JPH1173911A - イオントラップ質量分析装置 - Google Patents

イオントラップ質量分析装置

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JPH1173911A
JPH1173911A JP9235769A JP23576997A JPH1173911A JP H1173911 A JPH1173911 A JP H1173911A JP 9235769 A JP9235769 A JP 9235769A JP 23576997 A JP23576997 A JP 23576997A JP H1173911 A JPH1173911 A JP H1173911A
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electrode
end cap
ion
ion trap
mass spectrometer
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JP9235769A
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English (en)
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Minoru Sakairi
実 坂入
Tadao Mimura
忠男 三村
Toshihiro Ishizuka
利博 石塚
Masaru Tomioka
勝 富岡
Yasuaki Takada
安章 高田
Takayuki Nabeshima
貴之 鍋島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオントラップ質量分析装置の分解能を低下さ
せることなしに感度を向上し、さらにイオン強度を安定
化する。 【解決手段】エンドキャップ電極(11a)のイオン取
り出し口(23)にメッシュ状電極(25)を設ける、
およびまたは、エンドキャップ電極(11a、11b)
とリング電極(12)の間にシールド電極(29a、2
9b)を設ける。 【効果】メッシュ電極によってイオンの透過率が向上し
て高感度化され、また、シールド電極によって高周波電
界への悪影響が防止されてイオン強度が安定化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオントラップ質量
分析装置に関し、詳しくは、分解能を低下させることな
しに高い感度を得ることができるイオントラップ質量分
析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の質量分析装置としては、例えば図
9に示す構成が、アナリティカル・ケミストリー(Analy
tical Chemistry)1990年、62号、1284頁に記
載されている。この装置では、シリンジポンプを用い
て、静電噴霧現象を利用したイオン化法であるエレクト
ロスプレー法によって生成されたイオンは、差動排気部
を通して高真空部に導入される。導入されたイオンは差
動排気部内に設けられた静電レンズによって収束される
ので、この領域におけるイオンの透過率が向上する。差
動排気部を通過したイオンは、さらに静電レンズで収束
され、一対の椀状のエンドキャップ電極11a、11b
と環状のリング電極12からなるイオントラップ質量分
析部に導入される。このイオントラップ質量分析部に導
入されたイオンは、リング電極12に印加された高周波
電界によって質量分離され、イオン検出器によって検出
される。
【0003】この装置では、イオンをいったんイオント
ラップ質量分析計内部に蓄積した後に質量分離が行われ
るため、特に質量スペクトルを測定する際のシグナル量
が大幅に増大するという特長がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、図
8に示したように、スキマーを通過したイオンがレンズ
や偏向器9を通過してイオントラップ質量分析部に導入
される際に、レンズとエンドキャップ電極11aのイオ
ン取り込み口23の間では、イオンが減速されて発散す
るので、エンドキャップ電極11aのイオン取り込み口
23の直径が1mmと小さい場合には、この部分でのイ
オン透過率が低下する。イオン取り込み口23の直径を
