JPH1158422A - 粉末から物体を高精度に成形する方法 - Google Patents

粉末から物体を高精度に成形する方法

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JPH1158422A
JPH1158422A JP21865497A JP21865497A JPH1158422A JP H1158422 A JPH1158422 A JP H1158422A JP 21865497 A JP21865497 A JP 21865497A JP 21865497 A JP21865497 A JP 21865497A JP H1158422 A JPH1158422 A JP H1158422A
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JP
Japan
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powder
binder
liquid binder
mold
cavity
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JP21865497A
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English (en)
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Takeo Nakagawa
威雄 中川
Hiroyuki Noguchi
裕之 野口
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N T T DATA C MET KK
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉末充填率が高くしかも形状精度良く成形で
きる方法を提案する。 【解決手段】 この方法では、型のキャビティー内に粉
末を充填する工程と、粉末の充填されたキャビティー内
を減圧する工程と、減圧された粉末間空間に液体バイン
ダーを含浸する工程と、含浸した液体バインダーを固化
する工程と、固化したバインダーで保形された粉末成形
体を離型する工程とを実施する。 【作用】 粉末だけを充填するために高密度に充填で
き、その後に焼結しないので形状精度良く成形できる。
固化したバインダーを金属に置き換えることも可能であ
り、高強度とすることもできる。また液状バインダーを
含浸させた後で振動を加えることで充填密度は更に向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉末材料を固めて物
体を成形する技術に関し、特に、成形された物体の形状
精度を高める技術に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末から物体を成形する手法が数多く知
られている。一つの方法は液状樹脂ないし液状バインダ
ーに粉末を分散させておき、この粉末が分散した液状樹
脂を型のキャビティーに充填する方法である。他の方法
は型のキャビティに乾燥した金属粉末を充填し、これを
高温にさらして金属粉末同士を焼結する方法である。他
の一つの方法は粉末の薄層に対して選択的に熱を加えて
(通常レーザを照射する)、所定領域内の粉末を溶着な
いし焼結して物体の断面を成形する方法であり、この断
面成形方法を繰り返し実行することで断面が積層された
物体を成形する。さらに他の一つの方法は粉末の薄層に
対して選択的に液体バインダーを噴射して所定領域内の
粉末をバインダーで保形して物体の断面を成形する方法
であり、この断面形成方法を繰り返し実行することで物
体が成形される。最後に紹介した2種類の断面積層方式
は型を必要としない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来方法で物体
の成形精度を向上させるためには、液体樹脂ないし液状
バインダーが硬化時に体積変化することから、液体樹脂
に対する粉末の分散率を高めることが必要となる。とこ
ろが粉末の分散率を高めるほど、樹脂の流動性が失われ
てキャビティーに充填できなくなるという問題が発生す
る。このために第1の従来方法では粉末の分散率を充分
に上げることができない。特に、キャビティ内の流動抵
抗の大きい部分では、粉末の充填率が局所的に低下する
