JPH1186217A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH1186217A
JPH1186217A JP25019397A JP25019397A JPH1186217A JP H1186217 A JPH1186217 A JP H1186217A JP 25019397 A JP25019397 A JP 25019397A JP 25019397 A JP25019397 A JP 25019397A JP H1186217 A JPH1186217 A JP H1186217A
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pole core
film
upper magnetic
thin
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JP25019397A
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Inventor
Hiroko Miyake
裕子 三宅
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関し、渦
電流損失による表皮効果を抑制すると共に、高周波特性
を向上させる。 【解決手段】 基板1上に、下部磁極コア2と上部磁極
コア7とを絶縁膜3,4,6を介して積層させ、後端に
おいて上部磁極コア7と下部磁極コア2とが接し、先端
において磁気ギャップdを形成し、且つ、上部磁極コア
7と下部磁極コア2とが接した部位を複数回巻いたコイ
ル5を設けると共に、上部磁極コア7の組成に傾斜を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜磁気ヘッド及び
その製造方法に関し、特に、ハードディスクドライブ用
の磁気ヘッドの上部磁極コアの合金組成分布に特徴のあ
る薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年のハードディスク装置の小型化,大
容量化の需要の高まりに伴い、高密度磁気記録が可能な
ハードディスク装置の研究開発が急速に進められてい
る。
【0003】この様な、ハードディスク装置の高密度化
に伴い、記録ヘッド、即ち、磁気ヘッドの高周波特性の
向上が要求されており、この様な要求に応えるためには
磁気ヘッドのコア材料として、飽和磁束密度Bs の高い
材料を用いることが必要となる。
【0004】また、高周波になるに従って渦電流による
損失が大きくなり、表皮効果による記録磁界強度の低下
を招くことになるため、渦電流の発生を抑制するために
は、比抵抗ρを大きくすることが必要になる。
【0005】即ち、半径t〔m〕の円柱状磁性体にコイ
ルを巻き付け、コイル電流を流した時に磁性体を流れる
単位体積当たりの渦電流損失We は、t〔m〕を磁気薄
膜の半径、即ち、厚さ、f〔MHz〕を周波数、B
m 〔Wb/m2 〕を磁化の強さ、ρ〔Ω・m〕を比抵抗
とした場合、 We =π2 ・t2 ・f2 ・Bm 2 /4ρ で表されるため、比抵抗ρを大きくすれば、渦電流損失
e を小さくすることができる。
【0006】ここで、図7を参照して、従来の薄膜磁気
ヘッドを説明するが、図7(a)は従来の薄膜磁気ヘッ
ドの上部磁極コアの平面図であり、また、図7(b)
は、図7(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿っ
た薄膜磁気ヘッドの要部断面図である。
【0007】図7(a)参照 従来の薄膜磁気ヘッドの上部磁極コア31は、下部磁極
コアとの間に間隔d〔μm〕の磁気ギャップを形成する
幅bが約5μmの先端部32、下部磁極コアと接する幅
aが約50μmの後部コア34、及び、先端部32と後
部コア34とをスムーズに接続するテーパ部33から構
成される。
【0008】図7(b)参照 また、この薄膜磁気ヘッドは、表面に酸化膜(図示せ
ず)を形成したSi基板35上に、厚さが3〜4μmの
NiFe膜からなる下部磁極コア36を形成したのち、
ギャップ層37及び第1絶縁膜38を介して導電膜を堆
