JPH1170197A - ゴルフクラブ - Google Patents

ゴルフクラブ

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JPH1170197A
JPH1170197A JP10048185A JP4818598A JPH1170197A JP H1170197 A JPH1170197 A JP H1170197A JP 10048185 A JP10048185 A JP 10048185A JP 4818598 A JP4818598 A JP 4818598A JP H1170197 A JPH1170197 A JP H1170197A
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prepreg sheet
prepreg
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oblique
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、強度低下、強度のばらつきの防止を
図ったシャフトで構成されるゴルフクラブを提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】強化繊維を一方向に引き揃えて合成樹脂を
含漫させたプリプレグシートを巻装したシャフトを備え
たゴルフクラブであり、前記シャフトは、シャフトの軸
方向に対して強化繊維の引揃方向が斜向したプリプレグ
シート7a,7bを、引揃方向がクロスするように重ね
合わせて巻回することで構成された斜向繊維層を備えて
おり、この斜向繊維層を構成するプリプレグシート7
a,7bの肉厚を0.06mm以下にしたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフクラブに関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、ゴルフクラブに用いられているシ
ャフトは、強化繊維を一方向に引揃えて合成樹脂を含浸
させた、いわゆるプリプレグシートを、芯金に対して重
合するように巻回し、その上にセロハンテープを巻回し
て安定させた後、これを加熱炉において合成樹脂を熱硬
化し、その後、冷却して、脱芯、セロハンテープの剥
離、研磨、塗装等の工程を経て作成されている。
【0003】そして、一般的に、芯金に対して巻回され
る上記プリプレグシートによる積層構造は、芯金に対し
て斜向した方向(軸方向に対して45°が多い)に強化
繊維を引揃えたプリプレグシート(斜向プリプレグシー
ト)を、引揃方向が相互にクロスするように重ね合わせ
て(軸方向に対して±45°となるように重ねることが
多い)巻回した斜向繊維層と、芯金に対して軸方向に強
化繊維を引揃えたプリプレグシート(軸方向プリプレグ
シート)を巻回した軸方向繊維層とによる本体層を備え
ており、さらに、そのような本体層に対して、必要な箇
所に、軸方向シートもしくは周方向に強化繊維を引揃え
たプリプレグシート(周方向プリプレグシート)を巻回
した補強層を積層させた構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構成に
おいて、本体層として使用される斜向シートおよび軸方
向シートの厚さは、通常、ともに略0.1mm〜0.2
mm程度のものが用いられている。
【0005】しかし、上述したように、斜向シートは、
その繊維方向がクロスするように重ねた状態で芯金に巻
回するため、軸方向シートに対して、略倍の肉厚差があ
る。すなわち、例えば、斜向シートおよび軸方向シート
として、0.1mmの厚さのものを用いた場合、斜向シ
ートは2枚重ねた状態で巻回されるため、その厚さが
0.2mmになってしまい、軸方向シートに対して略倍
の肉厚差がある。したがって、そのように厚くなったシ
ートを巻回することで、巻回端部領域の重なり部分で
は、その肉厚による偏肉状態が生じてしまう。
