JPH1196518A - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ

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JPH1196518A
JPH1196518A JP26213297A JP26213297A JPH1196518A JP H1196518 A JPH1196518 A JP H1196518A JP 26213297 A JP26213297 A JP 26213297A JP 26213297 A JP26213297 A JP 26213297A JP H1196518 A JPH1196518 A JP H1196518A
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JP
Japan
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magnetic
layer
magnetic layer
tunnel
sensor
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JP26213297A
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Seiji Onoe
精二 尾上
Seiji Kumagai
静似 熊谷
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子形状に起因する反磁場を補正する必要が
なく、1つの素子で外部磁界の方向の高感度な検出を可
能とする信頼性の高い磁気センサを提供することを目的
とする。 【解決手段】 磁気センサ1は、絶縁体層4を介して第
1の磁性層3と第2の磁性層5とが積層形成されてな
り、第1の磁性層3、絶縁体層4及び第2の磁性層5を
トンネル電流が通れるトンネル効果を有する磁気トンネ
ル素子10と、磁気トンネル素子10に接続する一対の
電極を有して電流回路を構成する電流回路部6、7とを
備える。磁気センサ1は、磁気トンネル素子10におい
て、第1の磁性層3の磁化方向が固定されるとともに、
第2の磁性層5の磁化方向が外部磁界の方向によって変
化するようになされており、第2の磁性層5が絶縁体層
4上に略円形状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に第1の磁
性金属層、絶縁体層及び第2の磁性金属層が順次形成さ
れ、トンネル効果を有する磁気トンネル素子を用いた磁
気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】第1の磁性金属層、絶縁体層及び第2の
磁性金属層からなる3層構造を有する素子においては、
絶縁層の厚みが数十オングストローム程度の場合にトン
ネル電流が流れ、そのトンネル電流の導電率が第1の磁
性金属層の磁化方向と第2の磁性金属層の磁化方向とが
なす相対角度に依存するといった現象、いわゆる磁気的
トンネル効果が報告されている。
【0003】この磁気的トンネル効果を利用する場合に
は、第1及び第2の磁性金属層の磁化の分極率により磁
気抵抗比を理論的に計算することができる。例えば、第
1及び第2の磁性金属層にFeを用い、絶縁体層にAl
23を用いた場合には、室温で20%程度の大きな磁気
抵抗比が得られ、この物理的な発現機構のみならず応用
を含めて大きな注目を集めている。
【0004】一方、従来、磁気抵抗効果素子(AMR)
や巨大磁気抵抗効果素子(GMR)を用いた各種磁気セ
ンサが、例えば、高密度固定磁気ディスクの磁気ヘッド
や、地磁気方位センサ等で用いられている。ここで、磁
気抵抗効果素子を用いた磁気センサとは、パーマロイ等
からなる磁性金属膜の磁化方向とこの磁性金属膜の面内
を流れるセンス電流との相対角度に依存して抵抗が変化
する現象を用いたものである。また、巨大磁気抵抗効果
素子を用いた磁気センサとは、第1の磁性金属層、非磁
性金属層及び第2の磁性金属層からなる3層構造の素子
において、非磁性金属層が数nm程度の場合に各層に平
行あるいは垂直に流れるセンス電流の導電率が、第1の
