JPS6016477B2 - 防食顔料 - Google Patents

防食顔料

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JPS6016477B2
JPS6016477B2 JP3488976A JP3488976A JPS6016477B2 JP S6016477 B2 JPS6016477 B2 JP S6016477B2 JP 3488976 A JP3488976 A JP 3488976A JP 3488976 A JP3488976 A JP 3488976A JP S6016477 B2 JPS6016477 B2 JP S6016477B2
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calcium
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浩次 戸田
亘 篠田
元 牧野
和弘 山村
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、防食顔料に関し、詳しくはy−Ca2P20
7を含有する焼結複合体を粉砕した粉末からなる防食顔
料並びにy−Ca2P207を含有し更にガラス状物が
含まれた競結複合体を粉砕した粉末からなる防食顔料に
関するものである。
本発明の主たる目的は、鉛、クロム等の有害金属を含ま
ず公害を全くひきおこすことがなく、しかも長期間にわ
たる優れた防食力を発揮する新規な防食顔料を提供する
にある。
また、本発明の他の目的は優れた顔料特性を具備し、塗
料に配合した際に当該塗料によって形成される塗膜の密
着性を損うおそれがない防食顔料を提供するにある。
更に、本発明の他の目的は、油性塗料は勿論、水溶性塗
料にも配合することができる防食顔料を提供するにある
周知の通り、防食顔料の代表的なものとしては鉛丹、塩
基性硫酸鉛等の鉛形化合物やジンククロメート、ストロ
ンチウムクロメート等のクロメート系化合物が古くから
汎用されている。
しかし近年、当業界に於ては鉛、クロム等の有害金属の
もたらす公害問題に鑑み、これ等有害金属を含まない防
食顔料が要求されている。
また、最近、省資源指向の見地から水溶性塗料が注目さ
れて来たことに鑑み水漆性塗料に配合可能な防食顔料が
要求されている。
前記の鉛系化合物からなる防食顔料は強い塩基性を示す
ものであり、その塩基性に起因して水溶性塗料に配合し
た場合には樹脂をゲル化してしまうので使用できない。
もっともクロメート系化合物からなる防食顔料は略中性
を示すものではあるが前述の通り公害をもたらすおそれ
があるため、その使用はでき得る限り避けられる傾向に
ある。従って、現在では公害問題の見地から鉛、クロム
等を含まず、また水溶性塗料への配合という見地から中
性を示す防食顔料の出現が切望されている。
,鉛、クロム等を含まない防食顔料としてはリン酸塩系
の防食顔料が知られており、例えば、日本国特公昭49
−26291号公報には第2リン酸バリウム、リン酸亜
鉛、リン酸アンチモン、リン酸鉛、リン酸クロム、リン
酸マンガン及びリン酸化合物として特に2価または3価
金属の亜リン酸塩及び次亜リン酸塩、特にバリウム、マ
グネシウム及びマンガンの亜リン酸塩、カルシウム及び
鉄の次亜リン酸塩を単独または一緒に使用することによ
り防食効果があるという技術が公開されている。
上記の如きリン酸塩系の防食顔料は、鉛へクロム等を含
まないものであり、また中性を示すものであるから水浴
性塗料への配合が可能なものではあるが、防食機能にお
いて鉛系化合物、クロソート化合物からなる防食顔料と
比較して劣り、特に長期間にわたって塗膜中において防
食効果を持統させるという要求には殆んど応えることが
できないものである。即ち、よく知られている通り、リ
ン酸塩系の防食顔料、特にリン酸亜鉛を含む防食顔料の
防食作用は被防食材である鉄含有金属基質のリン酸塩化
によって塗膜の下にリン酸保護層が鉄と顔料との相互作
用によって形成されることによるものであり、この防食
作用を長期間にわたって発揮させる為には防食顔料自体
が適度な溶解性を持っており、長期間にわたって徐々に
溶解していく必要がある。
ところが従来知られているリン酸塩系の防食顔料は、水
に易溶のものであり、一時的な防食作用は発揮しても、
長期間にわたって防食作用を持続することはできないの
である。尚、英国特許第904861号明細書には鉛丹
、鉛酸カルシウム、クロム酸亜鉛または酸化鉄と共にリ
ン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸リチウム及びリン
酸バリウムの使用が防食性に有効であるという技術が公
開されているが、こ)に示されている防食顔料に含まれ
るリン酸塩は極く少量であり、勿論、前記したリン酸塩
の防食作用を期待して配合されているものではあろうが
、リン酸塩自体は前者の場合と同機に易漆であり、リン
酸塩自体の持つ防食作用は長期間にわたって持続される
