JPH1163223A - シリンダ装置用ピストンロッドおよびその製造方法 - Google Patents
シリンダ装置用ピストンロッドおよびその製造方法Info
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- JPH1163223A JPH1163223A JP24773297A JP24773297A JPH1163223A JP H1163223 A JPH1163223 A JP H1163223A JP 24773297 A JP24773297 A JP 24773297A JP 24773297 A JP24773297 A JP 24773297A JP H1163223 A JPH1163223 A JP H1163223A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 酸化処理を施したピストンロッドの摺動面に
スパーク痕を付けることなく、ピストンロッドの先端に
ブラケットを抵抗溶接できるようにする。 【解決手段】 治具10の治具本体13に、ロッド基材
11の先端の凸面11aより曲率半径の大きい凹面12
を設け、この凹面12にロッド基材11の先端を当接さ
せて治具10にロッド基材11を直立姿勢で立て、この
状態を維持して治具10をガス軟窒化炉、油槽、洗浄
機、酸化炉に順に送ってガス軟窒化、油冷、洗浄および
酸化の各処理を順に行い、この間、治具10とロッド基
材11との間の隙間δに油冷処理の油液16を残して、
ロッド基材11の先端の酸化を抑え、その部分の酸化膜
を薄くして、ここに、ブラケットを低電流で抵抗溶接で
きるようにする。
スパーク痕を付けることなく、ピストンロッドの先端に
ブラケットを抵抗溶接できるようにする。 【解決手段】 治具10の治具本体13に、ロッド基材
11の先端の凸面11aより曲率半径の大きい凹面12
を設け、この凹面12にロッド基材11の先端を当接さ
せて治具10にロッド基材11を直立姿勢で立て、この
状態を維持して治具10をガス軟窒化炉、油槽、洗浄
機、酸化炉に順に送ってガス軟窒化、油冷、洗浄および
酸化の各処理を順に行い、この間、治具10とロッド基
材11との間の隙間δに油冷処理の油液16を残して、
ロッド基材11の先端の酸化を抑え、その部分の酸化膜
を薄くして、ここに、ブラケットを低電流で抵抗溶接で
きるようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガススプリング、
油圧緩衝器等のシリンダ装置に用いるピストンロッドと
その製造方法に関する。
油圧緩衝器等のシリンダ装置に用いるピストンロッドと
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のシリンダ装置は、通常図4に示
すように、シリンダ1内のピストン(図示略)からシリ
ンダ1外まで延ばしたピストンロッド2の先端と、シリ
ンダ1の底とに取付用部材としてのブラケット3(シリ
ンダ底側は省略)を接合して使用に供されるようになっ
ている。そして従来、このピストンロッド2に対するブ
ラケット3の接合には、図5に示すように、下部電極4
によりピストンロッド2をクランプしてその位置を固定
した後、ブラケット3の下端折曲部3aを上部電極5に
よりピストンロッド2の端面に押えて通電する、いわゆ
る抵抗溶接法が採用されていた。
すように、シリンダ1内のピストン(図示略)からシリ
ンダ1外まで延ばしたピストンロッド2の先端と、シリ
ンダ1の底とに取付用部材としてのブラケット3(シリ
ンダ底側は省略)を接合して使用に供されるようになっ
ている。そして従来、このピストンロッド2に対するブ
ラケット3の接合には、図5に示すように、下部電極4
によりピストンロッド2をクランプしてその位置を固定
した後、ブラケット3の下端折曲部3aを上部電極5に
よりピストンロッド2の端面に押えて通電する、いわゆ
る抵抗溶接法が採用されていた。
【0003】ところで、上記ピストンロッド2として
は、従来一般には硬質クロムめっきを施したものが用い
られていたが、最近、耐摩耗性と耐食性とのさらなる向
上を目指して、ガス軟窒化処理と酸化処理とを連続に施
して表面に窒化層と酸化層とを積層形成したものが用い
