JPH1171658A - Fe族基非晶質金属薄帯及び磁気マーカ - Google Patents

Fe族基非晶質金属薄帯及び磁気マーカ

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JPH1171658A
JPH1171658A JP25959597A JP25959597A JPH1171658A JP H1171658 A JPH1171658 A JP H1171658A JP 25959597 A JP25959597 A JP 25959597A JP 25959597 A JP25959597 A JP 25959597A JP H1171658 A JPH1171658 A JP H1171658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長さが10cm以下と小型でも磁気特性とし
て大バルクハウゼン不連続を示し、かつ大バルクハウゼ
ン不連続を示す臨界磁界が0.7(Oe)以下であるF
e族基非晶質金属薄帯及びその薄帯から構成された磁気
マーカを提供する。 【解決手段】 断面寸法として幅100〜900μm、
厚さ8〜50μmであり、かつ磁気ヒステリシス曲線に
おいて大バルクハウゼン不連続を示す磁気特性を有して
なることを特徴とするFe族基非晶質金属薄帯。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヒステリシス
曲線において大バルクハウゼン不連続を示す磁気特性を
有し、パルス電圧発生特性に優れたFe族基非晶質金属
薄帯に関するものであり、特にその薄帯から構成された
盗難防止や物品監視システムに用いられる磁気マーカに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融状態の合金を急冷することにより薄
帯状、細線状、粉粒体状など種々の形状と特性を有する
非晶質金属材料が得られることはよく知られている。中
でも特開平1−25941号公報並びに特開平1−25
932号公報により開示されたFe及びCo基の非晶質
金属細線は磁気ヒステリシス曲線において、ある特定の
磁界値において急速に磁化反転を生じる大バルクハウゼ
ン不連続と呼ばれる特徴ある磁気特性を有する磁性材料
として知られており、励磁磁界の変化速度に無関係に検
出コイルに鋭い誘導電圧パルスを発生するパルス電圧発
生素子として各種磁気マーカや磁気センサに広く応用さ
れている。
【0003】一方、Fe族基非晶質金属薄帯において
は、急冷凝固状態では非晶質金属細線と異なり大バルク
ハウゼン不連続を示さないことが知られていた。しか
し、特殊な加工熱処理を加えた非晶質金属薄帯において
は、大バルクハウゼン不連続を示す可能性があることも
知られていた。例えば、特公平3−27958号公報に
は10cm当たりに4回の捻りを380℃での熱処理時
に付与されたFe系非晶質金属薄帯が、熱処理後に平ら
にされた状態に保持されることにより、磁気特性におい
て大バルクハウゼン不連続を示すことが開示されてい
る。また、欧州特許公開第762354号公報には磁場
中で通電熱処理されたCo系非晶質金属薄帯が磁気特性
において大バルクハウゼン不連続を示すことが開示され
ており、それらを用いて磁気マーカが構成できることが
記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、磁気マーカを利
用した盗難防止や物品監視システムが普及するにつれ
て、物品に添付される磁気マーカとして目立ちにくい構
成が求められるようになり、長さが10cm以下、望ま
しくは7cm以下と小型で、かつ薄型の磁気マーカを可
能とする新しい軟磁性材料の出現が要望されてきた。し
かし、前記したFe及びCo基の非晶質金属細線により
磁気マーカを構成した場合には、パルス発生特性の関係
から線径(直径)を90μm以上とすることが必要であ
り、そのため各種フィルム材料や紙に細線がはさまれる
磁気マーカにおいて、全体の寸法が厚くなるという問題
点を有していた。
【0005】一方、本発明者らが特公平3−27958
号公報に開示された幅2mm、厚さ25μmのFe81
4 141 (数字は原子%を表す。)非晶質金属薄帯
を用い、10cm当たりに4回の捻りを380℃、25
分間の熱処理時に付与されたFe系非晶質金属薄帯を作
製したところ、次の問題点が明らかになった。すなわ
ち、長さが10cmより長い薄帯においては、大バルク
ハウゼン不連続を示す磁気特性を有するものは得られる
ものの、熱処理後の捻れ回数が薄帯の長さ10cm当た
りに4回以上必要であり、熱処理後の非晶質金属薄帯が
捻りを解いて平らに保持された状態において、大バルク
ハウゼン不連続を示す最小の励磁磁界の値(臨界磁界)
が0.8(Oe)を越えることが判明した。そして、そ
の臨界磁界が大きいため、0.7(Oe)以下の小さい
励磁磁界においては検知コイルに誘導パルスを発生せ
ず、各種盗難防止システムにおいて被検出特性が悪い磁
気マーカしか実現できないことが判明した。
【0006】また、熱処理後の長さが10cm以下の薄
帯については、磁気特性として大バルクハウゼン不連続
を示さないことが判明した。すなわち、熱処理後の非晶
質金属薄帯は、捻りを解いて平らに保持された状態にお
いて、パルス電圧発生特性が悪く、小型で、かつ薄型の
