JPH1192140A - ダイオキシン類および酸性物質を含む排ガスの処理剤 - Google Patents

ダイオキシン類および酸性物質を含む排ガスの処理剤

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JPH1192140A
JPH1192140A JP9259032A JP25903297A JPH1192140A JP H1192140 A JPH1192140 A JP H1192140A JP 9259032 A JP9259032 A JP 9259032A JP 25903297 A JP25903297 A JP 25903297A JP H1192140 A JPH1192140 A JP H1192140A
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孝信 汐待
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ごみ焼却炉の排ガスを代表とする排ガス中の
ダイオキシン類や酸性物質のような有害物質を、効率よ
く、かつ作業性よく除去するための、水酸化カルシウム
を基剤とする排ガス処理剤を提供する。 【解決手段】 下記の特性をそなえた水酸化カルシウム
からなる排ガス処理剤 直径20〜50Åの細孔による比表面積が15m2/g
以上 平均粒子径が1〜2μmで、1μm以下の微粒子を2
0%以上含有 電気伝導変化率90%到達時間が15秒以内 流動性指標値が70%以上。 または、ダイオキシンの除去率をとくに高く得たい場合
は、この水酸化カルシウムを基剤として、その50〜9
5重量部に対し、特性を有するリグナイトコ−クス、も
しくは合成ゼオライトの5〜50重量部を混合してなる
排ガス処理剤を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス、とくにご
み焼却炉から排出される排ガス中から、有害物質とくに
ダイオキシン類、およびハロゲン化水素、イオウ酸化物
などの酸性物質を除去するための、水酸化カルシウムを
基剤とする排ガス処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却炉等から排出される排ガス中に
含まれるハロゲン化水素、イオウ酸化物等の酸性有害物
質を除去する方法として、煙道内に水酸化カルシウムの
粉末を噴射する乾式法、および水酸化カルシウムのスラ
リ−を噴射する半乾式法が、一般に行なわれている。
乾式法は、貯蔵ホッパ−から水酸化カルシウムを定量的
に切り出して煙道に吹き込む単純な工程であるから、設
備費が安くて済み操業が容易であるというメリットがあ
るが、酸性有害物質と水酸化カルシウムとの反応効率が
低いため、理論必要量の何倍もの水酸化カルシウムを使
用しないと効果が得られない。 一方、半乾式法は、反
応効率は乾式法より高いが、水酸化カルシウムと水とを
混合する設備が必要となるうえ、スラリ−のノズルや配
管内が閉そくしやすいといった問題がある。 そのた
め、やはり乾式法の方がメンテナンスが容易であり、広
く実施されている。
【0003】近年、ごみ焼却炉等から排出されるダイオ
キシン類が人体に悪影響を与えるとして、深刻な社会問
題となっている。 これに対応するために、大気汚染防
止法施行令の一部が改正され、規制が強化されるように
なった。
【0004】最新式の焼却炉では、燃焼状態を十分に制
御することや、ダイオキシン類の除去に有効な触媒を使
用することにより、ダイオキシン類の発生および放出の
量を、かなり低減させることができるようになった。
しかし、ダイオキシン類がそれほど問題とならなかった
頃から稼働している既設の焼却炉、とくに準連続式の焼
却炉においては、燃焼制御だけでダイオキシン類の発生
量を低下させることは不可能である。 このような焼却
炉の中には、上記政令の示す新ガイドラインの数十倍か
ら数百倍に及ぶ多量のダイオキシン類を放出していたも
のも少なくなく、緊急に何らかの対策を実施することが
必要となっている。
【0005】設備を大幅に改造することなく排ガス中の
ダイオキシン類を除去する方法としては、比表面積が大
きな物質をダイオキシン類吸着剤として使用する方法が
一般的である 具体的には、活性炭または活性コ−クス
を煙道内に吹き込む設備を追加したり、またはこれらの
吸着剤をあらかじめ水酸化カルシウムに混合して、煙道
内に吹き込む。 比表面積の大きい水酸化カルシウムに
