JPH1172376A - 振動測定装置、及びそれを用いた検査方法 - Google Patents

振動測定装置、及びそれを用いた検査方法

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JPH1172376A
JPH1172376A JP9232995A JP23299597A JPH1172376A JP H1172376 A JPH1172376 A JP H1172376A JP 9232995 A JP9232995 A JP 9232995A JP 23299597 A JP23299597 A JP 23299597A JP H1172376 A JPH1172376 A JP H1172376A
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JP
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vibration
measured
elastic body
frequency
motor
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JP9232995A
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English (en)
Inventor
Masaaki Ochi
正明 越智
Makoto Goto
誠 後藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータが発生する振動を高精度に測定でき、
かつその振動の振動力を正確に測定すること。 【解決手段】 被測定物を海綿状弾性体からなる保持部
で保持し、被測定物の振動を振動検出部によって検出し
た後、振動検出部からの出力を周波数別に分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ等の振動体
が発生する振動を測定する振動測定装置、及びそれを用
いた検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク、ハードディスク等の
小型化、高密度化、高速化に伴い、これらのディスクを
駆動するモータには、小型化、高速化、低振動化が要求
されている。このため、モータ性能を評価する振動測定
装置では、高速回転する状態での振動測定を精度よく短
時間で行うことが求められている。さらに、このような
振動測定装置では、モータが発生する振動力も測定する
ことが求められている。
【0003】以下、特開平8−43186号公報に開示
された従来の振動体の振動測定装置について、図8を参
照して説明する。図8は、従来の振動体の振動測定装置
の構成を示す概略正面図である。図8において、従来の
振動体の振動測定装置は、基台51、前記基台51上に
設けられた一対の支柱52a,52b、緩衝材53a,
53bをそれぞれ介して支柱52a,52bに支持さ
れ、被測定物であるモータ等の振動体50を載置するた
めの治具54を備えている。治具54は、ばね材等の弾
性体からなる緩衝材53a,53bにより、6自由度に
支持されている。治具54には、振動体50を保持する
保持部55、振動体50の振動を検出する振動検出部5
6、振動体50への動力供給部である電源供給部57、
及び緩衝材53a,53bの特性変化を検出するための
基準加振部を構成する加振部58が設けられている。保
持部55は、治具54上で互いに対向して配置された支
持リブ55a,55b、一方の支持リブ55aに移動自
在に設けられた可動体55c、可動体55cの一端部に
設けられ、振動体50に当接する可動板55dを備えて
いる。さらに、ばね材55eが、一方の支持リブ55a
と可動板55dとの間に設けられ、他方の支持リブ55
b側に可動板55dを弾性的に押圧している。振動体5
0は、ばね材55eのばね力により、他方の支持リブ5
5bと可動板55dとの間で固定され、保持部55を介
在して治具54に保持される。尚、可動体55cの他端
部側には、可動体55cを駆動する駆動部(図示せず)
に連接されたベルクランク55f、前記ベルクランク5
5fの支点となる軸55gを軸支する軸支部55hが設
けられている。振動検出部56は、空間の直交座標の軸
方向に各々2個設けられている。すなわち、x軸方向の
振動測定を行う振動検出部56x1,56x2が他方の
支持リブ55bに取り付けられ、y軸方向の振動測定を
行う振動検出部56y1,56y2が治具54に取り付
けられている。z軸方向の振動測定を行う振動検出部5
6z1,56z2が加振部58を挟んで治具54に取り
付けられている。各振動検出部56は、振動変位、振動
速度、振動加速度のいずれかを測定して、図示しないマ
イクロコンピュータ等の演算機器に出力する。そして、
これらの測定結果に基づいて、直交座標の軸方向、及び
直交座標の軸回りの回転方向における振動体50の振動
を検出する。加振部58は、ボイスコイルモータ等の1
軸加振器により構成され、治具54に取り付けられてい
る。この加振部58は、上述したように、緩衝材53
a,53bの特性変化を検出するために用いられてい
る。つまり、加振部58により所定の加振力を治具54
に加え、この加振力による振動測定結果の変化に基づい
て、経年劣化などによる緩衝材53a,53bのばね定
数等の特性変化を算出する。また、振動体50が発生す
る振動力の測定においても、加振部58は、振動測定を
行う前に所定の加振力を治具54に加え、振動測定の基
準となる振動測定装置の振動ゲインを予め算出すること
にも用いられる。尚、加振部58を用いる代わりに、ハ
ンマー等の外部加振具により、治具54の外部から治具
54に対してインパルス状の加振(衝撃的な加振)を治
具54に加える構成としてもよい。
【0004】次に、この従来の振動測定装置での振動力
を測定する動作について説明する。まず、被測定物の振
動体50を支持リブ55bと可動板55dとの間に固定
し保持部55に保持した後、振動体50を駆動する前
に、加振部58を動作し所定の加振力F1を治具54に
加える。そして、振動検出部56により振動体50が停
止した状態での振動測定結果V1を検出する。続いて、
加振部58から加えた加振力F1と得られた振動測定結
果V1を、F1=Gv×V1の式に代入することにより、振
動体50が停止した状態での振動ゲインGvを予め算出
する。次に、電源供給部57から電力を振動体50に供
給して振動体50を駆動(振動)させる。そして、振動
検出部56により検出した振動測定結果V2と、予め算
出した振動ゲインGvとを乗算することにより、振動体
50の振動力F2を求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の振
動体の振動測定装置では、治具54の重心と緩衝材53
