JPH11707A - 圧延機の制御方法及び圧延機の制御装置 - Google Patents

圧延機の制御方法及び圧延機の制御装置

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JPH11707A
JPH11707A JP9235481A JP23548197A JPH11707A JP H11707 A JPH11707 A JP H11707A JP 9235481 A JP9235481 A JP 9235481A JP 23548197 A JP23548197 A JP 23548197A JP H11707 A JPH11707 A JP H11707A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多くのテーブルを用いずに、より多くのモデ
ル誤差発生因子となる圧延変数を考慮してモデル誤差を
推定可能とする 【解決手段】 圧延仕様入力部7は、鋼種、板厚、板
幅、スラブ寸法、仕上げ温度等の圧延に関する仕様を入
力する。圧延荷重計算処理部2は、これらの入力データ
に基づいて、圧延荷重式により圧延荷重を計算する。収
集されたデータの一部は、長期学習入力値記憶装置11
に記憶され、ニューラルネットワーク学習制御装置12
に入力されてニューラルネットワークによる処理がなさ
れて、鋼種、成分値等の変動が圧延荷重計算処理部に与
える誤差の程度が計算される。そして、計算されたパラ
メータは、長期学習処理部6に転記される。長期学習処
理部6の出力は圧延荷重学習修正処理部3に入力されて
圧延荷重計算処理部2の誤差を補正するのに使用され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は広くは種々の圧延
機の制御方法及び制御装置に関し、特に圧延モデルを有
する設定計算において、モデル誤差を学習制御により精
度良く修正し、正確な制御を行う圧延機の制御方法及び
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧延機の設定計算を行う場合、例えば圧
延機の板厚制御に関しては、特に非定常部である鋼板先
端部の板厚精度は、設定計算におけるロールギャップの
計算精度に大きく依存している。一般にロールギャップ
の設定方法は、材料塑性特性を記述する圧延荷重式
(1)と圧延機弾性特性を記述するケージメータ式
(2)の解で与えられるため、圧延荷重式とゲージメー
タ式には高いモデル精度が要求される。ゲージメータ式
と圧延荷重式の一例を以下に示す。
【0003】
【数1】 P = K(h−S) (2) ここに、Pは圧延荷重、bは板幅、R’は偏平ロール半
径、Hはスタンド入側板厚、hはスタンド出側板厚、k
P は平均変形抵抗、QP は圧延荷重係数、αは張力配分
係数、tf は前方ユニット張力、tb は後方ユニット張
力、Kはミル縦剛性定数、Sはロールギャップである。
【0004】しかし、モデル精度向上のために重要とな
る同定には、モデルを構成する圧延変数に基づき、その
係数を精度良く回帰する必要があるが、圧延変数は実測
不可能な場合が多く、誤差を生じる。そこで、設定計算
においてはモデルにより生ずる誤差を、事前に把握しモ
デルを修正することにより、次回以降の圧延精度を高め
る学習修正が一般に行われる。この学習修正には、短期
学習修正と呼ばれる方法と長期学習修正の2つの方法が
ある。前者は同一材質・同一ロッド内の材料を連続して
圧延する場合に、至近の圧延実績から計算したモデルの
誤差をセットアップ計算値に反映することにより、例え
ば圧延機の温度変化やロール摩耗などに伴う圧延状態の
変化により生ずるモデル誤差を吸収するものである。
【0005】後者は圧延材の仕様が変化した場合に、過
去に同一材質・同一ロッド内の材料を圧延した際に記憶
したモデルの誤差を、設定計算値に反映するものであ
る。
【0006】以下においては、その学習方法について圧
延荷重式を例に挙げて具体的に説明する。
【0007】荷重モデル誤差比Zkは板厚や温度等の実
測値を用いて、荷重を再計算した実績計算荷重PAと荷
重測定値Pの比(3)式で記述される。
【0008】Zk =P/PA …(3) さらに圧延材の圧延順番号をiとすると、i番目の材料
の短期学習係数Ziを、前材の短期学習係数とモデル誤
差比の指数平滑処理により決定する方法が一般的であ
り、平滑定数をaとすると(4)式により求められる。
