JPH1158028A - スポット溶接におけるナゲット径の推定方法 - Google Patents
スポット溶接におけるナゲット径の推定方法Info
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Abstract
極めて正確に推定すること。 【解決手段】 スポット溶接中の電極間変位の経時変化
を検出し、この経時変化を最適積分区間で積分し、これ
によって実溶接ナゲット径を推定し、溶接強度の信頼性
を向上する。
Description
形成されるナゲットの径を極めて正確に推定することが
可能なスポット溶接におけるナゲット径の推定方法に関
する。
向上を目的とする方法として、溶接電流通電中(ナゲッ
ト生成過程)における母材の熱膨張を利用した様々な方
法が開発されている。
報、特公昭53−4057号公報に開示されているもの
は、溶接電流通電中の電極間の最大変位量Hmaxによ
りナゲット径を推定し、このナゲット径から溶接の信頼
性を測っている。また、USP3400242号公報、
特公昭53−4057号公報に開示されているものは、
熱膨張速度dh/dtによりナゲット径を推定し、この
ナゲット径から溶接の信頼性を測っている。さらに、特
開平7−232279号公報に開示されているものは、
溶接電流通電終了後の収縮現象を検出し、これによっ
て、溶接の信頼性を測ろうとするものである。
たいずれの方法においても、溶接中の散りの発生や、初
期接触抵抗値のバラツキ、または近傍に存在する溶接済
み打点への溶接電流の分流等により、形成されるナゲッ
ト径の正確な判断が困難であり、判定結果についても溶
接品質を定量的に表すことは困難である。
よりナゲット径を推定する場合には、通電中の散りの発
生により最大変位量が大きく変動してしまうことから、
たとえ実際には正常なナゲット径が確保されているとし
ても、その判定結果は異常と出ることが多い。
ト径を推定する場合には、熱膨張速度dh/dtが急激
であれば、後に散りが発生し実際のナゲット径が小さく
とも、その判断結果は正常と出ることが多く、低電流に
よる溶接をした場合には、実際には正常なナゲット径が
確保されているのにも拘らずに熱膨張速度dh/dtが
緩やかであるために、判定結果は異常と出ることが多
い。
短あり、どのような条件の場合にも正確なナゲット径を
推定することは不可能である。
て成されたものであり、スポット溶接後に形成されるナ
ゲットの径を極めて正確に推定することが可能なスポッ
ト溶接におけるナゲット径の推定方法の提供を目的とす
る。
の本発明は次のように構成される。
の熱膨張による電極間変位Hexpを積分処理すること
により実溶接ナゲット径(溶接強度)を推定することを
特徴とするスポット溶接におけるナゲット径の推定方法
である。
了後の熱収縮による電極間変位Hcntを積分処理する
ことにより実溶接ナゲット径(溶接強度)を推定するこ
とを特徴とするスポット溶接におけるナゲット径の推定
方法である。
のスポット溶接におけるナゲット径の推定方法におい
て、熱膨張による電極間変位Hexpの積分処理は、以
下の積分開始点ta及び積分終了点tbによる組み合わ
せから決定される積分区間内で行うことを特徴とする。
する。 溶接条件(溶接電流、通電時間、溶接加圧力、被溶接
板材の材質、変位量検出分解能、サンプリング周期、溶
接方式(単相交流、インバータ)に基づいて予め積分開
始点taを定める。 通電中の電極間変位が一定レベルに達したか、または
越えた点を積分開始点taとする。 通電開始から一定時間経過した点を積分開始点taと
する。 積分終了点tbは、下記のいずれかを採用する。 上記溶接条件に基づいて予め積分終了点tbを定め
る。 通電中または通電終了後の電極間変位量が最大値を越
えた後、一定レベルまで低下したか、または一定レベル
を越えた点を積分終了点tbとする。 前記積分開始点taから一定時間経過した点を積分終
了点tbとする。 通電中の電極間変位の熱膨張速度が0になった点を積
分終了点tbとする。 通電開始から一定時間経過した点を積分終了点tbと
する。
のスポット溶接におけるナゲット径の推定方法におい
て、熱収縮による電極間変位Hcntの積分処理は、以
下の積分開始点ta及び積分終了点tbによる組み合わ
せから決定される積分区間内で行うことを特徴とする。
する。 通電終了点を積分開始点taとする。 通電終了後の電極間変位が一定レベルに達したか、ま
たは越えた点を積分開始点taとする。 通電終了から一定時間経過した点を積分開始点taと
する。 積分終了点tbは、下記のいずれかを採用する。 上記溶接条件に基づいて予め積分終了点tbを定め