られるようになってきている。しかし、このように窒化
層と酸化層とを積層形成したピストンロッド2に対し
て、上記した抵抗溶接法によりブラケット3を接合しよ
うとすると、最表面の酸化層(Fe3O4 層)の電気抵抗
が大きいため、その溶接に高電流を要し、これに起因し
て下部電極4と接触するピストンロッド2の周面(摺動
面)にスパーク痕がしばしば発生し、問題になってい
た。なお、このスパーク痕の発生したピストンロッドを
そのままシリンダ装置に組込むと、使用中、該スパーク
痕がシリンダ1内のシール部材に傷を付けてしまい、ガ
ス漏れや油漏れの原因となる。
は、従来一般には硬質クロムめっきを施したものが用い
られていたが、最近、耐摩耗性と耐食性とのさらなる向
上を目指して、ガス軟窒化処理と酸化処理とを連続に施
して表面に窒化層と酸化層とを積層形成したものが用い
られるようになってきている。しかし、このように窒化
層と酸化層とを積層形成したピストンロッド2に対し
て、上記した抵抗溶接法によりブラケット3を接合しよ
うとすると、最表面の酸化層(Fe3O4 層)の電気抵抗
が大きいため、その溶接に高電流を要し、これに起因し
て下部電極4と接触するピストンロッド2の周面(摺動
面)にスパーク痕がしばしば発生し、問題になってい
た。なお、このスパーク痕の発生したピストンロッドを
そのままシリンダ装置に組込むと、使用中、該スパーク
痕がシリンダ1内のシール部材に傷を付けてしまい、ガ
ス漏れや油漏れの原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特開平8−9
3834号公報には、図6に示すように、ピストンロッ
ド(ロッド基材)6の先端部に、予め扁平な平板部7を
一体に設けて、このロッド基材6の全体にガス軟窒化処
理および酸化処理を施した後、その平板部7にブラケッ
ト8を重ね合わせて両者を上部電極9aと下部電極9b
との間に挟持し、抵抗溶接を行うことが提案されてい
る。この提案によれば、酸化層に起因するスパーク痕は
平板部7内に発生することとなり、上記したシール部材
の損傷は未然に防止されることになる。
3834号公報には、図6に示すように、ピストンロッ
ド(ロッド基材)6の先端部に、予め扁平な平板部7を
一体に設けて、このロッド基材6の全体にガス軟窒化処
理および酸化処理を施した後、その平板部7にブラケッ
ト8を重ね合わせて両者を上部電極9aと下部電極9b
との間に挟持し、抵抗溶接を行うことが提案されてい
る。この提案によれば、酸化層に起因するスパーク痕は
平板部7内に発生することとなり、上記したシール部材
の損傷は未然に防止されることになる。
【0005】しかしながら、上記公報に記載の提案によ
れば、ロッド基材6の先端部に鍛造または溶接により平
板部7を一体に設けなければならないため、その製造に
余分な工程がかかり、製造コストが増大するという問題
があった。
れば、ロッド基材6の先端部に鍛造または溶接により平
板部7を一体に設けなければならないため、その製造に
余分な工程がかかり、製造コストが増大するという問題
があった。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、取付用部材との
溶接性を改善することによりスパーク痕の発生を抑え、
もって特別の形状変更を不要にして製造性の改善を図っ
たシリンダ装置用ピストンロッドとその製造方法を提供
することにある。
れたもので、その目的とするところは、取付用部材との
溶接性を改善することによりスパーク痕の発生を抑え、
もって特別の形状変更を不要にして製造性の改善を図っ
たシリンダ装置用ピストンロッドとその製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るシリンダ装置用ピストンロッドは、表
面に窒化層と酸化層とを積層形成しており、最表面の酸
化層が、摺動面となる周面で1.0μmを超える厚さと
なっているのに対し、取付用部材の抵抗溶接面となる先
端面では0.2〜1.0μm厚さとなっていることを特
徴とする。
め、本発明に係るシリンダ装置用ピストンロッドは、表
面に窒化層と酸化層とを積層形成しており、最表面の酸
化層が、摺動面となる周面で1.0μmを超える厚さと
なっているのに対し、取付用部材の抵抗溶接面となる先
端面では0.2〜1.0μm厚さとなっていることを特
