JPH1163208A - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

ロックアップクラッチの制御装置

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JPH1163208A
JPH1163208A JP23302097A JP23302097A JPH1163208A JP H1163208 A JPH1163208 A JP H1163208A JP 23302097 A JP23302097 A JP 23302097A JP 23302097 A JP23302097 A JP 23302097A JP H1163208 A JPH1163208 A JP H1163208A
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lock
torque
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Yoshinori Yamamoto
吉則 山本
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茂司 仲野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両発進時におけるロックアップクラッチの
係合制御を的確に行う。 【解決手段】 エンジンの出力トルクのうち、ロックア
ップクラッチLCを介して伝達させるべき目標ロックア
ップクラッチトルクを、スロットル開度THに対応して
求め、この目標ロックアップクラッチトルクとなるよう
にロックアップクラッチに供給する係合油圧を制御する
係合油圧制御バルブ群61〜65を備えてロックアップ
クラッチの制御装置が構成される。そして、この係合油
圧制御バルブ群は、車両発進時において、車速が制御開
始判断車速を越えたときから、トルクコンバータの入出
力回転速度比が、トルクコンバータのトルク比が1.0
となる移行判断回転速度比となるまで、目標ロックアッ
プクラッチとなるように係合油圧を制御する制御を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
に用いられるロックアップクラッチの制御装置に関し、
特に、変速機構として無段変速機構を有した自動変速機
に用いられるトルクコンバータのロックアップクラッチ
に適した制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無段変速機を含む自動変速機において、
エンジンと変速機構との間にトルクコンバータを配設し
た構成の自動変速機が従来から知られている。また、こ
のようなトルクコンバータにこれをバイパスしてトルク
伝達が可能なロックアップクラッチを設けることも良く
知られている。ロックアップクラッチを係合させた状態
では、エンジントルクはトルクコンバータをバイパス
し、全てロックアップクラッチを介して伝達されるた
め、トルクコンバータによる動力伝達ロスが無くなり、
動力伝達効率を向上させ、燃費を向上させることができ
る。このようなことから、このようなロックアップクラ
ッチの係合制御については、従来から種々提案されてお
り、一例を挙げれば、特開平8−296734号公報等
に開示の制御装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、車両の発進時等において、あまりに早くロックアッ
プクラッチを係合させると、トルクコンバータによるト
ルク増幅作用が活用できず、発進性能が低下したり、係
合ショックが発生したりするという問題がある。なお、
無段変速機構を有した自動変速機の場合には、変速比を
連続的に且つスムーズに変化させることができるため、
トルクコンバータのトルク増幅作用を活用すべき領域は
小さくてよく、燃費の観点からロックアップクラッチは
発進後できるだけ速やかに係合させる制御を行うことが
好ましい。但し、この場合にも、係合によるショックが
発生するのは避けなければならない。
【0004】このようなことから、特に、無段変速機を
有した自動変速機において、発進時におけるロックアッ
プクラッチの的確な制御が求められている。ここで、ロ
ックアップの制御を、例えば、入出力回転等に基づいて
ロックアップ係合油圧をフィードバック制御することも
考えられるが、ロックアップクラッチの油圧ピストン室
のボリュームが大きいことなどから、その係合油圧制御
に対するフィードバック応答遅れが生じ、回転ハンチン
グが発生し、係合ショックが発生しやすいという問題が
ある。
【0005】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
車両発進時におけるロックアップクラッチの係合制御を
