JPH1192405A - 薬物複合体 - Google Patents

薬物複合体

Info

Publication number
JPH1192405A
JPH1192405A JP9254780A JP25478097A JPH1192405A JP H1192405 A JPH1192405 A JP H1192405A JP 9254780 A JP9254780 A JP 9254780A JP 25478097 A JP25478097 A JP 25478097A JP H1192405 A JPH1192405 A JP H1192405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyalcohol
pullulan
carboxy
alkyl
drug conjugate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9254780A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1192405A5 (ja
Inventor
Kazuhiro Inoue
和泓 井上
Hiroshi Suzaki
浩 洲崎
Masahiro Ikeda
政浩 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DDS KENKYUSHO KK
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
DDS KENKYUSHO KK
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DDS KENKYUSHO KK, Daiichi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical DDS KENKYUSHO KK
Priority to JP9254780A priority Critical patent/JPH1192405A/ja
Publication of JPH1192405A publication Critical patent/JPH1192405A/ja
Publication of JPH1192405A5 publication Critical patent/JPH1192405A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 例えば実質的に完全にポリアルコール化
可能な条件下でプルランを処理して得られたプルランポ
リアルコールと、例えばドキソルビシンなどの医薬化合
物の残基とが1個のアミノ酸からなるスペーサー又はペ
プチド結合した2ないし8個のアミノ酸からなるスペー
サーを介して結合していることを特徴とする薬物複合
体。 【効果】 腫瘍部位選択性に優れており、高い抗腫瘍作
用を発揮できるとともに毒性の発現も軽減されていると
いう特徴を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬として有用な薬
物複合体に関するものである。さらに具体的にいうと、
本発明は、多糖誘導体であるカルボキシC1-4アルキルプ
ルランポリアルコールと抗腫瘍剤や抗炎症剤等の医薬化
合物とをスペーサーを介して結合させた薬物複合体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】肺癌や消化器癌などの固形癌や白血病な
どの血液癌の治療に際して用いられる抗腫瘍剤は、静脈
内投与や経口投与などの投与経路により全身的に投与さ
れた後、特定の腫瘍部位に移行して癌細胞の増殖を阻害
ないし抑制することにより治療効果を発揮する。しかし
ながら、全身投与された抗腫瘍剤は、血中から肝臓・網
内系臓器に速やかに取り込まれたり、あるいは速やかに
尿中排泄されるために、血中濃度が低下して腫瘍部位へ
の移行が十分でない場合がある。また、通常の抗腫瘍剤
自体では腫瘍部位への移行選択性(腫瘍選択性)が低い
ために、抗腫瘍剤が全身の様々な細胞や組織に満遍なく
分布してしまい、正常な細胞や組織に対しても細胞毒と
して作用するので、嘔吐、発熱、あるいは脱毛などの副
作用を極めて高率に発生させるという問題がある。従っ
て、抗腫瘍剤を効率的かつ選択的に腫瘍部位に移行させ
る手段の開発が求められている。
【0003】このような手段の一つとして、多糖高分子
に抗腫瘍剤を結合させて、抗腫瘍剤の血中からの消失を
遅延させ、かつ、癌組織への指向性を高める方法が提案
されている。例えば、特公平7-84481 号公報には、カル
ボキシメチル化されたマンノグルカン誘導体にシッフ塩
基や酸アミド結合を介してダウノルビシン、ドキソルビ
シン、マイトマイシンC、又はブレオマイシンなどを導
入した薬物複合体が開示されている。この発明における
マンノグルカン誘導体としては、カルボキシメチル化さ
れたマンノグルカン・ポリアルコールも用いられてい
る。しかしながら、マンノグルカン誘導体は枝分かれが
多いので構造が複雑であり、医薬品の製造に適する均一
な品質のものを入手することが困難であった。
【0004】また、国際公開 WO94/19376 号には、カル
ボキシル基を有する多糖のカルボキシル基にペプチド鎖
(アミノ酸数 1〜8)が結合されており、さらにこのペプ
チド鎖を介してドキソルビシン、ダウノルビシン、マイ
トマイシンC、又はブレオマイシンなどを結合した薬物
複合体が開示されている。カルボキシル基を有する多糖
としては、本来的にその構造中にカルボキシル基を有す
る多糖(例えば、ヒアルロン酸等)のほか、本来的にそ
の構造中にカルボキシル基を有しない多糖(例えば、プ
ルラン、デキストラン、キチン等)の水酸基にカルボキ
シC1-4アルキル基を導入するか、あるいはマロン酸やコ
ハク酸などの多塩基性酸をエステル結合させてカルボキ
シル基を導入した多糖類などが例示されている。この薬
物複合体は、ドキソルビシンなどの薬剤と上記多糖部分
とがスペーサーを介して結合していることを構造上の特
徴としており、ドキソルビシンより優れた抗腫瘍効果が
得られるとともに、毒性・副作用が軽減されている。
【0005】その他、ポリアルコール化多糖誘導体を薬
物の送達キャリアーとして用いた薬物複合体に関する技
術について、「多糖−ペプチド−ドキソルビシン複合体
に関する研究・多糖キャリアーの血中安定性と抗腫瘍効
果の関係」(第10回日本DDS学会講演要旨集, 279, 1
994);「多糖−ペプチド−ドキソルビシン複合体に関す
る研究・体内動態と抗腫瘍効果」(第9回日本薬物動態
学会年会講演要旨集,292, 1994);第19回研究開発動向
セミナー(医薬品機構主催)要旨集, D-9, 1995 ;及び
「多糖キャリアーによる腫瘍への薬物送達に関する研
究」(第12回コロイド・界面技術シンポジウム,日本化
学会,講演要旨集, 51, 1995) などの報告がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、抗腫
瘍剤や抗炎症剤などの有効成分を腫瘍部位などに対して
部位選択的に移行させることができる薬物複合体を提供
することにある。より具体的には、抗腫瘍剤や抗炎症剤
などの医薬化合物を部分構造として含む薬物複合体であ
って、血中に長時間滞留することができ、かつ、腫瘍部
位や炎症部位に対して部位選択的に該医薬化合物を送り
込むことができる薬物複合体を提供することが本発明の
課題である。また、本発明の別の課題は、上記の特徴を
有する薬物複合体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく国際公開 WO94/19376 号に開示された薬物
複合体の改良を試みた結果、カルボキシル基を有する多
糖類に替えて、デキストランをポリアルコール化したデ
キストラン誘導体をカルボキシC1-4アルキル化したもの
を多糖部分として用いると、投与後の医薬が長時間にわ
たって高濃度で維持されるとともに、腫瘍部位や炎症部
位に対する部位選択性を大幅に改善できることを見い出
した。また、このような化合物では抗腫瘍効果などの主
薬効が顕著に増強されている一方、毒性は低減されてい
ることを見いだした(PCT/JP97/01914) 。本発明者はさ
らに研究を進めた結果、カルボキシアルキルプルランポ
リアルコールを多糖部分として含む薬物複合体が、カル
ボキシアルキルデキストランポリアルコールを含む上記
の薬物複合体と同様の性質を有していることを見出し
た。本発明はこれらの知見を基にして完成されたもので
ある。
【0008】すなわち本発明は、1個のアミノ酸からな
