JPH115235A - 繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法および成形品 - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法および成形品Info
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- JPH115235A JPH115235A JP15966897A JP15966897A JPH115235A JP H115235 A JPH115235 A JP H115235A JP 15966897 A JP15966897 A JP 15966897A JP 15966897 A JP15966897 A JP 15966897A JP H115235 A JPH115235 A JP H115235A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】強度、剛性および耐熱性等の機械的特性の向上
および軽量化が図れるうえ、外観品質に優れた多層の繊
維強化熱可塑性樹脂成形品が得られるようになる繊維強
化熱可塑性樹脂の成形方法および成形品の提供。 【解決手段】長さが2〜100mmの範囲にされた補強用
繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを含み、
かつ、補強用繊維が当該原材料全体の5〜70重量%と
された原材料を用い、第一回目で溶融樹脂を射出圧縮成
形し、その表面側に樹脂が実質的に密となった補強用繊
維含有樹脂中実層を形成し、第二回目に射出される溶融
樹脂を充分に膨張させる。これにより、優れた外観品
質、強度、剛性および耐熱性等の機械的特性、ならび
に、軽量性のすべてを十分確保可能とする。
および軽量化が図れるうえ、外観品質に優れた多層の繊
維強化熱可塑性樹脂成形品が得られるようになる繊維強
化熱可塑性樹脂の成形方法および成形品の提供。 【解決手段】長さが2〜100mmの範囲にされた補強用
繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを含み、
かつ、補強用繊維が当該原材料全体の5〜70重量%と
された原材料を用い、第一回目で溶融樹脂を射出圧縮成
形し、その表面側に樹脂が実質的に密となった補強用繊
維含有樹脂中実層を形成し、第二回目に射出される溶融
樹脂を充分に膨張させる。これにより、優れた外観品
質、強度、剛性および耐熱性等の機械的特性、ならび
に、軽量性のすべてを十分確保可能とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化熱可塑性
樹脂の成形方法および成形品に関し、詳しくは、剛性お
よび強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂成形品の表面状
態の向上および軽量化を図るための繊維強化熱可塑性樹
脂の成形方法およびこの成形方法で得られる成形品に関
する。
樹脂の成形方法および成形品に関し、詳しくは、剛性お
よび強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂成形品の表面状
態の向上および軽量化を図るための繊維強化熱可塑性樹
脂の成形方法およびこの成形方法で得られる成形品に関
する。
【0002】
【背景技術】従来より、ガラス繊維等の繊維で強化され
た繊維強化熱可塑性樹脂成形品は、引っ張り強度、剛性
および耐熱性等の機械的特性に優れているので、インパ
ネコア、バンパービーム、ドアステップ、ルーフ・ラッ
ク、リア・クォターパネルおよびエアクリーナ・ケース
等の自動車部品、ならびに、外壁用パネル、間仕切壁用
パネルおよびケーブル・トラフ等の建築・土木用部材等
として広く利用されている。このような繊維強化熱可塑
性樹脂成形品を製造するにあたり、金型の内部に繊維を
含んだ溶融樹脂を射出する射出成形方法を利用すること
ができる。この射出成形方法によれば、複雑な形状のも
のでも成形できるうえ、所定の成形サイクルを連続して
繰り返すことが可能なため、同一形状のものを大量生産
することができるというメリットが得られる。
た繊維強化熱可塑性樹脂成形品は、引っ張り強度、剛性
および耐熱性等の機械的特性に優れているので、インパ
ネコア、バンパービーム、ドアステップ、ルーフ・ラッ
ク、リア・クォターパネルおよびエアクリーナ・ケース
等の自動車部品、ならびに、外壁用パネル、間仕切壁用
パネルおよびケーブル・トラフ等の建築・土木用部材等
として広く利用されている。このような繊維強化熱可塑
性樹脂成形品を製造するにあたり、金型の内部に繊維を
含んだ溶融樹脂を射出する射出成形方法を利用すること
ができる。この射出成形方法によれば、複雑な形状のも
のでも成形できるうえ、所定の成形サイクルを連続して
繰り返すことが可能なため、同一形状のものを大量生産
することができるというメリットが得られる。
【0003】射出成形で成形された繊維強化熱可塑性樹
脂成形品は、強度や剛性を確保するために、所定の割合
以上に繊維を含有させる必要があるため、重くなりがち
である。このため、発泡剤を原材料に混入させ、成形品
を形成する樹脂を発泡させながら成形を行う発泡射出成
形方法(特開平7−247679号公報等)が提案され
ている。しかし、この方法では、かなりの量の発泡剤を
用いても、発泡倍率を2〜5倍にすることは容易でな
く、しかも、ガラス繊維の含有量に制限があり、充分な
機械的特性が得られない場合もあり、強度、剛性および
耐熱性等の機械的特性や外観品質を維持しつつ、軽量化
を図ることが困難である。また、ガスを注入すること
で、金型キャビティの内部圧力を発泡剤の発泡圧よりも
高い圧力に保持しておき、キャビティの内圧により、溶
融樹脂内の発泡剤の発泡を抑え、溶融樹脂の表面を冷却
してスキン層を形成した後、発泡剤を発泡させ、これに
より、外観品質を向上させるカウンター・プレッシャー
成形方法を利用することが考えられる。しかし、カウン
ター・プレッシャー成形方法では、溶融樹脂をある程度
冷却させた後に、発泡剤を発泡させるので、発泡倍率に
限界があるうえ、成形品の内部に大きな中空部や巣が発
生しやすく、重量的および強度的に必ずしも充分でない
という問題があるうえ、キャビティの内部にガスを注入
するためのガス設備や、気密性に優れた金型等が必要と
なり、製造コスト面でも問題がある。いずれにしても、
発泡成形法は、射出成形に比べ成形品の外観が大幅に劣
り、従来用いられている各種の射出成形品を、軽量化す
る手法としては、採用することができないのが実状であ
る。一方、樹脂射出を二回行う二層(二色)成形法を採
用することにより、表面側に射出成形層(中実層)が形
成されるとともに、裏面側に発泡層が形成されている二
層構造体とすることも考えられるが、これでは、二つの
射出成形機および二種の成形材料が必要となるうえ、容
積が2〜5倍となるように発泡させた発泡層を得ること
は困難であり、実際に採用された例は見受けられない。
脂成形品は、強度や剛性を確保するために、所定の割合
以上に繊維を含有させる必要があるため、重くなりがち
である。このため、発泡剤を原材料に混入させ、成形品
を形成する樹脂を発泡させながら成形を行う発泡射出成
形方法(特開平7−247679号公報等)が提案され
ている。しかし、この方法では、かなりの量の発泡剤を
用いても、発泡倍率を2〜5倍にすることは容易でな
く、しかも、ガラス繊維の含有量に制限があり、充分な
機械的特性が得られない場合もあり、強度、剛性および
耐熱性等の機械的特性や外観品質を維持しつつ、軽量化
を図ることが困難である。また、ガスを注入すること
で、金型キャビティの内部圧力を発泡剤の発泡圧よりも
高い圧力に保持しておき、キャビティの内圧により、溶
融樹脂内の発泡剤の発泡を抑え、溶融樹脂の表面を冷却
してスキン層を形成した後、発泡剤を発泡させ、これに
より、外観品質を向上させるカウンター・プレッシャー
成形方法を利用することが考えられる。しかし、カウン
ター・プレッシャー成形方法では、溶融樹脂をある程度
冷却させた後に、発泡剤を発泡させるので、発泡倍率に
限界があるうえ、成形品の内部に大きな中空部や巣が発
生しやすく、重量的および強度的に必ずしも充分でない
という問題があるうえ、キャビティの内部にガスを注入
するためのガス設備や、気密性に優れた金型等が必要と
なり、製造コスト面でも問題がある。いずれにしても、
発泡成形法は、射出成形に比べ成形品の外観が大幅に劣
り、従来用いられている各種の射出成形品を、軽量化す
る手法としては、採用することができないのが実状であ
る。一方、樹脂射出を二回行う二層(二色)成形法を採
用することにより、表面側に射出成形層(中実層)が形
成されるとともに、裏面側に発泡層が形成されている二
層構造体とすることも考えられるが、これでは、二つの
射出成形機および二種の成形材料が必要となるうえ、容
積が2〜5倍となるように発泡させた発泡層を得ること
は困難であり、実際に採用された例は見受けられない。
【0004】以上のような問題を改善するために、本願
出願人は、補強用繊維を含む樹脂の成形時に生じるスプ
リングバック現象を利用した成形方法を提案している
(特願平8−28841号、特願平8−298600
号)。この方法は、ある程度以上長い補強用繊維を所定
量含有させた樹脂を採用し、樹脂の表面にスキン層を形
成するために、成形品の容積よりも狭くしたキャビティ
に溶融樹脂を射出して充満させ、樹脂の充満の後、当該
キャビティを成形品の容積まで拡張し、スプリングバッ
ク現象で樹脂を膨張させ、内部に連続した無数の空隙を
発生させるものである。ここで、補強用繊維の含有量が
少なく、スプリングバック現象だけでは、樹脂が充分に
膨張しない場合には、少量の発泡剤を添加することで、
樹脂を充分膨張させることができる。このような方法に
よれば、強度を確保するのに充分な量の補強用繊維を含
有させることができるうえ、発泡成形のように、内部に
独立した気泡や大きな中空部が形成されず、小さな空隙
が無数に形成されるので、強度確保および充分な軽量化
の両方を達成することができる。
出願人は、補強用繊維を含む樹脂の成形時に生じるスプ
リングバック現象を利用した成形方法を提案している
(特願平8−28841号、特願平8−298600
号)。この方法は、ある程度以上長い補強用繊維を所定
量含有させた樹脂を採用し、樹脂の表面にスキン層を形
成するために、成形品の容積よりも狭くしたキャビティ
に溶融樹脂を射出して充満させ、樹脂の充満の後、当該
キャビティを成形品の容積まで拡張し、スプリングバッ
ク現象で樹脂を膨張させ、内部に連続した無数の空隙を
発生させるものである。ここで、補強用繊維の含有量が
少なく、スプリングバック現象だけでは、樹脂が充分に
膨張しない場合には、少量の発泡剤を添加することで、
樹脂を充分膨張させることができる。このような方法に
よれば、強度を確保するのに充分な量の補強用繊維を含
有させることができるうえ、発泡成形のように、内部に
独立した気泡や大きな中空部が形成されず、小さな空隙
が無数に形成されるので、強度確保および充分な軽量化
の両方を達成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
成形方法では、軽量化成形品の製造は可能であるが、補
強用繊維の種類、含有率および成形条件によっては、成
形品の外観品質(平滑性、金型転写性および硬度等)が
充分でなくなる場合がある。また、従来の二層成形で
は、2台の射出成形機、および、二層を成形するために
二種類の成形材料を必要とするので、装置および成形手
順が複雑となるという問題点がある。
成形方法では、軽量化成形品の製造は可能であるが、補
強用繊維の種類、含有率および成形条件によっては、成
形品の外観品質(平滑性、金型転写性および硬度等)が
充分でなくなる場合がある。また、従来の二層成形で
は、2台の射出成形機、および、二層を成形するために
二種類の成形材料を必要とするので、装置および成形手
順が複雑となるという問題点がある。
【0006】本発明の目的は、1台の射出成形機および
一種類の成形材料で、強度、剛性および耐熱性等の機械
的特性の向上および軽量化が図れるうえ、外観品質に優
れた成形品が効率よく得られるようになる繊維強化熱可
塑性樹脂の成形方法および成形品を提供することにあ
る。
一種類の成形材料で、強度、剛性および耐熱性等の機械
的特性の向上および軽量化が図れるうえ、外観品質に優
れた成形品が効率よく得られるようになる繊維強化熱可
塑性樹脂の成形方法および成形品を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、長
さが2〜100mmの範囲にされた補強用繊維を包含する
繊維含有熱可塑性樹脂ペレットが含まれるとともに、前
記補強用繊維が当該原材料全体の5〜70重量%とされ
た原材料を用い、かつ、内部のキャビティに対して進退
可能となった移動型を備えた金型のキャビティに、前記
原材料を可塑化した所定量の溶融樹脂を射出することに
より、成形品の成形を行う繊維強化熱可塑性樹脂の成形
方法であって、前記キャビティが所定の容積となる第1
の位置に前記移動型が配置された状態で、第一回目の樹
脂射出を開始してから、前記キャビティ内の溶融樹脂を
圧縮するために、前記移動型を前進させ、補強用繊維含
有樹脂中実層を形成した後、前記移動型を後退させ、前
記キャビティを拡張するとともに、第二回目の樹脂射出
を開始することを特徴とする。ここにおいて、原材料と
しては、長さが2〜100mmの範囲にされた補強用繊維
