JPH1160888A - 難燃性軟質樹脂組成物 - Google Patents

難燃性軟質樹脂組成物

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JPH1160888A
JPH1160888A JP23068597A JP23068597A JPH1160888A JP H1160888 A JPH1160888 A JP H1160888A JP 23068597 A JP23068597 A JP 23068597A JP 23068597 A JP23068597 A JP 23068597A JP H1160888 A JPH1160888 A JP H1160888A
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JP
Japan
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component
weight
propylene
flame
elution
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JP23068597A
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English (en)
Inventor
Yoshiji Oki
好次 大木
Kazuhiko Ayama
和彦 阿山
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼時に有毒性、腐食性ガスを発生すること
なく高度な難燃性を有し、かつ優れた耐熱性と柔軟性及
び機械特性を併せ持つ難燃性軟質樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】昇温溶離分別法により分別された溶出成分
について、溶出温度と溶出成分の積算重量割合との関係
を表した溶出曲線における、100℃以上の溶出成分
が、プロピレン単量体に基づく成分を100〜90モル
%、エチレン単量体に基づく成分を0〜10モル%とよ
りなる重合体であり、100℃未満の溶出成分が、プロ
ピレン単量体に基づく成分を90〜50モル%とエチレ
ン単量体に基づく成分を10〜50モル%とよりなる重
合体であり、100℃以上の溶出成分が1〜70重量
%、100℃未満の溶出成分が99〜30重量%からな
り、更に、示差走査熱量測定(DSC)で示す最大ピー
ク温度(Tm)が、150℃≦Tm≦165℃であるこ
とを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体(A)1
00重量部に対して金属水酸化物(B)80〜400重
量部配合してなる事を特徴とする難燃性軟質樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼時に有毒性、
腐食性ガスを発生する事なく高度な難燃性を有し、かつ
優れた耐熱性と柔軟性及び機械的特性を併せ持つ難燃性
樹脂組成物に関す
【0002】る。
【従来の技術】電線・ケーブルの絶縁材料やシース材
料、電気・電子・OA機器の部品材料等としてのポリオ
レフィンは、火災発生・延焼の危険を抑制する為に難燃
化する事が強く望まれている。又、難燃化が義務付けら
れているものも多い。ポリオレフィンに難燃性を付与す
る方法として数々の方法が上げられるが、最も広く行わ
れている方法はポリオレフィンに難燃剤を配合する方法
である。該難燃剤としては有機ハロゲン化合物及び三酸
化アンチモン等よりなる組成物(以下ハロゲン系難燃剤
と略称する)、ポリリン酸アンモニウム、トリアジン誘
導体等の含窒素有機化合物よりなる組成物(以下含窒素
有機化合物と略称する)、難燃効果を発現する金属水酸
化物等を挙げる事ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリオレフィンにハロ
ゲン系難燃剤を配合した組成物は、火炎との接触によっ
て黒煙を発生し、加えて有毒性かつ腐食性を持つハロゲ
ン系ガスが発生することから人体、機器、又は環境に対
し悪影響を及ぼすという問題が残る。
【0004】また特開昭59−147050号公報、特
開平1−193347号公報、及び特開平2−2638
51号公報にはポリオレフィンに含窒素有機化合物を配
合した組成物が提案されているが、火炎との接触によっ
て有毒なシアン化水素が発生する危険性がある。またポ
リオレフィンが本来有している優れた成形性及び耐湿性
が極端に低下するという問題もある。
【0005】また特開昭53−92855号公報、特開
昭54−29350号公報、特開昭54−77658号
公報等に開示されているように、ポリオレフィンに水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム等からなる金属水
酸化物を配合した組成物は、火炎との接触によって黒煙
及び有毒性、腐食性ガスが発生することはほとんどない
が、金属水酸化物の難燃性が低い為、市場が要求する難
燃性を満足する為には、ポリオレフィンに多量の金属水
酸化物を配合する必要がある。よって、一般的ポリプロ
ピレンにおいては柔軟性が極端に低下する為、衝撃性が
低く、シート状やチューブ状のような薄物成形品を折り
曲げると割れやすいという欠点があった。又、ポリエチ
レンでは該配合により得られる組成物の柔軟性は良好だ
が融点が低い為、高温に長時間さらされる用途には使用
できないという欠点があった。又、ポリプロピレンとポ
リエチレンを併用した場合は、樹脂の相溶性が悪く、該
配合により得られる組成物の低温での実用衝撃性が低
く、好ましくなかった。
【0006】この為、火炎接触時に有毒性、腐食性ガス
を発生することなく、柔軟性を保持し、かつ高温の雰囲
気化においても使用できる材料が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するべく鋭意検討を行ってきた。その結果、所
定範囲のプロピレン系ブロック共重合体に金属水酸化物
を配合することにより、上述した種々の問題点が解決し
