JPH1157731A - 浄水処理方法および浄水処理設備 - Google Patents

浄水処理方法および浄水処理設備

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JPH1157731A
JPH1157731A JP9220293A JP22029397A JPH1157731A JP H1157731 A JPH1157731 A JP H1157731A JP 9220293 A JP9220293 A JP 9220293A JP 22029397 A JP22029397 A JP 22029397A JP H1157731 A JPH1157731 A JP H1157731A
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bacteria
nucleic acid
water
labeled
raw water
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JP9220293A
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English (en)
Inventor
Tomoaki Miyanoshita
友明 宮ノ下
Takako Nogami
尊子 野上
Haruki Akega
春樹 明賀
Fudeko Tsunoda
ふで子 角田
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浄水処理場に流入する原水が大腸菌や大腸菌
群等の細菌で汚染された場合でも、処理浄水中に細菌が
残留しない浄水処理設備を提供する。 【解決手段】 原水4に殺菌剤および/または凝集剤を
添加する浄水処理設備において、取水原水に検出対象と
なる細菌に特異的に吸着しかつ核酸を色素又は蛍光物質
で標識したバクテリオファージを含む溶液を添加する添
加手段と、色素標識核酸又は蛍光標識核酸が注入された
細菌を検出する光学的検出手段とを備えた細菌検出装置
18と、細菌検出装置から送られてきた検出された細菌
の量に対応する信号に応じて細菌を殺菌する殺菌剤の添
加量、凝集剤の添加量、取水の断続を決定する論理演算
手段と、論理演算手段の結果により殺菌剤の添加量、凝
集剤の添加量、取水ポンプのいずれか1つ以上を制御す
る手段からなる制御装置19を備えたことを特徴とする
浄水処理設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料水を得るため
の浄水処理に関するものであり、特に河川、湖沼やダム
あるいは地下水を原水とする浄水処理方法および浄水処
理設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水道水は、人間の体内に直接摂取される
ものであり、「大腸菌群は検出されないこと」という基
準が定められている。従って、浄水処理場において、原
水に大腸菌または大腸菌群に代表される細菌を大量に含
む下水等が混入した場合は、取水を停止したり塩素等の
消毒剤の注入率を増加させる等の措置を行う必要があ
る。
【0003】しかしながら、原水が大腸菌や大腸菌群に
より汚染されているかどうかを検査するためには、一般
的には培養法により行わなければならない。すなわち原
水を採取し、大腸菌や大腸菌群が選択的に増殖する培地
に接種して培養を行わなければならない。通常、培養は
24時間以上行わなければならず、大腸菌や大腸菌群の
汚染の有無を推定するだけでも1日を要し、混入してい
るのが大腸菌や大腸菌群であるのか否かを確定するのに
2日を要する。従って、原水中の大腸菌の有無を培養法
により検査し、その結果に基づいて塩素等の消毒剤の注
入率を制御して浄水処理を行うことは、実質的に不可能
であった。
【0004】また、原水が大腸菌に代表される細菌等で
汚染されたかどうかを推定する方法として、過マンガン
酸カリウムや塩素の消費量を測定して有機物により汚染
されているかどうかを推定する方法があるが、過マンガ
ン酸カリウムや塩素はただ単に金属や無害な有機物の増
加によっても消費量が増加するため、過マンガン酸カリ
