JPH1180324A - 含浸熱硬化性樹脂組成物および回転電機絶縁コイル - Google Patents

含浸熱硬化性樹脂組成物および回転電機絶縁コイル

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JPH1180324A
JPH1180324A JP23703297A JP23703297A JPH1180324A JP H1180324 A JPH1180324 A JP H1180324A JP 23703297 A JP23703297 A JP 23703297A JP 23703297 A JP23703297 A JP 23703297A JP H1180324 A JPH1180324 A JP H1180324A
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JP
Japan
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resin composition
thermosetting resin
impregnated
curing
weight
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Application number
JP23703297A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hatano
浩 幡野
Noriyuki Iwata
憲之 岩田
Rika Ooki
里夏 大木
Hisashi Hirai
久之 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Epoxy Resins (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期貯蔵寿命安定性、短時間硬化性、高含浸
性、および硬化後において極めて良好な電気特性や機械
特性等を有する絶縁層を形成することが可能な含浸熱硬
化性樹脂組成物を提供しようとするものである。 【解決手段】 (a)主剤であるビスフェノール型エポ
キシ樹脂と、(b)重合開始剤である2−ブテニルテト
ラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
とを含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用回転電機、
一般産業用回転電機、または変圧器等の静止誘導電気装
置の絶縁コイルに用いられる含浸熱硬化性樹脂組成物お
よびこれを用いた回転電機絶縁コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】車両用回転電機、一般産業用回転電機
は、小型軽量化の要求が著しく、これらに用いられる回
転電機絶縁コイルは高温絶縁特性が優れていることが要
求されている。
【0003】このような絶縁コイルは、次のような方法
により作製される絶縁層を備えている。まず、基材に集
成マイカを貼り合わせたマイカシートまたはこれらのシ
ートをテープ状にした集成マイカテープとバインダとか
らなる絶縁基材をコイル導体に捲回して所定の厚さの被
覆層を形成する。前記基材としては、例えばガラス繊維
のよう無機繊維からなる織布または不織布、ポリアミド
繊維のような有機繊維からなる織布または不織布、或い
は有機高分子フィルム等が用いられる。つづいて、この
被覆層に低粘度の不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂等の含浸熱硬化性性樹脂を真空または加
圧、もしくはこれら両者の雰囲気下で含浸し、硬化させ
ることによって絶縁層を形成する。
【0004】前記含浸熱硬化性性樹脂としては、種々の
特性に優れたエポキシ樹脂が一般的に用いらている。特
に、エポキシと酸無水物系硬化剤との組み合わせは、電
気特性に優れて、かつ硬化剤により低粘度化がはかれる
ため、含浸樹脂の主要構成材料として用いられている。
この樹脂系においては、可使時間が長いという特徴を有
するが、硬化に比較的高い温度と時間を要するため、硬
化促進剤を用いる場合が多い。
【0005】しかしながら、硬化促進剤を樹脂に直接添
加すると、ワニスの粘度上昇が短時間で生じ、可使時間
が短くなるという問題がある。特に、電気絶縁コイルの
絶縁層へのワニスの含浸は樹脂を満たした含浸タンクに
絶縁コイルを入れて含浸し、その後新たな絶縁コイルを