徴とする。
【0008】このように構成したシリンダ装置用ピスト
ンロッドは、取付用部材の抵抗溶接面となる先端面にお
ける酸化層の厚さが1.0μm以下と薄くなっているの
で、その部分の電気抵抗は可及的に小さくなり、比較的
低電流で溶接することができて、スパーク痕の発生は防
止される。また、その酸化層の厚さは、先端面で少なく
とも0.2μmとなっているので、先端面の耐食性が著
しく低下することはなく、さらには、摺動面となる周面
では1.0μmを超える厚さとなっているので、摺動面
は所望の耐食性を維持する。
ンロッドは、取付用部材の抵抗溶接面となる先端面にお
ける酸化層の厚さが1.0μm以下と薄くなっているの
で、その部分の電気抵抗は可及的に小さくなり、比較的
低電流で溶接することができて、スパーク痕の発生は防
止される。また、その酸化層の厚さは、先端面で少なく
とも0.2μmとなっているので、先端面の耐食性が著
しく低下することはなく、さらには、摺動面となる周面
では1.0μmを超える厚さとなっているので、摺動面
は所望の耐食性を維持する。
【0009】本発明に係るピストンロッドの製造方法
は、複数のロッド基材を立てた治具をガス軟窒化炉、油
槽、洗浄機および酸化炉に順に送って、ガス軟窒化、油
冷、洗浄および酸化の各処理を順に行うピストンロッド
の製造方法において、前記治具に凹面を形成し、該凹面
にロッド先端を当接させた状態で該ロッド基材を治具上
に立てるようにすることを特徴とする。
は、複数のロッド基材を立てた治具をガス軟窒化炉、油
槽、洗浄機および酸化炉に順に送って、ガス軟窒化、油
冷、洗浄および酸化の各処理を順に行うピストンロッド
の製造方法において、前記治具に凹面を形成し、該凹面
にロッド先端を当接させた状態で該ロッド基材を治具上
に立てるようにすることを特徴とする。
【0010】上記製造方法においては、治具の凹面にロ
ッド先端を当接させた状態で該ロッド基材を治具上に立
てることにより、ガス軟窒化後の油冷処理に際して、治
具とロッド先端との隙間に油液が侵入し、この侵入した
油液はその後の洗浄処理によっても少量残留し、この結
果、その後の酸化処理に際してロッド先端の酸化が抑制
され、ロッド先端に形成される酸化層の厚さは摺動面に
比べて薄くなる。
ッド先端を当接させた状態で該ロッド基材を治具上に立
てることにより、ガス軟窒化後の油冷処理に際して、治
具とロッド先端との隙間に油液が侵入し、この侵入した
油液はその後の洗浄処理によっても少量残留し、この結
果、その後の酸化処理に際してロッド先端の酸化が抑制
され、ロッド先端に形成される酸化層の厚さは摺動面に
比べて薄くなる。
【0011】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
【0012】ピストンロッドの製造に際しては、予め図
2に示すような治具10を用意し、この治具10に、同
図に示すように切削加工および研削加工を終えた複数の
ロッド基材11を直立状態でセットし、これをガス軟窒
化炉、油槽、洗浄機および酸化炉に順に送り、ガス軟窒
化、油冷、洗浄および酸化の各処理を順に行う。
2に示すような治具10を用意し、この治具10に、同
図に示すように切削加工および研削加工を終えた複数の
ロッド基材11を直立状態でセットし、これをガス軟窒
化炉、油槽、洗浄機および酸化炉に順に送り、ガス軟窒
化、油冷、洗浄および酸化の各処理を順に行う。
【0013】治具10は、ここでは上面に複数の凹面1
2を形成した矩形板状の治具本体13と、この治具本体
13の四つの隅部に立設した支柱14と、支柱14の上
端部の小径部14aを挿通させて該小径部14a下の段
差14bに着座させた支持板15とから概略構成されて
いる。治具本体13の上面の凹面12は、図1にも示す
ように、ロッド基材11の先端の凸面11aよりわずか
大きな曲率半径を有しており、したがって、ロッド基材
11の先端の凸面11aを治具本体13の凹面12に当
接させた状態でロッド基材11を立てると、両者の間に
は凸面11aまたは凹面12の周縁に向けて漸次拡大す
る微小な隙間δが形成されるようになる。治具本体13
の凹面12はまた、ロッド基材11の先端の凸面11a
部分をほぼ収納できるに足る必要最小限の深さに形成さ
れており、したがって、前記したように治具本体13に
