JPH1180833A - 耐hic性に優れた高強度ラインパイプ用鋼板の製造方法 - Google Patents
耐hic性に優れた高強度ラインパイプ用鋼板の製造方法Info
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- JPH1180833A JPH1180833A JP25623297A JP25623297A JPH1180833A JP H1180833 A JPH1180833 A JP H1180833A JP 25623297 A JP25623297 A JP 25623297A JP 25623297 A JP25623297 A JP 25623297A JP H1180833 A JPH1180833 A JP H1180833A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 APIX70、X80グレードの高強度材
で、耐HIC性に優れた鋼材を、経済的な製造方法での
製造を可能とすることを課題とする。 【解決手段】 重量%で、C:0.03〜0.08%、
Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜1.9
%、P:0.010%以下、S:0.002%以下、N
b:0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.
02%、Al:0.01〜0.07%、Ca:0.00
05〜0.0040%を含有し、かつ、Ceq:0.3
2以上を満たし、残部がFe及びその他不可避的不純物
からなる鋼片を、1000〜1200℃でスラブ加熱
し、熱間圧延終了後の鋼板の加速冷却を、まず鋼板の表
面温度が500℃以下となるまで行った後加速冷却を一
旦中断し、鋼板の表面温度が500℃以上になるまで復
熱させ、その後3℃/s以上50℃/s以下の冷却速度
で再び鋼板を600℃以下の温度まで加速冷却すること
を特徴とする、耐HIC性に優れた高強度ラインパイプ
用鋼板の製造方法である。
で、耐HIC性に優れた鋼材を、経済的な製造方法での
製造を可能とすることを課題とする。 【解決手段】 重量%で、C:0.03〜0.08%、
Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜1.9
%、P:0.010%以下、S:0.002%以下、N
b:0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.
02%、Al:0.01〜0.07%、Ca:0.00
05〜0.0040%を含有し、かつ、Ceq:0.3
2以上を満たし、残部がFe及びその他不可避的不純物
からなる鋼片を、1000〜1200℃でスラブ加熱
し、熱間圧延終了後の鋼板の加速冷却を、まず鋼板の表
面温度が500℃以下となるまで行った後加速冷却を一
旦中断し、鋼板の表面温度が500℃以上になるまで復
熱させ、その後3℃/s以上50℃/s以下の冷却速度
で再び鋼板を600℃以下の温度まで加速冷却すること
を特徴とする、耐HIC性に優れた高強度ラインパイプ
用鋼板の製造方法である。
Description
【発明の属する技術の分野】本発明は、耐水素誘起割れ
性(耐HIC)に優れた、強度レベルが米国石油協会
(API)規格X70グレード以上のラインパイプ用鋼
管の素材として使用される鋼板の製造方法に関する。な
お、当該鋼板は厚板ミルや熱延ミルにて製造される。ま
た当該鋼管は、冷間にてUOE、プレス曲げ、ロール曲
げ等の方法により鋼管に成形後、サブマージアーク溶接
や電気抵抗溶接等の方法により製造され、原油や天然ガ
スを輸送するためのラインパイプとして利用されるもの
である。
性(耐HIC)に優れた、強度レベルが米国石油協会
(API)規格X70グレード以上のラインパイプ用鋼
管の素材として使用される鋼板の製造方法に関する。な
お、当該鋼板は厚板ミルや熱延ミルにて製造される。ま
た当該鋼管は、冷間にてUOE、プレス曲げ、ロール曲
げ等の方法により鋼管に成形後、サブマージアーク溶接
や電気抵抗溶接等の方法により製造され、原油や天然ガ
スを輸送するためのラインパイプとして利用されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、硫化水素を含む原油や天然ガス
の輸送に用いられるラインパイプには、強度、靭性、溶
接性などパイプラインとして必要な基本特性の他、耐水
素誘起割れ性(耐HIC性)や耐応力腐食割れ性(耐S
SCC性)などの、いわゆる耐サワー性能が要求され
る。ここでHICとは、腐食反応により生成した水素イ
オンが鋼材の表面に吸着し、原子状の水素として鋼材の
内部に侵入して、鋼中のMnSなどの非金属介在物や硬
い第2相組織の周囲に拡散、集積し、分子状の水素とな
り、その内圧により生ずる割れをいう。
の輸送に用いられるラインパイプには、強度、靭性、溶
接性などパイプラインとして必要な基本特性の他、耐水
素誘起割れ性(耐HIC性)や耐応力腐食割れ性(耐S
SCC性)などの、いわゆる耐サワー性能が要求され
る。ここでHICとは、腐食反応により生成した水素イ
オンが鋼材の表面に吸着し、原子状の水素として鋼材の
内部に侵入して、鋼中のMnSなどの非金属介在物や硬
い第2相組織の周囲に拡散、集積し、分子状の水素とな
り、その内圧により生ずる割れをいう。
【0003】このため、HICの発生を防ぐために、以
下の方法がこれまでに開示されている。 1)MnS介在物の形態制御(例えば、特開昭54−1
10119号公報) 鋼中のMnSは、圧延により長く伸ばされ、それに沿っ
てHICが発生、伝播することから、鋼中のS含有量を
下げ、同時に、CaやREMなどを適量含有させること
により、介在物の形態を、長く伸長したMnSから、応
力集中の小さい微細に分散した球状に変えて、割れの発
生と伝播を抑制する方法である。
下の方法がこれまでに開示されている。 1)MnS介在物の形態制御(例えば、特開昭54−1
10119号公報) 鋼中のMnSは、圧延により長く伸ばされ、それに沿っ
てHICが発生、伝播することから、鋼中のS含有量を
