JPH1176823A - 重質炭化水素分解用スラリー触媒およびその調製方法 - Google Patents
重質炭化水素分解用スラリー触媒およびその調製方法Info
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- JPH1176823A JPH1176823A JP9252610A JP25261097A JPH1176823A JP H1176823 A JPH1176823 A JP H1176823A JP 9252610 A JP9252610 A JP 9252610A JP 25261097 A JP25261097 A JP 25261097A JP H1176823 A JPH1176823 A JP H1176823A
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉄系化合物(触媒活性成分)が反応中に
凝集成長するのを防止し、更に石炭液化または重質油水
素化分解反応において高い活性を有するスラリー触媒と
その調製方法を提供すること。 【解決手段】 石炭とd50(一次粒子が凝集した二次粒
子の体積基準の累積分布の50%粒子径)が20〜30
0μmである鉄化合物触媒との混合物をオイルと混合し
た全量に対して40〜60重量%のオイル中で、この石
炭の平均粒径が20μm以下になるまで共粉砕すること
によって、解砕鉄化合物がオイル中に微分散された石炭
の表面に薄層状に付着されている重質炭化水素分解用ス
ラリー触媒が製造できる。
凝集成長するのを防止し、更に石炭液化または重質油水
素化分解反応において高い活性を有するスラリー触媒と
その調製方法を提供すること。 【解決手段】 石炭とd50(一次粒子が凝集した二次粒
子の体積基準の累積分布の50%粒子径)が20〜30
0μmである鉄化合物触媒との混合物をオイルと混合し
た全量に対して40〜60重量%のオイル中で、この石
炭の平均粒径が20μm以下になるまで共粉砕すること
によって、解砕鉄化合物がオイル中に微分散された石炭
の表面に薄層状に付着されている重質炭化水素分解用ス
ラリー触媒が製造できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭の液化または
重質油の水素化分解等の重質炭化水素分解反応に用いる
スラリー触媒に関する。
重質油の水素化分解等の重質炭化水素分解反応に用いる
スラリー触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】今後の石油の価格高騰、さらには資源枯
渇に対応するため、石炭液化やオイルシエール、オイル
サンド及び精油所残渣油などの重質炭化水素分解の技術
開発が進められている。
渇に対応するため、石炭液化やオイルシエール、オイル
サンド及び精油所残渣油などの重質炭化水素分解の技術
開発が進められている。
【0003】これらの反応における金属種の触媒作用と
しては熱分解により生成したフリーラジカルを迅速に水
素付加することによって安定化し、分解物の再縮合によ
るコーキングを防止することである。
しては熱分解により生成したフリーラジカルを迅速に水
素付加することによって安定化し、分解物の再縮合によ
るコーキングを防止することである。
【0004】このために触媒成分の高純度化や微粒化な
ど触媒の化学的又は物理的物性の向上を計るほか、カー
ボンブラックや微粉砕炭などを合わせて用いることによ
って触媒の微分散化、すなわち凝集防止を計るなど種々
の試みがなされてきた。
ど触媒の化学的又は物理的物性の向上を計るほか、カー
ボンブラックや微粉砕炭などを合わせて用いることによ
って触媒の微分散化、すなわち凝集防止を計るなど種々
の試みがなされてきた。
【0005】触媒をこの様に高性能化することは重要で
あるが、一方、調製法が容易であっても高価な触媒では
実用化には結びつきにくい。一般的に触媒として遷移金
属が用いられることが多いが、その中でも鉄化合物触媒
のように経済性のよいものでなくてはならない。
あるが、一方、調製法が容易であっても高価な触媒では
実用化には結びつきにくい。一般的に触媒として遷移金
属が用いられることが多いが、その中でも鉄化合物触媒
のように経済性のよいものでなくてはならない。
