JPH1167224A - 固体高分子燃料電池用膜−電極接合体 - Google Patents

固体高分子燃料電池用膜−電極接合体

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JPH1167224A
JPH1167224A JP9226172A JP22617297A JPH1167224A JP H1167224 A JPH1167224 A JP H1167224A JP 9226172 A JP9226172 A JP 9226172A JP 22617297 A JP22617297 A JP 22617297A JP H1167224 A JPH1167224 A JP H1167224A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造に多大のエネルギーを要し、また廃棄問
題もあるフッ素系の材料の使用量を低減し、かつ高いプ
ロトン伝導度と高温での長時間の耐久性を同時に満足す
る固体高分子燃料電池用の膜−電極接合体を得ることで
ある。 【解決手段】 イオン交換膜及び又は触媒層が下記化1
に示すスルホン化ポリアリールエーテルスルホンを有す
る膜−電極接合体。(式中、aは1〜4の整数である。
pは1〜5の整数である。nは2〜1000の整数であ
る。XはHまたは1価から4価の金属を表す。Arは芳
香族残基を表す。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電効率が高く、
低公害・低騒音等の特長を有する固体高分子型燃料電池
に用いる膜−電極接合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は、電解質が固体
であり、かつ高分子のイオン交換膜であることを特徴と
する燃料電池である。このような固体高分子型燃料電池
の基本構造は、図1に示されるように、上記イオン交換
膜1と、その両面に接合された一対のガス拡散電極2,
3とで構成され、各ガス拡散電極2,3の少なくともイ
オン交換膜1側には触媒層が担持されている。該触媒層
は、図1のA部分の拡大様式図に相当する図2に示され
るように、白金担持カーボンからなる触媒と該触媒を被
覆するバインダーポリマーなどからなり、多孔質の構造
を有するものである。このイオン交換膜とガス拡散電
極、触媒層を一体化したものを膜−電極接合体と呼ぶ。
【0003】そして、ガス拡散電極2に燃料(例えば水
素)を、ガス拡散電極3に酸化剤(例えば酸素や空気
等)をそれぞれ供給し、ガス拡散電極2,3間に外部負
荷回路を接続することにより、燃料電池として作動す
る。該固体高分子型燃料電池の膜−電極接合体において
高分子電解質材料が用いられる部位は、イオン交換膜と
触媒層のバインダーポリマーである。ここでバインダー
ポリマーは、白金触媒表面を被覆することにより触媒層
の電解質/触媒/反応ガスの三相界面を増大させ、同時
にプロトン伝導性を上げるために用いられるものであ
る。なお、このバインダーポリマーは、その機能の点か
ら「接合材」とも言われるものである。この触媒層のバ
インダーポリマーが燃料電池の性能に大きく影響するこ
とが知られている(特開平6−333574号公報)。
【0004】従来、かかる固体高分子電解質材料として
は、下記化学式(3)で示されるパーフルオロカーボン
スルホン酸が使用されている。化学式(3)の構造を持
つ市販されているイオン交換膜としては、米国デュポン
社製の「ナフィオン(登録商標)」が知られている。ま
た触媒層の接合材としては、主に前記「ナフィオン」を
構成するイオン交換樹脂を含むポリマー溶液である米国
アルドリッチ社製の「ナフィオン溶液」(例えば5重量
%溶液)が用いられている。
【0005】
【化3】
【0006】(但し、mは0〜3の整数、yは1〜5の
整数、x/yは1〜15である。)フルオロカーボンス
ルホン酸膜のイオン導電率は25℃で5×10-2〜1×
10-1S・cm-1ほどで、一般に厚さ10〜200μm
の膜として用いるので単位面積あたりの抵抗は0.05
〜0.4Ω程度である。燃料電池に使われる高分子電解
質材料に要求される性能としては下記の項目がある。 室温におけるプロトン伝導度が10-2S・cm-1以上
であること。 室温から100℃付近までのプロトン伝導度の温度変
化が小さいこと。 長期にわたる安定性があること。
【0007】これらの要求性能をある程度満たす高分子
電解質として現在、上記のフルオロカーボンスルホン酸
系イオン交換膜が用いられている。しかしながらフルオ
ロカーボンスルホン酸系イオン交換膜は特殊なフッ素系
ビニルエーテルモノマーから多段階を経て製造され、そ
の製造において大量のエネルギーを消費し、特に自動車
用途において指向されている環境負荷の低減という燃料
電池の大きな目的からすれば、必ずしも適当な材料とは
言えず、その製造においてトータルエネルギー消費のよ
り少ない高分子電解質が求められている。またフッ素を
含む材料は、埋め立て、焼却などその廃棄を考えた場合
環境や焼却器への悪影響が予想されるものであり、この
点からもフッ素を含む材料の使用量の低減が望まれてい
る。
【0008】フルオロカーボンスルホン酸系に代わる材
料としてエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フ
ィルムにα、β、β−トリフルオロスチレンを反応させ
た後、スルホン化処理した膜(Proc.Intern
ational FuelCell Conferen
ce.,417,1992)やポリテトラフルオロエチ
レンにスチレンをグラフトしスルホン化処理した膜
(J.Appl.Polym.Sci.,37,281
7,1989)などが検討されている。
【0009】しかしながら後者の例は耐久性が不十分で
あり、また前者の例は耐久性はフルオロカーボンスルホ
ン酸系と同等であるが、モノマーの入手が容易ではな
い。また、α、β、β−トリフルオロスチレンとm−ト
リフルオロメチル−α、β、β−トリフルオロスチレン
の共重合体にスルホン酸基を導入したイオン交換膜(特
表平8−512358号公報)が発表されている。この
イオン交換膜はバラード膜と言われるものであり、性能
