JPH11513367A - 細胞アポトーシスの調節方法 - Google Patents
細胞アポトーシスの調節方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、細胞のアポトーシスを阻害するというβケモカインの新たに認識された能力に基づくものである。特に、T細胞のアポトーシスが記載される。公知のβケモカインI−309およびTCA−3は、アポトーシスを阻害するβケモカインの具体例である。本発明の一つの態様は、これらの分子のアポトーシスの阻害についての利用法である。本発明の第2の態様は、βケモカインの阻害剤又はアンタゴニストのアポトーシスの誘発についての利用法である。
Description
【発明の詳細な説明】
細胞アポトーシスの調節方法関連出願
これは、1995年10月10日出願で参考文献として本出願にその内容が合
体される出願番号08/541,905号の一部継続出願である。発明の分野
本発明は、抗アポトーシス因子、特に、ケモカインである、哺乳類の抗アポト
ーシス因子の利用法に関する。より詳しくは、本発明は、I−309等のβケモ
カインおよびその変異体の、抗アポトーシス因子としての利用に関する。発明の背景
ケモカインは、サイトカインのサブセットである。サイトカインは、体内に於
いて白血球および他の種々の細胞によって分泌される調節タンパク質である。サ
イトカインの多面的な作用には、免疫系の細胞に対する様々な作用と、炎症反応
の調節が含まれる("The Cytokine Handbook",第2版、1994、ed.A.Thompson
,Academic Press,p.4)。ケモカインは、炎症誘発性のサイトカインのスーパー
ファミリーである。ケモカインファミリーは、二つのブランチから成る。αケモ
カインでは、最初の二つのシステインが一つのアミノ酸残基によって分離されて
いる(C−X−C)(たとえば、IL−8と血小板因子−4)のに対し、TCA
−3等のβケモカインでは、最初の二つのシステインが隣接している(C−C)
(ラニング(Laning)他,1994,J.Immunol.153: 4625-4635、参考文献としてその
内容を本出願に合体)。このファミリーの分子は、少なくとも25%のアミノ酸
ホモロジーを共有し、類似の構造を有し、ロドプシンスーパーファミリーの7回
膜貫通型受容体に結合する。αケモカインをコードする遺伝子は、ヒト第4染色
体上に位置し、βケモカインをコードする遺伝子はヒト第17染色体上に位置す
る。
βケモカインの内、マウスタンパク質TCA−3は、その内容全体を本出願に
参考文献として合体させるバード(Burd)他(1987,J.Immunol.139: 3126-313
1)によって最初に記載された。そのcDNAは、その発現が刺激によって誘導さ
れる遺
伝子を同定することを目的としたストラテジーを使用してT細胞ヘルパークロー
ンライブラリーからクローニングされた。二年後、参考文献としてその内容が本
出願に合体されるブラウン(Brown)他(1989,J.Immunol.142: 679-687)も同様
に、P500と称されるcDNAを同定した。これは、彼らが分析したcDNA
クローンの8%に於いて選択的スプライシングによって発生していた99ヌクレ
オチド挿入を除いては、TCA−3と同一である。この文献に於いて、TCA−
3/P500は、SISe(Small Inducible Secreted protein)とも称された。
ヒトI−309の配列は、その内容全体を参考文献として本出願に合体させるミ
ラー(Miller)他(1989,J.Immunol.143: 2907-2916)によって報告された。その
cDNAは、前述したTCA−3とP500とに関する前記諸文献に於いて報告
されているものと類似のストラテジーを使用して、IL−2依存性T細胞ライン
から単離された。その後、ゲノムクローンの配列が、その内容全体が本出願に参
考文献として合体されるミラー(Miller)他(1990,J Immunol.145: 2737-2744)
によって報告され、前記遺伝子が、βケモカインとして予測されたように、ヒト
第17染色体に位置することが示された。前記ゲノム構造は、TCA−3がI−
309のマウスホモローグであるという見解を支持するものである。
βケモカインの例、即ちヒトI−309と、そのマウスホモローグTCA−3
の活性を記載する三つの報告が発行されている。これらをここに引用し、参考文
献としてその内容を本出願に合体させる。その第1番目の報告に於いて、ウィル
ソン(Wilson)他(1990,J.Immunol.145: 2745-2750)は、CHO細胞中で組換
えマウスTCA−3を生産させた。彼らは、この物質をマウスの足蹠に皮内注射
することによって、好中球の局所的な蓄積によって組織学的に特徴付けられる急
速な腫大(膨化)反応が起こることを示した。
第2の報告に於いて、ミラー(Miller)他(1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:
2950-2954)は、CHO細胞中で組換えヒトI−309を生産させ、精製I−3
09がヒトの単球の遊走を刺激するが、好中球の遊走は刺激しないことをイン・
ヴィトロで示した。I−309は、又、単球内の細胞質の遊離カルシウムの一過
性の増加を引き起こすが、好中球又はリンパ球に於いてはそれを引き起こさない
ことも示された。この走化作用活性は、検出可能となるためには、10nMの濃
度
(約150ng/ml)であることが必要であった。最大効果は、100−30
0nMで見られ、最大半減の(half-maximal)活性は、約20nMであった。
最後に、第3の報告に於いて、ラニング(Laning)他(1994,J.Immunol.153:
4625-4635)は、TCA−3を発現するマウス腫瘍が、恐らくは、好中球とマク
ロファージの腫瘍部位への誘引後の抗腫瘍免疫応答の結果として、その腫瘍発生
能を失ったことを示した。
前述したように、ヒトβケモカインI−309は、最初にミラー(Miller)他(1
989,J.Immunol.143: 2907-2916)によって1989年に記載された。そのアミ
ノ酸およびcDNA配列は、対応するタンパク質の分泌に関連すると考えられた
疎水性リーダー配列を含む小ポリペプチド鎖等の、その他の構造特性と共に、そ
こに記載されている。前記タンパク質の機能はその当時未知であったが、そのタ
