JPH1169913A - カイワレ大根の殺菌方法及び生鮮野菜の栽培方法 - Google Patents

カイワレ大根の殺菌方法及び生鮮野菜の栽培方法

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JPH1169913A
JPH1169913A JP18237198A JP18237198A JPH1169913A JP H1169913 A JPH1169913 A JP H1169913A JP 18237198 A JP18237198 A JP 18237198A JP 18237198 A JP18237198 A JP 18237198A JP H1169913 A JPH1169913 A JP H1169913A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 栽培工程に沿って殺菌工程を行え、且つ、効
果的にカイワレ大根の種子に取り付いたO−157を殺
菌することができ、しかも、安全性が高い実用性,作業
性に秀れたカイワレ大根の殺菌方法及び生鮮野菜の栽培
方法を提供するものである。 【解決手段】 カイワレ大根の殺菌方法であって、カイ
ワレ大根の種子を適宜な殺菌剤で殺菌するもの、及び、
生鮮野菜の栽培方法であって、生鮮野菜をフマル酸溶液
で殺菌するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栽培工程に沿って
殺菌工程を行え、殺菌効果が高く、しかも、安全性が高
い実用性に秀れたカイワレ大根の殺菌方法及び生鮮野菜
の栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】昨今発
生の腸管出血性大腸菌O−157:H7(以下、O−1
57という。)は社会的大問題となっており、その原因
は不明で対策も不十分のまま現在も散発的発生が続いて
おり、国民生活に大きな不安と動揺を与えている。
【0003】また、カイワレ大根からO−157が検出
されてその種子に起因の疑いがある旨が報道されたた
め、カイワレ大根の生産農家は致命的な打撃を受け、早
急なる対策が望まれている。
【0004】また、カイワレ大根の種子に5日間,75
℃の熱処理を施すと、高い発芽率を維持しながらO−1
57を殺菌できる旨が発表されているが、この方法は殺
菌工程に時間がかかり過ぎて実用性に問題がある。
【0005】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たもので、カイワレ大根の種子に取り付いたO−157
を殺菌する手段を検討した結果、本発明者が既に発明し
ている特願平9−104961号に係るO−157の殺
菌に使用する殺菌液が有効であることを発見し、栽培工
程に沿って殺菌工程を行え、且つ、効果的にカイワレ大
根等の種子に取り付いたO−157を殺菌することがで
き、しかも、安全性が高い実用性,作業性に秀れた技術
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨を説明す
る。
【0007】カイワレ大根の殺菌方法であって、カイワ
レ大根の種子を適宜な殺菌剤で殺菌することを特徴とす
るカイワレ大根の殺菌方法に係るものである。
【0008】また、請求項1記載のカイワレ大根の殺菌
方法において、カイワレ大根の種子に適宜な殺菌剤を含
浸させて殺菌することを特徴とするカイワレ大根の殺菌
方法に係るものである。
【0009】また、カイワレ大根の殺菌方法であって、
カイワレ大根をフマル酸で殺菌することを特徴とするカ
イワレ大根の殺菌方法に係るものである。
【0010】また、カイワレ大根の殺菌方法であって、
カイワレ大根の種子をフマル酸で殺菌することを特徴と
するカイワレ大根の殺菌方法に係るものである。
【0011】また、請求項4記載のカイワレ大根の殺菌
方法において、カイワレ大根の種子にフマル酸が0.2
%(重量)以上含まれるように設定して殺菌することを
特徴とするカイワレ大根の殺菌方法に係るものである。
【0012】また、請求項4,5いずれか1項に記載の
カイワレ大根の殺菌方法において、カイワレ大根の種子
をフマル酸で殺菌した後、該カイワレ大根の種子に水を