ロッド基材11を立てた状態において、ロッド基材11
の周面(摺動面)は治具本体13から完全に開放される
ようになる。
2を形成した矩形板状の治具本体13と、この治具本体
13の四つの隅部に立設した支柱14と、支柱14の上
端部の小径部14aを挿通させて該小径部14a下の段
差14bに着座させた支持板15とから概略構成されて
いる。治具本体13の上面の凹面12は、図1にも示す
ように、ロッド基材11の先端の凸面11aよりわずか
大きな曲率半径を有しており、したがって、ロッド基材
11の先端の凸面11aを治具本体13の凹面12に当
接させた状態でロッド基材11を立てると、両者の間に
は凸面11aまたは凹面12の周縁に向けて漸次拡大す
る微小な隙間δが形成されるようになる。治具本体13
の凹面12はまた、ロッド基材11の先端の凸面11a
部分をほぼ収納できるに足る必要最小限の深さに形成さ
れており、したがって、前記したように治具本体13に
ロッド基材11を立てた状態において、ロッド基材11
の周面(摺動面)は治具本体13から完全に開放される
ようになる。
【0014】ロッド基材11の基端部にはピストン取付
用のねじ部11bが設けられており、上記治具本体13
に立てたロッド基材11は、そのねじ部11bを前記支
持板15に設けた貫通孔15aに嵌入させてその位置が
固定されるようになっている。なお、各支柱14は、そ
の下端に設けたねじ部14cを治具本体13のねじ孔1
3aに螺合させることにより該治具本体13に対して固
定されている。
用のねじ部11bが設けられており、上記治具本体13
に立てたロッド基材11は、そのねじ部11bを前記支
持板15に設けた貫通孔15aに嵌入させてその位置が
固定されるようになっている。なお、各支柱14は、そ
の下端に設けたねじ部14cを治具本体13のねじ孔1
3aに螺合させることにより該治具本体13に対して固
定されている。
【0015】本実施の形態においては、上記したように
治具10に複数のロッド基材11を立てた後、先ず、こ
の治具10をガス軟窒化炉に装入し、ガス軟窒化処理を
行う。ガス軟窒化処理は、一例として、ガス軟窒化炉内
にアンモニアと、窒素と炭酸ガスとの混合ガス(窒化ガ
ス)を封入して、580℃に2時間程度保持する条件で
行うものとし、これによりロッド基材11の表面には、
18〜20μm程度の厚さの窒化層(ε層:Fe2-3N)
が形成される。
治具10に複数のロッド基材11を立てた後、先ず、こ
の治具10をガス軟窒化炉に装入し、ガス軟窒化処理を
行う。ガス軟窒化処理は、一例として、ガス軟窒化炉内
にアンモニアと、窒素と炭酸ガスとの混合ガス(窒化ガ
ス)を封入して、580℃に2時間程度保持する条件で
行うものとし、これによりロッド基材11の表面には、
18〜20μm程度の厚さの窒化層(ε層:Fe2-3N)
が形成される。
【0016】そして、このガス軟窒化を終了したら、ガ
ス軟窒化炉内に設けた油槽内に直ちに治具10を浸漬
し、治具10上のロッド基材11を油冷(急冷)処理す
る。その後、ガス軟窒化炉から治具10を取出し、これ
を洗浄機(例えば、真空洗浄機)に装入し、ロッド基材
11の表面に付着している冷却油の除去を行う。しかし
て、前記油冷処理に際しては、治具10の凹面12とロ
ッド基材11の凸面11aとの隙間δに油液が侵入し、
この侵入した油液はその後の洗浄処理によっても少量残
留する。図1中の符号16は、この残留した油液を表し
ている。
ス軟窒化炉内に設けた油槽内に直ちに治具10を浸漬
し、治具10上のロッド基材11を油冷(急冷)処理す
る。その後、ガス軟窒化炉から治具10を取出し、これ
を洗浄機(例えば、真空洗浄機)に装入し、ロッド基材
11の表面に付着している冷却油の除去を行う。しかし
て、前記油冷処理に際しては、治具10の凹面12とロ
ッド基材11の凸面11aとの隙間δに油液が侵入し、
この侵入した油液はその後の洗浄処理によっても少量残
留する。図1中の符号16は、この残留した油液を表し
ている。
【0017】上記洗浄処理を終えたら、治具10を酸化
炉に装入し、治具10上のロッド基材11に対して酸化
処理を行う。酸化処理の方法は任意であるが、例えば、
水蒸気酸化を行う場合は、始めに酸化炉内を窒素ガス雰
囲気として470〜480℃まで加熱し、続いて酸化炉
