JPH11507388A - 改変ヘモグロビン様化合物およびその精製方法 - Google Patents

改変ヘモグロビン様化合物およびその精製方法

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JPH11507388A JP9502292A JP50229297A JPH11507388A JP H11507388 A JPH11507388 A JP H11507388A JP 9502292 A JP9502292 A JP 9502292A JP 50229297 A JP50229297 A JP 50229297A JP H11507388 A JPH11507388 A JP H11507388A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、改変ヘモグロビン様化合物に関する。新規化合物は、少なくとも2つのジアルファドメインを含むグロビン様ポリペプチド、および少なくとも2つの他のヘモグロビン様部分に直接付加されるコアヘモグロビン様部分を有するマルチマーヘモグロビン様タンパク質を含む。本発明はまた、新規ポリペプチドをコードする核酸分子に関する。マルチマーヘモグロビン様タンパク質を製造および精製する方法、ならびにそのタンパク質を含む組成物もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 改変ヘモグロビン様化合物およびその精製方法 発明の背景 本発明は、改変ヘモグロビン様化合物、およびさらに特定すると改変ヘモグロ ビン様ポリペプチドおよびタンパク質に関する。本発明はまた、このような改変 ヘモグロビン様化合物を精製する方法に関する。 ヘモグロビン(本明細書では「Hb」という)は、血液の酸素運搬成分である。 ヘモグロビンは、赤血球(erythrocytes、またはred blood cells)と呼ばれる 小さい核のない細胞内で血流を介して循環する。ヘモグロビンは、4つの会合し たポリペプチド鎖から構築され、そしてヘムとして知られる補欠分子族を有する タンパク質である。赤血球の助力は、ヘモグロビンを還元された機能的な形態で 維持する。ヘム鉄原子は酸化を受けやすいが、赤血球内の2つの酵素系であるチ トクロムb5系およびグルタチオン還元系の1つによって再度還元され得る。 ヘモグロビンは、呼吸表面(皮膚、鰓、気管、肺など)で酸素を結合し、そし て内部組織に酸素を輸送し、そこで酸素は放出されて代謝に使用される。現実に 、低分子量ヘモグロビン(16〜120キロダルトン)は、循環している赤血球に包 まれている傾向があり、一方、より大きなポリマー性ヘモグロビンは血液または 血リンパ中で遊離して循環する。 ヘモグロビンの構造は周知であり、BunnおよびForget編、Hemoglobin: Molecu lar,Genetic and Clinical Aspects(W.B.Saunders Co.,Philadelphia,PA: 1986)ならびにFermiおよびPerutz「Hemoglobin and Myoglobin」Phillipsおよび Richards、Atlas of Molecular Structures in Biology(Clarendon Press: 1981 )に記載されている。 正常な成人溶血物の約92%はHb A0である(2つのアルファ鎖および2つのベ ータ鎖を含むので、アルファ2ベータ2と称される)。ヘモグロビンテトラマーに おいて、各アルファサブユニットは1つのベータサブユニットと会合して、安定 なアルファ/ベータダイマーを形成し、この2つが順に会合してテトラマーを 形成する。サブユニットは、ファンデルワールスカ、水素結合、および塩架橋に よって非共有結合される。Hb A0のアルファおよびベータグロビンポリペプチド 鎖のアミノ酸配列は、PCT公開公報第WO 93/09143号の表1に与えられる。野生型 アルファ鎖は141アミノ酸からなる。ヘム(フェロプロトポルフィリンIX)基の 鉄原子は、His 187(「近位ヒスチジン」)のイミダゾールに共有結合される。 野生型ベータ鎖は146残基長であり、そしてヘムはHis 92に結合される。 ヒトアルファおよびベータグロビン遺伝子は、それぞれ第16染色体および第11 染色体に存在する。BunnおよびForget、以下の172。両方の遺伝子はクローニン グされ、そして配列決定されている:Liebhaberら、PNAS 77:7054-58(1980)( アルファグロビンゲノムDNA);Marottaら、J.Biol.Chem.,252: 5040-53(197 7)(ベータグロビンcDNA);Lawnら、Cell,21:647(1980)(ベータグロビンゲ ノムDNA)。 ヘモグロビンは、ヘモグロビン分子の4つのサブユニット(Hb A0の場合は2 つのアルファグロビンおよび2つのベータグロビン)によって酸素の協力的結合 を示し、そしてこの協力性は効果的な酸素輸送を非常に容易にする。協力性は、 いわゆるヘム−ヘム相互作用によって達成され、ヘモグロビンの酸素に対する親 和性を変化させる。協力性はまた、酸素解離曲線(以下に記載される)を使用し て決定され得、そして一般的にはヒル係数、「n」または「nmax」として報告 される。ヘモグロビンは、ヘモグロビン1モル当たり4モルまでの酸素を可逆的 に結合する。 酸素運搬化合物は、酸素解離曲線として公知のデバイスを用いて頻繁に比較さ れる。この曲線は、所定の酸素キャリアについて、酸素飽和または酸素含量が酸 素分圧に対してグラフにされる場合に得られる。Hbについては、飽和の割合が、 シグモイド相関関係に従って分圧とともに増加する。P50は、酸素運搬種が酸素 で半分飽和される分圧である。このように、これは酸素結合親和性の測定である ;P50が高いほど容易に酸素が放出される。 生理学的条件下でヘモグロビンがその酸素親和性を変化し、体のあちこちへの 酸素輸送の効率を増大させる能力は、代謝物である2,3-ジホスホグリセレート( 2,3-DPG)の存在に大きく依存している。ヘモグロビンの酸素親和性は、2,3-D PGの存在により低下する。赤血球の内部では、2,3-DPGはヘモグロビン自体とほ とんど同じくらい高い濃度で存在する。2,3-DPGの非存在下では、「従来の」ヘ モグロビン(ヘモグロビンA0)は、生理学的酸素分圧で酸素を非常に強く結合し 、そして呼吸している組織に少量の酸素を放出する。したがって、ヘモグロビン のあらゆる代替物は、酸素親和性および/またはヒル係数を生理学的にを有意味 なレベルに修正しなければならない(例えば、Rausch,C.およびFeola,M.,米 国特許第5,084,558号および第5,296,465号;Sehgal,L.R.,米国特許第4,826,811 号および5,194,590号;Hoffmanら,WO 90/13645;HoffmanおよびNagai,米国特 許第5,028,588号;Andersnら,WO 93/09143;Fronticelli,C.ら,米国特許第5, 239,061号;およびDe Angeloら,WO 93/08831およびWO 91/16349を参照のこと) 。 献血で患者を輸血することは必ずしも実用的または安全ではない。これらの状 況において、赤血球(「RBC」)代替物の使用が望ましい。ヒト血液が入手可能 でないかまたは輸血の危険が非常に大きい場合、血漿増量剤が投与され得る。し かし、コロイドおよび晶質溶液のような血漿増量剤は、血液容量のみをもとに戻 し、そして酸素運搬能力は戻さない。血液が輸血に利用可能でない状況では、容 量置換を提供することに加えて酸素を輸送し得る赤血球代替物が望ましい。 この要件を提供するために、多くの赤血球代替物が開発されている(Winslow ,R.M.(1992)Hemoglobin-based Red Cell Substitutes,THe Johns Hopkins U niversity Press,Baltimore 242頁)。これらの代替物としては、合成パーフル オロカーボン(perfluovocavbon)溶液(Long,D.M.欧州特許第0307087号)、化 学的に架橋されたおよび架橋されていない両方の、種々の哺乳動物赤血球に由来 する間質を含まないヘモグロビン溶液(Rausch,C.およびFeola,M.,米国特許 第5,084,558号および第5,296,465号;Sehgal,L.R.,米国特許第4,826,811号お よび第5,194,590号;Vlahakes,G.J.ら,(1990)J.Thorac.Cardiovas.Surg .100: 379-388)、および遺伝子操作された生体で発現および精製されるヘモグ ロビン(例えば、細菌および酵母のような非赤血球細胞,Hoffmanら,WO 90/136 45;細菌,Andersonら,WO 93/09143、細菌および酵母,Fronticelli,C.ら,米 国特許第5,239,061号;酵母,De Angeloら,WO 93/08831およびWO 91/16349;お よびトランスジェニック哺乳動物,Loganら,WO 92/22646;Townes,T.M.および McCune, S.L.,WO 92/11283)が挙げられる。これらの赤血球代替物は、赤血球の容量お よび酸素運搬能力を置き換えるかまたは増大するように設計されている。 しかし、動物およびヒトに投与されている赤血球置換溶液は、投与の際に一定 の不利な事象を示している。これらの不利な反応は、高血圧、腎不全、神経毒性 、および肝毒性を含んでいる(Winslow,R.M.,(1992)Hemoglobin-based Red Cell Substitutes,The Johns Hopkins University Press,Baltimore 242頁;B iro,G.P.ら,(1992)Biomat.,Art.Cells & Immob.Biotech.20: 1013-1020 )。パーフルオロカーボンの場合、高血圧、網状内皮系の活性化、および補体活 性化が観察されている(Reichelt,H.ら,(1992)Blood Substitutes and Oxyg en Carriers,T.M.Chang(編),769-772頁;Bentley,P.K.前出,778-781頁) 。ヘモグロビンに基づく酸素運搬については、腎不全および腎毒性はヘモグロビ ンアルファ/ベータダイマーの形成の結果である。ダイマーの形成は、ヘモグロ ビンダイマーを化学的に架橋すること(Sehgalら、米国特許第4,826,811号およ び第5,194,590号;Walder,J.A.米国再発行特許第RE34271号)または遺伝学的 に連結すること(Hoffmanら、WO 90/13645)によって妨げられ得、そのためテト ラマーが解離することから妨げられる。 ダイマー形成の防止は、ヘモグロビン投与に付随する不利な事象のすべてを軽 減していない。血圧は変化し、そしてヘモグロビン溶液の投与の際の胃腸の効果 は、ヘモグロビンによる内皮由来血管弛緩因子(EDRF)の結合から生じる血管収 縮に寄与している(Spahn,D.R.ら,(1994)Anesth.Analg.78:1000-1021;Bi ro,G.P.,(1992)Biomat.,Art.Cells & Immob.Biotech.,20: 1013-1020; Vandegriff,K.D.(1992)Biotechnology and Genetic Engineering Reviews, 10巻: 404-453 M.P.Tombs編,Intercept Ltd.,Andover,England)。内皮由 来血管弛緩因子は、一酸化窒素(NO)として同定されており(総説については、 Moncada,S.ら,(1991)Pharmacol.Rev.43: 109-142);誘導性NOおよび構成 的NOの両方ともが、主として血管系の内皮で産生され、そして血管緊張力の局所 的モジュレーターとして作用する。 ヘモグロビンが赤血球に含まれる場合、これは血管の境界を越えて移動し得な い。したがって、一酸化窒素は、結合される前にRBC中のヘモグロビンへ拡散し なければならない。ヘモグロビンに基づく血液代替物の場合のように、ヘモグロ ビンがRBC内に含まれない場合は、血管を内層する内皮を越えて通過し得、そし て血管外空間に浸透する(溢血)。したがって、細胞外ヘモグロビンの投与に付 随する不利な事象を引き起こす可能性のあるメカニズムは、ヘモグロビンの溢血 による一酸化窒素の過度の不活性化であり得る。さらに、NOは血管内皮によって 構成的に合成される。内皮および血管外空間でのNOの不活性化は、細胞を含まな いヘモグロビンの注入後に観察される血管収縮および昇圧反応を導き得る。より 大きなヘモグロビンは、いくつかの細胞外ヘモグロビン溶液の使用に付随する高 血圧を低減するように作用し得る。 上記の効果に加えて、投与され得る非ポリマー性細胞外ヘモグロビンの用量は 、溶液のコロイド浸透圧(COP)によって制限され得る。パックされた赤血球の 単位として同じグラムのヘモグロビンを有するヘモグロビンテトラマーから構成 される細胞外ヘモグロビンの投与は、ヘモグロビン溶液の高いコロイド浸透圧に より、血流中への細胞からの水の著しい流入を生じ得る。ポリマー性ヘモグロビ ン溶液は、より高い効果的なヘモグロビン用量で投与され得る。なぜなら、分子 量の増加につれて、個体の分子の数が減少して低下したCOPを生じるからである (Winslow,R.M.,(1992)Hemoglobin-based Red Cell Substitutes,The John s Hopkins University Press,Baltimore,34-35頁)。 いくつかのより高い分子量のヘモグロビンは天然に存在する。例えば、分子間 (第1のテトラマーから第2のテトラマーへの)ジスルフィド架橋の形成の結果 としてポリマー化することが公知であるヒトヘモグロビンの3つの変異体が存在 する。Tondo,Biochem.Biophys.Acta,342:15-20(1974)およびTondo,An.Aca d.Bras.Cr.,59:243-251(1987)は、Hb Porto Alegreとして公知の1つのこの ような変異体を記載する。Hb Mississippiは、Ser CD3(44)ベータの代わりにシ ステイン代替物によって特徴づけられ、そしてAdamsら,Hemoglobin,11(5):435 -542(1987)に従って、10以上のヘモグロビンテトラマーから構成されると考えら れる。Hemoglobin Ta Liは、ベータ83(EF7)Gly→Cys変異によって特徴づけられ 、これはスターチゲル電気泳動で遅い移動度を示しており、これもまたポリマー であることを示す。 ポリマー化しないシステイン変異を有する非ポリマー化ヒトヘモグロビンのい くつかの公知の天然に存在する変異体がある(Harrisら,Blood,55(1):131-137 (1980)(Hemoglobin Nigeria);Greerら,Nature[New Biology],230:261-26 4(1971)(Hemoglobin Rainier))。Hemoglobin Nunobiki(アルファ141 Arg→Cy s)もまた、非ポリマー化システイン代替物を特徴とする。Hb RainierおよびHb N unobikiの両方において、変異体システイン残基は表面システインである。 ポリマー性ヘモグロビンはまた、種々の脊椎動物および無脊椎動物で報告され ている。マウスのポリマー性ヘモグロビンは、BonaventuraおよびRiggs(Scienc e,(1967)149:800-802)およびRiggs(Science,(1965)147:621-623)に記載さ れる。アカゲザルにおけるポリマー化ヘモグロビン改変体はTakenakaら,Bioche m.Biophys.Acta,492:433-444(1977);Ishimotoら,J.Anthrop.Soc.Nippon ,83(3):233-243(1975)に報告される。