JPH1180877A - 耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管とその製造方法 - Google Patents
耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管とその製造方法Info
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- JPH1180877A JPH1180877A JP24071897A JP24071897A JPH1180877A JP H1180877 A JPH1180877 A JP H1180877A JP 24071897 A JP24071897 A JP 24071897A JP 24071897 A JP24071897 A JP 24071897A JP H1180877 A JPH1180877 A JP H1180877A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 大地震の際に作用する曲げ応力に対して、局
部座屈を起こしにくく建築用の柱などに好適な、耐震性
および耐火性に優れた溶接鋼管を提供する。 【解決手段】 熱間圧延された鋼板を材料とする溶接鋼
管であって、その化学成分が、重量%で、C:0.05
〜0.18%、Mn:0.5〜1.6%、Mo:0.0
5〜0.50%、V:0.05〜0.10%を含有する
とともに下記の式で表されるPCMが0.10〜0.2
5であり、下記の不等式を満足し、かつ、管軸方向の引
張試験における加工硬化指数が0.10以上であること
を特徴とする耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管。
(元素記号は各元素の重量%) PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10
+B×5 C−12/51 ×V−12/48 ×Ti≦0.13
部座屈を起こしにくく建築用の柱などに好適な、耐震性
および耐火性に優れた溶接鋼管を提供する。 【解決手段】 熱間圧延された鋼板を材料とする溶接鋼
管であって、その化学成分が、重量%で、C:0.05
〜0.18%、Mn:0.5〜1.6%、Mo:0.0
5〜0.50%、V:0.05〜0.10%を含有する
とともに下記の式で表されるPCMが0.10〜0.2
5であり、下記の不等式を満足し、かつ、管軸方向の引
張試験における加工硬化指数が0.10以上であること
を特徴とする耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管。
(元素記号は各元素の重量%) PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10
+B×5 C−12/51 ×V−12/48 ×Ti≦0.13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築用の柱など
として使用される地震時の曲げ応力に対して局部座屈を
起こしにくい、耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管と
その製造方法に関する。
として使用される地震時の曲げ応力に対して局部座屈を
起こしにくい、耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】UOE鋼管、スパイラル鋼管、電縫鋼
管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管あるいは低合金
鋼鋼管は、大量にかつ安定して製造できるため、その優
れた経済性や溶接施工性とあいまって、ガスパイプライ
ンや水道配管など流体の輸送用鋼管あるいは建築・土木
用の柱として、広く用いられている。
管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管あるいは低合金
鋼鋼管は、大量にかつ安定して製造できるため、その優
れた経済性や溶接施工性とあいまって、ガスパイプライ
ンや水道配管など流体の輸送用鋼管あるいは建築・土木
用の柱として、広く用いられている。
【0003】建築用の鋼管においては、耐震性能を考慮
した鋼管がいくつか提案されている。例えば、特開平3
−173719号公報には、鋼板を圧延後Ar3 点以上
の温度から又はAc3 点以上の温度に再加熱後焼入れ、
その後3%以上の加工率で曲げ加工を施して鋼管とし、
その後Ac1 変態点以下で焼戻し処理を行うという技術
が提案されている。これにより、降伏比80%以下が得
られるというもので、実施例として72〜79%の降伏
比が記載されている。
した鋼管がいくつか提案されている。例えば、特開平3
−173719号公報には、鋼板を圧延後Ar3 点以上
の温度から又はAc3 点以上の温度に再加熱後焼入れ、
その後3%以上の加工率で曲げ加工を施して鋼管とし、
その後Ac1 変態点以下で焼戻し処理を行うという技術
が提案されている。これにより、降伏比80%以下が得
られるというもので、実施例として72〜79%の降伏
比が記載されている。
【0004】特開平5−65535号公報、特開平5−
117746号公報、特開平5−117747号公報に
は、t/D(t:板厚、D:鋼管外径、以下同様)が1
0%以下の比較的厚物の建築用低降伏比鋼管の製造法が
提案されている。この方法では、Ti添加鋼の鋼板を冷
間成形して鋼管を製作し、その後500〜650℃で焼
鈍を行っている。記載された実施例をみると、t/Dは
3〜10%、降伏比は80%未満となっている。
117746号公報、特開平5−117747号公報に
は、t/D(t:板厚、D:鋼管外径、以下同様)が1
0%以下の比較的厚物の建築用低降伏比鋼管の製造法が
提案されている。この方法では、Ti添加鋼の鋼板を冷
間成形して鋼管を製作し、その後500〜650℃で焼
鈍を行っている。記載された実施例をみると、t/Dは
3〜10%、降伏比は80%未満となっている。
【0005】特開平5−156357号公報には、N
b、Ti等を添加しない低炭素鋼による低降伏比の鋼管
の製造法が提案されている。この技術は、低炭素鋼を9
50℃以下の圧下率が50%以上となるよう熱間圧延し
空冷するもので、記載された実施例をみると、降伏比は
76〜78%となっている。
b、Ti等を添加しない低炭素鋼による低降伏比の鋼管
の製造法が提案されている。この技術は、低炭素鋼を9
50℃以下の圧下率が50%以上となるよう熱間圧延し
空冷するもので、記載された実施例をみると、降伏比は
76〜78%となっている。
【0006】特開平6−49540号公報、特開平6−
49541号公報、特開平6−128641号公報に
は、t/Dが10%以下の比較的厚物の建築用低降伏比