内に水蒸気を所定時間(例えば、1.5時間)吹込み、
その後、酸化炉内を窒素ガスで置換してロッド基材11
を300℃程度まで炉内冷却し、しかる後に酸化炉から
取出して大気冷却する。この酸化処理により、ロッド基
材11の表面には、窒化層上に積層して、標準的に2〜
3μmの酸化層(Fe3O4 層)が形成されるが、治具1
0の凹面12とロッド基材11の凸面11aとの隙間δ
が狭いことに加え、上記したようにこの隙間δに油液1
6が残留しているので、ロッド基材11の先端(凸面1
1a)の酸化が抑制され、ロッド記載11の先端の凸面
11aに形成される酸化層の厚さは、ロッド基材11の
周面(摺動面)に比べて薄くなる。ここで、間隙間δ
は、凹面12の端部で0.5mm以下でかつ油液16が
侵入できる程度(ロッド端の形状により異なる)が望ま
しい。
炉に装入し、治具10上のロッド基材11に対して酸化
処理を行う。酸化処理の方法は任意であるが、例えば、
水蒸気酸化を行う場合は、始めに酸化炉内を窒素ガス雰
囲気として470〜480℃まで加熱し、続いて酸化炉
内に水蒸気を所定時間(例えば、1.5時間)吹込み、
その後、酸化炉内を窒素ガスで置換してロッド基材11
を300℃程度まで炉内冷却し、しかる後に酸化炉から
取出して大気冷却する。この酸化処理により、ロッド基
材11の表面には、窒化層上に積層して、標準的に2〜
3μmの酸化層(Fe3O4 層)が形成されるが、治具1
0の凹面12とロッド基材11の凸面11aとの隙間δ
が狭いことに加え、上記したようにこの隙間δに油液1
6が残留しているので、ロッド基材11の先端(凸面1
1a)の酸化が抑制され、ロッド記載11の先端の凸面
11aに形成される酸化層の厚さは、ロッド基材11の
周面(摺動面)に比べて薄くなる。ここで、間隙間δ
は、凹面12の端部で0.5mm以下でかつ油液16が
侵入できる程度(ロッド端の形状により異なる)が望ま
しい。
【0018】水蒸気酸化処理後、治具10からロッド基
材11を取外し、一本ずつバフ研磨加工を行って所望の
面精度(例えば、Rmax 0.6μm程度)に仕上げ、こ
れにてピストンロッド20(図3)は完成する。このよ
うに完成したピストンロッド20は、図3に示すよう
に、その周面(摺動面)における酸化層21aの厚さが
1μmを超えているのに対し、その先端面における酸化
層21bの厚さは0.2〜1.0μmと薄くなってお
り、特に、その先端面の中心部における酸化層の厚さは
最も薄くなっている。これにより、同図に示すように、
このピストンロッド20を下部電極22によりクランプ
してその位置を固定した後、ブラケット23の下端折曲
部23aを上部電極24によりピストンロッド20の先
端面に押えて抵抗溶接を行うと、ピストンロッド20の
先端面の電気抵抗は小さくなっているので、比較的低電
流で溶接することができる。この結果、ピストンロッド
20と下部電極22との間にスパークが発生することは
なくなり、ピストンロッド20の摺動面へのスパーク痕
の発生は未然に防止される。
材11を取外し、一本ずつバフ研磨加工を行って所望の
面精度(例えば、Rmax 0.6μm程度)に仕上げ、こ
れにてピストンロッド20(図3)は完成する。このよ
うに完成したピストンロッド20は、図3に示すよう
に、その周面(摺動面)における酸化層21aの厚さが
1μmを超えているのに対し、その先端面における酸化
層21bの厚さは0.2〜1.0μmと薄くなってお
り、特に、その先端面の中心部における酸化層の厚さは
最も薄くなっている。これにより、同図に示すように、
このピストンロッド20を下部電極22によりクランプ
してその位置を固定した後、ブラケット23の下端折曲
部23aを上部電極24によりピストンロッド20の先
端面に押えて抵抗溶接を行うと、ピストンロッド20の
先端面の電気抵抗は小さくなっているので、比較的低電
流で溶接することができる。この結果、ピストンロッド
20と下部電極22との間にスパークが発生することは
なくなり、ピストンロッド20の摺動面へのスパーク痕
の発生は未然に防止される。
【0019】上記実施の形態においては、治具10の凹
面12を球面状にすることにより、径の異なるロッド基
材を処理する際にも、ロッド基材の凸面11aの曲率半
径が略同一であれば、同一の治具を利用可能である。
面12を球面状にすることにより、径の異なるロッド基