【0006】鉄化合物触媒として化学的に表面積の大き
な酸化鉄や水酸化鉄を調製して用いても高温の液化反応
時に触媒は硫黄の存在下でピロタイトになるが触媒粒子
同志の凝集作用によって表面積は非常に小さくなること
が明らかにされている。
な酸化鉄や水酸化鉄を調製して用いても高温の液化反応
時に触媒は硫黄の存在下でピロタイトになるが触媒粒子
同志の凝集作用によって表面積は非常に小さくなること
が明らかにされている。
【0007】イオン交換法による石炭表面への鉄の付
加、石炭表面への微粒水酸化鉄の沈積など、触媒の活性
向上を目指した対策は若干の効果を上げているものの経
済性と効果の両面に優れた触媒は現状では皆無といって
よい。
加、石炭表面への微粒水酸化鉄の沈積など、触媒の活性
向上を目指した対策は若干の効果を上げているものの経
済性と効果の両面に優れた触媒は現状では皆無といって
よい。
【0008】また近年、微粉砕機の進歩に伴い鉄鉱石や
鉱物パイライトの微粉砕、或いは、これらと石炭の共粉
砕についても研究が行われている。これらは共粉砕によ
って新しい粉砕表面状態の発現を利用しようとしている
が、所詮、長年かかって形成された天然物の改質には過
大な粉砕動力を必要とする。
鉱物パイライトの微粉砕、或いは、これらと石炭の共粉
砕についても研究が行われている。これらは共粉砕によ
って新しい粉砕表面状態の発現を利用しようとしている
が、所詮、長年かかって形成された天然物の改質には過
大な粉砕動力を必要とする。
【0009】すなわち、鉱物質の触媒と、いわば繊維素
高分子である石炭の粉砕とでは粉砕メカニズムが違って
いる。石炭の一次粉砕容易限界粒径は7〜8ミクロンと
みられ、これより微細な粒子径にまでの粉砕は指数的な
粉砕動力の増加を伴う。共粉砕した触媒を用いると製品
オイルの収率増加は認められるが粉砕費が高いので実用
化はなされることがない。
高分子である石炭の粉砕とでは粉砕メカニズムが違って
いる。石炭の一次粉砕容易限界粒径は7〜8ミクロンと
みられ、これより微細な粒子径にまでの粉砕は指数的な
粉砕動力の増加を伴う。共粉砕した触媒を用いると製品
オイルの収率増加は認められるが粉砕費が高いので実用
化はなされることがない。
【0010】これに対して、例えば硫酸鉄、硝酸鉄、水
酸化鉄或いは硫化鉄などの合成した鉄化合物は小さな1
次粒子の凝集体からなり、これらは温度400〜480
℃、圧力150〜250気圧の石炭液化または重質油水
素化分解反応条件下で用いられると石炭或いは重質油中
又は助触媒として添加した硫黄と反応してピロタイト
(Fe1-x S)となり、その際凝集状態が壊れ、触媒
の比表面積が増すという触媒として極めて好ましい特性
を有している。しかし、微細粒子の再凝集は避けられず
どうしても5〜7ミクロン程度の連鎖状の凝集体とな
り、必ずしもフリーラジカルへの水素付加のための理想
的な状態とはなっていない。
酸化鉄或いは硫化鉄などの合成した鉄化合物は小さな1
次粒子の凝集体からなり、これらは温度400〜480
℃、圧力150〜250気圧の石炭液化または重質油水
素化分解反応条件下で用いられると石炭或いは重質油中
又は助触媒として添加した硫黄と反応してピロタイト
(Fe1-x S)となり、その際凝集状態が壊れ、触媒
の比表面積が増すという触媒として極めて好ましい特性
を有している。しかし、微細粒子の再凝集は避けられず
どうしても5〜7ミクロン程度の連鎖状の凝集体とな
り、必ずしもフリーラジカルへの水素付加のための理想
的な状態とはなっていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鉄系
化合物(触媒活性主成分)が反応中に凝集成長するのを
防止し、更に石炭液化または重質油水素化分解反応にお
いて極めて高い活性を有するスラリー触媒を提供するこ
とである。
化合物(触媒活性主成分)が反応中に凝集成長するのを
防止し、更に石炭液化または重質油水素化分解反応にお
いて極めて高い活性を有するスラリー触媒を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微粒の鉄
化合物触媒につき石炭等を用いて安価で且つ効果的に触
媒種同志の凝集防止を計る研究をおこなってきたが、こ
の度微細な1次粒子の集合体からなる鉄化合物と少量の