積させ複数回巻回するようにパターニングすることによ
ってコイル39を形成し、次いで、第2絶縁膜40を介
して厚さが3〜4μmのNiFe膜を図7(a)の形状
の上部磁極コア31が得られる様に設けることによっ
て、薄膜磁気ヘッドの基本構造が完成する。なお、実際
には、上部磁極コア31の下にメッキベース層を設けて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な従来
の薄膜磁気ヘッドにおいては、磁極コア材料としてNi
Fe電解メッキ膜を用いているため、飽和磁束密度Bs
を大きくすることができないという問題がある。
【0010】即ち、NiFe電解メッキ膜は、透磁率μ
はμ=1000H/m、困難軸方向保磁力Hc はHc
1Oeであるが、飽和磁束密度Bs はBs =0.9〜
1.1T(T=Wb/cm2 )と小さく、記録磁界強度
を大きくすることができないという問題がある。
【0011】また、このNiFe電解メッキ膜の比抵抗
ρはρ=16〜20μΩ・cm程度と低いため、上記の
渦電流損失We の関係式から渦電流損失We が大きくな
り、高周波領域における記録磁界強度がさらに低下する
という問題がある。
【0012】この様なNiFe電解メッキ膜の低飽和磁
束密度特性を改善するために、飽和磁束密度Bs がBs
>1.5T(T=Wb/cm2 )と飽和磁束密度のより
大きなCoNiFe電解メッキ膜を使用することが提案
されている。
【0013】しかし、このCoNiFe電解メッキ膜の
場合には、低周波領域においては、高飽和磁束密度特性
によって、上部磁極先端部の磁束は大きくなり改善が見
られるが、比抵抗ρについては考慮していないために、
依然として高周波特性は改善されないという問題があ
る。
【0014】さらに、この高周波特性を改善するため
に、CoNiFe合金に不純物元素を添加して、比抵抗
ρを高くすることも提案されており、比抵抗ρの増加に
よって高周波特性を向上させることは可能である。
【0015】しかし、この場合、全体の比抵抗ρの値を
均一に増加させても、高周波領域においては後部コアの
表皮効果によって、十分な強度の磁束が先端部に流れ込
まないという問題が生ずる。
【0016】即ち、上述の渦電流損失We の関係式か
ら、渦電流損失We は厚さtの2乗、周波数fの2乗、
磁束密度Bm の2乗に比例し、比抵抗ρに反比例する
が、この場合の厚さtは上部磁極コア31の幅に言い換
えることが可能である。
【0017】この場合の上部磁極コア31は図7(a)
に示すように、幅b≒5μmの先端部32、テーパ部3
3、及び、幅a≒50μmの後部コア34から構成され
ており、厚さtの2乗に比例するという関係から、幅の
広い後部コア34は先端部32より(a/b)2 ≒10
0倍の渦電流の影響を受けることになる。
【0018】そして、渦電流の発生は磁束の表皮効果を
招き、渦電流損失We が大きいほど、磁束の通る表皮の
厚みが薄くなって磁束が通らなくなり、比抵抗ρの増加
により先端部32の表皮厚みを膜厚と同等にしても、高
周波領域においては後部コア34の表皮効果が顕著にな
るためである。
【0019】また、仮に、先端部32で渦電流損失によ
る表皮効果がなく、後部コア34でも表皮効果が十分小
さく抑えられ、先端部32に充分な強度の磁束が流れ込
むとき、即ち、ほぼ理想的に磁極コアを磁束が流れてい
る状態においては磁極コア内の全体としての飽和磁束密
度Bs はできるだけ高い方が望ましく、特に、磁極コア
の内側の飽和磁束密度Bs が高いことは、磁極コア先端
からの漏れ磁界が下部磁極コア16との間の磁気ギャッ
プで集中的に強くなり記録に有利になる。
【0020】しかし、一般に、比抵抗ρの増加に伴って
飽和磁束密度Bs は低くなるので、後部コア34におけ
る表皮効果を十分小さくするために比抵抗ρを十分大き
くした場合には、先端部32における飽和磁束密度Bs
が小さくなり、磁気ギャップにおける強い磁界の発生と
いう面においては不利になる。
【0021】したがって、本発明は、渦電流損失による
表皮効果を抑制すると共に、高周波特性を向上させるこ
とを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 (1)本発明は、基板1上に、下部磁極コア2と上部磁