下げ、同時に、CaやREMなどを適量含有させること
により、介在物の形態を、長く伸長したMnSから、応
力集中の小さい微細に分散した球状に変えて、割れの発
生と伝播を抑制する方法である。
【0004】2)偏析組織の軽減(例えば、特開昭61
−60866号公報、特開昭61−165207号公報
など) HICは、連続鋳造スラブの中央偏析帯に対応する鋼板
の板厚中央部で発生することが多いことから、割れの起
点となりうる硬い島状マルテンサイト等の組織の生成を
抑制するとともに、割れの伝播経路となりやすいマルテ
ンサイトやベイナイトなどの硬化組織の生成を抑制し、
耐HIC性の改善を図る方法である。
−60866号公報、特開昭61−165207号公報
など) HICは、連続鋳造スラブの中央偏析帯に対応する鋼板
の板厚中央部で発生することが多いことから、割れの起
点となりうる硬い島状マルテンサイト等の組織の生成を
抑制するとともに、割れの伝播経路となりやすいマルテ
ンサイトやベイナイトなどの硬化組織の生成を抑制し、
耐HIC性の改善を図る方法である。
【0005】このために、C、Mn、Pなどの偏析しや
すい元素を低減するほか、圧延前のスラブ加熱段階で合
金元素の拡散を促進する均熱処理を採用したり、あるい
は圧延後の冷却時に起こる変態に伴うCの拡散によって
生ずる硬化組織の生成を防止するために加速冷却を採用
する。
すい元素を低減するほか、圧延前のスラブ加熱段階で合
金元素の拡散を促進する均熱処理を採用したり、あるい
は圧延後の冷却時に起こる変態に伴うCの拡散によって
生ずる硬化組織の生成を防止するために加速冷却を採用
する。
【0006】3)ミクロ組織の改善(例えば、特開昭5
4−12782号公報、特開昭62−7819号公報、
特開平6−73450号公報) 圧延後に、焼入れ−焼戻しの熱処理を施したり、圧延仕
上温度をオーステナイトの再結晶温度以上として展伸粒
を防止するなどして、割れ感受性の低いミクロ組織を得
る。
4−12782号公報、特開昭62−7819号公報、
特開平6−73450号公報) 圧延後に、焼入れ−焼戻しの熱処理を施したり、圧延仕
上温度をオーステナイトの再結晶温度以上として展伸粒
を防止するなどして、割れ感受性の低いミクロ組織を得
る。
【0007】4)保護皮膜の形成(例えば、特開昭52
−111815号公報) 鋼にCuを含有させることにより、鋼材の表面にCu保
護皮膜を形成し、鋼中への水素の侵入を抑制する。
−111815号公報) 鋼にCuを含有させることにより、鋼材の表面にCu保
護皮膜を形成し、鋼中への水素の侵入を抑制する。
【0008】これらの方法を採用することにより、耐H
IC性は向上し、強度レベルAPI規格X65グレード
までの、耐サワー性が求められるラインパイプが大量に
生産されてきた。しかしながら、近年、輸送効率の向上
やパイプの敷設費低減のために、より高強度の鋼管のニ
ーズが高まり、サワー環境で使用されるラインパイプに
も、X70、X80グレードという高強度鋼管が要求さ
れるようになった。一方、HICは、強度の上昇ととも
にその割れ感受性が高まり、HICが発生しやすくなる
ため、上記の1)〜4)の方法では、HICの発生を完
全に抑制することが困難になってきた。
IC性は向上し、強度レベルAPI規格X65グレード
までの、耐サワー性が求められるラインパイプが大量に
生産されてきた。しかしながら、近年、輸送効率の向上
やパイプの敷設費低減のために、より高強度の鋼管のニ
ーズが高まり、サワー環境で使用されるラインパイプに
も、X70、X80グレードという高強度鋼管が要求さ
れるようになった。一方、HICは、強度の上昇ととも
にその割れ感受性が高まり、HICが発生しやすくなる
ため、上記の1)〜4)の方法では、HICの発生を完
全に抑制することが困難になってきた。
【0009】すなわち、X70,X80グレードのよう
な高強度材では、HICに対する割れ感受性が著しく高
まるため、上記1)の形態制御を行った球状の介在物か
らも割れが発生する場合があり、また、2)の中央偏析
の影響を軽減する対策を施しても、板厚中心部以外の部
分でも割れが発生するようになる。一方、3)の焼入れ
−焼戻し処理や再結晶温度域以上での圧延仕上による組
織制御は、高強度材では有力な方法であるが、ラインパ
イプ用鋼板の大量生産にはコスト、能率の面から不適当
であり、また、充分な低温靭性も得にくい。
な高強度材では、HICに対する割れ感受性が著しく高
まるため、上記1)の形態制御を行った球状の介在物か
らも割れが発生する場合があり、また、2)の中央偏析
の影響を軽減する対策を施しても、板厚中心部以外の部
分でも割れが発生するようになる。一方、3)の焼入れ
−焼戻し処理や再結晶温度域以上での圧延仕上による組
織制御は、高強度材では有力な方法であるが、ラインパ
イプ用鋼板の大量生産にはコスト、能率の面から不適当
であり、また、充分な低温靭性も得にくい。
【0010】さらに、4)のCu皮膜の効果も、pHの
低い環境ではその効果が期待できず、実際にpHが約3
の、硫化水素を飽和させた5%NaCl+0.5%CH
3COOH水溶液(通称NACE溶液)では、皮膜の効
果が得られていない。
低い環境ではその効果が期待できず、実際にpHが約3
の、硫化水素を飽和させた5%NaCl+0.5%CH
3COOH水溶液(通称NACE溶液)では、皮膜の効
果が得られていない。
【0011】このような課題に対応すべく、最近、耐サ
ワー性を有するX80グレードのラインパイプ用鋼板の
製造方法がいくつか開示されている。その骨子は、極低
S鋼にCaを添加して介在物の形態制御を行いつつ、低
Cとともに、特に連続鋳造スラブの中央偏析帯に偏析し
やすい Mn含有量を制限し、それに伴う強度低下を、
Cr添加で補う方法(特開平5−9575号公報)、C
r−Mo添加で補う方法(特開平5−271766号公
報、特開平7−109519号公報)、あるいはNi−
Cr−Mo添加で補う方法(特開平7−173536号
公報)であり、いずれも圧延終了後に加速冷却を施して
いる。
ワー性を有するX80グレードのラインパイプ用鋼板の
製造方法がいくつか開示されている。その骨子は、極低
S鋼にCaを添加して介在物の形態制御を行いつつ、低