a,53bの支持中心軸との位置関係が変化すると、測
定した振動の周波数特性もまた変化した。このため、従
来の振動測定装置では、測定を行う毎に、治具54の重
心の調整、もしくは加振部58を動作して緩衝材53
a,53bの特性を検出を行うことにより、上述の位置
関係を常に一定にする必要があった。さらに、従来の振
動測定装置では、その測定結果が緩衝材53a,53b
の特性変化の影響を受けやすいため、頻繁に加振部58
を動作して振動の周波数特性の校正を行なう必要がある
という問題点があった。また、従来の振動測定装置で
は、ボイスコイルモータなどの1軸加振器を加振部58
として治具54に取り付けて、振動力の測定に必要な振
動ゲインGvを予め算出していた。しかしながら、被測
定物が光ディスクドライブ用のスピンドルモータのよう
な小型、軽量物の場合、1軸加振器自体の重量が無視で
きなくなり、予め算出した振動ゲインGvを用いて算出
した振動力が正確なものでないという問題点を生じた。
また、ハンマー等の外部加振具によるインパルス状の加
振では、常に安定した加振力を治具54に加えることが
できず、かつその加振力を正確に把握することが困難で
あるという問題点があった。さらに、従来の振動測定装
置では、モータが高速回転している状態でその負荷トル
クを適宜変更して振動測定を行うこと、あるいはモータ
が発生する振動力を直接測定することができないという
問題点があった。また、従来の振動測定装置では、保持
部55を用いてモータなどの被測定物を治具54にセッ
トする必要があり、モータ等の製品検査段階において、
振動測定装置に被測定物を固定することに時間を要し、
被測定物の振動測定を容易に行えなかった。
【0006】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、モータが発生する振動を
高精度に測定でき、かつその振動の振動力を正確に測定
することができる振動測定装置、及びそれを用いた検査
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の振動測定装置
は、海綿状弾性体により構成され、被測定物を保持する
保持手段と、前記保持手段により保持された被測定物の
振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段から
の出力を周波数別に分解する周波数分解手段とを備えて
いる。このように構成することにより、被測定物がどの
方向にも自由に振動でき、かつ海綿状弾性体と被測定物
とからなる振動系において、特性変動の少ない振動系を
容易に構成できる。また、振動検出手段からの出力を周
波数分解を行い、上述の振動系での振動の特性(パラメ
ータ)を用いることにより、被測定物の振動力も算出可
能となる。
【0008】本発明の別の振動測定装置は、前記被測定
物が、複数相のコイルから構成される電機子手段と永久
磁石により界磁磁束を発生する界磁手段とを備えたモー
タを含み、前記モータを駆動する駆動手段と、前記モー
タの速度制御を行う速度制御手段と、前記駆動手段及び
前記速度制御手段に電力を供給する電力供給手段とを設
けている。このように構成することにより、モータを含
む被測定物がどの方向にも自由に振動でき、モータの振
動測定の精度を容易に向上できる。
【0009】本発明の別の振動測定装置は、前記周波数
分解手段に接続され、周波数分解手段から出力された所
定の周波数帯域の振動成分を基準値と比較して、被測定
物の振動レベルを判定する判定手段を設けている。この
ように構成することにより、被測定物の振動レベルの合
否判定に時間を要することなく、正確に行うことができ
る。
【0010】本発明の別の振動測定装置は、前記海綿状
弾性体は、被測定物を載せる部分の面積が被測定物の海
綿状弾性体側の底面積よりも大きく形成されている。こ
のように構成することにより、海綿状弾性体の支持重心
と被測定物の重心とを容易に一致することができる。
【0011】本発明の別の振動測定装置は、前記海綿状
弾性体が、一体構造の面的弾性体により構成されてい
る。このように構成することにより、海綿状弾性体の支
持重心と被測定物の重心との位置関係を常に一定にする
ことができる。
【0012】本発明の別の振動測定装置は、前記海綿状
弾性体の一面には、配置される被測定物の形状に一致し
た溝部が設けられている。このように構成することによ
り、被測定物を容易に海綿状弾性体にセットできる。
【0013】本発明の別の振動測定装置は、前記被測定
物と海綿状弾性体とで構成される振動系において、被測
定物のロータ部分を除く合計質量をM、測定を行う振動
の下限周波数をfL、前記被測定物の振動による変位を
X、前記変位Xに比例する抗力をk1・X、前記被測定
物の振動による速度をV、及び前記速度Vに比例する抗
力をb1・Vと表したとき、 (b1/M)2<<(2πfL)2 、及びk1/M<<(2
πfL)2 の条件を満たしている。このように構成することによ
り、測定する振動の周波数帯域では、被測定物が海綿状
弾性体から受ける影響を無視することができる。すなわ
ち、fL以上の周波数帯域では、被測定物はその振動が
減衰することなく自由に振動する。さらに、被測定物と
海綿状弾性体からなる振動系での固有振動周波数は、測
定をする振動の周波数帯域外とすることができる。
【0014】本発明の別の振動測定装置は、前記被測定
物と海綿状弾性体とで構成される振動系において、被測
定物のロータ部分を除く、ロータの回転軸周りの慣性モ
ーメントを合計した合計慣性モーメントをI、測定する
振動の下限周波数をfLT、前記被測定物の回転方向の振
動による角度変位をθ、前記角度変位θに比例する抗ト
ルクをk2・θ、前記被測定物の回転方向の振動による
角速度をω、及び前記角速度ωに比例する抗トルクをb
2・ωと表したとき、(b2/I)2<<(2πfLT)2
及びk2/I<<(2πfLT)2の条件を満たしている。
このように構成することにより、測定する回転方向の振
動の周波数帯域では、被測定物が海綿状弾性体から受け
る影響を無視することができる。すなわち、fLT以上の
周波数帯域では、被測定物はその振動が減衰することな
く回転方向に自由に振動する。さらに、被測定物と海綿
状弾性体からなる振動系での固有振動周波数は、測定を
する振動の周波数帯域外とすることができる。
【0015】本発明の別の振動測定装置は、前記被測定
物のロータ部分以外の形状が軸対称形に形成され、ロー
タの回転軸と前記被測定物の対称軸が一致している。こ
のように構成することにより、ロータの回転軸周りの回
転方向での振動測定を正確に行うことができる。
【0016】本発明の別の振動測定装置は、前記被測定
物のロータの回転軸に対して対称の位置に2個の振動検
出手段を取り付け、前記2個の振動検出手段の出力を加
算または減算する合成手段を設けている。このように構
成することにより、ロータの回転軸周りの回転方向での
