ら: Arch Virol,9S:41−50(1994))、TMV複製
(Devash,Y.ら: Science,216:1415−1416(1
982); Devash,Y.ら: J Biol Chem,259:34
82−3486(1984);及びDevach,Y.ら: Meth Enz
,119:759−761(1986))を阻害すること又は植物でサイトカイ
ン活性及びストレスタンパク質を誘導すること(Kulaeva,O.N.ら:
Plant Mol Biol,20:383−393(1992))が報告
されている。
別々のトランスジェニック植物でヒト2−5Aシンテターゼ及びRNアーゼL
を発現させた。植物ゲノムへのcDNAの安定な導入はサザンブロットで確認さ
れ(図27A及び28参照)、ノーザンブロッティングと機能的酵素アッセイに
より発現を測定した。RNアーゼLの発現は83kDa標識タンパク質を産生す
る特異的2−5A結合アッセイ(図29参照)と無傷の葉におけるrRNAの2
−5A依存性分解(図30参照)の両者により得られた。2−5Aを加えないと
RNアーゼL+植物でrRNA分解が起こらず、活性化が生じるまで酵素がその
休眠状態にあることを示した。これらの知見は更に植物に2−5A自体が存在し
ないことも示唆しており、他の報告を裏付けている。例えばCayley,P.
J.ら: Biochem Biophys Res Commun,108:
1243−1250(1982); 及びDevash,Y.ら: J Bio l Chem
,259:3482−3486(1984)参照。
これらの知見は、完全機能的2−5A系即ちRNアーゼLと2−5Aシンテタ
ーゼを植物に導入する実現可能性を裏付けていると思われる。実施例IV参照。
全トランスジェニック植物は良好に成長して花をつけると思われる。2−5Aシ
ンテターゼの活性化には配列特異性なしにdsRNA構造が必要であり、多くの
種類のウイルスは複製サイクル中にdsRNAを産生するので、2−5Aシンテ
ターゼとRNアーゼLの同時発現は、植物ウイルスに対して広範囲の防御を提供
すると考えられる。実施例IV参照。既にTruve,E.ら: Bio/Te chnology
,11:1048−1052(1993); 及びTruve
,E.ら: Arch Virol, 9S:41−50(1994)は、ラッ
ト2−5Aシンテターゼ単独(即ちRNアーゼLの同時発現を伴わない)を植物
で発現させて所定の抗ウイルス活性を得たと報告している。他方、本実施例II
Iでは、2−5Aシンテターゼ単独又はRNアーゼL単独を発現するタバコ植物
で
はTMV又はTEV複製の阻害は観察されない(表VI参照)。本実施例III
の結果は、機能的2−5A系には2−5AシンテターゼとRNアーゼLの両者が
必要であるという本願の確信に一致する。実施例IV
カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(Sanders,P.ら
: Nucl.Acids Res.,15:1534(1987)参照)とク
ロレラウイルスアデニンメチルトランスフェラーゼ遺伝子プロモーター(Mit
ra,A.ら: Plant Mol.Bio.,26:85(1994)参照
)から夫々誘導した2−5AシンテターゼとRNアーゼL cDNAの両者を含
むバイナリ植物形質転換/発現ベクター(Hoekema A.ら: Natu re
,303:179(1983))pAM2280を構築した。
低分子量種のヒト2−5Aシンテターゼ及びヒトRNアーゼLを夫々コードす
る元のプラスミドpBabe.E1.6S(B.R.G.Williams,C
levelandの寄贈品)及びpZC5(Zhou,A.ら: Cell(7
2): 753(1993))のコーディング領域を使用してバイナリ植物形質
転換/発現ベクターpAM2200を構築した。このバイナリプラスミドはT−
DNA遺伝子ノパリンシンテターゼプロモーターにより誘導されるネオマイシン
ホスホトランスフェラーゼ植物選択マーカー遺伝子を含む。Mitra,A.ら
: Mol.Gen.Genet.,215:294(1989)。このプラス
ミドを使用し、無菌培養したタバコ苗条のAgrobacteriumに媒介さ
れる形質転換によりトランスジェニックタバコ植物を作製した。Horsch,
R.ら: Science,227:1229(1985)。約300μg/m
lのカナマイシンを含むMSプレート上で形質転換タバコ植物を選択した。Mu
rasighe,F.ら: Physiol.Plant.,15:473(1
962)参照。
Agrobacterium同時培養法を用いて幼タバコ苗条(N.taba
cum,petit Havana SR−1)(Maliga,P.ら: P lant Sci.Let.
