JPH1170344A - 電気集塵装置及びそれに使用される集塵極 - Google Patents

電気集塵装置及びそれに使用される集塵極

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JPH1170344A
JPH1170344A JP16944498A JP16944498A JPH1170344A JP H1170344 A JPH1170344 A JP H1170344A JP 16944498 A JP16944498 A JP 16944498A JP 16944498 A JP16944498 A JP 16944498A JP H1170344 A JPH1170344 A JP H1170344A
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Hiroshi Terai
寛 寺井
Takuya Yamamoto
卓也 山本
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーオフラッピングを行っても集塵性能の
低下を抑制することのできる電気集塵装置を提供するこ
と。 【解決手段】 複数の集塵極51〜55により区分され
るガス流路毎に、放電極をグループ分けして配置する。
各グループの放電極はグループ毎にダイオードを経由し
て共通の電源装置から出力電圧の供給をうけるように接
続すると共に、スパーク電極21を接続し、該スパーク
電極をハンマー20の槌打の際の通過部に該ハンマーと
の間でスパークするように配置し、前記放電極の各グル
ープは、その両側の集塵極が槌打される直前に地絡され
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気集塵装置に関
し、特に集塵極の捕集ダストをハンマーにより払い落と
す槌打装置を備えた電気集塵装置及びこれに使用される
集塵極の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図8、図9を参照して、従来の電気集塵
装置の槌打装置及び集塵極と放電極との電気的接続につ
いて説明する。電気集塵装置の荷電区分1室には、複数
枚の接地された集塵極51〜55(図8では、55は図
示省略)がある。各集塵極にはハンマーによる槌打装置
が設けられる。ハンマー60は、共通のシャフト61に
フォークエンド62とピン63とで回転自在に取り付け
られている。シャフト61の図中矢印方向の回転により
最高点まで引き上げられたハンマー60は、重力により
落下して各集塵極の最下点付近に設けられた集塵極たた
き座64をたたくようになっている。
【0003】複数のハンマー60はシャフト61に取付
け角度をかえて取り付けられており各ハンマー60は順
に一つずつ集塵極たたき座64をたたく。これは、槌打
により落とされた捕集ダストの再飛散が複数の集塵極で
同時に発生しないようにするためである。すなわち、捕
集ダストの再飛散を分散して、煙突より大気中に出る再
飛散パフ(目視される煙のかたまり)を目だたなくする
ためである。
【0004】一方、隣り合う集塵極の間には複数の放電
極が配置される。図9では、集塵極51と52との間に
4つの放電極A1〜A4が配置されている。同様に、集
塵極52と53との間に4つの放電極B1〜B4が、集
塵極53と54との間に4つの放電極C1〜C4が、集
塵極54と55との間に4つの放電極D1〜D4がそれ
ぞれ配置されている。そして、すべての放電極は共通に
電源装置70に接続されている。電源装置70は、変圧
器71、その二次出力側に接続された整流ブリッジ回路
72、スパーク検出用分圧器15を含む。変圧器71の
一次入力側には交流電源ACが2つの制御用サイリスタ
75を介して接続されている。制御用サイリスタ75
は、制御装置76により導通角が制御され、その結果、
変圧器71の二次出力電圧が制御される。すなわち、制
御装置76は、スパーク検出用分圧器15の電圧を監視
して放電極と集塵極間のスパークの有無を判別し、二次
出力電圧(電流)が適正な値になるような制御を行う。
【0005】なお、図8、図9では集塵極は5枚、放電
極は16本しか示していないが、実際の電気集塵装置で
は、集塵極は、ガス流に対して横に数十枚並び、放電極