ものではない。
更に、前述の特公昭49−26291号公報記載の防食
顔料、英国特許第904861号明細書記載の防食顔料
を含めて従釆知られているリン酸塩系の防食顔料は、そ
の顔料特性において劣るものであり、これに起因して塗
料に配合した場合にその防食機能を充分発揮することが
できないものである。
即ち、防食顔料を水溶性塗料に配合する場合、油性塗料
に配合する場合を問わず、防食顔料のもっている顔料特
性は塗膜の密着性に大きな影響を与え、たとえ優れた防
食機能を備えたものであっても、その顔料特性が劣るも
のであるときには塗膜の密着性を劣化させ、塗膜のふく
れ、剥離現象を生じる原因となり、防食顔料自体の防食
機能を問題とする以前に防食効果が得られなくなってし
まうのである。即ち、塗腰の密着性は顔料特性を示す尺
度の一つである顔料体積濃度(PVC値)によって大き
く影響を受けることはよく知られているところであり、
この顔料体積濃度(PVC値)は一般に次式で示されて
いる。
アマニ油によるPVC値の場合には; 100pb PVC=pb+。
・〇1.0A止・PP上式の意味するものは、PVC値
が大であることは吸油量が小さいことを意味し、またP
VC値が4・いということは吸油量が大きいことを意味
する。
そしてPVC値の小さい顔料は樹脂成分が顔料の表面を
濡らすのに多く消費され、被塗布物面との密着性を保持
するに充分な樹脂成分が得られ難いということである。
通常、防食塗料は顔料(防食顔料単独又は防食顔料+体
質顔料)1部に対して樹脂1部の割合で配合されている
が、もし防食顔料のPVC値が非常に小さい値であると
きには、たとえ当該顔料が水に溶解しないものであって
も上式が示す如く、被塗布物面との密着性を保持するに
充分な樹脂成分が得られず、塗膜のふくれ、剥離現象が
生じて発錆の大きな原因となる。
防食塗料には顔料成分として、防食顔料のみを配合され
る場合や防食顔料と体質顔料とを配合される場合がある
が、何れの場合にも配合される顔料が好適な顔料特性、
例えば好適なPVC値を持っているものであることが必
要なのである。これは塗膜中の防食顔料や体質顔料が充
分分散された状態で存在し、且つ堅牢で密着性に富んだ
塗膜を得るためには、使用する顔料が好適な顔料特性を
持っていなければならないからである。防食顔料を代表
する鉛丹、体質顔料を代表する酸化鉄顔料である弁柄は
防食塗料に配合する顔料としては好適な顔料特性を有し
ており、そのPVC値は45〜60%程度を示すもので
ある。
実際上、防食塗料に配合する防食顔料として45〜60
%のPVC値を示すものを得るときには、実用上顔料特
性には問題はなく、堅牢で密着性に富んだ塗膜を用いる
ことができ、塗膜のふくれ剥離現象は生じないとされて
いる。ところが従来知られているリン酸塩系の防食顔料
は、鉛丹、弁柄の持つ顔料特性と匹敵する顔料特性は有
しておらず、この為塗料に配合した場合に、その塗際の
密着性の劣化を惹起させる要因となり、堅牢で密着性に
富んだ塗膜が得られ難いのである。本発明者は、リン酸
塩系の防食顔料に適度な熔解性、詳言すれば長期間にわ
たって徐々に溶解してゆくという性質と優れた顔料特性
、詳言すれば弁柄等のもつPVC値と同程度のPVC値
を付与せんとして研究を進めた。
本発明者は既に、特開昭50−34329号公報によっ
て公開している通り、顔料特性が優れたものとしてよく
知られている酸化鉄顔料(例えば弁柄)とカルシウム化
合物とを特定の条件で暁結することによって本a0・F
e203を含む暁精複合体を得、これを粉砕した粉末か
らなる防食顔料を提供することに成功している。
この防食顔料はCa分が長期間にわたって徐々に溶解し
てゆき防食作用を発揮させるに必要な塩基性を示すとと
もに優れた顔料特・性を有したものであり、油性塗料に
配合される防食顔料として実用されている。本発明者は
上記防食顔料を完成させた経験を生かし、酸化鉄顔料に
リン酸化合物とカルシウム化合物とを作用させれば、適
度な溶解性と優れた顔料特性とを兼備した新しいリン酸
塩系の防食顔料が得られるのではないかと考え、酸化鉄
顔料にリン酸化合物とカルシウム化合物とを種々の手段
によって作用させ、数多くの化合物を生成させ、その防
食性を検討するという実験を系統的に重ねた結果、酸化
鉄顔料とリン酸化合物とカルシウム化合物との三者を特
定の条件で混合、焼成して得た競結複合体はy−Ca2
P207を含有し、これを粉砕した粉末は適度な溶解性
と優れた顔料特性とを備えており、防食顔料として優れ
たものであることを知ったのである。
更に、本発明者は、酸化鉄顔料とリン酸化合物とカルシ
ウム化合物との三者を特定の条件で焼成してy−Ca2
P207を含有した擬結複合体を得るに当って焼成によ
ってガラス状物となる特定配合物を添加しておけば、上
記の場合よりも更に優れた顔料特性を備え、また溶解性
もより適度なものが得られるということを見出している
本発明は上記の諸知見を基礎として完成したものである
即ち、本発明は、Ca0に換算して29.90〜53.