振動測定を正確に行うことができる。
【0017】本発明の別の振動測定装置は、前記モータ
の負荷トルクを調節する負荷調節手段を設けている。こ
のように構成することにより、モータが回転している状
態でその負荷トルクを適宜変更して振動測定を行える。
【0018】本発明の振動測定装置の検査方法は、被測
定物を海綿状弾性体により保持する工程、前記被測定物
が発生する振動を振動検出手段により検出する工程、及
び前記振動検出手段からの出力を周波数分解手段により
周波数別に分解する工程を備えている。このように構成
することにより、被測定物がどの方向にも自由に振動で
き、かつ海綿状弾性体と被測定物とからなる振動系にお
いて、特性変動の少ない振動系を容易に構成して、振動
測定の精度を向上できる。また、振動検出手段からの出
力を周波数分解することにより、被測定物の振動力も算
出可能となる。
【0019】本発明の別の振動測定装置の検査方法は、
前記周波数分解手段から出力された所定の周波数帯域の
振動成分を基準値と比較して、被測定物の振動レベルを
判定する工程を設けている。このように構成することに
より、被測定物の振動レベルの合否判定に時間を要する
ことなく、正確に行うことができる。
【0020】本発明の別の振動測定装置の検査方法は、
モータを含む被測定物の振動を測定する振動測定装置の
検査方法であって、前記被測定物と海綿状弾性体とで構
成される振動系において、被測定物のロータ部分を除く
合計質量をM、測定を行う振動の下限周波数をfL、前
記被測定物の振動による変位をX、前記変位Xに比例す
る抗力をk1・X、前記被測定物の振動による速度を
V、及び前記速度Vに比例する抗力をb1・Vと表した
とき、 (b1/M)2<<(2πfL)2 、及びk1/M<<(2
πfL)2 の条件を満たしている。このように構成することによ
り、測定する振動の周波数帯域では、被測定物が海綿状
弾性体から受ける影響を無視することができる。すなわ
ち、fL以上の周波数帯域では、被測定物はその振動が
減衰することなく自由に振動する。さらに、被測定物と
海綿状弾性体からなる振動系での固有振動周波数は、測
定をする振動の周波数帯域外とすることができる。
【0021】本発明の別の振動測定装置の検査方法は、
モータを含む被測定物の振動を測定する振動測定装置の
検査方法であって、前記被測定物と海綿状弾性体とで構
成される振動系において、被測定物のロータ部分を除
く、ロータの回転軸周りの慣性モーメントを合計した合
計慣性モーメントをI、測定する振動の下限周波数をf
LT、前記被測定物の回転方向の振動による角度変位を
θ、前記角度変位θに比例する抗トルクをk2・θ、前
記被測定物の回転方向の振動による角速度をω、及び前
記角速度ωに比例する抗トルクをb2・ωと表したと
き、(b2/I)2<<(2πfLT)2、及びk2/I<<
(2πfLT)2の条件を満たしている。このように構成
することにより、測定する回転方向の振動の周波数帯域
では、被測定物が海綿状弾性体から受ける影響を無視す
ることができる。すなわち、fLT以上の周波数帯域で
は、被測定物はその振動が減衰することなく回転方向に
自由に振動する。さらに、被測定物と海綿状弾性体から
なる振動系での固有振動周波数は、測定をする振動の周
波数帯域外とすることができる。
【0022】本発明の別の振動測定装置の検査方法は、
前記モータの負荷トルクを負荷調節手段により調節する
工程を設けている。このように構成することにより、モ
ータが回転している状態でその負荷トルクを適宜変更し
て振動測定を行える。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の振動測定装置を示
す好ましい実施例について、図面を参照して説明する。
【0024】《第1の実施例》図1は、本発明の第1の
実施例である振動測定装置の全体構成を示す説明図であ
る。図2は、図1に示した海綿状弾性体の構成を示す斜
視図である。図1において、海綿状弾性体1は、モータ
2aを含む被測定物2がどの方向にも自由に振動できる
よう被測定物2を保持している。海綿状弾性体1は、ス
ポンジ、発泡スチロール等の一体構造の面的弾性体によ
り構成されている。尚、ここでいう面的弾性体とは、弾
性と粘性を備え被測定物2と直接面接触して被測定物2
を弾性的に保持するものをいう。また、海綿状弾性体1
の外形寸法は、例えば縦×横×高さ=20cm×20cm×
4cmである。さらに、海綿状弾性体1は、保持部である
海綿状弾性体1と被測定物2とで構成され、モータ2a
の回転軸と平行な方向の振動系において、下記の(1)
式、及び(2)式の不等式の条件を満たすように被測定
物2に応じて選定されている。尚、下記の説明では、ロ
ータ部分を除く被測定物2の合計質量をMとし、測定す
る振動の下限周波数をfLとする。また、被測定物2の
振動による変位をXとし、海綿状弾性体1のばね定数を
k1として、前記変位Xに比例する抗力をk1・Xと表
す。被測定物2の振動による速度をVとし、海綿状弾性
体1の粘性定数をb1として、前記速度Vに比例する抗
力をb1・Vと表す。
【0025】 (b1/M)2<<(2πfL)2 −−−(1) k1/M <<(2πfL)2 −−−(2)
【0026】上記の(1)式、及び(2)式の不等式を
満足することにより、測定を行う振動の周波数帯域にお
いて、被測定物2が海綿状弾性体1から受ける影響を無
視することができる。すなわち、fL以上の周波数帯域
において、被測定物2の振動は海綿状弾性体1からの抗
力によって減衰することなく、被測定物2は自由に振動
することができる。その結果、振動の測定値は、正確な
ものとなる。さらに、経年劣化により変化する海綿状弾
性体1の特性の影響が振動の測定値に表れるのを防止す
ることができ、振動測定を高精度に行うことが可能とな
る(詳細は後述)。海綿状弾性体1の上面には、図2に
示すように、被測定物2の底面の形状に一致した溝部1
aが設けられており、振動測定時には溝部1aに合わせ
て海綿状弾性体1に被測定物2を容易にセットすること
ができる。
【0027】図1に戻って、被測定物2は、モータ2a
と、モータ2aのステータ側に一体的に固定され、当該
モータ2aを取り付けるための取付座2bとにより構成
されている。モータ2aは、その回転軸が回転自在とな
るように海綿状弾性体1上に配置されている。モータ2
aに負荷を与える負荷部として、ディスク3がモータ2
aの回転軸に装着されている。このディスク3をモータ
2aに装着することにより、実際に使用される状態での
モータ2aの振動を測定することができ、使用される状
態でのモータ2aの性能を正確に把握することができ
る。取付座2bは、金属板、プラスチック板等の剛性体
により構成され、被測定物2の底面部分として海綿状弾
性体1の溝部1a(図2)に配置されている。被測定物
2には、モータ2aを駆動する駆動部4、及びモータ2
aの回転速度を制御する速度制御部5が接続され、さら
