JPH1173629A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH1173629A JPH1173629A JP23152097A JP23152097A JPH1173629A JP H1173629 A JPH1173629 A JP H1173629A JP 23152097 A JP23152097 A JP 23152097A JP 23152097 A JP23152097 A JP 23152097A JP H1173629 A JPH1173629 A JP H1173629A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 下層非磁性層2,4と上層磁性層3,5を有
する重層塗布型の磁気記録媒体において、下層非磁性層
2,4、上層磁性層3,5を平滑な表面で形成するとと
もに走行に際する帯電が防止されるようにし、さらに走
行耐久性を改善する。 【解決手段】 上記下層非磁性層2,4に含まれる非磁
性粉末として針状酸化鉄とカーボンブラックを用い、当
該非磁性粉末全量の70重量%以上を針状酸化鉄で構成
し、且つ、上記針状酸化鉄とカーボンブラックとして表
面が酸性のものを使用する。
する重層塗布型の磁気記録媒体において、下層非磁性層
2,4、上層磁性層3,5を平滑な表面で形成するとと
もに走行に際する帯電が防止されるようにし、さらに走
行耐久性を改善する。 【解決手段】 上記下層非磁性層2,4に含まれる非磁
性粉末として針状酸化鉄とカーボンブラックを用い、当
該非磁性粉末全量の70重量%以上を針状酸化鉄で構成
し、且つ、上記針状酸化鉄とカーボンブラックとして表
面が酸性のものを使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重層塗布型の磁気
記録媒体に関し、特に高密度記録に好適な、走行耐久性
に優れた塗布型磁気記録媒体に関するものである。
記録媒体に関し、特に高密度記録に好適な、走行耐久性
に優れた塗布型磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体としては、強磁性粉末や結
合剤、各種添加剤を有機溶媒とともに分散せしめて調製
された磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布乾燥すること
で磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体
が知られており、高密度記録化の目的から上記強磁性粉
末としては金属微粒子が用いられるようになっている。
合剤、各種添加剤を有機溶媒とともに分散せしめて調製
された磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布乾燥すること
で磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体
が知られており、高密度記録化の目的から上記強磁性粉
末としては金属微粒子が用いられるようになっている。
【0003】このような金属微粒子を用いる塗布型の磁
気記録媒体は、オーディオ用あるいはビデオ用の磁気テ
ープを始め、高密度フロッピーディスク、バックアップ
用データカートリッジ等のコンピュータ用記録媒体とし
て利用され、現在における磁気記録媒体の主流になると
同時に、特性の向上も目ざましいものがある。
気記録媒体は、オーディオ用あるいはビデオ用の磁気テ
ープを始め、高密度フロッピーディスク、バックアップ
用データカートリッジ等のコンピュータ用記録媒体とし
て利用され、現在における磁気記録媒体の主流になると
同時に、特性の向上も目ざましいものがある。
【0004】ところで、塗布型の磁気記録媒体の高密度
記録化を実現するためには、強磁性粉末として金属微粒
子を用いるとともに、媒体表面を超平滑化し、スペーシ
ングロスを最小限に抑えると同時に、記録減磁による出
力ロスを低減することも重要である。
記録化を実現するためには、強磁性粉末として金属微粒
子を用いるとともに、媒体表面を超平滑化し、スペーシ
ングロスを最小限に抑えると同時に、記録減磁による出
力ロスを低減することも重要である。
【0005】これら目的を達成する手法としては(1)
強磁性粉末の保磁力や飽和磁化の増大、(2)強磁性粉
末の保磁力分布の均一化、(3)垂直異方性の付与、
(4)磁性層の薄膜化等が挙げられる。
強磁性粉末の保磁力や飽和磁化の増大、(2)強磁性粉
末の保磁力分布の均一化、(3)垂直異方性の付与、
(4)磁性層の薄膜化等が挙げられる。
【0006】このうち、(1)、(2)は出力を直接的
に向上させる手法である。このような保磁力や飽和磁化
に関する改良については、強磁性粉末の元素組成等の検
討が行われ、保磁力が160kA/mを越える金属微粒
子、さらには飽和磁化が140Am3/kgを越える金
属微粒子も開発されるようになっている。また、保磁力
分布には強磁性粉末の粒子サイズ分布が反映されるが、
この粒子サイズを均一化することで保磁力分布も著しく
改善されている。
に向上させる手法である。このような保磁力や飽和磁化
に関する改良については、強磁性粉末の元素組成等の検
討が行われ、保磁力が160kA/mを越える金属微粒
子、さらには飽和磁化が140Am3/kgを越える金
属微粒子も開発されるようになっている。また、保磁力
分布には強磁性粉末の粒子サイズ分布が反映されるが、
この粒子サイズを均一化することで保磁力分布も著しく
改善されている。
【0007】(3)の垂直異方性の付与は、垂直磁気記
録による高密度化のための手法である。これに関して
は、塗布型の磁気記録媒体の場合、強磁性粉末の磁気配
向の制御によるところが大きい。例えば針状粒子を用い
る場合には、塗膜に対して垂直配向処理あるいは斜方配
向処理を施すことが試みられている。しかし、配向制御
の難しさ、配向による塗膜表面の乱れ等の問題から、こ
れらの配向処理は実用的となるまでには至っていない。
録による高密度化のための手法である。これに関して
は、塗布型の磁気記録媒体の場合、強磁性粉末の磁気配
向の制御によるところが大きい。例えば針状粒子を用い
る場合には、塗膜に対して垂直配向処理あるいは斜方配
向処理を施すことが試みられている。しかし、配向制御
の難しさ、配向による塗膜表面の乱れ等の問題から、こ
れらの配向処理は実用的となるまでには至っていない。
【0008】次に、(4)の磁性層の薄膜化について
は、自己減磁損失を低減する方法として非常に有効であ
ると考えられる。
は、自己減磁損失を低減する方法として非常に有効であ
ると考えられる。
【0009】ここで、磁性層の膜厚を、例えば1μm以
下に単純に薄膜化すると、磁性層表面に非磁性支持体の
表面形状が現れ易くなり、磁性層表面の平滑化が困難に
なる。このため、磁性層を薄膜化する場合には、非磁性
支持体と磁性層の間に非磁性の塗布層を介在させる重層
塗布型構成が採られる場合が多くなっている。このよう
に非磁性層を介在させることで非磁性支持体表面と磁性
層表面の間に厚さが稼がれ、非磁性支持体の表面形状が
磁性層表面に現れ難くなる。したがって、厚さの薄い磁
性層が平滑な表面形状で形成されることになる。
下に単純に薄膜化すると、磁性層表面に非磁性支持体の
表面形状が現れ易くなり、磁性層表面の平滑化が困難に
なる。このため、磁性層を薄膜化する場合には、非磁性
支持体と磁性層の間に非磁性の塗布層を介在させる重層
塗布型構成が採られる場合が多くなっている。このよう
に非磁性層を介在させることで非磁性支持体表面と磁性
層表面の間に厚さが稼がれ、非磁性支持体の表面形状が
磁性層表面に現れ難くなる。したがって、厚さの薄い磁
性層が平滑な表面形状で形成されることになる。
【0010】この重層塗布型の磁気記録媒体について
は、各種改良が提案されており、例えば、下層非磁性層
の塗布厚みを0.5μm〜3.5μmとする方法(特開
昭63−187418号公報)や、下層非磁性層の非磁
性酸化物の表面を無機物で被覆する方法(特開平5−1
82177号公報)、下層非磁性層に大きさの異なる2
種類以上の非磁性粉末を用いる方法(特開平5−274
651号公報)、上層磁性層の厚みの標準偏差を特定の
範囲内に規制する方法(特開平5−298653号公
報)、上層磁性層を2層以上の磁性層で構成する方法
(特開平6−162485号公報、特開平6−1624
89号公報)等が報告されている。
は、各種改良が提案されており、例えば、下層非磁性層
の塗布厚みを0.5μm〜3.5μmとする方法(特開
昭63−187418号公報)や、下層非磁性層の非磁
性酸化物の表面を無機物で被覆する方法(特開平5−1
82177号公報)、下層非磁性層に大きさの異なる2
種類以上の非磁性粉末を用いる方法(特開平5−274
651号公報)、上層磁性層の厚みの標準偏差を特定の
範囲内に規制する方法(特開平5−298653号公
報)、上層磁性層を2層以上の磁性層で構成する方法
(特開平6−162485号公報、特開平6−1624
89号公報)等が報告されている。
【0011】また、下層非磁性層及び上層磁性層の形成
方法についても検討がなされており、非磁性塗料,磁性
塗料がそれぞれ押し出される2つのスリットを有するダ
イヘッドを用い、このダイヘッドによって非磁性支持体
上に非磁性塗料と磁性塗料を同時に塗布する同時重層塗
布方式(ウェット・オン・ウェット塗布方式)が提案さ
れている。この同時重層塗布方式では、塗布欠陥や塗り
筋の少ない均一な厚さの塗膜が形成できる。したがっ
て、電磁変換特性に優れノイズの少ない媒体が得られ
る。また、形成された下層と上層とは密着性が高く、優
れた耐久性が得られる。
方法についても検討がなされており、非磁性塗料,磁性
塗料がそれぞれ押し出される2つのスリットを有するダ
イヘッドを用い、このダイヘッドによって非磁性支持体
上に非磁性塗料と磁性塗料を同時に塗布する同時重層塗
布方式(ウェット・オン・ウェット塗布方式)が提案さ
れている。この同時重層塗布方式では、塗布欠陥や塗り
筋の少ない均一な厚さの塗膜が形成できる。したがっ
て、電磁変換特性に優れノイズの少ない媒体が得られ
る。また、形成された下層と上層とは密着性が高く、優
れた耐久性が得られる。
【0012】この同時重層塗布方式においては、上層下
層の塗料特性の調整が重要である。このような観点か
ら、上層用塗料、下層用塗料の塗料化に用いる溶媒とし
て、結合剤に対する貧溶媒を用いる方法(特開昭63−
31028号公報)や、上層用塗料、下層用塗料の溶解
度パラメーターを一致させる方法(特開平3−1195
18号公報)、上層用塗料、下層用塗料のレイノルズ数
を一致させる方法(特開平4−271016号公報)、
上層用塗料、下層用塗料で同一もしくは近似したチキソ
トロピー性をもたせる方法(特開平4−325917号
公報)、塗料の流動曲線を特定式とフィッティングさせ
る方法(特開平5−128496号公報)、引き延ばし
流動指数を規定する方法(特開平5−208165号公
報)、塗料のクリープ変形量を規定する方法(特開平6
−195690号公報)、塗料の損失弾性項の極大値と
極小値の比を一定量にする方法(特開平5−26646
3号公報)等が提案されている。
層の塗料特性の調整が重要である。このような観点か