という問題が生じやすく、これに対策する有効な方法が
見出されていない。これらのことから第1の従来方法で
は成型精度が良好でない。また、金属粉末をもちいて金
属製の物体を得る場合には、金属の充填率を高めること
ができず、必要な強度が得られないことが多い。
【0004】型のキャビティに乾燥した金属粉末を充填
し、これを高温にさらして金属粉末同士を焼結する方法
では、粉末の充填率を高めることはできるものの、焼結
時の寸法変化を抑制する有効な方法が開発されておら
ず、成形精度がやはり良くない。
【0005】断面積層方法は型がいらないという大きな
利点があるものの、金属粉末を利用する断面積層方法
は、樹脂を主剤とする断面積層方法に比して形状精度が
悪いという問題を有している。
【0006】本発明では、粉末の充填率を高め(粉末分
散の液状樹脂による成形法の課題)成形精度の向上(焼
結法ないし金属粉末を利用する断面積層方法の課題)を
可能とする新たな成形方法を提案する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の成形方法は、型
のキャビティー内に粉末を充填する工程と、粉末の充填
されたキャビティー内を減圧する工程と、減圧された粉
末間空間に液体バインダーを含浸する工程と、含浸した
液体バインダーを硬化する工程と、硬化したバインダー
で保形された粉末成形体を離型する工程とを有する。
【0008】この方法によると、キャビティー内にまず
粉末が充填される。粉末を高密度かつ一様に充填する方
法が各種知られており、この既知の方法を用いることに
よって粉末の充填率を高めることができる。この状態に
おいてキャビティー内を減圧し、更に、液体バインダー
を含浸すると、液体バインダーは減圧された粉末間空間
にはいりこむ。このあとに液体バインダーは硬化され、
それによって、粉末同士が接続されて粉末の集まりが形
を保つようになる。即ち、粉末を用いた成形が完了す
る。
【0009】この方法によると、粉末同士が接触しあう
状態でキャビティ内に充填され、その関係を保ったま
ま、粉末間空間で樹脂が硬化されるために、成型時の変
形が抑制される。また粉末は高密度に充填され、高い強
度が得られる。更に、樹脂の含有量が少ないために、硬
化時に樹脂が収縮しても、その収縮分は全体体積から見
ると小さく、これもまた成形の形状精度を向上させるよ
うに働く。このようにして、この方法によると、粉末が
高密度に充填された物体を高精度に成形することができ
る。
【0010】この方法において、キャビティーに粉末を
充填する工程で型に振動を加え、かつ、液体バインダー
を含浸する工程で液体バインダーに圧力を加えることが
好ましい。この方法によると、キャビティ内に粉末が高
密度で一様に充填され、さらに、高密度で充填された粉
末間空間の隅々にまで液体バインダーが入り込む。
【0011】上記した方法において、液体バインダーを
含浸する工程とその液体バインダーを硬化する工程の間
に、型に振動を加える工程を付加することが好ましい。
液体バインダーを含浸した状態で型を振動させると、型
内の粉末充填率が一層向上し、形状精度と強度が改善さ
れる。
【0012】また、上記のようにして離型したあと、更
に、硬化したバインダーを消失させる工程と、バインダ
ーが消失した空間に溶融金属を含浸する工程を実施する
こともできる。このようにすると、正確に成形された物
体において、粉末同士を接続していた樹脂が金属に置き
換えられ、一層強度の高い物体が造形される。この方法
では金属粉末を用いることが好ましく、金属粉末が用い
られていると、金属粉末が金属で接続された全金属製の
物体が成形される。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)この発明を具現化した第1の実施例を次
に説明する。 「型取り工程」成形したい形を備えているモデル(この
モデルは樹脂を主剤とする断面積層方法で精度良く、か
つ、型を用いないで短時間で製造されている)の外表面
をシリコンゴム液で被い、そのシリコンゴムが硬化した
後に、その硬化したシリコンゴムからモデルを取り出
す。これによって、キャビティを有するシリコンゴム型
が製造される。この型は粉末材料の成形時に摂氏60度
で使用されるために、シリコンゴム液は摂氏60度で硬
化するものを用いる。これによって、シリコンゴム型の
キャビティ形状は摂氏60度でのモデル形状に一致す
る。
【0014】「粉末充填工程」シリコンゴム型を振動テ