極コア7とを絶縁膜3,4,6を介して積層させ、後端
において上部磁極コア7と下部磁極コア2とが接し、先
端において磁気ギャップを形成し、且つ、上部磁極コア
7と下部磁極コア2とが接した部位を複数回巻いたコイ
ル5を設けた薄膜磁気ヘッドにおいて、上部磁極コア7
の組成が傾斜を有することを特徴とする。
【0023】この様に、上部磁極コア7の組成に傾斜を
持たせることによって、上部磁極コア7の飽和磁束密度
s と比抵抗ρを局所的に任意に制御することができ、
従来の飽和磁束密度Bs と比抵抗ρとのトレードオフの
関係を緩和することができる。
【0024】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、上部磁極コア7の先端部8から上部磁極コア7の後
部10にかけて、合金中の不純物濃度が連続的に高くな
っていることを特徴とする。
【0025】この様に、上部磁極コア7の先端部8から
上部磁極コア7の後部10にかけて、合金中の不純物濃
度を連続的に高くすることによって、比抵抗ρを後部1
0において大きくすることができるので、表皮効果を抑
制することができ、また、先端部8においては飽和磁束
密度Bs を大きくすることができるので、磁気ギャップ
において強い磁界を発生することができる。
【0026】(3)また、本発明は、上記(1)におい
て、上部磁極コア7の先端部8から上部磁極コア7の後
部10にかけて、合金中の不純物濃度が階段的に高くな
っていることを特徴とする。
【0027】この様に、上部磁極コア7の先端部8から
上部磁極コア7の後部10にかけての不純物濃度の傾斜
は、階段的傾斜でも同様の効果が得られる。
【0028】(4)また、本発明は、上記(1)におい
て、上部磁極コア7の積層方向において、絶縁膜3,
4,6と接する側から表面方向にかけて、合金中の不純
物濃度が連続的に高くなっていることを特徴とする。
【0029】ほぼ理想的に磁極コアを磁束が流れている
状態では、磁極コア内のトータルとしての飽和磁束密度
s はできるだけ高いことが望ましく、特に、磁極の内
側の飽和磁束密度Bs を高くすることによって、磁極コ
アの先端部8からの漏れ磁界が磁気ギャップで集中的に
強くなり、記録に有利に作用する。
【0030】(5)また、本発明は、上記(1)におい
て、上部磁極コア7を絶縁膜3,4,6と接する内側層
と、内側層の上に設けた外側層の2層で構成し、外側層
の合金中の不純物濃度を内側層の合金中の不純物濃度よ
り高くしたことを特徴とする。
【0031】この様に、上部磁極コア7の成膜方向の不
純物濃度分布は、内外2層構造により階段的にしても良
い。
【0032】(6)また、本発明は、上記(2)乃至
(5)のいずれかにおいて、合金中の不純物濃度の最大
値Mが、0原子%<M≦10原子%であることを特徴と
する。
【0033】この様な合金中の不純物濃度の最大値Mは
10原子%を越えると磁気特性が劣化するので、不純物
濃度の最大値Mが0原子%<M≦10原子%の範囲で不
純物濃度の傾斜を形成することが望ましい。
【0034】(7)また、本発明は、上記(1)乃至
(6)のいずれかにおいて、上部磁極コア7の合金中の
不純物が、S,B,N,C,Cl,O,Hの中の少なく
とも1種類以上の元素からなることを特徴とする。
【0035】この様に、上部磁極コア7の比抵抗ρを大
きくするための不純物として、S,B,N,C,Cl,
O,Hの中の少なくとも1種類以上の元素を用いること
が望ましい。
【0036】(8)また、本発明は、上記(1)乃至
(7)のいずれかにおいて、上部磁極コア7の合金が、
Co,Ni,Feの中の少なくとも2種類以上の元素か
らなることを特徴とする。
【0037】この様な、薄膜磁気ヘッドを構成する上部
磁極コア7の母材となる合金は、Co,Ni,Feの中
の少なくとも2種類以上の元素からなることが飽和磁束
密度Bs の観点から望ましい。
【0038】(9)また、本発明は、基板1上に、下部
磁極コア2と上部磁極コア7とを絶縁膜3,4,6を介
して積層させ、後端において上部磁極コア7と下部磁極
コア2とを接続すると共に、先端において磁気ギャップ
を形成し、且つ、上部磁極コア7と下部磁極コア2とを