Cとともに、特に連続鋳造スラブの中央偏析帯に偏析し
やすい Mn含有量を制限し、それに伴う強度低下を、
Cr添加で補う方法(特開平5−9575号公報)、C
r−Mo添加で補う方法(特開平5−271766号公
報、特開平7−109519号公報)、あるいはNi−
Cr−Mo添加で補う方法(特開平7−173536号
公報)であり、いずれも圧延終了後に加速冷却を施して
いる。
【0012】しかし、これらのX80グレード鋼板の製
造方法に関する先行技術は、いずれも中央偏析帯のHI
Cの発生を防止するのに有効な方法であるものの、中央
偏析帯以外の部分で発生するHICの防止については、
具体的な割れ対策とはなっていない。すなわち、サワー
環境で使用される鋼管の強度水準が上昇すると、素材で
ある鋼板の介在物の形態制御と板厚中心の中央偏析部の
組織制御を行っても、HICが発生しやくなり、特に加
速冷却を適用すると、中央偏析部だけでなく板厚方向の
表面側にもHICが発生しやすくなり、このようなHI
Cの発生防止が大きな課題となる。
造方法に関する先行技術は、いずれも中央偏析帯のHI
Cの発生を防止するのに有効な方法であるものの、中央
偏析帯以外の部分で発生するHICの防止については、
具体的な割れ対策とはなっていない。すなわち、サワー
環境で使用される鋼管の強度水準が上昇すると、素材で
ある鋼板の介在物の形態制御と板厚中心の中央偏析部の
組織制御を行っても、HICが発生しやくなり、特に加
速冷却を適用すると、中央偏析部だけでなく板厚方向の
表面側にもHICが発生しやすくなり、このようなHI
Cの発生防止が大きな課題となる。
【0013】
【解決しようとする課題】本発明では、このようなAP
I X70、X80グレードの高強度材で、耐HIC性
に優れた鋼材を、経済的な製造方法での製造を可能とす
ることを課題とする。
I X70、X80グレードの高強度材で、耐HIC性
に優れた鋼材を、経済的な製造方法での製造を可能とす
ることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高強度の
ラインパイプ用鋼の合金成分、鋼板の製造条件、特に加
速冷却条件を種々変化させ、鋼板の強度、靭性と耐HI
C性との関係について調査を行った。その結果、X7
0、X80の高強度材においても、加速冷却は、中央偏
析部の耐HIC性の改善に効果が認められる。しかし、
従来の加速冷却方法では、鋼板表面近傍にベイナイト等
の硬化組織が生成し硬さが上昇するため、これらの組織
の境界部分でHICが発生しやすくなる。特に、X7
0、X80のような高強度材では、合金元素の添加量が
多いため、この傾向は顕著である。一方、加速冷却方法
をいわゆる間欠型とすることで、X70、X80グレー
ドの高強度材においても、鋼板の表面近傍の硬さの上昇
を抑制することができ、その結果、HICの発生を防止
することが可能であることを見出した。
ラインパイプ用鋼の合金成分、鋼板の製造条件、特に加
速冷却条件を種々変化させ、鋼板の強度、靭性と耐HI
C性との関係について調査を行った。その結果、X7
0、X80の高強度材においても、加速冷却は、中央偏
析部の耐HIC性の改善に効果が認められる。しかし、
従来の加速冷却方法では、鋼板表面近傍にベイナイト等
の硬化組織が生成し硬さが上昇するため、これらの組織
の境界部分でHICが発生しやすくなる。特に、X7
0、X80のような高強度材では、合金元素の添加量が
多いため、この傾向は顕著である。一方、加速冷却方法
をいわゆる間欠型とすることで、X70、X80グレー
ドの高強度材においても、鋼板の表面近傍の硬さの上昇
を抑制することができ、その結果、HICの発生を防止
することが可能であることを見出した。
【0015】すなわち、本発明の骨子は、加速冷却方法
をいわゆる間欠型とすることにある。この方法を、従来
の加速冷却方法と比較して、以下に説明する。図1及び
図2は、従来の方法及び本発明の方法について、熱間圧
延した鋼板の加速冷却過程の温度履歴を、模式的に示し
たものである。
をいわゆる間欠型とすることにある。この方法を、従来
の加速冷却方法と比較して、以下に説明する。図1及び
図2は、従来の方法及び本発明の方法について、熱間圧
延した鋼板の加速冷却過程の温度履歴を、模式的に示し
たものである。
【0016】従来の方法では、圧延鋼板に加速冷却を施
すと、冷却は鋼板の表面及び裏面から行われるため、当
然のことながら、板厚方向に温度分布を有しつつ、所定
の加速冷却停止温度(一般的には500℃前後)まで加
速冷却され、その後の空冷により、この温度分布を減少
しつつ室温まで冷却される。従って、X70、X80グ
レードの高強度材では、この鋼板の表面近傍の速い冷却
速度のため、表面側はベイナイトあるいはマルテンサイ
ト変態しやすく、硬い組織を生じる。その結果、板厚中
央部分のHICを防止できたにしても、表面側でHIC
が発生しやすくなる。
すと、冷却は鋼板の表面及び裏面から行われるため、当
然のことながら、板厚方向に温度分布を有しつつ、所定
の加速冷却停止温度(一般的には500℃前後)まで加
速冷却され、その後の空冷により、この温度分布を減少
しつつ室温まで冷却される。従って、X70、X80グ
レードの高強度材では、この鋼板の表面近傍の速い冷却
速度のため、表面側はベイナイトあるいはマルテンサイ
ト変態しやすく、硬い組織を生じる。その結果、板厚中
央部分のHICを防止できたにしても、表面側でHIC
が発生しやすくなる。
【0017】一方、本発明の間欠型の加速冷却方法で
は、圧延後の最初の加速冷却により板厚方向に温度分布
のついた鋼板を、一旦加速冷却を中断し、一定時間空冷
する。この空冷処理により、まだ十分に冷え切っていな
い鋼板の中央部分が保有する熱により、鋼板表面側は温
度が復熱し、温度分布の均一化が図られるとともに、表
面側に生成した硬化組織は焼戻し処理を受ける。そし
て、復熱した温度域から、再度加速冷却を行って、所定
の強度を得るものである。
は、圧延後の最初の加速冷却により板厚方向に温度分布
のついた鋼板を、一旦加速冷却を中断し、一定時間空冷
する。この空冷処理により、まだ十分に冷え切っていな
い鋼板の中央部分が保有する熱により、鋼板表面側は温