ンパク質の性質、即ち、その比較的小さなサイズ、T細胞による分泌、およびそ
の他の構造特性に依り、それは未知の機能を有する一種のサイトカインであると
示唆された。今回、P500およびTCA−3,I−309を含むある種のβサ
イトカインは、胸腺リンパ腫細胞ラインに対する強力な抗アポトーシス因子であ
ると教唆された公知の抗アポトーシス剤であるIL−9と比較した際に、抗アポ
トーシス活性を示すものであることが判った。後述するそれらのタンパク質の走
化作用の有効濃度を考慮すると、それらが強力な抗アポトーシス剤であると結論
される。更に、βケモカイングループのメンバー間の構造的類似性およびその機
能的類似性によると、即ち、異なるケモカインが同じ受容体に結合することが示
されたことから、βケモカイングループの他のメンバーも抗アポトーシス活性を
示すであろうと考えられる。下記の参考文献は、βケモカイングループの詳細を
提供するものであり、そして、同グループのメンバー間の類似性を強調している
。参考文献として本出願にその内容を合体させるティ・ジェイ・シャル(T.J.S
chall)(1991,Cytokine 3: 165-183);およびシャル(Schall)(1994,“The Cyt
okine Handbook”,第2版 ed.A.Thompson,Academic Press,p419-460)。
ここで「アポトーシス」とは、細胞死の一つのタイプをいう。詳しくは、それは
、正常な発達過程に於いて、細胞が予測可能な秩序だった方法で死んで消失する
、プログラムされた細胞死をいう。たとえば、このような細胞は、その膜内で萎
縮する
傾向があり、そのDNAは断片化してヌクレオソームとなり、これらは、免疫系
の細胞、特に、白血球によって安全に除去される。
科学界は、最近、アポトーシスの臨床的重要性を認識し始めたばかりであり、
従って、このプロセス、および、細胞死を促進、或いは場合によつては阻止する
ために、いかにしてこのプロセスを有利に操作することが可能であるか、という
ことに関するよりよい理解をもたらす研究に投資し始めたばかりである。
アポトーシスが関連する疾患および症状には多数の例が存在する。
心発作は、通常、心臓の細胞死によって特徴付けられ、従って、この細胞死を
緩和もしくは阻止する因子は、この病状の成り行きに対する保護のために有用で
あろう。更に、これらの因子は、化学療法−誘導性の心臓組織の損傷、或いは、
脳卒中−誘導性の組織損傷、更には腎不全に於いても有用であろう。このような
因子の利用は、個人が心発作又は脳卒中の病歴を有する場合、或いは、個人がそ
のような病歴を有する家族に属する場合においても特に有用であろう。
化学療法および放射線治療によっても、他の形態の組織損傷が引き起こされる
ので、化学療法又は放射線治療を、抗アポトーシス因子と同時投与または連続投
与することは、この広範な損傷の緩和又は阻止のために有用であるといえる。
更に、早発性の、および、広範なアポトーシスは、後天性免疫不全症候群(A
IDS)に関連する損傷の多くに関連付けられている。アポトーシスは、最終的
に患者の免疫系の抑制を導く、エイズ患者に於ける非感染性T細胞の死の主要原
因ではないか、と考えられている。従って、この形態の細胞死を緩和又は阻止す
る因子は、エイズウィルスが非感染細胞に対して引き起こす損傷を阻止するのに
役立つかもしれない。
細胞死は、又、虚血の場合にも起こるので、本発明の因子は、虚血性器官に於
けるアポトーシスの緩和又は阻止にも役立つかもしれない。
アポトーシス活性の緩和又は阻止という本発明の利用方法の他にも、本発明の
側面の一つは、所望の場合、アポトーシス活性を促進する能力であることが明ら
かであろう。たとえば、ケモカイン、特に、I−309および他の種のそのホモ
ローグ等のβケモカインが、アポトーシスの阻止に関与しているという認識は、
この因子に選択的に結合することによって、その抗アポトーシス機能を抑制し、
これによっ
て細胞死を促進する薬剤の製造において有用である。天然の、人工の、又は合成
の薬剤を使用することができる。たとえば、本発明の因子に対して、モノクロー
ナル又はポリクローナル抗体を作り、これらを、その抗アポトーシス活性を抑制
又は抑止することを目的として、前記因子に結合させるのに利用することができ
る。このように、本発明の抗アポトーシス因子に選択的に結合する薬剤を利用し
て、アポトーシスを促進させたり、更には、このような薬剤の標的化送達を考慮
すると、選択的に疾病組織のアポトーシスを促進するのに利用することができる
。
腫瘍の発達を抑制又は逆行させるためにアポトーシスを促進することが有利で
ある可能性がある。この点に関して、抗アポトーシス因子、たとえば、それ単独
では増殖を引き起こすことなく、アポトーシスに対して保護する細胞質タンパク
質をコードするbcl−2遺伝子の産物が、いくらかのタイプの腫瘍に関連して
いることが示されていることが銘記される。
更に、本発明は、薬物スクリーニングアッセイにも利用可能である。たとえば
、ケモカイン、特に、βケモカインを体の種々の部分において同定することは、
直接的、又は間接的に、体の様々な部分に於けるアポトーシスを位置づけるのに
利用可能であり、従って、薬物スクリーニングの目的の為に、細胞死を被る可能
性の最も高い部位、領域、又は器官を、同定することができる。更に、アポトー
シス促進剤と、更に、βケモカイン、特にI−309のアンタゴニストとして作
用する薬剤、の効力を、本発明の前記因子の存在下に於けるそれらの薬剤の活性
を観察することによってより正確に測定することが可能である。又、本発明は、
細胞の成長および増殖の促進に利用することも可能であり、従って、薬物スクリ
ーニングアッセイのための増殖性組織の提供に利用することが可能である。
本発明の完全な範囲は、以下の開示を参照することによってより完全に理解さ
れるであろう。図面の簡単な説明
図1Aは、種々の細胞上清の抗アポトーシス活性を示している。
図1Bは、図1Aの上清のIL−6含量を示している。
図2は、活性化CRL8066−MoT上清のいくつかの、但し全部ではない
フ
ラクションの活性の、抗IL−6抗体に依る阻害を示している。
図3は、フェニルセファロースで、IL−6と抗アポトーシス活性が別々に分
画されることを示している。
図4Aは、Resource Sカラムでの抗アポトーシス因子の最終精製を
示している。
