JPH1181976A5 - - Google Patents
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- JPH1181976A5 JPH1181976A5 JP1997238646A JP23864697A JPH1181976A5 JP H1181976 A5 JPH1181976 A5 JP H1181976A5 JP 1997238646 A JP1997238646 A JP 1997238646A JP 23864697 A JP23864697 A JP 23864697A JP H1181976 A5 JPH1181976 A5 JP H1181976A5
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Description
【発明の名称】自動車用排気マフラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンの排気管(1)に連なり周壁に多数の透孔(6)を有するインナパイプ(5)と、このインナパイプ(5)の外周に消音室(7)を画成するアウタシェル(8)とを備えて、自動車(A)の床下に設置される、自動車用排気マフラにおいて、
前記消音室(7)を、周壁に多数の透孔(16)を有して前記インナパイプ(5)を囲繞する仕切り筒(9)により、この仕切り筒(9)の内側を占めて吸音材を持たない空洞の膨張室(7a)と、この仕切り筒(9)の外側を占めて吸音材(19)が充填される吸音室(7b)とに区画し、前記仕切り筒(9)の外周面には金属ウール層(18)を纏設し,前記アウタシェル(8)の筒体(10)を、その横断面が長軸(X)を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、前記インナパイプ(5)の軸線(S)を前記長軸(X)の下方に配置し,前記仕切り筒(9)の周壁には、その下部(9a)を除いて透孔(16)を設けたことを特徴とする、自動車用排気マフラ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用排気マフラに関し、特に、エンジンの排気管に連なり周壁に多数の透孔を有するインナパイプと、このインナパイプの外周に消音室を画成するアウタシェルとを備えて、自動車の床下に設置される排気マフラの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる自動車用排気マフラにおいて、アウタシェル内に、周壁に多数の透孔を有してインナパイプを囲繞する仕切り筒を配設し、インナパイプの外周面に金属ウールを巻き付けてながら仕切り筒の内側を空洞の膨張室となし、仕切り筒の外側を、吸音材を充填した吸音室となしたものが知られている(例えば、特開平8−144735号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の排気マフラでは、空洞の膨張室が低、中周波数の排気音の減衰に寄与し、吸音材を充填した吸音室が中、高周波数の排気音の吸収に寄与するようになっており、また金属ウールにより排ガスの高熱を遮断して、その高熱による吸音材の劣化を防ぐようにな
っている。
【0004】
ところで、膨張室は、その空洞容積が大きい程、低、中周波数の排気音の減衰効果を高めることができるところ、従来の排気マフラでは、インナパイプの外周面に金属ウールを纏設しているため、その金属ウールが膨張室の空洞容積を削減してしまい、その低、中周波数減衰性能を低下させることになる。そこで空洞容積を十分に取ろうとすれば、必然的にアウタシェルの大型化を招かざるを得なくなる。
【0005】
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、アウタシェルの大型化を招くことなく、低周波数から高周波数の排気音を効果的に減衰、吸収し得る、前記自動車用排気マフラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンの排気管に連なり周壁に多数の透孔を有するインナパイプと、このインナパイプの外周に消音室を画成するアウタシェルとを備えて、自動車の床下に設置される、自動車用排気マフラにおいて、前記消音室を、周壁に多数の透孔を有して前記インナパイプを囲繞する仕切り筒により、この仕切り筒の内側を占めて吸音材を持たない空洞の膨張室と、この仕切り筒の外側を占めて吸音材が充填される吸音室とに区画し、前記仕切り筒の外周面には金属ウール層を纏設し,前記アウタシェルの筒体を、その横断面が長軸を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、前記インナパイプの軸線を前記長軸の下方に配置し,前記仕切り筒の周壁には、その下部を除いて透孔を設けたことを特徴とする。