るスペーサー又はペプチド結合した2ないし8個のアミ
ノ酸からなるスペーサーを介してカルボキシC1-4アルキ
ルプルランポリアルコールと医薬化合物の残基とが結合
していることを特徴とする薬物複合体を提供するもので
ある。また本発明の別の態様により、上記の薬物複合体
からなる医薬;及び上記の薬物複合体を有効成分として
含む医薬組成物、例えばバイアルに充填された凍結乾燥
品の形態の注射用若しくは点滴用の製剤などが提供され
る。さらに本発明の別の態様によれば、上記の薬物複合
体の製造方法が提供される。
【0009】上記の発明の好ましい態様として、カルボ
キシC1-4アルキルプルランポリアルコールを構成するプ
ルランポリアルコールが、実質的に完全にポリアルコー
ル化可能な条件下でプルランを処理して得られたプルラ
ンポリアルコールであることを特徴とする上記薬物複合
体;カルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコールが
カルボキシメチルプルランポリアルコールである上記薬
物複合体;医薬化合物が抗腫瘍剤又は抗炎症剤である上
記薬物複合体;医薬化合物が濃度に依存した抗腫瘍作用
を発現する抗腫瘍剤(より高い濃度でより強い抗腫瘍作
用を発現する抗腫瘍剤:本明細書において濃度依存型の
抗腫瘍剤という場合がある)である上記薬物複合体;医
薬化合物が時間に依存した抗腫瘍作用を発現する抗腫瘍
剤(より長い作用時間でより強い抗腫瘍作用を発現する
抗腫瘍剤:本明細書において時間依存型の抗腫瘍剤とい
う場合がある)である上記薬物複合体;並びに、抗腫瘍
剤がドキソルビシン又は (1S,9S)-1- アミノ-9- エチル
-5- フルオロ-2,3- ジヒドロ-9- ハイドロキシ-4- メチ
ル-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7] インドリジノ
[1,2-b] キノリン-10,13(9H,15H)- ジオンである上記薬
物複合体が提供される。
【0010】また、同様に好ましい態様として、スペー
サーが -X-Z-で表されるジペプチド(-X-Z- は疎水性ア
ミノ酸(X) と親水性アミノ酸(Z) とがそれぞれN末端側
及びC末端側となってペプチド結合して形成されるジペ
プチドのN末端のアミノ基及びC末端のカルボキシル基
から、それぞれ1個の水素原子及び1個の水酸基を除い
た残基を意味する)であるか、又は該ジペプチドを部分
ペプチド配列として含むスペーサーである上記薬物複合
体;疎水性アミノ酸がフェニルアラニンであり、親水性
アミノ酸がグリシンである上記薬物複合体;スペーサー
が (N 末端)-Gly-Gly-Phe-Gly-である上記薬物複合体;
並びに、抗腫瘍剤の残基の導入量が 1〜15重量% 、好ま
しくは 3〜10重量% 、さらに好ましくは 4〜7 重量% の
範囲である上記薬物複合体が提供される。
【0011】本発明の特に好ましい態様として、H2N-Gl
y-Gly-Phe-Gly-COOHで示されるペプチドのN末端がカル
ボキシメチルプルランポリアルコールのカルボキシル基
に酸アミド結合しており、該ペプチドのC末端が (1S,9
S)-1- アミノ-9- エチル-5-フルオロ-2,3- ジヒドロ-9-
ハイドロキシ-4- メチル-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ
[3',4':6,7] インドリジノ[1,2-b] キノリン-10,13(9H,
15H)- ジオンの1-アミノ基と酸アミド結合した上記薬物
複合体; (1S,9S)-1- アミノ-9- エチル-5- フルオロ-
2,3- ジヒドロ-9- ハイドロキシ-4- メチル-1H,12H-ベ
ンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7] インドリジノ[1,2-b] キノ
リン-10,13(9H,15H)- ジオン残基の導入量が2〜10重量%
の範囲である上記薬物複合体;並びに、カルボキシC
1-4アルキルプルランポリアルコールが、分子量 5,000
〜500,000 の範囲、好ましくは 10,000〜350,000 の範
囲、より好ましくは 50,000 〜200,000 の範囲のカルボ
キシメチルプルランポリアルコールであり、カルボキシ
メチル化度が構成糖残基あたり0.01〜2.66の範囲、好ま
しくは 0.1〜1.0 の範囲、より好ましくは 0.3〜0.6 の
範囲である上記薬物複合体が提供される。
【0012】本発明の別の態様によれば、カルボキシC
1-4アルキルプルランポリアルコールからなる薬物送達
のキャリアーが提供される。この発明の好ましい態様で
は、カルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコールの
分子量が 5,000〜500,000 の範囲、好ましくは 10,000
〜350,000 の範囲、より好ましくは 50,000 〜200,000
の範囲であり、カルボキシC1-4アルキル化度が構成糖残
基あたり0.01〜2.66の範囲、好ましくは 0.1〜1.0 の範
囲、より好ましくは 0.3〜0.6 の範囲である。カルボキ
シメチルプルランポリアルコールが最も好ましいキャリ
アーとして提供される。この発明の別の観点からは、医
薬化合物の残基と結合したカルボキシC1-4アルキルプル
ランポリアルコールを含む薬物複合体の製造のためのカ
ルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコールの使用が
提供される。
【0013】この発明の好ましい態様として、医薬化合
物の残基とカルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコ
ールとがスペーサーを介して結合した薬物複合体の製造
のためのカルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコー
ルの使用;並びに1個のアミノ酸からなるスペーサー又
はペプチド結合した 2〜8 個のアミノ酸からなるスペー
サーを介してカルボキシC1-4アルキルプルランポリアル
コールと医薬化合物の残基とが結合していることを特徴
とする薬物複合体の製造のためのカルボキシC1-4アルキ
ルプルランポリアルコールの使用が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の薬物複合体は、1個のア
ミノ酸からなるスペーサー又はペプチド結合した 2〜8
個のアミノ酸からなるスペーサーを介してカルボキシC
1-4アルキルプルランポリアルコールと医薬化合物の残
基とが結合していることを特徴としている。
【0015】本発明の薬物複合体に含まれる医薬化合物
の残基は、例えば、抗腫瘍剤、抗炎症剤、抗菌剤などの
医薬としてヒトを含む哺乳類の病気の治療及び/又は予
防に用いられる医薬化合物に由来し、その部分構造によ
り構成される。もっとも、該残基が由来する医薬化合物
は上記のものに限定されることはない。また、医薬化合
物としてはスペーサーとの結合に関与できる1又は2以
上の反応性官能基(例えば、アミノ基、カルボキシル
基、水酸基、メルカプト基、エステル基など)を有する
ものであればいかなるものを用いてもよい。本明細書に
おいて医薬化合物という場合には、それ自体が医薬作用
を有する化合物の主要構造をその部分構造として含み生
体内で該化合物を再生することができるプロドラッグ化
合物も含まれる。
【0016】より具体的には、本明細書において医薬化
合物の残基とは、スペーサーと医薬化合物残基との結合
が医薬化合物中の反応性官能基とスペーサー中の反応性
官能基との反応(例えば脱水縮合など)により形成され
たと仮定した場合において、結合後の化合物中に存在す
る医薬化合物に由来する部分構造を意味している。例え
ば、医薬化合物が D-NH2, D-COOH, D-COOR, D-OH, D-S
H, D-CONH2, D-NH-COOR(R は低級アルキル基等)で表さ
れる場合、医薬化合物の残基はそれぞれ D-NH-(D-NH-CO
-Q など), D-CO- (D-CO-NH-Q, D-CO-O-Q, D-CO-S-Q な
ど), D-CO- (D-CO-NH-Q, D-CO-O-Q, D-CO-S-Q など), D
-O- (D-O-CO-Q, D-O-Qなど), D-S- (D-S-CO-Q, D-S-Qな
ど), D-CONH- (D-CO-NH-CO-Qなど), D-NH-CO- (D-NH-CO
-O-Q, D-NH-CO-NH-Qなど) で表される(カッコ内はスペ