【0006】特に、最近においては、シャフトの軽量
化、高弾性化が要求されており、斜向シートおよび軸方
向シートの巻回数も少なくなってきている。このため、
巻回するシートの端部領域において、上記した肉厚差に
よる偏肉が生じると、それが原因で強度が低下したり、
強度のばらつきが大きくなるという問題が生じる。
【0007】また、通常シャフトは、グリップ側の径が
大きくヘッド側の径が小さいため、グリップ側では捩じ
り剛性が大きくなり、ヘッド側では捩じり剛性が小さく
なる。このため、斜向繊維層の肉厚がヘッド側で厚く、
グリップ側で薄くなるように、斜向シートは、ヘッド側
とグリップ側でその巻回数を異ならせている。
【0008】しかし、このような構成によれば、捩じり
とヘッドの負荷によって、シャフトの略中間部におい
て、強度が低下しやすく破損しやすいという問題が生じ
る。本発明は、強度低下、強度のばらつきの防止を図っ
たシャフトで構成されるゴルフクラブを提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のゴルフクラブは、強化繊維を一方向に引揃
えて合成樹脂を含浸させたプリプレグシートを巻装した
シャフトを備えており、前記シャフトは、シャフトの軸
方向に対して強化繊維の引揃方向が斜向したプリプレグ
シートを、引揃方向がクロスするように重ね合わせて巻
回することで構成された斜向繊維層を備えており、この
斜向繊維層を構成するプリプレグシートの肉厚を0.0
6mm以下にしたことを特徴としている。
【0010】通常、シャフトに巻装されるプリプレグシ
ートの厚さは、略0.1mm〜0.2mm程度であった
ものを、斜向繊維層を構成するプリプレグシートの肉厚
を、0.06mm以下にしたことによって、これを重ね
て用いても、略0.1mm〜0.2mm程度にすること
ができ、巻回端部領域の重ね合わせ部分において、肉厚
差を少なくすることができ、強度低下や強度のばらつき
が抑制される。
【0011】また、本発明のゴルフクラブにおけるシャ
フトは、軸方向に対して強化繊維の引揃方向が斜向した
プリプレグシートを、引揃方向がクロスするように重ね
合わせて巻回することで構成された斜向繊維層を備えて
おり、この斜向繊維層は、その巻回数がシャフトの先端
部と基端部とで異なると共に、シャフト全長に対する先
端から40%〜60%の範囲において、各引揃方向に夫
々2層以上巻回して構成されていることを特徴とする。
【0012】通常、捩じりとヘッドの負荷によって、ゴ
ルフクラブのシャフトは、シャフト全長に対する先端か
ら40%〜60%の範囲において破損しやすい。このた
め、そのような位置の斜向繊維層を厚くすることで、強
度の向上が図れ、破損が抑制される。
【0013】また、本発明のゴルフクラブにおけるシャ
フトは、シャフトの軸方向に対して強化繊維の引揃方向
が斜向したプリプレグシートを略直交する方向に重ね合
わせて構成された重合プリプレグシートによる斜向繊維
層を備えており、この斜向繊維層は、前記重合プリプレ
グシートを2枚以上用いることで構成されており、各重
合プリプレグシートは、それぞれ巻回初期位置が周方向
にずれて巻回されることを特徴とする。
【0014】このように、斜向繊維層を形成するにあた
り、重合プリプレグシートを2枚以上用いる場合、各重
合プリプレグシートの巻回初期位置を周方向にずらすこ
とによって、巻回端部において生じる肉厚差による偏肉
を抑制することができ、強度低下や強度のばらつきが抑
制される。
【0015】また、本発明のゴルフクラブにおけるシャ
フトは、シャフトの軸方向に対して強化繊維の引揃方向
が斜向したプリプレグシートを略直交する方向に重ね合
わせた重合プリプレグシートによる斜向繊維層を備えて
おり、この斜向繊維層の厚さを0.1mm以下とし、か
つその樹脂含浸量を35wt%以下にしたことを特徴と
している。
【0016】このように、シャフトの斜向繊維層の厚さ
を0.1mm以下とし、かつその樹脂含浸量を35wt
%以下にすることで、シャフトの破損が防止されて高強
度のゴルフクラブにできると共に、強度のばらつきが少
