JPH1175608A - 養殖真珠用人工核及びその製造方法 - Google Patents

養殖真珠用人工核及びその製造方法

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JPH1175608A
JPH1175608A JP9257505A JP25750597A JPH1175608A JP H1175608 A JPH1175608 A JP H1175608A JP 9257505 A JP9257505 A JP 9257505A JP 25750597 A JP25750597 A JP 25750597A JP H1175608 A JPH1175608 A JP H1175608A
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calcium carbonate
artificial nucleus
artificial
cultured pearls
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JP9257505A
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Yasuhiko Inui
靖彦 乾
Masaaki Hattori
昌晃 服部
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毒性がなく、穿孔加工等の加工性に優れ、核
と真珠層との間の剥離を生ずることのない養殖真珠用人
工核及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 炭酸カルシウム60〜80重量%、少量
のフッ化リチウム及びジルコニア40〜20重量%から
なる混合物に、有機バインダを配合し、通常の加圧成形
及びこれに冷間静水圧プレス法を組み合わせる等の方法
により成形体とする。その後、炭酸カルシウムの分解温
度以下の温度、特に400〜600℃の範囲の温度で焼
成する。次いで、この焼成体を、過酸化ベンゾイル等の
有機過酸化物を重合開始剤として含むトリエチレングリ
コールジメタクリレート等のアクリル酸樹脂モノマー中
に浸漬し、これら重合開始剤及びモノマーを焼結体に含
浸させる。その後、60〜80℃の温度で3〜8時間加
熱してモノマーを重合させ、硬化体とし、白色の外観を
有する養殖真珠用人工核を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養殖真珠用の人工
核及びその製造方法に関する。本発明の養殖真珠用人工
核は、毒性がなく、穿孔加工等の加工性に優れ、また、
この人工核と、その表面に形成される真珠層との剥離を
生じ難い等、優れた特性を有する。
【0002】
【従来の技術】養殖真珠は、アコヤ貝等の母貝に核を挿
入し、その母貝を一定期間飼養し、核の表面に真珠層を
形成させて製造されている。この養殖真珠の核として
は、一般にドブ貝等の淡水性の二枚貝などの貝殻を球状
に加工したものが用いられている。しかし、近年、環境
の悪化或いは乱獲などによりドブ貝等が減少し、且つ小
型化している。そのため核の確保が難しくなってきてお
り、また、この核の大きさは貝殻の厚みによって制約さ
れるため、直径が7mm以上の大きな核は特に入手し難
いのが現状である。このような状況下、天然のドブ貝等
から得られる貝殻核に代わる人工核の開発が必要とな
り、特に天然の貝殻核と同じ成分、即ち、炭酸カルシウ
ムを主成分とする人工核が提案されている。
【0003】これまでに種々の原材料からなる人工核が
数多く提案されているが、それらの中で特に炭酸カルシ
ウムを主成分とした人工核が以下の特許公報に開示され
ている。 特開昭48−52594号公報;軽微性炭酸カルシウ
ム又は重質炭酸カルシウムの粉末に耐水性接着剤又は耐
水性合成樹脂を混合し、造粒して、平滑な真円の球とす
る。 特開昭60−259135号公報;特定の粒径のサン
ゴ粉と炭酸カルシウムの粉末及び無機顔料を所定の量比
で混合し、加熱、加圧して成形体とする。
【0004】特開昭63−219325号公報;炭酸