鋼管の製造法が提案されている。この方法では、Nb−
Ti添加鋼の鋼板を冷間成形して鋼管を製作し、その後
700〜850℃で焼準を行っている。記載された実施
例をみると、t/Dは4〜10%、降伏比は80%未満
となっている。
49541号公報、特開平6−128641号公報に
は、t/Dが10%以下の比較的厚物の建築用低降伏比
鋼管の製造法が提案されている。この方法では、Nb−
Ti添加鋼の鋼板を冷間成形して鋼管を製作し、その後
700〜850℃で焼準を行っている。記載された実施
例をみると、t/Dは4〜10%、降伏比は80%未満
となっている。
【0007】特開平6−264143号公報、特開平6
−264144号公報には、やはりt/Dが10%以下
の比較的厚物の建築用低降伏比鋼管の製造法が提案され
ている。この方法では、Ti添加鋼の鋼板を冷間成形し
て鋼管を製作し、その後Ac 1 変態点以下で焼戻し処理
を行っている。記載された実施例をみると、t/Dは4
〜10%、降伏比は70〜78%となっている。
−264144号公報には、やはりt/Dが10%以下
の比較的厚物の建築用低降伏比鋼管の製造法が提案され
ている。この方法では、Ti添加鋼の鋼板を冷間成形し
て鋼管を製作し、その後Ac 1 変態点以下で焼戻し処理
を行っている。記載された実施例をみると、t/Dは4
〜10%、降伏比は70〜78%となっている。
【0008】特開平7−233416号公報には、Ni
−Cr−Mo−Ti添加鋼による建築用低降伏比鋼管の
製造法が提案されている。この方法では、鋼板を冷間成
形して鋼管を製作し、その後650〜750℃で焼準を
行っている。記載された実施例をみると、t/Dは4〜
9%、降伏比は72〜77%となっている。
−Cr−Mo−Ti添加鋼による建築用低降伏比鋼管の
製造法が提案されている。この方法では、鋼板を冷間成
形して鋼管を製作し、その後650〜750℃で焼準を
行っている。記載された実施例をみると、t/Dは4〜
9%、降伏比は72〜77%となっている。
【0009】特開平7−150247号公報には、N
b、V、Tiの1種以上を添加した鋼板を、冷間成形し
て鋼管を製作し、その後二相域温度範囲に再加熱してい
る。記載された実施例をみると、降伏比は55〜70%
となっている。
b、V、Tiの1種以上を添加した鋼板を、冷間成形し
て鋼管を製作し、その後二相域温度範囲に再加熱してい
る。記載された実施例をみると、降伏比は55〜70%
となっている。
【0010】特開平7−188748号公報には、二相
域温度加熱時の島状マルテンサイト生成傾向を表すパラ
メータが、所定の範囲内となる鋼板を冷間成形して鋼管
を製作し、その後二相域温度範囲に再加熱している。記
載された実施例をみると、降伏比は49〜66%となっ
ている。
域温度加熱時の島状マルテンサイト生成傾向を表すパラ
メータが、所定の範囲内となる鋼板を冷間成形して鋼管
を製作し、その後二相域温度範囲に再加熱している。記
載された実施例をみると、降伏比は49〜66%となっ
ている。
【0011】これらの技術では、耐震性能として降伏応
力と引張強さの比である降伏比をとり、この比を小さく
するための鋼管製造方法に重点が置かれている。これら
はいずれも、柱の曲げ応力に対する塑性吸収能に関する
もので、降伏比を小さくすることにより、塑性崩壊に至
るまでのエネルギ吸収能を大きくし、建築物の倒壊の防
止をはかっている。
力と引張強さの比である降伏比をとり、この比を小さく
するための鋼管製造方法に重点が置かれている。これら
はいずれも、柱の曲げ応力に対する塑性吸収能に関する
もので、降伏比を小さくすることにより、塑性崩壊に至
るまでのエネルギ吸収能を大きくし、建築物の倒壊の防
止をはかっている。
【0012】さらに、耐火性を考慮した耐火性鋼管とし
ては、材料にMoを添加して上述と同様の技術を用いて
製造する溶接鋼管があり、次のような技術が開示されて
いる。
ては、材料にMoを添加して上述と同様の技術を用いて
製造する溶接鋼管があり、次のような技術が開示されて
いる。
【0013】特開平4−128315号公報、特開平4
−168218号公報、特開平4−168219号公報
には、Moを0.1〜2.5%と、Nb、Vのうち1種
以上を含む耐震性・耐火性鋼管の製造方法が提案されて
いる。この技術では、この低炭素鋼鋼管を加熱して急冷
し、その後200〜600℃で焼き戻ししている。
−168218号公報、特開平4−168219号公報
には、Moを0.1〜2.5%と、Nb、Vのうち1種
以上を含む耐震性・耐火性鋼管の製造方法が提案されて
いる。この技術では、この低炭素鋼鋼管を加熱して急冷
し、その後200〜600℃で焼き戻ししている。
【0014】特開平4−176819号公報、特開平4
−176821号公報には、Moを0.1〜2.5%
と、Nb、Vのうち1種以上を含む耐震性・耐火性鋼管
の製造方法が提案されている。この技術では、この低炭
素鋼鋼管をAc3点以上の温度に加熱してその温度で成
形し、10℃/s以下の冷却速度で冷却している。
−176821号公報には、Moを0.1〜2.5%
と、Nb、Vのうち1種以上を含む耐震性・耐火性鋼管
の製造方法が提案されている。この技術では、この低炭
素鋼鋼管をAc3点以上の温度に加熱してその温度で成
形し、10℃/s以下の冷却速度で冷却している。
【0015】特開平4−218616号公報には、Mo
を0.1〜2.0%と、Nb、Vのうち1種以上を含む
耐震性・耐火性鋼管の製造方法が提案されている。この
技術では、この低炭素鋼鋼管をA3−200℃以上に加
熱して0.10%以上の歪を付与し、その後直ちに又は
所定温度範囲まで空冷後、15℃/s以上の冷却速度で
冷却している。
を0.1〜2.0%と、Nb、Vのうち1種以上を含む
耐震性・耐火性鋼管の製造方法が提案されている。この
技術では、この低炭素鋼鋼管をA3−200℃以上に加
熱して0.10%以上の歪を付与し、その後直ちに又は
所定温度範囲まで空冷後、15℃/s以上の冷却速度で
冷却している。
【0016】特開平4−228521号公報には、Mo
を0.1〜2.5%と、必要に応じNb、Vのうち1種
以上を含む耐火性鋼管の製造方法が提案されている。こ
の技術では、この低炭素鋼鋼管に0.10%以上の冷間
歪を付与し、その後必要に応じて200〜600℃で焼
き戻ししている。
を0.1〜2.5%と、必要に応じNb、Vのうち1種
以上を含む耐火性鋼管の製造方法が提案されている。こ
の技術では、この低炭素鋼鋼管に0.10%以上の冷間
歪を付与し、その後必要に応じて200〜600℃で焼
き戻ししている。
【0017】特開平5−230593号公報には、Mo
を0.4〜0.7%を含み、ミクロ組織がフェライト+
ベーナイトである耐火性鋼が提案されている。この技術
では、この鋼を加熱して所定温度から水冷後、焼き戻し
している。
を0.4〜0.7%を含み、ミクロ組織がフェライト+