て目的が達成できることを見出し、本発明を提供するに
至った。
【0008】即ち、本発明は、昇温溶離分別法により分
別された溶出成分について、溶出温度と溶出成分の積算
重量割合との関係を表した溶出曲線における、100℃
以上の溶出成分(以下、高温溶出成分と略す)が、プロ
ピレン単量体に基づく成分を100〜90モル%、エチ
レン単量体に基づく成分を0〜10モル%とよりなる重
合体であり、100℃未満の溶出成分(以下、低温溶出
成分と略す)が、プロピレン単量体に基づく成分を90
〜50モル%とエチレン単量体に基づく成分を10〜5
0モル%とよりなる重合体であり、高温溶出成分が1〜
70重量%、低温溶出成分が99〜30重量%からな
り、更に、示差走査熱量測定(DSC)で示す最大ピー
ク温度(Tm)が、150℃≦Tm≦165℃であるこ
とを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体(A)1
00重量部に対して金属水酸化物(B)80〜400重
量部配合してなる事を特徴とする難燃性軟質樹脂組成物
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、昇温溶離分別法
とは、例えば、Journal of Applied
Polymer Science;Applied
Polymer Symposium 45、1−24
(1990)に詳細に記述されている方法である。まず
高温の高分子溶液を、珪藻土の充填剤を充填したカラム
に導入し、カラム温度を徐々に低下させることにより充
填剤表面に融点の高い成分から順に結晶化させ、次にカ
ラム温度を徐々に上昇させることにより、融点の低い成
分から順に溶出させて溶出ポリマー成分を分取する方法
である。本発明では実施例で示したように測定装置とし
てセンシュー科学社製SSC−7300型を用い、溶
媒:O−ジクロロベンゼン、流速:2.5ml/mi
n、昇温速度:4℃/Hr、カラム:φ30mm×30
0mmの条件で測定した値を示している。
【0010】本発明において、高温溶出成分は、プロピ
レン単量体に基づく成分を100〜90モル%、好まし
くは100〜95モル%、エチレン単量体に基づく成分
を0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%である。エ
チレン単量体に基づく成分が10モル%を越える場合、
得られる組成物の耐熱性が低下するため好ましくない。
【0011】高温溶出成分は、上記配合割合を満足すれ
ば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重
合体、もしくはプロピレン単独重合体とプロピレン−エ
チレン共重合体の混合物でも良い。
【0012】また、本発明において、低温溶出成分は、
上記測定条件にて昇温分別した場合、100℃未満で溶
出される成分であって、プロピレン単量体に基づく成分
を90〜50モル%、好ましくは85〜45モル%、エ
チレン単量体に基づく成分を10〜50モル%、好まし
くは15〜45モル%であることが本発明の目的を達成
するために必要である。すなわち、プロピレン単量体に
基づく成分の含有割合が90モル%を越え、エチレン単
量体に基づく成分の含有割合が10モル%未満である場
合、得られる組成物の柔軟性が十分でなくなり好ましく
ない。一方、プロピレン単量体に基づく成分の含有割合
が50モル%未満で、エチレン単量体に基づく成分の含
有割合が50モル%を越える場合、得られる組成物の耐
熱性が十分でなくなり好ましくない。
【0013】低温溶出成分は、上記配合割合を満足すれ
ば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン単独重
合体とプロピレン−エチレン共重合体の混合物でも良
い。
【0014】本発明のプロピレン系ブロック共重合体
は、高温溶出成分が1〜70重量%、低温溶出成分が9
9〜30重量%である。
【0015】高温溶出成分が1重量%より少なく、低温
溶出成分が99重量%を越える場合、得られるプロピレ
ン系ブロック共重合体粒子が粘着し易くなり製造が困難
となる。また、成形品にした際の耐熱性が充分でなくな
り好ましくない。一方、高温溶出成分の割合が70重量
%を越え、低温溶出成分が30重量%未満の場合、得ら
れる組成物の柔軟性、耐熱性が低下し、初期の目的の組
成物を得ることができない。高温溶出成分、低温溶出成
分の割合は、柔軟性、耐熱性、機械物性等を勘案する
と、高温溶出成分が3〜60重量%さらに好ましくは5
〜50重量%、低温溶出成分が97〜40重量%さらに
好ましくは95〜50重量%の範囲である。
【0016】本発明で使用する上記軟質ポリオレフィン
系樹脂には、その物性を損なわない範囲で、他のポリオ
レフィン樹脂、例えば、ポリプロピレン、プロピレンー
エチレンランダム共重合体、プロピレンーエチレンブロ
ック共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、エチレンとC4〜C10との
共重合によりなる線状ポリエチレン、エチレン・プロピ
レン共重合体(EPDM)、エチレン・ブテン−1共重
合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリ1ーブテ
ン、ポリ1ーペンテン、ポリ4ーメチルペンテンー1、
ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフィン樹
脂を配合しても良い。
【0017】更に、本発明で使用する上記軟質ポリオレ
フィン系樹脂に対して、その物性をそこなわない範囲
で、その他の樹脂、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレンメタクリレート、ポリクロロプレン、ハロ
ゲン化ポリエチレン、ハロゲン化ポリプロピレン、フッ
素樹脂、アクリロニトリルーブタジエンゴム、ポリスチ