磁性金属層と第2の磁性金属層とがなす相対角度に依存
する現象を用いたものである。
【0005】このような磁気抵抗効果素子や巨大磁気抵
抗効果素子を用いた磁気センサでは、磁気センサに定電
流を流して外部磁界による電圧の変化を読み取ってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな磁気センサは、単一、あるいは組み合わされた磁性
金属膜の平面方向のセンス電流により動作させており、
磁気センサとして効率よく磁気抵抗効果を発現させるた
めに、先ず、なるべく高い初期電気伝導率を有する磁性
金属膜を使用して磁性金属膜面内に一様にセンス電流を
流したり、あるいは磁性金属膜の磁化を形状により安定
化させるといった必要があることから、素子形状を四角
にすることが一般的であった。
【0007】しかしながら、このような磁気センサは、
上述したように素子形状、詳しくは各層の対向面の形状
が四角形になされているため、この四角形状に起因して
生じる反磁場によって、素子における磁化方向にベクト
ル的ズレが生じてしまい、この磁化方向のベクトル的ズ
レが磁気センサの出力を変化させてしまった。
【0008】そのため、外部磁界の方向に対応したセン
サ電圧を得るには、素子の四角形状に起因して結果的に
生じる磁気センサの出力変化を補正する必要があり、こ
の補正のための回路を構成しなければならないといった
不都合があった。
【0009】また、例えば、地磁気方位センサ等に上述
の磁気抵抗効果素子を用いる場合には、1つの磁気抵抗
効果素子では外部磁界の方向を特定することができず、
複数の磁気抵抗効果素子を組み合わせて外部磁場の方向
を特定するシステムを構成しなければならなかった。
【0010】そこで、本発明は、従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、素子形状に起因する反磁場を補正
する必要がなく、1つの素子で外部磁界の方向の高感度
な検出を可能とする信頼性の高い磁気センサを提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために完成された本発明に係る磁気センサは、絶縁体層
を介して第1の磁性層と第2の磁性層とが積層形成され
てなり、上記第1の磁性層、絶縁体層及び第2の磁性層
をトンネル電流が通れるトンネル効果を有する磁気トン
ネル素子と、上記磁気トンネル素子に接続する一対の電
極を有して電流回路を構成する電流回路部とを備えるも
のである。
【0012】特に、本発明に係る磁気センサでは、磁気
トンネル素子において、第1の磁性層の磁化方向が固定
されるとともに、上記第2の磁性層の磁化方向が外部磁
界の方向によって変化するようになされており、上記第
2の磁性層が絶縁体層上に略円形状に形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0013】以上のように構成された本発明に係る磁気
センサでは、磁気トンネル素子において、トンネル電流
が第1の磁性層、絶縁体層及び第2の磁性層を積層方向
に通り、第1の磁性層の磁化方向が固定されるとともに
第2の磁性層の磁化方向が外部磁界の方向に対して変化
するようになされ、しかも第2の磁性層が略円形状とな
されていることにより、素子形状に起因する反磁場が生
じず、第2の磁性層が外部磁界に対して等方的に磁化方
向を変化させることが可能となることから、反磁場を補
正する回路を構成する必要がなく、より簡単に第1の磁
性層の磁化方向と第2の磁性層の磁化方向とがなす相対
角度を効果的に検出することができる。
【0014】その結果、本発明に係る磁気センサでは、
素子形状に起因する反磁場を補正する回路を構成しなく
ても、正確に外部磁界の方向を検出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明を適用した磁気センサを示す斜視図である。
【0016】本発明を適用した磁気センサ1は、図1に
示すように、非磁性支持体2と、この非磁性支持体2上
に形成された第1の磁性層3と、この第1の磁性層3上
に形成された略円形状の絶縁体層4と、この絶縁体層4
上に形成された略円形状の第2の磁性層5と、第2の磁
性層5上に配され一方の電極となる上部センサ端子6
