JPH1155911A - リラクタンスモータ - Google Patents

リラクタンスモータ

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JPH1155911A
JPH1155911A JP36705797A JP36705797A JPH1155911A JP H1155911 A JPH1155911 A JP H1155911A JP 36705797 A JP36705797 A JP 36705797A JP 36705797 A JP36705797 A JP 36705797A JP H1155911 A JPH1155911 A JP H1155911A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】偶数の磁極mを有するロータRを構成する
磁性体が、高い結晶磁気異方性を有する化合物の結晶粒
を含むとともに、該結晶粒を所望の方向に配向すること
により、上記磁性体中に、上記磁極間を結ぶ磁路が形成
されており、且つ、上記磁性体が、低保磁力を有するリ
ラクタンスモータに関するものである。 【効果】ロータの突出度を余り大きくしないでも、ロー
タの角度位置によるリラクタンス差を大きくする手段を
得たので、モータの力率や効率を改善できるようになっ
た。また、インナーロータ型だけでなく、アウターロー
タ型やディスクロータ型のリラクタンスモータが可能に
なり、用途によって、選択の幅が拡がった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステータの励磁に
より発生する磁束が、ロータを通って磁気回路を形成す
るとき、磁気回路における磁気抵抗、即ち、リラクタン
スが最小になるように、ロータにトルクが働く原理(こ
の原理によって、発生するトルクをリラクタンストルク
という。)によって、ロータが回転駆動される、あらゆ
る種類のモータに関するもので、その代表的なモータ
は、リラクタンスモータと呼ばれる。その他に、可変リ
ラクタンス型ステッピングモータが知られている。これ
ら従来のリラクタンスモータは、軟磁性体と空気の単位
面積、単位長さ当たりのリラクタンスの差を利用して、
ロータの角度位置によるリラクタンスの差を形成し、リ
ラクタンストルクを得るものである。
【0002】本発明では、従来のリラクタンスモータと
は異なった構成のモータも提案されるが、本発明におい
ては、既存の型のリラクタンスモータにとらわれず、ロ
ータのステータに対する角度位置によって、リラクタン
スが変化し、リラクタンスが最小になるように、ロータ
が回転しようとする原理に基づくモータを全てリラクタ
ンスモータと呼ぶことにする。
【0003】
【従来の技術】従来、一例として、図14に示されてい
るように、4つの突極r1〜r4を有する、軟磁性体か
らなるロータRと、相対して配置されるとともに、それ
ぞれに巻線が巻回された3対の突極s1、s1’、s
2、s2’、s3、s3’を有するステータSからなる
リラクタンスモータが知られている。ステータSの相対
する突極s1、s1’の巻線にだけ電流を流して、突極
s1がS極に、また、突極s1’がN極に磁化されて、
ロータRの突極r1が、図14に示されている位置にあ
る状態から、ステータSの相対する突極s2、s2’の
巻線にだけ電流を流して、突極s2をN極に、また、突
極s2’をS極に磁化すると、ロータRの突極r2は、
ステータSの突極s2に移動する。これは、ロータRの
突極r1〜r4が、隣接するステータSの突極s1、s
1’、s2、s2’、s3、s3’の中間に位置してい
るときが、リラクタンスが大きく、また、ロータRの突
極r1〜r4とステータSの突極s1、s1’、s2、
s2’、s3、s3’とが一致している場合に、リラク
タンスが最も小さく、ロータRは、リラクタンスが小さ
くなる方向に移動しようとするために、上記のように、
隣接するステータSの突極s2と突極s3の間に位置す
るロータRの突極r2が、ステータSの突極s2の方向
に移動し、ロータRが回転することになる。次いで、ス
テータSの相対する突極s3、s3’の巻線にだけ電流
を流して、突極s3をS極に、また、突極s3’をN極
に磁化すると、ロータRの突極r3は、ステータSの突
極s3に移動する。このように、ステータSの相対する
突極s1、s1’の巻線、次いで、ステータSの相対す
る突極s2、s2’の巻線、次いで、ステータSの相対
する突極s3、s3’の巻線というように、順次、各巻
線に電流を流して、ステータSの回りに回転磁界を発生
させることにより、ロータRが、図14において、反時
計方向に回転する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図15に示されている
ように、ロータRのリラクタンストルクは、ロータRの
突極rが、ステータSの隣接する突極sの中間に位置す
る時のリラクタンスと、ロータRの突極rが、ステータ
Sのいずれかの突極sと一致する角度位置にある時のリ
ラクタンスとの差が大きいほどロータRに働くリラクタ
ンストルクは大きい。また、このリラクタンスの差を大
きくすることができれば、リラクタンスモータの力率や
効率を改善できることが知られている。ロータRの突極
rが、ステータSの隣接する突極sの中間に位置する時
のリラクタンスと、ロータRの突極rが、ステータSの