【0007】
この特徴によれば、膨張室は、吸音材を持たない大容積の空洞部となっているから、インナパイプから仕切り筒に移行した排ガスの膨張効果が大きく、低、中周波数の排気音を効果的に減衰させると共に、排気温度をも大幅に下げることができる。次いで、膨張室の圧力は、吸音室に移行して、金属ウール層及び吸音材により、主として中、高周波数の排気音が吸収される。この場合、金属ウール層は、吸音室に進入した排ガスが吸音材に直接接することを防止して、吸音材を排ガスの熱害から保護するものであるが、排ガスは膨張室で既に充分、温度降下しているから、その吸音材の保護のためには、高価な金属ウール層は比較的薄いもので足り、コスト低減に寄与することになる。しかも、金属ウール層は、吸音材と協働して中、高周波数の排気音を吸収するので、金属ウール層のために吸音室を特別、大容積に形成する必要もなく、アウタシェルの大型化を回避することができる。
【0008】
またアウタシェルの筒体を、その横断面が長軸を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、インナパイプの軸線を前記長軸の下部に配置したことで,自動車の床板に、排気管及び排気マフラを収容する凹部を形成する際、その凹部を極力浅くしながら、排気マフラの地上高を充分に確保することができる。
【0009】
さらに仕切り筒の周壁には、その下部を除いて透孔を設けたので,インナパイプが仕切り筒の下部に近接しても、インナパイプの下部の透孔から噴出した排ガスは、透孔の無い仕切り筒の下部に妨げられて、吸音室に直接進入することはなく、したがって、高圧の排ガスが吸音室の金属ウール層及び吸音材に作用して、それらを飛散させることを防ぐことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0011】
先ず図1において、自動車AのエンジンルームEに設置されるエンジンの排気マニホールドMには、車体の床下に吊持される排気管1が接続され、この排気管1には、上流側、即ち排気マニホールドM側から排気浄化用1次触媒コンバータ21 、排気浄化用2次触媒コンバータ22 、1次排気マフラ31 及び2次排気マフラ32 が順次介裝される。この実施例の場合、1次排気マフラ31 に本発明が次のように適用される。
【0012】
図2ないし図4に示すように、1次排気マフラ31 は、周壁に多数に透孔6を有するインナパイプ5と、このインナパイプ5を囲繞してそれとの間に消音室7を画成するアウタシェル8と、インナパイプ5を囲繞して上記消音室7を内側の膨張室7aと外側の吸音室7bとに区画する仕切り筒9とを備えており、インナパイプ5の両端に、前記排気管1の上流部分1aと下流部分1bとが溶接によりそれぞれ接続される。
【0013】
アウタシェル8は、横断面が長軸Xを水平方向へ向けた楕円形の外筒10と、この外筒10の両端にかしめ結合されると共に、インナパイプ5の外周面に溶接される一対の端板11とから構成され、これら端板11には、外方へ隆起する補強リブ12(図1及び図5参照)が形成される。インナパイプ5は、その軸線Sが前記長軸Xの下方にくるように配置される。
【0014】
また仕切り筒9は、横断面円形の筒体14と、この筒体14の両端とインナパイプ5の外周面とを連結する一対の無孔の小端板15とから構成され、その筒体14には、その下部14aを除いて多数の透孔16が設けられる。図示例の場合、筒体14の、透孔16の無い下部9aの範囲は、インナパイプ5の軸線Sを含む水平面より下方にくる部分である。尚、仕切り筒9を、鋼板を丸め、その両端を突き合わせ溶接して構成する場合には、その両端突き合わせ部を上記透孔16の無い下部9aの範囲に配置すれば、その溶接を容易、確実に行うことができる。
【0015】
また小端板15には、その内方へ隆起した補強リブ13(図4及び図5参照)が形成される。
【0016】
筒体14の外周面には、耐熱性の金属ウール層、例えばステンレスウール層18が纏設される。
【0017】