石炭とをオイル中で共粉砕するか、又は各々、単独に粉
砕した後、両者をオイル中で混合することにより、例え
ば20ミクロン以下に粉砕された石炭粒子の表面に解砕
された鉄化合物がごく薄く積層吸着した状態を作りだせ
ることを見出し、理想的な触媒作用の発現を可能とし
た。石炭表面上に触媒一次粒子を薄く付着させることに
より、鉄化合物同志の凝集を抑制し、熱により生じたフ
ラグメントの安定化をより確実に行わせて、同一添加率
でオイル収率の向上、或いは同一オイル収率を少ない触
媒で得ることを可能とした。
化合物触媒につき石炭等を用いて安価で且つ効果的に触
媒種同志の凝集防止を計る研究をおこなってきたが、こ
の度微細な1次粒子の集合体からなる鉄化合物と少量の
石炭とをオイル中で共粉砕するか、又は各々、単独に粉
砕した後、両者をオイル中で混合することにより、例え
ば20ミクロン以下に粉砕された石炭粒子の表面に解砕
された鉄化合物がごく薄く積層吸着した状態を作りだせ
ることを見出し、理想的な触媒作用の発現を可能とし
た。石炭表面上に触媒一次粒子を薄く付着させることに
より、鉄化合物同志の凝集を抑制し、熱により生じたフ
ラグメントの安定化をより確実に行わせて、同一添加率
でオイル収率の向上、或いは同一オイル収率を少ない触
媒で得ることを可能とした。
【0013】即ち本発明の第1は、平均粒径が20ミク
ロン以下の粉砕石炭と解砕鉄化合物とオイルからなるス
ラリー触媒であって、該粉砕石炭と該解砕鉄化合物とは
重量比が1/3〜3でその合計量が全体の60〜40重
量%であって、残部のオイル中に保持されていることを
特徴とする重質炭化水素分解用スラリー触媒である。
ロン以下の粉砕石炭と解砕鉄化合物とオイルからなるス
ラリー触媒であって、該粉砕石炭と該解砕鉄化合物とは
重量比が1/3〜3でその合計量が全体の60〜40重
量%であって、残部のオイル中に保持されていることを
特徴とする重質炭化水素分解用スラリー触媒である。
【0014】本発明の第2は、上記触媒において、解砕
鉄化合物がオイル中に微分散された石炭の表面に薄層状
に付着されている重質炭化水素分解用触媒である。
鉄化合物がオイル中に微分散された石炭の表面に薄層状
に付着されている重質炭化水素分解用触媒である。
【0015】本発明の第3は、上記第1または第2の触
媒において、解砕鉄化合物が一次粒子および一次粒子が
凝集した二次粒子からなり、この一次粒子の粒径が10
〜400ナノメートルである重質炭化水素分解用触媒で
ある。
媒において、解砕鉄化合物が一次粒子および一次粒子が
凝集した二次粒子からなり、この一次粒子の粒径が10
〜400ナノメートルである重質炭化水素分解用触媒で
ある。
【0016】本発明の第4は、上記第1〜第3の何れか
の触媒において、鉄化合物が硫化鉄である重質炭化水素
分解用触媒である。
の触媒において、鉄化合物が硫化鉄である重質炭化水素
分解用触媒である。
【0017】本発明の第5は、石炭とd50(一次粒子が
凝集した二次粒子の体積基準の累積分布の50%粒子
径)が20〜300ミクロンである鉄化合物触媒との混
合物をオイルを含めた全量に対して40〜60重量%の
オイル中で、該石炭の平均粒径が20ミクロン以下にな
るまで共粉砕することを特徴とする重質炭化水素分解用
スラリー触媒の調製方法、である。
凝集した二次粒子の体積基準の累積分布の50%粒子
径)が20〜300ミクロンである鉄化合物触媒との混
合物をオイルを含めた全量に対して40〜60重量%の
オイル中で、該石炭の平均粒径が20ミクロン以下にな
るまで共粉砕することを特徴とする重質炭化水素分解用
スラリー触媒の調製方法、である。
【0018】本発明の第6は、平均粒径20ミクロン以
下に粉砕された石炭をd50が20〜300ミクロンであ
る鉄化合物触媒を含有するオイルと混合した後、鉄化合
物触媒を解砕することを特徴とする重質炭化水素分解用
スラリー触媒の調製方法、である。
下に粉砕された石炭をd50が20〜300ミクロンであ
る鉄化合物触媒を含有するオイルと混合した後、鉄化合
物触媒を解砕することを特徴とする重質炭化水素分解用
スラリー触媒の調製方法、である。
【0019】従来、鉱物質と石炭とを強度に共粉砕、す
なわち、サブミクロンレベルにまでに共粉砕すると両者
の粉砕による更新表面でメカノケミカル現象による結合