に駆動部4及び速度制御部5に電力を供給する電力供給
部6が接続されている。被測定物2の振動を検出する振
動検出部として、レーザドップラ振動計7が配置されて
いる。レーザドップラ振動計7は、レーザ照射ヘッド7
aから所定のレーザ光をモータ2aの回転軸と平行な方
向で被測定物2の取付座2bに照射する。このことによ
り、被測定物2の振動において、上記回転軸と平行な方
向での変位、速度、及び加速度の少なくとも1つの値が
測定される。レーザ照射ヘッド7aは、海綿状弾性体1
に近接して設けられたヘッド保持部8によって保持、固
定されている。レーザドップラ振動計7からの振動の検
出出力は、測定値を周波数別に分解(周波数分解)する
バンドパスフィルタ9に出力される。バンドパスフィル
タ9は、所定の周波数帯域の振動成分のみを取り出し
て、検出信号として判定部10に出力する。判定部10
は、上記検出信号と振動の基準レベル信号との比較を行
い、測定した振動レベルの合否を判定する。このことに
より、モータ2aの製品検査を行うことができる。
【0028】次に、モータ2aとその駆動制御回路につ
いて、図3を参照して説明する。図3は、図1に示した
モータ、駆動部、速度制御部、及び電力供給部の構成を
示す回路図である。図3に示すように、モータ2aは、
図示しないステータに取り付けられた3相のコイル14
a,14b,14cからなる電機子部14と、ロータに
取り付けられた永久磁石により界磁磁束を発生する界磁
部13とで構成されている。駆動部4は、位置検出部1
2により検出されたロータの位置情報に基づいて、界磁
部13に回転トルクを発生させるための電流を3相の各
コイル14a,14b,14cに供給する。速度制御部
5には、速度検出部である周波数発電機11からの速度
情報と可変抵抗等により生成される速度基準信号16と
を入力し、それらの比較を行う速度比較部15が設けら
れている。速度比較部15は、上記の比較結果(偏差)
に基づいて、速度制御指令17を駆動部4に出力する。
そのことにより、モータ2aの回転速度は、一定の値
(例えば2000r.p.m.)に維持される。電力供給部6
は、駆動部4及び速度制御部5に接続され、所定の電力
を供給している。
【0029】次に、判定部10の具体的な構成につい
て、図4を参照して説明する。図4は、図1に示した判
定部の構成を示す回路図である。図4において、判定部
10の入力端子10aには、バンドパスフィルタ9(図
1)から所定の周波数帯域の振動成分を示す検出信号が
入力される。入力された検出信号は検波部18により検
波され、抵抗、コンデンサからなるローパスフィルタ1
9により平滑化される。比較器21は、可変抵抗等によ
り構成された基準レベル信号発生部20からの基準レベ
ル信号と、ローパスフィルタ19により平滑化された信
号との比較を行う。このことにより、周波数分解部であ
るバンドパスフィルタ9から出力された振動成分の振幅
が、基準レベル信号発生部20からの基準値と比較さ
れ、被測定物2の振動レベルの合否が判定される。比較
器21は、基準レベル信号の方が大きい場合はHレベ
ル、基準レベル信号の方が小さい場合はLレベルの信号
を生成し、抵抗を介してブザー22に出力する。ブザー
22は、例えば比較器21からLレベルの信号を入力し
たとき、電流が供給され音を発生する。
【0030】本実施例の振動測定装置は、上述の構成に
より、下記に示すような多くの利点を得ることができ
る。まず、本実施例の振動測定装置では、被測定物2が
どの方向にも自由に振動できる状態を海綿状弾性体1か
らなる簡単な構成の保持部により実現している。つま
り、図8を参照して説明した従来例の保持部における支
持リブ、可動体、前記可動体を駆動する駆動部等の構成
を省略することができる。また、海綿状弾性体1の上面
に、被測定物2の底面の形状と一致する溝部1aを設け
ることにより、被測定物2の海綿状弾性体1への取り付
けを容易に行うことができ、かつ被測定物2を安定して
保持することができる。さらに、海綿状弾性体1を一体
構造の面的弾性体により構成しているので、当該海綿状
弾性体1の支持重心と被測定物2の重心との位置関係を
常に一定な位置関係にすることができる。また、レーザ
照射ヘッド7aをヘッド支持部8により固定、保持して
いるので、レーザ照射ヘッド7aからのレーザ光の照射
位置を測定毎に同じ位置に合わせることが容易となる。
また、モータ2aが発生する振動力の振幅は、振動の測
定値を周波数分解することにより、下記の式を用いて計
算することができる。つまり、振動の周波数をf、周波
数fの振動力の振幅をF0としたとき、被測定物2と海
綿状弾性体1とで構成され、モータ2aの回転軸と平行
な方向の振動系の運動方程式は、次の(3)式により示
される。
【0031】 M・a + b1・V + k1・X = F0・sin(2πft)−−−(3)
【0032】但し、aは、被測定物2の振動による加速
度を示し、それ以外のパラメータb1・V、及びk1・X
は、(1)式、(2)の不等式に示したものと同一であ
る。また、十分時間が経過した定常状態での振動力の振
幅F0と被測定物2の振動による変位(振幅)X0との関
係は、以下の(4)式となり、振動力の振幅F0を算出
することができる。尚、(4)式に示す振動の変位X0
は、(5)式に示す関係式により、被測定物2の振動に
よる速度V0または加速度A0に変換することができる。
【0033】 F0 = X0・M[{(k1/M)-(2πf)2}2 + (b1/M)2(2πf)2](1/2) −−−(4) X0 = V0/(2πft) = A0/(2πft)2 −−−(5)
【0034】また、被測定物2に含まれるモータ2aに
おいて、特に問題となる振動の周波数f’は、電気的な
回転周期の基本周波数とその整数倍の周波数である。例
えば、界磁部13の磁極数が12極であるモータ2aを
2000r.p.m.(=33.3Hz)で回転させた場合、電
気的な回転周期の基本周波数は、回転周波数の6倍の2
00Hz(=33.3×12/2)であり、問題となる
振動の周波数f’は、200HZ、及びその整数倍の周
波数である。このような問題となる周波数f’に対し
て、本実施例の振動測定装置では、上述の(1)式、及
び(2)式での測定する振動の下限周波数fLに問題と
なる周波数f’を代入し、(1)式、及び(2)式の不
等式が成立するように、海綿状弾性体1を選定してい
る。このことにより、振動の測定値には、海綿状弾性体
1の上記振動系への影響が排除され、問題となる周波数
f’において、正確な振動測定を行うことができる。す
なわち、振動力の振幅F0と振動の変位X0の関係式であ
る上記(4)式に(1)式、及び(2)式の条件を加え
ると、(4)式は次の(6)式に近似される。
【0035】 F0 ≒ M・X0(2πf’)2 ≒ M・V0(2πf’) ≒ M・A0 −−−(6)
【0036】(6)式に示されるように、本実施例の振