而して、膨張室7aは、消音材を全く持たない空洞部とされ、一方、吸音室7bには、吸音材としてもグラスウール19がステンレスウール層18を囲むようにして充填され、またアウタシェル8の端板11及び仕切り筒9の小端板15間には板状グラスウール20が充填される。その際、グラスウール19及び板状グラスウール20は、それらの端面に前記端板11及び小端板15の各補強リブ12,13が食い込むことにより、それぞれ定位置に保持される。
【0018】
この実施例の作用について説明する。
【0019】
図4に示すように、自動車Aの床板Afには、それにより吊持される排気管1及びそれに連なる1次排気マフラ31 その他の付属機器21 ,22 ,32 を収容する凹部21,22が設けられる。その際、1次排気マフラ31 のアウタシェル8は、水平方向へ長軸Xを向けた楕円形をなしているから、これを収容する床板Afの凹部21は比較的浅くすることができる。また、排気管1に連なるインナパイプ5の軸線Sが上記長軸Xの下方に配置されるので、排気管1を収容する床板Afの凹部22は、より浅くすることができる。かくして、床板Afの凹部21,22を極力浅くしながら、1次排気マフラ31 の地上高を充分に確保することができる。
【0020】
エンジンから排気管1に排出される高温、高圧の排ガスがインナパイプ5内に到来すると、その圧力がインナパイプ5の多数の透孔6を経て膨張室7aに移行して、排ガスの急激な膨張による圧力降下により、主として低、中周波数の排気音が減衰する。特に、膨張室7aは、吸音材を全く持たない大容積の空洞部となっているから、排ガスの膨張効果が大きく、低、中周波数の排気音を効果的に減衰させることができる。同時に、排気温度をも大幅に下げることができる。
【0021】
次いで、膨張室7aの圧力は、仕切り筒9の多数の透孔16を経て吸音室7bに移行し、ステンレスウール層18及びグラスウール19により、主として中、高周波数の排気音が吸収される。この場合、ステンレスウール層18は、吸音室7bに進入した排ガスがグラスウール19に直接接することを防止して、グラスウール19を排ガスの熱害から保護するものであるが、上述のように、排ガスは膨張室7aで既に温度降下しているから、比較的薄いステンレスウール層18をもってしても、グラスウール19に対する熱害を防ぐことができ、また高価なステンレスウール層18が薄いもので足りることは、コスト低減にも寄与することになる。しかも、ステンレスウール層18は、グラスウール19と協働して中、高周波数の排気音を吸収するので、ステンレスウール層18のために吸音室7bを特別、大容積に形成する必要もなく、アウタシェル8の大型化を回避することができる。
【0022】
ところで、前述のように、床板Afの凹部21,22を極力浅くしながら、1次排気マフラ31 の地上高を充分に確保するため、インナパイプ5の軸線Sが楕円形のアウタシェ
ル8の長軸Xの下方に配置されると、インナパイプ5が仕切り筒9の下部に近接することになることから、インナパイプ5の下部の透孔16から噴出した排ガスは、殆ど減圧されずに仕切り筒9の下部9aに強く当たるが、その仕切り筒9の下部9aには透孔16が設けられていないから、インナパイプ5の下部の透孔6から噴出した排ガスは、透孔16の無い仕切り筒9の下部9aに妨げられて、吸音室7bに直接進入することはなく、膨張室7aで減圧してから吸音室7bに移行することになる。したがって、高圧の排ガスが吸音室7bのステンレスウール層18及びグラスウール19に作用して、それらを飛散させることを防ぐことができる。
【0023】
また、アウタシェル8の端板11と仕切り筒9の小端板15との間には、板状グラスウール22が介裝されるので、小端板15からの放射音をこのグラスウール19により吸収することができる。
【0024】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、仕切り筒9の小端板15にも透孔16を設けることができる。また、本発明は2次排気マフラ32 にも適用が可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エンジンの排気管に連なり周壁に多数の透孔を有するインナパイプと、このインナパイプの外周に消音室を画成するアウタシェルとを備えて、自動車の床下に設置される、自動車用排気マフラにおいて、前記消音室を、周壁に多数の透孔を有して前記インナパイプを囲繞する仕切り筒により、この仕切り筒の内側を占めて吸音材を持たない空洞の膨張室と、この仕切り筒の外側を占めて吸音材が充填される吸音室とに区画し、前記仕切り筒の外周面には金属ウール層を纏設し,前記アウタシェルの筒体を、その横断面が長軸を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、前記インナパイプの軸線を前記長軸の下方に配置し,前記仕切り筒の周壁には、その下部を除いて透孔を設けたので、吸音材を持たない大容積の膨張室では、排ガスの膨張効果が大きく、低、中周波数の排気音を効果的に減衰させると共に、排気温度をも大幅に下げることができる。