JPH1184306A - 映像観察装置 - Google Patents

映像観察装置

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JPH1184306A
JPH1184306A JP9235957A JP23595797A JPH1184306A JP H1184306 A JPH1184306 A JP H1184306A JP 9235957 A JP9235957 A JP 9235957A JP 23595797 A JP23595797 A JP 23595797A JP H1184306 A JPH1184306 A JP H1184306A
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observer
video
light
lcd
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JP9235957A
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Hideki Osada
英喜 長田
Akira Sato
彰 佐藤
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に高性能の表示装置を用いることなく、広
視野でしかも高精細の映像を観察することが可能な映像
観察装置を提供する。 【解決手段】 頭部載置型表示装置に2つの液晶表示装
置(LCD)を備え、広い範囲を表す映像を第1のLC
Dに表示し、そのうちの一部領域を表す映像を第2のL
CDに表示して、両者の映像光をハーフミラーで合成し
て眼に導く。第2のLCDの解像度を高くすることで、
一部領域の映像を高精細とする。第1、第2のLCDと
ハーフミラーとの間にそれぞれ第1、第2の拡大率のリ
レー光学系を配設し、第2の拡大率を第1の拡大率より
も小さくすることで一部領域の映像を高精細とすること
もできる。第2のLCDの映像を観察者の眼球の向きに
応じて変化させることで、観察者の注視部位を常に高精
細とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示した映像の光を
観察者の眼に導く映像観察装置に関するものであり、特
に、視野角が大きく精細度の高い映像を観察者に提供す
ることが可能な映像観察装置に関する。
【0002】
【従来の技術】頭部に装着して使用し眼前に映像を表示
する頭部載置型表示装置(HMD)が、バーチャルリア
リティやフライトシミュレーションの分野で多用されて
いる。HMDは、陰極線管(CRT)や液晶表示装置
(LCD)等の映像表示装置と、接眼レンズを含む観察
光学系を備える構成が一般的であり、観察者は、表示さ
れた映像を観察光学系を介して拡大して観察する。映像
表示装置には、カメラによって撮影された映像またはコ
ンピュータによって生成された映像が表示される。
【0003】HMDのように高い現実感を提供すること
を目的とする映像観察装置は、視野角が大きくかつ精細
度が高い映像を観察者に与えることが望しい。一方、観
察者が身体に装着する装置は、小型かつ軽量に構成する
必要があり、このため、あまり大きな映像表示装置を備
えることはできない。観察者が観察する映像の視野角の
広狭は、当然、映像表示装置の大きさと観察光学系の倍
率に依存する。しかし、表示装置の大きさに制約がある
ため、広い範囲を表す映像を小さく表示するとともにそ
の映像全体を観察光学系によって拡大することで、本来
の広い視野角を有する虚像として観察者の眼に与えるよ
うにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、表示映像を
拡大して観察者の眼に与えると、映像の一点を表す画素
が拡大されて広がりをもち、また画素間隔も拡大される
から、観察される映像の精細度は低下することになる。
近年では画素密度の高い表示装置が開発されているが、
数倍に拡大しても実物と比べて遜色のないきわめて高い
解像度の映像を表示し得るほどの高性能の表示装置はな
い。このため、映像の広視野化と高精細化の両立は困難
な現状にある。
【0005】きわめて高い解像度の映像を表示するため
には、表示素子の画素の高密度化を図るとともに、それ
に応じた複雑な駆動回路を備える必要が生じる。また、
必然的に多量の映像信号を使用するすることになるか
ら、映像信号を生成するための手段も高性能のものが必
要となる。例えば、カメラによって撮影して映像信号を
生成する方法を採る場合は、画素密度のきわめて高い撮
影用素子とその駆動回路を備えた高性能のカメラが要求
され、コンピュータによって映像信号を生成する方法を
採用する場合は、多量の演算を高速で行い得る処理能力
の高いコンピュータが要求される。
【0006】電子工学技術のさらなる進歩により、この
ような条件を満たす映像表示装置や映像生成手段が実用
化され、広い範囲を表す映像を小さくかつきわめて高解
像度で表示することが可能になることは十分に期待され
る。その場合、広視野でしかも全範囲が高精細の映像を
観察者に常時提供することが可能になる。しかしなが
ら、小さく表示した映像の全体を拡大して観察者の眼に
与えるという方法を踏襲すると、下記の理由で、全範囲
が高解像度の映像を生成し表示することに大きな無駄が
生じる。
【0007】人の眼の網膜における視覚細胞の分布密度
は均一ではなく、視覚細胞が高密度に存在する領域はご
く一部に限られている。この領域には人が注視する点近
傍からの光のみが導かれるため、注視点近傍の2点が、
互いに接近していても異なる2点として識別されるのに
対し、注視点から離れた位置にある2点は、互いにある
程度隔たっていても識別されない。視覚細胞が高密度に
存在する領域の大きさは視野角にして3〜4°程度であ
り、これにより、人の視覚は全視野のうち中央部のきわ
めて狭い範囲のみを精度よく識別し得るという特性を有
している。
【0008】したがって、注視点近傍以外の部位の映像
の解像度を、人の視覚の周辺部の低い解像度に応じて低
くしても、観察者が不自然な感覚を受けることはない。
人は眼球を動かして注視点を変化させることができるか
ら、映像の全範囲を高解像度とすることが全く無意味に
なるわけではないが、常に映像の全範囲を高解像度とす
る必要はなく、注視点近傍のみを高解像度とした映像を
観察者に提供すればよい。
【0009】きわめて高解像度の映像表示装置を駆動す
るための回路は、それ自体が大型となり重くなる上、消
費電力も多くなるから電源も大型化してしまう。これ
は、映像観察装置全体の大型化や重量化を招き、特に、
HMDのように身体に装着して使用する構成とするとき
は大きな不都合となる。
【0010】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、特に高性能の映像表示装置を用いるこ
となく、広視野でしかも高精細の映像を観察することが
可能な映像観察装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、映像を表示しその映像の光を観察者の
眼に導く映像観察装置において、第1の映像を表示する
第1の表示素子と、第1の表示素子よりも小さく、第1
の映像の範囲内の第2の映像を表示する第2の表示素子
と、第1の映像の光と第2の映像の光を合成する光学素
子と、光学素子によって合成された光を観察者の眼に導