なく、安定した強度のゴルフクラブとすることができ
る。また、樹脂含浸量を少なくして薄肉厚の重合プリプ
レグシートを巻回することで、比強度、比トルクの向上
が図れ、軽量化が可能になる。
【0017】また、本発明のゴルフクラブにおけるシャ
フトは、軸方向繊維層と、さらに、斜向繊維層、又は斜
向繊維層および周方向繊維層とを備えており、前記斜向
繊維層及び周方向繊維層の少なくとも一方の層は、樹脂
含浸量が30wt%以下で厚さが0.05mm以下とな
るように構成したことを特徴としている。なお、ここで
の軸方向繊維層は、軸方向プリプレグシートを巻回する
ことで構成され、斜向繊維層は、斜向プリプレグシート
を引揃方向がクロスするように重ね合わせて巻回するこ
とで構成され、周方向繊維層は、周方向プレグシートを
巻回することで構成される。
【0018】このように、斜向繊維層又は周方向繊維層
の少なくとも一方の層を、樹脂含浸量が30wt%以下
で厚さが0.05mm以下に構成することで、シャフト
の破損が防止されて高強度のゴルフクラブにできると共
に、強度のばらつきが少なく、安定した強度のゴルフク
ラブとすることができる。また、偏肉や方向性の防止が
図れると共に、比強度、比トルクの向上が図れ、軽量化
が可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に沿って説明する。図1は、シャフトを形成するに
あたり、芯金1に対して巻回されるプリプレグシートの
一配置構成例を示す図である。この場合、芯金1に対し
て、L=1160mmの領域に、後述する各プリプレグ
シートが巻回される。また、芯金1は、その先端P1
(シャフト先端)の径が5.0mm、後端P2(シャフ
ト後端)の径が14.9mm、先端P1から150mm
の位置P3の径が6.2mm、位置P3から80mmの
位置P4の径が7.2mmで構成されており、位置P3
から位置P4の範囲に急テーパ1aが形成されている。
このように、芯金1の先端領域に急テーパ1aを形成し
ておくことで、成形されるシャフトの先端領域は、強度
が確保され滑らかな剛性分布となる。
【0020】上記芯金1に対しては、先端領域において
補強層となるプリプレグシート3が巻回され、順にシャ
フト全体を形成する本体層となるプリプレグシート5,
7,9,11,13が巻回され、そして、先端領域にお
いて補強層となるプリプレグシート15が巻回される。
各プリプレグシートは、炭素繊維を一方向に引揃えてエ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性
合成樹脂を含漫させたものであり、以下のような構成と
なっている。
【0021】先端領域において補強層となるプリプレグ
シート3は、弾性率24tonf/mm2 の炭素繊維を
軸方向に引揃えたものであり、樹脂含漫量が30wt
%、繊維の目付け量が125g/m2 、厚さが0.11
4mmで構成されており、軸方向両端において芯金1に
対して各3プライされる大きさに裁断されている。この
プリプレグシート3に対しては、別途、ガラスの織布を
裏打ちしても良い。
【0022】本体層を構成する最内層となる上記プリプ
レグシート5は、弾性率40tonf/mm2 の炭素繊
維を周方向に引揃えたものであり、樹脂含漫量が40w
t%、繊維の目付け量が28g/m2 、厚さが0.03
2mmで構成されており、軸方向両端において芯金1に
対して各1.1プライされる大きさに裁断されている。
【0023】上記プリプレグシート5上には、弾性率4
0tonf/mm2 の炭素繊維を軸方向に対して斜向し
て引揃えたプリプレグシート7a,7bを、各炭素繊維
の引揃方向がクロスするように(好ましくは軸方向に対
して±45゜となるように)重ね合わせて構成されたプ
リプレグシート7が巻回される。各プリプレグシート7
a,7bは、樹脂含漫量が30wt%未満、好ましく
は、25wt%以下で10wt%以上とし、繊維の目付
け量が58g/m2 、厚さが0.048mmで構成され
ている。この場合、厚さは、0.06mm以下であれば