と、第1の磁性層3上に配され他方の電極となる下部セ
ンサ端子7と、第1の磁性層3上の対向する一対の辺に
沿って形成される硬磁性膜8a、8bとを有する。
【0017】ここで、磁気センサ1では、第1の磁性層
3、絶縁体層4及び第2の磁性層5が磁気的トンネリン
グ効果を有する磁気トンネリング素子を構成する。
【0018】特に、本発明を適用した磁気センサ1は、
第1の磁性層3の磁化方向が固定されるとともに第2の
磁性層5の磁化方向が外部磁界の方向により変化するよ
うになされている。
【0019】第1の磁性層3は、非磁性支持体2上に形
成されている。この第1の磁性層3は、磁化方向が一方
向に固定された磁性金属層である。このため、第1の磁
性層3としては、高い保磁力を有する強磁性材料から形
成された金属性膜や、磁性材料から形成された硬磁性膜
や、反強磁性材料等を積層して磁化を固定した積層型の
反強磁性膜等から形成されると良い。具体的には、第1
の磁性層3の材料としては、例えば、CoやFeやNi
等の金属磁性材料、これらの合金、Co−Pt系合金、
Co−Cr系合金、Sm−Co系合金及びNd−Fe系
合金、フェライト等が好ましい。
【0020】また、第1の磁性層3の膜厚は、特に限定
されないが、反強磁性膜を用いて磁化を固定した場合、
確実に磁化を固定できる膜厚として、数十〜200オン
グストローム程度が好ましい。
【0021】また、第1の磁性層3が第2の磁性層5と
対向する面3aの形状としては、図1に示すような直方
形状に限らず、第1の磁性層の面3aの大きさが、第2
の磁性層5が第1の磁性層3と対向する面、つまり第2
の磁性層の底面5aの大きさと略同一、あるいは第2の
磁性層の底面5aより大きければ良く、楕円形、円形ま
たはその複合形状等の様々な形状が可能である。
【0022】絶縁体層4は、上記第1の磁性層層3上に
形成され、この第1の磁性層3と後述する第2の磁性層
5との間に配されている。絶縁体層4が第2の磁性層5
と対向する面4aの形状は、図1に示すように、トンネ
ル電流を効率良く流れるようにし、かつ絶縁体として機
能させるために、第2の磁性層の底面5aの大きさより
も大きければ良く、第2の磁性層の底面5aの形状と略
同一な略円形状に限らないが、等方性の点から図1に示
すように略円形状であると好ましい。
【0023】また、絶縁体層4は、例えば、Al23
の絶縁材料からなる。特に、本発明に用いられる絶縁体
層4の膜厚としては、第1の磁性層3と第2の磁性層5
の間にトンネル電流が流れる程度の膜厚である必要があ
り、約10オングストローム程度が好ましい。
【0024】第2の磁性層5は、絶縁体層4上に形成さ
れ、絶縁体層4を介して第1の磁性層3と対向する。こ
の第1の磁性層5は、外部の磁場によって磁化の方向が
自由に変化するような構造とされている層である。
【0025】第2の磁性層5の材料としては、外部から
印加される磁界に対応してその磁化方向が変化する材料
であれば良く、例えば、CoやFeやNi等の金属磁性
材料やこれらの合金が挙げられ、好ましくは外部磁界の
磁化方向に対して効果的に磁化方向が変化するパーマロ
イを用いると良い。また、第2の磁性層5の膜厚として
は、特に限定されないが、軟磁気特性を示す程度の膜厚
が好ましい。
【0026】なお、第1の磁性層3、絶縁体層4及び第
2の磁性層5の材料は、上述したような外部磁界に対す
る性質を有するものであるとともに、全体として磁気ト
ンネリング効果を奏するものであることが必要である。
【0027】特に、本発明に用いられる第2の磁性層5
は、略円形状である。つまり、第2の磁性層5は、第1
の磁性層3と対向する面、つまり第2の磁性層の底面5
aの形状が略円形状となされている。
【0028】したがって、第2の磁性層5は、略円形状
に形成されていることから外部磁界に対して等方性を有
するため、素子形状に起因する反磁場の発生を防ぐこと
ができて、反磁場により結果的に生じるセンサ出力の補
正を行う必要がなくなり、外部磁界に対応して正確に磁
化方向が変化するようになされている。
【0029】以上のような構成の第1の磁性層3、絶縁
体層4及び第2の磁性層5を有する磁気トンネル素子1
0には、後述する電流回路に所定の電流を流すと、第1