は数百本になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図8で説明したよう
に、電気集塵装置では集塵極表面に捕集されたダスト
は、槌打装置で集塵極に振動を与えることで払い落とさ
れる。払い落とされたダストは塊りとなって、下方のホ
ッパーへ落下するが、一部は、ガス流へ持ち去られる。
この現象は、槌打再飛散と呼ばれ、集塵の性能向上にと
って障害となっていた。また、槌打しても集塵極に捕集
されたダストを完全に払い落とせない場合もあり、集塵
極にダストが残ってしまうと、槌打によらないでも自然
に再飛散するダストが多くなり、また、逆電離現象やス
パークの原因となることもある。したがって、槌打再飛
散が少なくかつ、ダストの払い落としがより完全な槌打
方法が求められている。
【0007】従来、槌打は、集塵装置の放電極に電圧を
印加したまま行われて来た。しかし、より完全な払い落
としのため、槌打時は、電圧を通常より低くする減電圧
槌打や、完全に荷電を止めて槌打するパワーオフラッピ
ング(power offrapping)が行われる
こともある。
【0008】しかし、減電圧槌打やパワーオフラッピン
グでは、荷電電圧を低くしたり荷電を停止するため、集
塵機能が著しく低下したり全く発揮されなくなってしま
う。
【0009】一方、槌打装置は、シャフト61がゆっく
り回転することで、複数のハンマー60が順次最高点ま
で引き上げられ、最高点から重力により落下して集塵極
を槌打する。シャフト61の回転は1回転に数分を要す
るので、減電圧槌打やパワーオフラッピングは数分以上
の時間行われ、この間、集塵性能が悪化してしまう。特
にパワーオフラッピングはこの問題のため、通常はほと
んど行われることがなく、行われるのは限定された条件
下でのみである。すなわち、電気集塵装置を備えたプラ
ントの操業がフルロードより大幅に低減されて、集塵性
能に十分余裕を生じた時であり、複数の荷電区分室から
なる集塵装置の1室を荷電停止しても集塵性能がまだ十
分確保できることが確実の場合にのみ必要に応じて行わ
れる。
【0010】以上述べたように、従来の槌打方法による
荷電したままの槌打では、完全な槌打による払い落しが
できないという問題とともに、槌打再飛散が大きいとい
う事実が本発明者によって発見された。本発明者は、集
塵装置の集塵極から槌打により剥離するダストの動く様
子を観察する装置を開発し、剥離ダストの挙動を詳しく
調べた。
【0011】以下に、このことを図10を参照して説明
する。観察の結果によると、放電極のコロナ発生部に対
面する集塵極51、52では、捕集されたダスト層の厚
さがかなり厚くならないと槌打ではほとんど剥離しない
(図10のA部)。
【0012】一方、それより離れコロナ発生部に対面し
ない集塵極面からは、ダストは剥離するものの空間に飛
び出してしまう(図10のB部)。このため、A部では
払い落しが不完全でかつ、B部では槌打再飛散を生ずる
ことが判明した。
【0013】A部、B部でこのような違いが生ずる理由
は、以下のように考えられる。A部のダスト層表面に
は、放電極近傍で生じた負イオンが大量に衝突し、負電
荷を与えるため負電荷が蓄積する。このため集塵極5
1、52に強く吸引されており槌打によっても剥離しに
くくなっている。
【0014】B部では、負イオンの衝突が少ない。この
場合は、放電極と集塵極51、52の間に印加されてい
る電圧が作る電界により集塵極(金属部分)よりダスト
層表面に向って正電荷が引き出され、ダスト層表面に正
電荷として蓄積する。B部では、外部空間からの負イオ
ンの衝突が少ないので、このダスト層表面の正電荷は中
和されないで残る。このためダスト層は、放電極へ吸引
される力が作用しており、槌打で剥離すると空間に飛び
出して再飛散してしまうこととなる。
【0015】減電圧槌打では、負イオンが少なくなるた
めB部の再飛散がより広い面積で起る。パワーオフラッ
ピングでは、荷電を停止した直後は、放電極と集塵極の
間の静電容量のため電圧がかなり長期間残留する。電圧
の残留期間においては槌打再飛散は集塵極の全面で起
る。
【0016】以上のような理由で、これまでの方法で
は、槌打再飛散が少なくかつ、ダストの払い落としがよ
り完全な槌打は実現されていない。
【0017】上記のような事情にもかかわらず、電気集
塵装置には、近年10mg/m3 N以下の低い出口ダス