小さくするのは、エンドキャップ電極11aとリング電
極12で囲まれた領域の高周波電界をできるだけ乱さな
いようにするためである。しかし、イオン透過率を高く
するために、エンドキャップ電極11aのイオン取り込
み口23の直径を例えば3mmと大きくすると、一対の
エンドキャップ電極11a、11bとリング電極12で
囲まれたイオントラップ質量分析部内の高周波電界の乱
れが大きくなって、イオンがトラップされる位置が偏っ
てしまい、イオン強度のピークがブロードになって分解
能が低下してしまう。なお、図8において、符号10は
ゲート電極、13は引出しリング、22a、22bは石
英リング、24はイオン取出し口を、それぞれ表わす。
【0005】また、上記従来技術では、図9に示したよ
うに、イオンを収束させるためのダンピングガスをイオ
ントラップ質量分析部の内部に満たすため、およびエン
ドキャップ電極11a、11bとリング電極12を電気
的に互いに絶縁して保持するためという二つの理由か
ら、エンドキャップ電極11a、11bとリング電極1
2の間に、石英製の絶縁リング22a、22bが設けら
れている。しかし、この構造では、エンドキャップ電極
11a、11bとリング電極12で囲まれたイオントラ
ップ質量分析部内にイオンが導入され、導入されたイオ
ンの一部が絶縁リング22a、22bに衝突すると、絶
縁リング22a、22bがチャージアップしてイオンの
軌道に悪影響を及ぼし、観測されるイオン強度が急激に
減少してしまうという問題があった。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の有する問
題を解決し、質量分析部内部の高周波電界への悪影響を
防止して、分解能の低下を防止することができ、かつ、
イオン強度を長時間にわたって安定にすることができる
イオントラップ質量分析装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のイオントラップ質量分析装置は、大気圧下で
イオンを生成するイオン源と、内部を高真空に排気する
手段を備えたチャンバーと、上記イオン源から生成した
イオンを上記チャンー内に取り込むための差動排気部
と、上記チャンバー内に配置された、上記チャンバー内
に取り込まれた上記イオンを引き出して収束する収束レ
ンズ部と、上記チャンバー内に所定の空間を介して互い
に対向して配置された一対のエンドキャップ電極および
上記空間内に配置された環状のリング電極を有し、上記
収束レンズ部で収束された上記イオンを質量走査する質
量分析部と、上記チャンバー内に配置された、上記質量
分析部によって質量走査された所定のイオンを検出する
イオン検出器を有するイオントラップ質量分析装置にお
いて、上記一対のエンドキャップ電極の互いに対向する
側にそれぞれ形成されたイオンが通過する開口部の少な
くとも一方に設けられたメッシュ状電極および上記エン
ドキャップ電極と上記リング電極の間に設けられたシー
ルド電極の少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0008】すなわち、上記エンドキャップ電極のイオ
ン取り込み口(収束レンズや偏向器の側に配置されたエ
ンドギャップ電極の有する上記開口部)の大きさを大き
くすると、上記のように電界の乱れが大きくなってイオ
ンがトラップされる位置が偏り、イオン強度のピークが
ブロードになって分解能が低下してしまう。しかし、本
発明においては、上記収束レンズや偏向器の側に配置さ
れたエンドキャップ電極の、イオンが通過する開口部で
あるイオン取り込み口に、導電体からなるメッシュ状電
極が配置されており、上記エンドキャップ電極とメッシ
ュ状電極は互いに同電位になる。そのため、上記エンド
キャップ電極のイオン取り込み口の大きさが大きくて
も、上記電界の乱れはメッシュ状電極によって効果的に
抑制され、分解能の低下は防止される。しかも、メッシ
ュ状電極は多数の微細な開口部(孔)を有しているの
で、イオンの通過に対する影響は極めて僅かであり、結
局、イオン通過量をほとんど減少させることなしに分解
能の低下は効果的に抑制される。
【0009】また、本発明によって、一対のエンドキャ
ップ電極と環状のリング電極の間に導電性のシールド電
極を設けると、イオントラップ質量分析部内における上