く観察光学系とを備える。
【0012】この構成の映像観察装置では、観察者の眼
には合成された2つの映像の光が導かれ、第1の映像の
内部に第2の映像が観察される。映像全体の視野角は、
第1の表示素子の大きさと観察光学系の倍率によって決
定される。第1の映像および第2の映像の精細度は、そ
れぞれ、第1の表示素子および第2の表示素子の解像度
によって定まるから、これら2つの表示素子の解像度の
設定次第で、観察者が観察する映像を2段階の精細度と
することが可能である。
【0013】ここで、第2の表示素子の解像度を第1の
表示素子の解像度よりも高くするとよい。これにより、
第1の映像に対応する周辺部よりも第2の映像に対応す
る中央部をより高精細な映像とすることができる。第2
の映像に視線を向けているとき、観察者の眼には周囲に
第1の映像が映ることになり、これは広い視野内の一部
分を注視している状態に相当する。第2の表示素子は第
1の表示素子よりも小さいから、第1および第2の表示
素子の画素数を等しく設定するだけで、第2の表示素子
の方を高解像度とすることができる。このとき、第1の
映像の信号量と第2の映像の信号量は同じになり、第2
の映像をより高解像度とするために信号量を多くする必
要はない。
【0014】上記目的を達成するために、本発明ではま
た、映像を表示しその映像の光を観察者の眼に導く映像
観察装置において、第1の映像を表示する第1の表示素
子と、第1の映像の範囲内の第2の映像を表示する第2
の表示素子と、第1の映像の光と第2の映像の光を合成
する光学素子と、第1の映像の光を第1の倍率で光学素
子に導く第1のリレー光学系と、第2の映像の光を第1
の倍率よりも小さい第2の倍率で光学素子に導く第2の
リレー光学系と、光学素子によって合成された光を観察
者の眼に導く観察光学系を備える。
【0015】この構成の映像観察装置でも、観察者の眼
には合成された2つの映像の光が導かれる。第2のリレ
ー光学系の倍率は第1のリレー光学系の倍率よりも小さ
いため、観察者は第1の映像の内部に第2の映像を観察
することになる。映像全体の視野角は、第1の表示素子
の大きさならびに第1のリレー光学系および観察光学系
の倍率によって決定される。また、第2のリレー光学系
の倍率に依存する第2の映像の精細度は第1のリレー光
学系の倍率に依存する第1の映像の精細度よりも高くな
るため、周辺部に比べて中央部がより高精細な映像を観
察することができる。
【0016】観察される第1および第2の映像の視野角
や精細度の上記関係は、第2の表示素子を第1の表示素
子よりも大きくしたり高解像度としたりしなくても成り
立つ。したがって、第1の表示素子および第2の表示素
子として同一性能のものを用いることができる。
【0017】上記いずれの構成の映像観察装置において
も、第2の表示素子を第2の映像を表示する面に略沿う
方向に移動させる移動手段を備えるとよい。これによ
り、第1の映像内での第2の映像の位置を変えることが
可能になる。移動手段が第2の表示素子を移動させる方
向は表示面に略沿った方向であるから、第2の映像が第
2のリレー光学系の光軸に対して傾くことがなく、した
がって、観察される第2の映像に歪みが生じることはな
い。
【0018】さらに、観察者の眼球の向きを検出する検
出手段と、検出された観察者の眼球の向きに応じた位置
に第2の光学素子を移動させるように移動手段を制御す
るとともに、検出された観察者の眼球の向きに応じた範
囲の映像を第2の映像として第2の表示素子に表示させ
る制御手段とを備えるようにしてもよい。観察者が映像
のどの部位を注視するときでも、その部位を高精細な映
像とすることが可能になる。どの部位を注視してもその
部位が高精細の映像であるということは、観察者にとっ
ては、全範囲が一様に高精細な映像を与えられているこ
とに等しい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した広視野か
つ高精細の映像を観察者に提供する映像表示システムに
ついて図面を参照して説明する。図1に、第1の実施形
態の映像表示システム1の概略構成を示す。本映像表示
システム1は、カメラ10および映像観察装置20より
成り、映像観察装置20はHMDとして構成されてい
る。
【0020】カメラ10は、広い範囲を撮影するための
第1の電荷結合素子(CCD)11、CCD11によっ
て撮影される範囲内の一部の範囲を撮影するための第2
のCCD12、およびカメラ全体を制御するマイクロコ
ンピュータより成る制御部13を備えている。図示しな
いが、カメラ10は水平方向と垂直方向の向きを変化さ
せる回動機構を有しており、撮影方向を任意に変えるこ
とができる。
【0021】HMD20は、CCD11によって撮影さ
れた映像を表示するための第1のLCD21、CCD1
2によって撮影された映像を表示するための第2のLC
D22、およびHMD全体を制御するマイクロコンピュ
ータと映像処理回路より成る制御部23を備えており、
さらに、観察者の頭部の向きを検出するためのヘッドト
ラッカー24、および観察者の眼球の向きを検出するた
めのアイトラッカー25を有している。
【0022】ヘッドトラッカー24は、直交する3軸に
ついての回転の角速度を検出する3つの角速度センサー
より成り、これらのセンサーの出力を積分して回転量を
求め、観察者の頭部の向きを検出する。アイトラッカー
25は、人の眼が感知し得ない波長の光を発する発光部
とその受光部より成り、眼球によって反射された発光部
からの光を受光部で受けて、その像に現れる瞳孔の位置
から眼球の向きを検出する。
【0023】カメラ10の制御部13は、ヘッドトラッ
カー24の出力信号を与えられ、この信号に応じて回動
機構を駆動してカメラ10の向きを変化させる。これに
より、観察者の頭部の向きに合致した方向の像がCCD
11および12によって撮影される。
【0024】カメラ10の光学系の構成を図2に模式的
に示す。カメラ10は、撮影レンズ16と、撮影レンズ
16を透過した光を一様かつ部分的に上方に向けて反射
させ、残りを透過させるプリズム17を有しており、第
1のCCD11はプリズム17の上方に、第2のCCD
12はプリズム17の後方に配設されている。プリズム
17とCCD11の間には、プリズム17の反射光を第
1の縮小率でCCD11に導く第1のリレー光学系18
が設けられており、プリズム17とCCD12の間に
は、プリズム17の透過光を第2の縮小率でCCD12
に導く第2のリレー光学系19が設けられている。
【0025】第2のCCD12は駆動機構40に保持さ
れている。駆動機構40は、撮影レンズ16からリレー
光学系19に至る光軸に対して垂直に固定された固定枠
部41、固定枠部41に保持され水平方向に可動な水平
可動部42、および水平可動部42に保持され垂直方向
に可動な垂直可動部43より成り、CCD12は垂直可
動部43に固着されている。固定枠部41には水平可動
部42を移動させるためのモータ44が固定されてお
り、水平可動部42には垂直可動部43を移動させるた
めのインパクト式圧電アクチュエータ45が固定されて
いる。
【0026】固定枠部41の上部には外周面に螺旋突条
を有する回転軸46が水平に架設されており、回転軸4
6の一端はモータ44の回転軸に結合されている。水平
可動部42の上部には貫通孔48を有する突起が設けら
れており、貫通孔48の内面には螺旋溝が形成されてい
る。回転軸46は貫通孔48を貫通し、両者の螺旋突条
