JPH1158016A - 短絡移行式アーク溶接方法 - Google Patents

短絡移行式アーク溶接方法

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JPH1158016A
JPH1158016A JP9244599A JP24459997A JPH1158016A JP H1158016 A JPH1158016 A JP H1158016A JP 9244599 A JP9244599 A JP 9244599A JP 24459997 A JP24459997 A JP 24459997A JP H1158016 A JPH1158016 A JP H1158016A
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welding
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short
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circuit
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Kazuichi Nishikawa
和一 西川
Hiroshi Arai
博 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消耗性電極ワイヤを用い、シールドガス中に
おいて短絡とアーク発生とをくりかえして行う短絡移行
式アーク溶接方法の改良に関する 【解決手段】短絡移行式アーク溶接方法において、強制
給電形の溶接トーチを用い、予め要求される溶接トーチ
の給電点から被溶接物の表面までの距離に相当する長さ
のワイヤの抵抗値を基準抵抗値Rrとして算出してお
き、溶接開始後は短絡期間中の所定の時期に溶接電圧E
aおよび溶接電流Iaを検出し、各検出毎に抵抗値Ra
=Ea/Iaを算出するとともに所定回数の検出によっ
て得られた抵抗値Raの平均値Rmを得て、前記平均値
Rmが前記基準抵抗値Rrと等しくなるように前記溶接
トーチの高さを調整する短絡移行式アーク溶接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消耗性電極ワイヤ
(以後単にワイヤという)を用い、シールドガス中にお
いて短絡とアーク発生とをくりかえして行う短絡移行式
アーク溶接方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】短絡移行式アーク溶接においては、一般
に略定電圧特性の溶接電源を用い、ワイヤを一定速度で
送給しながら溶接を行う。このとき、ワイヤの溶融速度
は溶接が安定に継続しているかぎりワイヤの送給速度と
平衡しており、ワイヤの送給速度が一定なら溶接アーク
による溶融量に対応する平均溶接電流も一定になる。
【0003】即ち、平均溶接電流I1 、平均溶接電圧V
1 で溶接中に被溶接物の表面が低くなってトーチと被溶
接物との距離が長くなったとすると、この分だけアーク
長が長くなろうとする。しかるに、アーク長が長くなる
ためにはこれに正比例する平均溶接電圧E1 が高くなら
なければならないが、前述のように溶接電源は略定電圧
特性であり、出力電流の増加に対してわずかに出力電圧
が低下する程度である。このためにアーク長が長くなる
と急激に電流が減少する。この電流減少によってワイヤ
の溶融量が激減し、かつこの間にもワイヤは一定速度で
送給されているので、ワイヤのトーチからの突出し長さ
が増加して、アーク長の変化を抑制し、アーク長の回復
にしたがって平均溶接電流も回復して、平衡することに
なる。
【0004】逆に、アーク長が減少しようとしたとき
は、上記と逆の経過をたどりアーク長の減少分だけ平均
溶接電流が一時増加し、ワイヤの溶融量増加によってア
ーク長が回復し、アーク長の回復にしたがって平均溶接
電流も回復して平衡する。
【0005】上記の現象は、消耗性電極を用いて一定速
度でワイヤを送給するアーク溶接において、定電圧特性
の溶接電源を用いて安定に溶接が行なえるためのアーク
