JPH1180889A - ドラム缶用熱延鋼板およびその製造方法ならびに鋼製高強度ドラム缶 - Google Patents
ドラム缶用熱延鋼板およびその製造方法ならびに鋼製高強度ドラム缶Info
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- JPH1180889A JPH1180889A JP23993797A JP23993797A JPH1180889A JP H1180889 A JPH1180889 A JP H1180889A JP 23993797 A JP23993797 A JP 23993797A JP 23993797 A JP23993797 A JP 23993797A JP H1180889 A JPH1180889 A JP H1180889A
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Abstract
後高強度を有するドラム缶用熱延鋼板およびその製造方
法を提案する。 【解決手段】 重量%で、C:0.10%以下、Si:0.20%
以下、Mn:1.0 %以下、P:0.04%以下、S:0.03%以
下、Al:0.150 %以下とし、とくにN含有量を0.0050〜
0.0200%と多量に添加した組成とする。熱間圧延におけ
る圧延仕上温度:800 ℃以上とし、圧延終了後強制冷却
し、巻取り温度:680 ℃以下で巻取り、熱延板とする。
さらにこの熱延板に調質圧延あるいは酸洗・調質圧延を
施すのが好ましい。上記製造方法により得た熱延鋼板を
胴板、天板および地板のうちの少なくとも1つに用いて
鋼製高強度ドラム缶とする。
Description
り、鋼製ドラム缶用素材として好適な熱延鋼板およびそ
の製造方法に関する。
る。1つはJIS Z 1600に鋼製オープンドラムとして規定
されているオープン型ドラムであり、他の1つはJIS Z
1601に液体用鋼製ドラムとして規定されている密封型ド
ラムである。これらのドラム缶は、天板、地板および胴
板から構成されており、さらに天板には大小各1個の口
金(栓)が設けられている。また、これらドラム缶の容
量は 200リットル〜20リットルまでの、オープン型では
1種〜5種、密封型では1種〜4種に分類されている。
塗料、接着剤、合成樹脂製品等の粘性を有する液体を保
管、運搬する容器として使用されている。一方、密閉型
ドラムは石油製品、化学製品等の各種液体を保管、運搬
する容器として使用されている。オープン型ドラムは、
鋼板を円筒状に曲げ成形しシーム溶接して接合した胴体
と円盤状の地板を巻き締めた容器で、開放された上面に
ガスケットを装着した着脱可能な天板を置き、バンドを
はめボルトまたはレバーを用いて胴体に締めつけて使用
する。一方、密閉型ドラムは、シーム溶接により接合し
た胴体の両端に円盤状の地板および円盤状の天板を巻き
締めて製造される。さらに、これらドラム缶の外面には
化成処理、塗装が、内面には必要により同様に化成処
理、塗装が施されるのが通常である。
合部、巻き締め部の健全性が要求され、JIS 規格には気
密試験(水圧試験)、落下試験、積み重ね試験等を実施
することが規定されている。さらに、実際に使用するに
際し、缶体には種々の応力が、様々な形態で負荷される
ため、これら応力負荷に対し、実用上問題となる変形を
生じないように缶体が高い室温強度を有することが要求
されている。
S G 3131に規定される熱間圧延軟鋼板および鋼帯、ある
いはJIS G 3141に規定される冷間圧延鋼板あるいは鋼帯
とされている。また、使用する鋼板の板厚はドラム缶の
種類、級別に応じ1.6mm 〜0.5mm までの範囲に規定され
ている。例えば、密封型ドラムの容量 200リットルの1
種H級の場合には、胴板、天板、地板とも板厚1.6mm の
鋼板を使用することが決められている。
を重視して、低炭素アルミキルド箱焼鈍材が用いられて
いた。その典型的鋼組成は、0.05〜0.10%C− 0.2〜0.