と螺旋溝は係合している。
【0027】この構成によりモータ44の回転は水平方
向への駆動力として水平可動部42に伝達され、水平可
動部42はモータ44の回転方向に応じた方向に、回転
量に応じた距離だけ移動する。固定枠部41の下部に
は、水平可動部42の移動を滑らかに案内するためのガ
イド軸46aが設けられている。
【0028】水平可動部42には圧電アクチュエータ4
5に下端を支持され上下方向に振動可能な振動軸47が
垂直に設けられており、垂直可動部43には振動軸47
が貫通する貫通孔49を有する突起が設けられている。
振動軸47の外周面と貫通孔49の内面は摺接してお
り、その摩擦力は、垂直可動部43が振動軸47の比較
的低速な動きにのみ追随して振動軸47と共に動く程度
に設定されている。
【0029】圧電アクチュエータ45は印加される駆動
電圧に応じて伸張または収縮し、振動軸47を変位させ
る。圧電アクチュエータ45の伸張または収縮の速度は
印加電圧の波形に依存し、したがって、この波形によっ
て振動軸47の上方や下方への変位の速度を調節するこ
とができる。
【0030】ここでは、駆動電圧として鋸歯状パルスを
10ミリ秒程度の短周期で印加することにより、圧電ア
クチュエータ45を短い周期で伸縮させて振動軸47を
振動させるとともに、振動軸47の振動の一方向への変
位を高速に、逆方向への変位を比較的低速に行わせるよ
うにしている。垂直可動部43は、振動軸47が高速で
変位するときは追随せずに静止し、比較的低速で変位す
るときは振動軸47とともに変位するから、振動軸47
の振動により一方向への変位が累積されて、その方向に
移動する。
【0031】垂直可動部43の移動量および移動速度
は、それぞれ、駆動電圧の鋸歯状パルスの数および周期
によって調節することができる。また、その移動方向
は、鋸歯状パルスの波形の方向、すなわちパルスの前部
と後部のいずれを緩傾斜としいずれを急傾斜とするか、
によって任意に定めることができる。
【0032】上記構成の駆動機構40に保持された第2
のCCD12は、撮影レンズ16からリレー光学系19
に至る光軸に直交する面内で水平方向と垂直方向に移動
可能であり、第1のCCD11によって撮影される範囲
の任意の部分を撮影することができる。カメラ10の制
御部13は、アイトラッカー25の出力信号を与えら
れ、この信号に応じてモータ44および圧電アクチュエ
ータ45の動作を制御してCCD12を移動させる。こ
れにより、第2のCCD12はHMD20を装着した観
察者の眼球の向きに応じた範囲の像を撮影することにな
る。
【0033】なお、駆動機構40は光軸に直交する面内
で第2のCCD12を水平方向と垂直方向に速やかに移
動させる機能さえ有していればよいものであり、駆動力
の供給源や伝達のための構成は上記のものに限られな
い。例えば、モータ44に代えてインパクト式圧電アク
チュエータを使用して水平可動部42を駆動するように
してもよく、圧電アクチュエータ45に代えてモータを
使用して垂直可動部を駆動するようにしてもよい。ま
た、固定枠部が垂直可動部を保持し、垂直可動部が水平
可動部を保持し、第2のCCD12を水平可動部に固着
する構成としてもよい。
【0034】カメラ10は、上記のように構成された光
学系を左右1対備えており、これらによって視差のある
像を撮影する。撮影された左右の像は、HMD20に与
えられて、立体感のある映像として表示される。
【0035】第1および第2のCCD11、12の大き
さと、第1および第2のリレー光学系18、19の縮小
率の関係は、第2のCCD12によって撮影される撮影
対象範囲が、第1のCCD11によって撮影される撮影
対象範囲の一部となるように設定されている。また、第
1および第2のCCD11、12の画素密度と、第1お
よび第2のリレー光学系18、19の縮小率の関係は、
第2のCCD12によって撮影される像の解像度が、第
1のCCD11によって撮影される像の解像度よりも高
くなるように設定されている。
【0036】すなわち、第1のCCD11の対角長をS
1、対角長方向の画素数をP1、第2のCCD12の対
角長をS2、対角長方向の画素数をP2、第1のリレー
光学系18の線縮小率(撮影対象の実際の大きさに対す
る結像面における像の大きさ)をα1、第2のリレー光
学系19の線縮小率をα2で表すと、これらは式(1)
および式(2)を満たす関係にある。 S1/α1>S2/α2 (1) P1/(S1/α1)<P2/(S2/α2) (2)
【0037】例えば、2つのCCD11、12として同
一のCCDを使用するときは、S1=S2、P1=P2
であるから、式(3)のみを満たせばよく、したがっ
て、第1のリレー光学系18の方が第2のリレー光学系
19よりも、撮影対象を小さく結像させるようにする。 α1<α2 (3)
【0038】また、2つのリレー光学系18、19とし
て同一の光学系を使用するときは、α1=α2であるか
ら、式(4)と式(5)の両方を同時に満たすようにす
る。 S1>S2 (4) P1/S1<P2/S2 (5)
【0039】すなわち、第2のCCD12を第1のCC
D11よりも小さくし、第2のCCD12の画素密度
(単位長あたりの画素数)を第1のCCD11の画素密
度よりも高くする。ここで、式(4)が満たされれば、
P1=P2としても式(5)は満たされる。したがっ
て、第2のCCD12として第1のCCD11よりも小
さく画素数が同じものを使用することもできる。
【0040】第1および第2のCCD11、12として
大きさの異なるものを使用し、第1および第2のリレー
光学系18、19として縮小率の異なるものを使用し
て、上記の2つの設定の中間の設定とすることも可能で
ある。この場合も、2つのCCD11、12の画素数が
同じであってもよい。
【0041】カメラ10の光路および撮影対象範囲と像
の大きさの関係を図3に示す。図3において(a)は、
CCD11、12として同一のものを使用し、リレー光
学系18、19として縮小率の異なるものを使用する構
成を示したものである。ここで、矢印Oは撮影対象範
囲、矢印M1およびM2はそれぞれ、第1のCCD11
および第2のCCD12の受光面における撮影対象範囲
の像を表し、矢印Aは駆動機構40によるCCD12の
移動範囲を表している。撮影対象の全範囲はCCD11
の受光面とCCD12の受光面に異なる大きさで結像
し、全体がCCD11によって撮影され、一部分がCC
D12によって撮影される。
【0042】CCD11、12として大きさの異なるも
のを使用し、リレー光学系18、19の縮小率を等しく
するときは、リレー光学系を省略してその縮小機能を撮
影レンズ16に代行させることが可能である。図3
(b)はその構成を表したものである。勿論、同一縮小
率のリレー光学系18、19を撮影レンズ16とは別に
備える構成としてもよい。(b)において各矢印が示す
ところは(a)と同じである。撮影対象の全範囲はCC
D11の受光面とCCD12の受光面に同じ大きさで結
像するが、大きさの小さいCCD12はその一部のみを
撮影することになる。
【0043】第1のCCD11による撮影範囲と第2の
CCD12による撮影範囲の比Kは、式(6)によって
与えられる。 K=(S1/α1)/(S2/α2) =(S1/S2)×(α2/α1) (6)
【0044】ここで、式(1)の関係からK>1となる
が、本実施形態のカメラ10では、K≧2.5として、
第1のCCD11が第2のCCD12の撮影範囲の2.