の自己制御性として一般に知られているものである。し
かるに、実際には、ワイヤの溶接トーチからの突出し部
分における抵抗発熱もワイヤの溶融に相当な割合で寄与
しており、上記のようにトーチと被溶接物との間の距離
が変化したときに落着く平衡点では、ワイヤの突出し長
さが変動前よりも増減しており、これに併うワイヤ自身
を流れる電流による抵抗発熱量も大巾に増減して、これ
によってワイヤの溶融量も相当量変化することになる。
一方、ワイヤの送給速度はこれらの前後において変化し
ないので、結局ワイヤ溶融量全体におけるアーク熱によ
るワイヤの溶融量の割合が以前よりもワイヤの抵抗発熱
に基づく溶融量変化分だけ変化していることになる。こ
のことは溶接電圧が略一定であることから平均溶接電流
がワイヤの抵抗発熱に依存して変化した状態で平衡に達
することを意味する。
【0006】上記から、従来はこの平均溶接電流の変化
を検出して、これを一定に保つようにトーチ高さ(トー
チの被溶接物表面方向の距離)を変化させるアーク倣い
方式と呼ばれる制御方法が行なわれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記のよう
に平均溶接電流を検出してこれを一定にするようにトー
チ高さを調整する方式のものにおいては、この平均溶接
電流の変化が抵抗発熱による溶融量変化によるものであ
り、一般に抵抗発熱がI2 ・Rで表わされる通り、平均
溶接電流の2乗に比例する要素が含まれており、ワイヤ
溶融量の変化に対して検出し得る量(平均溶接電流)の
変化は少なく、また制御系が非線形(2乗)の要素を入
力として動作することになるので精度や安定性に欠ける
ものであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を解決するために、消耗性電極ワイヤを用い短絡
とアーク発生とをくりかえしながら溶接を行う短絡移行
式アーク溶接方法において、溶接ワイヤへの給電点が一
定する強制給電形の溶接トーチを用い、予め要求される
溶接トーチのチップの給電点から被溶接物の表面までの
距離(ワイヤの突き出し長さとアーク長との和であるが
アーク長は短いので以後これらの和をワイヤ突出し長と
言う)における前記ワイヤの抵抗値を基準抵抗値Rrと
して算出しておき、溶接開始後は短絡期間中の所定の時
期に溶接電圧Eaおよび溶接電流Iaを検出し、各検出
毎に抵抗値Ra=Ea/Iaを算出するとともに所定回
数の検出によって得られた抵抗値Raの平均値Rmを得
て、前記平均値Rmが基準値Rrと等しくなるように前
記溶接トーチの高さを調整する短絡移行式アーク溶接方
法を提案したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、ワイヤ送給速度が一
定でも平均溶接電流が変動する原因が溶接トーチからの
ワイヤ突出し長の変動に原因があることを考慮し、ワイ
ヤ突出し長を実測できれば、これを制御することは可能
であると考え、溶接中におけるワイヤ突出し長の測定方
法について検討した。
【0010】まず、溶接中において、ワイヤ突出し長
(の平均値)が変化する原因の一つに溶接トーチ内にお
けるワイヤへの給電点が変動することが考えられる。一
般の溶接トーチにおいては給電チップとよばれる銅合金
にワイヤ径よりもわずかに大なる内系の孔をあけたもの
に溶接電源から給電し、ワイヤをこの給電チップの中を
貫通させて溶接部に送給するものである。図1はこの様
子を給電チップ部を主体として示した断面図である。同
図において、1はワイヤであり図示しない送給機構によ
り矢印方向に送給される。2は溶接トーチ本体であり図
ではその極く一部を示してある。3は溶接トーチ2に設
けられた給電チップであり、クロム銅のような比較的硬
度の高い銅合金で作られており、軸方向にワイヤ挿通用
の貫通孔3aが設けられている。この貫通孔3aの内径
はこれに挿通するワイヤ1の直径よりわずかに大なる寸
法にしてある。また、給電チップ3は図に模式的に示し
たように溶接電源4の一方の出力端子に接続されてお
り、溶接電源4の他方の出力端子に接続された被溶接物