良く、この例のように0.048mmか、それ以下にす
るのが良い。そして、各プリプレグシート7a,7b
は、先端側において、夫々4プライ(重ね合わせ状態で
8プライ)され、基端側において夫々1.6プライ(重
ね合わせ状態で3.2プライ)される大きさに裁断され
ている。なお、各プリプレグシート7a,7bは、図に
示すように、巻回初期位置が周方向にずれるように重ね
合わせることが好ましい。また、この構成においては、
各プリプレグシート7a,7bは、その中間領域におい
て、夫々少なくとも2プライ(両者で4プライ)以上さ
れるようになっている。
【0024】上記プリプレグシート7上に巻回されるプ
リプレグシート9は、弾性率30tonf/mm2 の炭
素繊維を軸方向に引揃えたものであり、樹脂含漫量が3
0wt%、繊維の目付け量が150g/m2 、厚さが
0.137mmで構成されている。そして、軸方向両端
において芯金1に対して各2プライされる大きさに裁断
されている。
【0025】上記プリプレグシート9上に巻回されるプ
リプレグシート11は、上記プリプレグシート5と同一
の構成であり、軸方向両端において芯金1に対して各
1.1プライされる大きさに裁断されている。また、こ
のプリプレグシート11上に巻回されるプリプレグシー
ト13は、弾性率24tonf/mm2 の炭素繊維を軸
方向に引揃えたものであり、樹脂含浸量が30wt%、
繊維の目付け量が125g/m2 、厚さが0.114m
mで構成され、軸方向両端において芯金1に対して各1
プライされる大きさに裁断されている。
【0026】そして、上記プリプレグシート13上に
は、先端領域において補強層となるプリプレグシート1
5が巻回される。このプリプレグシート15は、上記最
内層側の補強層となるプリプレグシート3と同一の構成
であり、芯金1の先端部に対して3プライされ、前記位
置P3において0プライとなるように裁断されている。
【0027】上記のように構成された各プリプレグシー
トは、芯金1に対して、1枚づつ個別に巻回しても良い
し、あるいは各シート同士を任意にあらかじめ張り付け
ておき、これを巻回しても良い。例えば、プリプレグシ
ート5は、プリプレグシート7にあらかじめ張り付けて
おいても良いし、プリプレグシート11は、プリプレグ
シート13にあらかじめ張り付けておいても良い。ま
た、上記したプリプレグシート7は、プリプレグシート
7a,7bをあらかじめ張り付けて構成したものである
が、あらかじめ張り合わせておかずに、個別に巻回して
も良い。
【0028】上述したように、斜向繊維層を構成するプ
リプレグシート7a,7bは、その厚さが0.048m
mで、これらを2枚に重ねても0.1mm以下であり、
軸方向に炭素繊維を引揃えたプリプレグシート9,13
と比較しても、その厚さは薄くなっている。したがっ
て、プリプレグシート9,13に対して肉厚差は殆ど無
く、これらを巻回した際に、その巻回端部領域の重なり
部分では、その肉厚差による偏肉状態の発生が抑制さ
れ、完成されたシャフトの強度低下や強度のばらつきが
抑制される。このような効果が有効に得られるように、
斜向繊維層を構成するプリプレグシート7a,7bの厚
さは、軸方向に炭素繊維を引揃えたプリプレグシート
9,13の厚さの略半分以下に構成しておくのが良い。
【0029】また、プリプレグシート7は、各プリプレ
グシート7a,7bを正確に位置合わせして構成しても
良いが、図に示すように、互いのプリプレグシート7
a,7bを、軸方向と直交する方向にずれるように重合
しておくことで、芯金1に対して巻回した際、巻回端部
領域で生じる肉厚変化をより効果的に抑制することが可
能となる。さらに、斜向繊維層を構成するプリプレグシ
ート7a,7bの樹脂含漫量を、30wt%未満、好ま
しくは、25wt%以下とすることにより、シャフトを
軽量高強度化することができる。なお、この場合、層間
強度を確保するため、その下限値は10wt%とするの
が良い。
【0030】また、上記した構成のように、本体層を構
成するプリプレグシートの内、厚さが0.032mmと