ーブル上に載置し、その振動テーブルによってシリコン
ゴム型に振動を与えながら、キャビティ内に粉末を充填
する。使用する粉末はハイス粉末(例えば大同特殊鋼:
DEX80)又はステンレス粉末(SUS316L)等
が好ましい。シリコンゴム型に振動を与えながら、キャ
ビティ内に粉末を落下すると、粉末は均一に充填され、
局部的に空所ができるということが防止される。粉末の
充填密度は高く、樹脂中に分散したとしたら液状樹脂が
流動性を失う密度以上に充填することができる。
【0015】「減圧工程」(図1参照) 粉末6がキャビティに充填されたシリコンゴム型4を真
空容器2にいれ、その真空容器2内を真空ポンプ12で
減圧する。この減圧の結果、粉末間空間も真空となる。
真空容器2が充分に大きくて振動テーブルが入れば、キ
ャビティへの粉末の充填工程(振動を加える工程)と減
圧工程を同時に実施しても良い。同時に実施すると、粉
末の充填密度は一層向上する。この減圧工程では、真空
容器2内に液体バインダー8も入れておく。液体バイン
ダー8は別容器10に入れておく。この液体バインダー
8が沸騰する直前まで真空容器2内の真空度を上げてい
く。
【0016】「含浸工程」真空容器2内が減圧されてい
る状態で、液体バインダー8をキャビティ内にそそぎ込
む(図1参照)。液体バインダー8の量は、粉末間空間
の総体積より僅かに大きい量に予め調整しておく。キャ
ビティ内にそそぎ込まれた液体バインダーは減圧状態の
粉末間空間に浸透していく。
【0017】「含浸促進工程」上記のように液体バイン
ダーをキャビティ内にそそぎ込むだけでは液体バインダ
ー8が粉末間空間に行き渡らない場合(図2参照)、シ
リコンゴム型を大気圧の環境にもちだす。すると、液体
バインダー8は大気圧に押されて減圧された粉末間空間
に浸透する。それでも液体バインダー8が粉末間空間に
行き渡らない場合、シリコンゴム型4を加圧容器16内
にうつしてコンプレッサ14で加圧する(図3)。する
と、粉末6の上方にたまっている余分の液体バインダー
8に粉末間空間に押し込む圧力が作用することになり、
液体バインダー8が粉末間空間の隅々にまで浸透する。
このように、加圧容器16内を加圧することで、液体バ
インダー8の含浸が促進される。
【0018】「硬化工程」この実施例では、液体バイン
ダーとして熱硬化型樹脂を用いている。そこで、前記ま
での工程で液体バインダーが粉末間空間に充填された
後、シリコンゴム型ごと加熱して液体バインダーを硬化
する。前述の様に、シリコンゴム型は摂氏60度で希望
の形状を呈するために、この硬化の際にも摂氏60度で
硬化する。これによって、液体バインダーが硬化して粉
末が固められた物体は正確な形状に成形される。
【0019】液体バインダーの硬化の方法は各種とり
得、例えば2液硬化性の液体バインダーが用いられる場
合には、硬化剤を加えてキャビティ内に注いだ後は放置
するだけでよい。この場合にも放置温度をシリコンゴム
型成型時と同じ温度とすることが好ましい。摂氏60度
程度に保温すると液体バインダーの粘性が低下し、粉末
間空間によく浸透して硬化する。
【0020】液体バインダーが硬化する前後を通じて粉
末は変質しない。そして、液体バインダーが硬化する前
から粉末同士は相互に接触しあって全体として一定の形
状を呈している。この形状はキャビティ形状に等しい。
この状態で液体バインダーが硬化すると、粉末同士はバ
インダーの硬化前の関係を維持して固定化されることに
なり、硬化に伴う変形の程度は低い。更に、粉末の充填
密度が高く、樹脂の使用量が低いことから、樹脂の硬化
に伴う体積変化の影響は緩和され、高い精度で成形する
ことが可能である。
【0021】「離型工程」液体バインダーが硬化した
後、粉末がバインダーで一体化されて造形された物体が
型から取り出される。型が柔軟性を有するシリコンゴム
で形成されているために、造形物は容易に、かつ傷付け
ることなく離型される。
【0022】「後硬化処理」離型された物体は、必要に
応じて、液体バインダーを更に強く硬化させるための処
理にさらされる。本実施例では離型後、更に数時間加熱
し続け、造形物の強度を上げた。
【0023】「完成した造形品」この実施例で完成した
造形品は、粉末の充填率が68体積パーセントであり、
内部に空洞が無くて均質な組織を持ち、高い強度と正確
な形状を有している。
【0024】(第2実施例)この実施例では、上記工程
の全部を実施した後に更に別工程を実施した。ここでは