両性動物および爬虫類の動物の両方とも がまた、ポリマー化ヘモグロビンを有する(Tamら,J.Biol.Chem.,(1986)261 :8290-94)。 いくつかの無脊椎動物のヘモグロビンはまた、大きな多サブユニットタンパク 質である。ミミズ(Lumbricus terrestris)の細胞外ヘモグロビンは12サブユニ ットを有し、そのそれぞれは構造(abcd)2のダイマーであり、ここで「a」、「b 」、「c」、および「d」は主要なヘム含有鎖を示す。「a」、「b」、および「c 」鎖はジスルフィド連結したトリマーを形成する。分子全体は192のヘム含有鎖 および12の非ヘム鎖から構成され、そして3800kDaの分子量を有する。海水性の 小エビのArtemiaは、9つの遺伝学的に融合したグロビンサブユニットとともに 3つのポリマー性ヘモグロビンを産生する(Mannningら,Nature,(1990)348:65 3)。これらは2つの異なるサブユニットタイプaおよびbの変動可能な会合によ って形成される。8つのサブユニット間リンカーのうち、6つは12残基長であり 、1つは11残基長であり、そして1つは14残基長である。 非ポリマー化の架橋したヘモグロビンは人工的に生成されている。例えば、ヘ モグロビンは、アルファ1のLys99とアルファ2のLys99との間でアルファ鎖を化学 的に架橋することによって変更されている(Walder,米国特許第4,600,531号お よび4,598,064号;Snyderら,PNAS(USA)(1987)84: 7280-84;ChaterJeeら,J. Biol.Chem.,(1986)261:9927-37)。ベータ鎖もまた化学的に架橋されている (Kavanaughら,Biochemstry,(1988)27: 1804-8)。来国特許第5,028,588号 は、ヘモグロビンのT状態(脱酸素化したヘモグロビンに対応する)は、システ イン残基の他の残基への置換から生じるサブユニット間(テトラマー内ではない )ジスルフィド架橋によって安定化され得る。 ヘモグロビンはまた、人工的に架橋されてポリマーを形成する。例えば、米国 特許第4,001,401号、米国特許第4,001,200号、米国特許第4,777,244号、および 米国特許第4,053,590号はすべて、赤血球由来のヘモグロビンの化学的架橋によ るポリマー化に関する。架橋は、二官能性または多官能性架橋剤、特にグロビン 鎖の露出したアミノ基と反応性である架橋剤の助けによって達成される。グルタ ルアルデヒドおよびグリコールアルデヒドのようなアルデヒドは、分子内(テト ラマー内で)および分子間(テトラマー間で)の両方でヘモグロビンを架橋する ために使用されている。分子内架橋は、アルファ/ベータダイマー中でのダイマ ー化を防ぐように作用し、そしてまた酸素親和性を変更し得るが、分子間架橋は テトラマーヘモグロビンのポリマーを生成する。ポリマー性ヘモグロビンは、そ の増大したサイズのために減少した溢血を生じ得る。減少した溢血は、次に、注 入したヘモグロビン溶液によりもたらされる減少した昇圧効果を導き得る。 ヘモグロビンを架橋するために使用されているこれらのポリマー化化学の結果 は、共有架橋した凝集物の多分散組成物である。Bucci,米国特許第4,584,130号 のカラム2は、以下のようにコメントしている:「ポリヘモグロビン反応産物は サイズおよび形状が異なっている種々の分子種の外因性混合物である。これらの ポリヘモグロビンの分子量は64,500から600,000ダルトンの範囲である。外因性 混合物からの個々の分子種の分離は事実上不可能である。さらに、インビボでの より長い保持時間はポリヘモグロビンを使用して得られるが、その酸素親和性は 間質を含まないヘモグロビンの酸素親和性よりも高い。」 ランダムなポリマー化は制御することが困難であり、そして多くの異なるポリ マーが通常1つのポリマーにつき2〜10テトラマーの間で得られ得ることが十分 に認識される。例えば、Tye,米国特許第4,529,179号に従って、ポリマー化した ピリドキシル化したヘモグロビンは、「薬学的薬剤として研究することを困難に する大きな化学的異質性」を有する。 さらに、一旦ヘモグロビンがポリマー化されると、特定の分子量画分の精製は 、分子量分離技法のみを使用して達成され得る。例えば、タンジェンシャル分離 技法は、ポリマー化したヘモグロビンの一定のサイズ範囲を分離するために使用 され得る。しかし、このような分離に利用可能である膜は、100kDaより小さいか 、または300kDaより大きいヘモグロビンの生成を可能にする限定された数のサイ ズ範囲においてのみ利用可能である。さらに、このような膜は、浄化するために は厄介、高価、困難であり、そして分離は非常に遅いものであり得る。 サイズ排除クロマトグラフィー(例えば、ゲル濾過クロマトグラフィーまたは ゲル浸透クロマトグラフィーとしても公知である)はまた、従来ヘモグロビンの 分子量画分を分離するために使用されている。しかし、この技法は大規模操作に 適切ではなく、そしてさらに、分子量画分の分離について良好な分離能を提供し ない(Simoniら,(1993)Anal.Chim.Acta,279: 73-88)。 Simoni(1993、前出)もまた、ヘモグロビンポリマーの異なる分子量画分を分 離するためのイオン交換クロマトグラフィーの使用を報告している。しかし、こ れらの研究者らは、この種の分離が正味の電荷の差を必要とすることに注目した 。さらに、彼らは、塩勾配溶出を使用して異なる分子量画分を分離し、そしてテ トラマー、オクタマー、およびデカマーの何らかの顕著な分解能を証明しなかっ た。 IL-2のような種々のタンパク質について分子量と血清半減期との関連は、著し くより長い半減期が、タンパク質の分子量が増大する、特に腎濾過限界の50〜70 kDa以上に増大するように期待され得ることを証明する。ヘモグロビンテトラマ ーの、容易に浄化されるダイマーへの分解を阻害し得る架橋の使用はまた、増大 した血清半減期を導き得る。 したがって、これらの所望の特徴を有するさらなるヘモグロビン様化合物につ いての必要がある。さらに、高分子量ヘモグロビン混合物において特定の分子量 分布を生じる簡単な方法が必要である。本発明は、これらの要件を満たし、そし て関連する利点を提供する。 発明の要旨 本発明は、改変ヘモグロビン様化合物に関する。1つの局面では、本発明は、 複数のジアルファドメインを有するグロビン様ポリペプチドに関する。このよう なポリペプチドは、本明細書では「ジ-ジアルファ」ドメインともいわれる2つ またはそれ以上のジアルファドメインを含み得る。これらのグロビン様ポリペプ チドは、ジアルファドメイン間に少なくとも5アミノ酸、好ましくは少なくとも 7アミノ酸を有するペプチドリンカーによって連結され得る。好ましくは、リン カーは反復単位としてSer-Gly-Glyを有するペプチドリンカーによってコードさ れる。反復単位は、例えば、アミノ酸配列Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser(配列 番号1);Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly(配列 番号2);およびSer-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly- Gly-Ser(配列番号3)である。グロビン様ポリペプチドは、E.coliのような宿 主細胞で組換え的に発現され得る。ジ-ジベータグロビン様ポリペプチドは、類 似して定義され、そして本発明のさらなる局面である。 本発明はまた、このようなグロビン様ポリペプチドをコードする核酸配列を有 する核酸分子に関する。1つの実施態様では、核酸分子は、2つのジアルファド メインを有するグロビン様ポリペプチドおよび1つのベータドメインまたはジベ ータドメインを有する別々のポリペプチドをコードする。 他の局面では、本発明は、ペプチドリンカーを介して連結される2つのジアル ファグロビンを含むマルチマーヘモグロビン化合物に関し、ここで4つのアルフ ァグロビンドメインの1つのみが天然に存在しないシステイン残基(モノ-cys ジ-ジアルファ)を含む。本発明のさらなる局面では、このようなモノ-cys ジ- ジアルファ含有ヘモグロビン組成物は、他の同一のモノ-cys ジ-ジアルファまた は任意の他の適切なヘモグロビン様分子に直接的または間接的に架橋され得る。 モノ-cys ジ-ジベータ分子は類似して定義され、そしてまた本明細書に記載され るように架橋され得る。 他の局面では、本発明はまた、第1のヘモグロビン様部分が2つ以上の他のヘ モグロビン様部分に直接的に付加されるマルチマーヘモグロビン様タンパク質を 提供する。このようなマルチマーヘモグロビン様タンパク質を含む組成物もまた 提供される。 さらなる局面では、本発明は、マルチマーヘモグロビン様タンパク質を製造す る方法に関する。この方法は、以下の工程によって完成される: (a) コアヘモグロビン様部分を形成するために、ヘテロ二官能性リンカーの 一端に付加し得るアミノ酸を有する第1のヘモグロビン様部分を得る工程; (b) ヘテロ二官能性リンカーの他端に付加し得るアミノ酸を有する少なくと も2つの他のヘモグロビン様部分を得る工程; (c) ヘテロ二官能性リンカーを第1のヘモグロビン様部分に接触させる工程 ;および (d) マルチマーヘモグロビン様タンパク質を形成するために、他のヘモグロ ビン様部分を添加する工程。 なおさらなる局面では、本発明は、実質的に単分散のヘモグロビン溶液を得る ための、ポリマー化ヘモグロビンまたはヘモグロビン様分子の分子量画分を分離 する方法に関する。このような方法は、以下の工程によって完成される: (a) ポリマー化ヘモグロビン様分子の多分散混合物をイオン交換マトリクス と接触させる工程; (b) イオン交換マトリクスを第1の緩衝液で洗浄する工程; (c) 実質的に単分散のヘモグロビン様溶液を得るために、イオン交換マトリ クスを、上記第1の緩衝液と同じであり得るかまたは異なり得る第2の緩衝液で 溶出する工程。 発明の詳細な説明 本発明は、一般的に、新規のグロビン様ポリペプチドまたはヘモグロビン様タ ンパク質を含むヘモグロビン様化合物に関する。これらの化合物は、天然に存在 するヘモグロビン(特にヒトHb Ao)への種々の改変を含む。さらなる局面では 、本発明は、このようなヘモグロビン様分子および他のポリマー性ヘモグロビン 様分子を精製する方法に関する。 上記のように、ほとんどの天然に存在するヒトヘモグロビンは、4つの非共有 結合したポリペプチド鎖:同一のアルファドメインを含む2つの鎖および同一の ベータドメインを含む2つの鎖から構築される。しかし、本発明の新規のグロビ ン様ポリペプチドは、1つのポリペプチド鎖中に少なくとも2つのジアルファ( または2つのジベータ)ドメインを含む。「ジアルファドメイン」(または「ジ ベータドメイン」)は、PCT公開公報第WO 93/09143号(本明細書中に参考として 援用する)に記載のように、第1のアルファドメイン(またはベータドメイン) のC末端と第2のアルファドメイン(またはベータドメイン)のN末端との間で 連結される2つのアルファ(またはベータ)ドメイン(またはポリペプチド配列 )からなる。したがって、新規のグロビン様ポリペプチドは、最小限として、ポ リペプチド当たり4つのアルファ(またはベータ)ドメインを有する。 本明細書で使用される場合、用語「グロビン様ポリペプチド」とは、天然に存 在するヘモグロビンのグロビンサブユニットと実質的に相同であるドメインを有 するポリペプチドを意味する。例えば、2つのジアルファドメインを含むグロビ ン様ポリペプチドとは、4つのアルファドメインのそれぞれが、天然のアルファ グロビン、または1つ以上の置換、欠失、または挿入によって天然の配列とは異 なるが、天然のアルファグロビンと実質的に相同なままであり、そしてベータグ ロビンと会合する能力を保持するその変異体と、実質的に相同であることを意味 する。本明細書で使用される場合、用語「アルファドメイン」とは、正常ヒトア ルファグロビン、およびその変異体を含む天然に存在するアルファグロビン(し かしこれに限定されない)を含むことを意図する。「ベータドメイン」は類似し て定義される。ヒトアルファまたはベータグロビンと十分に相同である脊椎動物 および無脊椎動物ヘモグロビンのサブユニットまたはその変異体は、用語「アル ファまたはベータドメイン」に包含される。例えば、ウシヘモグロビンのサブユ ニットは、これらの用語の範囲内である。 本発明によって意図されるアルファまたはベータグロビンが特定の野生型アル ファまたはベータグロビンに実質的に相同であるかどうかを決定することにおい て、配列類似性は重要であるが排他的な基準ではない。配列類似性は従来のアル ゴリズムによって決定され得、これは代表的には、最良の適合を達成するために 、少数のギャップを導入させる。本発明での使用のために意図されたアルファド メインは、代表的には、野生型ヒトアルファグロビンと少なくとも約75%の配列 同一性を有し、そしてヒトベータグロビンよりもヒトアルファグロビンとより大 き な相同性を有する。しかし、より少ない配列同一性のアルファドメインを有する ポリペプチドは、可能性から予測されるよりも大きな配列同一性を有し、そして またアルファグロビンの特徴的な高次構造(例えば、「ミオグロビン折り畳み」 )をも有する場合には、野生型のアルファグロビンと「実質的に相同である」と 、さらに考えられ得る。 変異は、ヘモグロビンの酸素親和性(または強力性、またはpH、塩、温度、も しくは他の環境パラメータに関する活性)あるいは安定性(熱、酸、アルカリ、 または他の変性剤に対して)を変更するように導入されて、遺伝子融合または架 橋を容易にし得るか、あるいは個々の鎖の発現およびアセンブリの容易さを増大 させ得る。特定の型の変異に関する指針は、例えば、米国特許第5,028,588号お よびPCT公開公報第WO 93/09143号(両方とも参考として本明細書中に援用する) で提供される。本発明は、生物学的活性に実質的に影響を与えない必要のない変 異によって本明細書で教示されることから逸脱する分子をさらに包含する。 新規のグロビン様ポリペプチドのジアルファ(またはジベータ)ドメインは、 当該分野で公知の種々の手段によって連結され得る。例えば、ドメインは、任意 の2つのジアルファドメイン間のペプチドリンカーによってカップリングされ得 る。適切な距離の議論はまた、WO 93/09143(参考として本明細書中に援用する )で提供される。これらの距離の知見によって、当業者は、例えば分子モデリン グによって、適切なペプチドリンカーの有用な長さを容易に決定し得る。特に有 用なペプチドリンカーは、少なくとも5アミノ酸、好ましくは少なくとも7アミ ノ酸を有する。ペプチドリンカーは、以下に例示するアミノ酸配列:Ser-Gly-Gl y-Ser-Gly-Gly-Ser(配列番号1)におけるような反復単位としてSer-Gly-Glyを 含むアミノ酸配列を有し得る。この反復単位を含むペプチドリンカーとして有用 な他のアミノ酸配列の例には、Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly- Ser-Gly-Gly(配列番号2)およびSer-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser-G ly-Gly-Ser-Gly-Gly-Ser(配列番号3)が挙げられる。 グロビン様ポリペプチドの複数のジアルファドメインおよびペプチドリンカー は、当該分野で公知の、あるいは例えばWO 93/09143または以下の実施例に記載 のような組換え方法によって遺伝学的に融合され得る。中間産物としての単一の ジアルファグロビンの調製もまた、この刊行物に記載される。 