的確に行って、ショックの無いスムーズな発進が可能で
あり、且つロックアップクラッチを比較的早期に係合さ
せて燃費向上が可能であるロックアップクラッチの制御
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的達成た
め、本発明においては、原動機(エンジン)の出力トル
クのうち、ロックアップクラッチを介して伝達させるべ
き目標ロックアップクラッチトルクを、アクセル作動量
に対応して求める目標ロックアップクラッチトルク演算
手段と、この目標ロックアップクラッチトルクとなるよ
うにロックアップクラッチに供給する係合油圧を制御す
る係合油圧制御手段とを備えてロックアップクラッチの
制御装置が構成される。そして、この係合油圧制御手段
は、車両発進時において、車速が制御開始判断車速を越
えたときから、トルクコンバータの入出力回転速度比
が、前記トルクコンバータのトルク比に基づいて定めら
れる所定の移行判断回転速度比(例えば、トルク増幅作
用がほとんど得られないトルク比(トルク比=1.0〜
1.3程度)となる速度比)となるまで、目標ロックア
ップクラッチとなるように係合油圧を制御する制御を行
う。
【0007】この制御の場合には、アクセル作動量(ア
クセルペダル踏み込み量、エンジンスロットル開度等を
言う)に対応して目標ロックアップクラッチトルクを設
定し、この目標ロックアップクラッチトルクが得られる
ようにロックアップクラッチの係合油圧をフィードフォ
ワード制御(もしくはオープン制御)するものであるた
め、従来行われていたフィードバック制御におけるよう
な応答遅れの問題はなく、的確な制御が可能である。
【0008】さらに、この制御を行うときに、目標ロッ
クアップクラッチトルクは、アクセル作動量、例えば、
エンジンスロットル開度に対応して設定されるため、ス
ロットル開度に応じて適切な制御が可能である。具体的
には、例えば、スロットルが低開度の状態で車両を発進
するような場合には、燃費を重視してできるだけ早くロ
ックアップクラッチを係合させる(但し、あまり急激す
ぎてショックが出るようなことは避ける)制御を行い、
スロットルが高開度の状態で車両を発進するような場合
には、駆動力を重視するためにロックアップクラッチの
係合を遅らせ、トルクコンバータのトルク増幅作用を利
用するような制御を行うことが可能である。
【0009】なお、係合油圧制御手段により制御される
係合油圧を、油温が低いときに油温が高いときより小さ
くするように、油温に応じて補正するのが好ましい。こ
れは、油温が低いときにはオイルの粘性が高く、ロック
アップクラッチの係合時にショックが出やすいため、こ
れを緩やかに係合させる。
【0010】また、トルクコンバータの入出力回転速度
比が移行判断回転速度比となった後においては、係合油
圧制御手段は、車速の増加に応じて係合油圧を増大し、
車速の減少に応じて係合油圧を低下させる制御を行うよ
うにするのが好ましい。この移行判断回転速度比はトル
クコンバータのトルク比増幅作用がほとんど得られない
トルク比であり(例えば、トルク比=1.0〜1.3と
なる速度比)であり、これ以上の速度比ではトルクコン
バータによるトルク増幅作用は得られない。このため、
移行判断回転速度比となった後は、車速が増加している
ときには燃費を重視してロックアップクラッチは係合側
に制御し、一方、車速が低下しているときは登坂時等で
あると考えられるので、駆動力を重視してロックアップ
クラッチを解放する側に制御を行うものである。
【0011】さらに、係合油圧制御手段は、車速が制御
開始判断車速を越えたときから予め設定された初期設定
時間の間、車速などに応じて予め設定された初期係合油
圧となるように制御するのが好ましい。これは、ロック
アップクラッチの係合制御開始時にショックが発生する
のをさけるため、係合制御開始時にはショックの出ない
小さな油圧、すなわち、初期係合油圧を設定する。な
お、このように初期設定時間の間において初期係合油圧
を設定した後は、この初期係合油圧を目標ロックアップ
クラッチが得られる係合油圧まで急激に増加させるので
はなく、徐々に増加させる制御を行って、ショックのな
いスムーズな係合制御を行うのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態について説明する。まず、図2および図
3に本発明が適用される無段変速機構を備えた自動変速
機の構成を示しており、この自動変速機におけるトルク
コンバータ5内に本発明の制御対象となるロックアップ
クラッチLCが配設されている。
【0013】この自動変速機は、ハウジング1内にベル
ト式無段変速機構を有して構成されている。このハウジ
ング1は、左端にエンジンフライホイールハウジングと
の接合面2を有しており、この接合面2がエンジンフラ