の磁性層3、絶縁体層4及び第2の磁性層5の積層方向
にこれらの層の間をトンネル電流が流れる。そして、磁
気トンネル素子10は、このトンネル電流の導電率変
化、言い換えればトンネル電流の抵抗値変化が、上記第
1の磁性層3の磁化方向と第2の磁性層5の磁化方向と
のなす相対角度に依存するものである。
【0030】非磁性基板2は、その一主面2a上に、第
1の磁性層3が形成されている。この非磁性基板2の材
料としては、例えば、SiO2やAl23等の非磁性材
料が挙げられる。
【0031】硬磁性膜8a、8bは、第1の磁性層3の
磁化方向を極力一定に固定するための磁化安定機能を有
する。そのため、この硬磁性膜8a、8bは、第1の磁
性層3の磁化方向を安定化するような第1の磁性層3上
の位置に形成されていれば良い。なお、硬磁性膜の成膜
箇所及び成膜位置は、第1の磁性層3の磁化方向を安定
化するような位置であれば任意である。
【0032】上部センサ端子6は、第2の磁性層5上に
接続されており、磁気トンネル素子10に所定の電流を
供給する一方の電極端子を構成している。
【0033】下部センサ端子7は、第1の磁性層3上に
接続されており、上部センサ端子6と対になって磁気ト
ンネル素子10に所定の電流を供給する他方の電極端子
を構成している。
【0034】以上のように構成された磁気センサ1は、
上部センサ端子6及び下部センサ端子7を電極端子とし
て、第1の磁性層3、絶縁体層4及び第2の磁性層5に
対して所定の電流を供給する図示しない定電流源が接続
されて電流回路を構成している。この電流回路には、流
れる電流の電圧を測定する電圧器または流れる電流の抵
抗を測定する抵抗計が接続されている。
【0035】そして、この磁気トンネル素子10に接続
される電流回路に一定の電流を供給すると、磁気トンネ
ル素子10に流れるトンネル電流の抵抗変化が、この電
流回路に接続されている電圧器または抵抗計により検出
される。
【0036】つぎに、上述の磁気トンネル素子10にお
ける磁気トンネリング効果及びその磁気トンネリング効
果を用いて外部磁界の方向を検出する磁気センサ1の作
用について詳細を説明する。
【0037】本発明を適用した磁気センサ1は、この磁
気センサ1内に備えられる磁気トンネル素子10におい
て、磁気トンネル素子10と接続した上述の電流回路に
所定の電流を流すと、絶縁体層4を介して第2の磁性層
5と第1の磁性層3との間にトンネル電流が流れる。そ
して、このトンネル電流の抵抗変化を検出することによ
り、外部磁界の方向を検出するものである。
【0038】つまり、本発明を適用した磁気センサ1
は、第1の磁性層3の磁化方向と第2の磁性層5の磁化
方向とがなす相対角度が外部磁界の方向によって変化す
るようになされており、詳しくは、第1の磁性層2の磁
化方向が固定されるとともに第2の磁性層5の磁化方向
が外部磁界の方向によって変化し、後述するようにこの
相対角度の変化に伴って磁気トンネル素子10に流れる
トンネル電流の抵抗値が変化する。
【0039】したがって、本発明を適用した磁気センサ
1によれば、磁気トンネル素子10に流れるトンネル電
流の抵抗値の変化を検出することにより、上記の相対角
度を検出することができて、その結果外部磁界の方向を
検出することが可能となる。
【0040】具体的には、本発明に用いられる磁気トン
ネル素子10では、図2に示すように、磁化方向が固定
された第1の磁性層3の磁化方向をE1とし、外部磁界
に対応する磁化方向を示す第2の磁性層5の磁化方向を
2とし、磁化方向E1と磁化方向E2とがなす相対角度
を角度θとすると、絶縁体層4を介して第2の磁性層5
と第1の磁性層3との間に流れるトンネル電流の抵抗
が、上述した電流回路によって検出され、図3に示すよ
うに、この相対角度θに依存する。
【0041】図3は、第1の磁性層をCoにより形成
し、絶縁体層をAl23により形成し、第2の磁性層を
80%Ni−Feにより形成した磁気トンネル素子を対
象にしたものであり、横軸に上記相対角度θをとったも
のであり、縦軸に単位が抵抗の逆数となるコンダクタン
ス、つまり電流の流れ易さをとったものである。このコ
ンダクタンスは、上記相対角度θの余弦に比例する。
【0042】図3に示すように、相対角度θが0°であ