5 %Mn−〜0.05%Si−0.04〜0.10%Al−0.0015〜0.0030
%Nである。しかしその後、鋼板の製造プロセスが連続
化を志向し、より高生産効率の設備である連続焼鈍設備
による、連続焼鈍材が広範囲に適用されるようになっ
た。連続焼鈍材の鋼組成は上記低炭素アルミキルド箱焼
鈍材とほとんど同一のものが使用されてきた。現在で
は、この低炭素アルミキルド鋼連続焼鈍材が、わが国、
欧米においても主流となっている。ドラム缶用に製造さ
れている素材の引張特性の一例としては板厚1.0〜1.2mm
で降伏応力(YS):23kgf/mm2 、引張強度(TS):35k
gf/mm2 、伸び(EL):42%程度である。また、一部の
板厚の厚いドラム缶材には熱延材も適用されるがその割
合は低い。
ラム缶用素材の板厚を薄くしようとする試みがなされて
きた。しかし、素材の板厚減少に伴う缶体強度を補償す
るためには素材の高強度化を図る必要があった。また、
ドラム缶は1回のみの使用ではなく、一度内容物を入れ
て使用されたのち内部を洗浄して再度あるいは再々度、
平均的には4〜5回繰り返して使用されるのが一般的で
ある。再使用するに当たっては、内面の付着物や外面の
塗装を除去するために、通常、ショットブラスト処理を
行う。このショットブラスト処理により缶体に発生する
変形量が大きい場合には、そのドラム缶は積み重ねがで
きず、再生利用に不適となる。したがって、このショッ
トブラスト処理による缶体の変形量の大小は再生利用を
決定する一つの因子となっている。
このショットブラスト処理による缶体の変形は、単に使
用する鋼板の室温強度のみを増加して防止しうるもので
はないことが新たに判明した。すなわち、ショットブラ
スト処理の前に、缶体を約800 ℃に加熱する焼却処理が
実施される場合があり、その後、缶体が完全に冷却しな
いうちにショットブラスト処理を行う場合が多い。本発
明者らは、上記したショットブラスト処理による缶体の
変形量が少ないことに加えて、高温加熱時の変形や200
〜500 ℃でのショットブラスト処理による変形が少ない
ことが再生利用を決定する重要な因子となっていること
を新たに知見した。このようなことから、缶体が200 ℃
以上における高い高温強度を有することも要求される。
性、溶接性、接合性(巻き締め性)等のドラム缶の製缶
時に素材に要求される特性を全て満足させるのが困難で
あった。例えば、合金元素の固溶による高強度化の方法
や加工硬化、析出硬化による高強度化の方法では、延性
の低下が著しく、成形性や巻き締め性が劣化し、缶体落
下試験での損傷が大きくなる。また、合金元素の固溶、
組織の微細化や低温変態生成物の増加による強化方法
は、溶接部の強度低下や加工性の劣化を生じやすく、割
れ発生などで気密性が低下するなどの問題があり、さら
に鋼板各部における材質の均一性にも問題があった。
例えば特開昭56-77039号公報には、冷間圧延により降伏
点が70〜100kg/mm2 とした未焼鈍の0.4 〜0.9mm 厚冷延
鋼板を缶胴板素材として、缶胴部と天板、地板との接続
に供される加工部のみに熱処理を行い軟質化して成形性
を確保するドラム缶の製造方法が提案されている。しか
しながら、この技術では、 800℃での焼却処理により缶
体が焼鈍されるため、再利用が著しく制御される。さら
に、未焼鈍のため歪が発生したり、熱処理による表面酸
化被膜の生成に加えて、加工部のみを熱処理するため工
程が複雑となり大量生産に適さないなどの問題があり、
実用化するまでに至っていない。
される特性をすべて満足する適切な鋼板の高強度化の方
法がなく、素材の薄肉化は達成できていないのが現状で
ある。なお、ドラム缶用鋼板としては、板厚の均一性が
満足されれば、安価な熱延板を用いたいという要望があ
る。しかし、高強度化すると熱延クラウンを小さくする
ことができないため、高強度熱延鋼板をドラム缶用鋼板
に適用することは困難で、従来は、高強度化にともない
高価な冷延鋼板を使用せざるを得なかった。
題を有利に解決し、従来は素材として冷延鋼板が主流で
あったが、処理工程の少ない熱延鋼板を利用して、薄肉
化が達成でき軽量で低コストで、しかも再生利用回数を
増加できるドラム缶を製造するために、ドラム缶用素材
として、伸び35%以上を有し成形性、溶接性、巻き締め
性に優れかつ製缶後高強度を有するドラム缶用熱延鋼板
およびその製造方法を提案することを目的とする。
課題を解決するために鋼板組成、製造方法について種々
検討した結果、ドラム缶成形時には比較的低強度で、そ
の後の塗装・焼付け工程で顕著な強度上昇が期待できる
鋼板をドラム缶素材として利用すれば、優れた製缶性と
高強度化をともに満足できることに想到し、ドラム缶用
素材として、従来、積極的に利用されていなかった固溶
Nによる強化を利用した鋼板を使用することにより、従
来材と同等の溶接性、溶接部の成形性を示し、しかも製
缶後歪時効硬化により高い缶強度を有するドラム缶とす
ることができることを見いだした。成形後高強度化する
ため、熱延段階での強度上昇を抑えることができ、板厚
の均一性を確保でき、しかも、従来にない高い高温強度
を示すドラム缶となり、缶体を内外から加熱するような
特殊な用途にも使用できる。
利用した鋼板では、延性の低下が著しくドラム缶用素材
としては不適であるという知見も得た。また、熱延後に
形成されるマグネタイトを主体とする酸化鉄相(以下
「黒皮」ともいう)を有効に活用して、内面に塗装等を
施さずに耐食性、耐摩耗性を付与できるという知見も得
た。
たものである。すなわち、本発明は、重量%で、C:0.