【0009】 Zi = (1−a)Zi-1 +aZk …(4) モデル誤差のうち変形抵抗や圧延荷重係数に関わる部分
は、鋼種や成分、サイズにより一義的に定まるため、前
材と仕様が同一の場合は、短期学習修正により十分にそ
の誤差を吸収することができる。
【0010】一方、仕様が変わり、モデル誤差も大きく
変化した場合には、短期学習修正では、そのモデル誤差
を吸収しきれないため、長期学習修正が必要となる。長
期学習修正では、過去の同一材質・同一ロッド内の圧延
材の、式(3)で示したモデル誤差Zkを用いて、モデ
ル誤差を吸収する方法である。それには、まず同一仕様
材の範疇を定めるために、鋼種やサイズなどの材料特性
をパラメータとして層別を行い、過去のモデル誤差比を
記憶しておく必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、モデル誤差を
精度良く予測するためには、区分を材料特性のパラメー
タにより詳細に分類する必要があり、膨大なテーブルを
作成しなくてはならない。また、ただ細分化しただけで
は、テーブルに蓄積されるデータ数が少なくなり、学習
精度向上の妨げとなる。
【0012】ちなみに、この長期学習における修正係数
の決定に関しては、例えば“特開昭61−202711
号公報「圧延機学習制御方法および装置」”による方法
が提案されている。この方法は、過去の同一材質・同一
ロッド内の圧延材のモデル誤差に基づいて、長期学習補
正係数を決定する際に、過去の圧延本数を考慮して学習
のゲインを決定するものであり、テーブルを細分化し蓄
積されるデータが少なくなった場合に有効と考えられ
る。
【0013】しかし、テーブルの層別における細分化や
学習のゲインの調整には多大な調整作業が伴い、効率的
かつ高精度な学習が期待できないという問題点がある。
【0014】以上のように、材料特有のモデル誤差を学
習制御する場合、その修正係数を、モデル誤差を発生さ
せる影響度の高い圧延変数に関し細分化したテーブル上
に記憶する方法が一つの有効な手段ではあるが、膨大な
テーブルが必要となり、多大な調整による労力が必要と
なるばかりでなく、蓄積される実績が希少となるため十
分な学習効果が期待できない問題があった。
【0015】そこで本発明は、第一に多くのテーブルを
用いずに、より多くのモデル誤差発生因子となる圧延変
数を考慮してモデル誤差を推定可能とすることと、第二
に調整に多大な労力を必要とせずに精度良くモデル誤差
を推定可能とすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題は、圧延機の特
性を数式モデル化した数式モデルに従って、圧延機の各
設定値を決定し、圧延結果をフィードバックして数式モ
デルの誤差を修正しながら圧延を行う圧延機の制御方法
であって、過去の同一仕様の圧延材または同種仕様の圧
延材のモデル誤差の実績から、前記同一仕様の圧延材ま
たは同種仕様の圧延材に特有のモデルの誤差を推定し、
数式モデル計算値に修正を加える長期学習制御と、圧延
機の温度変化や摩耗などの短期的変化に伴う圧延状態の
変化により生ずるモデル誤差を、至近の圧延材のモデル
誤差の実績から推定し、モデル計算値に修正を加える短
期学習制御とを、圧延モデルに反映させる圧延機制御方
法において、前記長期学習制御をニューラルネットワー
クを用いて行うことを特徴とする圧延機の制御方法(請
求項1)により解決される。
【0017】ニューラルネットワークを用いることで、
長期学習制御に使用される各パラメータの変化が、数式
モデルの誤差にどのように影響するのかが、学習が進む
につれて正確に把握されるようになる。よって、長期学
習制御が正確になり、精度の良い圧延機の制御が可能と
なる。
【0018】また、ニューラルネットワークを用いるこ
とにより、圧延材の層別を細かくする必要がなくなり、
多数のテーブルを必要とすることがなくなる。更に、誤
差要因を予め正確に推定しておく必要がなくなるため、
予め正確な数式モデルの骨格を定める必要がない。
【0019】ニューラルネットワークの算出は、極めて
多くの量の計算を必要とするので、これを制御用の計算
機に行わせると、制御の応答後れ等の問題を引き起こす
恐れがある。よって、長期学習制御をオフラインにおい
てニューラルネットワークを用いて行うこと、圧延実績
一部を圧延実績収集装置に蓄積し、圧延実績収集装置に
蓄えられた圧延実績を教師信号として前記長期学習制御