いずれかの突極sと対峙した時のリラクタンスとの差を
大きくするために、ロータRの突極rの突出度を大きく
したり、非磁性体層を挟んで積層された鉄板によりロー
タRを形成する方法(アキシャリィラミネイテッド型リ
ラクタンスモータ)や、鉄板に多数のスリットを金型打
抜加工により形成して、鉄板内において、リラクタンス
が大きい方向と小さい方向を形成し、このような鉄板を
積層してロータRを形成する方法(フラックスバリヤ型
リラクタンスモータ)等、多くの工夫がなされてきた。
【0005】しかしながら、ロータRの突極rの突出度
を大きくすると、リラクタンスモータの直径が大きくな
り、リラクタンスモータが大型化し、また、ロータRの
直径を変えずに、ロータRの突極rの突出度を大きくす
るということは、突極rを細くすることであるから、ス
テータSの突極sが、ロータRの突極rを引きつける力
(トルク)をかえって減少させる面もあり、ロータRの
突極rの突出度を大きくするには限界がある。更に、ロ
ータRに大きい突極rが形成されると、トルクリップル
が大きくなったり、空気抵抗が大きく、また、騒音が大
きくなるという問題があった。
【0006】アキシャリィラミネイテッド型リラクタン
スモータやフラックスバリヤ型リラクタンスモータも、
空気やその他の非磁性物と軟磁性体とのリラクタンスの
差からリラクタンストルクを得るという点では原理は同
じであるので、所謂、突極比を大きくするためには、非
磁性体層やスリット部を厚く、また、数を多くしなくて
はならない。そうすると、ロータR中の磁性体部の体積
比が減少し、トルクが減少したり、ロータRの機械的強
度が低下したりする。ロータR中の磁性体量を、一定量
確保するために増大させると、ロータRが大型化すると
いう問題があった。また、非磁性体層や空間の形状によ
り、リラクタンスの大きい方向を作るという原理に基づ
く限り、ロータRとしては、外周部に界磁ステータSが
あり、その内側において、ロータRが回転する、所謂、
インナーロータ型のリラクタンスモータのみが可能で、
後述するアウターロータ型やディスクロータ型は、ロー
タの空間占有体積が大きくなり過ぎて実現不可能であっ
た。
【0007】上述した問題、即ち、ロータRの突出度を
大きくしないとリラクタンストルクを大きくできないと
いう問題は、ロータRが、磁気的に等方的な軟磁性材料
によって構成されているためである。即ち、このロータ
Rを構成する軟磁性材料が、何方の方向にも容易に磁化
される性質を持っているため、図15に示すように、ロ
ータRの突極rが、ステータSの励磁された1つの突極
sから、ずれた位置にあるとき、この励磁された突極s
の先端s4から発生する磁束が、ロータRの突極rの先
端r5だけでなく、突極rの側面r6や隣の突極rとの
中間の面r7に入り、ロータR中を通過してステータS
の励磁されたもう一方の突極s(2つの突極sは、ペア
になるように励磁されている。)に向かって出ていく。
このように、ステータSの励磁された突極sからの磁束
が、ロータRの突極rの先端r5以外の側面r6や中間
の面r7からも容易に入って、また、出ていくために、
ロータRの突極rの突出度を大きくしないと、リラクタ
ンストルクを大きくできないという問題があった。
【0008】本発明の目的は、上述した従来のリラクタ
ンスモータが有する課題を解決して、高力率、高効率化
が可能な、より小型化が可能な、また、トルクリップル
低下や低騒音化が可能なリラクタンスモータを提供し、
更に、アウターロータ型やディスクロータ型の新しいタ
イプのリラクタンスモータを提供し、用途に応じて種々
のタイプのモータを選定できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を達成するために、リラクタンスモータにおいて、第1
には、偶数の磁極を有するロータを構成する磁性体が、
高い結晶磁気異方性を有する化合物の結晶粒を含むとと
もに、該結晶粒を所望の方向に配向することにより、上
記磁性体中に、上記磁極間を結ぶ磁路が形成されてお
り、且つ、上記磁性体が、低保磁力を有するものであ
り、第2には、ロータがインナーロータであり、該イン
ナーロータの外側面に、前記磁極が形成されているもの
であり、第3には、ロータがアウターロータであり、該
アウターロータの内側面に、前記磁極が形成されている
ものであり、第4には、ロータがディスクロータであ
り、該ディスクロータの円板面に、前記磁極が形成され
ているものである。
【0010】
【実施例】本発明の特徴は、以下に説明するような、高
い結晶磁気異方性を有する化合物の結晶粒を含む磁性体
の前記結晶粒を、後述するように所望の方向に配向させ
た、前記磁性体によりロータを構成することにより、高
性能なリラクタンスモータを製造したものである。
【0011】先ず最初に、本発明のリラクタンスモータ
のロータに使用される磁性体について説明する。
【0012】ある種の磁性体は、その単結晶の磁化曲線
を測定すると、結晶方向によって、磁化されやすさに、
相違があることが知られている。例えば、正方晶又は六
方晶等の結晶において、c軸方向に、磁界を印加した場
合には、磁化されやすく、c軸と垂直な面内の方向に、
磁界を印加した場合には、磁化されにくいという、所
謂、一軸磁気異方性の大きな磁性体や、同じく、正方晶
又は六方晶等の結晶において、c軸方向に、磁界を印加
した場合には、磁化されにくく、c軸に垂直な面内に磁
界を印加した場合には、磁化されやすいという、所謂、