ウムや塩素の消費量の増加が必ずしも細菌の増加と結び
つくものではない。
【0005】このような現状のもとでは、上水の大腸菌
や大腸菌群等の細菌の汚染を防ぐために、残留塩素濃度
が一定以上になるように塩素を多めに入れることが行わ
れている。しかし、塩素を過剰に添加することは、有害
なトリハロメタンが生成する原因となり、好ましいこと
ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、浄水処理場に流入する原水が大腸菌や大腸
菌群等の細菌で汚染された場合に、浄水中に細菌が残留
しないようにする浄水処理方法および浄水処理設備を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、研究を重
ねた結果、標識バクテリオファージを用いることによ
り、リアルタイムで大腸菌や大腸菌群等の細菌を検出す
ることができることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち、本発明は、原水を殺菌する殺菌
工程および/または不純物をフロックとして沈澱により
除去する凝集沈澱工程を含む浄水処理方法において、検
出対象となる細菌に特異的に吸着しかつ核酸を色素又は
蛍光物質で標識したバクテリオファージを含む溶液を取
水原水に添加し、色素標識核酸又は蛍光標識核酸により
標識された細菌を光学的検出手段により検出し、検出さ
れた細菌の量に応じて取水原水への殺菌剤の添加量、凝
集剤の添加量、取水ポンプの運転のいずれか1つ以上を
制御して、原水中の細菌を殺菌除去することを特徴とす
る浄水処理方法と、原水に殺菌剤および/または凝集剤
を添加する浄水処理設備において、取水原水に検出対象
となる細菌に特異的に吸着しかつ核酸を色素又は蛍光物
質で標識したバクテリオファージを含む溶液を添加する
添加手段と、色素標識核酸又は蛍光標識核酸が注入され
た細菌を検出する光学的検出手段とを備えた細菌検出装
置と、細菌検出装置から送られてきた検出された細菌の
量に対応する信号に応じて細菌を殺菌する殺菌剤の添加
量、凝集剤の添加量、取水の断続を決定する論理演算手
段と、論理演算手段の結果により殺菌剤の添加量、凝集
剤の添加量、取水ポンプのいずれか1つ以上を制御する
手段からなる制御装置を備えたことを特徴とする浄水処
理設備、に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、「蛍光物質等」
という場合は色素、蛍光物質の双方を含む場合を総称
し、「蛍光標識核酸等」という場合は色素標識核酸、蛍
光標識核酸の双方を含む場合を総称するものとする。
【0010】本発明における、バクテリオファージはD
NA(一重鎖,二重鎖)からなる遺伝子をもつDNAフ
ァージが一般的であるが、RNAからなる遺伝子をもつ
RNAファージを除外するものではなく、蛍光標識核酸
等はDNA,RNAのいずれでもよい。このような蛍光
物質等で標識された核酸を有するDNAファージ,RN
Aファージは、ファージ核酸(以下「ファージDNA」
と称する)に親和性を有する蛍光物質等(色素又は蛍光
物質)を添加した培地でバクテリオファージが感染した
細菌を増殖させることで得ることができる。蛍光物質等
としては、ファージDNAに結合でき、ファージから細
菌に注入されて該細菌を染色できる物質であれば特に限
定されることなく用いることができ、一例を挙げれば色
素としては、エチジウムブロミド,プロピジウムイオデ
ートなどを例示することができる。蛍光物質としては
4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールハイドロク
ロライド(DAPI)を例示することができる。蛍光物
質のうち、長波長側に吸収帯をもつものは、色素として
も利用でき、このような色素で標識したファージを用い
れば、蛍光顕微鏡などの蛍光検出器を用いなくても、顕
微鏡,分光光度計などでの検出が可能である。
【0011】ファージ核酸に蛍光物質等を標識させる方
法は、蛍光物質,色素のいずれを用いる場合でも、核酸
(DNA,RNA)に親和性を有する蛍光物質等をその
親和性を利用して核酸の立体構造の隙間に物理的に入れ