イホイールに接合されるように変速機がエンジンに取り
付けられる。このとき、エンジン出力シャフトEsと同
軸上に第1軸S1が位置する。なお、以下の説明におい
ては、変速機の回転シャフト、ギヤ等の各回転中心軸を
第1軸S1〜第4軸S4として示すが、これは中心軸線
を意味する。
【0014】このベルト式無段変速機においては、ハウ
ジング1内における第1軸S1上にトルクコンバータ5
(インペラ5a、タービン5bおよびステータ5cから
なる)および前後進切換機構4を並列に有する。エンジ
ン出力シャフトEsはトルクコンバータ5のインペラ5
aに接続され、トルクコンバータ5のタービン5bはタ
ービンシャフト6(これは前後進切換機構4の入力シャ
フトでもある)と繋がる。さらに、このトルクコンバー
タ5は、エンジン出力シャフトEsとタービン5bとを
直接接続(すなわち、トルクコンバータによる動力伝達
部を迂回して接続)可能なロックアップクラッチLCを
有する。
【0015】前後進切換機構4は図1に詳しく示すよう
に、ダブルピニオンタイプのプラネタリギヤ列を有し、
そのサンギヤ13はタービンシャフト6(前後進切換機
構の入力シャフト)に結合されるとともにクラッチイン
ナ8に結合され、キャリヤ16はクラッチアウタ7を経
て第1シャフト23(前後進切換機構の出力シャフト)
に結合される。リングギヤ17はタービンシャフト6に
相対回転自在に内周を支持されるとともに、後進ブレー
キ12により、ブレーキケーシング3へ固定保持可能で
ある。アウタピニオンギヤ14とインナピニオンギヤ1
5は互いに噛合するとともに、アウタピニオンギヤ14
はリングギヤ17の内周に噛合し、インナピニオンギヤ
15はサンギヤ13の外周に噛合する。そして前進クラ
ッチ11および後進ブレーキ12を選択的に作動させ
て、タービンシャフト6に対して第1シャフト23を正
転もしくは逆転させることが可能となっている。
【0016】第1シャフト23には、これと一体に形成
された固定プーリ半体21aと、これに対向するととも
に第1シャフト23上を軸方向に移動自在に配設された
可動プーリ半体21bとからなるドライブプーリ21が
配設されている。第1軸S1から所定距離だけ離れて平
行に延びる第2軸S2上には回転自在に第2シャフト2
7が配設されており、この第2シャフト27と一体に形
成された固定プーリ半体25aと、これに対向するとと
もに第2シャフト27上を軸方向に移動自在に配設され
た可動プーリ半体25bとからドリブンプーリ25が構
成されている。
【0017】ドライブプーリ21とドリブンプーリ25
とに金属Vベルト24が巻き掛けられてベルト式動力伝
達装置が構成されており、ドライブプーリ21の回転が
金属Vベルト24を介してドリブンプーリ25に伝達さ
れる。このとき、両プーリ21,25の可動プーリ21
a,25aを移動させてプーリ幅を調整することによ
り、両プーリ21,25におけるベルトの巻き掛け半径
を任意に調整することができ、両プーリ21,25間で
の減速比を無段階に調整することができる。このような
プーリ幅調整のため(すなわち、可動プーリ21a,2
5aの移動量調整のため)、ドライブ側油圧シリンダ2
2およびドリブン側油圧シリンダ26が設けられてい
る。
【0018】ドリブンプーリ25の左側(エンジン側)
には第1ギヤ31が第2シャフト27に結合して配設さ
れている。第2軸S2から所定距離離れて平行に延びる
第3軸S3上には第3シャフト34が回転自在に配設さ
れ、第3シャフト34には第2ギヤ32および第3ギヤ
33が一体に形成されている。第1ギヤ31は第2ギヤ
32と噛合する。また、第3軸S3から所定距離離れて
平行に延びる第4軸S4上にはディファレンシャル機構
36が配設されており、このディファレンシャル機構3
6に結合配設された第4ギヤ35が第3ギヤ33と噛合
する。このように、第1〜第4ギヤ31,32,33,
35により動力伝達ギヤ列30が構成されており、ドリ
ブンプーリ25の回転は動力伝達ギヤ列30を介してデ
ィファレンシャル機構36に伝達される。ディファレン
シャル機構36には左右のアクスルシャフト37,38
が繋がっており、ディファレンシャル機構36に伝達さ
れた動力はここで分割されて左右のアクスルシャフト3
7,38を介して左右の車輪(図示せず)に伝達され
る。
【0019】以上の構成の自動変速機におけるトルクコ
ンバータ5およびそのロックアップクラッチLCの制御
装置について、図1を参照して説明する。まず、ロック
アップクラッチLCは、トルクコンバータ5内に配設さ
れたクラッチプレート51を有し、このクラッチプレー
ト51がトルクコンバータハウジング52と当接係合す
ることにより、トルクコンバータをバイパスするトルク
伝達が行われるようになっている。クラッチプレート5
1はトルクコンバータ内部空間を、コンバータ機構(イ
