JPH11510602A5 - - Google Patents
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- JPH11510602A5 JPH11510602A5 JP1997508478A JP50847897A JPH11510602A5 JP H11510602 A5 JPH11510602 A5 JP H11510602A5 JP 1997508478 A JP1997508478 A JP 1997508478A JP 50847897 A JP50847897 A JP 50847897A JP H11510602 A5 JPH11510602 A5 JP H11510602A5
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Description
【発明の詳細な説明】
[技術分野]
本発明は一般的に拡散反射分光学に関連し、より詳しくは、人体組織における分析対象の濃度の分光学的測定又は分光学的解析のための、改良された装置に関連し、さらにより詳しくは、そのような測定装置での使用のための、表面反射制御装置を含む改良された装置に関連する。
[発明の背景]
人体組織における分析対象の濃度を決定するために、精密かつ無痛の検査法への必要性と要求は多く報告されている。例えば、バーンズ他(米国特許第5、379、764号)は、糖尿病患者に対する血液中の血糖レベルを、頻繁にモニターすることの必要性を開示している。より頻繁に解析すればするほど、血糖値の大きな変動の発生は少なくなる傾向にある。これらの大きな変動は、病気の症状と併発症に関連し、その長期的な影響には心臓疾患、動脈硬化、失明、脳卒中、高血圧、腎臓疾患及び若死等が含まれる。以下に記述されるように、血液中の血糖を無痛で測定するためのシステムが提案されてきた。しかしながら、これらの努力にもかかわらず、現時点で商業的に実現可能な家庭での血糖測定の形式の全部で、今だに指に披針を切り入れる必要がある。糖尿病患者は、これを大変面倒であると信じており、いかなる形式の糖尿病のマネジメントに対してであれ、その最も効果的な使用はあまり実践されてはいない。
以下で個別に議論される、血糖値を測定する方法として提案されている種々の無痛検査法は、解析の理論的な基礎として一般的に赤外線定量分光法を用いている。赤外線分光は、物質が種々の波長で吸収する電磁的な放射(0.7−25μm)を測定する。原子同士は互いに固定された位置を維持はしておらず、平均距離を隔てて前後に振動している。適宜のエネルギーにおいての光の吸収は、より高い振動レベルへその原子を励起する。ある励起状態への原子の励起は、特定の離散したエネルギーレベルでのみ発生し、特定の分子に対しては、それに特有のものである。最も基本的な振動状態は、赤外線領域の中央部分(即ち2.5−25μm)で発生する。しかしながらこの領域での血液中の分析対象の無痛測定は、水による光の吸収のために不可能であるか、不可能でないにしても問題点が多い。この問題点は、水により減衰されないより短い波長の光の使用によって解決される。基本振動状態の高調振動はより短い波長領域に存在し、それらの波長領域での定量的測定を可能にする。
血糖は、近赤外線領域及び赤外線の中央領域の双方における多様な周波数で吸収を起こすことが知られている。しかしながら、類似の周波数で同様に吸収を起こす血液中の他の赤外線に活性な分析対象が存在する。これらの吸収帯域が重畳している性質のために、無痛の血糖値測定に単一又は特定の周波数を採用することはできない。血糖値測定のためのスペクトルデータの解析は、このようにして、定量的決定に必要な感度、精密性、正確性及び信頼性を達成するために、広いスペクトル領域にわたっての多くのスペクトルの強度の評価を必要とする。吸収帯の重なりに付け加えて、測定される物質の特性及び/又は光学測定手段本来の非線形性の双方の故をもって、測定するスペクトルデータが非線形の反応を示し、かつ血糖が血液中での重量比では主成分ではないという事実により、血糖測定はさらに複雑なものになる。
ロビンソン(Robinson)他(米国特許第4、975、581号)は、特性値が既知である生物サンプルの一群のスペクトルから、経験的に誘導される多変量モデルに関する赤外線分光学を用いた、生物サンプルにおける未知の特性値の計測のための方法と装置を開示している。上述の特性は、一般には血糖のような分析対象の濃度であるが、又同時にサンプルの化学的又は物理的特性でもあり得る。ロビンソン他の方法は、較正と実測の二つの段階をからなる2段階のプロセスを含んでいる。較正の段階では、特性値が既知の較正サンプルに赤外線光が組み合わせられ、既知の特性値を有するサンプルを構成する種々の成分と分析対象の関数として、少なくとも複数のいくつかの波長における赤外線放射の減衰のパターンが得られる。赤外線光は、サンプルを通過した光の透過により又はサンプルからの光の反射により、サンプルと組み合わせられる。サンプルによる赤外線光の吸収は、光の波長の関数である光強度の変動を引き起こす。少なくとも複数のいくつかの波長における結果の強度変動は、一群の既知の特性値の較正サンプルに対して測定される。得られた直接の強度変動値又はそれを変換した強度変動値は、ついで多変量較正モデルを得るために、多変量アルゴリズムを用いて較正サンプルの既知の特性値と経験的に関連づけられる。実測の段階では、特性値が未知のサンプルに赤外線光が組み合わせられ、この未知のサンプルから測定された、適宜の波長の光から得られた直接の強度変動値又はそれを変換した強度変動値に、較正モデルが適用される。実測段階の結果は、未知のサンプルの特性値の概算値である。ロビンソン他による開示は、参考として本明細書に添付する。
デーン(Deahne)他(米国特許第4、655、225号)は、さらに、近赤外線分光学を用いた、無痛検査のための患者の指又は耳たぶを透過する近赤外線スペクトルにおける、光学的エネルギー放射の方法を開示している。デーンは同様に、分析対象の濃度を決定するための反射光エネルギーの測定を開示している。反射光のエネルギーはさらに、サンプルの表面からの反射光と人体組織深部からの反射光の合成されたものであると、述べられている。デーンが分析対象の情報を含んでいるとして開示した、人体組織深部から拡散して反射されるのは近赤外線エネルギーであるのに対し、表面反射光エネルギーは分析対象の情報を含まず、人体組織深部から反射された情報又は測定光と干渉する。本発明は、表面反射光の影響を除去した、拡散して反射する光の改良された測定のための装置を目的としている。
反射分光学は、医療用以外の応用ではよく知られている。一般的にそのような分光学は、反射光の情報を用いてのサンプルの化学構造の特定に関したものである。拡散反射分光学も同様によく知られ、かつ穀物やその他の食料品のような材料を検査するために、可視光及び近赤外線領域の光のスペクトル分析で広く用いられている。
広い意味では拡散反射分光学は、サンプル材料が多かれ少なかれランダムな方向に入射光を散乱する性質がある、という事実を利用している。光の一部は、偶々サンプルにより後方に散乱されて跳ね返り、検出器で集められてサンプルの定量的又は定性的特徴表現を提供する。
赤外線分光学では、しばしば赤外線スペクトルの中央領域を採用することが望ましいとされる。当初に述べた基本振動の吸収は、基本領域ではこの付近で最大である。赤外線分光学の究極のサンプリングは、しばしば、この赤外線中央領域光で分析できるようなサンプルを作成することとされる。反射分光学は、赤外線中央領域光で使用可能なサンプルを作成する、非常によく行われる方法の一つである。サンプルが分厚すぎて透過した光を得られない場合は、しばしば反射により測定が行われる。しかしながら、この状況では一つ以上の光学的現象が起こっている、という事実により反射分光学は複雑である。サンプルからの光の反射は、拡散反射及び表面反射の二つのカテゴリーに大きく分けることができる。あるサンプルによる表面反射は、サンプル内へ侵入した光で生成されるものではなく、むしろサンプル前面の表面からの「鏡面様」の反射である。この成分は、サンプル表面に関する情報を含んでいる。もし材料が均質であれば、この表面反射は全体の値として関係付けられることができる。この表面反射成分は、物理的に吸収スペクトルのようには現れないが、一方ではそれはクラマース−クロニック(Kramers-Kronig)変換と呼ばれる変換を通して、材料全体の吸収スペクトルに関係づけられることができる。さらに、たいていの専門家は、表面成分より拡散成分の方がサンプルの定量分析及び定性分析に対してはるかに有用である、と判断している。本件出願人及びその他による、拡散成分を強調し表面成分の影響を弱め、反射スペクトルをより実質的に透過スペクトルのようにするための多くの努力がなされてきた。一般的にこれらの努力は、大きく分けて、表面反射に対する分光学的識別、力学的識別及び表面反射を最小化するためにデザインされたサンプル作成の第2の方法、の3つのカテゴリーに分類される。第4の従属的なアプローチは、サンプル作成への要請の困難さを緩和するために、赤外線中央領域の利用から離れることである。スペクトルの近赤外線領域又は可視光線領域に移行することにより、振動分光学は感度が下がり精密でないものになるが、しかし、しばしば改良されたサンプリング能力、より適切な光路長及び表面反射とのよりよい識別性等の理由から、取得されたデータの品質及び信号雑音比において観察される改善により、構成されることができる。このアプローチは、定量的情報が必要な場合には特に有用である。