カルシウムと合成樹脂、必要に応じて無機顔料を含み、
特定の線膨張率を有する成形体を用いる。 特開平4−108326号公報;炭酸カルシウムを含
有してなるマトリクスとガラス等とからなる核材料を用
いて核を得る。 特開平6−22662号公報;消石灰、炭酸カルシウ
ム及びジルコニアからなる混合粉末を成形し、これに樹
脂モノマーを含浸させ、重合して硬化体とする。
【0005】一方、養殖真珠用の人工核には、(1) 母
貝の死滅或いは挿入された核を母貝が吐き出す、所謂、
脱核等をもたらす毒性を有さないこと、(2) 真珠は重
量によって取り引きされるため、天然の貝殻核のかさ比
重2.8と同等のかさ比重を有すること、(3) 真珠を
ネックレス等に用いる場合、専用の穿孔機によって穿孔
加工がなされる。この専用の穿孔機に備えられている刃
は、ハイス鋼製であって先端を尖らせただけの三角柱状
である。そのため、核が硬すぎる場合は核表面のチッピ
ングを生じたり、穿孔ができないことがある。従って、
天然の貝殻核のロックウェル硬さ(15N)50と同等
のロックウェル硬さを有し、穿孔等の加工性が良好であ
ること、
【0006】(4) 核と真珠層との熱膨張係数が異なる
場合、長期に渡る温度変化による歪みによって、真珠層
に亀裂を生じ、また、核と真珠層とが剥離することがあ
る。そのため、天然の貝殻核の熱膨張係数1.5×10
-5/℃と同等の熱膨張係数を有し、核と真珠層とが剥離
せず、耐久性に優れること、(5) 真珠層は透光性であ
るため、核の色は真珠の色や輝きに影響する。そのた
め、色むらのない白色であること、
【0007】(6) 核の表面が粗面であると、真珠層の
表面にも影響が及び、真珠の輝きが低下する。そのた
め、容易に研磨加工を行うことができる程度に表面が平
滑であること、(7) 表層が多孔質構造である場合は核
の表面が平滑にならず、研磨加工が困難となり、また、
養殖は海水中で行われるため海水が核の内部に侵入する
恐れがある。一方、内部が多孔質構造である場合は、た
とえその表面に緻密なコーティング層を形成したとして
も、穿孔加工等が施された製品として使用している間に
水や汗等の水分が侵入する可能性がある。そのため、表
層及び内部ともに緻密な構造であって、海水等の水分が
侵入しないこと、等の特性が要求される。しかし、前記
〜の特許公報に記載された人工核では、上記の要求
特性が必ずしも十分に満たされてはおらず、天然の貝殻
核と同等の性能を有する人工核は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するものであり、無機成分として、炭酸カルシウ
ム、フッ化リチウム及びジルコニアを併用し、これらか
らなる成形体にアクリル酸樹脂モノマーを含浸させ、こ
のモノマーを重合させて有機成分とした養殖真珠用人工
核及びその製造方法を提供することを目的とする。本発
明の養殖真珠用人工核は、毒性がなく、加工性に優れ、
且つ核と真珠層との剥離を生じ難い等、人工核に要求さ
れる特性を十分に備えたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1発明の養殖真珠用人
工核は、無機成分と有機成分との複合体からなる養殖真
珠用人工核において、上記無機成分は、炭酸カルシウ
ム、フッ化リチウム及びジルコニアを含むことを特徴と
する。
【0010】また、第4発明の養殖真珠用人工核の製造
方法は、炭酸カルシウム、フッ化リチウム及びジルコニ
アを含む混合物を調製する工程、該混合物を成形体とす
る工程、該成形体を焼成して焼成体とする工程、該焼成
体を重合開始剤を含むアクリル酸樹脂モノマーに浸漬
し、上記焼成体に、重合開始剤を含む該アクリル酸樹脂
モノマーを含浸させる工程、このアクリル酸樹脂モノマ
ーを重合手段を用いて硬化体とする工程、を備えること
を特徴とする。
【0011】上記「炭酸カルシウム」としては、貝殻
粉、サンゴ粉、真珠粉等の海洋性炭酸カルシウム、石灰
石、あられ石等の重質炭酸カルシウム、及びこの重質炭
酸カルシウムを化学的に精製して得られる軽質炭酸カル
シウムなど、いずれも使用することができる。その粒径
は特に限定されないが、平均粒径が100μm以下、よ