る。 前記積分開始点taから一定時間経過した点を積分終
了点tbとする。 通電中の電極間変位の熱膨張速度が0になった点を積
分終了点tbとする。 通電終了から一定時間経過した点を積分終了点tbと
する。
のスポット溶接におけるナゲット径の推定方法におい
て、溶接電流通電中の熱膨張による電極間変位Hexp
を積分処理して求めた電極間変位積分値(X1)と、溶
接電流値(X2)、通電時間(X3)、溶接加圧力(X
4)から推定ナゲット径(y)を求める下記の回帰式
を、多変量データ(多数の溶接諸条件から観察されたデ
ータ)に基づいて統計的モデルを探索(推定ナゲット径
yと実測ナゲット径Yについて最小二乗法により誤差e
が最小となるように各偏回帰係数b、b0〜b4を決
定)しながら演算し、実溶接ナゲット径(溶接強度)を
推定することを特徴とする。
接におけるナゲット径の推定方法において、溶接電流通
電終了後の熱収縮による電極間変位Hcntを積分処理
して求めた電極間変位積分値(X1)と溶接電流値(X
2)、通電時間(X3)、溶接加圧力(X4)から推定
ナゲット径(y)を求める下記の回帰式を、多変量デー
タ(多数の溶接諸条件から観察されたデータ)に基づい
て統計的モデルを探索(推定ナゲット径yと実測ナゲッ
ト径Yについて最小二乗法により誤差eが最小となるよ
うに各偏回帰係数b、b0〜b4を決定)しながら演算
し、実溶接ナゲット径(溶接強度)を推定することを特
徴とする。
接におけるナゲット径の推定方法において、溶接電流通
電中の熱膨張による電極間変位Hexpを積分処理して
求めた電極間変位積分値(X1)と被溶接板材の板厚
(X2)、材質(X3)、被溶接板材の組み合わせ(X
4)、表面処理(X5)から推定ナゲット径(y)を求
める下記の回帰式を、多変量データ(多数の溶接諸条件
から観察されたデータ)に基づいて統計的モデルを探索
(推定ナゲット径yと実測ナゲット径Yについて最小二
乗法により誤差eが最小となるように各偏回帰係数b、
b0〜b5を決定)しながら演算し、実溶接ナゲット径
(溶接強度)を推定することを特徴とする。
接におけるナゲット径の推定方法において、溶接電流通
電終了後の熱収縮による電極間変位Hcntを積分処理
して求めた電極間変位積分値(X1)と被溶接板材の板
厚(X2)、材質(X3)、被溶接板材の組み合わせ
(X4)、表面処理(X5)から推定ナゲット径(y)
を求める下記の回帰式を、多変量データ(多数の溶接諸
条件から観察されたデータ)に基づいて統計的モデルを
探索(推定ナゲット径yと実測ナゲット径Yについて最
小二乗法により誤差eが最小となるように各偏回帰係数
bを決定)しながら演算し、実溶接ナゲット径(溶接強
度)を推定することを特徴とする。
7の内いずれか1に記載のスポット溶接におけるナゲッ
ト径の推定方法において、溶接電流通電中の熱膨張によ
る電極間変位積分値と、溶接電流通電終了後の熱収縮に
よる電極間変位積分値とから、補正係数K=熱収縮によ
る電極間変位積分値/熱膨張による電極間変位積分値を
演算することによって補正係数Kを演算し、これを熱膨
張による電極間変位積分値に乗ずることにより電極先端
接触面積による電極間変位量の減衰を補正するようにし
たことを特徴とする。
は請求項7に記載のスポット溶接におけるナゲット径の
推定方法において、溶接中に散りが発生した場合には、
散り発生直前の最大変位量Hpeakを保持し、継続さ
れる溶接電流により再度被溶接板材が熱膨張を開始した
場合に、この点を基点Hbottomとして以後、Hb
ottomからの相対変位量Hrelを前記最大変位量
Hpeakに加算し、散り発生後の電極変位量Hexp
を補正し、この補正後の電極間変位量から電極間変位積
分値を演算し、この電極間変位積分値を用いて前記回帰
式を演算することを特徴とする。
は請求項8に記載のスポット溶接におけるナゲット径の
推定方法において、溶接中に散りが発生した場合には、
通電終了後の熱収縮による電極間変位の変位速度が0に
なるまで電極間変位量をサンプリングし、通電終了後の
熱収縮による電極間変位の変位速度が0になったときの
電極間変位量Hcnt0と通電開始前の電極間変位の基
準点H0との相対変位量の絶対値を散り発生以降のサン
プリングデータに加算して散り発生後の電極間変位量H
expを補正し、この補正後の電極間変位量から電極間
変位積分値を演算し、この電極間変位積分値を用いて前
記回帰式を演算することを特徴とする。
ット径の推定方法によれば、各請求項ごとに次のような
効果を奏することになる。
ば、電極間変位を積分処理することによってナゲット径
を推定するようにしたので、外乱の影響が受けにくくナ
