【発明の詳細な説明】
プロテインキナーゼCのハロ置換阻害剤
プロテインキナーゼC(PKC)はセリン/スレオニンキナーゼとして機能す
る一群の近縁な酵素からなる。プロテインキナーゼCは細胞−細胞信号伝達、遺
伝子発現、および細胞分化および成長の制御に重要な役割を演じている。現在、
PKCのアイソザイムは少なくとも10種類が知られており、組織分布、酵素的
特異性、および調節に差異が認められる。Nishizuka,Y.著、Annu.Rev.Bioche
m.、58巻:31〜44頁(1989年);Nishizuka,Y.著、Science、258
巻:607〜614頁(1992年)。
プロテインキナーゼCのアイソザイムは単一鎖のポリペプチドであって、その
長さは592から737アミノ酸の範囲内にある。これらのアイソザイムはリン
カーペプチドによって結合されている調節ドメインおよび触媒ドメインを含む。
調節および触媒ドメインはさらに定常領域と可変領域に副分類できる。プロテイ
ンキナーゼCの触媒ドメインは他のプロテインキナーゼに見られるものと非常に
類似しているが、一方では、調節ドメインはPKCアイソザイムに独特である。
PKCのアイソザイムはその群の間ではアミノ酸のレベルで40%から80%の
相同性を示す。しかしながら、各アイソザイムの異種間相同性は一般的に97%
よりも大である。
プロテインキナーゼCは膜会合酵素であって、膜燐脂質、カルシウムおよび、
たとえばホスホリパーゼの活性に応答して遊離されるジアシルグリセロールのよ
うなある種の膜脂質を含む種々の因子によってアロステリックに調節される。Be
ll,R.M.とBurns,D.J.、J.Biol.Chem.、266巻:4661〜4664頁
(1991年);Nishizuka,Y.著、Science、258巻:607〜614頁(1
992年)。プロテインキナーゼCのアルファ、ベータ−1、ベータ−2、およ
びガンマ型アイソザイムの完全な活性化には膜燐脂質、カルシウム、およびジア
シルグリセロール/ホルボールエステルを必要とする。PKCのデルタ、イプシ
ロン、イータ、およびシータ型の活性化モードはカルシウム非依存的である。
ゼータおよびラムダ型のPKCはカルシウムおよびジアシルグリセロールの双方
に非依存的であって、それらの活性化には膜燐脂質のみを必要とすると信じられ
ている。
ある種の病状にはプロテインキナーゼCアイソザイムの1種または2種のみが
関与することもある。例えば、糖尿病で見られる血糖レベルの上昇は血管組織内
にあるベータ−2型アイソザイムのアイソザイム特異的な上昇を誘導する。Inog
uchiほか著、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89巻:11059〜11065頁
(1992年)。ヒトの血小板内における糖尿病に関与するベータ型アイソザイ
ムの上昇は作動剤に対するそれらの反応性の変化に関連付けられている。Bastyr
III,E.J.とLu,J.著、Diabetes、42巻:(補1)97A(1993年)。
ヒトのビタミンD受容体はプロテインキナーゼCベータによって選択的に燐酸化
されることが示された。この燐酸化はこの受容体の機能性の変化に関連付けられ
ている。Hsiehほか著、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、88巻:9315〜93
19頁(1991年);Hsiehほか著、J.Biol.Chem.、268巻:15118
〜15126頁(1993年)。これに加えて、最近の研究によればベータ−2
型アイソザイムは赤白血病細胞の増殖を起こすが、一方、アルファ型アイソザイ
ムは同じ細胞で巨核球への分化に関与することが示されている。Murrayほか著、
J.Biol.Chem.、268巻:15847〜15853頁(1993年)。
プロテインキナーゼCの各アイソザイムの遍在的な性格および生理学における
その重要な役割は高度に選択的なPKC阻害剤を創造する誘因を与える。各病状
へのある種のアイソザイムの関連を証明する証拠があれば、他種のPKCアイソ
ザイムおよび他種のプロテインキナーゼと比べて1種または2種のプロテインキ
ナーゼCアイソザイムを選択的に阻害する化合物が優れた治療剤であると推測す
ることは合理的である。そのような化合物はその特異性の結果として、高い効率
および低い毒性を示すものである。
微生物のインドールカルバゾールであるスタウロスポリンはプロテインキナー
ゼCの強力な阻害剤であって、この酵素の触媒ドメインに相互作用する。Tamaok
iほか著、Biochem.Biophys.Res.Commun.、135巻:397〜402頁(1
986年);Grossほか著、Biochem.Pharmacol.、40巻:343〜35
0頁(1990年)。しかしながら、この分子および近縁化合物は他種のプロテ
インキナーゼとの比較においてプロテインキナーゼCに対する特異性に欠けてい
るために治療的有用性は限定されたものである。Ruegg,U.T.とBurgess,G.M.
、Trends Pharmacol.Sci.、10巻:218〜220頁(1989年)。この選
択性の欠如はこの群の分子に容認できない毒性をもたらす。
スタウロスポリンに関連する化合物の別群であるビスインドールマレイミドの
研究が最近注目されている。Davisほか著、FEBS Lett.、259巻:61〜63
頁(1989年);Twoemyほか著、Biochem.Biophys.Res.Commun.、171巻
:1087〜1092頁(1990年);Toullecほか著、J.Biol.Chem.、2
66巻:15771〜15781頁(1991年);Davisほか著、J.Med.Chem
.、35巻:994〜1001頁(1992年);Bitetal著、J.Med.Chem.、3
6巻:21〜29頁(1993年)。これらの化合物のいくつかには他種プロテ
インキナーゼと比較してプロテインキナーゼCに対する特異性が証明されている
。
プロテインキナーゼCに対する特異性を示す化合物が複数見出されているが、
アイソザイム選択性に関しては殆ど知られていない。例えば、スタウロスポリン
のアイソザイム選択性を分析すると、他種アイソザイムのものと比較してゼータ
型アイソザイムの阻害が低いということを除けば、アイソザイム選択性は殆ど認
められない。50McGlynnほか著、J.Cell Biochem.、49巻:239〜250
頁(1992年);Ward,N.E.とO’Brian,C.A.Malec.Pharmacol.、41巻
:387〜392頁(1992年)。PKC選択的化合物である3−[1−(3
−ジメチルアミノプロピル)−インドール−3−イル]−4−(1H−インドー
ル−3−イル)−1H−ピロール−2,5−ジオンを研究した結果はカルシウム
依存性アイソザイムに対して僅かな選択性があることを示唆していた。Toullec
ほか著、J.Biol.Chem.、266巻:15771〜15781頁(1991年)
。その後の研究で、この化合物はベータ−1およびベータ−2型のアイソザイム
に対するものと比較して、アルファ型アイソザイムに対する選択性は差がないか
、またはあってもその差は僅であることが観察されている。Martiny-Baronほか
著、J.Biol.Chem.、268巻:9194〜9197頁(1993
年);Wilkinsonほか著、Biochem.J.、294巻:335〜337頁(1993
年)。
それ故、長年にわたる研究および他種プロテインキナーゼよりもプロテインキ
ナーゼCを阻害する一群の化合物が発見されたにも拘らず、治療的に有効なアイ
ソザイム選択的阻害剤に対する要請が現存している。アイソザイム選択的阻害剤
は虚血、炎症、中枢神経系障害、循環系疾患、皮膚科疾患および癌の処置に加え
て、糖尿病およびその合併症に関連する病状の処置に有用性を有する。
本発明の一態様は式I:
[式中、
R’は独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アル
コキシ、NR3R4、または−NHCO(C1〜C4−アルキル)である;
TはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいC1〜C4−アルキ
レンである;
WはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいC1〜C2−アルキ
レンである;
Jは式:
で示される基であるか、または
TおよびWの双方がメチレンである時にはJは基:
[式中、nおよびmは独立に1または2である]
から構成される群から選択される;
Xは酸素、硫黄、またはXが架橋する炭素原子間の結合である;
Yはハロ、C1〜C4−アルキルまたは水素である;
R1は水素またはC1〜C4−アルキルである;
Sは−CHOであるか、または式:
[式中、Mは水素、−CH2OR5、−CH2NR3R4または−NR3R4である;
R2は水素またはハロである;
Zは水素または−OR6である;
ここに、R3およびR4は独立に水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−
アルキル)、C1〜C4−アルカノイル、またはハロ(C1〜C4−アルカノイル)
であるか、またはR3およびR4はそれらと結合しているN原子とともに5員環ま
たは6員環を形成する;および
R5およびR6は独立して水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキ
ル)、C1〜C4−アルカノイル、またはハロ(C1〜C4−アルカノイル)である
か、または両者結合して基:−CR7R8−[式中、R7およびR8は独立に水素、
C1〜C4−アルキル、またはハロ(C1〜C4−アルキル)であるか、またはR7
およびR8はそれらと結合しているC原子とともに5員環または6員環を形成す
る]から構成される群から選択される2価の基を形成する]
で示される基である;
但し、Y、S、TまたはWの中の少なくとも1個はハロまたはハロ置換された
基であるか、またはTおよびWが双方ともメチレンであるものとする]
で示されるPKC阻害剤である。
本発明の別種の態様に従えば、式II:
[式中、
R’は独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アル
コキシ、NR3R4、または−NHCO(C1〜C4−アルキル)である;
Vは酸素または−(N−CH3)−である;
TはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいC1〜C4−アルキ
レンである;
WはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいC1〜C2−アルキ
レンである;
Jは式:
で示される基であるか、または
TおよびWの双方がメチレンである時にはJは基:
[式中、nおよびmは独立に1または2である]
から構成される群から選択される;
Xは酸素、硫黄、またはXが架橋する炭素間原子結合である;
Yはハロ、C1〜C4−アルキルまたは水素である;
Sは−CHOであるか、または式:
[式中、Mは水素、−CH2OR5、−CH2NR3R4または−NR3R4である;
R2は水素またはハロである;
Zは水素または−OR6である;
ここに、R3およびR4は独立に水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−
アルキル)、C1〜C4−アルカノイル、またはハロ(C1〜C4−アルカノイル)
であるか、またはR3およびR4はそれらと結合しているN原子とともに5員環ま
たは6員環を形成する;および
R5およびR6は独立して水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキ
ル)、C1〜C4−アルカノイル、またはハロ(C1〜C4−アルカノイル)である
か、または両者結合して基:−CR7R8−[式中、R7およびR8は独立に水素、
C1〜C4−アルキル、またはハロ(C1〜C4−アルキル)であるか、またはR7
およびR8はそれらと結合しているC原子とともに5員環または6員環を形成す
る]から構成される群から選択される2価の基を形成する]で示される基である
;