を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを単独で用い
てもよく、あるいは、この樹脂ペレットと、他の成形材
料との混合物を用いてもよい。このような本発明では、
所定長さ以上の補強用繊維を所定量以上包含する原材料
を用いるので、成形時、第二回目の樹脂射出開始後に、
移動型を所定の位置まで後退させれば、スプリングバッ
ク現象が確実に発生し、溶融樹脂を充分膨張させること
が可能となる。また、第一回目では、キャビティの容積
に満たない量の溶融樹脂が射出されるので、その射出圧
を低く設定することが可能となり、成形後に、反り等の
成形品の変形が少なくなるとともに、表皮面材等を予め
金型に装着しておいても、装着された表皮面材の損傷が
少なくなる。そのうえ、第一回目に射出した溶融樹脂に
ついては、移動型の前進により圧縮されるので、当該樹
脂は、実質的に密となった状態で固化される補強用繊維
含有樹脂中実層となる。この補強用繊維含有樹脂中実層
により、成形品の表面の平滑性が充分確保され、優れた
外観品質が得られるうえ、第二回目に射出した溶融樹脂
に充分な膨張を行わせることが可能となり、成形品の強
度、剛性および耐熱性等の機械的特性および軽量化のす
べてが確実に確保されるようになる。このため、補強用
繊維含有樹脂中実層の形成により、成形品の表面の平滑
性が充分確保され、優れた外観品質が得られるうえ、第
二回目に射出した溶融樹脂に充分な膨張を行わせること
が可能となり、成形品の強度、剛性および耐熱性等の機
械的特性ならびに軽量性のすべてが確実に確保されるよ
うになる。
さが2〜100mmの範囲にされた補強用繊維を包含する
繊維含有熱可塑性樹脂ペレットが含まれるとともに、前
記補強用繊維が当該原材料全体の5〜70重量%とされ
た原材料を用い、かつ、内部のキャビティに対して進退
可能となった移動型を備えた金型のキャビティに、前記
原材料を可塑化した所定量の溶融樹脂を射出することに
より、成形品の成形を行う繊維強化熱可塑性樹脂の成形
方法であって、前記キャビティが所定の容積となる第1
の位置に前記移動型が配置された状態で、第一回目の樹
脂射出を開始してから、前記キャビティ内の溶融樹脂を
圧縮するために、前記移動型を前進させ、補強用繊維含
有樹脂中実層を形成した後、前記移動型を後退させ、前
記キャビティを拡張するとともに、第二回目の樹脂射出
を開始することを特徴とする。ここにおいて、原材料と
しては、長さが2〜100mmの範囲にされた補強用繊維
を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを単独で用い
てもよく、あるいは、この樹脂ペレットと、他の成形材
料との混合物を用いてもよい。このような本発明では、
所定長さ以上の補強用繊維を所定量以上包含する原材料
を用いるので、成形時、第二回目の樹脂射出開始後に、
移動型を所定の位置まで後退させれば、スプリングバッ
ク現象が確実に発生し、溶融樹脂を充分膨張させること
が可能となる。また、第一回目では、キャビティの容積
に満たない量の溶融樹脂が射出されるので、その射出圧
を低く設定することが可能となり、成形後に、反り等の
成形品の変形が少なくなるとともに、表皮面材等を予め
金型に装着しておいても、装着された表皮面材の損傷が
少なくなる。そのうえ、第一回目に射出した溶融樹脂に
ついては、移動型の前進により圧縮されるので、当該樹
脂は、実質的に密となった状態で固化される補強用繊維
含有樹脂中実層となる。この補強用繊維含有樹脂中実層
により、成形品の表面の平滑性が充分確保され、優れた
外観品質が得られるうえ、第二回目に射出した溶融樹脂
に充分な膨張を行わせることが可能となり、成形品の強
度、剛性および耐熱性等の機械的特性および軽量化のす
べてが確実に確保されるようになる。このため、補強用
繊維含有樹脂中実層の形成により、成形品の表面の平滑
性が充分確保され、優れた外観品質が得られるうえ、第
二回目に射出した溶融樹脂に充分な膨張を行わせること
が可能となり、成形品の強度、剛性および耐熱性等の機
械的特性ならびに軽量性のすべてが確実に確保されるよ
うになる。
【0008】以上において、前記原材料には、当該原材
料100重量部に対して3重量部以下の発泡剤を含有さ
せることができる。このように少量の発泡剤を混入すれ
ば、補強用繊維の含有量が少なく、スプリングバック現
象だけでは、充分な樹脂の膨張が期待できない場合で
も、スプリングバック現象による樹脂の膨張が発泡剤の
発泡により補われ、樹脂を充分膨張させることが可能と
なる。しかも、混入される少量の発泡剤は、スプリング
バック現象による樹脂の膨張を補完するだけの分量であ
るので、従来の発泡成形のように、内部に独立した気泡
や大きな中空部を形成させることがない。さらに、この
発泡剤は、補強用繊維含有樹脂中実層を成形する際に
は、殆ど発泡しないので、成形品の表面に悪い影響を及
ぼすことがない。ここで、発泡剤の種類は、熱により分
解してガスを発生するものであれば、限定されない。例
えば、シュウ酸誘導体、アゾジカルボンアミド等のアゾ
化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド、アジド化
合物、ニトロソ化合物、トリアゾール、尿素およびその
関連化合物、亜硝酸塩、水素化物、炭酸塩ならびに重炭
酸塩等が採用できる。さらに具体的に例示すれば、アゾ
ジカルボンアミド(ADCA)、ベンゼンスルホヒドラ
ジド、N,N−ジニトロペンタメチレンテトラミン、テ
レフタルアジド等が採用できる。なお、発泡剤の他に、
抗菌剤、安定剤、帯電防止剤、耐候剤、着色剤、短繊
維、タルク等の充填剤を必要に応じて加えることもでき
る。
料100重量部に対して3重量部以下の発泡剤を含有さ
せることができる。このように少量の発泡剤を混入すれ
ば、補強用繊維の含有量が少なく、スプリングバック現
象だけでは、充分な樹脂の膨張が期待できない場合で
も、スプリングバック現象による樹脂の膨張が発泡剤の
発泡により補われ、樹脂を充分膨張させることが可能と
なる。しかも、混入される少量の発泡剤は、スプリング
バック現象による樹脂の膨張を補完するだけの分量であ
るので、従来の発泡成形のように、内部に独立した気泡
や大きな中空部を形成させることがない。さらに、この
発泡剤は、補強用繊維含有樹脂中実層を成形する際に
は、殆ど発泡しないので、成形品の表面に悪い影響を及
ぼすことがない。ここで、発泡剤の種類は、熱により分
解してガスを発生するものであれば、限定されない。例
えば、シュウ酸誘導体、アゾジカルボンアミド等のアゾ
化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド、アジド化
合物、ニトロソ化合物、トリアゾール、尿素およびその
関連化合物、亜硝酸塩、水素化物、炭酸塩ならびに重炭
酸塩等が採用できる。さらに具体的に例示すれば、アゾ
ジカルボンアミド(ADCA)、ベンゼンスルホヒドラ
ジド、N,N−ジニトロペンタメチレンテトラミン、テ
レフタルアジド等が採用できる。なお、発泡剤の他に、
抗菌剤、安定剤、帯電防止剤、耐候剤、着色剤、短繊
維、タルク等の充填剤を必要に応じて加えることもでき
る。
【0009】また、前記原材料としては、全長が2〜1
00mmの範囲にされるとともに、前記全長と等しい長さ
の補強用繊維が、互いに平行に配列された状態となって
全体の20〜80重量%含有された前記繊維含有熱可塑
性樹脂ペレットを含むとともに、前記補強用繊維が当該
原材料全体の20〜70重量%とされた原材料も採用す
ることができる。このような原材料でも、成形時、第二
回目の樹脂射出開始後に、移動型を後退させれば、スプ
リングバック現象が確実に発生し、溶融樹脂を充分膨張
させることが可能となる。さらに、第二回目の樹脂射出
は、前記キャビティが所定の容積だけ拡張される第2の
位置まで前記移動型を後退させた状態で行われ、前記第
二回目の樹脂射出により前記キャビティを溶融樹脂で充
満させた後、前記キャビティが成形品に応じた容積とな
る第3の位置まで前記移動型を再度後退させることが好
ましい。このようにすれば、段階的に容積が変えられる
キャビティに溶融樹脂を射出するにあたり、各段階のキ
ャビティに過不足なく溶融樹脂を射出できるようにな
り、前記第2の位置から移動型を後退させ、溶融樹脂を
膨張させることにより、確実に所定容積の成形品を得る
ことが可能となる。
00mmの範囲にされるとともに、前記全長と等しい長さ
の補強用繊維が、互いに平行に配列された状態となって
全体の20〜80重量%含有された前記繊維含有熱可塑
性樹脂ペレットを含むとともに、前記補強用繊維が当該
原材料全体の20〜70重量%とされた原材料も採用す
ることができる。このような原材料でも、成形時、第二
回目の樹脂射出開始後に、移動型を後退させれば、スプ
リングバック現象が確実に発生し、溶融樹脂を充分膨張
させることが可能となる。さらに、第二回目の樹脂射出
は、前記キャビティが所定の容積だけ拡張される第2の
位置まで前記移動型を後退させた状態で行われ、前記第
二回目の樹脂射出により前記キャビティを溶融樹脂で充
満させた後、前記キャビティが成形品に応じた容積とな
る第3の位置まで前記移動型を再度後退させることが好
ましい。このようにすれば、段階的に容積が変えられる
キャビティに溶融樹脂を射出するにあたり、各段階のキ
ャビティに過不足なく溶融樹脂を射出できるようにな
り、前記第2の位置から移動型を後退させ、溶融樹脂を
膨張させることにより、確実に所定容積の成形品を得る
ことが可能となる。
【0010】さらに、樹脂ペレットの主剤となる熱可塑
性樹脂としては、特に、制限はないが、例えば、ポリプ
ロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリエチレン等
のポレオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリ芳香族エーテルまたはチオエーテル系
樹脂、ポリ芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂
およびアクリレート系樹脂等が採用できる。ここで、上
記熱可塑性樹脂は、単独で用いることがもできるが、二
種類以上を組み合わせて用いてもよい。このような熱可
塑性樹脂のうち、ポリプロピレン、プロピレンと他のオ
レフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体、あ
るいは、これらの混合物などのポリプロピレン系樹脂が
好ましく、特に、不飽和カルボン酸、または、その誘導
体で変性された酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有する
ポリオレフィン系樹脂が好適である。
性樹脂としては、特に、制限はないが、例えば、ポリプ
ロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリエチレン等
のポレオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリ芳香族エーテルまたはチオエーテル系
樹脂、ポリ芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂
およびアクリレート系樹脂等が採用できる。ここで、上
記熱可塑性樹脂は、単独で用いることがもできるが、二
種類以上を組み合わせて用いてもよい。このような熱可
塑性樹脂のうち、ポリプロピレン、プロピレンと他のオ
レフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体、あ
るいは、これらの混合物などのポリプロピレン系樹脂が
好ましく、特に、不飽和カルボン酸、または、その誘導
体で変性された酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有する
ポリオレフィン系樹脂が好適である。
【0011】また、樹脂ペレットに含有される補強用繊
維としては、以下の〜が採用でき、特に、ガラス繊
維を採用することが望ましい。 セラミック繊維:ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アル
ミナ繊維、チッ化ケイ素繊維、ジルコニア繊維 無機繊維:ガラス繊維、炭素繊維 金属繊維:銅繊維、黄銅繊維、鋼繊維、ステンレス繊
維、アルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維 有機繊維:超高分子量ポリエチレン繊維、ポリプロピ
レン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維
維としては、以下の〜が採用でき、特に、ガラス繊
維を採用することが望ましい。 セラミック繊維:ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アル
ミナ繊維、チッ化ケイ素繊維、ジルコニア繊維 無機繊維:ガラス繊維、炭素繊維 金属繊維:銅繊維、黄銅繊維、鋼繊維、ステンレス繊
維、アルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維 有機繊維:超高分子量ポリエチレン繊維、ポリプロピ
レン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維
【0012】ここで、樹脂ペレットに含有されるガラス
繊維としては、E−ガラスまたはS−ガラスのガラス繊
維であって、その平均繊維径が25μm以下のもの、好
ましくは3〜20μmの範囲のものものが採用できる。
ガラス繊維の径が3μm未満であると、ペレット製造時
