【発明の詳細な説明】
水性爪用ラッカー
本発明は爪用ラッカー、特に、水性ニトロセルロース基質ラッカーに関するも
のである。
従来の爪用ラッカーは、高度に活性のエステル基質溶媒系にエステル溶解性ニ
トロセルロース系皮膜形成物質を溶解したものを用いている。一般に、活性溶媒
系は油性であり、水と相溶性ではない。水は、乳化剤を用いたラッカーにのみ加
えることができる。事実、水が従来の爪用ラッカー中に存在する時は、それは一
般に不純物と見なされ、それが曇った、不透明なラッカーを生じることがあり得
る。
多くの場合、水性不純物はほぼ1%程度存在する。これより高いレベル、例え
ば10%程度の水不純物は一般に容認されない。なぜなら、その爪用ラッカーはそ
れによって曇り、乾燥時間も減じることがあり得るからである。従って、標準的
な爪光沢製剤における水の存在は、痕跡量を越えるときは容認されていない。
US-A-5284885には、水相とラッカー相から成る水性ニトロセルロース乳化
液が記載されている。また、US-A-5102654には、水相とラッカー相から成る
ニトロセルロース基質乳化液組成物が記載されている。
US-A-4402935には、ラッカーの湿潤性を改善するために、ニトロセルロー
スと、ポリビニル・ブチリル樹脂、水及び尿素の組合
わせとから成る爪用ラッカーが開示されている。
US-A-4158053には、ニトロセルロースの代わりに水性乳化液ポリマーを包
含する爪用ラッカーが開示されている。
先行技術における水性乳化液基質組成物は、時間と共に相分離を起こして、魅
力に乏しい、劣悪な製品となる、という危険性のために、不満足である。
着色爪用ラッカーは一般に、固体成分を懸濁させるために懸濁剤又はシックナ
ーを必要とする。ほとんどの従来の爪用ラッカー製剤は、ベントン(bentone)
などのクレイ系シックナーを活用しており、それが、トルエンなどの揮発性の水
不混和性溶媒中に分散している。
トルエンは、最近の爪用ラッカー製剤において最も毒性の溶媒であり、溶媒規
制法の元で有害なものと指定されている。しかし、ベントナイト系懸濁剤は高度
活性エステル溶媒系と高度に両立し、従って好ましいものである。
それにも関わらず、ベントナイト類は、動物由来の被覆物ではないというある
程度の短所を有しており、従って一部の使用者にとって魅力に乏しいものである
とされる場合がある。
従って、標準的な爪用ラッカーには、揮発性で、毒性のあり得る有機成分が比
較的高い量で必要である。この有機成分は一般に、ラッカー中のニトロセルロー
ス及びクレイを可溶化するための可溶化剤として用いられる。
既知の爪用ラッカーにおいては高い割合の有機成分が用いられていることから
、安全性管理を必要とするために、製造工程は複
雑で経費を要するものである。その上、得られるラッカーが可燃性で、潜在的に
毒性である。加えて、揮発性の有機成分を使用しているために、爪用ラッカー製
剤は不快な臭いを発し、それが使用者にとって魅力に乏しいものとなる場合があ
る。
先行技術におけるラッカーは、特に乳化剤の存在しない場合に、一般に水と両
立しないことから、多くの水溶性の爪用ベネフィット剤(nail benefit agent)
は、全く使用できないか、ごく低いレベルでのみこのラッカーに加えることがで
き、あるいは、機能的に等しいが油性の有機ベネフィット剤によって置き換えら
れる。例えば、従来技術におけるラッカーはしばしば、不快な副作用を有するこ
とのある非揮発性有機成分を含んでいる。例えば、爪強化剤として用いられるフ
ォルムアルデヒドである。
端的に言えば、前記のような非水性製剤の短所の少なくとも一部を排除するよ
うな水性爪用ラッカー製剤を製造する試みが企てられている。しかし、得られた
乳化液は、流動性において劣ることが知られており、前記のように、放置すれば
分離するようなラッカーを生じることが多い。
本発明の目的は、水の含有量が多く、揮発性有機成分の含有量が少なく、動物
由来の成分が少ない基質溶液を包含する水性爪用ラッカーを提供することにある
。
本発明の更なる目的は、水性溶液と相溶性の、クレイ不含懸濁液系を有する爪
用ラッカーを提供することにある。