入れ、繰り返し使用するため、含浸樹脂は可使時間の長
いものが望まれている。したがって、含浸樹脂の硬化促
進剤としては樹脂の可使時間に影響を与えない潜在性の
硬化促進剤が検討されている。
【0006】例えば、イミダゾール系化合物、第4級ホ
スホニウム塩、3フッ素化ホウ素アミン化合物、第3級
アミンとエポキシの付加反応生成物、テトラフェニルボ
ロン錯体、金属アセチルアセテート等が知られている。
この他に、硬化促進剤をマイクロカプセル化して樹脂に
分散させ根所望の温度以上で加熱させることにより前記
カプセルを溶解し、硬化促進剤をワニスに溶出し、つづ
いて硬化反応を行わせる方法や、硬化促進剤自体が所定
の温度以上で溶解することによって、活性化する方法が
提案されている。
【0007】ところで、含浸ワニスは緻密な絶縁層に含
浸されるために硬化促進剤は含浸温度で樹脂中に溶解し
ていることが必要である。しかしながら、マイクロカプ
セル化された硬化促進剤や、溶解活性型の硬化促進剤
は、ある一定の粒径を有するため、絶縁層を厚くすると
樹脂が絶縁層に浸透していく過程で、硬化促進剤が絶縁
層内部まで十分に浸透しない恐れがある。この場合、絶
縁層内部で硬化促進剤が不足するため、加熱硬化後にお
いても硬化物が所定の性能を発揮しなかったり、未硬化
分が揮発して表面に発泡を生じる恐れがある。
【0008】また、前述したように含浸樹脂に硬化促進
剤を直接添加する方法では、樹脂の可使時間が短くなっ
たりするため、硬化促進剤を予め絶縁層に添加する方法
が知られている。すなわち、硬化促進剤絶縁テープのバ
インダ中に添加しておくか、もしくはコイル導体に絶縁
テープを捲回後、硬化促進剤の溶液をしみ込ませて乾燥
し、その後含浸樹脂を含浸し、加熱硬化する方法であ
る。
【0009】しかしながら、絶縁層に硬化促進剤を添加
した場合、例えば絶縁テープ間のように硬化促進剤が含
まれていない空隙部分が硬化促進剤を含む絶縁基材部分
より遅れて硬化する。その結果、均一な絶縁層を形成す
ることが困難になるばかりか、コイルの外側表面に付着
した樹脂が硬化し難くなる等の問題を生じる。
【0010】また、コイルの絶縁基材層に樹脂を含浸さ
せた後、これを含浸容器から取り出し、恒温槽内で加熱
処理して絶縁基材層に浸透させるとともに、表面に付着
した樹脂を硬化する過程において、含浸樹脂が硬化する
前に流出するという問題がある。
【0011】このように加熱硬化過程において樹脂が流
出するのは、含浸樹脂として使用されるエポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂が加熱硬化の際の温度上昇により一時的
に粘度が低下するという粘度特性を有しているために回
避できない問題である。
【0012】前記樹脂の流出は、緻密な絶縁層を形成す
ることが困難になるばかりか、絶縁層内部にボイドを生
じさせ、コロナ特性等の電気特性や、コイルの熱放散性
を著しく悪化させる。
【0013】また、電気機器の生産性を向上させるには
含浸性と短時間硬化性を有するほかに、種々の裏打ち絶
縁テープを用いた場合にも、良好な絶縁層を形成し得る
含浸樹脂が望まれている。
【0014】
【発明が解決しょうとする課題】前記問題を解決するた
めに、絶縁層と含浸樹脂の両方に粉体からなる潜在性の
硬化促進剤を添加した電気絶縁コイルの製造方法が提案
されている。しかしながら、この方法においても樹脂中
での硬化促進剤の分散安定性が劣り、長期保管中に沈殿
等が生じるなど、必ずしも十分満足するものではなかっ
た。
【0015】また、絶縁層のバインダに前記硬化促進剤
を予め添加する方法は、絶縁テープ作製のためにバイン
ダ樹脂と硬化促進剤とを溶解させた溶液が数回の使用に
よりゲル化するという問題があった。
【0016】さらに、作製したテープも長期間保存する
と、次第にバインダの反応が進行し、それに伴なってテ
ープが硬くなり、絶縁コイルへの捲回作業性が悪化する
という問題を生じる。このような捲回作業が劣るテープ
を用いて絶縁コイルを作製すると、製品外観が低下する
ばかりか、絶縁層の電気的、機械的な特性が低下するた
め、電気絶縁コイルとしての信頼性が低下する。
【0017】したがって、前述した絶縁テープは低温雰
囲気下で保管するとるとか、または速やかに使用する必
要がある等の制約がある。本発明は、長期貯蔵寿命安定
性、短時間硬化性、高含浸性、および硬化後において極
めて良好な電気特性や機械特性等を有する絶縁層を形成
することが可能な含浸熱硬化性樹脂組成物およびこの組
