【発明の詳細な説明】
固定サイズブロックプロセッサを用いた大型カーネルフィルタリング
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、一般に、デジタル画像処理のための改良された方法および装置に関
する。詳しくは、本発明は、従来、大き過ぎるため備えられた(resident)ブロ
ック処理ハードウェアでは使用できないと考えられているフィルタカーネルを用
いて周波数領域のデジタル画像をフィルタリングする新規の方法および装置に関
する。
2.従来技術の説明
デジタル画像は、離散フーリエ変換(DFT)または離散偶数コサイン変換(DCT)な
どの周波数領域内でのフィルタリングを含む多くの方法で電子的にフィルタリン
グされ得る。典型的には、DCT領域内で画像をフィルタリングすることにより、
空間領域内での数学的たたみ込みと同じ結果が得られる。
当業者には理解されるように、画像のたたみ込みは、2つの離散信号をポイン
ト毎に乗算し、次に適切な限度値を超える積を合算することによって、空間領域
内でフィルタリングを行うプロセスである。一般に、たたみ込みにより、画像を
先鋭化または平滑化することによるフィルタリングが得られる。先鋭化は、特に
、画像内のエッジを表す高周波成分を高めることによってぼやけた画像の画質を
高める。平滑化は、画像のエッジをなめらかにする。
空間領域でのたたみ込みに数学的に等価な方法でDCT領域内のデジタル画像を
フィルタリングするのに必要なステップは、Munib A.WoberおよびMichael L.R
eischによって1993年11月30日に出願された米国特許出願第08/159,795号に詳述
されている。ステップは一般に以下のように進む。
デジタル画像は先ず、MおよびNが予め選択された整数であるとき、M×Nの画
素ブロックに区分される。これは、ブロックサイズを市販のチップの処理限度に
適合させるために行われる。例えば、8×8の処理チップブロックは、JPEG(Join
t Photographic Experts Group)およびMPEG(Motion Picture Experts Group)
によって設定される国際圧縮基準に適合する。隣接する画素ブロックは、典型的
には、空間領域で重複される。重複量は、フィルタのサイズおよびDCTのサイズ
に依存して可変である。次に重複ブロックは、各重複ブロックのDCTを行うこと
によって周波数領域のDCTマトリックスまたはブロックに変換される。
奇数の対称フィルタが選択され、先鋭化または平滑化などの特定のフィルタリ
ング動作を行うために使用されるフィルタの信号値として定義されるフィルタカ
ーネルによって表される。フィルタカーネルの離散奇数コサイン変換(DOCT)が行
われ、DOCT係数のDOCTマトリックスが生成される。次に、各DCTマトリックスにD
OCTマトリックスを掛けるマスク乗算(すなわち、ポイント毎の乗算)によって
マスク乗算マトリックスが生成される。最後に、マスク乗算されたマトリックス
に逆離散コサイン変換(IDCT)が行われ、空間領域内に再構成フィルタリング済画
素ブロックを生成する。これらのIDCT係数がフィルタリング済画像を表す。
フィルタリング済ブロックのいくつかのポイントのみが保存される。フィルタ
リング済ブロック内の他のポイントは無視される。詳しくは、各ブロックの保存
ポイント数は以下によって与えられる。
G=N−(K−1) (1)
ここで、Gはフィルタリング後に各ブロック内に保存されるポイント数、Nはブ
ロックサイズ、Kはフィルタの長さ(もしくはカーネルまたはフィルタカーネル
と呼ばれる)、そして(K-1)/2は隣接するブロック間の重複量である。また、対
称であるため、フィルタ内の独立係数の数(すなわち自由度)は{K-(K-1)/2}に
等しいことに留意されたい。例えば、N=8およびK=5の場合、保存ポイント数Gは
4に等しい。つまり、ブロックサイズ8を5ポイントのフィルタと共に用いると
き、各フィルタリング済ブロックから4個のフィルタリング済ポイントが保存さ
れる。等式(1)から明らかなように、いかなる保存ポイントGを生成するために
もNはKより大きいかまたはKに等しくなければならない、すなわち、フィルタ
の長さは画素ブロックの長さより長くなってはいけない。当然ながら、上記の原
理は多次元フィルタリングにも拡大される。
従来の画像フィルタリングの1つの欠点は、利用可能なプロセッサの処理能力