ンペラ5a、タービン5bおよびステータ5c)側とな
るコンバータ側空間5eと、クラッチプレート51が対
向するクラッチ側空間5dとに分割するように配設され
ている。
【0020】クラッチプレート51とハウジング52と
の係合は、クラッチ側空間5dとコンバータ側空間5e
との油圧差に応じて制御され、これら空間5d,5eに
繋がる油路53,54,55へ供給する油圧を図1に示
す制御装置により制御して、ロックアップクラッチLC
の係合制御が行われる。この制御装置は、油圧ポンプP
からの吐出油をレギュレータバルブ60により調圧して
得られたライン圧PLのロックアップクラッチLCへの
供給を、オン・オフソレノイドバルブ61、リニアソレ
ノイドバルブ62、ロックアップタイミングバルブ6
3、ロックアップコントロールバルブ64およびロック
アップシフトバルブ65により制御するように構成され
る。
【0021】この制御装置において、オン・オフソレノ
イドバルブ61およびリニアソレノイドバルブ62がと
もにオフの場合には、ロックアップシフトバルブ65の
スプールが図示の位置にあり、レギュレータバルブ60
から油路71に供給されるライン圧PLがロックアップ
シフトバルブ65を介して油路53に供給される。図示
のように油路53はクラッチ側空間5dに繋がり、クラ
ッチ側空間5dにライン圧PLが供給され、クラッチプ
レート51はハウジング52から離れて、ロックアップ
クラッチはオフ状態となる。
【0022】次に、この状態からオン・オフソレノイド
バルブ61をオンにすると、ロックアップシフトバルブ
65の左端に作用する油圧がドレンされ、そのスプール
65aは左動される。これにより、油路71からのクラ
ッチ側空間5dへのライン圧PLの供給はなくなり、油
路53を介してクラッチ側空間5dに供給される油圧
と、油路54,55を介してコンバータ側空間5eに供
給される油圧とが、リニアソレノイドバルブ61、ロッ
クアップコントロールバルブ64およびロックアップシ
フトバルブ65により制御可能となる。
【0023】この場合の詳細な作動説明は省略するが、
リニアソレノイドバルブ61からの出力油圧制御、すな
わち、リニアソレノイドへの通電制御を行うことによ
り、クラッチ側空間5dとコンバータ側空間5eとの油
圧バランスを可変制御可能であり、ロックアップクラッ
チLCの係合制御を行うことができる。すなわち、リニ
アソレノイドバルブ61への通電制御を行うことによ
り、ロックアップクラッチLCを介しての伝達トルクを
任意に設定可能である。
【0024】以上説明したような、オン・オフソレノイ
ドバルブ61およびリニアソレノイドバルブ62の制御
を行って、車両発進時のロックアップクラッチLCの係
合制御を行う場合の制御内容を、図4および図5のフロ
ーチャートと、図6のタイムチャートを参照して、以下
に説明する。なお、図4および図5のフローチャート
は、丸囲み記号A同士が繋がって一つのフローを構成す
る。
【0025】このフローに示す制御は、車両が停止状態
でアクセルペダルを踏み込んで発進するときでのロック
アップクラッチLCの係合制御を示している。この制御
ではまず、ステップS1において、エンジンスロットル
開度TH、吸気負圧PUおよび回転数NEを検出すると
ともにこれらに基づいてエンジントルクTQEGを演算
する。なお、このエンジントルクTQEGはトルクコン
バータ側に伝達されるトルクであり、エンジン補機類
(例えば、オルタネータ、エアコンディショナー用コン
プレッサ)が作動しているときには、その駆動トルクを
減じたトルクである。
【0026】次に、ステップS2において、ロックアッ
プトルク比率KLCSTBをテーブル検索する。このロ
ックアップトルク比率KLCSTBは、エンジントルク
TQEGのうち、ロックアップクラッチLCを介して伝
達させるトルクすなわち目標ロックアップクラッチトル
クの比率であり、この比率は、例えば図7に示すよう
に、スロットル開度THに対応して予めテーブル状に設
定記憶されており、これをテーブル検索して求める。な
お、図7から分かるように、ロックアップトルク比率K
LCSTBは、スロットル開度THが大きい(高い)ほ
ど小さな係数が設定される。これは、スロットルが低開
度の状態で車両を発進するような場合には、ロックアッ
プクラッチ係合によるショックは発生しにくいので、燃
費を重視してできるだけ早くロックアップクラッチを係
合させ、スロットルが高開度の状態で車両を発進するよ
うな場合には、駆動力を重視するためにロックアップク
ラッチの係合を遅らせ、トルクコンバータのトルク増幅
作用を利用する制御を行うことなどのためである。
【0027】このようにして現在のスロットル開度TH
に対応するロックアップトルク比率KLCSTBを図7
のテーブルから検索すると、次に、基本目標ロックアッ