ら、上層用塗料、下層用塗料の塗料化に用いる溶媒とし
て、結合剤に対する貧溶媒を用いる方法(特開昭63−
31028号公報)や、上層用塗料、下層用塗料の溶解
度パラメーターを一致させる方法(特開平3−1195
18号公報)、上層用塗料、下層用塗料のレイノルズ数
を一致させる方法(特開平4−271016号公報)、
上層用塗料、下層用塗料で同一もしくは近似したチキソ
トロピー性をもたせる方法(特開平4−325917号
公報)、塗料の流動曲線を特定式とフィッティングさせ
る方法(特開平5−128496号公報)、引き延ばし
流動指数を規定する方法(特開平5−208165号公
報)、塗料のクリープ変形量を規定する方法(特開平6
−195690号公報)、塗料の損失弾性項の極大値と
極小値の比を一定量にする方法(特開平5−26646
3号公報)等が提案されている。
【0013】ところで、重層塗布型の磁気記録媒体では
磁性層表面が非常に平滑に形成されるが、表面が平滑で
あると電磁変換特性については有利である反面、次のよ
うな不都合も生じる。
磁性層表面が非常に平滑に形成されるが、表面が平滑で
あると電磁変換特性については有利である反面、次のよ
うな不都合も生じる。
【0014】まず、磁性層表面が平滑であると記録再生
装置上を走行させたときに、どうしても各種摺動部材に
対する接触面積が大きくなり、これら摺動部材に対する
摩擦係数が大きな値になる。このため、走行耐久性を得
るのが困難である。しかも、近年、磁気テープにおいて
は、カセットに収容できるテープ長を長尺化し、カセッ
ト当たりの記録容量を増大させる目的で、媒体全厚が薄
手化する方向にある。このため、耐久性を得るのがさら
に難しくなっている。
装置上を走行させたときに、どうしても各種摺動部材に
対する接触面積が大きくなり、これら摺動部材に対する
摩擦係数が大きな値になる。このため、走行耐久性を得
るのが困難である。しかも、近年、磁気テープにおいて
は、カセットに収容できるテープ長を長尺化し、カセッ
ト当たりの記録容量を増大させる目的で、媒体全厚が薄
手化する方向にある。このため、耐久性を得るのがさら
に難しくなっている。
【0015】これに対して、上層の潤滑剤量を調節する
方法(特開平1−224919号公報、特開平5−18
3178号公報)、潤滑剤としてフッ素系潤滑剤を使用
する方法(特開平2−192018号公報、特開平5−
298679号公報)等の、潤滑剤の使用によって媒体
の摩擦係数を低減する手法が提案されている。
方法(特開平1−224919号公報、特開平5−18
3178号公報)、潤滑剤としてフッ素系潤滑剤を使用
する方法(特開平2−192018号公報、特開平5−
298679号公報)等の、潤滑剤の使用によって媒体
の摩擦係数を低減する手法が提案されている。
【0016】また、重層塗布型の磁気記録媒体では走行
時の帯電の問題もある。
時の帯電の問題もある。
【0017】すなわち、表面の平滑性は顔料の分散性と
相関があり、重層塗布型の場合のようによく分散された
塗膜ほど平滑な表面になる。しかし、顔料がよく分散さ
れた塗膜では、顔料同士の接触点が少ないことから電気
抵抗の高くなる傾向があり、帯電による放電ノイズやド
ラムあるいはガイドピンに対するはりつき現象が現れる
ことがある。テープ状媒体の場合は、磁性層が形成され
た側と反対側に導電性を持つバックコート層を形成する
ことによって、上記の問題をある程度回避することもで
きる。しかし、非磁性支持体の両側に磁性層が形成され
るディスク状媒体の場合は他の方法によらざるを得な
い。
相関があり、重層塗布型の場合のようによく分散された
塗膜ほど平滑な表面になる。しかし、顔料がよく分散さ
れた塗膜では、顔料同士の接触点が少ないことから電気
抵抗の高くなる傾向があり、帯電による放電ノイズやド
ラムあるいはガイドピンに対するはりつき現象が現れる
ことがある。テープ状媒体の場合は、磁性層が形成され
た側と反対側に導電性を持つバックコート層を形成する
ことによって、上記の問題をある程度回避することもで
きる。しかし、非磁性支持体の両側に磁性層が形成され
るディスク状媒体の場合は他の方法によらざるを得な
い。
【0018】この帯電防止のための技術としては下層の
非磁性層に帯電防止剤として適当量のカーボンブラック
を含有させる方法(特願平1−213822号、特開平
4−238111号公報)、ストラクチャー構造を有す
るカーボンブラックを適当量添加する方法(特開昭61
−177631号公報、特開平6−236542号公
報、米国特許第5612122号)等が提案されてい
る。
非磁性層に帯電防止剤として適当量のカーボンブラック
を含有させる方法(特願平1−213822号、特開平
4−238111号公報)、ストラクチャー構造を有す
るカーボンブラックを適当量添加する方法(特開昭61
−177631号公報、特開平6−236542号公
報、米国特許第5612122号)等が提案されてい
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】このようにこれまで重
層塗布型の磁気記録媒体に対しては様々な検討がなされ
ている。しかしながら、下層非磁性層での非磁性粉末の
分散性、媒体表面での帯電防止については未だ十分であ
るとは言えない。
層塗布型の磁気記録媒体に対しては様々な検討がなされ
ている。しかしながら、下層非磁性層での非磁性粉末の
分散性、媒体表面での帯電防止については未だ十分であ
るとは言えない。
【0020】また、走行耐久性については潤滑剤を使用
してもその効果が十分に得られず改善が難しいという問
題がある。これは以下の理由による。
してもその効果が十分に得られず改善が難しいという問
題がある。これは以下の理由による。
【0021】すなわち、潤滑剤は基本的に媒体表面に存
在して始めて摺動部材に対する媒体表面の走行性を改善
する。したがって、重層塗布型磁気記録媒体の走行耐久
性を改善するためには、上層磁性層表面に潤滑剤を常に
存在させておく必要がある。しかし、上層磁性層は非常
に薄いのでこの層だけに潤滑剤を保持させても添加量に
限界があり、摺動部材との接触によって直ぐに失われて
しまう。
在して始めて摺動部材に対する媒体表面の走行性を改善
する。したがって、重層塗布型磁気記録媒体の走行耐久
性を改善するためには、上層磁性層表面に潤滑剤を常に
存在させておく必要がある。しかし、上層磁性層は非常
に薄いのでこの層だけに潤滑剤を保持させても添加量に
限界があり、摺動部材との接触によって直ぐに失われて
しまう。
【0022】このため重層塗布型の磁気記録媒体では、
下層非磁性層にも潤滑剤を添加し、これを上層磁性層に
移行させ表面に補充されるような手法がとられる。これ
は、塗工によって形成された下層や上層には微細な空孔
が多数形成されており、下層非磁性層に添加した潤滑剤
はこの微細孔を通じて下層非磁性層から上層磁性層に移
行し、さらに表面に移行するという現象を利用する手法
である。
下層非磁性層にも潤滑剤を添加し、これを上層磁性層に
移行させ表面に補充されるような手法がとられる。これ
は、塗工によって形成された下層や上層には微細な空孔
が多数形成されており、下層非磁性層に添加した潤滑剤
はこの微細孔を通じて下層非磁性層から上層磁性層に移
行し、さらに表面に移行するという現象を利用する手法
である。
【0023】しかし、実際のところ下層非磁性層に潤滑
剤を添加しても、この潤滑剤は期待する程には上層磁性
層表面に移行せず、潤滑効果を十分に得ることができな
い。
剤を添加しても、この潤滑剤は期待する程には上層磁性
層表面に移行せず、潤滑効果を十分に得ることができな
い。
【0024】そこで本発明はこのような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、下層非磁性層、上層磁性層
が平滑な表面を有するとともに走行に際する帯電が防止
され、また走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供する
ことを目的とする。
みて提案されたものであり、下層非磁性層、上層磁性層
が平滑な表面を有するとともに走行に際する帯電が防止
され、また走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供する
ことを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、非
磁性粉末が結合剤に分散されてなる下層非磁性層が形成
され、この下層非磁性層上に、強磁性粉末が結合剤に分
散されてなる上層磁性層が形成されてなり、上記下層非
磁性層に含まれる非磁性粉末は、針状酸化鉄とカーボン
ブラックを含有するとともに当該非磁性粉末全量の70
重量%以上が針状酸化鉄であり、且つ上記針状酸化鉄と
カーボンブラックは、表面が酸性であることを特徴とす
るものである。
めに、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、非
磁性粉末が結合剤に分散されてなる下層非磁性層が形成
され、この下層非磁性層上に、強磁性粉末が結合剤に分
散されてなる上層磁性層が形成されてなり、上記下層非
磁性層に含まれる非磁性粉末は、針状酸化鉄とカーボン
ブラックを含有するとともに当該非磁性粉末全量の70
重量%以上が針状酸化鉄であり、且つ上記針状酸化鉄と
カーボンブラックは、表面が酸性であることを特徴とす
るものである。
【0026】下層非磁性層の非磁性粉末に針状酸化鉄と
カーボンブラックを含有させ、非磁性粉末の70重量%
以上を針状酸化鉄で構成すると、下層非磁性層及び上層
磁性層の表面を平滑に形成することができ、良好な電磁
変換特性が得られる。また、走行時の帯電が防止され、
帯電による貼り付き等の様々な不都合が抑えられる。さ
らに、針状酸化鉄とカーボンブラックの表面が酸性であ
ると下層非磁性層に添加した潤滑剤が上層磁性層に容易
に移行するようになり、媒体の走行耐久性が改善され
る。
カーボンブラックを含有させ、非磁性粉末の70重量%
以上を針状酸化鉄で構成すると、下層非磁性層及び上層
磁性層の表面を平滑に形成することができ、良好な電磁
変換特性が得られる。また、走行時の帯電が防止され、
帯電による貼り付き等の様々な不都合が抑えられる。さ
らに、針状酸化鉄とカーボンブラックの表面が酸性であ
ると下層非磁性層に添加した潤滑剤が上層磁性層に容易
に移行するようになり、媒体の走行耐久性が改善され
る。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態につ
いて以下に説明する。
いて以下に説明する。
【0028】本発明が適用される磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に、非磁性粉末が結合剤に分散されてなる下
層非磁性層が形成され、この下層非磁性層上に、強磁性
粉末が結合剤に分散されてなる上層磁性層が形成されて
なる重層塗布型の磁気記録媒体である。
性支持体上に、非磁性粉末が結合剤に分散されてなる下
層非磁性層が形成され、この下層非磁性層上に、強磁性
粉末が結合剤に分散されてなる上層磁性層が形成されて
なる重層塗布型の磁気記録媒体である。
【0029】本発明では、このような重層塗布型の磁気
記録媒体において、下層非磁性層の非磁性粉末として表