動測定装置では、海綿状弾性体1が上述の振動系に影響
を与えるパラメータb1、k1を用いることなく、振動力
の振幅F0を求めることができる。すなわち、本実施例
の振動測定装置では、被測定物2の測定する周波数fの
振動成分は、海綿状弾性体1により減衰されることなく
振動する。このため、海綿状弾性体1の特性である上記
パラメータb1、k1が変動したとしても、測定する振動
による被測定物2の変位X0、振動の速度V0、振動の加
速度A0は、それらの特性に影響されない。従って、海
綿状弾性体1と被測定物2との設置条件が異なることに
よるパラメータb1、k1の変動、あるいは海綿状弾性体
1の経年劣化によるパラメータb1、k1の変動が生じた
としても、本実施例の振動測定装置では、高精度な振動
測定を行うことができる。
【0037】さらに、本実施例の振動測定装置では、海
綿状弾性体1と被測定物2とで構成され、モータ2aの
回転軸と平行な方向の振動系の固有振動周波数を振動測
定を行う周波数帯域から外すことができ、固有振動の影
響による誤差を排除できる。すなわち、(3)式で示さ
れる振動系において、その固有振動周波数fsは、以下
の(7)式に示される。
【0038】 (2πfs)2 = (k1/M)−(1/2)・(b1/M)2 −−−(7)
【0039】ここで、測定する振動の周波数をfとし
て、(1)式、及び(2)式の条件を付加すれば下記の
(8)式が成立する。
【0040】 (2πfs)2<<(2πf)2 −−−(8)
【0041】固有振動周波数fs、及び測定する振動の
周波数fは、正の数であるので、(8)式からfs < f
の不等式が成立する。すなわち、本実施例の振動測定装
置では、振動測定を行う周波数帯域は、振動系の固有振
動周波数より大きく、当該固有振動周波数を外して振動
測定を行うことができる。
【0042】また、本実施例の振動測定装置では、バン
ドパスフィルタ9と判定部10とを組み合わすことによ
り、モータ2a(製品)の振動レベルの合否判定を容易
に行うことができる。
【0043】《第2の実施例》図5は、本発明の第2の
実施例である振動測定装置の全体構成を示す説明図であ
る。この実施例の要旨は、振動測定装置の構成におい
て、被測定物であるモータの回転軸と平行な方向の振動
だけでなく、前記回転軸周りの回転方向の振動をも測定
可能としたことである。それ以外の各部は、第1の実施
例のものと同様であるのでそれらの重複した説明は省略
する。図5において、海綿状弾性体1’上には、被測定
物2’が配置されている。被測定物2’は、どの方向に
も自由に振動できるよう海綿状弾性体1’に保持されて
いる。海綿状弾性体1’は、一体構造の面的弾性体であ
り、被測定物2’を載せる部分の面積が海綿状弾性体
1’側の被測定物2’の底面積よりも大きく構成されて
いる。このように構成することにより、図2に示した溝
部1aを設けることなく、海綿状弾性体1’の支持重心
と被測定物2’の重心とを容易に一致することができ
る。海綿状弾性体1’は、海綿状弾性体1’と被測定物
2’とで構成され、モータ2a’の回転軸と平行な方向
の振動系において、第1の実施例のものと同様に、下記
の(9)式、及び(10)式の不等式の条件を満たすよ
うに被測定物2’に応じて選定されている。尚、下記の
説明では、測定する振動の下限周波数をfLZとする。ま
た、第1の実施例にて説明したパラメータには、同一の
符号を使用しそれらの重複した説明は省略する。
【0044】 (b1/M)2<<(2πfLZ)2 −−−(9) k1/M <<(2πfLZ)2 −−−(10)
【0045】さらに、本実施例の海綿状弾性体1’は、
海綿状弾性体1’と被測定物2’とで構成され、モータ
2a’の回転軸周りの回転方向の振動系において、下記
の(11)式、及び(12)式の不等式の条件を満たす
ように被測定物2’に応じて選定されている。尚、下記
の説明では、被測定物2’のロータ部分を除くモータ2
a’の回転軸周りの慣性モーメントを合計した合計慣性
モーメントIとし、測定する振動の下限周波数をfLTと
する。また、被測定物2’の回転方向の振動による角度
変位をθとし、海綿状弾性体1’の回転バネ定数をk2
として、前記角度変位θに比例する抗トルクをk2・θ
と表す。被測定物2’の回転方向の振動による角速度を
ωとし、海綿状弾性体1’の回転粘性定数をb2とし
て、前記角速度ωに比例する抗トルクをb2・ωと表
す。
【0046】 (b2/I)2<<(2πfLT)2 −−−(11) k2/I <<(2πfLT)2 −−−(12)
【0047】上述の(9)式〜(12)式の不等式を満
足することにより、測定を行う振動の周波数帯域におい
て、被測定物2’が海綿状弾性体1’から受ける影響を
無視することができる。すなわち、fLZ以上の周波数帯
域において、回転軸と平行な方向での被測定物2’の振
動は、海綿状弾性体1’からの抗力によって減衰するこ
となく、被測定物2’は自由に振動することができる。
また、fLT以上の周波数帯域において、回転軸周りの回
転方向での被測定物2’の振動は、海綿状弾性体1’か
らの抗力によって減衰することなく、被測定物2’は自
由に振動することができる。その結果、振動の測定値
は、正確なものとなる。さらに、経年劣化により変化す
る海綿状弾性体1’の特性の影響が振動の測定値に表れ
るのを防止することができ、振動測定を高精度に行うこ
とが可能となる(詳細は後述)。
【0048】被測定物2’は、モータ2a’、モータ2
a’のステータ側に取り付けられた治具2c’、及びプ
リント基板2d’を備えている。モータ2a’は、プリ
ント基板2d’に装着され、プリント基板2d’は治具
2c’に固定されている。プリント基板2d’上には、
モータ2a’を駆動するための駆動部4とモータ2a’
の速度制御を行う速度制御部5が配置されている。駆動
部4及び速度制御部5に電力を供給する電力供給部6
は、被測定物2’から離れた位置に配置されている。モ
ータ2a’と、その駆動制御回路である駆動部4及び速
度制御部5とは、図3に示した第1の実施例のものと同
一なものが用いられている。治具2c’は、金属板、プ
ラスチック板等の剛性体により、例えば直径10cm、厚
さ5mmの略円盤状に形成されている。治具2c’には、
振動検出部である加速度センサ23a,23b,23c
が設けられている。具体的には、モータ2a’の回転軸
と平行な方向の振動を測定するために、加速度センサ2
3aが治具2c’の底面に配置され、前記回転軸周りの
回転方向の振動を測定するために、加速度センサ23
b,23cが治具2c’の側面(円筒面)に配置されて
いる。加速度センサ23aは、周波数分解部であるFF
Tアナライザ27に接続されている。加速度センサ23
b,23cは、合成部である加算アンプ26に接続され
ている。加速度センサ23b,23cの検出出力は、加
算アンプ26により加算されたのちFFTアナライザ2
7に出力される。モータ2a’の負荷トルクを調節する