5倍(面積にして6.25倍)以上の広い範囲を撮影す
るようにしている。また、第1のCCD11と第2のC
CD12の画素数を同じにして、第2のCCD12の解
像度を第1のCCD11の解像度の2.5倍以上として
いる。
【0045】第1および第2のCCD11、12の撮影
画角は、撮影レンズ16の焦点距離に依存する。ここで
は、撮影レンズ16として単焦点広角レンズまたは広角
ズームレンズを用いて、第1のCCD11の撮影画角を
90〜120゜程度としている。第2のCCD12の撮
影画角は、撮影範囲比K=2.5のときに44〜69
゜、K=5では23〜38゜、K=10では11〜20
゜程度となる。このように、撮影範囲比Kを10として
も、第2のCCD12の撮影画角は前述した人の高精度
の視野角3〜4゜の2倍以上となり、高解像度の像に必
要な画角を十分に確保することができる。
【0046】第1、第2のCCD11、12の大きさお
よび画素数、ならびに第1、第2のリレー光学系18、
19の縮小率の設定の具体例を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】例1は、リレー光学系18、19の縮小率
を同じにして、CCD11、12を異なる大きさにした
ものである。例2および例3は、リレー光学系18、1
9を異なる縮小率にし、CCD11、12を同じ大きさ
にしたものである。いずれの例でも、第1および第2の
CCD11、12の画素数は等しく設定されており、総
画素数は40万である。
【0049】例1および例2では、第1のCCD11と
第2のCCD12の撮影範囲比Kは5となり、第2のC
CD12によって撮影される像の解像度は、第1のCC
D11の撮影範囲の全体を1000万画素のCCDによ
って撮影した場合の解像度に相当する。第3の例では、
撮影範囲比Kは2.5となり、第2のCCD12によっ
て撮影される像の解像度は、第1のCCD11の撮影範
囲全体を250万画素のCCDによって撮影した場合の
解像度に相当する。
【0050】これらの例で使用している総画素数40万
というCCDは、現在実用化されている標準的なもので
ある。なお、例1のリレー光学系18、19および例2
のリレー光学系19は縮小率が1であり、像を縮小する
ことはない。これらは、光路長の調節等の他の目的がな
いときには、省略することができる。
【0051】このような設定により、カメラ10は、低
解像度ながら広画角の像と狭画角ながら高解像度の像の
両方を、同時に撮影することが可能になっている。しか
も、駆動機構40によって第2のCCD12をアイトラ
ッカー25の出力信号に応じて移動させることで、観察
者の注視点を含む範囲を常に高解像度で撮影することが
できる。
【0052】なお、2つのCCD11および12の画素
数を等しくすると、それらの駆動回路として同一規格の
ものを使用することが可能になる。また、2つのCCD
11および12が出力する映像信号の量が等しくなるか
ら、映像信号を処理するための回路も同一規格のものを
使用することができる。したがって、カメラ10の撮影
と映像信号の処理の制御は、1つのCCDによって撮影
を行うカメラと大差なくなり、きわめて容易に行うこと
ができる。また、カメラ10に組み込む部品の種類も多
くならず、製造管理の面でも好ましい。
【0053】カメラ10で撮影した像を観察者に提供す
るためのHMD20の構成について説明する。前述のよ
うに、第1のLCD21はカメラ10の第1のCCD1
1によって撮影された像を表示し、第2のLCD22は
第2のCCD12によって撮影された像を表示するが、
HMD20は、これら2つの表示映像を個別の像として
ではなく、両者を合成した1つの映像として観察者の眼
に与えるように構成されている。
【0054】また、上述したように、第2のCCD12
によって撮影される範囲は第1のCCD11によって撮
影される範囲の一部のみであるが、HMD20は、観察
者の眼に与える合成した像の大きさに矛盾が生じないよ
うに、撮影範囲の大きさの関係を考慮して2つの表示映
像を合成する。
【0055】図4にHMD20の光学系の構成を模式的
に示す。HMD20は、接眼レンズを含む観察光学系2
6とハーフミラー27を有しており、第1のLCD21
はハーフミラー27の上方に、第2のLCD22はハー
フミラー27の後方に配設されている。ハーフミラー2
7は、上方からの光を前方に反射させ、後方からの光を
透過させるように設定されており、このハーフミラー2
7により第1のLCD21に表示された映像の光と第2
のLCD22に表示された映像の光が合成されて、観察
光学系26を介して観察者の眼に導かれる。第1および
第2のLCD21、22としては、反射型と透過型のい
ずれのLCDを用いてもよい。
【0056】ハーフミラー27と第1のLCD21の間
には、拡散面を有するスクリーン31と、LCD21の
映像光を第1の拡大率でスクリーン31に結像させる第
1のリレー光学系28が設けられており、同様に、ハー
フミラー27と第2のLCD22の間には、拡散面を有
するスクリーン32と、LCD22の映像光を第2の拡
大率でスクリーン32に結像させる第2のリレー光学系
29が設けられている。したがって、観察者はスクリー
ン31および32に一旦結像した拡大像を観察すること
になる。
【0057】観察光学系26と観察者の眼球の間には、
アイトラッカー25の発光部からの光を眼球に導き、眼
球による反射光を受光部に導くためのプリズム30が備
えられている。アイトラッカー25の発光部および受光
部はプリズム30の上方に配設されている。
【0058】第2のLCD22は駆動機構50に保持さ
れている。駆動機構50は、固定枠部51、水平可動部
52、垂直可動部53、モータ54、インパクト式圧電
アクチュエータ55、回転軸56、および振動軸57を
有しており、LCD22は垂直可動部53に固着されて
いる。駆動機構50の構成および動作は、カメラ10の
駆動機構40と同じであり、重複する説明は省略する。
【0059】駆動機構50に保持された第2のLCD2
2は、観察光学系26からリレー光学系29に至る光軸
に直交する面内で水平方向と垂直方向に移動可能であ
り、LCD22の移動に応じて、その表示映像が結像す
るスクリーン32上の位置が変化する。HMD20の制
御部23は、アイトラッカー25の出力信号を与えら
れ、この信号に応じてモータ54および圧電アクチュエ
ータ55の動作を制御してLCD22を移動させる。こ
れにより、第2のLCD22の表示映像は観察者の眼球
の向きに応じた位置に移動することになる。
【0060】ハーフミラー27が第1のLCD21およ
び第2のLCD22の映像の光を合成することにより、
第1のLCD21の表示に何の処理も施さなければ、ス
クリーン32上のLCD22の映像がスクリーン31上
のLCD21の映像に重なって観察者の眼に導かれるこ
とになる。これらの重なり合う映像は同一の撮影範囲を
撮影したものであるが、第2のLCD22は精細度の高
い映像を観察者に提供するために設けられたものであ
り、その映像が精細度の低い第1のLCD22の映像と
