JPH1156346A - アスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻体とその抽出物 - Google Patents

アスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻体とその抽出物

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JPH1156346A
JPH1156346A JP9246166A JP24616697A JPH1156346A JP H1156346 A JPH1156346 A JP H1156346A JP 9246166 A JP9246166 A JP 9246166A JP 24616697 A JP24616697 A JP 24616697A JP H1156346 A JPH1156346 A JP H1156346A
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洋子 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻体
を、細胞壁を物理的に破壊することなく、かつアスタキ
サンチンを酸化させないで夾雑物であるクロロフィルを
除去し、アスタキサンチンの抽出効率を高めることを目
的とする。 【構成】 加温したアセトンにより処理し、さらに必要
に応じ、酵素処理又は乾燥処理してなるアスタキサンチ
ン含有ヘマトコッカス藻体及びその抽出物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飼料、餌料、食
品、化粧品、医薬品等広範囲に利用できるアスタキサン
チンを多量に含有したヘマトコッカス藻体とその抽出物
に関する。アスタキサンチンは、甲殻類、魚類等の水産
生物に含まれる赤色カロチノイド色素で、これらの生物
の肉色や体色の発現に深く関与している。現在、アスタ
キサンチンは、マダイやサケ等の養殖魚や鶏卵の色揚げ
剤として使用されている(特開平5-292897号公報、特開
平6-105657号公報)。
【0002】
【従来の技術】有望なアスタキサンチン生産源の一つで
ある単細胞緑藻ヘマトコッカスは、栄養細胞から休眠状
態であるシスト細胞に形態変化した後に、多量のアスタ
キサンチンをシスト細胞中に蓄積する。このシスト細胞
の細胞壁は非常に強固であり、シスト細胞からアスタキ
サンチンを抽出するためには、物理的な細胞壁の破壊が
必要である(特開平3-83577 号公報)。また、強固な細
胞壁を有するシスト細胞を養殖魚の餌料に混合した場
合、その吸収性が悪いためアスタキサンチンの色揚げ効
果は低下する(Sommer, T. R. er al.:Aquaculture, 9
4, 79-88 (1991)) 。さらに、ヘマトコッカス藻体を破
壊後、有機溶媒等で抽出したアスタキサンチン抽出物
は、光合成生物特有の色素であるクロロフィルが多量に
混在している。クロロフィルは、化学的・酵素的にフェ
オフォルバイド等の分解物に容易に変換される。このク
ロロフィル分解物は、太陽光によって皮膚等の炎症を引
き起こす光過敏症原因物質の一つであるため、クロロフ
ィルおよびその分解物を抽出物から除去する必要がある
(広門雅子: Foods & Food Ingredients J. Jpn., 17
2,29-36 (1997)) 。一般に、カロチノイドとクロロフィ
ルを含む抽出物は、ケン化処理により夾雑物であるクロ
ロフィルを選択的に除去することが可能であるが、ヘマ
トコッカスからアスタキサンチンを抽出する場合には、
ケン化処理によりアスタキサンチンからアスタシンへの
酸化が速やかに進行するため(Britton, G.:Methods En
zymol., 111, 113-149 (1985))、ケン化処理をクロロフ
ィル除去に用いることができない。さらに、アスタキサ
ンチンの酸化物であるアスタシンは、アスタキサンチン
に比べてその色揚げ効果が低いことが知られている(片
山輝久:水産動物のカロチノイド(日本水産学会編), p
p.41-59, 恒星社厚生閣 (1978))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明のうち