上記のような諸目的は、水含有量が1ないし20%のセルロース基質爪用ラッカ
ーを提供することによって達成される。このセル
ロースは、アルコール可溶性ニトロセルロースを包含する。
好ましくは、水含有量は8ないし20%である。この組成物は少なくとも1種の
アルコールを包含することが適当である。好ましくは、この組成物は8ないし50
%のエタノール、更に好ましくは10%より多くのエタノールを包含する。
本組成物は、懸濁剤、好ましくはシリケート系懸濁剤、更に好ましくは疎水性
シリケートを包含することが適切である。特に、本発明の組成物はクレイ不含で
あり、動物由来の原料を排除するものである。従って、本組成物はトルエン不含
であり、従って危険な有機成分の含有量を少なくしたものである。
本発明の組成物は1-20%の水と高レベルのエタノールとを含む。
特に本発明は、アルコール可溶性ニトロセルロース、可塑剤、このニトロセル
ロースを溶解するための活性溶媒、並びに、このニトロセルロース、この活性溶
媒及びこの水に対して可溶性であって水性爪用ラッカー溶液を形成するような架
橋溶媒を包含する水性爪用ラッカーを提供するものである。好ましくは、この活
性溶媒はエステルである。更に好ましくは、このエステルは、酢酸エチル及び酢
酸ブチル、あるいはそれらの混合物より成る群から選ばれた酢酸エステルである
。
この架橋溶媒はアルコールであることが適切である。このアルコールは、イソ
プロピル・アルコール、メトキシプロパノール、エタノール、及びそれらの混合
物より成る群から選ばれることが有利である。その代わりに、あるいはそれに加
えて、この架橋溶媒はプロピレン・グリコール・モノプロピル・エーテルを包含
す
る。好ましくは、この爪用ラッカーは更に非クレイ基質の懸濁剤を包含する。更
に好ましくは、この懸濁剤は疎水性の蒸散シリカ(fumed silica)である。この
爪ラッカーは更に爪用ベネフィット剤を包含することが適切である。
本発明はまた、7%ないし25%のアルコール可溶性ニトロセルロース、このニ
トロセルロースのための可塑剤、20%ないし40%の、このニトロセルロースを溶
解するための活性溶媒、10%ないし50%の架橋溶媒及び少なくとも1%の水を包
含し、この架橋溶媒が、このニトロセルロース、この活性溶媒及びこの水に対し
て可溶性である水性爪用ラッカーを提供するものである。このラッカーは、20%
ないし40%の架橋溶媒を包含することが適切である。好ましくは、この爪用ラッ
カーは1%ないし20%の水を包含する。
このニトロセルロースは一次皮膜(primary film)を形成し、容易に流動して
十分な光沢のある皮膜を生成し得るような化粧用爪用ラッカー組成物の製造を可
能にする粘度を有するべきであろう。このニトロセルロースは全く中性であるべ
きであろう。非中性のニトロセルロース組成物は指爪を損ない、爪用ラッカーの
色付けに用いる顔料に損傷を与えるかも知れない。
ニトロセルロースの溶解特性はその窒素含有量によって定まる。本発明の爪用
ラッカーにはアルコール可溶性のニトロセルロースが用いられる。このアルコー
ル可溶性ニトロセルロースは10.9%ないし11.7%の窒素を含むことが好ましい。
特に好ましいアルコール可溶性ニトロセルロースは、ハーゲド
ルン(Hagedorn)から入手できるAH25/IPA及びICIから入手できるDH
L8/13である。
本発明の爪用ラッカーにおいて用いられるアルコール可溶性ニトロセルロース
は、柔軟な、光沢ある、良好な可塑性を有する爪用ラッカーを与える。
本発明の爪用ラッカーにアルコール可溶性ニトロセルロースを用いれば、エス
テル可溶性ニトロセルロースによって可能なよりも低いレベルの活性溶媒ですむ
。用いるアルコール系架橋溶媒のレベルは、部分的に、ニトロセルロースにおけ
る窒素のレベルによって決まる。即ち、アルコール可溶性が減じるに従って、必
要な活性溶媒のレベルは増加する。
本発明の架橋溶媒系と組み合わせてアルコール可溶性ニトロセルロースを用い
れば、活性有機溶媒の含有量の少ない、皮膜形成性の改善された爪用ラッカーが
得られる。
本発明の活性溶媒系はエステル系溶媒を包含する。適切なエステル類には、酢