吸水させて該カイワレ大根の種子を発芽可能にすること
を特徴とするカイワレ大根の殺菌方法に係るものであ
る。
【0013】また、カイワレ大根の殺菌方法であって、
カイワレ大根の種子を濃度4%(重量)以上のフマル酸
溶液に1〜5分浸漬して殺菌することを特徴とするカイ
ワレ大根の殺菌方法に係るものである。
【0014】また、カイワレ大根の殺菌方法であって、
生育したカイワレ大根を出荷する際に、該カイワレ大根
をフマル酸溶液で殺菌することを特徴とするカイワレ大
根の殺菌方法に係るものである。
【0015】また、カイワレ大根の殺菌方法であって、
生育したカイワレ大根を濃度0.2%(重量)以上のフ
マル酸溶液で殺菌することを特徴とするカイワレ大根の
殺菌方法に係るものである。
【0016】また、生鮮野菜の栽培方法であって、生鮮
野菜の種子をフマル酸溶液で殺菌した後、該生鮮野菜の
種子を発芽させて生鮮野菜を育成することを特徴とする
生鮮野菜の栽培方法に係るものである。
【0017】また、生鮮野菜の栽培方法であって、生鮮
野菜を生育するときに該生鮮野菜をフマル酸溶液で生育
することを特徴とする生鮮野菜の栽培方法に係るもので
ある。
【0018】また、生鮮野菜の栽培方法であって、生育
した生鮮野菜をフマル酸溶液に浸漬した後、該生鮮野菜
を適宜な溶液で洗浄することを特徴とする生鮮野菜の栽
培方法に係るものである。
【0019】また、請求項10〜12いずれか1項に記
載の生鮮野菜の栽培方法において、生鮮野菜としてカイ
ワレ大根を栽培することを生鮮野菜の栽培方法に係るも
のである。
【0020】また、請求項10〜12いずれか1項に記
載の生鮮野菜の栽培方法において、生鮮野菜としてレタ
ス,キャベツ,キュウリ,人参,大根,ピーマン,玉ね
ぎ若しくは長ねぎを栽培することを生鮮野菜の栽培方法
に係るものである。
【0021】
【発明の作用及び効果】本発明は繰り返した実験により
得た結果を請求項としてまとめたものである。
【0022】生鮮野菜の栽培工程においては、例えば、
カイワレ大根の種子を水に浸種した後、該カイワレ大根
の種子を静置して発芽させる浸種工程において、カイワ
レ大根の種子に殺菌剤を含浸させるとカイワレ大根の種
子を殺菌することができる。
【0023】また、発明者の先願である特願平9−10
4961号においては、フマル酸のO−157に対する
殺菌作用が著しく、濃度0.2%(重量)のフマル酸溶
液が106オーダーのO−157をわずか1分で10未
満にまで殺菌することを報告しており、殺菌剤としてフ
マル酸を使用すると、迅速且つ確実にO−157を殺菌
することができる。
【0024】また、カイワレ大根の栽培工程において
は、発芽したカイワレ大根を育成するときに数回散水を
行うが、この散水時においてフマル酸溶液を散水する
と、カイワレ大根の育成中においてO−157の付着を
防止することができるとともに、付着してしまったO−
157を殺菌することができる。尚、フマル酸は使用基
準を有さない食品添加物であり、安全性に秀れる。
【0025】また、生育したカイワレ大根を出荷すると
きに、該カイワレ大根をフマル酸で殺菌すると、より一
層確実にO−157に汚染されていないカイワレ大根を
出荷することができる。
【0026】また、カイワレ大根以外の生鮮野菜とし
て、レタス,キャベツ,キュウリ,人参,大根,ピーマ
ン,玉ねぎ,長ねぎにおいても実験を行ったところ、O
−157に汚染されていない生鮮野菜を製造できること
が確認された。
【0027】本発明は上述のようにするから、従来の生
鮮野菜の栽培工程に沿ってカイワレ大根などの生鮮野菜
を殺菌することができ、また、効果的に生鮮野菜に取り
付いたO−157を殺菌することができ、しかも安全性
が高い実用性,作業性に秀れたカイワレ大根の殺菌方法
及び生鮮野菜の栽培方法となる。
【0028】
【実施例】本発明の具体的な一実施例について説明す
る。
【0029】本実施例は、生鮮野菜としてカイワレ大根
を使用した生鮮野菜の栽培方法に係るものである。
【0030】図1は従来より行われている一般的なカイ
ワレ大根の栽培方法を示したフローチャート(以下、従
来例という。)であり、図2はカイワレ大根の殺菌工程