磁気マーカを構成することが出来ないという問題点が明
らかになった。さらに、捻れ回数も薄帯の長さ10cm
当たりに4回以上と多いために、熱処理時に薄帯の切断
が頻繁に生じたり、熱処理後の薄帯をボビンに巻き取っ
たり、ボビンから薄帯を取り出したりする際に、強烈な
捻れのため薄帯がくびれたり、よじれたりすることが頻
繁に生じるという問題が明らかになった。また、有機材
料のフィルムにより熱処理後の薄帯を平らな状態に保持
した磁気マーカを作製すると、Fe系非晶質金属薄帯の
高い剛性のために磁気マーカが強く捻れた状態になり、
取り扱い難いが困難になるという問題点や、磁気マーカ
が添付した物品から剥がれやすくなるという問題点も有
していることが明らかになった。
【0007】また、本発明者らが欧州特許公開第762
354号公報で開示された磁場中で通電熱処理技術を用
いてCo系非晶質金属薄帯の熱処理を行い、その磁気特
性を検討したところ、長さ10cmの薄帯の磁気特性に
おいて大バルクハウゼン不連続を示すことは示すが、大
バルクハウゼン不連続を示す最小の励磁磁界の値(臨界
磁界)が0.8(Oe)を越えることが判明した。そし
て、その薄帯の臨界磁界が大きいため、薄帯を用いて磁
気マーカを構成した際に0.7(Oe)以下の小さい励
磁磁界においては検知コイルに誘導パルスを発生せず、
各種盗難防止システムにおいて被検出特性が悪く、実用
性のある磁気マーカが提供できないことが判明した。
【0008】したがって、10cm以下の長さにおいて
も、磁気特性として大バルクハウゼン不連続を示し、か
つ、大バルクハウゼン不連続を示す臨界磁界が小さい磁
気マーカ用の非晶質金属材料や、磁気マーカを構成した
ときにマーカの捻れが生じ難い薄型の非晶質金属材料の
開発が望まれていた。
【0009】本発明の目的は、長さが10cm以下と小
型でも磁気特性として大バルクハウゼン不連続を示し、
かつ大バルクハウゼン不連続を示す臨界磁界の値が0.
7(Oe)以下である非晶質金属材料を提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、そのような大バルク
ハウゼン不連続を示す非晶質金属材料から構成された薄
型の小型磁気マーカを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究した結果、Fe族基非晶質金属
薄帯において、特定の断面形状を有するものが10cm
以下の長さにおいても磁気ヒステリシス曲線において大
バルクハウゼン不連続を示す磁気特性を有すること、そ
して、大バルクハウゼン不連続を示す臨界磁界も小さい
ものが得られること、さらには、その特性は保有する捻
りが少ない薄帯の場合でも得られることを見出し、本発
明を完成した。
【0011】すなわち、第1の発明は、断面寸法として
幅100〜900μm、厚さ8〜50μmであり、かつ
磁気ヒステリシス曲線において大バルクハウゼン不連続
を示す磁気特性を有してなることを特徴とするFe族基
非晶質金属薄帯を要旨とするものである。また、第2の
発明は、断面積が0.0025〜0.03mm2 であ
り、かつ磁気ヒステリシス曲線において大バルクハウゼ
ン不連続を示す磁気特性を有してなることを特徴とする
Fe族基非晶質金属薄帯を要旨とするものである。さら
に、第3の発明は、応力が付与されない状態での10c
m当たりの捻れ回数が0.05〜3.5回であり、かつ
薄帯が平らに保持された状態で、磁気ヒステリシス曲線
において大バルクハウゼン不連続を示す磁気特性を有し
てなることを特徴とする前記1又は2記載のFe族基非
晶質金属薄帯を要旨とするものである。さらにまた、第
4の発明は、0.7Oe以下の臨界磁界で、磁気ヒステ
リシス曲線において大バルクハウゼン不連続を示す磁気
特性を有してなることを特徴とする前記1又は2記載の
Fe族基非晶質金属薄帯を要旨とするものである。さら
にまた、第5の発明は、前記1、2、3又は4記載のF
e族基非晶質金属薄帯で構成されてなることを特徴とす
る磁気マーカを要旨とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
を具体的に説明する。本発明の非晶質金属薄帯は、X線
回折実験により確認される非晶質構造を有することが必
要であるが、平らな状態に保持された状態で、磁気ヒス
テリシス曲線において大バルクハウゼン不連続を示す磁
気特性が得られる限りにおいては結晶質相が若干含まれ
ていてもよい。
【0013】本発明においては、非晶質金属薄帯の幅が
100〜900μmであることが必要である。薄帯の幅
が900μm以下になることにより、長さが10cm以
下の場合でも、励磁磁界が0.7Oe(エルステッド)
以下において、大バルクハウゼン不連続を示す(すなわ
ち、臨界磁界が0.7Oe以下の大バルクハウゼン不連
続を示す)ものである。そして、有機材料からなるフィ
ルム又は紙に本発明の薄帯が挟まれた構造からなる磁気
マーカを構成しても、大バルクハウゼン不連続に伴う、
大きな電圧値と高次の高調波成分を持つ鋭い誘導パルス
を発生させることができるという利点を有する。また、
熱処理後により小さな臨界磁界の大バルクハウゼン不連
続を示す非晶質金属薄帯を得るためや、熱処理の際10
cm当たり2回以下の捻り回数において大バルクハウゼ
ン不連続を持つ磁気特性を得るためには幅が150〜8
00μmであることが好ましい。さらに本発明において