が生じるとされてきた。
なわち、サブミクロンレベルにまでに共粉砕すると両者
の粉砕による更新表面でメカノケミカル現象による結合
が生じるとされてきた。
【0020】ところが、d50が20〜300ミクロン
(好ましくは50〜200ミクロン、更に好ましくは1
00〜150ミクロン)の高次粒子からなる鉄化合物を
オイル中でほぼ等容積量の、平均粒径が例えば50ミク
ロン程度の石炭と混ぜて鉄化合物と石炭との合計量が4
0〜60重量%のスラリーとし、軽度の共粉砕、すなわ
ち平均粒径が50ミクロンであった石炭を10ミクロン
程度になる迄に共粉砕するだけで驚くべきことに、石炭
表面に一次粒子状の鉄系化合物をほぼ均等に付着させ得
ることを見いだした。
(好ましくは50〜200ミクロン、更に好ましくは1
00〜150ミクロン)の高次粒子からなる鉄化合物を
オイル中でほぼ等容積量の、平均粒径が例えば50ミク
ロン程度の石炭と混ぜて鉄化合物と石炭との合計量が4
0〜60重量%のスラリーとし、軽度の共粉砕、すなわ
ち平均粒径が50ミクロンであった石炭を10ミクロン
程度になる迄に共粉砕するだけで驚くべきことに、石炭
表面に一次粒子状の鉄系化合物をほぼ均等に付着させ得
ることを見いだした。
【0021】すなわち、この共粉砕した固形粒子の切断
面を走査型電子顕微鏡で観察すると石炭の表面に鉄化合
物を構成する、粒径10〜400ナノメートルの一次粒
子群が数ミクロン以下の厚みで層状に付着している。さ
したる両種粒子の表面更新度がないのにも拘わらず、両
種がくっ付き、鉄系化合物の凝集抑制に効果的な状態を
呈する。そしてこれを、例えば、石炭液化用触媒として
用いると鉄化合物を単独で用いた場合に比べて液化油収
率が数%も向上することが判った。液化反応の初期に共
粉砕した石炭が膨潤し、鉄化合物が硫黄と反応してピロ
タイトとなり、最終的には固形の石炭分は液やガスに転
じて消滅するので石炭上に付着せしめた鉄化合物がいつ
まで初めの状態を保っているのかは判らない。しかし、
この液化反応の初期段階石炭からオイル収率に大きく影
響する。従って、触媒の微分散が極めて重要であること
は間違いない。
面を走査型電子顕微鏡で観察すると石炭の表面に鉄化合
物を構成する、粒径10〜400ナノメートルの一次粒
子群が数ミクロン以下の厚みで層状に付着している。さ
したる両種粒子の表面更新度がないのにも拘わらず、両
種がくっ付き、鉄系化合物の凝集抑制に効果的な状態を
呈する。そしてこれを、例えば、石炭液化用触媒として
用いると鉄化合物を単独で用いた場合に比べて液化油収
率が数%も向上することが判った。液化反応の初期に共
粉砕した石炭が膨潤し、鉄化合物が硫黄と反応してピロ
タイトとなり、最終的には固形の石炭分は液やガスに転
じて消滅するので石炭上に付着せしめた鉄化合物がいつ
まで初めの状態を保っているのかは判らない。しかし、
この液化反応の初期段階石炭からオイル収率に大きく影
響する。従って、触媒の微分散が極めて重要であること
は間違いない。
【0022】鉱物質と石炭を平均径が1ミクロンとなる
ように共粉砕する場合、石炭のみの粉砕動力だけでも、
石炭トン当たり約1,000KWHを要し、これに鉱物
質の粉砕動力が加わるので極めて高コストとなる。
ように共粉砕する場合、石炭のみの粉砕動力だけでも、
石炭トン当たり約1,000KWHを要し、これに鉱物
質の粉砕動力が加わるので極めて高コストとなる。
【0023】これに対して、本発明における前記鉄化合
物触媒と石炭の共粉砕では石炭の粉砕を10ミクロン程
度にする場合の粉砕動力は石炭トン当たり10KWH程
度であって、一方、該鉄化合物触媒は容易に解砕される
ことから共粉砕動力は極めて少なくて済む。
物触媒と石炭の共粉砕では石炭の粉砕を10ミクロン程
度にする場合の粉砕動力は石炭トン当たり10KWH程
度であって、一方、該鉄化合物触媒は容易に解砕される
ことから共粉砕動力は極めて少なくて済む。
【0024】石炭の粉砕粒度を変えただけでは液化よっ
て得られるオイル収率に大きな差はないことを確認した
ので、かかる軽度の共粉砕によって画期的低コストの触
媒凝集防止策が実現出来た。
て得られるオイル収率に大きな差はないことを確認した
ので、かかる軽度の共粉砕によって画期的低コストの触
媒凝集防止策が実現出来た。
