JPH11510202A - ブテンの選択性を向上させるためのゼオライトの処理 - Google Patents
ブテンの選択性を向上させるためのゼオライトの処理Info
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Abstract
(57)【要約】
中間孔ゼオライト分解触媒を水蒸気により処理し、その後、酸溶液により処理して、接触分解におけるブテン選択性を向上させる。流動接触分解方法において処理した中間孔分解触媒を使用する方法も開示する。
Description
【発明の詳細な説明】
ブテンの選択性を向上させるためのゼオライトの処理
本発明は、接触分解において中間孔寸法ゼオライト(medium pore zeolite)
のブテン選択性を向上させるためにそのようなゼオライトを処理する方法に関す
る。
流動接触分解(FCC)方法において、流動懸濁物を提供する適当な分解触媒
と混合された比較的重質な供給原料、例えばガスオイルは、高温にてライザーま
たは長尺の反応器にて分解されてより軽質の炭化水素の混合物を生成する。この
反応生成物および使用済み触媒はライザーから、包囲しているストリッピングベ
ッセルの上方セクション内に位置する分離器、例えばサイクロン装置に排出され
、反応生成物は、生成物回収領域に送られ、使用済み触媒は、ストリッパーの下
方セクション内の濃厚触媒床に入る。使用済み触媒が再生装置に入る前に、それ
から同伴されている炭化水素生成物を除去するために、不活性ストリッピングガ
ス、例えば水蒸気が触媒中に通され、水蒸気はそのような炭化水素を脱着して生
成物回収領域に輸送する。流動可能触媒は、ライザーと再生器との間を連続的に
循環し、再生器からライザーへ熱を輸送する役目を果たし、それにより、吸熱反
応である分解反応に必要な熱を供給する。
中間孔ゼオライト、例えばZSM−5をXまたはYホージャサイト類の大孔ゼ
オライト(large pore zeolite)分解触媒と組み合わせて使用することは、米国
特許第3,894,931号、第3,894,933号および第3,894,9
34号に記載されている。
水蒸気処理および酸処理による中間孔ゼオライト触媒の前処理が、接触分解方
法のブテン選択性に予想もできない効果を与えることが見出された。
従って、本発明は、拘束指数(Constraint Index)が1〜12の結晶アルミ
ノシリケートゼオライトを含んで成る分解触媒のブテン選択性を増やす方法を含
み、その方法は、焼成後にそのゼオライトを水蒸気処理し、酸性溶液と水蒸気処
理し
たゼオライトを接触させることを含んで成る。
本発明は、焼成した中間孔結晶アルミノシリケートゼオライトを含んで成る接
触分解と炭化水素を接触させることにより、炭化水素を接触分解する方法を更に
含み、その方法において、ゼオライトは、水蒸気処理し、水蒸気処理したゼオラ
イトを酸性溶液と接触させることにより前処理されている。
本発明の方法は、接触分解におけるブテン選択性を向上させるために、水蒸気
処理後、酸性溶液により中間孔ゼオライト、例えばZSM−5を処理することを
含む。ゼオライトは、水蒸気処理の前に、焼成する。
種々の寸法の分子がゼオライトの内部構造内に進入するのをゼオライトがコン
トロールすることに関する好都合な尺度は、ゼオライトの拘束指数である。ゼオ
ライトの内部構造内への進入およびそれからの排出を大きく拘束するゼオライト
は、大きい拘束指数を有し、この種のゼオライトは通常小さい寸法の孔、例えば
5オングストローム以下の孔を有する。他方、ゼオライトの内部構造内への比較
的自由な進入を可能にするゼオライトは、小さい拘束指数を有し、この種のゼオ
ライトは通常大きい寸法の孔、例えば8オングストローム以上の孔を有する。拘
束指数を測定する方法は、米国特許第4,016,216号に十分に記載されて
いる。
本発明において有用である結晶アルミノシリケートゼオライトは、中間孔ゼオ
ライトである。中間孔ゼオライトは一般的には1〜12の拘束指数を有する。
本発明の方法において有用である他のいくつかの典型的な中間孔ゼオライトの
拘束指数(CI)の値を次に示す:
CI値(試験温度)
ZSM−5 6−8.3 (371℃−316℃)
ZSM−11 5−8.7 (371℃−316℃)
ZSM−12 2.3 (316℃)
ZSM−22 7.3 (427℃)
ZSM−23 9.1 (427℃)
ZSM−35 4.5 (454℃)