記絶縁リングへのイオンの衝突およびそれに起因する絶
縁リングのチャージアップと高周波電界への悪影響は防
止され、イオン強度が急速に低下する恐れはない。
【0010】上記メッシュ状電極およびシールド電極
は、それぞれ単独で使用することもできるが、両者を併
用してもよい。両者を併用することによって、上記メッ
シュ状電極もよびシールド電極の使用によって得られる
効果が、同時に得られることはいうまでもない。
【0011】上記メッシュ状電極は、上記収束レンズの
側に配置された上記エンドキャップ電極の有する上記開
口部(イオン取り込み口)に設けることができ、イオン
取り込み口に加えて、上記イオン検出器の側に配置され
た上記エンドキャップ電極の有する上記開口部(イオン
取り出し口)にも設けることができる。
【0012】上記メッシュ状電極は、上記エンドキャッ
プ電極の中心軸上の位置に開口部を形成すれば、メッシ
ュ状電極へのイオンの衝突は少なく、しかも上記のよう
に、メッシュ状電極とエンドキャップ電極は、互いに同
電位であるから好ましい結果が得られる。
【0013】上記メッシュ状電極は、導電性を有するメ
ッシュを円筒状電極に保持し、この円筒状電極をネジ止
めなど、適当な手段でエンドキャップ電極に固定するこ
とができ、実用上好ましい結果が得られる。
【0014】上記のように、エンドキャップ電極とリン
グ電極の間には、石英など絶縁物からなる絶縁リングが
設けられているが、上記シールド電極は上記絶縁リング
の表面と所望の間隔を介して互いに対向して配置するこ
とができる。この場合、上記シールド電極を上記エンド
キャップ電極と電気的に接続することによって好ましい
結果が得られる。
【0015】さらに、上記シールド電極を環状として、
上記エンドキャップ電極のイオン取り出し口やイオン取
り込み口と同心に配置すれば、絶縁リングのチャージア
ップを防止するのに実用上好ましい結果が得られ、シー
ルド電極とリング電極の間の放電を防止するには、シー
ルド電極の先端を丸みを有するようにするのが有効であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】大気圧下における溶液中の試料分
子のイオン化法として、図1に示した装置では静電噴霧
現象を利用したエレクトロスプレー法を用いたが、コロ
ナ放電を用いた大気圧化学イオン化法、加熱噴霧を利用
した大気圧スプレー法、高速のガス流を利用したソニッ
クスプレーイオン化法など、他の大気圧イオン化法を用
いても同様の効果が得られる。また、誘導結合プラズマ
やマイクロ波プラズマを用いたプラズマ/質量分析計に
おいても同様な効果が得られる。
【0017】上記メッシュ電極としては、図4(a)に
示した通常のメッシュや、図4(b)、(c)に示した
ような構造のメッシュを用いることができる。特に、図
4(b)、(c)に示した構造のメッシュは、イオン電
流密度が高いイオンビームの中心部分が通過する領域が
広く開口している点で有利である。図4(a)に示した
構造のものは、中心部分にもメッシュが配置されている
ので、この部分にイオンが衝突して消滅し、通過するイ
オン量が低下する点が不利である。これらメッシュは、
例えばステンレスやチタンなど導電性の薄板に、マスク
を用いた周知の化学エッチングを用いて多数の微細な開
口部を形成することによって、容易に形成できる。上記
開口部の形状としては種々な形状が可能であるが、図4
(b)、(c)に示したようなハニカム(正6角形)状や
円状とすれば、開口部の合計面積を大きくできるので、
イオンの通過には有利である。なお、エンドキャップ電
極のイオン取り込み口の大きさを3mm程度にしたと
き、図4(c)に示したような円状の開口を有するメッ
シュの中心部の開口の直径は1mm程度になる。このよ
うな円状の開口を有する場合が、中心部の開口面積が最
大にできる。
【0018】なお、本発明は、溶液中の所望成分を液体
クロマトグラフを用いて分離した後、分離された成分を
イオン化して質量分離する液体クロマトグラフ・質量分
析計、上記所望成分をキャピラリー電気泳動を用いて分
離した後に質量分離を行うキャピラリー電気泳動・質量
分析計、溶液中の所望成分をプラズマによってイオン化
して質量分析するプラズマ・質量分析計などに広くに適
用できる。
【0019】
【実施例】
〈実施例1〉図1を用いて本発明の第1の実施例を説明
する。図1は、エレクトロスプレーイオン源を有するイ