接続した部位を複数回巻いたコイル5を形成する薄膜磁
気ヘッドの製造方法において、上部磁極コア7をレジス
ト膜をマスクとして電解メッキ法で形成する際に、電流
密度、磁極形状、及び、レジスト膜の高さの少なくとも
一つを変化させることによって上部磁極コア7の組成に
傾斜を形成することを特徴とする。
【0039】上部磁極コア7を電解メッキで形成する際
には、電流密度、磁極形状、及び、レジスト膜の高さの
少なくとも一つを変化させることによって組成傾斜を設
けることができ、例えば、電流密度が高い場合には、不
純物が取り込まれにくくなるので、低比抵抗で高飽和磁
束密度の領域を形成することができ、この電流密度の変
化は時間的に変化させても良いし、或いは、上部磁極コ
ア7の形状・寸法やレジスト膜の高さにより変化させて
も良い。
【0040】(10)また、本発明は、基板1上に、下
部磁極コア2と上部磁極コア7とを絶縁膜3,4,6を
介して積層させ、後端において上部磁極コア7と下部磁
極コア2とを接続すると共に、先端において磁気ギャッ
プを形成し、且つ、上部磁極コア7と下部磁極コア2と
を接続した部位を複数回巻いたコイル5を形成した薄膜
磁気ヘッドの製造方法において、上部磁極コア7を形成
する際に、異なった成膜方法を組み合わせることによっ
て上部磁極コア7の組成に傾斜を形成することを特徴と
する。
【0041】この様に、上部磁極コア7を形成する際
に、異なった成膜方法を組み合わせること、例えば、ス
パッタリング法と電解メッキ法とを組み合わせることに
よって上部磁極コア7の成膜方向の組成に任意の傾斜を
形成することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の第1の実施の形
態の薄膜磁気ヘッドを図2及び図3を参照して説明す
る。なお、図2(a)は上部磁極コアの平面図であり、
また、図2(b)は図2(a)のA−A′を結ぶ一点鎖
線に沿った薄膜磁気ヘッドの要部断面図である。
【0043】図2(a)参照 本発明の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの上部磁極コア1
1は、幅bが0.1〜6μm、例えば、5μmの先端部
12、幅aが10〜100μm、例えば、50μmの後
部コア14、及び、先端部12と後部コア14をスムー
ズに接続するテーパ部13から構成される。
【0044】図2(b)参照 この様な薄膜磁気ヘッドを形成するためには、まず、表
面に酸化膜(図示せず)を形成したSi基板15上に、
NiFeからなる厚さ3〜4μm、例えば、3.5μm
の下部磁極コア16を設けたのち、厚さ0.3〜0.6
μm、例えば、0.5μmのギャップ層17及び第1絶
縁膜18を介して導電体膜を設け、パターニングするこ
とによって上部磁極コア11と下部磁極コア16の接続
部を複数回巻くコイル19を形成し、次いで、第2絶縁
膜20を形成し、コイル19を被覆し、且つ、後部コア
14と接する部分が露出するようにパターニングする。
なお、この場合のギャップ層17の厚さが、磁気ギャッ
プの間隔dとなる。
【0045】次いで、メッキベース層となる、厚さ50
〜100Å、例えば、50ÅのTi層(図示せず)、及
び、厚さ1000Å以下、例えば、500ÅのNiFe
をスパッタリング法によって順次成膜し、レジストを露
光・現像することによって上部磁極コア11を形成する
ための磁極用レジストパターンを形成する。
【0046】次いで、1000cc当たり、硫酸ニッケ
ル50〜500g、例えば、53g、硫酸コバルト10
〜150g、例えば、17g、硫酸鉄4〜40g、例え
ば、5g、不純物源としてのチオ尿素0.01〜0.1
g、例えば、0.05g、及び、その他緩衝剤、界面活
性剤を含むメッキ浴中で電解メッキを行うことによっ
て、厚さ1.0〜4.0μm、例えば、2.5μmのS
(硫黄)等の不純物を含んだCoNiFeからなる上部
磁極コア11を形成する。
【0047】この場合の条件は、メッキ液を循環・攪拌
し、磁場を印加した状態で、20〜40℃、例えば、3
0℃の温度において、pHを2〜3.5、例えば、pH
2.8に調整した条件で行った。
【0048】最後に、上部磁極コアパターン以外の領域