大半の専門家は、サンプル材料が層状であって均質でない場合には、拡散成分の利用は望ましいものであり、さらに本質的なものでさえあると判断している。
表面成分は、主にサンプル表面についての情報を含んでいるのであって、サンプル全体のそれではない。その事実にも関わらず、ウォルター・M・ドイル(Walter M.Doyle)に対し1991年5月14日に付与された米国特許第5,015,100号は、表面反射へのアプローチの例を記述している。光の表面反射成分は、大きな波長依存性があり、検査中の試料の複素屈折率に関する情報を含んでいる。この複素屈折率は、物質の吸収係数に関連する虚数部分を含んでいる。
ドイルは、表面反射分光学の潜在的な有用性は当業者にはよく知られていると記述し、測定して得られた反射スペクトルを吸収スペクトルに変換するために、クラマース−クロニックの関係と名付けられた数学的表現を用いうることを指摘している。これらの計算されたスペクトルは、現存する吸収スペクトルのライブラリーと比較することにより、サンプルを特定するために有用である。しかしながら先行技術の著作は、患者の血液のようなサンプルの成分解析の目的の、定量的測定に用いられたことはない。実際問題として、皮膚表面には血液の情報がほとんどないために、この目的に対しては殆ど実行されていない。拡散成分が、使用されなければならない。
ドイルとマッキントッシュ(McIntosh)により、1989年10月の第16回FACSS年次総会で発表された、論文番号第424号は、クラマース−クロニックの関係は、使用された方程式が偏光と入射の角度を考慮するために修正されなければ、又は直角入射の条件を近似した放射を実験装置が提供しなければ、反射のデータから正確な吸収スペクトルを得るために採用することはできない、と結論づけている。参考資料のドイル特許は、その中でサンプルにより反射された解析用の放射が直角入射で実現される条件を近似する、表面反射システムでの装置の使用を記述し、入射面と平行に偏光された光線からの寄与と入射面に垂直に偏光された光線からの寄与を、実質的に等しくすることを保証することによる解法を提案した。そのような装置で用いられた半透明のビームスプリッターが必要とされる偏光バランスの条件を達成するが、ビームスプリッターでのサンプルの前での透過、サンプルの後での反射及び吸収損失等におけるロスのために放射効率を損なうことを、ドイルは教示している。そしてドイルの参考資料は、不均等の複数の反射ブレードに分割された表面エリアと開いた透過エリアを有する、スプリットフィールドビームスプリッターを用いて放射効率を改善したシステムを記述している。
同様にドイルに付与された米国特許第4,852,955号は、システムの開口部の半分を覆う100%反射ミラーを用い、かつ開口部の残りの半分を使用する照明ビーム及び出力ビームを設定した、ビームスプリッターの効率の制限の問題を予防したシステムを記述している。しかしながらこの参考資料のスプリットフィールドビームスプリッターの使用は、サンプルの表面に垂直な軸に関して非対称である放射の入射分布を必要としている。その結果として、提案されたビームスプリッターが使用された場合に、p及びsの偏光状態がバランスされるという保証はなくなる。
ドイルの先行技術は、限界がはっきりしている。表面反射は、全体としての物質の性質が適切に表面組成により表現されている場合にのみ有用である。そうでない場合、即ち例えば血液中の分析対象の無痛の測定を実行するときのような場合は、この方法論は誤った結果を与える。
表面反射に対する機械的な識別の例は、ロバート・G・メッサーシュミット(Robert G.Messerschmidt)とドナルド・W・スティング(Donald W.Sting)に対して、1987年4月28日に付与された米国特許第4,661,706号に示されている。メッサーシュミット他は、反射された光の表面成分と拡散成分は、表面成分がサンプルの表面から放射されるという事実に基づいて、機械的に分離することができることを示した。表面光は検出器に衝突することができる前に、ブレード状のデバイスがそれを「すくい取る」。注意深い調整をしたなら、純粋な拡散反射を得ることができる。そのデバイスの欠点は、それが拡散光を集めるためには効率的であるというわけではないことである。十分に拡散反射されたエネルギーは、試料の表面から浅い部分のみを通過し、妨害するデバイスが存在するのはこの境界である。深度の浅い拡散光は、そのために除外される。中央領域の赤外線を非常に高度に吸収する試料に対しては、測定結果の信号雑音比は、強く引き下げられる。この型式のデバイスは、無痛の血液分析対象の測定に対してうまく採用することができるが、この適用例で提案された方法と比較して、効率が劣っている。
拡散成分と表面成分を分離するために、光学的手段が同様に用いられてきた。
最近の例は、ラルフ・マーバック(Ralf Marbach)により「Messverfahren zur IR-spektroskopishen Blutglucose bestimlnung」(「IR分光学的血糖測定についての測定技術」)と題された彼の博士論文で記述され、1993年にデュッセルドルフで刊行された。マーバックは、ハーリック・サイエンティフィック(Harrick Scientific)社により1980年に最初に導入された、プレイングマンティス(Praying Mantis)拡散反射器と原理的には非常によく似た光学的識別システムを用いている。ここでのコンセプトは、表面光は表面の垂線に対し入射角と反対の等しい角度でサンプルから反射する、ということである。この事実を用いて、入力収集角度以外の光のみを収集するのは容易なことである。マーバックとハーリックは、その後広い幅の反射角度を収集に採用することができるように、入射角を小さい幅に制限する。光が入射されサンプルから収集されうる空間の領域は、限られていることに留意されたい。立体角に関しては、平坦な表面のサンプルについては、この動作体積は立体角で2πステラジアンであるということができる。ハーリックのデバイスでは、小さくて等しい立体角が入力及び出力の光学系により対応されている。1/2πステラジアン以下の立体角が入力又は出力の光学系の双方により対応されている。これは、使用可能な立体角の50%以下の効率ということになる。拡散反射された光の収集における他の限定因子は、収集された光の方向性である。無痛の測定に要求される、人体組織を含む多くのサンプルが殆ど前方散乱である。これはいうならば、散乱事象の発生後散乱された光子は、方向においては僅かな角度しか変化を受けない、ということである。ハーリックのデバイスは、出力光学系で収集される前に、大きな角度で偏向されることを光子に要請している。相対的に低い効率とサンプルに異方性がある場合のこの能力の低さとは、ハーリックのデバイスに関して深刻な問題である。マーバックのデバイスは、ハーリックのデバイスに多様な方法で改良を加えたものである。第一に、光の入力と収集に用いうる全角度は、理論的限界である2πステラジアンに近付いている。これは、入力光と出力光の双方について、360度までの方位角のずれを与えることを可能にしたことで実現された。第二に、前方への散乱の指向性が取り入れられた。角度にしてわずか数度のみ偏向された光線を、収集することができる。このアプローチの失敗は、光学入出力システムが増幅とは完全に相容れないものになったことである。どんな拡散反射システムも、システムの光源及び検出器と共同して動作しなければならない。