グロビン様ポリペプチドは、ヘモグロビン様擬似物を調製するために使用され 得る。このような擬似Hb様タンパク質はWO 93/09143に記載されている。擬似ヘ モグロビン様タンパク質は、ポリペプチド鎖の数よりも少なくとも1より以上多 いドメインを有する。すなわち、少なくとも1つのポリペプチド鎖は2つ以上の グロビン様ドメインを含む。 天然に存在しないシステイン残基を、ジアルファドメインの1つのアルファサ ブユニット、あるいはジ-ジアルファドメインまたはより大きなジアルファドメ インの1つのアルファサブユニット中に導入して、他の擬似ヘモグロビン様タン パク質を調製することも可能である。好ましくは、これらの天然に存在しないシ ステイン残基は不斉であり、すなわち、これらはより長いジ-ジアルファポリペ プチドの1つのアルファドメインのみに生じる。このような変異はまたジ-ジベ ータグロビンに類似の様式で組み込まれ得る。不斉システイン残基は、次いで、 ジアルファ(またはジベータ)ドメインを連結する直接ジスルフィド架橋を形成 するために使用され得るか、またはシステイン残基に特異的なカップリング試薬 によって架橋され得、より大きな擬似Hbタンパク質を生成する。 ヘモグロビン様擬似物は、当業者に公知の任意の適切な精製方法によって精製 され得る。本発明のヘモグロビン様タンパク質に有用な精製方法は、PCT公開公 報WO 95/14038に教示されており、これは参考として本明細書に援用される。簡 単にいうと、それに記載された方法は、亜鉛のような2価金属イオンで電荷を有 する固定された金属アフィニティークロマトグラフィー樹脂を包含する。この刊 行物によれば、精製されるべき所望のHb含有物質を含む溶液は、最初に加熱処理 されて、プロトポルフィリンIX含有Hbを除去し得る。この基本的精製方法は、さ らにサイズ化カラム(S-200)を、次いで他の陰イオン交換カラムを続け得る。 あるいは、この溶液は、本発明の方法に従ってイオン交換カラムを使用して、分 子量画分に分離され得る。得られる溶液は、次いで、所望の処方緩衝液に緩衝液 交換され得る。 本発明はさらに、本発明の新規ポリペプチドをコードする核酸を提供する。当 業者は、発現に使用される生物に特異的なコドンおよび制御エレメントの選択と ともに公知のヘモグロビンサブユニットの公表されたヌクレオチドまたはアミノ 酸配列の知見に基づいて、当業者に公知の方法を使用して、所望のヌクレオチド 配列を容易に誘導し得る。例えば、合成ヘモグロビンのジアルファドメインおよ びベータドメインのアミノ酸配列は、本発明の核酸を誘導するために使用され得 、これらは両方とも、PCT公開公報WO 90/13645(参考として本明細書に援用され る)の図12で、以下の核酸を訂正して同定される:塩基55、56、および57(コド ン19)はGCGと読むべきであり、そして塩基208および209(コドン70の最初の2 塩基)はGCと読むべきである。この図のアミノ酸配列に対する以下の変化は、擬 似テトラマーであるrHb1.1を得る:ジアルファドメインの残基142および143での gly-gly架橋は、アルファ1およびアルファ2ドメインを架橋する単一のgly残基に 変化し得る;ジアルファドメインの残基54および97は、Glnと読むべきである; ベータサブユニットの残基70は、Asnと読むべきである;そして、ベータサブユ ニットの残基107は、Lysと読むべきである。擬似テトラマーrHb1.1はまたLooker ら,Nature,356:258-261(1992)(参考として本明細書に援用される)に記載 される。 本発明の核酸は、従来の方法に従って、または以下の実施例に記載のように、 適切な組換え宿主細胞に挿入されるべきプラスミドを構築するために使用され得 る。任意の適切な宿主細胞が、新規ポリペプチドを発現するために使用され得る 。適切な宿主細胞としては、例えば、細菌、酵母、哺乳動物および昆虫細胞が挙 げられる。E.coli細胞は、新規ポリペプチドを発現するために特に有用である 。好ましくは、複数のサブユニットが細菌で発現される場合、サブユニットが、 WO 93/09143に記載されるようにポリシストロン的に同じ細胞で同時発現される ことは、所望であるが必要ではない。1つ1616のプロモーターの使用は、所 望のタンパク質をコードする遺伝子の発現を駆動するために、E.coliにおいて 好ましい。 本発明はまた、少なくとも3つのヘモグロビン様部分を含む新規のマルチマー ヘモグロビン様タンパク質に関し、その少なくとも1つは他の部分に直接付加さ れる。用語「ヘモグロビン様部分」には、2つのアルファドメインおよび2つの ベータドメインから構成される4つのグロビン様ドメインを有するテトラマー、 ならびに既に定義されるような擬似的なヘモグロビン様タンパク質が含まれる。 他のヘモグロビン様部分に直接付加されるヘモグロビン様部分を、本明細書では 「コアヘモグロビン様部分」または「コア部分」といい、一方他のヘモグロビン 様部分を、「周辺ヘモグロビン様部分」または「周辺部分」という。 1つの実施態様では、コア部分は周辺ヘモグロビン様部分とは異なり、これは 順に同じであり得るかまたは互いに異なり得る。このようなマルチマーヘモグロ ビン様タンパク質は、ヘテロマルチマーヘモグロビン様タンパク質(またはヘテ ロマー)という。例えば、コア部分は、rHb1.1であり得るが、周辺部分はK158C といわれる変異体であり得る。擬似テトラマーrHb1.1はWO 90/13645に記載され 、本明細書中に参考として援用される。K158CはrHb1.1の変異部分であり、そし て3つのポリペプチドから構成され、1つは2つのアルファドメイン(ジアルフ ァ)を含み、そして他の2つはそれぞれ単一のベータドメインを含む。ジアルフ ァ成分の第2のアルファドメインにおける単一のリジンのシステインへの置換は 、K158Cジアルファ配列のアミノ酸残基158で現れる。rHb1.1がジアルファ分子( 2つのアルファサブユニット、それぞれ141アミノ酸長、単一のグリシンによっ て連結される)からなるので、第2のサブユニットにおける変異は、アルファサ ブユニットではなくジアルファのN末端に関する位置によって示されることに留 意すること。従って、158位での変異は、正常なアルファグロビンの16位に対応 する、第2のアルファグロビンドメインにおける変異である。1つ以上の不斉シ ステイン変異を有する部分を得るための一般的方法およびこのような不斉架橋し た変異体の望ましいことは、WO 93/09143で提供され、これは本明細書に参考と して特に援用される。刊行物はまた、アルファまたはベータドメインにおける置 換についての他の候補部位を選択するための指針を提供する。 コアおよび周辺部分は、化学的クロスリンカーの使用を限定することなく包含 する、当業者に公知の任意の手段によって直接的に付加され得る。このようなリ ンカーは、Wang,S.S.(1993)Chemistry of Protein Conjugation and Crossl inking,CRC Pressに議論される。他の適切な架橋方法は、例えば、Vandegriff ,K.D.(1992)Biotechnology and Genetic Engineering Reviews,第10巻: 404- 453 M.P.Tombs編,Intercept Ltd.,Andover,England;およびWinslow,R.M. (1992)Hemoglobin-based Red Cell Substitutes,The Johns Hopkins Universit y Press,Baltimore 242頁に記載される。このような架橋化学は、一般的に2つ 以上の官能性基を含むリンカーである。これらの官能性基は、同じであり得るか または異なり得(すなわち、ホモ二官能性リンカー、ヘテロ二官能性リンカー、 ホモ多官能性リンカー、またはヘテロ多官能性リンカー、そしてさらに樹枝状、 分枝状であり得、またはアーム化コアを含み得る)、そして例えば、ビス-イミ ドエステル、ビス-スクシンイミジルエステル、糖またはヌクレオチドの酸化さ れた環構造、ハロアセチルまたはビニルスルホン官能性基を含むクロスリンカー 、ならびにジアルデヒドおよびポリアルデヒドクロスリンカー(例えば、グリコ アルデヒドおよびグルタルアルデヒド)を含む。 ヘテロマルチマーヘモグロビン様タンパク質については、ヘテロ二官能性化学 的クロスリンカーが好ましく、例えば、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチ ル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)またはN-γ-マレイミドブチル オキシスクシンイミドエステル(GMBS)である。好ましくは、ヘテロ二官能性化 学的クロスリンカーは、顕著な免疫原性応答を誘起しないものである。他の有用 なヘテロ二官能性クロスリンカーはWO 93/09143に記載され、本明細書に参考と して援用される。 GMBSまたはSMCCの場合には、例えば、これらの化合物のスクシンイミドが、rH b1.1(コア部分)のようなシステインが変異していないヘモグロビン様タンパク 質のリジン残基に付加するために使用され得る。マレイミドは、K158Cのような システイン変異を含むヘモグロビン様タンパク質のシステインに付加するために 使用され得る。リンカーをコア部分と最初に反応させ、次いで所望の量のシステ イン含有変異体を添加することによって、これらのマルチマーヘモグロビン様タ ンパク質の種々の形態は、例えば、トリマー、テトラマー、ペンタマー、および より高次のマルチマータンパク質を作成し得る。コア部分に付加され得るヘモグ ロビン様部分の数を抑制する要因には、追加の周辺部分が加えられるような立体 障害、およびクロスリンカーに付加するために利用可能な残基の数が挙げられる 。このようなクロスリンカーを同定および使用するための方法は、当業者にまた は以下の実施例に記載のように公知である。 さらなる実施態様では、コア部分および周辺部分は、同じ部分であり得、これ らは本明細書では「ホモマルチマーヘモグロビン様タンパク質」という。ホモマ ルチマーHb様タンパク質の例は、K158C変異体のみから構成されるものである。 この実施態様のマルチマーヘモグロビン様タンパク質を作成するためには、ポ リマー化タンパク質の実質的な量の形成が好ましくは避けられる。ポリマー化タ ンパク質は、介在ヘモグロビン様部分への付加によってコア部分へ間接的に付加 されるHb様部分を含み、そして一般的に、制御されていない架橋反応によって形 成される。本発明の方法に従って、このようなランダムなポリマー化は、周辺ヘ モグロビン様分子上の一定の部位へのコアヘモグロビンタンパク質上の特定の反 応性部位のカップリングによって減少する。当業者に公知の任意の方法が、部位 特異的付加が達成され得るところで使用され得る。 本発明はまた、ホモマルチマーヘモグロビン様タンパク質を製造する方法を提 供し、このタンパク質は周辺分子と同様であるコア分子から構成されるマルチマ ーヘモグロビン様タンパク質である。これらの方法は、ヘテロ二官能性クロスリ ンカーおよび保護性部分(例えば、ホウ酸塩)の使用によって完成される。ある いは、クロスリンカーのいずれかとの反応条件は、例えば、ポリマー化の程度が 抑制されるような濃度、温度、または反応時間を変更することによって改変され 得る。 適切なアミン/スルフヒドリルヘテロ二官能性クロスリンカーの使用によって 、所望のヘモグロビン様部分、例えばrHb1.1は改変され得、そのため、WO 93/09 143に記載のように、表面システイン変異を有するいくつかのrHb1.1分子と続い て反応する。この反応は、例えば、ホウ酸ナトリウム緩衝液中でpH8.5にて、改 変されていないrHb1.1上のアミン官能基を、ヘテロ二官能性クロスリンカーのス クシンイミド部分と最初に反応させることによって達成される。rHb1.1上のリジ ン残基との反応は、クロスリンカーとヘモグロビンとの間の安定なアミド結合の 形成によって、ヘテロ二官能性クロスリンカーのスクシンイミド基の喪失を導く 。ヘテロ二官能性クロスリンカーの未反応マレイミド残基は、スルフヒドリル基 に対して非常に反応性である。rHb1.1の固有のスルフヒドリル基は、ヘテロ二官 能性クロスリンカーのマレイミド部分と反応することを、それらの接近不可能性 に よってまたはホウ酸塩との複合体を形成することによってのいずれかにより、妨 げられる。ヘテロ二官能性クロスリンカーのスクシンイミド基との反応後、ヘモ グロビン分子は、例えば、K158Cヘモグロビン変異体の表面スルフヒドリル残基 との反応に対して複数の表面リジン残基で「活性化される」と考えられ得る。な ぜなら、ここでコア部分がそれに付加される反応性マレイミド残基を有するから である。 クロスリンカーの適切な濃度および保持時間(これらは当業者によって経験的 に決定され得る)を使用することによって、表面システイン含有ヘモグロビン( 例えば、K158C)の活性化コアヘモグロビン分子との反応は、より高分子量のヘ モグロビンを生じる。活性化ヘモグロビンとシステイン含有ヘモグロビン変異体 との反応によって形成されるポリマーは、見かけの分子量の分布を有する。しか し、分子量の分布は、例えば、K158Cのような一定の部分の使用とカップリング したヘテロ二官能性クロスリンカーでの最初の活性化の程度によって、一定の程 度に抑制され得る。例えば、K158Cとの反応の部位特異的な性質は、優勢なペン タマーヘモグロビンに対する分子量分布を限定する。ある変異体について、ホウ 酸塩/ホウ酸のような適切な保護的緩衝液との可逆的複合体の形成を介する、ス ルフヒドリル反応性のような反応性の操作は、本発明のマルチマーヘモグロビン 様タンパク質を形成することにおいて、スルフヒドリル反応性のような反応性を 制御するための新規な方法であることが考えられる。 従って、本発明は、マルチマーヘモグロビン様タンパク質を製造する方法をさ らに提供する。この方法は、以下の工程によって完了される: (a) コアヘモグロビン様部分を形成するために、ヘテロ二官能性リンカーの 一端に付加し得るアミノ酸を有する第1のヘモグロビン様部分を得る工程; (b) ヘテロ二官能性リンカーの他端に付加し得るアミノ酸を有する少なくと も2つの他のヘモグロビン様部分を得る工程; (c) 結合した部分を形成するために、ヘテロ二官能性リンカーを第1のヘモ グロビン様部分に接触させる工程;および (d) マルチマーヘモグロビン様タンパク質を形成するために、他のヘモグロ ビン様部分を結合した部分に接触させる工程。 本発明は、本発明の新規のマルチマーヘモグロビン様タンパク質およびグロビ ン様ポリペプチド(このようなポリペプチドを含むタンパク質が含む)を含む組 成物をさらに提供する。マルチマーヘモグロビン様タンパク質を含む組成物にお いて、種々のマルチマータンパク質を含む多分散組成物、すなわち、トリマー、 テトラマー、ペンタマーなどの異なる種が得られ得る。さらに、マルチマーヘモ グロビン様タンパク質を含むこれらの組成物は、好ましくは、ポリマー化したタ ンパク質を実質的に含まないが、これらは所望のタンパク質の意図した使用に依 存して、全く含まない必要はない。この文脈で使用される場合、「実質的に含ま ない」とは、ポリマー化したタンパク質の存在がマルチマーヘモグロビン様タン パク質の所望の機能に有害な影響を与えないことを意味する。さらに、これらの マルチマーヘモグロビン様タンパク質は、実質的に単分散である。本明細書で使 用される場合、「実質的に単分散」とは、所望の分子量ではないヘモグロビンが 30%より少ないことを意味する。従って、実質的に単分散の高分子量ヘモグロビ ン溶液において、30%より少ないヘモグロビンは、所望される標的高分子量ヘモ グロビンではない。標的単分散高分子量ヘモグロビンが、トリマー、テトラマー 、およびペンタマーのような高分子量の混合物を含み得ることに留意すること。 