を含んだカイワレ大根の栽培方法(以下、本実施例とい
う。)を示したフローチャートである。
【0031】尚、本実施例で使用した殺菌剤はフマル酸
である。
【0032】乾燥状態のカイワレ大根の種子を約25℃
において水に7〜8時間浸す。
【0033】このとき、カイワレ大根の種子を殺菌する
ため、カイワレ大根の種子に殺菌剤を所定濃度に達する
ように含浸させる。尚、本実施例では殺菌剤としてフマ
ル酸を使用しているため、カイワレ大根の種子を濃度4
%(重量)のフマル酸溶液(エタノール70〜75%
(重量)及びアスコルビン酸0.05%(重量)を含
む)に1〜5分浸漬してカイワレ大根の種子にフマル酸
を含浸させ、続いて、該カイワレ大根の種子を水に浸し
ている。また、殺菌剤の濃度及び含浸時間は、カイワレ
大根の種子を確実に殺菌でき、しかも、カイワレ大根の
種子の発芽率に影響のない範囲に設定する。
【0034】続いて、このカイワレ大根の種子について
水切りを行い、発芽室(25℃の暗室)に入れて翌朝ま
で放置し、カイワレ大根の種子を発芽させる。
【0035】続いて、発芽したカイワレ大根の種子を播
種機で一定量栽培容器に播種し、1回水を散水する。
尚、散水時においてカイワレ大根の殺菌のため、フマル
酸水溶液(O−157を効果的に殺菌できるように濃度
0.2%(重量)以上が望ましい。)を使用しても良
い。
【0036】続いて、発芽したカイワレ大根の種子を入
れた栽培容器を発芽室から栽培用ベットに運び、栽培用
ベットを上下左右多段に並べて製品として出荷できる大
きさにまで成長させる(通常4〜5日かかる。)。この
とき、1日2〜3回水を散水するが、この散水時におい
てカイワレ大根の殺菌のため、フマル酸水溶液(O−1
57を効果的に殺菌できるように濃度0.2%(重量)
以上が望ましい。)を使用しても良い。
【0037】続いて、成長したカイワレ大根を栽培容器
から所定量(1ポット分)単位で抜き取り、該カイワレ
大根をフマル酸溶液で殺菌洗浄し、更に、水洗いを行
う。尚、使用するフマル酸溶液は、O−157を効果的
に殺菌できるように濃度0.2%(重量)以上が望まし
く、該フマル酸溶液がカイワレ大根の内部に浸透して該
カイワレ大根の内部に付着したO−157を殺菌できる
ように、カイワレ大根をフマル酸溶液に30分以上浸漬
させることが望ましい。
【0038】続いて、成長したカイワレ大根を自動シー
ル機により販売用ポットに詰め、該販売用ポットを出荷
用段ボールに収納し、冷蔵庫で予冷した後出荷する。
【0039】本実施例は上述のように、従来例の生産工
程に沿ってカイワレ大根の種子を殺菌することができる
から、従来例に比して生産時間がほとんど変わらずにO
−157などの細菌に汚染されていない安全なカイワレ
大根を生産することができる実用性,作業性に秀れたカ
イワレ大根の栽培方法となる。
【0040】また、カイワレ大根の種子を殺菌するとき
に、カイワレ大根の種子の発芽率に影響がないように殺
菌剤の濃度及び時間を設定しているから、従来例と同様
にカイワレ大根の種子の発芽工程にロスがない生産性に
秀れたカイワレ大根の栽培方法となる。
【0041】また、カイワレ大根の生育工程においてカ
イワレ大根に散水するとき水の代わりに殺菌剤水溶液を
使用してカイワレ大根を殺菌することができるから、従
来例と同様にカイワレ大根の生育工程にロスがなく、カ
イワレ大根の安全性も高めることができる実用性,生産
性に秀れたカイワレ大根の栽培方法となる。
【0042】また、カイワレ大根の出荷工程において、
カイワレ大根を殺菌剤により殺菌するから、O−157
などの細菌に汚染されていない確実に安全なカイワレ大
根を出荷することができる実用性に秀れたカイワレ大根
の栽培方法となる。
【0043】以下に、本実施例の作用効果を裏付ける実
験例を示す。
【0044】尚、本実験例に使用した殺菌剤はフマル酸
であり、O−157の測定方法は、新潟県衛生公害研究
所の指針による図3に示した病原性大腸菌O−157の
検査法(医学国保課資料)に準じて行った。また、使用
するアルコールは人体に悪影響を及ぼさないものとして
エチルアルコールを使用した。
【0045】<第一実験例>O−157に対するフマル
酸の殺菌効果は濃度による影響が大きいため(特願平9