近赤外線領域スペクトルの検出器は、大きくなればなるほど雑音が増えるので、検出器を可能な限り小さく作ることは、究極の目的の一つでなければならない。気の利いたコンパクトな光源は、同様に有利である。マーバックシステムでは、光源の光学像はサンプル平面での検出器の光学像と比較して、はるかに拡大されている。これは、検出器上に結像することができる光源のエネルギー密度が限定されている、ということである。さらに、サンプルから収集されたエネルギーが検出器まで進行するにつれ縮小される。ここでも、エネルギー効率については妥協されている。理想的な状況は、入力と出力の増幅率を等しくしておくことである。マーバックの設計の別の重要な限界は、出力と入力の角度の選択に関連している。現実の光学システムでは、大きなf値での結像が優れている。f値が小さいシステム、特に、大きな直径の視野絞りを有するものでは、結像が貧弱になる傾向を有している。マーバックはこの事実を彼の学位論文に記載している。彼のデザインでは、優れた、f値の大きい、殆ど正規化された空間が全て入力光のために用意され、理想的でない、殆ど掠めるような光が出力のために使用される。そのデバイスは、光源の場所と検出器の場所が切り換えられた、マーバックにより採用された方法とは「反対方向で」使用されたならば、よりうまく動作したであろう事は、容易に想像できる。この応用例に記述されたデバイスは、より良い解法をさえ提供する。
拡散反射スペクトルへの表面反射の寄与を除去する別途の方法は、表面反射が起こらないように、サンプル自身を改質することである。これを達成するための一つの方法は、屈折率の低い非吸収性の充填材料中に、サンプルを粉末化して分散し希釈する事である。屈折率の低い充填材料は表面反射成分が少なく、表面反射問題を緩和することであろう。不幸にして、無痛解析の目的には、サンプルの改質は許容されず、それ故、ここで論じている使用目的には、希釈法は選択肢にはならない。
[発明の概要]
本発明の装置は、人体組織を含む分析対象からの、拡散反射光の改良された測定のための装置である。本装置は、人体組織内部の奥深くから反射して戻される拡散反射光と表面反射光又は鏡面反射光を分離する表面反射制御装置を包含している。それ故、分析対象の情報を含む拡散反射光のみが分光分析器に到達する。
本発明の改良された表面反射制御装置は、光源からの解析用ビームが入射される表面を含み、その表面は偶数である複数の区分に分割され、区分の半数が光ビームを透過させるため透明であり、残りの半数がサンプルからの反射ビームを検出装置に導くための反射鏡を有する。
出願人は、入力用の光学系と出力用の光学系の対称的な配置に基づいて表面反射制御装置を使用することにより、人体組織の拡散反射サンプリングに伴う表面反射光の混入を削減又は除去することができることを見いだした。
望ましい実施の形態では、エネルギー源からの光線が、望ましくは複数のレンズからなる光学システムにより、人体組織に焦点あわせをされる。以下に詳しく記述される表面反射制御装置を、光が透過するか又はそれに入射する。ビームの焦点あわせにより、任意の光がシステムに入射され、表面反射して焦点の中心とは反対側からシステムを出ていく。特に、表面反射を受けた光線は、焦点の中心に関し対称的な経路を経る。このようにして、表面反射を受けた光は、点中心対称性を有する経路を経る。表面反射制御装置即ち光学システムは、焦点の中心に関し対称的になっている。例えば、皮膚の表面で表面反射された光は、ビーム焦点の反対側から光学系を出ていき、それは表面反射制御装置では対向する開口部に対応する。表面反射でない反射を受けた光は、焦点の中心に対する入射角に対して相対的に角度変化を受けた光であるので、窓を着けられていない部分から表面反射制御装置の表面に入射し、引き続くスペクトル分析のために方向転換を受ける。このようにして、表面反射を受けた光は、分析器に到達することは決してない。
表面反射制御装置の望ましい第一の実施の形態では、最低4つの区分が存在し、そのうち半分が開口部で、残りの半分が反射部である。各々の反射部は開口部の組みの間に位置しており、表面反射制御装置の中心点に関して互いに他の反射部と対向している。この望ましい実施の形態では、表面反射制御装置の反射部の全表面積は実質的に表面反射制御装置の開口部の全表面積に等しい。
上述の実施の形態の変形である、表面反射制御装置の望ましい第二の実施の形態では、予め定められた幅の不透明な非反射仕切りが、各々の隣接する部分の間の境界として機能する。その不透明な非反射仕切りは、反射部分の全表面積が開口部の全表面積と等しくなるように、表面の中心線に沿って配置されることが可能であり、又はその不透明な非反射仕切りは反射部分の全表面積が開口部の全表面積と等しくならないような方法で、選択的に中心をはずして配置されることもできる。
本発明の別途の目的及び付随する利点は、添付された図面と関連して考察された場合に、以下の詳細な記述を参照することにより、よりよく理解されるようになり、容易にその真価を認められるようになる。図面の全体にわたって、図面中の類似の参照番号は類似の部品を表している。
[望ましい実施の形態の詳細な説明]
本発明は、分析対象の濃度の分光写真解析又は測定のための改良された装置を目的としている。望ましい実施の形態では、その装置は人間の患者の人体組織中の分析対象の濃度の測定のために使用され、特に、本発明は人体組織中の血糖濃度の解析に注目している。測定は、広帯域の近赤外線エネルギー源により照射された後の、人体組織から戻ってくる拡散反射光に基づく。
最初に第1図を参照すると、分析対象を含む人体組織サンプルに入射した光のエネルギーの模式的表現が描かれている。単純化された表現で描かれているように、人体組織サンプル12は、表皮16である上層,真皮18である中間層及び皮下の人体組織19を含んでいる。入射光10は人体組織12を照射し、光のエネルギーの一部は、人体組織を通過して人体組織サンプルの反対側から出ていく透過光26となる。換わりに人体組織サンプルは、光のエネルギーの一部を吸収し、吸収された光のエネルギー24は熱となる。第3の現象は、入射光10の一部の表面反射14を含んでいる。最後に、光のエネルギーの一部は、拡散反射30となる。
拡散反射光30は、人体組織中のサンプルのうちの種々の成分と接触することにより、数回の反射を受ける。拡散反射光のエネルギー30の一部が、偶然に人体組織サンプル12の表面に戻り、皮膚表面を通過して測定デバイスヘ戻される。このようにして、表面反射光14と拡散反射光30の双方が結合され、本発明の装置へ戻ってくる。
反射光の内、拡散反射光30のみが分析対象すなわち血糖値の情報を含んでいる。表面反射された光は、血管のない表皮の情報を含んでいるが、しかし血糖の情報は含んでいない。このようにして、本発明の終着点は表面反射光14から拡散反射された光30を分離することにより、そのような拡散反射光のみを解析のために利用することである。表面反射光14は、解析に必要な情報を含んでいないので、汚染光であると見なすことができる。
出願人は、人体組織の拡散反射光のサンプリングに伴う問題は、中心対称性に基づく入力及び出力の光学的分配で極小化することができることを見いだした。
中心対称性を考慮した配置において、光線10はレンズを用いた光学システムにより、人体組織サンプル12に焦点づけられる。この実施の形態について、人体組織12の表面から表面反射して戻る光線は、ビームの焦点の反対側で光学システムから射出することが見いだされた。システムに入射し表面反射を受けた任意の光線は、焦点の中心からみた反対側でシステムを射出する。
ここで第2図を参照すると、ビームの焦点あわせをするレンズのシステムを通過する光線についての、概念と効果を図示した模式図が示されている。第2図に描かれているように、中心点に対して4つに区分された、一般に円形の透明な板を通過する光線A、B、及びCが記載されている。これらの四分円は、第1の四分円32,第2の四分円34,第3の四分円38及び第4の四分円36からなる。図示されているように、入力光エネルギーA42は、第1の四分円内の平板に入射しそれを通過する。中心に対する点対称性により、表面反射による出力光エネルギーA48が、第3の四分円38内の平板を通して戻ってくる。同様に、入力光エネルギーB40が又第1の四分円内32に入射する。スペクトル反射の結果である出力光エネルギーB46が、第3の四分円38から射出する。同じようにして、第2の四分円34に入射した入力光エネルギーC44は、出力光エネルギーC50として表示されたように、第4の四分円36から射出する表面反射光の成分を有している。