10%以下、Si:0.20%以下、Mn:1.0%以下、P:0.04
%以下、S:0.03%以下、Al:0.150 %以下、N:0.00
50〜0.0200%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物
からなることを特徴とするドラム缶用熱延鋼板であり、
黒皮付き熱延鋼板としてもよい。
下、Si:0.20%以下、Mn:1.0 %以下、P:0.04%以
下、S:0.03%以下、Al:0.150 %以下、N:0.0050〜
0.0200%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
なり、かつ前記N含有量のうち、固溶Nとして重量%
で、0.0010%以上含有することを特徴とする伸び35%以
上を有し加工性および焼付け硬化性に優れたドラム缶用
熱延鋼板であり、黒皮付き熱延鋼板としてもよい。
下、Si:0.20%以下、Mn:1.0 %以下、P:0.04%以
下、S:0.03%以下、Al:0.150 %以下、N:0.0050〜
0.0200%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
なる鋼素材に、仕上圧延温度を800 ℃以上とする熱間圧
延加工を施し、熱間圧延加工終了後、2sec 以内に強制
冷却を開始したのち、巻取り温度:680 ℃以下で巻取り
熱延板とすることを特徴とする加工性および焼付け硬化
性に優れた黒皮付きドラム缶用熱延鋼板の製造方法であ
る。また、本発明の製造方法では、前記熱延板に、さら
に調質圧延を施してもよい。また、前記熱延板に酸洗処
理を施し黒皮を除去したのち、調質圧延を施してもよ
い。
板、天板および地板のうちの少なくとも1つに用いたこ
とを特徴とする鋼製高強度ドラム缶である。
限定理由について説明する。 C:0.10%以下 Cは、基地中に固溶し鋼板の強度を増加させるが、0.10
%を超えると炭化物を形成し延性を劣化させるととも
に、溶接部の硬化が顕著になり、ドラム缶製缶時のフラ
ンジ成形工程において割れが多発する。このため、本発
明では成形性の観点からC含有量の上限を0.10%とし
た。なお、さらに成形性の観点からはC含有量は0.01%
以上0.08%以下とするのが好ましい。
冷間圧延性、表面処理性、耐食性が劣化する。このた
め、Si含有量は0.20%以下に限定した。なお、とくに耐
食性が要求される用途に用いる場合にはSi含有量は0.10
%以下に限定するのが好ましい。
量に応じて添加する。また、Mnは結晶粒を微細化する作
用を有しており、Mnの添加は材質上好ましい。しかし、
多量に添加すると、耐食性が劣化する傾向となるうえ、
鋼板を硬質化させ冷間圧延性を劣化させる。さらにMnの
多量添加は溶接性、溶接部の成形性をも劣化させる傾向
となるため、Mn含有量は1.0 %以下に制限した。なお、
良好な耐食性、成形性が要求される場合にはMn含有量は
0.60%以下とするのが好適である。
缶製造時のフランジ加工性やネック加工性を劣化させる
とともに、耐食性を著しく劣化させる。また、Pは鋼中
で偏析する傾向が強く、溶接部の脆化をもたらす。この
ようなことからPは0.04%以下に制限した。なお、好ま
しくは0.02%以下である。
板の延性を減少させ、さらに耐食性を低下させるため、
できるだけ低減するのが好ましいが、0.03%までは許容
できる。なお、良好な加工性が要求される場合には0.01
5 %以下とするのが望ましい。
有用な元素であり、さらに組織を微細化させる作用も有
しており、積極的に添加する。しかし、Al含有量が0.15
%を超えると鋼板表面性状が劣化し、固溶N量が低減す
る。このため、Al含有量は0.15%以下に限定した。な
お、材質の安定という観点からは0.010 〜0.080 %の範
囲が好ましい。
ている。本発明では、所定量の固溶Nを確保し固溶強化
により鋼板の強度を増加させる。このためには、N含有
量は少なくとも0.0050%以上とする必要がある。しか
し、0.0200%を超えて含有すると鋼板の内部欠陥発生率
が増加し、さらに鋳造時の割れ発生が顕著となる。この
ため、N含有量は0.0050〜0.0200%の範囲に限定した。
なお、製造工程全体を考慮し、材質の安定・歩留り向上
という観点からは0.0070〜0.0170%の範囲が好適であ
る。
る溶接性、溶接部の加工性を全く阻害せず、鋼板強度の