は、より長さ短く小型な薄帯において臨界磁界が小さな
大バルクハウゼン不連続を持つ磁気特性を得るためには
幅が150〜700μmであることが好ましい。
【0014】ここで、幅が900μmより広くなると、
大バルクハウゼン不連続を示すものでも臨界磁界の値が
大きくなる傾向を示したり、熱処理時に10cm当たり
に付与する捻り回数や熱処理温度、熱処理時間を種々変
更させて熱処理を行っても熱処理後の長さが10cm以
下の薄帯については大バルクハウゼン不連続を示さない
ようになる。また、幅が100μm未満の薄帯は、磁気
ヒステリシス曲線において大バルクハウゼン不連続を示
す磁気特性が得られても、誘導されるパルスの電圧が低
くなるという問題点が発生する。なお、本発明の非晶質
金属薄帯における「幅」とは任意の断面における端部間
の距離(横方向の最大寸法)であり、断面形態として
は、図1〜3に示す種々のものがある。
【0015】本発明においては、非晶質金属薄帯の厚さ
が8〜50μmであることが必要である。また、液体急
冷法における薄帯の製造性の観点からは厚さが15〜4
5μmであることが好ましい。ここで、薄帯の厚さが8
μm未満では、磁気ヒステリシス曲線において大バルク
ハウゼン不連続を示す磁気特性が得られても、誘導され
るパルスの電圧が低くなるという問題点が発生する。ま
た、厚さが50μmを越えると、材料の非晶質化が十分
でなく、熱処理を行っても大バルクハウゼン不連続を示
す磁気特性が得られなかったり、材料がもろくなりやす
く、捻り熱処理時や磁気マーカを作製する工程において
切断が生じやすくなる。
【0016】さらに、本発明においては、非晶質金属薄
帯の厚さの幅に対する比(寸法比)が、0.015以上
0.4以下であることが望ましい。また、薄帯の磁気特
性や薄帯の製造性の観点からは厚さの幅に対する比が、
0.02以上0.35以下であることがより好ましい。
さらにまた、本発明において、より長さが短く小型な薄
帯において臨界磁界が小さな大バルクハウゼン不連続を
持つ磁気特性を得るためには、厚さの幅に対する比が
0.05以上0.30以下であることが最も好ましい。
【0017】本発明においては、厚さの幅に対する比が
0.4を越えると、液体急冷法において薄帯作製時に冷
却速度が十分でなくなるためにもろい材料になるか、機
械的裁断法により広幅薄帯から細幅薄帯を製造する場合
に幅が狭すぎるために製造が困難になる傾向がある。ま
た、厚さの幅に対する比が0.015未満になると、熱
処理後に小さな臨界磁界の大バルクハウゼン不連続を示
す非晶質金属薄帯が得られにくくなったり、熱処理時に
10cm当たりに付与する捻り回数や熱処理温度、熱処
理時間等の熱処理条件を種々変更させて熱処理を行って
も、熱処理後の長さが10cm以下の薄帯について大バ
ルクハウゼン不連続を示さないものも得られるようにな
る。。
【0018】さらに本発明においては、非晶質金属薄帯
の断面積が、0.0025mm2 以上0.03mm2
下であることが必要である。また、薄帯の磁気特性や薄
帯の製造性の観点からは断面積が0.003mm2 以上
0.0275mm2 以下であることが好ましく、特に、
0.005mm2 以上0.025mm2 以下であること
が好ましい。さらにまた、本発明において、より長さが
短く小型な薄帯において臨界磁界が小さな大バルクハウ
ゼン不連続を持つ磁気特性を得るためには、薄帯の断面
積が0.005mm2 以上0.02mm2 以下であるこ
とが最も好ましい。本発明においては、断面積が0.0
025mm2 未満になると、液体急冷法や機械的裁断法
により薄帯を製造する場合に製造が困難になったり、熱
処理後に大バルクハウゼン特性を示しても発生するパル
ス電圧が低くなり、実用性に乏しくなる。また、断面積
が0.03mm2 を越えると、種々の条件で熱処理を施
しても、熱処理後の長さが10cm以下の薄帯について
は、大バルクハウゼン不連続を示さないくなる。
【0019】本発明における薄帯の捻れ回数とは、36
0゜回転で1回と数えるものとし、応力を付与しない状
態で長さ1m当たりの捻れ回数あるいはねじれ角度を測
定し、10cm当たりの捻れ回数を算出するものとする。
そして、本発明において、大バルクハウゼン不連続特性
を付与するために捻り熱処理により処理された薄帯にお
いては、前述した幅、厚み、断面積などが本発明の独特
の断面形状を満足するとともに、ねじれ回数が0.05
以上3.5以下であることが好ましい。また、より臨界
磁界の安定した大バルクハウゼン不連続特性を得るには
熱処理後の薄帯のねじれ回数が0.1回以上3回以下で
あることがより好ましい。ここで薄帯10cm当たりの
ねじれ回数が0.05回未満になると、薄帯が平らに保
持された状態において大バルクハウゼン不連続を示すた
めに必要な薄帯の長さが長くなる傾向が認められる。ま
た、ねじれ回数が3.5回より多くなると磁気特性とし
て大バルクハウゼン不連続を示しても、磁気マーカを作
製するためにねじれを解除し平面上に薄帯を固定した場
合に、臨界磁界が高くなったり、高い剛性のため、磁気
マーカが強くねじれた状態になり、取り扱いが困難にな
る。
【0020】本発明のFe族基非晶質金属薄帯において
は、Fe、Co及びNiの少なくとも1種を65原子%
以上含む合金であり、非晶質単相を形成するものであれ
ば特に組成の限定はない。しかし、Niが35原子%以