第1実施例と相違するところのみ説明する。
【0025】「粉末の種類」この実施例では、あとで溶
浸する金属よりも高い融点を有する粉末を利用する。こ
の実施例では、銅を溶浸するためにそれよりも融点の高
いステンレス粉末を用いる。
【0026】融点の高い粉末の他、溶浸する金属と同じ
種類の金属粉末を微量混合して用いることが好ましい。
溶浸する金属と同じ種類の金属粉末が混合されている
と、金属の溶浸時になじみやすく、スムースに溶浸す
る。もっとも、溶浸金属と同じ種類の金属粉末は溶浸時
に溶解し、これが形状精度を低下させるために、微量用
いるのが良い。
【0027】「バインダーの種類」この実施例では、硬
化後に特定処理することで消失する液体バインダーを用
いる。この一例は水溶性フェノールレジンに硬化剤を加
えたものである。硬化後に、還元雰囲気中で加熱するこ
とで、硬化物は消失する。
【0028】「溶浸工程」硬化物が消失した金属粉末成
形体を溶融した銅に浸漬した。銅が毛細管現象によって
浸入し、それが硬化することで全金属製物体が得られ
た。
【0029】(第3実施例)この実施例では液状バイン
ダーを含浸させた後に、振動を加えて金属粉末の充填率
を高める。この工程を加えると、金属粉末の充填率が高
まり、その後に、液状バインダーを硬化し、硬化したバ
インダーを消失させ、その後に金属を溶浸して最終形状
を完成したときに、最終形状を原型より大きくする事も
可能であり、条件を整えることで、原型と最終品の形状
が極めて良く一致するようにできる。この手法による
と、実用化するために必要な形状精度を安定的に確保す
ることが可能となる。
【0030】(実験例1)ステンレスの球状粉末(SU
S316L)100重量部に平均粒径10ミクロンの銅
粉末6重量部を混合した金属粉末をシリコンゴム型のキ
ャビティに振動を利用して充填した。これを真空容器に
いれて減圧した。この減圧状態でキャビティの入口から
硬化剤を加えた水溶性フェノールレジンを加えた。その
後、キャビティ入口に液体バインダーがたまっている状
態で、型を大気中に取り出した。これによって液体バイ
ンダーの大部分は粉末間空間に含浸した。更に、キャビ
ティ入口に僅かに水溶性フェノールレジンが残っている
型を加圧容器に入れ、8気圧で10分間加圧した。これ
によって、液体バインダーは粉末間空間の隅々にまでい
き渡り、粉末間空間に気泡は残らなかった。この状態で
型を大気中に取り出し、水溶性フェノールレジンが硬化
するまで放置した。水溶性フェノールレジンが硬化した
あとに成型物を型から取りだした。これで、成形の第1
段階は終了し、さほど強度が必要とされない場合にはこ
の成形体がそのまま使用される。
【0031】本実験例では全てが金属で形成されている
高強度の成形体を得るために以下の工程を実施した。ま
ず、フェノールレジンが硬化した成形体を摂氏120度
で真空乾燥した。この工程で成型体から水分が除去され
たが、その際に成型体の寸法が変動することはなかっ
た。乾燥工程に続いて、成形体を還元雰囲気中で摂氏6
00度に加熱し、硬化したフェノールレジンを消失させ
た。硬化したバインダーが消失したために成形体の強度
が低下したが、乱暴に取り扱わない限り、成形形状は維
持される。硬化したフェノールレジンが消失したため
に、成形体は多孔質な状態になる。この多孔質な成形体
を還元雰囲気で摂氏1150度に加熱した。これによっ
て銅粉末が溶融した。銅粉末が溶融することで、成形体
は僅かに収縮した。しかしながら、銅粉末は微量であ
り、その収縮率は小さい。以上の工程後、成形体に溶融
した銅を溶浸させた。この溶浸した銅が硬化すること
で、全部が金属で形成され、内部に気泡を有さない強固
な成形体が得られた。得られた成形体はキャビティ寸法
から0.4%収縮していた。 この形状精度は従来のい
ずれの成型方法による場合よりも良い。
【0032】キャビティに充填する金属粉末にその後に
溶浸する金属と同じ金属の粉末を微量混ぜておくと、溶
浸時に溶融金属が隅々に行き渡り成形体の強度が上が
る。反面、金属の溶浸時にその金属粉末が溶解し、それ
が収縮を引き起こす。形状精度が重要な場合、溶浸する
金属と同じ金属粉末は使わないのが好ましい。
【0033】(実験例2)この実験例は樹脂を主剤とす
る断面積層法でゴルフボール成形用の型の原型を作成
し、その原型をシリコンゴムで写し取り、その写し取ら
れたシリコンゴム型のキャビティーに金属粉末を充填し
て、金属製のゴルフボール成形金型を製造した例であ