ゲット径を高精度で推定することができる。
ば、積分区間を設定し、通電中または通電終了後の電極
間変位の特徴が現れる一定範囲の電極間変位を積分する
ようにしたので、外乱の影響を受けることなくナゲット
径を高精度で推定することができる。
ば、溶接諸条件を考慮した回帰式によってナゲット径を
推定するようにしたので、溶接諸条件の影響を受けるこ
となくナゲット径を高精度で推定することができる。
により電極間変位量の減衰を補正するようにしたので、
さらに高精度にナゲット径の推定をすることができるよ
うになる。
よれば、溶接中に散りが発生した場合には、散り発生直
前の最大変位量を保持するようにしたので、溶接中に散
りが発生した場合においてもナゲット径を高精度で推定
することができる。
の現状は、自動化が進み、そのほとんどがロボットを用
いたスポット溶接であり、溶接条件出力(起動指令)は
ロボットによって出力される。
圧装置を固定し、同時に多点溶接をする設備)において
も、溶接条件出力(起動指令)は、上位制御装置により
出力されるため、いずれの装置からも容易に溶接条件を
取り出すことができる。
制御装置)の場合には、電極加圧装置制御機能を備え、
外部からの起動に従い、電極の加圧、開放制御を行える
ものがある。
あるいは内蔵させることで溶接諸条件を抽出し、スポッ
ト溶接におけるナゲット径の推定をするものである。
けるナゲット径の推定方法を実行する装置の全体構成を
示すブロック図である。母材10には、その上下方向か
ら溶接ガン11に取り付けられた電極チップ12A,1
2Bが圧接される。この圧接された状態で電源回路15
から両電極チップ12A,12Bに溶接電流が供給され
る。この溶接電流の電流値や通電時間(溶接時間)は、
中央演算装置20の指令に基づいて動作する電流制御回
路16によって制御される。
構成される閉圧装置18によって昇降される。電極チッ
プ12Aの位置は、たとえばエンコーダ等からなる電極
位置検出装置19によって検出される。この電極位置検
出装置19によって溶接中における電極チップ12Aの
微少な上下動が検出される。なお、閉圧装置18の動作
は、中央演算装置20の指令に基づいて動作する閉圧制
御回路22によって制御される。また、電極位置検出装
置19で検出された電極チップ12Aの変位量は、電極
位置検出回路24を介し閉圧装置18の位置制御のた
め、閉圧制御回路22にフィードバックされる。
分終了点などの各種の緒元データ、回帰式などを記憶す
るものである。
及び図3に示すようなフローチャートが実行される。こ
のフローチャートは本発明方法の手順を示すものであ
る。以下に、このフローチャートを図4から図9を参照
しながら詳細に説明する。
いる緒元データを読み込む。この緒元データは、たとえ
ば溶接電流、通電時間、溶接加圧力、被溶接板材の材
質、変位量検出分解能、サンプリング周期、溶接方式
(単相交流、インバータ)、被溶接板材の板厚、材質、
表面処理、被溶接板材の組み合わせ等である。
数を直接記憶させておくことも可能である。後述のよう
に推定ナゲット径は、回帰式を計算することによって求
めるのであるが、この回帰式によって求めた推定値が実
測値と極めて近くなるように、実験結果から回帰式を構
成する各回帰係数を求めておく。このように、予め回帰
係数を記憶させておけば、推定ナゲット径は簡単な代数
式を演算することによって容易に求めることができる。
もちろん、この回帰係数は、実験結果を記憶させておく
ことによって、回帰式を演算する際に逐次演算するよう
にしても良い。
力する。この指令を受けた閉止制御回路22は、閉圧装
置(サーボモータ)18を作動させ、電極チップ12A
を母材10に近付ける。電極チップ12Aが所定の圧力
で母材10を加圧したら、中央演算装置20は、電極チ
ップ12Aの現在位置を記憶する。この記憶された位置
が電極間現在位置の原位置、すなわちゼロ位置になる。
なお、母材を所定の圧力で加圧したかどうかの判断は閉
止制御回路22によって行う。サーボモータの場合に
は、加圧力制御をすることができるからである。
は電流制御回路16に溶接指令を出力する。
回路15を作動させ、電極チップ12Aと12Bとを介
して母材10に所定の電流を通電させる。この通電させ
る電流は、図4に示すような所定の周波数の交流電流で
ある。
は電極位置検出装置19によって電極チップ12Aの変
位の変動状況を高速でサンプリングして記憶回路26に
記憶させておく。
10にスポット溶接を施す場合、電極間変位は短時間の
間で通常図4に示すように変化する。つまり、通電が開
始されると共に母材10の膨張が始まって一定量まで膨