が選択されたフィルタ長より小さいときに生じる。このハードウェアの制約は、
フィルタリングが空間領域で行われても周波数領域で行われても存在する。グラ
フィックアートおよび医療用画像化で使用される場合などの高画質画像をフィル
タリングするときは、大型フィルタ(例えば9ポイントまたは13ポイント)が所
望されることが多いが、利用可能なプロセッサは、例えば、8×8の画像データブ
ロックの処理に限定され得る。
従って、本発明の主な目的は、関連するチップの処理能力よりサイズが大きい
フィルタを用いて空間領域または周波数領域内のデジタル画像をフィルタリング
する方法および装置を提供することである。上記のおよび他の目的は、下記の詳
細な説明および図面から明らかとなり得る。
発明の要旨
画像化システムのハードウェア能力より大きいフィルタによりデジタル画像を
フィルタリングする方法およびシステムは、大型フィルタを、それぞれがシステ
ムによって個別に処理され得る多くの小型フィルタにサブ分割することによって
作動し得る。この方法は、デジタル画像を所定サイズのデータブロックに区分す
るステップと、隣接するデータブロックを所定画素数だけ重複させるステップと
、予め選択されたフィルタカーネルを提供するステップと、予め選択されたフィ
ルタカーネル成分群を処理することによって小型フィルタを生成するステップと
、小型フィルタのそれぞれを重複データブロックのそれぞれに適用して成分デー
タブロックを生成するステップと、所定の特定基準に従って成分データブロック
をマージおよび保存して、フィルタリング済デジタル画像を表すフィルタリング
済データブロックを形成するステップとを包含する。
図面の簡単な説明
本発明の上述の局面および他の特徴を、添付の図面に関連して以下に詳述する
。図面において、対応する構成要素を示すためには同じ参照番号が用いられる。
図1Aは、本発明の方法のブロック図である。
図1Bは、図1の本発明の方法の1つの好適な実施形態のブロック図である。
図2〜図19Dはすべて、図1Bの好適な実施形態に関する。
図2は、0≦i≦15および0≦j≦15のとき、1画像のある領域内の9個の個別の
8×8画素ブロックを示す図である。
図3A、図3B、および図3Cは、図2の画素ブロックの水平重複を示す図である。
図4A、図4B、および図4Cは、図2の画素ブロックの垂直重複を示す図である。
図5は、図2の隣接する画素ブロックの垂直および水平重複を示す図である。
図6は、フィルタリングされた8×8画素ブロックを表す模式図である。
図7は、DCT処理前および処理後の9個の8×8画素ブロックを示す図である。
図8〜図12は、5×5ポイントの大型フィルタカーネルおよびこれから生成され
る小型フィルタ係数を表す模式図である。
図13は、小型フィルタカーネルSMALL1のマトリックス表示である。
図14は、小型フィルタカーネルSMALL2のマトリックス表示である。
図15は、小型フィルタカーネルSMALL3のマトリックス表示である。
図16は、3つのフィルタリング済DCTブロックセットを生成するために3つの
小型フィルタのそれぞれによって乗算される9個の8×8DCTブロックを示す図で
ある。
図17は、図16の3つのフィルタリング済8×8DCTブロックセットをIDCTを介し
て空間領域に変換することを示す図である。
図18は、8×8フィルタリング済画素ブロックの保存領域の表示である。
図19Aは、図18の保存領域の左上部分のためのα値の導出の模式図である。
図19Bは、図18の保存領域の左下部分のためのβ値の導出の模式図である。
図19Cは、図18の保存領域の右上部分のためのγ値の導出の模式図である。
図19Dは、図18の保存領域の右下部分のためのμ値の導出の模式図である。
好適な実施形態の詳細な説明
本開示において詳述される主要な実施例は、DCT変換を用いた本発明の1つの
好適な実施形態に関連するが、本発明のプロセスはDCT処理に限定されない。
1.DCT 数学的処理
本セクションでは、順および逆離散コサイン変換に関連するいくつかの基本的
な概念について述べる。
画像は、典型的には、画素または画像データポイントと呼ばれる2次元のP×Q
記述子アレイよりなる。ここで、Pは画像を表す行数であり、Qは列数である。
画像は、空間領域内の画像データポイントかまたは周波数領域内の対応するDCT
係数によって表され得る。順DCTは、画像データポイントの離散偶数コサイン変