下の範囲で、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は
2種以上のFe族基の元素の合計が65原子%以上90
原子%以下で、非晶質形成を促進する元素として、B、
P、C、Si、Al、Ga、Zr、Nb及びTaの群か
ら選ばれた1種又は2種以上の元素を合計で10原子%
以上35原子%以下含む合金あることが望ましい。さら
に本発明においては、合金組成に耐食性を改善する目的
でW、V、Cr、Cu及びMoが10原子%以下含まれ
ていても磁気ヒステリシス曲線において大バルクハウゼ
ン不連続を示す磁気特性を有するものであれば特に問題
はない。
【0021】本発明においてFe族基の元素の合計含有
量が65原子%未満になると磁気特性が劣化し、室温に
おける磁気ヒステリシス曲線において大バルクハウゼン
不連続を示さなくなる傾向がある。また、Fe族基の元
素の合計含有量が90原子%を越える場合や、非晶質形
成を促進する元素の合計が10原子%未満か35原子%
を越える場合になると、非晶質形成能が低下し非晶質単
相を形成しにくくなり、磁気ヒステリシス曲線において
大バルクハウゼン不連続を示す非晶質金属薄帯が得られ
にくくなる。
【0022】また、本発明の非晶質金属薄帯は、長さが
10cm以下において、磁気ヒステリシス曲線上で図4
〜5に示すように、ある特定の励磁磁界値(以下、臨界
磁界値と称す)において急速に磁化反転を生じる大バル
クハウゼン不連続を示すものであり、その急峻な磁化反
転において材料の飽和磁化(飽和磁束密度)の30%以
上の磁化変化量を伴うものである。さらに、磁気マーカ
への応用を考慮する場合、長さが7cm以下で大バルク
ハウゼン不連続を示すものが好ましい。
【0023】また、本発明の非晶質金属薄帯は、大バル
クハウゼン不連続に伴う磁化反転が生じる臨界磁界値と
しては、0.7(Oe)以下であることが望まれる。さ
らに、磁気マーカ用の磁性材料としては、臨界磁界の値
が0.6(Oe)以下であることがさらに好ましく、特
に、0.05〜0.5(Oe)であることが最も好まし
い。ここで、大バルクハウゼン不連続の臨界磁界値が
0.7(Oe)を越えると、磁気マーカを構成した際、
マーカの被検出特性が悪くなり実用性が低下する傾向が
ある。
【0024】なお、本発明の非晶質金属薄帯は交番磁界
中で大バルクハウゼン不連続に伴う波形の鋭い誘導電圧
パルスを発生する。また、発生するパルス電圧の高調波
成分も高次の成分まで十分高い振幅で得られるものであ
る。そのため、本発明の非晶質金属薄帯はパルス電圧発
生素子として各種磁気マーカや磁気センサーに広く用い
ることができる磁性材料である。
【0025】本発明の磁気マーカは、前記の非晶質金属
薄帯をパルス発生用素子として用いることが必要であ
る。そして、マーカ構成としては種々の形態をとること
ができる。例えば、図6は代表的な磁気マーカの構成を
示しているが、本発明では非晶質金属薄帯がよりを解除
された状態(平らな状態)に保持されるていることが望
ましい。図中の非晶質金属薄帯1は、粘着剤が塗布され
た基材フィルム2上に所定の長さに切断されて配置され
ている。そして、薄帯の上方から粘着剤が塗布された基
材フィルム3で挟み込まれている。ここで、薄帯を平ら
状態で挟み込む基材としては、ポリエチレンテレフタレ
ートや紙など、各種有機材料からなるものを用いること
ができる。また、基材の厚さとしては、0.5〜200
μmの種々のものを用いることができ、目的に応じて2
種以上の材料からなる基材を用いることも可能である。
なお、物品監視用等に用いられる磁気マーカにおいて
は、被検出物にマーカが接着させる必要があるが、その
ような場合には基材フィルムの裏面に(図では見えな
い)粘着剤付きのものを用いればよい。
【0026】また、磁気マーカとして、マーカ特性を示
さない状態(失活状態と以下称す)とマーカ特性を示す
状態の2種類の状態をとりうるようにするためには、保
磁力が30(Oe)を越えるような半硬質磁性材料を非
晶質金属薄帯とともに用いればよい。例えば、図7は、
失活状態をとり得る本発明の磁気マーカの一つの実施態
様を模式図で示している。図7において、半硬質磁性材
料4は複数の小片の形で非晶質金属薄帯1の回りに配置
されている。このような磁気マーカは、外部から50
(Oe)を越えるような磁界を与えることにより、半硬
質磁性材料4が着磁され、非晶質金属薄帯4はバイアス
磁界下にさらされる。そのため、その後、磁気マーカが
外部の交番磁界中に置かれた場合でも、顕著なパルス電
圧を発生しない失活状態に保たれることになる。
【0027】本発明のFe族基非晶質金属薄帯は、前述
の独特の断面寸法を有するように液体急冷法により作製
された後に、熱処理されることにより製造される。液体
急冷法としては、本発明の断面形態を有する非晶質金属
薄帯が得られる方法であれば、特に製造方法については
限定されないが、従来より液体急冷法として知られてい
る融液抽出法、遠心急冷法、単ロール法あるいは双ロー
ル法を用いて作製することが好ましい。例えば、液体急
冷法として単ロール法を利用する場合、先端に孔を有す
るセラミックス製ノズル中で合金を溶融し、回転してい
る銅ロールに溶融合金をノズル孔から噴出させ、急冷凝
固させることにより本発明の非晶質金属薄帯を製造する
ことができ、代表的な製造条件としては、断面積が0.