り好ましくは1〜50μmのものが好適である。また、
上記「フッ化リチウム」も一般に提供されているものを
そのまま用いることができる。その粒径も特に限定され
ないが、平均粒径が50μm以下、特に0.1〜10μ
mのものが好ましい。更に、上記「ジルコニア」として
は、1000℃以上の温度で焼成して得られる安定化ジ
ルコニア、イットリア等を含む部分安定化ジルコニアな
ど、通常、提供されているものをそのまま使用すること
ができる。その粒径も特に限定されないが、平均粒径
0.1〜10μm程度のものを用いることができる。
【0012】フッ化リチウムは炭酸カルシウムの焼結性
を向上させる焼結助剤として作用する。その結果、得ら
れる人工核のかさ比重が大きくなり、硬度が高くなる。
そのため、ジルコニアの含有量を減らすことができ、相
対的に天然の貝殻核の主成分である炭酸カルシウムの量
比を高くすることができる。フッ化リチウムの含有量
は、第2発明のように、上記「無機成分」を100重量
%とした場合に、「0.1〜10重量%」とすることが
好ましい。フッ化リチウムの含有量がこの上下限を外れ
る場合は炭酸カルシウムの焼結性が十分に向上しない。
この含有量が0.5〜5重量%、特に0.5〜2重量%
であれば、炭酸カルシウムの焼結性がより向上するため
好ましい。
【0013】また、ジルコニアの含有量によって人工核
のかさ比重を適宜に調整することもできる。更に、ジル
コニアの量比が高くなるにつれて人工核の硬さが向上す
る。従って、上記のフッ化リチウム及びこのジルコニア
の含有量によってかさ比重と硬さとのバランスを調整
し、天然の貝殻核に近似の特性を有する人工核とするこ
とができる。ジルコニアの含有量は、第2発明のよう
に、「1〜50重量%」とすることができる。この含有
量が1重量%未満では、得られる人工核はかさ比重が小
さく、硬度の低いものとなり、50重量%を越える場合
は、硬くなりすぎて穿孔加工性が低下する。この含有量
が20〜40重量%、特に25〜35重量%であれば、
かさ比重が大きく、適度な硬さを有する人工核が得られ
る。
【0014】第2発明において、フッ化リチウムとジル
コニアとを除いた無機成分の「残部」は炭酸カルシウム
である。この炭酸カルシウムは55〜80重量%とする
ことが好ましく、炭酸カルシウムの量比をこの範囲とす
ることによって、より容易に適度なかさ比重及び硬さを
有する人工核を得ることができる。尚、この炭酸カルシ
ウムの量比は特に60〜80重量%、更には65重量%
以上とすることが好ましい。天然の貝殻核の主成分であ
る炭酸カルシウムの量比をこのように高くすることによ
って、より天然の貝殻核に近似の特性を有する良質な人
工核を得ることができる。
【0015】上記「有機成分」は、液状のモノマーを重
合触媒、光等によって重合させ、硬化させたものであ
り、特に、第3発明のように「アクリル酸樹脂」である
ことが好ましい。このアクリル酸樹脂は、第4発明のよ
うにアクリル酸樹脂モノマーを重合させることによって
得られる。上記「アクリル酸樹脂モノマー」としては、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート及びベンジルメタクリレー
ト等の非官能性モノマーの他、ジエチルアミノエチルメ
タクリレートなどの一官能性モノマー、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート及
びトリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官
能性モノマーを用いることができる。これらのアクリル
酸樹脂モノマーは1種のみを用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0016】炭酸カルシウム、フッ化リチウム及びジル
コニアの「混合物」は、ポットミル等の適宜のブレンダ
ーなどによって調製することができ、また、温度も特定
はされず常温で混合することができる。上記「成形体」
は、この混合物を成形型に填入し、加圧成形する等、周
知の成形方法によって得ることができる。この際、成形
性を向上させるためにバインダを添加してもよい。この