−104961号によれば、その濃度は0.2%(重
量)以上。)、カイワレ大根の種子を殺菌する場合、カ
イワレ大根の種子への吸水率及び吸水速度が重要とな
る。
【0046】カイワレ大根の乾燥種子2gを水100m
lに14時間浸漬し、経時的に、軽く水切りをした種子
を秤量して重量差から吸水率を求め、また、14時間浸
漬時を最大吸水量として各浸漬時間ごとの吸水速度を重
量差から求め、表1を得た。
【表1】 このように、カイワレ大根の乾燥種子への吸水速度は、
1時間浸漬時で吸水率が31.3%となる程早い。従っ
て、カイワレ大根の種子をフマル酸溶液に1時間浸漬す
る場合において、カイワレ大根の種子中のフマル酸の濃
度を0.2%(重量)以上とするためには、カイワレ大
根の種子の全体重量:フマル酸溶液の重量=100:3
1.3であるから、使用するフマル酸溶液の濃度は、
0.2×100÷31.3=0.64%(重量)以上に
設定しなければならない。
【0047】以上の結果より、カイワレ大根の種子をフ
マル酸溶液で殺菌するときには、殺菌時間によってフマ
ル酸の濃度を適宜設定する必要があり、また、カイワレ
大根の乾燥種子へ水を浸漬した後でフマル酸溶液で殺菌
しようとすると極めて高濃度のフマル酸溶液を使用しな
ければならなくなることが分かる。
【0048】従って、カイワレ大根の種子に浸種作業に
沿って該カイワレ大根の種子を殺菌する場合は、フマル
酸溶液の殺菌作用は1分程度の殺菌時間で発揮されるの
で、フマル酸溶液で殺菌したあと引き続き水で浸種作業
を行うことが望ましい。
【0049】<第二実験例>カイワレ大根の種子に殺菌
処理を行うと発芽率が低下して発芽作業にロスが生じる
恐れがある。
【0050】カイワレ大根の種子2gを、4.0%(重
量)フマル酸溶液(アルコール濃度75%(重量)で安
定剤としてアスコルビン酸を約0.05%(重量)添加
している。)を希釈して得た、0.2%(重量)フマル
酸溶液,0.3%(重量)フマル酸溶液及び4.0%
(重量)フマル酸溶液(アルコール濃度70%(重量)
で安定剤としてアスコルビン酸を約0.05%(重量)
添加している。)の40mlで所定時間洗浄し、水にて
延べ8時間となるように浸種工程を行い、水切り後の重
量から吸水率を求め、また、このカイワレ大根の種子を
25℃の暗室で1晩放置して発芽状況を調べて発芽率を
求め、表2を得た。
【表2】 このように、フマル酸の濃度が高濃度となる程カイワレ
大根の種子の発芽率は低下し、通常の水のみで浸種工程
を行った場合と比較して差異のない洗浄時間は、0.2
%(重量)フマル酸溶液では2時間、0.3%(重量)
フマル酸溶液では1時間、4.0%(重量)フマル酸溶
液では10分程度であることが分かる。
【0051】従って、カイワレ大根の種子に浸種工程に
沿って該カイワレ大根の種子を殺菌する場合は、上記の
ような発芽率に影響がない範囲の殺菌時間で殺菌作業を
行うことが望ましい。
【0052】<第三実験例>発芽率に影響を生じない洗
浄時間におけるO−157への殺菌効果を調べるため、
カイワレ大根の乾燥種子を104オーダーのO−157
培養液40mlに5分間浸漬し、このカイワレ大根の種
子を所定濃度のフマル酸溶液で所定時間洗浄し、この洗
浄したカイワレ大根の種子について菌数を測定し、表3
を得た。
【表3】 このように、4.0%(重量)フマル酸溶液においては
1分の洗浄時間でO−157を10以下にまで殺菌する
ことができる。
【0053】しかし、0.2%(重量)及び0.3%
(重量)のフマル酸溶液では、カイワレ大根の種子の発
芽率に影響を生じない洗浄時間において有効にO−15
7を殺菌することができなかった。
【0054】この理由としては、0.3%(重量)フマ
ル酸溶液で60分洗浄しても、カイワレ大根の種子中の
フマル酸濃度は、前記表1より、31.3×0.3÷1
00=0.09%(重量)にしかならず、よって、有効
殺菌濃度である0.2%(重量)にフマル酸濃度が達し
ていないからではないかと考えられる。
【0055】従って、カイワレ大根の種子をフマル酸溶
液で殺菌する場合には、該カイワレ大根の種子中のフマ
ル酸濃度を有効殺菌濃度(0.2%)とするために、使
用するフマル酸溶液の濃度を、0.2×100÷13.