増加に有効に寄与する。なお、本発明の範囲内のN含有
量であれば、たとえば、シーム溶接部硬さの顕著な増加
は認められない。残部はFeおよび不可避的不純物からな
るが、不可避的不純物は、Cu:0.2 %以下、Ni:0.2 %
以下、Cr:0.2 %以下、Mo:0.2 %以下、Nb:0.02%以
下、Ti:0.02%以下、B:0.0010%以下の範囲に制限す
るのが好ましい。これら元素が含有されることにより鋼
板強度は増加するが、溶接性、溶接部の加工性および化
成処理性が著しく劣化するため上記範囲に限定するのが
望ましい。
て説明する。上記した組成の溶鋼を転炉、電気炉等通常
公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊法、薄スラ
ブ鋳造法等公知の方法で、凝固させ鋼素材とするのが好
ましい。なかでもマクロ偏析を防止するため連続鋳造法
が好ましい。上記した組成の鋼素材に、熱間圧延を施
す。
を施し熱延板とするのが望ましい。素材の加熱温度は、
とくに限定しないが、材質の安定のため1000〜1300℃の
範囲とするのが好適である。1300℃を超えると結晶粒が
粗大化し、伸び特性が劣化する。また、1000℃未満で
は、変形抵抗が高くなり圧延荷重が増加して圧延が困難
となる。
室温まで冷却しその後上記したように再加熱する方法以
外に、室温まで冷却せず温片のままで加熱炉に装入し加
熱する方法、あるいはわずかの保熱を行ったのち直ちに
圧延する直送圧延、直接圧延などの方法を適用してもな
んら問題はない。熱間圧延の仕上圧延温度を800 ℃以上
とする。
り、均一で微細な熱延板組織が得られ、これにより最終
製品の組織も均一微細化が図れる。さらに、熱延板段階
で固溶Nを安定して確保でき、熱延製品としての機械的
特性も安定する。仕上圧延温度が800 ℃未満では、均一
微細な組織が得られない。一方、仕上圧延温度が1000℃
を超えると、スケールに起因した疵の発生が顕著とな
り、表面の健全性が要求されるドラム缶用としては好ま
しくない。なお、材質の均一性から仕上圧延温度は820
〜920 ℃の範囲が好ましい。
る。圧延終了後、速やかに強制冷却を開始する。強制冷
却開始は、熱延製品の常温強度、高温強度を向上させる
ために、圧延終了後2sec 以内とする。強制冷却は、水
冷あるいはミスト冷却が好ましく、冷却速度として50℃
/s以上が好ましい。圧延後の強制冷却により、圧延歪
により促進され易いAlN の析出を防止することができ、
有効に固溶Nを確保できる下地ができる。さらに、圧延
後の強制冷却により、結晶粒の成長が抑制され熱延板組
織のより微細化が達成される。強度増加、スケール厚み
の安定制御という観点からは強制冷却は熱間圧延終了後
1.5sec以内に開始するのがより好ましい。
度は680 ℃以下とすることにより、熱延板中の固溶Nを
確保し、最終製品で所定量以上(0.0010%以上)の固溶
Nを得ることができる。しかし、巻取り温度が400 ℃未
満となると、熱延板形状が悪化し、さらに鋼板幅方向の
硬度差が大きくなるため、ドラム缶の形状が不均一とな
り、容器としての機能が低下する恐れがある。このた
め、巻取り温度は680 ℃以下好ましくは400 ℃以上とす
るのがよい。
質圧延を施される。熱延板の調質圧延、あるいはスキン
パス圧延は、降伏点伸びを消滅、あるいは軽減し、さら
に鋼板表面粗度の調整および原板の形状均一性の改善
(例えば耳のび、腹のび等の低減)のために実施するの
が好ましい。調質圧延の圧下率は5%以下とするのが好
ましい。圧下率が5%を超えると鋼板の延性が劣化す
る。なお、表面粗度の調整のためには1%以上5%以下
とするのが好ましい。
缶製造に適用するのが好ましい。とくにドラム缶の内面
は無地の状態(無処理の状態)で使用しても表面には緻
密な酸化鉄相が付着しているため耐食性、耐摩耗性は良
好である。缶外面には塗装が施されるが、リン酸亜鉛、
リン酸鉄などの化成処理を行ったのち、あるいは化成処
理を行わずに直接有機樹脂塗装を施してもなんら使用上
の問題はない。これは内面についても同様である。
は言うまでもない。黒皮の除去は、酸洗処理を施し除去
するのが好ましい。 熱延板の酸洗条件はとくに規定す
る必要はなく表面スケールが除去できればよく、通常公
知の方法、例えば、塩酸、硫酸等の酸で表面スケールを
除去できればよい。酸洗によりスケールを除去したのち
調質圧延を施される。