はフルオロカーボンスルホン酸系に近いが、モノマーの
合成に多段階を要し、工業的な入手が容易ではない。
【0010】また、耐熱性全芳香族ポリマーであるPE
EK(ポリエーテルエーテルケトンの略)(特開平6−
93114号公報)やPPBP(ポリフェノキシベンゾ
フェノンの略)をスルホン化した材料(燃料及び燃焼,
63(10) P.14(1996))が開発されてい
る。しかしながら特許に示されているスルホン化PEE
Kの燃料電池としての性能は極めて低い。これはスルホ
ン化PEEKのプロトン伝導性が低いためと考えられ
る。またスルホン化PPBPについては、燃料電池のイ
オン交換膜として適用された実例は未だ発表されていな
いが、高い耐久性を期待させるものの、発表されている
プロトン伝導度は、10-3〜10-2のレベルであり、フ
ルオロカーボンスルホン酸系に比較すると1桁以上導電
性が低く満足できるものではない。またPPBPは工業
的に生産されておらず、自動車用燃料電池材料として大
量に使用することができない。
【0011】ドイツ特許DE4437492にはその表
面上に微分散された触媒活性金属が塗布されたスルホン
化ポリエーテルケトン系イオン交換膜が示されている。
燃料電池としての性能は明らかではないが、スルホン化
PEEKのプロトン伝導度が低いことから実用的な性能
は期待できない。さらに、部分的にスルホン化されたポ
リアリールエーテルスルホンをイオン交換膜とする水電
解の例が報告されている。(Journal of M
embrane Science,83 P.211
(1993))(Group Conf. Ser.
Publ.,3 (1993))しかし芳香環のスルホ
ニル化が平衡反応であるために100℃近い高温ではス
ルホン酸基が不安定で脱離が生じることが示されてお
り、耐久性が不十分である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造に多大
のエネルギーを要し、コストが高く、また廃棄問題もあ
るフッ素系の材料の使用量を低減し、かつ高いプロトン
伝導度と高温での長時間の耐久性を同時に満足する高分
子電解質材料を有する固体高分子燃料電池用の膜−電極
接合体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意研究した結果、驚くべき事に特定の
構造を有するスルホン化ポリアリールエーテルスルホン
が、フルオロカーボンスルホン酸系と同等の高いプロト
ン伝導性と温度変化に対する安定したプロトン伝導性を
持つと同時に、高温、長時間においても上記のスルホン
酸基の脱離がほとんど生じず、耐久性に優れることを見
出し、さらに、金属イオンを添加することにより耐水
性、耐久性が向上することを見出し、本発明の膜−電極
接合体を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明は、〔1〕 イオン交換膜
と該イオン交換膜に接合された触媒層及びガス拡散電極
とで構成される固体高分子燃料電池用膜−電極接合体に
おいて、上記イオン交換膜及び/又は上記触媒層が化学
式(1)で表されるスルホン化ポリアリールエーテルス
ルホンを有することを特徴とする固体高分子燃料電池用
膜−電極接合体、
【0015】
【化4】
【0016】(aは1〜4の整数である。pは1〜5の
整数である。nは2〜1000の整数である。XはHま
たは1価から4価の金属を表す。Arは芳香族残基を表
す。)〔2〕 触媒層が、スルホン化ポリアリールエー
テルスルホンで被覆された触媒により構成されることを
特徴とする上記〔1〕の固体高分子燃料電池用膜−電極
接合体、〔3〕 イオン交換膜が、スルホン酸基を有す
る含フッ素ポリマーである上記〔1〕又は〔2〕の固体
高分子燃料電池用膜−電極接合体、〔4〕 スルホン化
ポリアリールエーテルスルホンが当量重量150〜20
00g/eqのスルホン化ポリアリールエーテルスルホ
ンである上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕の固体高分子燃
料電池用膜−電極接合体、〔5〕 化学式(1)で表さ
れるスルホン化ポリアリールエーテルスルホンのXの1
%〜95%が1価から4価の金属である上記〔1〕、
〔2〕、〔3〕又は〔4〕の固体高分子燃料電池用膜−
電極接合体、〔6〕 スルホン化ポリアリールエーテル
スルホンが化学式(2)で表される構造である上記
〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕又は〔5〕の固体高分
子燃料電池用膜−電極接合体、
【0017】
【化5】
【0018】(c、dは各々0〜4の整数であり、かつ
c,dともに0になることはない。nは2〜1000の
整数である。XはHまたは1価から4価の金属を表
す。)に関する。以下、本発明を詳細に説明する。本発
明における上記化学式(1)に示したスルホン化ポリア
リールエーテルスルホンにおいてArは全芳香族の残基
である。好ましくは炭素数6〜30の全芳香族残基が、
より好ましくは炭素数6〜18の全芳香族残基である。
例えばp−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェ
ニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、2−フェニ
ル−1,4−フェニレン基、2,6−ジフェニル−1,
4−フェニレン基などが挙げられる。
【0019】上記化学式(1)の具体例として下記に示
す構造を繰り返し単位に持つポリマーを好ましく用いる
ことができ、中でも、化学式(2)で示される構造を繰
り返し単位に持つポリマーが好ましい。
【0020】
【化6】
【0021】(aは1〜4の整数であり、好ましくは1
〜2の整数であり、特に好ましくは1である。c、dは
各々0〜4の整数であり、かつc、dともに0になるこ
とはない。好ましくはc=d=1およびc=0,d=1
である。XはH又は1価から4価の金属である。) 従来の技術に示した文献(Journal of Me
mbrane Science、83巻、211ペー
ジ、1993年 及びGroup Conf.Ser.