,44:78(1978))を形質転換した。Ho
rsch,R.ら: Science,227−1229(1985)。ヒト2
−5A系cDNAはトランスジェニックタバコ植物の形質転換頻度又は正常成長
及び発生に効果がないと考えられる。一次形質転換株を成熟まで成長させ、自家
授粉させた。全株が生存可能な種子を生産すると考えられる。カナマイシン耐性
R1苗条を温室で培養し、トランス遺伝子発現及びウイルス耐性を分析した。
トランスジェニック植物のサザンブロット分析(Southern,E.M.
ら: J.Mol.Biol.,98:503(1985))によると、全カナ
マイシン耐性植物は無傷の未修飾インサートを含む(図22A参照)と考えられ
、植物染色体へのトランス遺伝子の適切な組み込みを示す。
植物DNAへのプラスミドDNAの組み込みをサザンブロット分析により測定
した。Southern,E.M.ら: J.Mol.Biol.,98:50
3(1985)。生きた植物組織5gを使用してDNAを調製した。Guill
emaut,P.ら: Plant Mol.Biol.Reptr.,10:
60(1992)参照。要約すると、植物組織を液体窒素中で粉砕し、抽出用緩
衝液(約100mM酢酸ナトリウム(pH約4.8)、約50mM EDTA
(pH約8.0)、約500mM NaCl、約2%−PVP−40の混合物を
pH約5.5に調整した後、SDS約1.4%までとシステイン約10mMまで
を加えたもの)中で融解した後、約65℃で約20分間インキュベートし、次い
で遠心分離した。約3M酢酸カリウム(pH約4.8)約0.5容量を上清に加
え、混合物を約0℃で約1時間インキュベートした。DNAをエタノール沈殿に
より回収し、THEに溶解した後、塩化セシウム勾配中で一晩遠心分離した。D
NAをHindIIIで消化し、1%アガロースゲル上で分離した後、製造業者
の指示に従ってZetaプローブ膜(Bio−Rad)に移した。ヒト2−5A
シンテターゼ及びRNアーゼL cDNAを鋳型として使用して、ランダムに標
識したDNAプローブ(Feinberg,A.P.,ら: Anal.Bio chem.
,132:6(1983))と膜をハイブリダイズした。
トランスジェニックタバコ植物における2−5AシンテターゼとRNアーゼL
cDNAの発現を測定するために、15個の個々に形質転換した植物から全R
NAを調製した。Logemann,J.ら: Anal Biochem.,
163:16(1987)参照。RNA抽出用緩衝液は約8M塩化グアニジニウ
ム、約20mM MES、約20mM EDTA及び約50mM B−メルカプ
トエタノール(pH約7.0)を含むものとした。RNA試料のアリコートをホ
ルムアルデヒドゲル上で分離し、Zetaプローブ膜に移し、サザンブロットと
同様にDNAフラグメントでプローブした。
ノーザンブロット分析によると、トランスジェニックタバコ植物の大半は2−
5AシンテターゼとRNアーゼLの両者のmRNAを産生すると考えられるが、
2−5Aシンテターゼ又はRNアーゼL mRNAの一方のみを発現するものも
少しあると考えられる。図22B参照。
ヒトRNアーゼに対するモノクローナル抗体でウェスタンブロットをプローブ
することにより、トランスジェニックタバコにおけるRNアーゼLタンパク質の
発現をモニターした。Dong,B.ら: J.Biol.Chem.,269
:14153(1994)。
形質転換植物組織を液体窒素中で粉砕し、フェニルメチルスルホニルフルオリ
ド(PMSF)約15μgの存在下にタンパク質抽出用緩衝液(約0.5Mスク
ロース、約0.1%アスコルビン酸、約0.1%システイン−HCl、約0.0
1M Tris−HCl、pH約7.5)(Mitra,A.ら: Mol.G en.Genet.