に応じ、表面処理が施される。施される表面処理として
は、錫めっき、クロムめっき、ニッケルめっき、ニッケ
ル・クロムめっき、亜鉛めっき等のめっき、さらにリン
酸亜鉛、リン酸鉄などの化成処理など通常ドラム缶に適
用される表面処理がいずれも好適に適用できるのは言う
までもない。また、これらのめっき後、塗装あるいは有
機樹脂フィルムを貼って製缶してもなんら問題はない。
は、35%以上の高い伸びを示し、さらに、0.0010%以上
の固溶N量を含有している。このような熱延鋼板を用い
て製缶したドラム缶は、従来の鋼板を用いた場合にくら
べ、製缶後に高い常温強度と、高温域(具体的には300
〜800 ℃)での高い高温強度を有するドラム缶となる。
なお、製缶後の缶強度を安定して高強度とするために
は、固溶N量は0.0015〜0.0100%の範囲とするのが好ま
しい。固溶N量の調整は、含有する全N量と熱延条件の
組合せで行うのが好ましい。
全N量から臭素エステルによる溶解による析出N分析法
で得られた析出N量を差し引いたN量をいう。なお、こ
の値が機械的性質の変化と良く一致することは実機実験
で確認している。ドラム缶の製缶を安定して行うために
は缶素材の延性が重要な因子であり、伸び値が35%以上
の鋼板であれば、安定した製缶が可能である。伸び値の
測定は、引張試験により行うが、試験片の採取方向はド
ラム缶成形時に円周方向となる方向とする。
上の時効指数を示す鋼板である。さらに、局部変形に対
する高い抵抗力、高温でのより高い強度を得るためには
好ましくは5kgf/mm2 以上の時効指数を有することが望
ましい。時効指数の調整は、主として固溶N量を調整し
て行うのが望ましい。これにより、本発明の熱延鋼板を
素材として用いることにより、成形工程と少なくとも外
面への塗装−焼付け工程を経たのち、高い常温強度と高
温強度を有するドラム缶が得られる。また、本発明鋼板
は、特に高温の促進時効処理を施さなくても室温におけ
る1日程度の自然時効により十分硬化し、塗装後焼付け
条件の微妙な変動にも鈍感であり、安定した缶体強度が
確保できる。
ら採取した引張試験片に7.5 %の引張予歪を与え除荷
し、100 ℃×60min の時効を行ったのち、再度引張試験
を行い変形応力をもとめ、時効前の変形応力と時効後の
降伏応力の差を時効指数とする。なお、高温強度は、ク
リープ強度を含む300 〜800 ℃の範囲における強度であ
り、測定方法は、通常の高温引張試験で得られた値を用
いる。
れている。本発明の黒皮付き熱延鋼板あるいは黒皮を除
去した熱延鋼板を素材として胴板、天板、地板を加工
し、胴板を曲げ成形し、その両端部をシーム溶接あるい
は他の接合法により接合し缶胴部とし、缶胴部の両端に
地板(および天板)を巻締めにより装着してドラム缶を
形成する。ドラム缶に成形したのち、必要に応じ天板を
巻締める前に内面に塗装−焼付け処理を施す。天板、地
板を巻締めた後、外面塗装を行う。また、天板、地板は
別ラインで処理され組立てられる。本発明の熱延鋼板を
用いたドラム缶では、塗装後の焼き付け処理で、強度が
大きく増加し、従来にはない高い缶強度を示すようにな
る。
連続鋳造法で 260mm厚のスラブ(鋼素材)とした。つい
で、これらスラブを表2に示す条件で熱間圧延を施し、
圧延終了後0.5 〜1.5secで水冷を開始するかあるいは水
冷を行わず、表2に示す温度で巻取り、1.22mm厚の熱延
板とした。ついで、これら熱延板に調質圧延を施して最
終仕上板厚1.20mm厚の熱延鋼板とした。なお、表1中、
D鋼が従来鋼に相当する組成である。
および 600℃における短時間引張強さ)、時効指数を求
めた。なお、時効指数の測定方法は、製品鋼板から採取
した引張試験片に7.5 %の引張予歪を与え除荷し、100
℃×60min の時効を行ったのち、再度引張試験を行い降
伏応力を求め、時効前の変形応力と時効後の降伏応力の
差を時効指数とした。
-4)は、39%以上の伸びを示し、延性の低下を伴うこと
なく常温強度、および 600℃における高温強度が増加し
ている。また、本発明例は時効指数も5kg/mm2以上を有
し、本発明範囲を外れる比較例(No.1-5)にくらべ高い
時効性を有していることがわかる。ついで、これら鋼板
から天板、地板をプレス加工した。胴板を円筒状に曲げ
成形し両端部をシーム溶接して缶胴部とし、缶胴部の両
端に天板、地板を巻き締めにより装着し容量 200リット
ルの密封型ドラムとした。なお、外面にはエポキシ系塗