負荷調節部として、渦電流負荷発生部24が配設されて
いる。渦電流負荷発生部24は、コイル部24a、前記
コイル部24aが巻回され、ギャップを設けたコア部2
4b、及びモータ2a’のロータに装着され、円周面が
前記ギャップの間に配置されたディスク部24cを具備
している。コイル部24aには、任意の電力を供給する
ために、可変電圧を出力できる電源25が接続されてい
る。渦電流負荷発生部24は、コイル部24aに通電し
コア部24bからディスク部24cに磁束を発生するこ
とにより、ディスク部24c上に渦電流を生じて、モー
タ2a’の負荷トルクを調節する。
【0049】次に、被測定物2’について、図6、図7
の(a)、及び図7の(b)を参照して詳細に説明す
る。図6は、図1に示した被測定物におけるモータ、プ
リント基板、及び治具の位置関係を示す斜視図である。
図7の(a)は、図1に示した治具の構成を示す平面図
であり、図7の(b)は、図1に示した治具の構成を示
す側面図である。図6に示すように、略円盤状の治具2
c’は、その中心軸を対称とした軸対称形に形成されて
いる。治具2c’及びプリント基板2d’は、治具2
c’の中心軸がモータ2a’の回転軸と一致するように
互いに固定されている。尚、治具2c’の質量はプリン
ト基板2d’の質量に比べて十分大きく設定してあるの
で、被測定物2’は上記回転軸を中心軸とする軸対称形
とみなすことができる。図7の(a)、及び図7の
(b)に示すように、治具2c’の周縁部分には、切欠
き部2c’1,2c’2が治具2c’の中心軸に対して互
いに対称な位置に設けられている。加速度センサ23
b,23cは、切欠き部2c’1,2c’2にそれぞれ取
り付けられ、図7の(a)の矢印”P”、及び”Q”に
て示すモータ2a’の回転軸周りの回転方向での振動に
よる加速度を検出する。これらの加速度センサ23b,
23cの検出出力は、加算アンプ26(図5)によって
加算することにより、モータ2a’の回転軸に対して垂
直方向の横振動がキャンセルされ、モータ2a’の回転
軸周りの回転方向の振動による加速度を検出することが
できる。治具2c’の底面と対称軸とが交わる箇所に
は、加速度センサ23aが配置され、図7の(b)の矢
印”R”にて示すモータ2a’の回転軸と平行な方向で
の振動による加速度が検出される。尚、各加速度センサ
23a,23b,23cの質量は、被測定物2’の質量
に比べて十分に小さいものが用いられているので、被測
定物2’の振動には何等影響を与えない。尚、モータ2
a’の回転軸に対して対称な位置に配置した2つの加速
度センサにより、前記回転軸に対して垂直方向での振動
による加速度を検出して回転方向の振動による加速度を
検出することができる。この場合、2つの加速度センサ
の検出出力の一方から他方を減算することにより、モー
タ2a’の回転軸に対して垂直方向の横振動がキャンセ
ルされる。
【0050】本実施例の振動測定装置は、以上の構成に
より、下記に示すような多くの利点を得ることができ
る。まず、海綿状弾性体1’を一体構造の面的弾性体と
により構成し、被測定物2’を載せる部分の面積を被測
定物2’の底面積よりも大きくすることにより、海綿状
弾性体1’の支持中心軸と被測定物2’の重心とを常に
一致させることができる。また、被測定物2’と海綿状
弾性体1’とからなる振動系の特性を容易に安定させる
ことができる。また、第1の実施例のものと同様に、海
綿状弾性体1’と被測定物2’とにより構成され、モー
タ2a’の回転軸と平行な方向の振動を行う振動系にお
いて、海綿状弾性体1’は、上記(9)式、及び(1
0)式の不等式の条件を満たすように、被測定物2’に
応じて選定されている。このことにより、下限周波数f
LZ以上の周波数の振動成分では、海綿状弾性体1’の特
性が変化しても測定値に与える影響は無視できる。さら
に、上記振動系における固有振動周波数は測定を行う振
動の周波数帯域外となる。数式を用いてこれらのことを
説明すると、上記振動系における振動力の振幅F0は、
第1の実施例の(6)式と同様な次の(13)式にて近
似される。また、固有振動周波数fsと測定する下限周
波数fLZとの関係は、下記の(14)式の不等式が成立
する
【0051】 F0 ≒ M・X0(2πfLZ)2 ≒ M・V0(2πfLZ) ≒ M・A0 −−−(13) fs<fLZ −−−(14)
【0052】(13)式から明らかなように、本実施例
の振動測定装置では、海綿状弾性体1’が上述の振動系
に影響を与えるパラメータb1、k1を用いることなく、
振動力の振幅F0を求めることができる。すなわち、本
実施例の振動測定装置では、下限周波数fLZ以上の周波
数の振動成分は、海綿状弾性体1’により減衰されるこ
となく振動する。このため、海綿状弾性体1’の特性で
ある上記パラメータb1、k1が変動したとしても、測定
する振動による被測定物2’の変位X0、振動の速度V
0、振動の加速度A0は、それらの特性に影響されない。
従って、海綿状弾性体1’と被測定物2’との設置条件
が異なることによるパラメータb1、k1の変動、あるい
は海綿状弾性体1’の経年劣化によるパラメータb1、
k1の変動が生じたとしても、本実施例の振動測定装置
では、高精度な振動測定を行うことができる。さらに、
(14)式に示されるように、測定する下限周波数fLZ
は、回転軸と平行な方向の振動系の固有振動周波数fs
よりも大きくなり、当該振動系の固有振動の影響を受け
ることなく、振動測定を行うことができる。
【0053】さらに、本実施例の振動測定装置では、海
綿状弾性体1’と被測定物2’とにより構成され、モー
タ2a’の回転軸周りの回転方向の振動を行う振動系に
おいて、海綿状弾性体1’は、上記(11)式、及び
(12)式の不等式の条件を満たすように、被測定物
2’に応じて選定されている。このことにより、下限周
波数fLT以上の周波数の振動成分では、海綿状弾性体
1’の特性が変化しても測定値に与える影響は無視でき
る。さらに、この振動系における固有振動周波数は測定
を行う振動の周波数帯域外となる。数式を用いてこれら
のことを説明する。まず、この回転方向での振動系の運
動方程式は、次の(15)式にて表される。ただし、被
測定物2’の角加速度をαとし、定常状態での振動の振
幅をT0として、周波数fでの回転方向の振動トルク成
分をT0・sin(2πft)と表している。
【0054】 I・α + b2・ω + k2・θ = T0・sin(2πft)−−−(15)
【0055】(15)式に示す運動方程式は、(3)式
に示した回転軸と平行な方向の振動系での運動方程式と
同形であり、上記(11)式、及び(12)式の不等式
の条件を加えると、(15)式は、以下の(16)式に
近似される。尚、(16)式に示す振動の振幅T0、振
動による角度変位θ0、振動の角速度ω0、及び振動の角
加速度α0は、十分時間が経過した定常状態での値であ
る。また、回転軸と平行な方向の振動系と同様に、回転