面が酸性の針状酸化鉄とカーボンブラックを使用し、非
磁性粉末のうち70重量%以上を上記針状酸化鉄で構成
する。
記録媒体において、下層非磁性層の非磁性粉末として表
面が酸性の針状酸化鉄とカーボンブラックを使用し、非
磁性粉末のうち70重量%以上を上記針状酸化鉄で構成
する。
【0030】非磁性粉末の種類、含有量及び表面の液性
をこのように規制するのは、下層非磁性層の表面を平滑
にし、これによって上層磁性層の表面を平滑に形成する
ことと、媒体表面の帯電を防止すること、そして下層非
磁性層に添加した潤滑剤が上層磁性層に容易に移行する
ことの全てを満足し、この潤滑剤によって媒体の走行耐
久性が改善されるようにするためである。
をこのように規制するのは、下層非磁性層の表面を平滑
にし、これによって上層磁性層の表面を平滑に形成する
ことと、媒体表面の帯電を防止すること、そして下層非
磁性層に添加した潤滑剤が上層磁性層に容易に移行する
ことの全てを満足し、この潤滑剤によって媒体の走行耐
久性が改善されるようにするためである。
【0031】まず、下層非磁性層の表面性を改善するた
めには、針状酸化鉄とカーボンブラックには種々の形状
のものがあるが、その中で下層非磁性層の表面粗度を高
くしないような形状のものを選ぶ必要がある。下層の表
面粗度と上層の表面粗度には強い相関関係が見られるこ
とが知られており、平滑な上層面を形成するためには、
平滑な下層を形成することが不可欠である。
めには、針状酸化鉄とカーボンブラックには種々の形状
のものがあるが、その中で下層非磁性層の表面粗度を高
くしないような形状のものを選ぶ必要がある。下層の表
面粗度と上層の表面粗度には強い相関関係が見られるこ
とが知られており、平滑な上層面を形成するためには、
平滑な下層を形成することが不可欠である。
【0032】下層非磁性層の表面性には主成分たる針状
酸化鉄の影響が相対的に強く出る。したがって、表面性
改善のためには、この針状酸化鉄の形状を適正に選ぶこ
とが重要になる。
酸化鉄の影響が相対的に強く出る。したがって、表面性
改善のためには、この針状酸化鉄の形状を適正に選ぶこ
とが重要になる。
【0033】このような点から針状酸化鉄は、長軸長が
0.20μm以下であるのが望ましい。長軸長が0.2
0μm以上であると、下層の表面粗度が高くなり、上層
において高密度記録に耐えうる平滑な表面性が得られな
くなる。
0.20μm以下であるのが望ましい。長軸長が0.2
0μm以上であると、下層の表面粗度が高くなり、上層
において高密度記録に耐えうる平滑な表面性が得られな
くなる。
【0034】また、針状酸化鉄の針状比は5以上20以
下であることが必要である。針状比が5より小さいと、
下層塗料の混練分散において剪断力がかかり難くなり、
分散を十分に行えなくなる。また、逆に針状比が20を
越えると、混練分散に際して粒子が破壊され易くなり、
破壊された粒子の破片は凝集性が強いので、この凝集物
が下層の表面性に悪影響を及ぼす。
下であることが必要である。針状比が5より小さいと、
下層塗料の混練分散において剪断力がかかり難くなり、
分散を十分に行えなくなる。また、逆に針状比が20を
越えると、混練分散に際して粒子が破壊され易くなり、
破壊された粒子の破片は凝集性が強いので、この凝集物
が下層の表面性に悪影響を及ぼす。
【0035】一方、カーボンブラックは帯電防止剤とし
て添加される。媒体の表面電気抵抗が高い場合、放電ノ
イズやはりつき現象が起こり易く、また静電気に起因す
る集塵現象も発生する。塵が媒体表面に付着すると、こ
れがドロップアウトの原因になり、磁気記録媒体の特性
が損なわれる。カーボンブラックはこのような帯電によ
る不都合を防止するためのものである。
て添加される。媒体の表面電気抵抗が高い場合、放電ノ
イズやはりつき現象が起こり易く、また静電気に起因す
る集塵現象も発生する。塵が媒体表面に付着すると、こ
れがドロップアウトの原因になり、磁気記録媒体の特性
が損なわれる。カーボンブラックはこのような帯電によ
る不都合を防止するためのものである。
【0036】このカーボンブラックとしては、導電性に
優れることからストラクチャー構造を有するカーボンブ
ラックを用いるのが望ましい。ここで、カーボンブラッ
クのストラクチャー構造とは、個々のカーボンブラック
粒子の鎖状のつながり、または凝集構造のことである。
このストラクチャー構造の発達の程度の目安としてはカ
ーボンブラックの吸油量があり、この吸油量が大きいも
のほどストラクチャー構造が良く発達し、導電性に優れ
る傾向がある。下層非磁性層に含有させるカーボンブラ
ックとしては、ストラクチャー構造を有し、この吸油量
が100ml/100g以上であるのが望ましい。
優れることからストラクチャー構造を有するカーボンブ
ラックを用いるのが望ましい。ここで、カーボンブラッ
クのストラクチャー構造とは、個々のカーボンブラック
粒子の鎖状のつながり、または凝集構造のことである。
このストラクチャー構造の発達の程度の目安としてはカ
ーボンブラックの吸油量があり、この吸油量が大きいも
のほどストラクチャー構造が良く発達し、導電性に優れ
る傾向がある。下層非磁性層に含有させるカーボンブラ
ックとしては、ストラクチャー構造を有し、この吸油量
が100ml/100g以上であるのが望ましい。
【0037】但し、ストラクチャー構造を有するカーボ
ンブラックを多量に添加すると、下層非磁性層の表面性
が損なわれる。このような点から本発明では、非磁性粉
末のうち針状酸化鉄の方の割合を非磁性粉末全量に対し
て70重量%以上に規制し、カーボンブラックの方の割
合は非磁性粉末全量に対して30重量%未満に抑えるよ
うにする。このような添加量とすることで、下層非磁性
層の表面を平滑にしながら帯電防止効果も十分に得られ
るようになる。なお、十分な帯電防止効果を得るために
はカーボンブラックは2重量%以上含まれている必要が
あり、したがってより好ましくは針状磁性粉末は70重
量%以上98重量未満、カーボンブラックは2重量%以
上30重量未満の範囲で混合するのが望ましい。
ンブラックを多量に添加すると、下層非磁性層の表面性
が損なわれる。このような点から本発明では、非磁性粉
末のうち針状酸化鉄の方の割合を非磁性粉末全量に対し
て70重量%以上に規制し、カーボンブラックの方の割
合は非磁性粉末全量に対して30重量%未満に抑えるよ
うにする。このような添加量とすることで、下層非磁性
層の表面を平滑にしながら帯電防止効果も十分に得られ
るようになる。なお、十分な帯電防止効果を得るために
はカーボンブラックは2重量%以上含まれている必要が
あり、したがってより好ましくは針状磁性粉末は70重
量%以上98重量未満、カーボンブラックは2重量%以
上30重量未満の範囲で混合するのが望ましい。
【0038】以上のような条件で非磁性粉末を用いる
と、下層非磁性層や上層磁性層の表面性が改善され、ま
た媒体の帯電が防止されるが、非磁性粉末の特性は、下
層非磁性層から上層磁性層へ移行する潤滑剤の挙動にも
影響する。この下層非磁性層から上層磁性層への潤滑剤
の移行は、上層磁性層が電磁変換特性の向上を目的とし
て例えば0.5μm以下と薄く形成され当該上層磁性層
に潤滑剤を十分量保持することが難しい場合に特に重要
になる。このために、非磁性粉末としては潤滑剤を下層
非磁性層から上層磁性層に容易に移行させるようなもの
を選択する必要がある。
と、下層非磁性層や上層磁性層の表面性が改善され、ま
た媒体の帯電が防止されるが、非磁性粉末の特性は、下
層非磁性層から上層磁性層へ移行する潤滑剤の挙動にも
影響する。この下層非磁性層から上層磁性層への潤滑剤
の移行は、上層磁性層が電磁変換特性の向上を目的とし
て例えば0.5μm以下と薄く形成され当該上層磁性層
に潤滑剤を十分量保持することが難しい場合に特に重要
になる。このために、非磁性粉末としては潤滑剤を下層
非磁性層から上層磁性層に容易に移行させるようなもの
を選択する必要がある。
【0039】そこで、まず、重層塗布型磁気記録媒体で
の下層非磁性層から上層磁性層への潤滑剤の移行の機構
を説明する。
の下層非磁性層から上層磁性層への潤滑剤の移行の機構
を説明する。
【0040】塗工によって形成された下層と上層には微
細な空孔が多数形成されており、下層非磁性層に添加し
た潤滑剤はこの空孔を通じて上層磁性層に移行する。そ
して、上層磁性層に存在する潤滑剤もこの空孔を通じて
表面に移行し、媒体表面と摺動部材との走行性改善に寄
与する。
細な空孔が多数形成されており、下層非磁性層に添加し
た潤滑剤はこの空孔を通じて上層磁性層に移行する。そ
して、上層磁性層に存在する潤滑剤もこの空孔を通じて
表面に移行し、媒体表面と摺動部材との走行性改善に寄
与する。
【0041】したがって潤滑剤による効果を得る上で下
層と上層に形成されている微細孔は非常に大きな意味を
もつ。
層と上層に形成されている微細孔は非常に大きな意味を
もつ。
【0042】この塗膜に形成される微細孔の空孔量は、
粉末成分と結合剤の比率及び粉末成分の形状によって制
御される。このうち比率ついては、主成分たる針状酸化
鉄と結合剤の比率が特に重要となり、針状酸化鉄/結合
剤が重量比で4以上であるときに十分な空孔量が得られ
るようになる。但し、針状酸化鉄/結合剤が10を越え
ると結合剤の割合が少なすぎ、表面性や塗膜強度が損な
われる。したがって、針状酸化鉄/結合剤は4〜10、
より好ましくは4〜8とするのが良い。
粉末成分と結合剤の比率及び粉末成分の形状によって制
御される。このうち比率ついては、主成分たる針状酸化
鉄と結合剤の比率が特に重要となり、針状酸化鉄/結合
剤が重量比で4以上であるときに十分な空孔量が得られ
るようになる。但し、針状酸化鉄/結合剤が10を越え
ると結合剤の割合が少なすぎ、表面性や塗膜強度が損な
われる。したがって、針状酸化鉄/結合剤は4〜10、
より好ましくは4〜8とするのが良い。
【0043】また、粉末成分の形状については、ストラ
クチャー構造を有するカーボンブラックのように粒子間
に空孔を生じるようなものを用いるのが良い。これによ
って塗膜の空孔量を増大させることができる。
クチャー構造を有するカーボンブラックのように粒子間
に空孔を生じるようなものを用いるのが良い。これによ
って塗膜の空孔量を増大させることができる。
【0044】さらに潤滑剤の下層非磁性層から上層磁性
層への移行には非磁性粉末表面のpHも大きく影響す
る。
層への移行には非磁性粉末表面のpHも大きく影響す
る。
【0045】例えば潤滑剤として脂肪酸を用いる場合、
非磁性粉末の表面が塩基性であると酸性化合物である脂
肪酸はこの表面に強く吸着するため下層非磁性層から上
層磁性層への移行が阻害される。
非磁性粉末の表面が塩基性であると酸性化合物である脂
肪酸はこの表面に強く吸着するため下層非磁性層から上
層磁性層への移行が阻害される。
【0046】これに対して非磁性粉末の表面が酸性であ
れば、脂肪酸は非磁性粉末表面に吸着し難いため、容易
に下層非磁性層から上層磁性層に移行し、上層磁性層表
面においてその潤滑性能を十分に発揮することができ
る。
れば、脂肪酸は非磁性粉末表面に吸着し難いため、容易
に下層非磁性層から上層磁性層に移行し、上層磁性層表
面においてその潤滑性能を十分に発揮することができ
る。
【0047】このような点から、本発明では非磁性粉末
として、特に表面が酸性の針状磁性粉末とカーボンブラ