,215:294(1989))中で融解させることにより
、完全細胞タンパク質抽出物を調製した。ホモジネートを約4℃で約14,00
0×gで約30分間遠心分離し、可溶性タンパク質を含む上清を回収し、Mic
rocon(Amicon)濃縮機を使用して濃縮した。抽出物中のタンパク質
濃度をブラッドフォード法により定量した。Bradford,M.: Ana l.Biochem.
,72:248(1976)。標準として組換えRNアー
ゼLタンパク質約200ngと共に、全タンパク質約200μgを含む抽出物を
12.5%アクリルアミドゲル(Lamelli,U.K.: Nature,
227:680(1970))上で分離した。Bio−Radトランスブロット
装置を約250mAで約1時間使用し、分画したタンパク質をニトロセルロース
膜に移した。膜をブロッキング溶液(Tris緩衝塩類中約5%脱脂粉乳)に浸
漬し、約28℃で約1時間インキュベートした。次いで膜を洗浄し、ヒトRNア
ーゼL抗原に対して調製したマウスモノクローナル抗体の約1:5000希釈液
と共に
インキュベートした。Dong,B.ら: J.Biol.Chem.,269
:14153(1994)。抗体と共にインキュベーション後、膜を温和な撹拌
下にビオチン化ヤギ抗マウス抗体溶液に約28℃で約1時間浸した。膜を洗浄し
、ストレプトアビジン−ビオチン化アルカリホスファターゼ複合体中で約1時間
インキュベートした後、紫色のバンドが現れるまで呈色溶液に浸漬した。
RNアーゼL mRNAを発現するトランスジェニック植物はヌクレアーゼタ
ンパク質も発現した。図23参照。シンテターゼとヌクレアーゼcDNAの両者
を含む植物(図23、レーンT3〜T5)とヌクレアーゼcDNAのみを含む植
物(図23、レーンT2)で産生されるRNアーゼLは真性ヒト組換えRNアー
ゼLと同時泳動した(図23、レーンRN)。Dong,B.ら: J.Bio l.Chem.
,269:14153(1994)。イムノブロットはトランス
ジェニック植物からのタンパク質抽出物で約80kDaの単一タンパク質バンド
を示すと思われる。対照植物抽出物中のタンパク質は抗RNアーゼL抗体と反応
しないと思われ(図23、レーンTC)、タバコ植物がRNアーゼL同族体をも
たないという本願の確信を裏付けた。
切り取って2−5Aを注入した葉では18SリボソームRNA(rRNA)の
2−5Aに誘導される分解により、トランスジェニックタバコ植物におけるRN
アーゼLの機能的発現が検出された。図24参照。トランスジェニック葉に約2
.5μM p3A(2’p5’A)3を注入し、全RNAが調製される前に約3時
間インキュベートした。ノーザンブロット上の全RNAを18S rRNAに対
する放射性標識cDNA(John Thaden,Baltimoreの寄贈
品)でプローブすることにより、rRNAの分解を立証した。2−5Aを注入す
ると、2−5AシンテターゼとRNアーゼLの両者(図24、レーン6)又はR
NアーゼLのみ(図24、レーン5)を発現するトランスジェニック植物でしか
rRNAの分解は生じず、ベクター単独で形質転換した対照植物(図24、レー
ン1)又は2−5Aシンテターゼのみを発現する植物(図24、レーン3)では
分解しないと思われる。更に、RNアーゼLを発現する植物は、対照、非トラン
スジェニック植物に存在しない特異的2−5A結合活性をもつと考えられる。従
って、トランスジェニック植物にヒトRNアーゼL cDNAを導入すると、機
能的R
NアーゼL酵素が産生されることが意外にも判明した。
2−5Aシンテターゼがトランスジェニックタバコ植物に存在するか否かを調
べるために、酵素の機能的アッセイを行った。トランスジェニック植物の抽出物
における2−5Aシンテターゼ活性を2−5Aの機能的アッセイにより測定した
。約0.5%(v/v)Non−idet P−40、約90mM KCl、約
5mM酢酸マグネシウム、約20mM Tris−HCl(pH約7.5)、約
5mM 2−メルカプトエタノール及び約10μg/mlロイペプチンを含有す
るNP40溶解用緩衝液中で葉をホモジナイズすることにより、植物抽出物を調
製した。全細胞溶解物を約4℃で約10,000×gで約10分間遠心分離し、
上清を集めてタンパク質濃度を測定した。Bradford,M.ら: Ana l.Biochem.