にガラス繊維が樹脂になじまず、樹脂に含浸するのが困
難となる一方、25μmを超えると、溶融混練時に切
断、欠損が起こりやすくなったり、外観が悪くなったり
する。
繊維としては、E−ガラスまたはS−ガラスのガラス繊
維であって、その平均繊維径が25μm以下のもの、好
ましくは3〜20μmの範囲のものものが採用できる。
ガラス繊維の径が3μm未満であると、ペレット製造時
にガラス繊維が樹脂になじまず、樹脂に含浸するのが困
難となる一方、25μmを超えると、溶融混練時に切
断、欠損が起こりやすくなったり、外観が悪くなったり
する。
【0013】これらの熱可塑性樹脂および補強用繊維を
用い、引き抜き成形法、あるいは、溶液含浸法等でペレ
ットを製造するにあたり、繊維は、カップリング剤で表
面処理した後、収束剤により、100〜10000本、
好ましくは、150〜5000本の範囲で束ねておくこ
とが望ましい。カップリング剤としては、いわゆるシラ
ン系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従
来からあるものの中から適宜選択することができる。例
えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが
採用できる。特に、前記アミノ系シラン化合物を採用す
るのが好ましい。このようなカップリング剤を用いて繊
維の表面処理を行うにあたり、前述のカップリング剤を
有機溶媒に混ぜた有機溶媒液あるいは混濁液を、いわゆ
るサイジング剤として繊維に塗布するサイジング処理の
他、乾式混合およびスプレー法等が採用できる。また、
表面処理を行うにあたり、前述のカップリング剤ととも
に、ガラス用フィルム形成物質を併用することができ
る。このフィルム形成物質としては、例えば、ポリエス
テル系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、酢酸ビ
ニル系およびイソシアネート系等の重合体が採用でき
る。収束剤としては、例えば、ウレタン系、オレフィン
系、アクリル系、ブタジエン系およびエポキシ系等が採
用でき、これらのうち、ウレタン系およびオレフィ系が
採用できる。これらのうち、ウレタン系収束剤は、通
常、ジイソシアネート化合物と多価アルコールとの重付
加反応により得られるポリイソシアネート50重量%以
上の割合に含有するものであれば、油変性型、湿気硬化
型およびブロック型等の一液タイプ、および、触媒硬化
型およびポリオール硬化型等の二液タイプのいずれもが
採用できる。一方、オレフィン系収束剤としては、不飽
和カルボン酸、または、その誘導体で変性された変性ポ
リオレフィン系樹脂が採用できる。
用い、引き抜き成形法、あるいは、溶液含浸法等でペレ
ットを製造するにあたり、繊維は、カップリング剤で表
面処理した後、収束剤により、100〜10000本、
好ましくは、150〜5000本の範囲で束ねておくこ
とが望ましい。カップリング剤としては、いわゆるシラ
ン系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従
来からあるものの中から適宜選択することができる。例
えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが
採用できる。特に、前記アミノ系シラン化合物を採用す
るのが好ましい。このようなカップリング剤を用いて繊
維の表面処理を行うにあたり、前述のカップリング剤を
有機溶媒に混ぜた有機溶媒液あるいは混濁液を、いわゆ
るサイジング剤として繊維に塗布するサイジング処理の
他、乾式混合およびスプレー法等が採用できる。また、
表面処理を行うにあたり、前述のカップリング剤ととも
に、ガラス用フィルム形成物質を併用することができ
る。このフィルム形成物質としては、例えば、ポリエス
テル系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、酢酸ビ
ニル系およびイソシアネート系等の重合体が採用でき
る。収束剤としては、例えば、ウレタン系、オレフィン
系、アクリル系、ブタジエン系およびエポキシ系等が採
用でき、これらのうち、ウレタン系およびオレフィ系が
採用できる。これらのうち、ウレタン系収束剤は、通
常、ジイソシアネート化合物と多価アルコールとの重付
加反応により得られるポリイソシアネート50重量%以
上の割合に含有するものであれば、油変性型、湿気硬化
型およびブロック型等の一液タイプ、および、触媒硬化
型およびポリオール硬化型等の二液タイプのいずれもが
採用できる。一方、オレフィン系収束剤としては、不飽
和カルボン酸、または、その誘導体で変性された変性ポ
リオレフィン系樹脂が採用できる。
【0014】上述のような収束剤で収束した繊維に熱可
塑性樹脂を付着・含浸させることにより、繊維を含有す
る樹脂ペレットが製造される。繊維に熱可塑性樹脂を付
着・含浸させる方法としては、例えば、容器等に入れた
溶融樹脂の中に繊維束を通し、繊維に樹脂を含浸させる
方法、サスペンジョン、エマルジョンにより繊維束に樹
脂を含浸させた後、コーティング用ダイに繊維束を通し
て含浸させる方法、あるいは、ダイで繊維の周りに付着
した溶融樹脂を押し広げて繊維束に含浸させる方法等が
採用できる。ここで、繊維束と樹脂とをよくなじませ
る、すなわち濡れ性を向上するために、内周に凹凸部が
設けられたダイの内部に、張力が加えられた繊維束を通
して引き抜くことで、溶融樹脂を繊維束に含浸させた
後、さらに、この繊維束を加圧ローラでプレスする工程
が組み込まれた引抜成形法も採用できる。なお、繊維と
溶融樹脂とが互いによくなじむ、濡れ性のよいものあれ
ば、溶融樹脂が繊維に容易に含浸され、ペレットの製造
が容易となるので、前述の収束材で繊維を収束する工程
は、省略できる場合がある。以上のような方法で、樹脂
が含有された長尺繊維束(ストランド等)を、繊維の長
手方向に沿って切断していけば、ペレットの全長と同じ
長さの長繊維を含んだ樹脂ペレットを得ることができ
る。この際、樹脂ペレットとしては、繊維束がストラン
ドにされ、その断面形状が略円形となった樹脂含有長尺
繊維束を切断したものに限らず、繊維を平たく配列する
ことにより、シート状、テープ状またはバンド状になっ
た樹脂含有長尺繊維束を所定の長さに切断したものでも
よい。
塑性樹脂を付着・含浸させることにより、繊維を含有す
る樹脂ペレットが製造される。繊維に熱可塑性樹脂を付
着・含浸させる方法としては、例えば、容器等に入れた
溶融樹脂の中に繊維束を通し、繊維に樹脂を含浸させる
方法、サスペンジョン、エマルジョンにより繊維束に樹
脂を含浸させた後、コーティング用ダイに繊維束を通し
て含浸させる方法、あるいは、ダイで繊維の周りに付着
した溶融樹脂を押し広げて繊維束に含浸させる方法等が
採用できる。ここで、繊維束と樹脂とをよくなじませ
る、すなわち濡れ性を向上するために、内周に凹凸部が
設けられたダイの内部に、張力が加えられた繊維束を通
して引き抜くことで、溶融樹脂を繊維束に含浸させた
後、さらに、この繊維束を加圧ローラでプレスする工程
が組み込まれた引抜成形法も採用できる。なお、繊維と
溶融樹脂とが互いによくなじむ、濡れ性のよいものあれ
ば、溶融樹脂が繊維に容易に含浸され、ペレットの製造
が容易となるので、前述の収束材で繊維を収束する工程
は、省略できる場合がある。以上のような方法で、樹脂
が含有された長尺繊維束(ストランド等)を、繊維の長
手方向に沿って切断していけば、ペレットの全長と同じ
長さの長繊維を含んだ樹脂ペレットを得ることができ
る。この際、樹脂ペレットとしては、繊維束がストラン
ドにされ、その断面形状が略円形となった樹脂含有長尺
繊維束を切断したものに限らず、繊維を平たく配列する
ことにより、シート状、テープ状またはバンド状になっ
た樹脂含有長尺繊維束を所定の長さに切断したものでも
よい。
【0015】本発明の第2発明は、例えば、前記第1発
明の成形方法で得られる成形品であり、具体的には、射
出した溶融樹脂を圧縮して実質的に密とされた補強用繊
維含有樹脂成形層と、空隙を有する補強用繊維含有樹脂
空隙層とが、同一組成の樹脂から一体成形されることに
より、軽量化されていることを特徴とする。このような
本第2発明では、成形品は、重量が軽量化されるうえ、
引っ張り強度、剛性および耐熱性等の機械的特性に優
れ、かつ、外観品質も確保されるので、インパネコア、
バンパービーム、ドアステップ、ルーフ・ラック、リア
・クォターパネルおよびエアクリーナ・ケース等の自動
車部品、ならびに、外壁用パネル、間仕切壁用パネルお
よびケーブル・トラフ等の建築・土木用部材等として広
く利用可能となる。以上において、軽量化により、R=
(V×ρ−W)/(V×ρ)で表される軽量化率Rが
0.1〜0.8の範囲になっていることにすることが好
ましい。ただし、Vは成形品の容積であり、ρは原材料
の平均密度であり、Wは成形品の重量である。このよう
な軽量化率にすれば、成形品の重量、機械的強度および
外観品質のすべてがバランスよく確保されるので、自動
車部品や建築土木用部材として最適なものとなる。ま
た、前記成形品としては、当該成形品の中に含まれる繊
維の平均繊維長が2mm以上、より好ましくは、4mm以上
となっているものが望ましい。このように成形品中の平
均繊維長を2mm以上とすることにより、スプリングバッ
ク現象で成形時に溶融樹脂を所望の大きさまで膨張させ
ることが容易となるうえ、耐衝撃性や剛性等の機械的特
性が向上するようになる。
明の成形方法で得られる成形品であり、具体的には、射
出した溶融樹脂を圧縮して実質的に密とされた補強用繊
維含有樹脂成形層と、空隙を有する補強用繊維含有樹脂
空隙層とが、同一組成の樹脂から一体成形されることに
より、軽量化されていることを特徴とする。このような
本第2発明では、成形品は、重量が軽量化されるうえ、
引っ張り強度、剛性および耐熱性等の機械的特性に優
れ、かつ、外観品質も確保されるので、インパネコア、
バンパービーム、ドアステップ、ルーフ・ラック、リア
・クォターパネルおよびエアクリーナ・ケース等の自動
車部品、ならびに、外壁用パネル、間仕切壁用パネルお
よびケーブル・トラフ等の建築・土木用部材等として広
く利用可能となる。以上において、軽量化により、R=
(V×ρ−W)/(V×ρ)で表される軽量化率Rが
0.1〜0.8の範囲になっていることにすることが好
ましい。ただし、Vは成形品の容積であり、ρは原材料
の平均密度であり、Wは成形品の重量である。このよう
な軽量化率にすれば、成形品の重量、機械的強度および
外観品質のすべてがバランスよく確保されるので、自動
車部品や建築土木用部材として最適なものとなる。ま
た、前記成形品としては、当該成形品の中に含まれる繊
維の平均繊維長が2mm以上、より好ましくは、4mm以上
となっているものが望ましい。このように成形品中の平
均繊維長を2mm以上とすることにより、スプリングバッ
ク現象で成形時に溶融樹脂を所望の大きさまで膨張させ
ることが容易となるうえ、耐衝撃性や剛性等の機械的特
性が向上するようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の各形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本発明の実施の一形
態に係る射出成形機1が示されている。この射出成形機
1は、金型10の内部に溶融樹脂を射出して成形を行うも
のである。金型10は、固定金型10A および移動金型10B
に分割されたものである。この金型10の移動金型10B の
内部には、金型10のキャビティ11に対して進退可能とな
った移動型である可動コア12が設けられている。この可
動コア12を移動させることにより、金型10のキャビティ
11は、その容積が可変となっている。また、金型10の固
定金型10A には、内部に溶融樹脂を導入されるためのス
プルやランナ等の通路13が形成されている。この通路13
の周囲には、帯状電熱体14が設けられている。これによ
り、通路13は、当該通路13内部を流通する溶融樹脂を硬
化させない、いわゆるホットランナを形成している。
面に基づいて説明する。図1には、本発明の実施の一形
態に係る射出成形機1が示されている。この射出成形機
1は、金型10の内部に溶融樹脂を射出して成形を行うも
のである。金型10は、固定金型10A および移動金型10B
に分割されたものである。この金型10の移動金型10B の
内部には、金型10のキャビティ11に対して進退可能とな
った移動型である可動コア12が設けられている。この可
動コア12を移動させることにより、金型10のキャビティ
11は、その容積が可変となっている。また、金型10の固
定金型10A には、内部に溶融樹脂を導入されるためのス
プルやランナ等の通路13が形成されている。この通路13
の周囲には、帯状電熱体14が設けられている。これによ
り、通路13は、当該通路13内部を流通する溶融樹脂を硬
化させない、いわゆるホットランナを形成している。
【0017】射出成形機1には、金型10のキャビティ11
に溶融樹脂を射出する射出装置1Aと、固定金型10A が取
付けられた固定ダイプレート3と、移動金型10B が取付
けられる移動ダイプレート4と、この移動ダイプレート
4を固定ダイプレート3へ向かって前進させるための型
締装置5と、金型10の可動コア12を所定の範囲で任意の
位置に移動させるとともに当該位置に停止させる金型移
動装置20とが設けられている。移動ダイプレート4は、
型締め用の油圧シリンダ装置6が固定された固定プレー
ト7および固定ダイプレート3の間に架け渡されたタイ
バー8に沿って摺動自在に設けられたものである。型締
装置5は、油圧シリンダ装置6のピストンロッド6Aが連