換(DECT、省略してDCTと呼ばれる)を行うことによってDCT係数を生成する。反
対に、逆離散偶数コサイン変換(IDECT、省略してIDCTと呼ばれる)は、DCT係数
の逆離散コサイン変換を行うことによってIDCT係数(すなわち再構成画像データ
ポイント)を生成する。
当業者には理解されるように、DCT変換はいかなる次元においても行われ得る
。以下の1次元の例では、N個の画素データポイントs(j)の行(もっと一般的に
はセグメントと呼ばれる)が、以下の等式(2)により空間領域から周波数領域内
の対応するDCT係数S(v)に変換され得る。
ここで、jは整数、vは整数、
0≦v≦(N-1)、
s(j)はセグメント内の画像データポイントのマトリックスを表し、
S(v)は対応するDCT係数マトリックスを表し、
Nはセグメント内の画像データポイント数を表し、
v=0のときCv=1/√2、そして
v≠0のときCv=1である。
DCT係数S(v)は等式(2)から決定される。等式(2)では、N個の画像データポイ
ントを有するセグメントに対して、正規化されたコサイン基礎項が引き出される
。v=0ではS(0)の値は、0≦j≦(N-1)のとき画像データポイントs(j)のそれぞれに
基礎関数のコサイン項を掛けたものを加算することによって決定される。v=1で
はS
(1)の値は、画像データポイントs(j)にコサイン項を掛けたものを合算すること
により決定される。先ずvについて、次にjについてインデックス化するこの手
順が、DCT係数S(0)からS(N-1)までの導出に対して繰り返される。
対応する1次元IDCTの等式は、0≦j≦7のとき以下で表される。
ここで、s'(j)は再構成画像データポイントを表す。
1次元離散奇数コサイン変換(DOCT)マトリックスH(u)は、0≦v≦(N-1)のとき
等式(4)で示される。等式(4)では、h(i)は奇数対称フィルタカーネルである。
ここで、Nは使用されるDCTブロックのサイズを表し、
|j|〉(k-1)/2のときh(j)=0、
J=0のときdj=2、
i=1,2,...(N-1)のときdj=1、
j、uおよびNは整数、そして
kはカーネルサイズである。
2.方法 1次元処理
利用可能なプロセッサの処理能力より大きいフィルタを用いて画像をフィルタ
リングする本発明のフィルタリング方法の1つの好適な実施形態のブロック図を
図1に示す。このプロセッサは、1次元または2次元の画像データポイントブロ
ックを処理するために使用され得る標準8×8DCTチップ(例えば、MPEGまたはJPE
Gチップ)である。ブロック10でデジタル画像が、例えばデジタルカメラ、スキ
ャナー、またはメモリから得られる。
ブロック12で、画像は8ポイント画素ブロックに区分される。このとき、ブロ
ック14で、隣接する画素ブロック間で4画素重複が与えられる。例えば、第1の
8ポイントブロックは{s0,s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7}として表され、第2の
重複8ポイントブロックは{s4,s5,s6,s7,s8,s9,s10,s11}として表され得
る、などである。ブロック16で、各8ポイント画素ブロックにDCTが行われる。
ブロック22で、大型フィルタ(すなわち、ハードウェア処理能力より大きい、こ
の場合には、9ポイント対称フィルタ)が選択される。典型的には、この特定の
画像化システムおよび問題の適用に対して大型フィルタ値が決定され、これらの
値は検索が容易なように長期メモリに格納され得る。しかし、通常の場合には、
いかなるサイズのプロセッサより大きいものであればいかなるサイズのフィルタ
でも選択され得る。
選択された9ポイント対称フィルタは、以下の集合として表され得る。
LARGE={f4,f3,f2,f1,f0,f1,f2,f3,f4} (5)
9ポイント画素ブロックは以下の集合として表され得る。
IMAGE={s-2,s-1,s0,s1,s2,s3,s4,s5,s6,} (6)
また、フィルタリングされた中央画素s2を決定するためのIMAGEにLARGEを掛ける
ポイント毎のフィルタリングにより以下が得られる。
s2={f4s-2+f3s-1+f2s0+f1s1+f0s2+f1s3+f2s4+f3s5+f4s6} (7)
ここで、s2はフィルタリングされた中央要素s2を表す。
9ポイント対称フィルタは、5の自由度を有する5ポイントフィルタカーネル