ト濃度の達成が求められるようになり、槌打による再飛
散を低減することが不可欠となっている。
【0018】上記のような問題点に鑑み、本発明の課題
は、槌打による再飛散を低減することにより電気集塵装
置の高性能化を達成することにある。
【0019】本発明の他の課題は、パワーオフラッピン
グを行っても集塵性能の低下を抑制することのできる電
気集塵装置を提供することにある。
【0020】本発明の更に他の課題は、上記の電気集塵
装置に適した集塵極を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明による電気集塵装
置は、複数の集塵極のそれぞれにハンマーによる捕集ダ
ストの槌打装置を設けた電気集塵装置において、前記複
数の集塵極により区分されるガス流路毎に、放電極をグ
ループ分けして配置し、各グループの放電極はグループ
毎にダイオードを経由して共通の電源装置から出力電圧
の供給をうけるように接続すると共に、スパーク電極を
接続し、該スパーク電極を前記ハンマーの槌打の際の通
過部に該ハンマーとの間でスパークするように配置し、
前記放電極の各グループは、その両側の集塵極が槌打さ
れる直前に上記スパークにより地絡されるような地絡装
置を有することを特徴とする。
【0022】上記の電気集塵装置においては、前記放電
極のグループのいずれかが地絡されると、これをスパー
クとして検出する検出手段と、該検出手段によりスパー
クが検出されると前記電源装置による荷電を0.008
〜1秒間停止するよう制御する制御装置を有することを
特徴とする。
【0023】また、前記ハンマーは、槌打の直前に前記
スパーク電極との間でスパークすると共に接触するよう
に構成されていても良い。
【0024】本発明によればまた、1つの荷電区分室に
ついて複数の集塵極を備え、該複数の集塵極のそれぞれ
にハンマーによる捕集ダストの槌打装置を設けた電気集
塵装置において、前記複数の集塵極に対する複数のハン
マーによる槌打を同時に行うように構成し、当該荷電区
分室のすべての放電極は共通の電源装置から出力電圧の
供給をうけるように接続されると共に、共通の1個のス
パーク電極にも接続され、該スパーク電極を前記ハンマ
ー槌打の直前に、該ハンマーあるいは該ハンマーと一体
的に運動する連動体との間でスパークするように配置
し、前記放電極の各グループは、集塵極が槌打される直
前にスパークにより地絡されるような地絡装置を有する
ことを特徴とする電気集塵装置が提供される。
【0025】また、前記放電極が地絡されると、これを
スパークとして検出する検出手段と、該検出手段により
スパークが検出されると前記電源装置による荷電を0.
008〜1秒間停止するよう制御する制御装置を有する
ことを特徴とする。
【0026】更に、前記ハンマーあるいは該ハンマーと
一体的に運動する連動体は、槌打の直前に前記スパーク
電極との間でスパークすると共に接触するように構成さ
れていても良い。
【0027】本発明によれば更に、前記各集塵極の構造
が、2枚の板を数mm以上の間隔で平行に並べその間に
ダスト落下路を形成して成り、前記板はルーバ状になっ
ており、該ルーバは、2枚の板の外側のガス流路側の上
方から落下する捕集ダストを受けとると、これを前記ダ
スト落下路へ導くような形状であることを特徴とする集
塵極が提供される。
【0028】
【発明の実施の形態】図1、図2を参照して、本発明の
第1の実施の形態について説明する。便宜上、本形態に
おいても集塵装置の荷電区分1室につき、5枚の集塵極
51〜55と、各集塵極の間に放電極A1〜A4、B1
〜B4、C1〜C4、D1〜D4が配置されている場合
について説明する。それ故、図1、図2において、図
8、図9と同じ部分には同一番号を付して、詳細な説明
は省略する。図2において、集塵装置の荷電区分1室に
つき、上記の放電極に1つの電源装置70から高電圧を
供給する電源出力母線11がある。放電極は、隣接する
2枚の集塵極に挟まれたガス流路(以下、ダクトとい
う)毎に、グループ分けして配置されている。一つのダ
クトには数本の放電極があり、これらは互いに直列接続
された放電極群をつくる。各ダクト毎の放電極群は、そ
れぞれにダイオード12を経由して電源出力母線11か
ら電源の供給を受けるようになっている。各ダイオード
12に直列に抵抗13を接続したり、あるいは電源装置
70と電源出力母線11との間に抵抗14を挿入して、