同様に、実質的に単分散のペンタヘモグロビン溶液において、30%より少ない溶 液中のヘモグロビンはペンタヘモグロビンはない。好ましくは、単分散高分子量 ヘモグロビン溶液は、25%より少ない非標的ヘモグロビン、より好ましくは20% より少ない非標的ヘモグロビンを含む。 利用される架橋技法に関わらず、架橋の後、イオン交換クロマトグラフィーを 使用し、本発明の方法に従って分子量によってヘモグロビンポリマーを分離する 。代表的には、イオン交換クロマトグラフィーは、等電点での差に従ってタンパ ク質を分離するために使用される。驚くべきことに、本発明者らは、イオン交換 技法が等電点での測定可能な差を有さないヘモグロビンを分離するために使用さ れ得ることを発見した。例えば、グルタルアルデヒドで架橋されたrHb1.1の等電 点は、モノヘモグロビン(1テトラマー)ジヘモグロビン(2テトラマー)、ト リヘモグロビン、および高次マルチマーについて、約7.05である。それにも関わ らず、このようなヘモグロビンは、本発明の方法を使用して解明された(例えば 、 本明細書の実施例12を参照のこと)。 本発明によれば、多分散ヘモグロビン溶液の精製は以下のように完了される。 多分散ヘモグロビン溶液を、必要であれば、イオン交換マトリクスに適合可能な 緩衝液中に移す。適切な緩衝液は、例えば、8℃にて20mM Tris、pH8.0-8.9であ る。多分散ヘモグロビン溶液を、次いで、イオン交換マトリクスにかける。この ようなイオン交換マトリクスは、任意の適切な支持体であり得、例えば、陰イオ ンまたは陽イオン交換マトリクスである膜または樹脂である。特に適切な交換樹 脂は、例えば、Q-SEPHAROSE流速陰イオン交換カラム(Pharmacia Biotech,Upps ala,Sweden)であり得る。別の陰イオン交換樹脂としては、例えば、Super Q 6 50 CまたはToyopearl QAE-550C(TosoHaas Inc.,Montgomery,PA)またはMacro-P rep Q Support(Bio-Rad Inc.,Hercules,CA)が挙げられる。カラムにロードさ れ得るタンパク質の量は、カラムの結合能力および所望される分子量の混合に依 存して変化し得る。カラムの流速は、クロマトグラフィーに使用されるカラムお よび樹脂のタイプに依存する。代表的には、XK-50カラム(Pharmacia Blotech, Uppsala,Sweden)にパックされた450mlの樹脂ベッドについては、200cm/時間の 流速が使用される。 カラムは多分散ヘモグロビン溶液でロードされた後、カラムマトリクスから結 合していないタンパク質を除去するために十分なカラム容量の緩衝液で洗浄され る。このような洗浄は、例えば、8℃にて20mM Tris緩衝液、pH8.9の2〜3カラ ム容量(CV)であり得る。あるいは、カラムは、溶出液中の所望のタンパク質濃 度が達せられるまで洗浄され得る。これは、215または280nmでの吸光度によって 、または他の適切なモニタリング技法によって決定され得る。次に、カラムは所 望の緩衝液系で洗浄する。この緩衝液系は、所望のタンパク質を溶出するための 、緩衝液、緩衝液濃度および/または塩の組み合わせを含み得る。溶出は、例え ば、アイソクラティック溶出、段階的アイソクラティック溶出、段階的勾配溶出 、または勾配溶出によって、任意の適切な溶出スキームを利用して行われ得る。 特に適切な溶出スキームは、段階的アイソクラティック溶出によってである。適 切な洗浄、溶出緩衝液、および溶出スキームの決定は、本明細書中で提供される 指針を使用して当業者によって容易に決定され得る。 分子量<190kDaを有するグルタルアルデヒド架橋したタンパク質を除去する目 的で、カラムは、例えば、8℃にて20mM Tris緩衝液、pH7.6の11CVで洗浄され得 る。次いで、この系を使用して、所望のヘモグロビンポリマー画分が、8℃にて 20mM Tris,pH7.4で溶出される。同様に、モノマーヘモグロビンは、多官能性ク ロスリンカーを使用して形成されるペンタヘモグロビン溶液(実施例18を参照の こと)から、例えば、8℃にて25mM Bis-Tris/Tris pH=7.5の7〜8CV洗浄、続 く8℃にて25mM Bis-Tris/Tris,100mM NaCl pH=7.5での溶出を使用して、除去 され得る。次いで、目的のヘモグロビン分子量画分は、所望のように処方され得 、あるいは、例えば、超濾過によってさらに精製され得る。 グロビン様ポリペプチドまたはマルチマーヘモグロビン様タンパク質(集合的 に「ヘモグロビン」)を含むヘモグロビン様タンパク質および組成物は、インビ トロまたはインビボ適用に使用され得る。このようなインビトロ適用には、例え ば、インビトロで酸素レベルを維持することによる細胞培養中の細胞増殖の増強 のための本発明の組成物による酸素の送達が包含される(DiSorboおよびReeves 、PCT公開公報WO 94/22482、本明細書に参考として援用される)。さらに、本発 明のヘモグロビンは、酸素の除去を必要とする溶液(BonaventuraおよびBonaven tura、米国特許第4,343,715号、本明細書に参考として援用される)および分析 アッセイおよび手段のための参考標準としての溶液(Chiang、米国特許第5,320, 965号、本明細書に参考として援用される)溶液、ならびに当業者に公知の他の このようなインビトロ適用から酸素を除去するために使用され得る。 さらなる実施態様では、本発明のヘモグロビンは、治療適用における使用のた めに処方され得る。本発明のヘモグロビンに適切な処方物の例は、Milneら、WO 95/14038およびGerberら、PCT/US95/10232(両方とも参考として本明細書に援用 される)に記載される。本発明の薬学的組成物は、例えば、皮下、静脈内、また は筋肉内注射、局所または経口投与、血液代替物として有用な大容量非経口溶液 などによって投与され得る。本発明の薬学的組成物は、例えば、経口またはエア ロゾル投与によって、経皮または粘膜吸収によって、あるいは注射によってのよ うな任意の従来の手段によって投与され得る。 例えば、本発明のヘモグロビンは、赤血球が使用される任意の適用において、 または酸素送達が望まれる任意の適用のために、赤血球の代替物として有用な組 成物で使用され得る。赤血球代替物として処方された本発明のこのようなヘモグ ロビンは、血液容量が損失し、そして流量または酸素運搬能力のいずれかあるい は両方が置き換えられなければならない出血、外傷、および手術の処置に使用さ れ得る。さらに、本発明のヘモグロビンが薬学的に受容可能になり得るので、本 発明のヘモグロビンは、大きなヘモグロビンタンパク質分子の存在のため、酸素 を送達する血液代替物としてだけでなくコロイド浸透圧を提供する単純な容量増 量剤として使用され得る。さらなる実施態様では、本発明の架橋したヘモグロビ ンは、溢血を限定すること、またはヘモグロビンに基づく血液代替物のコロイド 浸透圧を減少することが望ましい状況で使用され得る。本発明のヘモグロビンは 、高分子量で合成され得る。従って、本発明のヘモグロビンは、赤血球代替物と して酸素を輸送するために作用し得るが、過剰の溢血に付随し得る有害な効果を 減少する。 酸素送達薬剤としての本発明のヘモグロビンの代表的な用量は、患者の体重1 キログラム当たり2mg〜5グラム以上の細胞外ヘモグロビンであり得る。従って 、ヒト患者の代表的な用量は、数グラム〜350グラムであり得る。各投与形態の 個々の用量に含まれる活性成分の単位含量は、それ自体で有効量を構成する必要 がないことが賛賞される。なぜなら、必要な有効量は、注射などの複数回投与の 投与によって達成され得るからである。用量の選択は、利用される投与形態、処 置される状態、および当業者の決定に従って達成される特定の目的に依存する。 本発明のヘモグロビンの投与は、ヘモグロビンの用途の目的に依存して、秒〜 時間の期間行われ得る。例えば、酸素送達ビヒクルとしては、投与の通常の時間 経過はできる限り迅速である。血液置換物としてのヘモグロビン溶液の代表的な 注入速度は、約100ml〜3000ml/時間であり得る。 さらなる実施態様では、本発明のヘモグロビンは、貧血にかかっている患者に さらなる酸素運搬能力を提供することによって、および/またはPCT公開公報WO 95/24213に記載されるように造血を刺激するすることによっての両方で、貧血を 処置するために使用され得る。造血を刺激するために使用される場合、ヘモグロ ビンの用量が出血を処置するために必要とされ得る投与量よりも非常に少ないの で、投与速度はゆっくりであり得る。従って、本発明のヘモグロビンは、高用量 のヘモグロビンの患者への投与に必要とされる適用、ならびに本発明の少用量の ヘモグロビンのみが投与される状況で使用され得る。 本発明のヘモグロビンの血管系における分布が赤血球のサイズによって限定さ れないので、本発明のヘモグロビンは、赤血球が浸透し得ない領域に酸素を送達 するために使用され得る。これらの領域としては、血栓、鎌状赤血球閉塞、動脈 閉塞、血管形成術バルーン、手術器具の下流のような赤血球流に対して閉鎖の下 流に位置する任意の組織領域、酸素飢餓にかかっているかまたは低酸素症である 任意の組織などが挙げられる。さらに、組織虚血の任意のタイプが、本発明のヘ モグロビンを使用して処置され得る。このような組織虚血としては、例えば、発 作、緊急発作、一過性虚血発作、心筋性気絶および冬眠、急性または不安定性狭 心症、緊急狭心症、梗塞などが挙げられる。体内での広い分布のため、本発明の ヘモグロビンはまた、薬物を送達するためにおよびインビボイメージングのため に使用され得る。 本発明のヘモグロビンはまた、患者の血液が除去されそして手術の最後にまた は回復中の再注入のために保存される場合、手術手順の間に除去される血液の置 換物として使用され得る(急性の正常量の血液希釈または血液増量)。さらに、 本発明のヘモグロビンは、付与された酸素運搬能力のいくらかを置き換えるため に作用することによって、手術前に予め付与され得る血液量を増加するために使 用され得る。 正常の生理学的状態下では、一酸化窒素は過剰量で産生されない。しかし、あ る病状は過剰の一酸化窒素産生に関連する。このような状態には敗血症性ショッ クおよび高血圧が挙げられる。これらの場合、本発明の架橋したヘモグロビンは 、脈管構造から過剰の一酸化窒素を除去するために、または毒性過剰で見られる および本発明のヘモグロビンに結合され得る任意の他のリガンドを除去するため に使用され得る。 以下の実施例は例示することを意図し、本発明を限定するものではない。 実施例1 改変ヘモグロビン含有タンパク質溶液の製造 A.改変rHb1.1の生成のための細菌系の構築 1994年1月20日に、E.coli SGE1661株を、American Type Culture Collectio n(ATCC受託番号55545)に寄託した。プラスミドpSGE705を有するSGE1661株が、SG E1662と名付けられたことに留意されたい。pSGE705は、細胞あたり約100コピー のプラスミドを生じるため、中程度のコピー数のプラスミドであった。pSGE705 の調製に使用したプラスミドを表1に示し、また、簡単なそれぞれの説明を提供 する。 材料.pBR322、pUC19およびpNEB193をNew England Biolabs(Beverly,Massac husetts)から購入した。オリゴヌクレオチドをApplied Biosystems DNA Synthe sizer Model 392で合成した。pSGE705の調製に用いたオリゴヌクレオチドを表2 に列記する。制限エンドヌクレアーゼをNew England Biolabs(Beverly,Massac husetts)から購入し、製造業者の仕様書に従って使用した。T4 DNAリガーゼをN ew England BiolabsまたはGibco-BRL(Gaithersburg,Maryland)のいずれかか ら購入し、製造業者の仕様書に従って使用した。PfuポリメラーゼをStratagene (La Jolla,California)から購入し、製造業者の仕様書に従って使用した。 株を培養するために使用した培地は、J.H.Miller,Experiments in Molecular Genetics.(Cold Spring Harbor Press,(1972))およびJ.H.Miller,A Short Course in Bacterial Genetics(Cold Spring Harbor Press,(1992))に記載 される。アクリジンオレンジ、アンピシリンおよび硫酸カナマイシンをSigma Ch emical Co.(St.Louis,Missouri)から購入した。テトラサイクリンをAldrich Chemicals(Milwaukee,Wisconsin)から購入した。 遺伝学的および分子生物学的手順。 標準的な細菌の遺伝学的手順は、J.H.Mi ller,Experiments in Molecular Genetics.(Cold Spring Harbor Press,(197 2))およびJ.H.Miller,A Short Course in Bacterial Genetics(Cold Spring Harbor Press,(1992))に記載される。標準的な分子生物学の手順をSambrook ら、Molecular Cloning,(Cold Spring Harbor Press,(1989))に記載のように実 施した。 プラスミドDNA形質転換。 DNA形質転換をWensickら、Cell 3: 315-325(1974) に記載の手順により実施した。手短に説明すると、対数期中期まで細胞を増殖さ せ、次いでペレット化し、等量の10mM MgSO4に再懸濁し、氷上で30分間インキュ ベートした。細胞を遠心分離し、ペレットをもとの容積の1/2の50mM CaCl2に再 懸濁し、氷上で20分間放置した。細胞を再び遠心分離し、次いでもとの容積の1/ 10の50mM CaCl2に再懸濁した。プラスミドDNAを10mM Tris-HCl pH8.0,10mM MgC l2および10mM CaCl2の溶液中でコンピテントセルに添加した。混合物を氷上で15 分間インキュベートし、次いで37℃で5分間インキュベートした。1mlのLB培地 を添加し、そして混合物を振とうしながら30〜60分間インキュベートした。次い で、培養物を遠心分離し、0.1mlのLB培地に再懸濁し、そして適切な選択培地上 にプレートした。 DNA の精製。 DNAフラグメントをGeneclean system(Bio 101,Inc.La Jolla ,CA;方法は製品と共に提供される)を用いてアガロースゲルから精製した。PC R産物をDouble Geneclean system(Bio 101,Inc.La Jolla;方法は製品と共に 提供される)を用いて調製し、制限エンドヌクレアーゼで切断した。手短に説明 すると、PCR産物からPCRプライマーを取り除き、次いでPCR産物を制限エンドヌ クレアーゼで切断し、そして制限エンドヌクレアーゼおよび緩衝液から精製した 。そして、PCR産物はライゲーション反応への準備ができた。 オリゴヌクレオチドのアニーリング。 相補的なオリゴヌクレオチドを以下の 手順によりアニールした。各々のオリゴヌクレオチドの等モル量を15〜25μlの1 0mM Tris-HCl pH 8.0/lmM EDTA中に混合し、65℃で30分間インキュベートした。 サンプルを37℃の水浴に30分間移動させた。最後に、サンプルを氷上で60分間、 または冷蔵庫中で一晩インキュベートした。 オリゴヌクレオチド特異的変異誘発。 オリゴヌクレオチド特異的変異誘発を Muta-gene phagemid in vitro mutagenesis kit(Bio-Rad,Hercules,Californ ia)を用いて、製造業者の指示に従い実施した。これはKunkelの方法(Kunkel, T.A.