Publ.,3,1993)のスルホン化ポリアリー
ルエーテルスルホンは、スルホン化する前のポリアリー
ルエーテルスルホンが、−Ph−SO2−Ph−O−
の構造であり、これをスルホン化したものは、必然的に
SO2 基とエーテル基に挟まれたフェニレン基にSO3
Hを持つことになる。これに対して本発明の膜−電極接
合体が有するスルホン化ポリアリールエーテルスルホン
は、スルホン化する前の構造が −Ph−SO2 −Ph
−O−Ar−O− であり、これをスルホン化するとそ
の電子供与性によりエーテル基に挟まれた芳香族残基に
SO3 H基が結合する。これにより、2個のエーテル基
に挟まれた芳香族残基にSO3 H基を持つことになり、
エーテル基の電子供与性により、SO3 H基の脱スルホ
ン化反応に対する化学的安定性が高く、耐久性が高くな
ったものと推定している。
【0022】本発明で用いるスルホン化ポリアリールエ
ーテルスルホンの製造法としては、上記構造のポリアリ
ールエーテルスルホンを公知のスルホン化剤と反応させ
ることにより得ることができる。より具体的にはスルホ
ン化剤として例えば硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン
酸、SO3とトリエチルホスフェートなどを用いて塩化
メチレン、クロロホルム等の溶媒中でスルホン化するこ
とができる。スルホン化していない上記構造式のポリア
リールエーテルスルホンは市販されているものもあり、
これら市販ポリマーを原料に用いても特に問題はない。
【0023】またスルホン化したモノマー、例えば4,
4′−ビフェノールのスルホン化物とジクロロジフェニ
ルスルホンの重縮合によっても上記スルホン化ポリマー
を得ることができる。上記スルホン化された繰り返し単
位は、分子鎖の一部に存在すればよく、そのようなポリ
マーは、スルホン化していないモノマーとスルホン化し
たモノマーを用いることによりブロックコポリマー、ラ
ンダムコポリマーの形で得ることもできる。
【0024】またスルホン化に際してあらかじめ溶媒結
晶化したポリアリールエーテルスルホンを用いることに
よりブロックコポリマーを得ることもできる。上記方法
により得られたスルホン化ポリアリールエーテルスルホ
ンは、化学式(1)で示す構造においてXがHのもので
ある。このポリマーのXを1価から4価の金属に変換す
ることにより、Xの少なくとも一部が金属であるポリマ
ーを得ることができる。Xの全てがHであるポリマーは
水分吸収による膨潤により寸法変化を来たし、この材料
を燃料電池のイオン交換膜として長時間使用した場合、
触媒層との剥離や膜自身のたわみを生じて、ついてには
破断するなどの問題が生じることがある。従ってXの一
部が金属であることが好ましい。金属を導入することに
よりポリマーの耐水性が向上し、要求される耐久性を満
足するポリマーを得ることができるが、この原因として
はポリマーが一部架橋した構造となり、水分吸収が減少
し、膨潤によって引き起こされる寸法変化の問題をかな
りの程度解決することができるものと推定している。
【0025】1価の金属としては、Na,K,Rbなど
のアルカリ金属を用いることができ、2価の金属として
はMg,Ca,Ba等のアルカリ土類金属の他にZn,
Cu等も用いることができる。3価の金属としては、A
l,Ga,In、Y,La、希土類金属などがあり、4
価の金属としては、Ti,Zr,Hf等を用いることが
できる。中でも、2価の金属であるBa、3価の金属で
あるAl,Ga,In,Y,La、希土類金属が好まし
く、より好ましくは、Ba、La、希土類金属である。
【0026】該金属の置換量は、上記化学式(1)の全
Xの1%〜95%が好ましく、さらに好ましくは2%〜
60%である。1%より置換量が少ないとスルホン酸基
の置換量にもよるが、水分吸収による寸法変化が大きい
場合がある。また95%より置換量が多いとプロトン伝
導性が低下し、電池性能が低下する。該金属の導入方法
は、H型のスルホン化ポリアリールエーテルスルホンを
可溶性溶媒に溶解するか、または不溶性の溶媒に懸濁さ
せ、そこに上記金属の塩の溶液を添加し、所定時間攪拌
混合することによる。溶媒としては、水、メタノール、
エタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどを好適に用いる
ことができる。金属の塩としては、特に限定はないが例
えば水酸化物、酢酸塩、アセチルアセトナート塩、イソ
プロポキシ塩などのアルコキシ塩等を用いることができ
る。添加に際しては溶媒に溶解することが好ましい。金
属置換ポリマーは、金属塩を添加後、不溶性になる場合
にはポリマーを濾過、洗浄してもよいし、溶解している
場合には溶媒を溜去後、不溶性の溶媒で洗浄することに
より単離、精製することができる。さらに金属との結合
をさらに強固なものとするために、得られた金属添加ポ
リマーを60℃〜200℃の温度で数時間加熱処理して
もよい。
【0027】本発明の膜−電極接合体は、イオン交換膜
及び/又は触媒層に化学式(1)に示すスルホン化ポリ
アリールエーテルスルホンを有することを特徴とする
が、イオン交換膜のプロトン伝導度が概ね10-2を下回
らない範囲において他のスルホン酸基を有するポリマー
あるいはスルホン酸基を有していないポリマーをイオン