2mm2 以下のノズル孔を有するセラミックス製のノズ
ルを用い、5〜50m/sの周速度で回転する銅ロール
上に、大気中、真空中あるいはアルゴン等の不活性ガス
雰囲気中でノズル孔から溶融合金を0.005kg/c
2 以上の圧力で噴出させればよい。また、液体急冷法
により広幅の非晶質金属薄帯を製造し、その薄帯から機
械的裁断方法(スリット)により細幅の非晶質金属薄帯
を製造する方法でも本発明の断面形態を有する非晶質金
属薄帯が得られれば特に問題はない。
【0028】本発明に係わる非晶質金属薄帯の熱処理方
法としては、熱処理後に磁気ヒステリシス曲線において
大バルクハウゼン不連続を示す非晶質金属薄帯が得られ
る方法であれば特に限定されないが、本発明の薄帯に好
ましい熱処理方法としては、ほとんど捻りや張力を付与
しない状態で、250℃以上結晶化温度以下の温度範囲
において、0.1〜100000秒の間で熱処理を行う
方法や、薄帯の長さ10cm当たりの捻り回数として
0.05〜3.5回の捻りを付与した状態で250℃以
上結晶化温度以下の温度範囲において、0.1〜100
000秒の間で熱処理を行う方法や、薄帯の長さ10c
m当たりの捻り回数として0.05〜3.5回の捻りを
付与し、さらに薄帯の長手方向に0.05〜130kg
/mm2 の張力をも付与した状態で、250℃以上結晶
化温度以下の温度範囲において、0.1〜100000
秒の間で熱処理を行う方法などが挙げられる。
【0029】また、前述の熱処理方法以外の方法として
は、本発明に係わる独特の断面形状を有する非晶質金属
薄帯を用いて、熱処理時に通電を行う方法や熱処理時に
磁場を印加しさらに通電を行う熱処理方法を用いても、
良好な大バルクハウゼン不連続特性を有する本発明の薄
帯が製造される。中でも小さな臨界磁界を有する大バル
クハウゼン不連続特性を実現させるための熱処理条件と
しては、200℃以上結晶化温度以下の温度範囲におい
て、0.01〜20Aの大きさの直流あるいは交流電流
を薄帯の長手方向に通電する方法や、0.05〜20
(Oe)の直流あるいは交番磁場中で0.01〜20A
の大きさの直流あるいは交流電流を薄帯の長手方向に通
電する方法を採用することができる。
【0030】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 実施例1〜13、比較例1〜9 表1に示す各種組成からなる合金について、単ロール法
を用いて急冷薄帯を作製した。なお、単ロール法におい
ては、アルゴン雰囲気下で直径80〜900μmのノズ
ル孔を備える石英ノズル中で表1の各種合金を溶融さ
せ、1000〜4500rpmで回転する直径20cm
の銅ロール上に、溶湯をアルゴンガス噴出圧0.5〜4
kg/cm2 で噴出することにより、急冷金属薄帯を作
製した。このときの石英ノズルと回転冷却ロール面との
距離は1mm以下であった。次に、作製した急冷薄帯を
380℃において、10cm当たりに0.5回の捻りを
付与した状態で25分間の熱処理を行った。
【0031】作製したこれらの薄帯の組織、幅、厚さ、
パルス電圧及び磁気ヒステリシス曲線における大バルク
ハウゼン不連続の有無を測定した。その結果を表1に示
す。ここで組織については、X線回折法により非晶質相
特有のハローパターンが得られた状態を非晶質と判定
し、非晶質と結晶質が混在する状態を結晶質と判定し
た。また、断面を光学顕微鏡(OPTIPHOT,ニコ
ン社製)により10点観察し、10断面の平均値として
幅と厚さを算出した。そして、その平均値を用いて厚さ
(t)の幅(w)に対する比(t/w)を算出した。さ
らに、磁気特性については、平らな状態に保持した試料
長20cmの薄帯を用いて、励磁磁界0.01〜1(O
e)、周波数60Hzにおいて交流磁気ヒステリシス曲
線を測定することにより、大バルクハウゼン不連続の有
無や大バルクハウゼン不連続の生じる臨界磁界値を判定
した。さらにまた、作製された非晶質金属薄帯のパルス
電圧発生特性は、周波数50Hz、印加最大磁界1(O
e)の正弦波で薄帯を励磁し、非晶質金属薄帯中央部の
周囲に巻かれた長さ3.5cm、590ターン、内径3
cmの検出コイルにて検出されるパルス電圧を測定し
た。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すように、本発明のFe族基非晶
質薄帯は,本発明の独特の断面形状を反映して、磁気ヒ
ステリシス曲線において大バルクハウゼン不連続を示
し、かつ磁化反転時の臨界磁界値もいずれも0.5(O
e)未満の磁気特性が得られていた。そのため、検出コ
イルに発生する誘導パルスも波形の鋭いパルスであり、
いずれも70mV以上の優れたパルス電圧発生特性を有
し、被検出特性に優れていることが明らかである。
【0034】しかしながら、比較例1及び2に示すよう
に幅が900μmを越えるか、又は厚さの幅に対する比
が0.015未満の断面を有する薄帯は熱処理時に10