図4Bは、種々のカラムフラクションの活性アッセイの結果を示している。
図4Cは、種々のフラクションのSDSゲルである。
図5Aは、デキサメタゾンが存在する場合の、BW5147細胞に対する精製
I−309の抗アポトーシス活性および走化作用活性を示し、図5Bは、そのヒ
トTHP1単球における活性を示している。
図6Aは、COS細胞内で発現させた組換えI−309によって誘導された時
に、BW5147細胞が増殖したことを示すデータを示し、図6Bは、デキサメ
タゾン存在下に於いて組換えTCA3によって刺激した場合の増殖を示している
。
図7Aは、組換えI−309の、BW5147細胞に対する抗アポトーシス活
性の証拠を示している。
図7Bは、DEX中で、組み換え1309の存在下または非存在下で培養した
BW5147細胞から抽出されたDNAからの電気泳動データを示している。
図8Aおよび8Bは、ボルタデラ百日咳毒素(Bortadella per tussis
toxin)の存在下に於ける、I−309誘導性増殖の阻害を
示すデータである。
図9は、デキサメタゾンに曝した後の、I−309の、胸腺リンパ腫細胞ライ
ン9T4A2およびNM3T2に対する抗アポトーシス活性を示している。
図10は、種々のケモカインの抗アポトーシス効果を比較している。好適実施例の詳細説明
本発明は、ケモカインの抗アポトーシス活性に関し、以下の例に於いては、特
に、βケモカインI−309について言及される。簡単に説明すると、ここに記
載する研究は、前記因子I−309の存在下に於いて、マウス胸腺リンパ腫が、
有意に増殖活性および/又は生存を維持されることが可能であるということを示
している。
前記因子の抗アポトーシス活性は、わずか1.6ng/mlの濃度でも最大半減
の抗アポトーシス活性が得られるという意味に於いて重要である。この濃度は、
この分子の単球走化作用活性に必要な濃度よりも遥かに低く(200倍低い)、
これは、この分子の第一の機能が細胞死の抑制であるかもしれないことを示唆し
ている。
下記のデータに於いて、BW5147マウス胸腺リンパ腫が具体的に言及され
ている。しかしながら、他の二種類のリンパ腫細胞ライン、即ち、9T4A2お
よびNM3T2、に関しても類似の活性が得られたことが銘記される。材料および方法
細胞培養、サイトカインおよび他の試薬
胸腺リンパ腫細胞ラインBW5147(ラルフ(Ralph)他,1973,J.Immunol.11
0: 1470)を、American Type Culture Collection(ATCC)から入手した。NM3
T2細胞ラインは、N−メチル−N−ニトロソ尿素(MNU)によって処理した
DBA−2マウスから確立し、9T4A2は、IL−9導入遺伝子を欠失したI
L−9トランスジェニックマウスに於いて自然発生した胸腺リンパ腫から確立し
た(ルノー(Renauld)他,1994,Oncogene 9: 1327)。これらの細胞を、10%
のウシ胎児血清と、1.5mMのL−グルタミンと、0.24mMのL−アスパ
ラギンと、0.55mMのL−アルギニンと、50μMの2−メルカプトエタノ
ールとを追加したIscove培地中で培養した。
NK細胞性白血病YTおよびT細胞性白血病MoT/CRL8066(チェン
(Chen)他,1983,Nature 305: 502-505)を、ATCCから入手した.Mo7
E巨核芽球白血病(アヴァンズィ(Avanzi)他,1988,Br.J.Haematol.69: 3
59-366)を、エル・ペゴラロ(L.Pegoraro)博士(University of Perugia)か
ら譲り受けた。5B12とE5とは、健康な個人の血液リンパ球由来であり、P
HA、又は、同種支持細胞、PHA,IL−2およびIL−4の存在下に於いて
成長するヒトT細胞クローンである。
マウスIL−9は、バキュロウィルス中での発現によって生産され、われわれ
の研究所に於いてアフィニティークロマトグラフィーによって精製された。各実
験に於いて、飽和用量(200U/ml)を使用した。組換えTCA−3は、R
&D研
究所から購入され、百日咳毒素は、BIOMOL(Plymouth Meeting,PA)から購
入された。デキサメタゾン(DEX)は、Sigmaから入手され、すべての実
験に於いて0.25μMの濃度で使用された。ラット抗マウスIL−6受容体、
15A7(クーリ(Coulie)他,1990,Curr.Top.Microbiol.Immuol.166: 4
3-46)と、マウス抗ヒトIL−6,AH64(ブレイリー(Brailly)他,1994
,Clin.Chem.40: 116-123)抗体を、それぞれ、50ug/mlおよび腹水液
での1/100希釈度で使用した。
IL−6を測定するための7TD1バイオアッセイを、過去に記載された要領
で行った(ヴァン・スニック(Van Snick)他,1986,Proc Natl.Acad Sci.USA
83: 9679-9683)。簡単に説明すると、2x103の7TD1細胞を、マイクロウ
ェルに播種し、上清の段階希釈液の存在下に於いて4日間培養した。増殖は、ラ
ンデグラン(Landegran)他,1984,Cytokine 3: 165-183に記載されているよう
に、ヘキソサミニダーゼ(hexosmindiase)レベルの比色定量によって評価した。
抗アポトーシスバイオアッセイ
細胞生存度を、記載されている要領で(リー(Lee)他,1993,J,Immunol.1
51: 5208)ヨウ化プロピジウム取り込みアッセイを使用して測定した。簡単に説
明すると、細胞を、FACScanフローサイトメーター(Becton-Dickinson)
によるFACS分析の前に、室温でヨウ化プロピジウム(125μg/ml)と
30分間インキュベートした。これらの条件下に於いて、死細胞は鮮やかに染色
されるが、生細胞は染色されない。各サンプルにつき、最低5000個の細胞を
カウントした。
DEXの存在下に於ける増殖に対するサイトカインの影響をテストするために
、BW5147細胞を、200μlの容積で、サイトカインとともに又はサイト
カイン無しで、終モル濃度0.25x10-6のDEXの存在下に於いて、3連の
マイクロタイターウェル中でインキュベートした。培養物を、2−4日後に、6
時間0.5μCi 3H−チミジンによってパルスした。或いは、細胞増殖を、
記載されているように(ウィッテンホーヴ(Uyttenhove)他,1988,Proc.Natl.Acad.