プクラッチトルクQBASESTを演算する(ステップ
S3)。この基本目標ロックアップクラッチトルクQB
ASESTは、エンジントルクTQEGにロックアップ
トルク比率KLCSTBを乗じて求められる。
【0028】このようにしてロックアップクラッチLC
を介して伝達させるべきトルクが演算されるのである
が、油温が低くてオイルの粘性が高いときにはこのまま
のトルクQBASESTを発生させるような係合油圧制
御を行うとショックが発生する可能性があるため、油温
に基づく補正を行う。このため、油温補正係数KTOI
Lが、図8に示すように予め設定されたテーブルから検
索して求められ(ステップS4)、この油温補正係数K
TOILを基本目標ロックアップクラッチトルクQBA
SESTに乗じて、目標ロックアップクラッチトルクQ
BASEが演算される(ステップS5)。
【0029】なお、油温補正係数KTOILは、図8か
らよく分かるように、油温が通常使用温度である約70
°Cのときに1.0が設定されて補正は行われず、これ
より低温では目標トルクを小さくする補正が行われ、こ
れより高温では目標トルクを大きくする補正が行われ
る。これにより油温に拘わらず常に一定の係合特性が得
られる。
【0030】図4および図5に示す制御フローが所定の
繰り返しサイクルで行われ、上記各演算は制御フローの
度にその都度行われ、常に最新の目標ロックアップクラ
ッチトルクQBASEが演算設定される。ここで、図6
のタイムチャートも参照するが、このタイムチャートで
は、時間t0においてアクセルペダルが踏み込まれてス
ロットル開度THが増加し、車両が発進する場合を示し
ている。このため、時間t0においては車速Vが0で、
トルクコンバータの出力回転NDRも0であり、この
後、アクセル踏み込みに伴ってエンジン回転NEが上昇
し、これに応じてトルクコンバータを介してのトルク伝
達が行われるため、時間とともにトルクコンバータの出
力回転NDRおよび車速Vが増加し始める。
【0031】このようにして車両が発進して車速Vが所
定車速(制御開始判断車速)V1(=5〜15km/
H)となった時(時間t1)からロックアップクラッチ
LCを係合させる制御が開始させる。このため、ステッ
プS6において、トルクコンバータの出力回転NDRが
所定回転αを越えたか否かが判断される。この所定回転
αは車輪のスリップが無いときにおける制御開始判断車
速V1に対応する回転であり、NDR≦αのときには、
車速Vが制御開始判断車速V1に至っていないため、今
回のフローはここで完了してステップS1に戻って次回
のフローに移行する。
【0032】一方、NDR>αとなったとき(時間t
1)には、ステップS7に進んでタイマTMPSをスタ
ートさせる。このタイマTMPSは初期設定時間YTM
PS(時間t1から時間t2までの時間)を設定するも
ので、このタイマTMPSがアップするまでの時間(す
なわち、初期設定時間YTMPS)が経過するまでは、
ステップS8に進んでロックアップクラッチLCの伝達
トルクQLCとして最小値(初期係合油圧)QMINを
設定する。
【0033】この初期係合トルクQMINは、ロックア
ップクラッチLCを僅かに係合する状態もしくは係合直
前の状態に設定するトルクであり、これによりロックア
ップクラッチLCの係合制御をショック無く滑らかに開
始できるようにするものである。なお、このようして初
期係合伝達トルクQLCが設定されると、このトルクが
得られるロックアップ係合油圧となるようにオン・オフ
ソレノイドバルブ61およびリニアソレノイドバルブ6
2の通電電流制御がなされる。具体的には、オン・オフ
ソレノイドバルブ61がオンにされ、リニアソレノイド
バルブ62には最小電流が印可される。
【0034】タイマTMPSによる初期設定時間YTM
PSが経過すると(時間t2)、ステップS9に進み、
前述のようにして演算された目標ロックアップクラッチ
トルクQBASEと現在設定されているロックアップク
ラッチ伝達トルクQLCとの差QDVの絶対値が所定値
β以下か否かが判断される。なお、βは微小値であり、
ここでは現在の伝達トルクQLCが目標ロックアップク
ラッチトルクQBASEとほぼ等しくなったか否かが判
断される。
【0035】この差QDVの絶対値が所定値βを越えて
いる間は、ステップS10に進み、現在のロックアップ
クラッチ伝達トルクQLCに増分トルクΔQを加えた値
を新たな伝達トルクQLCとして設定し、この伝達トル
クQLCが得られるロックアップ係合油圧となるように
リニアソレノイドバルブ62の通電電流制御がなされ
る。ここで、増分トルクΔQは小さな値に設定されてお
り、これにより初期係合トルクQMINを目標ロックア
ップクラッチトルクQBASEまで緩やかに増加させる
制御がなされる。
【0036】このようにロックアップクラッチトルクが