但し、Y、S、TまたはWの中の少なくとも1個はハロまたはハロ置換された
基であるか、またはTおよびWが双方ともメチレンであるものとする]
で示される新規中間体も提供される。
本発明の一側面は約0.001モルから約1.5モル濃度の式:
[式中、
Vは酸素またはNCH3である;
R’は独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アル
コキシ、NR3R4、または−NHCO(C1〜C4−アルキル)である]
で示される化合物および約0.001モルから約1.5モル濃度の式:
L−T−J−W−L
[式中、Lは脱離基である;
TはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいC1〜C4−アルキ
レンである;
WはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいC1〜C2−アルキ
レンである;
Jは式:
で示される基であるか、または
TおよびWの双方がメチレンである時にはJは基:
[式中、nおよびmは独立に1または2である]
から構成される群から選択される;
Xは酸素、硫黄、またはXが架橋する炭素間原子結合である;
Yはハロ、C1〜C4−アルキルまたは水素である;
Sは−CHOであるか、または基:
[式中、Mは水素、−CH2OR5、−CH2NR3R4または−NR3R4である;
R2は水素またはハロである;および
Zは水素または−OR6である]
である;
式中、R3およびR4は独立に水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−ア
ルキル)、C1〜C4−アルカノイル、またはハロ(C1〜C4−アルカノイル)で
あるか、またはR3およびR4はそれらと結合しているN原子とともに5員環また
は6員環を形成する;および
R5およびR6は独立して水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキ
ル)、C1〜C4−アルカノイル、またはハロ(C1〜C4−アルカノイル)である
か、または両者結合して基:−CR7R8−[式中、R7およびR8は独立に水素、
C1〜C4−アルキル、またはハロ(C1〜C4−アルキル)であるか、またはR7
およびR8はそれらと結合しているC原子とともに5員環または6員環を形成す
る]から構成される群から選択される2価の基を形成する]
で示されるアルキル化剤および約0.5から約10当量のCs2CO3を約0.1
mL/時から約2.0mL/時の速度で極性非プロトン溶媒中で混合する段階を
包含する、式Iで示される化合物の製造方法である。
本発明の一態様に従えば式III:
[式中、
R1はC1〜C4−アルキルまたは水素である;
TはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいC2〜C4−アルキ
レンである;
WはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいエチレンである;
Xは酸素、硫黄、またはXが架橋する炭素原子間の結合である;
Yはハロ、C1〜C4−アルキルまたは水素である;
Sは−CHOであるか、または基:
[式中、Mは水素、−CH2OR5、−CH2NR3R4または−NR3R4である;
R2は水素またはハロである;および
Zは水素または−OR6である]
である;
式中、R3およびR4は独立して水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−
アルキル)、C1〜C4−アルカノイル、ハロ(C1〜C4−アルカノイル)である
か、またはR3およびR4はそれらと結合しているN原子とともに5員環または6
員環を形成する;
R5およびR6は独立して水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキ
ル)、C1〜C4−アルカノイル、ハロ(C1〜C4−アルカノイル)であるか、ま
たは両者結合して式:−CR7R8−[式中、R7およびR8は独立して水素、C1
〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキル)であるか、またはR7およびR8
はそれらと結合しているC原子とともに5員環または6員環を形成する]から構
成される群から選択される2価の基を形成する。
但し、Y、S、TまたはWの中の少なくとも1個はハロまたはハロ置換された
基であるものとする]
で示される化合物が提供される。
本発明の別の態様では式IV:
[式中、
Jは式:
[式中、
R1はC1〜C4−アルキルまたは水素である;
nおよびmは独立に1または2である;および
R3およびR4は独立して水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキ
ル)、C1〜C4−アルカノイル、またはハロ(C1〜C4−アルカノイル)である
か、またはR3およびR4はそれらと結合しているN原子とともに5員環または6
員環を形成する]
で示される基から構成される群から選択される]
で示される化合物を提供する。
本発明の態様に従えばPKC活性を阻害する方法が提供される。本方法は処置
を要する哺乳類に式Iで示される化合物の医薬的有効量を投与することを含む。
本発明はまた処置を要する哺乳類に式Iで示される化合物の医薬的有効量を投与
することを含むプロテインキナーゼCのベータ−1およびベータ−2型アイソザ
イムを選択的に阻害する方法も指向する。
本発明はさらに、たとえば虚血、炎症、中枢神経系障害、循環器疾患、皮膚科
疾患、および癌のようにプロテインキナーゼCが病理学に一定の役割を果たすこ
とが証明されている病状の処置法を提供する。本方法は処置を要する哺乳類に式
Iで示される化合物の医薬的有効量を投与することを含む。
この発明は糖尿病合併症の処置には殊に有用である。それ故、本発明はさらに
本方法は処置を要する哺乳類に式Iで示される化合物の医薬的有効量を投与する
ことを含む糖尿病の処置法を提供する。
この発明の別の側面の一つは医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤
の1種またはそれ以上とともに式Iで示される化合物を含む医薬製剤である。本発明の詳細な記載
前記の通り、本発明はプロテインキナーゼCを選択的に阻害する式Iで示され
る化合物を提供する。この発明の好適な化合物は式Iで示されるものであって、
基:−T−J−W−が原子4個から8個を含むものであって、これらは非置換で
あっても(ハロまたはアルキル基で)置換されていてもよい。最も好ましくは、
基:−T−J−W−は原子6個を含む。これとは別のこの発明の好適な化合物は
式Iで示される化合物であって、R1が水素であり、Jが基:
であるものである。これらの化合物の好適な一群は式V:
[式中、
R1はC1〜C4−アルキルまたは水素である;
TはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいC2〜C4−アルキ
レンである;
WはハロまたはC1〜C4−アルキルで置換されていてもよいエチレンである;
Xは酸素、硫黄、またはXが架橋する炭素原子間の結合である;
Yはハロ、C1〜C4−アルキルまたは水素である;
Mは水素、−CH2OR5、−CH2NR3R4または−NR3R4である;
R2は水素またはハロである;
Zは水素または−OR6である;
式中、R3およびR4は独立に水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−ア
ルキル)、C1〜C4−アルカノイル、ハロ(C1〜C4−アルカノイル)であるか
、またはそれらと結合しているN原子とともに5員環または6員環を形成する;
R5およびR6は独立して水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキル
)、C1〜C4−アルカノイル、ハロ(C1〜C4−アルカノイル)であるか、また
は両者結合して基:−CR7R8−[式中、R7は水素またはメチルである;R8は
C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキル)であるか、またはそれらが結
合しているC原子とともに5員環または6員環を形成する]から構成される群か
ら選択される2価の基を形成する;および
式中、Y、R2、Z、M、TまたはWの中の少なくとも1個はハロまたはハロ
置換された基であるか、またはさらに好適にはフッ素またはフッ素置換された基
である]
で示される化合物である。
式Vで示される好適な化合物にはXが酸素であり、R1が水素であり、Tが要
すれば置換されていてもよいC2〜C3−アルキレンであり、Wが置換されていて
もよいエチレンである化合物を包含する。好適にはTおよび/またはWはフッ素
基1個またはそれ以上で置換される。
本発明の別の態様では式VI:
[式中、
Jは式:
[式中、R1は水素またはC1〜C4−アルキルである;
nおよびmは独立に1または2である;および
R3およびR4は独立して水素、C1〜C4−アルキル、ハロ(C1〜C4−アルキ
ル)、C1〜C4−アルカノイル、またはハロ(C1〜C4−アルカノイル)である
かまたはそれらと結合しているN原子とともに5員環または6員環を形成する]
で示される基から構成される群から選択される]
で示される化合物が提供される。
用語「ハロ」または「halo」はフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを示す。
用語「C1〜C4−アルキル」は、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−
ブチル、その他のように環状、直線状、または分枝状鎖で炭素原子1個から4個
を有するアルキル基を示す。同様にして「C2〜C4−アルキル」は、環状、直線
状、または分枝状鎖で炭素原子2個から4個を有するアルキル基を表す。ハロア
ルキル基はハロ原子1個またはそれ以上、好ましくは1個から3個、で置換され
たアルキル基である。ハロアルキル基の一例はトリフルオロメチルである。C1
〜C4−アルコキシは−O−結合を介して共有結合的に結合するC1〜C4−アル
キル基である。
用語「C1〜C4−アルキレン」は式:−(CH2)r−[式中、rは1から4で
ある]で示される直線状鎖のアルキレン基である。C1〜C4−アルキレンの例は
メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンその他を包含する。同様に
「C2〜C4−アルキレン」は炭素数2個から4個の直線鎖アルキレン基である。
用語「C1〜C4−アルケニレン」は炭素数1個から4個で二重結合1個またはそ
れ以上、典型的には1個または2個、を含む直線状鎖炭化水素を表す。C2〜C4
−アルケニレン基の例にはエテニレン、プロペニレン、および1,3−ブタジエ
ニルを包含する。
用語「C1〜C4−アルカノイル」ではC1〜C4−カルボン酸のアシル残基を表
す。C1〜C4−アルカノイル基の例はアセチル、プロパノイル、ブタノイル、そ
の他である。ハロアルカノイル基はハロ原子1個またはそれ以上、典型的には1
個から3個、で置換されたアルカノイル基である。ハロアルカノイル基の一例は
トリフルオロアセチルである。
本明細書で使用する用語「脱離基」は当業者が理解するものである。一般には
脱離基はそれが結合している原子に置換反応用親電子性を強化する基または原子
である。好適な脱離基はトリフレート、メシレート、トシレート、イミデート、
塩化物、臭化物、およびヨウ化物である。
本明細書で使用する用語「カルボキシ保護基」(P)はその化合物にある他の
官能基で反応が進行している間はカルボン酸基を閉鎖または保護しておくために
通常採用されるカルボン酸基のエステル誘導体の一つを示す。採用するカルボキ
シ保護基の種類は誘導体となったカルボン酸が後続する条件下に安定であって、
適当な時点にその分子の残余の部分を崩壊させずに除去できる限り、限定的では
ない。T.W.Greeneおよびp.wuts著、「Protective Groups in Organic Synthe
sis(有機合成における保護基)」、John Wiley and Sons社、ニューヨーク、N.