薄く、周方向に炭素繊維を引揃えたプリプレグシート
5,11を介在させることが好ましい。このように、厚
さが薄い周方向繊維層を設けることによって、隣接する
プリプレグシートの炭素繊維の動きを固定できると共
に、シャフト全体でつぶし強度の向上が図れる。
【0031】以上のように構成された各プリプレグシー
トを芯金1に対して巻回し、その後、常法、すなわち、
加熱工程、冷却工程、脱芯、研磨、塗装等の工程を経
て、図2に示すようなシャフト20が形成される。そし
て、このように形成されたシャフト20に対して、図3
に示すように先端部にクラブヘッド25が嵌入され、基
端部にクリップ30が取着されてゴルフクラブ40が完
成する。
【0032】また、上記のように構成されたプリプレグ
シート、特に、先端側において夫々4プライされ、基端
側において夫々1.6プライされるように裁断されたプ
リプレグシート7a,7bを巻回した場合、シャフト全
長に対する先端から40%〜60%の範囲(シャフト全
長L−1160mmとした場合、L1=464mmの位
置P5、L2=464mmの位置P6との間の範囲)の
シャフトの断面構造は、図4に示すように、その斜向繊
維層は、各プリプレグシート7a,7bが2層以上巻回
されて肉厚が厚くなった状態となっている。
【0033】上述したように、ゴルフクラブのシャフト
は、捩じりとヘッドの負荷によってシャフト全長に対す
る先端から40%〜60%の範囲において破損しやすい
が、図に示すように、そのような位置の斜向繊維層の肉
厚が厚くなっていることにより、強度の向上が図れ、破
損を抑制することが可能になる。
【0034】実際に、図1に示したプリプレグの配置構
成例によって得られるシャフトにおいて、プリプレグシ
ート7を、以下の表で示すように、本実施の形態のよう
に構成したもの(イ)と、従来と同様に構成したもの
(口)とを比較実験した。この場合、プリプレグシート
7(プリプレグシート7a,7b)以外のプリプレグシ
ートの構成は同一であり、シャフト重量、肉厚も同一と
なるようにした。
【0035】
【表1】
【0036】上記した構成で得られた(イ)の構成のシ
ャフトは、従来の(口)の構成シャフトに対して21%
のねじり強度向上が得られ、強度のばらつきもなく、強
度の安定、向上が図れた。また、(イ)の構成のシャフ
トによれば、トルクが6.6度となり、(口)の構成シ
ャフトの7.0度に対し、0.4度(5.7%)トルク
を小さくすることができた。さらに、強度の安定向上お
よびトルクを小さくできたことで、シャフトの軽量化が
図れ、スイングしやすく振り抜きやすいゴルフクラブが
得られた。
【0037】次に、図5(a)および(b)を参照して
本発明の別の実施の形態について説明する。この実施の
形態に用いられる芯金1およびプリプレグシート3,
5,9,11,13の構成については、前記第1の実施
の形態と同一であるため、その説明は省略する。
【0038】この実施の形態は、斜向繊維層を構成する
プリプレグシートに特徴がある。すなわち、斜向繊維層
は、シャフトの軸方向に対して強化繊維の引揃方向が斜
向した(好ましくは軸方向に対して45゜)プリプレグ
シート8a,8bを、各繊維の引揃方向が略直交するよ
うに重ね合わせて構成された重合プリプレグシート8を
2枚以上用いることで構成されている。
【0039】各プリプレグシート8a,8bは、樹脂含
浸量が30wt%未満、好ましくは、25wt%以下で
10wt%以上であり、好ましくは、その繊維の目付け
量が29g/m2 、厚さが0.024mmで構成されて
いる。すなわち、このようなプリプレグシート8a,8
bを重合したプリプレグシート8は、その厚さが0.0
48mmとなり、上記第1の実施の形態における各プリ
プレグシート7a,7bと同様な厚さ、および繊維目付
け量となる。また、重合プリプレグシート8を構成する
各プリプレグシート8a,8bは、先端側において、夫
々4プライ(重ね合わせ状態で8プライ)され、基端側
において夫々1.6プライ(重ね合わせ状態で3.2プ
ライ)される大きさに裁断されている。したがつて、こ