5とワイヤ1との間にアーク6を発生させて溶接を行
う。また給電チップ3の周囲および溶接部には溶接中に
アーク6および溶融部を被包するためのシールドガス7
が供給される。
【0011】図1において、通常溶接中に電流が流れる
ワイヤの長さとしては、この給電チップ3の先端からワ
イヤ1の先端までの長さLo を指して言われることが多
い。しかし、前述のように溶接結果に直接影響する抵抗
発熱は、このような見掛けの長さLo ではなく、給電チ
ップ3とワイヤ1との接触部A、即ち真の給電点Aとワ
イヤ先端までの長さLである。それ故、この給電点Aが
溶接中に変動すると給電チップの先端と被溶接物表面と
の距離、即ち本発明で言うワイヤ突出し長に相当する距
離を一定とし、かつ溶接電圧を一定に保っても実際に溶
接電流が流れるワイヤの長さは変化することになって、
このために平均溶接電流が変動して、溶け込み深さや溶
着ビード幅が変動してしまうことになる。
【0012】そこで本発明においては、ワイヤに対する
給電点を常に一定にするために強制給電式の溶接トーチ
を用いる。本発明の実施に適する強制給電式の溶接トー
チとしては、本出願人らが先に提案しているものがある
(例えば特開昭58−93580号,特公平2−498
33号)。その一例の一部分を断面図にて図2(a),
(b)に示す。図2の溶接トーチにおいて、給電チップ
3は可撓性支持部材12に支持されており、バネ13に
よりワイヤガイド11に対してそのワイヤ貫通孔が偏心
するように付勢されており、ワイヤ1は図2(b)の正
面図に示すように常に給電チップ3のワイヤ貫通孔の一
方の内壁に押圧された形となり、これにより給電チップ
3とワイヤ1との接触部が限定され給電点が定まる。
【0013】図2に示すような強制給電方式の溶接トー
チを用いてワイヤの突出し長と抵抗値との関係を測定し
た結果を図3に示す。図3は、直径1.2mmの軟鋼用炭
酸ガスアーク溶接用ワイヤを溶接トーチから送給して被
溶接物に短絡させて所定の電流を流して給電チップと被
溶接物との間の電圧降下を測定し、これから両者間の抵
抗値を算出した結果を示すものであり、横軸に給電チッ
プと被溶接物との間の距離、即ちワイヤ突出し長を、ま
た縦軸に算出した抵抗値を示してある。図3に示す通
り、ワイヤ突出し長と抵抗値とはほぼ正比例の関係にあ
り、この関係はワイヤの材質、直径がかわっても抵抗値
がかわるだけで同様の様子を呈する。
【0014】上記から、あらかじめ材質と直径とをパラ
メータとしてワイヤ突出し長と抵抗値との関係を実験に
より求めておけば、溶接時にはトーチ高さやワイヤ突出
し長を実測しなくても抵抗値を測定することにより真の
ワイヤ突出し長が求められることを意味する。逆に必要
なワイヤ突出し長を得るための抵抗値も予め知ることが
可能である。そこで本発明においては、ワイヤと被溶接
物とを短絡させて所定の電流を流し、このときの電流お
よび溶接トーチと被溶接物との間の電圧降下とから抵抗
値を算出し、あらかじめ実験により求めておいたワイヤ
突出し長と抵抗値とのデータと比較することによりその
ときのワイヤ突出し長を推定できることを利用して、溶
接中に短絡とアーク発生とをくりかえす短絡移行式アー
ク溶接において、短絡発生中に溶接トーチと被溶接物と
の間の抵抗値を検出して、この抵抗値の平均値があらか
じめ定めた抵抗値に等しくなるように溶接トーチの高さ
を調整して、所望のワイヤ突出し長を確保するアーク溶
接方法を提案したものである。
【0015】図4に本発明の短絡移行式アーク溶接方法
を実施する装置の例を構成図にて示す。同図において4
は溶接電源であり、商用交流電源をアーク溶接に適した
特性に変換する。またこの溶接電源4の出力電圧は溶接
電圧設定器31の設定値Erに対応して定まる。32は
溶接電流設定器であり、ワイヤ送給速度制御回路33に
対して要求される溶接電流に見合ったワイヤ送給速度指
令信号Irを出力する。ワイヤ送給速度制御回路33は
入力信号に応じた出力をワイヤ送給用電動機34に供給
し、ワイヤ送給用電動機34は適当な減速機器を介して
送給ロール35を駆動しこれによって所定の速度でワイ
ヤをワイヤリール36から引き出して溶接トーチ2の給