Y.、1991年、第5章は通常採用される保護基を表示している。E.Haslam著、
「Protective Groups in Organic Chemistry(有機化学における保護基)」、J
.G.W.McOmie編、Plenum Press社、ニューヨーク、N.Y.、1973年も参照
。これに関連する用語には「保護カルボキシ」があって、これはカルボキシ保護
基で保護されたカルボキシ基を示す。
本明細書で使用する用語「ヒドロキシ保護基」(P)は化合物にある他の官能
基で反応が進行している間はヒドロキシ基を閉鎖または保護しておくために通常
採用されるヒドロキシ基のエーテルまたはエステル誘導体の一つを示す。採用す
るヒドロキシ保護基の種類は誘導体となったヒドロキシ基が後続する条件下に安
定であり、適当な時点にその分子の残余の部分を崩壊させずに除去できる限り、
限定的ではない。T.W.Greeneおよびp.wuts著、「Protective Groups in Orga
nic Synthesis(有機合成における保護基)」、John Wiley and Sons社、ニュー
ヨーク、N.Y.、1991年は通常採用される保護基を表示している。好適なヒ
ドロキシ保護基はt−ブチルジフェニルシリルオキシ(TBDPS)、t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ(TBDMS)、トリフェニルメチル(トリチル)、メ
トキシトリチル、またはアルキルエステルまたはアリールエステルである。これ
に関連する用語には「保護ヒドロキシ」があって、これはヒドロキシ保護基で保
護されたヒドロキシ基を示す。
本明細書で使用する用語「アミノ保護基」(P)は化合物にある他の官能基で
反応が進行している間はアミノ基官能基を閉鎖または保護しておくために通常採
用されるアミノ基の置換基を示す。採用するアミノ保護基の種類は誘導体となっ
たアミノ基が後続する条件下に安定であり、適当な時点にその分子の残余の部分
を崩壊させずに除去できる限り、限定的ではない。T.W.GreeneおよびP.Wuts
著、「Protective Groups in Organic Synthesis(有機合成における保護基)」
、第7章は通常採用される保護基を表示している。J.W.Barton著、「Protecti
ve Groups in Organic Chemistry(有機化学における保護基)」、第2章も参照
。好適なアミノ保護基はt−ブトキシカルボニル、フタリド、環状アルキル、お
よびベンジルオキシカルボニルである。これに関連する用語には「保護アミノ」
があって、これは前記定義のアミノ保護基で保護されたアミノ基を示す。
本明細書で使用する用語「−NH保護基」(P)は化合物にある他の官能基で
反応が進行している間は−NH基官能基を閉鎖または保護しておくために通常に
採用されるアミノ保護基の一群を示す。採用する保護基の種類は誘導体となった
アミノ基が後続する条件下に安定であって、適当な時点にその分子の残余の部分
を崩壊させずに除去できる限り、限定的ではない。T.W.GreeneおよびP.Wuts
著、「Protective Groups in Organic Synthesis(有機合成における保護基)」
、第7章、362〜385頁は通常採用される保護基を表示している。好適な−
NH保護基はカルバメート、アミド、アルキルスルホンアミドおよびアリールス
ルホンアミドである。これに関連する用語「保護−NH」は前記定義の−NH保
護基で置換された基を示す。
本明細書で使用する用語「医薬的有効量」は哺乳類でのPKC活性を阻害する
ことのできる本発明化合物の量を表す。この発明に従って投与される化合物の特
定用量は勿論、投与する化合物、投与経路、処置する個々の病状、およびこれら
と同様な配慮を含むその症例を巡る個々の環境によって決定されるものである。
本化合物は経口経路、直腸経路、経皮経路、皮下経路、局所経路、血管内経路、
筋肉内経路または鼻内経路を含む種々の経路によって投与できる。全ての徴候に
対して、この発明の活性化合物では典型的な日用量は約0.01mg/kgから
約20mg/kgを含むことになるものである。好適な日用量は約0.05から
約10mg/kg、理想的には約0.1から約5mg/kgとなるものである。
しかしながら、局所投与については典型的な用量は罹患組織平方センチ当り化合
物約1から約500μgである。好ましくは化合物の適用量は約30から約30
0μg/cm2、さらに好ましくは約50から約200μg/cm2、最も好まし
くは約60から約100μg/cm2の範囲となるものである。
本明細書で使用する用語「処置」は疾病、病状、または障害を撲滅する目的で
患者を管理し、看護することを表記し、本発明の化合物を投与することを含み、
これには症状または合併症の発病を予防すること、症状または合併症を緩和する
こと、または疾病、病状、または障害を排除することを包含する。
用語「アイソザイム選択的」は他のアイソザイム型と比べてプロテインキナー
ゼCのアイソザイム型の一つ(または一群)に対する優先的な阻害を意味する。
例えば、ある化合物がプロテインキナーゼCのアルファ、ガンマ、デルタ、イプ
シロン、ゼータ、およびイータ型アイソザイムよりもベータ−1またはベータ−
2型アイソザイムを選択的に阻害することもある。一般的にアイソザイム選択的
化合物はPKC検定法で測定した場合にはそのサブタイプの一型を阻害するため
に必要な用量を他のサブタイプを同等に阻害するために必要な用量と比較すると
(例えば、プロテインキナーゼCのアルファ型アイソザイムと比較した場合のP
KCベータ−1またはベータ−2型アイソザイムの阻害)最低8倍の相違(好ま
しくは10倍の差異)を示す。各化合物は阻害の範囲を通してこの差異を示し、
IC50、即ち50%阻害で例示される。そこで、例えばベータ−1およびベータ
−2型アイソザイムに選択的な化合物はプロテインキナーゼCのベータ−1およ
びベータ−2型アイソザイムをその他のPKCアイソザイムの阻害が最小なこと
による低い毒性を伴う低い濃度において阻害する。
塩基性基、たとえばNR3R4など、を有する式Iで示される化合物はまたそれ
らの医薬的に許容される酸付加塩の形をとることができる。このような塩を形成
するために通常に採用される酸は、たとえば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、
硫酸および燐酸のような無機酸ならびに、たとえばパラトルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、
クエン酸、安息香酸、酢酸のような有機酸および関連する無機および有機の酸を
包含する。そこで医薬的に許容される塩には硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜
硫酸塩、重亜硫酸塩、燐酸塩、一水素燐酸塩、二水素燐酸塩、メタ燐酸塩、ピロ
燐酸塩、塩化物、臭素化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、
カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオー
ル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバカン酸塩、
フマル酸塩、マレイン酸塩、2−ブチン−1,4−ジ酸塩、3−ヘキシン−2,
5−ジ酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ
安息香酸塩、フタル酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプ
ロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、馬尿酸塩、β−ヒドロキ
シ酪酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プ
ロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホ
ン酸塩、マンデル酸塩、その他の塩を包含する。
医薬的に許容される塩に加えて、その他の塩も本発明に従って使用できる。そ
れらは化合物の精製における中間体として、別の塩の製造において、または本化
合物または中間体の確認および特性解析において役立つこともある。
式Iで示される化合物の医薬的に許容される塩は、たとえば水、メタノール、
エタノール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、その他のような溶媒との様々
な溶媒和物としても存在できる。溶媒和物の混合物も製造できる。このような溶
媒和物の原材料は結晶溶媒、製造または結晶化の溶媒に内在するもの、またはそ
の溶媒に偶発的なものである。このような溶媒和物は本発明の範囲内にある。
式Iで示される化合物には様々な立体異性型が存在することもある;例えば、
TまたはWが置換アルキレン基の中にキラルな炭素原子を包含することもある。
式Iで示される化合物は典型的にはラセメートとして製造されて便利にそのまま
使用できるが、個々のエナンチオマーを分離するか、またはもし望むなら通常の
技術を用いて個々のエナンチオマーを合成することもできる。このようなラセメ
ートおよびエナンチオマーおよびそれらの混合物も本発明の一部を形成する。
本発明はまた式Iで示される化合物の医薬的に許容されるプロドラッグも包含
する。プロドラッグは化学的に修飾されて生物学的に不活性(酵素が作用する点
が)であってもよいが、生体内過程で酵素その他の1種またはそれ以上によって
分解されるか修飾されて元の生物活性型を産生することのできる薬剤である。こ
れらプロドラッグは好ましくは元のものと異なる薬力学的プロファイルを有し、
粘膜上皮を経由する容易な吸収、塩形成または溶解度の改善、および/または全
身的安定性の改善(例えば血漿中半減期の増大)を可能にする。適当なプロドラ
ッグ誘導体の選択および製造のための通常の操作法は記載がある(例えば、H.Bu
ndgaard著、「Design of Prodrugs(プロドラッグの設計)」、(1985年)
。典型的にはこのような化学的修飾には次のものを含む:
1)エステラーゼまたはリパーゼが切断するかも知れないエステルまたはアミ
ド誘導体;
2)特異的または非特異的プロテアーゼが認識するかも知れないペプチド;ま
たは
3)プロドラッグ型の膜選択によって作用部位に蓄積する誘導体;または修飾
されたプロドラッグ型、または
前記1から3までの組合せ。
ある種のビス−インドール−N−マレイミド誘導体の合成がDavisほかに付与
された米国特許第5057614号に記載されており、開示をここに参考のため
に引用する。一般的に本発明の化合物は次のようにして製造してもよい:
反応式1
反応式1ではハロ基は好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードで
ある。好ましくは化合物1は2,3−ジクロロ−N−メチルマレイミドである。
化合物1と化合物2のインドールとの間の反応は通常グリニヤー反応と呼ばれて
いる。この反応は、たとえばトルエンのような不活性有機溶媒中で室温と反応混
合物の還流温度との間の温度で実施される。最も特徴的なことは反応式Iに記載
する反応は溶媒条件に依存する。トルエン:THF:エーテル溶媒系中で実施す
る時には、この反応は80%を超える収率で95%を超える純度の化合物3を与
える。反応混合物から塩化アンモニウムNH4Clでこの生成物を沈殿させる。
得られる中間体である化合物3は標準的な技術で分離してもよい。