る。樹脂を主剤とする断面積層法を用いることで、短時
間に且つ高精度に型の原型を製造することができる。こ
の実施例によると、樹脂を主剤とする原型から高精度に
金属製の金型を製造することができるために、デザイン
が完成してから量産用の金型を用意するまでに要する期
間を大幅に短縮化できる。
【0034】図4の(1)は樹脂を主剤として成形され
た断面を積層することで得られた型の原型を示してお
り、具体的にはゴルフボールの成形型である。樹脂を主
剤とする断面を積層して任意形状の3次元物体を造形す
るためには光造形法として知られている手法が好適に用
いられる。
【0035】(2)は(1)の原型をシリコンゴム型に
転写した状態を示している。なお、光造形法で直接
(2)の形状を造形しても良く、この場合にはシリコン
ゴムによる転写工程が不要化できる。
【0036】(3)は(2)の型のキャビティーに金属
粉末を充填する工程を示している。充填する粉末は、大
きいステンレス粉末(平均粒径66ミクロン)を82.
5容積%、小さいステンレス粉末(平均粒径5ミクロ
ン)を8.75容積%、小さい銅粉末(平均粒径10ミ
クロン)を8.75容積%混合したものであり、これに
よると、後述の様に、最終形状の寸法変化を0.1%以
下に抑える事ができる。金属粉末の充填時にはシリコン
ゴム型に振動を加える。充填完了後に、キャビティー容
積に対する金属粉末の容積を計測したところ、67%の
充填率が得られた。これは、金属粉末を液状バインダー
に分散させておいて充填する場合の充填率よりも大幅に
高い。
【0037】(4)は金属粉末の充填されたシリコンゴ
ム型を減圧室に入れて減圧し、その後に液状バインダー
を充填したときの様子を示している。液状バインダーは
減圧された粉末間空間に速やかに充填されていくが、一
部は含浸しきらないで表面に浮遊している。
【0038】(5)は、表面に液状バインダーが浮遊し
ているシリコンゴム型を大気にさらして液状バインダー
に1気圧の圧力を加えた様子を示し、粉末間空間が予め
減圧されたいるために、液状バインダーの含浸が促進さ
れる。
【0039】(6)はシリコンゴム型を加圧室に入れて
8気圧に加圧した様子を示し、液状バインダーは粉末間
空間の隅々にまで含浸する。
【0040】(7)は液状樹脂を含浸した後に振動を加
えた様子を示し、この振動を加えることで金属粉末の充
填率は一層向上する。(3)の段階では67%であった
充填率が振動を加えることで69%にまで増大する。液
状バインダーが含浸した後で振動を加えると、粉末にチ
キソトロピックな現象が得られて粉末の充填密度が向上
するものと推測される。
【0041】(8)は液状バインダーを硬化した様子を
示し、これによって金属粉末の集合体によって形状が決
定される。なお、液状バインダーの硬化条件は前述の実
験例に同じである。
【0042】(9)は形状保持能力が与えられた金属粉
末の集合体を離型し、更に、硬化したバインダーを除去
した様子を示す。バインダーの除去条件は前述の実験例
に同じである。
【0043】(10)は銅を溶浸した様子を示し、これ
によって、ゴルフボールの成型用金型が完成する。この
実験例ではバインダーが除去された成型品を銅の融点以
上に加熱して銅粉末を溶融し、その後に銅を溶浸した。
【0044】(7)に示すように、液状バインダーが含
浸した状態で金属粉末に振動を加えると、金属粉末の充
填率は向上する。このために、最終的に(10)に示す
ように銅を溶浸したとき、液状バインダーが含浸した状
態で金属粉末に振動を加え無いときには最終形状が縮む
傾向にあったものが、液状バインダーが含浸した状態で
金属粉末に振動を加えると最終形状が拡大する傾向にな
ることが確認された。
【0045】大きいステンレス粉末(平均粒径66ミク
ロン)82.5容積%、小さいステンレス粉末(平均粒
径5ミクロン)17.5容積%を混合して充填する場
合、液状バインダーの含浸後に振動を与えない場合には
最終形状が0.4%縮む。これに反し、液状バインダー
の含浸後に振動を与える場合には最終形状が0.83%
拡大する。この理由は定かでないが、金属粉末の充填率
が高まって、溶浸する銅が粉末間空間に入り込んで粉末
間距離を離そうとする力が大きくなるものと推測され
る。
【0046】この実験例の様に、小さい粉末の半量を銅
粉末にしておくと、最終形状は0.07%縮むだけであ
る。これによって実用化のメドとなる0.1%の精度要
求を満たすことができる。
【0047】本発明の成形方法で成形される物体は、強