{f0,f1,f2,f3,f4}として表され得る。従って、9ポイントフィルタを、利用
可能なハードウェアによって容易に処理され得る多くのもっと小さいフィルタに
変換する本発明の方法の目的を達成するためには、選択される小型フィルタは、
9ポイントフィルタを適切にエミュレートするために5の自由度を持たなければ
ならない。
小型フィルタのうちの1つであるSMALL1が、標準8×8ブロックプロセッサを用
いて実現され得る5ポイントフィルタとして選択される。
SMALL1={p0 2,p0 1,p0 0,p0 1,p0 2} (8)
SMALL1は、3の自由度{p0 0,p0 1,p0 2}を有するフィルタカーネルによって表さ
れ得る。中央画素要素CENTERを決定するためのIMAGEにSMALL1を掛けるポイント
毎
のフィルタリングにより、以下が生成される。
CENTER={p0 2s0+p0 1s1+p0 0s2+p0 1s3+p0 2s4} (9)
本方法によれば、大型フィルタをエミュレートするために小型フィルタのいかな
る組み合わせに対しても合計5の自由度を得るためには、さらに2度の自由度が
必要である。例えば、第2の5ポイントの小型フィルタ、
SMALL2={p1 2,p1 1,p1 0,p1 1,p1 2} (10)
は、中央要素p1 0がゼロに設定されるとき2度の自由度を与える。対称性を維持
するためには、SMALL2はIMAGEの左右両側に適用されるべきである。処理は9ポ
イントフィルタリングに等価であるため、IMAGEの9個のポイントがそれぞれS2
でこれらの効果に対して考慮される。従って、SMALL2によってポイント毎にフィ
ルタリングされるIMAGEの左側は以下によって表される。
LEFT={p1 2s-2+p1 1s-1+p1 0s0+p1 1s1+p1 2s2} (11)
ここで、p1 0=0であり、SMALL2によってポイント毎にフィルタリングされるIMAGE
の右側は以下によって表される。
RIGHT={p1 2s2+p1 1s3+p1 0s4+p1 1s5+p1 2s6} (12)
ここで、p1 0=0である。小型フィルタのいずれも、システムの8ポイント処理能
力より大きい画素群の処理は行わない。
s2の9ポイントフィルタリングをエミュレートするためには、2つの小型フィ
ルタSMALL1およびSMALL2による処理の効果を組み合わすことができ、これにより
以下が得られる。
s2=CENTER+LEFT+RIGHT
={p0 2s0,p0 1s1,p0 0s2,p0 1s3,p0 2s4}
+{p1 2s-2+p1 1s-1+p1 0s0+p1 1s1+p1 2s2}
+{p1 2s2+p1 1s3+p1 0s4+p1 1s5+p1 2s6} (14)
等式(14)を解くことにより、LARGEフィルタカーネル係数{f0,f1,f2,f3,f4}
と、SMALL1およびSMALL2フィルタカーネル係数{p0 0,p0 1,p0 2}および{p1 1,p1 2
}それぞれとの間の以下の関係が得られる。
f0=p1 1、
f2=p0 2、
f3=p1 1、
f4=p1 2、
p0 0=f0-2f4、
p0 1=f1-f3、
p0 2=f2、
p1 1=f3、および
p1 2=f4
大型フィルタ係数は既知の値であるため、小型フィルタ係数は容易に得られる。
小型フィルタが生成されると、図1のブロック26で小型フィルタSMALL1、SMAL
L2、...SMALLNのそれぞれのDOCTが行われ、それぞれDOCTフィルタH1(v)、H2(v)
、...HN(v)が生成される。ブロック18では、マスク乗算されるDCTブロックX1、X
2、X3、X4、X5、X6、X7およびX8それぞれに、DOCTフィルタH1、 H2、...HNのそ
れぞれ1つを掛けて、マスク乗算ブロックX1、X2、...X8を生成する。この時点で
、ブロック20で、各マスク乗算ブロックX1、X2、...X8にIDCTが行われ、再構成
画像データポイントの対応する空間領域ブロックs'(j)を生成する。DCT領域ブロ
ックは大文字で示され、空間領域ブロックは小文字で示される。本実施例での本
来の画素ブロックのそれぞれは、ここでは、各DCTブロックにDOCTフィルタH1お
よびH2を掛けるマスク乗算の結果である3個の個別の8ポイントフィルタリング
済ブロックによって表される。本来の8ポイントブロックそれぞれに対応する3