方向での振動系においても、固有振動周波数fs’と測
定する下限周波数fLTとの関係は、下記の(17)式の
不等式が成立する。
【0056】 T0 ≒ I・θ0(2πfLT)2 ≒ I・ω0(2πfLT) ≒ I・α0 −−−(16) fs’<fLT −−−(17)
【0057】(16)式から明らかなように、本実施例
の振動測定装置では、海綿状弾性体1’が上述の振動系
に影響を与えるパラメータb2、k2を用いることなく、
振動力の振幅T0を求めることができる。すなわち、本
実施例の振動測定装置では、下限周波数fLT以上の周波
数の振動成分は、海綿状弾性体1’により減衰されるこ
となく振動する。このため、海綿状弾性体1’の特性で
ある上記パラメータb2、k2が変動したとしても、測定
する振動による被測定物2’の角度変位θ0、振動の角
速度ω0、振動の角加速度α0は、それらの特性に影響さ
れない。従って、海綿状弾性体1’と被測定物2’との
設置条件が異なることによるパラメータb1、k1の変
動、あるいは海綿状弾性体1’の経年劣化によるパラメ
ータb2、k2の変動が生じたとしても、本実施例の振動
測定装置では、高精度な振動測定を行うことができる。
さらに、(17)式に示されるように、測定する下限周
波数fLTは、回転方向の振動系の固有振動周波数fs’
りも大きくなり、当該振動系の固有振動の影響を受ける
ことなく、振動測定を行うことができる。
【0058】また、本実施例の振動測定装置では、モー
タ2a’が回転している状態において、モータ2a’の
回転軸と平行な方向の力の変動、及びモータ2a’のト
ルク変動を測定することができる。まず、回転軸と平行
な方向の力の変動を測定する測定方法について説明す
る。被測定物2’には、モータ2a’の回転軸と平行な
方向の力の変動により、回転軸と平行な方向に振動を生
じる。この回転軸と平行な方向の力の変動と被測定物
2’の振動との関係は(13)式となる。従って、上記
変動の振幅F0は、加速度センサ23aにより、モータ
2a’の回転軸と平行な方向の振動による加速度を検出
して、FFTアナライザ27によって周波数分解するこ
とにより、算出することができる。次に、トルク変動の
測定方法について説明する。被測定物2’には、モータ
2a’のトルク変動により、モータ2a’の回転軸周り
の回転方向に振動を生じる。このトルク変動と被測定物
2’の回転方向での振動との関係は、(16)式とな
る。従って、トルク変動の振幅T0は、被測定物2’の
モータ2a’の回転軸周りの回転方向での振動による角
加速度α0を検出すれば容易に算出することができる。
加速度センサ23b,23cは、回転方向での振動によ
る加速度βb,βcをそれぞれ測定しているので、次の
(18)式を用いることにより、角加速度α0に変換さ
れる。尚、(18)式において、加速度センサ23b,
23cとモータ2aの回転軸との距離をrにて示す。
【0059】 α0 = (1/2)・(βb + βc)/r −−−(18)
【0060】検出した加速度βb,βcの加算は、加算ア
ンプ20によって行われ、モータ2a’の回転軸に対し
て垂直方向の横振動が打ち消された後、FFTアナライ
ザ27によって周波数分解することにより、角加速度α
0を算出することができる。また、渦電流負荷発生部2
4及び可変電圧を出力できる電源25を設けることによ
り、任意の負荷トルクをモータ2a’に設定することが
できる。
【0061】尚、上述の第1、第2の実施例において、
振動検出部はレーザドップラ振動計や加速度センサに限
定されない。つまり、被測定物の振動による変位、速
度、及び加速度のいずれかを検出できる測定装置であれ
ば何等限定されない。ただし、レーザードップラ振動計
等の被測定物と非接触でその振動を検出できる装置が好
ましい。また、モータの負荷調節部は、渦電流負荷発生
部に限定されるものでなく、例えばプローニブレーキや
ヒステリシスブレーキを使用してもよい。また、モータ
は、ロータに電機子部を設けたものであってもよい。ま
た、モータの駆動制御回路は、図3に示した構成以外の
ものでもよい。例えば、位置検出部を用いないセンサレ
ス駆動であっても構わない。速度制御部も、周波数発電
機を用いた周波数制御方式に限定されるものでなく、例
えば電圧制御方式やPLLサーボ方式であっても構わな
い。モータの磁極数も限定しない。コイルも3相に限ら
ず複数相であればよい。コイルの結線もスター結線に限
らず、例えばデルタ型であっても構わない。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の振動測定装置
は、被測定物を海綿状弾性体により保持し、振動検出部
により検出された振動を周波数分解部により周波数分解
している。このことにより、被測定物が小型、軽量なモ
ータを含む場合でも、被測定物が発生する振動及び振動
力を容易に測定することができる。また、周波数分解部
により出力された所定の周波数の振動成分での振幅を基
準レベルと比較することにより、被測定物の振動レベル
の合否判定を容易に短期間に行うことが可能である。ま
た、被測定物と海綿状弾性体とからなる振動系におい
て、上述の(9)式乃至(12)式の不等式の条件を満
たすことにより、被測定物が海綿状弾性体の影響を受け
ずに自由に振動することが可能となる。このため、振動
測定の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である振動測定装置の全
体構成を示す説明図。
【図2】図1に示した海綿状弾性体の構成を示す斜視
図。
【図3】図1に示したモータ、及びモータの駆動制御部
の構成を示す回路図。
【図4】図1に示した判定部の構成を示す回路図。
【図5】本発明の第2の実施例である振動測定装置の全
体構成を示す説明図。
【図6】図1に示した被測定物におけるモータ、プリン
ト基板、及び治具の位置関係を示す斜視図。
【図7】図1に示した治具の構成を示す構造図。
【図8】従来の振動体の振動測定装置の構成を示す概略
正面図。
【符号の説明】
1,1’ 海綿状弾性体 1a 溝部 2,2’ 被測定物 2a,2a’ モータ 4 駆動部 5 速度制御部 6 電力供給部 7 レーザドップラ振動計 9 バンドパスフィルタ 10 判定部 13 界磁部 14 電機子部 23 加速度センサ 24 渦電流負荷発生部 26 加算アンプ 27 FFTアナライザ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海綿状弾性体により構成され、被測定物
    を保持する保持手段と、 前記保持手段により保持された被測定物の振動を検出す
    る振動検出手段と、 前記振動検出手段からの出力を周波数別に分解する周波
    数分解手段とを備えた振動測定装置。
  2. 【請求項2】 前記被測定物が、複数相のコイルから構
    成される電機子手段と永久磁石により界磁磁束を発生す