度が復熱し、温度分布の均一化が図られるとともに、表
面側に生成した硬化組織は焼戻し処理を受ける。そし
て、復熱した温度域から、再度加速冷却を行って、所定
の強度を得るものである。
【0018】このときの加速冷却を中断する表面温度
は、表面近傍での変態を充分に進行させるために、50
0℃以下であることが必要である。また、鋼板表面の復
熱温度は、自己焼戻しによる表面の硬度を低下させるた
めに、500℃以上とする必要がある。また、最終の加
速冷却は、必要強度を確保するために、600℃以下ま
で行う。なお、このような間欠型の加速冷却における温
度制御は、加速冷却装置を通過する鋼板の搬送速度、各
冷却帯の水量制御、途中での温度計測等により可能とな
るものである。
は、表面近傍での変態を充分に進行させるために、50
0℃以下であることが必要である。また、鋼板表面の復
熱温度は、自己焼戻しによる表面の硬度を低下させるた
めに、500℃以上とする必要がある。また、最終の加
速冷却は、必要強度を確保するために、600℃以下ま
で行う。なお、このような間欠型の加速冷却における温
度制御は、加速冷却装置を通過する鋼板の搬送速度、各
冷却帯の水量制御、途中での温度計測等により可能とな
るものである。
【0019】以上の基本的考え方に加え、ラインパイプ
用鋼として必要な高強度、高靭性、溶接性を得るため
に、化学成分等を限定して、以下の発明をなした。すな
わち、第1の発明は、重量%で、C:0.03〜0.0
8%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜
1.9%、P:0.010%以下、S:0.002%以
下、Nb:0.005〜0.05%、Ti:0.005
〜0.02%、Al:0.01〜0.07%、Ca:
0.0005〜0.0040%を含有し、かつ、Ce
q:0.32以上を満たし、残部がFe及びその他不可
避的不純物からなる鋼片を、1000〜1200℃でス
ラブ加熱し、熱間圧延終了後の鋼板の加速冷却を、まず
鋼板の表面温度が500℃以下となるまで行った後加速
冷却を一旦中断し、鋼板の表面温度が500℃以上にな
るまで復熱させ、その後3℃/s以上50℃/s以下の
冷却速度で再び鋼板を600℃以下の温度まで加速冷却
することを特徴とする、耐HIC性に優れた高強度ライ
ンパイプ用鋼の製造方法である。ここで、 Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr
+Mo+V)/15 本発明の、いわゆる間欠冷却型の加速冷却を採用するこ
とで、鋼板の表面近傍の硬度上昇を抑えつつ、所定の強
度が得られ、これにより高強度材の耐HIC性を向上す
ることを可能とするものである。
用鋼として必要な高強度、高靭性、溶接性を得るため
に、化学成分等を限定して、以下の発明をなした。すな
わち、第1の発明は、重量%で、C:0.03〜0.0
8%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜
1.9%、P:0.010%以下、S:0.002%以
下、Nb:0.005〜0.05%、Ti:0.005
〜0.02%、Al:0.01〜0.07%、Ca:
0.0005〜0.0040%を含有し、かつ、Ce
q:0.32以上を満たし、残部がFe及びその他不可
避的不純物からなる鋼片を、1000〜1200℃でス
ラブ加熱し、熱間圧延終了後の鋼板の加速冷却を、まず
鋼板の表面温度が500℃以下となるまで行った後加速
冷却を一旦中断し、鋼板の表面温度が500℃以上にな
るまで復熱させ、その後3℃/s以上50℃/s以下の
冷却速度で再び鋼板を600℃以下の温度まで加速冷却
することを特徴とする、耐HIC性に優れた高強度ライ
ンパイプ用鋼の製造方法である。ここで、 Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr
+Mo+V)/15 本発明の、いわゆる間欠冷却型の加速冷却を採用するこ
とで、鋼板の表面近傍の硬度上昇を抑えつつ、所定の強
度が得られ、これにより高強度材の耐HIC性を向上す
ることを可能とするものである。
【0020】第2の発明は、前記鋼が、さらに、重量%
で、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、C
r:0.50%以下、Mo:0.50%以下、V:0.
1%以下のうち1種または2種以上を含有することを特
徴とする、耐HIC性に優れた高強度ラインパイプ用鋼
の製造方法である。本発明により、合金成分の選択の自
由度が増すため、靭性、溶接性の一層の向上が可能とな
る。
で、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、C
r:0.50%以下、Mo:0.50%以下、V:0.
1%以下のうち1種または2種以上を含有することを特
徴とする、耐HIC性に優れた高強度ラインパイプ用鋼
の製造方法である。本発明により、合金成分の選択の自
由度が増すため、靭性、溶接性の一層の向上が可能とな
る。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明における合金成分な
らびに鋼板の製造条件、加速冷却条件の限定理由を以下
に述べる。まず本発明における必須元素の限定理由を以
下に示す。
らびに鋼板の製造条件、加速冷却条件の限定理由を以下
に述べる。まず本発明における必須元素の限定理由を以
下に示す。
【0022】C:Cは鋼の強化元素として必要であり、
X70,X80グレードの所定の強度を確保するために
は、0.03%以上の含有が必要である。一方、過剰に
含有すると、鋼板の靭性と耐HIC性の劣化を招くとと
もに、溶接性や耐硫化物応力腐食割れ性の観点からもC
量の低減が望ましいため、その上限を0.08%とす
る。
X70,X80グレードの所定の強度を確保するために
は、0.03%以上の含有が必要である。一方、過剰に
含有すると、鋼板の靭性と耐HIC性の劣化を招くとと
もに、溶接性や耐硫化物応力腐食割れ性の観点からもC
量の低減が望ましいため、その上限を0.08%とす
る。
【0023】Si:Siは脱酸のために添加され、0.