個のフィルタリング済ブロックはここで、図1にブロック28で示すようにまとめ
てマージされて単一の8ポイントフィルタリング済ブロックが形成されなければ
ならない。
上述の手順が、すべての画素がフィルタリングされ保存されるまで各8ポイン
ト画像ブロックに対して行われる。当然ながら、画像の左右エッジの画素は従来
通りに、例えば隣接する画素からの情報を外挿することによって、または単に隣
接する画素値を複製することによって取り扱われ得る。2次元処理
上述の1次元の数学的処理は、当業者には理解されるように、多次元に容易に
拡大され得る。さらに、小型フィルタカーネルの自由度の和を大型フィルタカー
ネルの合計自由度と等しくするという条件を維持する場合、小型フィルタの選択
(および数)は可変である。
図1のブロック図は、多次元での方法を示す場合も等しく適用可能である。標
準8×8DCTチップは、2次元の画像データポイントブロックを処理し得る。先ず
、ブロック10で、デジタル画像が、例えばデジタルカメラ、スキャナー、または
メモリから得られる。ブロック12で、画像は8×8画素ブロックに区分される。こ
の後、ブロック14で、隣接画素ブロックが各次元で4画素だけ重複される。重複
手順を図2〜図5に示す。0≦i≦15および0≦j≦15のとき画像の本来の部分は、
図2に示す9個の8×8重複画素ブロック(ブロックx0,x1,x2,x3,x4,x5,x6
,x7およびx8)に分割される。このとき、ブロックx0は0≦i≦7、0≦j≦7に対す
る値を含み、ブロックx1は4≦i≦11、0≦j≦7に対する値を含む、などである。
図3Aは、ブロックx1のブロックx0およびx2との4ポイント水平重複を示す。図3B
は、ブロックx4のブロックx3およびx5との4ポイント水平重複を示す。そして図
3Cは、ブロックx7のブロックx6およびx8との4ポイント水平重複を示す。図4Aは
、ブロックx3のブロックx0およびx6との4ポイント垂直重複を示す。図4Bは、ブ
ロックx4のブロックx1およびx7との4ポイント垂直重複を示す。そして図4Cは、
ブロックx5のブロックx2およびx8との4ポイント垂直重複を示す。図5は、図2
の9個のブロックの水平および垂直両方の4ポイント重複の結果を示す。
図2に示す9個の8×8重複画素ブロックx0,x1,x2,x3,x4,x5,x6,x7およ
びx8はそれぞれ、図1のブロック16で離散コサイン変換が行われ、図7に示すよ
うに、9個のそれぞれ対応する8×8DCTブロックX0,X1,X2,X3,X4,X5,X6,X
7およびX8を生成する。ブロック18でのマスク乗算を行う前に、フィルタを選択
し処理しなければならない。
ブロック22で、大型フィルタ(すなわち、利用可能なハードウェア処理能力よ
り大きなフィルタ)が選択される。この実施例では、標準JPEG8×8ポイントプロ
セッサによる処理のために、9×9ポイント奇数対称フィルタが選択される。
選択された大型フィルタは、ブロック24で、小型フィルタのサブセットに分割
される。画像処理に必要な小型フィルタの数を最小限にすることによって、最大
効率が得られるが、場合によっては、所望であれば小型フィルタを追加して使用
することもできる。2次元処理において、合同して大型フィルタをエミュレート
する適切な小型フィルタを生成するプロセスについて以下に述べる。当業者であ
れば、以下に述べる2次元処理を、所望に応じて高次元処理に容易に拡大し得る
。
図8〜図15は、9×9フィルタを用いた8×8画像データポイントブロックの2次
元フィルタリングのために、小型フィルタ係数がどのように決定されるかを理解
するための補助となるものである。図13は、第1の小型フィルタSMALL1に対応す
る3×3フィルタカーネルを示す。図14は、第2の小型フィルタSMALL2に対応する
3×3フィルタカーネルを示す。そして図15は、第3の小型フィルタSMALL3に対応
する3×3フィルタカーネルを示す。既知の大型フィルタ係数から小型フィルタの
様々な係数が導出される。図8〜図12のそれぞれは、選択された9×9の大型フィ
ルタのフィルタカーネルを示す。上述のような連立方程式を解くことを含む数学
的処理により、既知の大型フィルタ係数によって小型フィルタ係数{a,b,c,d
,e,g,k,l,m,n,p,w,x,y,z}が生成される。
小型フィルタが生成されると、図1のブロック26で、小型フィルタSMALL1、SM
ALL2、...SMALLNのそれぞれの離散奇数コサイン変換(DOCT)が行われ、DOCTフィ