23重量%のカルシウム炭酸塩、カルシウム水酸化物、
カルシウム酸化物から選ばれるカルシウム化合物と、P
205に換算して46.77〜70.10重量%の日3
P04、HP03、日4P207、(HP03)6、&
P30,o、馬P03、日3P02及びP205から選
ばれるリン酸化合物との混合物10.0〜65.0重量
%に対して、Fe203に換算して35.0〜90.0
重量%のFe2Q、Fe00日及びFe304から選ば
れる鉄化合物を混合し、この混合物を350〜800q
oの温度範囲で焼成して得られるッーCa2P2Qを5
重量%以上含有した鱗結複合体を粉砕した粉末からなる
防食顔料並びに前記の混合物を焼成するに当って、当該
混合物10の重量部に対して、Na20、K20及びS
i02の三組成図に於て重量組成割合がA点(Nも0:
Si02=50.77:49.23)、8点(Nも0:
Si02=25:75)、C点(K20:Si02=2
5:75)、D点(K20:SiQ=61.05:滋.
95)の各点を結ぶ範囲内の組成で且つ熔融温度が90
0℃以下のNa及び/又はK−Si系ガラス状物を形成
する配合物を0.5〜4.の重量部添加し、前記温度範
囲で焼成して得られるy−Ca2P207を5重量%以
上含有した競縞複合体を粉砕した粉末からなる防食顔料
である。次に、本発明の構成、効果について説明する。
先づ、本発明の最も特徴とするy一Ca2F207につ
いて述べる。本発明に係る防食顔料に含有されるy−C
a2P207は、水に溶けて被防食材である鉄含有金属
基質のリン酸塩化によって塗膜の下にリン酸保護層が鉄
との相互作用によって形成されることによって防食機能
を発揮するものである。しかもこのy一Ca2P207
は水に対する溶解速度が非常に遅いという性質を備えて
おり、この為、徐々に水に溶けてゆくので長期間にわた
って防食機能を持続することができるものである。Ca
2P207が生成する条件は周知の通り既に解明されて
おり、Ca0に換算して44.14重量%のカルシウム
化合物と、P205に換算して55.86重量%のリン
酸化合物との混合物を約350qo以上の温度で焼成す
るとCa2P207が生成し、焼成温度が400℃以上
であれば殆んど100%の収率でCa2P207が生成
するとされており、カルシウム化合物の占める量が増加
するにつれてCa2P207の生成量が減少しカルシウ
ム化合物が54.24重量%(Ca○換算)以上の場合
にはもはや全くCa2P207は生成せず、またカルシ
ウム化合物が減少するにつれてもCもP207の生成量
が減少し、カルシウム化合物が28.32重量%(Ca
○換算)以下の場合には全くCa2P207は生成しな
いとされている。
また、カルシウム化合物とリン酸化合物とを上記の範囲
内で混合し上記の温度条件で焼成した場合に生成するC
a2P207の結晶構造についても既に解明されており
、上記の場合にはQ型、B型のCa2P207が生成す
る。Q−Ca2P207、6 −Ca2P207は水に
対して不溶であり、これ等を防食顔料としても防食機能
を発揮させることは不可である。ところが、カルシウム
化合物とリン酸イ合物とをCa2P207が生成する範
囲に混合し、これに鉄宵ヒ合物を存在させた状態で35
0℃以上で焼成する場合には第2図のX線回折図に見ら
れる様にy一Ca2P207が生成し、このものは前記
の通り、水に対して遅溶性の溶解性を有しており、防食
機能を発揮することができるものなのである。尚、この
事実は本発明者が始めて見出したものである。即ち、第
2図のX線回折図に見られる通り、カルシウム化合物を
29.90〜球.2丸重量%(Ca○換算)とリン酸化