電チップ3から被溶接物5に向って送給する。溶接トー
チ2にはトーチ高さ調整機構37が設けられており、こ
の高さ調整機構37はトーチ位置調整用電動機38によ
って駆動させる。
【0016】一方、溶接電源の出力端子の一方は溶接ト
ーチ2の給電チップに接続され、他の出力端子は被溶接
物5に接続される。溶接電流は電流検出器15によって
検出されて信号Iaとなり、また溶接電圧は電圧検出器
16にて検出されて信号Eaとなる。この電圧検出器1
6の出力信号は除算器21と短絡検出器22とに入力さ
れる。短絡検出器22においては入力電圧信号Eaが予
め定められた電圧より低下したときに、または入力電圧
が設定値より低下してから所定時間の経過後に短絡検出
信号s1 を出力する。除算器21においては溶接電流検
出器15の出力Iaと溶接電圧検出器16の出力Eaと
を入力としてEa/Iaを算出し、短絡検出信号s1 に
同期して、抵抗値信号Ra=Ea/Iaを出力する。こ
の抵抗値信号Raは記憶回路23に時系列に順次記憶さ
れる。記憶回路23には所定個数の抵抗値信号Raが記
憶されるものとし、データ量が記憶容量に達すると逐次
最も古いデータから破棄し新しいデータを末尾に加える
方式のものを用いる。記憶回路23の内容は所定のタイ
ミングで読み出されてこれらの平均値Rmが平均値演算
回路24にて演算される。
【0017】溶接に先立ち、ワイヤ突出し長とそのとき
の抵抗値との関係を各ワイヤの材質および直径に関して
実験により求めておき、これをデータベースとして突出
し長対抵抗値記憶回路25に格納しておく。溶接の開始
に際して要求される溶接品質に対応するワイヤ突出し長
Lrをワイヤ材質および直径とともにワイヤ突出し長設
定器26にて設定し、その設定信号に対応した抵抗値R
rを突出し長対抵抗値記憶回路25から読み出して抵抗
値基準値Rrとして出力する。この抵抗値基準値Rrは
溶接中に平均値演算回路24にて算出された検出抵抗値
の平均値Rmと比較器27にて比較されて、差信号Δr
=Rr−Rmがトーチ位置調整用電動機制御回路39に
供給される。トーチ位置調整用電動機制御回路39はこ
の誤差信号Δrが減少する方向に、即ちΔr>0なら検
出抵抗値が低すぎるのでこれを増加させるべく溶接トー
チを上昇させてワイヤ突出し長を増加させ、逆にΔr<
0ならRr<Rmであり突出し長が長すぎるので溶接ト
ーチを下降させるように、トーチ位置調整用電動機を駆
動し、Δr=0となるように制御する。
【0018】図4の装置は上記のように動作するので溶
接トーチの給電チップの給電点と被溶接物の表面との間
の距離を常に所望の値に保つことができる。
【0019】図4の装置において、短絡検出器22は溶
接中にワイヤ1が被溶接物5に短絡したときに検出信号
s1 を出力するものであるが、短絡移行式アーク溶接に
おいては、この短絡からアーク発生までの間に電極先端
の状態が大きく変化し、このために電圧検出器の出力E
aと大きく変化する。この様子を図5により説明する。
図5は短絡移行式アーク溶接における溶接電圧,溶接電
流の時間的な変化を各時期におけるワイヤ先端の状態と
共に示した図であり、(a)は溶接電圧、(b)は溶接
電流、(c)は各時期におけるワイヤ先端の状況を概念
的に示した図である。同図において、Taはアーク発生
期間、Tbは短絡中を示す。アーク発生中においてワイ
ヤ先端はアークにより溶融され、溶融したワイヤは溶接
電圧、溶接電圧が比較的低く設定されている短絡移行式
アーク溶接においては、容易に離脱せず溶融球となって
ワイヤ先端に留る。この溶融球は次第に成長しついには
時刻tsにおいて示すように被溶接物に接触する。(短
絡期間の始まり)このとき、溶融球は大きく、その断面
積が大きいために検出し得る電圧は比較的低い値とな
り、その後ワイヤ先端の溶融球が被溶接物側に急速に移
行して短絡部分のワイヤ溶融分はほとんどなくなり、短
絡部分の直径もワイヤ径にほぼ等しくなる(時刻ts1
ないしts2 )。さらに時間が経過すると短絡電流の増
加によりこの短絡電流の電磁力により短絡部は強くしぼ
られて次第に細くなり(t=t3 )、やがて破断して短