活性炭を混合してなる排ガス処理剤(特開平8−108
040)や、水酸化カルシウムとともに、珪藻土、ゼオ
ライト、活性白土等と、活性炭、活性コ−クス、珪酸ゲ
ル等とを混合した有害物質除去剤を煙道に吹き込み、主
としてバグフィルターにおいて吸着除去することも提案
されている(特開平9−108541)。 ここで珪藻
土、ゼオライト、活性白土等のグループは、バグフィル
ターからのケークの剥離を容易にするために加える助剤
であって、以前から使用されている。
【0006】吸着剤となる物質は、あらかじめ水酸化カ
ルシウムと混合しておけば、新たに貯蔵ホッパ−や吹き
込み装置を追加する必要がない。 珪藻土などの助剤を
吹き込む装置がすでにあれば、そこで混合して使用する
こともできる。 水酸化カルシウムとこれら吸着剤や助
剤との混合は、吸着剤の分散性を向上させて吸着除去性
能を高めることができるので、有利である。
【0007】しかし、これらのダイオキシン類吸着剤と
して提案されている物質は、これまでダイオキシン類以
外の多様な物質を対象とする吸着剤として使用されてき
た、比表面が極めて大きなものというだけのものであっ
て、ダイオキシン類に対して最適の吸着剤であるとは言
い難い。 また、これらの吸着剤は、一般に水酸化カル
シウムと比較しても高価であるから、少量の添加で高い
ダイオキシン類除去率が得られるものでなければならな
い。
【0008】塩化水素の排出基準についてみれば、全国
的に上限界として定められている値は430ppmであ
るが、自治体によっては自主規制をして、よりきびしい
100ppm以下、とくに都市部においては、50pp
m以下の排出濃度を目標にしているところも少なくな
い。 これにより、ごみ焼却炉からの酸性有害物質排出
量は抑えられる傾向にあるが、低排出濃度を達成しよう
とすると、当然に水酸化カルシウムの使用量が増加す
る。 その結果、処理後に無害化すべき飛灰の量が増加
し、それとともに、無害化処理後の飛灰を廃棄するスペ
−スに困る。 とくに大都市においては、飛灰の減容化
は、緊急の問題となっている。
【0009】酸性有害物質との反応効率を高め、飛灰発
生量の低減を図るために、従来の水酸化カルシウムより
も高い反応性をもった水酸化カルシウムを使用すること
を意図して、その製造方法が提案されている。 たとえ
ば、生石灰の消化水として低沸点アルコ−ルを添加した
ものを用い、消化反応の速度を遅延することにより高比
表面積の水酸化カルシウムを製造する方法(特公平6−
8194)や、消化水にオキシカルボン酸やエタノ−ル
アミン等を添加することにより水酸化カルシウムの粒子
を微細化する方法(特開平9−110423)が提案さ
れている。
【0010】上記のような方法により製造される水酸化
カルシウムは、その物性からみても、従来の水酸化カル
シウムに対して反応性が向上していることは、容易に理
解できる。 しかし、実際の焼却炉における使用条件に
完全にマッチしたものであるか否か、すなわち、酸性有
害物質との反応性、水蒸気による作用、煙道中に吹き込
まれた後の分散性や粒子挙動に関して、考慮されたもの
ではない。また、従来の水酸化カルシウムは、酸性有害
物質の除去を第一の目的として開発されてきたから、ダ
イオキシン類の除去に関する性能は、全く問題にされて
いなかったのが実情である。
【0011】本発明者等は、酸性有害物質とともにダイ
オキシン類を含む排ガスの処理に使用したときに、最適
な処理剤を開発することを企てて研究した結果、細孔分
布および粒子径をコントロ−ルし、さらに親水性、分散
性に優れた水酸化カルシウムが、酸性有害物質に対して
高い反応効率を示すこと、またダイオキシン類に対して
も有効であることを見出した。 さらに研究を重ね、ダ
イオキシン類の吸着除去に使用するコ−クスやゼオライ
トに関しても、細孔分布や粒子径が吸着能に重大な影響
を与えることをも見出した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、煙道および集塵機内において排ガスと接触して有害
酸性物質と反応し、またはダイオキシン類を吸着する上
で、最適な粒子状態にコントロ−ルされた、したがって
反応性および吸着性が高い水酸化カルシウムを基剤とす
る排ガス処理剤を提供し、それによって、処理剤の使用
量を大幅に低減しても、有害物質が十分に除去され、そ
の結果として無害化処理すべき飛灰の発生量の大幅な低
減を可能にすることにある。
【0013】本発明の第二の目的は、上記の水酸化カル
シウムを基剤とする排ガス処理剤に加えて、ダイオキシ