重なると、目的を達成することができない。また、周囲
に比べて明るくなりすぎる。
【0061】これを防止するために、LCD21の表示
を制御する制御部23は、LCD22の位置、LCD2
1、22の大きさ、およびリレー光学系28、29の拡
大率に基づいてLCD22の映像が重なるLCD21の
映像領域を算出し、その領域の映像を除去する。これに
より、ハーフミラー27によって合成されるLCD21
の映像とLCD22の映像は、連続しかつ重なり合いの
ない1つの映像となる。
【0062】HMD20は、上記のように構成された光
学系を左右1対備えており、カメラ10から与えられる
左右の映像を左右に表示して、観察者の左右の眼に個別
に与える。視差のある映像を与えられることで、観察者
は奥行きを認識することができ、立体感を得ることがで
きる。
【0063】第1および第2のLCD21、22の大き
さと、第1および第2のリレー光学系28、29の拡大
率の関係は、観察者が観察する第1のLCD21の映像
の大きさと第2のLCD22の映像の大きさの比が、第
1のCCD11の撮影範囲と第2のCCD12の撮影範
囲の比Kに等しくなるように設定されている。また、第
1および第2のLCD21、22の画素密度と、第1お
よび第2のリレー光学系28、29の拡大率の関係は、
観察者が観察する第2のLCD22の表示映像の精細度
が、第1のLCD21の表示映像の精細度よりも高くな
るように設定されている。
【0064】すなわち、第1のLCD21の対角長をL
1、対角長方向の画素数をQ1、第2のLCD22の対
角長をL2、対角長方向の画素数をQ2、第1のリレー
光学系28の線拡大率(表示映像の大きさに対するスク
リーン上の像の大きさ)をβ1、第2のリレー光学系2
9の線拡大率をβ2で表すと、これらは式(7)、式
(8)および式(9)を満たす関係にある。 L1×β1>L2×β2 (7) Q1/(L1×β1)<Q2/(L2×β2) (8) (L1/L2)×(β1/β2)=K (9)
【0065】例えば、2つのLCD21、22として同
一のLCDを使用するときは、L1=L2、Q1=Q2
であるから、式(10)のみを満たせばよく、第1のリ
レー光学系28の拡大率と第2のリレー光学系29の拡
大率の比を撮影範囲比Kに等しく設定する。ここで、前
述のようにK≧2.5であるから、第2のLCD22の
映像は第1のLCD21の映像の2.5倍以上の精細度
で観察される。 β1/β2=K (10)
【0066】また、2つのリレー光学系18、19とし
て同一の光学系を使用するときは、β1=β2であるか
ら、式(11)と式(12)の両方を同時に満たすよう
にする。 L1/L2=K (11) Q1/Q2<K (12)
【0067】すなわち、第2のLCD22を第1のLC
D21の(1/K)倍の大きさとするとともに、第2の
LCD22の画素数を第1のLCD21の画素数の(1
/K)倍よりも多くして、第2のLCD22の画素密度
を第1のLCD21の画素密度よりも高くする。2つの
LCD21、22の画素数を同じにすれば、この条件は
満たされ、第2のLCD22の映像は第1のLCD21
の映像の2.5倍以上の精細度で観察される。
【0068】第1および第2のLCD21、22として
大きさの異なるものを使用し、第1および第2のリレー
光学系28、29として拡大率の異なるものを使用し
て、上記の2つの設定の中間の設定とすることも可能で
ある。この場合も、第2のLCD22の画素密度を第1
のLCD11の画素密度よりも高くしておく。
【0069】なお、2つのLCD21、22として同一
のLCDを用いる構成では、それらの駆動回路も同一規
格のものとすることができるから、表示の制御が容易に
なる。また、HMD20に使用する部品の種類が多くな
らず、製造管理の面でも好ましい。
【0070】図5にHMD20の光路図を示す。(a)
はLCD21、22として同一のものを使用し、リレー
光学系28、29として拡大率の異なるものを使用する
構成を示したものであり、(b)は、LCD21、22
として大きさおよび画素密度の異なるものを使用し、リ
レー光学系28、29として同一のものを使用する構成
を示したものである。図5において、矢印V1およびV
2はそれぞれ、スクリーン31および32に結像したL
CD21および22の映像を表し、矢印Bは駆動機構5
0によるLCD22の移動範囲を表している。映像V1
とV2の大きさの比は、(a)、(b)のいずれにおい
ても、カメラ10の撮影範囲比Kに等しい。
【0071】なお、リレー光学系28、29の拡大率を
1とするときは、光路長の調節等の他の目的がなけれ
ば、省略することができる。このとき、スクリーン3
1、32も省略してよい。
【0072】図6に、観察者の眼に与えられるLCD2
1、22の映像V1、V2の関係を示す。カメラ10
が、ヘッドトラッカー24の出力信号に応じて、撮影方
向を水平方向や垂直方向に変化させることにより、映像
V1、V2の内容は観察者の頭部の向きに応じて変化す
る。
【0073】また、カメラ10がアイトラッカー25の
出力信号に応じて第2のCCD12の位置を変化させ、
HMD20がアイトラッカー25の出力信号に応じて第
2のLCD22の位置を変化させることにより、観察者
の眼球の向きに応じて、広視野な映像V1の中を映像V
2で表される高精細な領域が、水平方向と垂直方向に移
動する。したがって、映像全体は広視野でありながら、
観察者の注視点を含む領域は常に高精細な映像となり、
観察者は高い現実感を得ることができる。
【0074】ハーフミラー27によって合成された映像
V1、V2は、観察光学系26によってさらに拡大され
て観察者の眼に与えられる。観察光学系26の拡大率
は、LCD21の映像の視野角がカメラ10のCCD1
1の撮影画角に等しくなるように設定されており、観察
者は、肉眼で観察する場合と同様の、自然な広がりの像
を観察することが可能である。
【0075】このように、本実施形態の映像表示システ
ム1では、撮影素子や表示素子として特に高性能のCC
DやLCDを用いることなく、広画角かつ高精細な現実
感の高い自然な映像を観察者に提供することが可能であ
る。特に、広画角の映像の信号の量と高精細な映像の信
号の量を同程度とすることができるから、扱うべき映像
信号の量は従来の2倍程度に抑えられており、例えば1
000万画素に相当するきわめて高精細な像を提供する
場合でも、信号処理を容易にかつ少ない消費電力で行う
ことができる。これにより、小型かつ軽量であることが
望まれるHMDの特徴が十分に生かされる。
【0076】また、第2のCCD12や第2のLCD2
2を、光軸に対して垂直方向に移動させるようにしたの
で、これらがどの位置にあっても、歪みなく像を撮影し
観察者に与えることが可能である。このため、広視野の
映像のうち高精細な映像が重なる部位を除去する処理に
おいても、歪みを補正する必要がなく、映像信号の処理
が容易である。
【0077】なお、本実施形態では、第2のCCD12
および第2のLCD22を移動させる駆動機構40およ