張し、通電終了と共に収縮する。電極位置検出装置19
はこの電極間変位の経時変化を検出し、電極位置検出回
路24を介して中央演算装置20に出力する。中央演算
装置20はこの検出されている電極間変位を一定の時間
ごとにサンプリングして記憶回路26に記憶させる。サ
ンプリング周期は、溶接に要する時間、電極間変位の要
求精度に応じて最適な時間に設定する。
Hexpをサンプリングするものにあっては、溶接電流
通電中の電極間の変位をサンプリングして記憶させてお
く。通電終了後の熱収縮による電極間変位Hcntをサ
ンプリングするものにあっては、溶接電流通電終了直後
からの電極間の変位をサンプリングして記憶させてお
く。
れば、電極間変位のサンプリングを電極チップ12Aが
母材10を加圧してから開くまでの間(溶接電流通電中
と通電終了後の両方を含む)行って、溶接電流通電中と
通電終了後のいずれかに対して積分処理を行うようにし
ても良い。
ている回帰式を読み込んで、最適な回帰式の設定をす
る。つまりナゲット径の推定計算をするために必要な回
帰式を準備する。
る。第1の回帰式は、後述する電極間変位積分値と溶接
電流値、通電時間、溶接加圧力から推定ナゲット径を求
める回帰式であり、溶接電流通電中の熱膨張による電極
間変位を積分処理して求めた電極間変位積分値を用いる
場合と溶接電流通電終了後の熱収縮による電極間変位を
積分処理して求めた電極間変位積分値を用いる場合のい
ずれにも対応できるものである。
材の板厚、材質、表面処理、被溶接板材の組み合わせか
ら推定ナゲット径を求める回帰式であり、溶接電流通電
中の熱膨張による電極間変位を積分処理して求めた電極
間変位積分値を用いる場合と溶接電流通電終了後の熱収
縮による電極間変位を積分処理して求めた電極間変位積
分値を用いる場合のいずれにも対応できるものである。
定する。この積分範囲は、記憶回路26に記憶されてい
るが、積分範囲を決定する積分開始点taは、熱膨張に
よる電極間変位Hexpの積分処理を行うには下記のい
ずれかを選択する。
圧力、被溶接板材の材質、変位量検出分解能、サンプリ
ング周期、溶接方式(単相交流、インバータ)に基づい
て予め積分開始点taを定める。 通電中の電極間変位が一定レベルに達したか、または
越えた点を積分開始点taとする。 通電開始から一定時間経過した点を積分開始点taと
する。
積分処理を行うには下記のいずれかを選択する。 通電終了点を積分開始点taとする。 通電終了後の電極間変位が一定レベルに達したか、ま
たは越えた点を積分開始点taとする。 通電終了から一定時間経過した点を積分開始点taと
する。
bは、熱膨張による電極間変位Hexpの積分処理を行
うには下記のいずれかを選択する。 上記溶接条件に基づいて予め積分終了点tbを定め
る。 通電中または通電終了後の電極間変位量が最大値を越
えた後、一定レベルまで低下したか、または一定レベル
を越えた点を積分終了点tbとする。 前記積分開始点taから一定時間経過した点を積分終
了点tbとする。 通電中の電極間変位の熱膨張速度が0になった点を積
分終了点tbとする。 通電開始から一定時間経過した点を積分終了点tbと
する。
積分処理を行うには下記のいずれかを選択する。 上記溶接条件に基づいて予め積分終了点tbを定め
る。 前記積分開始点taから一定時間経過した点を積分終
了点tbとする。 通電中の電極間変位の熱膨張速度が0になった点を積
分終了点tbとする。 通電終了から一定時間経過した点を積分終了点tbと
する。 熱膨張による電極間変位Hexpの積分処理を行うに
は、上記の〜の3つの積分開始点taのいずれかと
上記の〜の5つの積分終了点tbのいずれかとの組
み合わせによって積分範囲を決定する。
積分処理を行うには、上記の〜の3つの積分開始点
taのいずれかと上記の〜の5つの積分終了点tb
のいずれかとの組み合わせによって積分範囲を決定す
る。
を考慮して最適な組み合わせを選択する。また、この積
分範囲は、予め最適な組み合わせのものを選択しておい
て、その選択した積分開始点と積分終了点とを記憶回路
26に記憶させておくようにしても良い。
した電極間変位を取り出して図5に示すようなグラフを
作り、このグラフにS4のステップで選択した積分範囲
を当てはめて積分処理を実行する。
通電中の電極間変位が一定レベルに達した点であり、積
分終了点tbが積分開始点から一定時間経過した点とさ
れている場合には、図5に示すように、最適な条件で溶
接が行われた場合に得られる電極間変位に対しては、積
分区間aが適用され、この範囲で積分処理が実行され
る。また、悪条件下で溶接が行われた場合に得られる電