ン類の吸着剤であって吸着に最適な粒子状態にコントロ
−ルされた、したがって吸着性能が高い吸着剤を使用
し、酸性有害物質とともにダイオキシン類を含有する排
ガスの処理に用いて、いっそう高いダイオキシン類除去
性能を発揮する排ガス処理剤を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の目的を達
成する排ガス処理剤は、下記の特性を有する水酸化カル
シウムからなる: 直径20〜50Åの細孔による比表面積15m2/g以
上 平均粒子径が1〜2μm 電気伝導度変化率の90%到達時間が15秒以内 流動性指標値が70%以上 ダイオキシン類および酸性物質を除去するための排ガス
処理剤である。
【0015】本発明の第二の目的を達成する排ガス処理
剤は、上記の水酸化カルシウムを基剤とし、その5〜9
5重量部に対して、下記の特性を有するリグナイトコ−
クスの5〜50重量部を混合してなるか、 直径20〜50Åの細孔による比表面積が100m2
g以上 平均粒子径30μm以下 請求項1に記載の排ガス処理剤と重量比で1:1で混
合したときの着火温度が500℃以上 または、下記の特性を有する合成ゼオライトの5〜50
重量部を混合してなる 直径20〜50Åの細孔による比表面積が100m2
g以上 平均粒子径30μm以下 ダイオキシン類および酸性物質を除去するための排ガス
処理剤である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス処理剤の基剤とな
る水酸化カルシウムにおいて、「直径20〜50Åの細
孔による比表面積」は、77Kにおける窒素の脱離等温
線により求められる。 中尾ら(第4回廃棄物学会研究
発表会講演論文集p.839−842)によれば、ダイオ
キシン類を吸着するために有効な細孔直径は、15〜5
0Åの範囲内である。 本発明者等は、独自の研究によ
り、水酸化カルシウムが有する細孔の中で、とくに直径
20〜50Åの範囲の細孔は、塩化水素との反応に関し
ても効果的であることを見出した。
【0017】上記の範囲内の細孔をもつ水酸化カルシウ
ムは、乾式消化時における消化機内の温度を100〜1
15℃の範囲内、すなわち、通常の乾式消化の温度より
も低温の領域にコントロ−ルし、さらに消化水として、
2〜10重量%のプロピレングリコ−ルを添加した水溶
液を使用することにより、製造することができる。
【0018】「平均粒子径」とは、ここではレ−ザ−回
折式粒度分布測定装置により求められる、累積50体積
%粒子径を意味する。 一般に水酸化カルシウムのよう
な多孔質粉体は、分級や粉砕によって粒子径をコントロ
−ルしても、その比表面積はほとんど変化しない。 し
かし、固−気反応において、最も速く反応が進むのは気
体と接触しやすい粒子の外面であるから、粒子径を小さ
くすることによって見掛けの表面積が増大し、反応性が
向上することは明らかである。
【0019】平均粒子径の小さい水酸化カルシウムは、
混合・撹拌・解砕能力の高い消化機中で、酸化カルシウ
ムに複数のノズルから消化水を添加し、供給水量を調節
することにより消化機内の複数の箇所の温度を100〜
110℃に維持する微粒水酸化カルシウムの製造方法に
より製造することができる。 この微粉水酸化カルシウ
ムの製造方法は、すでに開示した(特開平9−2271
21号)。 この方法により、従来の消化機を用いた場
合よりはるかに細かい粒度の水酸化カルシウムを製造す
ることが可能となった。 なお、この方法により製造さ
れた水酸化カルシウム中に少量含まれている粗粒や、未
消化物、不純物等を取り除くためには、気流式分級機を
用いてふるい分けることが最適である。
【0020】微粒末の水酸化カルシウムを得る方法とし
ては、上記のほかに、回転ロ−タ−式分級機でふるい分
けて微粒末を集める方法や、消化機から排出された水酸
化カルシウムを微粉砕するか、または原料酸化カルシウ
ムを微粉砕しておくという方法がある。 前者は、工程
中で粒子破壊が起り、後述する流動性改善の目的で施し
た表面処理がなされていない新たな面が出現して流動性
が悪化したり、一部の粗粒が破壊されて混入するため不
利である。 後者は、水酸化カルシウムを製品としてほ
ぼ100%利用できるという点で不利はないが、酸性有
害物質との反応にほとんど関与しない未消化物や、不純
物などがすべて混入してくるため、高反応性水酸化カル
シウムを製造する方法としては適切といえない。
【0021】このようなわけで、排ガス中の酸性有害物