合物を46.77〜70.1の重量%(P205換算)
との範囲で混合し、鉄化合物を存在させて350qo以
上で焼成した場合に生成する暁結複合体はy−Ca2P
207と酸化鉄とからなり、X線回折の角度20が若干
ずれていることからy−Ca2P207に若干のFeが
固落しているy一CもP207と酸化鉄との凝結複合体
であることが解る。更に本発明者は、多くの実験を重ね
た結果、y−Ca2P207が5重量%以上含有されて
おれば、充分実用できる防食機能が発揮されるという事
実を確認している。
即ち、y−Ca2P207が5重量%以下の場合には溶
解可能なリン酸塩の量があまりに少く、長期にわたって
防食機能が発揮されることが保証し得ないが、5重量%
以上の場合にはこれが保証できる。尚、後出の実施例に
も見られる如くy−Ca2P207が5重量%以上であ
る場合には、これ以上多く含有されていても防食機能に
顕著な差異はない。次に、本発明における各出発物原料
及びその配合量について説明する。
各出発物原料については次の通りである。出発物原料の
一つであるカルシウム化合物としては、350〜800
qoに於てリン酸化合物と反応して前記y−Ca2P2
07を生成するものであればよい。
好ましいものとしてはカルシウム炭酸塩、カルシウム水
酸化物、カルシウム酸化物が選択され、これ等の1種又
は2種以上を使用すればよい。リン酸化合物としては日
3P04、HP03、弘P207、(HP03)6、日
5P30,o、日3P03、比P02、P24等が選ば
れる。これ等は350〜800qoの温度範囲で焼成さ
れるときはP205に変化するものであって、本発明に
於てはP205を出発原料とする場合と全く同機の作用
を営むものである。鉄化合物としては、Fe203、F
e304、Fe00日が選ばれる。Fe2Qは「弁柄」
としてよく知られている鉄化合物であり、酸化鉄系顔料
の代表的なものである。弁柄が本発明における出発物原
料として選ばれた理由は既に述べた通りである。Fe3
04、Fe00日も酸化鉄系顔料として用いられるもの
であり、前者は黒色系顔料、後者は黄色系顔料としてよ
く知られている。Fe3Q、Fe00日は何れもFe2
03と同程度の顔料特性を有しているものであり、35
0〜800qoの温度範囲で焼成されるときには本発明
に於てFe203を出発物原料とする場合と全く同様の
作用を営むものである。またFe203、Fe304、
Fe00日‘ま単独で使用することも混合して使用する
ことも勿論可能である。上記各原料配合物の配合量につ
いては次の通りである。
カルシウム化合物とリン酸化合物との混合割合はCa2
P207の生成に関連して定められ、前者は29.90
〜53.23重量%(CaO換算)の範囲、後者は46
.77〜70.1の重量%(P205換算)の範囲で選
ばれる。鉄化合物は、上記カルシウム化合物とリン酸化
合物との混合物10.0〜65.の重量%(Ca○、P
205換算)に対して35.0〜90.の重量%(Fe
203換算)の範囲で混合する。
鉄化合物の混合割合は重要であり、35.の重量%以下
の場合にはy−Caよ207の他に高アルカリ性物質が
生成し、非常に高い塩基性を示すので好ましくない。ま
た鉄化合物の混合量が少くなると必須的に防食顔料とし
ての顔料特性が劣ってくるので好ましくない。90.の
重量%の場合には、理論的にはy−Ca2P207の最
高生成量は1の重量%ではあるが、充分なy−Ca2P
207の生成をはかる為には焼成条件等に厳密な管理を
必要とするので好ましくないので鉄化合物は90.の重
量%以下とすべきである。
約言すれば、Ca0に換算して29.90〜53.2丸
重量%のカルシウム化合物とP205に換算して46.