ーサーと医薬化合物残基との結合を示し、Q はスペーサ
ーから反応性官能基を除いた残りの部分構造を示す)。
もっとも、スペーサーと医薬化合物残基との結合の種類
は上記のものに限定されることはない。医薬化合物の残
基は、スペーサーのN末端アミノ基又はC末端カルボキ
シル基のほか、スペーサーを構成するアミノ酸に存在す
る反応性官能基に結合していてもよい。
【0017】医薬化合物の残基としては、例えば、ドキ
ソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシンC、ブレ
オマイシン、シクロシチジン、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、メトトレキセート、白金系抗腫瘍剤(シスプ
ラチン若しくはその誘導体)、タキソール若しくはその
誘導体、カンプトテシン若しくはその誘導体(特開平6-
87746 号公報に記載された抗腫瘍剤、好ましくは請求項
2に記載された (1S,9S)-1- アミノ-9- エチル-5- フル
オロ-2,3- ジヒドロ-9- ハイドロキシ-4- メチル-1H,12
H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7] インドリジノ[1,2-b]
キノリン-10,13(9H,15H)- ジオン等)などの抗腫瘍剤の
残基を好適に用いることができる。また、例えば、コハ
ク酸ヒドロコルチゾン、コハク酸プレドニゾロンなどの
ステロイド系抗炎症剤、又はメフェナム酸、フルフェナ
ム酸、ジクロフェナク、イブプロフェン、チノリジンな
どの非ステロイド系抗炎症薬の残基も好適である。
【0018】医薬化合物の残基と結合するスペーサーと
しては、1個のアミノ酸からなるスペーサー又はペプチ
ド結合した 2〜8 個のアミノ酸からなるスペーサーを用
いることができる。より具体的には、スペーサーは、1
個のアミノ酸の残基(アミノ酸のアミノ基及びカルボキ
シル基からそれぞれ1個の水素原子及び1個の水酸基を
除いた残基を意味する)、又はペプチド結合した2ない
し8個のアミノ酸からなるオリゴペプチドの残基(N末
端のアミノ基及びC末端のカルボキシル基からそれぞれ
1個の水素原子及び1個の水酸基を除いた残基を意味す
る)の形態を有している。
【0019】好ましいスペーサーは2〜6個のアミノ酸
からなるオリゴペプチドの残基である。スペーサーを構
成するアミノ酸の種類は特に限定されないが、例えば、
L-又はD-アミノ酸、好ましくはL-アミノ酸を用いること
ができ、α−アミノ酸のほか、β−アラニン、ε−アミ
ノカプロン酸、γ−アミノ酪酸などを用いてもよい。こ
のようなα−アミノ酸以外のアミノ酸は、多糖誘導体に
近接した位置に配置されることが好ましい。
【0020】スペーサーの結合方向は特に限定されない
が、一般的には、カルボキシC1-4アルキルプルランポリ
アルコールのカルボキシル基にスペーサーのN末端を酸
アミド結合によって結合し、医薬化合物のアミノ基にス
ペーサーのC末端を結合することができる。また、例え
ば、ペプチドスペーサの構成単位としてリジン残基を含
めておき、リジン残基のα−アミノ基及びε−アミノ基
をそれぞれ他のアミノ酸のカルボキシル基と酸アミド結
合させると、ペプチドスペーサーの両末端がN末端にな
るので、医薬化合物のカルボキシル基を結合することが
可能になる。さらに、スペーサー中に1個又は2個以上
のジアミン化合物またはジカルボン酸化合物の残基(例
えばエチレンジアミンなどのジアミンの残基やコハク酸
などのジカルボン酸の残基)を構成単位として含めてお
き、それぞれ両末端がN末端のスペーサー及び両末端が
C末端のスペーサーを利用してもよい。
【0021】スペーサーのアミノ酸配列は特に限定され
ないが、例えば、スペーサーが -X-Z-で表されるジペプ
チドの残基(X は疎水性アミノ酸の残基を示し、Z は親
水性アミノ酸の残基を示し、-X-Z- は疎水性アミノ酸
(X) と親水性アミノ酸(Z) とがそれぞれN末端側及びC
末端側となってペプチド結合したジペプチドのN末端の
アミノ基及びC末端のカルボキシル基からそれぞれ1個
の水素原子及び1個の水酸基を除いた残基を意味する)
であるか、又は該ジペプチドの残基を部分ペプチド配列
として含むスペーサーを好適に用いることができる。疎
水性アミノ酸としては、例えば、フェニルアラニン、チ
ロシン、ロイシンなどを用いることができ、親水性アミ
ノ酸としては、例えば、グリシン、アラニンなどを用い
ることができる。スペーサーがこのようなジペプチド残
基の繰り返し配列(例えば-X-Z-X-Z-, -X-Z-X-Z-X-Z-な
ど)を有していてもよい。
【0022】このようなジペプチド構造を含むスペーサ
ーを用いると、スペーサーがペプチダーゼが豊富である
と考えられる腫瘍部位や炎症部位で加水分解され、当該
部位において医薬化合物が高濃度に遊離する。上記ジペ
プチドを含むスペーサーと医薬化合物とが結合して形成
される部分構造は本発明の薬物複合体の好ましい部分構
造である。医薬化合物の残基として、例えば、濃度依存
型の抗腫瘍剤(例えば、ドキソルビシン)などを用いる
場合には、-X-Z- で示される上記のジペプチド残基から
なるスペーサー又は該ジペプチド残基を部分ペプチド配
列として含むスペーサーを用いることが特に好ましい。
【0023】また、医薬化合物の残基として、一定の濃
度以上で作用時間の持続を必要とする時間依存型の抗腫
瘍剤を用いる場合にも、上記のスペーサーを用いること
によって高い抗腫瘍効果を達成できる場合がある。この
ような抗腫瘍剤として、例えば、特開平6-87746号公報
に記載された抗腫瘍剤、好ましくは請求項2に記載され
た抗腫瘍剤が挙げられる。一般的には、上記のスペーサ
ーに限定されることなく、抗腫瘍剤の作用機作、体内動
態や毒性発現の特徴、体内での抗腫瘍剤の遊離性などの
観点から好ましいスペーサーを選択する必要がある。な
お、一般的に、増殖の速い癌種に対しては、短時間に高
濃度の医薬化合物を遊離することができる上記のスペー
サーを選択することが好ましい。
【0024】スペーサーの具体例を以下の表に示すが、
本発明の薬物複合体に用いられるスペーサーは以下のも
のに限定されることはなく、医薬化合物の至適な遊離速
度を与えるように当業者が適宜選択可能であることはい
うまでもない。表中、ペプチド配列は左側がN末端であ
り、C末端側に医薬化合物の残基が結合する。D-PheはD
-フェニルアラニン残基を示し、その他のアミノ酸はL-
アミノ酸を示す。なお、遊離速度の大小はドキソルビシ
ンを結合した薬物複合体の Walker 256 担癌ラットに対
する薬効の発現の程度、または Walker 256 担癌ラット
の腫瘍部位における遊離ドキソルビシン濃度によって判
定したものである。これらのスペーサーのうち、ドキソ
ルビシンに対しては (N 末端)-Gly-Gly-Phe-Gly-等の短
時間に高濃度の医薬化合物を遊離することができるスペ
ーサーを用いることが好ましい。
【0025】
【表1】───────────────────── (a) 遊離速度が大きいスペーサー -Leu-Gly- -Tyr-Gly- -Phe-Gly- -Gly-Phe-Gly- -Gly-Gly-Phe-Gly- -Gly-Phe-Gly-Gly- -Phe-Gly-Gly-Gly- -Phe-Phe-Gly-Gly- -Gly-Gly-Gly-Phe-Gly- (b) 遊離速度が比較的大きいスペーサー -Gly-Gly-Phe-Phe- -Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly- (c) 遊離速度が比較的小さいスペーサー -Phe-Phe- -Ala-Gly- -Pro-Gly- -Gly-Gly-Gly-Phe- (d) 遊離速度が小さいスペーサー -Gly- -D-Phe-Gly- -Gly-Phe- -Ser-Gly- -Gly-Gly- -Gly-Gly-Gly- -Gly-Gly-Gly-Gly- ─────────────────────
【0026】プルランはマルトトリオース残基がα1→
6結合で連なった水溶性のα−グルカンであり、一般的
には Aureobasidium pullulansによってスクロースなど
から細胞外多糖として生産されたものを市販品として入
手することができるが、本発明の薬物複合体の製造に用
いるためのプルランの由来は上記のものに限定されるこ
とはない。プルランの分子量は特に限定されないが、例
えば、分子量が 10,000 程度から 2,000,000程度のも
の、好ましくは 100,000程度から1,000,000 程度のもの
を用いることができる。