次にビス−3,4−(3’−インドリル)−1N−メチルピロール−2,5−
ジオンである化合物3を当技術分野で知られており、Brennerほか著、Tetrahedr
on、44巻:2887〜2892頁(1988年)に記載されている技術によっ
てアルカリ加水分解によって式4で示される対応する無水物に変換することもあ
る。好ましくは化合物3と5N−KOHとをエタノール中で25℃から還流温度
までの範囲の温度で反応させて式4:
で示される化合物を製造する。
式3で示される化合物は一般に式4で示される化合物よりも安定である。それ
故、化合物3を反応式2に従って反応させて式Iで示される化合物を製造するの
が好ましい。しかしながら、当技術分野の熟練者は式4で示される化合物も反応
式2に従って反応してもよいことを認識することになろう。
反応式2
T、J、およびWは前記と同意義である。Lは、たとえばクロロ、ブロモ、ヨ
ード、メシル、トシル、その他のような良好な脱離基である。Lは当技術分野で
知られている技術によって良好な脱離基に簡単に変換することのできるヒドロキ
シまたはその他の前駆体であってもよい。例えば、このヒドロキシをメタンスル
ホニルクロリドと反応させてメシレート脱離基を作成することによってたとえば
メシルのようなスルホン酸エステルに容易に変換してもよい。
反応式2で表される反応はN−置換インドールを製造する既知方法のいずれか
によって達成される。この反応物には通常およそ等モル量のこの試薬2種が含ま
れるが、他の比率、特にアルキル化剤が過剰であるものも操作可能である。この
反応は最も良好には極性非プロトン性溶媒中でアルカリ金属塩またはその他の当
技術分野で認められているようなアルキル化条件を採用して実施する。脱離基が
ブロモまたはクロロである時には、触媒量の、たとえばヨウ化カリウムのような
ヨウ化物塩を添加して反応を促進してもよい。反応条件には以下を含む:ジメチ
ルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン中のカリウムヘキサメチルジシラジド
またはジメチルホルムアミド中の水素化ナトリウム。
好ましくは、この反応はアセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、
またはテトラヒドロフラン(THF)のいずれか中の炭酸セシウムの低速な逆添
加のもとに実施する。反応温度は好ましくはおよそ常温からおよそ反応混合物の
還流温度までである。
当技術分野の熟練者は反応式2に記載する反応には化合物L−T’およびL−
W’[式中、T’およびW’は保護カルボキシ、保護ヒドロキシ、または保護ア
ミンである]を採用してもよいことを認識することとなろう。反応式2に示すア
ルキル化の後に、T’およびW’を結合してJを形成できる基に変換する。T’
およびW’が結合して種々なエーテルまたはチオエーテル誘導体を形成する反応
は当技術分野で知られており、例えばItoほか著、Chem.Pharm.Bull.、41(
6)巻:1066〜1073頁(1993年);Katoほか著、Chem.Pharm.Bull
.、34巻:486頁(1988年);Goodrowほか著、Synthesis、1981年
:457頁;Harppほか著、J.Am.Chem.Soc.、93巻:2437(1971年
);およびEvansほか著、J.Org.Chem.、50巻:1830頁(1985年)に
記載されている。
当技術分野の熟練者は反応式3に記載するような合成段階2段によって化合物
3を式Iで示される化合物に変換することもあることを認識することとなろう。
反応式3
T、J、W、VおよびLは前記と同意義である。L2は保護ヒドロキシまたは
当技術分野で知られている技術によって容易に良好な脱離基に変換できるその他
の基である。化合物3または化合物4と化合物6との間の結合反応は前記のよう
なアルキル化である。モノアルキル化中間体7を脱保護し、L2を脱離基に変換
する。例えば、もしもヒドロキシがt−ブチルジメチルシリル(TBDMS)で
保護してあるなら、TNDMSを酸性メタノールを使用して選択的に除去する。
次に得られる遊離ヒドロキシを、たとえば好ましくはヨウ化アルキルまたは臭化
アルキル(トリフェニルホスフィン中のCBr4)などのハロゲン化アルキルま
たはスルホネート(トリエチルアミン中の塩化メシル)のようなもので脱離基に
変換する。次に、たとえばカリウムヘキサメチルジシラジドまたは水素化ナトリ
ウムのような塩基の溶液への低速な逆添加のもとにアルキル化することによって
マクロライドを形成するが、好ましくは、たとえばアセトニトリル、DMF、T
HFのような極性非プロトン性溶媒中のCsCO3を常温から還流までの範囲の
温度で使用する。
極性非プロトン溶媒中のCsCO3に低速で逆添加してアルキル化が実施され
る時には式Iで示される化合物は実質的に高収率で製造することもある。低速な
逆添加は化合物およびアルキル化剤の混合物(反応式2)または化合物(反応式
3)を約0.1mL/時から約2.0mL/時の速度で塩基と混合することを含
む。混合物中の各試薬の濃度は約1.5モルから約0.001モルである。モノ
アルキル化化合物について実施する時には(反応式3)濃度は約3モルから約0
.001モルまでである。低速添加では反応容器中の試薬濃度が約0.01モル
から約1.5モルまでとなる。当技術分野の熟練者は高速な添加では低濃度の試
薬を使用すべきであろうことを認識することになろう。同様に低速添加では高濃
度の試薬を反応に使用できるであろう。好ましくは、この化合物とアルキル化剤
との各0.37モル混合物ではこの化合物を約0.14mL/時で添加する。好
適には、CsCO3を過剰に添加する。最も好ましくは、CsCO3:アルキル
化剤の比率が4:1である。好適な極性非プロトン溶媒はアセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、
ジオキサン、ジエチレングリコールメチルエーテル(ジグライム)、テトラヒド
ロ
フラン(THF)、またはその他の極性非プロトン性溶媒であって試薬を溶解す
るものである。反応は約0℃から還流までの範囲の温度で実施される。当技術分
野の熟練者は化合物とアルキル化剤との混合物の比率が限定的ではないことを認
識することとなろう。しかしながら、両試薬が互いに0.5から3当量までの比
率の混合物であることが好適である。最も好ましくは両試薬は1:1で混合され
る。
VがN−CH3である時には、アルカリ性加水分解によって化合物IIを対応
する無水物(VがOである)に変換する。アルカリ性加水分解では化合物を塩基
(たとえば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのようなもの)とC1〜C4−
アルコール(好ましくはエタノール)、DMSO/水、ジオキサン/水、または
アセトニトリル/水のいずれかの中で、約25℃から好ましくはおよそ還流温度
までの範囲の温度で反応させることを含む。反応剤の濃度は限定的ではない。
無水物(VがOである)は加アンニア分解によって式Iで示されるマレイミド
に変換する。加アンニア分解では過剰のヘキサメチルジシラザンまたはアンモニ
ウム塩(酢酸アンモニウム、臭化アンモニウムまたは塩化アンモニウム)および
C1〜C4−アルコール(好ましくはメタノール)と、たとえばDMFのような極
性非プロトン性溶媒中で無水物とを室温で反応させる。好ましくは1当量の無水
物に対してヘキサメチルジシラザンまたはアンモニウム塩約5当量またはそれ以
上の比率で反応させる。
反応式4は本発明に有用な中間体、式IIIで示される化合物であってXがO
であるものの製造を描写する。
反応式4
以下の実施例および製造例は単に本発明を例示するためにのみ提供するもので
あってそれを限定するものではない。実施例1 ビスフッ素化6原子架橋ビスインドリルマレイミドの合成
式VII:
で示される化合物を次のようにして製造する:
化合物8aを反応式4に略述した工程を使用して式VIIで示される化合物に
変換する。
式VIII:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式VIIIで示される化合物
に変換する。
式IX:
で示される化合物を次のようにして製造する:
R’がHまたはFであるこの化合物を反応式4に略述した工程を使用して式I
Xで示される化合物に変換する。実施例2 C2−モノフッ素化7原子架橋ビスインドリルマレイミドの合成
式X:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式Xで示される化合物に変換
する。実施例3 C6−モノフッ素化7原子架橋ビスインドリルマレイミドの合成
式XI:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式XIで示される化合物に変
換する。実施例4 C6−ジフッ素化7原子架橋ビスインドリルマレイミドの合成
式XII:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式XIIで示される化合物に
変換する。実施例5 フッ素化6原子チオ架橋ビスインドリルマレイミドの合成
式XIII:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式XIIIで示される化合物
に変換する。実施例6 フッ素化6原子架橋ビスインドリルマレイミドのC4−側鎖誘導体の 合成
式XIV:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式XIVで示される化合物に
変換する。実施例7 フルオロアルケン6原子架橋ビスインドリルマレイミドの合成
式XV:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式XVで示される化合物に変
換する。実施例8 フルオロアルケン7原子架橋ビスインドリルマレイミドの合成
式XVI:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式XVIで示される化合物に
変換する。
式XVII:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式XVIIで示される化合物
に変換する。
式XVIII:
で示される化合物を次のようにして製造する:
この化合物を反応式4に略述した工程を使用して式XVIIIで示される化合
物に変換する。実施例9 C2−メチル化フッ素化6原子架橋ビスインドリルマレイミドの合成
式XIX:
で示される化合物を次のようにして製造する:
実施例10 フッ素化6原子架橋ビスインドリルマレイミドのC3−誘導体の合 成
実施例11 フッ素化6原子架橋ビスインドリルマレイミドのC3−誘導体の合 成
実施例12 フッ素化6原子架橋ビスインドリルマレイミドのC3−誘導体の合 成
以下の実施例および製造例では、融点、核磁気共鳴スペクトル、マススペクト
ル、シリカゲル高速液体クロマトグラフィー、N,N−ジメチルホルムアミド、
パラジウム炭、テトラヒドロフランおよび酢酸エチルは各々M.Pt.、NMR
、MS、HPLC、DMF、Pd/C、THFおよびEtOAcと略記する。用
語「NMR」および「MS」はスペクトルが所望の構造を満足したことを示す。実施例13 次式で示されるビスインドリルマレイミドの製造:
(3S,4R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4,5−O−イソプロピリデ ンペンタン酸エチル
無水THF50mLとヘキサメチルジシラザン(HMDS)6.1mL(0.