77〜70.1の重量%のリン酸とを混合し、混合物1
0.0〜65.の重量%に対してFe203として35
.0〜90.の重量%の鉄化物とを混合した場合には、
y一Ca2P207が5重量%以上含有された嫌結複合
体が得られることが保証できる。
次に、本発明における焼成温度について説明する。
焼成温度は350〜800qoの温度範囲でなければな
らない。この理由は次の通りである。本発明に於て35
0℃以下の場合にはy−Ca2P20の生成反応が生じ
る温度でなく、他方、嫌成温度が800qoを越えた場
合には、得られる鱗絹複合体中のン−CもPぬ?が他の
リン酸カルシウム塩に変化して不溶性塩となってしまう
前記のカルシウム化合物、リン酸化合物及び鉄化合物を
前記した通りの配合量で混合し、上記温度範囲で焼成し
て得られるy‐Ca2P207を5重量%以上含んだ競
結複合体は通常の粉砕手段で容易に粉末化することがで
き、得られた粉末は、周知の酸化鉄顔料に匹敵する顔料
特性を持ったものである。
従って、この粉末を防食顔料とすれば、その適度な溶解
性によって長期間にわたる防食機能を発揮し、またその
優れた顔料特性によって塗料に配合した場合に塗膜の密
着性を劣化させることもなく、更に略中性を示す防食顔
料を得ることもできるから油性塗料には勿論、水溶性塗
料にも配合できるのである。
以上、説明した通りの防食顔料は後出の実施例にも示す
通り、水溶性塗料、油性塗料に配合されて使用される場
合に優れた効果を発揮するものであるが、更に優れた性
能を要求される場合には次の通りの技術手段を探ること
により、より優れた顔料特性とより適度な溶解性を付与
することができる。
即ち、前記の通りの出発物原料、その配合量及び焼成温
度によって競結複合体を得るに当って、鉄化合物、リン
酸化合物及びカルシウム化合物の三者からなる混合物1
0の重量部に対して下記の配合物を0.5〜4.の重量
部添加するという技術手段を探ればよいのである。
添加される配合物とは、第1図に示すNa20、K20
及びSi02の三組成図に於て重量組成割合がA点(N
a20:Si02=50.77:49.23)、B点(
Na20:Si02=25:75)、C点(K20:S
i02=25:75)、D点(K20:Si02=61
.05:38.95)の各点を結ぶ範囲内の組成で且つ
熔融温度が900℃以下のNa及び/又はK−Siガラ
ス状物を形成する配合物である。
上記の配合物を添加した後、350〜800qoの温度
範囲で焼成し、次いで粉砕して粉末化すれば各粒子がN
a及び/又はK−Si系ガラス状物で被覆された防食顔
料を得ることができる。
このNa及び/又はK−Si系ガラス状物で各粒子が被
覆された防食顔料は、ガラス状物被覆層の存在によって
防食顔料に含まれるy一CをP207の溶解速度がより
一層緩慢なものとなっているのでより長期間にわたって
防食機能を発揮するものである。
また上記の配合物を添加して焼成する場合には上記配合
物の一部とリン酸化合物の一部とが反応してNaP03
、KP03を生成し、これ等は無機分散剤としての機能
を持つものであるから防食顔料の分散性を向上させる。
更に、防食顔料の使用時にはNaP03、KP03は水
に溶解して初期防食性に寄与する。更にまた、上記の配
合物を添加して焼成した場合の暁結複合体はNa及び/
又はK−Si系ガラス状物の存在によって、その粉砕が
極めて容易に行えるので、簡単な粉砕で顔料特性の優れ
た粉末とすることができる。
上記の配合物の組成範囲は、焼成温度及び上述の各効果
を勘案して定められたものであり、上記の範囲内の配合
物を上記の添加量の範囲内で添加した場合には上述の各
効果が保証される。
上記の配合物の添加量が0.5重量部以下の場合にはN
a及び/又はK−Si系ガラス状物被覆層が充分に生成
しないので顕著な効果が得られず、また4.の重量部以
上の場合にはNa及び/又はK−Si系ガラス状物被覆
層が厚くなりすぎてしまって、得られる嫌結複合体の粉
砕が困難となってしまい、粉末化した場合にも防食顔料
に含まれるy−Ca2P207の溶出を過度に抑制して
しまうこととなる。また上記の配合物の組成範囲の特定
に当って熔融温度が、900oo以下のNa及び/又は
K−Si系ガラス状物を形成する配合物なる規定を行っ
ているが、これは焼成温度が350〜800こ○の温度
範囲であるときには、熔融温度が900℃以下のNa及
び/又はK−Si系ガラス状物を形成する上記の配合物
はその一部が熔融して上述の効果を発揮することができ
るからである。もっともNa及び/又はK−Si系ガラ
ス状物を形成する上記配合物の熔融量が多い程、得られ