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82: 488; Kunkelら、(1987)Methods Enzymol.154: 367)に基づく。pSGE515のrHb1.1領域をpTZ18U(Bio-Rad,Herc ules,CAまたはU.S.Biochemical,Cleveland,OH)のBamHI-HindIIIフラグメン トにクローニングし、pSGE700を作製した。3つのオリゴヌクレオチド、MW007、 MW008、およびMW009を単一の反応で複数の変化を同時に導入するために用いた。 pBR322 ori の調製。 pBR322の複製起点を増幅するためにPCRプライマーを設 計した。これらのプライマー、TG62およびTG63をpBR322のDNA配列上の2380〜240 4位および3170〜3148位にアニールさせた(Sutcliffe,J.G.(1979)ColdSpring Harbor Symp.Quant.Biol.43: 77-90)。PCR産物をNot IおよPme Iで消化した 。DNAフラグメントをGenecleanの手順に従って精製した。 tet 遺伝子フラグメントの調製。 tet遺伝子の供給源は、pSELECT-1(Promega Corp.,Madison,WI)であった。このプラスミドは、tet遺伝子から多数の制限 エンドヌクレアーゼ部位(例えば、BamHI,HindIII,Sal IおよびSph I)を除去 している(LewisおよびThompson(1993)Nucleic Acids Res.18:3439-3443)。 Pme IリンカーをpSELECT-1のSty I部位に挿入した。このプラスミドをpSGE504と 名付けた。オリゴヌクレオチドTG71およびTG72をアニールさせ、pSGE504のEcoRI -Cla Iフラグメントに連結させた。このプラスミド、pSGE505は、期待される制 限エンドヌクレアーゼ部位を有し、pSELECT-1のマルチクローニング部位に存在 する部位を消失していることが示された。pSGE505をNot IおよびPme Iで消化し た。1417 bpのフラグメントをGenecleanのプロトコルに従って精製した。 lacI 遺伝子の調製。 lacI遺伝子を、lacI遺伝子を保有するpRG1(Dana-Farbe r Cancer Inst.,Boston)から、この遺伝子配列を増幅することにより単離した 。PCRプライマー、TG59およびTG60をlacI遺伝子の上流に野生型のlacIのプロモ ーター(Farabaugh,P.J.(1978)Nature 274: 765)を生成し、遺伝子の下流にtr pターミネーター配列(Christieら、(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78: 41 80-4184)を配置するために設計した。Y1089(Promega)またはlac領域を保有す る任意のE.coli株(例えば、MM294(ATCC33625))由来の染色体DNAを用いて、同 一の工程を実行し得た。PCR産物をゲル精製し、Genecleanの手順に従って単離し 、BamHI-HindIIIで消化したpUC19DNAにクローニングし、pSGE490を作製した。 pSGE515 の構築。 PCRプライマーEV29およびEV18をpDLII-91F(Hoffmanら、WO 90/13645号)からアルファ遺伝子を増幅するために選出した。精製されたPCR産 物を制限エンドヌクレアーゼEag IおよびXbaIを用いて切断した。 Ptac-アルファを含むプラスミドを作製するために、アルファ遺伝子(上記か ら)およびtacプロモーター(これはEV27およびEV28をアニールすることにより 調製された)をEcoRI-XbaI切断pUC19 DNAと混合した。ほぼ等モルの割合の3つ のDNAフラグメントの混合物を、T4 DNAリガーゼで処理した。インキュベーショ ン後、ライゲーション混合物を用いて、SGE476を形質転換し、アンピシリン耐性 形質転換体を選択した。(MM294株(ATCC 33625)への形質転換は同等の結果を生 じる。)適切な制限エンドヌクレアーゼフラグメントを有する単離物をpSGE492 と命名した。アルファ遺伝子およびtacプロモーターのDNA配列をDNA配列決定に より確認した。 プライマーEV30およびEV31を、PCRによりpSGE1.1E4からベータ遺伝子を増幅す るために用いた。精製されたベータ遺伝子フラグメントをXbaIおよびHindIIIで 消化し、次いでXbaI-HindIII消化したpUC19 DNAと混合し、T4 DNAリガーゼで処 理した。ライゲーション混合物を用いてコンピテントSGE476(MM294、ATCC 3362 5と同様)を形質転換し、形質転換体をLB+アンピシリン(100μg/ml)プレート 上で選択した。適切な制限エンドヌクレアーゼフラグメントを含む単離物を選択 し、pSGE493と命名した。ベータ遺伝子をDNA配列決定により確認した。 XbaIおよびHindIIIによる制限およびそれに続くGeneclean法に従った精製によ り、ベータ遺伝子をpSGE493から単離した。このDNAフラグメントをXbaI-HindIII 制限pSGE492 DNAに連結させ、そしてSGE713を形質転換した。(JM110(ATCC 4701 3)またはGM119(ATCC53339)のような任意のdam-株もまた用いられ得た。)適切な 制限フラグメントを有するプラスミドを保有したアンピシリン耐性形質転換体を 選択し、pUC19アルファベータ(pSGE500)と命名した。 pSGE500のアルファおよびベータ遺伝子を含むBamHI-HindIIIフラグメントをGe neclean法に従って精製した。グリシンリンカー領域を含むジアルファ遺伝子の 一部を保有するXhoIフラグメントをpSGE1.1E5からゲル精製した。pSGE1.1E5(19 91年11月8日に出願された、Hoffmanら、米国出願第789,179号に記載される)は 、pSGE1.1E4(Hoffmanら、WO90/13645号)のテトラサイクリン感受性アナログで あり、それも使用され得た。 pBR322の複製起点領域(pBR322 ori、上記)をtet遺伝子フラグメント(上記 )に連結させ、ライゲーション混合物でSGE476を形質転換した。(MM294への形 質転換(上記)は同様の結果を生じ得る。)テトラサイクリン耐性形質転換体を 選択し、そしてプラスミドDNAを単離して、解析した。適切な制限エンドヌクレ アーゼフラグメントを含む単離物を選択し、pSGE507と命名した。 次に、pSGE507およびpSGE490をBamHIおよびNot Iで消化し、適切なフラグメン トを精製した。2つの精製フラグメントをともに連結させ、ライゲーション混合 物を用いてコンピテントSGE713を形質転換した。(任意のdam-株も用いられ得た ;上記参照。)テトラサイクリン耐性形質転換体を選択し、プラスミドDNAを単 離して解析した。適切な制限フラグメントを有したプラスミドを選択しpSGE509 と命名した。 アルファおよびベータ遺伝子を含むpSGE500の精製されたBamHI-HindIIIフラグ メントを、BamHI-HindIII消化したpSGE509に連結した。ライゲーション混合物を 用いてpSGE713(同等の株については上記を参照)を形質転換し、そしてテトラ サイクリン耐性形質転換体を選択し、特徴付けをした。期待される制限エンドヌ クレアーゼフラグメントを有する適切なサイズのプラスミドを生成する単離物を 選択し、pSGE513と命名した。 ジアルファグリシンリンカー配列を含むpSGE1.1E5(1991年11月8日に出願され た、Hoffmanら、米国出願第07/789,179号、本明細書中で参考として援用する。 )のXhoIフラグメントをXhoI消化したpSGE513に連結し、ジアルファ遺伝子を含 むプラスミドを作製した。SGE753をライゲーション混合物で形質転換し、テトラ サイクリン耐性形質転換体を選択した。(SGE800への形質転換は同等の結果を生 じ得る。)単離物をスクリーンして適切な方向でpSGE513に挿入されているXhoI フラグメントを含有している単離物を同定した。ジアルファ遺伝子の適切な配置 を含んだ単離物(Eag Iを用いた制限エンドヌクレアーゼ解析により決定された )をpSGE515と命名した。 pSGE705 を作製するためのpSGE515の改変。 ベータ遺伝子の増幅のためのPCR プライマーを設計するために用いたDNA配列記録は、C末端の3アミノ酸を含ん でいなかった。これらの9ヌクレオチドをベータ遺伝子のDNA配列に付加するた めにオリゴヌクレオチド特異的変異誘発を用いた。同一の反応中で、改変を導入 し、ジアルファおよびベータ遺伝子のリボソーム結合部位を至適化し、ジアルフ ァ遺伝子の末端近くのBglII部位を除去した。pSGE515由来のHindIII-BamHIフラ グメントをpTZ18Uにサブクローニングし、pSGE700を作製した。次いで、pSGE700 を部位特異的変異誘発のためのssDNAの供給源として使用した。 以下は、リボソーム結合部位を最適化し、そしてBglI制限エンドヌクレアーゼ 部位を取り出すために、オリゴヌクレオチドMW008およびMW009を用いて作製した 変化である。 上に示した、4ヌクレオチド変化(2ヌクレオチドの挿入を含む)を、MW008を 用いて、ジアルファのリボソーム結合部位を至適化するために導入した(|は同 一であることを示し、*は変化を示す)。 上に示した6ヌクレオチド変化(4ヌクレオチドの挿入を含む)を、MW009を用 いて、ベータのリボソーム結合部位を至適化するために導入した。変異前の鎖上 の小文字の「a」は、BglII部位をこの配列に導入したアルファ遺伝子の構築にお けるTからAへの変異であった。これを、pSGE705のBglII部位を単一にするため に除去した(|は同一であることを示し、*は変化を示す)。 上に示したように、MW007により、ベータ遺伝子の最後の3つのアミノ酸のため のコード配列が導入された(|は同一であることを示し、*は変化を示す)。 推定上の変異体をBglII制限エンドヌクレアーゼ切断部位の消失(MW008により 導入)についてスクリーニングした。24個の内の17個は、この部位を欠失してお り、他の2つの変異誘発された部位でのDNA配列決定によりさらに特徴付けを実 施した。17個の内の1個は、3つのオリゴヌクレオチド由来の全ての改変を取り 込んでいた。これらの変化をDNA配列決定により確認し、rHb1.1遺伝子をBamHI-H indIII消化したpSGE509にクローニングした。適切な制限エンドヌクレアーゼフ ラグメントを有した単離物をpSGE705と命名した。 アルファ遺伝子の上流の新しい配列は、tacプロモーター(De Boerら、Proc.N atl.Acad.Sci.USA 80,21-25,1983)とアルファ遺伝子の最初のコドンとの間の 距離を最小にした。ジアルファ遺伝子とベータ遺伝子との間の遺伝子間領域をま た、ベータ遺伝子についての制限エンドヌクレアーゼ部位およびリボソーム結合 部位を含む最小の配列を含むように設計した。pSGE705のプラスミド地図を図1 に示す。プラスミド地図は制限エンドヌクレアーゼ切断部位の多くを示す。pSGE 705は、その対応物(pSGE1.1E4)よりも小さく、そしてその制限部位の配置は配 列のモジュールの改変を促進する。使用されなかった抗生物質耐性マーカーを除 去し、rHb1.1の発現をより厳格に調節し得るようにプロモーターをlacI遺伝子に 付加した。pSGE705は、以下に記載の実施例に記載の全ての操作において用いら れる基本のプラスミドであった。一般的な発酵プロトコル 以下に記載の発酵プロトコルのいずれかを使用して、本明細書中に記載の株に おいてヘモグロビンを発現させた。最初に、発酵槽接種物を種ストックから増殖 させた。次いで、任意の2Lフラスコ発酵を実施し、その後15Lの発酵槽に移し、 そして誘導した。あるいは、100Lの発酵を使用した。後者のアプローチを使用す る場合、発酵槽接種物を種ストック2L振盪フラスコから増殖させた。次いで、 これらの4つの振盪フラスコを使用して、100L発酵槽に接種した。発酵プロセス の詳細を、以下に記載する。任意の適切な発酵および予備精製のスキーム(イオ ン交換分子量分離の前の精製)が、本発明の材料の生成のために使用され得る。種ストック 種ストックを10g/L BactoTryptoneTM、5g/Lイーストエキストラクト、5g/L Na Cl、0.2g/L NaOH、および10μg/ml テトラサイクリンを含有するLBブロスで、60 0nmの吸光度が1.5〜1.7になるまで培養した。次いでこの溶液を10%グリセロー ルとし、必要になるまで-80℃で保存した。 15L 発酵プロトコル 発酵槽接種物(2L撹拌フラスコ内の500mlブロス-種フラスコ) 発酵槽接種物を調製するために、種ストックを解凍し、0.1〜0.4mlの種ストッ クをおおよその以下を含む500mlの溶液(DM-1)に接種した:4.1g/L KH2PO4、7g/L K2HPO4、2g/L (NH4)2SO4、1g/L クエン酸Na3・2H2O、153mg/L MgSO4・7H2O、2.3g /L L-プロリン、2g/L イーストエキストラクト、4.8〜5.5g/L グルコース、320m g/L塩酸チアミン、10mg/Lテトラサイクリン、および、32.5mg/L FeCl3・6H2O、1. 6mg/L ZnCl2、2.4mg/L COCl2・6H2O、2.4mg/L Na2MoO4・2H2O、1.2mg/L CaCl2・2H2 O、1.5mg/L Cu(II)SO4・5H2O、0.6mg/L H3BO3、および120.2ml/L HClを含む、3ml /L 微量金属溶液。この培養物を、振盪槽で37℃で、8〜10時間、増殖させる。 中間の「2L」発酵を実施しない場合は、2つのフラスコを組み合わせて、そし て15Lの発酵槽に接種するために使用した。あるいは、2L発酵槽で中間の種発酵 を実施し、その後15Lの発酵を実施した。発酵槽(2L容量-種発酵 ) 任意の中間工程として、細胞を2Lの発酵で増殖させた。次いで、400mlの種発 酵を、約2.2g/L KH2PO4、4g/L K2HPO4、および2.2g/L (NH4)2SO4を含む、約1700 mlの溶液を含む2LのNew Brunswick発酵槽に、無菌的に移した。 発酵槽内の培地はまた、以下を含んだ:1.2g/L クエン酸Na3、1.2g/L MgSO4・7 H2O、2.5g/Lのプロリン、3.1g/Lの上記の微量金属溶液、50%エタノール溶液中 の0.1mg/Lのテトラサイクリン、精製水中の345mg/Lの塩酸チアミン、滅菌濾液、 200g/Lの70%グルコース、50+10g/Lの30%NH4OH、および2mlのPPG 2000(ポリエ チレングリコール2000)。 細胞を、約10時間、発酵槽内で増殖させた。pHを15%から30%のNH4OHの添加 によって6.8〜6.95に維持し、溶存酸素を20%またはそれ以上に維持し、そして5 0〜70%のグルコースを、培養物中のグルコースのレベルを低いがしかし十分な レベルに維持するに十分な量(2g/L〜10g/L)、増殖期間を通して添加した。培養 物を、約30℃で、OD600が約2〜5となるまで増殖させた。15L 発酵槽(20L発酵槽中の14L容量-「15L」) 次いで、800mlの種フラスコまたは400mlの「2L」種発酵槽のいずれかを、以下 の8Lの培地(DM-4-RP)を含む20L発酵槽に無菌的に移した:1.3g/L KH2PO4、2.4g/ L K2HPO4、1.3g/L (NH4)2SO4、195mg/L 塩酸チアミン、6.1mg/Lのテトラサイク リン、1.8g/Lのプロリン、および2.2ml/Lの上記の微量金属溶液。