cm当たりに1回の捻りを付与された状態では、非晶質
構造であっても磁気特性において大バルクハウゼン不連
続を示さず、発生するパルス電圧も実施例1〜13に比
べて格段に低いものになっていた。また、比較例3及び
4のように幅が100μm未満か、厚さが8μm未満の
場合は、非晶質構造であり、大バルクハウゼン不連続を
示してもパルス電圧が低いため、磁気マーカなどへの実
用性は低いものであった。さらに、比較例5及び6のよ
うに厚みが45μmを越えるか、又は厚さの幅に対する
比が0.4を越える断面形状を有する薄帯は、製造時に
急冷効果が十分でなく非晶質構造が得られず、磁気特性
において大バルクハウゼン不連続も示さなかった。さら
にまた、比較例7及び8はFe族元素の合計含有量がい
ずれも65原子%未満であり、非晶質構造であっても非
磁性薄帯のため、パルス電圧が検出されなかった。さら
にまた、比較例9は非晶質形成を促進する元素の含有量
が多すぎるため、かえって非晶質構造が形成できず、大
バルクハウゼン不連続を示さず発生するパルス電圧も非
常に低いものであった。
【0035】実施例14〜26 実施例1〜13のそれぞれの薄帯を長さ10cmにする
以外は、実施例1と同様にして断面形状及び磁気特性を
検討した。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2に示すように、本発明のFe族基非晶
質薄帯は長さが10cmになった場合でも、本発明の独
特の断面形状を反映して、磁気ヒステリシス曲線におい
て大バルクハウゼン不連続を示し、かつ磁化反転時の臨
界磁界値も長さが20cmの場合とほとんど変わらず、
いずれも0.5(Oe)未満の磁気特性が得られてい
た。そのため、検出コイルに発生する誘導パルスも波形
の鋭いパルスであり、いずれも70mV以上の優れたパ
ルス電圧発生特性を有し、被検出特性に優れていること
が明らかである。
【0038】実施例27〜39、比較例10〜13 表3に示す各種組成からなる合金について、実施例1と
同様に単ロール法を用いて急冷薄帯を作製し熱処理を施
した。作製したこれらの薄帯の組織、幅、厚さ、断面
積、パルス電圧及び磁気ヒステリシス曲線における大バ
ルクハウゼン不連続の有無、臨界磁界の大きさを実施例
1と同様に測定した。その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3に示すように、本発明の実施例27〜
39のFe族基非晶質薄帯は本発明の独特の断面形状を
反映して、磁気ヒステリシス曲線において大バルクハウ
ゼン不連続を示す磁気特性が得られており、その大バル
クハウゼン不連続の臨界磁界もいずれも0.5(Oe)
未満の良好なものとなっていた。そして、検出コイルに
発生する誘導パルスも波形の鋭いパルスであり、いずれ
も70mV以上の優れたパルス電圧発生特性を有してい
ることが明らかである。
【0041】しかしながら、比較例10及び11に示す
ように幅が900μmを越えるか、又は断面積が0.0
3mm2 を越える断面を有する薄帯は、磁気ヒステリシ
ス曲線において大バルクハウゼン不連続を示す磁気特性
が得られず、発生するパルス電圧も実施例27〜39に
比べて格段に低いものになっていた。また、比較例12
及び13のように幅が100μm未満か、厚さが8μm
未満の場合あるいは断面積が0.0025mm2 未満の
場合は、非晶質構造であり、大バルクハウゼン不連続を
示してもパルス電圧が低いため、磁気マーカなどへの実
用性は低いものであった。
【0042】実施例40〜52 実施例27〜39のそれぞれの薄帯を長さ10cmにす
る以外は、実施例27と同様にして断面形状及び磁気特
性を検討した。その結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】表4に示すように、本発明のFe族基非晶
質薄帯は長さが10cmになった場合でも、本発明の独
特の断面形状を反映して、磁気ヒステリシス曲線におい
て大バルクハウゼン不連続を示し、かつ磁化反転時の臨
界磁界値も長さが20cmの場合とほとんど変わらず、
いずれも0.5(Oe)未満の磁気特性が得られてい
た。そのため、検出コイルに発生する誘導パルスも波形
の鋭いパルスであり、いずれも70mV以上の優れたパ
ルス電圧発生特性を有し、被検出特性に優れていること
が明らかである。
【0045】実施例53〜57 表5に示す各種組成からなる合金について、実施例1と
同様に単ロール法を用いて急冷薄帯を作製し熱処理を施
した。作製したこれらの薄帯について組織、幅、厚さ、
断面積、パルス電圧及び磁気ヒステリシス曲線における
大バルクハウゼン不連続の有無、臨界磁界の大きさを長
さ7cmの薄帯について実施例1と同様に測定した。そ
の結果を表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】表5に示すように、本発明のFe族基非晶