    る界磁手段とを備えたモータを含み、前記モータを駆動
    する駆動手段と、前記モータの速度制御を行う速度制御
    手段と、前記駆動手段及び前記速度制御手段に電力を供
    給する電力供給手段とを設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の振動測定装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数分解手段に接続され、周波数
    分解手段から出力された所定の周波数帯域の振動成分を
    基準値と比較して、被測定物の振動レベルを判定する判
    定手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の振動測定装置。
  4. 【請求項4】 前記海綿状弾性体は、被測定物を載せる
    部分の面積が被測定物の海綿状弾性体側の底面積よりも
    大きく形成されていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載の振動測定装置。
  5. 【請求項5】 前記海綿状弾性体が、一体構造の面的弾
    性体により構成されたことを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載の振動測定装置。
  6. 【請求項6】 前記海綿状弾性体の一面には、配置され
    る被測定物の形状に一致した溝部が設けられていること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    振動測定装置。
  7. 【請求項7】 前記被測定物と海綿状弾性体とで構成さ
    れる振動系において、被測定物のロータ部分を除く合計
    質量をM、測定を行う振動の下限周波数をfL、前記被
    測定物の振動による変位をX、前記変位Xに比例する抗
    力をk1・X、前記被測定物の振動による速度をV、及
    び前記速度Vに比例する抗力をb1・Vと表したとき、 (b1/M)2<<(2πfL)2 、及びk1/M<<(2
    πfL)2 の条件を満たすことを特徴とする請求項2または請求項
    3に記載の振動測定装置。
  8. 【請求項8】 前記被測定物と海綿状弾性体とで構成さ
    れる振動系において、被測定物のロータ部分を除く、ロ
    ータの回転軸周りの慣性モーメントを合計した合計慣性
    モーメントをI、測定する振動の下限周波数をfLT、前
    記被測定物の回転方向の振動による角度変位をθ、前記
    角度変位θに比例する抗トルクをk2・θ、前記被測定
    物の回転方向の振動による角速度をω、及び前記角速度
    ωに比例する抗トルクをb2・ωと表したとき、 (b2/I)2<<(2πfLT)2、及びk2/I<<(2
    πfLT)2の条件を満たすことを特徴とする請求項2ま
    たは請求項3に記載の振動測定装置。
  9. 【請求項9】 前記被測定物のロータ部分以外の形状が
    軸対称形に形成され、ロータの回転軸と前記被測定物の
    対称軸が一致していることを特徴とする請求項2または
    請求項3に記載の振動測定装置。
  10. 【請求項10】 前記被測定物のロータの回転軸に対し
    て対称の位置に2個の振動検出手段を取り付け、前記2
    個の振動検出手段の出力を加算または減算する合成手段
    を設けたことを特徴とする請求項2、請求項3、及び請
    求項9のいずれかに記載の振動測定装置。
  11. 【請求項11】 前記モータの負荷トルクを調節する負
    荷調節手段を設けたことを特徴とする請求項2または請
    求項3に記載の振動測定装置。
  12. 【請求項12】 被測定物を海綿状弾性体により保持す
    る工程、 前記被測定物が発生する振動を振動検出手段により検出
    する工程、及び前記振動検出手段からの出力を周波数分
    解手段により周波数別に分解する工程を具備することを
    特徴とする振動測定装置の検査方法。
  13. 【請求項13】 前記周波数分解手段から出力された所
    定の周波数帯域の振動成分を基準値と比較して、被測定
    物の振動レベルを判定する工程を設けたことを特徴とす
    る請求項12に記載の振動測定装置の検査方法。
  14. 【請求項14】 モータを含む被測定物の振動を測定す
    る振動測定装置の検査方法であって、 前記被測定物と海綿状弾性体とで構成される振動系にお
    いて、被測定物のロータ部分を除く合計質量をM、測定
    を行う振動の下限周波数をfL、前記被測定物の振動に
    よる変位をX、前記変位Xに比例する抗力をk1・X、
    前記被測定物の振動による速度をV、及び前記速度Vに
    比例する抗力をb1・Vと表したとき、 (b1/M)2<<(2πfL)2 、及びk1/M<<(2
    πfL)2 の条件を満たすことを特徴とする請求項12または請求
    項13に記載の振動測定装置の検査方法。
  15. 【請求項15】 モータを含む被測定物の振動を測定す
    る振動測定装置の検査方法であって、 前記被測定物と海綿状弾性体とで構成される振動系にお
    いて、被測定物のロータ部分を除く、ロータの回転軸周
    りの慣性モーメントを合計した合計慣性モーメントを
    I、測定する振動の下限周波数をfLT、前記被測定物の
    回転方向の振動による角度変位をθ、前記角度変位θに
    比例する抗トルクをk2・θ、前記被測定物の回転方向
    の振動による角速度をω、及び前記角速度ωに比例する
    抗トルクをb2・ωと表したとき、 (b2/I)2<<(2πfLT)2、及びk2/I<<(2
    πfLT)2の条件を満たすことを特徴とする請求項12
    または請求項13に記載の振動測定装置の検査方法。
  16. 【請求項16】 前記モータの負荷トルクを負荷調節手
    段により調節する工程を設けたことを特徴とする請求項
    14または請求項15に記載の振動測定装置の検査方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002345218A (ja) * 2001-05-11 2002-11-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機の製造方法、ならびにその方法により組み立てられた電動機を用いた家庭用電気製品および業務用電気製品
JP2019060633A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 Tead株式会社 振動測定装置及び振動測定評価システム

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