JPH1192880A - 耐酸化性・耐水蒸気酸化特性に優れた 高Crフェライト系耐熱鋼とその製造方法 - Google Patents
耐酸化性・耐水蒸気酸化特性に優れた 高Crフェライト系耐熱鋼とその製造方法Info
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- JPH1192880A JPH1192880A JP25648197A JP25648197A JPH1192880A JP H1192880 A JPH1192880 A JP H1192880A JP 25648197 A JP25648197 A JP 25648197A JP 25648197 A JP25648197 A JP 25648197A JP H1192880 A JPH1192880 A JP H1192880A
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Abstract
優れたフェライト系耐熱鋼を提供する。 【解決手段】 酸化皮膜(1)(2)直下に1μm以下
の極微細な酸化物(4)が析出し、皮膜(1)(2)と
母材(3)との密着性が向上された高Crフェライト系
耐熱鋼とする。
Description
化学工業装置などの高温・高圧下で使用される装置用材
料に適したフェライト系耐熱鋼とその製造方法に関する
ものであり、高温での耐酸化性、特に水蒸気酸化特性に
優れ、従来鋼と同等以上のクリープ強度を有する耐熱鋼
とその製造方法に関するものである。
等の高温耐熱耐圧部材に使用される耐熱鋼には、一般
に、高温強度、靱性、高温耐食性および耐酸化性等が要
求される。これらの用途には、従来、JIS−SUS3
21H、同SUS347H鋼などのオーステナイト系ス
テンレス鋼、JIS−STBA24(2・1/4Cr−
1Mo鋼)などの低合金鋼、さらにはJIS−STBA
26(9Cr−1Mo鋼)などの9〜12Cr系の高フ
ェライト鋼が用いられてきている。
〜650℃の温度において、強度、耐食性の点で低合金
鋼よりも優れており、また、オーステナイト系ステンレ
ス鋼に比べて安価であり、熱伝導度が高く、かつ、熱膨
張が小さいことから耐熱疲労特性やスケール剥離が起こ
りにくく、さらに応力腐食割れを起こさないなどの利点
があるため、広範囲に使用されている。
熱効率の向上を目的として、ボイラ蒸気条件の高温・高
圧化が進められており、現在の538℃、246気圧と
いう超臨界条件から、将来的には650℃、350気圧
という超々臨界圧条件での運転が計画されている。これ
に伴い、ボイラ用鋼に対する要求特性は非常に厳しいも
のになり、従来の高Crフェライト鋼では、耐酸化性や
長時間のクリープ強度特性、特に耐水蒸気酸化特性につ
いては対応できなくなってきている。耐水蒸気酸化特性
が十分でないと、高温水蒸気が流れるボイラ用鋼管内面
に酸化皮膜が生成する。この酸化皮膜はある程度成長す
ると、起動停止などのボイラの温度変化に伴う熱応力に
より剥離し、詰まりなどの原因になる。そのため、水蒸
気酸化の防止、特には、酸化皮膜の剥離防止は重要な課
題となっている。
ーステナイト系ステンレス鋼がある。しかし、オーステ
ナイト系ステンレス鋼は高価であり、経済性の面で商業
プラントの使用範囲は限定されている。さらに、オース
テナイト系ステンレス鋼は熱膨張係数が大きく、起動停
止等に伴う温度変化による熱応力が大きく、プラントの
設計あるいは運転の観点でも困難を伴う。このような観
点から、熱膨張係数が小さく、より安価な高Crフェラ
イト鋼の特性改善が要求されている。
々の高Crフェライト系耐熱鋼が提案されている。たと
えば、特開平3−097832号公報には、従来よりも
Wの含有量を高め、さらに高温耐酸化性を改善する観点
からCuを含有させた高Cr耐熱鋼が、また、特開平4