極間変位に対しては、積分区間bが適用され、この範囲
で積分処理が実行される。
X2、通電時間X3、溶接加圧力X4を推定ナゲット径
yを求める前記した第1の回帰式に代入し、同時に予め
記憶されているか、又は逐一求められた回帰係数b0〜
b4を第1の回帰式に代入して、推定ナゲット径yを求
め、実溶接ナゲット径(溶接強度)を推定する。
果X1と、被溶接板材の板厚X2、材質X3、被溶接板
材の組み合わせX4、表面処理X5を推定ナゲット径y
を求める前記した第2の回帰式に代入し、同時に予め記
憶されているか、又は逐一求められた回帰係数b0〜b
5を第2の回帰式に代入して、推定ナゲット径yを求
め、実溶接ナゲット径(溶接強度)を推定する。
か第2の回帰式のいずれかに基づいて行うが、両方の回
帰式を用いて行っても良い。
の処理であるが、溶接中に散りが発生した場合には電極
チップ12Aの急激な位置変動が生じ、正確な溶接強度
の推定を妨げることになる。本発明では、このような場
合であっても、推定値の信頼性が維持できるように電極
間変位量のサンプリングの処理を工夫している。
チンを示すフローチャートである。以下にこのフローチ
ャートの処理を説明する。
うかを常に判断している。この判断は電極位置検出装置
19によって検出される電極チップ12Aの位置の急変
が検出されたかどうかによって行う。
な溶接が行われたときには、電極チップ12Aの変位は
見られない。一方、図7に示すように、散りが発生した
場合には、その発生と同時に溶融した母材が飛び散るた
めに電極チップ12Aの変位が急変する。中央演算装置
20はこの急変を検出して散りの発生の有無を判断す
る。
を記憶すると共に、中央演算装置20は、その検出がさ
れたときの電極チップ12Aの位置を記憶する。たとえ
ば、図8に示すように、散りが発生すると電極間変位H
exp′は大きく減少方向に転ずるので、この時、散り
発生直前の最大変位量Hpeakを記憶回路26に記憶
させる。
するまで、中央演算装置20は、散り発生直前の最大変
位量Hpeakをサンプリングの度に継続して記憶す
る。
し、検出される電極間変位が増加方向に転じた場合に
は、図8に示すように、この点を基点Hbottomと
し、以降、相対変位量Hrelを前述の最大変位量Hp
eakに加算し、これを電極間変位量Hexp″として
記憶する。この処理によって、散り発生時の補正後の電
極間変位量Hexp″は、正常な溶接時に得られる電極
間変位データHexpに近似されることになる。
る必要はないので、図2のフローチャートの説明と同じ
処理が行われる。
接の熱膨張時の電極間変位を例に説明する。
して、各板厚ごとに最良条件(Aクラス)、中等条件
(Bクラス)、普通条件(Cクラス)の条件が知られて
いる。この溶接条件に基づき、電極間変位の積分範囲t
a〜tbを決定する。
が大きく通電時間が短いため、積分範囲は比較的短くな
る。Cクラスになると、溶接電流値は低く、通電時間が
長いため、積分範囲は長くなる。
以下のようにして行う。 積分開始点ta=推定最大変位量Hmax×k (kは
0.1〜0.3程度) または、積分開始点ta=通電開始時間tw+通電時間
×k (kは0〜0.3程度) 積分終了点tb=積分開始点ta+通電時間×k (k
は0.3〜1程度) 今回例に挙げるのは、板厚t=0.8mmの軟鋼板の最
良条件(Aクラス)で溶接電流7800A、通電時間8
サイクル(160msec)、加圧力190kgfであ
る。この条件で正常な溶接が行われた場合、通電時間の
半分の時間で熱膨張はピークを迎え、その膨張量は10
0μm〜200μmである。
る。1つは、通電中の通電開始時間から通電終了時間で
あり、もう一つは、積分開始点taを熱膨張による検出
変位量が安定するmax/4(50μm)を越えた点と
し、積分終了点をta+通電時間とするものである。こ
のほか、溶接電流値、加圧力、母材の材質、変位量検出
分解能、サンプリング周期、電極先端形状や材質、溶接
方式(単相交流、インバータ溶接など)より、電極間変
位から溶接品質の特徴が抽出できるように考慮する。
ると、溶接諸条件の影響を受け難いスポット溶接打点の
ナゲット径(溶接強度)が推定可能となる基礎データが
求められる。
る。例として、推定ナゲット径yを目的変数として説明
変数に前述の2種類の電極間変位積分値(基礎データ)
x1,x2,溶接電流値x3、溶接加圧力x4を取り、
また、記憶されている回帰係数b0〜b4を用いて回帰
式を求める。この時の回帰式は、 y=b0+b1x1+b2x2+b3x3+b4x4
を用いる。
データと実測ナゲット径の相関を確認したところ、相関
係数は、0.994となり、残差標準偏差は、103.