成物を用いた電気特性や機械特性の優れた回転電機絶縁
コイルを提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明に係わる請求項1の含浸熱硬化性樹脂組成物
は、(a)主剤であるビスフェノール型エポキシ樹脂
と、(b)重合開始剤である2−ブテニルテトラメチレ
ンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートとを含有
することを特徴とするものである。
【0019】前記(b)成分は、前記(a)成分に対し
て0.1〜5重量%配合することが好ましい。本発明に
係わる請求項1の含浸熱硬化性樹脂組成物において、下
記化3に示す一般式(I)で表わされる2官能脂肪族エ
ポキシ樹脂を希釈剤として含有することを許容する。
【0020】
【化3】
【0021】前記2官能脂肪族エポキシ樹脂としては、
例えばヘキシルジグリシジルエーテル、エチルジグリシ
ジルエーテル等を挙げることができる。本発明に係わる
請求項3の含浸熱硬化性樹脂組成物は、(a)主剤であ
るビスフェノール型エポキシ樹脂と、(b)重合開始剤
である2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモネートと、(c)前記(a)および
(b)の成分100重量部に対し0.1〜30重量部添
加される硬化促進剤であるメチルテトラヒドロフタル酸
と含有することを特徴とするものである。
【0022】前記(b)成分は、前記(a)成分に対し
て0.1〜5重量%配合することが好ましい。前記硬化
促進剤の添加量を規定したのは、次のような理由による
ものである。前記硬化促進剤の添加量を0.1重量部未
満にすると、この促進剤を含む含浸熱硬化性樹脂組成物
の可使時間と、この樹脂組成物を含浸硬化させることに
より得られた絶縁コイルの寿命を十分に長くすることが
困難になる。一方、前記硬化促進剤の添加量が30重量
部を超えると、前記硬化促進剤無添加のものよりガラス
転移温度が低下する恐れがある。より好ましい前記硬化
促進剤の添加量は、前記(a)および(b)の成分10
0重量部に対し0.1〜10重量部である。
【0023】本発明に係わる請求項3の含浸熱硬化性樹
脂組成物において、下記化4に示す一般式(I)で表わ
される2官能脂肪族エポキシ樹脂を希釈剤として含有す
ることを許容する。
【0024】
【化4】
【0025】本発明に係わる請求項5の回転電機絶縁コ
イルは、単一もしくは複数を組み合わせた絶縁被覆導体
に裏打ちマイカテープを捲回し、前記請求項1または3
記載の含浸熱硬化性樹脂組成物を含浸し、加熱硬化して
なるものである。
【0026】前記含浸熱硬化性樹脂組成物の含浸対象
は、基材に集成マイカを貼り合わせたマイカシートまた
はこれらのシートをテープ状にした集成マイカテープと
バインダとからなる絶縁基材をコイル導体に捲回して形
成された所定の厚さの被覆層である。前記基材として
は、例えばガラス繊維のよう無機繊維からなる織布また
は不織布、ポリアミド繊維のような有機繊維からなる織
布または不織布、或いは有機高分子フィルム等が用いら
れる。
【0027】以上説明した本発明に係わる請求項1の含
浸熱硬化性樹脂組成物は、前記(a)成分であるエポキ
シ樹脂中に溶解する( b) 成分である潜在性重合開始剤
としての2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネートを用いるため、長期貯蔵寿命
安定性、短時間硬化性、高含浸性を有する。このため、
前記樹脂組成物を前記被覆層に含浸させると、前記被覆
層中で一様に硬化し、かつ短時間で硬化が進行する。そ
の結果、硬化後において極めて良好な電気特性や機械特
性等を有する絶縁層を形成することが可能になる。
【0028】前記樹脂組成物において、前記一般式
(I)で表わされる脂肪族エポキシ樹脂を希釈剤として
用いることによって、樹脂組成物の粘性を下げることが
できるため、前記被覆層への含浸性が向上されて前記被
覆層中での一様な硬化を高めることができる。また、前
記希釈剤は前記(a)成分であるビスフェノール型エポ
キシ樹脂に比べて反応性が低いために、樹脂組成物の可
使時間を長くすることが可能になる。
【0029】本発明に係わる請求項3の含浸熱硬化性樹
脂組成物は、前述したように長期貯蔵寿命安定性、短時
間硬化性、高含浸性を有するものの、 (b) 成分である
潜在性重合開始剤としての2−ブテニルテトラメチレン
スルホニウムヘキサフルオロアンチモネートは反応速度