−371551号公報および特開平4−371552号
公報には、Mo/Wの適正化に加えて、CoとBを複合
添加することで高温強度と靱性を高めた高Cr耐熱鋼が
提案されている。しかし、これらの鋼は、Wの多量添加
により高温クリープ強度は向上するが、WはMo,Cr
等と共にフェライト生成元素であり、多量添加によりδ
−フェライトが生成し、靱性が低下するのを避けられな
いという欠点がある。
するのが最も効果的であり、このため、たとえば、特開
平5−263195号公報等には、Cr量を低減するこ
とで、また、特開平5−311342号公報、同5−3
11343号公報、同5−311344号公報、同5−
311345号公報、同5−311346号公報等に
は、オーステナイト生成元素であるNi,Cu,Co等
を多量添加することで靱性改善を図った鋼が提案されて
いる。
公報に提案された鋼は、Cr主体のスケール中にMoが
混入して緻密なスケール構造を維持できないため、耐水
蒸気酸化性が劣る。この問題を解決するために、特開平
8−85847号公報ではMo添加量を少量ないしは無
添加とし、W添加を主要強化元素とした鋼が提案されて
いる。しかし、この鋼は、特開平5−311342号公
報等に開示されている鋼と同じく、Ni,Cuを多量に
含有するため、Cr203を主体とする酸化物の構造を
変化させ、耐水蒸気酸化性も劣化するという欠点を有し
ている。
対して十分な耐酸化性および耐水蒸気酸化性を満足する
高Crフェライト系耐熱鋼は見あたらない。そこで、こ
の出願の発明は、上記の実状に鑑み、600℃以上での
耐酸化性、特に630℃以上での水蒸気中での耐酸化性
(耐水蒸気酸化性)に優れた、新しい、高Crフェライ
ト系耐熱鋼を提供することを目的としている。
の課題を解決するものとして、使用中に表面に酸化皮膜
が生成する高Cr含有のフェライト系耐熱鋼において、
酸化皮膜との界面もしくはその近傍に1ミクロン以下の
径の極微細な酸化物が形成されて酸化皮膜と母材との密
着性が向上されたことを特徴とする耐水蒸気酸化特性に
優れた高Crフェライト系耐熱鋼(請求項1)を提供す
る。
様として、重量%でCrを8.0〜13.0%含有し、
TiおよびYのうちの少くとも1種が、合計重量%で
0.01〜0.30%添加含有されているフェライト系
耐熱鋼(請求項2)をはじめ、重量%で、Crを8.0
〜13.0%含有し、C:0.06〜0.18%、S
i:0.1〜1.0%、Mn:0.05〜1.5%、N
i:0〜0.5%、W:0〜4.0%、Mo:0〜2.
0%、但しW+2Mo≦4.0%、V:0.10〜0.
50%、Nb:0.02〜0.14%、N:0〜0.1
%、B:0〜0.010%、O:0.010%以下を含
有し、さらにTiおよびYを 0.01%≦Ti+Y≦0.30%以下 の範囲で少なくとも1種以上を含有し、残部がFeおよ
び不可避不純物からなる組成のフェライト系耐熱鋼(請
求項3)。
よびPtのうちの少くとも1種を合計重量%で5.0%
以下の範囲で含有されているフェライト系耐熱鋼(請求
項4)等を提供する。そしてまた、この出願の発明は、
以上の耐熱鋼の製造方法として、1250℃以上に加熱
し、鍛造や圧延の塑性加工を行い、直ちに1000〜1
150℃で1時間以上保持した後に、マルテンサイト変
態終了温度以下まで急冷し、その後、650〜800℃
の範囲に加熱し、焼き戻しを行うことを特徴とするフェ
ライト系耐熱鋼の製造方法を提供する。
特徴を有するものであるが、耐酸化性で問題となるの
は、酸化皮膜が剥離し、堆積することにより配管が閉塞
することや、皮膜が飛散することにより、より後方にあ
る機器においてエロージョンを発生させることである。
この観点からこの出願の発明はなされたものであり、そ
の要旨とするところは、前記のとおり、酸化皮膜直下の
地金との界面もしくはその近傍に1μm以下の極微細な