6(O−157を殺菌できる1分間における吸水率)=
1.47%(重量)以上に設定することが望ましのでは
ないかと推測される。
【0056】<第四実験例>第三実験例の結果をより詳
細に調べるため、第三実験例に準じて、カイワレ大根の
乾燥種子をO−157培養液40mlに5分間浸漬し、
このカイワレ大根の種子を所定濃度のフマル酸溶液で所
定時間洗浄し、この洗浄したカイワレ大根の種子につい
て菌数を測定し、表4を得た。また、カイワレ大根を洗
浄後、水にて延べ8時間となるように浸種工程を行い、
第二実験例に準じて発芽率を求め、表5を得た。
【表4】
【表5】 このように、浸種工程時のフマル酸溶液による洗浄工程
においては、フマル酸濃度が高濃度である程、カイワレ
大根の種子の発芽率は低下し、その限界は、0.3%
(重量)では60分(本実験例では上限は不明であ
る。)、0.5%(重量)では15分、また、1.0〜
4.0%(重量)では5分程度である。
【0057】また、フマル酸溶液の殺菌作用について
は、洗浄時間5分において1.5%(重量)以上若しく
は洗浄時間1分において2.5%(重量)以上で静菌効
果が得られ、また、4.0%(重量)において完全な殺
菌効果が得られる。
【0058】尚、高濃度のフマル酸溶液を得るためには
アルコールを多量に添加しなければならないが、このア
ルコール分においては静菌効果及び殺菌効果は確認でき
なかった。
【0059】従って、カイワレ大根の種子を完全に殺菌
するためには、濃度4%(重量)以上のフマル酸溶液を
使用することが望ましい。
【0060】尚、第三実験例においてフマル酸の濃度が
1.47%(重量)以上で有効な殺菌効果が得られると
の推測と第四実験例で得られた結果とが相違する理由に
関しては、殺菌時間が短すぎてフマル酸溶液がカイワレ
大根の種子に吸水される過程において該フマル酸溶液が
カイワレ大根の種子の中心部にまで到達することができ
ず、カイワレ大根の種子の中心部に付着したO−157
を殺菌することができなかったか、若しくは浸透圧の問
題でフマル酸溶液のフマル酸成分がカイワレ大根の種子
へ浸透することができなかったのではないかと考えられ
る。
【0061】<第五実験例>O−157に汚染されてい
ない確実に安全なカイワレ大根を出荷できるようにする
ため、生育したカイワレ大根に対するフマル酸溶液の殺
菌効果を確認する。
【0062】収穫後のカイワレ大根50gを104オー
ダーのO−157培養液300mlに30分間浸漬し、
このカイワレ大根を濃度0.2%(重量)のフマル酸溶
液で所定時間洗浄し、この洗浄したカイワレ大根につい
て菌数を測定し、表6を得た。
【表6】 このように、0.2%(重量)フマル酸溶液で30分以
上洗浄すると、O−157を10以下にまで殺菌するこ
とができる。
【0063】従って、出荷前のカイワレ大根を濃度0.