交換膜に含んでいても良い。他のポリマーとしては、例
えば、化学式(3)のフルオロカーボンスルホン酸系ポ
リマーやスルホン化PEEKであり、スルホン化してい
ないポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、
全芳香族ポリマー、例えばポリエーテルスルホン、PE
EK等を用いることができる。
【0028】さらに具体的には、イオン交換膜として化
学式(3)のフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーを
用い、触媒層のバインダーポリマーが本発明に示すスル
ホン化ポリアリールエーテルスルホンである膜−電極接
合体が好ましい。本発明のスルホン化ポリアリールエー
テルスルホンのスルホン酸基の量は、当量重量すなわち
イオン交換基1当量当たりのスルホン化ポリマーの乾燥
重量により規定される。この当量重量は、実験的には乾
燥したスルホン化ポリマーをアルコールなどの水と均一
溶解する溶媒に溶解し、アルカリで滴定することにより
求めることができる。本発明のスルホン化ポリマーの当
量重量は、150〜2000g/eqであることが好ま
しく、さらに好ましくは、200〜950g/eqであ
る。150g/eqより低い当量重量では、水膨潤性が
大きく水溶解性となることもあり、燃料電池用の膜−電
極接合体として用いることができない。また2000g
/eqより高い場合には十分なプロトン伝導性が得られ
なくなる。
【0029】上記方法により得られたスルホン化ポリマ
ーから膜−電極接合体に用いるイオン交換膜を得る方法
としては、該ポリマーを溶媒に溶解してキャストする方
法、キャストした状態で貧溶媒に浸せきする方法、熱プ
レス成形、ロール成形、押し出し成形等の公知の成形方
法を用いることができる。膜厚としては10μmから3
00μmの厚さが好ましい。
【0030】また、上記スルホン化ポリマーを、ガス拡
散電極の触媒が担持された導電材(カーボン粒子等)の
表面に付着させ、バインダーポリマーとして用いる方法
としては、上記スルホン化ポリマーを、溶液状態または
粉末状態で触媒層をなす原料粉末(導電材粒子と触媒と
からなる粒子。)および必要に応じて添加される結着剤
等と混合し、これを成形して触媒層を形成してもよい
し、予め形成されたガス拡散電極の触媒層に、上記スル
ホン化ポリマーの溶液を含浸させてもよい。
【0031】スルホン化ポリマーを溶液としてバインダ
ーポリマーに用いる場合には、溶媒として、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、ブタノール等の低級アルコールの単独溶媒またはこ
れらの中から選ばれた二種類以上の混合溶媒を用いるこ
とができる。また水と上記溶媒との混合溶媒も用いるこ
とができる。スルホン化ポリマー溶液の濃度は、触媒層
がスルホン化ポリアリールエーテルスルホンで被覆され
た触媒により構成されることが好ましいことから、ガス
拡散電極の触媒層側に含浸させたときに、触媒表面に適
切な被覆が形成されやすい濃度が好ましく、1重量%〜
20重量%が好ましい。この濃度が高すぎると、触媒表
面に形成される被覆が厚すぎてガスの触媒への拡散が阻
害されたり、スルホン化ポリマーにより触媒表面を均一
に被覆できず触媒の利用率が低下したりして、燃料電池
としての出力が低下する場合がある。
【0032】また、この濃度が低すぎると、スルホン化
ポリマー溶液の粘度が小さすぎてイオン交換膜とガス拡
散電極との接合が不完全になったり、あるいはこの溶液
がガス拡散電極の内部深くまで浸透して、ガス拡散電極
の触媒層より内部の疎水化層にまで達し、当該疎水化層
の適度な疎水性を阻害する場合もある。このようなバイ
ンダーポリマー溶液をガス拡散電極の触媒層に含浸させ
る方法として、最も簡単な方法としては、例えば、当該
溶液を、筆を用いてガス拡散電極の触媒層側の面に塗布
したり、当該溶液の必要量をガス拡散電極の触媒層側の
面に滴下し、これをヘラ等で延ばす方法を用いることが
できる。
【0033】バインダーポリマーによる被覆量は、燃料
電池の性能に大きな影響を与える重要な要素であり、そ
の被覆量は、使用する触媒中の触媒金属(白金等)担持
量によって最適なる量を選択することができる。触媒金
属担持量によっても異なるが、触媒担持面に存在するイ
オン交換樹脂の重量は乾燥後0.1〜10mg/cm 2
になるように塗布するのが好ましい。
【0034】ガス拡散電極の触媒側の面に塗布されたバ
インダーポリマー溶液は、ガス拡散電極の触媒層の内部
に浸透して、触媒(白金等)を担持している導電材粒子
(カーボン粒子等)の表面を覆い、溶媒の乾燥後に、バ
インダーポリマー成分が導電材粒子の表面に薄い被膜と
なって残る。なお、バインダーポリマーは、触媒層の一
部にのみ存在していてもよいが、触媒層の全部に存在し
ていることが好ましい。また、このバインダーポリマー
は、膜−電極接合体を構成するイオン交換膜とガス拡散
電極とを接合した時にイオン交換膜に接した状態で設け
られていると、接合材として作用して、イオン交換膜と
ガス拡散電極との接合力を高めることができる。
【0035】燃料電池に使用されるイオン交換膜の厚さ
としては、例えば10〜300μmのものが用いられ
る。イオン交換膜が、10μmより薄いと成膜時の強度
が保てず、300μmより厚いとイオン交換膜の抵抗が