をオフラインにおいてニューラルネットワークを用いて
行い、ニューラルネットワークによって得られた結果を
オンラインの制御装置で用いること(請求項2)によっ
て、これらの問題を解決することができる。
【0020】同一仕様の圧延材または同種仕様の圧延材
に特有のモデルの誤差の原因となる主な要因は、鋼種又
は成分値である。よって、これらの少なくとも一方を、
同一仕様の圧延材または同種仕様の圧延材に特有のモデ
ルの誤差を推定するためのパラメータとすることにより
(請求項3)、精度の良い長期学習ができるようにな
る。
【0021】また、これらのパラメータに加えて、板
厚、板幅、圧下率を含むようにすれば(請求項4)さら
に精度の良い長期学習ができるようになる。
【0022】長期学習制御と短期学習制御の組み合わせ
方として、長期学習制御により修正を加えた数式モデル
計算値に、更に短期学習制御により修正を加えるように
すれば(請求項5)、たとえ、長期学習制御が誤差を含
んでいる場合であっても、短期学習制御により迅速にこ
の誤差の補償を行うことができる。
【0023】また、前記課題は、圧延仕様を入力する圧
延仕様入力部と、圧延仕様入力部からのデータに基づい
て圧延荷重を計算する圧延荷重計算処理部と、圧延荷重
計算処理部の計算結果に基づいて圧延機のロールギャッ
プを決定するロールギャップ計算処理部と、圧延実績を
収集する圧延実績収集処理部と、圧延実績に基づいて、
圧延機の温度変化や摩耗などの短期的な変化を学習して
圧延荷重計算処理部の計算結果を修正する短期学習処理
部と、圧延材の実データを収集する長期学習入力値記憶
装置と、長期学習入力記憶装置に記憶されたデータを教
師信号として、前記圧延荷重計算処理部の誤差を修正す
るパラメータをニューラルネットワークを使用して算出
するニューラルネットワーク学習処理装置と、長期学習
入力記憶装置に入力される実データに対応する、圧延材
の標準値データを入力する長期学習入力部と、ニューラ
ルネットワーク学習処理装置によって算出されたパラメ
ータを転記して有し、長期学習入力部からのデータに基
づいて前記圧延荷重計算処理部の誤差を修正する長期学
習処理部と、短期学習処理部と長期学習処理部の出力結
果に基づいて圧延荷重の学習修正を行う圧延荷重学習修
正処理部とを有してなる圧延機の制御装置(請求項6)
により解決される。
【0024】圧延仕様入力部は、鋼種、板厚、板幅、ス
ラブ寸法、仕上げ温度等の圧延に関する仕様を入力す
る。圧延荷重計算処理部は、これらの入力データに基づ
いて、圧延荷重式により圧延荷重を計算する。入力され
た圧延仕様の内、鋼種や成分値等の長期学習の対象とな
るものは、長期学習入力部を介して長期学習処理部に入
力される。
【0025】一方、過去の圧延材料に関するデータは、
圧延実績収集処理部で収集され、短期学習処理部を介し
て圧延荷重学習修正処理部に入力され、圧延荷重計算処
理部の短期的な誤差が修正される。
【0026】また、収集されたデータの一部は、長期学
習入力値記憶装置に記憶され、ニューラルネットワーク
学習処理装置に入力されてニューラルネットワークによ
る処理がなされて、鋼種、成分値等の変動が圧延荷重計
算処理部に与える誤差の程度が計算される。そして、計
算されたパラメータは、長期学習処理部に転記され、長
期学習処理部の出力は圧延荷重学習修正処理部に入力さ
れて圧延荷重計算処理部の誤差を補正するのに使用され
る。
【0027】前記制御装置の構成の内、長期学習入力値
記憶装置と、ニューラルネットワーク学習処理装置を、
制御装置の他の部分と独立の制御装置から構成すること
により、(請求項7)、制御装置のデータ量を膨大にす
ることもなく、かつ、オンラインでの計算を妨げること
無く、ニューラルネットワークの算出に必要とされる膨
大な量の計算を行うことができる。
【0028】また、圧延荷重学習修正処理部に、長期学
習処理部の出力結果に基づいて圧延荷重の学習修正を行
った後、更にその結果に対して、短期学習処理部の出力
結果に基づいて圧延荷重の学習修正を行うような機能を
持たせることにより(請求項8)、たとえ、長期学習制
御が誤差を含んでいる場合であっても、短期学習制御に
より迅速にこの誤差の補償を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図面を参照して詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明による連続圧延機の板厚制