2%(重量)以上のフマル酸溶液で30分以上殺菌洗浄
すると、O−157に汚染されていない確実に安全なカ
イワレ大根を出荷することができる。
【0064】尚、第五実験例の結果は、0.2%(重
量)フマル酸溶液でカイワレ大根以外のキャベツなどの
他の生鮮野菜に付着したO−157を確実に殺菌できる
ことを示唆している。
【0065】<第六実験例>生育したカイワレ大根に対
してフマル酸溶液で殺菌を行った場合の該カイワレ大根
の商品価値を確認する。
【0066】収穫後のカイワレ大根50gを濃度0.2
%(重量)のフマル酸溶液で所定時間洗浄し、この洗浄
したカイワレ大根を水洗いして色調(クロロフィルa,
b)を測定し、表7を得た。尚、色調は、カイワレ大根
の葉部分1gから海砂0.5gとアセトンとで色素を溶
出後、アセトンにて50gに希釈し、波長420μm
(クロロフィルa)及び波長460μm(クロロフィル
b)の吸光度を求めた。
【表7】 このように、カイワレ大根をフマル酸溶液で殺菌して
も、カイワレ大根の色調には何ら影響は発生しない。
【0067】また、洗浄したカイワレ大根の味覚につい
て実験しても(選択法による有意差。)、その差はほとん
ど感じられなかった。
【0068】従って、生育したカイワレ大根に対してフ
マル酸溶液で殺菌を行っても、その商品価値が低下する
ことはない。
【0069】また、この第六実験例の結果は、カイワレ
大根の生育工程における散水の水の代わりにフマル酸溶
液(水溶液)を使用しても、その商品価値が低下するこ
とがないことを示唆している。
【0070】<第七実験例>前記、第五実験例の結果
は、フマル酸溶液でカイワレ大根以外のキャベツなどの
他の生鮮野菜に付着したO−157を確実に殺菌できる
ことを示唆しているが、この点を確認するためカイワレ
大根以外の生鮮野菜について、フマル酸溶液のO−15
7の殺菌実験を行った。
【0071】レタス,カイワレ大根,キャベツ,キュウ
リ,人参,大根,ピーマン,玉ねぎ,長ねぎについて、
夫々O−157の培養液に30分間浸し、続いて、3時
間風乾した後、フマル酸溶液(第二実験例で使用したも
のと同等品)で30分間洗浄し、直ちに菌数を測定し、
表8を得た。
【表8】 このように、いずれの生鮮野菜においても、フマル酸溶
液のO−157に対する殺菌効果は極めて良好に発揮さ
れた。
【0072】また、上記生鮮野菜について、フマル酸溶
液による洗浄の後、所定時間水洗いを行ってから味覚を
実験したところ(第六実験例と同様に選択法による有意
差による)、生鮮野菜の種類によって水洗浄の時間が異
なるものの、1〜10分間の水洗いによって各生鮮野菜
そのものの味覚と変わらない生鮮野菜を得ることができ
た。従って、上記生鮮野菜に対するフマル酸溶液による
洗浄によって生鮮野菜の商品価値が低下することはな
い。
【0073】以上、この第七実験例の実験結果は、カイ
ワレ大根以外の生鮮野菜に本実施例に係る殺菌方法(及
び栽培方法)を行っても同様の良好な作用効果を得られ
ることを示唆している。
【0074】以上の実験例の結果をまとめると、 カイワレ大根の種子を殺菌剤(フマル酸溶液)で殺
菌する場合には、該カイワレ大根の種子中の有効成分濃
度が問題となり、カイワレ大根の生育工程においては、
浸種工程の前段として殺菌剤をカイワレ大根の種子中に
含浸させる工程を設けると良い。また、殺菌剤として溶
液を使用する場合には、浸種工程に含ませても良い。ま
た、その濃度は、殺菌剤としてフマル酸溶液を使用した
場合、カイワレ大根の種子中に0.2%(重量)以上と
なるように設定すると良い。
【0075】 カイワレ大根の種子を殺菌剤(フマル
酸溶液)で殺菌する場合には、該カイワレ大根の種子の
発芽率が問題となるが、適宜濃度で適宜時間の殺菌方法
を選択することができれば、発芽率の問題は解決され
る。尚、殺菌剤としてフマル酸溶液を使用する場合は、
濃度4%(重量)以上のフマル酸溶液に1〜5分浸漬す
ると良い。
【0076】 カイワレ大根をフマル酸溶液で殺菌洗
浄しても、カイワレ大根の商品価値は低下しない。尚、
種子と異なり、生育したカイワレ大根を殺菌する場合に
は、フマル酸溶液の濃度は0.2%(重量)以上の設定
で良い。
【0077】 カイワレ大根以外のレタス,キャベ
ツ,キュウリ,人参,大根,ピーマン,玉ねぎ,長ねぎ
などの生鮮野菜においても、カイワレ大根と同様にフマ
ル酸溶液で殺菌することにより、O−157などの細菌