料で塗装を施し、内面は黒皮のままとし、塗装後焼付け
処理( 170℃)を施した。製缶に際し、製缶時の曲げ加
工性、溶接性等を調査し製缶性とした。
を充填し、1.2mの高さから落下させ漏れおよび変形量を
調査する落下試験を実施した。なお、落下試験における
変形量は、比較例(No.1-5)の変形量を1.00とし、比較
例に対する比で示している。また、再生利用試験とし
て、これらドラム缶に高温加熱(残存内容物の焼却)→
ショットブラスト→冷却する処理を複数回実施した。な
お、ショットブラストはスチールショットを用い、ショ
ット条件は一定とした。各処理を実施後、缶体の変形量
を測定し、その値が再生利用不能と判断される変形量と
なる処理回数を再生利用限界回数として求めた。
す。表2から、本発明例は、製缶性も問題なく、落下試
験において漏れを生じることもなく、さらに落下試験に
おける変形量も比較例にくらべ減少し、缶体の高強度化
が達成されていることがわかる。また、本発明例の再生
利用限界回数は、比較例にくらべ、増加しており、この
ことからも本発明例のドラム缶は缶体強度が増加してい
ることがわかる。
なくても室温における1日程度の自然時効により十分硬
化することも確認されており、塗装後焼付け条件の微妙
な変動にも鈍感であり、安定した缶体強度が確保できる
ことになる。また、本発明鋼板であれば、ほぼ 100℃以
上の温度に 10min程度保持されれば、従来材と同等以上
の缶体強度を示すことが確認された。省エネルギーの観
点から焼付け温度の低温化が志向されているため、本発
明鋼を用いてドラム缶を製作すれば、このような低温焼
付けでも十分に高い缶体強度を有するドラム缶となる。 (実施例2)0.041 wt%C−0.005wt %Si−0.15wt%Mn
−0.009wt %P−0.005wt %S−0.039wt %Alを基本組
成としてN含有量を表3に示すように0.0020〜0.0142wt
%の範囲で変化した鋼素材(スラブ)を用い、表3に示
す条件で熱間圧延を施し、圧延終了後水冷し、表3に示
す温度で巻取り熱延板とした。製品板での固溶N量を変
化させるため、熱延加熱条件、圧延仕上条件を変化させ
て熱延板とした。ついで、これら熱延板に調質圧延を施
し最終仕上板厚 0.8mm厚の熱延鋼板とした。
胴板を曲げ成形し両端部をシーム溶接して缶胴部とし、
缶胴部の両端に天板、地板を巻き締めにより装着し容量
200lの密封型ドラムとした。なお、外面にはメラミン系
樹脂塗装を施し、塗装後焼付け処理( 200℃)を施し
た。内面は黒皮のままとした。これらドラム缶につい
て、常温(30℃)および300 ℃で、ドラム缶外部から、
円周方向の圧縮応力となるように集中荷重を負荷して、
その際生じる缶体の変形量を測定した。その結果を表3
に示す。
明例No.2-1〜No.2-7)では、荷重負荷により生じる変形
量は、高温および常温とも著しく減少することがわか
る。なお、ドラム缶内部の圧力を高くした場合の缶体の
変形量についても、測定した。外部からの圧縮応力負荷
に比べ大きな相違はみられないが、本発明例のドラム缶
の変形量が比較例の変形量にくらべ少ない傾向は同様に
確認できた。
らに固溶N量を0.0010wt%以上含む本発明の熱延鋼板を
ドラム缶素材として、缶を製造すれば、製缶性の低下も
なく、常温および高温の缶体強度の増加が図れ、その結
果再生利用回数の増加が期待できる。ここでは、容量 2
00リットルの密封型ドラムについてのみ説明したが、さ
らに小容量のドラム缶に対して適用しても同様な効果が
あることはいうまでもない。 (実施例3)表4に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、
連続鋳造法で 200mm厚のスラブ(鋼素材)とした。つい
で、これらスラブを表5に示す条件で熱間圧延を施し、
圧延終了後 0.5〜1.5secで水冷を開始し、表5に示す温
度で巻取り、1.22mm厚の熱延板とした。ついで、これら
熱延板に酸洗処理および調質圧延を施して最終仕上板厚
1.2mm 厚の黒皮なし熱延鋼板とした。
に引張特性、時効指数を求めた。その結果を表5に示
す。
-2)は、35%以上の伸びを示し、延性の低下を伴うこと
なく常温強度、および 450℃における高温強度が増加し
ている。また、本発明例は時効指数も5kg/mm2以上を有
し、本発明範囲を外れる比較例(No.1-5)(表2参照)