バインダとしては、通常、セラミックの成形などにおい
て使用されるメチルセルロース、ポリビニルアルコール
等の有機バインダを用いることができる。
【0017】加圧成形の圧力は第5発明のように「50
0kgf/cm2以上」とすることが好ましい。この圧
力が500kgf/cm2以上であれば後工程の焼成に
よって得られる焼成体の緻密性が高くなる。しかし、2
000kgf/cm2を越えるような高圧では装置が大
型化し製造コスト面で不利となるため、上記圧力は50
0〜2000kgf/cm2の範囲が好ましい。成形の
圧力を上記の範囲とすれば、天然の貝殻核と同等の適度
な硬さを有し、穿孔加工等、加工性に優れた人工核を得
ることができる。また、最終的に緻密な人工核が得ら
れ、この人工核は海水中でも吸水することがない。
【0018】更に、この成形は、比較的低圧、例えば2
00〜700kgf/cm2程度の圧力下に所定形状に
成形した後、冷間静水圧プレス法(CIP法)によって
1500〜2000kgf/cm2の高圧下に再度加圧
し、より緻密な成形体とする方法であってもよい。ま
た、加圧成形をホットプレス法により行ってもよい。
尚、加圧成形後、必要であれば適宜トリミングすること
により形状を整えることもできる。また、この成形体の
形状及び寸法は目的とする人工核とほぼ同様のものとす
ることができ、通常、球形又は楕円球形等である。
【0019】上記のようにして成形体とした後、これを
「焼成」して「焼成体」とする。この焼成の温度は、第
6発明のように、「400〜700℃」とすることがで
きる。焼成温度が400℃未満では、焼成体の緻密性が
低下し、また、バインダを添加した場合など、このバイ
ンダ等の除去、即ち、脱脂が十分に行われないことがあ
る。一方、焼成温度が700℃を越える場合は、炭酸カ
ルシウムが分解することがある。この焼成温度は、特に
400〜600℃、更には450〜550℃とすること
が好ましい。この範囲の温度で焼成すれば、有機バイン
ダ等を確実に除去することができ、且つ炭酸カルシウム
の焼成が促進され、強度の高い焼成体が得られる。ま
た、天然の貝殻核と同等の硬度を有し、穿孔加工等の加
工性に優れた人工核を得ることができる。
【0020】その後、焼成体を、重合開始剤を含むアク
リル酸樹脂モノマーに「浸漬」し、このモノマー等を焼
結体に「含浸」させる。この浸漬は常圧において行うこ
とができ、また、密閉容器を使用し、内部を減圧状態に
して浸漬することによって、より効率的に含浸させるこ
ともできる。上記「重合開始剤」としては有機過酸化
物、特に過酸化ベンゾイルが使用される。過酸化ベンゾ
イルのみを用いた場合は加熱による重合処理を必要とす
るが、過酸化ベンゾイルとN,N−ジメチルアニリンと
を用いた場合には常温での重合が可能となる。また、両
者の配合比により重合速度を調節することもできる。そ
の他、カンファーキノンとN,N−ジメチルパラトルイ
ジンとを用いて光重合を行うこともできる。重合開始剤
はアクリル酸樹脂モノマー100重量%に対して0.1
〜2重量%、特に0.5〜1.5重量%配合される。
【0021】次いで、重合開始剤を含むアクリル酸樹脂
モノマーを含浸させた焼成体を、必要であれば加熱し、
アクリル酸樹脂モノマーを重合させ、「硬化体」とす
る。このモノマーは、重合開始剤として有機過酸化物の
みを用いた場合は、常圧下、50〜90℃、特に60〜
80℃の温度で1〜10時間、特に3〜8時間加熱する
ことにより重合させることができる。このようにしてア
クリル酸樹脂モノマーを重合させ硬化体とした後、焼成
体の成形時のバリ或いは焼成体の表面に付着した硬化体
などを適宜除去し、更に、これを加工、研磨して養殖真
珠用人工核を得る。
【0022】本発明の養殖真珠用人工核は、天然のドブ
貝などを研磨して得られる貝殻核とまったく同様に使用
することができる。淡水産のカワシンジュ貝、イケチョ
ウ貝等、及び海水産のアコヤ貝、クロチョウ貝、シロチ
ョウ貝等、種々の貝類に挿入して用いることができる。
また、成形体の寸法を容易に調整することができ、挿入
する母貝に合った大きさの人工核とすることができる。
例えば、海水産のアコヤ貝では直径6〜8mm程度のも