後述するスパーク時にダイオード12を流れる電流が過
大にならないよう制限する。図2には抵抗13、14の
両方を接続しているが、一方だけでも良い。
【0029】制御装置10は、変圧器71の二次出力電
圧を制御すると共に、スパーク検出用分圧器15からの
検出電圧でスパークの有無を判別し、スパークがあった
ことを判別すると、電源装置70を短時間オフとする。
【0030】図1において、本形態による槌打装置は、
ハンマー20の形状とスパーク電極21において従来装
置と異なる。従来装置と同様、集塵極1枚毎にハンマー
20が設けられ、ハンマー20が落下して集塵極たたき
座64を槌打する。ハンマー20は、左右に突出した頭
部20−1を有する。ハンマー20、シャフト61はそ
れぞれ、導電性材料で作られ、アースに接続されてい
る。スパーク電極21は、ハンマー20の頭部20−1
が落下する通過路から数cm(例えば、5cm)以下の
距離に、ハンマー20が槌打する集塵極の図中右側のダ
クトの放電極に接続されたものと、同じく図中左側のダ
クトの放電極に接続されたものとがある。このように、
スパーク電極21は各ハンマー毎に設けられる。ただ
し、あるダクトの放電極に接続されたスパーク電極は、
その右側の集塵極のハンマー用及びその左側の集塵極の
ハンマー用のもので兼用されてもよい。
【0031】なお、図3の如く、スパーク電極21は、
ハンマー20の頭部20−1の落下の通過路に接触する
位置に設けてもよい。このようにすれば、ハンマー20
が落下の際、放電極に機械的に連結されたスパーク電極
21をたたくので、放電極を槌打する機能を持たせるこ
とができる。なお、放電極は支持枠65で支持されてい
る。
【0032】図2に戻って、制御装置10はスパーク判
別機能を有し、スパークがあると変圧器71の1次側の
制御用サイリスタ75を制御して、電源装置70の出力
を0.008〜1秒間停止する。
【0033】更に、図4に示すように、各集塵極の構造
は、集塵極51について言えば、2枚の板51−1を数
mm以上の間隔で平行に並べ、その間にダスト落下路5
1−2を形成する。2枚の板51−1にはそれぞれ、ル
ーバ(louver)状のポケット部51−2を有す
る。各ポケット部51−2は、2枚の板51−1の外側
ガス流路側の上方から落下する捕集ダストを受けるよう
に外側ガス流路側の上方開口していると共に、受けとっ
た捕集ダストを内側のダスト落下路51−3へ導くよう
に下方へ向けて開口している。
【0034】2枚の板51−1の間にはまた、補強を兼
ねた仕切板51−4が複数枚設けられている。仕切板5
1−4が無いと、ガス流路のガスがポケット部51−2
の上流側開口からダスト落下路51−3へ入り、ポケッ
ト部51−2の下流側開口から再びガス流路へ戻るガス
流れを生ずる可能性がある。そして、ダスト落下路51
−3の落下ダストがガスに随伴される原因となる。仕切
板51−4はこのような問題点を解消するものである。
【0035】ダスト落下路51−3の下端はガス流路よ
り十分下方のホッパー(図示せず)内へ開いており、落
下した捕集ダストはホッパー内へ導かれる。
【0036】なお、ここで使用する板51−1は、長期
間使用しても錆びないで表面が滑らかであることが望ま
しく、このため、材質はステンレススチールが望まし
い。
【0037】図2のダイオード12は、ダイオードの特
性上、100℃以下の環境で用いるのが好ましい。通
常、集塵されるガスの温度は100℃以上のことが多
く、かつ、汚れたガスであるので、ダイオード12はこ
れを避けて、100℃以下の清浄な空気中におく必要が
ある。
【0038】図5に示すように、集塵装置の上部には、
100℃以下の清浄な空気でパージした碍子室66を設
けてあるので、電源出力母線11及び各ダクト毎の放電
極の支持碍子67、ダイオード12、電流制限用の抵抗
13あるいは14はこの碍子室66に設置する。なお、
従来の接続では、放電極の支持碍子は、すべての放電極
を正しい位置に保持する放電極支持枠の四隅を支持する
ため4個でよかった。本形態では、各ダクト毎に放電極
支持枠65を1箇所又は2箇所で支持する必要があり、
放電極の支持碍子は、ダクト数あるいは、ダクト数の2
倍の個数が必要である。ただし、放電極の支持碍子1個
あたりが支持する放電極重量(質量)は、従来の数十分
の一となるため、碍子の機械的強度は小さくてよい。