る場合、つまり第2の磁性層5の磁化方向E2と第1の
磁性層3の磁化方向E1が平行な場合には、トンネル電
流に対する抵抗値が最小となり、トンネル電流が最も流
れ易くなるといえる。
【0043】また、相対角度θが180°である場合、
つまり第2の磁性層5の磁化方向E2が第1の磁性層3
の磁化方向E1に対して反磁化方向である場合には、ト
ンネル電流に対する抵抗値が最大となり、トンネル電流
が最も流れにくくなるといえる。
【0044】このように、本発明に用いられる磁気トン
ネル素子10では、第1の磁性層3の磁化方向E1と第
2の磁性層5の磁化方向E2とのなす相対角度θに応じ
て、トンネル電流の抵抗が変化する、つまりトンネル電
流の抵抗変化が相対角度θに依存するといえる。
【0045】しかも、本発明に用いられる磁気トンネル
素子10では、図3に示すように、トンネル電流のコン
ダクタンス変化、言い換えれば抵抗変化に相当する、図
2中の直線D1の傾きや直線D2の傾きが、相対角度θに
対して一義的に対応する。
【0046】つまり、相対角度θとトンネル電流のコン
ダクタンス値との関係を示すグラフにおいて、トンネル
電流のコンダクタンス値の変化である、コンダクタンス
値の傾きを測定することにより、相対角度θを求めるこ
とができる。
【0047】以上説明したように、本発明を適用した磁
気センサ1では、上述のトンネル効果を有する磁気トン
ネル素子を用いるため、トンネル電流の抵抗変化から第
1の磁化方向E1と第2の磁化方向E2との相対角度θを
検出することができ、結果的に外部磁界の方向を検出す
ることができる。しかも、本発明を適用した磁気センサ
1では、第1の磁性層3の磁化方向E1が固定されてい
るため、上記の相対角度θから第2の磁性層5の磁化方
向E2、つまり外部磁界の方向を、より容易に検出する
ことができる。
【0048】一方、従来用いられていた磁気抵抗効果素
子は、単独で用いた場合、素子の磁化方向とセンス電流
とがなす相対角度θaが、外部磁場によって変化する電
気抵抗の変化に一義的に対応しない。つまり、電気抵抗
の変化を測定しても相対角度θaを一義的に決定できな
かった。このことは、例えば、図4により説明すること
ができる。
【0049】図4は、90%Ni−Feから形成された
従来の磁気抵抗効果素子を1つ用いた場合を示してお
り、横軸には、素子の磁化方向とセンス電流とがなす相
対角度θaをとり、縦軸には、そのときの電圧をとった
ものである。
【0050】つまり、従来の磁気抵抗効果素子を1つ用
いた場合において電圧変化を測定すると、1つの電圧変
化の測定値、例えば、図4中に相当する直線D3の傾き
に対して、同一の電圧変化値である、直線D4が存在し
てしまう。このため、電圧変化を測定しても、その電圧
変化に対応する相対角度θaとして相対角度θa1及び
相対角度θa2の両方が該当してしまい、一義的に相対
角度θa、つまり外部磁界の方向を特定することができ
ない。
【0051】したがって、従来の磁気センサでは、外部
磁界の方向を特定するには上述したような従来の磁気抵
抗効果素子を複数個用いて構成しなければならず、各磁
気抵抗効果素子の感度の違いや各磁気抵抗効果素子の形
状異方性による出力のズレを補正する電気回路が必要と
なり、実際には実現困難であった。
【0052】これに対して、本発明に用いられる磁気ト
ンネル素子10を備える磁気センサ1では、上述した図
3に示すように、絶縁体層4を介して第2の磁性層5と
第1の磁性層3との間に流れるトンネル電流の抵抗変化
を測定するため、測定したトンネル電流の抵抗値の変化
から、第2の磁性層5の磁化方向と第1の磁性層3の磁
化方向とがなす相対角度θを一義的に特定することがで
きる。
【0053】したがって、本発明を適用した磁気センサ
1では、1つの素子、つまり1つの磁気トンネル素子1
0を用いただけで、外部磁界の方向を検出することが可
能となる。その結果、磁気センサ1自体の小型化や磁性
センサ1の製造コストの削減をも可能し、しかも、外部
磁界の方向をより高感度で検出できて、高信頼性を得ら
れる。
【0054】なお、本発明を適用した磁気センサ1は、
1つの磁気トンネル素子10を用いるだけで地磁気方位
センサとして使用することができ、地磁気方位を検出す
ることができる。