請求項1ないし請求項3に記載の発明は、第一に、細胞
壁を物理的に破壊することなく、アスタキサンチンの抽
出効率を高めたアスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻
体を提供することを目的とする。また、第二に、アスタ
キサンチンを酸化させてアスタシンへ変えることなく、
夾雑物であるクロロフィルを選択的に除去したアスタキ
サンチン含有ヘマトコッカス藻体を提供することを目的
とする。本発明のうち請求項4に記載の発明は、上記の
アスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻体から抽出し
た、クロロフィル含量の少ないアスタキサンチン抽出物
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、親水性有機溶
媒であるアセトンを加温してこの熱アセトンでヘマトコ
ッカス藻体を前処理することによって、クロロフィルを
選択的に細胞内から除去できることを見いだした。さら
に、本発明者らは、ヘマトコッカス藻体を、アセトンを
加温して、熱アセトンによる処理を行うことによって、
クロロフィルの除去と同時に細胞壁の透過性の改善が行
われ、細胞を物理的に破壊することなく、細胞壁分解酵
素処理や乾燥処理によりヘマトコッカス藻体からアスタ
キサンチンを容易に抽出できることを見いだした。
【0005】よって、本発明のうち、請求項1に記載の
発明は、クロロフィルが細胞から選択的に除去されてい
るアスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻体である。ま
た、請求項2に記載の発明は、加温したアセトンにより
処理してある請求項1に記載のヘマトコッカス藻体であ
る。さらに、請求項3に記載の発明は、加温したアセト
ンにより処理し、さらに酵素処理又は乾燥処理してある
請求項1に記載のヘマトコッカス藻体である。さらに、
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のい
ずれかに記載のヘマトコッカス藻体を有機溶媒により抽
出して得られるクロロフィル含量の少ないアスタキサン
チン抽出物である。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
使用される緑藻類としては、ヘマトコッカス属に属し、
アスタキサンチンを生産する藻体であれば、いかなる緑
藻類でも使用し得る。具体的には、ヘマトコッカス・プ
ルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカ
ス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマ
トコッカス・カペンシス (Haematococcus capensis) 、
ヘマトコッカス・ドロエバケンシス (Haematococcus dr
oebakensis) 、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス (Ha
ematococcus zimbabwiensis)などが挙げられる。さらに
具体的には、ヘマトコッカス・プルビアリス NIES 144
、ヘマトコッカス・ラキュストリスATTC 30402, ATCC
30453, IAM C296, IAM 392, IAM 393, IAM 394, IAM 39
9、ヘマトコッカス・カペンシス UTEX 1023、ヘマトコ
ッカス・ドロエバケンシス UTEX 55、ヘマトコッカス・
ジンバビエンシス UTEX 1758などの緑藻類が挙げられ
る。本発明に好適に用いられるヘマトコッカス・プルビ
アリス藻体の栄養細胞は、暗所で酢酸などの有機物を炭
素源として従属栄養的に培養することにより得られる。
また、明所で炭酸ガスを炭素源として独立栄養的に、あ
るいは明所で酢酸などの有機物と炭酸ガスの両方を炭素
源として混合栄養的にも増殖させ得る(Kobayashi, M.
et al.:J. Ferment. Bioeng., 74, 17-20 (1992)) 。従
って、上記いずれの方法を用いても栄養細胞が製造され
得る。