05%未満では充分な脱酸効果が得られず、一方過剰な
含有は靭性や溶接性の劣化を引き起こすため、その上限
を0.50%とする。
05%未満では充分な脱酸効果が得られず、一方過剰な
含有は靭性や溶接性の劣化を引き起こすため、その上限
を0.50%とする。
【0024】Mn:Mnは鋼の強度および勒性の向上に
有効な基本元素として含有されるが、1.0%未満では
その効果が小さく、また1.9%を超えると溶接性と耐
HIC性が著しく劣化するため、その範囲を1.0〜
1.9%とする。なお、Mnは中央偏析部に偏析しやす
いため、その上限の含有量をより低く制限する先行技術
もあるが、本発明の範囲内であれば、加速冷却条件を最
適化することにより、その弊害を防止できる。
有効な基本元素として含有されるが、1.0%未満では
その効果が小さく、また1.9%を超えると溶接性と耐
HIC性が著しく劣化するため、その範囲を1.0〜
1.9%とする。なお、Mnは中央偏析部に偏析しやす
いため、その上限の含有量をより低く制限する先行技術
もあるが、本発明の範囲内であれば、加速冷却条件を最
適化することにより、その弊害を防止できる。
【0025】P:Pは溶接性と耐HIC性とを劣化させ
る不純物元素であり、極力低減することが望ましい。し
かし、過度の脱Pは製造コストの上昇を招くため、その
上限を0.010%とする。
る不純物元素であり、極力低減することが望ましい。し
かし、過度の脱Pは製造コストの上昇を招くため、その
上限を0.010%とする。
【0026】S:Caを含有して、介在物を伸びたMn
Sから球状のCaS系に形態制御を行ったとしても、高
強度材の場合には、微細に分散したCaS系介在物も割
れの起点となり得る。従って、S含有量は0.002%
以下にまで低減し、割れの起点を減ずる必要がある。
Sから球状のCaS系に形態制御を行ったとしても、高
強度材の場合には、微細に分散したCaS系介在物も割
れの起点となり得る。従って、S含有量は0.002%
以下にまで低減し、割れの起点を減ずる必要がある。
【0027】Nb:Nbは、析出硬化による強度上昇に
加えて、特に熱間圧延において、オーステナイトの再結
晶を抑制し結晶粒の微細化を図ることから、ラインパイ
プ用鋼として充分な勒性を付与するために必須の成分で
ある。しかし、0.005%未満ではその効果が十分で
なく、また、0.05%を超えるとその効果がほぼ飽和
するとともに溶接熱影響部の勒性を劣化させるため、そ
の範囲を0.005〜0.05%とする。
加えて、特に熱間圧延において、オーステナイトの再結
晶を抑制し結晶粒の微細化を図ることから、ラインパイ
プ用鋼として充分な勒性を付与するために必須の成分で
ある。しかし、0.005%未満ではその効果が十分で
なく、また、0.05%を超えるとその効果がほぼ飽和
するとともに溶接熱影響部の勒性を劣化させるため、そ
の範囲を0.005〜0.05%とする。
【0028】Ti:Tiは、TiNを形成しスラブ加熱
時の粒成長を抑制し、組織の微細化をもたらすため勒性
を改善する効果がある。しかし、0.005%未満では
その効果が不十分であり、一方0.02%を越えると逆
に勒性の劣化を引き起こすため、その範囲を0.005
〜0.02%とする。
時の粒成長を抑制し、組織の微細化をもたらすため勒性
を改善する効果がある。しかし、0.005%未満では
その効果が不十分であり、一方0.02%を越えると逆
に勒性の劣化を引き起こすため、その範囲を0.005
〜0.02%とする。
【0029】Al:Alは、ラインパイプ用鋼では主と
して、脱酸剤として含有される。含有量が0.01%未
満ではその効果が安定せず、一方0.07%を超えると
鋼の清浄性が低下して耐HIC性の劣化を引き起こすた
め、その範囲を0.01〜0.07%とする。
して、脱酸剤として含有される。含有量が0.01%未
満ではその効果が安定せず、一方0.07%を超えると
鋼の清浄性が低下して耐HIC性の劣化を引き起こすた
め、その範囲を0.01〜0.07%とする。
【0030】Ca:Caは硫化物系介在物の形態制御に
不可欠な元素であり、0.0005%以上でその効果が
認められる。一方、0.0040%を超えると効果が飽
和し、逆に鋼の清浄性を低下させて耐HIC性を劣化さ
せるため、その範囲を0.0005〜0.0040%と
する。
不可欠な元素であり、0.0005%以上でその効果が
認められる。一方、0.0040%を超えると効果が飽
和し、逆に鋼の清浄性を低下させて耐HIC性を劣化さ
せるため、その範囲を0.0005〜0.0040%と
する。
【0031】Ceq:本発明の製造方法でX70グレー
ド以上の強度を安定して得るためには、Ceqは0.3
2%以上が必要であるため、その下限を0.32%とす
る。なお、上限は、耐HIC性の点からは特に限定する
必要はない。但し、溶接性の観点からは、Ceqは低い
ほど好ましいため、一般的には、強度と溶接性の要求と
のバランスにより定められる。なお、Ceqは次式で示
される。 Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr
+Mo+V)/15
ド以上の強度を安定して得るためには、Ceqは0.3
2%以上が必要であるため、その下限を0.32%とす
る。なお、上限は、耐HIC性の点からは特に限定する
必要はない。但し、溶接性の観点からは、Ceqは低い
ほど好ましいため、一般的には、強度と溶接性の要求と
のバランスにより定められる。なお、Ceqは次式で示
される。 Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr
+Mo+V)/15
【0032】本発明では、上記元素の他に、下記元素を
含有することができる。その限定理由を以下に示す。C
u:Cuは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素の1つ
であるが、含有量が0.50%を超えと、圧延時のCu
疵が発生しやすくなることから、その上限を0・50%
とする。
含有することができる。その限定理由を以下に示す。C
u:Cuは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素の1つ
であるが、含有量が0.50%を超えと、圧延時のCu
疵が発生しやすくなることから、その上限を0・50%
とする。
【0033】Ni:Niは靭性の改善と強度の上昇に有
効な元素の1つであるが、含有量が0.50%を超える
とその効果が飽和するとともに、サワー環境での応力腐
食割れが発生しやすくなるため、その上限を0.50%
とする。
効な元素の1つであるが、含有量が0.50%を超える