オントラップ質量分析計の一例を示す図である。まず、
この装置の動作を説明する。
【0020】混合試料を分離するための液体クロマトグ
ラフやシリンジポンプから導入された試料溶液は、エレ
クトロスプレーイオン源1に設けられたキャピラリー2
に送られる。このキャピラリー2には高電圧が印加さ
れ、静電噴霧現象によってキャピラリー2の先端から帯
電した微小液滴が生成する。生成された帯電液滴は、ヒ
ータ6a、6bによって所定の温度に加熱された差動排
気部の第1細孔3、第2細孔4およびスキマー5を順次
通過する過程で、加熱や中性分子との衝突などによって
気化されてイオンが生成する。また、上記第1細孔3と
第2細孔4、および第2細孔4とスキマー5の間には、
それぞれ電圧が印加できるようになっており、イオン透
過率を向上させると同時に、残留する分子との衝突によ
ってクラスタの開裂が行われる。本実施例では、上記差
動排気部は、ロータリポンプ、スクロールポンプ、メカ
ニカルブースタポンプなどの荒引きポンプ18によって
排気したが、ターボ分子ポンプを使用することも可能で
ある。
【0021】生成したイオンは上記スキマー5を通過し
た後、チャンバー31内に入り、静電レンズ7によって
収束される。本実施例では、この静電レンズ7として、
3枚の電極を一組とするアインツエルレンズを用いた。
【0022】静電レンズ7によって収束されたイオン
は、スリット8通過した後、偏向器9によって偏向さ
れ、ゲート電極10を経て、一対の椀状のエンドキャッ
プ電極11a、11bとリング電極12からなるイオン
トラップ質量分析部内に導入される。
【0023】上記スキマー5から流入する微小液滴など
を含むジェットの立体角は、上記スリット8によって制
限されるので、余計な微小液滴等がイオントラップ質量
分析部内に導入されるのは防止される。
【0024】しかも、上記スリット8を通過したイオン
は、偏向器9によって偏向された後、エンドキャップ電
極11aに入射される。微小液滴等は偏向器9によって
偏向されないから、上記スキマー5を通過した微小液滴
が、エンドキャップ電極11aの細孔を通ってイオント
ラップ質量分析部に導入されるのはさらに効果的に防止
される。本実施例では、偏向器9として、多数の開口部
を有する内筒および外筒よりなる二重円筒型の偏向器を
用い、内筒の開口部から滲み出した外筒の電界を用いて
偏向を行った。
【0025】イオントラップ質量分析部内に溜まったイ
オンを質量分析部の外に取り出す際には、偏向器9とエ
ンドキャップ電極11aの間に設けられたゲート電極1
0に所定の電圧を印加して、外部から質量分析部内への
イオンの導入を防止する。
【0026】上記イオントラップ質量分析部内に導入さ
れたイオンは、イオントラップ質量分析部の内部に導入
されたヘリウムなどのガスと衝突して、その軌道が小さ
くなった後、リング電極12に印加された高周波電圧を
スキャンすることによって質量分析部の外に排出され、
引き出しレンズ13を経て、コンバージョンダイノード
14とシンチレーションカウンタ15からなるイオン検
出器によって検出される。この場合、上記イオンは、コ
ンバージョンダイノード14によって電子に変換され、
シンチレーションカウンタ15によって検出される。上
記ヘリウムなどのガスは、供給源であるボンベ21など
からレギュレータ20を通して供給される。
【0027】上記イオン検出器によって得られた信号
は、増幅器16で増幅された後、データ処理装置17に
送られる。通常、質量数/電荷とイオン強度の関係(マ
ススペクトル)や、ある質量数/電荷のイオン強度の時
間変化(マスクロマトグラム)などが表示される。
【0028】静電レンズ7、スリット8、偏向器9、ゲ
ート電極10、イオントラップ質量分析部およびイオン
検出器が配置されたチャンバー内は、ターボ分子ポンプ
19によって排気される。なお、ターボ分子ポンプ19
には背圧側に補助ポンプが必要となるが、これを差動排
気部に用いている荒引きポンプ18と兼用してもよい。
本実施例では、差動排気部に排気容量900リットル/
分程度のスクロールポンプを荒引きポンプ18として使
用し、チャンバー31の排気装置として200リットル
/秒程度のターボ分子ポンプ19を、このターボ分子ポ
ンプ19の補助ポンプとしてスクロールポンプを兼用し
た。このようにすることによって、複雑になりがちな大
