JPH11512882A - 環状超伝導磁石装置 - Google Patents
環状超伝導磁石装置Info
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Abstract
(57)【要約】
環状超伝導磁石装置においてクエンチ事象時の局部過熱によって完全故障に発展するのを防止するために、磁石装置の磁石セグメント(3a、3b)は2つのグループ(a、b)に分割され、各グループ(a、b)はそれぞれ給電装置(4a、4b)を有する。この給電装置(4a、4b)は低抵抗値で実施される。これによってグループ(a、b)間にはいわゆる電流シーソーが助成される。
Description
【発明の詳細な説明】
環状超伝導磁石装置
電気エネルギー技術においては、最近、どの程度超伝導磁石装置が電気エネル
ギーの蓄積に適し採算性に合うかどうかということが研究されている。この種の
磁石装置は略してSMES(Superconducting Magneti
c Energy Storage)としても知られている。
超伝導エネルギー蓄積装置は例えばヨーロッパ特許第0348465号公報に
より知られている。この公報で述べられている電流蓄積装置は多数の部分コイル
を備えたトロイダルコイル装置を有している。装置全体の充電又は放電のために
各部分コイル又はコイルセグメントは選択的に直列又は並列に接続可能である。
その際、例えば充電のためにコイルセグメントの一部分のみを纏めて接続するこ
とも意図されている。コイルセグメントの配線は充電の場合と放電の場合とでは
異ならせることもできる。エネルギー蓄積装置を、コイルセグメントの一部分又
は全コイルセグメントを直列接続して充電用とし、また並列接続して放電用とす
ることも可能である。
この種の超伝導磁石装置の場合、設計擾乱と見做すことのできるいわゆるクエ
ンチ事象が発生する。その場合、超伝導体の或る個所では超伝導が温度上昇によ
って中断される。
発生する現象は数度の温度上昇を来す非常に小さい局部的なエネルギー放出で
ある。超伝導体はそのいわゆる遷移温度以上では常伝導になるので、即ち高抵抗
になるので、電流は超伝導体が埋込まれているいわゆる安定化材、例えば良導電
性の銅によって受取られなければならない。これはいわゆるジュール発熱によっ
て別の局部加熱を生ぜしめ、その場合熱は拡散し、常伝導領域が増大する。
防止策を講じないと、このプロセスは磁石装置の磁石内に誘導的に蓄積された
全エネルギーが分散されるまで続く。蓄積エネルギー量が多い場合、高温領域(
ホットスポット)の温度は磁石を破壊する程高くなる。
救済は、出来るだけ多くのエネルギーを抽出することがことができるか(ケー
スa)、又は磁石装置内の加熱領域が立体的に拡大され、それにより合成最高温
度がそれほど高くならないようにすることである(ケースb)。
ケースaでは、蓄積エネルギー量が多い場合放電電圧による制限が生ずる(P
=UXIのため)。電圧が高くなればなる程、エネルギーは迅速に抽出すること
ができる。その場合達成される最高温度は低ければ低い程よい。
ケースbでは、磁石装置内に別のクエンチ個所が作られなければならない。こ
のことは例えば外部から供給するクエンチヒータよって可能である。しかしなが
ら、クエンチ検出後におけるクエンチ事象時の磁石装置の安全性はクエンチヒー
タの起動及び機能安全性に左右される。このいわゆる二次クエンチを生ぜしめた
後、場合によってはコイル装置全体が結局は低温運転されなければならず、その
後初めて運転を再び再開することができる。その時までコイル装置は自由に使う
ことができない。
米国特許第5146383号明細書によって、多数の磁石装置が2つのグルー
プに分割された超伝導磁石エネルギー蓄積装置が知られている。2つのグループ
はそれぞれ所属の給電装置を有している。その場合グループ間の相互の電流引受
け手段が設けられている。各グループの磁石装置は電気的に直列に接続されてい
る。
本発明の課題は、クエンチが発生した際に簡単なやり方で運転を少なくとも部
分的に維持することができ、その際出来るだけ僅かなエネルギーを分散させれば
よいような超伝導磁石装置を提供することにある。
この課題は本発明によれば、環状に配置された多数の磁石セグメントを備え、
この磁石セグメントが少なくとも2つのグループに分割され、各グループの磁石
セグメントがグループ間の相互電流伝送手段を含むそれぞれに共通な給電装置に
接続されるようにした環状超伝導磁石装置によって解決される。
このようにしてクエンチ事象時でもクエンチ事象に襲われたグループへの加熱
を制限することのできる磁石装置用の経済的な保護構想が得られる。放電はクエ