ベーナイトである耐火性鋼が提案されている。この技術
では、この鋼を加熱して所定温度から水冷後、焼き戻し
している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】これらの技術(以下、
従来技術)は、柱の曲げ応力に対する塑性変形吸収能に
関する技術であり、低降伏比とすることに重点がおかれ
ている。これは、従来技術においては、建築用鋼材の耐
震性向上のため、柱の曲げの際の塑性変形吸収能を高く
することを目的としていたためである。一般に、鋼板に
おいては、低降伏比であれば塑性変形吸収能が高くな
り、低降伏比とすることが有効である。
従来技術)は、柱の曲げ応力に対する塑性変形吸収能に
関する技術であり、低降伏比とすることに重点がおかれ
ている。これは、従来技術においては、建築用鋼材の耐
震性向上のため、柱の曲げの際の塑性変形吸収能を高く
することを目的としていたためである。一般に、鋼板に
おいては、低降伏比であれば塑性変形吸収能が高くな
り、低降伏比とすることが有効である。
【0019】しかし、検討の結果、鋼管の場合は単に低
降伏比とするだけでは耐震性が向上しないことがわかっ
た。それは後述のように、鋼管の広い部分が塑性変形し
て曲げ歪を吸収する以前あるいはその最中に、局部的な
座屈が起こることによる。従来技術においては、このよ
うな柱の横方向からの応力による局部座屈、および局部
座屈発生後の変形による脆性亀裂の発生を防ぐことにつ
いては、ほとんど考慮されていなかった。
降伏比とするだけでは耐震性が向上しないことがわかっ
た。それは後述のように、鋼管の広い部分が塑性変形し
て曲げ歪を吸収する以前あるいはその最中に、局部的な
座屈が起こることによる。従来技術においては、このよ
うな柱の横方向からの応力による局部座屈、および局部
座屈発生後の変形による脆性亀裂の発生を防ぐことにつ
いては、ほとんど考慮されていなかった。
【0020】例えば、前述の従来技術に記載されている
材料試験値は、YP又はYS、TS、YR(=YS/T
S)、あるいはこれに加えてvEoである。これらは通
常の引張試験値(降伏応力、引張強さ)とシャルピー衝
撃試験値(0℃の吸収エネルギ)と考えられる。これら
以外の材料試験値については、いずれの従来技術におい
ても記載されていない。従って、鋼管自体の曲げ試験等
も行われておらず、鋼管における局部座屈の発生につい
ても検討されていなかった。
材料試験値は、YP又はYS、TS、YR(=YS/T
S)、あるいはこれに加えてvEoである。これらは通
常の引張試験値(降伏応力、引張強さ)とシャルピー衝
撃試験値(0℃の吸収エネルギ)と考えられる。これら
以外の材料試験値については、いずれの従来技術におい
ても記載されていない。従って、鋼管自体の曲げ試験等
も行われておらず、鋼管における局部座屈の発生につい
ても検討されていなかった。
【0021】また、従来技術では、降伏比として70%
台(一部の技術ではそれ以下)を指標としており、この
ような低降伏比を得るために、ほとんど総ての技術にお
いて鋼管成型後に熱処理を行っている。そのため、製造
コストが増加し、比較的安価な耐震性鋼管を供給するこ
とが困難となる。鋼管は中空となっている部分の占める
体積が大きいため、鋼板等の熱処理に比べて熱処理に要
する設備が大型化する。
台(一部の技術ではそれ以下)を指標としており、この
ような低降伏比を得るために、ほとんど総ての技術にお
いて鋼管成型後に熱処理を行っている。そのため、製造
コストが増加し、比較的安価な耐震性鋼管を供給するこ
とが困難となる。鋼管は中空となっている部分の占める
体積が大きいため、鋼板等の熱処理に比べて熱処理に要
する設備が大型化する。
【0022】この発明は、以上の問題点を解決し、大地
震の際に作用する曲げ応力に対して、局部座屈を起こし
にくく建築用の柱などに好適な、耐震性および耐火性に
優れた溶接鋼管を提供することを目的とする。
震の際に作用する曲げ応力に対して、局部座屈を起こし
にくく建築用の柱などに好適な、耐震性および耐火性に
優れた溶接鋼管を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、熱間圧延
された鋼板を材料とする溶接鋼管であって、その化学成
分が、重量%で、C:0.05〜0.18%、Mn:
0.5〜1.6%、Mo:0.05〜0.50%、V:
0.05〜0.10%を含有するとともに下記の式で表
されるPCMが0.10〜0.25であり、下記の不等
式を満足し、かつ、管軸方向の引張試験における加工硬
化指数が0.10以上であることを特徴とする耐震性お
よび耐火性に優れた溶接鋼管である。 PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10
+B×5 C−12/51 ×V−12/48 ×Ti≦0.13 ここで、式中の元素記号は各元素の重量%を示す。
された鋼板を材料とする溶接鋼管であって、その化学成
分が、重量%で、C:0.05〜0.18%、Mn:
0.5〜1.6%、Mo:0.05〜0.50%、V:
0.05〜0.10%を含有するとともに下記の式で表
されるPCMが0.10〜0.25であり、下記の不等
式を満足し、かつ、管軸方向の引張試験における加工硬
化指数が0.10以上であることを特徴とする耐震性お
よび耐火性に優れた溶接鋼管である。 PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10
+B×5 C−12/51 ×V−12/48 ×Ti≦0.13 ここで、式中の元素記号は各元素の重量%を示す。
【0024】この発明は、大地震の際に作用する曲げ応
力に対して、鋼管の変形挙動について鋭意検討した結果
なされたものである。検討の過程で、鋼管の変形は、ま
ず全体的な曲げが進行した後、広い部分にわたって座屈
する以前に、局部的な座屈が起こることを見いだした。
力に対して、鋼管の変形挙動について鋭意検討した結果
なされたものである。検討の過程で、鋼管の変形は、ま
ず全体的な曲げが進行した後、広い部分にわたって座屈
する以前に、局部的な座屈が起こることを見いだした。
【0025】このように鋼管に局部座屈が発生すると、
その部分に曲げ応力が集中するため、急速変形となり脆
性亀裂が発生して破壊に至る。耐震性の向上のために
は、局部座屈を起こしにくい鋼管とする必要がある。し
かし、このような局部座屈に対しては、従来技術のよう
に単に低降伏比とすることでは解決できないことがわか
り、さらに検討を続けた。
その部分に曲げ応力が集中するため、急速変形となり脆
性亀裂が発生して破壊に至る。耐震性の向上のために
は、局部座屈を起こしにくい鋼管とする必要がある。し
かし、このような局部座屈に対しては、従来技術のよう
に単に低降伏比とすることでは解決できないことがわか
り、さらに検討を続けた。
【0026】その過程で、鋼管の横方向(軸に垂直な方