る効果が大きくなることは当然であり、この意味からす
れば焼成温度が下限の350qoの場合には熔融温度が
約60ぴ0以下のNa及び/又はK−Si系ガラス状物
を形成する配合物を選ぶことが望ましく同様に焼成温度
が60ぴ0、65び○・・・・・・と高くなれば、当該
焼成温度に約50〜100℃を加えた温度の熔融温度の
Na及び/又はK−Si系ガラス状物を形成する配合物
を選ぶことが望ましい。尚、上記の配合物を添加するに
当っては Nを0、K20、Si02、Na2C03、K2C03
等の加熱によって分解して酸化物となる単体原料、Nも
○・Si02、Na20・$i02、K20・Si02
、K20・本i02等の複合原料を上記の範囲内となる
様に秤取して添加すればよい。
以上説明した通りの本発明に係る防食顔料の使用態様に
ついて述べると、本発明に係る防食顔料は、Na及び/
又はK−Si系ガラス状物被覆層を設けた場合もそうで
ない場合も全く同様に使用することができ、以下に説明
する如く周知の塗料構成基材中に周知の混合手段によっ
て配合して使用すればよいが、その配合量は塗料構成基
材中の顔料分(防食顔料単独又は防食顔料+体質顔料)
に対して5%以上のy一Ca2P207が含まれるよう
に本発明に係る防食顔料を配合する必要があり、この場
合には長期間にわたって充分な防食効果を発揮する防食
塗料が得られる。
本発明に係る防食顔料が配合される塗料構成基材は、一
般に防食塗料の塗料組成物として常用されている周知の
ものであって、辰色剤(樹脂)及び溶剤を必須成分とし
、これに必要により体質顔料、着色顔料、乾燥促進剤、
界面活性剤等を配合したものである。
辰色剤(樹脂)としては天然樹脂、合成樹脂、或いは油
性樹脂、水性樹脂をとわず一般に防食塗料に使用されて
いるものは全て使用できる。
特に本発明に係る防食顔料は斑値を7付近に調整できる
為に水溶性塗料に使用してもゲル化等の塗料作成上の問
題を生じる恐れは全くないものである。辰色剤としての
代表的なものを例示しておくとアマニ油、アルキッド系
樹脂、塩化ビニール樹脂、ェポキシ系樹脂、フェノール
系樹脂、ウレタン系樹脂、ブチラール系樹脂等が挙げら
れる。もっとも使用される樹脂はこれ等の例示したもの
に限られるものではなく、使用目的に応じて公知の樹脂
群中より選択することができる。溶剤としては、使用す
る樹脂の種類に応じたものを公知の溶剤群中より選択す
ればよい。
代表的なものを例示しておくとアセトン、トルェン、ジ
アセトンアルコール、ミネラルスピリット、イオン交換
水等が挙げられる。体質顔料、着色顔料としては、一般
に防食塗料に使用されているものは全て使用でき、使用
目的に応じて公知の顔料群中により選択すればよい。
代表的なものを例示して置くと、Fe2Q、Fe3Q、
Fe00日等の酸化鉄系顔料、炭酸カルシウム粉末、亜
鉛隼華、チタン白、クレー等が挙げられる。乾燥促進剤
としては、使用する樹脂の種類に応じたものを公知の乾
燥促進剤群中より選択すればよい。
代表的なものとしてはコバルト、鉛、亜鉛、マンガン等
のナフテン酸塩、コバルト、鉛、亜鉛、マンガン等のり
ノレン酸塩等が挙げられる。界面活性剤としては、防食
顔料、体質顔料、着色顔料の練肉性を良好にする能力を
有しているものを公知の界面活性剤群中より必要に応じ
て選択して用いればよい。
尚、上記した塗料組成物中に更に一般に防食塗料に使用
されている種々の添加剤例えば可塑剤、沈降防止剤、色
わかれ防止剤等を添加できることはいうまでもない。
上記した通りの塗料組成物中の辰色剤(樹脂)、溶剤、
体質顔料、着色顔料、乾燥促進剤、界面活性剤の量的関
係は公知の防食塗料に於けるものと同様のものであり、
その具体例は後出の実施例で示している。
本発明に係る防食顔料を上記の塗料組成物中に配合する
に当っては、周知の塗料製造手段と全く同様に行えばよ
く、所望の処方に調整された塗料組成物中に本発明に於
ける防食顔料を混合し、ポールミル等を用いてよく分散
させれば防食塗料を得ることができる。以上説明した通
りの本発明に係る防食顔料を用いて塗料化した際、次の
通りの長所を有するものである。
‘1’防食顔料として鉛系化合物又はクロメート系化合
物を含まないものであるから、人体への悪影響を全く及
ぼすことがない防食塗料が得られる。
‘21 防食顔料として鉛由円、ジンククロメート等を
配合した防食塗料と同等或いはそれ以上の防食力を長期
間に亘つて維持する防食塗料が得られる。
次に、本発明を実施例及び比較例により説明する。
実施例 1 CaC03粉末35.の重量部とFe203粉末55.