Sci,USA 85: 6934)ヘキソサミニダーゼ(hexosaminidase)アッセイによって測定
した。
精製手順
T細胞性(T-type)毛状細胞白血病である、MoT/CRL8066を、10%
の熱不活性化(56℃、30分間)FCSと、0.55mMのL−アルギニンと
、0.24mMのL−アスパラギンと、1.25mMのL−グルタミンとを追加
したRPMI−1640培地中で培養した。ラージバッチでの生産のために、細
胞を洗浄し、5%のFCSを含有する同じ培地中に再懸濁し、5x105細胞/
mlの濃度でPMA(50ng/ml)(Sigma)によって刺激した。HTL
V−IIウィルスを失活させるための、57℃で30分間の加熱後、上清を、リ
ン酸ナトリウム,pH7.0で緩衝し、1.2Mの終濃度となるように硫酸アン
モニウムを添加した。この調製物を、Phenyl−Sepharose Fa
st flow カラム(Pharmacia)で8ml/分でクロマトグラフ
ィーにかけた。500mlの1.2M硫酸アンモニウムでの洗浄後、活性物質を
、1リットルの、0.7Mおよび0.5Mの硫酸アンモニウムによる3ml/m
lでの2step溶出によって回収した。
濃縮後、前記物質を、0.01%(vol/vol)のTween20を含有
する、酢酸ナトリウム50mM,pH5.5バッファー中に移し、Sulfo−
Propyl Sepharose Fast flowゲル(Pharmac
ia)で3ml/分にて陽イオン交換クロマトグラフィーにかけた。100ml
の同じバッファーでの洗浄と、140mlの同じバッファー中の0.3M Na
Clでの洗浄後、NaCl 1Mまでの300mlのリニアグラジエントで溶出
を行ったところ、活性物質は0.5ないし0.75M NaClにおいて溶出さ
れた。
活性フラクションを濃縮し、1MのNaClと0.01%(vol/vol)
のTween20とを含有する50mMのリン酸バッファーpH7.0中に移し
、Superdex70サイズ排除カラム(Pharmacia)で分画した。
活性物質(12−16kDの見かけ上の分子量で溶出)を、1MのNa2SO4を
含有する100mMのNa2HPO4バッファーpH7.0中に移し、TSK−フ
ェニルカラム(LKB,Bromma,Sweden)に0.5ml/分でロー
ドした。開始バッファーでの5分間の洗浄後、リン酸ナトリウム(0.1M,p
H7.0)と
エチレングリコールとの1/1混合物のリニアグラジエント(30分間で0から
60%)で0.5ml/分で溶出を行い、活性物質はこのバッファー30%にお
いて溶出された。
活性フラクションを、0.01%(vol/vol)のTween20を含有
する酢酸ナトリウム50mM,pH5.5バッファー中に移し、0.8ml/分
で、Sulfo−Propyl ResourceSカラム(Pharmaci
a)の陽イオン交換クロマトグラフィーを行った。溶出を、0.2M NaCl
までの10分間のリニアグラジエント、続いて0.4M NaClまでの30分
間のグラジエントで0.8ml/分にて行ったところ、活性物質は0.3M N
aClで溶出された。
最も活性の高いフラクションを、0.1%のトリフルオロ酢酸を含有するよう
に調整し、これを、Vydack C4カラムでの逆相クロマトグラフィーで更
に分析した。このカラムを、0.1%のトリフルオロ酢酸中、8から56%のア
セトニトリルの40分間のリニアグラジエントで、0.8ml/分で展開した。
フラクションを、5μlのTween 20(水中で1%)を含有するエッペン
ドルフチューブに収集し、凍結乾燥し、その抗アポトーシス活性をテストする前
に、Na2HPO4バッファー(50mM,pH7.0)中に再懸濁させた。
cDNAクローニングとCOS細胞トランスフェクション
ヒトI−309cDNAのコード配列を、PHA活性化T細胞クローン(E5
)から抽出したトータルRNAを使用したRT−PCRによって増幅した。逆転
写を、オリゴ(dT)プライマーを用いて5μgのトータルRNAに対して行い
、トータルRNA200ngに対応するcDNAを、下記の特異的プライマーを
用いてPCRで30サイクル増幅した。特異的プライマーには、EcoRIサイ
トを挿入した。即ち、センス5‘−TCCAGGAATTCCCAAGCCAG
ACCAGAA−3’(配列番号1)(cDNA配列の位置19から)、アンチセン
ス5‘−TTGTAGAATTCAAATGTTTAAAGTGCAACA−3
’(配列番号2)(cDNA配列の位置503から)。この増幅産物を、EcoRI
によって切断し、pCDSRα発現ベクター(Takebe et al,1988)にクローニ
ングした。そのヌク
レオチド配列を、32P−ATP標識化オリゴヌクレオチドを用いたTaqサイク
ルシークエンシングシステム(Amersham)を使用したジデオキシヌクレ
オチドチェーンターミネーション法によって決定したが、公表されたI−309
配列(Genbank Accession番号M57502)(ミラー(Miller)他,1989,J.Immu
nol.143: 2907-2916)との相違はみられなかった。
種々のヒト細胞上清の抗アポトーシス活性とIL−6含量(図1)