ックを使用する。
として、特に表面が酸性の針状磁性粉末とカーボンブラ
ックを使用する。
【0048】また、針状酸化鉄とカーボンブラックの両
方が酸性であると分散性向上にも有利である。すなわ
ち、いずれか一方の非磁性粉末の表面が酸性で、他方の
非磁性粉末の表面が塩基性であると、両者で結合剤に対
する親和性が異なってしまい、親和性の大きい非磁性粉
末に比べて親和性の小さい非磁性粉末の分散性が低くな
る。これに対して針状酸化鉄とカーボンブラックの両方
が酸性であると結合剤に対する親和性が両者で略同等と
なるので、均一な分散状態が得られ、下層非磁性層、上
層磁性層の表面が平滑化する。
方が酸性であると分散性向上にも有利である。すなわ
ち、いずれか一方の非磁性粉末の表面が酸性で、他方の
非磁性粉末の表面が塩基性であると、両者で結合剤に対
する親和性が異なってしまい、親和性の大きい非磁性粉
末に比べて親和性の小さい非磁性粉末の分散性が低くな
る。これに対して針状酸化鉄とカーボンブラックの両方
が酸性であると結合剤に対する親和性が両者で略同等と
なるので、均一な分散状態が得られ、下層非磁性層、上
層磁性層の表面が平滑化する。
【0049】なお、針状酸化鉄、カーボンブラックの表
面のpHは煮沸法によって測定される。煮沸法は、非磁
性粉末サンプルに純水を加えて懸濁させ、煮沸した後、
その上澄み液のpHを測定する方法である。このpHの
測定にはガラス電極によるpH測定器を使用する。
面のpHは煮沸法によって測定される。煮沸法は、非磁
性粉末サンプルに純水を加えて懸濁させ、煮沸した後、
その上澄み液のpHを測定する方法である。このpHの
測定にはガラス電極によるpH測定器を使用する。
【0050】また、針状酸化鉄、カーボンブラックのp
Hの調整方法としては、例えば粉末表面に元素を被着さ
せる方法や洗浄の際の条件を調整する方法が挙げられ
る。このうち粉末表面に元素を被着させる方法の場合、
例えばAlの被着はpHをアルカリ側に変化させ、Si
の被着はpHを酸性側に変化させる。したがって、これ
ら被着量をコントロールすることによって、非磁性粉末
表面を、酸性側の所望のpH値に調整することができ
る。
Hの調整方法としては、例えば粉末表面に元素を被着さ
せる方法や洗浄の際の条件を調整する方法が挙げられ
る。このうち粉末表面に元素を被着させる方法の場合、
例えばAlの被着はpHをアルカリ側に変化させ、Si
の被着はpHを酸性側に変化させる。したがって、これ
ら被着量をコントロールすることによって、非磁性粉末
表面を、酸性側の所望のpH値に調整することができ
る。
【0051】なお、以上のような針状酸化鉄とカーボン
ブラックは、針状酸化鉄の比率が70重量%を下らない
範囲で、他の無機顔料を併用しても良い。
ブラックは、針状酸化鉄の比率が70重量%を下らない
範囲で、他の無機顔料を併用しても良い。
【0052】そのような無機顔料としては、ゲータイ
ト、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、酸
化錫、酸化タングステン、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化ク
ロム、酸化セリウム、チタンカーバイト、BN、α−ア
ルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウ
ム、チタン酸バリウム等が挙げられる。また、これら無
機顔料には適当量の不純物がドープされていても良い。
但し、これらの無機顔料を併用する場合、無機顔料が
球状粒子の場合には平均粒径が、針状粒子ならば平均長
軸長が0.3μm以下であるのが好ましく、0.2μm
以下であるのがより好ましい。また、無機顔料の比表面
積は、5〜100m2/gであるのが好ましく、20〜
70m2/gであるのがより好ましい。平均粒径や平均
長軸長及び比表面積が上記範囲の無機顔料は、微粒子で
あることから下層の表面にその粒子形状が現れ難く、下
層の平滑化に有利である。
ト、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、酸
化錫、酸化タングステン、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化ク
ロム、酸化セリウム、チタンカーバイト、BN、α−ア
ルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウ
ム、チタン酸バリウム等が挙げられる。また、これら無
機顔料には適当量の不純物がドープされていても良い。
但し、これらの無機顔料を併用する場合、無機顔料が
球状粒子の場合には平均粒径が、針状粒子ならば平均長
軸長が0.3μm以下であるのが好ましく、0.2μm
以下であるのがより好ましい。また、無機顔料の比表面
積は、5〜100m2/gであるのが好ましく、20〜
70m2/gであるのがより好ましい。平均粒径や平均
長軸長及び比表面積が上記範囲の無機顔料は、微粒子で
あることから下層の表面にその粒子形状が現れ難く、下
層の平滑化に有利である。
【0053】本発明では下層非磁性層に以上のような非
磁性粉末を用いるが、この他の材料は重層塗布型の磁気
記録媒体で通常用いられているものがいずれも使用可能
である。
磁性粉末を用いるが、この他の材料は重層塗布型の磁気
記録媒体で通常用いられているものがいずれも使用可能
である。
【0054】まず、下層非磁性層で用いる結合剤は次の
ような点から選択するのが望ましい。
ような点から選択するのが望ましい。
【0055】すなわち、一般に結合剤中に分散される粒
子が微細化すると、その幾何学的配置に変化が無けれ
ば、粒子間の空隙も微細化する。このような粒子間の微
細空間を濡らし、粒子を結合剤で均一に被覆、分散させ
るためには、結合剤が粉末成分に対して強い親和性を有
し、なおかつ優れた流動性を有することが必要である。
子が微細化すると、その幾何学的配置に変化が無けれ
ば、粒子間の空隙も微細化する。このような粒子間の微
細空間を濡らし、粒子を結合剤で均一に被覆、分散させ
るためには、結合剤が粉末成分に対して強い親和性を有
し、なおかつ優れた流動性を有することが必要である。
【0056】ここで非磁性粉末として用いる針状酸化鉄
やカーボンブラックに対しては、特にオキシスルホン酸
金属塩を極性基として含む塩化ビニル系共重合体が強い
親和性を示し、結合剤として好適である。
やカーボンブラックに対しては、特にオキシスルホン酸
金属塩を極性基として含む塩化ビニル系共重合体が強い
親和性を示し、結合剤として好適である。
【0057】この塩化ビニル系共重合体は、平均重合度
が100以上300以下であるのが良く、さらには15
0以上250未満であるのが望ましい。平均重合度が3
00を越えると、結合剤の流動性が低くなり、非磁性粉
末に対する分散性が不足する。
が100以上300以下であるのが良く、さらには15
0以上250未満であるのが望ましい。平均重合度が3
00を越えると、結合剤の流動性が低くなり、非磁性粉
末に対する分散性が不足する。
【0058】なお、オキシスルホン酸金属塩を含む塩化
ビニル系共重合体と他の高分子材料を併用することで、
磁気記録媒体の塗膜強度、スティフネス、ベース接着性
等を改善するようにしても良い。但し、他の樹脂結合剤
を併用する場合でも、全結合剤量の30重量%以上はこ
の塩化ビニル系共重合体であるのが望ましい。
ビニル系共重合体と他の高分子材料を併用することで、
磁気記録媒体の塗膜強度、スティフネス、ベース接着性
等を改善するようにしても良い。但し、他の樹脂結合剤
を併用する場合でも、全結合剤量の30重量%以上はこ
の塩化ビニル系共重合体であるのが望ましい。
【0059】併用する高分子材料は、従来より磁気記録
媒体用の結合剤として使用される公知の熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が用いられ、特に数平均分
子量が5000〜100000のものが好ましい。
媒体用の結合剤として使用される公知の熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が用いられ、特に数平均分
子量が5000〜100000のものが好ましい。
【0060】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル
酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステ
ル−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチ
ラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチ
レート、セルロースダイアセテート、セルローストリア
セテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス)、スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が挙げ
られる。
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル
酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステ
ル−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチ
ラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチ
レート、セルロースダイアセテート、セルローストリア
セテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス)、スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が挙げ
られる。
【0061】また、熱硬化性樹脂としては、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、
ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等も使用可
能である。
樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、
ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等も使用可
能である。
【0062】一方、上層磁性層は、磁性粉末と結合剤を
主体として構成されるが、このうち磁性粉末としては次
のようなものを用いるのが望ましい。
主体として構成されるが、このうち磁性粉末としては次
のようなものを用いるのが望ましい。
【0063】まず、Fe、Co、Ni等の金属、Fe−
Co、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al、F
e−Al−P、Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−
Si−Al−Mn、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Z