におけるメッキベース層をArイオンを用いたイオンミ
リング法或いはFIB(フォーカス・イオン・ビーム
法)によって除去する。
【0049】図3(a)参照 図3(a)は、上記の条件で電解メッキした場合の各部
位における不純物濃度〔原子%〕及び比抵抗〔μΩ・c
m〕の測定結果を示すもので、先端部から後部コアにか
けて不純物濃度が1原子%から4原子%以上へ増加し、
図2(b)に示すように、先端部から低不純物濃度部2
1−中不純物濃度部22−高不純物濃度部23へと変化
し、不純物の増加に伴って比抵抗が30μΩ・cm〜5
0μΩ・cm以上へと増加する。
【0050】なお、この場合の不純物はチオ尿素に由来
するS(硫黄)が主成分であり、その他に、メッキ液を
構成する成分に基づいてB,N,C,Cl,O,H等も
含まれることになる。
【0051】これは、上部磁極コア11の形状、及び、
磁極用レジストパターンの高さによって、磁極内での先
端部12と後部コア14での電流密度が変わるためであ
り、この事情を図4(a)乃至図4(c)を参照して説
明する。
【0052】図4(a)乃至図4(c)参照 図4(a)乃至図4(c)は、それぞれ電流密度に対す
る不純物濃度の変化、パターン幅、即ち、電流密度及び
レジスト高さを一定にした場合の磁極形状に対する不純
物濃度変化、及び、電流密度及びパターン幅を一定にし
た場合のレジスト高さに対する不純物濃度の変化を示し
たものであり、図4(a)乃至図4(c)から明らかな
ように、不純物濃度は電流密度の増加、パターン幅の増
加、及び、レジスト高さの増加に伴って減少する。
【0053】先端部12では形状の影響を受け、即ち、
パターン幅が狭くなるので不純物濃度が高くなる傾向が
あるが、レジストの表面はほぼ平坦であるので先端部1
2におけるレジスト高さは高くなり、したがって、不純
物濃度は低下する。逆に、後部コア14では、パターン
幅が広くなるので不純物濃度が低くなる傾向があるが、
レジスト高さが低いため不純物濃度が高くなる。また、
先端部12における電流密度は後部コア14に対して相
対的に高くなるため、結果として先端部12での不純物
濃度が高くなり、図3(a)に示した不純物濃度分布が
得られる。
【0054】この様に、上部磁極コア11に組成傾斜、
即ち、不純物濃度傾斜を設けることによって、先端部に
おいては、比抵抗ρを小さくすることによって飽和磁束
密度Bs を大きくすることができるので、磁気ギャップ
において発生する磁界を大きくすることができる。
【0055】また、上部磁極コア11の後部コアにおい
ては、比抵抗ρを十分大きくすることができるので、渦
電流損失を抑制して表皮効果を低減することができ、そ
れによって高周波特性が向上する。
【0056】図3(b)参照 図3(b)は、上述の様に不純物濃度傾斜を設けたCo
NiFe合金試料の高周波透磁率μ(図においては、規
格化した値を示している)の測定結果を、不純物濃度傾
斜を有しないNiFe合金試料と比較したものであり、
107 Hz(=10MHz)以上の高周波においてかな
りの改善が得られ、100MHz以上の高周波での使用
が可能になる。
【0057】上記の様に、本発明の第1の実施の形態に
おいては、上部磁極コア11の先端部から後部コアにか
けて不純物濃度傾斜を設けたので、高周波特性を低減さ
せることなく、効率良く記録磁界を発生させることがで
きる。
【0058】次に、図5を参照して、本発明の第1の実
施の形態の変形例を説明するが、上部磁極コア11の形
成工程以外は、上記の第1の実施の形態と全く同様であ
る。 図5参照 まず、上記の第1の実施の形態と同様に、酸化膜(図示
せず)を形成したSi基板15上に、下部磁極コア1
6、ギャップ層17、第1絶縁膜18、コイル19、及
び、第2絶縁膜20を設けたのち、メッキベース層とな
る、Ti層(図示せず)及びNiFe(図示せず)をス
パッタリング法によって順次成膜し、レジストを現像・
露光することによって上部磁極コア11を形成するため
の磁極用レジストパターンを形成する。
【0059】この磁極用レジストパターンを形成する際
に、先端部12から後部コア14にかけて全体が緩いテ
ーパ状になるようにパターニングすることによって、電
解メッキをした場合に先端部12から後部コア14にか