質やダイオキシン類を有効に除去する高反応性水酸化カ
ルシウムとしては、気流式分級機によって、その平均粒
子径が1〜2μm、好ましくは1.4〜1.7μmであ
って、さらに、1μm以下の超微粒子を20%以上含有
するものを取得する方法が最適である。 平均粒子径が
1μmよりも小さくなると、粒子間凝集により流動性が
悪くなり、ハンドリング性が悪化するとともに、煙道お
よび集塵機内における分散性も低下する。 これを改善
するためには、粒子表面の活性を相殺するような表面処
理を施さねばならないため、かえって不利益となる。
【0022】「電気伝導度変化率90%到達時間」と
は、水酸化カルシウムの水に対する溶解速度の尺度であ
って、後述する方法により測定する。 ごみ焼却炉の排
ガス中に多い有害な酸性物質は、塩化水素およびイオウ
酸化物である。 さらに、有機物の燃焼により水が生成
し、また排ガスの温度を低くするために水を吹き込むた
め、煙道や集塵機内は、高い水蒸気分圧下にある。 1
50〜400℃の高温下で水酸化カルシウムを用いて塩
化水素およびイオウ酸化物を除去する反応の速度は、水
蒸気の存在により大きな影響を受け、湿度が高いほどこ
れら酸性物質の除去率が高くなることはよく知られてい
る。 これは、ひとつは水酸化カルシウム粒子の表面や
細孔に付着・凝集した水分が、酸性物質の吸収と粒子内
への拡散を促進するためであり、いまひとつは塩化水素
と水酸化カルシウムとの反応により生成した塩化カルシ
ウムは潮解性が高く、いったんは粒子表面に反応生成物
の膜が生成しても、水蒸気の存在によって溶け去り、新
たな活性表面が出現するためと考えられる。
【0023】上記のような理由で、排ガス処理剤として
の水酸化カルシウムの表面は親水性であることが必要で
あり、その度合は、水に対する溶解速度を測定すること
によって定めることができる。 たとえ、比表面積が大
きく、粒子径が小さくても、その表面が疎水性であれ
ば、排ガス処理剤としては当然に効果が低い。
【0024】「流動性指標値」とは、水酸化カルシウム
の流動性・分散性を示すものであって、後述する方法に
より測定する。 一般に、水酸化カルシウムのような極
性を有する粉体を分級等により微粉化すると、粒子間凝
集や、吸湿等により流動性が低下し、付着性が増加する
傾向がみられ、その結果、ハンドリング性の悪いものと
なる。 流動性の悪い水酸化カルシウムは、貯蔵ホッパ
−からの定量切り出しができなかったり、配管内に付着
して閉そくをひき起したりするほか、排ガス処理剤とし
て使用した場合は、煙道内に吹き込まれたものが、均一
に分散せず、反応効率も低下する。
【0025】このような現象への対策として、本発明者
等は、水溶性多価アルコ−ル、ポリグリコ−ル系界面活
性剤およびアミノ変性ジメチルシリコンオイルから、選
んだ1種または2種以上の物質を添加した消化水を使用
することにより、表面活性を損なうことなく流動性を高
めた水酸化カルシウムが製造できることを知り、これも
すでに開示した(特開平9−165216)。
【0026】以上の説明から理解されるように、前記の
特性〜をすべてそなえた水酸化カルシウムは、排ガ
ス処理剤として、最適な特性をすべて兼ね備えた水酸化
カルシウムである。 このような水酸化カルシウムを使
用することにより、本発明の処理剤は、酸性有害物質に
対する反応性が高まり、水酸化カルシウムの使用量を大
幅に低減することが可能となるばかりか、従来の水酸化
カルシウムにはほとんど望めなかったダイオキシン類の
吸着除去が著しく効率的になり、高価なダイオキシン類
吸着剤の使用量を低減することが可能となる。
【0027】しかし、ダイオキシン類の除去に当って
は、やはり吸着性能の高い吸着剤を用いた方が、より高
い除去率を実現することができる。 本発明の排ガス処
理剤の第二のものとしては、上記したような水酸化カル
シウムを基剤とし、これに第二の成分として、リグナイ
トコ−クスまたは合成ゼオライトであって、前記したよ
うに、直径20〜50Åの細孔による比表面積100
m2/g以上、平均粒子径30μm以下のもの、さらにリ
グナイトコ−クスの場合は、上記した水酸化カルシウ
ムからなる基剤と重量比で1:1で混合したときの着火
温度が500℃以上であるもの、を配合して使用する。
【0028】これらの第二の成分とくにリグナイトコー
クスは、既知のダイオキシン類吸着除去剤である活性炭
と比較して安価であるため、経済的にも有利である。
【0029】リグナイトコ−クスに関しては着火性が問