結されたトグル機構9を有し、油圧シリンダ装置6の押
圧力をトグル機構9で増力して移動ダイプレート4を前
進させ、これにより、移動金型10B を固定金型10A に密
着させ、金型10の閉鎖を行うものである。
に溶融樹脂を射出する射出装置1Aと、固定金型10A が取
付けられた固定ダイプレート3と、移動金型10B が取付
けられる移動ダイプレート4と、この移動ダイプレート
4を固定ダイプレート3へ向かって前進させるための型
締装置5と、金型10の可動コア12を所定の範囲で任意の
位置に移動させるとともに当該位置に停止させる金型移
動装置20とが設けられている。移動ダイプレート4は、
型締め用の油圧シリンダ装置6が固定された固定プレー
ト7および固定ダイプレート3の間に架け渡されたタイ
バー8に沿って摺動自在に設けられたものである。型締
装置5は、油圧シリンダ装置6のピストンロッド6Aが連
結されたトグル機構9を有し、油圧シリンダ装置6の押
圧力をトグル機構9で増力して移動ダイプレート4を前
進させ、これにより、移動金型10B を固定金型10A に密
着させ、金型10の閉鎖を行うものである。
【0018】金型移動装置20は、可動コア12をキャビテ
ィ11に対して前進させることで、キャビティ11に射出さ
れた溶融樹脂に圧縮力を加え、かつ、可動コア12を後退
させることで、キャビティ11を拡張するものであり、移
動ダイプレート4と、移動金型10B との間に介装されて
いる。また、金型移動装置20は、可動コア12を進退させ
ることにより、可動コア12の成形面と、固定金型10A の
成形面とのクリアランスを任意に変更することが可能な
キャビティクリアランス変更手段でもある。金型移動装
置20には、可動コア12の移動方向に対して傾斜した傾斜
面21A, 22Aをそれぞれ有するとともに、これらの傾斜面
21A, 22Aを互いに当接させた一対の傾斜部材21, 22と、
可動コア12の移動方向に対して直交する平らな表面を有
するベースプレート23と、移動ダイプレート4および移
動金型10B を連結する金型装着ベース24と、可動コア12
および傾斜部材22を連結する圧縮プレート25とが設けら
れている。
ィ11に対して前進させることで、キャビティ11に射出さ
れた溶融樹脂に圧縮力を加え、かつ、可動コア12を後退
させることで、キャビティ11を拡張するものであり、移
動ダイプレート4と、移動金型10B との間に介装されて
いる。また、金型移動装置20は、可動コア12を進退させ
ることにより、可動コア12の成形面と、固定金型10A の
成形面とのクリアランスを任意に変更することが可能な
キャビティクリアランス変更手段でもある。金型移動装
置20には、可動コア12の移動方向に対して傾斜した傾斜
面21A, 22Aをそれぞれ有するとともに、これらの傾斜面
21A, 22Aを互いに当接させた一対の傾斜部材21, 22と、
可動コア12の移動方向に対して直交する平らな表面を有
するベースプレート23と、移動ダイプレート4および移
動金型10B を連結する金型装着ベース24と、可動コア12
および傾斜部材22を連結する圧縮プレート25とが設けら
れている。
【0019】このうち、傾斜部材21は、移動ダイプレー
ト4に取り付けられたベースプレート23の表面に沿って
摺動可能とされるとともに、油圧シリンダ装置26によ
り、可動コア12の移動方向に対して直交する方向に駆動
されるようになっている。ここで、傾斜部材22の傾斜面
22A の両端縁には、傾斜部材21の移動方向に沿った立ち
上がり部22B が設けられている。この立ち上がり部22B
の内側には、立ち上がり部22B の長手方向に延びる溝22
C が設けられている。一方、立ち上がり部22B の内側面
に接する傾斜部材21の側面には、傾斜部材22の溝22C と
嵌合する突条21B が設けられいる。これにより、油圧シ
リンダ装置26のピストンロッド26A を前進させると、傾
斜部材21が傾斜部材22を押圧し、可動コア12が前進する
一方、油圧シリンダ装置26のピストンロッド26A を後退
させると、傾斜部材21が傾斜部材22を引き寄せ、可動コ
ア12が後退するようになっている。このような金型移動
装置20に油圧を供給するために、油圧ユニット30が設け
られ、さらに、この油圧ユニット30を制御し、金型移動
装置20に所望の動作を行わせるための制御装置31が設け
られている。この制御装置31は、デジタルシーケンサ等
のシーケンス制御回路を有するものであり、可動コア12
をキャビティ11に対して段階的に前進後退させ、所定の
位置に一時停止させた後に、後退させる等、任意の異な
る動作を連続的に行わせるように設定することが可能と
なっている。
ト4に取り付けられたベースプレート23の表面に沿って
摺動可能とされるとともに、油圧シリンダ装置26によ
り、可動コア12の移動方向に対して直交する方向に駆動
されるようになっている。ここで、傾斜部材22の傾斜面
22A の両端縁には、傾斜部材21の移動方向に沿った立ち
上がり部22B が設けられている。この立ち上がり部22B
の内側には、立ち上がり部22B の長手方向に延びる溝22
C が設けられている。一方、立ち上がり部22B の内側面
に接する傾斜部材21の側面には、傾斜部材22の溝22C と
嵌合する突条21B が設けられいる。これにより、油圧シ
リンダ装置26のピストンロッド26A を前進させると、傾
斜部材21が傾斜部材22を押圧し、可動コア12が前進する
一方、油圧シリンダ装置26のピストンロッド26A を後退
させると、傾斜部材21が傾斜部材22を引き寄せ、可動コ
ア12が後退するようになっている。このような金型移動
装置20に油圧を供給するために、油圧ユニット30が設け
られ、さらに、この油圧ユニット30を制御し、金型移動
装置20に所望の動作を行わせるための制御装置31が設け
られている。この制御装置31は、デジタルシーケンサ等
のシーケンス制御回路を有するものであり、可動コア12
をキャビティ11に対して段階的に前進後退させ、所定の
位置に一時停止させた後に、後退させる等、任意の異な
る動作を連続的に行わせるように設定することが可能と
なっている。
【0020】次に、本実施形態の成形動作(成形手順)
について説明する。まず、金型10および金型移動装置20
を、図1の如く、一般的な射出成形機1に装着するとと
もに、図示しないホッパに所定の原材料を投入する。な
お、表面を覆う合成皮革等の表皮面材が一体化された成
形品を得たい場合には、金型10を閉じる前に、表皮面材
を予め金型10に装着しておく。そして、射出成形機1の
射出装置1Aに設けられた射出シリンダ内に樹脂ペレット
を供給した後、射出成形機1を起動し、射出シリンダ内
の樹脂ペレットの可塑化および混練を開始する。ここ
で、原材料となる樹脂ペレットは、ポリプロピレンを主
原料とし、全長が2〜100mmの範囲にされたものであ
る。この樹脂ペレットには、その全長に等しい長さの補
強用ガラス繊維が、互いに平行に配列された状態となっ
て全体の20〜70重量%含有されている。一方、原材
料として、前述の樹脂ペレットと、補強用ガラス繊維を
含まない他の樹脂ペレットとを混合した混合物を採用す
る場合には、補強用ガラス繊維が当該原材料全体の5〜
70重量%の範囲で含有されているものが採用できる。
また、原材料には、必要に応じて、当該原材料100重
量部に対して3重量部以下の発泡剤を混入させることが
できる。ここで、発泡剤の混入は、発泡剤を含有するマ
スターバッチペレットを、前述の樹脂ペレットに混入す
ることで行うことが好ましい。なお、発泡剤を含むマス
ターバッチペレットとしては、例えば、商品名:ポリス
レンTS−182(永和化成工業株式会社製)を採用す
ることができる。また、射出シリンダ11内では、繊維の
破損を抑制しながら、樹脂ペレットの可塑化および混練
を充分行うことにより、成形品を成形するのに必要な量
の溶融樹脂を得るとともに、溶融樹脂内の無数のガラス
繊維を、均一に分布させ、かつ、互いに充分絡み合った
状態にし、スプリングバック現象が発生しやすい状態に
する。
について説明する。まず、金型10および金型移動装置20
を、図1の如く、一般的な射出成形機1に装着するとと
もに、図示しないホッパに所定の原材料を投入する。な
お、表面を覆う合成皮革等の表皮面材が一体化された成
形品を得たい場合には、金型10を閉じる前に、表皮面材
を予め金型10に装着しておく。そして、射出成形機1の
射出装置1Aに設けられた射出シリンダ内に樹脂ペレット
を供給した後、射出成形機1を起動し、射出シリンダ内
の樹脂ペレットの可塑化および混練を開始する。ここ
で、原材料となる樹脂ペレットは、ポリプロピレンを主
原料とし、全長が2〜100mmの範囲にされたものであ
る。この樹脂ペレットには、その全長に等しい長さの補
強用ガラス繊維が、互いに平行に配列された状態となっ
て全体の20〜70重量%含有されている。一方、原材
料として、前述の樹脂ペレットと、補強用ガラス繊維を
含まない他の樹脂ペレットとを混合した混合物を採用す
る場合には、補強用ガラス繊維が当該原材料全体の5〜
70重量%の範囲で含有されているものが採用できる。
また、原材料には、必要に応じて、当該原材料100重
量部に対して3重量部以下の発泡剤を混入させることが
できる。ここで、発泡剤の混入は、発泡剤を含有するマ
スターバッチペレットを、前述の樹脂ペレットに混入す
ることで行うことが好ましい。なお、発泡剤を含むマス
ターバッチペレットとしては、例えば、商品名:ポリス
レンTS−182(永和化成工業株式会社製)を採用す
ることができる。また、射出シリンダ11内では、繊維の
破損を抑制しながら、樹脂ペレットの可塑化および混練
を充分行うことにより、成形品を成形するのに必要な量
の溶融樹脂を得るとともに、溶融樹脂内の無数のガラス
繊維を、均一に分布させ、かつ、互いに充分絡み合った
状態にし、スプリングバック現象が発生しやすい状態に
する。
【0021】そして、型締装置5を作動させ、移動ダイ
プレート4を固定ダイプレート3に向かって移動させ、
図1の如く、固定金型10A に移動金型10B を当接させ、
金型10を閉鎖する。次いで、金型移動装置20を作動さ
せ、図2(A)に示されるように、第1の位置である位
置Sに可動コア12を移動し、キャビティ11の厚さ寸法を
t1にし、この状態で、第一回目の樹脂射出を開始する。
ここで、位置Sに静止した可動コア12が形成するキャビ
ティ11の厚さt1は、当該キャビティ11の容積が、第一回
目で射出される溶融樹脂の容量よりも充分大きくなるよ
うに設定される。これにより、第一回目の樹脂射出にお
ける射出圧力は、通常の射出成形よりも大幅に低く設定
できるようになる。第一回目の樹脂射出の開始後の適宜
な時点、例えば、第一回目の樹脂射出完了前後の時点
で、可動コア12の前進を開始し、図2(B)に示される
ように、位置Sまで可動コア12を移動し、キャビティ11
の厚さ寸法をt2にする。この可動コア12の前進により、
キャビティ11に射出された溶融樹脂を圧縮して、キャビ
ティ11の全体に充満させ、補強用繊維含有樹脂中実層を
形成する。そして、キャビティ11の厚さ寸法がt2となっ
た状態で、溶融樹脂を適宜冷却し、補強用繊維含有樹脂
中実層を充分固化させる。ここで、キャビティ11の厚さ
寸法t2は、当該キャビティ11が、第一回目で射出される
溶融樹脂の量に相当する容積となるように設定されてい
る。また、第一回目の樹脂射出では、少なくとも、成形
品の表面側に補強用繊維含有樹脂中実層を形成するのに
充分な量が設定される。この中実層の厚みは、成形品の
用途、大きさ、および、形状等により、適宜選択され
る。通常、0.2〜5mm程度である。
プレート4を固定ダイプレート3に向かって移動させ、
図1の如く、固定金型10A に移動金型10B を当接させ、
金型10を閉鎖する。次いで、金型移動装置20を作動さ
せ、図2(A)に示されるように、第1の位置である位
置Sに可動コア12を移動し、キャビティ11の厚さ寸法を
t1にし、この状態で、第一回目の樹脂射出を開始する。
ここで、位置Sに静止した可動コア12が形成するキャビ
ティ11の厚さt1は、当該キャビティ11の容積が、第一回
目で射出される溶融樹脂の容量よりも充分大きくなるよ
うに設定される。これにより、第一回目の樹脂射出にお
ける射出圧力は、通常の射出成形よりも大幅に低く設定
できるようになる。第一回目の樹脂射出の開始後の適宜
な時点、例えば、第一回目の樹脂射出完了前後の時点
で、可動コア12の前進を開始し、図2(B)に示される
ように、位置Sまで可動コア12を移動し、キャビティ11
の厚さ寸法をt2にする。この可動コア12の前進により、
キャビティ11に射出された溶融樹脂を圧縮して、キャビ
ティ11の全体に充満させ、補強用繊維含有樹脂中実層を
形成する。そして、キャビティ11の厚さ寸法がt2となっ
た状態で、溶融樹脂を適宜冷却し、補強用繊維含有樹脂
中実層を充分固化させる。ここで、キャビティ11の厚さ
寸法t2は、当該キャビティ11が、第一回目で射出される
溶融樹脂の量に相当する容積となるように設定されてい
る。また、第一回目の樹脂射出では、少なくとも、成形
品の表面側に補強用繊維含有樹脂中実層を形成するのに
充分な量が設定される。この中実層の厚みは、成形品の
用途、大きさ、および、形状等により、適宜選択され
る。通常、0.2〜5mm程度である。
【0022】次に、可動コア12の後退を開始し、図2
(C)に示されるように、第2の位置である位置Uまで
可動コア12を移動し、キャビティ11の厚さ寸法をt3にす
る。この状態で、第二回目の樹脂射出を行い、残りの溶
融樹脂をすべてキャビティ11に射出し、当該キャビティ