向)から働く曲げ応力に対する耐座屈性を評価するため
に、各種の材質試験とともに実管曲げ試験を行い、鋼管
の製造方法や材質的な特性と局部座屈の発生挙動との相
関を調査した。図1は、実管曲げ試験における試験体と
試験装置の配置を模式的に示す図である。この試験は、
試験装置の4個の曲げ治具11、12により、試験体9
(鋼管)に対して曲げ応力を加える4点曲げ方式の実管
曲げ試験である。
向)から働く曲げ応力に対する耐座屈性を評価するため
に、各種の材質試験とともに実管曲げ試験を行い、鋼管
の製造方法や材質的な特性と局部座屈の発生挙動との相
関を調査した。図1は、実管曲げ試験における試験体と
試験装置の配置を模式的に示す図である。この試験は、
試験装置の4個の曲げ治具11、12により、試験体9
(鋼管)に対して曲げ応力を加える4点曲げ方式の実管
曲げ試験である。
【0027】曲げ試験の初期においては、試験体9(鋼
管)は曲げ治具12、12の間の部分が全体的に曲がっ
ていく。ところが、さらに曲げ変形を加えると、試験体
9の曲げ治具11、11の間の領域1で局部的に変形が
進行し、局部座屈が発生する。その後は、この局部座屈
の発生した領域1以外の領域2はほとんど変形せず、領
域1にのみ変形が集中する。
管)は曲げ治具12、12の間の部分が全体的に曲がっ
ていく。ところが、さらに曲げ変形を加えると、試験体
9の曲げ治具11、11の間の領域1で局部的に変形が
進行し、局部座屈が発生する。その後は、この局部座屈
の発生した領域1以外の領域2はほとんど変形せず、領
域1にのみ変形が集中する。
【0028】そこで、局部座屈の発生した時点の曲げ角
度(片方)θで、曲げ試験の評価を行った。曲げ変形の
角度がこの曲げ角度θ未満であれば、座屈が生じないの
で破壊に至ることはない。従って、地震の際の横方向の
外力に対する抵抗力を、この曲げ角度(片方)θで評価
することができる。
度(片方)θで、曲げ試験の評価を行った。曲げ変形の
角度がこの曲げ角度θ未満であれば、座屈が生じないの
で破壊に至ることはない。従って、地震の際の横方向の
外力に対する抵抗力を、この曲げ角度(片方)θで評価
することができる。
【0029】この曲げ角度θに影響を及ぼす要因につい
て、製造方法その他種々検討する中で、一部の化学成分
の鋼を用いた鋼管について、曲げ角度θを大きくするこ
とができることを見いだし、良好な耐座屈性能を示すこ
とに成功した。また、これらの鋼管についての機械試験
結果との関係を検討すると、引張試験における降伏点付
近の挙動と密接な関係があることがわかった。
て、製造方法その他種々検討する中で、一部の化学成分
の鋼を用いた鋼管について、曲げ角度θを大きくするこ
とができることを見いだし、良好な耐座屈性能を示すこ
とに成功した。また、これらの鋼管についての機械試験
結果との関係を検討すると、引張試験における降伏点付
近の挙動と密接な関係があることがわかった。
【0030】その中でも、鋼管から軸方向に平行な引張
試験片を採取して、引張試験を行った際の加工硬化指数
が、局部座屈発生の主要因であることがわかった。それ
は、加工硬化指数が大きい鋼管は、局部座屈が発生する
曲げ角度θも大きいということである。特に、加工硬化
指数が0.10以上になると、局部座屈の発生する曲げ
角度(片方)θが3°以上に達しており、良好な耐座屈
性能を示すということである。
試験片を採取して、引張試験を行った際の加工硬化指数
が、局部座屈発生の主要因であることがわかった。それ
は、加工硬化指数が大きい鋼管は、局部座屈が発生する
曲げ角度θも大きいということである。特に、加工硬化
指数が0.10以上になると、局部座屈の発生する曲げ
角度(片方)θが3°以上に達しており、良好な耐座屈
性能を示すということである。
【0031】以上よりこの発明では、加工硬化指数を
0.10以上とする。なお、加工硬化指数としては、鋼
管の管軸方向の引張試験降において、降伏応力を超えて
から公称歪みで5%までの応力歪み曲線から決まる値を
用いる。
0.10以上とする。なお、加工硬化指数としては、鋼
管の管軸方向の引張試験降において、降伏応力を超えて
から公称歪みで5%までの応力歪み曲線から決まる値を
用いる。
【0032】次に、その他の材料特性も含め鋼の化学成
分について検討した。その結果、C、Mn、Mo、Vの
含有量を適切に制御することが必要であり、また、C、
V、Tiについては、適切な範囲があることがわかっ
た。さらに、下記の式(1)で表される値PCMについ
ても適切な範囲があることがわかった。 PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B (1) ここで、式中の元素記号は各成分元素の重量%を表す。
以下、化学成分の限定理由について説明する。
分について検討した。その結果、C、Mn、Mo、Vの
含有量を適切に制御することが必要であり、また、C、
V、Tiについては、適切な範囲があることがわかっ
た。さらに、下記の式(1)で表される値PCMについ
ても適切な範囲があることがわかった。 PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B (1) ここで、式中の元素記号は各成分元素の重量%を表す。
以下、化学成分の限定理由について説明する。
【0033】C: 構造物としての十分な強度を得るた
めには、最低0.05%必要である。一方、C量が0.
18%を超えると、溶接割れの可能性が増大する。従っ
て、C量を0.05〜0.18%に規定する。
めには、最低0.05%必要である。一方、C量が0.
18%を超えると、溶接割れの可能性が増大する。従っ
て、C量を0.05〜0.18%に規定する。
【0034】Mn: 構造用鋼としての十分な強度と靱
性を得るためには、0.5%以上の添加が必要である。
しかし、Mn量が1.6%を超えると、母材と溶接部の
靱性の劣化をまねく。従って、Mn量を0.5〜1.6
%に規定する。
性を得るためには、0.5%以上の添加が必要である。
しかし、Mn量が1.6%を超えると、母材と溶接部の
靱性の劣化をまねく。従って、Mn量を0.5〜1.6
%に規定する。
【0035】Mo: 高温での強度、即ち耐火性を得る
ためには、0.05%の以上の添加が必要である。しか
し、Mo量が0.5%を超えると、母材と溶接部の靱性
の劣化および溶接性の劣化をまねく。従って、Mo量を
0.05〜0.5%に規定する。
ためには、0.05%の以上の添加が必要である。しか
し、Mo量が0.5%を超えると、母材と溶接部の靱性
の劣化および溶接性の劣化をまねく。従って、Mo量を
0.05〜0.5%に規定する。
【0036】V: 高温での強度、即ち耐火性を得るた
めには、0.05%の以上の添加が必要である。しか
し、V量が0.1%を超えると、母材と溶接部の靱性の
劣化および溶接性の劣化をまねく。従って、V量を0.