n、Co−Ni,Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−
Co−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co
−B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−A
l、Fe−Co−V等の合金、窒化鉄、炭化鉄等よりな
る強磁性粉末が単独あるいは2種類以上が組み合わせて
用いられる。これら強磁性粉末には、還元時の焼結防止
または形状維持等の目的で、Al、Si、P、B等の軽
金属元素が適当量含まれていても良い。なお、このうち
ではFe単独あるいはFe−Co、Fe−Ni、Fe−
Co−Niの合金にAlまたはSiの少なくともいずれ
かを添加した強磁性粉末を用いるのが好ましい。
Co、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al、F
e−Al−P、Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−
Si−Al−Mn、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Z
n、Co−Ni,Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−
Co−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co
−B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−A
l、Fe−Co−V等の合金、窒化鉄、炭化鉄等よりな
る強磁性粉末が単独あるいは2種類以上が組み合わせて
用いられる。これら強磁性粉末には、還元時の焼結防止
または形状維持等の目的で、Al、Si、P、B等の軽
金属元素が適当量含まれていても良い。なお、このうち
ではFe単独あるいはFe−Co、Fe−Ni、Fe−
Co−Niの合金にAlまたはSiの少なくともいずれ
かを添加した強磁性粉末を用いるのが好ましい。
【0064】これら強磁性粉末の比表面積は、20〜9
0m2/gであるのが好ましく、25〜70m2/gであ
るのがより好ましい。比表面積がこの範囲にある強磁性
粉末は、比較的微粒子であるため媒体のノイズ特性が改
善され、高密度記録が可能になる。
0m2/gであるのが好ましく、25〜70m2/gであ
るのがより好ましい。比表面積がこの範囲にある強磁性
粉末は、比較的微粒子であるため媒体のノイズ特性が改
善され、高密度記録が可能になる。
【0065】さらに磁性粉末としては六方晶系板状フェ
ライトも使用可能である。六方晶フェライトとしてはM
型、W型、Y型、Z型のバリウムフェライト、ストロン
チウムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライ
トが挙げられ、これら六方晶フェライトに保磁力を制御
する目的でCo−Ti、Co−Ti−Zn、Co−Ti
−Nb、Co−Ti−Zn−Nb、Cu−Zr、Ni−
Ti等を添加したものを使用するようにしても良い。
ライトも使用可能である。六方晶フェライトとしてはM
型、W型、Y型、Z型のバリウムフェライト、ストロン
チウムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライ
トが挙げられ、これら六方晶フェライトに保磁力を制御
する目的でCo−Ti、Co−Ti−Zn、Co−Ti
−Nb、Co−Ti−Zn−Nb、Cu−Zr、Ni−
Ti等を添加したものを使用するようにしても良い。
【0066】上層磁性層に用いる結合剤には、下層非磁
性層に用いる結合剤として例示したものがいずれも使用
でき、これら結合剤を単独で使用しても複数の結合剤を
組み合わせて使用しても構わない。但し、下層非磁性層
と上層磁性層で同じ結合剤を用いると下層塗料と上層塗
料の親和性が高くなり、塗布が均一に行えるようにな
る。
性層に用いる結合剤として例示したものがいずれも使用
でき、これら結合剤を単独で使用しても複数の結合剤を
組み合わせて使用しても構わない。但し、下層非磁性層
と上層磁性層で同じ結合剤を用いると下層塗料と上層塗
料の親和性が高くなり、塗布が均一に行えるようにな
る。
【0067】下層非磁性層、上層磁性層は基本的には以
上のような材料によって構成されるが、必要に応じて潤
滑剤、非磁性補強粒子等の添加剤を添加しても良い。
上のような材料によって構成されるが、必要に応じて潤
滑剤、非磁性補強粒子等の添加剤を添加しても良い。
【0068】潤滑剤としては、特に下層非磁性層に添加
する場合には、ミリスチン酸、オレイン酸等の炭素数1
0〜22の脂肪酸を用いるのが望ましい。上述の如く、
この磁気記録媒体では下層非磁性層に含まれる針状酸化
鉄とカーボンブラックの表面が酸性となされているの
で、脂肪酸のような酸性の潤滑剤を下層非磁性層に添加
した場合、これら粉末成分に潤滑剤が吸着し難く、上層
磁性層に容易に移行し表面に補給される。したがって、
潤滑剤の効果が十分に発揮され、磁気記録媒体の走行耐
久性が改善される。
する場合には、ミリスチン酸、オレイン酸等の炭素数1
0〜22の脂肪酸を用いるのが望ましい。上述の如く、
この磁気記録媒体では下層非磁性層に含まれる針状酸化
鉄とカーボンブラックの表面が酸性となされているの
で、脂肪酸のような酸性の潤滑剤を下層非磁性層に添加
した場合、これら粉末成分に潤滑剤が吸着し難く、上層
磁性層に容易に移行し表面に補給される。したがって、
潤滑剤の効果が十分に発揮され、磁気記録媒体の走行耐
久性が改善される。
【0069】なお、脂肪酸はこの他の潤滑剤と組み合わ
せて使用するようにしても良い。組み合わせる潤滑剤と
しては、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン
等の固体潤滑剤や、シリコーンオイル、炭素数10〜2
2の脂肪酸と炭素数2〜26のアルコールにより合成さ
れる脂肪酸エステル、テルペン系化合物及びこれらのオ
リゴマー、フッ素系滑剤等が挙げられる。
せて使用するようにしても良い。組み合わせる潤滑剤と
しては、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン
等の固体潤滑剤や、シリコーンオイル、炭素数10〜2
2の脂肪酸と炭素数2〜26のアルコールにより合成さ
れる脂肪酸エステル、テルペン系化合物及びこれらのオ
リゴマー、フッ素系滑剤等が挙げられる。
【0070】また、上層磁性層に添加する潤滑剤として
は、脂肪酸あるいはこの他の潤滑剤を単独で使用しても
組み合わせて使用してもいずれでも良い。
は、脂肪酸あるいはこの他の潤滑剤を単独で使用しても
組み合わせて使用してもいずれでも良い。
【0071】非磁性補強粒子としては、酸化アルミニウ
ム(α、β、γ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモン
ド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバ
イト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル、ア
ナターゼ)等がある。この粒子は、上層磁性層では強磁
性粉末100重量部に対して20重量部以下、好ましく
は10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下がよ
い。また、モース硬度は、4以上、好ましくは5以上、
さらに好ましくは6以上、比重は2〜6、好ましくは3
〜5の範囲、平均一次粒径は1.0μm以下、好ましく
は0.5μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下が
よい。
ム(α、β、γ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモン
ド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバ
イト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル、ア
ナターゼ)等がある。この粒子は、上層磁性層では強磁
性粉末100重量部に対して20重量部以下、好ましく
は10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下がよ
い。また、モース硬度は、4以上、好ましくは5以上、
さらに好ましくは6以上、比重は2〜6、好ましくは3
〜5の範囲、平均一次粒径は1.0μm以下、好ましく
は0.5μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下が
よい。
【0072】さらに、結合剤を架橋硬化させるポリイソ
シアネートを併用しても良い。ポリイソシアネートとし
ては、トルエンジイソシアネートならびにこれらの付加
体、アルキレンジイソシアネートならびにこれらの付加
体等が使用できる。これらポリイソシアネートの添加量
は、結合剤100重量部に対して5〜80重量部、好ま
しくは10〜50重量部が適当である。このポリイソシ
アネート類は、上層下層の両層に用いてもよく、上層の
みに用いても構わない。上層下層の両層に用いる場合に
は、その量を各層で等しくしてもよく、任意の比率で変
えても良い。
シアネートを併用しても良い。ポリイソシアネートとし
ては、トルエンジイソシアネートならびにこれらの付加
体、アルキレンジイソシアネートならびにこれらの付加
体等が使用できる。これらポリイソシアネートの添加量
は、結合剤100重量部に対して5〜80重量部、好ま
しくは10〜50重量部が適当である。このポリイソシ
アネート類は、上層下層の両層に用いてもよく、上層の
みに用いても構わない。上層下層の両層に用いる場合に
は、その量を各層で等しくしてもよく、任意の比率で変
えても良い。
【0073】以上のような下層非磁性層および上層磁性
層が形成される非磁性支持体としては、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテー
ト、セルロースジアセテート等のセルロース類、ビニル
系樹脂、ポリイミド類、ポリカーボネート類に代表され
るような高分子材料、あるいは金属、ガラス、セラミク
ス等により形成される支持体等が用いられる。
層が形成される非磁性支持体としては、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテー
ト、セルロースジアセテート等のセルロース類、ビニル
系樹脂、ポリイミド類、ポリカーボネート類に代表され
るような高分子材料、あるいは金属、ガラス、セラミク
ス等により形成される支持体等が用いられる。
【0074】次に、下層非磁性層と上層磁性層の形成方
法について説明する。
法について説明する。
【0075】下層非磁性層と上層磁性層を形成するに
は、それぞれの組成物を有機溶剤とともに混練、分散さ
せることで下層塗料、上層塗料を調製する。
は、それぞれの組成物を有機溶剤とともに混練、分散さ
せることで下層塗料、上層塗料を調製する。