酸エチル及び酢酸ブチルが含まれる。一般に、このエステルは組成物の20%ない
し40%存在する。
可塑剤は、重量で組成物の約5%と約10%との間で存在するのが適当である。
適切な可塑剤にはフタル酸ジブチル、樟脳、シュクロース・アセテート、イソブ
チレート、及びひまし油が含まれる。
架橋溶媒はアルコールであることが好ましい。本発明において使用して適切な
アルコールは、アルコール可溶性ニトロセルロース及び水と相溶性のものである
。実例としては、メトキシプロパ
ノール、エタノール、及びイソプロピル・アルコール、ならびにそれらの混合物
が含まれる。その代わりに、あるいはそれに加えて、プロピレン・グリコール・
モノプロピル・エーテルを用いることができる。
サトウキビなどの天然資源からのアルコールも本発明の水性爪用ラッカーに用
いることができる。環境的に不都合なものと考えられている石油資源系アルコー
ルよりも、天然資源からの発酵アルコールの方が好ましいことがある。
前述のように、本発明で用いられるアルコールのレベルは、大幅に、ニトロセ
ルロースのアルコール溶解性によって、従って、活性有機溶媒系のレベルが減じ
られる程度によって決まる。このアルコールは、少なくとも10%、好ましくは10
ないし50%、更に好ましくは20ないし40%のレベルで存在するのが適当である。
一般に、架橋溶媒のレベルも、本爪用ラッカーに必要な最終流動性によって決ま
る。
本発明の爪用ラッカー溶液は高レベルの水を有する。一般に、本爪用ラッカー
は1%ないし20%、好ましくは組成物に対して重量で4%ないし12%、最も好ま
しくは7.5%ないし8.5%の全水含有量である。この水は組成物に別個に加えても
よく、ラッカーの他の成分、例えばアルコール類における不純物又は溶媒として
存在することもあり得る。
本爪用ラッカー溶液に加える水の最適レベルも、部分的には、ニトロセルロー
スのアルコール可溶性、並びに、活性溶媒及び架橋溶媒それぞれのレベルによっ
て決まる。
ニトロセルロース基質爪用ラッカーには一般に可塑剤も含まれる。適切な可塑
剤には、ひまし油、樟脳、粗製ひまし油、フタル酸ジブチル、及び燐酸トリクレ
ジルが含まれる。この可塑剤は単独で、あるいは組み合わせて使用することがで
きる。
一般に、本発明の爪用ラッカーは鮮明あるいは透明である。
本発明の爪用ラッカーは、ラッカー溶液中の固体成分を懸濁させるための非ク
レイ懸濁剤をも含むことができる。
適切な懸濁剤には、疎水性又は蒸散性のシリカのようなシリケート類が含まれ
る。このシリケート系懸濁剤は、好ましくは110-260m2/g、更に好ましくは110+/
-202m/gの表面積を有する。粒度は、7ないし18nmの範囲、好ましくは12ないし1
8nm、もっとも好まし<は16nmである。適切な懸濁剤の一例は、デグッサ(Degu
ssa)から入手し得るAerosil R872(商標)である。
疎水性シリケート類が好ましい。なぜなら、親水性シリケートは、艷消し剤(
matting agent)として作用するので、分散困難で、光沢を減じることが知られ
ているからである。
シリカ系懸濁剤は、先行技術における爪用ラッカー組成物では好まれていない
。それは、このものが、艷消し効果を発揮し、現在の非水性爪用ラッカー製剤の
水不混和溶媒のせいで分散困難であることが知られているからである。従って、
このシリカの懸濁効果は劣っていることが知られており、爪用ラッカー製剤では
クレイ系を使用せざるを得なかったのである。
しかし、本発明の水性爪用ラッカーでは、低粘度の懸濁液を生じるようなシリ
ケートを使用することができ、それによって、先
行技術における爪用ラッカー組成物に比べて高い固体レベルをこの爪用ラッカー
組成物に加えることができる。クレイ系懸濁剤は高い粘度の製品を生じ、それに
よって例えば低レベルのニトロセルロース、可塑剤、又は顔料など、低固体含有
量が必要となる。
従って、本発明の爪用ラッカーで用いられる懸濁液系では、これまでより高い
レベルのニトロセルロースを使用することができ、これによって皮膜形成性が強
化され、光沢が増し、これまでより厚い爪皮膜が得られる。