03モル)とを入れて0℃で撹拌している丸底フラスコに2.5M−ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液12mL(0.03モル)を添加した。得られた混合物を室
温に戻し、10分間撹拌した。次に−85℃に冷却した。ヘキサメチルホスホロ
トリアミド(HMPA)1.80g(0.010モル)とフルオロ酢酸エチル1
.00mL(0.010モル)との混合物を温度を−85℃より高くせずに可能
な限り急速に滴加した。さらに5分後に、2,3−O−イソプロピリデン−D−
グリセロアルデヒド(8)を880mg(0.00677モル)添加した。混合
物を10分間撹拌し、次に−85℃で飽和塩化アンモニウム5mLで反応を停止
させた。室温まで温めた後、混合物をCH2Cl280mLで希釈し、水(60m
L×3)で洗浄した。CH2Cl2層を分離し、Na2SO4上で乾燥した。真空下
に揮発性物質を蒸発した後、残渣を短いシリカゲルカラムに注入した。これをC
H2Cl2、次に30%CH3CN/CCl4(または酢酸エチル)でフラッシュし
て粗製の生成物を得た。
この粗製生成物を15%(v/v)CH3CN/CCl4を溶離液として使用し
てシリカゲルカラムでクロマトグラフィーしてジアステレオマー2種の不完全な
分離を伴う2画分を得た。画分1:177mg(1H−NMRで9a:34%、
9b:66%)、画分2:377mg(1H−NMRで9a:62%、9b:3
8%)。全収率:34.7%、内訳、9a:52.7%、9b:47.3%)。
(3S,4R)−3−アリルオキシ−2−フルオロ−4,5−O−イソプロピリ デンペンタン酸エチル
アルコール9(327mg、1.39ミリモル、これは9a:62%、9b:
38%の混合物)をトルエンと共沸させて、得られた327mg(1.39ミリ
モル)をシクロヘキサン6mLに溶解した。N2雰囲気下に撹拌しながら、アリ
ルトリクロロアセトイミデート(423μL、561mg、2.78ミリモル)
を添加し、続いてトリフルオロメタンスルホン酸(20μL)を5μL宛20分
間に添加した。直ちに暗褐色油状沈殿が形成し始めた。反応混合物を室温で60
時間撹拌した。生成した白色沈殿を濾過し、シクロヘキサンで2回洗浄した。濾
液を蒸発して油状液体とした。これを10%(v/v)酢酸エチル−ヘキサンを
溶離液として使用してシリカゲルカラムでクロマトグラフして画分2個を得た。
第一画分は主に10aを含み、第二画分は主に10bを含んでいた。両画分を2
5%(v/v)ヘキサン/CH2Cl2を溶離液として使用するシリカゲルカラム
で精製して133mg(34.8%)の10aおよび83mg(21.7%)の
10bを得た。合計収率:56.5%。
(3S,4R)−3−アリルオキシ−2−フルオロ−4,5−O−イソプロピリ デンペンタノール(11)
エステル10a(60mg、0.217ミリモル)をトルエンと2回共沸させ
た。これを乾燥THF3.0mLに溶解して−75℃に冷却した。N2雰囲気下
に撹拌しつつDIBAL−Hのトルエン溶液0.68mL(1.29M、0.8
77ミリモル)を20分間に滴加した。得られた溶液を−75℃でさらに1.5
時間撹拌した。次に−5℃まで温めて、酢酸エチル4mLで反応を停止させた。
10分間撹拌後、湿ったNa2SO4(2g)を添加した。この混合物を−5℃で
2時間撹拌した。固体を濾過し、酢酸エチルで2回洗浄した。濾液を減圧下に蒸
発させた。残渣を30%(v/v)酢酸エチル−ヘキサンを溶離液として使用す
るシリカゲルカラムでクロマトグラフィーして32mg(63.4%)の純粋な
11aを得た。11bは同様にして11bから得た。ジオール(12):
化合物11(11aおよび11bの混合物)23mg(0.099ミリモル)
をCH3OH3mLおよびCH2Cl21mLに溶解した。これに溶液が輝青色に
なるまでO3を−78℃で導通した。次に溶液にアルゴンを5分間導通した。1
滴のジメチルスルフィドを添加し、混合物を10分間撹拌した。水素化ホウ素ナ
トリウム30mg(0.794ミリモル、8当量)を添加して5分間撹拌した。
反応混合物を常温に戻し、さらに1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液3滴を添
加した後、混合物をさらに1時間撹拌した。揮発性物質を真空除去した。残渣を
メタノールに溶解し、酢酸エチルを添加し、共沸させてメタノールと置換した。
白色沈殿を濾去し、濾液を蒸発した。残渣を酢酸エチルを使用してシリカゲルカ
ラムでクロマトグラフィーした。未知化合物の痕跡量を除去した後に、13mg
(55.3%)の12aおよび7mg(29.8%)の12bを得た。
メシル化および結合反応
12mg(0.050ミリモル)のジオール12aを乾燥したエチルエーテル
5mLに溶解し、N2雰囲気下に0℃まで冷却した。撹拌しつつEt3N35μL
(0.250ミリモル、5当量)を添加し、続いて塩化メシル20μL(0.2
5ミリモル、5当量)を添加した。得られた混合物を0℃で5時間撹拌した。沈
殿を濾去し、エチルエーテルで洗浄した。濾液を水(2×)と食塩水(×2)と
で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。真空下に溶媒を蒸発させた後、9mg(4
3.3%)の黄色油状物13aを得た。
沈殿を水に溶解して酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層をNaHCO3水溶
液で2回洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空下に溶媒を蒸発した後、11mg
(55.3%)を得た。合計20mgの13aを得た。収率100%。
20mg(0.0507ミリモル)のジメシレート13aおよびビスインドリ
ルマレイミド17.3mg(0.0507ミリモル)を混合して無水DMF(モ
レキュラーシーブスで乾燥)2.5mLに溶解し、N2下にシリンジポンプ添加
法によって炭酸セシウム(66mg、0.203ミリモル)の無水DMF3mL
懸濁液に50℃で40時間にわたって添加した。反応混合物を50℃で10時間
さらに撹拌した。これを真空蒸発して揮発性物質を除去した。残渣をCHCl3
に溶解し、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗浄した。クロロホルム層を
分離し、Na2SO4上で乾燥した。蒸発後、赤色固体残渣を10%(v/v)ア
セトン/CHCl3で溶離するシリカゲルカラムでクロマトグラフした。7mg
(25.4%)の所望化合物14aがまず溶離し、続いて出発物質の一つである
ビスインドリルマレイミド13mg(75%)が溶離した。実施例14 次式で示されるビスインドリルマレイミドの製造:
化合物21aおよび化合物21bは立体異性体であって、21aは2Rコンホ
ーメーションであり、21bは2Sコンホーメーションである。このキラル中心
の命名はエステルがアルコールにまで還元されると変化する(すなわち、化合物
24aが2Sになる)。
無水THF40mLとヘキサメチルジシラザン(HMDS)5.0mL(0.
0255モル)とを入れて撹拌している丸底フラスコに2.5M−ブチルリチウ
ムのヘキサン溶液9.0mL(0.0255モル)を添加し、氷浴中、窒素下に
反応させた。室温で10分間撹拌した後、−78℃に冷却し、HMPA3.6g
(0.020モル)およびフルオロ酢酸エチル2.0mL(0.020モル)を
5分間に滴加した。さらに5分間撹拌後、シクロヘキシリデン−グリセロアルデ
ヒド(21、JOC、1992年、57巻:648頁;JOC、1995年、6
0巻:585〜587頁を参考にして製造し、60℃/0.5mmHgで蒸留し
たもの)760mg(4.46ミリモル)を迅速に添加した。混合物をさらに1
0分間撹拌し、次に飽和塩化アンモニウム5mLにより−78℃で反応を停止さ
せた。室温まで温めた後、混合物をヘキサン60mLで希釈した。ヘキサン層を
分離した。残存する層はヘキサン30mLで洗浄した。ヘキサン溶液を集めて飽
和塩化アンモニウム(100mL×3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。減
圧下に蒸発した後、残渣を30%酢酸エチル−ヘキサンを使用してシリカゲルカ
ラムでクロマトグラフィーして740mg(47.6%)の主生成物22’を得
たが、1HNMRによればこれは主異性体22’a(74%)と副異性体22’
b(26%)との2異性体からなる混合物であった。水性の洗浄液をCHCl3
で抽出した。蒸発およびクロマトグラフィーの後、クロロホルム層から92mg
(7.5%)の21が得られたが、これも両異性体の混合物である。シリカゲル
カラムからCHCl3で溶離するクロマトグラフィーによって、22’混合物か
ら純粋な異性体22’aが得られた。
740mg(2.1ミリモル)の出発物質22’をCH3OH60mLに溶解
した。クエン酸1.2gを添加した。混合物を常温で4時間撹拌した。ロータリ
ーエバポレータで溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に取り、飽
和NaHCO3水溶液(100mL×2)および水で洗浄した。酢酸エチル層を
Na2SO4上で乾燥し、蒸発して600mg(100%)の22を得たが、これ
は1HNMRによれば異性体22a(69%)および22b(31%)の混合物
である。純粋な22aは22’aの同条件での加水分解によって100%収率で
得られた。
655mgのアルコール22(2.37ミリモル、21a異性体(69%)お
よび21b異性体(31%)の混合物)をシクロヘキサン30mLに溶解し、ア
リルトリクロロアセトイミデート1.50mL(9.8ミリモル)を添加した。
次に30分間にわたってCF3SO3H100μLを滴加した。反応混合物をN2
下に常温で46時間撹拌した。TLCで約20%の出発物質が残留することが判
明した。さらにCF3SO3H60μLを添加し、反応混合物をさらに24時間撹
拌した。沈殿を濾過し、シクロヘキサンで洗浄した。濾液を蒸発し、残渣を10
%酢酸エチル−ヘキサンを溶離液として使用してシリカゲルカラム上でクロマト
グラフして511mg(68.1%)の23aおよび160mg(21.3%)
の23bを得た。
比較のため前記と同条件を用い、純粋な21aから純粋な23aを得た。
635mg(2.00ミリモル)のエステル23aをトルエンと2回共沸させ
た後、無水THF10mLに溶解した。これにLiAlH4200mg(5.2
7ミリモル、2.5当量)の無水THF40mL懸濁液を−78℃でN2下に撹
拌しつつ滴加した。試料を添加した後、反応混合物を20分間撹拌した。これを
0℃まで温めて0℃で20分間撹拌した。次に酢酸エチル5mLを添加した。5
分間撹拌後、湿った硫酸ナトリウム4gを添加した。この混合物を30分間撹拌
した。固体を濾去し、酢酸エチルで2回洗浄した。濾液をロータリーエバポレー
タで蒸発した。残渣を30%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液として使用してシリ
カゲルカラム上でクロマトグラフィーした。少量(19mg)の出発物質23a
を除去後に主生成物、413mg(75%)の24a、続いて30mg(5.5
%)の24bが溶離した。
前記と同様な操作法を用いてTHF中でDIBAL−Hを使用して23b(1
12mg)の還元によって化合物24b(44mg)が45%収率で得られた。
CH3OH/CH2Cl2(1:1)混合溶媒20mL中に295mg(1.0
8ミリモル)のアルコール24aを溶解した。これを−78℃まで冷却した。溶
液に青色が現れ始めるまでこれにO3を導通した。次に過剰なO3を除去するため
にアルゴンを導通した。数滴のCH3SCH3を添加し、溶液を5分間撹拌した。