【0025】上記の共粉砕法において鉄化合物触媒の解
砕動力は小さいが、石炭と鉄化合物のスラリー濃度は粘
度上の制約から高くても60重量%程度にとどめる必要
がある。従って、共粉砕量即ち、石炭、触媒及びオイル
の合計量が多い場合には共粉砕用粉砕機の所要台数が増
す。この為、石炭のみをオイル中で粉砕するか或いはオ
イルを用いず乾式粉砕によって平均粒径を20ミクロン
以下(例えば10ミクロン程度)とし、これとd50が2
0〜300ミクロンの鉄化合物触媒とを混合し、高速剪
断翼等を持つ解砕機を用いてオイル中で解砕した。この
方法によって得られた粒子の走査電子顕微鏡観察結果は
共粉砕機で得られたものと同じであり、更に安価な触媒
粒子凝集防止法であることが判った。
砕動力は小さいが、石炭と鉄化合物のスラリー濃度は粘
度上の制約から高くても60重量%程度にとどめる必要
がある。従って、共粉砕量即ち、石炭、触媒及びオイル
の合計量が多い場合には共粉砕用粉砕機の所要台数が増
す。この為、石炭のみをオイル中で粉砕するか或いはオ
イルを用いず乾式粉砕によって平均粒径を20ミクロン
以下(例えば10ミクロン程度)とし、これとd50が2
0〜300ミクロンの鉄化合物触媒とを混合し、高速剪
断翼等を持つ解砕機を用いてオイル中で解砕した。この
方法によって得られた粒子の走査電子顕微鏡観察結果は
共粉砕機で得られたものと同じであり、更に安価な触媒
粒子凝集防止法であることが判った。
【0026】石炭の粉砕は石炭液化や電力用粉砕機の集
塵機から得られる細粒カットが手に入る場合にはあえて
専用の設備を設ける必要はない。前記した鉄化合物触媒
としては、好ましくは、例えば特開平9−142849
号に開示されているように、硫酸第1鉄1水塩を主成分
とする硫酸鉄と硫黄化合物とを反応させて得られるFe
S2を主成分とする粒径が10〜400ナノメートルの
一次粒子から形成される二次粒子のd50が20〜300
ミクロンの硫化鉄である。
塵機から得られる細粒カットが手に入る場合にはあえて
専用の設備を設ける必要はない。前記した鉄化合物触媒
としては、好ましくは、例えば特開平9−142849
号に開示されているように、硫酸第1鉄1水塩を主成分
とする硫酸鉄と硫黄化合物とを反応させて得られるFe
S2を主成分とする粒径が10〜400ナノメートルの
一次粒子から形成される二次粒子のd50が20〜300
ミクロンの硫化鉄である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
【0028】なお、以下の実施例および比較例中で使用
される粒度測定装置としてはレザー回折法セイシン企業
製(MS−24型)、走査型電子顕微鏡としては日立製
作所製(S−960型)を用いた。
される粒度測定装置としてはレザー回折法セイシン企業
製(MS−24型)、走査型電子顕微鏡としては日立製
作所製(S−960型)を用いた。
【0029】d50(平均粒子径)とは、粒度測定試料を
イソフ゜ロピルアルコール中に分散させて測定した体積基
準の累積分布の50%粒子径をいう。
イソフ゜ロピルアルコール中に分散させて測定した体積基
準の累積分布の50%粒子径をいう。
【0030】
【実施例1〜2および比較例1】図1、図2に示される
ような特開平9−142849号(硫化鉄及びその製造
方法)に基づいて調製した合成硫化鉄触媒(平均粒子径
100ミクロン)6.7kgと、インドネシア炭(平均
粒子径50ミクロン)3.3kgとを石炭液化によって
得たオイル(常圧軽油)15kgと混合し40重量%の
スラリーとした。次いで、これを内容積30Lの連続式
回転ボールミル(スラリー充填空隙容量10L)中へ供
給速度5L/Hで投入し、連続粉砕した。粉砕機の出口
より取り出したものをA触媒とした。この触媒の電子顕
微鏡写真を図3に示した。平均粒子径は7ミクロンであ
った。
ような特開平9−142849号(硫化鉄及びその製造
方法)に基づいて調製した合成硫化鉄触媒(平均粒子径
100ミクロン)6.7kgと、インドネシア炭(平均
粒子径50ミクロン)3.3kgとを石炭液化によって
得たオイル(常圧軽油)15kgと混合し40重量%の
スラリーとした。次いで、これを内容積30Lの連続式
回転ボールミル(スラリー充填空隙容量10L)中へ供
給速度5L/Hで投入し、連続粉砕した。粉砕機の出口