また吸音室では、金属ウール層及び吸音材により、主として中、高周波数の排気音を吸収すると共に、金属ウール層により、排ガスの吸音材に対する熱害を防ぐことができる。その際、排ガスは膨張室で既に充分、温度降下しているから、高価な金属ウール層は比較的薄いもので足り、コスト低減に寄与することになる。しかも、金属ウール層は、吸音材と協働して中、高周波数の排気音を吸収するので、金属ウール層のために吸音室を特別、大容積に形成する必要もなく、アウタシェルの大型化を回避することができ、コンパクトで消音性能の高い自動車用排気マフラを提供することができる。
【0026】
またアウタシェルの筒体を、その横断面が長軸を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、インナパイプの軸線を前記長軸の下部に配置したことで,自動車の床板に、排気管及び排気マフラを収容する凹部を形成する際、その凹部を極力浅くしながら、排気マフラの地上高を充分に確保することができる。
【0027】
さらに仕切り筒の周壁には、その下部を除いて透孔を設けたので,インナパイプが仕切り筒の下部に近接しても、インナパイプの下部の透孔から噴出した排ガスは、透孔の無い仕切り筒の下部に妨げられて、吸音室に直接進入することはなく、したがって、高圧の排ガスが吸音室の金属ウール層及び吸音材に作用して、それらを飛散させることを防ぐことができ、それらの耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気マフラを備えた自動車用エンジンの排気系の斜視図。
【図2】図1の2−2線拡大断面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図3の4−4線拡大断面図。
【図5】図2の5−5線断面図。
【符号の説明】
A・・・・・自動車
1・・・・・排気管
31 ・・・・排気マフラとしての1次排気マフラ
5・・・・・インナパイプ
6・・・・・インナパイプの透孔
9・・・・・仕切り筒
16・・・・仕切り筒の透孔
18・・・・金属ウール層としてのステンレスウール層
19・・・・吸音材としてのグラスウール
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンの排気管(1)に連なり周壁に多数の透孔(6)を有するインナパイプ(5)と、このインナパイプ(5)の外周に消音室(7)を画成するアウタシェル(8)とを備えて、自動車(A)の床下に設置される、自動車用排気マフラにおいて、
前記消音室(7)を、周壁に多数の透孔(16)を有して前記インナパイプ(5)を囲繞する仕切り筒(9)により、この仕切り筒(9)の内側を占めて吸音材を持たない空洞の膨張室(7a)と、この仕切り筒(9)の外側を占めて吸音材(19)が充填される吸音室(7b)とに区画し、前記仕切り筒(9)の外周面には金属ウール層(18)を纏設し,前記アウタシェル(8)の筒体(10)を、その横断面が長軸(X)を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、前記インナパイプ(5)の軸線(S)を前記長軸(X)の下方に配置し,前記仕切り筒(9)の周壁には、その下部(9a)を除いて透孔(16)を設けたことを特徴とする、自動車用排気マフラ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用排気マフラに関し、特に、エンジンの排気管に連なり周壁に多数の透孔を有するインナパイプと、このインナパイプの外周に消音室を画成するアウタシェルとを備えて、自動車の床下に設置される排気マフラの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる自動車用排気マフラにおいて、アウタシェル内に、周壁に多数の透孔を有してインナパイプを囲繞する仕切り筒を配設し、インナパイプの外周面に金属ウールを巻き付けてながら仕切り筒の内側を空洞の膨張室となし、仕切り筒の外側を、吸音材を充填した吸音室となしたものが知られている(例えば、特開平8−144735号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の排気マフラでは、空洞の膨張室が低、中周波数の排気音の減衰に寄与し、吸音材を充填した吸音室が中、高周波数の排気音の吸収に寄与するようになっており、また金属ウールにより排ガスの高熱を遮断して、その高熱による吸音材の劣化を防ぐようにな