込むようにしてもよいし、蛍光物質等を標識したヌクレ
オチドをファージ核酸合成時に取り込ませて、化学的な
結合により標識するようにしてもよい。
【0012】検出に用いるファージ溶液のファージ濃度
は、試料液に含まれる細菌に対して所定時間以内に少な
くとも1個のバクテリオファージが接触できる濃度を有
するものであればよく、その程度は、検出しようとする
試料液に含まれる細菌数のレベルや検出時間などにより
異なるため一律的には決められないが、実験的に容易に
決めることができる。一例的に言えば、飲料水中に含ま
れる大腸菌の検出のためには、試料液(被検水)1ml
当たり103個〜108個程度ないしそれ以上の濃度とす
ればよい場合が多い。なおファージ溶液のファージ濃度
を高くすれば複数のファージが細菌に接触する可能性が
増すので、検出する一つの細菌の色素による染色濃度が
増し、また一つの細菌の呈する蛍光強度を高くできて検
出をより高精度とできるので好ましい。
【0013】一般にバクテリオファージの感染(溶菌感
染)の過程は、宿主細菌への吸着結合、ファージDNA
の宿主細胞への注入、注入されたファージDNAを鋳型
としたファージ粒子の複製という3段階に分けられる。
【0014】本発明における標識バクテリオファージの
特徴は、多くの場合細菌に吸着したファージが宿主細菌
細胞内にファージDNAを注入する過程が宿主細胞のエ
ネルギー状態に依存している点にある。すなわち、ファ
ージDNA(核酸)の注入は生物活性を失った宿主に対
しては起こらず、生細胞(生菌)だけにおいて起こると
いう点である。つまり、生菌ではファージDNAの注入
が起こるので光学的に検出できるようになるのに対し、
吸着してもファージDNAが注入されない死菌や断片で
は、検出される光学的情報が明瞭に識別できるからであ
る。ファージの活性と注入の有無を光学的に識別できる
現象を利用して生菌と死菌を区別する本発明の作用は、
放射性同位元素や酵素等を用いた従来法では期待できな
いものであり、処理操作の簡便化や検出精度の向上の点
で極めて有利である。
【0015】また非特異的に吸着したファージがあって
も、細菌へのファージDNAの注入は生じないので、フ
ァージDNAが注入された細菌のみが検出される本発明
の細菌検出装置は、高精度な検出ができる点で優れてい
る。
【0016】これらの理由により、本発明によれば蛍光
色素で核酸を標識したバクテリオファージを利用して、
原水中に含まれる特定の細菌をしかも生菌だけを、これ
に特異的に吸着するバクテリオファージを利用して染色
あるいは蛍光染色して検出し、浄水場の細菌の殺菌除去
処理をリアルタイムで制御することが可能となる。
【0017】蛍光標識核酸等を有するバクテリオファー
ジの吸着−核酸注入によって色素,蛍光で染色された細
菌は、光学的手段によって検出することができる。光学
的手段は、色素,蛍光を検出できるものであれば特に形
式等には制限されることはなく、例えば色素を標識した
場合には通常の顕微鏡や分光光度計などを用いることが
でき、蛍光物質を標識した場合には、蛍光顕微鏡、蛍光
光度計、蛍光検出機などを用いることができる。
【0018】また検出画像を画像解析によって染色点や
蛍光点等を検出する方法、蛍光光度計を用いて蛍光強度
の違いを検出する方法、フローセルを用いて流動液中の
染色粒子や蛍光粒子の数を検出する方法などを用いるこ
とができる。
【0019】忌避される主な細菌とファージの組合せを
例示すれば、大腸菌とT系ファージ,λファージ等、サ
ルモネラとP系ファージ等、シュードモナスとP系ファ
ージ等、クレブシアラとスタンフォード大学60,92
の各ファージ、クロストリジウムと70,71,72の
各ファージ、シゲラとφ80,スタンフォード大学3
7,D20、コリネバクテリウムとC系ファージ、マイ
クロコッカスとN系ファージ,ML53−40 ファー
ジなどが挙げられ、この場合には微量細菌を検出するた
めに濃縮工程が必要とされる場合が多い。
【0020】ファージを細菌に感染させる条件は、好気
性条件下で、菌の種類にもよるが好熱性細菌では0〜1
20℃、一般の菌,ファージでは、失活しない50℃以
下とされる。これらの範囲内であれば温度が高い方が感
染の速度が速くなる。また試料液を攪拌して細菌とファ