増大し燃料電池作動時の出力特性が低下する。好ましい
イオン交換膜の厚さは50〜100μm程度である。現
在のプロトン交換膜型燃料電池に使用されているイオン
交換膜は、主にパーフルオロスルホン酸の均一膜であ
る、米国デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」、
旭化成工業(株)製の「アシプレックス−S(登録商
標)」及び、旭硝子(株)製の「フレミオン(登録商
標)」である。
【0036】触媒層は、触媒金属の微粒子を担持した導
電材により構成されるものであり、必要に応じて撥水剤
や結着剤が含まれていてもよい。また、触媒を担持して
いない導電材と必要に応じて含まれる撥水剤や結着剤と
からなる層が、触媒層の外側に形成してあってもよい。
この触媒層に使用される触媒金属としては、水素の酸化
反応および酸素の還元反応を促進する金属であればいず
れのものでもよく、例えば、白金、金、銀、パラジウ
ム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバル
ト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナ
ジウム、あるいはそれらの合金が挙げられる。さらに
は、窒素含有クロム、窒素含有鉄、窒素含有コバルトな
ども用いることができる。このような触媒の中で、特に
白金が多くの場合用いられる。
【0037】触媒となる金属の粒径は、通常は10〜3
00Åである。粒径が小さいほど触媒性能は高くなる
が、10Å未満のものは作製が困難であり、300Åよ
り大きいと充分な触媒性能が得られない。好ましい触媒
金属の粒径は、15〜100Åである。触媒の担持量
は、電極が成形された状態で例えば0.01〜10mg
/cm2とする。触媒の担持量が0.01mg/cm2
未満では触媒の性能が発揮されず、10mg/cm2
超えて担持しても性能は飽和する。触媒の担持量のより
好ましい値は0.1〜5.0mg/cm2 である。
【0038】導電材としては、電子導電性物質であれば
いずれのものでも良く、例えば各種金属や炭素材料など
が挙げられる。炭素材料としては、例えば、ファーネス
ブラック、チャンネルブラック、およびアセチレンブラ
ック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等が挙げら
れ、これらが単独あるいは混合して使用される。撥水剤
としては、例えばフッ素化カーボン等が使用される。
【0039】結着剤としては、各種樹脂が用いられる
が、撥水性を有する含フッ素樹脂が好ましい。そして、
含フッ素樹脂の中でも耐熱性、耐酸化性の優れたものが
より好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、およびテトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体が挙げられる。
【0040】上記のような素材を用いて触媒層が接合し
たガス拡散電極を作製する方法としては、粉末状の導電
材に触媒となる金属粒子を担持させてから、バインダー
ポリマー、結着剤(必要に応じて別個に撥水剤も加え
る。)により所定の形状に固めても良いし、導電材と結
着剤と(必要に応じて別個の撥水剤と)により多孔質体
を形成してから、これに触媒となる金属粒子を担持させ
その後にバインダーポリマーを含浸しても良い。
【0041】市販のガス拡散電極としては、米国E−T
EK社ガス拡散電極があり、よく用いられている。これ
は、電極触媒として白金の微粒子をカーボン上に均一に
担持したものを、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(結
着剤)とともに混合した、ガス透過性と疎水性をあわせ
持つ電極である。イオン交換膜とガス拡散電極との接合
は、加圧、加温できる装置を用いて実施される。一般的
には、例えばホットプレス機、ロールプレス機等により
行われる。その際のプレス温度は、電解質として用いる
イオン交換膜のガラス転移温度以上であれば良く、一般
的には120℃〜250℃である。プレス圧力は、使用
するガス拡散電極の固さに依存するが、通常、5〜20
0kg/cm2 である。
【0042】なお、ホットプレス時に電極の厚さより薄
いスペーサーを入れると、ガス拡散電極の空孔が少なく
なることを防止できることからよく行われている。ま
た、水や溶媒等の共存下でイオン交換膜を湿潤させた状
態でホットプレスすると、イオン交換膜内の含水率が増
加するため、出力性能が向上し、好ましい。イオン交換
膜とガス拡散電極との接合方法としては、上記のよう
に、ガス拡散電極の触媒層側の面にバインダーポリマー
の溶液を塗布してから、その面においてイオン交換膜と
接合する方法が好ましい。
【0043】燃料電池は、このようなイオン交換膜とガ
ス拡散電極からなる接合体を、一対の集電体と、ガス流
通溝を形成させた一対のグラファイト製ガスセパレータ
ーの間に挿入することにより組み立てられ、一方のガス
拡散電極に燃料である水素ガスを、他方のガス拡散電極
に酸素を含むガス(酸素あるいは空気)を供給すること
により作動する。
【0044】燃料電池は、高い温度で作動させる方が、
電極の触媒活性が上がり電極過電圧が減少するため望ま