【0076】塗料化に用いられる有機溶剤は、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチ
ル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶
媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エト
キシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンク
ロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が単独あるいは混合さ
れて使用される。
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチ
ル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶
媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エト
キシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンク
ロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が単独あるいは混合さ
れて使用される。
【0077】混練装置としては、連続二軸混練機、多段
階で希釈可能な連続二軸混練機、ニーダー、加圧ニーダ
ー、ロールニーダー、エクストルーダー等、従来から公
知の混練機が使用でき、何ら限定されるものではない。
階で希釈可能な連続二軸混練機、ニーダー、加圧ニーダ
ー、ロールニーダー、エクストルーダー等、従来から公
知の混練機が使用でき、何ら限定されるものではない。
【0078】また、分散装置には、ロールミル、ボール
ミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、スパイクミ
ル、ピンミル、タワーミル、DCP、アジター、ホモジ
ナイザー、超音波分散機等がいずれも使用可能である。
ミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、スパイクミ
ル、ピンミル、タワーミル、DCP、アジター、ホモジ
ナイザー、超音波分散機等がいずれも使用可能である。
【0079】そして、調製された下層塗料と上層塗料を
非磁性支持体の塗布する。
非磁性支持体の塗布する。
【0080】この塗布方法としては、下層塗料を塗布し
て乾燥させ、この乾燥された下層塗膜上に上層塗料を塗
布して乾燥させる、いわゆるウェット・オン・ドライ塗
布方式と、湿潤状態にある下層塗膜の上に上層塗膜を重
ねて塗布する、いわゆるウェット・オン・ウェット塗布
方式(湿潤重層塗布方式)とがある。
て乾燥させ、この乾燥された下層塗膜上に上層塗料を塗
布して乾燥させる、いわゆるウェット・オン・ドライ塗
布方式と、湿潤状態にある下層塗膜の上に上層塗膜を重
ねて塗布する、いわゆるウェット・オン・ウェット塗布
方式(湿潤重層塗布方式)とがある。
【0081】このうち、塗布方式としては、塗膜の均質
性,上下界面の接着性,生産性の点からウェット・オン
・ウェット塗布方式を用いるのが望ましい。このウェッ
ト・オン・ウェット塗布方式で塗料を塗布する塗布装置
の一例を図1に示す。
性,上下界面の接着性,生産性の点からウェット・オン
・ウェット塗布方式を用いるのが望ましい。このウェッ
ト・オン・ウェット塗布方式で塗料を塗布する塗布装置
の一例を図1に示す。
【0082】この塗布装置は、先端部に塗料が押し出さ
れる2つのスリット部(下層塗料用のスリット部11,
上層塗料用のスリット部12)を有するダイヘッド18
(4リップ方式ダイヘッド)を有して構成される。この
2つのスリット部11,12の背面側にはそれぞれ下層
塗料、上層塗料が供給される下層塗料溜まり13,上層
塗料溜まり14が形成され、この塗料溜まり13,14
に供給された下層塗料、上層塗料がスリット11,12
を介して当該ダイヘッド先端部に押し出される。一方、
塗料が塗布される支持体15は、上記ダイヘッドの先端
面に沿って下層塗料用のスリット部11から上層塗料用
のスリット部12に向かって図中A方向に走行する。
れる2つのスリット部(下層塗料用のスリット部11,
上層塗料用のスリット部12)を有するダイヘッド18
(4リップ方式ダイヘッド)を有して構成される。この
2つのスリット部11,12の背面側にはそれぞれ下層
塗料、上層塗料が供給される下層塗料溜まり13,上層
塗料溜まり14が形成され、この塗料溜まり13,14
に供給された下層塗料、上層塗料がスリット11,12
を介して当該ダイヘッド先端部に押し出される。一方、
塗料が塗布される支持体15は、上記ダイヘッドの先端
面に沿って下層塗料用のスリット部11から上層塗料用
のスリット部12に向かって図中A方向に走行する。
【0083】このようにして走行する非磁性支持体15
には、まず下層塗料用のスリット部11を通過する際
に、このスリット部11から押し出された下層塗料が表
面に塗布され下層塗膜16が形成される。そして、上層
塗料用のスリット部12を通過する際に、このスリット
部12から押し出された上層塗料が湿潤状態の下層塗膜
16上に塗布され、2層の塗膜16,17が形成され
る。そして、この湿潤状態の2層の塗膜を乾燥する。
には、まず下層塗料用のスリット部11を通過する際
に、このスリット部11から押し出された下層塗料が表
面に塗布され下層塗膜16が形成される。そして、上層
塗料用のスリット部12を通過する際に、このスリット
部12から押し出された上層塗料が湿潤状態の下層塗膜
16上に塗布され、2層の塗膜16,17が形成され
る。そして、この湿潤状態の2層の塗膜を乾燥する。
【0084】なお、ダイヘッドとしては、4リップ方式
の他に、3リップ方式、2リップ方式等もある。
の他に、3リップ方式、2リップ方式等もある。
【0085】このようにしてウェット・オン・ウェット
塗布方式で形成された下層,上層は、湿潤状態の下層塗
膜上に上層塗料が塗布されることで形成されているの
で、下層の表面、すなわち下層と上層の境界面がなめら
かに形成されている。そのため上層の表面性も非常に良
好になっており、ドロップアウトが抑えられ、高出力、
低ノイズが厳しく求められる高密度記録用として好適で
ある。また、下層と上層の密着性が高いので、膜剥離が
起き難く、優れた耐久性が得られる。
塗布方式で形成された下層,上層は、湿潤状態の下層塗
膜上に上層塗料が塗布されることで形成されているの
で、下層の表面、すなわち下層と上層の境界面がなめら
かに形成されている。そのため上層の表面性も非常に良
好になっており、ドロップアウトが抑えられ、高出力、
低ノイズが厳しく求められる高密度記録用として好適で
ある。また、下層と上層の密着性が高いので、膜剥離が
起き難く、優れた耐久性が得られる。
【0086】なお、ウェット・オン・ウェット塗布方式
で形成された下層と上層の間には、明確な境界が実質的
に存在する場合と、一定の厚みをもって両層の成分が混
在している境界領域が存在する場合がある。本発明で
は、こうした境界領域が存在する場合には、この境界領
域を除いて当該境界領域よりも下側の層を下層、上側の
層を上層とする。
で形成された下層と上層の間には、明確な境界が実質的
に存在する場合と、一定の厚みをもって両層の成分が混
在している境界領域が存在する場合がある。本発明で
は、こうした境界領域が存在する場合には、この境界領
域を除いて当該境界領域よりも下側の層を下層、上側の
層を上層とする。
【0087】一方、ウェット・オン・ドライ塗布方式に
よって上層、下層を形成する場合には、下層塗料、上層
塗料を塗布する方法としてダイヘッド塗布方式、グラビ
アロール塗布方式、リバースロール塗布方式等の通常の
塗布方式が採用される。但し、この場合には、下層の材
料は、当該下層が上層塗料に対して十分な耐溶剤性を有
するように選択される必要がある。
よって上層、下層を形成する場合には、下層塗料、上層
塗料を塗布する方法としてダイヘッド塗布方式、グラビ
アロール塗布方式、リバースロール塗布方式等の通常の
塗布方式が採用される。但し、この場合には、下層の材
料は、当該下層が上層塗料に対して十分な耐溶剤性を有
するように選択される必要がある。
【0088】そして、このようにして下層と上層を形成
した後、必要に応じてカレンダー処理等の表面平滑化処
理を施し、所望の媒体形状に裁断する。例えば、テープ
状媒体の場合では所望のテープ幅となるように長手方向
にスリットすればよく、ディスク状媒体では所定のディ
スク径に打ち抜けば良い。
した後、必要に応じてカレンダー処理等の表面平滑化処
理を施し、所望の媒体形状に裁断する。例えば、テープ
状媒体の場合では所望のテープ幅となるように長手方向
にスリットすればよく、ディスク状媒体では所定のディ
スク径に打ち抜けば良い。
【0089】以上が本発明の磁気記録媒体の基本的な構
成であるが、この磁気記録媒体には、この他に重層塗布
型で通常用いられる付加的な構成を持たせるようにして
も良い。
成であるが、この磁気記録媒体には、この他に重層塗布
型で通常用いられる付加的な構成を持たせるようにして
も良い。
【0090】例えばテープ状媒体では、下層非磁性層、
上層磁性層を形成した側とは反対側に走行性改善のため
のバックコート層を設けても良い。バックコート層は、
カーボンブラック等の非磁性粉末と結合剤を主体とする
塗布層であり、これら材料は通常用いられるものがいず
れも使用可能である。また、ディスク状媒体では、下層
非磁性層と上層磁性層を非磁性支持体の両側に設けるよ
うにしても良い。
上層磁性層を形成した側とは反対側に走行性改善のため
のバックコート層を設けても良い。バックコート層は、
カーボンブラック等の非磁性粉末と結合剤を主体とする
塗布層であり、これら材料は通常用いられるものがいず
れも使用可能である。また、ディスク状媒体では、下層
非磁性層と上層磁性層を非磁性支持体の両側に設けるよ
うにしても良い。
【0091】さらに、ここでは上層非磁性層、下層磁性
層をそれぞれ単層で構成する場合について詳述したが、
本発明で規制する条件を外れない範囲であれば下層非磁
性層、上層磁性層を組成の異なる複数の層で構成しても
差し支えない。
層をそれぞれ単層で構成する場合について詳述したが、
本発明で規制する条件を外れない範囲であれば下層非磁
性層、上層磁性層を組成の異なる複数の層で構成しても
差し支えない。
【0092】
【実施例】本発明の好適な実施例について実験結果に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0093】磁気記録媒体の製造 まず、以下の実験例で作製したサンプルディスクの作製
工程を示す。作製したサンプルディスクは、図2に示す
ように、非磁性支持体1の両側面にそれぞれ下層非磁性
層2,4と上層磁性層3,5が形成されて構成されるも
のである。
工程を示す。作製したサンプルディスクは、図2に示す
ように、非磁性支持体1の両側面にそれぞれ下層非磁性
層2,4と上層磁性層3,5が形成されて構成されるも
のである。
【0094】このサンプルディスクを作製するために、
まず下記の組成に基づいて上層用塗料を調製した。塗料