絡解消・アーク再生に至る。それ故、短絡発生直後の溶
接電圧は真のワイヤ部分の抵抗による電圧降下を示して
いるとは言い難く、また短絡期間の末期も細くくびれた
部分の抵抗値を含むために正しい値が得られるとは限ら
ない。それ故、ワイヤ突出し長に対応する溶接電圧とし
ては短絡開始後若干の遅れ時間Tdを経て後の電圧を採
用するように短絡検出器22を構成しておくことが望ま
しい。
【0020】また、図4の装置においては、基準抵抗値
Rrとしてあらかじめ実験によりワイヤの材質・直径毎
に求めたワイヤ突出し長対抵抗値のデータベースからワ
イヤ材質,直径,ワイヤ突出し長を指定して対応する基
準抵抗値を読み出すようにしたが、この基準抵抗値とし
ては上記によるほか特に突出し長対抵抗値記憶回路を設
けず、溶接開始初期のワイヤ突出し長における平均値演
算回路24の出力を記憶し、この値を基準値Rrとして
引続く溶接中に用いるようにしてもよい。この場合、溶
接開始等には、他の方法、例えば目視による突出し長の
測定などにより開始し、基準値Rrが得られるまでの暫
時の間はトーチ位置調整用電動機制御回路を休止させて
トーチ高さを初期のまま保ち、一定時間経過後はその直
前の平均演算回路24の出力を基準値Rrとして記憶し
て以後これに倣うようにトーチ位置の制御を開始するよ
うに構成すればよい。
【0021】図6はそのようにした装置の例を示す図で
あり、40aは溶接開始から一定時間の後に閉じるタイ
マ接点、40bは溶接開始から一定時間の後に開くタイ
マ接点、41は記憶回路である。同図のその他は図4の
装置と同機能のものに同符号を付してある。
【0022】図6の装置においては、溶接開始時にはタ
イマ接点40bは閉じており、タイマ接点40aは開い
ているので平均値演算回路24の出力は記憶回路41に
も供給され、一方トーチ高さ制御用電動機制御回路39
の出力は、電動機38には供給されず、溶接トーチは停
止している。
【0023】図6の装置において、溶接開始前に溶接ト
ーチ2の高さを所望のワイヤ突出し長になる位置に手動
操作にて位置決めしておく。この状態で溶接開始すると
そのときの短絡時の溶接電圧、溶接電流とが除算器21
にて除算されて抵抗値Raとなり、記憶回路23に順次
記憶されて、記憶データが所定数となったところで平均
値演算回路24はこれらの平均値Rmを算出する。この
平均値Rmはタイマ接点40bを通して記憶回路41に
入力される。溶接開始から所定時間経過するとタイマ接
点40bが開くので記憶回路41はその直前の入力信号
を記憶する。この記憶回路の内容は基準抵抗値信号Rr
として比較器27に出力されて平均値演算回路24の出
力Rmと比較されて差信号Δr=Rr−Rmがトーチ位
置調整用電動機制御回路39に出力される。またタイマ
接点40bが開くのと同時にタイマ接点40aが閉じる
のでトーチ位置調整用電動機制御回路39の出力は電動
機38に供給されて溶接トーチの高さを短絡時の抵抗値
の平均値が記憶回路41の出力Rmに等しくなるように
動作する。
【0024】図4および図6の装置においては個別の回
路を組合せて構成したがこれらをマイクロコンピュータ
を用いてソフトウエアによって実現してもよい。その場
合には、溶接電圧検出器16、溶接電流検出器15の各
出力を入力としてこれらを除算してRa=Ea/Iaを
得、短絡検出信号によってこれらの除算結果を逐次記憶
するとともに適当個数のデータの平均値Rmを取り、基
準値Rrと比較して差信号Δr=Rr−Rmを出力する
ところまでを一連のソフトウエアに置きかえればよい。
【0025】さらにまた、溶接トーチを産業用ロボット
に取りつけて、ロボットに溶接経路を教示して溶接を行
うものにおいては、比較信号Δrをロボット制御装置に
供給して、溶接トーチの位置制御信号をこれによって補
正するように構成すればよい。この場合、トーチ位置調
整用制御回路39はロボット制御回路に、またトーチ位
置調整用電動機38およびトーチ高さ調整機構37はロ
ボット本体にそれぞれ代替することにより実現できる。
【0026】
【発明の効果】本発明は上記の通りであるので、ワイヤ
突出し長の検出を高精度に行うことができ、検出遅れが