ZSM−38 2 (510℃)
ZSM−48 3.5 (538℃)
ZSM−50 2.1 (427℃)
TMAオフレタイト(Offretite) 3.7 (316℃)
クリノプチロライト(Clinoptilohte) 3.4 (510℃)
ゼオライト・ベータ 0.6−2.0 (316℃−399℃)
本発明の方法において使用するのが好ましいゼオライトには、ZSM−5、Z
SM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35および
ZSM−48が含まれる。ZSM−5が特に好ましい。
ZSM−5は、米国特許第3,702,886号および再発行特許第29,9
48号に非常に詳細に記載されている。
ZSM−11は、米国特許第3,709,979号に非常に詳細に記載されて
いる。
ZSM−12は、米国特許第3,832,449号に記載されている。
ZSM−22は、米国特許第4,556,477号に記載されている。
ZSM−23は、米国特許第4,076,842号に記載されている。
ZSM−35は、米国特許第4,016,245号に記載されている。
ZSM−48は、米国特許第4,234,231号により詳細に記載されてい
る。
ゼオライトは、空気中または他の不活性ガス中にて200℃〜900℃の範囲
の温度にて1〜48時間またはそれ以上の時間焼成される。
本発明では、ブテンに対して向上した選択性を有する触媒が、焼成したゼオラ
イトを水蒸気処理およびその後の酸処理に付すことにより得られることが見出さ
れた。好ましくは、出発ゼオライトは、約200:1以下のシリカ/アルミナ比
を有する。
水蒸気処理は、425℃〜870℃(800〜1600°F)、好ましくは5
40℃〜815℃(1000〜1500°F)の範囲の高温および13〜20
0kPa(100〜1500トール)の水の分圧で実施する。この処理は、5〜
100%の水蒸気を含む雰囲気で実施してよい。水蒸気処理は、0.5〜12時
間の範囲の期間実施する。
水蒸気処理に引き続いて、ゼオライトを酸性溶液と接触させる。使用できる典
型的な無機酸には、例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸、ペルオキシニスルホ
ン酸、ジチオン酸、スルファミン酸、ペルオキシ一硫酸、アミド二スルホン酸、
ニトロスルホン酸、クロロスルホン酸、ピロスルホン酸ならびに亜硝酸が含まれ
る。使用できる代表的な有機酸には、ギ酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸およびト
リフルオロ酢酸が含まれる。塩酸および硝酸が好ましい。
酸処理は、35℃〜120℃(100〜250°F)の範囲の温度で実施する
。酸処理は1〜36時間の範囲の期間実施する。この処理は4以下のpHを有す
る酸性溶液により実施してよい。
本発明の方法において採用する温度および他の条件に対して抵抗を有する別の
材料とゼオライトを組み合わせるのが望ましい場合がある。そのような材料には
、活性材料および不活性材料ならびに合成または天然産ゼオライト、ならびに無
機材料、例えばクレイ、シリカおよび/もしくは金属酸化物、例えばアルミナが
含まれる。後者のものは、天然に産出する状態であっても、シリカおよび金属酸
化物の混合物を含むゲルまたはゼラチン状析出物の形態であってもよい。自体触
媒的に活性である材料をゼオライトと組み合わせて使用する、即ち、その合成の
間に存在するか、あるいはそれと混合することにより、触媒の添加性および/ま
たは選択性を変えることができる。不活性材料は、希釈材として適当に機能し、
転化量をコントロールして、反応速度をコントロールする他の手段を用いること
なく、経済的かつ正確に生成物を得ることができる。これらの材料は、天然産ク
レイ、例えばベントナイトおよびカオリンに組み込んでよく、工業的な操作条件
における触媒の圧潰強度を向上させる。そのような材料、即ち、クレイ、酸化物
等は、触媒のバインダーとして機能する。工業的な使用において、触媒が粉末状
材料に壊れるのを防止するのが望ましいので、良好な圧潰強度を有する触媒を提
供することが望ましい。これらのクレイのバインダーは、触媒の圧潰強度を向上
さ
せる目的のためだけに通常は使用されている。
ゼオライト結晶と複合化できる天然産クレイには、モンモリロナイトおよびカ
オリン類が含まれ、これらの類には、サブベントナイトならびにDixie、McNa