レン、ポリブタジエンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル、フッ素ゴム、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド、アクリロニトリルーブタジエン
ースチレン共重合体、石油樹脂、水添石油樹脂、テルペ
ン樹脂、水添テルペン樹脂等の石油樹脂系炭化水素や、
スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体、ス
チレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、スチ
レンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合
体、スチレンープロピレンーブチレンースチレンブロッ
ク共重合体や水添スチレンーブタジエンゴム等の芳香族
系ビニル系ゴムを配合しても良い。これら他のポリオレ
フィン樹脂やその他の樹脂は、本発明の軟質ポリオレフ
ィン樹脂100重量部に対して、1〜40重量部配合す
ることが好適である。
【0018】本発明で使用するプロピレン系ブロック共
重合体は、示差走査熱量測定(DSC)で示す最大ピー
ク温度(Tm)が、150℃≦Tm≦165℃であるこ
とが重要である。具体的には、セイコー電子工業(株)
製DCS200を用い、熱流速示差走査熱量測定法によ
って、230℃で5分間溶融し、降温速度10℃/分で
冷却後、昇温速度10℃/分で測定される融解を示す吸
熱ピーク温度(Tm)が150℃〜165℃の範囲内に
あるプロピレン系ブロック共重合体である。
【0019】上記示差走査熱量計で測定した融点(T
m)が、150℃未満の場合、得られる組成物の耐熱性
が劣るため好ましくない。また、融点(Tm)が165
℃を越えるようなプロピレン系ブロック共重合体を得る
ことは、一般に困難であり工業的でない。
【0020】本発明で使用するプロピレン系ブロック共
重合体は、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体成分が一分子鎖中に配列したいわゆ
るブロック共重合体の分子鎖及び/またはポリプロピレ
ン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分
のそれぞれ単独よりなる分子鎖とが、ミクロに混合され
ているものが、良好な耐熱性と柔軟性を得るために好ま
しい。
【0021】本発明で使用するプロピレン系ブロック共
重合体には、ポリプロピレン成分および/または、プロ
ピレン−エチレンランダム共重合体成分に、プロピレン
系樹脂組成物の物性を阻害しない限り、他のα−オレフ
ィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共重合されて
含まれていてもよい。
【0022】本発明で使用されるプロピレン系ブロック
重合体の製造方法は、本発明の要件を満たす限り特に限
定されるものではないが、例えば、以下の方法で得るこ
とができる。
【0023】下記触媒成分〔A〕、〔B〕、〔C〕およ
び〔D〕 〔A〕チタン化合物 〔B〕有機アルミニウム化合物 〔C〕有機ケイ素化合物 〔D〕カルボン酸エステル類またはエーテル類より選ば
れる少なくとも一種類の電子供与体化合物 の存在下にプロピレンを重合した後、プロピレンとエチ
レンとのランダム共重合を下記の条件で行う方法であ
る。
【0024】上記チタン化合物〔A〕は、オレフィンの
重合に使用されることが公知のチタン化合物が何ら制限
なく利用される。中でも、プロピレンの重合に使用した
場合に高立体規則性の重合体を高収率で得ることのでき
るチタン化合物が好ましい。これらチタン化合物は担持
型チタン化合物と三塩化チタン化合物とに大別される。
担持型チタン化合物の製法は、公知の方法が何ら制限な
く採用される。例えば、特開昭56−155206号公
報、同56−136806、同57−34103、同5
8−8706、同58−83006、同58−1387
08、同58−183709、同59−206408、
同59−219311、同60−81208、同60−
81209、同60−186508、同60−1927
08、同61−211309、同61−271304、
同62−15209、同62−11706、同62−7
2702、同62−104810等に示されている方法
が採用される。具体的には、例えば四塩化チタンを塩化
マグネシウムのようなマグネシウム化合物と共粉砕する
方法、アルコール、エーテル、エステル、ケトン又はア
ルデヒド等の電子供与体の存在下にハロゲン化チタンと
マグネシウム化合物とを共粉砕する方法、又は溶媒中で
ハロゲン化チタン、マグネシウム化合物及び電子供与体
を接触させる方法が挙げられる。
【0025】また、三塩化チタン化合物としては公知の
α、β、γまたはδ−三塩化チタンが挙げられる。これ
らの三塩化チタン化合物の調製方法は、例えば、特開昭
47−34478号公報、同50−126590、同5
0−114394、同50−93888、同50−12
3091、同50−74594、同50−10419
1、同50−98489、同51−136625、同5
2−30888、同52−35283等に示されている
方法が採用される。
【0026】次に有機アルミニウム化合物〔B〕は、オ
レフィンの重合に使用されることが公知の化合物が何ら
制限なく採用される。例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリ−nプロピルアルミ
ニウム、トリ−nブチルアルミニウム、トリ−iブチル
アルミニウム、トリ−nヘキシルアルミニウム、トリー
nオクチルアルミニウム、トリーnデシルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム類;ジエチルアルミニウ
ムモノクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド等
のジエチルアルミニウムモノハライド類;メチルアルミ
ニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライド、エチルアルミニウムジクロライド等のアルキ