【0027】本発明の薬物複合体の多糖誘導体部分を構
成するカルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコール
のポリアルコール化度は特に限定されないが、カルボキ
シC1-4アルキルプルランポリアルコールを構成するプル
ランポリアルコールが、実質的に完全にポリアルコール
化可能な条件下においてプルランを処理して得られたも
のであることが好ましい。例えば、プルランに大過剰の
過ヨウ素酸ナトリウムと水素化ホウ素ナトリウムとを順
次作用させてプルランを実質的に完全にポリアルコール
化したプルランポリアルコールは、本発明の薬物複合体
の原料化合物として好適である。もっとも、プルランの
ポリアルコール化の方法は上記のものに限定されること
はなく、当業者に利用可能なものであればいかなる方法
を採用してもよい。
【0028】カルボキシC1-4アルキル基を構成するC1-4
アルキルとしては、直鎖又は分枝鎖のC1-4アルキル、具
体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロ
ピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基などを用いることが
できるが、好ましくはメチル基を用いることができる。
カルボキシC1-4アルキル化は、例えば、プルランポリア
ルコールの水酸基に対してクロル酢酸、ブロム酢酸、α
−クロルプロピオン酸、α−メチル−α−クロルプロピ
オン酸、β−クロルプロピオン酸、α−メチル−β−ク
ロルプロピオン酸、α−クロル酪酸、β−クロル酪酸、
γ−クロル酪酸などのハロゲン化C1-4アルキルカルボン
酸、好ましくはクロル酢酸を反応させて水酸基を部分的
又は完全にカルボキシC1-4アルキル化することにより行
うことができる。
【0029】例えば、プルランポリアルコールを反応に
関与しない不活性溶媒(例えば、水、N,N-ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等)に溶解し、塩基
(例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等)の存
在下にハロゲン化C1-4アルキルカルボン酸またはその塩
を添加し、氷冷下ないし100 ℃程度の温度範囲で数分な
いし数日間反応させればよい。カルボキシC1-4アルキル
基の導入の程度は、例えば、カルボキシC1-4アルキル化
の反応温度や試薬として用いるハロゲン化C1-4アルキル
カルボン酸及び塩基の量を適宜選択することにより容易
に調節可能であり、そのような手段は当業者に周知であ
る。プルランポリアルコールの水酸基に対するカルボキ
シC1-4アルキル化の程度は特に限定されないが、例え
ば、構成糖残基あたり0.01〜2.66の範囲、好ましくは
0.1〜1.0 、より好ましくは 0.3〜0.6の範囲である。カ
ルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコールの分子量
は、ゲルろ過法で測定した場合に 5,000から 500,000程
度、好ましくは 10,000 〜350,000 程度、より好ましく
は 50,000 〜200,000 程度である。
【0030】上記のカルボキシC1-4アルキルプルランポ
リアルコールは、薬物送達のキャリアーとして有用であ
る。医薬化合物とカルボキシC1-4アルキルプルランポリ
アルコールとを結合させた薬物複合体は、例えば、腫瘍
選択性などの優れた選択性を有しており、また高い血中
濃度を長時間維持できるという特徴がある。医薬化合物
とカルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコールとの
結合としては、例えば、エステル結合などで両者を直接
結合させる方法、上記に説明したスペーサーなどの適宜
のスペーサーを介して両者を結合させる方法などを採用
することができる。
【0031】スペーサーを介して結合する薬物複合体に
関しては、上記のようにして得られるカルボキシC1-4
ルキルプルランポリアルコールのカルボキシル基に対し
て、医薬化合物の残基と結合させたスペーサーを結合す
ることにより本発明の薬物複合体を製造することができ
る。スペーサーとカルボキシC1-4アルキルプルランポリ
アルコールのカルボキシル基との結合は、一般的には、
スペーサーのN末端アミノ基とカルボキシC1-4アルキル
プルランポリアルコールのカルボキシル基とを酸アミド
結合により結合させることにより形成できる。もっと
も、スペーサーとカルボキシC1-4アルキルプルランポリ
アルコールのカルボキシル基との結合は上記のものに限
定されることはなく、他の化学結合や1又は2以上のス
ペーサーを利用した結合であってもよい。例えば、スペ
ーサーのC末端カルボキシル基とカルボキシC1-4アルキ
ルプルランポリアルコールのカルボキシル基とにより酸
無水物を形成させてもよく、また、エチレンジアミン等
のジアミン化合物をスペーサーとして用いてそれぞれの
カルボキシル基をジアミンの各アミノ基に酸アミド結合
させてもよい。
【0032】スペーサーのN末端アミノ基とカルボキシ
C1-4アルキルプルランポリアルコールのカルボキシル基
とを酸アミド結合により結合させる場合には、ペプチド
鎖の合成に用いる通常の脱水縮合剤、例えば、 N,N'-ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC) のような N,N'-ジ
シクロアルキルカルボジイミド類、1-エチル-3-(3-ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAPC)等のカル
ボジイミド誘導体、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(H
OBT)のようなベンゾトリアゾール誘導体のほか、1-エト
キシカルボニル-2- エトキシ-1,2- ジヒドロキシキノリ
ン(EEDQ)などを用いることができる。また、活性エステ
ル法や酸ハライド法などにより反応を行ってもよい。
【0033】カルボキシC1-4アルキルプルランポリアル
コールに導入する医薬化合物残基の量は特に限定されな
いが、医薬化合物残基の物理化学的性質、並びに本発明
の薬物複合体の体内動態、薬効、及び毒性などの観点か
ら適宜選択すべきである。一般的には、0.1 〜30重量
%、好ましくは 1〜15重量%、さらに好ましくは 3〜10
重量%、特に好ましくは 4〜7 重量%程度の範囲を選択
することができる。カルボキシC1-4アルキルプルランポ
リアルコールに導入された医薬化合物残基の割合は、例
えば、吸光度分析などにより容易に決定することが可能
である。
【0034】本発明の薬物複合体の製造方法の一例とし
て、特開平6-87746 号公報の請求項2に記載された抗腫
瘍剤である医薬化合物の残基を導入する場合について、
製造方法を以下のスキームに示すが、本発明の薬物複合
体及びその製造方法はこのスキームに示されたものに限
定されることはない。下記スキームにおいて、医薬化合
物残基の導入量は、例えば 1〜15重量%、好ましくは 2
〜10重量%程度である。また、下記スキーム中には、ポ
リアルコール類の構成単位のうち1個又は2個のカルボ
キシメチル基が導入された構成単位のみを例示的に記載
したが、本発明の薬物複合体の多糖誘導体部分は上記構
成単位の繰り返しによって構成されるものではないこと
を理解すべきである。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】上記の医薬化合物は、酸性水性媒体中(例
えばpH 3程度)ではラクトン環を形成した化合物(閉環
体)に平衡が偏り、一方、塩基性水性媒体中(例えばpH
10程度)ではラクトン環が開環した化合物(開環体)
に平衡が偏ることが知られているが、このような閉環体
及び開環体に対応する残基を導入した薬物複合体は同等
の抗腫瘍効果を有しており、いずれも本発明の範囲に包
含されることはいうまでもない。なお、反応系中にラク
トン環の開環した反応種が存在すると、ラクトン環に由
来するカルボキシル基とスペーサー由来のアミノ基との
間で縮合反応が進行して著しく反応収率が低下するだけ
でなく、目的とする均一な薬物複合体が得られない場合
がある。このような副反応は反応種として選択的に閉環
体を用いることによって回避することができる。
【0038】すなわち、カルボキシC1-4アルキルプルラ
ンポリアルコールのナトリウム塩をトリエチルアンモニ
ウム塩に変換した後、非水系(水を含まない有機溶媒