のを使用することができ、海水産のクロチョウ貝、シロ
チョウ貝及び淡水産のイケチョウ貝では直径10〜17
mmのものを用いることができる。
【0023】この人工核は、無機成分として、天然の貝
殻の主成分である炭酸カルシウム、人工関節等の生体材
料として使用されているジルコニア及び少量のフッ化リ
チウムを含み、有機成分として特に好ましいアクリル酸
樹脂は、生体用セメントとして用いられているものであ
る。そのため、毒性がなく、母貝の死滅、脱核等の問題
がまったくない。また、フッ化リチウム及びジルコニア
の含有量によって人工核のかさ比重、硬さ等を自由に調
節することができ、かさ比重及び硬さを容易に天然の貝
殻核に近似の値に調整することができる。そのため、穿
孔加工等、加工も容易である。
【0024】尚、人工核のかさ比重は、CIP法等を用
いて成形圧を高くすることによって大きくすることもで
きる。この場合、天然の貝殻核の主成分である炭酸カル
シウムの量比を、例えば60重量%以上に高めることが
でき、得られる人工核の組成の面からは好ましい。但
し、フッ化リチウム及びジルコニアの量比の低下ととも
に人工核の硬さが低下するため、それらの含有量及び成
形圧を適宜調整することによりバランスのよい特性を有
する人工核とすることが好ましい。
【0025】更に、本発明の人工核は天然の貝殻核と同
等の熱膨張係数、即ち、1.5〜2.5×10-5/℃、
特に1.8〜2.2×10-5/℃の範囲の熱膨張係数を
有する。そのため、核と真珠層との間で熱履歴による剥
離を生ずることがない。また、無機成分は白色であり、
有機成分であるアクリル酸樹脂は無色透明であるため、
色むらのない白色の美しい人工核とすることができ、且
つ表面が平滑であって研磨加工も容易であるため、美し
い色、輝きを有する真珠を得ることができる。更に、表
層及び内部ともに多孔質ではないため、穿孔加工を施さ
れた場合であっても吸水することもない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって詳
しく説明する。 実施例1 70重量%の炭酸カルシウム粉末、1重量%のフッ化リ
チウム粉末及び29重量%のジルコニア粉末をポットミ
ルによって攪拌、混合し、この混合物に有機バインダを
配合した。得られた混合粉末を500kgf/cm2
圧力で一軸加圧成形して球状の成形体とした後、この成
形体を更にCIP法によって1500kgf/cm2
加圧した。その後、成形体を520℃の温度で3時間焼
成して焼成体とした。次いで、得られた焼成体を、1重
量%の過酸化ベンゾイルを含むトリエチレングリコール
ジメタクリレート中に浸漬し、これら重合開始剤及びモ
ノマーを焼成体に減圧下に含浸させた。その後、70℃
で5時間加熱してモノマーを重合させ、硬化させた。次
いで、成形時のバリ或いは付着したアクリル酸樹脂を球
状加工機によって除去し、更に、その表面を研磨して養
殖真珠用人工核を得た。尚、この人工核は、炭酸カルシ
ウムとジルコニアとが均一に分散し、また、バインダが
除去されて形成される空隙も均一に存在しており、この
空隙にアクリル酸樹脂が充填された非常に均質な高品質
なものであった。
【0027】実施例1の人工核及びドブ貝の貝殻を加工
して得られた貝殻核について、かさ比重、ロックウェル
硬さ、吸水率、30〜100℃における熱膨張係数、表
面粗さ(Ra)、穿孔性及び色相を評価した。結果を表
1に示す。尚、これらの評価は以下の方法又は装置によ
って行った。
【0028】かさ比重;JIS C2141 ロックウェル硬さ;JIS Z2245 吸水率;JIS C2141 熱膨張係数;熱機械分析装置(TMA)(理学電機株式
会社製、型式「TAS−300」) 表面粗さ;表面粗さ計(Taylor-Habson 社製、型式「F
orm Talysurf S5CSeries- I) 穿孔性;専用の穿孔機によって穿孔した場合の人工核の
チッピングの有無等を観察する。 色相;目視により観察する。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果によれば、本発明の養殖真珠用
人工核は、天然核と同等のかさ比重を有し、硬さは天然