mee、GeorgiaおよびFloridaクレイとして一般的に知られるカオリンまたは主
鉱物成分がハロイサイト(halloysite)、カオリナイト(kaohnite)、ディッカ
イト(dickite)、ナクライト(nacrite)またはアナウキサイト(anauxite)で
ある他のものが含まれる。そのようなクレイは、最初に採掘されたそのままの状
態で、あるいは最初に焼成、酸処理もしくは化学的変性に付して使用できる。ま
た、ゼオライトと複合化するのに有用なバインダーには、無機酸化物、特にアル
ミナが含まれる。
上述の材料に加えて、結晶を多孔性のマトリックス材料、例えばシリカ−アル
ミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベ
リリア、シリカ−チタニア、ならびに3元系組成物、例えばシリカ−アルミナ−
トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシアおよび
シリカ−マグネシア−ジルコニアと複合化してよい。また、上述のマトリックス
材料の少なくとも一部分をコロイド形態で供給するのが有利な場合があり、結合
した触媒成分の押出が容易になる。
微細に分割した結晶材料および無機酸化物マトリックスの相対的な割合は、広
範囲に変えてよく、結晶の含量は1〜90重量%であり、より一般的には、特に
複合物をビーズ形態にする場合には、複合物の2〜80%であってよい。
本発明に基づいて前処理する中間孔ゼオライトを含んで成る触媒は、1より小
さい拘束指数を有する大孔分解触媒、例えばゼオライトXまたはYを通常含む。
この大孔ゼオライトは、中間孔ゼオライトと同じマトリックスと組み合わせてよ
く(従って、単一の触媒粒子が双方のゼオライトを含む)、あるいは別のマトリ
ックスと組み合わせてよい(従って、それぞれのゼオライトが別々の触媒粒子に
含まれる)。
本発明に基づいて分解する炭化水素供給原料は、一般的には炭化水素を含んで
成り、特に少なくとも200℃(400°F)の初留点範囲、少なくとも260
℃
(500°F)の50%点範囲および少なくとも315℃(600°F)の終点
範囲を有する石油フラクションを含んで成る。そのような炭化水素フラクション
には、ガスオイル、残渣油、サイクルストック、ホール・トップ・クルード(wh
ole top crude)ならびに石炭、タール、ピッチ、アスファルト等の分解水素化
により得られる重質炭化水素フラクションが含まれる。認識されているように、
約400℃(750°F)以上のより高い沸点の石油フラクションの蒸留は、熱
分解を避けるために減圧下で実施する必要がある。本明細書にて使用する沸点は
、便宜上大気圧に対して補正した沸点により示している。
本発明の触媒を使用する接触分解は、400°F(204℃)〜1200°F
(649℃)の範囲の温度および減圧、大気圧または加圧を含む操作条件を用い
る。接触分解方法は、回分的または連続的に実施してよい。接触分解方法は、固
定床、移動床または流動床で実施できる。炭化水素供給原料の流れは、触媒の流
れに対して向流または並流であってよい。本発明の方法は、流動接触分解(FC
C)プロセスに特に適用できる。
簡単に言うと、FCCプロセスにおいて、触媒は、微細な球の形態であり、油
の蒸気またはガス中にて懸濁すると、流体として作用する。炭化水素は、流動化
した触媒と接触してより軽質の生成物へと触媒により分解される。コークスによ
って触媒が失活すると、コークスが付着した触媒をFCC装置の再生器において
再生する必要がある。個々のFCC装置の設計および構造を変えることはできる
が、FCC装置の本質的な要素は、米国特許第4,368,114号にて説明さ
れている。
本発明の処理方法により、少なくとも約3%、好ましくは少なくとも約10%
C4/C3比が増加する。ブテンがプロペンより有用である精製では、本発明の方
法が与える影響は相当なものである。
C4/C3選択率とガソリン選択率との間には相関があるので、本発明の処理方
法は、更に、ガソリンの選択性を増やすことになる。ZSM−5FCC添加剤は
、増加するオクタン価当たりのガソリン収率ロスが殆どない場合には、ガソリン
選択性である。
実施例および添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図1は、実施例3の水蒸気処理/酸処理したZSM−5と比較した実施例2の