【0007】本発明に用いるヘマトコッカス藻体の培養
に使用される栄養培地は、緑藻類が資化し得るものであ
れば、いずれも使用し得る。炭素源としては、例えば、
従来から知られている酢酸の他、ピルビン酸、エタノー
ル、およびTCA関連有機酸などがある。窒素源として
は、有機あるいは無機の窒素化合物が用いられ得る。例
えば、アスパラギン、グリシン、グルタミン等のアミノ
酸、酵母エキス、硝酸塩等が挙げられる。これらの炭素
源、窒素源を組み合わせた培地が用いられる他、必要に
応じて、無機塩も添加され得る。好ましい培地は、例え
ば酵母エキス2.0g/L、酢酸ナトリウム 1.2g/L、L-アス
パラギン酸 0.4g/L、MgCl2・6H2O985μM 、FeSO4・7H2
O 36μM 、CaCl2・2H2O 136μM 、pH 6.8である。緑藻
類の培養条件は、用いる緑藻によっても異なるが、光照
射強度は、一般に 0〜40000 ルクス、好ましくは 500〜
20000 ルクス、さらに好ましくは1500〜10000ルクスで
ある。生育温度は緑藻類により異なるが、通常、 5〜50
℃、好ましくは10〜37℃、さらに好ましくは15〜30℃で
ある。また、炭酸ガスを用いない場合は、酸素を供給し
ながら行い得る。
【0008】このようにして培養したヘマトコッカス藻
体の栄養細胞はアスタキサンチン合成能が低いため、ア
スタキサンチン合成を高めるためには、様々なストレス
によりアスタキサンチン合成の誘導・活性化を行う必要
がある。すなわち、栄養源枯渇(Kakizono, T. et al.:
J. Ferment. Bioeng., 74, 403-405 (1992))、強光 (Ko
bayashi, M. et al.:J. Ferment. Bioeng., 74, 61-63
(1992)) 、活性酸素 (特開平5-68585 号公報) 、高温
(特開平7-39389 号公報) 、乾燥 (特開平8-103288号公
報) 等の環境ストレスを単独又は組み合わせて付加する
ことにより、栄養細胞を休眠状態であるシスト細胞に速
やかに形態変化させることができる。この形態変化に伴
いアスタキサンチン合成系が誘導され、環境ストレスに
より著しく活性化を受けるため、シスト細胞中にアスタ
キサンチンが多量蓄積される。アスタキサンチンは強力
な抗酸化能を有しており、様々な環境ストレスに対する
生体防御物質の一つとして機能している。このようにヘ
マトコッカス藻体によるアスタキサンチン生産には、栄
養細胞とシスト細胞を分けて考えた二段階の培養プロセ
スが最適であると考えられる。
【0009】このようにして培養したヘマトコッカス藻
体のシスト細胞は、遠心分離等により容易に回収され、
アスタキサンチンの抽出工程が行われる。ヘマトコッカ
ス藻体を加温した親水性有機溶媒であるアセトンで前処
理する。アセトンは10〜100%濃度のもの、好ましくは3
0〜50%濃度のものを用い、アセトンの温度は40℃〜沸
点まで、好ましくは60〜85℃となるように 0.5分以上、
好ましくは2〜10分程度加温する。すなわち、ヘマトコ
ッカス藻体を加温したアセトンにより処理する方法とし
ては40%程度のアセトン溶液中にシスト細胞を浸漬して
所定時間加温するか、又は熱アセトン溶液中にシスト細
胞を所定時間浸漬する。本発明においては、どちらの方
法を選んでもよく、その他、加温したアセトンで処理す
る方法は特に限定するものではない。このようにヘマト
コッカス藻体を熱アセトン中で処理した後暫時静置す
る。静置条件は、0〜40℃、好ましくは0〜10℃で、1
〜72時間、好ましくは1〜24時間程度でよい。このよう
な前処理をすることによって、クロロフィルが選択的に
細胞外に除去されたアスタキサンチン含有ヘマトコッカ
ス藻体を得ることができる。これは、親水性有機溶媒に
対するクロロフィルとカロチノイドの溶解度の差、すな
わちクロロフィルはカロチノイドに比べ親水性物質であ
ることに基づくものである。さらに、熱アセトンによる
処理を行うことによって、クロロフィルの除去と同時に
細胞壁の透過性の改善が行われ、細胞を物理的に破壊す
ることなく、アスタキサンチンを抽出することが可能と
なる。さらに、遠心分離等によって溶媒を除去した後、
細胞壁分解酵素や乾燥処理(例えば、凍結乾燥やスプレ