酸化物を均質に形成させることにより酸化皮膜と母材と
の密着性を向上させることにある。
i化が有効であることが知られている。高Cr組成では
δ−フェライトが生成し、靱性が低下するという問題が
あるため、従来鋼ではNi,Co,Cu等のオーステナ
イト安定化元素が添加されている。しかし、これらの元
素が含まれると安定な酸化皮膜が得にくくなり、耐酸化
性が悪くなるという欠点がある。また、高Si化は腐食
量は抑制するものの、皮膜剥離が起こりやすくなるとい
う欠点がある。
構造および皮膜/母材の界面組織を検討し、以下の知見
を得たことでこの発明を完成した。 酸化皮膜と金属母材の界面もしくはその近傍、特に皮
膜直下領域に微細な酸化物が存在すると、皮膜中の空孔
消滅点になるとともに、界面に生じるボイドの成長に対
する障壁となる。さらに加えて、ブリッジング効果によ
り皮膜と母材との密着力が増大し、皮膜剥離が抑制され
る。
は、酸素との親和性が高い元素、たとえばTi,Yを
0.01〜0.50%の範囲で添加することが効果的で
ある。また、Ti,Yは、酸素をトラップすることによ
り、酸素の内向拡散が抑制され、酸化速度が著しく低下
する。 皮膜直下領域で生成する酸化物粒子が大きくなりすぎ
ると、皮膜剥離に対する抵抗にはならず、酸化物粒子が
存在しない場合と有意な差は認められなくなる。
Ti添加により粗大な炭窒化物(介在物)が生成し、強
化に寄与するVやNbの炭化物、窒化物および炭窒化物
の量が激減し、クリープ強度が低下する。そのためTi
添加は一般には行われないが、加工熱処理条件を適正化
することにより、炭窒化物を微細に分散させることがで
き、クリープ強度を改善しうる。
00℃以上の高温において耐酸化性とクリープ強度の両
立したフェライト系耐熱鋼が提供される。さらに詳しく
この発明の構成について説明する。 <析出酸化物>酸化皮膜の剥離の主要因は、温度変化に
よって引き起こされる熱応力であり、この熱応力は酸化
皮膜が成長するにつれて(皮膜の厚さが厚くなるにつれ
て)大きくなる。熱応力が皮膜と母材との密着力(接合
強度)を越えると、剥離が起こる。したがって、皮膜の
密着力を上げることができれば、皮膜の剥離は抑制でき
る。
密にし、皮膜と母材との界面にポロシティーを作りにく
くすることによって行われる。これに対して、この発明
では、皮膜と母材との界面に微細な粒子を存在させ、皮
膜/母材間の剥離進展の障害となるようにすると同時
に、皮膜の浮き上がりを抑える。ここで以下のようにス
ケール剥離防止の効果を説明することができる。
るいはYの酸化物が内部酸化により生成し、たとえば図
1に示すような外層スケール(Fe酸化物)(1)と内
層スケール(Fe−Cr酸化物)(2)とが母材(3)
表面に生成したスケール構造となり、スケール/母材界
面近傍に微細な酸化物粒子(4)が存在する形態とな
る。
ル中に存在する空孔点がスケールと地金(母材)との界
面に凝集し、ボイド(5)となり、このボイド(5)が
連結することによって剥離が生じると考えられる。ここ
で、図2(B)のように、スケール(1)(2)と母材
(3)の界面近傍、特にスケール(2)直下領域に微細
な酸化物粒子(4)が存在すると、微細粒子がスケール
中の空孔子点の消滅点になるとともに、ボイド(5)の
連結の障壁となる。さらに、粒子がスケールと母材とを
機械的に接合する役割を果たすことにより、スケールの
浮き上がりや剥離を制御することが可能となる。
ン以下の酸化物粒子が存在する場合に、この酸化皮膜の
剥離が抑制され、上記の効果が発揮される。一方、粒子
の大きさが3ミクロン以上と大きくなると、逆に剥離性
は劣化する。 <合成組成> Cr:一般に、フェライト系耐熱鋼における酸化皮膜
は、外層側にFe主体の酸化皮膜が生成し、その内層側
にCr主体の酸化皮膜が生成する。この緻密なCr2 O