質薄帯は長さが7cmになった場合でも、本発明の独特
の断面形状を反映して、磁気ヒステリシス曲線において
大バルクハウゼン不連続を示し、かつ磁化反転時の臨界
磁界値もいずれも0.5(Oe)未満の磁気特性が得ら
れていた。そのため、検出コイルに発生する誘導パルス
も波形の鋭いパルスであり、いずれも70mV以上の優
れたパルス電圧発生特性を有し、被検出特性に優れてい
ることが明らかである。
【0048】実施例58〜83 実施例1〜13及び27〜39で使用した薄帯を用いて
長さ8.5cmに切断し磁気マーカ用のパルス発生用磁
性体とした。そして、これらを粘着剤が塗布された厚さ
25μm、幅5mmのポリエチレンテレフタレートの基
材フィルムを用いて挟み込み、図6に示した構造の長さ
9cmの磁気マーカを作製した。ここで薄帯はよりが解
除された状態(平らな状態)に保持されるようになって
いる。そして、作製したそれぞれの磁気マーカについ
て、励磁磁界0.01〜1(Oe)、周波数60Hzに
おいて交流磁気ヒステリシス曲線を測定することによ
り、大バルクハウゼン不連続の有無を判定した。さらに
作製された磁気マーカのパルス電圧発生特性は、周波数
50Hz、印加最大磁界1(Oe)の正弦波でマーカを
励磁し、マーカの周囲に巻かれた長さ3.5cm、59
0ターン、内径3cmの検出コイルにて検出されるパル
ス電圧を測定した。各種の測定結果を表6と表7に併せ
て示す。
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】表6及び7に示すように、本発明の実施例
58〜83の磁気マーカは,本発明の独特の断面形状を
有する薄帯を用いていることを反映して、長さが9cm
以下でも磁気ヒステリシス曲線において大バルクハウゼ
ン不連続を示す磁気特性が得られていた。そのため、検
出コイルに発生する誘導パルスも波形の鋭いパルスであ
り、いずれも70mV以上の優れたパルス電圧発生特性
を有していた。また、各マーカの大バルクハウゼン不連
続を生じる磁界(臨界磁界)は表6及び7より明らかな
ようにいずれも0.5(Oe)以下であった。
【0052】実施例84〜93、比較例14〜16 表8に示す各種組成からなる合金について、実施例1と
同様に単ロール法を用いて急冷薄帯を作製した。そし
て、390℃において、10cm当たりに0.025〜
30回の捻りを付与した状態で10分間の熱処理を施し
た。次に作製したこれらの薄帯について組織、幅、厚
さ、断面積、パルス電圧及び磁気ヒステリシス曲線にお
ける大バルクハウゼン不連続の有無、臨界磁界の大きさ
を長さ10cmの薄帯について実施例1と同様に測定し
た。その結果を表8に示す。
【0053】
【表8】
【0054】表8に示すように、本発明の実施例84〜
93のFe族基非晶質薄帯は本発明の独特の断面形状を
反映して薄帯のねじれ回数が0.1〜3回/10cm
で、磁気ヒステリシス曲線において大バルクハウゼン不
連続を示す磁気特性が得られていた。そのため、検出コ
イルに発生する誘導パルスも波形の鋭いパルスであり、
いずれも70mV以上の優れたパルス電圧発生特性を有
していた。また、実施例84〜93のFe基非晶質薄帯
の大バルクハウゼン不連続を生じる磁界(臨界磁界)は
0.2〜0.5(Oe)であった。しかしながら、比較
例14〜16に示すように、幅に対する比が0.015
未満の断面か、断面積が0.03mm2 を越える断面寸
法を有する薄帯は、ねじれ回数が0.5〜3回/10c
mであっても磁気特性において大バルクハウゼン不連続
を示さず、発生するパルス電圧も実施例84〜93に比
べて格段に低いものになった。このように、本発明のF
e族基非晶質金属薄帯は、特定の断面形態を有する薄帯
が特定のねじれ回数を有するように熱処理されているた
め、平らに保持された状態において臨界磁界が0.5
(Oe)以下の大バルクハウゼン不連続を示すものであ
り、磁気マーカ用のパルス発生素子として優れた特性を
備えている。
【0055】実施例94〜96 表9に示す各種組成からなる合金について、実施例1と
同様に単ロール法を用いて急冷薄帯を作製した。そし
て、340℃において、捻りを付与しない状態で10分
間の熱処理を施した。次に作製したこれらの薄帯につい
て組織、幅、厚さ、断面積、パルス電圧及び磁気ヒステ
リシス曲線における大バルクハウゼン不連続の有無、臨
界磁界の大きさを長さ10cmの薄帯について実施例1
と同様に測定した。その結果を表9に示す。
【0056】
【表9】
【0057】表9に示すように、本発明の実施例94〜
96のFeFe族基非晶質薄帯は本発明の独特の断面形状
を反映して熱処理時にねじりが付与されない状態でも、
磁気ヒステリシス曲線において大バルクハウゼン不連続
を示す磁気特性が得られていた。そのため、検出コイル
に発生する誘導パルスも波形の鋭いパルスであり、いず
れも70mV以上の優れたパルス電圧発生特性を有して
いた。また、大バルクハウゼン不連続を生じる磁界(臨