けて連続的に不純物濃度が増加した上部磁極コア11が
形成される。
【0060】最後に、上部磁極コアパターン以外の領域
におけるメッキベース層をArイオンを用いたイオンミ
リング法或いはFIB(フォーカス・イオン・ビーム
法)によって除去する。この場合にも、上記第1の実施
の形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0061】次に、図6を参照して、本発明の第2の実
施の形態及びその変形例を説明するが、上部磁極コア1
1の形成工程以外は、上記の第1の実施の形態と全く同
様である。 図6(a)参照 まず、上記の第1の実施の形態と同様に、酸化膜(図示
せず)を形成したSi基板15上に、下部磁極コア1
6、ギャップ層17、第1絶縁膜18、コイル19、及
び、第2絶縁膜20を設けたのち、メッキベース層とな
る、Ti層(図示せず)及びNiFe(図示せず)をス
パッタリング法によって順次成膜し、レジストを露光・
現像することによって上部磁極コア11を形成するため
の磁極用レジストパターンを形成する。
【0062】次いで、電解メッキを行う際に、電流密度
を高くした条件で、厚さ0.1〜1.0μm、例えば、
0.5μmの低不純物濃度層24を形成したのち、電流
密度を低下させた条件で、厚さ1.0〜3.0μm、例
えば、2.0μmの高不純物濃度層25を形成すること
によって、不純物濃度が異なる2層構造の上部磁極コア
11が形成される。
【0063】最後に、上部磁極コアパターン以外の領域
におけるメッキベース層をArイオンを用いたイオンミ
リング法或いはFIB(フォーカス・イオン・ビーム
法)によって除去する。
【0064】この様に、上部磁極コア11の成膜方向に
不純物濃度分布を設けることによって、先端部における
渦電流損失による表皮効果がなく、後部コアにおいても
表皮効果を十分抑制された、理想的な磁束の流れに近づ
けることができ、また、内側の層を低不純物濃度層24
とすることによって、磁気ギャップにおいて発生する磁
界をより大きくすることができる。
【0065】また、この場合の内部の低不純物濃度層2
4の厚さは、後部コアにおける比抵抗ρの増加の観点か
ら、外部の高不純物濃度層25の厚さ以下にすることが
望ましい。なお、これらの低不純物濃度層24及び高不
純物濃度層25の先端部から後部コアにかけても不純物
濃度傾斜が形成されることになる。
【0066】図6(b)参照 図6(b)は本発明の第2の実施の形態の変形例の要部
断面図であり、まず、上記の第1の実施の形態と同様
に、酸化膜(図示せず)を形成したSi基板15上に、
下部磁極コア16、ギャップ層17、第1絶縁膜18、
コイル19、及び、第2絶縁膜20を設けたのち、メッ
キベース層となる、Ti層(図示せず)及びNiFe
(図示せず)をスパッタリング法によって順次成膜し、
レジストを露光・現像することによって上部磁極コア1
1を形成するための磁極用レジストパターンを形成す
る。
【0067】次いで、電解メッキを行う際に、電流密度
が連続的に低下する条件で、厚さ1.0〜4.0μm、
例えば、2.5μmの上部磁極コア11を形成すること
によって、成膜方向に沿って連続的に不純物濃度を高く
することができる。
【0068】最後に、上部磁極コアパターン以外の領域
におけるメッキベース層をArイオンを用いたイオンミ
リング法或いはFIB(フォーカス・イオン・ビーム
法)によって除去する。
【0069】この場合も、上部磁極コア11の成膜方向
に不純物濃度傾斜を設けることによって、先端部におけ
る渦電流損失による表皮効果がなく、後部コアにおいて
も表皮効果を十分抑制された、理想的な磁束の流れに近
づけることができ、また、内側の層を低不純物濃度にす
ることによって、磁気ギャップにおいて発生する磁界を
より大きくすることができる。
【0070】以上、本発明の各実施の形態及びその変形
例を説明してきたが、上部磁極コア内における不純物濃
度傾斜は、上部磁極コアの形状、幅等の寸法、攪拌速
度、或いは、電流密度を組み合わせることによって制御
することができるものであるが、本発明は、上記の条件
に限られるものではない。
【0071】即ち、上部磁極コア11の形成に際して
は、電解メッキ法を用いているが、スパッタリング法或