中)でカルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコール
のカルボキシル基に対して、上記の医薬化合物の残基を
結合させたスペーサーのN末端アミノ基を縮合させるこ
とにより、副反応を抑制することができ、効率的に目的
物を製造することが可能になる。有機溶媒に溶解可能な
カルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコールの塩と
しては、例えば、トリエチルアンモニウム塩やトリメチ
ルアンモニウム塩などのトリアルキルアンモニウム塩の
ほか、N-メチルピロリジン、N-メチルモルホリン、ジメ
チルアミノピリジン (DMAP) などの有機塩基の塩を用い
ることが可能である。有機溶媒としては、N,N-ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを用いること
ができる。
【0039】本発明の薬物複合体は、医薬化合物の残基
の種類(例えば、抗腫瘍剤または抗炎症剤などの医薬化
合物の残基)に応じて、所望の医薬活性を腫瘍部位や炎
症部位などの局所において特異的に発現させることがで
き、かつ、医薬化合物自体の有する毒性を低減できると
いう特徴を有する。いかなる特定の理論に拘泥するわけ
ではないが、本発明の薬物複合体の多糖誘導体部分(例
えばカルボキシメチルプルランポリアルコール)は極め
て優れた血中滞留性及び腫瘍・炎症部位への集積性を有
するので薬物送達のキャリアーとして有用であり、本発
明の薬物複合体は腫瘍選択性及び炎症部位選択性を有し
ている。また、腫瘍部位や炎症部位ではプロテアーゼ
(ペプチダーゼ)が発現されていると考えられるので、
本発明の薬物複合体のスペーサーは容易に加水分解さ
れ、遊離した医薬化合物が薬効を発揮する。
【0040】本発明の薬物複合体を含む医薬は、通常、
凍結乾燥品などの形態でバイアル等に充填することがで
き、用時溶解型の注射用または点滴用製剤等の非経口投
与用製剤として臨床に提供されるが、本発明の医薬の製
剤形態は上記態様に限定されることはない。上記製剤の
製造には、例えば、溶解補助剤、pH調節剤、安定化剤な
ど当業界で利用可能な製剤用添加物を用いることができ
る。本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、通常
は、医薬化合物残基を構成する医薬化合物の投与量、本
発明の薬物複合体中に導入された医薬化合物の残基の
量、患者の状態や疾患の種類などを勘案して決定すべき
である。例えば、特開平6-87746 号公報の請求項2に記
載された抗腫瘍剤の残基が約6重量% 程度の割合で導入
された本発明の薬物複合体を非経口投与する場合には、
一般に一日あたり体表面積 1 m2 につき約 1〜500 mg程
度、好ましくは約10〜100 mgの範囲で一回投与し、 3〜
4 週毎に繰り返すことが好ましい。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。実施例中、「A-NH- 」は、特開平6-87746
号公報の請求項2に記載された医薬化合物 (実施例中、
「DX-8951 」という。)において、ラクトン環が閉環し
た医薬化合物を A-NH2で表した場合の医薬化合物残基を
表す(上記のスキーム中にA-NH- で示した基:ラクトン
環を形成したもの)。A'-NH-は、A-NH- で表される医薬
化合物残基中のラクトン環が閉環型若しくは開環型のい
ずれか又はそれらの混合形態であることを示す。
【0042】また、カルボキシメチルプルランポリアル
コールのカルボキシメチル化度(構成糖残基あたりのカ
ルボキシメチル基の置換度)は、カルボキシメチルプル
ランポリアルコールのナトリウム塩を遊離酸型に変換し
た後、 0.1N 水酸化ナトリウム水溶液に溶解して 0.1N
塩酸で滴定することにより求めた。カルボキシメチルプ
ルランポリアルコールのナトリウム塩の水溶液を Bio-R
ad AG50W-x 2(H+ ) カラムに付して通過液を凍結乾燥し
て試料として用いた。この試料を所定過剰量の0.1N 水
酸化ナトリウム水溶液に溶解し、フェノールフタレンを
指示薬として 0.1N 塩酸で滴定した。試料の採取量を s
(mg)、 0.1N 水酸化ナトリウム水溶液の所定過剰量を a
(ml)、 0.1N 塩酸の滴定量を b(ml)とし、カルボキシメ
チル化度を 15.4(a-b)/[s-5.8(a-b)] の式により求め
た。また、薬物の導入量(重量%)は、薬物の特性吸収
を利用した吸光度分析 (362 nm付近)から求めた。さら
に、ゲル濾過法は次の条件に従って行った(カラム:TS
K gel G4000 PWXL、溶離液:0.1M NaCl、流速:0.8 ml/
min、カラム温度:40℃)。
【0043】例1:3'-N-(Boc-Gly-Gly-Phe-Gly)-NH-A
【化3】 Boc-Gly-Gly-Phe-Gly (600 mg)および N- ヒドロキシス
クシンイミド (160 mg) を N,N- ジメチルホルムアミド
(20 ml)に溶解し、4℃に冷却した後、N,N'-ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド (280 mg) を添加した。この溶
液にDX-8951 のメタンスルホン酸塩 (600 mg: 特開平6-
87746 号公報の実施例50に記載された化合物) とトリエ
チルアミン (0.16 ml)を溶解したN,N-ジメチルホルムア
ミド (30ml)溶液を加えて、遮光下に室温で16時間撹拌
しながら反応させた。この反応液を減圧乾固し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出液:0.5%酢
酸を含むジクロロメタン:メタノール = 10:1 溶液)で
精製して標記化合物 (1.0g)を得た。
【0044】1H-NMR (DMSO-d6)δ: 8.40 (d,1H,J=8.3 H
z), 8.10-8.17 (m,2H), 7.91-8.01 (m,1H), 7.78 (d,1
H,J=10.75 Hz), 7.32 (s,1H), 6.94-6.96 (m,1H), 6.50
(s,1H), 5.57 (t,1H,J= 4.5Hz), 5.43 (s,2H), 5.23
(s,2H), 3.77 (dd,2H,J= 5.85Hz,J= 8.80Hz), 3.70 (d,
2H,J= 4.40Hz), 3.65 (d,2H,J= 5.35Hz), 3.56 (d,2H,J
=5.85), 3.15-3.25 (m,2H), 2.40 (s,3H), 2.05-2.25
(m,1H), 1.86 (m,2H), 1.35 (s,9H), 0.88 (t,3H,J= 7.
35). Mass (FAB); m/e 854 (M+1)
【0045】例2:3'-N-(Gly-Gly-Phe-Gly)-NH-A トリ
フルオロ酢酸塩の合成 例1で得た3'-N-(Boc-Gly-Gly-Phe-Gly)-NH-A (79 mg)
をトリフルオロ酢酸 (3 ml) に溶かし、1時間放置し
た。溶媒を留去し、メタノール (30 ml)で共沸を2回、
エタノール (30 ml)で共沸を2回行った後、残渣をエー
テルで洗浄して、標記化合物 (80 mg)を得た。1 H-NMR (DMSO-d6)δ: 8.53 (d,1H,J= 8.3Hz), 8.40-8.4
8 (m,2H), 8.28 (d,1H,J= 8.3Hz), 7.95-8.07 (br,3H),
7.81 (d,1H,J= 10.2Hz), 7.30-7.37 (m,2H), 7.15-7.3
0 (m,5H), 6.50-6.55 (br,1H), 5.50-5.57 (m,1H), 5.4
1 (d,2H,J= 7.82Hz), 5.25 (s,2H), 4.55-4.62 (m,1H),
3.55-3.92 (m,6H), 3.15-3.25 (br,2H),2.98-3.03 (m,
1H), 2.73-2.82 (m,1H), 2.40 (s,3H), 2.05-2.25 (m,1
H), 1.84-1.92 (m,2H), 0.88 (t,3H,J= 7.35Hz).
【0046】例3:カルボキシメチルプルランポリアル
コール−Gly-Gly-Phe-Gly-NH-A' の合成 プルラン200 (20 g, 東京化成, 分子量 200K)を0.1 M
酢酸緩衝液 (pH5.5, 2000 ml) に溶解し、過ヨウ素酸ナ
トリウム(44 g)の水溶液(2000 ml) を加えた。遮光しな
がら4℃で10日間撹拌した後、エチレングリコール(14.