水蒸気処理したZSM−5を使用した場合のC4/C3選択率を示すグラフである
。
図2は、実施例6の水蒸気処理/酸処理したZSM−5と比較した実施例5の
水蒸気処理したZSM−5を使用した場合のC4/C3選択率を示すグラフである
。
実施例1
焼成した未結合のZSM−5を760℃(1400°F)および1気圧(10
0kPa)にて100%水蒸気により5時間水蒸気処理することにより水蒸気処
理触媒を得る。この水蒸気処理ZSM−5は、約60のSi/Al比および約0
.5ミクロンの平均粒子寸法を有する。
実施例2
1−ヘキセンおよび1−オクテンの1:1混合物は、FCC供給原料に見られ
るガソリン範囲(C5〜C12)オレフィンの混合物の代表的なものである。この
1:1ヘキセン/オクテン混合物を540℃(1000°F)および約1.1気
圧(111kPa)の圧力にて実施例1の触媒によって反応させる。炭化水素フ
ィードの分圧は、約0.4気圧(40kPa)であり、窒素キャリヤーガスも使
用する。流量を変えて、20〜50%のヘキセン/オクテンフィードのC5−生
成物への転化率を得る。プロペンおよびブテンの収率およびC4/C3比を以下の
表1に示す。
実施例3
0.5NのHCl中で実施例1の触媒を24時間還流して、濾過および乾燥す
る。次に、この触媒を用いて実施例2で説明したようにヘキセン/オクテンフィ
ード混合物を分解する。プロペンおよびブテンの収率およびC4/C3比を以下の
表1に示す。
実施例4
実施例1と同様にして水蒸気処理したZSM−5を調製する。この水蒸気処理
したZSM−5は、約60のSi/Al比および約0.1ミクロンの平均粒子寸
法を有する。
実施例5
1:1ヘキセン/オクテン混合物を実施例2と同様にして実施例4の触媒によ
って反応させる。プロペンおよびブテンの収率およびC4/C3比を以下の表1に
示す。
実施例6
0.5NのHCl中で実施例5の触媒を24時間還流して、濾過および乾燥す
る。次に、この触媒を用いて実施例2で説明したようにヘキセン/オクテンフィ
ード混合物を分解する。プロペンおよびブテンの収率およびC4/C3比を以下の
表1に示す。
本発明の方法は、C4/C3比を最大限にする。図1は、酸処理の前後の実施例
1の触媒のC4/C3比を比較する。図2は、、酸処理の前後の実施例4の触媒の
C4/C3比を比較する。表1は、酸処理によりブテン選択率が増えることを示す
。水蒸気処理の間に生じる非骨格構造アルミナがゼオライト結晶内の化学種の移
動を部分的にブロックし、その結果、ブテン選択率が小さくなると考えられる。
しかしながら、酸処理は、このアルミナの少なくとも一部分を除去し、それに付
随してブテン選択率が増える。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.1〜12の拘束指数を有する結晶アルミノシリケートゼオライトを含んで 成る分解触媒のブテン選択性を増やす方法であって、 焼成後、そのゼオライトを水蒸気処理すること、および水蒸気処理したゼオラ イトを酸性溶液と接触させることを含んで成る方法。 2.結晶アルミノシリケートゼオライトは、ZSM−5、ZSM−11、ZS M−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35およびZSM−48から 選択される請求の範囲1の方法。 3.結晶アルミノシリケートゼオライトは、ZSM−5である請求の範囲1の 方法。 4.出発ゼオライトは、約200:1より小さいシリカ/アルミナ比を有する 請求の範囲1の方法。 5.酸性溶液は、鉱酸を含んで成る請求の範囲1の方法。 6.酸性溶液は、塩酸を含んで成る請求の範囲1の方法。 7.酸性溶液は、約4以下のpHを有する請求の範囲1の方法。 8.水蒸気処理条件は、13〜200kPa(100〜1500トール)の水 の分圧;540℃〜815℃(1000〜1500°F)の範囲の温度;および 0.5〜12時間の範囲の接触時間を含む請求の範囲1の方法。 9.焼成した中間孔結晶アルミノシリケートゼオライトを含んで成る接触分解 触媒と炭化水素を接触させることにより炭化水素を接触分解する方法であって、 このゼオライトは、水蒸気処理および水蒸気処理したゼオライトの酸性溶液との 接触により調製されている方法。 10.触媒は、大孔分解成分も含む請求の範囲9の方法。
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