が大きいため、前記(a)成分であるエポキシ樹脂の架
橋密度を低下させる。このような(a)成分および
(b)成分の合量100重量部に対して硬化促進剤であ
るメチルテトラヒドロフタル酸を0.1〜30重量部添
加することによって、反応速度を生産性が低下しない程
度に抑制しつつ、(a)成分であるエポキシ樹脂の架橋
密度を向上することができる。その結果、前記樹脂組成
物を硬化させた硬化物およびこれを含浸、硬化させた絶
縁コイルの高温特性を改善できるとともに、可使時間を
延長することができる。
【0030】前記樹脂組成物において、前記一般式
(I)で表わされる脂肪族エポキシ樹脂を希釈剤として
用いることによって、前記被覆層への含浸性を向上でき
るとともに、樹脂組成物の可使時間を長くすることが可
能になる。
【0031】
【実施例】以下、本発明のより好ましい実施例を詳細に
説明する。 [実施例1]ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社製商品名;YL−6042)100重量
部に対し、希釈剤としてのヘキシルジグリシジルエーテ
ル(油化シェルエポキシ社製商品名;YED−216)
20重量部および重合開始剤である2−ブテニルテトラ
メチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
(旭電化社製商品名;CP−66)1重量部を順次混合
し、室温で十分に攪拌することにより含浸樹脂組成物を
調製した。
【0032】次いで、表面にポリテトラフルオロエチレ
ンからなる離型用粘着テープを張り付けた2枚のガラス
板(寸法;200mm×150mm×2.0mm)の間
に直径2mmのシリコーン紐をコ字形に配置して型を作
製した。つづいて、この型内に前記含浸樹脂組成物を注
入し、常温から150℃まで5時間で昇温し、この温度
を5時間保持し、5時間かけて常温まで下げる加熱硬化
を施すことによって、100mm×150mm×2mm
の寸法の樹脂板を作製した。
【0033】[実施例2−1〜2−6]ビスフェノール
F型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製商品名;Y
L−6042)100重量部に対し、希釈剤としてのヘ
キシルジグリシジルエーテル(油化シェルエポキシ社製
商品名;YED−216)20重量部および重合開始剤
である2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモネート(旭電化社製商品名;CP−6
6)1重量部を順次混合し、室温で十分に攪拌した。つ
づいて、この混合物100重量部に対し、硬化促進剤で
あるメチルテトラヒドロフタル酸(日本ゼオン社製商品
名;QH−200)を0.1重量部,0.5重量部,
1.0重量部,5.0重量部,10重量部,30重量部
それぞれ添加し、室温で十分に攪拌することにより6種
の含浸樹脂組成物を調製した。
【0034】得られた各含浸樹脂組成物を実施例1と同
様に型内にそれぞれ注入し、加熱硬化させることにより
6種の樹脂板を作製した。 [参照例1]メチルテトラヒドロフタル酸の添加量が8
0重量部である以外、実施例2−1〜2−6と同様な含
浸樹脂組成物を調製した。
【0035】得られた含浸樹脂組成物を実施例1と同様
に型内内にそれぞれ注入し、加熱硬化させることにより
樹脂板を作製した。 [比較例1]含浸用エポキシ樹脂組成物(東芝ケミカル
社製商品名;TVB2632)を実施例1と同様に型内
にそれぞれ注入し、常温から150℃まで5時間で昇温
し、この温度を15時間保持し、5時間かけて常温まで
下げ、加熱硬化させることにより樹脂板を作製した。
【0036】得られた実施例1,2−1〜2−6、参照
例1および比較例1の樹脂組成物の寿命およびそれら樹
脂組成物から作製した樹脂板の線膨張係数によるガラス
転移温度を測定した。その結果を下記表1に示す。な
お、寿命は40℃の雰囲気に各樹脂組成物を曝し、25
℃における各樹脂組成物の粘度に対する変化から求め、
初期粘度の2倍になった時点を寿命として判定した。
【0037】
【表1】
【0038】前記表1から明らかなように実施例1は、
初期粘度が2倍になる時間が比較例1に比べて2倍以上
延びることがわかる。また、ガラス転移温度についても
比較例1では70℃であるのに対し実施例1では80℃
と向上することがわかる。
【0039】さらに、実施例2−1〜2−6から明らか
なように硬化促進剤であるメチルテトラヒドロフタル酸
の添加量が増加するに伴って寿命が延びることがわか