緩やかに増加されて、|QBASE−QLC|<βとな
ったとき、すなわち、現在のロックアップクラッチ伝達
トルクQLCが目標ロックアップクラッチトルクQBA
SEとほぼ等しくなったとき(時間t3)には、ステッ
プS9からステップS11に進む。ここでは、フィード
バック目標速度比ETRTEと現在におけるトルクコン
バータの入出力回転速度比ETRとの差の絶対値がフィ
ードバック判断値ΔEより小さいか否か(|ETRTE
−ETR|<ΔE)が判断される。
【0037】フィードバック目標速度比ETRTEは、
トルクコンバータの入出力回転速度比が1.0に近い状
態(例えば、0.98)となったときに、回転速度比に
基づいて係合油圧をフィードバックする制御に移行する
ための判断を行うものであるが、時間t3の時点では、
|ETRTE−ETR|>ΔEであるので、ステップS
12に進み、入出力回転速度比ETRが、トルクコンバ
ータのトルク増幅が得られなくなる(すなわち、トルク
比が1.0となる)領域への移行点となる入出力回転速
度比ETRCUP(これを移行判断回転速度比と称す
る)より小さいか否かが判断される。
【0038】図6に示すように、時間t3においてはま
だ、ETR<ETRCUPであるのでステップS13に
進み、後述するフラグFVOに1が立てられているか否
かを判断する。この時点ではFVO=0であるのでステ
ップS14に進み、ステップS5で求めた目標ロックア
ップクラッチトルクQBASEを伝達トルクQLCとし
て設定する。そして、このトルクQLCが得られるロッ
クアップ係合油圧となるようにリニアソレノイドバルブ
62の通電電流制御がなされる。前述のように、ステッ
プS5で求められる目標ロックアップクラッチトルクQ
BASEはスロットル開度THに対応して一義的に設定
されるものであるため、このトルクQBASEとなるよ
うにロックアップクラッチLCの係合制御を行えば、目
標ロックアップクラッチトルクQBASEを目標値とす
るオープン制御となり、応答遅れのない的確な制御を行
うことができる。
【0039】このようなオープン制御を行うと、トルク
コンバータ5を介してのトルク伝達と、ロックアップク
ラッチLCを介してのトルク伝達とが並列になされて車
速Vが徐々に増加し、トルクコンバータの入出力回転速
度比ETRが図6に示すように徐々に増加する(1.0
に近付く)。そして、この回転速度比ETRが移行判断
回転速度比ETRCUPとなった時点(時間t4)にお
いて、制御フローはステップS12からステップS15
に移行してフラグFVO=1か否かが判断される。この
時点(時間t4)では、まだフラグFVO=0であるの
で、ステップS15,S16に進み、この時の車速VL
VHを基本車速VOとして設定し、フラグFVOに1を
立てる。
【0040】そして、ステップS18において、現在の
車速VLVHと基本車速VOとの車速差DVSTを求
め、この車速差DVSTに対応する補正トルクQINC
を図9のテーブルから検索する。図9のテーブルにおい
ては、車速差DVSTが0のときに補正トルクQINC
が0となり、車速差DVSTが正のとき(すなわち、車
速が増加しているとき)には補正トルクQINCとして
図に示すような車速差に対応した正の値が設定され、車
速差DVSTが負のとき(すなわち、車速が減少してい
るとき)には補正トルクQINCとして図に示すような
負の値が設定されている。そして、ステップS20にお
いて、目標ロックアップクラッチトルクQBASEに補
正トルクQINCを加えて、ロックアップクラッチ伝達
トルクQCLを求め、この伝達トルクQLCが得られる
ロックアップ係合油圧となるようにリニアソレノイドバ
ルブ62の通電電流制御がなされる。
【0041】なお、回転速度比ETRが移行判断回転速
度比ETRCUPとなった判断され(時間t4)、ステ
ップS15からステップS16,S17に進んだときに
は、DVST=0であり、QINC=0であるので、目
標ロックアップクラッチトルクQBASEがそのまま伝
達トルクQCLとして用いられる。
【0042】但し、これ以降のフローにおいては、ステ
ップS15においてフラグFVO=1と判断されてステ
ップS18に進むため、基本車速VOは時間t4におけ
る車速がそのまま保持される。そして、ステップS18
においては、現在の車速VLVHと基本車速VOとの車
速差DVST、すなわち、時間t4からの車速の変化量
が演算され、車速差DVSTに対応する補正トルクQI
NCが図9のテーブル記憶値に基づいて検索され、これ
が目標ロックアップクラッチトルクQBASEに加えら
れて伝達トルクQCLが演算される(ステップS19,
S20)。
【0043】そして、この伝達トルクQLCが得られる
ロックアップ係合油圧となるようにリニアソレノイドバ
ルブ62の通電電流制御がなされるのであるが、このよ
うな制御(ステップS18〜S20の制御)が行われる