【0039】図2のような接続と図1あるいは図3のス
パーク電極と、さらに図4の構造の集塵極を組み合わせ
たものが本発明の一つの構成例である。図2のような接
続と、図1あるいは図3のスパーク電極であれば、集塵
極の形状は、図4のようなルーバー状のものに限定され
るものではない。
【0040】次に、作用について説明する。図2の接続
に図1あるいは図3のスパーク電極を組み合わせる本形
態では、集塵極槌打のハンマー20が落下する際、槌打
される集塵極の右側、及び左側ダクトの放電極は、その
スパーク電極と落下するハンマー20が接近してスパー
クするか、あるいは接触するため、地絡される。そして
この直後、ハンマー20は集塵極たたき座64をたたく
ので、放電極電圧0の状態で槌打されることになり、各
集塵極の捕集ダストは、効率良く剥離される。
【0041】放電極が地絡される結果、この放電極のみ
ならず、ダイオード12を通じて電源出力母線11も電
圧が降下し、制御装置10はスパークを検出し、出力を
0.008〜1秒間停止する。このため放電極の電圧は
0(アース電位)のまま保たれる。このため、スパーク
してから、ハンマー20が槌打するまで、わずかに時間
遅れがあっても放電極電圧は確実に0(アース電位)の
ままで槌打される。
【0042】一方、槌打される集塵極の両側ダクト以外
のダクトの放電極は、その両側集塵極との間の静電容量
により電荷を蓄えている。電源出力母線11の電圧が降
下しても、さらに電源供給停止により電源出力母線11
が無電圧となっても、これら静電容量のため保存される
放電極電圧は、それぞれ接続されたダイオード12に逆
バイアスを与えてこれをOFFとするので、放電極の蓄
積電荷は、電源出力母線11へは逃げないが、放電極の
コロナ放電により、徐々に消失する。これに伴い放電極
電圧は徐々に低下し、コロナ開始電圧まで低下するのに
0.1〜0.5秒かかる。この間、微弱ながらもコロナ
は持続し、また、コロナ開始電圧以上の電圧が確保され
ているので、集塵作用は継続して行われる。
【0043】本形態では、槌打される集塵極の両側ダク
ト以外のダクトでは、放電極コロナが持続して、ダスト
の捕集が継続されるので、ダクト数が多ければ槌打され
る集塵極両側の放電極が無電圧となっても全体の集塵性
能の低下はわずかで済む。また、槌打は、放電極電圧を
0として行われるのでダストが剥離しやすく、かつ剥離
ダストがホッパーへまっすぐ落下する。これにより、再
飛散の少ないダストの払い落しが達成される。これにつ
いて以下に詳述する。
【0044】前に述べたように、直流電圧が印加されて
いる集塵装置において、集塵極に捕集されたダスト層に
は、放電極の負電圧が作る電界により、広い領域におい
て正電荷が誘起され、ダスト層表面に正電荷が蓄積して
いる。電圧を印加したまま集塵極を槌打すると、剥離し
たダストは正電荷を帯電しているので、放電極へ向かっ
て飛び出し、ガス流に随伴され再飛散する。
【0045】一方、放電極の電圧を0として集塵極を槌
打すると、剥離したダストは、放電極へ向かって飛び出
さず、そのまま集塵極面に沿って落下する。これは、電
界が無いため剥離したダストが放電極へ向かって吸引さ
れないためと考えられる。
【0046】本形態によれば、集塵極が槌打される時、
その集塵極の両側のダクトの放電極は電圧が0となって
おり、集塵極より剥離したダストはそのまま集塵極面に
沿って落下する。電圧が0となっている期間は0.00
8〜1秒と短いので、ダストは落下の途中で再び負イオ
ンにより帯電し、集塵極に捕集される。このようにし
て、集塵極捕集ダストは槌打ごとに剥離、落下、再捕集
をくり返しながら集塵極表面に沿って下方へ少しずつ移
動し、図4の集塵極のポケット部51−2の中へ入り込
む。このダストは次回の槌打で集塵極のダスト落下路5
1−3へ払い落とされ、ホッパーへ落下する。このよう
にして、ダストは再飛散することなく、ホッパーへ集め
られる。
【0047】一方、集塵極が槌打される時、槌打される
集塵極両側のダクトの他のダクトにある放電極は、集塵
作用が継続して行われるので、集塵装置全体の集塵性能
の低下はわずかで済む。
【0048】しかしながら、わずかとは言え、集塵性能
の低下は好ましいことではない。このわずかな低下は、
槌打される集塵極の両側のダクトの他のダクトにある放
電極の電圧は、荷電休止期間中にきわめて微弱なコロナ