11を溶融樹脂で充満させる。ここで、位置Uに静止した
可動コア12が形成するキャビティ11の厚さt3は、当該キ
ャビティ11の容積が、成形品を成形するのに必要となる
溶融樹脂の全量に相当する容積となるように設定され
る。また、通常、キャビティ11の厚さt3は、位置Sにお
いて可動コア12が形成するキャビティ11の厚さt1と比較
すると、厚さt1よりも大きい。これにより、第二回目の
樹脂射出で射出される溶融樹脂の量は、第一回目の樹脂
射出で射出される溶融樹脂の量と同程度以上となり、第
一回目に射出した溶融樹脂について、補強用繊維含有樹
脂中実層の固化を完了しても、第二回目で射出した溶融
樹脂を膨張させることで、所期の膨張率を達成すること
が可能となっている。
(C)に示されるように、第2の位置である位置Uまで
可動コア12を移動し、キャビティ11の厚さ寸法をt3にす
る。この状態で、第二回目の樹脂射出を行い、残りの溶
融樹脂をすべてキャビティ11に射出し、当該キャビティ
11を溶融樹脂で充満させる。ここで、位置Uに静止した
可動コア12が形成するキャビティ11の厚さt3は、当該キ
ャビティ11の容積が、成形品を成形するのに必要となる
溶融樹脂の全量に相当する容積となるように設定され
る。また、通常、キャビティ11の厚さt3は、位置Sにお
いて可動コア12が形成するキャビティ11の厚さt1と比較
すると、厚さt1よりも大きい。これにより、第二回目の
樹脂射出で射出される溶融樹脂の量は、第一回目の樹脂
射出で射出される溶融樹脂の量と同程度以上となり、第
一回目に射出した溶融樹脂について、補強用繊維含有樹
脂中実層の固化を完了しても、第二回目で射出した溶融
樹脂を膨張させることで、所期の膨張率を達成すること
が可能となっている。
【0023】第二回目の射出完了の前、直後、あるい
は、射出完了から所定時間が経過したら、再度、金型移
動装置20を作動させ、図2(D)に示されるように、キ
ャビティ11が成形品に応じた容積となる位置Vまで可動
コア12を後退させ、当該キャビティ11の厚さ寸法をt4に
する。ここで、可動コア12の後退速度Vrは、0.05〜
100mm/秒の範囲、好ましくは、0.05〜50mm/
秒の範囲で設定することができる。可動コア12を後退さ
せると、スプリングバック現象により、溶融樹脂内で押
し潰されていたガラス繊維の弾性的な復元力で溶融樹脂
が膨張し、溶融樹脂の内部に無数の空隙が発生し、使用
した原材料の量よりも容積が大きく軽量化された成形品
が成形される。成形品を充分冷却するのに必要な所定時
間が経過したら、型締装置5を作動させて移動ダイプレ
ート4を後退させ、金型10を開く。そして、金型10の内
部から成形品を取出し、成形を完了する。以降、必要に
応じて、以上のような成形作業を繰り返す。
は、射出完了から所定時間が経過したら、再度、金型移
動装置20を作動させ、図2(D)に示されるように、キ
ャビティ11が成形品に応じた容積となる位置Vまで可動
コア12を後退させ、当該キャビティ11の厚さ寸法をt4に
する。ここで、可動コア12の後退速度Vrは、0.05〜
100mm/秒の範囲、好ましくは、0.05〜50mm/
秒の範囲で設定することができる。可動コア12を後退さ
せると、スプリングバック現象により、溶融樹脂内で押
し潰されていたガラス繊維の弾性的な復元力で溶融樹脂
が膨張し、溶融樹脂の内部に無数の空隙が発生し、使用
した原材料の量よりも容積が大きく軽量化された成形品
が成形される。成形品を充分冷却するのに必要な所定時
間が経過したら、型締装置5を作動させて移動ダイプレ
ート4を後退させ、金型10を開く。そして、金型10の内
部から成形品を取出し、成形を完了する。以降、必要に
応じて、以上のような成形作業を繰り返す。
【0024】このような成形手順で得られる成形品は、
内部が実質的に密にされた表面側の補強用繊維含有樹脂
中実層と、空隙を有する補強用繊維含有樹脂空隙層とが
一体成形されて、重量が軽量化されるうえ、引っ張り強
度、剛性および耐熱性等の機械的特性に優れ、かつ、外
観品質も確保されるので、インパネコア、バンパービー
ム、ドアステップ、ルーフ・ラック、リア・クォターパ
ネルおよびエアクーナ・ケース等の自動車部品、ならび
に、外壁用パネル、間仕切壁用パネルおよびケーブル・
トラフ等の建築・土木用部材等として広く利用可能とな
る。このような成形品は、当該成形品の重量、機械的強
度および外観品質のすべてをバランスよく確保するとと
もに、自動車部品や建築土木用部材として最適なものと
するために、その軽量化率Rが0.1〜0.8の範囲に
されている。ただし、軽量化率Rは、R=(V×ρ−
W)/(V×ρ)で表される値である。ここで、Vは成
形品の容積であり、ρは原材料の平均密度であり、Wは
成形品の重量である。また、スプリングバック現象で成
形時に溶融樹脂を所望の大きさまで膨張させることを容
易にするとともに、耐衝撃性や剛性等の機械的特性を向
上するために、成形品の中に含まれる繊維の平均繊維長
は、2mm以上、より好ましくは、4mm以上とすることが
望ましい。
内部が実質的に密にされた表面側の補強用繊維含有樹脂
中実層と、空隙を有する補強用繊維含有樹脂空隙層とが
一体成形されて、重量が軽量化されるうえ、引っ張り強
度、剛性および耐熱性等の機械的特性に優れ、かつ、外
観品質も確保されるので、インパネコア、バンパービー
ム、ドアステップ、ルーフ・ラック、リア・クォターパ
ネルおよびエアクーナ・ケース等の自動車部品、ならび
に、外壁用パネル、間仕切壁用パネルおよびケーブル・
トラフ等の建築・土木用部材等として広く利用可能とな
る。このような成形品は、当該成形品の重量、機械的強
度および外観品質のすべてをバランスよく確保するとと
もに、自動車部品や建築土木用部材として最適なものと
するために、その軽量化率Rが0.1〜0.8の範囲に
されている。ただし、軽量化率Rは、R=(V×ρ−
W)/(V×ρ)で表される値である。ここで、Vは成
形品の容積であり、ρは原材料の平均密度であり、Wは
成形品の重量である。また、スプリングバック現象で成
形時に溶融樹脂を所望の大きさまで膨張させることを容
易にするとともに、耐衝撃性や剛性等の機械的特性を向
上するために、成形品の中に含まれる繊維の平均繊維長
は、2mm以上、より好ましくは、4mm以上とすることが
望ましい。
【0025】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果が得られる。すなわち、所定長さ以上の補強用
繊維を所定量以上包含する原材料を用いるので、成形時
にスプリングバック現象が確実に発生し、溶融樹脂を充
分膨張させることが可能となる。そして、第一回目の樹
脂射出では、キャビティ11の容積に満たない量の溶融樹
脂が射出されるので、その射出圧を低く設定することが
可能となり、成形後に、反り等の成形品の変形を少なく
できるうえ、表皮面材等を予め金型に装着しておいて
も、装着された表皮面材の損傷を少なくできる。そのう
え、第一回目に射出した溶融樹脂については、可動コア
12の前進により圧縮され、その表面に、内部の樹脂が実
質的に密にされた補強用繊維含有樹脂中実層を確保する
ことができる。しかも、この後に、第二回目の樹脂射出
が行われるので、第一回目に射出した溶融樹脂につい
て、その表面側に補強用繊維含有樹脂中実層を確保して
も、第二回目に射出される残りの溶融樹脂について、充
分に膨張させることができる。従って、補強用繊維含有
樹脂中実層の確保により、成形品の表面の平滑性および
転写性が充分確保され、優れた外観品質を得ることがで
きるうえ、第二回目に射出した溶融樹脂に充分な膨張を
行わせることができ、成形品の強度、剛性および耐熱性
等の機械的特性ならびに軽量性のすべてを確実に確保で
きる。
うな効果が得られる。すなわち、所定長さ以上の補強用
繊維を所定量以上包含する原材料を用いるので、成形時
にスプリングバック現象が確実に発生し、溶融樹脂を充
分膨張させることが可能となる。そして、第一回目の樹
脂射出では、キャビティ11の容積に満たない量の溶融樹
脂が射出されるので、その射出圧を低く設定することが
可能となり、成形後に、反り等の成形品の変形を少なく
できるうえ、表皮面材等を予め金型に装着しておいて
も、装着された表皮面材の損傷を少なくできる。そのう
え、第一回目に射出した溶融樹脂については、可動コア
12の前進により圧縮され、その表面に、内部の樹脂が実
質的に密にされた補強用繊維含有樹脂中実層を確保する
ことができる。しかも、この後に、第二回目の樹脂射出
が行われるので、第一回目に射出した溶融樹脂につい
て、その表面側に補強用繊維含有樹脂中実層を確保して
も、第二回目に射出される残りの溶融樹脂について、充
分に膨張させることができる。従って、補強用繊維含有
樹脂中実層の確保により、成形品の表面の平滑性および
転写性が充分確保され、優れた外観品質を得ることがで
きるうえ、第二回目に射出した溶融樹脂に充分な膨張を
行わせることができ、成形品の強度、剛性および耐熱性
等の機械的特性ならびに軽量性のすべてを確実に確保で
きる。
【0026】また、必要に応じて、例えば、所定の膨張
率を達成できる量の補強用繊維を含有させることができ
ない等の場合、原材料100重量部に対して3重量部以
下の発泡剤を混入させるようにしたので、スプリングバ
ック現象だけでは、充分な樹脂の膨張が期待できなくと
も、スプリングバック現象による樹脂の膨張が発泡剤の
発泡により補われ、樹脂を充分膨張させることができ
る。しかも、混入される少量の発泡剤は、スプリングバ
ック現象による樹脂の膨張を補完するだけの分量である
ので、従来の発泡成形のように、内部に独立した気泡や
大きな中空部が形成されず、強度、剛性および耐熱性等
の機械的特性を何ら損なうことがない。
率を達成できる量の補強用繊維を含有させることができ
ない等の場合、原材料100重量部に対して3重量部以
下の発泡剤を混入させるようにしたので、スプリングバ
ック現象だけでは、充分な樹脂の膨張が期待できなくと
も、スプリングバック現象による樹脂の膨張が発泡剤の
発泡により補われ、樹脂を充分膨張させることができ
る。しかも、混入される少量の発泡剤は、スプリングバ
ック現象による樹脂の膨張を補完するだけの分量である
ので、従来の発泡成形のように、内部に独立した気泡や
大きな中空部が形成されず、強度、剛性および耐熱性等
の機械的特性を何ら損なうことがない。
【0027】さらに、原材料の繊維含有熱可塑性樹脂ペ
レットとしては、全長が2〜100mmの範囲にされると
ともに、前記全長と等しい長さの補強用繊維が、互いに
平行に配列された状態となって原材料全体の2〜70重
量%、好ましくは、20〜70重量%含有されたものを
採用したので、射出装置1Aで充分可塑化しても、含まれ
る繊維が破断されることが少なく、繊維長が確保され、
長い補強用繊維が金型10内に射出されるようになる。し
かも、補強用繊維を含まない他の樹脂ペレットと混合し
ても、長い補強用繊維が溶融樹脂に含まれていることか
ら、成形時にスプリングバック現象が確実に発生し、溶
融樹脂を充分膨張させることが可能となる。従って、繊
維の含有量が異なる複数種類の繊維含有熱可塑性樹脂ペ
レットのなかから特定のものを適宜選択する、または、
繊維含有熱可塑性樹脂ペレットと、補強用繊維を含まな
い樹脂ペレットとの混合比を適宜調節することで、補強
用繊維の含有率を、5〜70重量%の範囲内で任意に調
節することが可能となり、必要となる含有率の達成が容
易となり、所望の軽量化率や機械的特性を備えた成形品
を得ることができる。
レットとしては、全長が2〜100mmの範囲にされると
ともに、前記全長と等しい長さの補強用繊維が、互いに
平行に配列された状態となって原材料全体の2〜70重
量%、好ましくは、20〜70重量%含有されたものを
採用したので、射出装置1Aで充分可塑化しても、含まれ
る繊維が破断されることが少なく、繊維長が確保され、
長い補強用繊維が金型10内に射出されるようになる。し
かも、補強用繊維を含まない他の樹脂ペレットと混合し
ても、長い補強用繊維が溶融樹脂に含まれていることか
ら、成形時にスプリングバック現象が確実に発生し、溶
融樹脂を充分膨張させることが可能となる。従って、繊
維の含有量が異なる複数種類の繊維含有熱可塑性樹脂ペ
レットのなかから特定のものを適宜選択する、または、
繊維含有熱可塑性樹脂ペレットと、補強用繊維を含まな
い樹脂ペレットとの混合比を適宜調節することで、補強
用繊維の含有率を、5〜70重量%の範囲内で任意に調
節することが可能となり、必要となる含有率の達成が容
易となり、所望の軽量化率や機械的特性を備えた成形品
を得ることができる。
【0028】さらに、第一回目の溶融樹脂の射出量を、
位置Tにおいて可動コア12が形成するキャビティ11の容
積に相当するようにし、第2回目の射出量を、位置Uま
で可動コア12を後退した際に拡張されたキャビティ11の
容積拡張分に相当するようにしたので、段階的に容積が
変えられるキャビティ11に溶融樹脂を射出するにあた
り、各段階のキャビティ11に過不足なく溶融樹脂を充填
することができる。ここで、位置Uにおいて可動コア12
が形成するキャビティ11の厚さt3を、位置Tにおいて可
動コア12が形成するキャビティ11の厚さt2よりも大きく
し、第二回目の溶融樹脂射出量を、第一回目の溶融樹脂
射出量と同程度以上にしたので、第一回目に射出した溶
融樹脂で補強用繊維含有樹脂中実層を形成しても、第二
回目で射出した溶融樹脂が確実に所定の大きさまで膨張
するようになり、有効な軽量化を達成することができ
る。
位置Tにおいて可動コア12が形成するキャビティ11の容
積に相当するようにし、第2回目の射出量を、位置Uま