3 皮膜を剥離させず、安定化させることが、耐酸化性改
善には有効である。この観点から、この発明では、Cr
を必須合金元素としている。添加量については、緻密な
酸化皮膜が得るには8.0%以上必要であり、一方、1
3.0%を超えるとδ−フェライトの生成を促進し、靱
性等のその他の特性を著しく劣化させることから、Cr
含有量は好ましくは、8.0〜13.0%である。
の添加により、微細な酸化物が皮膜直下に生成するよう
になる。Tiは酸素以外にも炭素や窒素とも結合しやす
く、合金中に含まれるこれらの元素とも結合し、炭化物
等を形成する。添加量が0.01%以下と少ない場合に
は、すべてのTiが合金中に含まれる炭素等と結合し、
使用中に酸化物を生成することができなくなる。そのた
め、0.01%以上添加することが好ましい。一方、添
加量が多すぎると、Ti酸化物の粗大化が顕著に起こ
り、悪影響を及ぼす。そのため、上限を0.3%とする
のが適当である。また、Tiは、酸素をトラップする。
酸素の内向拡散が抑制され、酸化速度が著しく低下す
る。
(介在物)が生成し、強化に寄与するVやNbの炭化
物、窒化物および炭窒化物の量が激減し、クリープ強度
が低下する。そのため、Ti添加はこれまで一般には行
われない。しかし、1250℃以上に加熱するとTi炭
化物の再固溶が始まり、この温度域で鍛造、圧延、押し
出し等の所定の塑性加工を施し、直ちに1000〜11
50℃の範囲に冷却保持した後に、マルテンサイト変態
終了温度以下まで冷却することにより、粗大なTi炭化
物のないマルテンサイト組織が得られる。その後、65
0〜800℃の範囲で焼き戻しを施すことにより、焼き
戻しマルテンサイト中に微細なM23C6やMCが析出
した組織が得られ、Tiを添加しない基本組成と同等の
クリープ強度が得られる。このとき、加工温度はTi炭
化物の固溶を促進させることが目的となり、高いほど好
ましく、1250℃でTi炭化物の固溶は起こり始める
が、1300℃以上に加熱することが望ましい。
い元素であり、この発明の効果を有効に発揮しやすい。
添加量については、Tiと同様、使用中に酸素と結合さ
せるために、溶存酸素と結合する以上の量を添加する必
要があるため、下限値を0.01%とし、上限はTiと
同様の理由により0.3%とするのが適当である。Yの
場合も、Tiと同様、酸素をトラップすることにより、
酸素の内向拡散を抑制し、酸化速度が著しく低下させ
る。
添加含有させる場合には、合計重量%で、0.01〜
0.3%とするのが適当である。0.01%未満ではこ
の発明の効果は充分でなく、0.3%を超える場合に
は、酸化物の粗大化が起こり好ましくないからである。
その他の元素については、これまでにもクリープ特性や
靱性など他の必要特性を付与するために添加されるもの
であり、これまでにも一般的に添加されている量を目安
とする。
して形成される場合もある。なお、Mは合金元素を指
し、以下同じ]、M7C3、M23C6型の炭化物を形
成して、鋼の性能に大きく影響する元素である。特に、
VCやNbC等の微細な炭化物が使用中に析出すること
により、長時間側のクリープ強度の向上に寄与する。し
かし、この析出強化の効果を得るためには0.06%以
上が必要であり、一方、0.18%を超えると使用初期
段階から炭化物の凝集粗大化を招き、逆に長時間側のク
リープ強度の低下を招く。このため、C含有量は0.0
6〜0.18の範囲とするのが適当である。
高温における耐水蒸気酸化性を向上させるのに有効な元
素であるが、多量の添加は靱性劣化を招くことから、こ
れまで一般的に、0.01〜1.0%の範囲で添加され
てきた。よって、本発明においても、その上限を1.0
%とした。 Mn:Mnは、溶鋼の脱酸剤および脱硫剤として添加す
るが、高応力で短時間クリープ強度を向上させるのに有
効な元素である。しかし、その効果を得るためには0.