イドライ) を行うことによってアスタキサンチンの抽出
効率をいっそう向上させることができる。すなわち、こ
のようにヘマトコッカス藻体に対して、熱アセトン処理
と細胞壁溶解酵素処理又は乾燥処理を併用することによ
り、細胞壁の透過性が改善された吸収性の高いアスタキ
サンチン含有ヘマトコッカス藻体が得られる。このよう
に、アスタキサンチンの抽出効率が改善されたヘマトコ
ッカス藻体からアスタキサンチンを抽出する。アスタキ
サンチンの抽出には、90%アセトン等の有機溶媒を用
い、1〜24時間処理するとよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、下記実施例
は本発明を制限するものではない。
【実施例1】表1に示す培養基 100mlを 200ml容のフラ
スコに入れ、121 ℃で15分間滅菌した。同じ組成を有す
る維持用の培養基に別に培養したヘマトコッカス・プル
ビアリス (Haematococcus pluvialis) NIES 144 のシー
ドを接種し、1500ルクスの光照射下、生育温度20℃で4
日間、液体培養した。上記液体培養で得られた栄養細胞
に、炭素源として酢酸濃度が45mM、鉄イオン濃度 (FeSO
4・7H2O)が 450μM となるように添加し、9000ルクスの
光照射下、20℃でさらに 4日間培養した。栄養細胞は速
やかにシスト細胞へ形態変化し、細胞内に著量のアスタ
キサンチンを蓄積した。このようにして得られたシスト
細胞からクロロフィルの選択的な除去を検討するため、
シスト細胞を親水性有機溶媒である 0〜100 %アセトン
溶液に浸漬し、4℃、24時間、暗所で静置した。遠心分
離により溶媒を除去し、藻体中に残存する色素量(クロ
ロフィル・アスタキサンチン) を、Kobayashi らの方法
(Kobayashi, M. et al.:J. Ferment. Bioeng., 71, 33
5-339 (1991)) に従い定量した。すなわち、細胞を超音
波処理で完全に破壊後、90%アセトンで1時間抽出し、
アスタキサンチンは 480nmの吸光度により、クロロフィ
ルは 663、 645、630nm の吸光度により測定した。その
結果を〔図1〕に示す。40%以上のアセトン濃度溶液
に、4℃、24時間シスト細胞を浸漬することにより、細
胞からクロロフィルの溶出が認められた。一方、シスト
細胞を 0〜100 %アセトン溶液に浸漬し、80℃で2分間
加温後、4℃、24時間、暗所で静置し、残存する色素量
を定量した。シスト細胞を10%以上のアセトン濃度で加
温することにより、大部分のクロロフィルを選択的に細
胞外へ溶出することができた。その結果も〔図1〕に示
す。シスト細胞を水に浸漬し加温した場合には、クロロ
フィルの溶出が認められないことから、加温したアセト
ン(すなわち熱アセトン)でシスト細胞を処理すること
により細胞壁の透過性が変化し、アスタキサンチンに比
べ親水性溶媒に溶解しやすいクロロフィルが細胞外へ特
異的に溶出したものと考えられる。
【0011】
【表1】
【0012】
【実施例2】実施例1と同様に培養して得られたシスト
細胞を、 0〜40%アセトン溶液に浸漬し、80℃で2分間
加温後、4℃、24時間、暗所で静置した。遠心分離によ
り溶媒を除去し、この熱アセトンで処理したシスト細胞
を凍結乾燥した。この凍結乾燥シスト細胞からのアスタ
キサンチンの抽出されやすさを抽出効率(%)により評
価した。抽出効率、すなわち、無破壊の細胞から90%ア
セトンで1時間抽出により溶出するアスタキサンチン量
と超音波処理で完全に破壊した細胞から90%アセトンで
1時間抽出により溶出するアスタキサンチン量の比は次
式により算出される。 抽出効率(%) =〔無破壊細胞から90%アセトン1時間抽
出により溶出するアスタキサンチン量/全アスタキサン
チン量(超音波破壊細胞から90%アセトン1時間抽出に
より溶出するアスタキサンチン量)〕×100 その結果を〔表2〕に示す。熱アセトン処理したシスト
細胞を乾燥処理することにより大幅にアスタキサンチン
が抽出されやすくなった。また、熱アセトン処理をする
際のアセトン濃度の上昇に伴い、抽出効率は増大した。
熱アセトン処理をせずに乾燥した場合、無破壊の細胞か
らはアスタキサンチンは抽出されなかった。
【0013】
【表2】
【0014】