A:抗アポトーシスアッセイの為に、BW5147細胞(103/ウェル)を
、マウスIL−9(200U/ml)、Mo7E巨核芽球白血病細胞ラインからの
3.3%の上清、MoT/CRL8066T細胞性白血病細胞ライン(PMAと
IL−2とで3日間刺激されたもの又は刺激されなかったもの)、PMAとIL
−2とで刺激されたYT NK細胞性白血病、又は、10%のT細胞クローン上
清(5B12およびE5)とともに、またはそれらなしでデキサメタゾン(DE
X)(0.25μM)の存在下で3日間インキュベートした。細胞増殖を、チミジ
ン取り込みを測定することによって評価し、標準偏差を、3連の培養から計算し
た。DEX非存在下に於いて、チミジン取り込みは、117,947±7,12
2cpmであった。
B:前記上清のIL−6含量を、記載した7TD1バイオアッセイによって測
定した。1U/mlは、最大半減の増殖に必要な濃度(ヒトIL−6について約
5pg/ml)に相当する。
活性化CRL8066−MoT上清の一部の、ただし全てでないフラクションの
活性の、抗−IL−6抗体による阻害(図2)
BW5147細胞(103/ウェル)を、ヒトIL−6(500U/ml)又
はSuperoseクロマトグラフィーの溶出フラクションからのアリコットと
ともに、またはそれらなしで、DEX(0.25μM)の存在下で3日間インキ
ュベートした。ラット抗マウスIL−6受容体抗体15A7と、マウス抗ヒトI
L−6抗体とを、それぞれ、50μg/mlおよび腹水液の1/100希釈度で
使用した。細胞増殖をチミジン取り込みを測定することによって評価し、標準偏
差を、3連の培養から計算した。
フェニルセファロースでのIL−6と抗アポトーシス活性との異なる分画(図3
)
PMAで刺激されたMoT/CRL8066細胞からの上清をHTLV−II
ウィルスを失活させるべく57℃で30分間加熱し、リン酸ナトリウムpH7.
0で緩衝した後、硫酸アンモニウムを、1.2Mの終濃度となるまで添加し、そ
してPhenyl−Sepharose Fast flowカラム(Phar
macia)にロードした。適切な洗浄後、0.75、0.5および0.0Mの
硫酸アンモニウムで3stepの溶出を行い、そのフラクションの活性を、IL−6
に関して7TD1アッセイで評価し、更に、前の材料および方法の項に記載のB
W5147抗アポトーシスアッセイで評価した。
Resource Sカラムでの抗アポトーシス因子の最終精製およびSDS−
PAGEゲル(図4)
A:フェニルセファロースゲルと、Sulfo−Propylカラムと、Su
perdexサイズ排除カラムでの3つの連続分離工程後、活性フラクションを
、Sulfo−Propyl Resource Sカラムでの陽イオン交換ク
ロマトグラフィーによって分画した。点線によって示すNaClグラジエントに
よって溶出を行った(バッファーB=1M NaCl)。溶出された物質の吸光度
(280nm)(着色領域(strippled area))と、抗アポトーシス活性(閉四角■
)とが図示されている。1U/mlの抗アポトーシス活性を、前項材料と方法に
記載したBW5147バイオアッセイに於いてDEXに対して最大半減の保護を
提供する濃度として任意に定義する。
B:Resource S陽イオン交換カラムからフラクションを取り出し、
それらの抗アポトーシス活性を前述した抗アポトーシスアッセイでテストした。
図4Bに示すその結果は、溶出フラクション21が、事実、アポトーシス活性を
有するフラクションであったことを示している。フラクションの内のいくつかを
標準的なSDS−PAGE分析にかけ、その結果を図4Cに示す。
精製I−309の抗アポトーシス活性および走化作用活性(図5)
A:BW5147細胞(103/ウェル)を、図4に示したResource
Sクロマトグラフィーのフラクション21からの段階希釈液とともに、または
それらなしで、DEX(0.25μM)の存在下で3日間インキュベートした。
細胞増殖を、比色定量ヘキソサミニダーゼアッセイによって評価した。I−30
9濃度を、マイクロシークエンシング分析から推定した。
B:同じ方法を、ヒトTHP1単球細胞ラインを使用した走化性アッセイに使
用した(閉記号■)。その結果を、走化性指数として示す。精製ヒトMCP−3を
、このアッセイのポジティブコントロール(開記号□)として使用した。
COS細胞中に発現させた組換えI−309および、組換えTCA−3によって
引き起こされる、BW5147細胞のデキサメタゾンの存在下での増殖(図6)
A:BW5147細胞(103/ウェル)を、I−309cDNA又はコント
ロールプラスミドでトランスフェクションされたCOS細胞からの上清の1/1
5希釈液とともに、またはそれらなしで、DEX(0.25μM)の存在下で3
日間インキュベートした。細胞増殖をチミジン取り込みを測定することによって
評価し、標準偏差を3連の培養から計算した。
B:組換えマウスTCA−3の段階希釈液の抗アポトーシス活性を、Aに記載
のように測定した。
次に、BW5147細胞に対して組換えI−309を使用して更に研究を行っ
た。これらの実験に於いて、BW5147細胞(ここでも、103/ウェル)を
、精製組換えI−309(50ng/ml)とともに、またはそれなしで、0.