御装置の例を示したブロック図である。
【0031】図1において、1は板厚制御装置、2は圧
延荷重計算処理部、3は圧延荷重学習修正処理部、4は
ロールギャップ計算処理部、5は短期学習処理部、6は
長期学習処理部、7は圧延仕様入力部、8は長期学習入
力部、9は圧延実績収集処理部、10は圧延機、11は
長期学習入力値記憶装置、12はニューラルネットワー
ク学習処理装置である。この実施の形態においては、長
期学習入力記憶装置11とニューラルネットワーク学習
処理装置12は、板厚制御装置1とは独立した構成とさ
れている。
【0032】圧延仕様入力部7は、鋼種、板厚、板幅、
スラブ寸法、仕上げ温度等の圧延に関する仕様を入力す
る。圧延荷重計算処理部2は、これらの入力データに基
づいて、圧延荷重式により圧延荷重を計算する。入力さ
れた圧延仕様の内、長期学習の対象となるものは、長期
学習入力部8を介して長期学習処理部6に入力される。
【0033】長期学習入力部8には、基本的には荷重モ
デル計算結果に影響度の高い板厚、板幅、圧下率等の圧
延変数および荷重モデルに含まれる変形抵抗式に支配的
要素である温度や成分などを選択して記憶している。
【0034】一方、過去の圧延材料に関するデータは、
圧延実績収集処理部9で収集され、短期学習処理部5を
介して圧延荷重学習修正処理部3に入力され、圧延荷重
計算処理部2の短期的な誤差が修正される。
【0035】また、収集されたデータの一部は、長期学
習入力値記憶装置11に記憶され、ニューラルネットワ
ーク学習制御装置12に入力されてニューラルネットワ
ークによる処理がなされて、鋼種、成分値等の変動が圧
延荷重計算処理部に与える誤差の程度が計算される。そ
して、計算されたパラメータは、長期学習処理部6に転
記される。長期学習処理部6の出力は圧延荷重学習修正
処理部3に入力されて圧延荷重計算処理部2の誤差を補
正するのに使用される。
【0036】この実施の形態においては、長期学習入力
値記憶部11と、ニューラルネットワーク学習処理部1
2は、制御装置の他の部分と独立の制御装置から構成さ
れているので、板厚制御装置のデータ量を膨大にするこ
ともなく、かつ、オンラインでの計算を妨げること無
く、ニューラルネットワークの算出に必要とされる膨大
な量の計算を行うことができる。
【0037】しかし、オンライン制御装置が十分な速度
と容量を持っている場合は、必ずしも、長期学習入力値
記憶部11と、ニューラルネットワーク学習処理部12
を別の制御装置とする必要はない。この場合には、長期
学習処理部6におけるニューラルネットワークとニュー
ラルネットワーク学習処理部12によるニューラルネッ
トワークを同じ物とすることができる。
【0038】圧延仕様入力部7の情報を基に、圧延荷重
計算処理部2で演算された荷重計算値PC は、長期学習
処理部6と短期学習処理部5で求められた各学習修正量
N、Zi により、圧延荷重学習修正処理部3で修正を
加えらる。ロールギャップ計算処理部4は、修正された
荷重PSにより、圧延機10のロールギャップ設定を行
う。また、圧延実績収集処理部9では荷重モデルPA
荷重実績との比を演算することによりモデル誤差ZK
求め、次材以降の短期学習処理に反映させ、さらに長期
学習入力項目と共に、新規にオフラインニューラルネッ
トワークの学習計算を行うために長期学習入力記憶装置
11に蓄積する。なお短期学習処理部5での圧延状態の
学習処理は、(4)式により求めている。
【0039】図2は、長期学習処理部6およびニューラ
ルネットワーク学習処理装置12を詳細に説明するブロ
ック図である。なお、以下の図においては、前出の図に
示された物と同じ物には、同じ符号を付し、その説明を
省略する。長期学習処理部6は、全圧延仕様材を鋼種な
どの同種の材料で分類し、各々の材料集団の特性毎に構
築された複数の長期学習ニューラルネットワーク処理部
6−bと、入出力値の正規化数値処理を行う入力値変換
部6−aおよび出力値変換部6−cで構成され、最終出
力値として長期学習修正係数6−dを得る。なお、ニュ
ーラルネットワークは入力層、中間層、出力層により構
成される3階層型を採用したが、他にも多階層型や非階
層型でも同様のことができる。
【0040】本実施の形態の特徴は、長期学習ニューラ
ルネットワーク処理部6−bが、それ自体では、シナプ
ス結合重み係数やシグモイド関数しきい値などのニュー
ラルネットワークパラメータを更新する機能を有せず、