しか生じない電圧まで低下することに起因している。
【0049】図6、図7を参照して、上記の第1の実施
の形態における集塵性能のわずかな低下をも防止するこ
とのできる本発明の第2の実施の形態について説明す
る。本形態においても集塵装置の荷電区分1室につき、
5枚の集塵極51〜55(ただし、図6では55は図示
省略)と、各集塵極の間に放電極A1〜A4、B1〜B
4、C1〜C4、D1〜D4が配置されている場合につ
いて説明する。それ故、図6、図7において、図1、図
2と同じ部分には同一番号を付して、詳細な説明は省略
する。図6において、この第2の実施の形態は、第1の
実施の形態とは、以下の点で異なる。まず、シャフト6
1に対する5つのハンマー20の取り付け角度を同じに
している。これは、5つのハンマー20による5枚の集
塵極の槌打を同時にするためである。また、5つのハン
マー20のうち、図1で説明した頭部20−1を両側に
有するものを1つのみとしている。そして、この頭部2
0−1を持つハンマー20の落下路に近接した位置に、
放電極に接続されたスパーク電極21を設けている。
【0050】一方、図7において、すべての放電極A1
〜A4、B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4は、図2
で説明したダイオード12及び抵抗13を介さずに電源
装置70に接続されている。勿論、抵抗14も不要であ
る。
【0051】上記のように、本形態における集塵極の槌
打装置は、各ハンマー20が全て同時に槌打するよう取
り付け角度をそろえてシャフト61に取り付けられてい
る。なお、全てのハンマー20が確実に同時に落下する
ように、連結棒20−2によりハンマー20を互いに連
結しても良い。また、図6では、1つのハンマー20の
落下路の近傍に、すべての放電極と電気的に接続された
スパーク電極21を設けているが、連結棒20−2ある
いはハンマー20とほぼ同じタイミングで落下するよう
設けられた別のハンマー状のもの(連動体)の落下路の
近傍に、すべての放電極と電気的に接続されたスパーク
電極を設け、連結棒20−2あるいは、ハンマー状のも
のが落下の際そのスパーク電極との間でスパークを生ず
るようにしても良い。
【0052】第1の実施の形態と同様、スパーク電極2
1においてスパークにより放電極が地絡されると、これ
をスパークとして検出するスパーク検出用分圧器15を
備え、スパークを検出すると、電源装置70の出力を
0.008〜1秒間休止するよう制御する。
【0053】なお、この第2の実施の形態では、図2に
示されたようなダイオード12は使用しない。一般に、
ダイオードは100℃以上の高温雰囲気下では使用でき
ないという制限があるが、本形態でこのような制限を受
けない利点がある。
【0054】第2の形態による槌打装置では、シャフト
61の回転により全てのハンマー20は同時に最高点に
引き上げられる。そして、全てのハンマー20は連結棒
20−2で互いに結ばれているため同時に重力によって
落下し、各集塵極51〜54の最下点付近に設けられた
集塵極たたき座64を全て同時にたたく。ハンマー20
のうち、頭部20−1を持つハンマーは、落下の途中で
スパーク電極21の近傍を通過し、この際、このハンマ
ーとスパーク電極21の間でスパークが発生する。この
スパークをスパーク検出用分圧器15を用いて検出し、
制御装置76は、電源装置70の一次回路のサイリスタ
75の点弧を0.008秒(商用周波数の半サイクル)
〜1秒の期間休止する。これにより、この期間、電源装
置70は出力を休止する。
【0055】上記スパークによりすべての放電極は地絡
されるので電圧が零となる。さらに、スパーク後0.0
08秒〜1秒の期間、電源装置70の出力が休止してい
るので、この期間、すべての放電極の電圧は零である。
上記スパークは、ハンマー20の落下の途中で生ずるの
で、ハンマー20が集塵極たたき座64をたたく瞬間
は、すべての放電極の電圧は零である。すなわち、電圧
零の状態で槌打が行われるので、従来のパワーオフラッ
ピングと同様、十分なる槌打によるダストの払い落しが
なされる。しかも、荷電休止の期間が0.008〜1秒
と短く、かつ、荷電休止が全ての集塵極槌打を一括して
行うため、回数(頻度)もきわめて少ない。荷電休止に
よりわずかながら集塵性能の低下があるが、きわめて少