7重量部とを比P0434.1重量部の水溶液でもつて
混合、造粒し、これを電気炉に入れて60ぴ○で1時間
焼成して、酸化カルシウムとP205と酸化鉄との比が
19.6/24.7/55.7であるリン酸カルシウム
一酸化鉄糠続複合体を得た。
上記焼結複合体はX線回折の結果、y− Ca2P2Qと酸化鉄のどークだけであり、y一CをP
207は4の重量%含んでいることを確認した。
第2図は上記焼結複合体のX線回折図である。次に上記
暁給複合体を振動ミルによって平均粒子径0.5rにま
で粉砕して粉末とした。この粉末のPVC値は57%で
あった。こ)に得られたy一Ca2P207を4の重量
%含んだリン酸カルシウム一酸化鉄焼結複合体粉末22
.0夕を防食顔料として水落性塗料評価(以下A法とす
る)として下記の処法の塗料組成物に混合し、ペイント
コンディショナーを用いてよく分散させ防食塗料を得た
展色剤 ァルキッド系樹脂 (商品名S−1000、NV60紫)29.30タ溶
剤 (日20ソプチルセ。
ソルフニ9/,) 44.45タ梢泡剤ノブコ803泉
備品名)9二言達’20夕硬化剤 ナフテン酸コバルト
( 6多溶液) 0.5 タナフテン酸鉛 (24紫
〃 ) 0.5 タこ)に得られた防食塗料を、錆の
発生していない脱脂した鋼板上に約100〆の厚さに塗
布し、核鋼板を流水中に2ケ月間浸潰して塗際面を観劣
接し、塗膜にフクレ現象を認めた時期及び2ケ月後のフ
クレ現象の起っている割合(フクレ現象の起っている面
積/塗布面積×100)により防食性をテストした。上
記の場合塗膜にフクレ現象を認めたのは55日目であり
2ケ月後のフクレの割合は5%であった。
更に、油性塗料評価(以下B法とする)として前記y−
Ca2P207を40重量%含んだリン酸カルシウム一
酸化鉄暁結複合体粉末22.0夕を防食顔料とし、下記
の処方の塗料組成物に混合し、ペイントコンディショナ
ーを用いてよく分散させ防食塗料を得た。
暖 色 剤 ァルキッド樹脂 15タ溶
剤 ミネラルスピリット(商品名) 35タ乾燥促
進剤 6%ナフテン酸コバルト溶液 0.2夕24鱗
ナフテン酸鉛溶液 o.2分こ)に得られた防食
塗料を、錆の発生していない脱脂した鋼板上に約100
rの厚さに塗布し、該鋼板を40qoに保った3%食塩
水中に30日間浸潰して塗膜面を観察し、塗膜にフクレ
現象を認めた時期及び浸債終了後(30日間)のフクレ
現象の起っている割合(フクレ現象の起っている面積/
塗布面積×100)により防食性をテストした。
上記の場合には25日割こ塗膜上にフクレ現象が認めら
れ、また浸簿終了時のフクレ現象の起っている割合は1
0%であった。実施例 2〜8 出発物原料の配合量と焼成温度を種々変更した他は実施
例1と全く同様にした場合の防食顔料の性質及び実施例
1に於ける水溶性塗料評価(A法)と同様にしてテスト
した防食塗料の防食試験結果を実施例2〜8として第1
表に示した。
尚、実施例8に於ては得られた防食顔料が高アルカリ性
を示し、水溶性塗料化の際にはゲル化を生起し塗料化が
困難であった。更に実施例7、8に於ては実施例1に於
ける油性塗料評価(B法)と同様にしてテストした防食
塗料の防食試験結果を第1表に加えた。実施例 9〜1
9 出発物原料の種類及び配合量と焼成温度を種々変更した
他は実施例1と全く同機にした場合の防食顔料の性質及
び防食顔料の防食試験結果を実施例9〜17として第1
表に示した。
比較例 1 実施例1の防食顔料の代りにFe208粉末(弁柄)を
用い、実施例1に示した処方の塗料組成物を用いて得た
水溶性塗料、油性塗料の実施例1と同機にしてテストし
た防食試験結果を第1表に示した。
比較例 2 実施例1の防食顔料の代りにCa3(P04)2を用い
、実施例1に示した処方の塗料組成物を用いて得た水溶
性塗料の実施例1に於ける水溶性塗料評価(A法)と同
様にしてテストした防食試験結果を第1表に示した。
比較例 3 焼成温度を90ぴ○とした他は実施例1と全く同様にし
た場合の防食顔料の性質及び実施例1に示した処方の塗
料組成物を用いて得た水溶性塗料の実施例1に於ける水
溶性塗料評価と同様にしてテストした防食試験結果を第
1表に示した。
比較例 4 出発物原料としてCaC03粉末26.7重量部とFe
203粉末50.0重量部とを日3P0449.の重量
部の水溶液でもつて混合、造粒し、これを電気炉に入れ
て70び○で1時間焼成した他は実施例1と全く同様に
した場合の防食顔料の性質及び実施例1に示した処方の
塗料組成物を用いて得た水溶性塗料の実施例1に於ける
水溶性塗料評価と同様にしてテストした防食試験結果を
第1表に示した。
比較例 5 出発物原料としてCaC03粉末78.7重量部を馬P