気圧イオン化質量分析装置の排気系を極めて単純化する
ことができた。
【0029】図1に示した装置を用いて実際に分析を行
う際に問題になるのは、図8に示したように、レンズ
(図示されていない)や偏向器9を通過したイオンが、
ゲート電極10を通過した後、エンドキャップ電極11
aのイオン取り込み口23に導入される前に減速して発
散し、エンドキャップ電極11aのイオン取り込み口2
3におけるイオン透過率が低下してしまうことである。
イオン透過率を高くするために、エンドキャップ電極1
1aのイオン取り込み口23を大きくすると、一対のエ
ンドキャップ電極11a、11bとリング電極12で囲
まれたイオントラップ質量分析部内部の高周波電界に悪
影響を及ぼし、マススペクトルの測定時におけるピーク
の分解能が低下してしまう。
【0030】しかし本実施例では、図2に示したよう
に、エンドキャップ電極11aのイオン取り込み口23
に、メッシュ状電極25aが設けられているので、上記
質量分析部内部の高周波電界に対する悪影響は効果的に
抑制され、分解能の低下は防止される。このとき、メッ
シュ状電極25aに設けられたメッシュの端面の位置は
エンドキャップ電極11aの端面に一致させる必要があ
る。なお、実際のエンドキャップ電極の面は双曲線であ
るが、平板のメッシュを用いることによってこの部分は
平面になる。しかし、これによるイオントラップ質量分
析部内部の高周波電界の影響は無視できる。なお、メッ
シュ状電極25aとしては、本実施例では図3に示した
構造のものを用いた。すなわち、図3(a)に示したよ
うに、ステンレス製のメッシュ26を円筒状電極27の
表面上にスポット溶接し、これを図3(b)に示したよ
うに、ネジ28によってエンドキャップ電極11aに固
定した。
【0031】相対イオン強度およびマススペクトル中に
観測されるピークの半値幅の、エンドキャップ電極11
aのイオン取り込み口23の直径依存性を図5に示し
た。図5から明らかなように、上記イオン取り込み口2
3の直径が3mmの場合は、1.3mmの場合に比較し
て相対イオン強度(図中の白丸)は約3倍になっている
が、ピークの半値幅(図中の黒丸)は2倍以上になって
おり、ピークが広がってしまっている。
【0032】しかし、エンドキャップ電極11aのイオ
ン取り込み口23に、図4(b)に示した形状を有する
メッシュ電極25aを設けた場合のイオン強度は、メッ
シュ電極25aが存在しない上記3mmの場合と同等で
あり、ピークの半値幅も上記1.3mmの場合と同等で
あった。すなわち、エンドキャップ電極11aのイオン
取り込み口23の直径を3mmと大きくしても、メッシ
ュ電極25aを設けることにより、直径が3mmでメッ
シュ電極25aを用いない場合のイオン強度と同じレベ
ルに保ったまま、ピークの半値幅を直径が1.3mmの
場合と同レベルにすることができ、必要な分解能を保持
できることが確認された。
【0033】また、図6(a)は、エンドキャップ電極
11aのイオン取り込み口23の径を3mmとし、メッ
シュ電極25aを設けた場合、図6(b)は、上記イオ
ン取り込み口23の径を1.3mmとしてメッシュ電極
25aを設けない場合に、得られたイオン強度のピーク
をそれぞれ示す。図6(a)、(b)から明らかなよう
に、ピークの半値幅は同程度であるが、メッシュ電極2
5aを設けた場合のイオン強度は、設けない場合のイオ
ン強度の3倍程度になっており、本発明が有効であるこ
とを示している。なお、イオン化法にはエレクトロスプ
レー法を、試料にはテトラフェニルフォスフォニウムク
ロライド(分子量340)を用いた。まあた、溶媒は水
/メタノール/酢酸(50/49/1)を流量50マイ
クロリットル/分で用いた。
【0034】本実施例では、メッシュ電極25aをエン
ドキャップ電極のイオン取り込み口23の側に配置した
が、図7に示したように、イオン検出器側のエンドキャ
ップ電極11bのイオン取り出し口24の側にも、さら
にメッシュ電極25bを配置してもよい。
【0035】また、本実施例では、差動排気部からスキ
マー5を通って流入したイオンを偏向した後に、イオン
トラップ質量分析部に導入したが、偏向しない場合にも
同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0036】〈実施例2〉本実施例は、エンドキャップ