題になるのは、これが可燃物であるため、過剰酸素が比
較的多量に存在し、かつ高温であるごみ焼却炉排ガス中
に分散させたときに、ガス爆発を招く危険がないという
ことを確認する必要があるからである。 リグナイトコ
−クスは最高の配合率が処理剤中50重量%、すなわち
水酸化カルシウムに対して重量比で1:1であり、排ガ
ス温度は300℃までであるから、上記の条件を満た
すことが確認できるものは、ガス爆発の危険はない。
【0030】第二の成分のもつべき特性、すなわち直径
20〜50Åの細孔による比表面積が100m2/g以上、
かつ、平均粒子径が30μm以下であることは、水酸化
カルシウムによるダイオキシン類および酸性物質に関し
て、上に説明したところと同様である。
【0031】第二の成分の配合量は、基本的には排ガス
中のダイオキシン類濃度および酸性有害物質濃度の両者
を考慮して決定すべきであるが、処理剤全体の5〜50
重量%、好ましくは5〜25重量%を占めるのがよい。
配合量が少なすぎるとその効果が不十分であり、多すぎ
ると経済的でない。 水酸化カルシウムと第二の成分と
の混合は、両者が均一に混合するように実施する必要が
あるのはもちろんであるが、混合をあまり長い時間を行
なうことは好ましくない。 第二の成分が吸湿すること
により、処理全体の流動性・分散性が悪化するからであ
る。 有効な混合手段は横型の混合機によりバッチ式で
混合する方法であり、1バッチ3分間以内で混合を完了
することが好ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明の排ガス処理剤は、従来の水酸化
カルシウムを基剤とする排ガス処理剤と比較して、より
少ない使用量で同等以上のダイオキシン類および酸性物
質の除去効果が得られる。 従って、無害化処理すべき
飛灰の発生量も低減させることができる。 さらに、リ
グナイトコ−クスや合成ゼオライトを配合したものは、
ダイオキシン類を一層効果的に除去する。 このような
性能をもつ本発明の排ガス処理剤は、ごみ焼却炉排ガ
ス、化石燃料の燃焼排ガスをはじめとして、ダイオキシ
ン類や酸性物質を含む排ガスの処理に好適である。 ま
た、処理方式、集塵方式、排ガスの温度、湿度、各種有
害物質の濃度などの条件が変動しても、広い範囲で適応
することが可能である。
【0033】
【実施例】
[実施例1]複数の消化水ノズルを有する混合・撹拌・
解砕能力の高い消化機を使用し、粒径20mm以下に破
砕した酸化カルシウム100重量部に対し、消化水とし
て、水96重量部、プロピレングリコ−ル4重量部、お
よびポリグリコ−ル系界面活性剤0.02重量部を混合
した液体65重量部を供給して、消化機内の温度が10
0〜110℃に保たれるように操作した。 消化機から
排出された消化生成物を気流式分級機でふるい分けるこ
とにより、排ガス処理剤の水酸化カルシウム基剤を製造
した。
【0034】[実施例2]実施例1で製造した水酸化カ
ルシウム90重量部とリグナイトコークス10重量部と
を横型ミキサーで均一に混合することにより、排ガス処
理剤を製造した。このリグナイトコークスは、つぎの特
性を持っている: 直径20〜50Åの細孔による比表面積 120m2/g 平均粒子径 18.4μm BET法全比表面積 269m2/g。
【0035】[実施例3]実施例1で製造した水酸化カ
ルシウム75重量部と、実施例2で使用したものと同じ
リグナイトコ−クス25重量部とを、横型ミキサ−で均
一に混合することにより排ガス処理剤を製造した。
【0036】[比較例1]市販のJIS特号消石灰を用
いた。
【0037】[比較例2]JIS特号消石灰製造設備の
消化機を使用して、粒径0.15mm以下に粉砕した酸
化カルシウム100重量部を原料とし、これに消化水と
して水50重量%とエチルアルコ−ル50重量%とを混
合した液65重量部を加えることにより、消化を行なっ
た。 消化機から排出された消化生成物を目開き1mm
のふるいでふるい分けることにより、高比表面積の水酸
化カルシウムを製造した。
【0038】[比較例3]実施例1で製造した水酸化カ
ルシウム90重量部とヤシガラ活性炭10重量部とを、
横型ミキサ−で均一に混合することにより、排ガス処理
剤を製造した。このヤシガラ活性炭は、つぎの特性を持
っている: 直径20〜50Åの細孔による比表面積 845m2/g 平均粒子径 41.3μm BET法全比表面積 79m2/g 〈試験・評価方法〉 [電気伝導度変化率90%到達時間]濃度10重量%の
水酸化カルシウムスラリ−2mlを、300rpm で撹拌し