ニューラルネットワーク学習処理装置12から与えられ
たこれらのパラメータを使用して、入力からニューラル
ネットワークを介した出力を得ていることである。
【0041】ニューラルネットワーク学習処理装置12
は、前記長期学習処理部6同様の材料集団毎に構成され
た複数のニューラルネットワーク学習処理部12−bと
入力値の正規化数値処理を行う入力値変換部12−aに
より構成される。前記長期学習ニューラルネット処理部
6−bで使用する、シナプス結合重み係数やシグモイド
関数しきい値などのニューラルネットワークパラメータ
を更新するモデル誤差ZKを教師信号12−cとし、ニ
ューラルネットパラメータ調整処理部12−dでバック
プロパゲーション法による、パラメータの学習を行う。
なお、バックプロパゲーション法はニューラルネットワ
ークの学習方法としては一般的なものであるため、説明
は割愛する。学習により求められた学習済みニューラル
ネットワークパラメータ12−eは、新規の学習対象材
が発生した場合に柔軟に対応できるように、任意に長期
学習処理部6の長期学習ニューラルネット処理部6−b
に伝送され、伝送されたシナプス結合重み係数やシグモ
イド関数しきい値などのニューラルネットワークパラメ
ータに対応するニューラルネット計算が実行される。
【0042】表1は、長期学習ニューラルネット処理部
6−bとニューラルネット学習処理部12−bの区分の
例を示したものである。
【0043】
【表1】
【0044】NNナンバーは、ニューラルネット番号を
示し、長期学習ニューラルネット処理部6−bとニュー
ラルネット学習処理部12−bは、8個独立に存在し、
対応する鋼種に応じて選択されて使用される。
【0045】図3に、ニューラルネット学習処理部6−
bとニューラルネットワーク学習処理部12−bの内容
を簡略化して示す。入力としては、板厚、板幅、圧下
率、C、Mn、Si量が入力層(i)に入力され、所定
の重みでもって中間層(j)に結合される。なお、図3
においては、入力層(i)と中間層(j)の一部の結合
は省略している。中間層(j)の出力は、規定の重みで
もって出力層に結合され、Z項として出力される。Z項
とは、図1においてZN と記載されているものである。
圧延荷重計算処理部2で計算された圧延荷重予測値にZ
N を掛けたものが、修正圧延荷重として、圧延荷重学習
修正処理部3に与えられ、圧延荷重の修正に使用され
る。
【0046】本実施の形態においては、ニューラルネッ
ト学習処理部6−bにおいては、入力層に入力されたパ
ラメータに基づいてZ項が計算されて出力されるのみで
あり、ニューラルネットワーク自体のパラメータの修
正、すなわち、シナプス結合重み係数やシグモイド関数
しきい値等の学習修正は行われない。
【0047】これに対し、ニューラルネットワーク学習
処理部12−bでは、このZ項が、図2における入力変
換部12−aを介して得られた実際Zk に一致させるよ
うに、すなわち、教師信号12−Cとしてシナプス結合
重み係数やシグモイド関数しきい値等の学習修正が行わ
れる。これらの計算には、多大のメモリと計算時間を要
するが、ニューラルネットワーク学習処理装置12はオ
フラインの装置となっているので、オンライン制御をデ
ィスターブすることはない。
【0048】以上の説明においては、長期学習制御を、
鋼種や板厚区分等の圧延条件が大きく変更される場合に
使用し、短期学習制御を鋼種や板厚区分等が大きく変化
しない範囲で使用することにしていたが、長期学習制御
と短期学習制御を同時に使用すると、長期学習制御のモ
デルに誤差がある場合でも、短期学習制御により迅速に
それらの誤差が修正されるという長所が生まれる。
【0049】すなわち、圧延荷重計算処理部2が計算し
た荷重モデルの計算荷重をPCとし、長期学習処理部6
が計算した学習修正量をZNとすると、長期学習制御に
より修正された計算荷重は、ZN×PCであるが、これを
更に短期学習処理部5が計算した学習修正量Ziにより
修正し、修正された計算荷重PSを PS=Zi×ZN×PC … (5) として求め、この修正された計算荷重PSにより、ロー
ルギャップ計算処理部4が圧延機10のロールギャップ
設定を行う。この修正された計算荷重PSの計算は、圧
延荷重学習修正処理部3により行われる。
【0050】この場合、短期学習処理を、(4)式に基
づいて行うと、長期学習処理関係のデータが含まれたも
のについて短期学習処理を行ってしまうことになる。よ