電極とリング電極の間にシールド電極を設けることによ
って、導入されたイオンの一部による絶縁リングのチャ
ージアップ、およびそれによる障害を防止した例であ
る。
【0037】図1に示した装置を用いて分析を行う場
合、上記のように、エンドキャップ電極11とリング電
極12で囲まれたイオントラップ質量分析部の内部にイ
オンが導入された後、導入されたイオンの一部が絶縁リ
ングに衝突して絶縁リングがチャージアップを起こし
て、イオントラップ質量分析部の内部に蓄積されたイオ
ンの軌道に悪影響を及ぼし、イオンの系外への取り出し
効率が悪化して、観測されるイオン強度が急激に減少す
る場合がある。
【0038】しかし、本実施例では、図10に示したよ
うに、エンドキャップ電極11a、11bから絶縁リン
グ22a、22bの表面と所定の間隔を介してほぼ並行
に延びるシールド電極29a、29bが設けられている
ので、絶縁リング22a、22bのチャージアップが抑
制される。
【0039】本実施例においては、図11に示したよう
に、リング状のシールド電極29bを、イオン取り出し
口24を有するエンドキャップ電極11bに同芯に取り
付けた。シールド電極29aおよびエンドキャップ電極
11aの場合も同様である。イオントラップ質量分析部
内に導入されたイオンの一部によって絶縁リング22
a、22bが多少チャージアップしても、シールド電極
29a、29bが存在するので、イオンが存在するイオ
ントラップ質量分析部の中心部は、上記チャージアップ
によって大きな影響が及ぶ恐れはない。
【0040】なお、リング電極12にはピークツーピー
クで10kVを越える高周波電圧が印加されるので、放
電を防ぐために、シールド電極29a、29bの先端は
丸みをおびていることが好ましい。さらに、イオントラ
ップ質量分析部の内部に導入される、イオンを収束させ
るためのダンピングガスのガス導入経路30がエンドキ
ャップ電極11a側に設けられているので、ガス導入経
路30側のシールド電極29aは、ガスの偏った流れを
緩和してイオントラップ質量分析部内部の圧力をさらに
一様に保つ作用も有している。
【0041】図12は、イオントラップ質量分析部にお
けるイオン強度の時間的変化を示す図であり、(a)は
上記シールド電極29a、29bを設けた場合、(b)
は設けない場合をそれぞれ示す。図12から明らかなよ
うに、シールド電極29a、29bを設けないと、相対
イオン強度は時間の経過とともに急激に低下するが、シ
ールド電極29a、29bが存在すると、イオン強度は
長時間安定し、本発明が有効であることを示している。
なお、イオン化法にはエレクトロスプレー法を、試料に
はテトラフェニルフォスフォニウムクロライド(分子量
340)を用い、溶媒としては、水/メタノール/酢酸
(50/49/1)を流量500マイクロリットル/分
で用いた。
【0042】なお、本実施例では、差動排気部からスキ
マー5を通して流入したイオンを偏向した後、イオント
ラップ質量分析部に導入したが、偏向しない場合にも同
様な効果が得られることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための装置構成図。
【図2】本発明の第1の実施例を示す図。
【図3】メッシュ状電極の取り付けの一例を示す図。
【図4】メッシュ状電極の平面構造の例を示す図。
【図5】イオン取り込み口の直径による影響を説明する
ための図。
【図6】本発明の効果を説明するための図。
【図7】本発明の第1の実施例を示す図。
【図8】イオンの広がりを説明するための図。
【図9】従来の装置の構成を示す図。
【図10】本発明の第2の実施例を示す図。
【図11】シールド電極の取り付けの一例を示す図。
【図12】本発明の効果の一例を示す図。
【符号の説明】
1……エレクトロスプレーイオン源、2……キャピラリ
ー、3……第1細孔、4……第2細孔、5……スキマ
ー、6a、6b……ヒータ、7……静電レンズ、8……
スリット、9……偏向器、10……ゲート電極、11
a、11b……エンドキャップ電極、12……リング電
極、13……引き出しレンズ、14……コンバージョン
ダイノード、15……シンチレーションカウンタ内筒電
極、16……増幅器、17……データ処理装置、18…
…荒引きポンプ、19……ターボ分子ポンプ、20……
レギュレータ、21……ボンベ、22a、22b……石