ルタH1(v,u),H2(v,u),...HN(v,u)が生成される。2次元画像ブロックのDOCTを
生成する方法は、例えば上述の米国特許第08/159.795号に記載されているように
当該分野では既知である。小型フィルタの8×8画素ブロックとの乗算を促進する
ために、小型フィルタにはゼロが補填される。次に、0≦u≦(N-1)および0≦v≦(
N-1)のとき、以下のように小型フィルタのそれぞれに2次元DOCTが行われる。
ここで、hp(j,i)は2次元の補填された小型フィルタであり、
Nは第1次元でのhp(j,i)の要素数であり、
Mは第2次元でのhp(j,i)の要素数であり、
i =0のときdi=1/2、
i =1,2,...(N-1)のときdi=1、
j =0のときdj=1/2、
j =1,2,...(M-1)のときdj=1、
i、j、u、v、N、Mは整数、そして
|i|または|j|〉(k-1)/2のときkp(j,i)=0である。
本実施例では、hp(j,i)は補填された小型フィルタSMALLN(Nは整数)を表し
、H(v,u)はH1(v,u),H2(v,u),...HN(v,u)に対して計算される。
図1のブロック18では、マスク乗算されるDCTマトリックスX0,X1,X2,X3,X
4,X5,X6,X7およびX8のそれぞれにDOCTマトリックスH(v,u)のそれぞれ1つを
掛けて、これにより、図16に示されるマスク乗算ブロック(X00,X10,...X82)を
生成する。この時点で、ブロック20で、各マスク乗算ブロック(X00,X10,...X8 2
)にIDCTが行われ、図17に示すような対応する空間領域ブロック(x00,x10,...
x82)が生成される。DCT領域ブロックは大文字で示され、空間領域ブロックは小
文字で示されることに留意されたい。本来の画素ブロックのそれぞれは、ここで
は、各DCTブロックに3個のDOCTフィルタH(v,u)を掛けるマスク乗算の結果であ
る3個の個別の8×8フィルタリング済ブロックによって表される。本来の8×8ブ
ロックそれぞれに対応する3個のフィルタリング済ブロックはここで、図1にブ
ロック28で示されるように、まとめてマージされて単一の8×8フィルタリング済
ブロックが形成されなければならない。
各8×8画素ブロックの完全な処理の結果は、図18に示すような4×4のフィルタ
リングおよび保存された領域である。この保存された領域は、4個のα値を有す
る左上部分と、4個のγ値を有する右上部分と、4個のβ値を有する左下部分と
、4個のμ値を有する右下部分とに分割される。保存された領域の各サブ部分は
以下のように個別に計算される。
4個のα値は、i={3,4}およびj={3,4}のとき図19Aに示すブロックのそれぞれを
評価することによって決定される。9個のブロックx40,x11,x12,x41,x42,x41
,x32,x31およびx02のそれぞれは、図8に示すようにブロック20(図1参照)
でのIDCTの結果から得られる。具体的には、i=3およびj=3のときは、α(0,0)は
、x40(3,3),x11(3,5),x12(5,5),x41(5,3),x42(5,5),x41(3,5),x32(5,5),
x31(5,3)およびx02(5,5)の和に等しい。i=3およびj=4のときは、α(0,1)は、x40
(3,4),x11(3,6),x12(5,6),x41(5,4),x42(5,6),x41(3,6),x32(5,6),x31(5
,4)およびx02(5,6)
の和に等しい。i=4およびj=3のときは、α(1,0)は、x40(4,3),x11(4,5),x12(6
,5),x41(6,3),x42(6,5),x41(4,5),x32(6,5),x31(6,3)およびx02(6,5)の和
に等しい。i=4およびj=4のときは、α(1,1)は、x40(4,4),x11(4,6),x12(6,6)
,x41(6,4),x42(6,6),x41(4,6),x32(6,6),x31(6,4)およびx02(6,6)の和に等
しい。
4個のβ値は、i={3,4}およびj={5,6}のとき図19Bに示すブロックのそれぞれ
を評価することによって決定される。ブロックx40,x41,x42,x41,x72,x71,
x62,x31およびx32のそれぞれは、図8に示すようにブロック20(図1参照)でのI