面内磁気異方性の大きな磁性体が知られている。なお、
磁化されやすい方向を磁化容易方向といい、磁化されに
くい方向を磁化困難方向という。
【0013】上述した磁気異方性について、化合物の結
晶粒の集合体の模式図である図1を用いて、より具体的
に説明する。この集合体は直方体の形状で、その上下面
及び側面を、図示のようにP,Q,R,S面とする。図
1に示されているように、一軸磁気異方性の大きな結晶
粒sのc軸を、矢印で示されているように、P、Q面に
垂直になるように揃えると、磁束は、これらの面に垂直
な方向には、極めて通りやすく、また、これらP、Q面
に平行な方向は、どの方向にも、極めて通りにくい。ま
た、面内磁気異方性の大きな結晶粒sのc軸を、図1に
示されているように、一方向に揃えた場合には、磁束
は、P、Q面に垂直な方向には、極めて通りにくく、ま
た、これらの面に平行な方向は、どちらの方向でも、磁
束は、極めて通りやすい。
【0014】上述した一軸磁気異方性或いは面内磁気異
方性の大きな化合物としては、R2Fe14B、R2 Fe
173 、RFe11Ti,RFe11V,RFe11TiN,
2(Fe1-x Cox 17等がある。これらは、希土類
(R)の種類(17種)によって、室温で一軸磁気異方
性を示す場合と、面内磁気異方性を示す場合とがある。
例えば、R2 Fe14Bの金属間化合物においては、R=
Pr,Nd,Tb,Dyのとき一軸磁気異方性を示し、
また、R=Smのとき面内磁気異方性を示す。また、R
2 Fe173 の金属間化合物においては、R=Pr,N
dのとき面内磁気異方性を示し、また、R=Smのとき
一軸磁気異方性を示す。
【0015】本発明で使用される磁心材料では、これら
の高い結晶磁気異方性を有する化合物の結晶粒を含む。
ここで、高い結晶磁気異方性とは、異方性磁界(Ha)
で、その結晶磁気異方性を表したとき、異方性磁界(H
a)が、20kOe以上、望ましくは、30kOe以上
の化合物をいう。
【0016】本発明は、これらの高い結晶磁気異方性を
有する化合物の結晶粒を含み、その結晶磁気異方性の効
果により、磁性体全体として、磁化容易方向と磁化困難
方向を持ち、その磁化容易方向と磁化困難方向における
磁化の差が大きな磁性体を、リラクタンスモータのロー
タに使用することを提案する。そして、本発明において
は、ロータに使用される磁性体を構成する高い結晶磁気
異方性を有する化合物の結晶粒の配向方向が、所望の方
向に制御されたものであり、更に、本発明においては、
ロータに使用される磁性体は、保磁力が、2kOe以
下、好ましくは、1kOe以下であることを特徴とする
ものである。
【0017】先ず最初に、本発明のリラクタンスモータ
のロータに使用される磁性体の特徴ある構成としての磁
化容易方向と磁化困難方向における磁化の差が大きな点
について説明する。なお、磁化容易方向と磁化困難方向
は、上述の高い結晶磁気異方性を有する化合物の結晶粒
について定義されるものであるが、以下に述べる磁化容
易方向と磁化困難方向は、これら化合物の結晶粒を含む
磁性体全体としての磁気的性質に関するものである。ま
た、本発明における磁性体の磁気異方性とは、磁性体に
含まれている化合物の結晶磁気異方性ではなく、磁性体
全体としての、磁化容易方向と磁化困難方向における印
加磁界に対する磁化の立ち上がりの差、又は、比に関す
るもので、その差、又は、比が大きいものを磁気異方性
が大きい磁性体と呼ぶことにする。
【0018】磁気異方性を有する磁性体の磁化容易方向
と磁化困難方向における磁化曲線は、一例として、図2
に示されているようになる。即ち、磁化容易方向、即
ち、磁束の通りやすい方向に磁界を印加した場合には、
図2の磁化曲線(a)に示されているように、飽和磁化
(Is)まで、磁化は略垂直に立ち上がっているが、磁
化困難方向に磁界を印加した場合には、(b)に示され
ているように、飽和磁化(Is)までの磁化の立ち上が
り勾配が、大変小さい。
【0019】本発明のリラクタンスモータのロータに使
用される磁性体は、磁化困難方向に磁界を印加した場合
の磁化曲線における、飽和磁化(Is)までの磁化の立
ち上がり勾配が、磁化容易方向に磁界を印加した場合の
磁化曲線における、飽和磁化(Is)までの磁化の立ち
上がり勾配に比べて、緩やかであることが重要である。
この勾配の差を表す指標として、磁界が5kOeのとき
に測定される、磁化容易方向の磁化の大きさ(Ie)と
磁化困難方向の磁化の大きさ(Id)との比を用いる。
そして、本発明のリラクタンスモータのロータに使用さ
れる磁性体においては、磁化容易方向の磁化の大きさ
(Ie)と磁化困難方向の磁化の大きさ(Id)との比
(Ie/Id)が、2以上であることが望ましい。
【0020】上述した条件を、本発明のリラクタンスモ
ータのロータに使用される磁性体の磁気異方性に関する
基準に選んだ理由は、これまでロータ材料として使われ
た磁性体の中で、5kOeもの高磁界で、これほど大き
い磁化の異方性、即ち、大きい比(Ie/Id)を示す
材料は前例が無く、方向性硅素鋼板や積層鋼板等、磁気
的な異方性を持つことが知られている磁性体でも、上記
の基準と比べると、はるかに、磁気異方性が小さいから
である。5kOeという高磁界を印加すると、従来の磁
性体では、印加方向がどんな方向でも、磁性体が測定方
向に細長ければ(反磁界係数が小さければ)、磁化は、
かなり飽和に近くなる。5kOeという高磁界は、本発