中心に対する点対称性とは対照的に、反射率サンプリングに対する典型的な単一鏡光学配置が単一の中心線に対し、隣り合う入力と出力に分割される光学ビームを含んでいる。この配置は、第3図に描かれている。ここでも、入力側52及び出力側54を有する一般的に丸い板が、描かれている。入力側と出力側は、円盤の直径を通る中心線により分割されている。円盤を通過する入力光線A42,B40及びC50は、表面反射成分又は実際に出力光学系によりサンプリングされた出力光エネルギーA48、B46及びC44を有し、検出器により見ることができる。
出願人は、表面反射に関わる問題点は、第1図に描写されたように、反射率のサンプリングに対する標準的な単一鏡光学配置に伴う問題点を解消するために、中心に対する点対称性の概念を含んだ表面反射光デバイスを設計することにより、除外することができることを見いだした。ここで第4図を参照すると、4つの四分円に分割された一般的に円形の板が描かれている。第4図の構成では、第1の四分円32と第3の四分円38は、入力用の四分円として定義されている。第2の四分円34と第4の四分円36は、出力用の四分円として定義されている。この実施の形態では光のエネルギー源は、円盤上に入射する。しかしながら、入力用四分円は光のエネルギーを通過させるが、一方出力用四分円は不透明である。このようにして、入力用四分円上に入射した光のみが、人体組織のサンプルに接触するために表面反射制御装置を通過する。
人体組織サンプルから反射された、表面反射光及び拡散反射光の双方を含む光は、表面反射制御装置の反対側から入射する。しかしながら第1図において説明したように、人体組織サンプルから戻ってくる全ての表面反射光は、第1と第3の四分円32及び38に入射し、これらの開口部を通って戻っていく。これとは対照的に、多くの拡散反射光は表面反射を妨害することなく、第2の四分円34と第4の四分円36に入射する。それらの拡散反射光はしかる後に第2と第4の四分円34及び36の表面から反射され、測定器に導かれることができる。この方法により、拡散反射光のみが解析される。
第5図に示されたように、光線56の拡散反射光成分は、それが出力光学系により収集される前に、少なくとも45度の方向の変化を受けなければならない。
吸収されることなくこの方向の変化を運良く受けられる光子の数は、より小さい方向の変化をうまく受けることができる光子の数より少ない、ということが認識されている。出願人は、対称性を基礎にして光学ビームをさらに多くの入力部と出力部に分割することにより、光学システムの効率を改善することができることを見いだした。そのような代替案の実施の形態の一つは、第6図に描かれている。第6図では、光学ビームが中心に対し8つに分離されたくさび形の区分円に分割されている。8区分円の構成では、ある一つの入力区分円の中心に位置する光線は、僅かに22.5度の方向の変化を受けなければならないのみである。出願人は、区分円の数がさらに増加することができることを認識した。代替案として、第7図に示されるように、光学ビームが同様に中心に対して対称的な16の一般的に正方形の区分に分割されることができる。
第8図Aは、一般的に110で表現される表面反射制御装置を開示している。表面反射制御装置110の表面は、ここでは開口部116及び118と、反射部112及び114として示される、偶数である複数の区分に分割されている。開口部116及び118は、表面反射制御装置110の表面に入射した任意の光のビームを通過又は透過させようとする傾向を有している。
対照的に、反射部112及び114は入射ビームを遮断し、その一部を予め定められた場所に反射しようとする傾向を有している。
第8図Aの実施の形態では、各々の区分112、114、116及び118は大きさが等しく、そのために開口部116及び118の全表面積は反射部112及び114の全表面積と等しい。さらに各々の反射部112及び114は、一組の開口部116及び118の間に位置しており、又同様に各々の開口部116及び118は、一組の開口部112及び114の間に位置している。結果的に、例えば112のような各々の反射部は、例えば114のような他の反射部とは正反対の位置にあり、例えば116のような各々の開口部は、例えば118のような他の開口部とは正反対の位置にある。
ここで第8図Bを参照すれば、第8図Aの装置の別の実施の形態が示されている。第8図Bでは、表面反射制御装置110は、ここでも複数の反射部112及び114と開口部116及び118に分割されている。例えば112及び114のような各々の反射部は、一組の開口部116及び118の間に位置し、又同様に各々の開口部116及び118は、例えば112及び114のような一組の反射部の間に位置している。各々の反射部は、他の反射部の正反対の位置にあり、そして各々の開口部は、他の開口部の正反対の位置にある。
第8図Bには、各々の区分112,116,114及び118の境界に沿って位置する不透明な非反射仕切り113及び111の組が同様に示されている。この仕切り111及び113の効果は、サンプルを照射するために送られる解析用ビームとサンプルから反射されるデータビームとの間のより精密な限定を達成することである。反射部と開口部の間の不透明な非反射仕切りは、例えば種々の隣接する区分での、透過され又は反射される光ビームからの混信を防止して、この望まれる改良を達成する。
不透明な非反射仕切り111及び113が、例えば110のような円形の表面反射制御装置の表面の直径に沿って利用された場合は、反射部112及び114と開口部116及び118との間の残りの表面積を等しく区分することがその結果として得られる。ある種のサンプルの解析に対しては、反射部の表面積を開口部の表面積とは等しくならないようにすることが望ましいので、不透明な非反射仕切り115及び117の追加により達成されることが、第8図Bに示されている。説明の便宜の目的のため、不透明な非反射領域115は、開口部116の表面積を削減するために不透明な非反射仕切り113に追加したように図示されており、又同様に、不透明な非反射領域117は、開口部118の表面積を削減するために不透明な非反射仕切り113に追加されている。
第8図Bに示された実施の形態において、光源からの解析用ビームが開口部116及び118を通過して伝えられ、サンプルからの拡散反射が区分112及び114により検出器に反射されるシステムでは、不透明な非反射部分115及び117の追加が、サンプルを照射する光源のビームのパーセンテージが減ることにつながる、ということが明らかとなる。
ここで第9図を参照すると、本発明の装置を利用した、拡散反射分光学のシステムの模式図が示されている。開口部118及び反射部114を有する、表面反射制御装置110が示されている。表面反射制御装置110は、第8図A及び第8図Bに示されたように円形の形状をもつ必要はなく、例えば形状が楕円形又は長方形であっても良い。
132,134及び136で表示される解析用ソースビームを提供するために、光源又はエネルギー源130が図示されている。ソースビーム132,134及び136は、最初に表面反射制御装置110の表面に衝突する。136で表示されるソースビームの一部分は、表面反射制御装置110の反射部114に入射し、矢印で表示されているように反射される。132及び134で表示されるソースビームの一部分は、表面反射制御装置110の開口部118を通過し、そのまま進行して楕円体の鏡140によりサンプル150上の所望の焦点部に向けて反射される。
拡散反射ビーム152は、サンプル150から鏡140へ反射され、又そこから矢印で表示されているように、反射部114へ反射される。拡散反射ビーム152は、楕円体の鏡60に反射され、そこからビームが解析される検出器170に向けて焦点あわせされる。
光線154の表面反射ビームが、拡散反射ビーム152と対照して、図9に表現されている。図9に表示されているように、表面反射ビーム154はサンプル150から鏡140に反射される。表面反射ビームはしかる後、開口部116を通過するが、その開口部116は、光ビームがかつて入射した入力区分118とは対向している。表面反射光154はこのようにして、拡散反射ビーム152について上記で説明したようには解析器170へは反射されない。
第9図では、表面反射制御装置110は、一般的によく知られた単一要素の第8図A及びBで図示された反射部と開口部を有するものであって良い。又は製造目的のために望ましいのであれば、表面反射制御装置110は、各々の表面が第8図A及び第8図Bに表示されたと同様の方法で処理されている、第1と第2の表面を有する、所望の厚みのユニットであってもよい。必要な結果を達成するために、第1の表面上の反射部及び開口部は第2の表面上の反射部及び開口部と直接対向している。