より取り出したものをA触媒とした。この触媒の電子顕
微鏡写真を図3に示した。平均粒子径は7ミクロンであ
った。
【0031】次いで、合成硫化鉄(平均粒子径100ミ
クロン)と石炭(平均粒子径50ミクロン)を各々40
重量%のスラリーとし、別々に上記共粉砕に準じた条件
で粉砕した。これらスラリーA触媒と同じ割合で混合し
たものをB触媒とした。
クロン)と石炭(平均粒子径50ミクロン)を各々40
重量%のスラリーとし、別々に上記共粉砕に準じた条件
で粉砕した。これらスラリーA触媒と同じ割合で混合し
たものをB触媒とした。
【0032】次いで、合成硫化鉄を粉砕機を用いる代わ
りに高速剪断翼(チップ速度20メートル/秒)を装備
した槽内で解砕する他はB触媒と同じやり方で得たもの
をC触媒とした。
りに高速剪断翼(チップ速度20メートル/秒)を装備
した槽内で解砕する他はB触媒と同じやり方で得たもの
をC触媒とした。
【0033】さらに合成硫化鉄(平均粒子径100ミク
ロン)と石炭(平均粒子径20ミクロン以下)及び常圧
軽油をA触媒調製の割合で添加し、解砕はC触媒調製時
と同じ解砕機を用いて解砕した。得られたものをD触媒
とした。
ロン)と石炭(平均粒子径20ミクロン以下)及び常圧
軽油をA触媒調製の割合で添加し、解砕はC触媒調製時
と同じ解砕機を用いて解砕した。得られたものをD触媒
とした。
【0034】以上のようにして調製した触媒を用いて、
石炭液化反応実験を行った。1Lオートクレーブ反応装
置を使用した。反応条件は以下の通りである。 (1)石炭:インドネシア炭(元素分析:C7.6、H
5.6、N1.4、O16.2、S0.2wt%、灰分
4.8wt%) (2)媒体油:常圧軽油 (3)石炭スラリー濃度:40% (4)触媒濃度:無水、無灰炭(DAF)あたり鉄重量
として1% (5)反応圧力:170kg・cm-2 (6)反応温度:450゜C (7)反応時間:60分 なお、比較例として共粉砕または単独粉砕しない合成硫
化鉄をE触媒とした。使用した触媒量は、実施例1〜2
と同様にDAFベースで鉄重量として1重量%使用し
た。表1は、1Lオートクレーブで活性の評価を行った
結果である。
石炭液化反応実験を行った。1Lオートクレーブ反応装
置を使用した。反応条件は以下の通りである。 (1)石炭:インドネシア炭(元素分析:C7.6、H
5.6、N1.4、O16.2、S0.2wt%、灰分
4.8wt%) (2)媒体油:常圧軽油 (3)石炭スラリー濃度:40% (4)触媒濃度:無水、無灰炭(DAF)あたり鉄重量
として1% (5)反応圧力:170kg・cm-2 (6)反応温度:450゜C (7)反応時間:60分 なお、比較例として共粉砕または単独粉砕しない合成硫
化鉄をE触媒とした。使用した触媒量は、実施例1〜2
と同様にDAFベースで鉄重量として1重量%使用し
た。表1は、1Lオートクレーブで活性の評価を行った
結果である。
【0035】◇
【表1】
【0036】表1において、オイル収率とはヘキサン可
溶分のDAFに対する重量分率である。また、ヘキサン
不溶分率はアスファルテンおよびプレアスファルテン総
重量のDAFに対する重量分率で示し、水素化分解の度
合いを示す尺度とされる。
溶分のDAFに対する重量分率である。また、ヘキサン
不溶分率はアスファルテンおよびプレアスファルテン総
重量のDAFに対する重量分率で示し、水素化分解の度
合いを示す尺度とされる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、下記のごとき効果を有
する。 1.石炭粒子表面に薄層吸着した高活性な硫化鉄触媒を
製造することができる。 2.硫化鉄触媒の活性を飛躍的に向上させる。 3.実質的な製造方法としては硫化鉄を解砕するだけで
よく、石炭は他用途の微粒カット分を利用できるので製
造コストが安い。
する。 1.石炭粒子表面に薄層吸着した高活性な硫化鉄触媒を
製造することができる。 2.硫化鉄触媒の活性を飛躍的に向上させる。 3.実質的な製造方法としては硫化鉄を解砕するだけで
よく、石炭は他用途の微粒カット分を利用できるので製
造コストが安い。
【図1】本発明に用いた触媒(一次粒子が凝集した二次
粒子)の走査型電子顕微鏡写真である。