05%以上が必要であり、一方、1.6%を超えると靱
性を劣化させのことが知られている。このため、Mn添
加量は0.05〜1.5%とするのが適当である。
時に、M23C6を安定化させ、高温強度を向上させ
る。2%超ではδフェライトの生成を促進すると同時
に、M6CとLaves 相の析出および凝集粗大化を促進さ
せるので、上限を2%とした。WはMoと同様固溶強化
をもたらすと同時に、M23C6の微細析出に寄与し、
炭化物の凝集粗大化を抑制する。これらの効果により、
高温長時間でのクリープ強度を著しく向上させる。4%
を超えると、δフェライトと粗大なLaves 相が生成しや
すくなり靱性を低下させるため、上限を4%とするのが
適当である。Mo,Wを同時に添加する場合には、W+
2Moの合計が4%とするのが適当である。
ープ強度の向上に寄与する元素である。しかし、その効
果を得るためには0.10%以上が必要であり、一方、
0.50%を超えて添加してもその効果は飽和すること
から、V含有量は0.10〜0.50%とするのが適当
である。 Nb:Nbは炭窒化物として析出し、高温強度を高める
とともに、組織微細化の作用により靱性を改善するた
め、最低0.02%が必要とされている。しかし、0.
15%以上添加すると、焼きならし温度ではマトリック
スに完全に固溶しきれず、十分な強化効果が得られない
と考えられているため、0.02〜0.14%とするの
が適当である。
てクリープ強度を改善する元素である。しかし、一般
に、0.1%を超えると窒化物の粗大化が進行し、逆に
著しい靱性低下を招くので、上限を、好ましくは0.1
%とする。 Ni:Niはオーステナイト生成元素であり、δフェラ
イトの生成を抑制する効果を有し、靱性の改善にも有効
であることが知られている。しかし、1%以上添加する
と、クリープ強度の低下を招くため、上限を、好ましく
は1%とする。
細分散に効果があり、高温強度に寄与するとともに焼き
入れ性改善に有効であることが知られている。0.01
%を超えると粗大なB含有析出物を形成し、脆化を引き
起こすことが知られている。よって、上限は0.01%
とするのが適当である。 Co,Rh,Ir:上記以外にも、δフェライトの生成
を抑制する効果を有する元素としてCoがあり、近年C
o添加の検討が進められている。しかし、添加しすぎる
と強度低下や脆化を引き起こすことが知られており、一
般的にはその上限は5%とされている。RhおよびIr
もCoと同様に有効である。Co,RhおよびIrは、
各々、0.3〜5.0%の割合で、しかも2種以上添加
する場合にも、合計重量としては0.3〜5.0%とす
るのが適当である。
ロン以下の微細な酸化物を生成させ、その酸化物粒子が
ブリッジング効果を発揮することにより、皮膜の剥離を
抑制することを主旨としている。そのため、以上例示し
た合成成分に、限定されるものではない。以下、実施例
を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。
溶解炉にて溶製した。得られたインゴットを熱間鍛造、
熱間圧延して20mm厚さの板材とし、これらの板材か
ら各種の試験片を採取した。なお、表1中の比較例1,
2,3はそれぞれ、ASTMのT91,T92,T12
2規格鋼である。
ACの焼きならし処理後、780℃×1時間→ACの焼
きもどし処理を行い、耐水蒸気酸化性を調査した。水蒸
気酸化試験は、試験環境:水蒸気雰囲気、試験温度:7
00℃、試験時間:1000時間の連続加熱によるスケ
ール厚さの評価と、同温度において、96時間加熱後室
温まで空冷する処理を10回繰り返した場合の脱落スケ
ール量の評価を行った。表2にこれらの結果を示した。
同表には、皮膜直下における酸化物の有無とそのサイズ
を合わせて示している。
ことにより微細な酸化物が皮膜下部に生成し、結果とし
て、脱落スケール量が減少していることが確認された。
同時に、連続加熱時のスケールの厚さも薄くなってお
り、酸化速度も同時に抑制してると判断される。Siを
添加した比較鋼において、連続加熱時の皮膜厚さが減少
し、皮膜直下に酸化物の生成も認められた。しかし、S
i添加の場合の酸化物は比較的大きく、Cr2 O3 皮膜
内面に層状に存在するため、逆に剥離を助長したと判断
される。 実施例2 表1中の発明例2の鋼について、1100〜1400℃
の範囲で鍛造を行い、鍛造後直ちに1050℃の炉に挿
入し1時間保持した後、水冷した。この後、780℃×
1時間→ACの焼き戻し処理を行い、650℃、100
Mpaでクリープ破断試験を行った。その結果を、表3
に示した。
を行うことによって、クリープ破断時間が長くなり、N
o1のT91鋼以上の破断時間となる。さらに、加工温