って、短期学習処理から長期学習処理の影響を除くため
に、(4)式に代わり、次の(6)式で指数平滑処理を
行う。 Zi=(1−a)Zi-1+a(Zk/ZN) … (6) すなわち、(3)式で計算される荷重モデル誤差比Zk
をZNで割ることにより、長期学習処理の影響をキャン
セルし、短期学習に関連する学習係数に直した形のもの
を指数平滑する。
【0051】図4に、本発明の1実施形態を使用した荷
重モデル誤差予測結果のグラフを示す。図4は、7連の
熱間薄板連続圧延機において、最終スタンドであるF7
スタンドの荷重モデル誤差予測と、荷重モデル誤差の実
績値を、ハイテン材の薄物(板厚3.5 mm以下)について
示したものである。図4において、横軸は、板厚毎に層
別して示した圧延材を示すもので、数字はコイル番号で
ある。縦軸はモデル誤差を示し、黒丸は、静的モデルに
よって計算された荷重値に対して、実績の荷重値がどの
程度異なっていたかを示す(P/PC )。白丸は数式モ
デルによって示された荷重の誤差の予測、すなわち静的
モデルによって計算された荷重値に対してどの程度の修
正値が必要かを本発明のモデルにより計算した値(P/
C )の予測値を示す。△印は、残差を示し、黒丸と白
丸の値の差を示したものである。
【0052】図4において、A、B、C、D、E、Fの
矢印で示された部分は、それぞれ、表2において示され
た符号の板幅、板厚に対応する部分である。たとえば、
矢印Dの部分は、板厚が2.65mmで、板幅が1121mmの材料
に対応する。
【0053】
【表2】
【0054】これらのデータの内、図4のデータを採取
する前に多くのデータが採取されて学習が進んでいる
C、D、Eの材料においては、圧延荷重が10%以内の
精度で予測できている。A、B、Fの部分で圧延荷重の
予測精度が悪いのは、これらの板厚、板幅のデータが蓄
積されておらず、学習が進んでいないためと考えられ
る。
【0055】表3に図4の結果を集計したものを示す。
その結果は、荷重モデル誤差実績を基準とした荷重モデ
ル誤差予測の差は、平均値で荷重モデル誤差実績の-0.8
%であり、標準偏差は9.3 %であった。これより、本発
明装置によりモデル誤差を10%以内で精度良く推定でき
ることがわかる。
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば圧延
機の設定計算における学習制御において、材料特有のモ
デル誤差を、ニューラルネットで求めることにより、膨
大なテーブルと多大な調整による労力を必要とせずに、
精度良く予測することができる。特に、ニューラルネッ
トの計算をオフラインにおいて行うことにより、オンラ
インにおける制御をディスターブすること無く、精度の
良い制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態である圧延機制御装置を示
すブロック図である。
【図2】本発明1実施形態であるニューラルネット処理
部の概要を示すブロック図である。
【図3】ニューラルネット学習処理部とニューラルネッ
トワーク学習処理部の内容を簡略化して示した図であ
る。
【図4】荷重モデル誤差予測と、荷重モデル誤差の実績
値を、ハイテン材の薄物(について示した図である。
【符号の説明】
1 板厚制御装置 2 圧延荷重計算処理部 3 圧延荷重学習修正処理部 4 ロールギャップ計算処理部 5 短期学習処理部 6 長期学習処理部 7 圧延仕様入力部 8 長期学習入力部 9 圧延実績収集処理部 10 圧延機 11 長期学習入力値記憶装置 12 ニューラルネットワーク学習処理装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機の特性を数式モデル化した数式モ
    デルに従って、圧延機の各設定値を決定し、圧延結果を
    フィードバックして数式モデルの誤差を修正しながら圧
    延を行う圧延機の制御方法であって、過去の同一仕様の
    圧延材または同種仕様の圧延材のモデル誤差の実績か
    ら、前記同一仕様の圧延材または同種仕様の圧延材に特
    有のモデルの誤差を推定し、数式モデル計算値に修正を
    加える長期学習制御と、圧延機の温度変化や摩耗などの
    短期的変化に伴う圧延状態の変化により生ずるモデル誤
    差を至近の圧延材のモデル誤差の実績から推定し、モデ
    ル計算値に修正を加える短期学習制御とを、圧延モデル