粒子)の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】上記図1の拡大走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明で調製したスラリー触媒の走査型電子顕
微鏡写真である。
微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 重嘉 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内 (72)発明者 桜井 正昭 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成工業株式会社内 (72)発明者 阿蘇 辰二 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 井口 憲二 千葉県千葉市花見川区幕張本郷7−26−1
Claims (6)
- 【請求項1】 平均粒径が20ミクロン以下の粉砕石炭
と解砕鉄化合物とオイルからなるスラリー触媒であっ
て、該粉砕石炭と該解砕鉄化合物とは重量比が1/3〜
3でその合計量が全体の60〜40重量%であって、残
部のオイル中に分散、保持されていることを特徴とする
重質炭化水素分解用スラリー触媒。 - 【請求項2】 解砕鉄化合物がオイル中に微分散された
石炭の表面に薄層状に付着されていることを特徴とする
請求項1記載の重質炭化水素分解用スラリー触媒。 - 【請求項3】 解砕鉄化合物が一次粒子および一次粒子
が凝集した二次粒子からなり、該一次粒子の粒径が10
〜400ナノメートルであることを特徴とする請求項1
または2記載の重質炭化水素分解用スラリー触媒。 - 【請求項4】 鉄化合物が硫化鉄であることを特徴とす
る請求項1〜3のいずれかに記載の重質炭化水素分解用
スラリー触媒。 - 【請求項5】 石炭とd50(一次粒子が凝集した二次粒
子の体積基準の累積分布の50%粒子径)が20〜30
0ミクロンである鉄化合物触媒との混合物をオイルを含
めた全量に対して40〜60重量%のオイル中で、該石
炭の平均粒径が20ミクロン以下になるまで共粉砕する
ことを特徴とする重質炭化水素分解用スラリー触媒の調
製方法。 - 【請求項6】 平均粒径20ミクロン以下に粉砕された
石炭をd50(一次粒子が凝集した二次粒子の体積基準の
累積分布の50%粒子径)が20〜300ミクロンであ
る鉄化合物触媒を含有するオイルと混合した後、該鉄化
合物触媒を解砕することを特徴とする重質炭化水素分解
用スラリー触媒の調製方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9252610A JPH1176823A (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 重質炭化水素分解用スラリー触媒およびその調製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9252610A JPH1176823A (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 重質炭化水素分解用スラリー触媒およびその調製方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1176823A true JPH1176823A (ja) | 1999-03-23 |
Family
ID=17239772
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9252610A Withdrawn JPH1176823A (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 重質炭化水素分解用スラリー触媒およびその調製方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1176823A (ja) |
-
1997
- 1997-09-03 JP JP9252610A patent/JPH1176823A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041207 |