以上、本発明の望ましい実施の形態がこのように記述されてきたので、当業者は容易に以下に添付されている請求項の範囲内の別途の有用な実施の形態を案出することができると思われる。
[技術分野]
本発明は一般的に拡散反射分光学に関連し、より詳しくは、人体組織における分析対象の濃度の分光学的測定又は分光学的解析のための、改良された装置に関連し、さらにより詳しくは、そのような測定装置での使用のための、表面反射制御装置を含む改良された装置に関連する。
[発明の背景]
人体組織における分析対象の濃度を決定するために、精密かつ無痛の検査法への必要性と要求は多く報告されている。例えば、バーンズ他(米国特許第5、379、764号)は、糖尿病患者に対する血液中の血糖レベルを、頻繁にモニターすることの必要性を開示している。より頻繁に解析すればするほど、血糖値の大きな変動の発生は少なくなる傾向にある。これらの大きな変動は、病気の症状と併発症に関連し、その長期的な影響には心臓疾患、動脈硬化、失明、脳卒中、高血圧、腎臓疾患及び若死等が含まれる。以下に記述されるように、血液中の血糖を無痛で測定するためのシステムが提案されてきた。しかしながら、これらの努力にもかかわらず、現時点で商業的に実現可能な家庭での血糖測定の形式の全部で、今だに指に披針を切り入れる必要がある。糖尿病患者は、これを大変面倒であると信じており、いかなる形式の糖尿病のマネジメントに対してであれ、その最も効果的な使用はあまり実践されてはいない。
以下で個別に議論される、血糖値を測定する方法として提案されている種々の無痛検査法は、解析の理論的な基礎として一般的に赤外線定量分光法を用いている。赤外線分光は、物質が種々の波長で吸収する電磁的な放射(0.7−25μm)を測定する。原子同士は互いに固定された位置を維持はしておらず、平均距離を隔てて前後に振動している。適宜のエネルギーにおいての光の吸収は、より高い振動レベルへその原子を励起する。ある励起状態への原子の励起は、特定の離散したエネルギーレベルでのみ発生し、特定の分子に対しては、それに特有のものである。最も基本的な振動状態は、赤外線領域の中央部分(即ち2.5−25μm)で発生する。しかしながらこの領域での血液中の分析対象の無痛測定は、水による光の吸収のために不可能であるか、不可能でないにしても問題点が多い。この問題点は、水により減衰されないより短い波長の光の使用によって解決される。基本振動状態の高調振動はより短い波長領域に存在し、それらの波長領域での定量的測定を可能にする。
血糖は、近赤外線領域及び赤外線の中央領域の双方における多様な周波数で吸収を起こすことが知られている。しかしながら、類似の周波数で同様に吸収を起こす血液中の他の赤外線に活性な分析対象が存在する。これらの吸収帯域が重畳している性質のために、無痛の血糖値測定に単一又は特定の周波数を採用することはできない。血糖値測定のためのスペクトルデータの解析は、このようにして、定量的決定に必要な感度、精密性、正確性及び信頼性を達成するために、広いスペクトル領域にわたっての多くのスペクトルの強度の評価を必要とする。吸収帯の重なりに付け加えて、測定される物質の特性及び/又は光学測定手段本来の非線形性の双方の故をもって、測定するスペクトルデータが非線形の反応を示し、かつ血糖が血液中での重量比では主成分ではないという事実により、血糖測定はさらに複雑なものになる。
ロビンソン(Robinson)他(米国特許第4、975、581号)は、特性値が既知である生物サンプルの一群のスペクトルから、経験的に誘導される多変量モデルに関する赤外線分光学を用いた、生物サンプルにおける未知の特性値の計測のための方法と装置を開示している。上述の特性は、一般には血糖のような分析対象の濃度であるが、又同時にサンプルの化学的又は物理的特性でもあり得る。ロビンソン他の方法は、較正と実測の二つの段階をからなる2段階のプロセスを含んでいる。較正の段階では、特性値が既知の較正サンプルに赤外線光が組み合わせられ、既知の特性値を有するサンプルを構成する種々の成分と分析対象の関数として、少なくとも複数のいくつかの波長における赤外線放射の減衰のパターンが得られる。赤外線光は、サンプルを通過した光の透過により又はサンプルからの光の反射により、サンプルと組み合わせられる。サンプルによる赤外線光の吸収は、光の波長の関数である光強度の変動を引き起こす。少なくとも複数のいくつかの波長における結果の強度変動は、一群の既知の特性値の較正サンプルに対して測定される。得られた直接の強度変動値又はそれを変換した強度変動値は、ついで多変量較正モデルを得るために、多変量アルゴリズムを用いて較正サンプルの既知の特性値と経験的に関連づけられる。実測の段階では、特性値が未知のサンプルに赤外線光が組み合わせられ、この未知のサンプルから測定された、適宜の波長の光から得られた直接の強度変動値又はそれを変換した強度変動値に、較正モデルが適用される。実測段階の結果は、未知のサンプルの特性値の概算値である。ロビンソン他による開示は、参考として本明細書に添付する。
デーン(Deahne)他(米国特許第4、655、225号)は、さらに、近赤外線分光学を用いた、無痛検査のための患者の指又は耳たぶを透過する近赤外線スペクトルにおける、光学的エネルギー放射の方法を開示している。デーンは同様に、分析対象の濃度を決定するための反射光エネルギーの測定を開示している。反射光のエネルギーはさらに、サンプルの表面からの反射光と人体組織深部からの反射光の合成されたものであると、述べられている。デーンが分析対象の情報を含んでいるとして開示した、人体組織深部から拡散して反射されるのは近赤外線エネルギーであるのに対し、表面反射光エネルギーは分析対象の情報を含まず、人体組織深部から反射された情報又は測定光と干渉する。本発明は、表面反射光の影響を除去した、拡散して反射する光の改良された測定のための装置を目的としている。
反射分光学は、医療用以外の応用ではよく知られている。一般的にそのような分光学は、反射光の情報を用いてのサンプルの化学構造の特定に関したものである。拡散反射分光学も同様によく知られ、かつ穀物やその他の食料品のような材料を検査するために、可視光及び近赤外線領域の光のスペクトル分析で広く用いられている。
広い意味では拡散反射分光学は、サンプル材料が多かれ少なかれランダムな方向に入射光を散乱する性質がある、という事実を利用している。光の一部は、偶々サンプルにより後方に散乱されて跳ね返り、検出器で集められてサンプルの定量的又は定性的特徴表現を提供する。
赤外線分光学では、しばしば赤外線スペクトルの中央領域を採用することが望ましいとされる。当初に述べた基本振動の吸収は、基本領域ではこの付近で最大である。赤外線分光学の究極のサンプリングは、しばしば、この赤外線中央領域光で分析できるようなサンプルを作成することとされる。反射分光学は、赤外線中央領域光で使用可能なサンプルを作成する、非常によく行われる方法の一つである。サンプルが分厚すぎて透過した光を得られない場合は、しばしば反射により測定が行われる。しかしながら、この状況では一つ以上の光学的現象が起こっている、という事実により反射分光学は複雑である。サンプルからの光の反射は、拡散反射及び表面反射の二つのカテゴリーに大きく分けることができる。あるサンプルによる表面反射は、サンプル内へ侵入した光で生成されるものではなく、むしろサンプル前面の表面からの「鏡面様」の反射である。この成分は、サンプル表面に関する情報を含んでいる。もし材料が均質であれば、この表面反射は全体の値として関係付けられることができる。この表面反射成分は、物理的に吸収スペクトルのようには現れないが、一方ではそれはクラマース−クロニック(Kramers-Kronig)変換と呼ばれる変換を通して、材料全体の吸収スペクトルに関係づけられることができる。さらに、たいていの専門家は、表面成分より拡散成分の方がサンプルの定量分析及び定性分析に対してはるかに有用である、と判断している。本件出願人及びその他による、拡散成分を強調し表面成分の影響を弱め、反射スペクトルをより実質的に透過スペクトルのようにするための多くの努力がなされてきた。一般的にこれらの努力は、大きく分けて、表面反射に対する分光学的識別、力学的識別及び表面反射を最小化するためにデザインされたサンプル作成の第2の方法、の3つのカテゴリーに分類される。第4の従属的なアプローチは、サンプル作成への要請の困難さを緩和するために、赤外線中央領域の利用から離れることである。スペクトルの近赤外線領域又は可視光線領域に移行することにより、振動分光学は感度が下がり精密でないものになるが、しかし、しばしば改良されたサンプリング能力、より適切な光路長及び表面反射とのよりよい識別性等の理由から、取得されたデータの品質及び信号雑音比において観察される改善により、構成されることができる。このアプローチは、定量的情報が必要な場合には特に有用である。