とその効果が飽和するとともに、サワー環境での応力腐
食割れが発生しやすくなるため、その上限を0.50%
とする。
【0034】Mo:Moは靭性の改善と強度の上昇に有
効な元素の1つであるが、含有量が0.50%を超える
とその効果が飽和するとともに、溶接性や耐HIC性を
阻害するため、その上限を0.50%とする。
効な元素の1つであるが、含有量が0.50%を超える
とその効果が飽和するとともに、溶接性や耐HIC性を
阻害するため、その上限を0.50%とする。
【0035】Cr:Crは、Moとともに、低C系のX
70、80グレードとして充分な強度を得るために有効
な元素であるが、含有量が0.50%を超えると、溶接
性を害するために、その上限を0.50%とする。
70、80グレードとして充分な強度を得るために有効
な元素であるが、含有量が0.50%を超えると、溶接
性を害するために、その上限を0.50%とする。
【0036】V:適量のVの含有は勒性、溶接性、耐サ
ワー性を劣化させずに強度を高めることができるため、
低C系のX70、80グレードとして充分な強度を得る
ために有効な元素である。しかし、0.10%を越える
と溶接性を著しく損なうため、上限を0.10%とす
る。
ワー性を劣化させずに強度を高めることができるため、
低C系のX70、80グレードとして充分な強度を得る
ために有効な元素である。しかし、0.10%を越える
と溶接性を著しく損なうため、上限を0.10%とす
る。
【0037】次に圧延条件、加速冷却条件の限定理由を
述べる。 スラブ加熱温度:1000〜1200℃とする。 スラブ加熱温度が1000℃を下回ると、Nbの固溶が
不十分となり,析出効果が小さく充分な強度が得られな
い。また加熱温度が1200℃を超えると、オーステナ
イト結晶粒が粗大化するため、良好な靭性が得られな
い。なお、圧延終了温度は特に限定しないが、低温度域
での過度な圧下は、耐HIC性の点で好ましくないの
で、Ar3変態温度以上であることが望ましい。
述べる。 スラブ加熱温度:1000〜1200℃とする。 スラブ加熱温度が1000℃を下回ると、Nbの固溶が
不十分となり,析出効果が小さく充分な強度が得られな
い。また加熱温度が1200℃を超えると、オーステナ
イト結晶粒が粗大化するため、良好な靭性が得られな
い。なお、圧延終了温度は特に限定しないが、低温度域
での過度な圧下は、耐HIC性の点で好ましくないの
で、Ar3変態温度以上であることが望ましい。
【0038】加速冷却を中断する表面温度:500℃以
下とする。 加速冷却を表面温度が500℃を上回る温度で中断する
と、表面近傍での変態が充分に進行していないため、復
熱後の再度の加速冷却時に、ベイナイトなどの組織に変
態する。従って、加速冷却を中断し復熱させることによ
り、鋼板の表面近傍の硬度低下を図る、本発明の骨子を
達成できないため、加速冷却を中断する温度は、500
℃以下とする。
下とする。 加速冷却を表面温度が500℃を上回る温度で中断する
と、表面近傍での変態が充分に進行していないため、復
熱後の再度の加速冷却時に、ベイナイトなどの組織に変
態する。従って、加速冷却を中断し復熱させることによ
り、鋼板の表面近傍の硬度低下を図る、本発明の骨子を
達成できないため、加速冷却を中断する温度は、500
℃以下とする。
【0039】一方、加速冷却が中断する表面温度が低温
すぎると、板厚中央部も過冷却されるため、その後の復
熱が十分に行われない。従って、加速冷却中断時の表面
温度は、復熱温度500℃以上が確保される温度以上で
ある必要がある。具体的には、鋼板の板厚、冷却方式に
より定まる、鋼板の表面と板厚中央部の冷却曲線を考慮
して設定される。
すぎると、板厚中央部も過冷却されるため、その後の復
熱が十分に行われない。従って、加速冷却中断時の表面
温度は、復熱温度500℃以上が確保される温度以上で
ある必要がある。具体的には、鋼板の板厚、冷却方式に
より定まる、鋼板の表面と板厚中央部の冷却曲線を考慮
して設定される。
【0040】表面の復熱温度:500℃以上とする。 復熱は、加速冷却により表面温度を500℃以下まで冷
却し、表面近傍をベイナイト変態させ、その後鋼板の板
厚中央部が保有する熱により、自己焼戻しさせること
で、表面の硬度を低下させる意味を持つ。従って、表面
の復熱温度が500℃未満では、変態した表層部分の焼
戻しが十分でないため、硬さが低下せず、HICの発生
原因となるので、表面復熱温度を500℃以上とする。
却し、表面近傍をベイナイト変態させ、その後鋼板の板
厚中央部が保有する熱により、自己焼戻しさせること
で、表面の硬度を低下させる意味を持つ。従って、表面
の復熱温度が500℃未満では、変態した表層部分の焼
戻しが十分でないため、硬さが低下せず、HICの発生
原因となるので、表面復熱温度を500℃以上とする。
【0041】加速冷却停止温度:600℃以下とする。 最終的な加速冷却は、板厚全体で所定の強度を確保する
ために行うものであり、加速冷却の停止温度が600℃
を超えると充分な強度が得られない場合があるので、加
速冷却の冷却停止温度は600℃以下とする。なお、本
発明においては、いわゆる間欠型の加速冷却を行うた
め、表面近傍に過剰に硬化される部分は生成されない。
従って、加速冷却停止温度は、600℃以下であれば、
特に制限を加える必要はない。すなわち、常温まで加速
冷却で冷却することも許容される。
ために行うものであり、加速冷却の停止温度が600℃
を超えると充分な強度が得られない場合があるので、加
速冷却の冷却停止温度は600℃以下とする。なお、本
発明においては、いわゆる間欠型の加速冷却を行うた
め、表面近傍に過剰に硬化される部分は生成されない。
従って、加速冷却停止温度は、600℃以下であれば、
特に制限を加える必要はない。すなわち、常温まで加速
冷却で冷却することも許容される。
【0042】冷却速度:3℃/s以上50℃/s以下と
する。 冷却速度が3℃/s未満では、加速冷却による組織変化
が十分でないため、所定の強度が得られない場合があ
る。また、50℃/sを超えると、マルテンサイト組織
を生じ、強度が上昇しすぎるため、耐HIC性の劣化を
まねく。従って、冷却速度はを3℃/s以上50℃/s
以下とする。
する。 冷却速度が3℃/s未満では、加速冷却による組織変化
が十分でないため、所定の強度が得られない場合があ
る。また、50℃/sを超えると、マルテンサイト組織
を生じ、強度が上昇しすぎるため、耐HIC性の劣化を
まねく。従って、冷却速度はを3℃/s以上50℃/s
以下とする。
【0043】上記の製造条件を満たすかぎり、耐HIC
性の優れた高強度鋼を製造できるので、その他の鋼板の