添加した試薬 の質量は、発酵の最終容量(11.5L)を使用して計算し、そしてほぼ測定誤差の範 囲内であることに留意されたい。pHを15%から30%のNH4OHの添加によって6.8〜 6.95に維持し、溶存酸素を20%またはそれ以上に維持し、そして50〜70%のグル コースを、培養物中のグルコースのレベルを低いがしかし十分なレベルに維持す るに十分な量(2g/L〜10g/L)、増殖期間を通して添加した。溶存酸素を可能な限 り20%に近づけた。培養物を、30のOD600が達成されるまで、28と32℃との間で 増殖させた。誘導を、10〜1000μMのイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の添 加により達成した。ヘモグロビン合成の誘導の際に、E.coliのヘム生合成を、 必要とされるヘミンの全量の誘導での添加によるか、または誘導期間を通したヘ ミンの連続的な添加によるか、または1M NaOHへの50mM中溶解したヘミンの断続 的な添加による(例えば、発酵槽に添加されるべきヘミンの全量の3分の1を誘 導の際に添加し、別の3分の1を発酵の全期間の4分の1が経過した後に添加し 、そして最後の3分の1を、誘導期間の中途で添加した)かのいずれかによって 、1N NaOHに溶解したヘミンの添加によって、補填した。添加した全ヘミンは、5 0〜300mg/Lの範囲内であった。発酵槽を誘導後8〜12時間の間継続させた。 100L 発酵プロトコル 発酵槽接種物(2Lの振盪フラスコ中の500mlブロス) 発酵槽接種物の調製のために、種ストックを解凍した。種ストック(100ml)を 、8〜10時間、1インチの回転シェーカー(275〜300rpm)内で、37℃でErlenmeye rフラスコ中で、500mlのDM59中で増殖させた。DM59培地は:3.34g/L KH2PO4、5. 99g/L K2HPO4、1.36g/L NaH2PO4・H2O、1.95g/L Na2HPO4、および滅菌した1.85g/ L (NH4)SO4である。滅菌後、12.20ml/Lの微量金属溶液を添加した。微量金属溶 液は以下を含んでいた:134.2g/L クエン酸3カリウム、32.2g/L クエン酸3ナ トリウム、27g/L FeCl3・6H2O、2.2g/L ZnCl2、0.3g/L CoCl2・6H2O、0.3g/L Na2M oO4・2H2O、2.73g/L MnCl2、6.6g/L CaCl2・2H2O、1.5g/L Cu(II)SO4・5H2O、およ び15ml/ Lの85%H3PO4。さらに、以下の成分を滅菌後培地に添加し、示した最終濃度を達 成した:10mg/mlのテトラサイクリンおよび320mg/Lのチアミン。ポリプロピレン グリコール2000を、発泡の問題が認められる場合に添加した。発酵槽(100L容量) 次いで、2000mlの発酵槽接種物を、上記の54LのDM59培地を含む100L BioLafit te発酵槽に無菌的に移した。 発酵槽を、30±1℃で運転し、溶存酸素を20%、およびグルコースを0〜6g/ Lの間に制御した。OD30±2で、誘導を、発酵槽の温度を26℃に下げ、43.5mlの1 00mM IPTGおよび73mlの50mg/mlのヘミンを添加することによって、生じさせた。 誘導後3時間で、96mlの50mg/mlのヘミンを添加し、誘導後6時間で、125mlの50 mg/mlのヘミンを添加し、誘導後9時間で、125mlの50mg/mlのヘミンを添加し、 そして誘導後12時間で、125mlの50mg/mlのヘミンを添加した。誘導後16時間で 、回収およびさらなる精製を行った。細胞を直ちに精製するか、または後の精製 のために凍結した。精製 必要であれば、凍結した細胞を、約20〜30分の間、温水中で一部解凍した。細 胞を、必要とされるブレーク緩衝液(40mMトリス塩基、1mMベンザミジン)を使用 して、鋼ビーカー内で小さな片に刻んだ。刻んだ細胞およびブレーク緩衝液を、 1gの凍結した細胞あたり2mlのブレーク緩衝液の比で、Waring Industrial Blend er内に入れ、そして低設定で1〜5分間ホモジェナイズした。溶液をホモジェナ イズの後5分間安定させ、そして全ての発泡した材料を除去した。 Niro PandaTM細胞破砕デバイス(Niro Hudson,Inc.,Hudson,WI)を、系を通 して200〜300mlのブレーク緩衝液を通過させることによって、ホモジェネーショ ンのために調製した。細胞を、850バールでNiroセットにホモジェナイズした細 胞溶液を1回または2回通過させることによって溶解した。溶解物のpHを水酸化 ナトリウムで約8に調整し、そして十分なZn(OAc)2を添加し、Zn(OAc)2中の2〜 4mMの溶液を作製した。次いで、この溶液を、10,000rpmで、JA-10ローター内で 4℃で60分間、Beckman遠心分離機で回転した。上清を回収し、そして必要であ れば、蒸留水で1:1に希釈した。このプロトコルをK158を精製するために用い る場合、酸素のレベルを可能な限り低く保つことに留意しなければならない。クロマトグラフィー 全ての溶液は4℃であり、そして4℃で正しいpHに調整した。500mlのChelati ng SEPHAROSE高速樹脂(Pharmacia,Piscataway,New Jersey)を、4カラム容量 の蒸留水で洗浄することによって調製した。全ての工程のカラムの流速は、200m l/分であった。樹脂を2〜3カラム容量の2mM Zn(OAc)2、その後2〜3カラム 容量の200mM NaClで荷電させた。溶解物をカラムにロードし、そして4〜6カラ ム容量の20mMトリス、500mM NaCl(pH8.5)、7〜8カラム容量の240mMトリス(pH8 .5)、および7〜8カラム容量の20mMトリス(pH8.5)で洗浄した。ヘモグロビンを 、15mM EDTA、20mMトリス(pH8.5)で溶出し、そして十分に酸素付加した200mlの 20mM トリス(pH8.5)内に回収した。次いで、カラムをさらなる3〜4カラム容量 の15mM EDTA、20mMトリス(pH8.5)でリンスし、4カラム容量の200mM NaClで変性 し、そして0.2NのNaOH中で保存した。 次いで、溶液を20mMトリス(pH8.5)に5回緩衝液交換し、その後200mlのSEPHAR OSE Qカラムにロードした。そしてカラムを、4カラム容量の蒸留水、4カラム 容量の1M NaCl、さらなる4カラム容量の蒸留水でリンスし、そして3〜4カラ ム容量の20mMトリス(pH8.5)で平衡化することによって調製した。サンプルのロ ーディング後、カラムを2〜3カラム容量の20mMトリス(pH8.5)で洗浄し、そし て20mMトリス(pH7.6)で溶出した。画分を回収し、そしてA575/A540比が1.03に等 しいかこれより大きい場合はプールした。次いで、保存のために、カラムを3〜 4カラム容量の1M NaCl、4カラム容量の蒸留水、2〜3カラム容量の50%酢酸 、4カラム容量の蒸留水、そして最後に2〜3カラム容量の0.2N NaOHで洗浄し た。カラムを30ml/分の流速で流した。得られたヘモグロビンを-80℃または液体 窒素中で保存した。 実施例27アミノ酸リンカーに連結したジ-ジアルファ遺伝子構築物の構築(SGE939) A.pTZ19U/705変異体の構築 rHb1.1遺伝子を、BamHI/HindIII DNAフラグメントとして、pTZ19U(BioRad,He rcules,California)にクローニングした。次いで、この構築物を、Hanahanプロ トコルの改変プロセス(Hanahan,J.Mol.Biol.,166:557(1983))を用いて、CJ2 36 E.coli株(BioRad)に形質転換した。Hanahan形質転換緩衝液は、45mM MnCl2 、60mMCaCl2、40mM KOAc、620mMのスクロース、15%グリセロールおよび100mMの 塩化ルビジウムを含んでいた。E.coli株の5mlの培養物を、2×TYブロスにお いて単離したコロニーから開始し、そして一晩培養した。次いで、200mlの2×T Yブロスを2mlの一晩培養物で接種し、そして37℃で2.5時間、活発に振盪させな がらインキュベートした。次いで、培養物を2本の300ml遠心管に移し、そして1 5分間氷上に置いた。細胞を4℃で10分間、8000rpmで遠心分離してペレットにし 、そして上清を廃棄した。細胞を穏やかにしかし入念に、80mlの形質転換緩衝液 中で再懸濁した。細胞を、再び4℃で、10分間、8000rpmでペレット化した。細 胞を、20mlの氷冷形質転換緩衝液中で穏やかに再懸濁し、そして氷上で30〜60分 間放置した。細胞を、20本の1mlチューブに、緩衝液中に等分した。細胞を直ち にドライアイス上で凍結し、そして-80℃で保存した。 ウラシル置換基を含む1本鎖DNAを単離し、そしてオリゴヌクレオチド特異的 変異誘発を、Muta-geneキット(BioRad,Hercules,CA)、および製造者の指示に 従う標準的なプロトコルにより、実施した。2つのpTZ19U/705クローンを以下の ように調製した。 第1のpTZ19U/705クローンを、オリゴヌクレオチドJD29(ACC GTT CTG ACT AGT AAA TAC CGT TAA TGA[配列番号18])を使用して、調製した。このオリゴヌクレ オチドは、ジアルファドメインの末端に、唯一のSpeI部位を作製した。第2のpT Z19U/705クローンを、オリゴヌクレオチドJD28(5’-GGA GGT TAA TTA ATG CTG T CT CCT GCA GAT-3'[配列番号19])およびJD30(5'-CTG GTG GGT AAA GTT CTG GTT TGC GTT CTG-3'[配列番号20])を使用して、調製した。得られたクローンは、ジ アルファ遺伝子に唯一のPstI部位を取り込み、そしてベータドメインにおけるSp eI 部位を除去した。B.ジ-ジアルファ遺伝子構築物の組立 ジ-ジアルファ遺伝子構築物の組立を、BamHI/SpeI酵素およびDNAフラグメント のゲル精製を使用して、第1のpTZ19U/705クローンからジアルファ遺伝子カセッ トを除去することによって達成した。第2のpTZ19U/705クローンを、PstI/BglII 酵素で切断し、ベータ遺伝子の5'末端を有する第2のジアルファ遺伝子カセッ トを得た。これをまた、精製した。次いでこれらをアニール化したオリゴヌクレ オチドJA113およびJA114と共にさらに連結し、2つのジアルファグロビンを連結 する7アミノ酸融合ペプチドリンカーを有するジ-ジアルファカセットを作製し た。 次いで、このジ-ジアルファカセットをBamHI/BglIIフラグメントとしてpSGE70 5(PCT公開番号WO 95/14038、本明細書中で参考として援用する;これはBamHI/Bg lIIフラグメントとして取り出されたrHb1.1を有した)に連結した。得られたジ- ジアルファプラスミド(pSGE1000)を、上記のHanahanの改変プロトコルを使用し てSGE1661(これもまたPCT公開番号WO 95/14038に記載される)に形質転換し、SGE 939を作製した。2つの他のプラスミド(pSGE1006およびpSGE1008)をまた、上記 の方法と同一の方法を使用して、構築した。pSGE1006は、2つのジアルファ領域 に結合しているリンカーがSpeI/PstIフラグメントとして切り出され、そして以 下の配列の14アミノ酸リンカーをコードする合成領域で置換されることを除いて は、pSGE1000と一致する: pSGE1008を、置換リンカーが以下の配列の16アミノ酸リンカーであることを除い てはpSGE1006と同様の様式で作製した: 実施例3 高コピープラスミドの構築 pSGE720の構築を、2つのステージで実施した。最初に、pUC複製起点を導入し プラスミドpSGE715を作製する。これはlacI遺伝子を含むという点でpSGE705と類 似する。次いで、lacI遺伝子を、このプラスミドから欠失させ、そしていくつか の都合のよい制限部位を含む短いオリゴヌクレオチドで置換し、プラスミドpSGE 720を作製した。 A.pSGE715 の構築 pUC複製起点を導入して、pSGE508(これは、塩基602での1つの塩基対置換(G →A)を除いてはpSGE509と同一である)から、プラスミドpSGE715を作製した。置 換は、pBR322複製起点をpUC19複製起点に変更する。 プラスミドpSGE508およびpSGE705を、製造者(New England Biolabs)の指示に 従って制限酵素BamHIおよびHindIIIで完全に消化した。プラスミドpSGE508を、 最初にBamHIで完全に消化し、次いでHindIIIを添加し、そして消化を続けた。pS GE705消化物を、Promega Magic DNA Clean-upプロトコルおよび試薬(Promega,M adison,WI)を用いて精製し、そして製造者(New England Biolabs)の指示に従っ てBglIでさらに完全に消化した。pSGE508およびpSGE705消化の両方における酵素 を、67℃で10分間加熱することによって失活し、次いでこのDNAをプールし、そ してPromega Magic Clean-upプロトコルおよび試薬を使用して、共に精製した。 このDNAを連結緩衝液に懸濁し、T4 DNAリガーゼを1つのアリコートに添加し、 そしてDNAを16℃で一晩インキュベートした。SGE1661細胞を、塩化ルビジウムを 使用するHanahanの方法(Hanahan,D.,DNA Cloning; A Pratical Approach(Glov er,D.M.編)第1巻、109-135頁、IRL Press,Oxford,1985)によってコンピテン トにし、そしてHanahanのプロトコルに従って連結混合物で形質転換した。形質 転換体を、15μg/mlのテトラサイクリンを含ってLBプレートに細胞を播種するこ とによって選択した。候補を制限消化によってスクリーニングし、rHb1.1遺伝子 の存在を決定し、そして配列決定してpUC複製起点を検出した。いくつかの候補 が同定され、そして得られたプラスミドをpSGE715と称し、そしてSGE1661中のpS GE715をSGE1453と称した。 pSGE715のコピー数は、pSGE705よりも約4倍多く、細胞あたり約460プラスミ ドであると測定された。上記のように、pSGE705とpSGE715との間の差異は、複製 起点領域における1つの塩基対の変化であり、これは配列決定により確認された 。 B.pSGE720 の構築 lacI遺伝子をpSGE715から欠失させ、以下の工程によって、いくつかの都合の よい制限部位を含む短いオリゴヌクレオチドと置換した。最初に、プラスミドpS GE715を、製造者(New England Biolabs)の指示に従って制限酵素BamHIおよびNot Iで完全に消化した。pSGE715消化物を、Promega Magic DNA Clean-upプロトコル および試薬を用いて精製いた。DNAを、アニール化し、キナーゼ処理したオリゴ ヌクレオチド、CBG17+CBG18と混合し、そして連結緩衝液中で懸濁した。 T4 DNAリガーゼを1つのアリコートに添加し、そしてDNAを16℃で一晩インキ ュベートした。SGE1821細胞を、塩化ルビジウムを使用するHanahanの方法に従っ てコンピテントにし、そしてHanahanのプロトコルに従って連結混合物で形質転 換した。SGE1821はpSGE720に加えてpRG1プラスミドを含む。pRG1は、LacIqを含 む低コピー数プラスミドである。形質転換体を、15g/mlのテトラサイクリンを含 むLBプレートに細胞を播種することによって選択した。候補をPstIおよびSmaIを 使用して制限消化によってスクリーニングして、新しいリンカーが存在し、かつ lacI遺伝子が存在しないことを検出し、そして配列決定して、pUC複製起点、お よびlacI遺伝子の存在しないことを検出した。