度が高く形状精度が良好であるという特徴を有するため
に、金型、射出成形型、あるいは機械部品をこの方法で
成形する事ができる。
【0048】
【発明の効果】この方法によると、粉末の充填密度が高
く、しかも、形状精度が良好な物体を成形できることか
ら、今までは無垢の金属塊から機械加工して製造してい
たような物体を比較的容易に成形することが可能とな
る。またCADによる設計から量産用の金型完成までに
要する期間を大幅に短縮することが可能となる。この発
明をセラミック粉末に応用すると、形状精度の良いセラ
ミック製品が成形される。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空中で液体バインダーを含浸させる工程を示
す。
【図2】大気圧をかけて含浸を促進する様子を示す。
【図3】積極的に加圧して含浸を促進する様子を示す。
【図4】実験例2を経時的に示す図。
【符号の説明】
2;真空容器 4;型 6;粉末充填物 6a;バインダー含浸部 6b;バインダー非含浸部 8;液体バインダー 10;容器 12;真空ポンプ 14;コンプレッサ 16;加圧容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 威雄 神奈川県川崎市中原区市ノ 坪223−4− 416 (72)発明者 野口 裕之 千葉県千葉市稲毛区弥生町1−170−2− 306

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型のキャビティー内に粉末を充填する工
    程と、粉末の充填されたキャビティー内を減圧する工程
    と、減圧された粉末間空間に液体バインダーを含浸する
    工程と、含浸した液体バインダーを硬化する工程と、硬
    化したバインダーで保形された粉末成形体を離型する工
    程とを有する成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の成形方法において、キャビテ
    ィーに粉末を充填する工程で型に振動を加え、かつ、液
    体バインダーを含浸する工程で液体バインダーに圧力を
    加えることを特徴とする成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の成形方法において、液
    体バインダーを含浸する工程とその液体バインダーを硬
    化する工程の間に、型に振動を加える工程を付加したこ
    とを特徴とする成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかの成型方法
    に続けて、硬化したバインダーを消失させる工程と、バ
    インダーが消失した空間に溶融金属を含浸する工程を実
    施することを特徴とする成形方法。
JP21865497A 1997-06-10 1997-08-13 粉末から物体を高精度に成形する方法 Pending JPH1158422A (ja)

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JP21865497A Pending JPH1158422A (ja) 1997-06-10 1997-08-13 粉末から物体を高精度に成形する方法

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005156409A (ja) * 2003-11-27 2005-06-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 整合層の製造方法および整合層を用いた超音波センサ並びに超音波センサを用いた流体の流れ測定装置
JP2008528319A (ja) * 2005-01-20 2008-07-31 ヨング リー 複合構造物製造方法
JP2010253791A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Du Pont-Mrc Co Ltd 成型体の製造方法
JP2018089953A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company 微粒子−結合剤複合品並びにその製造のための関連のシステム及び方法

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