ない最少限の頻度でかつ、ごく短時間のみであり、集塵
装置全体の集塵性能を損なうものではない。集塵装置の
性能を全ての集塵極が一通り槌打される周期より十分長
い期間の時間平均で評価するならば、本第2の形態はト
ータルとしての荷電休止期間が最少であり、最も集塵性
能が低下しない方法になっている。
【0056】さらに重要なことは、本第2の形態では、
槌打される時、放電極と集塵極の間の電圧が零のため、
電界も消失していることである。このため集塵極の捕集
ダスト層に図10の如く、正電荷が蓄積、残留している
部分があっても、これが剥離した時、空間へ飛び出すこ
とが無く、塊りのままでまっすぐ下へ落下する。このた
め、ガス流の中へ飛び出して再飛散することが無い。さ
らに、集塵極を図4の毎くルーバー状とすることで、剥
離ダストは、数センチメートル落下するだけでルーバー
のポケット部51−2へ入り、そこからダスト落下路5
1−3へ導かれ、ダスト落下路51−3を落下してホッ
パーへ落ちる。ダスト落下路51−3は、ガス流路とは
隔絶されているので、落下の際ダストがガス流に随伴さ
れることは無い。
【0057】以上述べたように本第2の形態は、槌打に
より剥離したダストがガス流に随伴される槌打再飛散が
きわめて少ない方式である。そのため、全集塵極を同時
に槌打しても下流の煙突からのパフ(目視される煙の塊
り)は発生しない。
【0058】次に、スパーク検出後の荷電休止期間の長
さについて説明する。
【0059】スパークが落下途中のハンマー20とスパ
ーク電極21の間で発生してから、すべてのハンマー2
0が落下して有効な槌打をするまでの期間は、少なくと
も荷電休止させる必要がある。この期間は、商用周波数
の半サイクル期間(50Hz地区では0.01秒、60
Hz地区では0.0083秒)よりは長いと考えられる
し、電源装置70の一次側サイリスタ点弧を休止させる
方法では半サイクル休止が最小休止期間となる。
【0060】一方、休止期間が長すぎると、集塵装置の
性能が発揮されない期間が生ずる。ガス流が集塵装置の
1荷電室を通過するのに要する時間は、3秒〜6秒程度
であり、この期間荷電休止するとこの期間の始まりと同
時に集塵装置の当該荷電室に入ったガスは全く集塵され
ずに当該荷電室を通過してしまう。それ故、荷電休止期
間は当該荷電室のガス通過に要する時間の1/3程度が
限度と思われる。よって、荷電休止の期間は1秒程度を
こえないようにすべきである。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、槌打直
前にスパークを生ぜしめて、集塵装置の電圧(放電極電
圧)を瞬時に零とし、さらに0.008〜1秒荷電を休
止し、これによる集塵装置電圧の零の期間に集塵極の槌
打を行うことで槌打再飛散を防止することができる。
【0062】また、複数の集塵極槌打を同時に行うこと
で、集塵極槌打の際の電圧零の期間を全集塵極に対して
1回で済ますことができ、これにより電圧零の期間の頻
度を最小限にして、集塵性能低下を最小限とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による集塵装置にお
ける槌打装置の構成とスパーク電極を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による集塵装置の電
源装置と放電極との間の電気的接続を示した図である。
【図3】図1に示した槌打装置の他の例を示した図であ
る。
【図4】本発明に使用される集塵極の構造を示した図で
ある。
【図5】本発明による集塵装置の電極配置を説明するた
めの図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による集塵装置にお
ける槌打装置の構成とスパーク電極を示した図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による集塵装置の電
源装置と放電極との間の電気的接続を示した図である。
【図8】従来の集塵装置における槌打装置の構成を示し
た図である。
【図9】従来の集塵装置の電源装置と放電極との間の電
気的接続を示した図である。
【図10】集塵極捕集ダスト層の蓄積電荷について説明
するための図である。
【符号の説明】