9μm(約0.1mm)となった。
面処理、重ね合わせ枚数、電極チップ形状、溶接システ
ムの機械的応答性、電気的応答性等、必要に応じ説明変
数に加えることで、様々な条件に対して高精度にスポッ
ト溶接ナゲット径(溶接強度)を推定することが可能で
ある。
極間変位について説明する。
求め方は前述の熱膨脹時と同一であるので、その説明は
省略する。収縮時の電極間変位積分では、電極先端形状
により熱膨張時に検出される電極間変位量の減衰を補正
することを特徴としている。スポット溶接では溶接電流
により母材が加熱、膨張、溶融されるが、電極先端の接
触面積が小さい場合、膨張から溶融の過程で、電極先端
接触面積と加圧力のバランスがとれる位置まで、電極先
端が母材に沈み込む。
張量−沈み込み量となり、本来の熱膨張量よりも少なく
検出される。これに比べて、通電終了後の熱収縮におけ
る電極間変位は、常に、電極先端接触面積と加圧力のバ
ランスがとれた位置からの熱収縮であるため、安定した
電極間変位の検出が可能である。
値と熱収縮時の電極間変位の積分値を比較し、変位積分
量の大きい方を用いるか、この比率を補正係数kとして
膨脹時の変位積分量に乗ずることによって、さらに高精
度にスポット溶接ナゲット径(溶接強度)を推定するこ
とが可能である。
極変位量Hexp′をサンプリングするが、この時のサ
ンプリングは、通電終了後の熱収縮による電極間変位の
変位が0になるまで行う。データは特に加工せずそのま
ま記憶回路26に記憶させる。
ータを読み込み、通電終了後の熱収縮による電極間変位
の変位速度が0になったときの電極間変位量をHcnt
0とすると、図9に示すように、この電極間変位量Hc
nt0と通電開始前の電極間変位の0位置(基準点)H
0との相対変位量の絶対値Hrelを、散り発生以降の
サンプリングデータHsampleに加算し、散り発生
以降の電極間変位量Hexp′を補正する。
となる。
よる電極間変位変動部で熱膨張によらない部分)は、散
り発生直前の最大変位量Hpeakと電極間変位の変動
が収束したときの変位量を直線で補間する。この処理に
より散り発生時の補正後の電極間変位量Hexp″は、
正常な溶接時の電極間変位データHexpに近似される
ことになる。
xp″を前述の積分範囲ta〜tbで積分し、積分値を
算出した後に推定ナゲット径を求める回帰式を求める。
数に前述の2種類の電極間変位積分値(基礎データ)x
1,x2,溶接電流値x3、溶接加圧力x4を取り、ま
た、記憶されている回帰係数b0〜b4を用いて回帰式
を求める。この時の回帰式は、 y=b0+b1x1+b2x2+b3x3+b4x4
を用いる。
差eが最小となるように、最小二乗法を用いて回帰式の
各偏回帰変数bを求める。このときのi番目の実測ナゲ
ット径Yiと推定ナゲット径yiの2変数は線形的な関
係であり、切片aと傾きbと誤差eの下記の単回帰式で
表される。
再膨張するまでの時間と、散りによる電極間変位の変動
量を説明変数に加えた回帰式を求めることで、散り発生
時においても高精度にナゲット径を推定することができ
る。
次のようにして行う。一般的に、溶接品質の定量的な指
標として溶接強度の試験を行う。溶接方法は、引っ張り
剪断試験、引っ張り試験が代表的なものとして挙げられ
る。しかしながら、生産現場でこのような試験機にかけ
られる製品はほとんど存在しないため、代用特性として
溶接ナゲット径を用いた判定が行われるのである。
件下で溶接を行った場合、ナゲット径の大きさは、4.