大半の専門家は、サンプル材料が層状であって均質でない場合には、拡散成分の利用は望ましいものであり、さらに本質的なものでさえあると判断している。
表面成分は、主にサンプル表面についての情報を含んでいるのであって、サンプル全体のそれではない。その事実にも関わらず、ウォルター・M・ドイル(Walter M.Doyle)に対し1991年5月14日に付与された米国特許第5,015,100号は、表面反射へのアプローチの例を記述している。光の表面反射成分は、大きな波長依存性があり、検査中の試料の複素屈折率に関する情報を含んでいる。この複素屈折率は、物質の吸収係数に関連する虚数部分を含んでいる。
ドイルは、表面反射分光学の潜在的な有用性は当業者にはよく知られていると記述し、測定して得られた反射スペクトルを吸収スペクトルに変換するために、クラマース−クロニックの関係と名付けられた数学的表現を用いうることを指摘している。これらの計算されたスペクトルは、現存する吸収スペクトルのライブラリーと比較することにより、サンプルを特定するために有用である。しかしながら先行技術の著作は、患者の血液のようなサンプルの成分解析の目的の、定量的測定に用いられたことはない。実際問題として、皮膚表面には血液の情報がほとんどないために、この目的に対しては殆ど実行されていない。拡散成分が、使用されなければならない。
ドイルとマッキントッシュ(McIntosh)により、1989年10月の第16回FACSS年次総会で発表された、論文番号第424号は、クラマース−クロニックの関係は、使用された方程式が偏光と入射の角度を考慮するために修正されなければ、又は直角入射の条件を近似した放射を実験装置が提供しなければ、反射のデータから正確な吸収スペクトルを得るために採用することはできない、と結論づけている。参考資料のドイル特許は、その中でサンプルにより反射された解析用の放射が直角入射で実現される条件を近似する、表面反射システムでの装置の使用を記述し、入射面と平行に偏光された光線からの寄与と入射面に垂直に偏光された光線からの寄与を、実質的に等しくすることを保証することによる解法を提案した。そのような装置で用いられた半透明のビームスプリッターが必要とされる偏光バランスの条件を達成するが、ビームスプリッターでのサンプルの前での透過、サンプルの後での反射及び吸収損失等におけるロスのために放射効率を損なうことを、ドイルは教示している。そしてドイルの参考資料は、不均等の複数の反射ブレードに分割された表面エリアと開いた透過エリアを有する、スプリットフィールドビームスプリッターを用いて放射効率を改善したシステムを記述している。
同様にドイルに付与された米国特許第4,852,955号は、システムの開口部の半分を覆う100%反射ミラーを用い、かつ開口部の残りの半分を使用する照明ビーム及び出力ビームを設定した、ビームスプリッターの効率の制限の問題を予防したシステムを記述している。しかしながらこの参考資料のスプリットフィールドビームスプリッターの使用は、サンプルの表面に垂直な軸に関して非対称である放射の入射分布を必要としている。その結果として、提案されたビームスプリッターが使用された場合に、p及びsの偏光状態がバランスされるという保証はなくなる。
ドイルの先行技術は、限界がはっきりしている。表面反射は、全体としての物質の性質が適切に表面組成により表現されている場合にのみ有用である。そうでない場合、即ち例えば血液中の分析対象の無痛の測定を実行するときのような場合は、この方法論は誤った結果を与える。
表面反射に対する機械的な識別の例は、ロバート・G・メッサーシュミット(Robert G.Messerschmidt)とドナルド・W・スティング(Donald W.Sting)に対して、1987年4月28日に付与された米国特許第4,661,706号に示されている。メッサーシュミット他は、反射された光の表面成分と拡散成分は、表面成分がサンプルの表面から放射されるという事実に基づいて、機械的に分離することができることを示した。表面光は検出器に衝突することができる前に、ブレード状のデバイスがそれを「すくい取る」。注意深い調整をしたなら、純粋な拡散反射を得ることができる。そのデバイスの欠点は、それが拡散光を集めるためには効率的であるというわけではないことである。十分に拡散反射されたエネルギーは、試料の表面から浅い部分のみを通過し、妨害するデバイスが存在するのはこの境界である。深度の浅い拡散光は、そのために除外される。中央領域の赤外線を非常に高度に吸収する試料に対しては、測定結果の信号雑音比は、強く引き下げられる。この型式のデバイスは、無痛の血液分析対象の測定に対してうまく採用することができるが、この適用例で提案された方法と比較して、効率が劣っている。
拡散成分と表面成分を分離するために、光学的手段が同様に用いられてきた。
最近の例は、ラルフ・マーバック(Ralf Marbach)により「Messverfahren zur IR-spektroskopishen Blutglucose bestimlnung」(「IR分光学的血糖測定についての測定技術」)と題された彼の博士論文で記述され、1993年にデュッセルドルフで刊行された。マーバックは、ハーリック・サイエンティフィック(Harrick Scientific)社により1980年に最初に導入された、プレイングマンティス(Praying Mantis)拡散反射器と原理的には非常によく似た光学的識別システムを用いている。ここでのコンセプトは、表面光は表面の垂線に対し入射角と反対の等しい角度でサンプルから反射する、ということである。この事実を用いて、入力収集角度以外の光のみを収集するのは容易なことである。マーバックとハーリックは、その後広い幅の反射角度を収集に採用することができるように、入射角を小さい幅に制限する。光が入射されサンプルから収集されうる空間の領域は、限られていることに留意されたい。立体角に関しては、平坦な表面のサンプルについては、この動作体積は立体角で2πステラジアンであるということができる。ハーリックのデバイスでは、小さくて等しい立体角が入力及び出力の光学系により対応されている。1/2πステラジアン以下の立体角が入力又は出力の光学系の双方により対応されている。これは、使用可能な立体角の50%以下の効率ということになる。拡散反射された光の収集における他の限定因子は、収集された光の方向性である。無痛の測定に要求される、人体組織を含む多くのサンプルが殆ど前方散乱である。これはいうならば、散乱事象の発生後散乱された光子は、方向においては僅かな角度しか変化を受けない、ということである。ハーリックのデバイスは、出力光学系で収集される前に、大きな角度で偏向されることを光子に要請している。相対的に低い効率とサンプルに異方性がある場合のこの能力の低さとは、ハーリックのデバイスに関して深刻な問題である。マーバックのデバイスは、ハーリックのデバイスに多様な方法で改良を加えたものである。第一に、光の入力と収集に用いうる全角度は、理論的限界である2πステラジアンに近付いている。これは、入力光と出力光の双方について、360度までの方位角のずれを与えることを可能にしたことで実現された。第二に、前方への散乱の指向性が取り入れられた。角度にしてわずか数度のみ偏向された光線を、収集することができる。このアプローチの失敗は、光学入出力システムが増幅とは完全に相容れないものになったことである。どんな拡散反射システムも、システムの光源及び検出器と共同して動作しなければならない。近赤外線領域スペクトルの検出器は、大きくなればなるほど雑音が増えるので、検出器を可能な限り小さく作ることは、究極の目的の一つでなければならない。気の利いたコンパクトな光源は、同様に有利である。マーバックシステムでは、光源の光学像はサンプル平面での検出器の光学像と比較して、はるかに拡大されている。これは、検出器上に結像することができる光源のエネルギー密度が限定されている、ということである。さらに、サンプルから収集されたエネルギーが検出器まで進行するにつれ縮小される。ここでも、エネルギー効率については妥協されている。理想的な状況は、入力と出力の増幅率を等しくしておくことである。マーバックの設計の別の重要な限界は、出力と入力の角度の選択に関連している。現実の光学システムでは、大きなf値での結像が優れている。f値が小さいシステム、特に、大きな直径の視野絞りを有するものでは、結像が貧弱になる傾向を有している。マーバックはこの事実を彼の学位論文に記載している。彼のデザインでは、優れた、f値の大きい、殆ど正規化された空間が全て入力光のために用意され、理想的でない、殆ど掠めるような光が出力のために使用される。そのデバイスは、光源の場所と検出器の場所が切り換えられた、マーバックにより採用された方法とは「反対方向で」使用されたならば、よりうまく動作したであろう事は、容易に想像できる。この応用例に記述されたデバイスは、より良い解法をさえ提供する。