び50を、それぞれプリズム17およびハーフミラー2
7の後方に配置するようしているが、これらをプリズム
17やハーフミラー27の上方に配置し、第1のCCD
11や第1のLCD21をプリズム17やハーフミラー
27の後方に配置する構成としてもよい。また、プリズ
ム17およびハーフミラー27は、単に、光束を2分割
するまたは2つの光束を合成するためのものであるか
ら、これらに代えて機能的に等価な他の光学素子を備え
るようにしてもよい。
【0078】さらに、広範囲を撮影する第1のCCD1
1とその一部を撮影する第2のCCD12とで、水平方
向と垂直方向の長さの比を、必ずしも同じにする必要は
ない。第1のLCD21と第2のLCD22の関係も同
様である。例えば、第1のCCD11や第1のLCD2
1を長方形とし、第2のCCD12や第2のLCD22
を正方形としてもよい。
【0079】第2の実施形態の映像表示システムについ
て説明する。図7に、本実施形態の映像表示システム2
の概略構成を示す。映像表示システム2は、映像生成装
置60と映像観察装置20より成り、カメラで撮影を行
うことに代えて、演算によって映像を生成するようにし
たものである。映像生成装置60は、コンピュータ61
と映像生成に用いるデータを記憶した記憶装置62を備
えており、コンピュータ61が記憶装置62のデータに
基づいて映像を生成する。映像観察装置20は、第1の
実施形態のHMDと同じである。
【0080】コンピュータ61は、第1の実施形態のカ
メラ10の第1のCCD11が撮影する像に相当する第
1の映像と、第2のCCD12が撮影する像に相当する
第2の映像を生成する。コンピュータ61は、HMD2
0からヘッドトラッカー24の出力信号とアイトラッカ
ー25の出力信号を与えられ、観察者の頭部の向きに応
じて第1の映像と第2の映像を変化させ、観察者の眼球
の向きに応じて第2の映像を変化させる。
【0081】HMD20はコンピュータ61から与えら
れる第1の映像を第1のLCD21に表示し、第2の映
像を第2のLCD22に表示する。これで、観察者は、
広視野でありながら、注視点を含む一部領域が常に高精
細な映像を観察することができる。
【0082】この構成では、第2の映像のみを高解像度
とすればよく、コンピュータ61は広い範囲を表す第1
の映像の解像度を高くしない。したがって、あまり高性
能のコンピュータは必要でない。
【0083】なお、ここでは、第1の映像のうち第2の
映像が重なる領域を除去する処理をHMD20の制御部
23が行うようにしているが、映像を生成するコンピュ
ータ61がこの処理を行うようにしてもよい。すなわ
ち、コンピュータ61が、第1の映像の全体を生成した
後に第2の映像に対応する領域を除去するか、あるい
は、第2の映像に対応する領域を除いた部分のみを第1
の映像として生成するようにする。このようにすると、
第1の映像を第1のLCD21に直接与えることが可能
になる。
【0084】上記第1および第2の実施形態のHMD2
0においては、LCDに2次元像として表示した映像の
光を観察者の眼に導く構成としたが、表示映像自体を2
次元像とすることは必ずしも必要でなく、光を走査する
ことで2次元像を提供することもできる。以下、この方
法を採用したHMDについて説明する。
【0085】第3の実施形態のHMDの光学系の構成を
図8に示す。このHMD70は、前述のHMD20の第
1のLCD21に代えて、走査光源部71を備えたもの
である。光学系の他の構成要素はHMD20と同じであ
る。走査光源部71とLCD22の配設位置は、HMD
20における第1のLCD21とLCD22の位置と逆
であり、対応するリレー光学系やスクリーンの位置も逆
であるが、本質的に差異はない。HMD70は第1の実
施形態のカメラ10からCCD11およびCCD12の
映像信号を与えられて、これらを合成した像を観察者に
提供する。
【0086】走査光源部71は、図外のレーザ光源から
光ファイバーによって導かれた光を点状光として射出す
る光照射部72と、その光を反射してリレー光学系28
に導く第1、第2および第3のミラー73、74、75
より成る。第1のミラー73は、単に光路を折曲げて走
査光源部71を小型化するために設けられたものであ
り、固定されている。第2のミラー74および第3のミ
ラー75は共振ミラーであり、前者は紙面内の上下方向
の軸を中心として揺動し、第3のミラー75は紙面に垂
直な軸を中心とし揺動する。
【0087】光照射部72から射出された点状光は、第
2のミラー74が揺動することにより、観察者の眼に対
して水平方向に走査され、第3のミラー75が揺動する
ことにより、観察者の眼に対して垂直方向に走査され
る。これらの走査によりスクリーン31上の点状光の像
位置が変化する。HMD70の制御部23は、カメラ1
0の第1のCCD11の画素ごとの映像信号に基づい
て、光源が発する光を変調させるとともに、ミラー7
4、75による走査を映像信号に同期させる。これによ
りスクリーン31に、第1のCCD11で撮影された像
を表す2次元像が形成される。
【0088】LCD22は、カメラ10の第2のCCD
12によって撮影された像を表示する。スクリーン31
上の像は、スクリーン32に導かれたLCD22の像
と、ハーフミラー27により合成されて、観察者の眼に
与えられる。第2のミラー74および第3のミラー75
の揺動量は、スクリーン32に形成される像の大きさに
対するスクリーン31に形成される像の大きさの比が、
カメラ10の第1CCD11と第2のCCD12の撮影
範囲比Kに等しくなるように、LCD22の大きさおよ
びリレー光学系28、29の拡大率を考慮して設定され
ている。
【0089】カメラ10のCCD12や撮影方向を変化
させる方法やLCD22を移動させる方法は前に詳述し
たとおりであり、観察者には、注視点を含む一部領域が
常に高精細になる広視野な像が提供される。
【0090】第4の実施形態のHMDの光学系の構成を
図9に示す。このHMD80は、上記HMD70の走査
光源部71に代えて、別の走査光源部81を備えたもの
である。光学系の他の構成要素はHMD70と同じであ
る。走査光源部81は、図外の複数のレーザ光源から光
ファイバーの束によって導かれた光を、点状光の列から
なる線状光として射出する光照射部82と、その光を反
射してリレー光学系28に導く共振ミラー85より成
る。このミラー85は紙面に垂直な軸を中心として揺動
する。
【0091】光照射部82から射出された線状光は、ミ
ラー85が揺動することにより、観察者の眼に対して垂
直方向に走査される。この走査によりスクリーン31上
の水平な線状光の像位置が垂直方向に変化する。HMD
80の制御部23は、カメラ10の第1のCCD11の
水平ラインごとの映像信号に基づいて、各光源が発する
光を個別に変調させるとともに、ミラー85による走査
を映像信号に同期させる。これによりスクリーン31
に、第1のCCD11で撮影された像を表す2次元像が
形成される。この像は、スクリーン32に導かれたLC
D22の像と、ハーフミラー27により合成されて、観