いくつかの候補を同定し、そして 得られたプラスミドをpSGE720と称した。SGE1675中のプラスミドpSGE720をSGE14 64と記載した。 実施例4 高コピージ-ジアルファの構築物 ジ-ジアルファヘモグロビン遺伝子を含む第2のプラスミドを、ベクターとし てpSGE720を使用して作製した。ジ-ジアルファ遺伝子カセットを、BamHI/HindII Iフラグメントとして取り出し、そしてゲル精製した。ベクターpSGE720をまた、 BamHI/HindIIIで切断し、そしてrHb1.1遺伝子を取り出した。このベクターをゲ ル精製した。ジ-ジアルファカセットをpSGE720ベクターに連結し、新たなベクタ ーpSGE1004を得る。次いで、この新たなベクターを、以下に記載するHanahanの 改変法を使用してE.coli SGE1675株に形質転換し、SGE946株を生成した。 実施例5 SGE939 グロビンおよびSGE946グロビンの特徴付け いくつかの15リットル発酵を、SGE939株およびSGE946株の両方について行い、 そして可溶性対不溶性ウエスタンブロットを、従来の方法を用いて行なった。精 製収量と関連して、このデータは、より多くの可溶性タンパク質(BioCADアッセ イ(BioRad)により、250〜300mg/L)が、SGE946から得られ得ることを示した。得 られたデータは、両方の株が、ジ-ジアルファグロビンおよびベータグロビンタ ンパク質を産生するが、SGE946株は、より多量の全タンパク質および可溶性タン パク質を産生することを示す。 SGE939ヘモグロビン様タンパク質を、FPLCを用いて、最初にQ-SEPHAROSEカラ ムから、次いでS-SEPHAROSEカラムから溶出した。画分を、pH勾配を有して溶出 することにより回収した。SDS-PAGE分析によれば、分解産物の集団が存在するよ うであった。なぜなら、これらは抗rHb抗体と交差反応したからである。最もき れいな画分をプールし、そしてC4 HPLCによって分析した。SGE939のクロマトグ ラムは、ベータグロビンが予想通り43.7分において溶出し、そしてジ-ジアルフ ァのピークが61.8分において溶出することを示した。ジアルファグロビンは、通 常、これらの条件下で、約55分において溶出した。56.2分にもピークがあり、そ してジ-ジアルファピーク上に大きな肩があった。ピークを回収し、そして質量 分析計により分析した。ベータグロビンピークは、期待された分子量である15,9 10ダルトンを与え、これに対し、ジ-ジアルファピークは分子量61,088ダルトン を与えた。ベータグロビンの分子量の計算値は、15,913であり、これに対し、ジ -ジアルファグロビンの分子量の計算値は、61,107.8である。これらの結果は、S GE939から発現されたタンパク質が、期待されたジ-ジアルファポリペプチドを含 むことを示す。プロトポルフィリンIXの含量は、3%未満であると示された。平 均でP50は24.7であり、そしてnmaxは1.75であった。 実施例6 テトラジアルファ A.K158C 変異を含むジ-ジアルファベクターの構築 ジアルファグロビンの158位のリジン残基の置換により、rHb1.1分子が化学的 に架橋されて、K158Cと呼ばれるダイマーヘモグロビン分子を形成する。この変 異は、ジ-ジアルファ発現プラスミド(pSGE1000)へ挿入され得、化学的に架橋さ れてテトラヘモグロビンを形成し得るジ-ヘモグロビンに遺伝的に連結された変 異体を産生する。この改変は、K158C変異を、ジ-ジアルファプラスミドの第4の (3'末端)アルファグロビンコード配列中に配置する。このK158C変異は、コー ド配列中の3塩基変化であり、そしてジアルファ含有ベクターにおいて、EagI-B gIII制限フラグメント上に転移され得る。pSGE1000中に複数のEagI部位が存在す るので、プラスミド「pFusionII」中の中間のクローニング工程が必要とされる 。 クローニング工程は以下の通りである: 1.K158C変異を含むEagI-BglIIフラグメントを、pSGE1.1E4から単離する。 2.大きなEagI-BglIIフラグメントを、プラスミドpFusionIIから単離する。こ れは、匹敵する「野生型」フラグメントを、第2のアルファ遺伝子から除去する 。 3.上記のフラグメントを連結し、K158C変異を含む中間体pFusionIIベースのベ クターを形成する。 4.pSGE1000中のPstI-BglIIフラグメントを、K158C変異を含むPstI-BglIIフラ グメントで置換する。B.遺伝子的に連結されたテトラジアルファのためのクローニングストラテジー の開発 遺伝子的に連結したテトラヘモグロビン分子の発現は、ペプチドリンカーのコ ード配列により連結される4つのジアルファヘモグロビン遺伝子、および1つの ベータグロビン遺伝子を含むプラスミドの構築を必要とする。これらの特徴を有 するプラスミドは、現在遺伝子的に連結したジ-ヘモグロビンを発現するために 使用されているpSGE1000に基づき得る。以下の工程を、このプラスミドを作製す るために必要とする: 1.新たな制限部位を、ジ-ジアルファコード配列の5'末端に有する改変ベクタ ーを作製する。 2.新たな制限部位を、ジ-ジアルファコード配列の3'末端に有する第2の改変 ベクターを作製する。 3.ジ-ジアルファ分子を連結するために適切なアミノ酸配列を、テトラ-ヘモグ ロビンがアセンブルし得るように設計し、そしてペプチドリンカーをコードする ために必要なDNA配列を設計する;および 4.2つの改変ジ-ジアルファ配列、リンカー配列、および705または720のいず れかのプラスミドバックグラウンドを含む新たなプラスミドをアセンブルする。 サイレント変異を、ジ-ジアルファ配列内に同定した。これはジ-ジアルファに 特有の制限部位を、705または720(低コピーおよび高コピー)のいずれかのプラ スミドバックグラウンド内に、ジ-ジアルファコード配列の5'および3'末端近傍 に生成する。酵素の1つ、AatIIの制限部位もまたベータグロビン遺伝子内に存 在する;ベータ遺伝子内の部位を、クローニングを容易にするために除去する。 予備的なクローニングストラテジーを、テトラ-ヘモグロビン発現ベクターの構 築のために、以下のように作製した: 1.AatII部位を、pFusionII中のジアルファ遺伝子の3'末端に、部位特異的変異 誘発により作製し、「A1」と名付けられたフラグメントを作製する。 2.A1を、PstI/BglII制限フラグメント上のジ-ジアルファにサブクローニング し、「A2」を作製する。 3.AatII部位を部位特異的変異誘発によりpFusionII中のベータグロビン遺伝子 から除去し、「B1」を作製する。 4.「B1」を、PstI/BglIIフラグメント上の第2のジ-ジアルファ構築物中にサ ブクローニングし、「B2」を作製する。 5.B1pI部位を、pFusionI中のジアルファ遺伝子の5'末端に部位特異的変異誘発 により作製し、「C1」を作製する。 6.BamHI/SpeIフラグメント上のC1を、改変したジ-ジアルファプラスミド(B2 )にサブクローンし、「D1」を作製する。 7.BamHI/AatIIフラグメントをA2から、そしてB1pI/HindIIIフラグメントをD1 から単離する;AatIIおよびB1PI末端を含むペプチドリンカーをコードする新た な合成配列と、便利なプラスミドバックグラウンド中で連結し、テトラヘモグロ ビンコード配列を形成する。 実施例7 一般的形質転換手順 改変したHanahanプロトコルを用いて、コンピテントなE.coli細胞を産生する 。Hanahan形質転換緩衝液は、45mM MnCl2、60mM CaCl2、40mM KOAc、620mMスク ロース、15%グリセロールおよび100mM塩化ルビジウムを含む。E.coli株の5ml培 養物を、単離されたコロニーから2×TYブロス中で開始し、そして一晩培養した 。次いで、200mlの2×TYブロスを2mlの一晩培養物で接種し、そして激しく振 盪 しながら2.5時間37℃でインキュベートした。次いで、培養物を2つの300ml遠心 分離用チューブに移し、そして氷上に15分間置いた。細胞を8000rpm、4℃、10 分間の遠心分離でペレット化し、そして上清を流し捨てた。この細胞を80mlの形 質転換緩衝液中で、穏やかにしかし十分に再懸濁した。この細胞を再び8000rpm で10分間4℃でペレット化した。この細胞を、20mlの氷冷した形質転換緩衝液中 で穏やかに再懸濁し、そして30〜60分間氷上に置いた。細胞を緩衝液中で、20個 の1mlチューブにアリコート化した。この細胞を、ドライアイス上で速やかに凍 結させ、そして-80℃において貯蔵した。 実施例8 BMH 架橋ジアルファK158C(ジヘモグロビン)の調製 K158C変異を第2のアルファグロビンドメインに含むジアルファヘモグロビン を、ビスマレイミドヘキサン(BMH,Pierce Chemical Co.,Rockford,Illinois) を用いて架橋することによって、ジヘモグロビンを産生した。BMHは、ホモ二官 能性のマレイミド架橋剤であり、そしてその主要な反応性はスルフヒドリル残基 に対する。結合は、一旦形成されれば不可逆性である。マレイミド残基間のアル カンのスペーサーは、ヘキサン(6炭素)であり、そして分子は緩衝化された水 溶液中で低い溶解性を有する。架橋剤の名目上の長さは16.1Åである。 K158Cを60mg/mLにまで20mM Tris緩衝液(pH8)中で濃縮し、そして回転ガラスフ ラスコ(ROTOVAP RE111,Brinkmann.Inc.,Cuntiague Road,Westbury,NY)中で 、加湿された酸素を含まない窒素でのガス交換により脱酸素化した。K158Cを、 ヘモグロビンの内在性のスルフヒドリル、特にベータサブユニット中のCys93残 基とのBMHの反応を制限するために、デオキシ形態に保持した。この残基のスル フヒドリル反応性試薬との反応性は、一般的にデオキシ形態においては、ヘモグ ロビンのリガンド化形態におけるよりも少なくとも50倍遅い。表面K158C残基の 反応性は、ヘム連結状態により有意には影響されない。 BMHの溶液を、純粋なジメチルスルホキシド(DMSO)中で10mg/mLで調製した。こ の溶液のアリコートを、デオキシHb溶液(デオキシ状態を保持しながら、1モル のHbあたり、0.6モルのBMH)に、回旋させながら添加して混合し、そしてこの試 料を氷上で1時間反応させた。反応後、ヘモグロビン溶液を遠心分離または濾過 (0.2ミクロン)して、沈澱したいかなる物質も除去し、25mg/mLにまで希釈し、次 いでSEPHACRYL S-200 HR(Pharmacia,Uppsala,Sweden)でクロマトグラフし、ジ ヘモグロビン画分を未反応のモノヘモグロビンおよび反応の間に形成された少量 のトリヘモグロビンから分離した。2つのS-200 HRカラム(Pharmacia BPP 113 ,各々約6Lの樹脂、直径11.3cm×60cm)を連続して用い、受容可能な分離およ び容量取り扱い許容性を得た。カップリングの収率は、代表的には60%であり、 そして約50%の開始ヘモグロビンをサイズ排除クロマトグラフィー後に回収した 。エンドトキシンを取り除くためのQ-SEPHAROSEでのクロマトグラフィーの後、 ジヘモグロビンをいくつかの日常的な分析に供した。その結果を以下に報告する 。これらの分析の方法は、PCT公開公報WO95/14038に記載されている。平均分子 量を、SUPEROSE 12カラムを用いたサイズ排除クロマトグラフィーで、Bio-Rad分 子量標準品(Bio-Rad,Hercules,California)を用いて決定した。 実施例9 エンドトキシンのためのLALアッセイ 50マイクロリットルのエンドトキシン標準品、ブランク希釈液、またはヘモグ ロビン溶液(rHb1.1)を、50μlのLAL溶解液(BioWhittaker,Inc.,Walkersvil le,MD)と、96ウェルのパイロジェンを含まないマイクロタイタープレートのウ ェル中で製造者の説明書に従い混合した。この混合物を、37℃の水浴において30 分間インキュベートさせた。パラニトロアニリン(色素原性基質)に結合したア セテート-Ile-Glu-Gly-Arg-の100マイクロリットルを、各ウエルに添加し、そし てプレートをさらに16から60分間37℃でインキュベートした。反応を、50μlの2 5%氷酢酸の添加により停止し、そして分析のために試料をHPLC試料バイアルに 移した。 20マイクロリットルの各試料を、40℃において5%の溶媒Bであらかじめ平衡 化させたVydac C4逆相クロマトグラフィーカラム(2mm×250mm)に注入した。( 溶媒Aは、0.1%TFAを含む20%アセトニトリル水溶液であり、そして溶媒Bは、 0.1%TFAを含む100%アセトニトリルである。)クロマトグラフィーシステムを 1ml/分の流速で操作した。分離を以下のように達成した:注入後の95%溶媒A/ 5%溶媒B中での1分間の保持、50%溶媒A/50%溶媒Bへの4分間の上昇、2 分間の100%溶媒Bへの増加、100%溶媒Bでの3分間の洗浄、95%溶媒A/5% 溶媒Bへの1分間にわたる復帰、および95%溶媒A/5%溶媒Bでの4分間の平 衡化。分離を405nmでモニターした。 標準溶液のピーク領域を用いて標準曲線を作製し、これに対して試験試料の測 定を行った。一連の曲線を、濃度0.5 EU/mlから0.0005 EU/mlの範囲の標準溶液 の分析から生成させた。標準品をインキュベーション時間に従い群で分析したと きに、直線性が達成された。1つの曲線は、色素原性基質と共に16分間インキュ ベートした試料の分析から生成させ、その他は色素原性基質と共に30分間および 60分間インキュベートした試料の分析から生成させた。従って、特定の状況にお ける使用のための標準曲線は、必要とされたエンドトキシンの測定の感度に依存 した。 実施例10 ペンタヘモグロビンの産生 K158C変異をジアルファグロビン中に含むrHb1.1(以下本明細書中でK158Cとい う)を上記のように発現しそして精製した。rHb1.1を、「ヘモグロビンの精製」 と題したPCT公開公報番号WO95/14038(1994年11月14日出願)に記載されるように 発現しそして精製した。次いで、ペンタヘモグロビンを、以下に記載するように 活性化されたコアrHb1.1分子(これは、K158C変異を含まなかった)とK158Cを反 応させることによって形成した。 コアrHb1.1分子を、スルホスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロ ヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)(Pierce Chemicals,Rockford,I1 linois)と反応させることにより活性化した。スルホ-SMCCは水溶性のヘテロ二官 能性の架橋剤であり、これはアミンおよびスルフヒドリル官能基の両方と反応す る。rHb1.1のリジン残基との反応により、スルホスクシンイミド基は欠失し、タ ンパク質とスクシンイミド部分との間の安定なアミド結合が形成される。マレイ ミド残基は、スルフヒドリル基に対して高度に反応性である。従って、スルホ-S MCCとの反応後、rHb1.1は、複数の表面リジン残基において、K158Cの表面スルフ ヒドリル残基との反応に向けて「活性化」された。N-(4-カルボキシシクロヘキ シルメチルマレイミド)残基は、加水分解に対して特に安定であり、従ってこの 「活性化」されたrHb1.1を、K158Cの添加前に、十分に操作し得る。 rHb1.1の所望される改変の程度を、活性化後のK158Cとの反応により経験的に 決定した。所望のサイズ範囲の共有結合のHbポリマーが、その後のK158Cとの反 応の際に達成されるまで、スルホ-SMCCとの最初の反応を、スルホ-SMCCの濃度お よび反応時間を変化させることにより調節した。