本発明の爪用ラッカーはまた二次的樹脂(secondary resin)を含むことがで
きる。ニトロセルロースと両立する適切な二次的樹脂には、ベンゾイン、Damar
(商標)、エステル・ガム、ポンティアナク、サンダラック、セラック、並びに
、アルキル、アクリレート、及びメタクリレート基質樹脂やポリエステル樹脂な
どの合成樹脂が含まれる。ポリエステル樹脂が好ましい二次的樹脂である。その
他の二次的樹脂には、ナイロン・アクリレート共重合体樹脂、及びナイロン/ア
クリレート/アクリロニトリル共重合体が含まれる。
本発明のラッカーには爪用ベネフィット剤を容易に加えることができる。水溶
性添加剤が特に適切である。例えば、パンテノールのような爪成長促進成分、グ
リオキザールのような爪強化剤、カルシウムのような他の爪用ベネフィット剤、
及び紫外線吸収剤、ビタミン類、湿潤剤である。爪用ベネフィット剤は一般に、
比較的低レベルでこの爪用ラッカーに加えられる。一般には0.0001%ないし1%
である。
本発明の爪用ラッカー製剤には、このラッカーの潜在的色調範囲を増大させる
ために、水溶性染料をも使用することができる。
本発明の爪用ラッカーの溶媒系の利点は、先行技術の不透明な乳化液に比べて
、放置しても分離しない鮮明な溶液の形態であるということである。すなわち、
活性溶媒系、架橋溶媒及び水が溶液を形成している。
この溶媒系は、先行技術のエステル可溶性ニトロセルロースとは全く異なり、
アルコール可溶性のニトロセルロースと両立するものである。更には、このアル
コール可溶性ニトロセルロースは最終ラッカーに高度の柔軟性、可塑性及び光沢
を与える。
本発明の主要な利点は、高レベルの水を含み、溶媒が溶液の形態であるような
爪用ラッカーが提供されることである。架橋溶媒あるいは溶液は、ニトロセルロ
ースのための活性溶媒と水との間のアルコールによって与えられる。従って、本
発明の爪用ラッカーは、乳化液の形態ではなく、放置しても分離現象を起こすこ
とはない。
架橋溶媒を用い、アルコール可溶性ニトロセルロースを用いることによって、
この組成物に必要な揮発性有機成分、例えば、一般に爪用ラッカー組成物に必要
とされる活性溶媒系のレベルが減じられる。
本発明の爪用ラッカーにおいては、炭化水素系成分が、架橋溶媒として作用す
る高レベルのアルコールによって置き換えられる。
得られる爪用ラッカーは鮮明で、高レベルの水は、先行技術の乳化剤の場合の
ような曇りを生じることはない。 先行技術にお
ける爪用ラッカー組成物はエステル可溶性ニトロセルロースを用いており、それ
によって、溶解のために高レベルの有機溶媒が必要となる。しかし、本発明のア
ルコール可溶性ニトロセルロース及びアルコール系架橋溶媒の組合わせによって
、必要な有機溶媒のレベルを箸しく減じることができる。
本発明の爪用ラッカーは、先行技術の爪用ラッカーに比べて、必要な揮発性有
機成分のレベルを20%減じることができる。従って、美的な、消費者及び生産へ
の恩恵の他に、本発明の爪用ラッカーは、先行技術の製剤に比べて、箸しい環境
的恩恵を与える。
本発明の架橋溶媒系によって、非クレイ基質の懸濁液系が使用できるようにな
る。
好ましいシリカ基質懸濁剤の利点は、それが低粘度の懸濁剤である点にあり、
それによって、ベントナイト又はヘクトライトを用いて可能なよりも高いレベル
の固体をこの爪用ラッカー組成物に加えることができる。
しかし、シリカ基質懸濁液系を用いることによって、クレイのために必要なト
ルエン型溶媒を使用する必要がなくなり、それによって、本発明の爪用ラッカー
の環境的利点は更に増大する。
クレイの不存在によって低粘度の溶液となり、それによって、従来の爪用ラッ
カーにおける25-30%に対して、30%以上、好ましくは33-38%の固体含有量が可
能となる。この高固体含有量と高水含有量との組合わせによって、新しい系にお
ける全溶媒含有量は、従来の爪用ラッカーにおける72%に対して、約58%となる
。
水は先行技術のラッカーとは両立しない。それは、このような系における水の
存在が乾燥時間を遅くするからである。
意外なことに、本発明の爪用ラッカーには、先行技術の製剤において予想され