圧延条件は特に限定されない。また、鋼管の成型方法も
冷間であるかぎり特に限定されない。
性の優れた高強度鋼を製造できるので、その他の鋼板の
圧延条件は特に限定されない。また、鋼管の成型方法も
冷間であるかぎり特に限定されない。
【0044】
【実施例】以下に、本発明で得られた実施例を、発明鋼
を比較鋼と対比して説明する。図3として示す表1は、
供試鋼の化学成分を示したものである。ここで、鋼A〜
Kは本発明の化学組成の範囲にある鋼である。これに対
し、鋼LはCeq、鋼OはMn含有量及びCeq、鋼Q
はNb含有量が、各々本発明の範囲を下回る。また、鋼
NはC含有量、鋼PはP及びS含有量、鋼RはCa含有
量及びNi含有量が、各々本発明の範囲を上回る。さら
に、鋼Mは本発明に対しC含有量が下回り、Mn含有量
が上回るものである。
を比較鋼と対比して説明する。図3として示す表1は、
供試鋼の化学成分を示したものである。ここで、鋼A〜
Kは本発明の化学組成の範囲にある鋼である。これに対
し、鋼LはCeq、鋼OはMn含有量及びCeq、鋼Q
はNb含有量が、各々本発明の範囲を下回る。また、鋼
NはC含有量、鋼PはP及びS含有量、鋼RはCa含有
量及びNi含有量が、各々本発明の範囲を上回る。さら
に、鋼Mは本発明に対しC含有量が下回り、Mn含有量
が上回るものである。
【0045】これらの鋼について、図4として示す表2
に示した、熱間圧延及び加速冷却の条件で、板厚25m
mの鋼板を製造した。鋼板の機械的性質と鋼板表面と板
厚中央部の硬度差、耐HIC性、溶接性の結果を表2に
併せて示す。強度、靭性については、本発明鋼の適用を
考えて、降伏強さ448MPa以上、シヤルピー衝撃試
験での破面遷移温度が一60℃以下の場合を良好とし
た。また、鋼板の機械的性質と鋼板表面と板厚中央部の
硬度差は、表面から0.5mmの位置における硬さ(H
v10)と板厚中央部の硬さを各々5点測定し、その平
均値の差より求めた。
に示した、熱間圧延及び加速冷却の条件で、板厚25m
mの鋼板を製造した。鋼板の機械的性質と鋼板表面と板
厚中央部の硬度差、耐HIC性、溶接性の結果を表2に
併せて示す。強度、靭性については、本発明鋼の適用を
考えて、降伏強さ448MPa以上、シヤルピー衝撃試
験での破面遷移温度が一60℃以下の場合を良好とし
た。また、鋼板の機械的性質と鋼板表面と板厚中央部の
硬度差は、表面から0.5mmの位置における硬さ(H
v10)と板厚中央部の硬さを各々5点測定し、その平
均値の差より求めた。
【0046】HIC試験はpHが約3の硫化水素を飽和
させた5%NaCl+0.5%CH3COOH水溶液
(通称NACE溶液)中で行い、割れ長さ率(CLR)
が15%以下の場合を、耐HIC性は良好と判断した。
させた5%NaCl+0.5%CH3COOH水溶液
(通称NACE溶液)中で行い、割れ長さ率(CLR)
が15%以下の場合を、耐HIC性は良好と判断した。
【0047】また溶接性は、溶接性は、実鋼管のシーム
溶接に相当するサブマージアーク溶接を行い、溶接高温
割れ、低温割れの有無を溶接部の断面観察により調査し
た。溶接部に割れの発生の無い場合を、溶接性は良好と
判断した。
溶接に相当するサブマージアーク溶接を行い、溶接高温
割れ、低温割れの有無を溶接部の断面観察により調査し
た。溶接部に割れの発生の無い場合を、溶接性は良好と
判断した。
【0048】表2に示されるように、本願発明の鋼に本
願発明の熱間圧延及び加速冷却を行ったものは、充分な
強度、靭性と良好な耐HIC性能、溶接性が得られてい
る。一方、本願発明の鋼Aを用いても、本願発明の熱間
圧延及び加速冷却を行わない鋼板(A−1、A−2、A
−3、A−5、A−6)では充分な性能が得られていな
い。
願発明の熱間圧延及び加速冷却を行ったものは、充分な
強度、靭性と良好な耐HIC性能、溶接性が得られてい
る。一方、本願発明の鋼Aを用いても、本願発明の熱間
圧延及び加速冷却を行わない鋼板(A−1、A−2、A
−3、A−5、A−6)では充分な性能が得られていな
い。
【0049】すなわち、A−1は、加熱温度が低温の場
合であり強度が不十分である。A−2は、加熱温度が高
温の場合であり、十分な強度が得られるものの、靭性が
不足している。A−3は、復熱温度が低温であるため、
鋼板の表面−板厚中心部での硬度差が大きく、HIC性
能が不十分である。A−5は、加速冷却の冷却速度が極
めて速い場合であり、この場合も、鋼板の表面−板厚中
心部での硬度差が大きく、HIC性能が不十分である。
また、A−6は、加速冷却の冷却速度が遅い場合であ
り、強度が不足している。
合であり強度が不十分である。A−2は、加熱温度が高
温の場合であり、十分な強度が得られるものの、靭性が
不足している。A−3は、復熱温度が低温であるため、
鋼板の表面−板厚中心部での硬度差が大きく、HIC性
能が不十分である。A−5は、加速冷却の冷却速度が極
めて速い場合であり、この場合も、鋼板の表面−板厚中
心部での硬度差が大きく、HIC性能が不十分である。
また、A−6は、加速冷却の冷却速度が遅い場合であ
り、強度が不足している。
【0050】一方、本願発明でない鋼に本願発明の圧延
加速冷却を行った鋼板(L−1、Q、−1、R−1)、
あるいは、本願発明でない鋼に本願発明でない圧延加速
冷却を行った鋼板(M−1、N−1、0−1、P−1)
では充分な性能が得られていない。
加速冷却を行った鋼板(L−1、Q、−1、R−1)、
あるいは、本願発明でない鋼に本願発明でない圧延加速
冷却を行った鋼板(M−1、N−1、0−1、P−1)
では充分な性能が得られていない。
【0051】すなわち、Ceqが本願発明の範囲を下回
る鋼板L−1は強度が不十分、Nbを含有しない鋼板Q
−1は靭性が不十分であり、Ca含有量及びNi含有量
が本願発明の範囲を上回る鋼板R−1は、耐HIC性と
溶接性が良くない。また、Mn含有量が高く、加熱温度
が高温である鋼板M−1は、靭性、耐HIC性、溶接性
が良くない。C含有量が高く、加速冷却中断温度が高温
である鋼板N−1は、耐HIC性、溶接性が良くない。
Mn含有量とCeqが低く、復熱温度が低温である鋼板
O−1は、強度、耐HIC性、溶接性が不十分である。
さらに、P及びSが高く、最終の加速冷却停止温度が高
温である鋼板P−1は、強度と耐HIC性が不十分であ
る。
る鋼板L−1は強度が不十分、Nbを含有しない鋼板Q
−1は靭性が不十分であり、Ca含有量及びNi含有量
が本願発明の範囲を上回る鋼板R−1は、耐HIC性と
溶接性が良くない。また、Mn含有量が高く、加熱温度
が高温である鋼板M−1は、靭性、耐HIC性、溶接性
が良くない。C含有量が高く、加速冷却中断温度が高温