に汚染されていない安全な生鮮野菜として出荷すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例のカイワレ大根の生産工程の一例を示す
フローチャートある。
【図2】本実施例のカイワレ大根の生産工程の一例を示
すフローチャートある。
【図3】O−157の検査法の一例を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
なし

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カイワレ大根の殺菌方法であって、カイ
    ワレ大根の種子を適宜な殺菌剤で殺菌することを特徴と
    するカイワレ大根の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカイワレ大根の殺菌方法
    において、カイワレ大根の種子に適宜な殺菌剤を含浸さ
    せて殺菌することを特徴とするカイワレ大根の殺菌方
    法。
  3. 【請求項3】 カイワレ大根の殺菌方法であって、カイ
    ワレ大根をフマル酸で殺菌することを特徴とするカイワ
    レ大根の殺菌方法。
  4. 【請求項4】 カイワレ大根の殺菌方法であって、カイ
    ワレ大根の種子をフマル酸で殺菌することを特徴とする
    カイワレ大根の殺菌方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のカイワレ大根の殺菌方法
    において、カイワレ大根の種子にフマル酸が0.2%
    (重量)以上含まれるように設定して殺菌することを特
    徴とするカイワレ大根の殺菌方法。
  6. 【請求項6】 請求項4,5いずれか1項に記載のカイ
    ワレ大根の殺菌方法において、カイワレ大根の種子をフ
    マル酸で殺菌した後、該カイワレ大根の種子に水を吸水
    させて該カイワレ大根の種子を発芽可能にすることを特
    徴とするカイワレ大根の殺菌方法。
  7. 【請求項7】 カイワレ大根の殺菌方法であって、カイ
    ワレ大根の種子を濃度4%(重量)以上のフマル酸溶液
    に1〜5分浸漬して殺菌することを特徴とするカイワレ
    大根の殺菌方法。
  8. 【請求項8】 カイワレ大根の殺菌方法であって、生育
    したカイワレ大根を出荷する際に、該カイワレ大根をフ
    マル酸溶液で殺菌することを特徴とするカイワレ大根の
    殺菌方法。
  9. 【請求項9】 カイワレ大根の殺菌方法であって、生育
    したカイワレ大根を濃度0.2%(重量)以上のフマル
    酸溶液で殺菌することを特徴とするカイワレ大根の殺菌
    方法。
  10. 【請求項10】 生鮮野菜の栽培方法であって、生鮮野
    菜の種子をフマル酸溶液で殺菌した後、該生鮮野菜の種
    子を発芽させて生鮮野菜を育成することを特徴とする生
    鮮野菜の栽培方法。
  11. 【請求項11】 生鮮野菜の栽培方法であって、生鮮野
    菜を生育するときに該生鮮野菜をフマル酸溶液で生育す
    ることを特徴とする生鮮野菜の栽培方法。
  12. 【請求項12】 生鮮野菜の栽培方法であって、生育し
    た生鮮野菜をフマル酸溶液に浸漬した後、該生鮮野菜を
    適宜な溶液で洗浄することを特徴とする生鮮野菜の栽培
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12いずれか1項に記載
    の生鮮野菜の栽培方法において、生鮮野菜としてカイワ
    レ大根を栽培することを生鮮野菜の栽培方法。
  14. 【請求項14】 請求項10〜12いずれか1項に記載
    の生鮮野菜の栽培方法において、生鮮野菜としてレタ
    ス,キャベツ,キュウリ,人参,大根,ピーマン,玉ね
    ぎ若しくは長ねぎを栽培することを生鮮野菜の栽培方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013072046A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Nippon Soda Co Ltd 土壌改質用または殺菌用剤
CN108848736A (zh) * 2018-04-20 2018-11-23 申琳 一种延长果蔬常温贮存保鲜时间的方法

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