しいが、電解質となるイオン交換膜は水分がないと機能
しないため、水分管理が可能な温度で作動させる必要が
ある。燃料電池の作動温度の好ましい範囲は30〜15
0℃である。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。 ・当量重量の測定法:100mgのスルホン化ポリマー
をメタノール20mlに入れ、室温で攪拌した。この液
に60mlの1/100N NaOH水溶液を入れ室温
で1晩攪拌した。1/100N HCl水溶液を用いて
逆滴定を行い、スルホン化ポリマーの当量重量を求め
た。 ・耐水性の測定法:金属含有スルホン化ポリ(1,4−
ビフェニレンエーテルエーテルスルホン)100mgを
水4mlに入れ80℃で96時間保った後の不溶ポリマ
ーの重量を測定した。 ・プロトン伝導度:金属含有スルホン化ポリ(1,4−
ビフェニレンエーテルエーテルスルホン)5wt%DM
F溶液とし、30μmのキャストフィルムを作製した。
プロトン伝導度を30℃〜80℃の温度範囲で測定し
た。
【0046】
【実施例1】1,4−ビフェニレンエーテルエーテルス
ルホン[(-C6H4-4-SO2C6H4-4-OC6H4-4-C6H4-4-O-) n ]
(d1.29、Tg208℃)4.0g(アルドリッチ
社製)をクロロホルム100ml中60℃で溶解した。
この溶液にクロロスルホン酸1.165gを1,1,
2,2−テトラクロロエタン50mlに溶かした溶液を
10分間かけて加えた。反応液を60℃で4時間攪拌し
た。析出したポリマーを濾過し、クロロホルム150m
lで洗浄した。得られたポリマーにメタノール250m
lを加え60℃で溶解した。溶液を60℃で減圧にし乾
燥した。得られたポリマーを水250mlに懸濁させ、
不溶のポリマーを濾過した。水不溶性のポリマーを五酸
化燐上で減圧下、100℃で乾燥した。3.60gのポ
リマーが得られた。このポリマーは、水に不溶、メタノ
ールに可溶であった。1 HNMR及び 13CNMRの解析
からSO3 H基がエーテル基に挟まれたビフェニレン基
のフェニレン環に置換している構造であることを確認し
た。当量重量は、512g/eqであった。
【0047】電極としてE−TEK社製のガス拡散電極
(触媒担持量0.38mg/cm2、大きさ;2cm×
2cm)を2枚1組にして上記スルホン化ポリ(1,4
−ビフェニレンエーテルエーテルスルホン)をメタノー
ルに溶解し、5wt%溶液としたものを筆で塗布して、
80℃で1時間乾燥させた。このとき、乾燥後において
触媒担持面に存在するスルフォン化ポリマーの重量が
0.6mg/cm2 の割合となるように、塗布した。こ
のガス拡散電極を旭化成工業(株)製のアシプレックス
−S(当量重量1000g/eq)のイオン交換膜の両
面に配し、その外側から、2cm×2cmの大きさの開
口を有し、厚さが0.2mmのポリテロラフルオロエチ
レン樹脂製ガスケット2枚で、それぞれのガス拡散電極
が各ガスケットの開口に収まるように両側から挟んだ。
また、ガス拡散電極のイオン交換膜とは反対側の面を東
レ・デュポン社製の厚さ0.05mmの「カプトン(登
録商標)」フィルムで覆い、プレスの際に膜中に含まれ
る水分が蒸発しないようにした。このような組み合せ体
をプレス装置に入れて、145℃、60kg/cm2
条件で90秒間プレスした後、プレス装置より取り出し
た。このようにして形成された膜−電極接合体を、一対
の集電体と、ガス流通溝を形成させた一対のグラファイ
ト製ガスセパレーターの間に挿入することにより、燃料
電池セルを組み立てた。
【0048】この燃料電池を外部負荷に接続し、一方に
70℃の水蒸気に飽和された1atmの水素ガス、他方
に70℃の水蒸気で飽和された1atmの酸素ガスを、
それぞれガス取り入れ口から供給しながら、燃料電池本
体を70℃に保持し、外部の負荷を変えて電流密度の変
化により出力電圧の変化を測定した。その結果700m
A/cm2の電流密度での電池電圧は550mVであっ
た。本条件で500時間運転した後の電流密度700m
A/cm2での電池電圧は538mVであり電圧低下
は、2.2%であった。この燃料電池セルは1000時
間連続運転後も安定して運転することができた。
【0049】
【実施例2】1,4−フェニレンエーテルエーテルスル
ホン[(-C6H4-4-SO2-C6H4-4-OC6H4-4-O-)n ](Tg19
2℃)4.0g(アルドリッチ社製)とクロロスルホン
酸1.44gを用いて実施例1と同様の反応と後処理を
行った。4.08gの淡茶色のポリマーが得られた。こ
のポリマーは水に不溶でメタノールに可溶であった。
【0050】1HNMR及び13CNMRの解析からSO
3 H基がエーテル基に挟まれたフェニレン環上に置換し
ている構造であることを確認した。当量重量は458g
/eqであった。この得られたスルホン化1,4−フェ
ニレンエーテルエーテルスルホンを用いた他は実施例1
と同様に行い、燃料電池セルを組み立てた。実施例1と
同様の条件で作動させた。その結果700mA/cm2
の電流密度での電池電圧は535mVであった。本条件
で500時間運転した後の電流密度700mA/cm2
での電池電圧は524mVであり電圧低下は、2.1%
であった。この燃料電池セルは1000時間連続運転後
も安定して運転することができた。