材を処理する際にも、ロッド基材の凸面11aの曲率半
径が略同一であれば、同一の治具を利用可能である。
【0020】なお、上記治具10の凹面12の形状は球
面状に限るものではなく、凹面に油液が残留し、かつ、
その後の処理中に残留油液が蒸発しにくいような狭い隙
間、すなわち、凹面とロッド先端との間に形成される隙
間の開口部(図1中のδの矢視部)が0.5mm以下で
油液が侵入できる程度の隙間が形成されるような形状で
あればよい。
面状に限るものではなく、凹面に油液が残留し、かつ、
その後の処理中に残留油液が蒸発しにくいような狭い隙
間、すなわち、凹面とロッド先端との間に形成される隙
間の開口部(図1中のδの矢視部)が0.5mm以下で
油液が侵入できる程度の隙間が形成されるような形状で
あればよい。
【0021】また、上記治具10の全体的な構造は任意
であり、上記支持板15に代えて、例えばロッド基材1
1を挿通可能な目を有する金網を支柱14を用いて張設
して、この金網の目を通してロッド基材11を立てるよ
うにすることができる。この場合は、ロッド基材11の
セットが容易となり、例えば、数百本単位でロッド基材
11を大量処理することが可能になる。また、本発明
は、ピストンロッド20の先端面に抵抗溶接する取付用
部材の種類を限定するものではなく、上記ブラケット2
3に代えて、例えばボルトを選択することができる。
であり、上記支持板15に代えて、例えばロッド基材1
1を挿通可能な目を有する金網を支柱14を用いて張設
して、この金網の目を通してロッド基材11を立てるよ
うにすることができる。この場合は、ロッド基材11の
セットが容易となり、例えば、数百本単位でロッド基材
11を大量処理することが可能になる。また、本発明
は、ピストンロッド20の先端面に抵抗溶接する取付用
部材の種類を限定するものではなく、上記ブラケット2
3に代えて、例えばボルトを選択することができる。
【0022】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係るシリンダ装置用ピストンロッドによれば、取付用部
材の抵抗溶接面となるロッド先端面における酸化層の厚
さを薄くして溶接性を改善しているので、取付用部材を
抵抗溶接しても摺動面にスパーク痕が発生することはな
くなり、形状変更を行うなどの面倒な対策が不要になっ
て、製造コストが低減する。また、本発明に係るピスト
ンロッドの製造方法によれば、治具の凹面にロッド先端
を当接させるという簡単な方法で、ロッド先端面の酸化
層の厚さを薄くすることができ、効率良くかつ低コスト
でピストンロッドを製造できる。
係るシリンダ装置用ピストンロッドによれば、取付用部
材の抵抗溶接面となるロッド先端面における酸化層の厚
さを薄くして溶接性を改善しているので、取付用部材を
抵抗溶接しても摺動面にスパーク痕が発生することはな
くなり、形状変更を行うなどの面倒な対策が不要になっ
て、製造コストが低減する。また、本発明に係るピスト
ンロッドの製造方法によれば、治具の凹面にロッド先端
を当接させるという簡単な方法で、ロッド先端面の酸化
層の厚さを薄くすることができ、効率良くかつ低コスト
でピストンロッドを製造できる。
【図1】本発明に係るピストンロッドの製造方法で用い
る治具とロッド基材との合せ部分を拡大して示す断面図
である。
る治具とロッド基材との合せ部分を拡大して示す断面図
である。
【図2】本発明に係るピストンロッドの製造方法で用い
る治具の全体的構造と、この治具に対するロッド基材の
セット状態を示す断面図である。
る治具の全体的構造と、この治具に対するロッド基材の
セット状態を示す断面図である。
【図3】本方法により得たピストンロッドの酸化層の状
態と、これに対するブラケットの溶接の実施態様を示す
断面図である。
態と、これに対するブラケットの溶接の実施態様を示す
断面図である。
【図4】ピストンロッドを組込んだシリンダ装置の外観
を示す正面図である。
を示す正面図である。
【図5】ピストンロッドに対するブラケットの溶接の、
従来の実施態様を示す正面図である。
従来の実施態様を示す正面図である。
【図6】従来の異形ピストンロッドと、これに対するブ
ラケットの溶接の実施態様を示す正面図である。
ラケットの溶接の実施態様を示す正面図である。