ンチ事象に襲われたグループに対してのみ行われ、それゆえ装置全体はクエンチ
にも拘わらず相変わらず他のグループの電力を使うことができる。二次クエンチ
は外見上自動的に生ぜしめられる。その際、費用のかかる調節装置を必要とする
ことなく磁石装置の確実な機能を可能にする物理的な自動メカニズムが十分使用
される。さらに、本発明による磁石装置は故障後も従来技術に基づく磁石装置よ
り迅速に再び使うことができる。即ち、欠陥が生じた場合装置のエネルギーはほ
ぼ抽出されるか又は分散させることができる。
グループの磁石セグメントが交互に環状に配置されると好ましい。このように
して一様な力分布及びエネルギー分布が生ずる。
1つのグループの磁石セグメントが直列に接続されると好ましい。このように
して、構成及び導体ガイドは非常に簡単に構成され、その場合全ての個々の磁石
の運転状態は場合によっては生ずる非対称性に依存せずに何時も良好に規定され
る。
各グループの給電装置は必要に応じてコンピュータ制御することのできる電力
変換装置によって構成することができる。これによって磁石装置の迅速かつ信頼
性の高い調整及び制御が可能になり、その場合特殊な運転態様又は運転方法もし
くは監視はコンピュータ内のプログラムとして形成される。これは特に磁石装置
内にエネルギーバランスを生ぜしめる電流引受け機能に該当する。
この磁石装置は高電圧又は中電圧電源系統におけるエネルギーの備蓄又は緩衝
のために大エネルギー容量を持つエネルギー蓄積装置として適用されると好まし
い。この種の磁石装置は迅速に自由に使うことができ、しかもクエンチ事象時で
も故障に対する高い運転安全性のために非常に信頼性が高い。
1つの優れた実施態様においては、磁石装置は給電装置をそれぞれ備えた2つ
のグループしか有しない。このようにして各磁石セグメントは対称性を有し、こ
のことは磁石装置内の力に対して非常に好都合である。
クエンチ現象を検出するためのセンサ手段が設けられ、このセンサ手段が監視
装置を介して給電装置に接続されると有利である。それによってエネルギー転位
の的確な制御又は調整を行うことができる。このことは擾乱の場合に積極的に介
入するのに好都合である。
給電装置は相互電流引受け手段として低抵抗値の内部抵抗を有する。これによ
って特に簡単な構成が得られる。このような実施態様によって既に従来技術より
改良された挙動が得られる。
グループを直流的に分離して実施することは好都合である。これによって対地
電圧を僅少にすることが可能になる。
本発明の他の細部及び利点を以下において実施例及び図面に基づいて詳細に説
明する。
図1は2つのグループを有する磁石装置の電気的等価回路図、
図2は2つのグループを有する磁石装置の原理図、
図3は磁石装置の磁石セグメントの概略立体図を示す。
本発明は、超伝導磁石装置においてクエンチ事象時にホットスポットの過熱に
よる破壊を阻止することが基礎になっている。その場合、擾乱的な付随効果、特
に受け入れられない力は阻止されなければならない。
このために、環状超伝導磁石装置は2つの部分回路に分割され、それにより交
互に1つの磁石セグメントがグループaもしくはグループbに所属するようにさ
れる(なおここで磁石セグメントとは磁石又は磁石コイルをも意味する)。これ
によって、両グループ内の電流が異なっている場合でも各磁石セグメントは何時
も対称性を有することが達成される。即ち周囲方向に合成力は発生しない。中心
力は同じに保たれるか、又は少なくとも標準運転の大きさに保たれる(I1=I
2)。
図1に基づいて以下において先ず新たに分割された磁石装置のクエンチ事象時
の挙動を説明する。なお同一のグループに所属する構成要素には同一のインデッ
クスが付されている(例えばグループa、コイルLa)。
図1は、2つのインダクタンスLa、Lbがグループa、bの(相互作用から
成るそれぞれのインダクタンスを含めて)全実効インダクタンスをそれぞれ表し
ている磁石装置の等価回路図を示す。グループa、bのインダクタンスLa、L
b(又は磁石)は互いに強く誘導結合されている。抵抗Rqa、Rqbは擾乱の
ない運転では無視し得る程小さいクエンチ抵抗をそれぞれ表している。
グループa、bはそのインダクタンスLa、Lbがそれぞれ所属の給電装置4
a、4bに接続されている。この給電装置4a、4bはそれぞれ内部抵抗Ria
、Ribを有している。この内部抵抗Ria、Ribは低抵抗値に実施されてお
り、その場合それらの間の、又はもっと正確には給電装置4a、4b間の誘導結
合は
小さい。
グループaにおけるクエンチは抵抗Rqaを増大させ、このことはこの抵抗に