にくらべ高い時効性を有していることがわかる。つい
で、これら鋼板から天板、地板を加工し、胴板を曲げ成
形し両端部をシーム溶接して缶胴部とし、缶胴部の両端
に天板、地板を巻き締めにより装着し容量200lの密封型
ドラムとした。なお、外面にはメラミン系樹脂塗装を施
し、内面は黒皮のままとし、塗装後焼付け処理( 180
℃)を施した。製缶に際し、製缶時の曲げ加工性、溶接
性等を調査し製缶性とした。また、これらドラム缶につ
いて、実施例1と同様に落下試験を実施した。なお、落
下試験における変形量は、実施例1で示した比較例(N
o.1-5)の変形量を1.00とし、比較例に対する比で示し
ている。また、実施例1と同様に再生利用試験を実施し
た。
す。表5から、本発明例は、製缶性も問題なく、落下試
験において漏れを生じることもなく、さらに落下試験に
おける変形量も比較例にくらべ減少し、缶体の高強度化
が達成されていることがわかる。また、本発明例の再生
利用限界回数は、比較例にくらべ、増加しており、この
ことからも本発明例のドラム缶は缶体強度が増加してい
ることがわかる。
となく、ドラム缶の強度増加が達成でき、内容物に対す
る信頼性が向上し、さらに再生利用回数の大幅な増加が
見込めなど産業上格段の効果が期待できる。さらに、鋼
板の薄肉化が達成でき、製缶コストの低減にも寄与でき
るという効果もある。
Claims (7)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.10%以下、 Si:0.20%以下、 Mn:1.0 %以下、 P:0.04%以下、 S:0.03%以下、 Al:0.150 %以下、 N:0.0050〜0.0200% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなること
を特徴とするドラム缶用熱延鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、 C:0.10%以下、 Si:0.20%以下、 Mn:1.0 %以下、 P:0.04%以下、 S:0.03%以下、 Al:0.150 %以下、 N:0.0050〜0.0200% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、か
つ前記N含有量のうち、固溶Nとして重量%で、0.0010
%以上含有することを特徴とする伸び35%以上を有し加
工性および焼付け硬化性に優れたドラム缶用熱延鋼板。 - 【請求項3】 前記熱延鋼板が黒皮付き熱延鋼板である
請求項1または2に記載のドラム缶用熱延鋼板。 - 【請求項4】 重量%で、 C:0.10%以下、 Si:0.20%以下、 Mn:1.0 %以下、 P:0.04%以下、 S:0.03%以下、 Al:0.150 %以下、 N:0.0050〜0.0200% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素
材に、仕上圧延温度を800 ℃以上とする熱間圧延加工を
施し、熱間圧延終了後2sec 以内に強制冷却を開始し、
巻取り温度:680 ℃以下で巻取り熱延板とすることを特
徴とする加工性および焼付け硬化性に優れたドラム缶用
熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 前記熱延板に、さらに調質圧延を施すこ
とを特徴とする請求項4に記載のドラム缶用熱延鋼板の
製造方法。 - 【請求項6】 前記熱延板にさらに酸洗処理を施したの
ち、調質圧延を施すことを特徴とする請求項4に記載の
ドラム缶用熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱
延鋼板を胴板、天板および地板のうちの少なくとも1つ
に用いたことを特徴とする鋼製高強度ドラム缶。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23993797A JP3727150B2 (ja) | 1997-09-04 | 1997-09-04 | ドラム缶用熱延鋼板およびその製造方法ならびに鋼製高強度ドラム缶 |
| CNB021085110A CN1162566C (zh) | 1997-09-04 | 1998-09-03 | 桶用钢板的制造方法 |