るものとは反対に、乾燥時間に悪影響を及ぼすことなく、水を加えることができ
ることを我々は見い出した。
また、本発明の爪用ラッカーは爪からの水分損失を減じ、爪の柔軟性を改善す
ることが見い出され、また、爪の強度を改善することが見い出された。この湿潤
化効果が、柔軟性を維持し、爪の構造における脆さを減じる助けとなるものと考
えられる。
本爪用ラッカーにおける高水含有量によって、例えばグリオキザールのような
水可溶性爪用ベネフィット剤の爪用ラッカーへの溶解が容易となる。
出願人は何らかの理論によって拘束されることを望まないが、本発明の爪用ラ
ッカーによって示される湿潤化効果は、アルコール可溶性ニトロセルロースによ
って形成される皮膜格子(filmlattice)の中の水分子の捕獲によるものと考え
られる。
この捕獲された水分分子が湿潤効果を与える。更には、この捕獲水分子が、爪
用ベネフィット剤、特にグリオキザールのような水可溶性ベネフィット剤を効果
的に爪に運び得る媒介物となるものと考えられる。
更に、本発明の爪用ラッカーによって示される高度の柔軟性は、乾燥した時に
生じる格子構造によってもたらされるものかも知れない。
本発明の爪用ラッカーにはフォルムアルデヒドは含まれていな
い。フォルムアルデヒドは、炎症、皮膚領域近くの硬化及び/又は角様構造の形
成、などの望ましからぬ副作用を生じることが示されている。更に、フォルムア
ルデヒドは、特に皮膚の神経細胞及び毛細管に、危険な毒性作用を与えることが
ある。
その代わりに、本発明のアルコール/水系爪用ワニス製剤は、フォルムアルデ
ヒドでなく、爪用強化剤として、高レベルのグリオキザールの使用を可能にする
。本発明の化粧品組成物におけるグリオキザールの量は、水性ニトロセルロース
基質爪用ラッカー調製剤に加える場合に約0.0001-1%である時に効果的である
ことが知られた。従って、水性溶媒系の使用によって、本製剤におけるグリオキ
ザールの恩恵的効果を得るために、高レベルのグリオキザールを用いることがで
きる。
ここに、本発明の態様を以下の実施例によって説明する。
実施例
先行技術における代表的なニトロセルロース基質爪用ラッカー組成物は以下の
成分を含む。
ニトロセルロース (7-25%、更に好ましくは10-18%
もっとも好ましくは12-16%)
二次的樹脂 (2-8%)例えば、トルエンスルホン
アミド・フォルムアルデヒド樹脂、ア
クリレート共重合体、ポリエステル。
可塑剤 (2-8%)例えば、フタル酸ジブチル、
樟脳、シュクロース・アセテート、イ
ソブチレート、ひまし油。
溶媒 (55-80%、更に好ましくは65-80
%)例えば、トルエン、酢酸ブチル、
酢酸エチル、イソプロピル・アルコー
ル。
その他の選択的な成分には次のものが含まれる。
シックナー剤及び懸濁剤 (0.05-5%)例えば、有機的に変性
したスメクタイト、ヘクトライト、ベ
ントナイト、モンモリロナイト・クレ
イ。
紫外線吸収剤 例えば、ドロメトリアゾール
(Drometriazole)、ベンゾフェノン。
色素 例えば、酸化鉄、二酸化チタン、フェ
ロシアン化鉄(III)、及び、D&C
イエローNo5アルミニウム・レーキ
及びD&CレッドNo6バリウム・
レーキのような有機レーキ。
装飾用材料 例えば、チタニウム被覆雲母、ビスマ
ス・オキシクロライド、マイラーグリッ
ター(Mylar Glitters)。
代表的な例は次のものである。
比較実施例1(従来技術における爪光沢製剤)
酢酸ブチル 24-40%
トルエン 16-30%
酢酸エチル 4-12%
イソプロピル・アルコール 2-6%
ブタノール 2-6%
フタル酸ジブチル 4-12%
ニトロセルロース 8-20%
トルエン・スルホンアミド・
フォルムアルデヒド樹脂 4-12%
アクリレート共重合体 0.05-1%
紫外線吸収剤 0.1%末満
樟脳 0.4-1.5%
ステアロアルコニウム・ヘクトライト 0.4-1.5%
チタニウム被覆雲母 1.5-2.5%
D&CイエローNo5
アルミニウム・レーキ 0.02-0.1%
D&CレッドNo.6バリウム・レーキ 0.01-0.1%
粘度: 初期 3000-3600 cps