明のリラクタンスモータのロータに使用される磁性体
を、従来のものと区別するための測定磁界として最適で
ある。
【0021】磁化容易方向の磁化の大きさ(Ie)と磁
化困難方向の磁化の大きさ(Id)との比(Ie/I
d)が、2より大きいと、磁性体を通過する磁束に対し
て、磁化容易方向と通過する磁束のなす角度により、リ
ラクタンスの差が大きくなり、(Ie/Id)の比が、
更に大きくなると、リラクタンスの角度依存性が、更に
大きくなるので、ロータ材料として、更によい磁性体に
なる。なお、比(Ie/Id)を測定するための磁化測
定においては、試料の形状に起因する反磁界を補正した
磁化曲線によらなければならない。
【0022】ロータ構造を、従来と同じ突極型にする場
合には、上述した磁性体の磁化容易方向の磁化の大きさ
(Ie)と磁化困難方向の磁化の大きさ(Id)との比
(Ie/Id)が2以上でなくても、例えば、比(Ie
/Id)が、1.2〜1.5でも、その磁性体の中の高
異方性結晶粒の磁化容易方向を、突極から隣の突極を結
ぶ方向に配向することにより、突極型の形状から得られ
るリラクタンスの差に、本発明の磁気異方性から得られ
るリラクタンスの差が相加的に働き、従来の軟磁性体だ
けで形成されるロータを使う場合よりも、リラクタンス
トルクを大きくすることができ、また、ロータの突出度
を余り大きくしなくても、所望のリラクタンストルクが
得られるようになる。比(Ie/Id)が大きい磁性体
を用いることにより、ロータを突極にしなくても、即
ち、円柱状でも、また、非磁性体層を設けたり、スリッ
トを配置したりしなくても、高異方性結晶粒の磁化容易
方向の配向により、軟磁性体のみで構成された従来の突
極を持つロータの場合と同じように、磁極から磁束が入
る場合と、磁極間から磁束が入る場合とで、リラクタン
スの差を与えることができ、従って、リラクタンストル
クを与えることができる。このように、ロータが円柱状
の場合或いは突出度が小さい形状の場合には、比(Ie
/Id)は、2以上が望ましく、比(Ie/Id)が、
もっと大きければ、更に、大きいリラクタンストルクが
得られる。
【0023】磁性体の1つの磁気特性として、飽和磁化
(Is)が大きいことが重要である。飽和磁化(Is)
を大きくすることにより、磁心材料の磁束通過断面積を
小さくすることができるので、ロータを小さくすること
ができ、従って、リラクタンスモータを小型化すること
ができるからである。
【0024】本発明においては、ロータに使用される磁
性体として、飽和磁化が大きく、且つ、磁気的にソフト
な(即ち、保磁力が小さい)高異方性磁性体材料を使う
ことを提案する。即ち、上述したように、保磁力を、2
kOe以下、好ましくは、1kOe以下としたものであ
る。保磁力が、2kOe以下であれば、本発明のロータ
が、該モータ中に装備されている電磁石や永久磁石によ
り、最初に磁化された後に、使用中又は分解修理中に、
何らかの理由により、望ましくない方向に磁化されてし
まっても、ロータが組み込まれたモータ中に装備されて
いる電磁石や永久磁石からの磁束により、正常な方向に
再磁化されるので、モータが異常動作等を起こすことな
く、常に、正常に動作することになる。磁性体は、一般
に、保磁力が大きくなると、磁化の可逆性が失われる。
本発明のロータにおいて、ロータを構成する磁性体の保
磁力(iHc)が、2kOeを越えると、運転中や修理
中に、何らかの理由により、一旦、減磁されたり、正常
方向と異なる方向に磁化されてしまったとき、正常な方
向に磁化するためには、モータ中に装備された電磁石や
永久磁石からの磁界では磁化力不足で、別に用意された
パルス磁界源等による強力な着磁が必要となる。これは
実用的ではない。保磁力を、1kOe以下とすることに
より、磁化の可逆性は、更に高まり、上述の中途半端な
保磁力を持つ磁性材料を、ロータに使うことにより起こ
り得る種々の問題が、全くなくなる。
【0025】磁気異方性が大きく、飽和磁化が大きく、
保磁力が小さい磁性体として、次のような構成の磁性体
がそれにあてはまる。先ず、磁気異方性が大きいために
は、上述した磁気異方性が大きい化合物の結晶粒が含ま
れていることが必要である。そして、それらの結晶粒の
結晶方向が一定方向に配向されていることが必要であ
る。磁性体として、これら高結晶磁気異方性化合物の結
晶粒だけからなるとき、その磁性体の磁気異方性は極め
て大きくなる。上述の比(Ie/Id)は、2よりもず
っと大きく、Nd2 Fe14BやSm2 Fe173 等を使
用すると、比(Ie/Id)>5〜10の高異方性磁性
体が容易に得られる。
【0026】一方、飽和磁化が大きいことが必要なの
で、NdFeB焼結磁石において必要なNd−rich
相のような非磁性相はできるだけ少なくする。更に、飽
和磁化を大きくするために、上述の高異方性化合物の他
に、FeやFeCo合金等を加える。このような高結晶
磁気異方性化合物の結晶粒とFeやFeCo合金等の高
飽和磁化軟磁性合金の結晶粒との混合体は、本発明のロ
ータを構成する磁性体として最適である。その混合比
は、高い磁気異方性を持つ磁性体として、通常のFeや
FeSi等のFe合金(以下、Fe合金とは、高異方性
の化合物が含まれてない、従来法のロータを構成する等
方性軟磁性体を指す。)のみからなる磁性体に比べて、
顕著な効果を持つためには、磁性体全体の中で、高磁気
異方性化合物の体積比は、少なくとも、20%、望まし