ている250mlのイオン交換水中にシリンジを用いて注
入し、水酸化カルシウムの溶解による電気伝導度の変化
を、注入時から5分間追跡する。 電気伝導度の上昇
が、5分後の値に対して90%の値に到達するまでに要
した時間を読み取る。
【0039】[流動性指標値]JIS−R5201の定
めるところに準じたフロ−テ−ブル上に、目開き1mmの
ふるいをのせ、測定試料100gを円錐台状の筒を用い
て、安息角状となるようにふるい目の上に置く。 この
ふるいに対し、10秒間隔で計5回の上下振動を与え、
振動によりふるい目を通過した試料の重量を測定する。
【0040】[排ガス処理試験]1日当たりの処理能力
が25トンであるごみ焼却炉の排ガス処理設備で使用す
ることにより、実装置における除去能力を調べた。 排
ガス量は、17000Nm3/hrであった。 この設備は
乾式処理方式であり、集塵機はバグフィルタ−式であ
る。 バグフィルタ−内の温度は200℃であり、煙道
の水酸化カルシウム吹き込み口の直前において、塩化水
素濃度は400〜500ppm、ダイオキシン類濃度は
10〜15ngTEQ/Nm3であった。 排ガス処理剤の
使用量は30kg/hr とし、実施例1については、さらに
15kg/hr での運転も行なった。 塩化水素除去率は、
排ガス処理剤5トンを消費した間の平均値で求めた。
【0041】各実施例および比較例の処理剤の諸物性
と、有害物質除去率とを表1にまとめて示す。
【0042】 表 1 実施例 比較例 1 2 3 1 2 3 平均粒径(μm) 1.5 1.7 1.9 4.3 1.7 2.1 1μm以下含有量(体積%) 28.1 25.6 20.1 6.7 21.5 24.3 全比表面積(BET法 m2/g) 25.7 46.8 86.3 15.1 42.5 108.3 直径20〜50Åの 17.5 27.1 45.7 8.1 14.3 21.2 細孔による比表面積(m2/g) 電気伝導度変化率 11 11 12 42 28 11 90%到達時間(sec) 流動性指標値(重量%) 91.2 86.0 77.4 58.9 49.7 87.2 ダイオキシン類除去率(%) 45.5 98.1 99.5 13.0 36.0 78.8 (21.7*) 塩化水素除去率(%) 99.6 95.6 92.4 52.3 83.7 95.2 (89.2*) *供給速度15kg/hrの場合。
【0043】水酸化カルシウム基剤だけからなり、第二
の成分である吸着剤を含まない処理剤を用いた実施例1
においても、かなりのダイオキシン類が除去されてい
る。実施例2および3と比較例2および3とを対比する
と、処理剤の全比表面積は後二者の方が大きいにもかか
わらず、ダイオキシン類除去率においては前二者に劣っ
ていることから、直径20〜50Åの細孔による比表面
積の大小が重要であることがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特性を有する水酸化カルシウムか
    らなる 直径20〜50Å/の細孔による比表面積が15m2
    g以上 平均粒子径が1〜2μmで、1μm以下の微粒子を2
    0%以上含有 電気伝導度変化率の90%到達時間が15秒以内 流動性指標値が70%以上 ダイオキシン類および酸性物質を含む排ガスの処理剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水酸化カルシウムから
    なる排ガス処理剤の50〜95重量部に対し、第二の成
    分として、下記の特性を有するリグナイトコ−クスの5
    〜50重量部を混合してなる 直径20〜50Åの細孔による比表面積が100m2
    g以上 平均粒子径30μm以下 請求項1に記載の排ガス処理剤と重量比で1:1で混
    合したときの着火温度が500℃以上 ダイオキシン類および酸性物質を含む排ガスの処理剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の水酸化カルシウムから
    なる排ガス処理剤の50〜95重量部に対し、第二の成
    分として、下記の特性を有する合成ゼオライトの5〜5
    0重量部を混合してなる 直径20〜50Åの細孔による比表面積が100m2
    g以上 平均粒子径30μm以下 ダイオキシン類および酸性物質を含む排ガスの処理剤。
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