【0055】また、本発明を適用した磁気センサ1は、
1つの磁気トンネル素子10を用いるだけで回転軸セン
サとして使用することができる。図12は、本発明を適
用した磁気センサ1を回転軸センサとして使用した例を
示す図である。
【0056】具体的には、図12に示すように、回転体
100は、その底面100a上に磁石101が接合さ
れ、磁石101とともに回転自在となされている。本発
明を適用した磁気センサ1は、回転体100に接合され
た磁石101に対向して配されており、図示しない定電
流源とセンサ出力部102に接続されている。このと
き、磁気センサ1は、センサ素子の第2の磁性層5の円
の中心と、回転軸に取り付けられた磁石101の中心と
が同軸上に配置されるように、磁石101と対向させて
配される。
【0057】このセンサ出力部102は、出力の微分を
行うものであり、この出力の微分値から回転体100の
回転軸における回転角や回転周波数を求めることができ
る。
【0058】以上のように構成された本発明を適用した
磁気センサ1を内蔵した回転軸センサは、回転体100
に接合された磁石101からの外部磁界によって、磁気
トンネル素子10の第2の磁性層5の磁化方向が変化し
て、第1の磁性層3及び第2の磁性層5のそれぞれの磁
化方向がなす相対角度が変化する。そして、この相対角
度の変化により磁気トンネル素子10に流れるトンネル
電流の抵抗が変化し、センサ出力部102によりこのト
ンネル電流の抵抗変化を検出して、最終的に回転体10
0の回転角や回転周波数を検出するものである。
【0059】つぎに、以上述べたような構成を有する本
発明を適用した磁気センサ1の製造方法について詳細を
説明する。ここで、以下に述べる磁気センサ1の製造方
法としては、主にスパッタリング法とフォトグラフィー
法を用いた製造方法を一例に挙げるが、上述の磁気セン
サ1と同様な構成を製造することができる方法であれ
ば、以下の方法に限定されない。
【0060】先ず、下地層形成工程において、図5に示
すように、表面を研磨して平滑化した非磁性基板2上
に、Al23を厚さ200nmとなるように成膜し、そ
の後バフ研磨を行って厚さ100nmの下地層2aを形
成した。
【0061】次に、第1の磁性層形成工程において、図
6に示すように、上記下地層2a上にスパッタリング法
により厚さ40nmとなるようにCoを成膜し、第1の
磁性層3を形成した。なお、この第1の磁性層3を形成
する際に、所望の形状、例えば表面形状が長方形の第1
の磁性層3を得られるように、フォトレジストでマスク
を形成してから、スパッタリング法で成膜し、その後上
記マスクを除去することにより、所望の形状の第1の磁
性層3を形成しても良い。
【0062】次に、下部センサ端子形成工程において、
図7に示すように、所望の形状、例えば表面形状が長方
形の下部センサ端子7が得られるように、第1の磁性層
3上にフォトレジストでマスクを形成してから、電気伝
導度の良好なCuをこの第1の磁性層3上に成膜し、そ
の後上記マスクを除去して、下部センサ端子7を形成し
た。
【0063】次に、硬磁性膜形成工程において、図8に
示すように、所定の位置に、例え第1の磁性層3の一対
の端辺上に、所望の形状、例えば長方形の硬磁性膜が得
られるように、フォトレジストでマスクを形成してか
ら、スパッタリング法によりCoPtを成膜して、その
後上記マスクを除去し、硬磁性膜8a、8bを形成し
た。
【0064】次に、絶縁体層形成工程において、図9に
示すように、第1の磁性層3上の所定位置に所望の形
状、例えば円形状の絶縁体層が得られるように、フォト
レジストでマスクを形成してから、Al23を厚さ数n
mとなるように成膜し、その後上記マスクを除去するこ
とにより、絶縁体層4を形成した。
【0065】次に、第2の磁性層形成工程において、図
10に示すように、絶縁体層4上にこの絶縁体層4の形
状よりも若干小さい円形状の第2の磁性層5が得られる
ように、フォトレジストでマスクを形成してから、スパ
ッタリング法によりパーマロイを用いて厚さ40nmと
なるように成膜し、その後上記マスクを除去することに
より、第2の磁性層5を形成した。
【0066】次に、上部センサ端子形成工程において、
図11に示すように、第2の磁性層5上に所望の形状の