くは、30%以上必要である。また、保磁力を小さくす
るために、永久磁石として望ましい合金組織が微細であ
ることと逆行する、合金組織が十分粗大であることが必
要である。また、上述のFeやFeCoが磁性体中に含
まれていることは、保磁力低下に好都合である。
【0027】次に、図3を用いて、高い結晶磁気異方性
を有する化合物の結晶粒を含む磁性体の前記結晶粒を、
所望の方向に配向させてロータを製造する、一例につい
て説明する。
【0028】例えば、図3(a)に示されているよう
な、700°C以上の高温に加熱された、Sm2 Fe14
Bを含む合金の断面十字状の素材塊w1を、太い十字状
から、徐々に、細い十字状に、断面積を余り変えずに押
し出し加工すると、図3(b)に示されているように、
寸法が収縮した方向と平行に、Sm2 Fe14Bの結晶粒
のc軸が配向した、側断面形状が十字状の磁心材料1が
製造できる。この場合、ロータの突極を構成する、十字
状の磁心材料1の4つの突出部分1aは、内側に収縮し
ているので、矢印で示されているように、突出部分1a
の突出方向に対して垂直な方向にc軸が配向し、また、
十字状の磁心材料1の4つの窪んだ角部1bでは、角部
1bの曲率半径方向にc軸が配向することになる。そし
て、Sm2Fe14Bは、面内異方性を示すので、図3
(b)に矢印で示したc軸方向に垂直な面が、磁化容易
方向となり、c軸方向が、磁化困難方向になる。
【0029】従って、図3(b)に示されているように
結晶粒のc軸が配向された面内磁気異方性を有する十字
状の磁心材料1を、図4に示されているリラクタンスモ
ータのインナーロータRに使用すると、図3(b)と同
じ断面形状を持ち、通常のFeやFeSi等の軟磁性材
料からなるインナーロータを使用する場合に比べて、リ
ラクタンストルクを大きくできる。それは、図3(b)
のように、配向されたSm2 Fe14Bを含むインナーロ
ータを使用することにより、ステータの1つの磁極から
出て、インナーロータを通過して、90°ずれた位置の
ステータの磁極に入る磁束を考えるとき、磁束のロータ
中での道筋によるリラクタンスの大きさの差は、ステー
タの磁極とインナーロータの磁極の間の空間の大きさ
の、インナーロータの角度位置による差の効果(これは
等方性軟磁性体による従来のインナーロータを使用した
ときのリラクタンストルクを与える。)に加え、磁束が
高異方性磁性体の磁化容易方向に沿って進むか、それと
も、磁化困難方向に沿って進むかによる磁気異方性の効
果が加算されるからである。
【0030】なお、図3(b)の4極インナーロータの
最終形状は、熱間加工前の素材塊w1の形状(図3
(a))により必要に応じて調整できる。もし図3
(b)よりも突出度の小さい形状が望ましいならば、素
材塊w1の形状を、図3(a)よりも、もっと突出度が
小さい形状、若しくは、ほとんど円柱に近い形状から出
発して、突出度をそれより少し大きくすることにより得
られる。もし、図3(a)の素材塊w1を、断面積は変
えずに、図3(a)において突出している部分w1’
を、凹んでいる部分w1”と、中心からの距離が同じに
なるように加工すると、円柱状のロータが得られ、図3
(a)で突出していた部分w1’では、加工された円柱
状のロータの円柱側面に対して化合物のc軸方向が垂直
に、逆に、図3(a)で凹んでいる部分w1”では、上
記円柱側面に対して化合物のc軸方向が平行になり、S
2 Fe14Bの化合物の場合、前者(もともと突出して
いた部分w1’)からは磁束が入りにくく、後者(もと
もと凹んでいた部分w1”)からは磁束が入りやすい円
柱状インナーロータが作製できる。
【0031】図5に示されている実施例では、一軸磁気
異方性を示す化合物の結晶粒を含む粉末を、円筒状の金
型2内で、圧縮成形して円柱状圧粉体w2を成形する。
このとき、圧縮前に、円筒状の金型2の周囲に90°間
隔で配設された4組のコイル3に、電流を流すことによ
り、矢印で示されているように、磁力線が、1つの磁極
を通って、他の磁極に入るように磁界を印加して、化合
物の結晶粒を磁界配向し、配向を保ったまま圧縮成形す
る。このようにして成形された円柱状圧粉体w2を焼結
することにより、或いは、円柱状圧粉体w2に、予め、
含有させておいた樹脂粉末を硬化させることにより、図
6に示されているように、円柱体側面を円周に沿って4
等分する位置に、化合物の結晶のc軸方向が集中した極
が形成された円柱状の磁性体が製造される(図6におい
て、点線は、磁力線を示す。)。この円柱状磁性体で
は、上記4つの極においては化合物の結晶のc軸方向
が、円柱の側面に垂直であり、これらの極の間では、隣
りどうしの極を結ぶ方向に、化合物の結晶のc軸方向が
配向されている。
【0032】上述のようにして製造された円柱状磁性体
を、図7に示されているリラクタンスモータのインナー
ロータRに使用すると、ステータSの突極sの1つを励
磁したとき、上述のc軸方向が配向された極mの1つ
が、ちょうど、この励磁された突極sの位置に一致した
とき、磁路のリラクタンスが最小になり、この励磁され
た突極sが、隣りどうしの極mの中間に位置したとき、
磁路のリラクタンスは最大になる。このリラクタンスの
差によりリラクタンストルクが生じてインナーロータR
が回転することになる。
【0033】上述したように、ロータRを円周方向に4
等分する位置に磁極mが形成されるとともに、隣接する
磁極m間を、円弧状に結ぶように、結晶のc軸が配向し