一旦決定されると、これらの条 件を一貫して用いた。これらの条件を決定するにあたり、ポリマーの安定性をモ ニターした。 ペンタ-ヘモグロビン分子のコアを形成するrHb1.1を活性化するために、スル ホ-SMCCの溶液(100mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)中に10mg/mL)を、rHb1 .1(30mg/mL)の溶液に22℃において酸素条件下で35:1のモル比で添加した。これ を穏やかに撹拌しながら35分間反応させた。次いで、架橋剤のスクシンイミド反 応性部分を、グリシンを25:1(1Mの架橋剤に対して25Mのグリシン)のモル比で 添加することによってクエンチした。 次いで、反応混合物を50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)で平衡化したSephadex G-2 5でクロマトグラフし、クエンチされた架橋剤およびホウ酸イオンを除去し、そ して活性化されたrHb1.1を緩衝液交換した。緩衝液交換の後、活性化されたrHb1 .1を15mg/mLに濃縮し、そして加湿された窒素でフラッシュした回転式エバポレ ーター(ROTOVAP RE111,Brinkmann,Inc.,Cuntiague Road,Westbury,NY)で 脱酸素化することによりデオキシ形態に変換した。 rHb1.1分子の活性化後、ペンタヘモグロビンを以下のように合成した。活性化 されたヘモグロビンを15mg/mLに濃縮し、そして上記のように脱酸素化した。デ オキシ活性化rHb1.1を、以前に脱酸素化したK158C(60mg/ml)に、5.5に対して1 のモル比で滴下して添加した。室温(22℃)で3時間穏やかに混合しながら、架 橋を自発的に進行させた。次いで、この混合物を4℃に冷却し、そしてシステイ ンを最終濃度8.5mMまで添加し、そして架橋剤のマレイミド部分をクエンチする ために15分間反応させた。得られた生成物は、モノヘモグロビン、ジヘモグロビ ン、トリヘモグロビン、テトラヘモグロビン、ペンタヘモグロビン、ヘキサヘモ グロビン、およびより高次のマルチマーを含有した。混合物の約20%が、モノ- 、およびジ-ヘモグロビンであった。混合物の約65%が、非常にテトラ-、ペンタ -、およびヘキサ-ヘモグロビンでありそうであった。 所望の分子量画分を、Sephacryl S-200 HRおよびS-300 HRでのサイズ排除クロ マトグラフィーによって混合物から分離した。2つのカラム(Pharmacia BPP113 ,60cm長、各々の樹脂タイプの1つ)を、所望の分画を達成するために連続して 使用した。両方のカラムを、リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.5)で平衡化した。 あるいは、分子量画分を、イオン交換クロマトグラフィーを用いて以下に記載す るように分離した。 ペンタHb画分は、以下の平衡酸素結合特性を示した:複数回の測定についての 平均でP50=32TorrおよびNmax=2.1。 実施例11 スルホ-GMBS架橋剤を用いたペンタ-ヘモグロビンの形成 スルホ-GMBS(N-γ-マレイミドブチルオキシ(maleimidobutyrloxy))スクシンイ ミドエステル)を、100mM ホウ酸ナトリウム(pH8.5)中に10mg/mlで溶解した。他 の全ての工程を、実施例10において開示した工程と同様に行った。GMBS架橋を有 する最終のペンタヘモグロビンを、実施例10とほぼ同じ収率で生成した。 GMBSリンカーを用いて生成したペンタHb画分は、以下の平衡酸素結合特性を示 した:複数回の測定について、P50=30TorrおよびNmax=2.1。 実施例12 ペンタ-ヘモグロビン-K158Cコアの形成 完全なマルチマーHb様タンパク質を、K158Cテトラマーのみを用いて調製し得 る。実施例10に記載の手順に同じく従い得る。過剰の架橋剤は、例えば、ホウ 酸緩衝液の連続的存在下での、ゲル濾過または接線流(tangential flow)限外濾 過により除去される。スルフヒドリル反応性架橋剤を除去している間、ホウ酸緩 衝液を維持すべきである。(アミン)クエンチされた架橋剤の適切な除去の後、 ホウ酸緩衝液を、別の適切な緩衝液(例えば、Tris-HCl緩衝液)に、(例えば、 ゲル濾過または接線流限外濾過を用いて)完全に交換する。これで、ペンタHbが 産生される実施例10に記載の最後の架橋工程のための物質が準備される。 実施例13 グルタルアルデヒド架橋されたヘモグロビンの 陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製 組換えヘモグロビン(rHb1.1)を、「ヘモグロビンの精製」と題されたPCT公 開公報番号WO95/14038(1994年11月14日出願)(本明細書中に参考としてその全 体が援用される)に記載のように、発現し、調製し、そして精製した。このヘモ グロビン(24g)を約150mg/mlに濃縮し、そして1Lの丸底フラスコ中でBrinkma nn ROTOVAP RE111(Brinkmann,Inc.,Cuntiague Road,Westbury,NY)で、加湿 された窒素で5時間パージすることにより脱酸素化し、そして6:1のモル比の グルタルアルデヒド:rHb1.1(グルタルアルデヒドは、25%水溶液(Sigma Chemi cal Company,St.Louis,MO)から希釈された10%水溶液であった)で25℃で架 橋した。この反応を、4分後に3:1のモル比のホウ素水素化ナトリウム:グル タルアルデヒドで停止し、次いで限外濾過により20mM Tris,pH8.9(8℃)緩衝液 に緩衝液交換した。次いで、架橋されたヘモグロビン(21g)を、450mlのSEPHAROS E-Qイオン交換樹脂にロードした。カラムをロードした後、8CVの20mM Tris(pH7 .6)(8℃)で洗浄し、続いて20mM Tris(pH7.4)(8℃)で溶出した。 実施例14 pH 溶出を用いた、グルタルアルデヒド架橋された ヘモグロビン分子量画分の選択的精製 実施例13に記載のように調製されたグルタルアルデヒド架橋されたヘモグロ ビン(約1g)を、50mlベッド容量のSEPHAROSE-Qイオン交換樹脂にロードした。カ ラムを前記の実施例に記載のようにローディング緩衝液で洗浄し、続いて20mM T ris緩衝液(pH7.8)(8℃)で開始する段階的pH勾配で、結合したタンパク質を溶出 した。pHの段階を0.1pH単位の変化量(increment)で減少させたが、本明細書中で は選択された画分のみ例証として示した。非常に小さいpHの変化量により、異な る分子量の画分の分離が改善された。 実施例15 分離効率に対するタンパク質濃度の影響 ヘモグロビンを実施例13に記載のように架橋し、そしてベッド容量50mlのSE PHAROSE-Qイオン交換樹脂にロードした。カラムロードを連続的に増加させた( 表5)。ロードの手順およびタンパク質の溶出は、実施例13におけるものと同 一であった。以下の表5に記載するように、ヘモグロビンのロードの増加は分離 の効率を、特に230〜800kDaの分子量の領域において、向上させた。 実施例16 分離に対するカラムサイズの影響 ヘモグロビンを実施例13に記載のように架橋し、そしてベッド容量50mlまた は2100mlのいずれかのSEPHAROSE-Qイオン交換樹脂にロードする。カラムのロー ドは、50mlおよび2100mlカラムについて、それぞれ30g/L樹脂および14.7g/L樹脂 であった。各々のカラムロードにおけるタンパク質分布は、以前に記載されたも のと同様であった。タンパク質のローディングおよび溶出は、実施例14におけ るものと同一であった。以下の表6に記載するように、分離の効率に対してカラ ムサイズの最少の影響のみが存在した。従って、この方法論は、いかなるスケー ルの分離にも適用可能である。 実施例17 イオン交換によるペンタマーヘモグロビン分子量分画の選択的精製 SuperQ650C(TosoHaas)を、5CVの20mM Tris(pH=8.9)で平衡化した。カラムサイ ズを、1Lの樹脂当たり15gのタンパク質の結合とした。タンパク質試料のpHおよ び電導率を平衡化緩衝液に適合するように調整し、そして約300mlのカラムにつ いて約4.5gでカラムにロードした。次いで、カラムを2カラム容量の20mM Tris( pH=8.9)で洗浄し、続いて7〜8CVの25mM Bis-Tris/Tris(pH7.5)で洗浄し、これに より単量体ヘモグロビンを除去した。カラムを25mM Bis-Tris/Tris,100mM NaCl (pH=7.5)を用いて溶出した。この精製の後、約3%の単量体ヘモグロビンのみが 精製したペンタヘモグロビン溶液中に残存し、このことは陰イオン交換工程を通 しての5〜6倍の精製を示した。 本発明の前記の説明は、例証および説明を目的とした例示である。本発明の意 図および範囲から逸脱せずに変化および改変することが可能であることは、当業 者に明らかである。以下の請求の範囲は、このような変化および改変の全てを包 含すると解釈されることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 マシューズ,アントニー ジェイ. アメリカ合衆国 コロラド 80027,ルイ スビル,ダブリュー.ローカスト コート 673 (72)発明者 アンソニー−コーヒル,スペンサー アメリカ合衆国 コロラド 80302,ボー ルダー,エス.ウォールナット ナンバー 16 2144 (72)発明者 マーキュード,デイビッド エイ. アメリカ合衆国 コロラド 80501,ロン グモント,エリオット ストリート 712 (72)発明者 マドリル,ドミニク ジー. アメリカ合衆国 コロラド 80020,ブル ームフィールド,ガーデン センター 68 (72)発明者 カーウィン,ブルース エイ. アメリカ合衆国 コロラド 80026,ラフ ァイエット,ロンドン アベニュー 280 (72)発明者 エップ,ジャネット ケイ. アメリカ合衆国 コロラド 80303,ボー ルダー,ペンシルバニア プレイス 5673

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.2つのジアルファドメインを含む、グロビン様ポリペプチド。 2.前記2つのジアルファドメインがペプチドリンカーによりカップリングさ れる、請求項1に記載のグロビン様ポリペプチド。 3.前記ペプチドリンカーが少なくとも7アミノ酸のアミノ酸配列を含む、請 求項2に記載のグロビン様ポリペプチド。 4.前記ペプチドリンカーがSer-Gly-Glyを含む、請求項2に記載のグロビン 様ポリペプチド。 5.前記アミノ酸配列が配列番号1である、請求項3に記載のグロビン様ポリ ペプチド。 6.前記アミノ酸配列が配列番号2である、請求項3に記載のグロビン様ポリ ペプチド。 7.前記アミノ酸配列が配列番号3である、請求項3に記載のグロビン様ポリ ペプチド。 8.前記ペプチドリンカーが少なくとも14アミノ酸のアミノ酸配列を含む、請 求項3に記載のグロビン様ポリペプチド。 9.前記ポリペプチドが組換え宿主細胞によって発現される、請求項1に記載 のグロビン様ポリペプチド。 10.前記宿主細胞がE.coliである、請求項9に記載のグロビン様ポリペプ チド。 11.前記ポリペプチドが天然に存在しないシステイン残基を含む、請求項1 〜8のいずれかに記載のグロビン様ポリペプチド。 12.前記天然に存在しないシステイン残基が不斉である、請求項11に記載 のグロビン様ポリペプチド。 13.請求項1〜8または11〜12のいずれかに記載の少なくとも2つの連 結したグロビン様ポリペプチドを含むヘモグロビン様分子であって、該連結がジ スルフィド結合による直接連結または化学的クロスリンカーによる間接的連結か らなり、該クロスリンカーが、ホモ二官能性リンカー、ヘテロ二官能性リンカー 、ホモ多官能性リンカー、およびヘテロ多官能性リンカーからなる群より選択さ れる、ヘモグロビン様分子。 14.請求項1〜8および11〜12のいずれかに記載のグロビン様ポリペプ チドをコードする核酸配列を含む、核酸分子。 15.コアヘモグロビン様部分を含むマルチマーヘモグロビン様タンパク質で あって、少なくとも2つの他のヘモグロビン様部分のそれぞれが該コアヘモグロ ビン様部分に直接付加され、そして実質的にすべての非コアヘモグロビンが該コ アヘモグロビン様部分にのみ付加される、マルチマーヘモグロビン様タンパク質 。 16.前記コアヘモグロビン様部分が、少なくとも4つの他のヘモグロビン様 部分に直接付加される、請求項15に記載のマルチマーヘモグロビン様タンパク 質。 17.前記コアヘモグロビン様部分が、4つの他のヘモグロビン様部分に直接 付加される、請求項15に記載のマルチマーヘモグロビン様タンパク質。 18.前記コアヘモグロビン様部分が、他のヘモグロビン様部分とは異なる、 請求項15に記載のマルチマーヘモグロビン様タンパク質。 19.前記他のヘモグロビン様部分が、前記コアヘモグロビン様部分への付加 のための不斉な架橋可能なシステイン残基を含む、請求項15に記載のマルチマ ーヘモグロビン様タンパク質。 20.前記他のヘモグロビン様部分が、化学的クロスリンカーによって前記コ アヘモグロビン様部分に付加される、請求項19に記載のマルチマーヘモグロビ ン様タンパク質。 21.前記化学的クロスリンカーが、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチ ル)シクロヘキサン-1-カルボキシレートである、請求項20に記載のマルチマ ーヘモグロビン様タンパク質。 22.前記化学的クロスリンカーが、N-γ-マレイミドブチルオキシスクシン イミドエステルである、請求項20に記載のマルチマーヘモグロビン様タンパク 質。 23.前記コアヘモグロビン様部分がrHb1.1であり、そして前記他のヘモグロ ビン様部分がK158Cである、請求項21または22のいずれかに記載のマルチマ ーヘモグロビン様タンパク質。 24.前記コアヘモグロビン様部分が、前記他のヘモグロビン様部分と同じで ある、請求項15に記載のマルチマーヘモグロビン様タンパク質。 25.前記コアヘモグロビン様部分がK158Cである、請求項24に記載のマル チマーヘモグロビン様タンパク質。 26.マルチマーヘモグロビン様タンパク質を製造する方法であって、 (a) コアヘモグロビン様部分を形成するために、ヘテロ二官能性リンカーの 一端に付加し得るアミノ酸を有する第1のヘモグロビン様部分を得る工程; (b) 該ヘテロ二官能性リンカーの他端に付加し得るアミノ酸を有する少なく とも2つの他のヘモグロビン様部分を得る工程; (c) 結合した部分を形成するために、該ヘテロ二官能性リンカーを該コアヘ モグロビン様部分に接触させる工程;および (d) 該マルチマーヘモグロビン様タンパク質を形成するために、該他のヘモ グロビン様部分を該結合した部分に接触させる工程、 を包含する、方法。 27.少なくとも2つの他のヘモグロビン様部分のそれぞれが直接付加される コアヘモグロビン様部分を有するマルチマーヘモグロビン様タンパク質を含む、 組成物。 28.実質的に単分散のヘモグロビン溶液を得るための、ポリマー化ヘモグロ ビン様分子の分子量画分の分離のための方法であって、 (a) ポリマー化ヘモグロビン様分子の多分散混合物をイオン交換マトリクス と接触させる工程; (b) 該イオン交換マトリクスを第1の緩衝液で洗浄する工程; (c) 実質的に単分散のヘモグロビン様溶液を得るために、該イオン交換マト リクスを、該第1の緩衝液と同じであり得るかまたは異なり得る第2の緩衝液で 溶出する工程、 を包含する方法。 29.前記イオン交換マトリクスが陰イオン交換マトリクスである、請求項2 4に記載の方法。
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