,72:248(1976)参照。ボルテックスミキシン
グにより細胞を破壊する以外は同一方法を使用し、インターフェロン(約200
単位/mlのヒトインターフェロンαで約18時間)で処理したヒトHeLa細
胞の抽出物を調製した。各アッセイ約200μgの(タンパク質)抽出物を使用
し、約20mM Tris−HCl(pH約7.5)、約50mM KCl、約
5mM酢酸マグネシウム、約4mM塩化マグネシウム、約5mM 2−メルカプ
トエタノール、約10%(v/v)グリセロール、約2mM ATP、約20μ
g/mlポリ(I):ポリ(C)約65μlを含むNP40溶解用緩衝液を加え
て65μlとし、約30℃で約24時間アッセイすることにより2−5Aシンテ
ターゼアッセイを実施した。反応を終了し、反応混合物を100℃まで5分間加
熱した後に10,000×gで10分間遠心分離することにより、タンパク質を
変性して取り出した。上清を取り出し、speed−vac(Savant)で
20μlまで濃縮した。次に2−5Aを2−5A依存性リボヌクレアーゼLアッ
セイにより定量した。Silverman,R.H.: Anal.Bioch em
.,144−450(1985)に記載されているように調製した約0.2
mMポリ(U)−(32P)−pCpを含む緩衝液(約90mM KCl、約10
mM酢酸マグネシウム、約20mM Tris−HCl(pH約7.5)、約8
mM 2−メルカプトエタノール及び約10μg/mlロイペプチン)中で、濃
縮上清(約5及び約10μl/植物)又は真性2−5A(pA(2’p5’A)3
)の
希釈液を約25μlの最終容量で組換えヒトRNアーゼL(Dong B.ら:
J.Biol.Chem.,269:14153(1994))約1μgと共
に約30℃で約2時間インキュベートした。反応停止用緩衝液約7.5μlを加
えて反応を終了し、約5分間煮沸し、短時間遠心分離し、約3μlを約6%ポリ
アクリルアミド/尿素ゲルにロードした。電気泳動後、X線フィルムをゲルに感
光させた。
ATPと2−5Aシンテターゼの活性剤であるポリ(I):ポリ(C)を含む
緩衝液中で葉の抽出物をインキュベートした。Hovanessian,A.G
.ら: Nature,268:537(1977); 及びMarie,I.
ら: J.Biol.Chem.,267:9933(1992)。反応混合物
からタンパク質を取り出した後、トランスフェクトした昆虫細胞から単離した組
換えヒトRNアーゼLを活性化する能力により2−5Aをアッセイした。Don
g B.ら:J.Biol.Chem.,269:14153(1994)及び
図25参照。比較のために、真性2−5A(pA(2’p5’A)3)をRNア
ーゼLと共にインキュベートすると、別個のポリ(U)分解物が生じた(図25
、レーン1〜7参照)。ヒト2−5AシンテターゼとRNアーゼLの両者(図2
5、レーン8〜11)又は2−5Aシンテターゼ単独のトランスジェニック植物
の抽出物は機能的2−5Aを産生すると考えられる。真性2−5A(図25、レ
ーン1〜7)とインターフェロンで処理したヒトHeLa細胞からの2−5Aシ
ンテターゼアッセイ(図25、レーン16、17)でも同一のポリ(U)分解物
が観察された。これらの結果は、トランスジェニックタバコ植物における機能的
2−5Aシンテターゼの産生を立証するものであると思われる。
他方、ベクター単独で形質転換した対照植物の抽出物は、特定ポリ(U)分解
物が存在しない(図25、レーン12〜15)ことから明らかなように、2−5
Aを産生しないと思われ、2−5Aシンテターゼがタバコに存在しないという確
信を裏付ける。Cayleyら: Biochem,Biophys.Res. Commun.