25mM DEXの存在下で3日間インキュベートした。チミジン取り込みを測
定することによって、細胞増殖を評価した。3連の培養を使用してデータを導き
、標準偏差を計算した。これらのデータを図7Aに示す。図7Bに於いて、40
0ng/mlの組換えI−309とともに、またはそれなしでDEXの存在下に
於いて24時間培養したBW5147細胞から抽出されたDNAの電気泳動の結
果が図示されている。
デキサメタゾンの存在下に於けるBW5147細胞のI−309誘導性増殖の百
日咳の毒素による阻害(図8)
BW5147細胞(103/ウェル)を、I−309cDNAでトランスフェ
クションされたCOS細胞からの上清の1/15希釈液、又は、飽和濃度のmI
L−9(200U/ml)とともに、またはそれらなしで、DEX(0.25μ
M)の存在下で3日間インキュベートした。細胞増殖をチミジン取り込みを測定
することによって評価し、標準偏差を3連の培養から計算した。
類似の実験に於いて、5%の活性化Mo細胞上清とともに、またはそれなしで
、および、百日咳毒素(B.pertussis toxin)(2.5ng/
ml)又は抗ヒトIL−6mAb AH65(腹水液,0.5%)とともに、ま
たはそれらなしで、DEXを0.25mMの濃度で添加した。チミジン取り込み
を図8Bに示す。
デキサメタゾンに対して曝された9T4A2およびNM3T2胸腺リンパ腫細胞
ラインに対するI−309の抗アポトーシス活性(図9)
細胞を、I−309(100U/ml)又はIL−9(500U/ml)の存
在下又は非存在下でデキサメタゾンと20時間インキュベートした。細胞の生存
度を、前項材料および方法に記載のヨウ化プロピジウムでの染色後のFACS分
析によって測定した。
BW5147に対する種々のヒトケモカインの抗アポトーシス活性をテストす
る一連の実験を行った。各ケースに於いて、BW5147細胞(103/ウェル
)を、I−309(40ng/ml),MCP−1(25ng/ml),MCP−2
(250ng/ml),MCP−3(250ng/ml),RANTES(250n
g/ml),IL−8(125ng/ml),NAP−2(125ng/ml),顆
粒球走化性タンパク質(GCP)−2(250ng/ml),およびマクロファー
ジ炎症性タンパク質(MIP)−1a(125ng/ml)とともに、またはそ
れらなしで、DEX(0.25mM)の存在下で3日間インキュベートした。細
胞増殖を、すべて前述したように、3連の培養を使用して、チミジン取り込みア
ッセイで測定した。図10はこれらの結果を示している。
結果
ヒトT細胞上清に於けるIL−6とは別の抗アポトーシス活性の同定
以前の報告に於いて、マウス胸腺リンパ腫BW5147が、IL−9,IL−
4によって、および、より低い程度でIL−6によって、デキサメタゾン誘導性
アポトーシスに対して保護されることが示された。これに対して、IL−1,I
L−2,IL−7,IL−10,IL−13,IFNγおよびTNFαは、この
アッセイにおいて活性ではなかった(ルノー(Renauld)他,1995,Blood 85: 13
00-1305)。IL−3,IL−11,LIF,GM−CSFおよびSI因子(St
eel Factor)についても同様に活性ではなかった(未公表データ)。ヒ
トIL−9とヒトIL−4とは、マウス細胞に対して活性を示さないので、われ
われは、このバイオアッセイを使用して、他の抗アポトーシス活性を探索するた
め、一連のヒト上清についてスクリーニングを行った。ヒトIL−6はマウス細
胞に対して活性を示すので、われわれは、これらの上清のIL−6タイター(力
価)を同時に測定した。図1Aに示すように、デキサメタゾンの存在下において
培養されたBW5147細胞の増殖は、マウスIL−9のみならず、活性化T細
胞性白血病(CRL8066−MoT)又はCD4+T細胞クローン(5B12
,E5)から等のいくつかのヒト細胞上清との培養においても観察された。興味
深いことに、この活性は、図1Bに示すようにこれらの上清中のIL−6の濃度
と厳密には相関していなかった。最も強力な上清(活性化CRL8066−Mo
T)は、多量のIL−6を含有していたが、他の活性サンプル(5B12および
E5上清)は、基本的にIL−6を欠いており、これは、以前に調べられたサイ
トカインとは別の因子が、BW5147細胞をデキサメタゾン誘導性アポトーシ
スから保護している可能性があることを示唆した。
この推定因子をIL−6から更に区別するために、スルホプロピルセファデッ
クスビーズへの吸着によって濃縮されたCRL8066−MoT細胞上清を、F
PLCによるサイズ排除ゲルのクロマトグラフィーにかけた。この実験では、I
L−6よりサイズが小さく、かつ、抗ヒトIL−6抗体又は抗マウスIL−6受
容体抗体によって阻害されない因子は、このアッセイに於いても活性であること
が示された(図2)。この結論は、フェニルセファロースでの疎水性相互作用クロ
マトグラフィーで得られた結果によって確認された。図3に示すように、主要な
抗アポ
トーシス活性は、0.75Mの硫酸アンモニウムで溶出されたのに対して、IL
−6は、0.0Mの塩でのみ回収された。抗アポトーシス活性の原因である因子の精製とマイクロシークエンシング
CRL8066−MoT細胞は、500,000細胞/mlの濃度の細胞を、
50ng/mlのPMAで、3日間、5%のFCSを含有する培地中で刺激する
ことによって得た。フェニルセファロースカラムでのクロマトグラフィーの後、
物質を、陽イオン交換ゲルによって、pH5で分画した。活性フラクションを、
1MのNaClと10-4希釈度のTween20とを含有する中性リン酸バッフ
ァー中に移し、ゲル濾過クロマトグラフィーにかけた。15kDをピークとして