た磁路が形成されているので、磁極m部分に、突極が形
成されたような円柱状のインナーロータRを構成するこ
とができる。このようなインナーロータRは、円柱状に
形成されており、突極を有していないので、インナーロ
ータRを小型化することができるとともに、トルクリッ
プルが少なく、騒音の発生を抑えることができる。即
ち、従来の軟磁性材料によるインナーロータでは空間を
作ることによりリラクタンスを大きくする部分を形成し
ていたのに対して、本実施例では、従来法の空間に当た
る部分は、磁束の通路として有効に利用されている。こ
のためモータ内に余分な空間を設ける必要がなく、モー
タの小型化、トルクリップル抑制、低騒音化が可能とな
る。
【0034】図8に示されている実施例は、図7に示さ
れているインナーロータRにおいて、各磁極m間に位置
する円周面を削除して、突極rを形成したものである。
このように、突極rを形成することにより、リラクタン
スの最小値と最大値との差を更に大きくすることがで
き、従って、リラクタンストルクのより大きなリラクタ
ンスモータを製造することができる。図8のロータを、
従来の軟磁性材料のみからなるロータに比べると、形状
の突出度が同じなら、図8のロータの方が従来法のロー
タよりも大きいリラクタンス差を与えることができ、リ
ラクタンストルクを大きくできる。モータの効率や力率
の改善に関して、従来法の突出度を大きくしたり、スリ
ットを多数設けてリラクタンス差を大きくするだけの手
段では、限界に達していたが、本発明の方法により、突
出度やスリット数や幅は余り大きくしないで、リラクタ
ンス差を大きくすることができるようになったので、従
来の限界を越えて、リラクタンス差の観点から、モータ
の力率や効率を改善することができるようになった。
【0035】図9に示されているインナーロータRは、
図7に示されているインナーロータRにおいて、各半径
線4a〜4dに沿って、Fe又は/及びFe合金からな
る十字状枠5を埋設したものである。このFe又は/及
びFe合金からなる十字状枠5は塊状Fe又はFe合金
を加工したもの、又は、薄板状Fe又は/及びFe合金
を積層したものを使用することができる。このように、
各半径線4a〜4dに沿って、Fe又は/及びFe合金
からなる十字状枠5を埋設したことにより、インナーロ
ータRの機械的強度が増し、高速回転のリラクタンスモ
ータ用ロータとして使用できる。特に、上述の十字状枠
を積層した硅素鋼板により製作することにより、ロータ
内に発生する渦電流を減少させることができる。この実
施例のように、本発明のロータは、ロータ全体が高い結
晶磁気異方性を持つ化合物の結晶粒を含む高異方性磁性
体のみにより形成される必要はなく、その一部がこのよ
うな高異方性磁性体からなり、その磁性体が所望の方向
に配向されていて、高異方性磁性体と等方的なFeやF
e合金の組み合わせにより、所望の方向に磁路が形成さ
れていても、本発明の効果を発揮することができる。
【0036】図10に示されているインナーロータR
は、図8と同様に、図9に示されているインナーロータ
Rにおいて、Fe又は/及びFe合金からなる十字状枠
5間に位置する円周面を削除して、突極rを形成したも
のであり、このように、突極rを形成することにより、
リラクタンスの最小値と最大値との差を更に大きくする
ことができ、従って、リラクタンストルクの大きなリラ
クタンスモータを製造することができる。
【0037】従来法のリラクタンスモータのインナーロ
ータでは、始動時に、誘導モータとして加速するため、
かご形のロータバーが軟磁性材料のインナーロータに取
付けられている。本発明のリラクタンスモータでもイン
ナーロータにCuやAl製のロータバーを取付け、誘導
モータとして始動するようにすることもできる。
【0038】上述した実施例は、ロータが、ステータの
内側に配置された、所謂、インナーロータ型のリラクタ
ンスモータについて説明したが、本発明の趣旨は、ロー
タが、ステータの外側に配置された、アウターロータ型
のリラクタンスモータに適用することができる。
【0039】図11に示されている実施例では、円筒状
に形成された、高異方性磁性体からなるアウターロータ
Rの内側に、ステータSを構成するコイル6aが巻回さ
れた鉄心6を、放射線状に配置し、アウターロータRの
内径面に12個の磁極mが形成されている。そしてアウ
ターロータR内では、隣どうしの磁極mを結ぶように、
高い結晶磁気異方性を持つ化合物の結晶の磁化容易方向
が配向されている。ステータSの突極を形成する鉄心6
の先端部6bが、磁極mに対峙するように位置した時
に、リラクタンスが最小となる。また、鉄心6の先端部
6bが、隣どうしの2つの磁極mの中央部に位置する時
には、アウターロータRの磁極m間では、磁化容易方向
は円周面に平行であり、鉄心6の先端部6bからアウタ
ーロータRに侵入する磁束の方向は、アウターロータR
を構成する磁性体の磁化困難方向に当たるので、アウタ
ーロータRがステータSに対してこの位置のとき、リラ
クタンスは最大になる。このリラクタンスの差により、
リラクタンストルクが発生してアウターロータRが回転
する。このアウターロータRを回転させるためには、ア
ウターロータRのステータSに対する角度位置を検出
し、この検出された角度位置により、所望の方向にアウ
ターロータRを回転させるための最適ステータ磁極を選
択して、これを励磁する。この実施例のように、本発明
により、形状的な突極を持たない円筒状磁性体からなる