05〜0.1%に規定する。
めには、0.05%の以上の添加が必要である。しか
し、V量が0.1%を超えると、母材と溶接部の靱性の
劣化および溶接性の劣化をまねく。従って、V量を0.
05〜0.1%に規定する。
【0037】さらにこの発明では、必要に応じ、Tiを
添加してもよい。その場合、好ましい添加量は次のよう
になる。
添加してもよい。その場合、好ましい添加量は次のよう
になる。
【0038】Ti: 鋼管の靱性の向上とともに、鋳造
時のスラブの傷防止に有効な元素であるが、0.005
%未満では効果が見られない。また、0.08%を超え
ると溶接性と溶接部の靱性を劣化させる。従って、Ti
を添加する場合は、添加量を0.005〜0.08%と
する。
時のスラブの傷防止に有効な元素であるが、0.005
%未満では効果が見られない。また、0.08%を超え
ると溶接性と溶接部の靱性を劣化させる。従って、Ti
を添加する場合は、添加量を0.005〜0.08%と
する。
【0039】C、V、Ti量の範囲: 前述の耐局部座
屈性の観点から、加工硬化指数の目標値は0.10以上
である。この目標値を達成するために必要な化学成分に
ついて、鋭意検討した。その結果、加工硬化指数に及ぼ
すC、V、Tiの影響が大きいことがわかった。これら
の成分元素の影響について更に検討した結果、C、V、
Tiが満足すべき条件として、次の式(1)で表される
関係が得られた。 C−12/51×V−12/48×Ti≦0.13 (1) ここで、式中の元素記号は各元素の重量%を示す。
屈性の観点から、加工硬化指数の目標値は0.10以上
である。この目標値を達成するために必要な化学成分に
ついて、鋭意検討した。その結果、加工硬化指数に及ぼ
すC、V、Tiの影響が大きいことがわかった。これら
の成分元素の影響について更に検討した結果、C、V、
Tiが満足すべき条件として、次の式(1)で表される
関係が得られた。 C−12/51×V−12/48×Ti≦0.13 (1) ここで、式中の元素記号は各元素の重量%を示す。
【0040】その他の元素は、発明の目的を損なわない
限り含有されていてもよい。また、通常の製鋼作業にお
ける脱酸元素等、製造上の必要に応じて上記以外の元素
が含まれていてよいことは言うまでもない。また、スク
ラップ等の原料から持ち込まれる元素も、普通鋼の範囲
内であれば不可避的不純物である。
限り含有されていてもよい。また、通常の製鋼作業にお
ける脱酸元素等、製造上の必要に応じて上記以外の元素
が含まれていてよいことは言うまでもない。また、スク
ラップ等の原料から持ち込まれる元素も、普通鋼の範囲
内であれば不可避的不純物である。
【0041】PCM: この値は、構造物として十分な
強度を得るためと良好な耐局部座屈性を得るために所定
の値とする必要があり、0.10が必要最低限の値であ
る。一方、0.25を超えると溶接性が劣化し、また、
耐局部座屈性も低下する。従って、PCMの値を0.1
0〜25とする。
強度を得るためと良好な耐局部座屈性を得るために所定
の値とする必要があり、0.10が必要最低限の値であ
る。一方、0.25を超えると溶接性が劣化し、また、
耐局部座屈性も低下する。従って、PCMの値を0.1
0〜25とする。
【0042】その他の元素は、発明の目的を損なわない
限り含有されていてもよい。また、通常の製鋼作業にお
ける脱酸元素等、製造上の必要に応じて上記以外の元素
が含まれていてよいことは言うまでもない。また、スク
ラップ等の原料から持ち込まれる元素も、普通鋼の範囲
内であれば不可避的不純物である。
限り含有されていてもよい。また、通常の製鋼作業にお
ける脱酸元素等、製造上の必要に応じて上記以外の元素
が含まれていてよいことは言うまでもない。また、スク
ラップ等の原料から持ち込まれる元素も、普通鋼の範囲
内であれば不可避的不純物である。
【0043】第2の発明は、請求項1記載の化学成分の
鋼を熱間圧延し、圧延終了後600℃以下まで2℃/s
ec以上の冷却速度で冷却して鋼板を製造し、この鋼板
を冷間成形して鋼管を製造し、成形時の歪みを含めた冷
間歪み量を5%以上付与することにより、管軸方向の引
張試験における加工硬化指数を0.10以上とすること
を特徴とする耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管の製
造方法である。
鋼を熱間圧延し、圧延終了後600℃以下まで2℃/s
ec以上の冷却速度で冷却して鋼板を製造し、この鋼板
を冷間成形して鋼管を製造し、成形時の歪みを含めた冷
間歪み量を5%以上付与することにより、管軸方向の引
張試験における加工硬化指数を0.10以上とすること
を特徴とする耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管の製
造方法である。
【0044】この発明は、圧延後の冷却条件を規定して
いる。冷却速度が2℃/sec未満であると、0.10
以上の加工硬化指数が得られず、良好な耐局部座屈性が
得られない。冷却停止温度が600℃を超えると、やは
り0.10以上の加工硬化指数と良好な耐局部座屈性が
得られない。従って、圧延後の冷却条件を600℃以下
まで2℃/sec以上とする。
いる。冷却速度が2℃/sec未満であると、0.10
以上の加工硬化指数が得られず、良好な耐局部座屈性が
得られない。冷却停止温度が600℃を超えると、やは
り0.10以上の加工硬化指数と良好な耐局部座屈性が
得られない。従って、圧延後の冷却条件を600℃以下
まで2℃/sec以上とする。
【0045】第3の発明は、熱間圧延を行う際、圧延終
了温度をAr3+40℃〜Ar3−80℃とすることを特
徴とする第2の発明の耐震性および耐火性に優れた溶接
鋼管の製造方法。
了温度をAr3+40℃〜Ar3−80℃とすることを特
徴とする第2の発明の耐震性および耐火性に優れた溶接
鋼管の製造方法。
【0046】この発明では、圧延条件について検討する
中、圧延終了温度の影響が大きいことを見出した。圧延
終了温度が、Ar3+40℃を超えると、0.10以上
の加工硬化指数が得られず、良好な耐局部座屈性が得ら
れない。また、圧延終了温度が、Ar3−80℃未満で
も、やはり加工硬化指数が低くなり、良好な耐局部座屈
性が得られない。
中、圧延終了温度の影響が大きいことを見出した。圧延
終了温度が、Ar3+40℃を超えると、0.10以上
の加工硬化指数が得られず、良好な耐局部座屈性が得ら
れない。また、圧延終了温度が、Ar3−80℃未満で
も、やはり加工硬化指数が低くなり、良好な耐局部座屈
性が得られない。
【0047】
【発明の実施の形態】この発明では、鋼管の材料につい
ては、発明の化学成分であれば製造方法は特に問わな