降下する電圧(オーミック電圧)を増大させ、結局はインダクタンスLaを通る
電流Iaを低下させることになる。その結果、電流Ibが増大する。というのは
、結合されたインダクタンスLa、Lbから構成された装置を通る磁束は一定に
保たれるようにしたいからである。電流Ibの増大が大きいと、(インダクタン
スLbに並列な)グループbの磁石コイルの多くの個所で、即ち最大でインダク
タンスBmaxを持つか又は発生した交流損失が最大であるようなところでは至
る所で別のクエンチが生ぜしめられる。
その結果、抵抗Rqbには大きなオーミック電圧の増大が突然生じ、これによ
って電流Ibは再び減少する。これが電流Iaに反作用し、この電流Iaは今や
再び増大する。続いてその後コイルLa内に別の二次クエンチが生ぜしめられる
。1つのグループから別のグループへ電流増大が移動するこの効果は“電流シー
ソー”と称されている。特に、グループが直流的に分離され、これによって対地
電圧を僅少にすることができると好ましい。
“電流シーソー”は物理的手段を用いて、即ち最も簡単な場合各給電装置(電
力変換装置又は電源装置)の低抵抗出力によって、即ち外部からの介入を要する
ことなく、可能である。給電装置はこの挙動をさらに積極的に助成することがで
き、これによって磁石装置の迅速かつ確実な放電が可能になる。その場合、次の
ケースに区別することができる。
ケースa)二次クエンチを生ぜしめたい場合
ケースb)クエンチ事象に襲われないグループ内へ出来るだけ多くエネルギー
を伝送するか、又は“逃がし”たい場合。しかしながら、その場合クエンチ事象
に襲われないグループはクエンチを生じないようにしたい。
ケースa)
センサ手段によってクエンチが検出されたら、クエンチを生じているグループ
の給電装置はグループ内の電流を出来るだけ迅速に減少させる電圧を発生する。
クエンチ事象に襲われないグループではこれとは逆に挙動する。このグループで
は誘導作用を増幅する電圧が発生し、これによって電流が増大する。電流増大の
限界は給電装置の構成要素又は部品、特に電力変換装置の半導体の電流容量によ
って決められる。
その場合続いてクエンチ現象が、例えば臨界電流を上回ることによって又は交
流損失に起因してこのグループに生ぜしめられると、両給電装置の挙動態様が逆
になる。即ち、各給電装置4a又は4bは各グループa又はb内のクエンチ現象
をそれぞれ付勢し、これによって電流シーソーが励起される。即ち、各給電装置
は励起機能を有する。このような戦略を有するこの挙動態様の利点は、エネルギ
ーが十分にこの磁石装置内に分配される又は分散される点である。
ケースb)
クエンチが検出されたら、クエンチを生じているグループの給電装置は所属の
電流を出来るだけ迅速に減少させる電圧を発生する。他方のグループでは所属の
給電装置によって電流が、所定の大きさまで、場合によっては限られた速度で、
ここでは二次クエンチが生じないがエネルギーが出来るだけ多く蓄積されるよう
に高められる。その際、特にクエンチ現象が交流損失によって生ぜしめられない
ようにしたい。
引き続いて、このグループの給電装置はクエンチを生じているグループによっ
て惹き起こされた誘導電圧を、電流がゼロに低下するまで補償しなければならな
い。それゆえ、エネルギーは一方のグループから他方のグループへ磁気的に移り
、そこで抽出される。このような挙動態様の利点はクエンチ事象時でもエネルギ
ー蓄積を自由にできるという点である。
クエンチを検出するために、詳細には示されていないセンサ手段、特にクエン
チ検出器が設けられており、このクエンチ検出器は適当な監視装置を介して給電
装置の制御装置に接続されている。センサ手段は電流シーソーを制御する場合に
特に必要である。それゆえ、クエンチの場合には的確に自動的に介入することが
できる。
図2は本発明による磁石装置1の構成の原理図を示す。多数の磁石セグメント
3a、3bを有する磁石装置1の概略立体図が図3に示されている。
従来技術と同様に、磁石装置1は環状に配置された磁石又は磁石コイルを有し
ており、これらは超伝導磁石セグメント3a、3bとして形成されしかも環状(
トロイダル)形状に構成されている。磁石セグメント3a、3bは相応する冷却
装置を備えた詳細には示されていないクライオスタットの容器内に配置されてい
る。磁石セグメント3a、3bは2つのグループ(グループa、b)に分割され
ている。各グループa、bの磁石セグメント3a、3bは環状に交互に(即ち、
グループaの1つの磁石セグメントと、その後にグループbの1つの磁石セグメ
ントとが交互にそれぞれ位置するように)配置されている。1つのグループa、