,108:1243(1982)参照。
ウイルス耐性をモニターするために、3種の異なる型の植物ウイルス即ちポチ
ウイルス群の1員であるタバコ腐食ウイルス(TEV)、タバモウイルス群の1
員であるTMV及びブロモウイルス群の1員であるアルファルファモザイクウイ
ルス(AIMV)を手作業で葉に接種した。R.E.F.Matthews,P
lant Virology,Academic Press Inc.,NY
,1991参照。
トランスジェニック植物を温室で培養した。これらの植物の葉を葉柄で切断し
、湿した濾紙を敷いたペトリ皿に入れた。葉をペトリ皿にインキュベーション期
間保持し、良好な生理的条件に保った。TEV(重症株)ATCC#PV69、
TMV(普通株)及びAIMV(Nebraska株)を夫々全身感染させたタ
バコの葉から新たに調製した抽出物の1:200、1:1000及び1:150
希釈液を葉に接種した。6個の対照植物の全6個には接種時に夫々1:10,0
00、1:100,000及び1:15,000に希釈したsapを全身感染さ
せた。ウイルスと共にインキュベーション後、葉を水で濯ぎ、ペトリ皿を延伸パ
ラフィルムで密閉し、約22℃のインキュベーターに約18時間の明光条件下で
約7日間置いた。
2−5AシンテターゼとRNアーゼLの両者又はいずれか一方のみのタンパク
質を発現する合計48個カナマイシン耐性R1子孫植物からの葉を試験した。代
表的な植物からの合成写真を図26に示す。両方のタンパク質を発現する植物の
感染は局所病斑を誘発する(図26、パネルa、c、e)が、一方のタンパク質
のみを発現する植物(図26、パネルg、h)又は対照植物(図26、パネルb
、d、f)は典型的な全身感染を生じる。
本来、TEVとAIMVはタバコ植物に局所病斑を生じないと考えられる。R
.E.F.Matthews,Plant Virology,Academi
c Press Inc.,NY,1991参照。TMVはN又はN’遺伝子を
含むタバコ植物で局所病斑を生じると考えられる。Sela,I.ら: Adv .Virus Res.
,24:177(1981)。他方、使用するタバコ変
種(SR−1)はN遺伝子を含まないので、TMVの全身宿主ではない。種々の
ウイルスにより生じる病斑は形態学的に顕著である。更に、AIMVにより生じ
る病斑はTEV及びTMVよりも小さい。トランスジェニック植物における病斑
は約48時間以内に迅速に現れるが、高感受性対照植物(N.tabacum,
var Samsun NN及びXanthi nc)のTMV病斑は約72時
間後でないと現れない。接種材料の濃度と局所病斑の数の間には直接相関がある
と思われる。
トランスジェニック植物に病斑が形成されるのは、ウイルスdsRNAが2−
5Aシンテターゼを活性化し、その結果としてRNアーゼLによるRNA分解を
生じるためであると考えられる。植物における2−5A系の活性化は、ウイルス
ゲノムRNAにおける長い二次構造又はウイルス複製中に形成される2本鎖複製
中間体により達成され得る。接種した3種のウイルスのいずれでも、ウイルス特
異抗体を用いたELISAでは病斑間の葉組織にウイルスは検出されなかった。
ヒト2−5A系を発現するトランスジェニックタバコ植物中のウイルスが改変又
は変異していないことを確かめるために、単一病斑からウイルスを回収し、対照
植物に再接種した。回収した3種のウイルスは対照植物では典型的な症状と全身
感染を生じた。従って、機能的2−5A系を発現するトランスジェニック植物は
最初にウイルス感染を受けた少数の細胞を選択的に死滅させ、病斑を形成すると
考えられる。即ち、インターフェロンで調節した2−5A系はウイルスに対する
防御として細胞自殺を誘導すると考えられる。
本発明は当然、本発明の精神および本質的特徴から離れることなく、本明細書
中に記載した態様以外の具体的態様において実施してもよい。例えば、本明細書
に開示したヌクレオチド配列を他のヌクレオチド配列と組み合わせて、トランス
ジェニック植物を形成するために植物のゲノム内に導入するための異種ヌクレオ
チド配列を生成することができる。従って、本実施態様は、全ての意味において
例示的なもので限定的なものではないとみなすべきであり、添付する請求の範囲
の意味および均等の範囲内に入る全ての変更が本明細書中に含まれることが意図
される。
本発明を説明してきたが、以下のものを請求の範囲に記載する。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,UZ,VN