い。また、Si、Al等の脱酸元素は、必要に応じて含
まれていてよい。その他、P、S、N、O等の不純物
は、少ない方がよい。また、介在物の制御のためのCa
やREM等の元素は、特にこの発明の目的を損なうもの
ではないことから含まれていてもよい。その他、場合に
よっては、Bを0.001%を超えない範囲で含んでい
てもよい。
ては、発明の化学成分であれば製造方法は特に問わな
い。また、Si、Al等の脱酸元素は、必要に応じて含
まれていてよい。その他、P、S、N、O等の不純物
は、少ない方がよい。また、介在物の制御のためのCa
やREM等の元素は、特にこの発明の目的を損なうもの
ではないことから含まれていてもよい。その他、場合に
よっては、Bを0.001%を超えない範囲で含んでい
てもよい。
【0048】さらに、必要に応じCu、Ni、Crを添
加してもよい。その場合、好ましい添加量は次のように
なる。
加してもよい。その場合、好ましい添加量は次のように
なる。
【0049】Cu、Ni、Cr: いずれも強度の上昇
に有効な元素であるが、それぞれ0.05%未満では効
果が見られない。しかし、0.50%を超えると母材と
溶接部の靱性を劣化させる。従って、Cu、Ni、Cr
を添加する場合は、添加量を0.05〜0.50%とす
る。
に有効な元素であるが、それぞれ0.05%未満では効
果が見られない。しかし、0.50%を超えると母材と
溶接部の靱性を劣化させる。従って、Cu、Ni、Cr
を添加する場合は、添加量を0.05〜0.50%とす
る。
【0050】鋼板の圧延条件等の製造条件は、製造方法
や設備に合った条件とすればよい。加熱温度としては、
例えば、1050〜1250℃とすればよい。圧延終了
後の冷却方法は、0.10以上の加工硬化指数が得られ
れば特に問わないが、加速冷却を行うことが必要であ
る。冷却条件は、600℃以下まで2℃/sec以上と
するのが好ましい。
や設備に合った条件とすればよい。加熱温度としては、
例えば、1050〜1250℃とすればよい。圧延終了
後の冷却方法は、0.10以上の加工硬化指数が得られ
れば特に問わないが、加速冷却を行うことが必要であ
る。冷却条件は、600℃以下まで2℃/sec以上と
するのが好ましい。
【0051】鋼管を製造する製管工程では、熱間圧延で
得られた鋼板を、UOE、ベンディングロール、プレス
ベンドなどの冷間成形法により鋼管の形状に加工する。
その他、鋼管の成形方法は、冷間加工である限り制限は
ない。
得られた鋼板を、UOE、ベンディングロール、プレス
ベンドなどの冷間成形法により鋼管の形状に加工する。
その他、鋼管の成形方法は、冷間加工である限り制限は
ない。
【0052】一般に、曲げ成形のみによる板の加工の場
合、冷間歪み量は管厚/外径で表される。良好な高温強
度を得る観点からは、この冷間歪み量を5%以上とする
ことが望ましい。この値が5%未満の場合は、拡管ある
いは縮管などの方法により、冷間歪み量が5%以上とな
るようさらに冷間加工を加える。
合、冷間歪み量は管厚/外径で表される。良好な高温強
度を得る観点からは、この冷間歪み量を5%以上とする
ことが望ましい。この値が5%未満の場合は、拡管ある
いは縮管などの方法により、冷間歪み量が5%以上とな
るようさらに冷間加工を加える。
【0053】その後、突合せ部を溶接して鋼管を製造す
る。溶接についても、この発明の成分範囲の材料であれ
ば、通常の溶接方法および条件で特に問題なく溶接可能
である。
る。溶接についても、この発明の成分範囲の材料であれ
ば、通常の溶接方法および条件で特に問題なく溶接可能
である。
【0054】
【実施例】種々の化学成分からなる鋼から熱間圧延によ
り鋼板を製造し、冷間成形により管厚10〜30mm、
管外径600mmの溶接鋼管を製造した。これらの鋼管
について、前述の実管試験と引張試験を行った。
り鋼板を製造し、冷間成形により管厚10〜30mm、
管外径600mmの溶接鋼管を製造した。これらの鋼管
について、前述の実管試験と引張試験を行った。
【0055】表1に、鋼管の化学成分と式(1)の値、
および実管試験と引張試験・溶接性の結果を示す。化学
成分については、鋼種A(A*も同一鋼種)〜Jは発明
の範囲内、鋼種K〜Pは発明の範囲外である。これらの
鋼を材料とする鋼管A,B,C〜J(表1では鋼種と同
じ記号で表す)は発明の鋼管、鋼管A*,B*,K〜Pは
比較用の鋼管である。
および実管試験と引張試験・溶接性の結果を示す。化学
成分については、鋼種A(A*も同一鋼種)〜Jは発明
の範囲内、鋼種K〜Pは発明の範囲外である。これらの
鋼を材料とする鋼管A,B,C〜J(表1では鋼種と同
じ記号で表す)は発明の鋼管、鋼管A*,B*,K〜Pは
比較用の鋼管である。
【0056】試験結果については、表1では次のように
示してある。耐局部座屈性(表では、耐座屈性)は、実
管曲げ試験において、局部座屈の発生した時点の曲げ角
度(片方)θが、3%以上となった場合を○印、それ未
満の場合をX印で示してある。
示してある。耐局部座屈性(表では、耐座屈性)は、実
管曲げ試験において、局部座屈の発生した時点の曲げ角
度(片方)θが、3%以上となった場合を○印、それ未
満の場合をX印で示してある。
【0057】溶接性については、鋼管成形後の縦シーム
溶接部について、溶接割れの有無を調べた。強度は、J
ISZ2241に規定された引張試験に準じて行った。
これらの試験結果は、溶接割れがなく引張強さが50kg
/mm2以上の場合を○印、それ以下の場合をX印で、表1
の溶接性/強度の欄に示した。加工硬化指数(表ではn
値)は応力−歪曲線より通常の方法で求めた。
溶接部について、溶接割れの有無を調べた。強度は、J
ISZ2241に規定された引張試験に準じて行った。
これらの試験結果は、溶接割れがなく引張強さが50kg
/mm2以上の場合を○印、それ以下の場合をX印で、表1
の溶接性/強度の欄に示した。加工硬化指数(表ではn
値)は応力−歪曲線より通常の方法で求めた。
【0058】
【表1】
【0059】発明鋼管A,B,C〜Jについては、式
(1)の値が発明の上限0.13以下となっており、加
工硬化指数(n値)は下限0.10以上となっている。
その結果、耐局部座屈性が良好となっている。また、溶
接性、強度、および高温強度も良好である。
(1)の値が発明の上限0.13以下となっており、加
工硬化指数(n値)は下限0.10以上となっている。
その結果、耐局部座屈性が良好となっている。また、溶
接性、強度、および高温強度も良好である。
【0060】比較鋼管については、鋼管A*とB*は、化
学成分は発明の範囲内であるが、加工硬化指数(n値)
が0.10未満であるため、十分な耐局部座屈性が得ら
れていない。比較鋼管KはC、Mo、PCMが上限を超