ージの接触効率を高めることも好ましい。
【0021】本願の請求項1記載の発明は、標識バクテ
リオファージを用いて、取水原水中の細菌を検出し、検
出された細菌の量により、殺菌剤の添加量、凝集剤の添
加量、取水ポンプの運転のいずれか1つ以上をフィード
フォワード制御するものである。
【0022】請求項1に記載の発明において、細菌の検
出対象となる取水原水とは、河川、湖沼、ダムあるいは
地下水等の原水を取水し、殺菌剤が投入される点の手前
のものである。
【0023】用いる殺菌剤は、細菌を殺菌除去できるも
のでれば特に限定されないが、次亜塩素酸ナトリウム、
二酸化塩素、クロラミン等の塩素系化合物、オゾン、紫
外線等を挙げることができる。殺菌剤の添加が複数個所
で行なわれている場合、いずれの場所で添加量を制御し
てもかまわない。また、凝集沈澱処理工程を含む浄水処
理においては、凝集剤の量を制御し、細菌を沈澱分離す
ることによりトリハロメタンを生成するおそれのある殺
菌剤の添加量を減らすことができ、細菌を効率的に除去
することができる。凝集剤は浄水処理に用いられるもの
であれば特に限定されないが、PAC(ポリ塩化アルミ
ニウム)、硫酸バンド等のアルミニウム系凝集剤、硫化
鉄、塩化鉄等の鉄系凝集剤を挙げることができる。
【0024】請求項1記載の浄水処理方法により、取水
原水中の細菌を検出し、その検出結果によって、殺菌剤
や凝集剤の添加量をフィードフォワード制御するので、
浄水プロセスへ細菌が混入することを防ぐことができ
る。
【0025】なお、細菌の量が多量で、殺菌剤や凝集剤
の添加量があまり多くなる場合は、原水の取水を止める
ようにすればよい。
【0026】請求項1に記載の本発明により、原水中の
細菌を殺菌除去して浄水処理する方法において、例えば
表1に示したように、原水中の細菌数に応じて、塩素化
合物の添加量および取水ポンプを制御すればよい。また
細菌数に応じて別に凝集剤の添加量を制御すればよい。
【0027】
【表1】
【0028】請求項1に記載の発明により、細菌を除去
した原水は、通常の浄水方法により、浄水処理すればよ
い。浄水処理方法は限定されるものではないが、例えば
凝集剤を添加して不純物のフロックを形成し、フロック
を沈澱させた上澄液を濾過して浄水を製造する凝集沈澱
処理法を採用すればよい。
【0029】請求項6に記載の発明は、標識バクテリオ
ファージを用いた細菌検出装置を備えた浄水処理設備に
関するものである。
【0030】請求項6の浄水処理設備に用いられる細菌
検出装置の一実施形態を図2に基づいて説明する。図2
において、21は細菌を検出しようとする取水原水の一
部(以下「被検水」という)が流れるラインを示し、こ
の下流には、被検水中に標識ファージ溶液が添加された
液を混合するコイル状のリアクタ22、次いで細菌を検
出する光学的検出装置23が順次接続されている。ま
た、前記ライン21のリアクタ22の上流側には、アミ
ノ酸、糖類、無機塩類などを含む培養濃縮液(栄養源溶
液)24を供給するためのポンプ25、及び核酸を蛍光
物質等(色素又は蛍光物質)で標識したバクテリオファ
ージを含む溶液(以下「ファージ溶液」という)26を
供給するためのポンプ27が、それぞれ接続されてい
る。
【0031】本例のこの装置を用いた細菌の検出操作に
ついて説明すると、まず、細菌を検出しようとする被検
水が流れているライン21に、前記培養濃縮液24と、
標識ファージ溶液26をそれぞれポンプ25,27によ
り連続的に添加する。
【0032】上記の各液が添加された被検水は、ライン
21を流れながら2種類の添加液と混合され、微生物反
応の至適環境である37℃に保持したコイル状のリアク
タ22に入り、被検水中に特定の細菌が存在している場
合には、ファージと該特定細菌とが反応し、色素標識又
は蛍光標識されたファージ核酸(例えばファージDN
A)が細菌細胞内に注入される。
【0033】次いでリアクタ22を出た細菌は、その下
流に設けられている色素検出用の顕微鏡,分光光度計あ
るいは蛍光検出用の蛍光検出装置などの光学的検出装置
23に流入し、ここでファージの核酸注入により蛍光物
質等で染色された特定細菌の検出が行われる。この光学