っている。
【0004】
ところで、膨張室は、その空洞容積が大きい程、低、中周波数の排気音の減衰効果を高めることができるところ、従来の排気マフラでは、インナパイプの外周面に金属ウールを纏設しているため、その金属ウールが膨張室の空洞容積を削減してしまい、その低、中周波数減衰性能を低下させることになる。そこで空洞容積を十分に取ろうとすれば、必然的にアウタシェルの大型化を招かざるを得なくなる。
【0005】
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、アウタシェルの大型化を招くことなく、低周波数から高周波数の排気音を効果的に減衰、吸収し得る、前記自動車用排気マフラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンの排気管に連なり周壁に多数の透孔を有するインナパイプと、このインナパイプの外周に消音室を画成するアウタシェルとを備えて、自動車の床下に設置される、自動車用排気マフラにおいて、前記消音室を、周壁に多数の透孔を有して前記インナパイプを囲繞する仕切り筒により、この仕切り筒の内側を占めて吸音材を持たない空洞の膨張室と、この仕切り筒の外側を占めて吸音材が充填される吸音室とに区画し、前記仕切り筒の外周面には金属ウール層を纏設し,前記アウタシェルの筒体を、その横断面が長軸を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、前記インナパイプの軸線を前記長軸の下方に配置し,前記仕切り筒の周壁には、その下部を除いて透孔を設けたことを特徴とする。
【0007】
この特徴によれば、膨張室は、吸音材を持たない大容積の空洞部となっているから、インナパイプから仕切り筒に移行した排ガスの膨張効果が大きく、低、中周波数の排気音を効果的に減衰させると共に、排気温度をも大幅に下げることができる。次いで、膨張室の圧力は、吸音室に移行して、金属ウール層及び吸音材により、主として中、高周波数の排気音が吸収される。この場合、金属ウール層は、吸音室に進入した排ガスが吸音材に直接接することを防止して、吸音材を排ガスの熱害から保護するものであるが、排ガスは膨張室で既に充分、温度降下しているから、その吸音材の保護のためには、高価な金属ウール層は比較的薄いもので足り、コスト低減に寄与することになる。しかも、金属ウール層は、吸音材と協働して中、高周波数の排気音を吸収するので、金属ウール層のために吸音室を特別、大容積に形成する必要もなく、アウタシェルの大型化を回避することができる。
【0008】
またアウタシェルの筒体を、その横断面が長軸を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、インナパイプの軸線を前記長軸の下部に配置したことで,自動車の床板に、排気管及び排気マフラを収容する凹部を形成する際、その凹部を極力浅くしながら、排気マフラの地上高を充分に確保することができる。
【0009】
さらに仕切り筒の周壁には、その下部を除いて透孔を設けたので,インナパイプが仕切り筒の下部に近接しても、インナパイプの下部の透孔から噴出した排ガスは、透孔の無い仕切り筒の下部に妨げられて、吸音室に直接進入することはなく、したがって、高圧の排ガスが吸音室の金属ウール層及び吸音材に作用して、それらを飛散させることを防ぐことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0011】
先ず図1において、自動車AのエンジンルームEに設置されるエンジンの排気マニホールドMには、車体の床下に吊持される排気管1が接続され、この排気管1には、上流側、即ち排気マニホールドM側から排気浄化用1次触媒コンバータ21 、排気浄化用2次触媒コンバータ22 、1次排気マフラ31 及び2次排気マフラ32 が順次介裝される。この実施例の場合、1次排気マフラ31 に本発明が次のように適用される。
【0012】