次にNaBH4245mg(6.48ミリモル)を−78℃で添加した。5分間
撹拌後、反応混合物を常温に戻し、さらに1時間撹拌した。揮発性物質を真空除
去した。酢酸エチルを溶離液に使用するシリカゲルカラムで残渣をクロマトグラ
フして232mg(77.5%)の25aを得た。
前記と同じ操作法に従ってジオール25bを得た。反応を230mgの24b
から開始して158mgの25bを67.7%収率で得た。
195mg(0.70ミリモル)のジオール25aをジエチルエーテル50m
Lに溶解した。トリエチルアミン583μL(4.2ミリモル)を添加し、続い
てメタンスルホニルクロリド342μL(4.2ミリモル)を添加した。混合物
を常温でN2下に3時間撹拌した。水50mLを添加して沈殿を溶解した。エー
テル層を分離して水(50mL×2)で洗浄した。無水Na2SO4上で乾燥後、
減圧蒸発して308mg(100%)の黄色液体25aを得た。
100mL丸底フラスコに炭酸セシウム768mg(2.36ミリモル)およ
び無水DMF40mLを入れて257mg(0.59ミリモル)の26aおよび
ビスインドリルマレイミド202mg(0.59ミリモル)を含むDMF溶液1
0mLをシリンジポンプを使用して50℃でN2下に48時間にわたって滴加し
た。50℃でさらに24時間撹拌後、反応混合物をCHCl3100mLで希釈
し、食塩水(50mL×2)、次に水(50mL×2)で洗浄した。クロロホル
ム層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧蒸発した。残渣をCHCl3に溶解し、
5%アセトン/CHCl3を溶離液に使用してシリカゲルカラム上でクロマトグ
ラフした。最初に溶離した成分は185mgの所望の生成物27aであった。こ
れをCHCl3/CH3OHから再結晶して130mg(37.7%)および濾液
を得た。
シリンジポンプを使用するメシレートおよびビスインドリルマレイミドの添加
時間が80時間であった点を除いて前記と同じ方法で化合物27bが得られた。
この反応は97mgのジオール25bから出発して64mgの27bが全収率2
6.1%で得られた。
50mg(0.099ミリモル)の出発物質27aをメタノール50mLに溶
解した。これに水1mLおよびp−トルエンスルホン酸一水和物200mg(1
.05ミリモル)を添加した。反応混合物を50℃で4時間撹拌した。これをロ
ータリーエバポレータで蒸発し、残渣をシリカゲルカラム上で5%CH3OH/
CHCl3を溶離液に使用してクロマトグラフした。主成分28aをアセトン/
CH3OHから再結晶して、23mgの結晶性28aおよび18mgの28aを
含む濾液を得た。
55mg(0.109ミリモル)のジオール28aをアセトン−HOAc(1
:1)混合物20mLに溶解した。この溶液に、NaIO4・3H2O100mg
(0.373ミリモル)の水2.5mL溶液を添加した。この混合物を常温で2
.5時間撹拌した。これをロータリーエバポレータで蒸発して液量を半減させ、
次にCH2Cl230mLで希釈した。この混合物を次に水2回、NaHCO3水
溶液および再度水で洗浄した。CH2Cl2層を分離し、Na2SO4で乾燥し、蒸
発乾固して粗製のアルデヒド29aを得た。
粗製アルデヒド29aをCH2Cl214mLに溶解し、−78℃に冷却した。
水素化ホウ素ナトリウム30mg(0.79ミリモル)をSP試薬級アルコール
6mLに溶解してこの溶液に添加した。混合物をN2下に40分間撹拌した。5
00μLのCH3CHOで反応を停止させ、次に室温に戻した。混合物を蒸発し
て液量を半容とし、次にC2H5OH10mL、酒石酸カリウムナトリウム飽和水
溶液2mLと混合した。混合物を5時間撹拌した。これを蒸発してCH2Cl23
0mLに溶解した。CH2Cl2層を分離し、3回水洗し、Na2SO4上で乾燥し
た。蒸発後、残渣を10%酢酸エチル含有CH2Cl2を使用してシリカゲルカラ
ム上でクロマトグラフして7mg(14.1%)の化合物30’aを得た。主成
分を酢酸エチルで溶離して41mg(79.3%)の所望生成物30aを得た。
ジオール切断用溶媒をCH3CN−H2O(2:1)としたことを除いて前記と
同じ操作法に従って対応するジオール28bから化合物30b(63.4%収率
で)が得られた。
16mg(0.0338ミリモル)のアルコール30aをCH2Cl210mL
に溶解した。これにトリエチルアミン70μL(0.52ミリモル)および塩化
メタンスルホニル28μL(0.34ミリモル)を添加した。反応混合物をN2
下に常温で3時間撹拌した。これを分液濾斗に移し、水で3回洗浄した。蒸発の
後、23mgの粗製31aを得た。TLCは単一のスポットを示した。
23mg(〜0.0338ミリモル)の粗製メシレート31aを25mL丸底
フラスコに入れてC2H5OH12mLを添加した。フラスコをドライアイス/ア
セトン浴を使用して冷却した。これにHN(CH3)21.2gおよび水3mLを
カニューレを経て導入した。フラスコを次にテフロン栓で密封して銅線を使用し
て縛った。これを100℃で8時間撹拌した。フラスコが室温まで冷却した後、
ロータリーエバポレータで揮発性物質を除去した。残渣を酢酸エチル20mLに
溶解してNaHCO3水溶液(20mL×2)および水(20mL×2)で洗浄
した。溶媒を除去した後、24mgの粗製生成物32aを得たが、これをメタノ
ールから再結晶して純粋な32aを得た。
24mg(0.048ミリモル)のイミド32aをC2H5OH3mLおよび5N
−KOH3mLの混合物に溶解した。これを80℃で24時間撹拌した。エタノ
ールをロータリーエバポレレータで除去し、水性懸濁液を0℃に冷却し、5N−
HClで酸性にした。紫色の沈殿が生じた。10分間撹拌した後、水性混合物を
希KOHで中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層をNaHCO3水溶液
で2回と水とで洗浄した。K2CO3上で乾燥し、蒸発後に24mgの粗製33a
を得た。
24mgの無水物33aを無水DMF5mLに溶解した。これに1,1,1,
3,3,3−ヘキサメチルジシラザン250μL(1.19ミリモル)を加え、
続いてCH3OH25μL(0.62ミリモル)を加えた。得られた混合物を常
温でN2下に38時間撹拌した。揮発性物質を真空除去した。残渣をCH3CN−
1N−HCl(2:1)混合物6mLに溶解し、常温で1時間撹拌した。有機溶
媒を除去し、水性懸濁液を1N−KOHで中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸
エチル層を0.1N−KOHおよび水2回で洗浄し、蒸発乾固した。残渣をシリ
カゲルカラムから酢酸エチルで溶離して分離した。溶離した第二バンドは所望の
生成物14aであって、これをCH2Cl2−ヘキサンから再結品して5mg(全
収率:30aから20%)を得た。実施例15 化合物30(aおよびb)から化合物34(aおよびb)を製造す るための別途合成法
50mg(0.106ミリモル)のアルコール30aをC2H5OH−5N−K
OH混合物(1:1)20mLと混合した。これをN2下に70℃で20時間撹
拌した。次にこれを0℃に冷却し、5N−HClで酸性とした。直ちに赤色沈殿
が生じた。塩化メチレン40mLを添加した。有機層を分離し、水(30mL×
4)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。蒸発後、残渣をシリカゲルカラム上で
5%酢酸エチル含有CH2Cl2を用いてクロマトグラフして33mg(68%)
の35aを得た。
54mg(0.117ミリモル)の無水物35aを無水DMF5mLに溶解し
た。HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)500μL
(2.36ミリモル)およびメタノール48μL(2.36ミリモル)を添加し
た。混合物をN2下に常温で36時間撹拌した。揮発性物質を真空除去し、残渣
をCH3CN10mLおよび1N−HCl5mLと1時間撹拌した。次にこれを
濃縮し、CH2Cl2で抽出した。塩化メチレン層を水、食塩水で洗浄し、Na2
SO4上で乾燥し、蒸発した。CH2Cl2−CH3CN(9:1)を用いて残渣を
シリカゲルカラムで分離して出発物質である第一成分(20mg、37%)、次
に31mg(57.4%)の所望生成物36aを得た。
3.4mg(39%)の化合物36bは9mg(0.019ミリモル)の対応
するアルコール30bから前記と同じ操作法によって得られた。但し、36aの
場合よりもさらに大過剰のHMDS(250μL、1.18ミリモル)およびメ
タノール(24μL、1.18ミリモル)を使用した点は相違する。
アミノ化:
31mg(0.068ミリモル)の化合物36aを無水THF15mLに溶解
した。これにトリエチルアミン240μL(1.56ミリモル)とメタンスルホ
ニルクロリド84μL(1.02ミリモル)を窒素雰囲気下に加えた。この混合
物を常温で3時間撹拌した。揮発性物質を真空除去した。この残渣をCH2Cl2
30mLに溶解し、1N−HCl、食塩水で2回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、
蒸発した。残渣を蒸留THF6mLおよび40%ジメチルアミン水1mLに溶解
した。フラスコをテフロン栓で密封し、50℃で24時間撹拌した。この混合物
を0℃まで冷却し、蒸発して揮発性物質を除去した。残渣を0〜10%Et3N
含有酢酸エチルを使用してシリカゲルカラムで精製して13.2mg(40.2
%)の所望化合物34aを得た。
化合物34b(1.9mg)は34aのものと同じ操作法を使用して52%の
収率で36b(3.4mg)から得られた。実施例16 ジチオカルバメート誘導体の合成
20mgの化合物38(0.04ミリモル、1当量)を撹拌棒、セプタムおよ
びN2バルーンを装着したオーブンで乾燥した25mL丸底フラスコに入れた。
THF10μLをカニューレを用いて添加し、続いてトリエチルアミン4.45
mg(0.044ミリモル、1.1当量)を添加し、次に二硫化炭素3.8mg
(0.05ミリモル、1.2当量)をシリンジを用いて添加した。この赤色溶液
を〜15分間撹拌し、次にヨウ化メチル7.1mg(0.05ミリモル、1.2
当量)をシリンジを用いて添加した。この反応物を室温で一夜撹拌した。
透明な赤色溶液は約2時間後に不透明になった。TLC(10%MeOH含有
CH2Cl2)で出発物質の完全な消失が確認された。反応物をEtOAcで分液
漏斗に移し、H2O40mL、続いて食塩水40mLで洗浄した。有機層を集め
て溶融ガラスフィルターに載せたMgSO4を通して乾燥した。溶媒を除去して
紫色固体(化合物39)を得た。試料を採取してIS/MSで分析した。IS/
MSはMH+ピークを559に検出した。全収量は23mgであった。
ジチオカルバメートからトリフルオロメチル基への変換
撹拌棒、セプタムおよびN2バルーンを装着した乾燥25mL丸底フラスコ中
の無水CH2Cl2に23mg(0.041ミリモル、1当量)のジチオカルバメ
ート39を溶解した。溶液を氷浴中で約15分間冷却し、次に1,3−ジブロモ
−5,5−ジメチルヒダントイン0.047g(0.164ミリモル、4当量)
を固体のまま迅速に添加し、続いてテトラブチルアンモニウムジハイドロゲント
リフルオライド0.06g(0.205ミリモル、5当量)をシリンジを用いて
添加した。(溶液は赤紫色から橙褐色になった)。
この反応物を0℃で1.5時間撹拌した。次に内容物をH2O30mLを入れ
た分液漏斗に移した。CH2Cl2層をH2O25mLで洗浄し、集めてMgSO4
上で乾燥した。溶媒を除去すると暗褐橙色の油状物となった。生成物をシリカゲ
ルを用い、移動相をCH2Cl2から始めて徐々にメタノールを加えて精製した。
異なるスポット3個が得られ、その3番目のものを集め、溶媒を除去して16.