界磁界)は0.2(Oe)以下であった。また、実施例
94〜96の薄帯は長さが7cmにおいても、磁気ヒス
テリシス曲線において臨界磁界が0.7(Oe)以下の
大バルクハウゼン不連続を示す磁気特性が得られること
が確認された。このように、本発明のFe族基非晶質金
属薄帯は、特定の断面形態を有する薄帯が特定の条件下
で熱処理されているため、熱処理後にねじれを保有しな
い薄帯においても臨界磁界が0.7(Oe)以下の大バ
ルクハウゼン不連続を示すものであり、磁気マーカ用の
パルス発生素子として優れた特性を備えている。
【0058】
【発明の効果】本発明の非晶質金属薄帯は、長さが10
cm以下においても、臨界磁界の値が0.7(Oe)以
下の大バルクハウゼン不連続を示すものであり、交番磁
界中におかれた場合、検出コイルに優れたパルス電圧発
生特性を示す。また、薄帯のねじれ回数も少ないため、
扱いやすく、有機材料のフィルム等により薄帯を平らな
状態に保持した磁気マーカを作製した場合でも、磁気マ
ーカがほとんど捻れを示さない実用的な磁気マーカが実
現できる。さらに、本発明の非晶質金属薄帯は回転セン
サー等の各種磁気センサーにも広く応用でき、従来の非
晶質金属細線では実現できない超薄型のパルス発生素子
として種々のセンサー素子への応用が可能な工業材料で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFe族基非晶質金属薄帯の断面形状の
一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明のFe族基非晶質金属薄帯の断面形状の
別の例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のFe族基非晶質金属薄帯の断面形状の
さらに別の例を示す概略斜視図である。
【図4】本発明のFe族基非晶質金属薄帯において、臨
界値より小さな励磁磁界下における磁気ヒステリシス曲
線の一例を示す図である。
【図5】本発明のFe族基非晶質金属薄帯において、励
磁磁界下における磁気ヒステリシス曲線の一例を示す図
である。
【図6】本発明の磁気マーカの一例を示す模式的な概略
斜視図である。
【図7】失活状態を取り得る本発明の磁気マーカの一例
を示す模式的な概略斜視図である。
【符号の説明】
1 Fe族基非晶質金属薄帯 2、3 基材フィルム 4 半硬質磁性材料
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平8−300088 (32)優先日 平8(1996)11月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−16327 (32)優先日 平9(1997)1月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−16328 (32)優先日 平9(1997)1月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−168377 (32)優先日 平9(1997)6月25日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 小笠原 勇 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面寸法として幅100〜900μm、
    厚さ8〜50μmであり、かつ磁気ヒステリシス曲線に
    おいて大バルクハウゼン不連続を示す磁気特性を有して
    なることを特徴とするFe族基非晶質金属薄帯。
  2. 【請求項2】 断面積が0.0025〜0.03mm2
    であり、かつ磁気ヒステリシス曲線において大バルクハ
    ウゼン不連続を示す磁気特性を有してなることを特徴と
    するFe族基非晶質金属薄帯。
  3. 【請求項3】 応力が付与されない状態での10cm当
    たりの捻れ回数が0.05〜3.5回であり、かつ薄帯
    が平らに保持された状態で、磁気ヒステリシス曲線にお
    いて大バルクハウゼン不連続を示す磁気特性を有してな
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のFe族基非晶
    質金属薄帯。
  4. 【請求項4】 0.7Oe以下の臨界磁界で、磁気ヒス
    テリシス曲線において大バルクハウゼン不連続を示す磁
    気特性を有してなることを特徴とする請求項1又は2記
    載のFe族基非晶質金属薄帯。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のFe族基
    非晶質金属薄帯で構成されてなることを特徴とする磁気
    マーカ。
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