ルアルミニウムハライド類などが挙げられる。他にもモ
ノエトキシジエチルアルミニウム、ジエトキシモノエチ
ルアルミニウム等のアルコキシアルミニウム類を用いる
ことができる。
【0027】さらに、有機ケイ素化合物〔C〕は、オレ
フィンの立体規則性改良に使用されることが公知の化合
物が何ら制限なく採用されるが、ケイ素原子に直結した
原子が3級炭素である鎖状炭化水素であるか、または2
級炭素である環状炭化水素などの嵩高い置換基を有する
有機ケイ素化合物が、得られるポリプロピレン成分の立
体規則性をより高くし、良好な耐熱性を発現するため好
ましい。具体的にはジt−ブチルジメトキシシラン、t
−ブチルエチルジメトキシシラン、ジt−アミルジメト
キシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシ
クロヘキシルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメ
トキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、シ
クロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチル
エチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジ
メトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘ
キシルイソブチルジメトキシシラン等の有機ケイ素化合
物を挙げることができる。中でもt−ブチルエチルジメ
トキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランが特
に好ましい。またこれらの有機ケイ素化合物は複数種を
同時に用いることも可能である。
【0028】さらに、カルボン酸エステル類またはエー
テル類より選ばれる少なくとも一種類の電子供与体化合
物〔D〕はオレフィンの立体規則性改良に使用されるこ
とが公知の化合物が何ら制限なく採用される。具体的に
はギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸ビニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチ
ル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、ステアリ
ン酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、
安息香酸エチル、トルイル酸メチル、アニス酸メチル、
フタル酸エチル、炭酸メチル、ブチロラクトンなどのカ
ルボン酸エステル類;メチルエーテル、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、イソアミルエーテル、テト
ラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、2、2−ジイソブチル−1、3ジメト
キシプロパン、2、2−ジシクロペンチル−1、3ジメ
トキシプロパン、2、2−ジシクロヘキシル−1、3ジ
メトキシプロパン等のエーテル類が挙げられる。中でも
酢酸ブチル、メタクリル酸メチル等のカルボン酸エステ
ルが特に好ましい。また、上記カルボン酸エステル類ま
たはエーテル類は2種以上を同時に用いることもでき
る。
【0029】また、前記有機ケイ素化合物〔C〕とカル
ボン酸エステルまたはエーテル類より選ばれる少なくと
も1種類の電子供与体〔D〕を組み合わせて用いること
が、本発明のプロピレン系ブロック共重合体を得るため
には好ましい態様である。
【0030】本発明で用いられるチタン化合物〔A〕、
有機アルミニウム化合物〔B〕、有機ケイ素化合物
〔C〕及びカルボン酸エステル類またはエーテル類より
選ばれる少なくとも1種類の電子供与体〔D〕の組み合
わせは、 (1)担持型チタン化合物−トリアルキルアルミニウム
−有機ケイ素化合物−電子供与体 (2)三塩化チタン化合物−ジエチルアルミニウムモノ
ハライド−有機ケイ素化合物−電子供与体 (3)三塩化チタン化合物−トリアルキルアルミニウム
−有機ケイ素化合物−電子供与体および、 (4)担持型チタン化合物−三塩化チタン化合物−トリ
アルキルアルミニウム−有機ケイ素化合物−電子供与体 の組み合わせが、他の製造条件との組み合わせにおいて
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の構成を満足す
るために特に好ましい。
【0031】本発明においては、上記の各成分の存在下
における本重合に先立ち、前記チタン化合物〔A〕を上
記の〔B〕および〔C〕、または〔B〕および〔D〕、
または〔B〕、〔C〕および〔D〕の存在下にα−オレ
フィンの予備重合を行うことが、得られるプロピレン系
ブロック共重合体の低分子量成分の生成量を低減し、成
形品とした場合のベタツキを抑えることができるために
好適である。さらに必要に応じて上記〔B〕、〔C〕、
〔D〕を用いたそれぞれの組み合わせ系に加え、一般式
(i)で示されるヨウ素化合物〔E〕 〔E〕ヨウ素化合物 R−I 一般式(i) (但し、Rはヨウ素原子または炭素数1〜7のアルキル
基またはフェニル基である。)の存在下にα−オレフィ
ンの予備重合を行うことが、得られるプロピレン系ブロ
ック共重合体の低分子量成分の生成量をより一層低減
し、フィルムとした場合のベタツキをさらに抑えること
ができるためにより好ましい態様となる。
【0032】本発明の予備重合で使用される前記
〔A〕、および〔B〕、さらに必要に応じて使用される
〔C〕及び/または〔D〕、またさらに必要に応じて使
用される〔E〕の各触媒成分の量は、触媒成分の種類、
重合の条件に応じて異なるため、これらの各条件に応じ
て最適の使用量を予め決定すればよい。好適に使用され
る範囲を例示すれば下記の通りである。
【0033】予備重合に使用される有機アルミニウム化
合物〔B〕の使用割合はチタン化合物〔A〕に対してA
l/Ti(モル比)で0.1〜100、好ましくは0.