0 ml) を加え、一晩撹拌した。反応液を8 M 水酸化ナト
リウム水溶液を用いて pH 6.5 に調整した。水素化ホウ
素ナトリウム (19 g) を加えて溶解した後、一晩撹拌し
た。反応液を酢酸で pH 5.5 に調整して4℃で1時間撹
拌した後、8 M 水酸化ナトリウム水溶液を用いて pH 7.
5 に調整した。得られた水溶液をバイオマックス-30 膜
を用いた限外濾過に付して低分子画分の除去を行なっ
た。膜を通過しない残留溶液を限外濾過膜 1000K (フィ
ルトロン社製) を通過させた後、凍結乾燥してプルラン
ポリアルコール(7 g)を得た。この物質の分子量(ゲル
濾過、プルラン標準)は 35Kであった。
【0047】このプルランポリアルコール(2 g) を、水
酸化ナトリウム (8.4 g)を水 (60 ml)に溶かして得られ
る水溶液に加え、室温で溶解させた。この溶液に氷冷下
でモノクロル酢酸 (12 g) を加えて溶解させた後、室温
で一晩反応させた。この反応液を酢酸でpH10に調整した
後、バイオマックス-50 膜を用いた限外濾過法により脱
塩した。膜を通過しない残留溶液を凍結乾燥してカルボ
キシメチルプルランポリアルコールのナトリウム塩(2.2
g) を得た。この物質の分子量(ゲル濾過、プルラン標
準)は 83Kであり、カルボキシメチル化度は0.5 であっ
た。このカルボキシメチルプルランポリアルコールのナ
トリウム塩(1.0 g) を水に溶解し、Bio-Rad AG 50W-X2
(200-400 メッシュ、 Et3NH+ 型)カラムにのせ、水で
溶出した。この溶出液を凍結乾燥してカルボキシメチル
プルランポリアルコールのトリエチルアンモニウム塩
(1.0 g)を得た。
【0048】このカルボキシメチルプルランポリアルコ
ールのトリエチルアンモニウム塩(200 mg)をN,N-ジメチ
ルホルムアミド(12 ml) に溶解させた。この溶液に、例
2で得た 3'-N-(Gly-Gly-Phe-Gly)-NH-Aのトリフルオロ
酢酸塩 (42 mg)とトリエチルアミン(0.014 ml) のN,N-
ジメチルホルムアミド(5 ml)溶液、1-エトキシカルボニ
ル-2- エトキシ-1,2- ジヒドロキシキノリン(200 mg)を
順次加え、遮光して室温で一晩撹拌しながら反応させ
た。この反応液に水(300 ml)を加え、限外濾過膜 10K
(フィルトロン社製) を用いて限外濾過した。膜を通過
しない残留溶液を0.1N 水酸化ナトリウム水溶液で pH10
とし、濾過膜(0.16μm, フィルトロン社製)を通過
させた。通過した溶液をバイオマックス-50 膜を用いた
限外濾過法により脱塩し、ついでミリポアフィルター
(0.22 μm)で濾過した後、凍結乾燥して標記化合物(210
mg)を得た。
【0049】本化合物を 0.1M 塩化ナトリウム水溶液に
溶解後、GPC(カラム:東ソー TSK Gel PW-4000XL、溶
媒: 0.1M NaCl、流速:0.8 ml/min) で分析した結果、
及び本化合物の紫外線吸収スペクトル(0.1 M トリス緩
衝液、pH 9.0、0.1 mg/ml)をそれぞれ図1及び図2に示
す。本化合物の医薬化合物残基の含量を0.1 M トリス緩
衝液 (pH 9.0) 中での 362 nm における吸光度に基づい
て定量したところ 6.2%(W/W) であった。
【0050】例4:本発明の薬物複合体の抗腫瘍作用 マウス線維肉腫 Meth A 細胞 1×106 個を BALB/c 系の
雄マウス(7 週齢)の右鼠蹊部皮下に移植して Meth A
担癌マウスを作成した。7 日目に注射用蒸留水に溶解し
た例3の薬物複合体を Meth A 担癌マウスの尾静脈内に
単回投与した。移植後21日目に腫瘍を摘出して重量を測
定し、腫瘍増殖抑制率を次式:腫瘍増殖抑制率(%) =[1
-(検体投与群の平均腫瘍重量/コントロール群の平均腫
瘍重量)]×100 により算出した。その結果、例3の薬物
複合体は医薬化合物自体に比べて抗腫瘍効果の増強と有
効用量域の拡大を示した。
【0051】
【表2】 1)医薬化合物換算量
【0052】
【発明の効果】医薬化合物として抗腫瘍剤を導入した本
発明の薬物複合体は、腫瘍部位選択性に優れており、高
い抗腫瘍作用を発揮できるとともに、毒性の発現も軽減
されているという特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薬物複合体(例3)のGPC チャート
を示す図である。
【図2】 本発明の薬物複合体(例3)の紫外線吸収ス
ペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 政浩 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個のアミノ酸からなるスペーサー又は
    ペプチド結合した2ないし8個のアミノ酸からなるスペ
    ーサーを介してカルボキシC1-4アルキルプルランポリア
    ルコールと医薬化合物の残基とが結合していることを特
    徴とする薬物複合体。
  2. 【請求項2】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリア
    ルコールを構成するプルランポリアルコールが、実質的
    に完全にポリアルコール化可能な条件下でプルランを処
    理して得られたプルランポリアルコールであることを特
    徴とする請求項1に記載の薬物複合体。
  3. 【請求項3】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリア
    ルコールがカルボキシメチルプルランポリアルコールで
    ある請求項1または2に記載の薬物複合体。
  4. 【請求項4】 医薬化合物が抗腫瘍剤又は抗炎症剤であ
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の薬物複合
    体。
  5. 【請求項5】 医薬化合物が濃度依存型の抗腫瘍作用を
    発現する抗腫瘍剤である請求項4に記載の薬物複合体。
  6. 【請求項6】 医薬化合物が時間に依存した抗腫瘍作用
    を発現する抗腫瘍剤である請求項4に記載の薬物複合
    体。
  7. 【請求項7】 抗腫瘍剤がドキソルビシン又は (1S,9S)
    -1- アミノ-9- エチル-5- フルオロ-2,3- ジヒドロ-9-
    ハイドロキシ-4- メチル-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',
    4':6,7] インドリジノ[1,2-b] キノリン-10,13(9H,15H)
    - ジオンである請求項4に記載の薬物複合体。
  8. 【請求項8】 スペーサーが -X-Z-で表されるジペプチ
    ド(-X-Z- は疎水性アミノ酸(X) と親水性アミノ酸(Z)
    とがそれぞれN末端側及びC末端側となってペプチド結
    合して形成されるジペプチドのN末端のアミノ基及びC
    末端のカルボキシル基から、それぞれ1個の水素原子及
    び1個の水酸基を除いた残基を示す)であるか、又は該
    ジペプチドを部分ペプチド配列として含むスペーサーで
    ある請求項5ないし7のいずれか1項に記載の薬物複合
    体。
  9. 【請求項9】 疎水性アミノ酸がフェニルアラニンであ
    り、親水性アミノ酸がグリシンである請求項8に記載の
    薬物複合体。
  10. 【請求項10】 スペーサーが (N 末端)-Gly-Gly-Phe-
    Gly-である請求項9に記載の薬物複合体。
  11. 【請求項11】 抗腫瘍剤の残基の導入量が 1〜15重量
    % の範囲である請求項5ないし10のいずれか1項に記載
    の薬物複合体。
  12. 【請求項12】 抗腫瘍剤の残基の導入量が 3〜10重量
    % の範囲である請求項5ないし10のいずれか1項に記載
    の薬物複合体。
  13. 【請求項13】 抗腫瘍剤の残基の導入量が 4〜7 重量
    % の範囲である請求項5ないし10のいずれか1項に記載
    の薬物複合体。
  14. 【請求項14】 H2N-Gly-Gly-Phe-Gly-COOHで示される
    ペプチドのN末端がカルボキシメチルプルランポリアル
    コールのカルボキシル基に酸アミド結合しており、該ペ
    プチドのC末端が (1S,9S)-1- アミノ-9- エチル-5- フ
    ルオロ-2,3- ジヒドロ-9- ハイドロキシ-4- メチル-1H,
    12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7] インドリジノ[1,2-
    b] キノリン-10,13(9H,15H)- ジオンの1-アミノ基と酸
    アミド結合した請求項1に記載の薬物複合体。
  15. 【請求項15】 (1S,9S)-1- アミノ-9- エチル-5- フ
    ルオロ-2,3- ジヒドロ-9- ハイドロキシ-4- メチル-1H,
    12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7] インドリジノ[1,2-
    b] キノリン-10,13(9H,15H)- ジオン残基の導入量が 2
    〜10重量% の範囲である請求項14に記載の薬物複合体。
  16. 【請求項16】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリ
    アルコールが分子量 5,000ないし 500,000の範囲のカル
    ボキシメチルプルランポリアルコールであり、カルボキ
    シメチル化度が 0.01 〜2.66の範囲である請求項14又は
    15に記載の薬物複合体。
  17. 【請求項17】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリ
    アルコールが分子量 10,000 〜350,000 の範囲のカルボ
    キシメチルプルランポリアルコールであり、カルボキシ
    メチル化度が 0.1〜1.0 の範囲である請求項14又は15に
    記載の薬物複合体。
  18. 【請求項18】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリ
    アルコールが分子量 50,000 〜200,000 の範囲のカルボ
    キシメチルプルランポリアルコールであり、カルボキシ
    メチル化度が 0.3〜0.6 の範囲である請求項14又は15に