5mg(75%)の生成物40を得た。実施例17 化合物Aにあるアミンのアシル化
7mg(0.0154ミリモル)の化合物Aを乾燥CH2Cl21mLに溶解し
た。これをN2下に0℃に冷却し、撹拌しながらピリジン3.7μL(0.04
6ミリモル、3当量)を添加し、続いてトリフルオロ酢酸無水物(Aldric
h)2.06μL(0.018ミリモル、1.2当量)を添加した。反応物を0
℃で午後2時17分から午後4時20分迄撹拌し(TLC1)、午後7時迄(T
LC2)まで継続した。反応はそれ以上進行しなかった。さらにピリジン3.7
μLおよびトリフルオロ酢酸無水物2.6μLを添加した。4時間撹拌後、TL
Cは明確な反応進行を示さなかった。反応混合物を室温まで温めて3時間撹拌し
た。再びTLCは明確な反応進行を示さなかった。3回目のピリジン3.7μL
およびトリフルオロ酢酸無水物2.0μLを添加し、混合物を2時間撹拌すると
TLCは変換の改善を示した。
反応を停止して揮発性物質を減圧下に蒸発した。残渣をCHCl3に溶解し、
飽和NaHCO3水溶液および水2回で洗浄し、CHCl3層を蒸発した。残渣を
シリカゲルカラム上クロマトグラフして10%アセトン−CHCl3(v/v)
で溶離して純粋な成分2種208.1および208.2を得た。カラムに残った
出発物質は2%Et3N含有10%CH3OH−CHCl3で溶離して208.3
と命名した。
208.1=〜1mg、Rf=0.67。
208.2=〜3mg、Rf=0.45。
208.3=〜4mg、Rf=0。1
H−NMR(CDCl3):208.2ファイル:GZW.013(Dept.
3):−N−CH3、δ3.10ppm。
208.3ファイル:GZW.014(Dept.3):−N−CH3、δ2.
40ppm。
CDCl3中ではメチル基のシグナルは2.40から3.10までの明白な低
磁界シフトを示す。それ故、所望の生成物は生成物2(化合物41)である。
この実験を下記の通りに反復した。
約5mg(0.011ミリモル)の回収物質208.1を集めてトルエンと2
回共沸させた後乾燥CH2Cl2(モレキュラーシーブス上)2mLに溶解した。
ピリジン40μL(0.497ミリモル、45当量)を0℃にて添加し、続いて
(CF3CO)2O10μL(0.071ミリモル、6.5当量)を添加した。こ
の混合物をN2下に2時間撹拌したが、TLC1は反応の完了を示した。揮発性
物質を真空蒸発し、残渣を10%アセトン−CHCl3を溶離液として小さなシ
リコンゲルカラムに通して生成物5mgを得、209−2と命名した。実施例18 次式で示されるビスインドリルマレイミドの製造:
140mg(0.511ミリモル)の化合物24aをトルエンと2回蒸発し、
新たに蒸留した無水THF5.0mLに溶解した。これを0℃に冷却し(氷浴)
てN2下に撹拌した。これにシリンジを用いてBH3・THFの1.0M−THF
溶液5.0mL(5.0ミリモル)を添加した。得られた混合物を徐々に室温ま
で温めてN2下に15時間撹拌した。これを氷浴で冷却し、次に10%NaOH
10mLを添加し、続いて50%H2O210mLを添加した。得られた白色の不
透明な混合物を室温で5時間撹拌した。これをロータリーエバポレータで蒸発し
てTHFを除去し、残渣を水50mLで希釈した。これを酢酸エチル(40mL
×3)で抽出した。酢酸エチル層を食塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4上
で乾燥した。蒸発後、残渣をトルエン(20mL)、30%〜100%酢酸エチ
ル含有ヘキサン(145mL)を用いてシリカゲルカラム(1cm×12.5c
m、フラッシュクロマトグラフィー)上で分離した。第4成分(69mg、46
%)が所望の生成物42aであることを確認した。
次の工程および実施例14に詳記したものと同じ一般操作法を使用して化合物
49を合成した。
実施例19
プロテインキナーゼC阻害のインビトロ検定
反応混合物:
10μl Ca2++(9.4mMストック)
55μl 脂質類(PS 5μg/ウエル、DG 0.6μg/ウエル)またはヘ
ペス(HEPES)
5μl 化合物またはDMSO(初期濃度5000nMの試験化合物)
10μl ミエリン基礎タンパク質(MBP)基質(MBP 3mg/ml、ロ
ット番号451−026)
10μl ATP(300μM ATP、0.25μCi/ウエルAT32P、お
よび10mM MgCl2)
10μl 酵素(HEPES中、PKCα 1:80;HEPES中、βII1:
30)
HEPES緩衝液ストックは100mM、pH7.5である。
全反応混合物を100μlとし、それを30℃にて10分インキュベートした
。25%TCA100μlを加えてこの反応を停止させた。1mg/ml BS
A溶液25μlを加え、反応混合物200μlを96ウエルガラス繊維濾過プレ
ート(Millipore カタログ番号MAFCNOB50)に移した。上清を濾過し、
10%TCAで3回洗浄した。濾過プレートおよび設置したキャリアーの底部を
取り除いた。Microscint-20(パッカードカタログ番号6013621)100μlを加
え、試料をパッカード・トップカウンターにロードした。
脂質調製
脂質類(Abanti Polar Lipids)をホウ珪酸ガラス培養管(25×150mm
)に加えた。クロロホルムが留去するまで窒素雰囲気下に脂質類を乾燥した。脂
質類をHEPES緩衝液中に再懸濁し、約30秒間音波処理し、次いで反転させ
て充分に混合した。検定に加えるまで、その脂質類は湿氷に入れておいた。
結果
以下の化合物それぞれについて上記のインビトロ検定によりIC50値を求め
た。各化合物を5つの濃度でPKCアルファ(PCKα)およびPKCベータI
I(PKCβII)に対して試験した。試験化合物の濃度は5000nM、500
nM、50nM、5nM、1nMおよびゼロ(化合物なし、DMSOのみ)であ
った。化合物を加えていない試料を使用し、この検定におけるPKC酵素の10
0%活性を測定した。IC50値はこれらの濃縮物を使用する阻害曲線から算定
した。
ナノモル濃度におけるIC50値(nM)
PKCα PKCβII
57 5.0
ナノモル濃度におけるIC50値(nM)
PKCα PKCβII
79 5.5
ナノモル濃度におけるIC50値(nM)
PKCα PKCβII
140 3.5
ナノモル濃度におけるIC50値(nM)
PKCα PKCβII
26 2.4
ナノモル濃度におけるIC50値(nM)
PKCα PKCβII
2.6 2.2
ナノモル濃度におけるIC50値(nM)
PKCα PKCβII
2700 100
ナノモル濃度におけるIC50値(nM)
PKCα PKCβII
130 13
ナノモル濃度におけるIC50値(nM)
PKCα PKCβII
1300 90
本明細書に開示している化合物はプロテインキナーゼC阻害物質として、プロ
テインキナーゼCが病因となることが証明されている症状の処置に有用である。
当業界にて認識されている症状には、糖尿病およびその合併症、虚血、炎症、中
枢神経疾患、心血管疾患、アルツハイマー病、皮膚疾患および癌がある。
プロテインキナーゼC阻害物質は好中球酸化バースト、T−リンパ球のCD3
減少(CD3 down-regulation)、およびホルボール誘発性四肢浮腫などの炎症応
答を阻害することが示されている。Twoemy,B.ら、Biochem.Biophys.Res.Commun
.171:1087-1092(1990);Mulqueen,M.J.ら、Agents Actions 37:85-89(1992)。
このように、本発明化合物はPKC阻害物質として炎症を処置するのに有用であ
る。
プロテインキナーゼC活性は中枢神経系の機能発現に当たり中心的な役割を果
たしている。Huang,K.P.Trends Neurosci.12:425-432(1989)。加えて、プロテ
インキナーゼC阻害物質は焦点的かつ中心的な虚血性の脳損傷および脳浮腫に認
められる障害を予防することが示されている。Hara,H.ら、J.Cereb.Blood Flow
Metab.10:646-653(1990);Shibata,S.ら、Brain Res.594:290-294(1992)。最
近、プロテインキナーゼCはアルツハイマー病に関連していることが証明された
。Shimohama,S.ら、Neurology 43:1407-1413(1993)。従って、本発明の化合物
はアルツハイマー病および虚血性脳傷害の処置に有用である。
プロテインキナーゼC活性は永く、細胞生育、腫瘍発達(tumor promotion)
および癌に関係していることが示されている。Rotenberg,S.A.およびWeinstein
,I.B.Biochem.Mol.Aspects Sel.Cancer 1: 25-73(1991)。Ahmadら、Molecular
Pharmacology: 43 858-862(1993)。プロテインキナーゼC阻害物質は動物の腫
瘍発育の防止に有効である。Meyer,T.ら、Int.J.Cancer 43:851-856(1989);Aki
nagaka,S.ら、Cancer Res.51:4888-4892(1991)。本発明の化合物はまた、他の
化学療法剤と併用して投与した場合に有効化合物となる多剤拮抗薬(multidrug
reversal(MDR)agents)として機能する。
プロテインキナーゼC活性はまた、心血管疾患に重要な役割を果たしている。
血管系にてプロテインキナーゼC活性が増大すると、血管収縮が増大し、高血圧
を引き起こすことが示されている。既知のプロテインキナーゼC阻害物質はこの
増大を阻害した。Bilder,G.E.ら、J.Pharmacal.Exp.Ther.252:526-530(1990)。
プロテインキナーゼC阻害物質は好中球酸化バーストを阻害することが証明され
ているので、心血管虚血を処置し、虚血後の心機能を改善させるうえでさらに有
用である。Muid,R.E.ら、FEBS Lett.293:169-172(1990);Sonoki,H.ら、Kokyu-
To Junkan 37:669-674(1989)。プロテインキナーゼCの血小板機能における役割
も調査され、プロテインキナーゼCレベルの増大はアゴニストに対する応答の増
大と相関していることが示された。Bastyr III,E.J.およびJu,J.Diabetes 42:
(補1)97A(1993)。PKCは微小血管透過における血小板活性因子調整の生化学
経路に関連している。Kobayashiら、Amer.Phys.Soc.H1214-H1220(1994)。強力な
プロテインキナーゼC阻害物質はアゴニスト誘発性の血小板凝集に作用すること
が示された。Toullec,D.ら、J.Biol.Chem.266:15771-15781(1991)。プロテイン
キナーゼC阻害物質はまた、アゴニスト誘発性の平滑筋細胞増殖を阻害する。Ma
tsumoto,H.およびSasaki,Y.Biochem.Biophys.Res.Commun.158:105-109(1989)
。従って、本発明の化合物は心血管疾患、動脈硬化および再狭窄の処置に有用で
ある。
プロテインキナーゼC活性の異常は乾癬などの皮膚疾患とも関連している。Ho
rn,F.ら、J.Invest Dermatol.88:220-222(1987);Raynaud,F.およびEvain-Bri
on,D.Br.J.Dermatol.124:542-546(1991)。乾癬の特徴は表皮細胞の異常増殖で
ある。既知のプロテインキナーゼC阻害物質は、PKC阻害物質としての活性に
平行するように表皮細胞の増殖を阻害することが示されている。Hegemann,L.ら
、Arch.Dermatol.Res.283:456-460(1991);Bollag,W.B.ら、J.Invest.Dermato
l.100:240-246(1993)。従って、本発明の化合物はPKC阻害物質として、乾癬
の処置に有用である。