いは蒸着法等の乾式成膜法と組み合わせて用いても良
く、第2絶縁膜20上に、高飽和磁束密度の材料、例え
ば、CoFe、NiFe50-60 等をスパッタリング法で
成膜したのち、所定の磁極用レジストパターンを設け、
次いで、上述の電解メッキ法を用いて不純物濃度を高め
て高比抵抗にした磁性体膜を形成すれば良い。
【0072】また、上記のスパッタリング法で形成する
高飽和磁束密度Bs の材料がFeN、FeNZr、Fe
NiTa、或いは、センダスト等からなり、電解メッキ
液に対して還元性でない場合には、高飽和磁束密度の材
料をスパッタリング法で成膜したのち、還元性材料をメ
ッキベース層として成膜し、次いで、所定の磁極用レジ
ストパターンを形成したのち、上述の電解メッキ法を用
いて不純物濃度を高めて高比抵抗にした磁性体膜を形成
すれば良い。
【0073】なお、スパッタリング膜及びメッキベース
層の除去は、第1の実施の形態と同様にArイオンを用
いたイオンミリング法、或いは、FIB法(フォーカス
・イオン・ビーム法)を用いれば良い。
【0074】また、全合金組成における最大不純物濃度
Mが10原子%を越えた場合には磁気特性が劣化するの
で、不純物濃度傾斜を階段的に、或いは、連続的に形成
する場合にも、また、成膜方向に形成する場合、或い
は、先端部から後部コアに沿って形成する場合にも、最
大不純物濃度Mが10原子%を越えないように、即ち、
0原子%<M≦10原子%の範囲で傾斜を形成すること
が望ましい。
【0075】また、上記の本発明の各実施の形態の説明
においては、磁極コアを形成する母材合金として、Co
NiFeの3元合金を用いているが、CoNi、CoF
e、或いは、NiFeの2元合金を用いても良いもので
ある。
【0076】また、上記の本発明の各実施の形態の説明
においては、基板として、表面に酸化膜を形成したSi
基板を用いているが、酸化膜を形成していないSi基板
でも良く、或いは、ガラス基板、Al2 3 −TiC基
板等を用いても良いものであり、また、メッキベース層
としてNiFeを用いているが、CoNiFeを用いて
も良いものである。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、上部磁極コア内の成膜
方向或いは、先端部から後部コアに沿った方向に組成傾
斜を形成しているので、高周波領域における情報記録特
性を向上することができ、それによって、ハードディス
ク装置の高密度記録化に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の特性の説明図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態における不純物濃度
の電流密度、パターン幅、及び、レジスト高さ依存性の
説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例の説明図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施の形態及びその変形例の説
明図である。
【図7】従来の薄膜磁気ヘッドの説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部磁極コア 3 絶縁膜 4 絶縁膜 5 コイル 6 絶縁膜 7 上部磁極コア 8 先端部 9 テーパ部 10 後部 11 上部磁極コア 12 先端部 13 テーパ部 14 後部コア 15 Si基板 16 下部磁極コア 17 ギャップ層 18 第1絶縁膜 19 コイル 20 第2絶縁膜 21 低不純物濃度部 22 中不純物濃度部 23 高不純物濃度部 24 低不純物濃度層 25 高不純物濃度層 31 上部磁極コア 32 先端部 33 テーパ部 34 後部コア 35 Si基板 36 下部磁極コア 37 ギャップ層 38 第1絶縁膜 39 コイル 40 第2絶縁膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、下部磁極コアと上部磁極コア
    とを絶縁膜を介して積層させ、後端において前記上部磁
    極コアと下部磁極コアとが接し、先端において磁気ギャ