    記載の薬物複合体。
  19. 【請求項19】 (1S,9S)-1- アミノ-9- エチル-5- フ
    ルオロ-2,3- ジヒドロ-9- ハイドロキシ-4- メチル-1H,
    12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7] インドリジノ[1,2-
    b] キノリン-10,13(9H,15H)- ジオン残基の導入量が 5
    〜7 重量% の範囲であり、カルボキシC1-4アルキルプル
    ランポリアルコールの分子量が約 83,000 であり、カル
    ボキシメチル化度が約 0.5である請求項14に記載の薬物
    複合体。
  20. 【請求項20】 医薬化合物を結合するための薬物送達
    のキャリアーであって、カルボキシC1-4アルキルプルラ
    ンポリアルコールからなる薬物送達のキャリアー。
  21. 【請求項21】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリ
    アルコールの分子量が 5,000〜500,000 の範囲であり、
    カルボキシC1-4アルキル化度が0.01〜2.66の範囲である
    請求項20に記載の薬物送達のキャリアー。
  22. 【請求項22】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリ
    アルコールの分子量が 10,000 〜350,000 の範囲であ
    り、カルボキシC1-4アルキル化度が 0.1〜1.0 の範囲で
    ある請求項20に記載の薬物送達のキャリアー。
  23. 【請求項23】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリ
    アルコールの分子量が 50,000 〜200,000 の範囲であ
    り、カルボキシC1-4アルキル化度が 0.3〜0.6 の範囲で
    ある請求項20に記載の薬物送達のキャリアー。
  24. 【請求項24】 カルボキシC1-4アルキルプルランポリ
    アルコールがカルボキシメチルプルランポリアルコール
    である請求項20ないし23のいずれか1項に記載の薬物送
    達のキャリアー。
  25. 【請求項25】 医薬化合物の残基と結合したカルボキ
    シC1-4アルキルプルランポリアルコールを含む薬物複合
    体の製造のためのカルボキシC1-4アルキルプルランポリ
    アルコールの使用。
  26. 【請求項26】 医薬化合物の残基とカルボキシC1-4
    ルキルプルランポリアルコールとがスペーサーを介し
    て、又はスペーサーを介さずに結合した薬物複合体の製
    造のためのカルボキシC1-4アルキルプルランポリアルコ
    ールの使用。
JP9254780A 1997-09-19 1997-09-19 薬物複合体 Withdrawn JPH1192405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9254780A JPH1192405A (ja) 1997-09-19 1997-09-19 薬物複合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9254780A JPH1192405A (ja) 1997-09-19 1997-09-19 薬物複合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1192405A true JPH1192405A (ja) 1999-04-06
JPH1192405A5 JPH1192405A5 (ja) 2005-06-09

Family

ID=17269789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9254780A Withdrawn JPH1192405A (ja) 1997-09-19 1997-09-19 薬物複合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1192405A (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003501485A (ja) * 1999-06-10 2003-01-14 ケイテーベー ツモルフォルシュングスゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 担体−薬物複合体
EP1080732A4 (en) * 1998-05-22 2004-08-25 Daiichi Seiyaku Co DRUG COMPOSITION
EP2382996A2 (en) 2005-02-18 2011-11-02 The University of Tokushima Lipid Film Structure Containing a Polyoxyalkylene Chain-Containing Lipid Derivative.
WO2014057687A1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-17 第一三共株式会社 抗体-薬物コンジュゲート
WO2014061277A1 (ja) * 2012-10-19 2014-04-24 第一三共株式会社 親水性構造を含むリンカーで結合させた抗体-薬物コンジュゲート
WO2015146132A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 第一三共株式会社 抗cd98抗体-薬物コンジュゲート
WO2015155976A1 (ja) * 2014-04-10 2015-10-15 第一三共株式会社 抗her2抗体-薬物コンジュゲート
US9850312B2 (en) 2013-12-25 2017-12-26 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-TROP2 antibody-drug conjugate
US10155821B2 (en) 2014-01-31 2018-12-18 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-HER2 antibody-drug conjugate
US10383878B2 (en) 2014-04-10 2019-08-20 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-HER3 antibody-drug conjugate
US10906974B2 (en) 2017-01-17 2021-02-02 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-GPR20 antibody and anti-GPR20 antibody-drug conjugate
US11077202B2 (en) 2017-05-15 2021-08-03 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-CDH6 antibody and anti-CDH6 antibody-drug conjugate
US11173213B2 (en) 2015-06-29 2021-11-16 Daiichi Sankyo Company, Limited Method for selectively manufacturing antibody-drug conjugate
US11273155B2 (en) 2016-12-12 2022-03-15 Daiichi Sankyo Company, Limited Combination of antibody-drug conjugate and immune checkpoint inhibitor
US11318212B2 (en) 2017-08-31 2022-05-03 Daiichi Sankyo Company, Limited Method for producing antibody-drug conjugate
US11872289B2 (en) 2018-05-18 2024-01-16 Daiichi Sankyo Co., Ltd. Anti-MUC1 antibody-drug conjugate
US11945882B2 (en) 2017-08-31 2024-04-02 Daiichi Sankyo Company, Limited Method for producing antibody-drug conjugate
US12220604B2 (en) 2018-07-31 2025-02-11 Daiichi Sankyo Company, Limited Treatment of metastatic brain tumor by administration of an antibody-drug conjugate
US12358999B2 (en) 2018-07-27 2025-07-15 Daiichi Sankyo Company, Limited Protein recognizing drug moiety of antibody-drug conjugate

Cited By (54)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1080732A4 (en) * 1998-05-22 2004-08-25 Daiichi Seiyaku Co DRUG COMPOSITION
US6835807B1 (en) 1998-05-22 2004-12-28 Daiichi Pharmaceuticals Co., Ltd. Drug complex and drug delivery system
JP2003501485A (ja) * 1999-06-10 2003-01-14 ケイテーベー ツモルフォルシュングスゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 担体−薬物複合体
EP2382996A2 (en) 2005-02-18 2011-11-02 The University of Tokushima Lipid Film Structure Containing a Polyoxyalkylene Chain-Containing Lipid Derivative.