10 治具 11 ロッド基材 11a ロッド基材の先端の凸面 12 治具の凹面 13 治具本体 14 支柱 15 支持板 20 ピストンロッド 21a,21b 酸化層 23 ブラケット
Claims (2)
- 【請求項1】 表面に窒化層と酸化層とを積層形成した
シリンダ装置用ピストンロッドであって、最表面の酸化
層が、摺動面となる周面で1.0μmを超える厚さとな
っているのに対し、取付用部材の抵抗溶接面となる先端
面では0.2〜1.0μm厚さとなっていることを特徴
とするシリンダ装置用ピストンロッド。 - 【請求項2】 複数のロッド基材を立てた治具をガス軟
窒化炉、油槽、洗浄機および酸化炉に順に送って、ガス
軟窒化、油冷、洗浄および酸化の各処理を順に行うピス
トンロッドの製造方法において、前記治具に凹面を形成
し、該凹面にロッド先端を当接させた状態で該ロッド基
材を治具上に立てるようにすることを特徴とするピスト
ンロッドの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24773297A JPH1163223A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | シリンダ装置用ピストンロッドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24773297A JPH1163223A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | シリンダ装置用ピストンロッドおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1163223A true JPH1163223A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=17167855
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24773297A Pending JPH1163223A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | シリンダ装置用ピストンロッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1163223A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102004025865A1 (de) * | 2004-05-27 | 2005-12-22 | Volkswagen Ag | Verfahren zur Herstellung einer Kolbenstange für einen Schwingungsdämpfer |
| JP2018013225A (ja) * | 2016-07-22 | 2018-01-25 | 株式会社日立産機システム | 配管、及びそれを備えた圧縮機 |
| WO2023189536A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | Kyb株式会社 | 摺動部材の製造方法 |
-
1997
- 1997-08-28 JP JP24773297A patent/JPH1163223A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102004025865A1 (de) * | 2004-05-27 | 2005-12-22 | Volkswagen Ag | Verfahren zur Herstellung einer Kolbenstange für einen Schwingungsdämpfer |
| JP2018013225A (ja) * | 2016-07-22 | 2018-01-25 | 株式会社日立産機システム | 配管、及びそれを備えた圧縮機 |
| WO2023189536A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | Kyb株式会社 | 摺動部材の製造方法 |
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