【実施例3】実施例1と同様に培養して得られたシスト
細胞を、40%アセトン溶液に浸漬して、40〜80℃で、
0.5〜10分間加温後、4℃、24時間、暗所で静置した。
遠心分離により溶媒を除去した後、熱アセトン処理シス
ト細胞を凍結乾燥した。実施例2と同様に、各加熱温
度、各加熱時間の熱アセトン処理シスト細胞のアスタキ
サンチンの抽出効率を測定した。その結果を〔図2〕に
示す。加熱温度の上昇や加熱時間が長くなるにつれて、
抽出効率は増大し、80℃で2分以上の熱アセトン処理が
有効であった。
【0015】
【実施例4】実施例1と同様に培養して得られたシスト
細胞を、40%アセトン溶液に浸漬して、80℃で2分間加
温後、4℃、24時間、暗所で静置した。遠心分離により
溶媒を除去して得られた熱アセトン処理シスト細胞 (10
mg) を水 (10ml) に懸濁後、各種細胞壁分解酵素 (10m
g) を添加した。37℃で24時間反応後、遠心分離により
酵素処理シスト細胞を回収し、実施例2と同様に、各種
細胞壁分解酵素の単独及び組み合わせによる酵素処理シ
スト細胞のアスタキサンチンの抽出効率を測定した。そ
の結果を表3に示す。アクチナーゼ E(ナカライ)、キ
チナーゼ(シグマ)、ファンガーゼ I(和光)、フンセ
ラーゼ(ヤクルト)、ノボザイム 234(ノボ・ノルディ
スク)、ペクチナーゼR 70(シグマ)、プロテアーゼ
(シグマ)、プロテイナーゼ K(ベーリンガー)、ツニ
カーゼ(和光)、ウスキザイム(和光)、ヤタラーゼ
(タカラ)、ザイモリアーゼ 100 T(生化学)の各酵素
は有効ではなかった。一方、β-1, 3-グルカナーゼが主
成分のキタラーゼ(和光)、β-1, 4-グルカナーゼが主
成分のセルラーゼ・オノヅカ-RS(ヤクルト) 、β- グル
クロニダーゼが主成分のアワビアセトンパウダー (abal
one acetone powder, シグマ) の各酵素は有効で、特に
これら3種の酵素を併用することにより、アスタキサン
チンの抽出効率は著しく増大した。熱アセトン処理をし
ていないシスト細胞を酵素処理した場合、アスタキサン
チンの抽出効率は低下することから、細胞壁分解酵素の
反応をより受けやすくするためには、その前処理として
熱アセトン処理が重要である。
【0016】
【実施例5】 アスタキサンチンの抽出と応用例 実施例1と同様に培養して得られたシスト細胞 100g(ア
スタキサンチン5%、クロロフィル2%含有)を、80℃
に加温した40%アセトン溶液1L に浸漬し、80℃で2分
間保持した後、急冷し、4℃、24時間、暗所で静置し
た。遠心分離により溶媒を除去し、熱アセトン処理した
シスト細胞を回収し、常法通りスプレードライして乾燥
細胞を得た。この乾燥細胞に90%エタノール溶液1L を
加え、室温で24時間浸漬した後遠心分離によって細胞を
除去して抽出液を得た。この抽出液をエバポレーターに
より濃縮し、アスタキサンチン抽出液100gを得た (試験
区) 。一方、熱アセトン処理を行わないシスト細胞をホ
モジナイザーで破壊し、同様の方法で90%のエタノール
によって抽出、濃縮して100gのアスタキサンチン抽出液
を得た (対照区) 。試験区のアスタキサンチン及びクロ
ロフィルはそれぞれ 3.5%、0.1 %、また対照区のアス
タキサンチン及びクロロフィルはそれぞれ 4.5%、1.8
%であり、本発明によって、アスタキサンチンに対する
クロロフィルの比率が、対照区に比べてきわめて低い抽
出物を得ることができた。
【0017】応用例 (1) アスタキサンチン含有藻体からなる錠剤(食品) 実施例5の方法によって調製した、熱アセトン処理後乾
燥したアスタキサンチン含有藻体を、直接打錠機にて打
錠し、栄養補助食品として利用可能な重量 200mgの錠剤
を得た。 (2) アスタキサンチンを内容物とするソフトカプセル
(食品) 実施例5で得たクロロフィル含量の低いアスタキサンチ
ン抽出液を、5倍量の大豆油に懸濁し、エバボレーター
によってエタノールを可及的に除去した後、カプセル充
填機にてカプセル充填し、内容物約 280mgの赤褐色状の
カプセルを得た。 (3) アスタキサンチンを内容物とするクリーム剤(化
粧品) 実施例5でクロロフィル含量の低いアスタキサンチン抽
出液を、白色ワセリンに10重量%になるように添加し、