10ないし20kDの範囲の見かけ上の分子量で抗アポトーシス活性が溶出した
。更なる分画を、TSKフェニルカラムでの疎水性相互作用クロマトグラフィー
によって行い、その結果、活性物質が0.7MのNa2SO4および15%のエチ
レングリコールにおいて溶出した。最後に、活性フラクションを、FPLCによ
ってResource S陽イオン交換カラムで均一となるまで精製した。この
最後のクロマトグラフィー工程の結果を、活性フラクションの対応のSDS−P
AGE分析とともに、図4に示す。
この調製物の純度は、最も活性の高いフラクション(フラクション21、図4
参照)のHPLC分析が、単一のタンパク質ピークを示し、ここから抗アポトー
シス活性が回収された、という事実によって確認された。Resource S
カラムのフラクション21(図4)からの30ピコモルのタンパク質のシークエ
ンシングによって、次の27のアミノ酸配列:NH2−Lys−Ser−Met
−Gln−Val−Pro−Phe−Ser−Arg−Cys−Cys−Phe
−Ser−Phe−Ala−Glu−Gln−Glu−Ile−Pro−Leu
−Arg−Ala−Ile−Leu−Cys−Tyr(配列番号3)、が生じ、こ
れは、βケモカインI−309のアミノ酸1−27(ミラー(Miller)他,1989
,J.Immunol.143:2907-2916; ミラー(Miller)他, 1990,J.Immunol 145: 2
737-2744)と完全に同一であった。走化性および抗アポトーシスのイン・ヴィトロアッセイに於けるI−309の特 異的活性の比較
マイクロシークエンシング分析から推定された濃度に基づき、精製I−309
の特異的活性を、抗アポトーシスアッセイにおいて測定した。BW5147細胞
に対する最大保護活性は、3ng/mlの濃度で達せられた(図5A)。もしも、
このアッセイに於いて、デキサメタゾンに対する最大半減の保護を提供するのに
必要な濃度を1ユニットと定義するならば、その1ユニットは、1.65 ng
/ml(約100pM)に相当するであろう。興味深いことに、この特異的活性
は、同じバイオアッセイに於けるマウスIL−4の特異的活性と類似の範囲であ
ることが判った(ルノー(Renauld)他,1995,Blood 85: 1300-1305)。
同じ精製物質を、ヒト単球細胞ラインTHP1を使用した走化性アッセイに於
いてテストした。図5Bに示すように、I−309に対する有意な走化性応答に
は、かなり高い濃度が必要であった。類似の結果が、正常な単球を使用しても得
られた(データ示さず)。総合すると、これらのデータは、ここに報告される抗ア
ポトーシス効果は、はるかに感度の高いアッセイであって、I−309は、走化
性因子としてよりも、抗アポトーシス剤として、実際、イン・ヴィヴォではるか
に有効であろう、ということを示している。組換えI−309とTCA−3の抗アポトーシス活性
われわれの精製した物質に於いて観察された抗アポトーシス活性が、I−30
9に基づくものであるという可能性を正式に証明するために、cDNAを、PH
A活性化T細胞クローンからのRT−PCRによって増幅し、発現ベクターに挿
入し、COS−7細胞にトランスフェクションした。図6に示すように、I−3
09でトランスフェクションされたCOS細胞からの上清は、デキサメタゾンの
存在下に於いてBW5147細胞の増殖を強く刺激したのに対して、コントロー
ルCOS細胞上清は全く不活性であった。更に、1−309のマウスホモローグ
と考えられているバキュロウィルス由来のTCA−3も、類似の活性を有し、約
0.5ng/mlで最大半減の効果が観察された。百日咳毒素によるI−309の抗アポトーシス活性の阻害
I−309/TCA−3に対する受容体分子はまだ同定されていない。しかし
ながら、これまでに同定されたすべてのケモカイン受容体は、Gタンパク質を介
してシグナルを伝達する7つの膜貫通ドメインを有する膜貫通タンパク質として
存在する。百日咳毒素は、これらの受容体のサブセットによって仲介される活性
化を妨害することが知られているので、われわれは、この分子の、I−309の
抗アポトーシス活性に対する効果を分析した。図8に示すように、BW5147
細胞を、組換えI−309の存在下に於いてデキサメタゾンに対して曝した場合
、百日咳毒素は、DEXの存在下に於いてI−309によって誘導される増殖を
完全に抑止した。これに対して、百日咳毒素は、IL−9誘導性細胞増殖は阻害
せず、このことは、完全に異なるシグナル伝達メカニズムが関与していることを
示した。これらの結果は、更に、Gタンパク質にリンクしたケモカイン受容体が
、アポトーシス促進条件下での細胞生存のコントロールにおいて予想外の役割を
果たしているかもしれない、ということも示唆している。他の胸腺リンパ腫細胞ラインに対するI−309の抗アポトーシス活性
I−309/TCA−3の抗アポトーシス活性が、他の胸腺リンパ腫細胞ライ
ンにも拡張させることが可能であるか否かを調べるために、われわれは、二つの
他のデキサメタゾン感受性細胞ライン、9T4A2およびNM3T2、に対する
精製I−309の活性を、デキサメタゾンに20時間曝した後に細胞死を測定す
ることによってテストした。図9に示すように、I−309は、これらの細胞の
アポトーシスの阻害に於いてIL−9と同じ程度に強力であることがわかった。
これらの結果は、I−309の抗アポトーシス活性が、これらのタイプの腫瘍ラ
インに対して共通の現象であるかもしれない、ということを示唆している。
上記諸例および開示は、細胞のアポトーシスを調節する方法である本発明を記
載するものである。本発明の一態様に於いて、前記調節は、細胞サンプルに対し
て、該サンプル中の細胞のアポトーシスを阻害するのに十分な量のβケモカイン