えており、式(1)の値も上限0.13を超えているほ
か、加工硬化指数(n値)が下限0.10未満である。
そのため、耐局部座屈性と溶接性が不良である。
学成分は発明の範囲内であるが、加工硬化指数(n値)
が0.10未満であるため、十分な耐局部座屈性が得ら
れていない。比較鋼管KはC、Mo、PCMが上限を超
えており、式(1)の値も上限0.13を超えているほ
か、加工硬化指数(n値)が下限0.10未満である。
そのため、耐局部座屈性と溶接性が不良である。
【0061】比較鋼管Lは、Mo、Vが添加されていな
いため高温強度が劣る。また、比較鋼管Lは、Mnおよ
びCrが上限を超えており、溶接性が不良である。比較
鋼管Mは、Cが下限未満のため強度が不良であり、一
方、VとCuが上限を超えており、溶接性が不良であ
る。また、比較鋼管Mは、加工硬化指数(n値)が下限
0.10未満であり、耐局部座屈性が不良である。
いため高温強度が劣る。また、比較鋼管Lは、Mnおよ
びCrが上限を超えており、溶接性が不良である。比較
鋼管Mは、Cが下限未満のため強度が不良であり、一
方、VとCuが上限を超えており、溶接性が不良であ
る。また、比較鋼管Mは、加工硬化指数(n値)が下限
0.10未満であり、耐局部座屈性が不良である。
【0062】比較鋼管Nは、MnおよびPCMが上限を
超えており、溶接性および耐局部座屈性が不良である。
その反面、Moが下限未満、Vが無添加であり、高温強
度が不良である。
超えており、溶接性および耐局部座屈性が不良である。
その反面、Moが下限未満、Vが無添加であり、高温強
度が不良である。
【0063】比較鋼管Oは、Mo、Vが添加されていな
いため高温強度が劣る。比較鋼管Pも、Mo、Vが添加
されていないため高温強度が劣り、一方、MnとTiが
上限を超えており、溶接性が不良である。
いため高温強度が劣る。比較鋼管Pも、Mo、Vが添加
されていないため高温強度が劣り、一方、MnとTiが
上限を超えており、溶接性が不良である。
【0064】ここで、比較鋼管L、M、O、Pでは、P
CMと式(1)の値はいずれも発明範囲内となっている
が、化学成分が発明の範囲内にないため、強度、溶接
性、あるいは高温強度が不良となっている。
CMと式(1)の値はいずれも発明範囲内となっている
が、化学成分が発明の範囲内にないため、強度、溶接
性、あるいは高温強度が不良となっている。
【0065】次に、熱間圧延後、種々の冷却条件を適用
して製造した鋼板から製造した鋼管について、同様の試
験を行った。結果を表2に示す。鋼管A−3、B−1〜
J−1は発明鋼管であり、その他は比較鋼管である。
して製造した鋼板から製造した鋼管について、同様の試
験を行った。結果を表2に示す。鋼管A−3、B−1〜
J−1は発明鋼管であり、その他は比較鋼管である。
【0066】
【表2】
【0067】発明鋼管A−3、B−1〜J−1について
は、加工硬化指数(n値)が下限0.10以上となって
おり、良好な耐局部座屈性を示している。
は、加工硬化指数(n値)が下限0.10以上となって
おり、良好な耐局部座屈性を示している。
【0068】比較鋼管A−1は冷却停止温度が上限60
0℃より高く、比較鋼管A−2は冷却速度が下限2℃/
sより低いため、いずれも加工硬化指数が発明範囲
(0.10以上)より小さくなり、良好な耐局部座屈性
が得られていない。
0℃より高く、比較鋼管A−2は冷却速度が下限2℃/
sより低いため、いずれも加工硬化指数が発明範囲
(0.10以上)より小さくなり、良好な耐局部座屈性
が得られていない。
【0069】比較鋼管A−1とA−4は、Mo、Vは発
明の範囲内であるが(表1)、成形時の歪みを含めた冷
間歪み量が下限(5%)未満のため、高温強度が十分で
ない。
明の範囲内であるが(表1)、成形時の歪みを含めた冷
間歪み量が下限(5%)未満のため、高温強度が十分で
ない。
【0070】比較鋼管K−1は、C、Mo、PCM、式
(1)の値が上限を超えており(表1)、加工硬化指数
(n値)も下限未満であるため、この発明の冷却条件で
製造しても耐局部座屈性と溶接性が不良である。比較鋼
管K−2は、さらに成形時の歪みを含めた冷間歪み量が
下限未満であるため、耐局部座屈性と溶接性の他、高温
強度が不良である。
(1)の値が上限を超えており(表1)、加工硬化指数
(n値)も下限未満であるため、この発明の冷却条件で
製造しても耐局部座屈性と溶接性が不良である。比較鋼
管K−2は、さらに成形時の歪みを含めた冷間歪み量が
下限未満であるため、耐局部座屈性と溶接性の他、高温
強度が不良である。
【0071】比較鋼管M−1は、Cが下限未満でVとC
uが上限を超えており(表1)、この発明の冷却条件で
製造しても強度と溶接性が不良である。また、比較鋼管
M−1は、加工硬化指数(n値)は発明の範囲内とな
り、耐局部座屈性は良好であるが、成形時の歪みを含め
た冷間歪み量が下限未満であるため、高温強度が不良で
ある。
uが上限を超えており(表1)、この発明の冷却条件で
製造しても強度と溶接性が不良である。また、比較鋼管
M−1は、加工硬化指数(n値)は発明の範囲内とな
り、耐局部座屈性は良好であるが、成形時の歪みを含め
た冷間歪み量が下限未満であるため、高温強度が不良で
ある。
【0072】比較鋼管P−1は、この発明の冷却条件で
製造しても、Mo、V無添加(表1)のため高温強度が
劣り、MnとTiが過剰のため溶接性が不良である。比
較鋼管P−2は、さらに圧延後の冷却速度が下限未満で
あり、加工硬化指数(n値)が下限未満となったため、
溶接性、高温強度の他、耐局部座屈性が不良である。
製造しても、Mo、V無添加(表1)のため高温強度が
劣り、MnとTiが過剰のため溶接性が不良である。比
較鋼管P−2は、さらに圧延後の冷却速度が下限未満で
あり、加工硬化指数(n値)が下限未満となったため、
溶接性、高温強度の他、耐局部座屈性が不良である。
【0073】さらに、熱間圧延の圧延終了温度を適用し
た鋼板から鋼管を製造し、同様の試験を行った。結果を
表3に示す。鋼管A−7、A−8、B−3は発明鋼管で
あり、その他は比較鋼管である。
た鋼板から鋼管を製造し、同様の試験を行った。結果を
表3に示す。鋼管A−7、A−8、B−3は発明鋼管で
あり、その他は比較鋼管である。
【0074】
【表3】
【0075】発明鋼管A−7、A−8、B−3について
は、加工硬化指数(n値)が0.10以上となってお
り、良好な耐局部座屈性を示している。
は、加工硬化指数(n値)が0.10以上となってお
り、良好な耐局部座屈性を示している。
【0076】比較鋼管A−5とB−2は圧延終了温度が
発明の上限温度より高く、比較鋼管A−6とB−4は逆
に下限温度より低い。そのため、いずれの鋼管も化学成