1〜20の範囲が、また必要に応じて使用される有機ケ
イ素化合物〔C〕および、カルボン酸エステル類または
エーテル類より選ばれる少なくとも1種類の電子供与体
〔D〕の使用割合はチタン化合物〔A〕に対して〔C〕
/Ti(モル比)、〔D〕/Ti(モル比)で0.01
〜100、好ましくは0.01〜10の範囲が、それぞ
れ好適である。また、必要に応じて使用されるヨウ素化
合物〔E〕の使用割合はチタン化合物〔A〕に対してI
/Ti(モル比)で0.1〜100、好ましくは0.5
〜50の範囲が好適である。
【0034】本発明の予備重合で好適に使用し得るヨウ
素化合物を具体的に示すと次のとおりである。例えば、
ヨウ素、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピ
ル、ヨウ化ブチル、ヨードベンゼン、p−ヨウ化トルエ
ン等である。特にヨウ化メチル、ヨウ化エチルは好適で
ある。
【0035】前記触媒成分の存在下にα−オレフィンを
重合する予備重合量は予備重合条件によって異なるが、
一般に0.1〜500g/g・Ti化合物、好ましくは
1〜100g/g・Ti化合物の範囲であれば十分であ
る。また予備重合で使用するα−オレフィンはプロピレ
ン単独でもよく、該プロピレン系ブロック共重合体の物
性に悪影響を及ぼさない範囲で、例えば5モル%以下の
他のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1
等をプロピレンと混合することは許容される。また予備
重合を多段階に行い、各段階で異なるα−オレフィンモ
ノマーを予備重合させることもできる。各予備重合の段
階で水素を共存させることも可能である。
【0036】該予備重合は通常スラリー重合を適用させ
るのが好ましく、溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族炭
化水素若しくは芳香族炭化水素を単独で、又はこれらの
混合溶媒を用いることができる。該予備重合温度は、−
20〜100℃、特に0〜60℃の範囲が好ましい。予
備重合時間は、予備重合温度及び予備重合での重合量に
応じ適宜決定すればよい。予備重合における圧力は限定
されるものではないが、スラリー重合の場合は、一般に
大気圧〜5kg/cm2G 程度である。該予備重合は、
回分、半回分、連続のいずれの方法で行ってもよい。
【0037】前記予備重合に次いで本重合が実施され
る。本重合は前記予備重合で得られた触媒含有予備重合
体の存在下に、先ずプロピレンの重合が行われ、次にプ
ロピレン−エチレンのランダム共重合が実施される。ま
た、各触媒成分は予備重合時に添加されたものをそのま
まの状態で使用することもできるが、チタン化合物以外
は本重合時に新たに添加して調節するのが好ましい。
【0038】本発明の本重合で使用される前記〔A〕、
〔B〕、〔C〕および、〔D〕の各触媒成分の量および
重合条件は、触媒成分の種類に応じて異なるため、これ
らの触媒成分の種類に応じて最適の使用量および重合条
件を予め決定すればよい。好適に使用される触媒成分の
量および重合条件を例示すれば下記の通りである。
【0039】本重合で用いられる有機アルミニウム化合
物〔B〕は、前述のものが何ら制限なく使用できる。有
機アルミニウム化合物の使用量は触媒含有予備重合体中
のチタン原子に対し、Al/Ti(モル比)で、1〜1
000、好ましくは2〜500である。
【0040】本重合で用いられる有機ケイ素化合物
〔C〕は既述の化合物が何ら制限なく採用される。本重
合で用いる有機ケイ素化合物の使用量は触媒含有予備重
合体中のチタン原子に対し、Si/Ti(モル比)で
0.001〜1000、好ましくは0.1〜500であ
る。
【0041】本重合で用いられるカルボン酸エステル類
またはエーテル類より選ばれる少なくとも1種類の電子
供与体〔D〕は前述のものが何ら制限なく採用される。
本重合で用いるカルボン酸エステル類またはエーテル類
より選ばれる少なくとも1種類の電子供与体の使用量は
触媒含有予備重合体中のチタン原子に対するモル比で
0.001〜1000、好ましくは0.1〜500であ
る。
【0042】上記本重合は、先ず、プロピレンの重合が
実施される。プロピレンの重合は、プロピレン単独また
は本発明の要件を満足する範囲内でのプロピレンと他の
α−オレフィンの混合物を供給して実施すればよい。プ
ロピレン重合の代表的な条件を例示すると、重合温度
は、80℃以下、更に20〜70℃の範囲から採用する
ことが好適である。また必要に応じて分子量調節剤とし
て水素を共存させることもできる。更にまた、重合はプ
ロピレン自身を溶媒とするスラリー重合、気相重合、溶
液重合等の何れの方法でもよい。プロセスの簡略性及び
反応速度、また生成する共重合体の粒子性状を勘案する
とプロピレン自身を溶媒とするスラリー重合が好ましい
態様である。重合形式は回分式、半回分式、連続式のい
ずれの方法でもよい。更に重合を水素濃度、重合温度等
の条件の異なる2段以上に分けて行うこともできる。
【0043】次に、プロピレンとエチレンのランダム共
重合が行われる。プロピレンとエチレンのランダム共重
合は、プロピレン自身を溶媒とするスラリー重合の場合
には前記プロピレン重合に引き続いてエチレンガスを供
給することで、また気相重合の場合はプロピレンとエチ
レンの混合ガスを供給することで実施される。
【0044】プロピレンとエチレンのランダム共重合の
重合温度は、80℃以下、好ましくは、20〜70℃の
範囲から採用される。また、必要に応じて分子量調節剤
として水素を用いることもでき、その際の水素濃度は多
段階に変化させて重合を実施することもできる。
【0045】プロピレン重合に続くエチレンとプロピレ
ンのランダム共重合において特定の触媒を選択すること
により、目的とする分子量分布、結晶性分布等を有する
プロピレン系ブロック共重合体を1段階で製造すること
ができるが、本発明のプロピレン系ブロック共重合体を
得るためには、ランダム共重合を多段で行い、各段階で
水素濃度およびエチレン濃度等の重合条件を変化させる
方法によって製造することが可能である。かかる多段共
重合において、前記した高温溶出成分、低温溶出成分の
割合を重合条件によって適宜調節して共重合が実施され
る。
【0046】プロピレンとエチレンのランダム共重合は
回分式、半回分式、連続式のいずれの方法でもよく、重
合を多段階に分けて実施することもできる。また、本工
程の重合は、スラリー重合、気相重合、溶液重合のいず
れの方法を採用してもよい。
【0047】本重合の終了後には、重合系からモノマー
を蒸発させ本発明のプロピレン系ブロック共重合体を得
ることができる。このプロピレン系ブロック共重合体
は、炭素数7以下の炭化水素で公知の洗浄又は向流洗浄
を行うことができる。
【0048】本発明に使用するプロピレン系ブロック共
重合体は酸化防止剤、熱安定剤、塩素補足剤等の市販の
添加剤を添加して混合した後、押出機でペレットにして
用いてもよい。また、上記添加剤に加えて有機過酸化物
も添加し、本発明の要件を満足する範囲で分子量の調節
を行ってもよい。
【0049】本発明に使用するプロピレン系ブロック共
重合体を分解する際に使用する有機過酸化物としては、
公知の化合物を何等制限なく用いることができるが、代
表的な物を例示すると、例えば、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオ
キサイド;イソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシル
パーオキサイド;ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチ
ルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3等のジアルキ
ルパーオキサイド;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)−ブタン等のパーオキシケ
タール;t−ブチルパーオキシ−ピバレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル;
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパ
ーカーボネート類等を挙げることができる。
【0050】本発明において、プロピレン系ブロック共
重合体の溶融時の流動性は、特に制限されるものではな
く、成形性を勘案すればメルトフローレイト(以下、M
FRとも略す)が0.1〜100g/10minの範囲
であるのが好ましく、更に、0.5〜60g/10mi
nの範囲のものがより好ましい。ここで、このメルトフ
ローレイトは、JIS K7210に準じ、測定した値
である。
【0051】本発明における金属水酸化物としては、特
に制限されず任意のものを使用可能であり、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウムやそれらの混合物及び複
合金属水酸化物が挙げられるが、加工時の分解温度を考
慮すれば水酸化マグネシウム及び複合金属水酸化物が好
ましい。尚、金属水酸化物の粒径が0.1〜50μm、
特に0.1〜20μm、又はBET法比表面積が20m2
/g以下のものが好ましい。さらに、予めシラン系及び
又はチタン酸系あるいは脂肪族金属塩等のカップリング
剤等を単独又は併用して表面処理した金属水酸化物は、
分散性及び流動性が向上するという利点があるので好ま
しく用いられる。このような金属水酸化物の配合量は所
定範囲のプロピレン系ブロック共重合体100重量部に
対して80〜400重量部、好ましくは100〜300
重量部である。即ち、難燃性軟質樹脂組成物における金
属水酸化物の配合量が、下限値未満では充分な難燃効果
が発揮されず、また上限値を超える場合は軟質性及び衝
撃性が低下するだけでなく、成形品を製造する際に押出
機での混練ペレタイズが困難となるので工業的に好適で
はない。
【0052】本発明の難燃性軟質樹脂組成物には、必要
に応じて公知のフェノール系酸化防止剤が何等制限され
ることなく使用できる。具体的には、2,6−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ第三ブチ
ル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタ
デシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジス
テアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)フォスホネート、チオジエチレングリコールビス
[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、4,4´−チオビス(6−第三ブチ
ル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)
−s−トリアジン、2,2´−メチレンビス(4−メチ
ル−6−第三ブチルフェノール)、2,2´−メチレン
ビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス
[3,3´−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフ
ェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、
4,4′−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレ
ゾール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ第三
ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−
第三ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチ
ルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチ
ル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチ
ルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−
トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三
ブチルベンジル)イソシアネート、1,3,5−トリス
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イ
ソシアネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメ
チルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ
エチル]イソシアネート、テトラキス[メチレン(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−
(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチ
ルベンジル)フェノール、3,9−ビス(1,1ージメ
チル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−ビス[β−
(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス
[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオネート]などがあげられる。これら
のフェノール系酸化防止剤は、難燃性軟質樹脂組成物1
00重量部に対して0.001〜2重量部、好ましく
は、0.01〜1.5重量部である。上記のフェノール
系酸化防止剤は、1種のみを単独で用いても、2種以上
を併用してもよい。0.001重量部未満では、樹脂の
劣化が著しくなる為、樹脂が黄変し好ましいものではな
い。2重量部を超える場合、酸化防止剤のブルーミング
が著しく、成形品外観を低下させてしまう為、好ましく
ない。
【0053】また、本発明の難燃性軟質樹脂組成物に
は、必要に応じて公知の有機リン系酸化防止剤が何等制
限されることなく使用できる。具体的には、トリスノニ
ルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチ
ルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブ
チルフェニル)ペンタエスリトールジホスファイト、ビ
ス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシ
ル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テ
トラ(トリデシル)−4,4−n−ブチリデンビス(2
−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイ
ト、ヘキサ(トリデシル)−1,1′,3−トリス(3
−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
ブタントリホスファイト、2,2′−メチレンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)オクタデシルホスファイト、2,2′−メチレ
ンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホス
ファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニ
ル)ビフェニレンジホスホナイトなどがあげられる。こ
れらの有機リン系酸化防止剤は、難燃性軟質樹脂組成物
に対して0.001〜2重量部、好ましくは、0.01
〜1.5重量部配合させるのが好適である。上記の有機
リン系酸化防止剤は、1種のみを単独で用いても、2種
以上を併用してもよい。0.001重量部未満では、樹
脂の劣化が著しくなる為、樹脂が黄変し好ましいもので
はない。2重量部を超える場合、酸化防止剤のブルーミ
ングが著しく、成形品外観を低下させてしまう為、好ま
しくない。
【0054】さらに、難燃性軟質樹脂組成物には、必要
に応じて公知のチオエーテル系酸化防止剤が何等制限さ
れることなく使用できる。具体的には、チオジプラピオ
ン酸のジラウリル、ジミリスチル、ジステアリルエステ
ルなどのジアルキルチオジプロピオネート類、及びペン
タエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロ
ピオネート)などのポリオールでβ−アルキルメルカプ
トプロピオン酸エステル類があげられる。これらのチオ
エーテル系酸化防止剤は、難燃性軟質樹脂組成物100
重量部に対して0.001〜2重量部、好ましくは、
0.01〜1.5重量部配合させるのが好適である。上
記のチオエーテル系酸化防止剤は、1種のみを単独で用
いても、2種以上を併用してもよい。0.001重量部
未満では、樹脂の劣化が著しくなる為、樹脂が黄変し好
ましいものではない。2重量部を超える場合、酸化防止
剤のブルーミングが著しく、成形品外観を低下させてし
まう為、好ましくない。
【0055】上記に挙げるフェノール系酸化防止剤、有
機リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤の併用
においても、難燃性軟質樹脂組成物100重量部に対し
て、0.001〜2重量部、好ましくは、0.01〜
1.5重量部であれば、それらの中から一種のみを使用
しても、2種以上を用いても良い。
【0056】なお、本発明で使用する上記の難燃性軟質
樹脂組成物には、上記成分の他に必要に応じてワラスト
ナイト、マイカ、ベントナイト、クレー、ゼオライト、
カオリン、パーライト、珪藻、アスベスト、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、シリカ、シリケート、ガラス、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭素、天然繊
維、合成繊維等の無機充填材を配合しても良い。ここ
で、上記充填剤は、2種以上を併用しても良い。この無
機充填剤の配合量は、難燃性軟質樹脂組成物100重量
部に対して0.1〜80重量部であるのが好ましい。軟
質樹脂組成物には、さらに、発明の効果を損なわない程
度で、適宜、各種の添加剤を配合することができる。具
体的には、ヒンダードアミン系等の熱安定剤;ヒンダー
ドアミン系等の耐候剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリ
アゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;ノニオ
ン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスア
ミド系、ワックス系等の分散剤;アミド系、ワックス
系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;オキシド系等
の分解剤;メラミン系、ヒドラジン系、アミン系等の金
属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモ
ン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;有機顔
料;無機顔料;ソルビトール系、芳香族リン酸金属塩
系、有機酸金属系等の透明化剤または造核剤;防曇剤;
アンチブロッキング剤;発泡剤;有機充填剤;金属イオ
ン系などの無機抗菌剤、有機抗菌剤等があげられるが、
これらに限定されるものではない。
【0057】本発明において、上記各成分の配合は、樹
脂の混合で行われている通常の方法を何等制限なく採用
することができる。例えば、パウダーまたはペレット状
のプロピレン系ブロック共重合体(A)に、金属水酸化
物(B)及び他の樹脂や添加剤、充填剤等を添加し、タ
ンブラーやヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、
リボンフィーダー、スーパーミキサー等にて混合した
後、単軸または多軸の押出機(好ましくは脱気が出来る
溶融混練装置)、ロール等にて、混練温度150℃〜3
00℃、好ましくは、190℃〜260℃で溶融混練し
ペレット等にする方法が好適である。また、各成分の添
加順序は、特に規定はなく、上記方法と異なる順序で各
成分を混合してもよい。さらに、他の添加剤や充填剤成
分を高濃度に濃縮配合した、マスターバッチをつくり、
混合使用する事もできる。
【0058】
【発明の効果】本発明の難燃性軟質樹脂組成物は、UL
94規格(プラスチック材料の燃焼試験法規格)におい
てV−2、V−1乃至V−0という高度の難燃性と同時
に優れた耐熱性、及び機械特性を有している。従って、
本発明の難燃性軟質樹脂組成物は、フィルム、シート、
ボトル、ケース、パイプ、チューブ、繊維等の各種成形
品や電気・電子・OA機器部品等の工業部品をはじめ、
文具、表面保護材、建材シート、化粧シート、内面保護
材、コーティング材、シーラント材、遮水材、装飾表皮
材、防水材、電材部品、電線被覆材や介在糸及びシース
材等の電線関連部材、自動車のワイヤーハーネス用一般
チューブやコルゲートチューブ、環境への影響の少ない
事を必要とする各種成形品の素材として、極めて有用に
使用できる。
【0059】
【実施例】本発明を更に明確に説明するため、以下実施
例及び比較例を添えて説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例
で示した記号は以下の通りである。
【0060】1.樹脂 A.δ型三塩化チタン及びジエチルアルミニウムクロラ
イドの存在下に重合を行い、得られた軟質プロピレン系
ブロック共重合体。
【0061】B.δ型三塩化チタン及びジエチルアルミ
ニウムクロライドの存在下に重合を行い、得られたポリ
プロピレン単独重合体。
【0062】C.δ型三塩化チタン及びジエチルアルミ