拡散反射スペクトルへの表面反射の寄与を除去する別途の方法は、表面反射が起こらないように、サンプル自身を改質することである。これを達成するための一つの方法は、屈折率の低い非吸収性の充填材料中に、サンプルを粉末化して分散し希釈する事である。屈折率の低い充填材料は表面反射成分が少なく、表面反射問題を緩和することであろう。不幸にして、無痛解析の目的には、サンプルの改質は許容されず、それ故、ここで論じている使用目的には、希釈法は選択肢にはならない。
[発明の概要]
本発明の装置は、人体組織を含む分析対象からの、拡散反射光の改良された測定のための装置である。本装置は、人体組織内部の奥深くから反射して戻される拡散反射光と表面反射光又は鏡面反射光を分離する表面反射制御装置を包含している。それ故、分析対象の情報を含む拡散反射光のみが分光分析器に到達する。
本発明の改良された表面反射制御装置は、光源からの解析用ビームが入射される表面を含み、その表面は偶数である複数の区分に分割され、区分の半数が光ビームを透過させるため透明であり、残りの半数がサンプルからの反射ビームを検出装置に導くための反射鏡を有する。
出願人は、入力用の光学系と出力用の光学系の対称的な配置に基づいて表面反射制御装置を使用することにより、人体組織の拡散反射サンプリングに伴う表面反射光の混入を削減又は除去することができることを見いだした。
望ましい実施の形態では、エネルギー源からの光線が、望ましくは複数のレンズからなる光学システムにより、人体組織に焦点あわせをされる。以下に詳しく記述される表面反射制御装置を、光が透過するか又はそれに入射する。ビームの焦点あわせにより、任意の光がシステムに入射され、表面反射して焦点の中心とは反対側からシステムを出ていく。特に、表面反射を受けた光線は、焦点の中心に関し対称的な経路を経る。このようにして、表面反射を受けた光は、点中心対称性を有する経路を経る。表面反射制御装置即ち光学システムは、焦点の中心に関し対称的になっている。例えば、皮膚の表面で表面反射された光は、ビーム焦点の反対側から光学系を出ていき、それは表面反射制御装置では対向する開口部に対応する。表面反射でない反射を受けた光は、焦点の中心に対する入射角に対して相対的に角度変化を受けた光であるので、窓を着けられていない部分から表面反射制御装置の表面に入射し、引き続くスペクトル分析のために方向転換を受ける。このようにして、表面反射を受けた光は、分析器に到達することは決してない。
表面反射制御装置の望ましい第一の実施の形態では、最低4つの区分が存在し、そのうち半分が開口部で、残りの半分が反射部である。各々の反射部は開口部の組みの間に位置しており、表面反射制御装置の中心点に関して互いに他の反射部と対向している。この望ましい実施の形態では、表面反射制御装置の反射部の全表面積は実質的に表面反射制御装置の開口部の全表面積に等しい。
上述の実施の形態の変形である、表面反射制御装置の望ましい第二の実施の形態では、予め定められた幅の不透明な非反射仕切りが、各々の隣接する部分の間の境界として機能する。その不透明な非反射仕切りは、反射部分の全表面積が開口部の全表面積と等しくなるように、表面の中心線に沿って配置されることが可能であり、又はその不透明な非反射仕切りは反射部分の全表面積が開口部の全表面積と等しくならないような方法で、選択的に中心をはずして配置されることもできる。
本発明の別途の目的及び付随する利点は、添付された図面と関連して考察された場合に、以下の詳細な記述を参照することにより、よりよく理解されるようになり、容易にその真価を認められるようになる。図面の全体にわたって、図面中の類似の参照番号は類似の部品を表している。
[望ましい実施の形態の詳細な説明]
本発明は、分析対象の濃度の分光写真解析又は測定のための改良された装置を目的としている。望ましい実施の形態では、その装置は人間の患者の人体組織中の分析対象の濃度の測定のために使用され、特に、本発明は人体組織中の血糖濃度の解析に注目している。測定は、広帯域の近赤外線エネルギー源により照射された後の、人体組織から戻ってくる拡散反射光に基づく。
最初に第1図を参照すると、分析対象を含む人体組織サンプルに入射した光のエネルギーの模式的表現が描かれている。単純化された表現で描かれているように、人体組織サンプル12は、表皮16である上層,真皮18である中間層及び皮下の人体組織19を含んでいる。入射光10は人体組織12を照射し、光のエネルギーの一部は、人体組織を通過して人体組織サンプルの反対側から出ていく透過光26となる。換わりに人体組織サンプルは、光のエネルギーの一部を吸収し、吸収された光のエネルギー24は熱となる。第3の現象は、入射光10の一部の表面反射14を含んでいる。最後に、光のエネルギーの一部は、拡散反射30となる。
拡散反射光30は、人体組織中のサンプルのうちの種々の成分と接触することにより、数回の反射を受ける。拡散反射光のエネルギー30の一部が、偶然に人体組織サンプル12の表面に戻り、皮膚表面を通過して測定デバイスヘ戻される。このようにして、表面反射光14と拡散反射光30の双方が結合され、本発明の装置へ戻ってくる。
反射光の内、拡散反射光30のみが分析対象すなわち血糖値の情報を含んでいる。表面反射された光は、血管のない表皮の情報を含んでいるが、しかし血糖の情報は含んでいない。このようにして、本発明の終着点は表面反射光14から拡散反射された光30を分離することにより、そのような拡散反射光のみを解析のために利用することである。表面反射光14は、解析に必要な情報を含んでいないので、汚染光であると見なすことができる。
出願人は、人体組織の拡散反射光のサンプリングに伴う問題は、中心対称性に基づく入力及び出力の光学的分配で極小化することができることを見いだした。
中心対称性を考慮した配置において、光線10はレンズを用いた光学システムにより、人体組織サンプル12に焦点づけられる。この実施の形態について、人体組織12の表面から表面反射して戻る光線は、ビームの焦点の反対側で光学システムから射出することが見いだされた。システムに入射し表面反射を受けた任意の光線は、焦点の中心からみた反対側でシステムを射出する。
ここで第2図を参照すると、ビームの焦点あわせをするレンズのシステムを通過する光線についての、概念と効果を図示した模式図が示されている。第2図に描かれているように、中心点に対して4つに区分された、一般に円形の透明な板を通過する光線A、B、及びCが記載されている。これらの四分円は、第1の四分円32,第2の四分円34,第3の四分円38及び第4の四分円36からなる。図示されているように、入力光エネルギーA42は、第1の四分円内の平板に入射しそれを通過する。中心に対する点対称性により、表面反射による出力光エネルギーA48が、第3の四分円38内の平板を通して戻ってくる。同様に、入力光エネルギーB40が又第1の四分円内32に入射する。スペクトル反射の結果である出力光エネルギーB46が、第3の四分円38から射出する。同じようにして、第2の四分円34に入射した入力光エネルギーC44は、出力光エネルギーC50として表示されたように、第4の四分円36から射出する表面反射光の成分を有している。
中心に対する点対称性とは対照的に、反射率サンプリングに対する典型的な単一鏡光学配置が単一の中心線に対し、隣り合う入力と出力に分割される光学ビームを含んでいる。この配置は、第3図に描かれている。ここでも、入力側52及び出力側54を有する一般的に丸い板が、描かれている。入力側と出力側は、円盤の直径を通る中心線により分割されている。円盤を通過する入力光線A42,B40及びC50は、表面反射成分又は実際に出力光学系によりサンプリングされた出力光エネルギーA48、B46及びC44を有し、検出器により見ることができる。