高せん断(high shear) 800-1000 cps
回復(recovery) 1500-2000 cps
水分余有量: 0.5%末満
固体含有量: 26-28%
上記の諸成分を通常の方法で一緒に混合して、低水分含有量、高揮発性有機物
含有量、低固体含有量の標準爪用ワニスを形成させた。
実施例2:本発明の着色爪用ラッカー
粘度: 初期 1000-1400 cps
高せん断 400- 600 cps
回復 900-1200 cps
水分含有量: 7-10%
固体含有量: 32-38%
上記の成分を次のようして混合した。
1. ステンレス鋼製混合容器にフタル酸ジブチル、酢酸ブチル、
酢酸エチル、エタノールの半量、ポリエステル樹脂及びア
ジピン酸イソプロピルを仕込んだ。混合機を起動し、充分
撹拌しながら次の成分を加えた。
ニトロセルロース、樟脳、紫外線吸収剤。
この混合物を撹拌して完全に溶解させた。
次いで、高せん断混合によって、あるいはビーズ内包ミル
系によって、シリカを加え、光沢ある最適状態の分散液を
得た。
2. 残余のエタノール、脱イオン水及びポリソルベート20を
配合し、フェーズ1に徐々に加え、その間、水によるニト
ロセルロースの沈降を阻止するために混合を行った。
3. 残余の成分を加え、撹拌して均質化した。
実施例3:鮮明な爪用ラッカー
成分 重量%
エチルアルコール 20-40%
酢酸エチル 10-20%
ニトロセルロース 10-20%
酢酸ブチル 10-20%
フタル酸ジブチル 5-10%
ポリエステル樹脂 5-10%
脱イオン水 5-10%
イソプロピル・アルコール 5-10%
樟脳 0.1-1%
アジピン酸ジイソプロピル 0.1-1%
ポリソルベート20 0.1-1%
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン <0.1%
グリオキザール 0.01-1%
D-パンテノール 0.01-1%
乳酸 0.01-1%
酢酸トコフェロール 0.01-1%
絹加水分解物 0.01-1%
パンテノン酸カルシウム 0.01-1%
粘度: 250-350 cps
水分含有量: 7-10%
固体含有量: 32-38%
上記の諸成分を次のように混合した。
1. ステンレス鋼製混合容器に、フタル酸ジブチル、酢酸ブチ
ル、酢酸エチル、エタノールの半量、ポリエステル樹脂溶
液及びアジピン酸イソプロピルを仕込んだ。混合機を起動
し、十分撹拌しながら次の成分を加えた。
ニトロセルロース、樟脳、紫外線吸収剤。
混合物を撹拌して完全に溶解させた。
2. 残余のエタノール、脱イオン水及びポリソルベート20を
配合し、フェーズ1に徐々に加え、その間、水によるニト
ロセルロースの沈降を阻止するために混合を行った。
3. 残余の諸成分を加え、撹拌して均質化させた。
実施例4
本発明の代表的な爪用ラッカー製剤は次のようなものである。
成分 重量%
プロピレン・グリコール・
モノプロピル・エーテル 27.00%
酢酸エチル 15.00%
ニトロセルロース 14.00%
酢酸ブチル 15.00%
フタル酸ジブチル 6.00%
脱イオン水 8.00%
イソプロピル・アルコール 5.5%
ポリエステル樹脂 6.0%
nブタノール 1.1%
樟脳 1.0%
アジピン酸ジイソプロピル 0.5%
ポリオキシエチレン20ソルビタン
モノラウレート 0.5%
グリオキザール、酢酸トコフェノール、
2,4-ジヒトロキシベンゴフェノン、酢酸
トコフェロール、2,4-ジヒドロキシベン
ゾフェノンを含む種々の成分 0.4%
水酸化カリウム QS
染料 QS
固体: 31-34%
水分: 6-8%
比重: 0.97-0.99
色調: 標準
引火点: 6℃
粘度: 270-330 cps
pH: 6.5-6.8
実施例5:爪強化特性
実施例4のラッカーの爪強化特性を比較実施例1のラッカーと比較するために
、下記の実験を実施した。
この実験の目的は、実施例4のラッカーと比較実施例1のラッカーを用いて、
処理の前と後のヒトの指爪の強度を測定するものであった。
この方法では、実験室内で、温度及び相対湿度を制御した環境の元で、インス