英リング、23……イオン取り込み口、24……イオン
取り出し口、25a、25b……メッシュ状電極、26
……メッシュ、27……円筒状電極、28……ネジ、2
9a、29b……シールド電極、30……ガス導入経
路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富岡 勝 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 高田 安章 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鍋島 貴之 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気圧下でイオンを生成するイオン源と、
    内部を高真空に排気する手段を備えたチャンバーと、上
    記イオン源から生成したイオンを上記チャンー内に取り
    込むための差動排気部と、上記チャンバー内に配置され
    た、上記チャンバー内に取り込まれた上記イオンを引き
    出して収束する収束レンズ部と、上記チャンバー内に所
    定の空間を介して互いに対向して配置された一対のエン
    ドキャップ電極および上記空間内に配置された環状のリ
    ング電極を有し、上記収束レンズ部で収束された上記イ
    オンを質量走査する質量分析部と、上記チャンバー内に
    配置された、上記質量分析部によって質量走査された所
    定のイオンを検出するイオン検出器を有するイオントラ
    ップ質量分析装置において、上記一対のエンドキャップ
    電極の互いに対向する側にそれぞれ形成されたイオンが
    通過する開口部の少なくとも一方に設けられたメッシュ
    状電極および上記エンドキャップ電極と上記リング電極
    の間に設けられたシールド電極の少なくとも一方を有す
    ることを特徴とするイオントラップ質量分析装置。
  2. 【請求項2】上記メッシュ状電極は、上記収束レンズの
    側に配置された上記エンドキャップ電極の有する上記開
    口部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    のイオントラップ質量分析装置。
  3. 【請求項3】上記メッシュ状電極は、上記イオン検出器
    の側に配置された上記エンドキャップ電極の有する上記
    開口部にさらに設けられていることを特徴とする請求項
    2に記載のイオントラップ質量分析装置。
  4. 【請求項4】上記メッシュ状電極は、上記エンドキャッ
    プ電極の中心軸上の位置に開口部が形成されていること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のイオ
    ントラップ質量分析装置。
  5. 【請求項5】上記メッシュ状電極は、導電性を有するメ
    ッシュが円筒状電極に保持されたものであることを特徴
    とする請求項1から4のいずれか一に記載のイオントラ
    ップ質量分析装置。
  6. 【請求項6】上記エンドキャップ電極とリング電極の間
    に、絶縁物からなる絶縁リングが設けられ、上記シール
    ド電極は上記絶縁リングの表面と所望の間隔を介して対
    向して配置されていることを特徴とする請求項1に記載
    のイオントラップ質量分析装置。
  7. 【請求項7】上記シールド電極は上記エンドキャップ電
    極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項6
    に記載のイオントラップ質量分析装置。
  8. 【請求項8】上記シールド電極は環状であり、上記エン
    ドキャップ電極の有する上記開口部と同心に保持されて
    いることを特徴とする請求項6若しくは7に記載のイオ
    ントラップ質量分析装置。
  9. 【請求項9】上記シールド電極の先端は丸みを有するこ
    とを特徴とする請求項1、6、7および8のいずれか一
    に記載のイオントラップ質量分析装置。
JP9235769A 1997-09-01 1997-09-01 イオントラップ質量分析装置 Pending JPH1173911A (ja)

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