る。ガラス転移温度については、メチルテトラヒドロフ
タル酸の添加量が0.1〜30重量部の範囲で比較例1
に比べて向上することがわかる。特に、メチルテトラヒ
ドロフタル酸の添加量が0.1〜10重量部の範囲で同
メチルテトラヒドロフタル酸が無添加の実施例1に比べ
て向上することがわかる。
【0040】なお、メチルテトラヒドロフタル酸の添加
量が30重量部を超える参照例1では寿命の延長は認め
られるものの、ガラス転移温度が比較例よりも低くな
る。 [実施例3]ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社製商品名;YL−6042)100重量
部に対し、希釈剤としてのヘキシルジグリシジルエーテ
ル(油化シェルエポキシ社製商品名;YED−216)
20重量部および重合開始剤である2−ブテニルテトラ
メチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
(旭電化社製商品名;CP−66)3重量部を順次混合
し、室温で十分に攪拌した。つづいて、この混合物10
0重量部に対し、硬化促進剤であるメチルテトラヒドロ
フタル酸(日本ゼオン社製商品名;QH−200)を
0.5重量部を添加し、室温で十分に攪拌することによ
り含浸樹脂組成物を調製した。
【0041】一方、10mm×20mm×200mmの
寸法のアルミニウム導体に幅25mmのガラスクロス裏
打ち集成マイカテープを1/2重巻で4回捲回し、さら
に幅25mmの収縮ポリエチレンテレフタレートテープ
(東レ社製商品名;ルミラー)を1/2重巻で1回捲回
することにより絶縁バーモデルを作製した。なお、前記
集成マイカテープは下記表2に示す組成のエポキシ系バ
インダを硬質焼成集成マイカに塗布したものである。
【0042】
【表2】
【0043】次いで、前記含浸樹脂組成物を前記絶縁バ
ーモデルに40℃で0.5mmHgの真空下で2 時間含
浸し、5kgf /cm2 の条件で15時間加圧処理を行っ
た。この後、熱風循環式恒温槽で常温から150℃まで
5時間で昇温し、5時間保持し、5時間かけて常温まで
下げる加熱硬化を行うことにより回転電機絶縁コイルを
製造した。
【0044】[比較例2]含浸用エポキシ樹脂組成物
(東芝ケミカル社製商品名;TVB2632)を実施例
3と同様な条件で絶縁バーモデルに含浸し、熱風循環式
恒温槽で常温から150℃まで5時間で昇温し、この温
度を15時間保持し、5時間かけて常温まで下げる加熱
硬化を行うことにより回転電機絶縁コイルを製造した。
【0045】得られた実施例3および比較例2の回転電
機絶縁コイルについて、ガラス転移温度を測定した。そ
の結果、比較例2の回転電機絶縁コイルは75℃であっ
たのに対し、実施例3の回転電機絶縁コイルは85℃と
優れた特性を有することが確認された。
【0046】また、実施例3および比較例2の回転電機
絶縁コイルについて温度に対するtan δ(%)を測定し
た。その結果を図1に示す。この図1から明らかなよう
に実施例3の回転電機絶縁コイルは比較例2の回転電機
絶縁コイルに比べて電気的特性が優れていることがわか
る。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、次
のような種々の効果を奏する。 (1)主剤としてのビスフェノール型エポキシ樹脂を、
重合開始剤として2−ブテニルテトラメチレンスルホニ
ウムヘキサフルオロアンチモネートを用いることによっ
て、硬化時間を短縮して作業性を向上できるとともに、
ガラス転移温度の高い含浸熱硬化性樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0048】(2)主剤としてのビスフェノール型エポ
キシ樹脂を、重合開始剤として2−ブテニルテトラメチ
レンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを、希
釈剤として一般式(I)で表わされる2官能脂肪族エポ
キシ樹脂を用いることによって、前記(1)の効果に加
えて、低粘度化による含浸性を向上した可使寿命の長い
含浸熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0049】(3)主剤としてのビスフェノール型エポ
キシ樹脂を、重合開始剤として2−ブテニルテトラメチ
レンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを用