5t0.5〜5.5t0.5mmを判定基準とし、求め
られた推定ナゲット径yがこの数値の間にあれば、正常
なスポット溶接が行われたものと判断する。
に、単に溶接電流通電中の電極間変位の最大変位量や母
材の熱膨張速度など基づいてナゲット径を推定するので
はなく、電極間変位を一定区間積分することによって電
極間積分値を算出し、これによってナゲット径を推定す
るようにしている。したがって、溶接状況に応じた最適
な積分区間を適用することができ、ナゲット径の推定を
極めて高精度で行うことができ、これによって溶接強度
の推定も信頼性の極めて高いものとなる。
ト径の推定方法を実行する装置の全体構成を示すブロッ
ク図である。
である。
である。
況を示す図である。
極間変位の状況を示す図である。
況を示す図(実例)である。
す図(実例)である。
法を説明するための図である。
法を説明するための図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 溶接電流通電中の熱膨張による電極間変
位Hexpを積分処理することにより実溶接ナゲット径
(溶接強度)を推定することを特徴とするスポット溶接
におけるナゲット径の推定方法。 - 【請求項2】 溶接電流通電終了後の熱収縮による電極
間変位Hcntを積分処理することにより実溶接ナゲッ
ト径(溶接強度)を推定することを特徴とするスポット
溶接におけるナゲット径の推定方法。 - 【請求項3】 熱膨張による電極間変位Hexpの積分
処理は、以下の積分開始点ta及び積分終了点tbによ
る組み合わせから決定される積分区間内で行うことを特
徴とする請求項1に記載のスポット溶接におけるナゲッ
ト径の推定方法。積分開始点taは、下記のいずれかを
採用する。 溶接条件(溶接電流、通電時間、溶接加圧力、被溶接
板材の材質、変位量検出分解能、サンプリング周期、溶
接方式(単相交流、インバータ)に基づいて予め積分開
始点taを定める。 通電中の電極間変位が一定レベルに達したか、または
越えた点を積分開始点taとする。 通電開始から一定時間経過した点を積分開始点taと
する。 積分終了点tbは、下記のいずれかを採用する。 上記溶接条件に基づいて予め積分終了点tbを定め
る。 通電中または通電終了後の電極間変位量が最大値を越
えた後、一定レベルまで低下したか、または一定レベル
を越えた点を積分終了点tbとする。 前記積分開始点taから一定時間経過した点を積分終
了点tbとする。 通電中の電極間変位の熱膨張速度が0になった点を積
分終了点tbとする。 通電開始から一定時間経過した点を積分終了点tbと
する。 - 【請求項4】 熱収縮による電極間変位Hcntの積分
処理は、以下の積分開始点ta及び積分終了点tbによ
る組み合わせから決定される積分区間内で行うことを特
徴とする請求項2に記載のスポット溶接におけるナゲッ
ト径の推定方法。積分開始点taは、下記のいずれかを
採用する。 通電終了点を積分開始点taとする。 通電終了後の電極間変位が一定レベルに達したか、ま
たは越えた点を積分開始点taとする。 通電終了から一定時間経過した点を積分開始点taと
する。 積分終了点tbは、下記のいずれかを採用する。 上記溶接条件に基づいて予め積分終了点tbを定め
る。 前記積分開始点taから一定時間経過した点を積分終
了点tbとする。 通電中の電極間変位の熱膨張速度が0になった点を積
分終了点tbとする。 通電終了から一定時間経過した点を積分終了点tbと
する。 - 【請求項5】 溶接電流通電中の熱膨張による電極間変
位Hexpを積分処理して求めた電極間変位積分値(X
1)と溶接電流値(X2)通電時間(X3)、溶接加圧
力(X4)から推定ナゲット径(y)を求める下記の回
帰式を、多変量データ(多数の溶接諸条件から観察され
たデータ)に基づいて統計的モデルを探索(推定ナゲッ
ト径yと実測ナゲット径Yについて最小二乗法により誤
差eが最小となるように各偏回帰係数b、b0〜b4を
決定)しながら演算し、実溶接ナゲット径(溶接強度)
を推定することを特徴とする請求項3に記載のスポット
溶接におけるナゲット径の推定方法。 回帰式 y=b0+b1x1+b2x2+b3x3+b4x4 Yi=a+byi+e y:推定ナゲット径(目的変数) x1:電極間変位積分値(説明変数) x2:溶接電流(説明変数) x3:通電時間(説明変数) x4:溶接加圧力(説明変数) Yi:i番目の実測ナゲット径 yi:i番目の推定ナゲット径 a:切片 b、b0〜b4:回帰係数 e:誤差 - 【請求項6】 溶接電流通電終了後の熱収縮による電極
間変位Hcntを積分処理して求めた電極間変位積分値
(X1)と溶接電流値(X2)、通電時間(X3)、溶
接加圧力(X4)から推定ナゲット径(y)を求める下
記の回帰式を、多変量データ(多数の溶接諸条件から観
察されたデータ)に基づいて統計的モデルを探索(推定