【0051】
【実施例3】実施例1においてクロロスルホン酸2.3
3gを用いた以外は同様に反応させた。析出したポリマ
ーを濾過し、クロロホルム150mlで洗浄した。得ら
れたポリマーにメタノール250mlを加え60℃で溶
解した。溶液を60℃で減圧にし乾燥した。このポリマ
ーをさらに五酸化燐上で減圧下、100℃で乾燥した。
5.57gのポリマーが得られた。このポリマーは、
水、メタノールに可溶であった。1 HNMR及び13CN
MRの解析からSO3 H基がエーテル基に挟まれたビフ
ェニレン基の各フェニレン環に1個置換している構造で
あることを確認した。当量重量は、273g/eqであ
った。
【0052】得られたスルホン化ポリ(1,4−ビフェ
ニレンエーテルエーテルスルホン)1.0gをメタノー
ル20mlに溶解し、その溶液に酢酸マグネシウム4水
和物20mgを4mlのメタノールに溶解した溶液を添
加し、室温で一晩攪拌した。溶液からメタノールを減圧
溜去し、クロロホルム5mlで洗浄後乾燥して0.97
gのMg含有ポリマーを得た。このポリマーを減圧下1
00℃で4時間加熱処理した。耐水性試験の結果、不溶
ポリマー重量は78mg、プロトン伝導度は0.5×1
-1Scm-1〜1×10-1Scm-1であった。
【0053】上記で得たMg含有スルホン化ポリ(1,
4−ビフェニレンエーテルエーテルスルホン)をDMF
溶液とし、50μmのキャストフィルムを得た。これを
イオン交換膜として用いた以外は、実施例1と同様にし
て膜−電極接合体を作製し、燃料電池セルを組み立て
た。実施例1と同様の条件で作動させた。その結果70
0mA/cm2の電流密度での電池電圧は540mVで
あった。本条件で500時間運転した後の電流密度70
0mA/cm2での電池電圧は527mVであり電圧低
下は、2.4%であった。この燃料電池セルは1000
時間連続運転後も安定して運転することができた。
【0054】
【実施例4】実施例3の酢酸マグネシウム4水和物の量
を79mgとした以外は同じ操作を行った。耐水性試験
の結果、不溶ポリマー重量は96mg、プロトン伝導度
は0.3×10-1Scm-1〜0.9×10-1Scm-1
あった。該金属含有スルホン化ポリ(1,4−ビフェニ
レンエーテルエーテルスルホン)を用いた以外は、実施
例3と同様にして膜−電極接合体を作製し、燃料電池セ
ルを組み立てた。測定結果は、700mA/cm2の電
流密度での電池電圧は530mVであった。本条件で5
00時間運転した後の電流密度700mA/cm2での
電池電圧は522mVであり電圧低下は、1.6%であ
った。この燃料電池セルは1000時間連続運転後も安
定して運転することができた。
【0055】
【実施例5】実施例3の酢酸マグネシウム4水和物の量
を196mgとした以外は同じ操作を行った。耐水性試
験の結果、不溶ポリマー重量は98mg、プロトン伝導
度は0.1×10-1Scm-1〜0.5×10-1Scm-1
であった。該金属含有スルホン化ポリ(1,4−ビフェ
ニレンエーテルエーテルスルホン)を用いた以外は、実
施例3と同様にして膜−電極接合体を作製し、燃料電池
セルを組み立てた。測定結果は、700mA/cm2
電流密度での電池電圧は524mVであった。本条件で
500時間運転した後の電流密度700mA/cm2
の電池電圧は518mVであり電圧低下は、1.1%で
あった。この燃料電池セルは1000時間連続運転後も
安定して運転することができた。
【0056】
【実施例6】実施例3の酢酸マグネシウム4水和物にか
えてアルミニウムトリイソプロポキシド50mgを用い
た以外は同じ操作を行った。耐水性試験の結果、不溶ポ
リマー重量は98mg、プロトン伝導度は0.3×10
-1Scm-1〜0.9×10-1Scm-1であった。該金属
含有スルホン化ポリ(1,4−ビフェニレンエーテルエ
ーテルスルホン)を用いた以外は、実施例3と同様にし
て膜−電極接合体を作製し、燃料電池セルを組み立て
た。測定結果は、700mA/cm2の電流密度での電
池電圧は532mVであった。本条件で500時間運転
した後の電流密度700mA/cm2での電池電圧は5
24mVであり電圧低下は、1.5%であった。この燃
料電池セルは1000時間連続運転後も安定して運転す
ることができた。
【0057】
【実施例7】実施例3の酢酸マグネシウム4水和物にか
えて酢酸ランタン水和物300mgを用いた以外は同じ
操作を行った。0.98gのLa含有ポリマーを得た。
このポリマーを減圧下150℃で4時間加熱処理した。
不溶ポリマー重量は99mg、プロトン伝導度は0.4
×10-1Scm-1〜1×10-1Scm-1であった。該金
属含有スルホン化ポリ(1,4−ビフェニレンエーテル
エーテルスルホン)を用いた以外は、実施例3と同様に
して膜−電極接合体を作製し、燃料電池セルを組み立て
た。測定結果は、700mA/cm2の電流密度での電
池電圧は540mVであった。本条件で500時間運転
した後の電流密度700mA/cm2での電池電圧は5
35mVであり電圧低下は、0.9%であった。この燃
料電池セルは1000時間連続運転後も安定して運転す
ることができた。
【0058】
【実施例8】実施例3の酢酸マグネシウム4水和物にか
えてチタンイソプロポキシド65mgを用いた以外は同
じ操作を行った。不溶ポリマー重量は99mg、プロト