ニウムクロライドの存在下に重合を行い、得られたプロ
ピレンエチレン共重合体。
【0063】D.低密度ポリエチレン(VLDPE) 2.金属水酸化物 E.水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5A) F.複合金属酸化物(商品名:ファインマグSN) 実施例及び比較例 (1) 予備混合 表1に示すようにポリオレフィン100重量部に対し
て、金属水酸化物及び酸化防止剤テトラキス[メチレン
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]メタンを0.2重量部、酸化防止剤ジラ
ウリルチオプロピオネートを0.2重量部配合し、ヘン
シェルミキサーにて予備混合した。
【0064】(2) ペレット化 上記混合物をベント付き45mmφ二軸押出機を用いて
ペレット化した。
【0065】以上の方法で得られた樹脂組成物につき下
記(a)、(b)、(c)及び(d)の試験を行い、そ
の結果を表1に示した。
【0066】(a)難燃性 UL94に準拠して測定を行った。
【0067】(b)耐熱性 JIS K7206に準拠して測定を行った。
【0068】(c)柔軟性 縦100mm×横100mm×厚み300μmのシート
を作成し、折り曲げて割れの有無を目視で判定した。
【0069】○:割れなし ×:割れあり (d)低温衝撃(−10℃) JIS K7110に準拠して測定を行った。
【0070】
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼時に有毒性、
腐食性ガスを発生する事なく高度な難燃性を有し、かつ
優れた耐熱性と柔軟性及び機械的特性を併せ持つ難燃性
軟質樹脂組成物に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
従来の技術】電線・ケーブルの絶縁材料やシース材
料、電気・電子・OA機器の部品材料等としてのポリオ
レフィンは、火災発生・延焼の危険を抑制する為に難燃
化する事が強く望まれている。又、難燃化が義務付けら
れているものも多い。ポリオレフィンに難燃性を付与す
る方法として数々の方法が上げられるが、最も広く行わ
れている方法はポリオレフィンに難燃剤を配合する方法
である。該難燃剤としては有機ハロゲン化合物及び三酸
化アンチモン等よりなる組成物(以下ハロゲン系難燃剤
と略称する)、ポリリン酸アンモニウム、トリアジン誘
導体等の含窒素有機化合物よりなる組成物(以下含窒素
有機化合物と略称する)、難燃効果を発現する金属水酸
化物等を挙げる事ができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明で使用する上記プロピレン系ブロッ
ク共重合体には、その物性を損なわない範囲で、他のポ
リオレフィン樹脂、例えば、ポリプロピレン、プロピレ
ンーエチレンランダム共重合体、プロピレンーエチレン
ブロック共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、エチレンとC4〜C10
との共重合によりなる線状ポリエチレン、エチレン・プ
ロピレン共重合体(EPDM)、エチレン・ブテン−1
共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリ1ー
ブテン、ポリ1ーペンテン、ポリ4ーメチルペンテンー
1、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフィ
ン樹脂を配合しても良い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】更に、本発明で使用する上記プロピレン系
ブロック共重合体に対して、その物性をそこなわない範
囲で、その他の樹脂、例えば、エチレン酢酸ビニル共重
合体、エチレンメタクリレート、ポリクロロプレン、ハ
ロゲン化ポリエチレン、ハロゲン化ポリプロピレン、フ
ッ素樹脂、アクリロニトリルーブタジエンゴム、ポリス
チレン、ポリブタジエンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル、フッ素ゴム、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリアミド、アクリロニトリルーブタジエ
ンースチレン共重合体、石油樹脂、水添石油樹脂、テル
ペン樹脂、水添テルペン樹脂等の石油樹脂系炭化水素
や、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合
体、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合
体、スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック
共重合体、スチレンープロピレンーブチレンースチレン
ブロック共重合体や水添スチレンーブタジエンゴム等の
芳香族系ビニル系ゴムを配合しても良い。これら他のポ
リオレフィン樹脂やその他の樹脂は、本発明のプロピレ
ン系ブロック共重合体100重量部に対して、1〜40
重量部配合することが好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇温溶離分別法により分別された溶出成分
    について、溶出温度と溶出成分の積算重量割合との関係
    を表した溶出曲線における、100℃以上の溶出成分
    が、プロピレン単量体に基づく成分を100〜90モル
    %、エチレン単量体に基づく成分を0〜10モル%とよ
    りなる重合体であり、100℃未満の溶出成分が、プロ
    ピレン単量体に基づく成分を90〜50モル%とエチレ
    ン単量体に基づく成分を10〜50モル%とよりなる重
    合体であり、100℃以上の溶出成分が1〜70重量
    %、100℃未満の溶出成分が99〜30重量%からな
    り、更に、示差走査熱量測定(DSC)で示す最大ピー
    ク温度(Tm)が、150℃≦Tm≦165℃であるこ
    とを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体(A)1
    00重量部に対して金属水酸化物(B)80〜400重
    量部配合してなる事を特徴とする難燃性軟質樹脂組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002032996A1 (en) * 2000-10-19 2002-04-25 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Resin composition
JP2009275132A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 Japan Polypropylene Corp 難燃性樹脂組成物及びそれを用いた成形体
JP2010037402A (ja) * 2008-08-02 2010-02-18 Japan Polypropylene Corp 難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物及びその組成物を使用する成形体

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