である鋼板N−1は、耐HIC性、溶接性が良くない。
Mn含有量とCeqが低く、復熱温度が低温である鋼板
O−1は、強度、耐HIC性、溶接性が不十分である。
さらに、P及びSが高く、最終の加速冷却停止温度が高
温である鋼板P−1は、強度と耐HIC性が不十分であ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明により、耐HIC性に優れたAP
I規格X70、X80グレードの高強度ラインパイプ用
鋼板を、経済的にかつ安定して製造することが可能とな
った。その結果、硫化水素を含有するサワー環境におい
て、HICに対する安全性とともに、応力が付加された
状態における応力腐食割れに対する信頼性も著しく向上
する。
I規格X70、X80グレードの高強度ラインパイプ用
鋼板を、経済的にかつ安定して製造することが可能とな
った。その結果、硫化水素を含有するサワー環境におい
て、HICに対する安全性とともに、応力が付加された
状態における応力腐食割れに対する信頼性も著しく向上
する。
【図1】 従来の加速冷却法について、熱間圧延後の加
速冷却過程の温度履歴を、模式的に示した図である。
速冷却過程の温度履歴を、模式的に示した図である。
【図2】 本発明の方法について、熱間圧延後の加速冷
却過程の温度履歴を、模式的に示した図である。
却過程の温度履歴を、模式的に示した図である。
【図3】 本発明の実施例及び比較例に用いた供試鋼の
化学成分を、表1として示す図である。
化学成分を、表1として示す図である。
【図4】 供試鋼板の熱間圧延条件、加速冷却条件、及
び機械的性質、耐HIC性、溶接性の結果を表2として
示す図である。
び機械的性質、耐HIC性、溶接性の結果を表2として
示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 村岡 隆二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.03〜0.08%、
Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜1.9
%、P:0.010%以下、S:0.002%以下、N
b:0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.
02%、Al:0.01〜0.07%、Ca:0.00
05〜0.0040%を含有し、かつ、Ceq:0.3
2%以上を満たし、残部がFe及びその他不可避的不純
物からなる鋼片を、1000〜1200℃でスラブ加熱
し、熱間圧延終了後の鋼板の加速冷却を、まず鋼板の表
面温度が500℃以下となるまで行った後加速冷却を一
旦中断し、鋼板の表面温度が500℃以上になるまで復
熱させ、その後3℃/s以上50℃/s以下の冷却速度
で再び鋼板を600℃以下の温度まで加速冷却すること
を特徴とする、耐HIC性に優れた高強度ラインパイプ
用鋼板の製造方法。ここで、 Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr
+Mo+V)/15 - 【請求項2】 前記鋼が、さらに、重量%で、Cu:
0.50%以下、Ni:0.50%以下、Cr:0.5
0%以下、Mo:0.50%以下、V:0.1%以下の
うち1種または2種以上を含有することを特徴とする、
請求項1記載の耐HIC性に優れた高強度ラインパイプ
用鋼板の製造方法。 【0001】
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25623297A JPH1180833A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 耐hic性に優れた高強度ラインパイプ用鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25623297A JPH1180833A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 耐hic性に優れた高強度ラインパイプ用鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1180833A true JPH1180833A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17289777
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25623297A Pending JPH1180833A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 耐hic性に優れた高強度ラインパイプ用鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1180833A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010087512A1 (ja) | 2009-01-30 | 2010-08-05 | Jfeスチール株式会社 | 耐hic性に優れた厚肉高張力熱延鋼板及びその製造方法 |
| CN102172619A (zh) * | 2010-12-31 | 2011-09-07 | 武汉钢铁(集团)公司 | 能提高高钢级厚规格管线钢断裂韧性的热轧工艺 |
| EP2309014A4 (en) * | 2008-07-31 | 2012-07-25 | Jfe Steel Corp | COLD-ROLLED THICKNESS STEEL PLATE WITH HIGH RESISTANCE TO FRICTION AND EXCELLENT LOW-TEMPERATURE RESISTANCE AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
| WO2013002413A1 (ja) | 2011-06-30 | 2013-01-03 | Jfeスチール株式会社 | 耐サワー性に優れたラインパイプ用溶接鋼管向け高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
| JP5252131B2 (ja) * | 2011-03-18 | 2013-07-31 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼管の焼入方法 |
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