で可動コア12を後退した際に拡張されたキャビティ11の
容積拡張分に相当するようにしたので、段階的に容積が
変えられるキャビティ11に溶融樹脂を射出するにあた
り、各段階のキャビティ11に過不足なく溶融樹脂を充填
することができる。ここで、位置Uにおいて可動コア12
が形成するキャビティ11の厚さt3を、位置Tにおいて可
動コア12が形成するキャビティ11の厚さt2よりも大きく
し、第二回目の溶融樹脂射出量を、第一回目の溶融樹脂
射出量と同程度以上にしたので、第一回目に射出した溶
融樹脂で補強用繊維含有樹脂中実層を形成しても、第二
回目で射出した溶融樹脂が確実に所定の大きさまで膨張
するようになり、有効な軽量化を達成することができ
る。
【0029】また、第一回目の溶融樹脂射出量を、成形
品の表面側に形成される補強用繊維含有樹脂中実層の厚
さを確保するのに必要な量以上としたので、第一回目の
溶融樹脂射出量は、成形品の容積と比べると大幅に小さ
くなる。このため、可動コア12の前進による圧縮力が第
一回目に射出された溶融樹脂全体に加わり、かつ、この
射出圧で溶融樹脂がキャビティ11内部の成形面に押圧さ
れるようになるので、得られる成形品の表面に優れた平
滑性および転写性を確保することができるうえ、補強用
繊維含有樹脂中実層の冷却に要する時間が短時間となる
ので、補強用繊維含有樹脂中実層を確保しても、成形サ
イクルを短くすることができる。
品の表面側に形成される補強用繊維含有樹脂中実層の厚
さを確保するのに必要な量以上としたので、第一回目の
溶融樹脂射出量は、成形品の容積と比べると大幅に小さ
くなる。このため、可動コア12の前進による圧縮力が第
一回目に射出された溶融樹脂全体に加わり、かつ、この
射出圧で溶融樹脂がキャビティ11内部の成形面に押圧さ
れるようになるので、得られる成形品の表面に優れた平
滑性および転写性を確保することができるうえ、補強用
繊維含有樹脂中実層の冷却に要する時間が短時間となる
ので、補強用繊維含有樹脂中実層を確保しても、成形サ
イクルを短くすることができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明する。 [実施例1]本実施例1は、前記実施形態に基づき、前
述の金型10、射出成形機1および成形手順を用いて成形
を行う実験である。本実施例1では、以下のような原材
料、金型、射出成形機および射出手順を採用する。 a) 原材料:繊維含有ポリプロピレンペレット。 当該ペレットの組成 ;ガラス繊維、ポリプロピレ
ン、マイレン酸変性ポリプロピレン 当該ペレットの全長 ; 15mm ガラス繊維の長さ ; 15mm ガラス繊維の含有率 ; 40重量% マイレン酸変性ポリプロピレンの含有率; 2重量% ポリプロピレンの含有率; 58重量% b) 金型:矩形状の平板を成形するキャビティと可動コ
アとを備えた金型。キャビティの各寸法(内法)を以下
に示す。 幅寸法W ;600mm 奥行き寸法D;300mm 厚さ寸法t ;可動コアの移動により寸法可変 成形時の金型温度 ; 80℃ c) 射出成形機:汎用の横型射出成形機に金型移動装置2
0を装着したもの。その制御装置31には、多段射出のシ
ーケンスが組み込まれている。 溶融樹脂の射出温度;250℃(射出シリンダ内) d) 成形手順:次の〜に示す工程を含んだ手順(図
2参照のこと) 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さt3が4mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、金型10の可動コア12を
位置Sまで移動し、その位置で静止させる。ここで、位
置Sは、キャビティ11の厚さt1が4mmとなるように設定
されている。この状態で、第一回目の樹脂射出を行う。
この第一回目の射出で射出される溶融樹脂の量は、厚さ
t2が0.7mmとされたキャビティ11の容積に相当する量
となっている。 第一回目の樹脂射出が完了したら、可動コア12を位
置Tまで前進させ、その位置で静止させ、第一回目で射
出された溶融樹脂を圧縮し、補強用繊維含有樹脂中実層
を形成する。ここで、位置Tは、キャビティ11の厚さt2
が0.7mmとなるように設定されている。 補強用繊維含有樹脂中実層が確保されたら、可動コ
ア12を位置Uまで後退させ、その位置で静止さる。ここ
で、位置Uは、キャビティ11の厚さt3が4mmとなるよう
に設定されている。この状態で、第二回目の樹脂射出を
行う。この第二回目の射出では、可塑化・計量しておい
た残りの溶融樹脂をすべて射出する。 第二回目の樹脂射出の完了と同時に、可動コア12を
位置Vまで後退させ、この状態で、溶融樹脂の冷却・固
化を行う。ここで、位置Vは、キャビティ11の厚さt4が
12mmとなるように設定されている。
いて説明する。 [実施例1]本実施例1は、前記実施形態に基づき、前
述の金型10、射出成形機1および成形手順を用いて成形
を行う実験である。本実施例1では、以下のような原材
料、金型、射出成形機および射出手順を採用する。 a) 原材料:繊維含有ポリプロピレンペレット。 当該ペレットの組成 ;ガラス繊維、ポリプロピレ
ン、マイレン酸変性ポリプロピレン 当該ペレットの全長 ; 15mm ガラス繊維の長さ ; 15mm ガラス繊維の含有率 ; 40重量% マイレン酸変性ポリプロピレンの含有率; 2重量% ポリプロピレンの含有率; 58重量% b) 金型:矩形状の平板を成形するキャビティと可動コ
アとを備えた金型。キャビティの各寸法(内法)を以下
に示す。 幅寸法W ;600mm 奥行き寸法D;300mm 厚さ寸法t ;可動コアの移動により寸法可変 成形時の金型温度 ; 80℃ c) 射出成形機:汎用の横型射出成形機に金型移動装置2
0を装着したもの。その制御装置31には、多段射出のシ
ーケンスが組み込まれている。 溶融樹脂の射出温度;250℃(射出シリンダ内) d) 成形手順:次の〜に示す工程を含んだ手順(図
2参照のこと) 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さt3が4mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、金型10の可動コア12を
位置Sまで移動し、その位置で静止させる。ここで、位
置Sは、キャビティ11の厚さt1が4mmとなるように設定
されている。この状態で、第一回目の樹脂射出を行う。
この第一回目の射出で射出される溶融樹脂の量は、厚さ
t2が0.7mmとされたキャビティ11の容積に相当する量
となっている。 第一回目の樹脂射出が完了したら、可動コア12を位
置Tまで前進させ、その位置で静止させ、第一回目で射
出された溶融樹脂を圧縮し、補強用繊維含有樹脂中実層
を形成する。ここで、位置Tは、キャビティ11の厚さt2
が0.7mmとなるように設定されている。 補強用繊維含有樹脂中実層が確保されたら、可動コ
ア12を位置Uまで後退させ、その位置で静止さる。ここ
で、位置Uは、キャビティ11の厚さt3が4mmとなるよう
に設定されている。この状態で、第二回目の樹脂射出を
行う。この第二回目の射出では、可塑化・計量しておい
た残りの溶融樹脂をすべて射出する。 第二回目の樹脂射出の完了と同時に、可動コア12を
位置Vまで後退させ、この状態で、溶融樹脂の冷却・固
化を行う。ここで、位置Vは、キャビティ11の厚さt4が
12mmとなるように設定されている。
【0031】[実施例2]本実施例2は、前記実施例1
における条件を以下のように変更したうえで、前記実施
例1と同様の成形品を成形する実験である。 a) 原材料の変更:繊維含有ポリプロピレンペレットを
次のように変更する。 当該ペレットの全長 ; 20mm ガラス繊維の長さ ; 20mm ガラス繊維の含有率 ; 50重量% マイレン酸変性ポリプロピレンの含有率; 2重量% ポリプロピレンの含有率; 48重量% b) 金型温度の変更:成形時の金型温度; 40℃ c) 成形の各段階におけるキャビティの厚さt1〜t3を以
下のように変更する。 厚さt1 ; 3mm 厚さt2 ; 0.8mm 厚さt3 ; 3mm 厚さt4 ; 10mm [実施例3]本実施例3では、前記実施例1とほぼ同じ
条件で、表面に表皮面材が一体化かされた成形品を成形
しようとする実験である。以下に、前記実施例1から変
更される成形条件を示す。 a) 金型についての変更: 成形時の金型温度; 30℃。 b) 表皮面材:図3に示されるように、シート状のバッ
キング材33に、無数の柔毛34が植えられた表皮面材32。 c) 成形手順の変更:金型10を閉じる前に、金型10の可
動コア12に表皮面材32を装着しておく以外は、前記実施
例1と同様の手順を採用する。
における条件を以下のように変更したうえで、前記実施
例1と同様の成形品を成形する実験である。 a) 原材料の変更:繊維含有ポリプロピレンペレットを
次のように変更する。 当該ペレットの全長 ; 20mm ガラス繊維の長さ ; 20mm ガラス繊維の含有率 ; 50重量% マイレン酸変性ポリプロピレンの含有率; 2重量% ポリプロピレンの含有率; 48重量% b) 金型温度の変更:成形時の金型温度; 40℃ c) 成形の各段階におけるキャビティの厚さt1〜t3を以
下のように変更する。 厚さt1 ; 3mm 厚さt2 ; 0.8mm 厚さt3 ; 3mm 厚さt4 ; 10mm [実施例3]本実施例3では、前記実施例1とほぼ同じ
条件で、表面に表皮面材が一体化かされた成形品を成形
しようとする実験である。以下に、前記実施例1から変
更される成形条件を示す。 a) 金型についての変更: 成形時の金型温度; 30℃。 b) 表皮面材:図3に示されるように、シート状のバッ
キング材33に、無数の柔毛34が植えられた表皮面材32。 c) 成形手順の変更:金型10を閉じる前に、金型10の可
動コア12に表皮面材32を装着しておく以外は、前記実施
例1と同様の手順を採用する。
【0032】[比較例1]本比較例1は、単段の樹脂射
出で前記実施例1と同一の成形品を成形しようとする実
験である。具体的には、前記実施例1における成形手順
を次のように変更する以外は、前記実施例1と同様の条
件で成形を行う。 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さtが4mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、キャビティ11の厚さt
が4mmとなる位置まで可動コア12を移動し、この位置で
静止させる。この状態で、厚さtが4mmとされたキャビ
ティ11の容積に相当する量の溶融樹脂を金型10内に射出
する。 樹脂射出の完了と同時に、キャビティ11の厚さtが
12mmとなる位置まで可動コア12を後退させ、この状態
で、溶融樹脂の冷却・固化を行う。
出で前記実施例1と同一の成形品を成形しようとする実
験である。具体的には、前記実施例1における成形手順
を次のように変更する以外は、前記実施例1と同様の条
件で成形を行う。 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さtが4mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、キャビティ11の厚さt
が4mmとなる位置まで可動コア12を移動し、この位置で
静止させる。この状態で、厚さtが4mmとされたキャビ
ティ11の容積に相当する量の溶融樹脂を金型10内に射出
する。 樹脂射出の完了と同時に、キャビティ11の厚さtが
12mmとなる位置まで可動コア12を後退させ、この状態
で、溶融樹脂の冷却・固化を行う。
【0033】[比較例2]本比較例2は、スプリングバ
ック現象が期待できない短繊維が含まれた樹脂ペレット
に発泡剤を加えたものを可塑化した溶融樹脂を、射出圧
縮成形することにより、前記実施例1と同一の成形品を
得ようとする実験である。具体的には、前記実施例1に
おける原材料および成形手順を次のように変更する以外
は、前記実施例1と同様の条件で成形を行う。 a) 原材料の変更:繊維含有ポリプロピレンペレットに
発泡剤を混ぜたもの。なお、発泡剤としては、ポリスレ
ンTS−182(永和化成工業株式会社製)を採用す
る。 ガラス繊維の重量平均繊維長; 0.52mm ガラス繊維の含有率 ; 40重量% マイレン酸変性ポリプロピレンの含有率; 1重量% ポリプロピレンの含有率; 59重量% 樹脂ペレットおよび発泡剤の重量比;100重量部:1.5重量部 なお、成形時におけるガラス繊維の破断を極力防止する
ために、上述の樹脂ペレットを製造するにあたり、二軸
押出機を用いるとともに、ガラス繊維をサイドフィード
した。 b) 成形手順の変更:以下の〜に示す成形手順を採
用する。 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さtが4mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、キャビティ11の厚さt
が6mmとなる位置まで可動コア12を移動し、この位置で
静止させる。この状態で、厚さtが4mmとされたキャビ
ティ11の容積に相当する量の溶融樹脂を金型10内に射出
する。 樹脂射出の完了と同時に、キャビティ11の厚さtが
4mmとなる位置まで可動コア12を前進させ、キャビティ
11内の溶融樹脂を圧縮した後、直ちに、キャビティ11の
厚さtが12mmとなる位置まで可動コア12を後退させ、
この状態で、溶融樹脂の冷却・固化を行う。
ック現象が期待できない短繊維が含まれた樹脂ペレット
に発泡剤を加えたものを可塑化した溶融樹脂を、射出圧