のはトルクコンバータの入出力回転速度比ETRが移行
判断回転速度比ETRCUPとなってトルク増幅作用が
得られなくなった状態の場合である。このため、この状
態で車速が増加しているときには燃費を重視してロック
アップクラッチを係合側に制御し(ロックアップクラッ
チ伝達トルクQCLを大きくする補正を行い)、一方、
車速が低下しているときは登坂時等であると考えられる
ので、駆動力を重視してロックアップクラッチを解放す
る側に制御を行うようになっている(ロックアップクラ
ッチ伝達トルクQCLを小さくする補正を行う)。
【0044】なお、ステップS12において、ETR≧
ETRCUPと判断されると、フラグFVO=1となる
ため、この後、ETR<ETRCUPとなってもステッ
プS13からステップS18に進み、車速差DVSTに
対応する補正トルクQINCによる補正が継続される。
【0045】このようにして時間t4以降、ステップS
20で求めたロックアップクラッチ伝達トルクQCLと
なるようなロックアップクラッチLCの係合制御が行わ
れると、車速の増加に応じてトルクコンバータの入出力
回転数比ETRが徐々に1.0に近づき、これがフィー
ドバック目標速度比ETRTEにほぼ等しくなると、ス
テップS11からステップS21,S22に進み、フラ
グFVO=0,QINC=0にセットし、回転速度比E
TRを用いた係合油圧のフィードバック制御に移行す
る。
【0046】以上のようにして、車両発進時におけるロ
ックアップクラッチLCの係合制御がなされてスムーズ
な発進が行われるのであるが、上記制御フローにおける
ステップS6の判断において、車輪がスリップしている
ような場合には、たとえNDR>αとなってもステップ
S7には進まないような制御がなされる。これは、例え
ば、雪面での発進のように車輪がスリップすると、実際
の車速は制御開始判断車速V1になっていないのに、ト
ルクコンバータの出力回転NDRは所定回転αを上回る
ため、このような場合には、ロックアップクラッチの係
合制御は行わせないようにするためである。これによ
り、車輪スリップしながら発進するような場合には、ト
ルクコンバータのトルク増幅作用が十分に得られる。
【0047】なお、以上のようにしてロックアップクラ
ッチLCの係合制御が行われるのであるが、シフトレバ
ーがPもしくはNポジションにある時、パニックブレー
キ作動時、およびエンジン回転がストールを起こすおそ
れがあるような低回転である時には、無条件で上記制御
が中断され、ロックアップクラッチLCを解放させる制
御(オン・オフソレノイドバルブ61をオフにする制
御)が行われる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アクセル作動量(アクセルペダル踏み込み量、エンジン
スロットル開度等を言う)に対応して目標ロックアップ
クラッチトルクを設定し、この目標ロックアップクラッ
チトルクが得られるようにロックアップクラッチの係合
油圧をフィードフォワード制御(もしくはオープン制
御)するものであるため、従来行われていたフィードバ
ック制御におけるような応答遅れの問題はなく、的確な
制御が可能である。
【0049】さらに、この制御を行うときに、目標ロッ
クアップクラッチトルクは、アクセル作動量、例えば、
エンジンスロットル開度に対応して設定されるため、例
えば、スロットルが低開度の状態で車両を発進するよう
な場合には、燃費を重視してできるだけ早くロックアッ
プクラッチを係合させる制御を行い、スロットルが高開
度の状態で車両を発進するような場合には、駆動力を重
視するためにロックアップクラッチの係合を遅らせ、ト
ルクコンバータのトルク増幅作用を利用するような制御
を行うことが可能である。
【0050】なお、係合油圧制御手段により制御される
係合油圧を油温に応じて補正し、油温が低くてオイルの
粘性が高いときに、ロックアップクラッチを緩やかに係
合させるようにして、係合時のショック発生を効果的に
抑制できる。
【0051】また、トルクコンバータの入出力回転速度
比が移行判断回転速度比となった後においては、車速の
増加に応じて係合油圧を増大し、車速の減少に応じて係
合油圧を低下させる制御を行うようにしており、車速が
増加しているときには燃費を重視してロックアップクラ
ッチは係合側に制御し、一方、車速が低下しているとき
は登坂時等であると考えられるので、駆動力を重視して
ロックアップクラッチを解放する側に制御を行うため、
走行状態に応じた適切な係合制御を行うことが可能であ
る。
【0052】さらに、係合油圧制御手段は、車速が制御
開始判断車速を越えたときから予め設定された初期設定
時間の間、車速などに応じて予め設定された初期係合油
圧となるように制御し、ロックアップクラッチの係合制
御開始時にショックが発生するのを防止することができ