的検出装置23の形式は、顕微鏡や蛍光顕微鏡のように
静止した試料液中の染色された粒子を検出する方式のも
のでもよいし、またフローセル中を流動する染色粒子を
検出するものでもよい。
【0034】また、図2において、原水ライン、培養液
濃縮ライン、標識ファージ溶液ライン、光学的検出装置
において、それぞれ洗浄ラインを設け、熱水あるいは酸
化剤、還元剤、アルカリ溶液等の汚れを剥離する効力を
持った薬剤を系内に添加して、測定を妨害する汚れを洗
浄するようにしてもよい。
【0035】さらに、測定後の廃液出口に活性炭充填槽
等の吸着手段、酸化剤や還元剤等の薬剤添加手段、加熱
手段等の廃液処理機構を設けてもよい。
【0036】光学的検出手段により検出された結果はデ
ジタル信号化装置によりデジタル信号化される。
【0037】光学的検出装置が顕微鏡や蛍光顕微鏡等の
場合は、CCD素子等により画像をデジタル化し、MP
Uで画像処理を行い、デジタル化された画像信号から細
菌数を計算し出力すればよい。出力された信号は、後述
の制御装置へ送信する。
【0038】また、光学的検出装置が分光光度計等の場
合は、分光光度計等の出力値をA/D変換器でデジタル
化し、MPUで処理して細菌数を計算し出力すればよ
い。
【0039】制御装置の概略の一実施形態を図3に基づ
いて説明する。細菌検出装置から送られてきた細菌数を
表すデジタル信号は、制御装置18(図1参照)内の演
算器に入力される。次に演算結果と、予め設定しておい
た細菌数とフィードフォワード制御との設定値とを比較
し、それに対応する塩素濃度または取水ポンプの運転/
停止を制御するためのデジタル信号をアナログ変換し、
前塩素ポンプ9(図1参照)を制御するか取水ポンプを
停止させる。
【0040】本願の請求項2の発明は、核酸を色素又は
蛍光物質で標識したバクテリオファージを試料液中で宿
主細菌に接触させ、色素標識核酸又は蛍光標識核酸が注
入された細菌を流動細胞計測法により検出することを特
徴とし、請求項7の発明は、試料液をフローセル中に連
続的に通過させる通液手段と、核酸を色素又は蛍光物質
で標識したバクテリオファージを含むファージ溶液を前
記フローセルの前段において試料液に添加するファージ
溶液添加手段と、色素標識核酸又は蛍光標識核酸が注入
された細菌をフローセルで検出する光学的検出手段と、
光学的検出結果をデジタル信号化する信号化手段を備え
た細菌検出装置を備えたことを特徴とする。
【0041】これらの発明によれば、フローセルを通過
する流動する溶液中の蛍光粒子数、すなわち細菌数を検
出することができ、オンラインによるリアルタイムの検
出を連続的に行うことができる。
【0042】本願の請求項3の発明は、上記の各方法発
明において、蛍光標識核酸が注入された細菌の蛍光強度
又は蛍光光源の大きさを計測し、その計測値と予め定め
た閾値とを比較することにより閾値を越えた光源を細菌
として検出することを特徴とする。また請求項4の発明
は、光学的検出手段を用いて計測した蛍光強度又は蛍光
光源の大きさが、予め定めた蛍光強度閾値又は光源の大
きさ閾値以下の光源を除く画像処理をした後、処理後の
画像から細菌細菌の有無又は細菌数を検出することを特
徴とする。更に、請求項9の発明は、上記の各装置発明
において、光学的検出手段を撮像手段とし、この撮像手
段で得た撮像画像から予め定めた蛍光強度閾値以下又は
蛍光光源の大きさ閾値以下の光源を除く画像処理手段を
設けたことを特徴とする。
【0043】これらの発明によれば、蛍光物質が細菌に
注入されたときの例えば光源の大きさは、該蛍光物質が
ファージ中に存在しているとき光源の大きさに比べて有
意な差をもって区別できるので、面積や長さなどの大き
さを示す指標として前者よりも小さくかつ後者よりも大
きい値として予め定めた閾値を基準として細菌の有無や
数を計数することができる。また撮像した画像につい
て、閾値以下の大きさの光源を除く画像処理を行うよう
にすれば、蛍光を発する細菌のみの画像を得ることがで
きて高精度の検出が可能となり、また検出の自動化を図
るためにも有効である。なお、閾値以下の大きさの光源
を「除く」画像処理とは、例えば閾値以下の光源を背景
と同じとみなすようにすることをいう。この閾値との比
較は光源の大きさに限定されず、光源の蛍光強度を用い