のような重合プリプレグシート8を2枚以上重ねて巻回
することで、先端側は16プライ、基端側で6.4プラ
イとなり、その中間領域においては、夫々少なくとも2
プライ(両者の重合プリプレグシートで4プライ)以上
となる。
【0040】そして、上記した各重合プリプレグシート
8は、図5(b)に示すように、芯金1に対して、それ
ぞれ巻回初期位置が周方向にずれて巻回される。すなわ
ち、芯金1に対して、各重合プリプレグシート8の巻回
初期位置をずらすことで、その巻回端部領域の重なり部
分で、肉厚差による偏肉状態の発生を抑制することがで
き、この結果、上記第1の実施の形態と同様、完成され
たシャフトの強度低下や強度のばらつきを抑制すること
が可能となる。また、この実施の形態の斜向繊維層は、
繊維の目付け量が29g/m2 で厚さが0.024mm
のプリプレグシート8aおよび8bによる重合プリプレ
グシート8を2枚以上重ね、これらを所定プライ数巻回
して構成されていることにより、特に、ねじり強度の向
上、およびその強度の安定化が図れる。
【0041】また、図5に示す構成において、2枚ある
重合プリプレグシート8,8を1枚のみにして、その
分、幅を広くして巻回数を多くしても良い。このとき形
成される斜向繊維層は、そのようなプリプレグシートを
1プライ以上、通常、2〜6プライの範囲で巻回するこ
とによって形成される。この場合、重合プリプレグシー
トによって形成される斜向繊維層の厚さは、0.1mm
以下に設定されるが、比強度、比トルクの向上、軽量化
がさらに図れるように0.07mm以下にするのが良
く、より好ましくは0.04mm以下にするのが良い。
また、このような重合プリプレグシートの樹脂含浸量
は、35wt%以下に設定されるが、比強度、比トルク
の向上、軽量化がさらに図れるように30wt%以下に
するのが良く、より好ましくは25wt%以下にするの
が良い。また、斜向繊維層以外の層を形成するプリプレ
グシート3,5,9,11,13,15については、図
5に示す実施の形態と同じであるが、巻回位置や層数等
については、任意に設定しても良い。
【0042】上記図1〜図5に示した実施の形態におい
て、斜向繊維層、又は斜向繊維層と周方向繊維層、又は
周方向繊維層を形成するプリプレグシートは、破損や強
度ばらつきの防止、安定した強度、偏肉や方向性の防
止、比強度、比トルクの向上、軽量化等が効果的に達成
できるように、以下のように構成することが好ましい。
すなわち、樹脂含浸量を30wt%以下、好ましくは2
5wt%以下、より好ましくは25wt%〜10wt%
とし、その肉厚を0.06mm以下、好ましくは0.0
4mm以下、より好ましくは0.035mm〜0.00
5mmとし、繊維目付量を40g/m2 以下、好ましく
は35g/m2 以下、より好ましくは35〜10g/m
2 とする。なお、軸方向繊維層は、上記した層より同等
以上に厚くしたプリプレグシートを巻回して構成するの
が良い。このようなプリプレグシートを用いることで、
曲げ剛性を効率良く向上でき、成形作業が行いやすくな
る。また、巻回数は、半端な巻回数よりも整数回の巻回
数にすると方向性や偏肉を防止することができる。な
お、各プリプレグシートの巻回位置や巻回数等について
は任意に設定しても良い。
【0043】また、図1および図5に示されるプリプレ
グシート11を、斜向プリプレグシートにしても良い。
その斜向シートは、1枚(繊維の引揃方向が一方向の
み)でも良いし、2枚を引揃方向がクロスするようにし
それぞれの巻回初期位置が周方向にずれるように重ね合
わせたものでも良い。あるいはプリプレグシート11を
斜向させた重合プリプレグシートとしても良い。この場
合、そのようなプリプレグシートによって形成される斜
向繊維層の厚さが0.1mm以下、好ましくは0.07
mm以下、より好ましくは0.04mm以下とするのが
良い。また、プリプレグシート11は、最外層や最内
層、あるいはプリプレグシート3と5の間、プリプレグ
シート5と7の間、プリプレグシート7と9の間等に巻