アウターロータにより、リラクタンスモータが製作可能
となった。アウターロータをFeやFe合金だけで作ろ
うとすると、磁極が大きく突出したものになり、モータ
が大型化したり、風損が大きくなり過ぎたり、回転が不
安定になったりする問題があった。本発明により、始め
て、アウターロータ型のリラクタンスモータが可能とな
った。
【0040】図12に示されている実施例は、図11に
示されている実施例において、アウターロータRの磁極
mに、内側に向かう突極8を形成したものであり、この
ような突極8を形成することにより、上述したリラクタ
ンス差をより大きくすることができ、従って、リラクタ
ンストルクの大きなリラクタンスモータを製造すること
ができる。この場合、リラクタンストルクの主要部分
は、本発明の趣旨である結晶磁気異方性の大きい化合物
の結晶粒の配向の効果によるものであり、形状的な突極
性による部分は、補助的なものであることが望ましい。
これは、突極8の突出度があまり大きくなるとモータが
大型化したり、風損が大きくなったり、回転が不安定に
なったりしやすいからである。
【0041】図13(a)は、4等分された扇状領域9
a〜9dを有するディスクロータRであり、各扇状領域
9a〜9dにおいては、扇状領域9cの正面図である図
13(b)に示されているように、隣接する扇状領域9
c、9dとの上面境界線10に向かう円弧線に沿って、
結晶の磁化容易方向が配向されている。このように形成
されたディスクロータRにおいては、各扇状領域9a〜
9dの境界部に磁極mが形成され、隣接する磁極m間を
結ぶように、結晶の磁化容易方向が円弧状に配向した磁
路が形成されている。
【0042】上述したディスクロータRの上部に、回転
磁界を発生させるステータを配置すると、ステータの磁
極が、ディスクロータRの円板面に形成された磁極mに
対峙するように位置した時に、リラクタンスが最小とな
る。また、ステータの磁極が、扇状領域9a〜9dの中
央部に位置する時には、扇状領域9a〜9dの中央部
は、上下方向が、磁化困難方向であるので、この方向に
磁束が通り難いのでリラクタンスが最大となる。このリ
ラクタンス差を利用して、ディスクロータRを回転させ
ることができる。また、上面境界線10に沿って、上方
に突出した小さい突極を形成することにより、上述した
リラクタンス差をより大きくすることができ、従って、
リラクタンストルクの大きなリラクタンスモータを製造
することができる。この場合にも、リラクタンストルク
の主要部分は、ディスクロータを構成する磁性体の磁気
異方性によることは、上述のアウターロータの場合と同
様である。
【0043】上述したアウターロータとディスクロータ
の場合にも、所望の配向を与える方法として、(1)高
温で磁性体を加工して塑性変形に伴う加工組織として、
磁性体に含まれている高異方性化合物の結晶を配向する
方法と、(2)高異方性化合物の単結晶からなる結晶粒
を含む粉末を、金型やゴム型に充填し、磁界を印加して
結晶粒の結晶方向を配向した後、金型プレス、または、
Rubber Isostatic Press(RI
P)により圧縮して圧粉体を得る方法がある。(2)に
より圧縮成形された圧粉体は、高温に加熱して焼結体に
したり、又は、あらかじめ粉末に樹脂粉を混ぜておき、
樹脂を硬化させて固化する。
【0044】高温の塑性変形により、所望の方向に化合
物の結晶方位を配向する方法の原理は、図3のインナー
ロータの製作のときと同じである。即ち、R2 Fe
14B、又は、R2 Fe14Bを含む合金を700〜800
℃で塑性変形させると、寸法が収縮した方向に平行に結
晶のc軸が向くことが知られている。この原理と、Sm
2Fe14Bは面内異方性を持つこと、そして、Nd2
14BやPr2 Fe14Bは一軸異方性を持つことと合わ
せて、磁化容易方向が所望の方向に配向されたアウター
ロータやディスクロータを製造する。また、粉末を磁界
配向して、その後配向を保ったまま圧縮する方法では、
圧粉に使う金型やゴム型の周囲に磁界発生のためのコイ
ルを配し、コイルに電流を流して、粉末の中に含まれる
高異方性化合物の結晶の磁化容易方向が、コイルから発
生する磁力線の方向に配向される性質を利用する。ロー
タの極数に応じて複数のコイルを配置して、所望の配向
を有するアウターロータやディスクロータを製造する。
また、インナーロータの場合と同様、アウターロータや
ディスクロータにおいても、リラクタンスの小さい磁路
の形成は、所望の方向に配向された高異方性磁性体のみ
からなる場合と、磁路の一部が、等方的なFe又は/及
びFe合金からなり、等方的な磁性体と高異方性磁性体
の組み合わせにより磁路が形成される場合との両方が可
能である。後者の採用により、ロータの機械的強度増強
や渦電流減少(鉄損減少)のために有利な設計が可能に
なる。
【0045】上述した実施例においては、いずれも、イ
ンナーロータの場合4極、アウターロータの場合12
極、ディスクロータの場合4極の例が示されているが、
磁極の数は、公知のリラクタンスモータと同様に、偶数
であれば、用途に応じて自由に選択できる。
【0046】なお、本発明のロータを使用したリラクタ
ンスモータにおいては、ロータの各磁極は、始動時に、
それぞれN極又はS極であることが決まると、その後の
運転中には、各磁極は、その始動時に決められた磁極の
符号を頻繁に変えないよう、できれば、始動時に獲得し
た磁極の符号を運転中ずっと変えないように界磁電流の