縮成形することにより、前記実施例1と同一の成形品を
得ようとする実験である。具体的には、前記実施例1に
おける原材料および成形手順を次のように変更する以外
は、前記実施例1と同様の条件で成形を行う。 a) 原材料の変更:繊維含有ポリプロピレンペレットに
発泡剤を混ぜたもの。なお、発泡剤としては、ポリスレ
ンTS−182(永和化成工業株式会社製)を採用す
る。 ガラス繊維の重量平均繊維長; 0.52mm ガラス繊維の含有率 ; 40重量% マイレン酸変性ポリプロピレンの含有率; 1重量% ポリプロピレンの含有率; 59重量% 樹脂ペレットおよび発泡剤の重量比;100重量部:1.5重量部 なお、成形時におけるガラス繊維の破断を極力防止する
ために、上述の樹脂ペレットを製造するにあたり、二軸
押出機を用いるとともに、ガラス繊維をサイドフィード
した。 b) 成形手順の変更:以下の〜に示す成形手順を採
用する。 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さtが4mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、キャビティ11の厚さt
が6mmとなる位置まで可動コア12を移動し、この位置で
静止させる。この状態で、厚さtが4mmとされたキャビ
ティ11の容積に相当する量の溶融樹脂を金型10内に射出
する。 樹脂射出の完了と同時に、キャビティ11の厚さtが
4mmとなる位置まで可動コア12を前進させ、キャビティ
11内の溶融樹脂を圧縮した後、直ちに、キャビティ11の
厚さtが12mmとなる位置まで可動コア12を後退させ、
この状態で、溶融樹脂の冷却・固化を行う。
【0034】[比較例3]本比較例3は、従来から利用
されている単なる多段射出成形で、前記実施例1と同様
の成形品を得ようとする実験である。具体的には、前記
実施例2における成形手順を次のように変更した以外
は、前記実施例2と同様の条件で成形を行う。 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さtが3mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、キャビティ11の厚さt
が3mmとなる位置まで可動コア12を移動して静止させ
る。 この状態で、第一回目の樹脂射出として、厚さtが
1mmとされたキャビティ11の容積に相当する量の溶融樹
脂を金型10内に射出した後、第二回目の樹脂射出とし
て、残りの溶融樹脂を金型10内に射出し、当該溶融樹脂
の冷却・固化を行う。
されている単なる多段射出成形で、前記実施例1と同様
の成形品を得ようとする実験である。具体的には、前記
実施例2における成形手順を次のように変更した以外
は、前記実施例2と同様の条件で成形を行う。 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さtが3mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、キャビティ11の厚さt
が3mmとなる位置まで可動コア12を移動して静止させ
る。 この状態で、第一回目の樹脂射出として、厚さtが
1mmとされたキャビティ11の容積に相当する量の溶融樹
脂を金型10内に射出した後、第二回目の樹脂射出とし
て、残りの溶融樹脂を金型10内に射出し、当該溶融樹脂
の冷却・固化を行う。
【0035】[比較例4]本比較例4は、前記実施例1
から圧縮行程を省略して、前記実施例1と同一の成形品
を得ようとする実験である。具体的には、前記実施例1
における成形手順を次のように変更した以外は、前記実
施例1と同様の条件で成形を行う。 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さtが4mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、キャビティ11の厚さt
が0.7mmとなる位置まで可動コア12を移動して静止さ
せ、この状態で、第一回目の樹脂射出として、厚さtが
0.7mmとされたキャビティ11の容積に相当する量の溶
融樹脂を射出する。 第一回目の射出完了直後に、キャビティ11の厚さt
が4mmとなる位置まで可動コア12を後退して静止させ、
この状態で、第二回目の樹脂射出を行い、残りの溶融樹
脂をすべて射出する。 第二回目の射出完了と同時に、キャビティ11の厚さ
tが12mmとなる位置まで可動コア12を後退させ、この
状態で、溶融樹脂の冷却・固化を行う。
から圧縮行程を省略して、前記実施例1と同一の成形品
を得ようとする実験である。具体的には、前記実施例1
における成形手順を次のように変更した以外は、前記実
施例1と同様の条件で成形を行う。 予め、溶融樹脂を射出する前に、厚さtが4mmとさ
れたキャビティ11の容積に相当する樹脂を、射出装置で
可塑化・計量し、金型10を閉じ、キャビティ11の厚さt
が0.7mmとなる位置まで可動コア12を移動して静止さ
せ、この状態で、第一回目の樹脂射出として、厚さtが
0.7mmとされたキャビティ11の容積に相当する量の溶
融樹脂を射出する。 第一回目の射出完了直後に、キャビティ11の厚さt
が4mmとなる位置まで可動コア12を後退して静止させ、
この状態で、第二回目の樹脂射出を行い、残りの溶融樹
脂をすべて射出する。 第二回目の射出完了と同時に、キャビティ11の厚さ
tが12mmとなる位置まで可動コア12を後退させ、この
状態で、溶融樹脂の冷却・固化を行う。
【0036】〔実験結果〕以上の実施例1〜3および比
較例1〜4の各々で成形した各製品を、次のA)〜D)に示
す評価法で評価する。その結果は、表1に示されてい
る。 A) 次式から軽量化率Rを求め、各製品(成形品)がど
れほど軽量化されたかを、軽量化率Rの大きさに基づい
て評価する。 R=(V×ρ−W)/(V×ρ) ただし、Vは成形品の容積であり、ρは原材料の平均密
度であり、Wは成形品の重量である。 B) 各製品の中央部を切断し、その切断面を目視により
観察し、各製品の内部における膨張状況を評価するとと
もに、各製品の外観および表面の平滑性を目視により観
察し、その外観品質を評価する。 C) 各成形品の表面を目視で観察した後、各成形品の表
面粗さを三次元測定機で測定し、その厚み方向の最大値
と最小値との差から、各成形品の起伏状況について評価
する。 D) 上面が平面となった定盤の上に各製品を載せ、その
一方の面の一端縁を抑え、他方の面の他端縁を浮き上が
らせ、当該製品の他端縁と定盤上面との距離を、ハイト
ゲージで測定し、この距離に基づき、各製品の反り具合
を評価する。 E) 図4に示されるように、一対の固定押圧部35の間に
進入する一個の移動押圧部36で被試験物を折り曲げる試
験機37で、各製品38を破壊されるまで折り曲げ、破壊に
至った荷重を測定し、製品の破壊強度の大きさを評価す
る。ここで、折り曲げ試験機37に設けられた一対の固定
押圧部35の間隔Lは、350mmとなっている。また、補
強用繊維含有樹脂中実層は、図中下側に配置されてい
る。
較例1〜4の各々で成形した各製品を、次のA)〜D)に示
す評価法で評価する。その結果は、表1に示されてい
る。 A) 次式から軽量化率Rを求め、各製品(成形品)がど
れほど軽量化されたかを、軽量化率Rの大きさに基づい
て評価する。 R=(V×ρ−W)/(V×ρ) ただし、Vは成形品の容積であり、ρは原材料の平均密
度であり、Wは成形品の重量である。 B) 各製品の中央部を切断し、その切断面を目視により
観察し、各製品の内部における膨張状況を評価するとと
もに、各製品の外観および表面の平滑性を目視により観
察し、その外観品質を評価する。 C) 各成形品の表面を目視で観察した後、各成形品の表
面粗さを三次元測定機で測定し、その厚み方向の最大値
と最小値との差から、各成形品の起伏状況について評価
する。 D) 上面が平面となった定盤の上に各製品を載せ、その
一方の面の一端縁を抑え、他方の面の他端縁を浮き上が
らせ、当該製品の他端縁と定盤上面との距離を、ハイト
ゲージで測定し、この距離に基づき、各製品の反り具合
を評価する。 E) 図4に示されるように、一対の固定押圧部35の間に
進入する一個の移動押圧部36で被試験物を折り曲げる試
験機37で、各製品38を破壊されるまで折り曲げ、破壊に
至った荷重を測定し、製品の破壊強度の大きさを評価す
る。ここで、折り曲げ試験機37に設けられた一対の固定
押圧部35の間隔Lは、350mmとなっている。また、補
強用繊維含有樹脂中実層は、図中下側に配置されてい
る。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1によれば、溶融樹脂が充分に膨張
し、軽量化が充分達成できるうえ、平坦な表面が得ら
れ、軽く表面の平滑性に優れた製品が得られることが判
る。また、内部に大きな空隙が形成されず、かつ、反り
が小さいことから、破壊強度および外観品質にも優れた
製品が得られることが判る。なお、本成形品中のガラス
繊維は、平均繊維長が6mmとなっていた。実施例2によ
れば、前記実施例1と同様に、軽量化および平滑性を充
分達成できるうえ、内部に大きな空隙が形成されず、か
つ、反りが小さいことから、破壊強度および外観品質に
も優れた製品が得られることが判る。実施例3によれ
ば、表皮面材の良好な状態を維持できるとともに、溶融
樹脂が充分に膨張して製品の軽量化が充分達成できるの
で、軽く外観品質の優れた製品が得られることが判る。
また、内部に大きな空隙が形成されず、かつ、反りが小
さいことから、破壊強度および外観品質にも優れた製品
が得られることが判る。
し、軽量化が充分達成できるうえ、平坦な表面が得ら
れ、軽く表面の平滑性に優れた製品が得られることが判
る。また、内部に大きな空隙が形成されず、かつ、反り
が小さいことから、破壊強度および外観品質にも優れた
製品が得られることが判る。なお、本成形品中のガラス
繊維は、平均繊維長が6mmとなっていた。実施例2によ
れば、前記実施例1と同様に、軽量化および平滑性を充
分達成できるうえ、内部に大きな空隙が形成されず、か
つ、反りが小さいことから、破壊強度および外観品質に
も優れた製品が得られることが判る。実施例3によれ
ば、表皮面材の良好な状態を維持できるとともに、溶融
樹脂が充分に膨張して製品の軽量化が充分達成できるの
で、軽く外観品質の優れた製品が得られることが判る。
また、内部に大きな空隙が形成されず、かつ、反りが小
さいことから、破壊強度および外観品質にも優れた製品
が得られることが判る。
【0039】比較例1では、表面に波打ちが観察され、
前記実施例1,2よりも表面の平滑性が若干不十分であ
るが、前記実施例1,2と同様に、軽量化が充分達成で
きるうえ、破壊強度も悪くなく、かつ、反りが大きくな
い成形品が得られる。このことから、表面に凹凸が形成
されることから、平滑性をそれほど要しない製品や、面
積が小さく、射出圧で平滑性が得られる製品には、適用
できるが、形状や寸法に影響され、平滑性について不十
分な場合があることが判る。比較例2では、溶融樹脂が
充分膨張しないため、軽量化が不十分となるうえ、表面
に著しい凹凸やシルバーマークが発生し、充分な外観品
質を得ることができないうえ、破壊強度も得ることがで
きないことが判る。比較例3では、溶融樹脂が殆ど膨張
しないため、軽量化が期待できないうえ、表面にヘジテ
ーション・マークが発生し、充分な外観品質を得ること
ができず、さらに、破壊強度も不十分であることが判
る。比較例4では、第一回目で射出した溶融樹脂が、成
形品の端部に到達しないショートショットとなり、この
ショートショットした端部部分には、スキン層が形成さ
れず、当該部分に波打ちが発生したが、前記実施例1,
2と同様に、軽量化が充分達成できるうえ、破壊強度も
悪くなく、かつ、反りも大きくない成形品が得られる。
このことから、第一回目の射出でショートショットが発
生しにくい形状の製品には、充分適用できることが判
る。
前記実施例1,2よりも表面の平滑性が若干不十分であ
るが、前記実施例1,2と同様に、軽量化が充分達成で
きるうえ、破壊強度も悪くなく、かつ、反りが大きくな
い成形品が得られる。このことから、表面に凹凸が形成
されることから、平滑性をそれほど要しない製品や、面
積が小さく、射出圧で平滑性が得られる製品には、適用
できるが、形状や寸法に影響され、平滑性について不十
分な場合があることが判る。比較例2では、溶融樹脂が
充分膨張しないため、軽量化が不十分となるうえ、表面
に著しい凹凸やシルバーマークが発生し、充分な外観品
質を得ることができないうえ、破壊強度も得ることがで
きないことが判る。比較例3では、溶融樹脂が殆ど膨張
しないため、軽量化が期待できないうえ、表面にヘジテ
ーション・マークが発生し、充分な外観品質を得ること
ができず、さらに、破壊強度も不十分であることが判
る。比較例4では、第一回目で射出した溶融樹脂が、成
形品の端部に到達しないショートショットとなり、この
ショートショットした端部部分には、スキン層が形成さ
れず、当該部分に波打ちが発生したが、前記実施例1,
2と同様に、軽量化が充分達成できるうえ、破壊強度も
悪くなく、かつ、反りも大きくない成形品が得られる。
このことから、第一回目の射出でショートショットが発
生しにくい形状の製品には、充分適用できることが判
る。
【0040】以上、本発明について好適な実施形態およ
び実施例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施
形態および実施例に限られるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変