上部センサ端子6が得られるように、フォトレジストで
マスクを形成してから、スパッタリング法でCuを厚さ
100nmとなるように成膜し、その後上記マスクを除
去することにより、上部センサ端子6を形成した。
【0067】最終的に、下部センサ端子7及び上部セン
サ端子6を絶縁するために、SiO2をそれぞれの端子
上に厚く成膜し、その後上部センサ端子6の端子接続部
と下部センサ端子7の端子接続部を露出させるため、A
rイオンによるエッチングを行った。そして、センサ引
き出しのために、引き出し線形状を得られるように、フ
ォトレジストでマスクを形成してからCuを成膜し、そ
の後上記マスクを除去することにより引き出し線を形成
した。このようにして製造された磁気センサ1の一例
が、上述した図1に示すようなものである。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る磁気センサでは、磁気トンネル素子において、トンネ
ル電流が第1の磁性層、絶縁体層及び第2の磁性層を積
層方向に通り、第1の磁性層の磁化方向が固定されると
ともに第2の磁性層の磁化方向が外部磁界の方向によっ
て変化するようになされ、しかも第2の磁性層が略円形
状となされている。
【0069】したがって、本発明に係る磁気センサで
は、素子形状に起因する反磁場が生じず、第2の磁性層
が外部磁界に対して等方的に磁化方向を変化させること
が可能となることから、反磁場を補正する回路を構成す
る必要がなく、より簡単に第1の磁性層の磁化方向と第
2の磁性層の磁化方向とがなす相対角度を効果的に検出
することができる。
【0070】その結果、本発明に係る磁気センサでは、
素子形状に起因する反磁場を補正する回路を構成しなく
ても、正確に外部磁界の方向を検出することができ、磁
気センサの小型化や製造コストの削減をも図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気センサの一例を示す斜視
図である。
【図2】第1の磁性層の磁化方向と第2の磁性層の磁化
方向とがなす相対角度θを説明する模式図である。
【図3】磁気トンネリング効果を説明する図である。
【図4】従来の磁気抵抗効果を説明する図である。
【図5】下地層形成工程を示す断面図である。
【図6】第1の磁性層形成工程を示す断面図である。
【図7】下部センサ端子形成工程を示す断面図である。
【図8】硬磁性体膜形成工程を示す断面図である。
【図9】絶縁体層形成工程を示す断面図である。
【図10】第2の磁性層形成工程を示す断面図である。
【図11】上部センサ端子形成工程を示す断面図であ
る。
【図12】本発明を適用した磁気センサを回転軸センサ
に適用した一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 磁気センサ、2 非磁性基板、3 第1の磁性層、
4 絶縁体層、5 第2の磁性層、6 上部センサ端
子、7 下部センサ端子、8a,8b 硬磁性膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体層を介して第1の磁性層と第2の
    磁性層とが積層形成されてなり、上記第1の磁性層、絶
    縁体層及び第2の磁性層をトンネル電流が流れるトンネ
    ル効果を有する磁気トンネル素子と、 上記磁気トンネル素子に接続する一対の電極を有して電
    流回路を構成する電流回路部とを備え、 上記磁気トンネル素子は、上記第1の磁性層の磁化方向
    が固定されるとともに、上記第2の磁性層の磁化方向が
    外部磁界の方向によって変化するようになされており、 上記第2の磁性層が絶縁体層上に略円形状に形成されて
    いることを特徴とする磁気センサ。
  2. 【請求項2】 上記第1の磁性層が軟磁性膜であり、 上記第2の磁性層が強磁性材料から形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
JP26213297A 1997-09-26 1997-09-26 磁気センサ Withdrawn JPH1196518A (ja)

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