回しても良い。ただし、トルクの向上等の効率を考慮す
ると、プリプレグシート9より外側に巻回するのが好ま
しい。なお、プリプレグシート11によって形成される
層の軸方向長さを、細径部のシャフト先端から200m
m〜500mmの範囲に巻回することで、シャフトのト
ルクを効率良く小さくすることができる。しかし、この
ような範囲に限らず、それ以上長い範囲で巻回しても良
いし、シャフト全長に亘って巻回したり、中間部分のみ
や、元側部分、例えば握部のみに巻回しても良い。ある
いは、先端側に斜向プリプレグシートを巻回し、基端側
に周方向プリプレグシートを巻回しても良い(斜向プリ
プレグシートと周方向プリプレグシートを軸方向に分け
る)。この場合、各プリプレグシートの長さ、配分は任
意に調整することができる。
【0044】また、プリプレグシート11を斜向プリプ
レグシートによって構成し、これを斜向プリプレグシー
ト7よりも外側に巻回する場合、ねじり負荷時の剪断ひ
ずみ量が斜向プリプレグシート7よりも大きい量にな
る。したがって、斜向プリプレグシート11を、斜向プ
リプレグシート7の強化繊維よりも破断伸度が大きい強
化繊維で構成するか、あるいは破断伸度が大きくても、
破断しないような方向に引揃えて構成するのが良い。斜
向プリプレグシート11に用いる強化繊維は、斜向プリ
プレグシート7の強化繊維よりも、5%以上、好ましく
は10%以上破断伸度の大きい材料を用いるのが良い。
これによりねじり強度の向上が図れる。
【0045】しかし、一般的には、破断伸度が大きい材
料は、弾性率が小さいことが多いため、比弾性を上げる
ために樹脂含浸量を少なく(繊維比率を多く)するのが
良く、35wt%以下、好ましくは30wt%以下、よ
り好ましくは10wt%〜25wt%にするのが良い。
これによりねじり剛性を向上できる。なお、プリプレグ
シートの肉厚は、前述したように、0.06mm以下、
好ましくは0.04mm以下、より好ましくは0.03
5mm〜0.005mmにすると良い。
【0046】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されることはな
く、種々変形することが可能である。例えば、各プリプ
レグシートの強化繊維としては、炭素繊維を用いたが、
それ以外にもガラス、ボロン、アラミド、アルミナ等、
有機繊維や無機繊維を用いることができる。また、上述
したように、本発明は、斜向繊維層を構成するプリプレ
グシートの肉厚を軸方向繊維層を構成するプリプレグシ
ートより薄くすること、シャフトの略中央部分の斜向繊
維層の肉厚を厚くすること(各引揃方向に少なくとも夫
々2層以上)、斜向繊維層を構成するプリプレグシート
を重合する際、その巻回初期位置をずらすこと等、斜向
繊維層を構成するプリプレグシートの特定の構成に特徴
がある。このため、それ以外の各プリプレグシートにお
ける強化繊維の弾性率、樹脂含漫量、繊維の目付け量、
厚さ、プライ数については、単に一例を示したに過ぎな
いのであり、これらの具体的な構成については、上述し
た実施の形態の構成以外にも、ゴルフクラブの番手、要
求特性等に応じて、種々変形することができる。例え
ば、プリプレグシート3,15のような部分的補強のた
めの補助プリプレグシートについて、上述した構成のよ
うに、繊維の引揃方向を軸方向とする以外にも、交差状
にした傾斜状の繊維方向としたり、周方向に引揃えた
り、あるいはこれらを組み合わせて構成しても良い。特
に組み合わせて用いる場合は、本体プリプレグシート、
例えば、プリプレグシート7,9,13よりも薄肉厚に
するのが良い。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、シャフトの破損が防止
されて高強度のゴルフクラブにできると共に、強度のば
らつきが少なく、安定した強度のゴルフクラブが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図であり、芯
金に対して巻回されるプリプレグシートの配置構成例を
示す図。