方向とタイミングを工夫しなくてはならない。それは、
本発明のロータを構成する磁性体は、従来のリラクタン
スモータのロータに使われているFe−Si合金などに
比べると鉄損がどうしても大きくなりがちであるからで
ある。ただし、ロータ磁極の符号さえ変えなければ、即
ち、ステータの界磁により、ロータの各磁極に、最初の
磁極と逆の方向に磁化するように、逆の強い磁界を印加
するのではなく、磁界の方向は同じで、ただ単に、磁界
の大きさだけが変化するのは、本発明のロータを構成す
る高異方性磁性体の中に大きいヒステリシス損を生じる
理由にならない。従って、ロータの磁極は、始動時に、
一方向に磁化され、N極又はS極になり、その後、運転
中は、その磁極に印加される磁界が同じ方向に大きくな
ったり小さくなったり、零になったりする励磁のされ方
をするように運転されることが望ましい。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明した構成を有してい
るので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0048】ロータの突出度を余り大きくしないでも、
ロータの角度位置によるリラクタンス差を大きくする手
段を得たので、モータの力率や効率を改善できるように
なった。
【0049】また、ロータの突出度を小さく抑えること
ができるので、トルクリップルが小さく、騒音の小さい
リラクタンスモータができるようになった。
【0050】更に、これまで、リラクタンスモータはイ
ンナーロータ型だけしか使われていなかったが、本発明
により、形状的な突出による以外の磁気的異方性の手段
により、ロータの角度位置によるリラクタンス差を大き
くすることができるようになったので、これまで実用的
でないため使われていなかったアウターロータ型及びデ
ィスクロータ型のリラクタンスモータが実用的に可能に
なり、用途によってモータ形式の選択の幅が拡がった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は化合物の結晶粒の集合体の模式図であ
る。
【図2】図2は磁心材料の磁化曲線である。
【図3】図3は断面形状が十字状の面内磁気異方性を有
する磁心材料の素材の断面図と該素材から成形されたイ
ンナーロータの断面図である。
【図4】図4は図3に示されているインナーロータとス
テータからなる本発明のリラクタンスモータの動作を説
明するための模式図である。
【図5】図5は本発明のリラクタンスモータを構成する
円柱状インナーロータの製造装置の概略水平断面図であ
る。
【図6】図6は本発明のリラクタンスモータを構成する
円柱状インナーロータの模式図である。
【図7】図7は図6に示されている円柱状インナーロー
タとステータからなるリラクタンスモータの動作を説明
するための模式図である。
【図8】図8は図6に示されている円柱状インナーロー
タに変更を加えた別の実施例のインナーロータの模式図
である。
【図9】図9は図6に示されている円柱状インナーロー
タに変更を加えた更に別の実施例のインナーロータの模
式図である。
【図10】図10は図6に示されている円柱状インナー
ロータに変更を加えた更にまた別の実施例のインナーロ
ータの模式図である。
【図11】図11は本発明のリラクタンスモータを構成
するアウターロータの模式図である。
【図12】図12は図11に示されているアウターロー
タに変更を加えた別の実施例のアウターロータの模式図
である。
【図13】図13は本発明のリラクタンスモータを構成
するディスクロータの模式図である。
【図14】図14は従来のリラクタンスモータの動作を
説明するための模式図である。
【図15】図15は同じく従来のリラクタンスモータの
動作を説明するための部分模式図である。
【符号の説明】
R・・・・・・・・・・・ロータ S・・・・・・・・・・・ステータ r・・・・・・・・・・・ロータの突極 s・・・・・・・・・・・ステータの突極 m・・・・・・・・・・・磁極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偶数の磁極を有するロータを構成する磁性
    体が、高い結晶磁気異方性を有する化合物の結晶粒を含
    むとともに、該結晶粒を所望の方向に配向することによ
    り、上記磁性体中に、上記磁極間を結ぶ磁路が形成され
    ており、且つ、上記磁性体が、低保磁力を有することを
    特徴とするリラクタンスモータ。
  2. 【請求項2】ロータがインナーロータであり、該インナ
    ーロータの外側面に、前記磁極が形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載のリラクタンスモータ。
  3. 【請求項3】ロータがアウターロータであり、該アウタ
    ーロータの内側面に、前記磁極が形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載のリラクタンスモータ。
  4. 【請求項4】ロータがディスクロータであり、該ディス
    クロータの円板面に、前記磁極が形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載のリラクタンスモータ。
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