分は発明の範囲内であるが、加工硬化指数(n値)が発
明範囲(0.10以上)より小さくなり、良好な耐局部
座屈性が得られていない。
発明の上限温度より高く、比較鋼管A−6とB−4は逆
に下限温度より低い。そのため、いずれの鋼管も化学成
分は発明の範囲内であるが、加工硬化指数(n値)が発
明範囲(0.10以上)より小さくなり、良好な耐局部
座屈性が得られていない。
【0077】比較鋼管K−3は、C、Mo、PCM、式
(1)の値が上限を超えており(表1)、圧延終了温度
が発明の上限温度より高く、加工硬化指数(n値)が下
限未満であるため、耐局部座屈性と溶接性が不良であ
る。同じ鋼種で製造した比較鋼管K−4は、この発明の
範囲内の圧延終了温度で製造しているが、耐局部座屈性
と溶接性が不良であることに変わりない。
(1)の値が上限を超えており(表1)、圧延終了温度
が発明の上限温度より高く、加工硬化指数(n値)が下
限未満であるため、耐局部座屈性と溶接性が不良であ
る。同じ鋼種で製造した比較鋼管K−4は、この発明の
範囲内の圧延終了温度で製造しているが、耐局部座屈性
と溶接性が不良であることに変わりない。
【0078】比較鋼管P−3とP−4は、この発明の圧
延終了温度で製造しても、やはりMo、V無添加のため
高温強度が劣り、MnとTiが過剰のため溶接性が不良
である。
延終了温度で製造しても、やはりMo、V無添加のため
高温強度が劣り、MnとTiが過剰のため溶接性が不良
である。
【0079】
【発明の効果】本発明の溶接鋼管を用いることにより、
鋼管に横方向から作用する外力による局部座屈の発生
と、それに起因する脆性的な亀裂や破断の発生を防止で
きるとともに、耐火性の良好な溶接鋼管が得られる。そ
の結果、大地震が発生した際に、鉄骨構造物の柱の破断
による倒壊などの災害を防ぐことができる。
鋼管に横方向から作用する外力による局部座屈の発生
と、それに起因する脆性的な亀裂や破断の発生を防止で
きるとともに、耐火性の良好な溶接鋼管が得られる。そ
の結果、大地震が発生した際に、鉄骨構造物の柱の破断
による倒壊などの災害を防ぐことができる。
【図1】実管曲げ試験における試験体と試験装置の配置
を模式的に示す図である。
を模式的に示す図である。
1 局部座屈の発生した領域 2 局部座屈の発生していない領域 9 試験体(鋼管) 11 曲げ治具(内側) 12 曲げ治具(外側)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/58 C22C 38/58
Claims (3)
- 【請求項1】 熱間圧延された鋼板を材料とする溶接鋼
管であって、その化学成分が、重量%で、C:0.05
〜0.18%、Mn:0.5〜1.6%、Mo:0.0
5〜0.50%、V:0.05〜0.10%を含有する
とともに下記の式で表されるPCMが0.10〜0.2
5であり、下記の不等式を満足し、かつ、管軸方向の引
張試験における加工硬化指数が0.10以上であること
を特徴とする耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管。 PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10
+B×5 C−12/51 ×V−12/48 ×Ti≦0.13 ここで、式中の元素記号は各元素の重量%を示す。 - 【請求項2】 請求項1記載の化学成分の鋼を熱間圧延
し、圧延終了後600℃以下まで2℃/sec以上の冷
却速度で冷却して鋼板を製造し、この鋼板を冷間成形し
て鋼管を製造し、成形時の歪みを含めた冷間歪み量を5
%以上付与することにより、管軸方向の引張試験におけ
る加工硬化指数を0.10以上とすることを特徴とする
耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管の製造方法。 - 【請求項3】 熱間圧延を行う際、圧延終了温度をAr
3+40℃〜Ar3−80℃とすることを特徴とする請求
項2記載の耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24071897A JPH1180877A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24071897A JPH1180877A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1180877A true JPH1180877A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17063678
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24071897A Pending JPH1180877A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 耐震性および耐火性に優れた溶接鋼管とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1180877A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101096992B1 (ko) | 2008-03-27 | 2011-12-20 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 내진성이 우수한 건축 구조용 780㎫급 저항복비 원형 강관 및 그 제조 방법 |
| CN103981441A (zh) * | 2014-05-30 | 2014-08-13 | 武汉钢铁(集团)公司 | 屈服强度≥490MPa建筑用钢及生产方法 |
-
1997
- 1997-09-05 JP JP24071897A patent/JPH1180877A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101096992B1 (ko) | 2008-03-27 | 2011-12-20 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 내진성이 우수한 건축 구조용 780㎫급 저항복비 원형 강관 및 그 제조 방법 |
| CN103981441A (zh) * | 2014-05-30 | 2014-08-13 | 武汉钢铁(集团)公司 | 屈服强度≥490MPa建筑用钢及生产方法 |
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