【図2】図1のプリプレグシートの配置構成によって形
成されるシャフトを示す図。
【図3】図2に示したシャフトにヘッドとグリップを取
り付けて構成されたゴルフクラブを示す図。
【図4】シャフトの略中央部における断面楕造を示す
図。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図であり、
(a)は芯金に対して巻回されるプリプレグシートの配
置構成例を示す図、(b)は斜向繊維層を構成するプリ
プレグシートの重合状態を示す図。
【符号の説明】
1 芯金 3,15 プリプレグシート(補強層) 5,7,9,11,13 プリプレグシート(本体層) 20 シャフト 25 クラブヘッド 40 ゴルフクラブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:08 B29L 31:52

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維を一方向に引揃えて合成樹脂を
    含浸させたプリプレグシートを巻装したシャフトを備え
    たゴルフクラブにおいて、 前記シャフトは、シャフトの軸方向に対して強化繊維の
    引揃方向が斜向したプリプレグシートを、引揃方向がク
    ロスするように重ね合わせて巻回することで構成された
    斜向繊維層を備えており、この斜向繊維層を構成するプ
    リプレグシートの肉厚を0.06mm以下にしたことを
    特徴とするゴルフクラブ。
  2. 【請求項2】 強化繊維を一方向に引揃えて合成樹脂を
    含浸させたプリプレグシートを巻装したシャフトを備え
    たゴルフクラブにおいて、 前記シャフトは、シャフトの軸方向に対して強化繊維の
    引揃方向が斜向したプリプレグシートを、引揃方向がク
    ロスするように重ね合わせて巻回することで構成された
    斜向繊維層を備えており、この斜向繊維層は、その巻回
    数がシャフトの先端部と基端部とで異なると共に、シャ
    フト全長に対する先端から40%〜60%の範囲におい
    て、各引揃方向に夫々2層以上巻回して構成されている
    ことを特徴とするゴルフクラブ。
  3. 【請求項3】 強化繊維を一方向に引揃えて合成樹脂を
    含浸させたプリプレグシートを巻装したシャフトを備え
    たゴルフクラブにおいて、 前記シャフトは、シャフトの軸方向に対して強化繊維の
    引揃方向が斜向したプリプレグシートを略直交する方向
    に重ね合わせて構成された重合プリプレグシートによる
    斜向繊維層を備えており、この斜向繊維層は、前記重合
    プリプレグシートを2枚以上用いることで構成されてお
    り、各重合プリプレグシートは、それぞれ巻回初期位置
    が周方向にずれて巻回されることを特徴とするゴルフク
    ラブ。
  4. 【請求項4】 強化繊維を一方向に引揃えて合成樹脂を
    含浸させたプリプレグシートを巻装したシャフトを備え
    たゴルフクラブにおいて、 前記シャフトは、シャフトの軸方向に対して強化繊維の
    引揃方向が斜向したプリプレグシートを略直交する方向
    に重ね合わせた重合プリプレグシートによる斜向繊維層
    を備えており、この斜向繊維層の厚さを0.1mm以下
    とし、かつその樹脂含浸量を35wt%以下にしたこと
    を特徴とするゴルフクラブ。
  5. 【請求項5】 強化繊維を一方向に引揃えて合成樹脂を
    含浸させたプリプレグシートを巻装したシャフトを備え
    たゴルフクラブにおいて、 前記シャフトは、軸方向繊維層と、さらに、斜向繊維
    層、又は斜向繊維層および周方向繊維層とを備えてお
    り、 前記斜向繊維層及び周方向繊維層の少なくとも一方の層
    は、樹脂含浸量が30wt%以下で厚さが0.05mm
    以下となるように構成したことを特徴とするゴルフクラ
    ブ。
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