て同様に行うことができる。
【0044】なお、本発明における、試料液中の細菌数
を標識バクテリオファージにより測定して殺菌剤の添加
量を制御する方法は、浄水処理方法のみならず、水耕栽
培、魚介類の養殖、冷却塔等の管理など、細菌を増殖さ
せてはいけない分野に適用することができる。
【0045】すなわち、図5に示したような細菌殺菌装
置により水耕栽培用水槽、養殖槽、冷却塔等の環境中の
監視すべき細菌の数をリアルタイムで計測し、最適な殺
菌剤量を添加することができる。図5に示した装置は、
測定対象の試料液は監視すべき環境50から試料採取ラ
イン51を介して試料採取ポンプ52によりリアクタ5
7へ送られる。リアクタ57の手前で栄養溶液槽54か
ら栄養液供給ポンプ53により栄養液が、次いで標識フ
ァージ溶液槽56より標識ファージ供給ポンプ55より
標識ファージが注入され、リアクタ57で混合され、試
料液中の細菌が標識される。標識された細菌は、光学的
検出手段58により検出され、制御手段59の論理演算
手段に予め設定された細菌数と殺菌剤添加量の関係式に
基づき、計測された細菌数に応じて殺菌剤の添加量を制
御するように殺菌剤供給ポンプ61を制御して殺菌剤槽
60より殺菌剤供給ライン62を介して監視すべき環境
50に殺菌剤を添加すればよい。
【0046】図5に示したような装置を用いることによ
り、水耕栽培、魚介類の養殖、冷却塔等の管理におい
て、最適な殺菌剤量を添加することができ、殺菌剤の過
剰添加による弊害を防ぐことができる。
【0047】
【実施例】
実施例1 図1に、河川水を原水とする場合の本発明の浄水処理設
備の一例を示す。河川1から取水点17において取水ポ
ンプ3により取水された原水4は、原水送水管5を通
り、着水井6に送られる。着水井6より送られた原水は
薬品混和池7にて消毒剤である次亜塩素酸ナトリウム8
が前塩素注入ポンプ9により注入され、凝集剤10が凝
集剤注入ポンプ11により注入される。これらの薬品が
混和された被処理水はフロック形成池12で不純物のフ
ロックを形成し、フロックは沈澱池13で沈澱し、上澄
水は急速砂濾過池14を経て途中再び次亜塩素酸ナトリ
ウム8が後塩素注入ポンプ15により注入されたのち、
配水池16に貯留される。
【0048】このような一般的な浄水処理設備2に、原
水の取水点17から標識ファージを用いた細菌検出装置
18に原水(被験水)が送水され、任意の時間的間隔で
細菌が測定され、その測定結果は電気的な信号として、
制御盤19に送信される。制御盤19内には細菌の測定
結果を入力信号として、予め入力されたプログラムによ
り論理演算手段で論理演算し、前塩素注入ポンプ9、凝
集剤注入ポンプ11、取水ポンプ3の運転のいずれか1
つ以上を制御して、原水中の細菌を殺菌除去し、細菌が
殺菌剤で殺菌しきれないほど多量の場合あるいは凝集剤
の添加量があまりにも多くなる場合は、取水ポンプ3を
停止する。
【0049】具体的には、原水の取水点17で標識ファ
ージを用いた細菌測定装置18で測定された監視すべき
細菌の数に応じて、前塩素ポンプ9の出力を調整し、大
腸菌が一定数以上になったときは、取水ポンプ3を停止
し、細菌で汚染された原水の浄水処理を行わないように
し、細菌数が一定数以下になったときに、取水ポンプ3
の運転を再開する。細菌の殺菌除去をフィードフォワー
ド制御することができるので、浄水処理設備2の工程で
細菌の処理が不十分となる危険性のある原水が流入する
ことがないため、安全性の高い浄水つまり水道水を供給
することが可能となる。
【0050】また、図1に示した実施例では、細菌測定
装置18を取水点17に設置して取水ポンプ3を制御し
ているが、細菌測定装置18を浄水設備2内に設置し着
水井6あるいは原水送水管5より原水の一部を被験水と
して採取して細菌を測定し、前塩素注入ポンプ9の出力
を調整したり、取水ポンプ3の運転と停止制御を行って
もよい。この場合取水ポンプ3を停止しても、着水井6
には既に細菌で汚染された原水が流入しているので、着
水井6に原水の戻し配管および浄水処理のラインとの切
替え弁を設け、細菌で汚染された原水を河川に戻すこと
が必要となる。 実施例2 図1に示した浄水処理設備により原水中の大腸菌数を測