ン伝導度は0.4×10-1Scm-1〜1×10-1Scm
-1であった。該金属含有スルホン化ポリ(1,4−ビフ
ェニレンエーテルエーテルスルホン)を用いた以外は、
実施例3と同様にして膜−電極接合体を作製し、燃料電
池セルを組み立てた。測定結果は、700mA/cm2
の電流密度での電池電圧は531mVであった。本条件
で500時間運転した後の電流密度700mA/cm2
での電池電圧は520mVであり電圧低下は、2.1%
であった。この燃料電池セルは1000時間連続運転後
も安定して運転することができた。
【0059】
【比較例1】ポリエーテルスルホン[(-C6H4-4-SO2C6H4-
4-O)n ] (d1.37)5.00g(アルドリッチ社
製)を50mlの塩化メチレンに溶解した。この溶液を
1昼夜室温で攪拌した。4時間後にポリマーの結晶化が
始まった。この懸濁液を攪拌しながら0℃〜5℃に冷却
した。この懸濁液を激しく攪拌しながら10wt%SO
3の塩化メチレン溶液1.77gを30分かけて添加し
た。反応液をさらに2時間攪拌した。上層の塩化メチレ
ン層をデカンテーションにより除去した。析出したポリ
マーを濾過し、塩化メチレンで洗浄し、さらに水により
洗浄した。残ったポリマーを五酸化燐上で減圧下100
℃で乾燥した。5.21gのポリマーが得られた。この
ポリマーは水に不溶、メタノールに可溶であった。当量
重量は、354g/eqであった。このスルホン化ポリ
エーテルスルホンを実施例1のスルホン化ポリ(1,4
−ビフェニレンエーテルエーテルスルホン)の代わりに
用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を
作製し、燃料電池セルを組み立てた。
【0060】この燃料電池を外部負荷に接続し、一方に
70℃の水蒸気に飽和された1atmの水素ガス、他方
に70℃の水蒸気で飽和された1atmの酸素ガスを、
それぞれガス取り入れ口から供給しながら、燃料電池本
体を70℃に保持し、外部の負荷を変えて電流密度の変
化により出力電圧の変化を測定した。その結果700m
A/cm2の電流密度での電池電圧は560mVであっ
た。本条件で500時間運転した後の電流密度700m
A/cm2での電池電圧は500mVであり電圧低下
は、11%であった。
【0061】実施例と比較例1から本発明の膜−電極接
合体が長時間安定であることが判る。また、実施例3〜
8により金属を含有させることにより、耐水性が大幅に
向上することが明らかであり、プロトン伝導度の結果か
らも固体高分子燃料電池のイオン交換膜として使用でき
ることは明らかである。
【0062】
【発明の効果】本発明の膜−電極接合体を用いることに
より、長期安定運転で代表される耐久性が良く、プロト
ン伝導度も良く、廃棄フッ素の発生量が少ない燃料電池
セルを組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子燃料電池に用いる膜−電極接合体の
模式図である。
【図2】図1におけるA部分の拡大模式図である。
【符号の説明】
1 イオン交換膜 2 ガス拡散電極(水素極) 3 ガス拡散電極(酸素極) 4 触媒(白金担持カーボン) 5 バインダーポリマー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換膜と該イオン交換膜に接合さ
    れた触媒層及びガス拡散電極とで構成される固体高分子
    燃料電池用膜−電極接合体において、上記イオン交換膜
    及び/又は上記触媒層が化学式(1)で表されるスルホ
    ン化ポリアリールエーテルスルホンを有することを特徴
    とする固体高分子燃料電池用膜−電極接合体。 【化1】 (aは1〜4の整数である。pは1〜5の整数である。
    nは2〜1000の整数である。XはHまたは1価から
    4価の金属を表す。Arは芳香族残基を表す。)
  2. 【請求項2】 触媒層が、スルホン化ポリアリールエー
    テルスルホンで被覆された触媒により構成されることを
    特徴とする請求項1の固体高分子燃料電池用膜−電極接
    合体。
  3. 【請求項3】 イオン交換膜が、スルホン酸基を有する
    含フッ素ポリマーである請求項1又は2の固体高分子燃
    料電池用膜−電極接合体。
  4. 【請求項4】 スルホン化ポリアリールエーテルスルホ
    ンが当量重量150〜2000g/eqのスルホン化ポ
    リアリールエーテルスルホンである請求項1、2又は3
    の固体高分子燃料電池用膜−電極接合体。
  5. 【請求項5】 化学式(1)で表されるスルホン化ポリ
    アリールエーテルスルホンのXのうち1%〜95%が1
    価から4価の金属である請求項1、2、3又は4の固体
    高分子燃料電池用膜−電極接合体。
  6. 【請求項6】 スルホン化ポリアリールエーテルスルホ
    ンが化学式(2)で表される構造である請求項1、2、
    3、4又は5の膜−電極接合体。 【化2】 (c、dは各々0〜4の整数であり、かつc,dともに
    0になることはない。nは2〜1000の整数である。
    XはHまたは1価から4価の金属を表す。)
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