    ップを形成し、且つ、前記上部磁極コアと下部磁極コア
    とが接した部位を複数回巻いたコイルを設けた薄膜磁気
    ヘッドにおいて、前記上部磁極コアの組成が傾斜を有す
    ることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記上部磁極コアの先端部から後部にか
    けて、合金中の不純物濃度が連続的に高くなっているこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記上部磁極コアの先端部から後部にか
    けて、合金中の不純物濃度が階段的に高くなっているこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記上部磁極コアの積層方向において、
    上記絶縁膜と接する側から表面方向にかけて、合金中の
    不純物濃度が連続的に高くなっていることを特徴とする
    請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 上記上部磁極コアを上記絶縁膜と接する
    内側層と、前記内側層の上に設けた外側層の2層で構成
    し、前記外側層の合金中の不純物濃度を前記内側層の合
    金中の不純物濃度より高くしたことを特徴とする請求項
    1記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 上記合金中の不純物濃度の最大値Mが、
    0原子%<M≦10原子%であることを特徴とする請求
    項2乃至5のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 上記上部磁極コアの合金中の不純物が、
    S,B,N,C,Cl,O,Hの中の少なくとも1種類
    以上の元素からなることを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 上記上部磁極コアの合金が、Co,N
    i,Feの中の少なくとも2種類以上の元素からなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
    薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 基板上に、下部磁極コアと上部磁極コア
    とを絶縁膜を介して積層させ、後端において前記上部磁
    極コアと下部磁極コアとを接続すると共に、先端におい
    て磁気ギャップを形成し、且つ、前記上部磁極コアと下
    部磁極コアとを接続した部位を複数回巻いたコイルを形
    成する薄膜磁気ヘッドの製造方法において、前記上部磁
    極コアをレジスト膜をマスクとして電解メッキ法で形成
    する際に、電流密度、磁極形状、及び、レジスト膜の高
    さの少なくとも一つを変化させることによって前記上部
    磁極コアの組成に傾斜を形成することを特徴とする薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 基板上に、下部磁極コアと上部磁極コ
    アとを絶縁膜を介して積層させ、後端において前記上部
    磁極コアと下部磁極コアとを接続すると共に、先端にお
    いて磁気ギャップを形成し、且つ、前記上部磁極コアと
    下部磁極コアとを接続した部位を複数回巻いたコイルを
    形成する薄膜磁気ヘッドの製造方法において、前記上部
    磁極コアを形成する際に、異なった成膜方法を組み合わ
    せることによって前記上部磁極コアの組成に傾斜を形成
    することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7486477B2 (en) 2005-01-31 2009-02-03 Tdk Corporation FeCoNi soft magnetic film including a controlled ratio of chlorine and sulfur

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