定し、塩素による殺菌処理を行った。
【0051】浄水処理設備の運転条件は以下のように行
った。
【0052】・運転条件 原水:河川水 処理量:700m3/日 消毒剤:NaClO 凝集剤:PAC(ポリ塩化アルミニウム) なお、細菌検出装置に用いた標識バクテリオファージ
は、特願平9−88781号明細書記載の方法により調
製した大腸菌に特異的に吸着する蛍光標識バクテリオフ
ァージを用いた。
【0053】細菌検出装置はフローセルを用い、リアク
タ温度を37℃に設定し、フローサイトメトリー(バイ
オラット社製、「BRYTE HS」)を検出装置と
し、塩素注入ポンプと取水ポンプを制御した。塩素注入
量は前記の表1に従って決定した。
【0054】原水中に含まれる大腸菌数の経時変化を図
4に示す。図4に示したように、では大腸菌数が10
0個/ml以下なので前塩素濃度は3mg/lとし、
では大腸菌数が101〜200個/mlの範囲なので4
mg/lとし、では201〜500個/mlの範囲な
ので5mg/lとし、では大腸菌数が501個/以上
であったため大腸菌数が500個/以下となるまで取水
ポンプを停止した。フィードフォワード制御により原水
に含まれている大腸菌の殺菌除去を行ったため、浄水処
理プロセスに大腸菌が混入することはなく、運転期間中
処理された浄水中に大腸菌は検出されなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明の浄水処理方法および浄水処理設
備によれば、原水が大腸菌等の細菌により汚染されて
も、リアルタイムに細菌を検出することができ、速やか
に細菌を殺菌除去できる。細菌に汚染された原水であっ
ても、浄水処理を自動的に制御することが可能となる。
また、原水中の細菌を検出して最適な殺菌剤の添加量を
決定できるので、過剰に塩素剤を添加する必要がないた
め、トリハロメタン等の有害物質の発生を抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄水処理設備の構成概要の一例を示す
フロー図。
【図2】本発明の浄水設備に用いる細菌検出装置の構成
概要の一例を示すフロー図。
【図3】本発明の上水設備に用いる制御装置の構成概要
の一例を示すフロー図。
【図4】実施例2の取水原水中の大腸菌数と経過時間の
関係を示すグラフ。
【図5】浄水処理設備以外の設備に、標識バクテリオフ
ァージ測定システムを適用した細菌殺菌装置の説明図。
【符号の説明】
1 河川 2 浄水処理設備 3 取水ポンプ 4 原水 5 原水送水管 6 着水井 7 薬品混和池 8 次亜塩素酸ナトリウム貯留槽 9 前塩素注入ポンプ 10 凝集剤貯留槽 11 凝集剤注入ポンプ 12 フロック形成池 13 沈澱池 14 急速砂濾過池 15 後塩素注入ポンプ 16 配水池 17 取水点 18 細菌検出装置 19 制御装置 21 原水ライン 22 リアクタ 23 光学的検出装置 24 培養濃縮液 25 標識ファージ溶液 26,27 ポンプ 51 試料液採取ライン 52 試料液採取ポンプ 53 栄養液供給ポンプ 54 栄養液槽 55 標識バクテリオファージ供給ポンプ 56 標識バクテリオファージ槽 57 リアクタ 58 光学的検出手段 59 制御手段 60 殺菌剤槽 61 殺菌剤供給ポンプ 62 殺菌剤供給ライン
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/50 550 C02F 1/50 550L 560 560Z B01D 21/01 B01D 21/01 B 102 102 21/30 21/30 A C02F 1/52 C02F 1/52 Z C12M 1/34 C12M 1/34 A C12Q 1/68 C12Q 1/68 Z G01N 15/00 G01N 15/00 C 33/58 33/58 A (72)発明者 角田 ふで子 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水を殺菌する殺菌工程および/または
    不純物をフロックとして沈澱により除去する凝集沈澱工
    程を含む浄水処理方法において、検出対象となる細菌に
    特異的に吸着しかつ核酸を色素又は蛍光物質で標識した