プロテインキナーゼCは幾つかの異なる局面で糖尿病に関係している。プロテ
インキナーゼCの過剰活性はインスリンシグナリング欠陥と関係しているので、
II型糖尿病にみられるインスリン耐性と関連している。Karasik,A.ら、J.Biol
.Chem.265:10226-10231(1990);Chen,K.S.ら、Trans.Assoc.Am.Physicians 104
:206-212(1993)。加えて、高血糖状態にさらすと糖尿病合併症にかかり易くなる
ことが知られている組織のプロテインキナーゼC活性の顕著な増
大が研究により示されている。Lee,T.-S.ら、J.Clin.Invest.83:90-94(1989);
Lee,T,S.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5141-5145(1989);Craven,P.A.およ
びDeRubertis,F.R.J.Clin.Invest.83:1667-1675(1989);Wolf,B.A.ら、J.Cli
n.Invest.87:31-38(1991);Tesfamariam,B.ら、J.Clin.Invest.87:1643-1648(
1991)。
式Iで示される化合物は投与前に製剤化するのが好ましい。従って、本発明は
別の態様では、式Iで示される化合物、および1つまたはそれ異常の製薬的に許
容される担体、希釈剤または賦形剤を含有する医薬製剤に関する。
本発明の医薬製剤は周知であり容易に入手可能な成分を用いる既知の手法によ
って調製する。本発明組成物の製造の際は、活性成分を通常、担体と混合し、あ
るいは担体で希釈し、あるいはカプセル剤、サシエ剤、ペーパー剤または他のコ
ンテナ剤型であり得る担体中に封入することができる。担体が希釈剤として働く
場合、それは活性成分のためのビヒクル、賦形剤または媒質として働く固形、半
固形または液状物質であってよい。よって、本発明組成物は錠剤、ピル剤、粉末
剤、トローチ剤、サシエ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液剤、
シロップ剤、エアロゾル剤(固形物として、または液状培質中)、ゼラチン軟お
よび硬カプセル剤、坐剤、滅菌注射溶液剤および滅菌パッケージ粉末剤とするこ
とができる。
適当な担体、賦形剤および希釈剤の例の中には、ラクトース、デキストロース
、ショ糖、ソルビトール、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、珪酸カルシ
ウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水シロップ、メ
チルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびプロピル、タルク、ステアリ
ン酸マグネシウムおよび鉱油などがある。本発明製剤にはさらに、滑沢剤、水和
剤、乳化剤および懸濁化剤、保存剤、甘味料、または香料を加えることができる
。本発明の組成物は、患者への投与後活性成分を迅速に、持続させまたは徐放さ
せるよう製剤化することができる。好ましくは、医薬製剤は活性成分を約1から
約500mg、より典型的には約5から約300mgそれぞれが含有する単位投
与剤型に製剤化する。しかし、投与する治療投与量は、処置する症状、投与する
化合物の選択および投与する経路の選択など関連する状況を勘案して、医師によ
り決
定されることは理解されよう。従って、上記の投与量範囲はいかなる意味におい
ても本発明の範囲の限定を意図するものでない。「単位投与剤型」なる用語は、
ヒト被験者および他の動物のための単位投与量として適当な物理的に別個な単位
であって、所望の治療効果を達成するよう計算された量の活性物質および適当な
製薬担体を含有しているものを意味する。
上記の製剤に加えて、本発明化合物は局所的に投与することもできる。局所用
製剤は軟膏、クリームおよびゲルである。軟膏は通常、(1)油性基剤、即ち固
定油または炭化水素からなるもの、例えば白色ワセリンまたは鉱油、または(2
)吸着基剤、即ち水を吸着できる無水物質(群)からなるもの、例えば無水ラノ
リンのいずれかをしようして調製する。慣例上、基剤の以下の製剤では油性また
は吸着性を問わず、活性成分(化合物)を所望の濃度になる量まで加える。
クリームは油/水エマルジョンである。これは、通常固定油、炭化水素など、
例えばワックス、ワセリン、鉱油などを含む油相(内相)および水および水溶解
性物質、例えば添加塩などを含む水相(連続相)から構成される。これら2つの
相は乳化剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムなどの表面活性剤;アカシアコロイ
ドクレイ、ビーガムなどの親水性コロイドによって安定化される。このエマルジ
ョンを調製するには、活性成分(化合物)を所望の濃度となる量加えるのが通常
である。
ゲルは油性基剤、水またはエマルジョン−懸濁基剤から選択される基剤を含有
する。この基剤に基剤中にマトリックスを形成するゲル化剤を加え、粘性を増大
させる。ゲル化剤の例には、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸ポリマ
ーなどがある。通常、活性成分(化合物)はゲル化剤を加える前に所望の濃度で
製剤に加える。
局所製剤に加える化合物の量は重要でなく、その濃度は、所望の化合物量を供
給できる量で本製剤を患部組織領域に容易に適用できるに充分な範囲とすること
ができる。
患部組織に適用する局所製剤の通常の量は患部組織のサイズおよび製剤中の化
合物濃度によって左右される。一般には、製剤は、約1から約500μg 化合物
/患部組織cm2の量で患部組織に適用する。好ましくは、化合物の適用量は約
30から約300μg/cm2、より好ましくは約50から約200μg/cm2、
最も好ましくは約60から約100μg/cm2である。
以下に製剤例を記載するが、これは単に本発明を例示するためのものであり、
いかなる意味においても本発明の範囲を限定するためのものではない。製剤例1
ゼラチン硬カプセル剤を以下の成分を使用して調製する:
用量(mg/カプセル)
活性成分 250
乾燥デンプン 200
ステアリン酸マグネシウム 10
総量 460mg
上記成分を混合し、460mg容量のゼラチン硬カプセルに充填する。製剤例2
以下の成分を使用して錠剤を調製する:
用量(mg/錠)
活性成分 250
微結晶セルロース 400
フュームド二酸化ケイ素 10
ステアリン酸 5
総量 665mg
上記成分を混合し、各665mg重量の錠剤を圧縮成形する。製剤例3
以下の成分を含有するエアロゾル溶液剤を調製する:
用量(mg/剤)
活性成分 0.25
エタノール 29.75
プロペラント22(クロロジフルオロメタン) 70.00
総量 100.00
活性化合物をエタノールに混合する。この混合物をプロペラント22の一部に
加え、−30℃にまで冷却し、充填装置に移す。次いで、必要量をステンレスス
チール製容器に取り、残りのプロペラントで希釈する。次いで、バルブユニット
を容器に取り付ける。製剤例4
活性成分60mgを含有する各錠剤を以下のようにして調製する:
用量(mg/錠)
活性成分 60mg
デンプン 45mg
微結晶セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン(10%水溶液として) 4mg
カルボキシメチル・ナトリウムデンプン 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
タルク 1mg
総量 150mg
活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.45メッシュ米国ふるいに通し
、十分に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、次い
でこの混合物をNo.14メッシュ米国ふるいに通す。このようにして調製した
顆粒を50℃で乾燥し、No.18メッシュ米国ふるいに通す。次いでこの顆粒
に、前もってNo.60メッシュ米国ふるいに通しておいたカルボキシメチル・
ナトリウムデンプン、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを加え、混合した
後、錠剤成形装置にて圧縮し、各150mg重量の錠剤を作製する。製剤例5
活性成分80mgを含有する各カプセル剤を以下のようにして調製する:
用量(mg/錠)
活性成分 80mg
デンプン 59mg
微結晶セルロース 59mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
総量 200mg
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、
No.45メッシュ米国ふるいに通し、200mg量のゼラチン硬カプセルに充
填する。製剤例6
活性成分225mgをそれぞれ含有する坐剤を以下のようにして調製する:
用量(mg/錠)活性成分
225mg
飽和脂肪酸グリセリド 2,000mg
総量 2,225mg
活性成分をNo.60メッシュ米国ふるいに通し、前もって必要最低限の加熱
で融解させておいた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いでこの混合物を名目
2g容量の坐剤の鋳型に注ぎ、冷却する。製剤例7
用量5mlにつき活性成分50mgをそれぞれ含有する懸濁剤を以下のように
して調製する:
用量(mg/剤)
活性成分 50mg
カルボキシメチルセルロース・ナトリウム 50mg
シロップ 1.25ml
安息香酸溶液 0.10ml
香料 適量
着色料 適量
純水を用いて総量5mlとする
活性成分をNo.45メッシュ米国ふるいに通し、カルボキシメチルセルロー
ス・ナトリウムおよびシロップと混合し、なめらかなペーストの剤型にする。安
息香酸溶液、香料および着色料を一部の水で希釈し、撹拌しながら加える。次い
で充分な水を加え、必要量を作製する。製剤例8
静脈内製剤を以下のようにして調製する:
用量(mg/剤)
活性成分 250mg
等張塩類 1,000ml
上記成分の溶液を1分間に1mlの速度で処置を必要としている患者に静脈内
投与する。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/40 ABS A61K 31/40 ABS
ADA ADA
ADP ADP
ADU ADU
AED AED
C07D 498/22 C07D 498/22
513/22 513/22
(81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG,
CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T
D,TG),AP(GH,KE,LS,MW,SD,SZ
,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,
RU,TJ,TM),AM,AU,AZ,BA,BB,
BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ,EE,F
I,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,MD,
MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,R
U,SD,SG,SK,TJ,TM,TR,TT,UA
,UG,US,UZ,VN,YU
(72)発明者 ゴークジャン,ピーター・ジー
アメリカ合衆国39759ミシシッピー州 ス
タークビル、グリーンズボロ・ストリート
518番
(72)発明者 ウー,グオ―ツァン
アメリカ合衆国39759ミシシッピー州 ス
タークビル、エム・ミシシッピー・ビレッ
ジ27番