bの磁石セグメント3a、3bはそれぞれ直列に接続され、また所属の給電装置
4a、4bにそれぞれ接続されている。
給電装置4a、4bはコンピュータ制御される電力変換装置として構成される
と好ましい。給電装置4a、4bはこのために適当な制御・調整プログラムを備
えた詳細には図示されていない制御装置を有している。この制御装置は磁石装置
1の欠陥、特にクエンチ事象を検出するための監視・保護装置を必要に応じて有
する。
比較的多くの個所にクエンチ現象を分配するために、磁石装置は以前に蓄積し
た固有のエネルギーを、外部へ放出することなく、内部に分配することができる
。即ち加熱は最大温度を上回ることなく磁石装置全体に分散される。
さらに、1つのグループは(例えば電力変換装置として構成された給電装置4
a、4bを介して)外部へ向けて放電することができる。これによって、クエン
チ事象に襲われたグループが迅速に放電することができる場合別の利点が生ずる
。
・相応する制御によってクエンチ事象に襲われないグループと同じ位多くのエ
ネルギーをさらに蓄積することができ、このグループ内へ“移す”か又は疎開さ
せることができる。即ちエネルギーの分配のし直しが行われる(場合によっては
二次クエンチを生ぜしめることなく)。
・機能しているグループは継続運転することができ、それゆえ磁石装置はこの
場合まだその容量の少なくとも大部分を自由に使うことができる(非常運転又は
補助運転)。
・1つのグループのみがクエンチ事象に襲われるので、磁石装置用の冷却装置
の電力は場合によっては全部このグループに集中させることができ、これによっ
て最大冷却速度が得られる。
このことから装置全体の故障時間が短くなる。非対称運転中に漂浮磁界が高め
られることに関しては、両グループの磁石を出来るだけ対称に配置することが重
要である。
原理的には磁石装置の次のような構成を考えることができるが、その実施のた
めには必要に応じて所定の境界条件又は技術的解決策が講ゼられなければならず
、しかも場合によっては上述の解決策のように有利ではないかも知れない。
3つ又はそれ以上のグループも可能であり、この場合グループ個数は主として
経済性と運転安全性とのバランスに基づいて決められる。その際、1つのグルー
プの多数の磁石が共通のリングセグメントを形成し、グループのリングセグメン
トが交互に配置されるようにすることもできる。このようにしてほぼグループの
ブロック形成が得られ、これによって場合によっては製造を有利に行うことがで
き、又は組立て時に良好に配線することができる。
磁石セグメントは並列にも、又は一部分のみを並列に接続することもできる。
これによって磁石装置の充電又は放電の際のその都度の要求に良好に整合させる
ことができる。その他に個々の磁石セグメントは少なくとも一部分を切離し可能
か又は橋絡可能であるようにすることができる。これによって、磁石装置はその
都度の電力又は運転状況に最良に整合させられる。このために場合によっては今
日まだ入手可能ではない相応するスイッチ手段が場合によっては必要になる。
当然のことながら上記で詳細に述べた特徴事項は、本発明の基本的な考えを放
棄することなく、互いに組合わせたり又は従来技術の特徴事項と組合わせること
もできる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.環状に配置された多数の磁石セグメント(3a、3b)を備え、この磁石セ グメントはそれぞれ少なくとも2つのグループ(a、b)の1つに所属し、各グ ループの磁石セグメント(3a、3b)はグループ(a、b)間の相互電流引受 け手段を含むそれぞれに共通な給電装置(4a、4b)に接続され、各グループ (a、b)の磁石セグメント(3a、3b)は交互に環状に配置されそれぞれ電 気的に直列に接続されている環状超伝導磁石装置。 2.給電装置(4a、4b)はコンピュータ制御された電力変換装置として構成 されている請求項1記載の磁石装置。 3.クエンチ現象を検出するためのセンサ手段、特にクエンチ検出器が設けられ 、このセンサ手段は少なくとも1つの監視装置を介して給電装置(4a、4b) の各制御装置に接続されている請求項1又は2記載の磁石装置。 4.給電装置(4a、4b)は相互電流引受け手段として低抵抗値の内部抵抗を 有する請求項1乃至3の1つに記載の磁石装置。 5.グループ(a、b)は直流的に分離されている請求項1乃至4の1つに記載 の磁石装置。 6.磁石装置はエネルギー蓄積装置として使われる請求項1乃至5の1つに記載 の磁石装置。
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