    に反映させる圧延機制御方法において、 前記長期学習制御をニューラルネットワークを用いて行
    うことを特徴とする圧延機の制御方法。
  2. 【請求項2】 圧延機の特性を数式モデル化した数式モ
    デルに従って、圧延機の各設定値を決定し、圧延結果を
    フィードバックして数式モデルの誤差を修正しながら圧
    延を行う圧延機の制御方法であって、過去の同一仕様の
    圧延材または同種仕様の圧延材のモデル誤差の実績か
    ら、前記同一仕様の圧延材または同種仕様の圧延材に特
    有のモデルの誤差を推定し、モデル計算値に修正を加え
    る長期学習制御と、圧延機の温度変化や摩耗などの短期
    的な変化に伴う圧延状態の変化により生ずるモデル誤差
    を至近の圧延材のモデル誤差の実績から推定し、モデル
    計算値に修正を加える短期学習制御とを、圧延モデルに
    反映させる圧延機学習制御方法において、圧延実績の一
    部を圧延実績収集装置に蓄積し、圧延実績収集装置に蓄
    えられた圧延実績を教師信号として前記長期学習制御を
    オフラインにおいてニューラルネットワークを用いて行
    い、ニューラルネットワークによって得られた結果をオ
    ンラインの制御装置で用いることを特徴とする圧延機の
    制御方法。
  3. 【請求項3】 同一仕様の圧延材または同種仕様の圧延
    材に特有のモデルの誤差を推定するためのパラメータ
    が、材料の鋼種又は成分値の少なくとも一方を含むこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧延機の制
    御方法。
  4. 【請求項4】 同一仕様の圧延材または同種仕様の圧延
    材に特有のモデルの誤差を推定するためのパラメータ
    が、板厚、板幅、圧下率を含むと共に、材料の鋼種又は
    成分値の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の圧延機の制御方法。
  5. 【請求項5】 長期学習制御により修正を加えた数式モ
    デル計算値に、更に短期学習制御により修正を加えるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1
    項に記載の圧延機の制御方法。
  6. 【請求項6】 圧延仕様を入力する圧延仕様入力部と、
    圧延仕様入力部からのデータに基づいて圧延荷重を計算
    する圧延荷重計算処理部と、圧延荷重計算処理部の計算
    結果に基づいて圧延機のロールギャップを決定するロー
    ルギャップ計算処理部と、圧延実績を収集する圧延実績
    収集処理部と、圧延実績に基づいて、圧延機の温度変化
    や摩耗などの短期的な変化を学習して圧延荷重計算処理
    部の計算結果を修正する短期学習処理部と、圧延材の実
    データを収集する長期学習入力値記憶装置と、長期学習
    入力記憶装置に記憶されたデータを教師信号として、前
    記圧延荷重計算処理部の誤差を修正するパラメータをニ
    ューラルネットワークを使用して算出するニューラルネ
    ットワーク学習処理装置と、長期学習入力記憶装置に入
    力される実データに対応する、圧延材の標準値データを
    入力する長期学習入力部と、ニューラルネットワーク学
    習処理装置によって算出されたパラメータを転記して有
    し、長期学習入力部からのデータに基づいて前記圧延荷
    重計算処理部の誤差を修正する長期学習処理部と、短期
    学習処理部と長期学習処理部の出力結果に基づいて圧延
    荷重の学習修正を行う圧延荷重学習修正処理部とを有し
    てなる圧延機の制御装置。
  7. 【請求項7】 長期学習入力値記憶部と、ニューラルネ
    ットワーク学習処理装置が、制御装置の他の部分と独立
    の制御装置からなることを特徴とする請求項6に記載の
    圧延機の制御装置。
  8. 【請求項8】 圧延荷重学習修正処理部が、長期学習処
    理部の出力結果に基づいて圧延荷重の学習修正を行った
    後、更にその結果に対して、短期学習処理部の出力結果
    に基づいて圧延荷重の学習修正を行うものであることを
    特徴とする請求項6または請求項7に記載の圧延機の制
    御装置。
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