化は、常法に従って強磁性粉末、結合剤、添加剤及び溶
剤を混合した後、連続式ニーダにより混練し、さらにサ
ンドミルで5時間分散させることで行った。ただし、A
l2O3は、スラリー化し、分散終了後、他の組成物と混
合した。
まず下記の組成に基づいて上層用塗料を調製した。塗料
化は、常法に従って強磁性粉末、結合剤、添加剤及び溶
剤を混合した後、連続式ニーダにより混練し、さらにサ
ンドミルで5時間分散させることで行った。ただし、A
l2O3は、スラリー化し、分散終了後、他の組成物と混
合した。
【0095】 上層用塗料組成 磁性粉末:Fe系メタル強磁性粉末 100重量部 (平均長軸長:0.2μm、針状比:9、飽和磁化量:130Am2 /kg、保磁力:135kA/m) 結合剤 :塩化ビニル系共重合体 14重量部 (重合度150,極性官能基としてオキシスルホン酸ナトリウム塩 を5×10-5mol/g含有) ポリエステルポリウレタン樹脂 6重量部 (極性官能基としてオキシスルホン酸ナトリウム塩を1×10-4 mol/gを含有) 添加剤 :Al2O3 5重量部 (一次粒径0.09μm,スラリー中での中心粒径0.17μm) ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 溶剤: メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部 次に、下記の組成に基づいて非磁性粉末、結合剤、添加
剤及び溶剤を混合した後、不揮発成分が85重量%とな
る条件で連続式ニーダーにより混練し、さらにサンドミ
ルで3時間分散させることで下層用塗料を調製した。
剤及び溶剤を混合した後、不揮発成分が85重量%とな
る条件で連続式ニーダーにより混練し、さらにサンドミ
ルで3時間分散させることで下層用塗料を調製した。
【0096】 下層用塗料組成 非磁性粉末:α酸化鉄 100重量部 (平均長軸長:0.15μm、針状比:12、pH5.7) カーボンブラック 11重量部 (pH5.7) 結合剤 :塩化ビニル系共重合体 25重量部 (重合度150,極性官能基としてオキシスルホン酸カリウム塩 を5×10-5mol/g含有) 添加剤 :ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 溶剤: メチルエチルケトン 105重量部 シクロヘキサノン 105重量部 そして、調製された上層用塗料,下層用塗料に、それぞ
れポリイソシアネートを4重量部,2重量部添加した
後、これら塗料を、4リップ方式のダイコータを用い
て、厚さ62μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム(表面粗度Ra:8nm)上に同時重層塗布した。そ
して、未乾燥の状態で、上層塗膜をソレノイドコイルに
より無配向処理した後、乾燥した。続いて、フィルムの
裏面にも同様にして上層用塗料、下層用塗料を同時重層
塗布し、無配向処理した後、乾燥した。なお、各層の塗
布厚は、乾燥後で上層が0.25μm、下層が2.0μ
mに設定した。そして、カレンダ処理を行うことで上層
塗膜表面を平滑化し、3.5インチ径に打ち抜くことで
サンプルディスクを作製した。
れポリイソシアネートを4重量部,2重量部添加した
後、これら塗料を、4リップ方式のダイコータを用い
て、厚さ62μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム(表面粗度Ra:8nm)上に同時重層塗布した。そ
して、未乾燥の状態で、上層塗膜をソレノイドコイルに
より無配向処理した後、乾燥した。続いて、フィルムの
裏面にも同様にして上層用塗料、下層用塗料を同時重層
塗布し、無配向処理した後、乾燥した。なお、各層の塗
布厚は、乾燥後で上層が0.25μm、下層が2.0μ
mに設定した。そして、カレンダ処理を行うことで上層
塗膜表面を平滑化し、3.5インチ径に打ち抜くことで
サンプルディスクを作製した。
【0097】以上がサンプルディスクの基本的な作製工
程である。次に示す各実験例では上記下層用塗料の基本
組成から、α酸化鉄とカーボンブラックのpH、α酸化
鉄とカーボンブラックの比率、α酸化鉄と結合剤の比
率、結合剤の種類を変化させ、その適正条件を調べた。
程である。次に示す各実験例では上記下層用塗料の基本
組成から、α酸化鉄とカーボンブラックのpH、α酸化
鉄とカーボンブラックの比率、α酸化鉄と結合剤の比
率、結合剤の種類を変化させ、その適正条件を調べた。
【0098】酸化鉄のpHに関する実験例 下層に含有させるα酸化鉄とカーボンブラックのpHを
表1に示すように変えること以外は上述したのと同様に
各種サンプルディスクを作製した。
表1に示すように変えること以外は上述したのと同様に
各種サンプルディスクを作製した。
【0099】作製したサンプルディスクについて、表面
電気抵抗、表面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及
び走行耐久性を調べた。これらの測定方法を下記に示
す。
電気抵抗、表面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及
び走行耐久性を調べた。これらの測定方法を下記に示
す。
【0100】表面電気抵抗:絶縁抵抗計(横河ヒューレ
ットパッカード社製)によって測定した。
ットパッカード社製)によって測定した。
【0101】表面粗度Ra:JIS B 0601で規
定される中心線平均粗さRaであり、非接触光学式表面
粗度計(ZYGO社製)によって測定した。
定される中心線平均粗さRaであり、非接触光学式表面
粗度計(ZYGO社製)によって測定した。
【0102】電磁変換特性:フロッピーディスクドライ
ブ(ソニー社製 商品名MPF−42B)を用い、ディ
スク回転数3600rpmでヘッドをディスクの最外周
トラック上を走行させ、その際に再生される35MHz
の出力成分を測定することで評価した。なお、ヘッドは
ギャップ長0.2μmの薄膜ヘッドである。測定データ
は、実施例1の磁気ディスクでの値を0dBとしたとき
の相対値として記録した。
ブ(ソニー社製 商品名MPF−42B)を用い、ディ
スク回転数3600rpmでヘッドをディスクの最外周
トラック上を走行させ、その際に再生される35MHz
の出力成分を測定することで評価した。なお、ヘッドは
ギャップ長0.2μmの薄膜ヘッドである。測定データ
は、実施例1の磁気ディスクでの値を0dBとしたとき
の相対値として記録した。
【0103】走行耐久性:マイクロフロッピーディスク
ドライブを用い、ディスク上にヘッドを接触させて摺動
させた。その際にヘッドにかかるトルクを電流値として
検出し、この電流値が異常を示すまでのパス回数を測定
することで評価した。
ドライブを用い、ディスク上にヘッドを接触させて摺動
させた。その際にヘッドにかかるトルクを電流値として
検出し、この電流値が異常を示すまでのパス回数を測定
することで評価した。
【0104】以上の測定結果を、下層で用いたα酸化鉄
とカーボンブラックのpHと併せて表1に示す。
とカーボンブラックのpHと併せて表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】表1に示すように、表面が酸性のα酸化鉄
とカーボンブラックを用いたサンプルディスク1は、表
面が塩基性のα酸化鉄とカーボンブラックを用いたサン
プルディスク2,サンプルディスク3に比べて表面粗度
Raが低く、良好な電磁変換特性が得られる。また、上
層磁性層表面に潤滑剤が十分に供給され、良好な走行耐
久性が得られる。
とカーボンブラックを用いたサンプルディスク1は、表
面が塩基性のα酸化鉄とカーボンブラックを用いたサン
プルディスク2,サンプルディスク3に比べて表面粗度
Raが低く、良好な電磁変換特性が得られる。また、上
層磁性層表面に潤滑剤が十分に供給され、良好な走行耐
久性が得られる。
【0107】酸化鉄とカーボンブラックの比率に関する
実験例 下層に含有させるα酸化鉄とカーボンブラックの重量比
率を表2に示すように変えること以外は上述したのと同
様に各種サンプルディスクを作製した。
実験例 下層に含有させるα酸化鉄とカーボンブラックの重量比
率を表2に示すように変えること以外は上述したのと同
様に各種サンプルディスクを作製した。
【0108】作製したサンプルディスクについて、表面
電気抵抗、表面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及
び走行耐久性を調べた。これらの測定結果を、α酸化鉄
とカーボンブラックの重量比率と併せて表2に示す。
電気抵抗、表面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及
び走行耐久性を調べた。これらの測定結果を、α酸化鉄
とカーボンブラックの重量比率と併せて表2に示す。
【0109】
【表2】
【0110】表2に示すように、α酸化鉄を非磁性粉末
全量に対して70重量%以上含有させたサンプルディス
ク4〜サンプルディスク6は、これよりもα酸化鉄の含
有量が少ないサンプルディスク7,サンプルディスク8
に比べて表面粗度Raが低く、良好な電磁変換特性が得
られ、また走行耐久性にも優れている。
全量に対して70重量%以上含有させたサンプルディス
ク4〜サンプルディスク6は、これよりもα酸化鉄の含
有量が少ないサンプルディスク7,サンプルディスク8
に比べて表面粗度Raが低く、良好な電磁変換特性が得
られ、また走行耐久性にも優れている。
【0111】このことから下層に含有させるα酸化鉄の
量は、非磁性粉末全量に対して70重量%以上とするの
が良いことがわかった。
量は、非磁性粉末全量に対して70重量%以上とするの
が良いことがわかった。
【0112】但し、カーボンブラックを全く添加してい
ないサンプルディスク4では、表面電気抵抗が高く、帯
電による放電ノイズや貼り付き現象、集塵現象が生じて
いる可能性がある。
ないサンプルディスク4では、表面電気抵抗が高く、帯
電による放電ノイズや貼り付き現象、集塵現象が生じて
いる可能性がある。
【0113】したがって、非磁性粉末全量の少なくとも
2重量%はカーボンブラックで構成するのが望ましい。
2重量%はカーボンブラックで構成するのが望ましい。
【0114】酸化鉄と結合剤の比率に関する実験例 下層のα酸化鉄/結合剤(重量比率)を表3に示すよう
に変えること以外は上述したのと同様に各種サンプルデ
ィスクを作製した。
に変えること以外は上述したのと同様に各種サンプルデ
ィスクを作製した。
【0115】作製したサンプルディスクについて、表面
電気抵抗、表面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及
び走行耐久性を調べた。これらの測定結果を、α酸化鉄
/結合剤(重量比率)と併せて表3に示す。
電気抵抗、表面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及
び走行耐久性を調べた。これらの測定結果を、α酸化鉄
/結合剤(重量比率)と併せて表3に示す。
【0116】
【表3】
【0117】表3に示すように、α酸化鉄/結合剤を4
以上としたサンプルディスク9〜サンプルディスク11
は、α酸化鉄/結合剤を4より小さくしたサンプルディ