図2ないし図4に示すように、1次排気マフラ31 は、周壁に多数に透孔6を有するインナパイプ5と、このインナパイプ5を囲繞してそれとの間に消音室7を画成するアウタシェル8と、インナパイプ5を囲繞して上記消音室7を内側の膨張室7aと外側の吸音室7bとに区画する仕切り筒9とを備えており、インナパイプ5の両端に、前記排気管1の上流部分1aと下流部分1bとが溶接によりそれぞれ接続される。
【0013】
アウタシェル8は、横断面が長軸Xを水平方向へ向けた楕円形の外筒10と、この外筒10の両端にかしめ結合されると共に、インナパイプ5の外周面に溶接される一対の端板11とから構成され、これら端板11には、外方へ隆起する補強リブ12(図1及び図5参照)が形成される。インナパイプ5は、その軸線Sが前記長軸Xの下方にくるように配置される。
【0014】
また仕切り筒9は、横断面円形の筒体14と、この筒体14の両端とインナパイプ5の外周面とを連結する一対の無孔の小端板15とから構成され、その筒体14には、その下部14aを除いて多数の透孔16が設けられる。図示例の場合、筒体14の、透孔16の無い下部9aの範囲は、インナパイプ5の軸線Sを含む水平面より下方にくる部分である。尚、仕切り筒9を、鋼板を丸め、その両端を突き合わせ溶接して構成する場合には、その両端突き合わせ部を上記透孔16の無い下部9aの範囲に配置すれば、その溶接を容易、確実に行うことができる。
【0015】
また小端板15には、その内方へ隆起した補強リブ13(図4及び図5参照)が形成される。
【0016】
筒体14の外周面には、耐熱性の金属ウール層、例えばステンレスウール層18が纏設される。
【0017】
而して、膨張室7aは、消音材を全く持たない空洞部とされ、一方、吸音室7bには、吸音材としてもグラスウール19がステンレスウール層18を囲むようにして充填され、またアウタシェル8の端板11及び仕切り筒9の小端板15間には板状グラスウール20が充填される。その際、グラスウール19及び板状グラスウール20は、それらの端面に前記端板11及び小端板15の各補強リブ12,13が食い込むことにより、それぞれ定位置に保持される。
【0018】
この実施例の作用について説明する。
【0019】
図4に示すように、自動車Aの床板Afには、それにより吊持される排気管1及びそれに連なる1次排気マフラ31 その他の付属機器21 ,22 ,32 を収容する凹部21,22が設けられる。その際、1次排気マフラ31 のアウタシェル8は、水平方向へ長軸Xを向けた楕円形をなしているから、これを収容する床板Afの凹部21は比較的浅くすることができる。また、排気管1に連なるインナパイプ5の軸線Sが上記長軸Xの下方に配置されるので、排気管1を収容する床板Afの凹部22は、より浅くすることができる。かくして、床板Afの凹部21,22を極力浅くしながら、1次排気マフラ31 の地上高を充分に確保することができる。
【0020】
エンジンから排気管1に排出される高温、高圧の排ガスがインナパイプ5内に到来すると、その圧力がインナパイプ5の多数の透孔6を経て膨張室7aに移行して、排ガスの急激な膨張による圧力降下により、主として低、中周波数の排気音が減衰する。特に、膨張室7aは、吸音材を全く持たない大容積の空洞部となっているから、排ガスの膨張効果が大きく、低、中周波数の排気音を効果的に減衰させることができる。同時に、排気温度をも大幅に下げることができる。
【0021】
次いで、膨張室7aの圧力は、仕切り筒9の多数の透孔16を経て吸音室7bに移行し、ステンレスウール層18及びグラスウール19により、主として中、高周波数の排気音が吸収される。この場合、ステンレスウール層18は、吸音室7bに進入した排ガスがグラスウール19に直接接することを防止して、グラスウール19を排ガスの熱害から保護するものであるが、上述のように、排ガスは膨張室7aで既に温度降下しているから、比較的薄いステンレスウール層18をもってしても、グラスウール19に対する熱害を防ぐことができ、また高価なステンレスウール層18が薄いもので足りることは、コスト低減にも寄与することになる。しかも、ステンレスウール層18は、グラスウール19と協働して中、高周波数の排気音を吸収するので、ステンレスウール層18のために吸音室7bを特別、大容積に形成する必要もなく、アウタシェル8の大型化を回避することができる。
【0022】
ところで、前述のように、床板Afの凹部21,22を極力浅くしながら、1次排気マフラ31 の地上高を充分に確保するため、インナパイプ5の軸線Sが楕円形のアウタシェ