なく、真のワイヤ突出し長を目的の値に正確に保つこと
が可能となる。また、ワイヤ突出し長と抵抗値との関係
を予め求めて記憶させておくことにより、溶接開始に際
して特にトーチ高さを計測して、目的の値に合せる作業
をしなくても、所望のワイヤ突出し長に対応する抵抗値
を設定するだけで適当なトーチ高さで溶接を開始すれば
その後極く短時間のうちに目的のワイヤ突出し長を確保
できる位置にトーチを保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給電チップのワイヤへの給電点と溶接電流が流
れるワイヤの長さとの関係を説明するための図。
【図2】強制給電方式の溶接トーチの概要を示す断面
図。
【図3】ワイヤ突出し長と抵抗値との関係を示す線図。
【図4】本発明の短絡移行式アーク溶接方法を実施する
装置の例を示す図。
【図5】図4の装置における溶接電圧と溶接電流の変化
をワイヤ先端の様子と共に示す図。
【図6】本発明の短絡移行式アーク溶接方法を実施する
装置の別の例を示す図。
【符号の説明】
1 ワイヤ 2 溶接トーチ 3 給電チップ 3a ワイヤ貫通孔 4 溶接電源 5 被溶接物 6 アーク 7 シールドガス 11 固定のワイヤガイド 12 可撓性のチップ支持部材 13 バネ 14 可撓性のチップ支持部材を回動可能に支持するピ
ン 15 溶接電流検出器 16 溶接電圧検出器 21 除算器 22 短絡検出器 23 記憶回路 24 平均値演算回路 25 突出し長対抵抗値記憶回路 26 突出し長設定器 27 比較器 31 溶接電圧設定器 32 溶接電流設定器 33 ワイヤ送給速度制御回路 34 ワイヤ送給電動機 35 送給ロール 36 ワイヤリール 37 トーチ高さ調整機構 38 トーチ位置調整用電動機 39 トーチ位置調整用電動機制御回路 40a 溶接開始後一定時間の後に閉じるタイマ接点 40b 溶接開始時から一定時間の間閉じるタイマ接点 41 基準抵抗値記憶回路 L 真のワイヤ突出し長 L0 見掛けのワイヤ突出し長 Ta アーク発生期間 Tb 短絡期間 ts 短絡発生時刻 td 抵抗値検出待時間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消耗性電極ワイヤを用い短絡とアーク発
    生とをくりかえしながら溶接を行う短絡移行式アーク溶
    接方法において、溶接ワイヤへの給電点が一定する強制
    給電形の溶接トーチを用い、予め要求される溶接トーチ
    の給電点から被溶接物の表面までの距離に相当する長さ
    のワイヤの抵抗値を基準抵抗値Rrとして算出してお
    き、溶接開始後は短絡期間中の所定の時期に溶接電圧E
    aおよび溶接電流Iaを検出し、各検出毎に抵抗値Ra
    =Ea/Iaを算出するとともに所定回数の検出によっ
    て得られた抵抗値Raの平均値Rmを得て、前記平均値
    Rmが前記基準抵抗値Rrと等しくなるように前記溶接
    トーチの高さを調整する短絡移行式アーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記溶接電圧Eaおよび溶接電流Iaは
    1回の短絡期間中の各平均値を検出するものである請求
    項1に記載の短絡移行式アーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記溶接電圧Eaおよび溶接電流Iaは
    各短絡期間の始期から一定時間後の値をサンプリングす
    るものである請求項1に記載の短絡移行式アーク溶接方
    法。
JP9244599A 1997-08-25 1997-08-25 短絡移行式アーク溶接方法 Pending JPH1158016A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009045662A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Daihen Corp 溶接電源
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