い、これらの成分100重量部に対し硬化促進剤である
メチルテトラヒドロフタル酸を0.1〜30重量部添加
することにより、従来の含浸熱硬化性樹脂組成物に比べ
て高いガラス転移温度を有するとともに、寿命延長が可
能な含浸熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。ま
た、前記メチルテトラヒドロフタル酸の添加量を0.1
〜10重量部にすることによって、同硬化促進剤未添加
の含浸熱硬化性樹脂組成物に比べてより高いガラス転移
温度を有する含浸熱硬化性樹脂組成物を得ることができ
る。
【0050】(4)主剤としてのビスフェノール型エポ
キシ樹脂を、重合開始剤として2−ブテニルテトラメチ
レンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを、希
釈剤として一般式(I)で表わされる2官能脂肪族エポ
キシ樹脂を用い、これら主剤および重合開始剤の成分1
00重量部に対し硬化促進剤であるメチルテトラヒドロ
フタル酸を0.1〜30重量部添加することにより、前
記( 3) の効果に加えて低粘度化による含浸性の向上お
よび可使寿命の長い含浸熱硬化性樹脂組成物を得ること
ができる。
【0051】(5)単一もしくは複数を組み合わせた絶
縁被覆導体に裏打ちマイカテープを捲回し、前記(1)
〜(4)の含浸熱硬化性樹脂組成物を含浸して加熱硬化
させることによって、高温特性の優れた回転電機絶縁コ
イルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3および比較例2の回転電機絶縁コイル
における温度とtan δ(%)との関係を示す特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 久之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)主剤であるビスフェノール型エポ
    キシ樹脂と、(b)重合開始剤である2−ブテニルテト
    ラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
    とを含有することを特徴とする含浸熱硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 下記化1に示す一般式(I)で表わされ
    る2官能脂肪族エポキシ樹脂を希釈剤として含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の含浸熱硬化性樹脂組成
    物。 【化1】
  3. 【請求項3】 (a)主剤であるビスフェノール型エポ
    キシ樹脂と、(b)重合開始剤である2−ブテニルテト
    ラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
    と、(c)前記(a)および(b)の成分100重量部
    に対し0.1〜30重量部添加される硬化促進剤である
    メチルテトラヒドロフタル酸と含有することを特徴とす
    る含浸熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 下記化2に示す一般式(I)で表わされ
    る2官能脂肪族エポキシ樹脂を希釈剤として含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の含浸熱硬化性樹脂組成
    物。 【化2】
  5. 【請求項5】 単一もしくは複数を組み合わせた絶縁被
    覆導体に裏打ちマイカテープを捲回し、前記請求項1な
    いし4いずれか記載の含浸熱硬化性樹脂組成物を含浸
    し、加熱硬化してなる回転電機絶縁コイル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002003582A (ja) * 2000-04-17 2002-01-09 Mitsubishi Electric Corp 液状熱硬化性樹脂組成物およびこれを用いた絶縁コイルの製造方法
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WO2023162068A1 (ja) * 2022-02-24 2023-08-31 三菱電機株式会社 シート型絶縁ワニス及びその製造方法、電気機器、並びに回転電機

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