| CA 2270916 CA2270916A1 (en) | 1997-09-04 | 1998-09-03 | Steel plates for drum cans, method of manufacturing the same, and drum can |
| KR1019997003932A KR20000068896A (ko) | 1997-09-04 | 1998-09-03 | 드럼통용 강판, 그의 제조방법 및 드럼통 |
| PCT/JP1998/003956 WO1999011835A1 (fr) | 1997-09-04 | 1998-09-03 | Plaques d'acier pour futs, procede de fabrication et fut |
| EP98941704A EP0943696A4 (en) | 1997-09-04 | 1998-09-03 | STEEL PLATES FOR DRUMS, MANUFACTURING METHOD AND DRUM |
| CN98801678A CN1092714C (zh) | 1997-09-04 | 1998-09-03 | 桶用钢板及其制造方法和桶 |
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|---|---|---|---|
| JP23993797A JP3727150B2 (ja) | 1997-09-04 | 1997-09-04 | ドラム缶用熱延鋼板およびその製造方法ならびに鋼製高強度ドラム缶 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1180889A true JPH1180889A (ja) | 1999-03-26 |
| JP3727150B2 JP3727150B2 (ja) | 2005-12-14 |
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| Country | Link |
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001279379A (ja) * | 2000-01-28 | 2001-10-10 | Kawasaki Steel Corp | 薄物熱延鋼板およびその製造方法 |
| JP2008208399A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Jfe Steel Kk | ドラム缶用薄肉冷延鋼板およびその製造方法 |
| JP2009174055A (ja) * | 1999-08-04 | 2009-08-06 | Jfe Steel Corp | 高強度極薄冷延鋼板用母板およびその製造方法 |
| JP2017214619A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | Jfeスチール株式会社 | 容器用鋼板 |
-
1997
- 1997-09-04 JP JP23993797A patent/JP3727150B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009174055A (ja) * | 1999-08-04 | 2009-08-06 | Jfe Steel Corp | 高強度極薄冷延鋼板用母板およびその製造方法 |
| JP2001279379A (ja) * | 2000-01-28 | 2001-10-10 | Kawasaki Steel Corp | 薄物熱延鋼板およびその製造方法 |
| JP2008208399A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Jfe Steel Kk | ドラム缶用薄肉冷延鋼板およびその製造方法 |
| JP2017214619A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | Jfeスチール株式会社 | 容器用鋼板 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3727150B2 (ja) | 2005-12-14 |
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