を投与することによって細胞のアポトーシスを阻害することを含む。TCA−3
,P500等のI−309の哺乳類のアナログおよびこれらβケモカインの抗ア
ポト
ーシス性フラグメントを含むI−309活性を有するタンパク質が特に好ましい
。記載したようにβケモカインを使用してT細胞のアポトーシスを阻害する方法
が特に好ましい。ここで使用する「有効量」とは、細胞のアポトーシスを阻害す
るのに十分なβケモカインの量の全てを指す。好ましくは、使用されるβケモカ
インの量は、約0.1ng/mlから約100ng/mlまでの範囲である。最
も好ましくは、その投与量は、約1.0ng/mlから約3.0ng/mlの範
囲である。イン・ヴィヴォで使用する場合、前記タンパク質は、経口的に、静脈
内に、筋肉内に、皮下に、鼻腔内に、または皮内に、等で、担体、アジュバント
、又は、活性成分を正常な生理的プロセスによる分解から保護するためのさらな
る物質とともに、またはそれらなしで、いかなる標準的治療方法によっても投与
することができる。イン・ヴィトロで使用する場合には、前記物質の適用を促進
するために、溶液、エマルジョン等を使用することができる。
又、ここに記載したように、I−309アンタゴニスト等のβケモカインのア
ンタゴニストを対象に投与することによって細胞アポトーシスを阻害することも
できる。前述したように、これらのアンタゴニストは、ポリクローナル又はモノ
クロナール抗体等の抗体、可溶性形態のI−309受容体、更に、βケモカイン
受容体に結合するのに十分な、βケモカインとの構造類似性を共有するが、アポ
トーシスについては不活性となるように十分に異なる、βケモカインの誘導体で
あってもよい。
本発明のその他の態様は、当業者にとって明らかであろう、従って、ここでは
繰り返す必要はない。
使用した用語および表現は、限定ではなく記載の用語として使用されたもので
あって、このような用語および表現を使用するに当たって、図示および記載され
た特徴構成又はその一部のいかなる均等物も除外する意図は無く、本発明の範囲
内に於いて様々な改変が可能であると理解される。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年10月16日
【補正内容】請求の範囲
:
1.細胞含有サンプルに対して、該細胞含有サンプル中に於ける細胞のアポトー
シスを阻害するのに十分な量のアポトーシス阻害性βケモカインI−309を投
与する工程を有する、アポトーシスを阻害する方法。
2.前記細胞がT細胞である、請求項1の方法。
3.前記I−309が哺乳類のI−309である、請求項1の方法。
4.前記I−309が、約0.1ng/mlから約100ng/mlの範囲の量
投与される、請求項1の方法。
5.前記I−309が、約1.0ng/mlから約3.0ng/mlの範囲の量
投与される、請求項6の方法。
6.前記I−309を対象にイン・ヴィヴォで投与する工程を有する、請求項1
の方法。
7.前記I−309を、細胞培養物にイン・ヴィトロで投与する工程を有する、
請求項1の方法。
8.細胞含有サンプルに対して、該サンプル中に於ける細胞のアポトーシスを促
進するのに十分な量のI−309阻害剤を投与する工程を有し、前記サンプルが
I−309を含有する、細胞アポトーシスを促進する方法。
9.前記阻害剤が、前記I−309に特異的に結合する抗体である、請求項10
の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/00 635 A61K 31/00 635
643 643B
C12N 15/09 ZNA C12Q 1/68 A
C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP,U
S
(72)発明者 ホウショウ,フレデリック
ベルギー国 ビー−1020 ヘヴァーリー
アベニュー・フェルダウチ 36
(72)発明者 ルノー,ジャン−クリストフ
ベルギー国 ビー−1030 ブリュッセル
ブルヴァード・ジェネラル・ワヒス 32
/28
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 細胞サンプルに対して、該細胞サンプル中に於ける細胞のアポトーシスを 阻害するのに十分な量のアポトーシス阻害性βケモカインを投与する工程を有す る、アポトーシスを阻害する方法。 2. 前記細胞がT細胞である、請求項1の方法。 3. 前記βケモカインが哺乳類のβケモカインである、請求項1の方法。 4. 前記哺乳類のβケモカインがI−309活性を有する、請求項3の方法。 5. 前記βケモカインがI−309である、請求項4の方法。 6. 前記βケモカインが、約0.1ng/mlから約100ng/mlの範囲 の量投与される、請求項1の方法。 7. 前記βケモカインが、約1.0ng/mlから約3.0ng/mlの範囲 の量投与される、請求項6の方法。 8. 前記βケモカインを対象にイン・ヴィヴォで投与する工程を有する、請求 項1の方法。 9. 前記βケモカインを、細胞培養物にイン・ヴィトロで投与する工程を有す る、請求項1の方法。 10.細胞のサンプルに対して、該サンプル中に於ける細胞のアポトーシスを促 進するのに十分な量のβケモカインの阻害剤を投与する工程を有する、細胞アポ トーシスを促進する方法。 11.前記阻害剤が、I−309活性を有するβケモカインの阻害剤である、請 求項10の方法。 12.前記阻害剤が、前記βケモカインに特異的に結合する抗体である、請求項 10の方法。 13.前記阻害剤が、前記βケモカインに対する可溶性形態の受容体である、請 求項10の方法。
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