る。なお、このように初期設定時間の間において初期係
合油圧を設定した後は、この初期係合油圧を目標ロック
アップクラッチが得られる係合油圧まで急激に増加させ
るのではなく、徐々に増加させる制御を行って、ショッ
クのないスムーズな係合制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルクコンバータのロックアップ
クラッチの制御装置の構成を示す油圧回路図である。
【図2】上記トルクコンバータを有した自動変速機(無
段変速機)の構成を示す断面図である。
【図3】上記トルクコンバータを有した自動変速機(無
段変速機)の構成を示すスケルトン図である。
【図4】本発明に係る制御装置による制御内容を示すフ
ローチャートである。
【図5】本発明に係る制御装置による制御内容を示すフ
ローチャートである。
【図6】本発明に係る制御装置による制御結果を示すタ
イムチャートである。
【図7】本発明に係る制御装置による制御に用いられる
ロックアップトルク比率KLCSTBを示すグラフであ
る。
【図8】本発明に係る制御装置による制御に用いられる
油温補正係数KOILを示すグラフである。
【図9】本発明に係る制御装置による制御に用いられる
補正トルクQINCを示すグラフである。
【符号の説明】
4 前後進切換機構 5 トルクコンバータ 21 ドライブプーリ 24 金属Vベルト 25 ドリブンプーリ 51 クラッチプレート 60 レギュレータバルブ 61 オン・オフソレノイドバルブ 62 リニアソレノイドバルブ 63 ロックアップタイミングバルブ 64 ロックアップコントロールバルブ 65 ロックアップシフトバルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機と変速機構との間に配設されたト
    ルクコンバータにおいて、このトルクコンバータをバイ
    パスして前記原動機の駆動力を前記変速機構の入力軸に
    伝達可能なロックアップクラッチの制御装置であって、
    このロックアップクラッチが係合油圧力を受けて係合制
    御がなされるようになっており、 前記原動機の出力トルクのうち、前記ロックアップクラ
    ッチを介して伝達させるべき目標ロックアップクラッチ
    トルクを、アクセル作動量に対応して求める目標ロック
    アップクラッチトルク演算手段と、 前記目標ロックアップクラッチトルクとなるように前記
    ロックアップクラッチに供給する係合油圧を制御する係
    合油圧制御手段とを備え、 この係合油圧制御手段は、 車両発進時において、車速が制御開始判断車速を越えた
    ときから、前記トルクコンバータの入出力回転速度比
    が、前記トルクコンバータのトルク比に基づいて定めら
    れる所定の移行判断回転速度比となるまで、前記目標ロ
    ックアップクラッチとなるように前記係合油圧を制御す
    る制御を行うことを特徴とするロックアップクラッチの
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記係合油圧制御手段により制御される
    前記係合油圧を、油温が低いときに油温が高いときより
    小さくするように、前記油温に応じて補正することを特
    徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチの制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記トルクコンバータの入出力回転速度
    比が前記移行判断回転速度比となった後、前記係合油圧
    制御手段は、車速の増加に応じて前記係合油圧を増大
    し、車速の減少に応じて前記係合油圧を低下させる制御
    を行うことを特徴とする請求項1もしくは2に記載のロ
    ックアップクラッチの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記係合油圧制御手段は、車速が前記制
    御開始判断車速を越えたときから予め設定された初期設
    定時間の間、前記係合油圧を車速などに応じて予め設定
    された初期係合油圧となるように制御することを特徴と
    する請求項1に記載のロックアップクラッチの制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記係合油圧手段は、前記初期設定時間
    の経過後、前記初期係合油圧を前記目標ロックアップク
    ラッチが得られる係合油圧まで徐々に増加させる制御を
    行うことを特徴とする請求項4に記載のロックアップク
    ラッチの制御装置。
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