ル8の長軸Xの下方に配置されると、インナパイプ5が仕切り筒9の下部に近接することになることから、インナパイプ5の下部の透孔16から噴出した排ガスは、殆ど減圧されずに仕切り筒9の下部9aに強く当たるが、その仕切り筒9の下部9aには透孔16が設けられていないから、インナパイプ5の下部の透孔6から噴出した排ガスは、透孔16の無い仕切り筒9の下部9aに妨げられて、吸音室7bに直接進入することはなく、膨張室7aで減圧してから吸音室7bに移行することになる。したがって、高圧の排ガスが吸音室7bのステンレスウール層18及びグラスウール19に作用して、それらを飛散させることを防ぐことができる。
【0023】
また、アウタシェル8の端板11と仕切り筒9の小端板15との間には、板状グラスウール22が介裝されるので、小端板15からの放射音をこのグラスウール19により吸収することができる。
【0024】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、仕切り筒9の小端板15にも透孔16を設けることができる。また、本発明は2次排気マフラ32 にも適用が可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エンジンの排気管に連なり周壁に多数の透孔を有するインナパイプと、このインナパイプの外周に消音室を画成するアウタシェルとを備えて、自動車の床下に設置される、自動車用排気マフラにおいて、前記消音室を、周壁に多数の透孔を有して前記インナパイプを囲繞する仕切り筒により、この仕切り筒の内側を占めて吸音材を持たない空洞の膨張室と、この仕切り筒の外側を占めて吸音材が充填される吸音室とに区画し、前記仕切り筒の外周面には金属ウール層を纏設し,前記アウタシェルの筒体を、その横断面が長軸を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、前記インナパイプの軸線を前記長軸の下方に配置し,前記仕切り筒の周壁には、その下部を除いて透孔を設けたので、吸音材を持たない大容積の膨張室では、排ガスの膨張効果が大きく、低、中周波数の排気音を効果的に減衰させると共に、排気温度をも大幅に下げることができる。また吸音室では、金属ウール層及び吸音材により、主として中、高周波数の排気音を吸収すると共に、金属ウール層により、排ガスの吸音材に対する熱害を防ぐことができる。その際、排ガスは膨張室で既に充分、温度降下しているから、高価な金属ウール層は比較的薄いもので足り、コスト低減に寄与することになる。しかも、金属ウール層は、吸音材と協働して中、高周波数の排気音を吸収するので、金属ウール層のために吸音室を特別、大容積に形成する必要もなく、アウタシェルの大型化を回避することができ、コンパクトで消音性能の高い自動車用排気マフラを提供することができる。
【0026】
またアウタシェルの筒体を、その横断面が長軸を水平方向に向けた楕円形となるように形成する一方、インナパイプの軸線を前記長軸の下部に配置したことで,自動車の床板に、排気管及び排気マフラを収容する凹部を形成する際、その凹部を極力浅くしながら、排気マフラの地上高を充分に確保することができる。
【0027】
さらに仕切り筒の周壁には、その下部を除いて透孔を設けたので,インナパイプが仕切り筒の下部に近接しても、インナパイプの下部の透孔から噴出した排ガスは、透孔の無い仕切り筒の下部に妨げられて、吸音室に直接進入することはなく、したがって、高圧の排ガスが吸音室の金属ウール層及び吸音材に作用して、それらを飛散させることを防ぐことができ、それらの耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気マフラを備えた自動車用エンジンの排気系の斜視図。
【図2】図1の2−2線拡大断面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図3の4−4線拡大断面図。
【図5】図2の5−5線断面図。
【符号の説明】
A・・・・・自動車
1・・・・・排気管
31 ・・・・排気マフラとしての1次排気マフラ
5・・・・・インナパイプ
6・・・・・インナパイプの透孔
9・・・・・仕切り筒
16・・・・仕切り筒の透孔
18・・・・金属ウール層としてのステンレスウール層
19・・・・吸音材としてのグラスウール
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