芳香剤などとともに、均一になるように攪拌し、通常の
方法によりクリーム剤を作製した。 (4) マーガリン(食品)(抗酸化剤及び着色剤として) 実施例5で得たクロロフィル含量の低いアスタキサンチ
ン抽出液を、マーガリンの5重量%になるように植物油
に添加し、減圧の蒸留によってエタノールを除去した
後、乳化剤などとともに均一になるよう攪拌し、通常の
方法によりマーガリンを作製した。このマーガリンは、
通常のマーガリンと比較して、アスタキサンチンの存在
により、うすい赤色を呈していた。 (5) 人工イクラ(食品) 実施例5で得たクロロフィル含量の低いアスタキサンチ
ン抽出液を、1%アルギン酸ナトリウム水溶液に0.6 %
添加し、ホモジナイザーで分散後、5 %塩化カルシウム
凝固液に滴下し、直径 5mmの球状に成型した。外観は自
然に近く、形状、色調ともイクラと酷似していた。
【0018】
【表3】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、ヘマトコッカス藻体を
熱アセトン処理することにより、夾雑物であるクロロフ
ィルを選択的に細胞外へ除去することができると同時
に、ヘマトコッカス藻体を物理的に破砕することなく、
有機溶媒等によってアスタキサンチンを抽出・回収する
ことができる。さらに、この熱アセトン処理藻体を乾燥
又は細胞壁分解酵素で処理することにより、藻体を物理
的に破砕することなく、有機溶媒等によるアスタキサン
チンの抽出・回収の効率をいっそう高めることができ
る。また、これらの処理を施したヘマトコッカス藻体
は、細胞壁の透過性が大幅に改善されているため、吸収
性がよく、魚類養殖その他の産業に寄与し得る。すなわ
ち、本発明によるアスタキサンチン含有ヘマトコッカス
藻体は、細胞壁・細胞膜の透過性が変化しているため、
藻体の物理的破砕を必要とせずに、アスタキサンチンを
有機溶媒や油脂によって、直接抽出することが可能であ
る。また、本発明によるアスタキサンチン含有ヘマトコ
ッカス藻体は、アスタキサンチンを多量に含有し、かつ
夾雑物であるクロロフィルおよびその分解物の含量が少
ないため、ヘマトコッカス藻体から高純度のアスタキサ
ンチンの回収が容易である。さらに、透過性の変化した
アスタキサンチン含有藻体を用いることにより、アスタ
キサンチンの吸収効率の高い飼料、餌料、食品などの開
発が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘマトコッカス・プルビアリスのシスト細胞
を、加温したアセトン溶液に浸漬することによりクロロ
フィル色素が細胞外へ除去されることを示す。
【図2】40%アセトンに浸漬し、各時間・各温度で加熱
処理後、凍結乾燥したヘマトコッカス・プルビアリスの
シスト細胞からのアスタキサンチンの抽出効率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/272 A23L 1/272 (C12N 1/12 C12R 1:89)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロフィルが細胞から選択的に除去さ
    れているアスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻体。
  2. 【請求項2】 加温したアセトンにより処理してある請
    求項1に記載のヘマトコッカス藻体。
  3. 【請求項3】 加温したアセトンにより処理し、さらに
    酵素処理又は乾燥処理してある請求項1に記載のヘマト
    コッカス藻体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のヘマトコッカス藻体を有機溶媒により抽出して得ら
    れるクロロフィル含量の少ないアスタキサンチン抽出
    物。
JP24616697A 1997-08-27 1997-08-27 アスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻体とその抽出物 Expired - Fee Related JP3844855B2 (ja)

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