出願人は、表面反射に関わる問題点は、第1図に描写されたように、反射率のサンプリングに対する標準的な単一鏡光学配置に伴う問題点を解消するために、中心に対する点対称性の概念を含んだ表面反射光デバイスを設計することにより、除外することができることを見いだした。ここで第4図を参照すると、4つの四分円に分割された一般的に円形の板が描かれている。第4図の構成では、第1の四分円32と第3の四分円38は、入力用の四分円として定義されている。第2の四分円34と第4の四分円36は、出力用の四分円として定義されている。この実施の形態では光のエネルギー源は、円盤上に入射する。しかしながら、入力用四分円は光のエネルギーを通過させるが、一方出力用四分円は不透明である。このようにして、入力用四分円上に入射した光のみが、人体組織のサンプルに接触するために表面反射制御装置を通過する。
人体組織サンプルから反射された、表面反射光及び拡散反射光の双方を含む光は、表面反射制御装置の反対側から入射する。しかしながら第1図において説明したように、人体組織サンプルから戻ってくる全ての表面反射光は、第1と第3の四分円32及び38に入射し、これらの開口部を通って戻っていく。これとは対照的に、多くの拡散反射光は表面反射を妨害することなく、第2の四分円34と第4の四分円36に入射する。それらの拡散反射光はしかる後に第2と第4の四分円34及び36の表面から反射され、測定器に導かれることができる。この方法により、拡散反射光のみが解析される。
第5図に示されたように、光線56の拡散反射光成分は、それが出力光学系により収集される前に、少なくとも45度の方向の変化を受けなければならない。
吸収されることなくこの方向の変化を運良く受けられる光子の数は、より小さい方向の変化をうまく受けることができる光子の数より少ない、ということが認識されている。出願人は、対称性を基礎にして光学ビームをさらに多くの入力部と出力部に分割することにより、光学システムの効率を改善することができることを見いだした。そのような代替案の実施の形態の一つは、第6図に描かれている。第6図では、光学ビームが中心に対し8つに分離されたくさび形の区分円に分割されている。8区分円の構成では、ある一つの入力区分円の中心に位置する光線は、僅かに22.5度の方向の変化を受けなければならないのみである。出願人は、区分円の数がさらに増加することができることを認識した。代替案として、第7図に示されるように、光学ビームが同様に中心に対して対称的な16の一般的に正方形の区分に分割されることができる。
第8図Aは、一般的に110で表現される表面反射制御装置を開示している。表面反射制御装置110の表面は、ここでは開口部116及び118と、反射部112及び114として示される、偶数である複数の区分に分割されている。開口部116及び118は、表面反射制御装置110の表面に入射した任意の光のビームを通過又は透過させようとする傾向を有している。
対照的に、反射部112及び114は入射ビームを遮断し、その一部を予め定められた場所に反射しようとする傾向を有している。
第8図Aの実施の形態では、各々の区分112、114、116及び118は大きさが等しく、そのために開口部116及び118の全表面積は反射部112及び114の全表面積と等しい。さらに各々の反射部112及び114は、一組の開口部116及び118の間に位置しており、又同様に各々の開口部116及び118は、一組の開口部112及び114の間に位置している。結果的に、例えば112のような各々の反射部は、例えば114のような他の反射部とは正反対の位置にあり、例えば116のような各々の開口部は、例えば118のような他の開口部とは正反対の位置にある。
ここで第8図Bを参照すれば、第8図Aの装置の別の実施の形態が示されている。第8図Bでは、表面反射制御装置110は、ここでも複数の反射部112及び114と開口部116及び118に分割されている。例えば112及び114のような各々の反射部は、一組の開口部116及び118の間に位置し、又同様に各々の開口部116及び118は、例えば112及び114のような一組の反射部の間に位置している。各々の反射部は、他の反射部の正反対の位置にあり、そして各々の開口部は、他の開口部の正反対の位置にある。
第8図Bには、各々の区分112,116,114及び118の境界に沿って位置する不透明な非反射仕切り113及び111の組が同様に示されている。この仕切り111及び113の効果は、サンプルを照射するために送られる解析用ビームとサンプルから反射されるデータビームとの間のより精密な限定を達成することである。反射部と開口部の間の不透明な非反射仕切りは、例えば種々の隣接する区分での、透過され又は反射される光ビームからの混信を防止して、この望まれる改良を達成する。
不透明な非反射仕切り111及び113が、例えば110のような円形の表面反射制御装置の表面の直径に沿って利用された場合は、反射部112及び114と開口部116及び118との間の残りの表面積を等しく区分することがその結果として得られる。ある種のサンプルの解析に対しては、反射部の表面積を開口部の表面積とは等しくならないようにすることが望ましいので、不透明な非反射仕切り115及び117の追加により達成されることが、第8図Bに示されている。説明の便宜の目的のため、不透明な非反射領域115は、開口部116の表面積を削減するために不透明な非反射仕切り113に追加したように図示されており、又同様に、不透明な非反射領域117は、開口部118の表面積を削減するために不透明な非反射仕切り113に追加されている。
第8図Bに示された実施の形態において、光源からの解析用ビームが開口部116及び118を通過して伝えられ、サンプルからの拡散反射が区分112及び114により検出器に反射されるシステムでは、不透明な非反射部分115及び117の追加が、サンプルを照射する光源のビームのパーセンテージが減ることにつながる、ということが明らかとなる。
ここで第9図を参照すると、本発明の装置を利用した、拡散反射分光学のシステムの模式図が示されている。開口部118及び反射部114を有する、表面反射制御装置110が示されている。表面反射制御装置110は、第8図A及び第8図Bに示されたように円形の形状をもつ必要はなく、例えば形状が楕円形又は長方形であっても良い。
132,134及び136で表示される解析用ソースビームを提供するために、光源又はエネルギー源130が図示されている。ソースビーム132,134及び136は、最初に表面反射制御装置110の表面に衝突する。136で表示されるソースビームの一部分は、表面反射制御装置110の反射部114に入射し、矢印で表示されているように反射される。132及び134で表示されるソースビームの一部分は、表面反射制御装置110の開口部118を通過し、そのまま進行して楕円体の鏡140によりサンプル150上の所望の焦点部に向けて反射される。
拡散反射ビーム152は、サンプル150から鏡140へ反射され、又そこから矢印で表示されているように、反射部114へ反射される。拡散反射ビーム152は、楕円体の鏡60に反射され、そこからビームが解析される検出器170に向けて焦点あわせされる。
光線154の表面反射ビームが、拡散反射ビーム152と対照して、図9に表現されている。図9に表示されているように、表面反射ビーム154はサンプル150から鏡140に反射される。表面反射ビームはしかる後、開口部116を通過するが、その開口部116は、光ビームがかつて入射した入力区分118とは対向している。表面反射光154はこのようにして、拡散反射ビーム152について上記で説明したようには解析器170へは反射されない。
第9図では、表面反射制御装置110は、一般的によく知られた単一要素の第8図A及びBで図示された反射部と開口部を有するものであって良い。又は製造目的のために望ましいのであれば、表面反射制御装置110は、各々の表面が第8図A及び第8図Bに表示されたと同様の方法で処理されている、第1と第2の表面を有する、所望の厚みのユニットであってもよい。必要な結果を達成するために、第1の表面上の反射部及び開口部は第2の表面上の反射部及び開口部と直接対向している。
以上、本発明の望ましい実施の形態がこのように記述されてきたので、当業者は容易に以下に添付されている請求項の範囲内の別途の有用な実施の形態を案出することができると思われる。
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