DCTの結果から得られる。具体的には、i=3およびj=5のときは、β(0,0)は、x40(
3,5),x41(3,3),x42(5,3),x41(5,5),x72(5,3),x71(3,3),x62(5,3),x31(5,
5)およびx32(5,3)の和に等しい。i=3およびj=6のときは、β(0,1)は、x40(3,6)
,x41(3,5),x42(5,4),x41(5,6),x72(5,4),x71(3,4),x62(5,4),x31(5,6)お
よびx32(5,4)の和に等しい。i=4およびj=5のときは、β(1,0)は、x40(4,5),x41
(4,3),x42(6,3),x41(6,5),x72(6,3),x71(4,3),x62(6,3),x31(6,5)およびx32
(6,3)の和に等しい。i=4およびj=6のときは、β(1,1)は、x40(4,6),x41(4,4)
,x42(6,4),x41(6,6),x72(6,4),x71(4,4),x62(6,4),x31(6,6)およびx32(6,
4)の和に等しい。
4個のγ値は、i={5,6}およびj={3,4}のとき図19Cに示すブロックのそれぞれ
を評価することによって決定される。ブロックx40,x41,x42,x41,x52,x51,
x22,x11およびx12のそれぞれは、図8に示すようにブロック20(図1参照)でのI
DCTの結果から得られる。具体的には、i=5およびj=3のときは、γ(0,0)は、x40(
5,3),x41(3,3),x42(3,5),x41(5,5),x52(3,5),x51(3,3),x22(3,5),x11(5,
5)およびx12(3,5)の和に等しい。i=5およびj=4のときは、γ(0,1)は、x40(5,4)
,x41(3,4),x42(3,6),x41(5,6),x52(3,6),x51(3,4),x22(3,6),x11(5,6)お
よびx12(3,6)の和に等しい。i=6およびj=3のときは、γ(1,0)は、x40(6,3),x41
(4,3),x42(4,5),x41(6,5),x52(4,5),x51(4,3),x22(4,5),x11(6,5)およびx12
(4,5)の和に等しい。i=6およびj=4のときは、γ(1,1)は、x40(6,4),x41(4,4)
,x42(4,6),x41(6,6),x52(4,6),x51(4,6),x22(4,6),x11(6,6)およびx12(4,
6)の和に等しい。
4個のμ値は、i={5,6}およびj={5,6}のとき図19Dに示すブロックのそれぞれ
を評価することによって決定される。ブロックx40,x41,x72,x71,x82,x51,
x52,x41およびx42のそれぞれは、図8に示すようにブロック20(図1参照)でのI
DCTの
結果から得られる。具体的には、i=5およびj=5のときは、μ(0,0)は、x40(5,5)
,x41(3,5),x72(3,3),x71(5,3),x82(3,3),x51(3,5),x52(3,3),x41(5,3)お
よびx42(3,3)の和に等しい。i=5およびj=6のときは、μ(0,1)は、x40(5,6),x41
(3,6),x72(3,4),x71(5,4),x82(3,4),x51(3,6),x52(3,4),x41(5,4)よびx42
(3,4)の和に等しい。i=6およびj=5のときは、μ(1,0)は、x40(6,5),x41(4,5),
x72(4,3),x71(6,3),x82(4,3),x51(4,5),x52(4,3),x41(6,3)およびx42(4,5)
の和に等しい。i=6およびj=6のときは、μ(1,1)は、x40(6,6),x41(4,6),x72(4
,4),x71(6,4),x82(4,4),x51(4,6),x52(4,4),x41(6,4)およびx42(4,4)の和
に等しい。
上述の手順が、画像のすべての画素がフィルタリングされ保存されるまで各8
×8画像ブロックに対して行われる。当然ながら、画像の縁部の画素は従来通り
に、例えば隣接する画素からの情報を外挿することによって、または単に隣接す
る画素値を複製することによって取り扱われ得る。
上述の実施形態は単に本発明を例示するものであり、本発明の原理を適用し得
る制限された数の可能な特定の実施形態を表すものであることは理解されたい。
これらの原理に従って多くの様々な他の構成が、請求の範囲に示されるような本
発明の精神および範囲から外れることなく当業者によって容易に考案され得る。