ナゲット径yと実測ナゲット径Yについて最小二乗法に
より誤差eが最小となるように各偏回帰係数b、b0〜
b4を決定)しながら演算し、実溶接ナゲット径(溶接
強度)を推定することを特徴とする請求項4に記載のス
ポット溶接におけるナゲット径の推定方法。 回帰式 y=b0+b1x1+b2x2+b3x3+b4x4 Yi=a+byi+e y:推定ナゲット径(目的変数) x1:電極間変位積分値(説明変数) x2:溶接電流(説明変数) x3:通電時間(説明変数) x4:溶接加圧力(説明変数) Yi:i番目の実測ナゲット径 yi:i番目の推定ナゲット径 a:切片 b、b0〜b4:回帰係数 e:誤差 - 【請求項7】 溶接電流通電中の熱膨張による電極間変
位Hexpを積分処理して求めた電極間変位積分値(X
1)と被溶接板材の板厚(X2)、材質(X3)、被溶
接板材の組み合わせ(X4)、表面処理(X5)から推
定ナゲット径(y)を求める下記の回帰式を、多変量デ
ータ(多数の溶接諸条件から観察されたデータ)に基づ
いて統計的モデルを探索(推定ナゲット径yと実測ナゲ
ット径Yについて最小二乗法により誤差eが最小となる
ように各偏回帰係数b、b0〜b5を決定)しながら演
算し、実溶接ナゲット径(溶接強度)を推定することを
特徴とする請求項3に記載のスポット溶接におけるナゲ
ット径の推定方法。 回帰式 y=b0+b1x1+b2x2+b3x3+b4x4+b5x5 Yi=a+byi+e y:推定ナゲット径(目的変数) x1:電極間変位積分値(説明変数) x2:被溶接板材の板厚(説明変数) x3:被溶接板材の材質(説明変数) x4:被溶接板材の組み合わせ(説明変数) x5:被溶接板材の表面処理(説明変数) Yi:i番目の実測ナゲット径 yi:i番目の推定ナゲット径 a:切片 b、b0〜b5:回帰係数 e:誤差 - 【請求項8】 溶接電流通電終了後の熱収縮による電極
間変位Hcntを積分処理して求めた電極間変位積分値
(X1)と被溶接板材の板厚(X2)、材質(X3)、
被溶接板材の組み合わせ(X4)、表面処理(X5)か
ら推定ナゲット径(y)を求める下記の回帰式を、多変
量データ(多数の溶接諸条件から観察されたデータ)に
基づいて統計的モデルを探索(推定ナゲット径yと実測
ナゲット径Yについて最小二乗法により誤差eが最小と
なるように各偏回帰係数b、b0〜b5を決定)しなが
ら演算し、実溶接ナゲット径(溶接強度)を推定するこ
とを特徴とする請求項3に記載のスポット溶接における
ナゲット径の推定方法。 回帰式 y=b0+b1x1+b2x2+b3x3+b4x4+b5x5 Yi=a+byi+e y:推定ナゲット径(目的変数) x1:電極間変位積分値(説明変数) x2:被溶接板材の板厚(説明変数) x3:被溶接板材の材質(説明変数) x4:被溶接板材の組み合わせ(説明変数) x5:被溶接板材の表面処理(説明変数) Yi:i番目の実測ナゲット径 yi:i番目の推定ナゲット径 a:切片 b、b0〜b5:回帰係数 e:誤差 - 【請求項9】 溶接電流通電中の熱膨張による電極間変
位積分値と、溶接電流通電終了後の熱収縮による電極間
変位積分値とから、補正係数K=熱収縮による電極間変
位積分値/熱膨張による電極間変位積分値を演算するこ
とによって補正係数Kを演算し、これを熱膨張による電
極間変位積分値に乗ずることにより電極先端接触面積に
よる電極間変位量の減衰を補正するようにしたことを特
徴とする請求項3、請求項5、請求項7の内いずれか1
に記載のスポット溶接におけるナゲット径の推定方法。 - 【請求項10】 溶接中に散りが発生した場合には、散
り発生直前の最大変位量Hpeakを保持し、継続され
る溶接電流により再度被溶接板材が熱膨張を開始した場
合に、この点を基点Hbottomとして以後、Hbo
ttomからの相対変位量Hrelを前記最大変位量H
peakに加算し、散り発生後の電極変位量Hexpを
補正し、この補正後の電極間変位量から電極間変位積分
値を演算し、この電極間変位積分値を用いて前記回帰式
を演算することを特徴とする請求項5または請求項7に
記載のスポット溶接におけるナゲット径の推定方法。 - 【請求項11】 溶接中に散りが発生した場合には、通
電終了後の熱収縮による電極間変位の変位速度が0にな
るまで電極間変位量をサンプリングし、通電終了後の熱
収縮による電極間変位の変位速度が0になったときの電
極間変位量Hcnt0と通電開始前の電極間変位の基準
点H0との相対変位量の絶対値を散り発生以降のサンプ
リングデータに加算して散り発生後の電極間変位量He
xpを補正し、この補正後の電極間変位量から電極間変
位積分値を演算し、この電極間変位積分値を用いて前記
回帰式を演算することを特徴とする請求項6または請求
項8に記載のスポット溶接におけるナゲット径の推定方
法。
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