スク12に比べて良好な走行耐久性が得られる。
以上としたサンプルディスク9〜サンプルディスク11
は、α酸化鉄/結合剤を4より小さくしたサンプルディ
スク12に比べて良好な走行耐久性が得られる。
【0118】このことから下層に含有させるα酸化鉄と
結合剤の比率は4以上とするのが良いことがわかった。
結合剤の比率は4以上とするのが良いことがわかった。
【0119】結合剤の種類に関する実験例 下層に含有させる結合剤として表4に示す組成のもの用
いること以外は上述したのと同様に各種サンプルディス
クを作製した。なお、使用した結合剤の種類は以下の通
りである。
いること以外は上述したのと同様に各種サンプルディス
クを作製した。なお、使用した結合剤の種類は以下の通
りである。
【0120】樹脂A(150):オキシスルホン酸カリ
ウム塩を5×10-5mol/g含有する重合度150の
塩化ビニル系共重合体 樹脂B :オキシスルホン酸ナトリウム塩を1
×10-4mol/g含有するポリエステルポリウレタン
樹脂 作製したサンプルディスクについて、表面電気抵抗、表
面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及び走行耐久性
を調べた。これらの測定結果を、結合剤の組成と併せて
表4に示す。
ウム塩を5×10-5mol/g含有する重合度150の
塩化ビニル系共重合体 樹脂B :オキシスルホン酸ナトリウム塩を1
×10-4mol/g含有するポリエステルポリウレタン
樹脂 作製したサンプルディスクについて、表面電気抵抗、表
面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及び走行耐久性
を調べた。これらの測定結果を、結合剤の組成と併せて
表4に示す。
【0121】
【表4】
【0122】表4に示すように、オキシスルホン酸金属
塩を含有する塩化ビニル系共重合体を下層の結合剤に含
有させたサンプルディスク13,サンプルディスク14
は、この塩化ビニル系共重合体を下層の結合剤に含有さ
せていないサンプルディスク15に比べて表面粗度が低
く、良好な電磁変換特性が得られ、走行耐久性にも優れ
ている。
塩を含有する塩化ビニル系共重合体を下層の結合剤に含
有させたサンプルディスク13,サンプルディスク14
は、この塩化ビニル系共重合体を下層の結合剤に含有さ
せていないサンプルディスク15に比べて表面粗度が低
く、良好な電磁変換特性が得られ、走行耐久性にも優れ
ている。
【0123】このことから、下層に含有させる結合剤と
してはポリエステルポリウレタン樹脂よりも塩化ビニル
系共重合体の方が適していることがわかった。
してはポリエステルポリウレタン樹脂よりも塩化ビニル
系共重合体の方が適していることがわかった。
【0124】結合剤の重合度に関する実験例 下層に含有させる結合剤として表5に示す組成のものを
用いること以外は上述したのと同様に各種サンプルディ
スクを作製した。なお、使用した結合剤の種類は以下の
通りである。
用いること以外は上述したのと同様に各種サンプルディ
スクを作製した。なお、使用した結合剤の種類は以下の
通りである。
【0125】樹脂A(150):オキシスルホン酸カリ
ウム塩を5×10-5mol/g含有する重合度150の
塩化ビニル系共重合体 樹脂A(300):オキシスルホン酸カリウム塩を5×
10-5mol/g含有する重合度300の塩化ビニル系
共重合体 樹脂A(400):オキシスルホン酸カリウム塩を5×
10-5mol/g含有する重合度400の塩化ビニル系
共重合体 作製したサンプルディスクについて、表面電気抵抗、表
面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及び走行耐久性
を調べた。これらの測定結果を、結合剤の組成と併せて
表5に示す。
ウム塩を5×10-5mol/g含有する重合度150の
塩化ビニル系共重合体 樹脂A(300):オキシスルホン酸カリウム塩を5×
10-5mol/g含有する重合度300の塩化ビニル系
共重合体 樹脂A(400):オキシスルホン酸カリウム塩を5×
10-5mol/g含有する重合度400の塩化ビニル系
共重合体 作製したサンプルディスクについて、表面電気抵抗、表
面粗度Ra,電磁変換特性(RF出力)及び走行耐久性
を調べた。これらの測定結果を、結合剤の組成と併せて
表5に示す。
【0126】
【表5】
【0127】表5に示すように、下層の結合剤に重合度
が300以下の塩化ビニル系共重合体を30重量%以上
含有させたサンプルディスク16〜サンプルディスク1
8は、下層の結合剤として重合度が400の塩化ビニル
系共重合体を単独で用いたサンプルディスク19に比べ
て表面粗度が低く、良好な電磁変換特性が得られる。
が300以下の塩化ビニル系共重合体を30重量%以上
含有させたサンプルディスク16〜サンプルディスク1
8は、下層の結合剤として重合度が400の塩化ビニル
系共重合体を単独で用いたサンプルディスク19に比べ
て表面粗度が低く、良好な電磁変換特性が得られる。
【0128】このことから、下層の結合剤に重合度が高
い塩化ビニル系共重合体を単独で用いるのは好ましくな
く、重合度が300以下の塩化ビニル系共重合体を30
重量%以上含有させるのが望ましいことがわかった。
い塩化ビニル系共重合体を単独で用いるのは好ましくな
く、重合度が300以下の塩化ビニル系共重合体を30
重量%以上含有させるのが望ましいことがわかった。
【0129】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体は、重層塗布型構成であって下層非磁
性層の非磁性粉末に針状酸化鉄とカーボンブラックが含
有されるとともに当該非磁性粉末全量の70重量%以上
が針状酸化鉄で構成され、さらに上記針状酸化鉄とカー
ボンブラックの表面が酸性であるので、下層非磁性層及
び上層磁性層の表面を平滑に形成することができ、良好
な電磁変換特性が得られる。また、走行時の帯電が防止
され、帯電による貼り付き等の様々な不都合が抑えられ
る。さらに、下層非磁性層に添加した潤滑剤が上層磁性
層に容易に移行するので、良好な走行耐久性を得ること
ができる。
明の磁気記録媒体は、重層塗布型構成であって下層非磁
性層の非磁性粉末に針状酸化鉄とカーボンブラックが含
有されるとともに当該非磁性粉末全量の70重量%以上
が針状酸化鉄で構成され、さらに上記針状酸化鉄とカー
ボンブラックの表面が酸性であるので、下層非磁性層及
び上層磁性層の表面を平滑に形成することができ、良好
な電磁変換特性が得られる。また、走行時の帯電が防止
され、帯電による貼り付き等の様々な不都合が抑えられ
る。さらに、下層非磁性層に添加した潤滑剤が上層磁性
層に容易に移行するので、良好な走行耐久性を得ること
ができる。
【図1】下層用塗料、上層用塗料を塗布するための塗布
装置を示す模式図である。
装置を示す模式図である。
【図2】本発明を適用した磁気記録媒体の一例を示す概
略断面図である。
略断面図である。
1 非磁性支持体、2,4 下層非磁性層、3,5 上
層磁性層
層磁性層
Claims (5)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に、非磁性粉末が結合剤
に分散されてなる下層非磁性層が形成され、この下層非
磁性層上に、強磁性粉末が結合剤に分散されてなる上層
磁性層が形成されてなり、 上記下層非磁性層に含まれる非磁性粉末は、針状酸化鉄
とカーボンブラックを含有するとともに当該非磁性粉末
全量の70重量%以上が針状酸化鉄であり、且つ、 上記針状酸化鉄とカーボンブラックは、表面が酸性であ
ることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 上記下層非磁性層の針状酸化鉄と結合剤
の比率(針状酸化鉄/結合剤)が、重量比で4以上であ
ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 上記下層非磁性層に、脂肪酸が含有され
ていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 上記下層非磁性層に含まれる結合剤は、
オキシスルホン酸金属塩を有する塩化ビニル系共重合体
を30重量%以上含有することを特徴とする請求項1記
載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 上記下層非磁性層に含まれる結合剤は、
重合度が300以下の塩化ビニル系共重合体を30重量
%以上含有することを特徴とする請求項1記載の磁気記
録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23152097A JPH1173629A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23152097A JPH1173629A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1173629A true JPH1173629A (ja) | 1999-03-16 |
Family
ID=16924781
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23152097A Withdrawn JPH1173629A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1173629A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002298327A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-11 | Tdk Corp | 磁気記録媒体 |
| JP2002298332A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-11 | Tdk Corp | 磁気記録媒体 |
| US6627293B1 (en) * | 1999-09-16 | 2003-09-30 | Sony Corporation | Magnetic recording medium |
-
1997
- 1997-08-27 JP JP23152097A patent/JPH1173629A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6627293B1 (en) * | 1999-09-16 | 2003-09-30 | Sony Corporation | Magnetic recording medium |
| JP2002298327A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-11 | Tdk Corp | 磁気記録媒体 |
| JP2002298332A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-11 | Tdk Corp | 磁気記録媒体 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041102 |