    バクテリオファージを含む溶液を取水原水に添加し、色
    素標識核酸又は蛍光標識核酸により標識された細菌を光
    学的検出手段により検出し、検出された細菌の量に応じ
    て取水原水への殺菌剤の添加量、凝集剤の添加量、取水
    ポンプの運転のいずれか1つ以上を制御して、原水中の
    細菌を殺菌除去することを特徴とする浄水処理方法。
  2. 【請求項2】 核酸を色素又は蛍光物質で標識したバク
    テリオファージを原水中で細菌に接触させ、色素標識核
    酸又は蛍光標識核酸が注入された細菌を流動細胞計測法
    により検出することを特徴とする請求項1に記載の浄水
    処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、蛍光
    標識核酸が注入された細菌の蛍光強度又は蛍光光源の大
    きさを計測し、その計測値と予め定めた閾値とを比較す
    ることにより閾値を越えた光源を細菌として検出するこ
    とを特徴とすること浄水処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、光学的検出手段を用いて計測した蛍光強度又は蛍
    光光源の大きさが、予め定めた蛍光強度閾値又は光源の
    大きさ閾値以下の光源を除く画像処理をした後、処理後
    の画像から細菌細菌の有無又は細菌数を検出することを
    特徴とする浄水処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかにお
    いて、バクテリオファージの細菌に対する溶菌感染初期
    の吸着−核酸注入に必要な栄養源を該細菌に対して供給
    することを特徴とする浄水処理方法。
  6. 【請求項6】 原水に殺菌剤および/または凝集剤を添
    加する浄水処理設備において、取水原水に検出対象とな
    る細菌に特異的に吸着しかつ核酸を色素又は蛍光物質で
    標識したバクテリオファージを含む溶液を添加する添加
    手段と、色素標識核酸又は蛍光標識核酸が注入された細
    菌を検出する光学的検出手段とを備えた細菌検出装置
    と、細菌検出装置から送られてきた検出された細菌の量
    に対応する信号に応じて細菌を殺菌する殺菌剤の添加
    量、凝集剤の添加量、取水の断続を決定する論理演算手
    段と、論理演算手段の結果により殺菌剤の添加量、凝集
    剤の添加量、取水ポンプのいずれか1つ以上を制御する
    手段からなる制御装置を備えたことを特徴とする浄水処
    理設備。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の浄水処理設備の細菌検
    出装置において、取水原水をフローセル中に連続的に通
    過させる通液手段と、核酸を色素又は蛍光物質で標識し
    たバクテリオファージを含むファージ溶液を前記フロー
    セルの前段において取水原水に添加するファージ溶液添
    加手段と、色素標識核酸又は蛍光標識核酸が注入された
    細菌をフローセルで検出する光学的検出手段とを備えた
    細菌検出装置であることを特徴とする浄水処理設備。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の浄水処
    理設備の細菌検出装置において、光学的検出手段が撮像
    手段であり、この撮像手段で得た撮像画像から予め定め
    た蛍光強度閾値又は蛍光光源の大きさ閾値以下の光源を
    除く画像処理手段を設けたことを特徴とする浄水処理設
    備。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし請求項8のいずれかに記
    載の浄水処理設備の細菌検出装置において、バクテリオ
    ファージの細菌に対する溶菌感染初期の吸着−核酸注入
    に必要な栄養源を取水原水に供給する栄養源供給手段を
    設けたことを特徴とする細菌の浄水処理設備。
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