核を越えることはなく優れた加工性を有することが推察
され、実際、穿孔性に優れたものであることが分かる。
また、天然の貝殻核と同様に吸水率は0%であって、表
面、内部ともに緻密で空孔を有さないものである。更
に、熱膨張係数は天然核をやや上回るが問題となるほど
ではなく、表面は天然核に比べ、より平滑であり、色相
も濁りのない白色であって、天然の貝殻核と同様に用い
得るものであることが分かる。
【0031】尚、本発明においては、上記の具体的な実
施の形態に示すものに限られず、目的、用途に応じて本
発明の範囲内で種々変更した他の実施の形態とすること
ができる。例えば、上記の白色の人工核を用いた場合、
乳白色の外観を呈する真珠が得られるが、本発明の方法
によって得られる人工核の優れた特性を損なうことのな
い限り、適宜の顔料を適量配合することができる。この
ように着色された人工核を使用することによって、所望
の色相を有する真珠とすることができる。
【0032】
【発明の効果】第4発明の製造方法等によって得られる
第1発明の養殖真珠用人工核は、天然核と同等のかさ比
重及び硬さを有し、チッピング等を起こすことなく容易
に穿孔加工をすることができる。また、多孔質ではない
ため吸水性もない。更に、色むらのない白色の美しい外
観を有し、且つ表面も平滑であるため、色、輝き等、美
しい真珠を得ることができる。また、天然の貝殻核と同
等の熱膨張係数を有するため、核と真珠層との間で剥離
を生ずることもない。更に、この人工核は、毒性がない
ため、母貝の死滅、脱核等の問題もほとんどない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機成分と有機成分との複合体からなる
    養殖真珠用人工核において、上記無機成分は、炭酸カル
    シウム、フッ化リチウム及びジルコニアを含むことを特
    徴とする養殖真珠用人工核。
  2. 【請求項2】 上記無機成分を100重量%とした場合
    に、上記フッ化リチウムは0.1〜10重量%であり、
    上記ジルコニアは1〜50重量%であって、残部が上記
    炭酸カルシウムである請求項1記載の養殖真珠用人工
    核。
  3. 【請求項3】 上記有機成分がアクリル酸樹脂である請
    求項1又は2記載の養殖真珠用人工核。
  4. 【請求項4】 炭酸カルシウム、フッ化リチウム及びジ
    ルコニアを含む混合物を調製する工程、該混合物を成形
    体とする工程、該成形体を焼成して焼成体とする工程、
    該焼成体を重合開始剤を含むアクリル酸樹脂モノマーに
    浸漬し、上記焼成体に、重合開始剤を含む該アクリル酸
    樹脂モノマーを含浸させる工程、このアクリル酸樹脂モ
    ノマーを重合手段を用いて硬化体とする工程、を備える
    ことを特徴とする養殖真珠用人工核の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記成形体の成形圧力が500kgf/
    cm2以上である請求項4記載の養殖真珠用人工核の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 上記焼成の温度が400〜700℃であ
    る請求項4又は5記載の養殖真珠用人工核の製造方法。
JP9257505A 1997-09-05 1997-09-05 養殖真珠用人工核及びその製造方法 Pending JPH1175608A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116924728A (zh) * 2023-07-25 2023-10-24 天津大学 基于降失水剂原位聚合的仿生珍珠质韧性水泥浆及其制备方法和应用

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CN116924728B (zh) * 2023-07-25 2024-02-23 天津大学 基于降失水剂原位聚合的仿生珍珠质韧性水泥浆及其制备方法和应用

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