US10973924B2 (en) 2012-10-11 2021-04-13 Daiichi Sankyo Company, Limited Antibody-drug conjugate
JP2020180124A (ja) * 2012-10-11 2020-11-05 第一三共株式会社 抗体−薬物コンジュゲート
CN104755494A (zh) * 2012-10-11 2015-07-01 第一三共株式会社 抗体-药物偶联物
US12186310B2 (en) 2012-10-11 2025-01-07 Daiichi Sankyo Company, Limited Antibody-drug conjugate
US11633493B2 (en) 2012-10-11 2023-04-25 Daiichi Sankyo Company, Limited Antibody-drug conjugate
US20150297748A1 (en) 2012-10-11 2015-10-22 Daiichi Sankyo Company, Limited Antibody-drug conjugate
CN115960111A (zh) * 2012-10-11 2023-04-14 第一三共株式会社 抗体-药物偶联物
JPWO2014057687A1 (ja) * 2012-10-11 2016-09-05 第一三共株式会社 抗体−薬物コンジュゲート
JP2016196484A (ja) * 2012-10-11 2016-11-24 第一三共株式会社 抗体−薬物コンジュゲート
JP2017036274A (ja) * 2012-10-11 2017-02-16 第一三共株式会社 抗体−薬物コンジュゲート
US9808537B2 (en) 2012-10-11 2017-11-07 Daiichi Sankyo Company, Limited Antibody-drug conjugate
JP2023011799A (ja) * 2012-10-11 2023-01-24 第一三共株式会社 抗体-薬物コンジュゲート
JP2018008982A (ja) * 2012-10-11 2018-01-18 第一三共株式会社 抗体−薬物コンジュゲート
JP2022008581A (ja) * 2012-10-11 2022-01-13 第一三共株式会社 抗体-薬物コンジュゲート
CN104755494B (zh) * 2012-10-11 2018-09-07 第一三共株式会社 抗体-药物偶联物
JP2018188455A (ja) * 2012-10-11 2018-11-29 第一三共株式会社 抗体−薬物コンジュゲート
WO2014057687A1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-17 第一三共株式会社 抗体-薬物コンジュゲート
US10195288B2 (en) 2012-10-11 2019-02-05 Daiichi Sankyo Company, Limited Antibody-drug conjugate
US9872924B2 (en) 2012-10-19 2018-01-23 Daiichi Sankyo Company, Limited Antibody-drug conjugate produced by binding through linker having hydrophilic structure
US10729782B2 (en) 2012-10-19 2020-08-04 Daiichi Sankyo Company, Limited Antibody-drug conjugate produced by binding through linker having hydrophilic structure
JPWO2014061277A1 (ja) * 2012-10-19 2016-09-05 第一三共株式会社 親水性構造を含むリンカーで結合させた抗体−薬物コンジュゲート
WO2014061277A1 (ja) * 2012-10-19 2014-04-24 第一三共株式会社 親水性構造を含むリンカーで結合させた抗体-薬物コンジュゲート
US11008398B2 (en) 2013-12-25 2021-05-18 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-TROP2 antibody-drug conjugate
US10227417B2 (en) 2013-12-25 2019-03-12 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-TROP2 antibody-drug conjugate
US9850312B2 (en) 2013-12-25 2017-12-26 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-TROP2 antibody-drug conjugate
US10155821B2 (en) 2014-01-31 2018-12-18 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-HER2 antibody-drug conjugate
US11584800B2 (en) 2014-01-31 2023-02-21 Daiichi Sankyo Company, Limited Method of treating cancer comprising administration of anti-HER2 antibody-drug conjugate
US11795236B2 (en) 2014-01-31 2023-10-24 Daiichi Sankyo Company, Limited Method for treating cancer comprising administration of anti-HER2 antibody-drug conjugate
WO2015146132A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 第一三共株式会社 抗cd98抗体-薬物コンジュゲート
US11298359B2 (en) 2014-04-10 2022-04-12 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-HER3 antibody-drug conjugate
US11185594B2 (en) 2014-04-10 2021-11-30 Daiichi Sankyo Company, Limited (Anti-HER2 antibody)-drug conjugate
US10383878B2 (en) 2014-04-10 2019-08-20 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-HER3 antibody-drug conjugate
WO2015155976A1 (ja) * 2014-04-10 2015-10-15 第一三共株式会社 抗her2抗体-薬物コンジュゲート
US11173213B2 (en) 2015-06-29 2021-11-16 Daiichi Sankyo Company, Limited Method for selectively manufacturing antibody-drug conjugate
US11273155B2 (en) 2016-12-12 2022-03-15 Daiichi Sankyo Company, Limited Combination of antibody-drug conjugate and immune checkpoint inhibitor
US12319736B2 (en) 2016-12-12 2025-06-03 Daiichi Sankyo Company, Limited Combination of antibody-drug conjugate and immune checkpoint inhibitor
US11434289B2 (en) 2017-01-17 2022-09-06 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-GPR20 antibody and anti-GPR20 antibody-drug conjugate
US10906974B2 (en) 2017-01-17 2021-02-02 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-GPR20 antibody and anti-GPR20 antibody-drug conjugate
US11446386B2 (en) 2017-05-15 2022-09-20 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-CDH6 antibody and method of producing an anti-CDH6 antibody-drug conjugate
US11077202B2 (en) 2017-05-15 2021-08-03 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-CDH6 antibody and anti-CDH6 antibody-drug conjugate
US12233155B2 (en) 2017-05-15 2025-02-25 Daiichi Sankyo Company, Limited Polynucleotides encoding antibodies which bind the EC3 domain of cadherin-6 (CDH6) and possess internalization ability
US11945882B2 (en) 2017-08-31 2024-04-02 Daiichi Sankyo Company, Limited Method for producing antibody-drug conjugate
US11318212B2 (en) 2017-08-31 2022-05-03 Daiichi Sankyo Company, Limited Method for producing antibody-drug conjugate
US12503489B2 (en) 2017-08-31 2025-12-23 Daiichi Sankyo Company, Limited Method for producing antibody-drug conjugate
US11872289B2 (en) 2018-05-18 2024-01-16 Daiichi Sankyo Co., Ltd. Anti-MUC1 antibody-drug conjugate
US12291577B2 (en) 2018-05-18 2025-05-06 Daiichi Sankyo Co., Ltd. Anti-MUC1 antibody-drug conjugate
US12297289B2 (en) 2018-05-18 2025-05-13 Glycotope Gmbh Anti-MUC1 antibody
US12479926B2 (en) 2018-05-18 2025-11-25 Daiichi Sankyo Co., Ltd. Anti-MUC1 antibody-drug conjugate
US12358999B2 (en) 2018-07-27 2025-07-15 Daiichi Sankyo Company, Limited Protein recognizing drug moiety of antibody-drug conjugate
US12220604B2 (en) 2018-07-31 2025-02-11 Daiichi Sankyo Company, Limited Treatment of metastatic brain tumor by administration of an antibody-drug conjugate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6838450B2 (en) Drug complex
JP4137184B2 (ja) 薬物複合体の製造方法
JP4560210B2 (ja) 薬物複合体
JPWO1997046260A1 (ja) 薬物複合体
JPWO1997046261A1 (ja) 薬物複合体の製造方法
JPH1192405A (ja) 薬物複合体
US7041818B2 (en) DDS compound and method for measurement thereof
JPWO1999061061A1 (ja) 薬物複合体
JP4420472B2 (ja) 薬物複合体
JP6704900B2 (ja) ポリオキサゾリン抗体薬物複合体
CZ308395A3 (en) Complex for b12 vitamin reception, process of its preparation, compositions containing thereof and its use
US20030166513A1 (en) Dds compound and process for the preparation thereof
CN102413842B (zh) 前药
KR100481434B1 (ko) 약물복합체의제조방법
JP2002030002A (ja) 薬物複合体
JPWO2000025825A1 (ja) Dds化合物及びその測定方法
JPWO2002000734A1 (ja) Dds化合物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040907

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040907

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070427