度を1400℃以上にすることにより、T92(比較例
2)鋼やT122(比較例3)鋼と同程度の破断時間と
なり、十分なクリープ強度を有していると判断された。
発明によって、ボイラ、原子力、化学工業などの広い産
業分野で使用される高温耐熱、耐圧部材、例えば鋼管、
圧力容器用鋼板、タービン用材料等として有用な、耐水
蒸気酸化性に優れ、従来鋼と比較して同等以上のクリー
プ特性の優れた高Crフェライト系耐熱鋼が提供され
る。
との関係構造を例示した断面概要図である。
離と、この発明による剥離防止の構造を例示した断面概
要図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 使用中に表面に酸化皮膜が生成する高C
r含有のフェライト系耐熱鋼において、酸化皮膜との界
面もしくはその近傍に1ミクロン以下の径の極微細な酸
化物が形成されて酸化皮膜と母材との密着性が向上され
たことを特徴とする耐水蒸気酸化特性に優れた高Crフ
ェライト系耐熱鋼。 - 【請求項2】 重量%で、Crを8.0〜13.0%含
有し、TiおよびYのうちの少くとも1種が、合計重量
%で0.01〜0.30%添加含有されている請求項1
のフェライト系耐熱鋼。 - 【請求項3】 重量%で、Crを8.0〜13.0%含
有し、 C:0.02〜0.18%、Si:0.1〜1.0%、
Mn:0.05〜1.5%、Ni:0〜0.5%、W:
0〜4.0%、Mo:0〜2.0%、但しW+2Mo≦
4.0%、V:0.10〜0.50%、Nb:0.02
〜0.14%、N:0〜0.1%、B:0〜0.010
%、O:0.010%以下 を一種以上含有し、さらにTiおよびYを 0.01%≦Ti+Y≦0.30%以下 の範囲で少なくとも1種以上を含有し、残部がFeおよ
び不可避不純物からなる組成の請求項1または2のフェ
ライト系耐熱鋼。 - 【請求項4】 Co、Rh、Ir、PdおよびPtのう
ちの少くとも1種を合計重量%で5.0%以下の範囲で
含有する請求項3のフェライト系耐熱鋼。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかのフェライ
ト系耐熱鋼の製造方法であって、1250℃以上に加熱
し、鍛造や圧延等の塑性加工を行い、直ちに1000〜
1150℃で1時間以上保持した後に、マルテンサイト
変態終了温度以下まで急冷し、マルテンサイト組織とし
た後に、650〜800℃の範囲に加熱し、焼き戻しを
行うことを特徴とするフェライト系耐熱鋼の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP25648197A Pending JPH1192880A (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 耐酸化性・耐水蒸気酸化特性に優れた 高Crフェライト系耐熱鋼とその製造方法 |
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| JP (1) | JPH1192880A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018003941A1 (ja) | 2016-06-29 | 2018-01-04 | 新日鐵住金株式会社 | フェライト系耐熱鋼及びフェライト系伝熱部材 |
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1997
- 1997-09-22 JP JP25648197A patent/JPH1192880A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018003941A1 (ja) | 2016-06-29 | 2018-01-04 | 新日鐵住金株式会社 | フェライト系耐熱鋼及びフェライト系伝熱部材 |
| KR20190022779A (ko) | 2016-06-29 | 2019-03-06 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 페라이트계 내열강 및 페라이트계 전열 부재 |
| EP3480331A4 (en) * | 2016-06-29 | 2020-01-01 | Nippon Steel Corporation | FERRITIC HEAT-RESISTANT STEEL AND FERRITIC HEAT TRANSFER PART |
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