0477.2重量部の水溶液でもつて混合、造粒した他
は実施例1と全く同様にした場合の防食顔料の性質及び
実施例1に示した処方の塗料組成物を用いて得た水落性
塗料の実施例1に於ける水溶性塗料評価と同機にしてテ
ストした防食試験結果を第1表に示した。
上記競鯖複合体はX線回折の結果、y‐Caよ207を
含んでいないことを確認した。第3図は上記暁結複合体
のX線回折図である。比較例 6、7 実施例1の防食顔料の代りにジンククロメート(ZTO
)、ストロンチウムクロメートを用い、実施例1に示し
た処方の塗料組成物を用いて得た水溶性塗料、油性塗料
の実施例1と同様にしてテストした防食試験結果を第1
表に示した。
実施例 20〜24 実施例1に於ける原料及び配合量で得られる防食顔料1
00重量部に対しNa20、Si02に換算して30:
70の重量割合であるNをC03、Si02の配合物が
0.5〜4.の重量部混合されるように種々配合し造粒
し、又焼成温度を種々変更した他は実施例1と全く同様
にした場合の防食顔料の性質及び実施例1に示した処方
の塗料組成物を用いて得た水溶性塗料の実施例1に於け
る水溶性塗料評価と同様にしてテストした防食試験結果
を第2表に示した。
実施例 25〜27Na及び/又はK−Si系ガラス状
物を形成するNa2C03、K2C03、Si02の配
合物の配合割合を種々変更した他は実施例20と全く同
様にした場合の防食顔料の性質及び防食試験結果を第2
表に示した。
第 1 表 第 1 表 第 2 表
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に於けるNa20−K20一Si02三
組成図であり、線内の各数値は温度(℃)を、線外の各
数値は重量%を示すものである。 第2図は、実施例1で得たy−Ca2P207を含むリ
ン酸カルシウム一酸化力ルシゥム焼結複合体のX線回折
図である。第3図は比較例4で得たリン酸カルシウム一
酸化鉄暁結複合体のX線回折図である。鯖l図第2図 算3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 CaOに換算して29.90〜53.23重量%の
    カルシウム炭酸塩、カルシウム水酸化物、カルシウム酸
    化物から選ばれるカルシウム化合物と、P_2O_5に
    換算して46.77〜70.10重量%のH_3PO_
    4、HPO_3、H_4P_2O_7、(HPO_3)
    _6、H_5P_3O_1_0、H_3PO_3、H_
    3PO_2及びP_2O_5から選ばれるリン酸化合物
    との混合物10.0〜65.0重量%に対して、Fe_
    2O_3に換算して35.0〜90.0重量%のFe_
    2O_3、FeOOH及びFe_3O_4から選ばれる
    鉄化合物を混合し、この混合物を350〜800℃の温
    度範囲で焼成して得られるγ−Ca_2P_2O_7を
    5重量%以上含有した焼結複合体を粉砕した粉末からな
    る防食顔硫料。 2 CaOに換算して29.90〜53.23重量%の
    カルシウム炭酸塩、カルシウム水酸化物、カルシウム酸
    化物から選ばれるカルシウム化合物と、P_2O_5に
    換算して46.77〜70.10重量%のH_3PO_
    4、HPO_3、H_4P_2O_7、(HPO_3)
    _6、H_5P_3O_1_0、H_3PO_3、H_
    3PO_2及びP_2O_5から選ばれるリン酸化合物
    との混合物10.0〜65.0重量%に対して、Fe_
    2O_3に換算して35.0〜90.0重量%のFe_
    2O_3、FeOOH及びFe_3O_4から選ばれる
    鉄化合物を混合し、更にこの混合物100重量部に対し
    て、Na_2O、K_2O及びSiO_2の三組成図に
    於いて重量組成割合がA点(Na_2O:SiO_2=
    50.77:49.23)、B点(Na_2O:SiO
    _2=25:75)、C点(K_2O:SiO_2=2
    5:75)、D点(K_2O:SiO_2=61.05
    :38.95)の各点を結ぶ範囲内の組成で且つ溶融温
    度が900℃以下のNa及び/又はK−Si系ガラス状
    物を形成する配合物を0.5〜4.0重量部添加し、こ
    の混合物を350〜800℃の温度範囲で焼成して得ら
    れるγ−Ca_2P_2O_7を5重量%以上含有した
    焼結複合体を粉砕した粉末からなる防食顔料。
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