更が可能である。例えば、金型としては、固定金型およ
び移動金型に分割され、かつ、移動金型に移動型として
の可動コアが設けられたものに限らず、固定金型および
移動金型に分割され、かつ、移動金型自身が移動型とさ
れたものでもよい。また、成形品の補強用繊維含有樹脂
中実層としては、樹脂が密に充填され、空隙が全くない
層であることが好ましいが、採用した成形法や成形条件
によって、多少空隙が発生してしまった層でもよく、さ
らに、成形品の表側の全面を覆うものに限らず、一部の
面を覆うように形成されたものでもよい。さらに、前記
実施例では、二段階に樹脂射出を行ったが、樹脂射出の
回数は、二回に限らず、三回以上でもよい。
び実施例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施
形態および実施例に限られるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変
更が可能である。例えば、金型としては、固定金型およ
び移動金型に分割され、かつ、移動金型に移動型として
の可動コアが設けられたものに限らず、固定金型および
移動金型に分割され、かつ、移動金型自身が移動型とさ
れたものでもよい。また、成形品の補強用繊維含有樹脂
中実層としては、樹脂が密に充填され、空隙が全くない
層であることが好ましいが、採用した成形法や成形条件
によって、多少空隙が発生してしまった層でもよく、さ
らに、成形品の表側の全面を覆うものに限らず、一部の
面を覆うように形成されたものでもよい。さらに、前記
実施例では、二段階に樹脂射出を行ったが、樹脂射出の
回数は、二回に限らず、三回以上でもよい。
【0041】さらに、樹脂ペレットの主剤となる熱可塑
性樹脂としては、ポリプロピレンに限らず、プロピレン
−エチレンブロック共重合体、ポリエチレン等のポレオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリ芳香族エーテルまたはチオエーテル系樹脂、ポ
リ芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂およびア
クリレート系樹脂でもよく、繊維強化成形品が形成でき
る熱可塑性樹脂であれば、具体的な組成は適宜選択でき
る。また、樹脂ペレットに含有される補強用繊維として
は、ガラス繊維に限らず、セラミック繊維、無機繊維、
金属繊維および有機繊維等でもよく、繊維の具体的な選
定は、実施にあたり適宜行えばよい。
性樹脂としては、ポリプロピレンに限らず、プロピレン
−エチレンブロック共重合体、ポリエチレン等のポレオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリ芳香族エーテルまたはチオエーテル系樹脂、ポ
リ芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂およびア
クリレート系樹脂でもよく、繊維強化成形品が形成でき
る熱可塑性樹脂であれば、具体的な組成は適宜選択でき
る。また、樹脂ペレットに含有される補強用繊維として
は、ガラス繊維に限らず、セラミック繊維、無機繊維、
金属繊維および有機繊維等でもよく、繊維の具体的な選
定は、実施にあたり適宜行えばよい。
【0042】さらに、前記実施例では、原材料に発泡剤
を含んでいなかったが、原材料には、当該原材料100
重量部に対して3重量部以下の発泡剤を含ませてもよ
い。このように、発泡剤を含有させれば、スプリングバ
ック現象における繊維の復元力が不足する場合において
も、発泡剤の発泡力が繊維の復元力を補完するので、ス
プリングバック現象を生じさせるには、繊維量が多少不
足する場合でも、移動型が後退するのに応じて、所望の
容積にまで溶融樹脂を確実に膨張させることができる。
ここで、発泡剤の含有量が3重量部を超えると、シルバ
ーマークが生じる場合が多くなり、外観品質上の不具合
が生じるおそれがあるうえ、成形品の内部に大きな中空
分が発生し、強度や剛性が著しく低下する場合がある。
を含んでいなかったが、原材料には、当該原材料100
重量部に対して3重量部以下の発泡剤を含ませてもよ
い。このように、発泡剤を含有させれば、スプリングバ
ック現象における繊維の復元力が不足する場合において
も、発泡剤の発泡力が繊維の復元力を補完するので、ス
プリングバック現象を生じさせるには、繊維量が多少不
足する場合でも、移動型が後退するのに応じて、所望の
容積にまで溶融樹脂を確実に膨張させることができる。
ここで、発泡剤の含有量が3重量部を超えると、シルバ
ーマークが生じる場合が多くなり、外観品質上の不具合
が生じるおそれがあるうえ、成形品の内部に大きな中空
分が発生し、強度や剛性が著しく低下する場合がある。
【0043】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、1台の射
出成形機および一種類の成形材料で、構造の異なる複数
種類の樹脂層が多層に成形可能となり、剛性および耐熱
性等の機械的特性の向上および軽量化が図れるうえ、外
観品質に優れた繊維強化樹脂成形品を得ることができ、
自動車部品や建築土木溶部材に適用すれば、その機械的
効率や作業効率を向上させることができる。
出成形機および一種類の成形材料で、構造の異なる複数
種類の樹脂層が多層に成形可能となり、剛性および耐熱
性等の機械的特性の向上および軽量化が図れるうえ、外
観品質に優れた繊維強化樹脂成形品を得ることができ、
自動車部品や建築土木溶部材に適用すれば、その機械的
効率や作業効率を向上させることができる。
【図1】本発明の第1実施形態に係る射出成形機の全体
を示した側面図である。
を示した側面図である。
【図2】前記実施形態の成形手順を説明するための図で
ある。
ある。
【図3】本発明の実施例で採用された表皮面材を示す断
面図である。
面図である。
【図4】本発明の実施例の評価方法を説明するための図
である。
である。
1 射出成形機 10 金型 11 キャビティ 12 移動型としての可動コア 32 表皮面材 S 第1の位置 U 第2の位置 V 第3の位置
Claims (9)
- 【請求項1】長さが2〜100mmの範囲にされた補強用
繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットが含まれ
るとともに、前記補強用繊維が当該原材料全体の5〜7
0重量%とされた原材料を用い、かつ、内部のキャビテ
ィに対して進退可能となった移動型を備えた金型のキャ
ビティに、前記原材料を可塑化した所定量の溶融樹脂を
射出することにより、成形品の成形を行う繊維強化熱可
塑性樹脂の成形方法であって、 前記キャビティが所定の容積となる第1の位置に前記移
動型が配置された状態で、第一回目の樹脂射出を開始し
てから、前記キャビティ内の溶融樹脂を圧縮するため
に、前記移動型を前進させ、補強用繊維含有樹脂中実層
を形成した後、前記移動型を後退させ、前記キャビティ
を拡張するとともに、第二回目の樹脂射出を開始するこ
とを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂の
成形方法において、前記原材料には、当該原材料100
重量部に対して3重量部以下の発泡剤を含有することを
特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の繊維強化
熱可塑性樹脂の成形方法において、前記原材料は、全長
が2〜100mmの範囲にされるとともに、前記全長と等
しい長さの補強用繊維が、互いに平行に配列された状態
となって全体の20〜80重量%含有された前記繊維含
有熱可塑性樹脂ペレットを含むとともに、前記補強用繊
維が当該原材料全体の20〜70重量%とされているこ
とを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法。 - 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
の繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法において、前記第二
回目の樹脂射出は、前記キャビティが所定の容積だけ拡
張される第2の位置まで前記移動型を後退させた状態で
行われ、前記第二回目の樹脂射出により前記キャビティ
を溶融樹脂で充満させた後、前記キャビティが成形品に
応じた容積となる第3の位置まで前記移動型を再度後退
させることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の成形方
法。 - 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
の繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法において、前記第二
回目に射出された前記溶融樹脂の量は、前記第2の位置
まで前記移動型が後退した際に拡張された前記キャビテ
ィの容積拡張分に相当する量であることを特徴とする繊
維強化熱可塑性樹脂の成形方法。 - 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
の繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法において、前記金型
には、成形品の表面を被覆するための表皮面材が、成形
前に予め装着されていることを特徴とする繊維強化熱可
塑性樹脂の成形方法。 - 【請求項7】射出した溶融樹脂を圧縮して実質的に密と
された補強用繊維含有樹脂成形層と、空隙を有する補強
用繊維含有樹脂空隙層とが、同一組成の樹脂から一体成
形されることにより、軽量化されていることを特徴とす
る繊維強化熱可塑性樹脂の成形品。 - 【請求項8】請求項7に記載の繊維強化熱可塑性樹脂の
成形品において、軽量化により、R=(V×ρ−W)/
(V×ρ)で表される軽量化率Rが0.1〜0.8の範
囲になっていることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂
の成形品。ただし、Vは成形品の容積であり、ρは原材
料の平均密度であり、Wは成形品の重量である。 - 【請求項9】請求項7または請求項8に記載の繊維強化
熱可塑性樹脂の成形品において、前記成形品中に含まれ
る繊維の平均繊維長が2mm以上となっていることを特徴
とする繊維強化熱可塑性樹脂の成形品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15966897A JPH115235A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法および成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15966897A JPH115235A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法および成形品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH115235A true JPH115235A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15698738
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15966897A Withdrawn JPH115235A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法および成形品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH115235A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006110996A (ja) * | 2004-10-15 | 2006-04-27 | Incos Spa | プラスチック成形材からなる物品を具体的には射出圧縮によって製造するための方法及び装置 |
| JP2006281698A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Ube Machinery Corporation Ltd | 発泡成形品の成形方法及び発泡成形品の成形装置 |
| JP2007055122A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-03-08 | Ube Machinery Corporation Ltd | 熱可塑性樹脂の多層成形方法 |
| GB2615378A (en) * | 2022-02-03 | 2023-08-09 | Toshiba Kk | Injection molding apparatus and injection molding method |
| JP2026006600A (ja) * | 2024-06-28 | 2026-01-16 | クミ化成株式会社 | 二層構造成形品の製造方法 |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP15966897A patent/JPH115235A/ja not_active Withdrawn
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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