察者に与えられる。
【0092】ミラー85の揺動量は、スクリーン32に
形成される像の大きさに対するスクリーン31に形成さ
れる像の大きさの比が、カメラ10の撮影範囲比Kに等
しくなるように、LCD22の大きさおよびリレー光学
系28、29の拡大率を考慮して設定されている。ま
た、光照射部72から射出される線状光を構成する個々
の点状光の射出角度は、スクリーン32に形成される2
次元像の縦横の比が、カメラ10の第1のCCD11の
縦横の比に等しくなるように設定されている。したがっ
て、広視野の映像は縦横の大きさが適正になり、高精細
な映像と、重なり合うことなく連なり合う。
【0093】なお、上記第3および第4の実施形態で
は、走査光源部71および81からの光をスクリーン3
1に一旦結像させ、その像を観察者の眼に導くようにし
たが、スクリーン31を省略し、観察者の眼の網膜に直
接結像させて網膜上を走査するようにしてもよい。その
場合、リレー光学系28も備える必要がなくなる。ミラ
ー74、75またはミラー85のみで網膜上の走査範囲
を調節できるからである。
【0094】第5の実施形態のHMD90の光学系の構
成を図10に示す。HMD90は、第1の実施形態のH
MD20の第1のLCD21に代わる第1の走査光源部
91をハーフミラー27の後方に、第2のLCD22に
代わる第2の走査光源部92をハーフミラー27の上方
に備えたものである。
【0095】図11に第1の走査光源部91の構成を模
式的に示す。走査光源部91は、光ファイバー束93、
集光レンズ94、ハーフミラー95および共振ミラー9
6より成る。光ファイバー束93は、図外の複数のレー
ザ光源からの光を導き、点状光の列から成る線状光とし
て射出する。線状光を形成する光束は、集光レンズ94
によってそれぞれ略平行な光束とされた後、ハーフミラ
ー95と共振ミラー96によって第1のリレー光学系2
8に導かれる。共振ミラー96は、紙面に垂直な軸に関
して揺動し、これにより線状光が垂直方向に走査され
る。
【0096】HMD90の制御部23は、カメラ10の
第1のCCD11の水平ラインごとの映像信号に基づい
て、各光源が発する光を個別に変調させるとともに、ミ
ラー96による走査を映像信号に同期させる。これによ
りスクリーン31に、第1のCCD11で撮影された像
を表す2次元像が形成される。
【0097】図12に第2の走査光源部92の構成を模
式的に示す。走査光源部92は、光ファイバー97、集
光レンズ98、焦点調節装置99、円偏光選択フィルタ
ー100、ハーフミラー101および走査装置102よ
り成る。光ファイバー97は、図外のレーザ光源より光
を導き点状光として射出する。この光は、焦点調節装置
99によって位置調節される集光レンズ98と円偏光選
択フィルター100を透過した後、ハーフミラー101
および走査装置102により第2のリレー光学系29に
導かれる。
【0098】走査装置102は、電気的に光を偏向させ
る光学素子より成り、光を反射するとともに、直交する
2方向に走査する機能も有する。制御部23は、カメラ
10の第2のCCD12の画素ごとの映像信号に基づい
て、光源が発する光を変調させるとともに、走査装置1
02による走査を映像信号に同期させる。これによりス
クリーン32に、第2のCCD12で撮影された像を表
す2次元像が形成される。走査は水平方向を主方向とし
垂直方向を副方向として行う。電気的な走査を行う走査
装置102に代えて、反射方向を任意に変え得るミラー
によって、走査を行うようにしてもよい。
【0099】スクリーン31に形成される第1のCCD
11によって撮影された像と、スクリーン32に形成さ
れる第2のCCD12によって撮影された像は、ハーフ
ミラー27により合成されて、観察光学系26により観
察者の眼に導かれる。第1の走査光源部91による走査
範囲と第2の走査光源部92による走査範囲の大きさの
比は、カメラ10の第1のCCD11と第2のCCD1
2の撮影範囲比Kと等しく設定されており、観察者は一
部領域が高精細で全体として広視野な映像を観察するこ
とができる。
【0100】HMD90は、第2の走査光源部92から
の光が結像するスクリーン32上の位置を、アイトラッ
カー25の出力信号に応じて変化させるが、このため
に、第1の実施形態のHMD20の駆動機構50、60
と異なる駆動機構を備えている。図13に、この駆動機
構110の構成を模式的に示す。
【0101】駆動機構110は、走査光源部92を下方
に向けて保持し水平方向に回転可能な回動部111と、
回動部111を回動させるためのモータ112と、回動
部111に固定され、走査光源部92を水平な軸に関し
て揺動させるモータ113より成る。走査光源部92の
回動軸と揺同軸の交点、および走査装置102の中央点
は、第2のリレー光学系29の光軸上に設定されてい
る。このように支持された走査光源部92は、図10の
矢印Rの如く、リレー光学系29の光軸の回りに回動
し、矢印Sの如く揺動して、リレー光学系29の光軸に
対して傾く。リレー光学系29の光軸に対する走査光源
部92の向きは、その揺動量および可動量に応じて変わ
ることになり、これにより、スクリーン32上の走査範
囲が変化する。
【0102】リレー光学系29に対する走査光源部92
の向きの変化、および走査装置102の走査による射出
方向の変化にともない、光ファイバー97からリレー光
学系29までの光路長は変動する。このため、スクリー
ン32に結像する点状光の径も変動するが、焦点調節装
置99による集光レンズ98の位置調節を、走査光源部
92の向きに応じて、また走査に同期して行うことによ
り、常にスクリーン32上に微細な点状光として結像さ
せることが可能である。したがって、第2のCCD12
によって撮影された像の精細度が低下する恐れはない。
【0103】また、走査を常時一定に行うと、リレー光
学系29に対して走査光源部92が傾いていないときに
限り、歪みのない2次元像をスクリーン32に形成する
ことができるが、走査装置102を制御する制御部23
は、リレー光学系29に対する走査光源部92の傾きの
大きさに応じて、走査装置102の走査量を変化させ
る。具体的には、主走査の走査幅を水平ラインごとに変
化させるとともに、副走査における主走査のライン間隔
をラインごとに変化させる。これにより、走査光源部9
2の傾きの大きさにかかわらず常に、歪みのない一定の
大きさの2次元像が形成される。
【0104】制御部23は、アイトラッカー25の出力
信号に応じてモータ112および113を制御し、観察
者の眼球の向きに応じたスクリーン32上の位置に、第
2のCCD12によって撮影された像を形成させる。し
たがって、観察者は常に注視点近傍が高精細な像を観察
することができる。
【0105】なお、スクリーン31、32を省略し、走
査光源部91、92からの光を観察者の眼の網膜に直接
結像させて網膜上を走査するようにしてもよいことは、
前述のとおりである。リレー光学系28、29も省略可
能である。
【0106】上記第3、第4および第5の実施形態にお