トロン引っ張り試験機(Instron Tensile Tester)で切り取って、ヒトの指
爪の堅さ(stiffness)を測定した。
原材料と方法
供試製品は次のものであった。
比較実施例1のラッカー
実施例4のラッカー
ヒトの指爪を横方向に、長さ7mm、幅3mmの矩形短冊状に切った。各指爪はそ
れ自身を対照にして用いた。サンプル量は、製品当たり指爪15片であった。
試験法TR-170は、インストロン・モデル4501ユニバーサル・テスティング・
インスツルメント(Instron Model 4501 Universal
Testing Instrument)を用いて、各指爪に対して荷重対偏位(応力/ひずみ)
曲線を求めた。この操作には、ビョルクステン・フレクシャー・アパラタス(B
jorksten Flexure Apparatus)を用いた。これは本質的に小型の三点曲げ屈曲
器である〔Maloney MJ,Paquette EG and Shansky A,The Physical pr
operties of fingemails,l.Apparatus for physical measurements,J.Soc.C
osmet.Chem.28:415-425(Augst1977)〕。コンピューターでデータの収集と計
算を制御した。各指爪の堅さ、あるいは強度は、応力/歪み曲線の傾斜を測定し
て決定した。指爪は吸湿性であるために、試験は全て、21℃、相対湿度20%の環
境制御のもとで行った。
各指爪の強度は、48時間この条件で平衡化させた後に測定した。次いで、各爪
の表と裏の表面に、各製品ごとにブラシで一被覆を塗布した。18時間乾燥させた
後、強度を測定した。
データを各表に掲げ、添付の図面に示した。第1表は処理前後の実際の堅さ、
又は強度を示し、第2表及び第1図は、処理の関数としての変化百分率を示す。
結論
比較実施例1のラッカーを一度塗布すれば、指爪の強度は15%増加した。実施
例4のラッカーを一度塗布すれば、強度は28.8%増加し、爪の強度はほぼ2倍に
強化された。効果は、90%信頼区間で統計的に有意義であった。
実施例6:湿潤効果
実施例5で試験した製剤の湿潤性を比較した。
次のようなプロトコールに従った。
実験開始の1時間前に、環境制御室をヒトの皮膚表面温度(37℃)、相対湿度
20%に定めた。この研究期間中、この条件を維持した。必要な温度が得られたな
ら、3個のガラス製ビーカー(250 ml)に水(200 ml)を満たした。次いで、水
の入った各ビーカーを覆った。第1のビーカーは、試験品のない耐溶媒性の基質
(comfeel)で覆った(対照)。第2のビーカーは、供試爪光沢剤の皮膜で被覆
した耐溶媒性基質で覆った。第3のビーカーは、対
照光沢剤の薄膜で被覆した耐溶媒性基質で覆った。各ビーカーを秤量した。もし
、耐溶媒性基質に爪光沢剤を被覆したものの装置の重量が対照のものよりも重い
場合は、数滴の水を対照ビーカーに添加して、全てのビーカーの重さが同じにな
るようにした。覆った3個のビーカーをベンチ/テーブル上に置き、環境制御室
に24時間放置した。0,4,8,12,16及び24時間後に重量を計った。
爪光沢剤の薄膜を通して水分が伝送される率は、水の蒸発の結果として装置の
重量減少によって明らかにされた。
もし、爪光沢剤の皮膜で被覆した耐溶媒性基質によるもののこの率が20%減少
しているなら、爪からの水分損失が少なく、爪が湿潤化されたままになっている
ものと結論できるであろう。
試験は31℃、30%(相対湿度)で行った。
第3表で示した結果は、本発明の爪用ラッカーの湿潤性における顕箸な改善を
示している。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK
,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,
MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R
U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR
,TT,UA,UG,US,UZ,VN