10 制御装置 11 電源出力母線 13、14 電流制限用の抵抗 15 スパーク検出用分圧器 20 ハンマー 21 スパーク電極 51〜55 集塵極 A1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4
放電極 66 碍子室 67 放電極支持碍子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B03C 3/88 B03C 3/88

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の集塵極のそれぞれにハンマーによ
    る捕集ダストの槌打装置を設けた電気集塵装置におい
    て、前記複数の集塵極により区分されるガス流路毎に、
    放電極をグループ分けして配置し、各グループの放電極
    はグループ毎にダイオードを経由して共通の電源装置か
    ら出力電圧の供給をうけるように接続すると共に、スパ
    ーク電極を接続し、該スパーク電極を前記ハンマーの槌
    打の際の通過部に該ハンマーとの間でスパークするよう
    に配置し、前記放電極の各グループは、その両側の集塵
    極が槌打される直前に地絡されるような地絡装置を有す
    ることを特徴とする電気集塵装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気集塵装置において、
    前記放電極のグループのいずれかが地絡されると、これ
    をスパークとして検出する検出手段と、該検出手段によ
    りスパークが検出されると前記電源装置による荷電を
    0.008〜1秒間停止するよう制御する制御装置を有
    することを特徴とする電気集塵装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電気集塵装置において、
    前記ハンマーは槌打の直前に前記スパーク電極との間で
    スパークすると共に接触するように構成されていること
    を特徴とする電気集塵装置。
  4. 【請求項4】 1つの荷電区分室について複数の集塵極
    を備え、該複数の集塵極のそれぞれにハンマーによる捕
    集ダストの槌打装置を設けた電気集塵装置において、前
    記複数の集塵極に対する複数のハンマーによる槌打を同
    時に行うように構成し、当該荷電区分室のすべての放電
    極は共通の電源装置から出力電圧の供給をうけるように
    接続されると共に、共通の1個のスパーク電極にも接続
    され、該スパーク電極を前記ハンマー槌打の直前に、該
    ハンマーあるいは該ハンマーと一体的に運動する連動体
    との間でスパークするように配置し、前記放電極の各グ
    ループは、集塵極が槌打される直前に地絡されるような
    地絡装置を有することを特徴とする電気集塵装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電気集塵装置において、
    前記放電極が地絡されると、これをスパークとして検出
    する検出手段と、該検出手段によりスパークが検出され
    ると前記電源装置による荷電を0.008〜1秒間停止
    するよう制御する制御装置を有することを特徴とする電
    気集塵装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の電気集塵装置において、
    前記ハンマーあるいは該ハンマーと一体的に運動する連
    動体は、槌打の直前に前記スパーク電極との間でスパー
    クすると共に接触するように構成されていることを特徴
    とする電気集塵装置。
  7. 【請求項7】 1つの荷電区分室について複数の集塵極
    を備え、該複数の集塵極のそれぞれにハンマーによる捕
    集ダストの槌打装置を設けた電気集塵装置において、前
    記各集塵極の構造は、2枚の板を数mm以上の間隔で平
    行に並べその間にダスト落下路を形成して成り、前記板
    はルーバ状になっており、該ルーバは、2枚の板の外側
    のガス流路側の上方から落下する捕集ダストを受けとる
    と、これを前記ダスト落下路へ導くような形状であるこ
    とを特徴とする電気集塵装置用の集塵極。
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