いては、カメラ10で撮影した像をHMD70、80お
よび90に与えるようにしたが、第2の実施形態の映像
生成装置60で生成した映像を与えるようにしてもよ
い。
【0107】
【発明の効果】請求項1の映像観察装置によるときは、
第1の表示素子を比較的大きくし、第1の表示素子と第
2の表示素子の解像度を違えることで、精細度の異なる
領域を内部に有する広視野の映像を観察者に提供するこ
とが可能である。2つの表示素子として大きさのみ異な
り画素数の等しいものを使用すれば、一部領域が周囲よ
りも高解像度の映像を提供することができる。
【0108】請求項2の映像観察装置では、広視野の映
像の一部を周囲よりも高精細にすることが可能であり、
現実感の高い映像を提供することができる。映像の一部
領域を高精細にするために2つの表示素子の画素数を違
える必要はないから、高精細な領域の映像信号の量を特
に多くする必要はない。したがって、2つの表示素子を
駆動するための回路として同一性能のものを使用するこ
とができる。
【0109】請求項3の映像観察装置によるときも、視
野角が大きく、かつ一部領域が周囲よりも精細度の高い
映像を提供することが可能である。観察者は、精細度の
高い領域を注視することで、きわめて高い現実感を得る
ことができる。
【0110】請求項4の映像観察装置では、2つの表示
素子として同一規格のものを使用することができる上、
それらの駆動回路にも同一規格のものを使用することが
できる。したがって、部品の種類が多くならず、製造管
理が容易であり、装置の設計や動作制御も複雑にならな
い。
【0111】請求項5の映像観察装置では、映像内の高
精細な領域を移動させることが可能であり、より現実感
の高い映像を提供することができる。しかも、移動させ
ても観察される高精細な映像に歪みが生じることがな
く、映像が高精細であるという特長が損なわれる恐れが
ない。
【0112】請求項6の映像観察装置では、広視野の映
像のうち観察者が注視する領域を常に高精細にすること
が可能である。したがって、観察者とっては広視野の映
像の全体が常に高精細であることに等しく、きわめて高
い現実感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の映像表示システムの概略構
成を示す図。
【図2】 上記映像表示システムのカメラの光学系の構
成を示す図。
【図3】 上記カメラの光路および撮影対象範囲と像の
大きさの関係を示す図。
【図4】 上記映像表示システムのHMDの光学系の構
成を示す図。
【図5】 上記HMDの光路を示す図。
【図6】 上記HMDで観察者の眼に与えられる映像の
関係を示す図。
【図7】 第2の実施形態の映像表示システムの概略構
成を示す図。
【図8】 第3の実施形態の映像表示システムのHMD
の光学系の構成を示す図。
【図9】 第4の実施形態の映像表示システムのHMD
の光学系の構成を示す図。
【図10】 第5の実施形態の映像表示システムのHM
Dの光学系の構成を示す図。
【図11】 第5の実施形態におけるHMDの第1の走
査光源部の構成を示す図。
【図12】 第5の実施形態におけるHMDの第2の走
査光源部の構成を示す図。
【図13】 上記第2の走査光源部の駆動機構の構成を
示す図。
【符号の説明】
1 映像表示システム 10 カメラ 11 CCD 12 CCD 13 制御部 16 撮影レンズ 17 プリズム 18 リレー光学系 19 リレー光学系 20 HMD (映像観察装置) 21 LCD (第1の表示素子) 22 LCD (第2の表示素子) 23 制御部 (制御手段) 24 ヘッドトラッカー 25 アイトラッカー (検出手段) 26 観察光学系 27 ハーフミラー (合成用光学素子) 28 リレー光学系 (第1のリレー光学系) 29 リレー光学系 (第2のリレー光学系) 30 プリズム 31 スクリーン 32 スクリーン 40 駆動機構 50 駆動機構 (移動手段) 41、51 固定枠部 42、52 水平可動部 43、53 垂直可動部 44、54 モータ 45、55 圧電アクチュエータ 46、56 回転軸 47、57 振動軸 60 映像生成装置 61 コンピュータ 62 記憶装置 70、80 HMD 71、81 走査光源部 90 HMD 91、92 走査光源部 102 走査装置 110 駆動機構 111 回動部 112、113 モータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像を表示し該映像の光を観察者の眼に
    導く映像観察装置において、 第1の映像を表示する第1の表示素子と、 前記第1の表示素子よりも小さく、前記第1の映像の範
    囲内の第2の映像を表示する第2の表示素子と、 前記第1の映像の光と前記第2の映像の光を合成する光
    学素子と、 前記光学素子によって合成された光を観察者の眼に導く
    観察光学系とを備えることを特徴とする映像観察装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の表示素子の解像度は前記第1
    の表示素子の解像度よりも高いことを特徴とする請求項
    1に記載の映像観察装置。
  3. 【請求項3】 映像を表示し該映像の光を観察者の眼に
    導く映像観察装置において、 第1の映像を表示する第1の表示素子と、 前記第1の映像の範囲内の第2の映像を表示する第2の
    表示素子と、 前記第1の映像の光と前記第2の映像の光を合成する光
    学素子と、 前記第1の映像の光を第1の倍率で前記光学素子に導く
    第1のリレー光学系と、 前記第2の映像の光を前記第
    1の倍率よりも小さい第2の倍率で前記光学素子に導く
    第2のリレー光学系と、 前記光学素子によって合成された光を観察者の眼に導く
    観察光学系とを備えることを特徴とする映像観察装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の表示素子および第2の表示素
    子として、同一性能の素子を備えることを特徴とする請
    求項3に記載の映像観察装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の表示素子を前記第2の映像を
    表示する面に略沿う方向に移動させる移動手段を備える
    ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の映像
    観察装置。
  6. 【請求項6】 観察者の眼球の向きを検出する検出手段
    と、 検出された観察者の眼球の向きに応じた位置に前記第2
    の光学素子を移動させるように前記移動手段を制御する
    とともに、検出された観察者の眼球の向きに応じた範囲
    の映像を前記第2の映像として前記第2の表示素子に表
    示させる制御手段とを備えることを特徴とする請求項5
    に記載の映像観察装置。
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