JPS6128403B2 - - Google Patents
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- JPS6128403B2 JPS6128403B2 JP57133275A JP13327582A JPS6128403B2 JP S6128403 B2 JPS6128403 B2 JP S6128403B2 JP 57133275 A JP57133275 A JP 57133275A JP 13327582 A JP13327582 A JP 13327582A JP S6128403 B2 JPS6128403 B2 JP S6128403B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B21/00—Pilgrim-step tube-rolling, i.e. pilger mills
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
本発明はコールドピルガーミルによるジルコニ
ウム合金管(以下ジルカロイ管という)の製造方
法に係り、特に圧延管における水素化物の析出方
向を円周方向に制御することができると共に、圧
延管の内面に焼付きによる摺り傷等のない高品質
のジルカロイ等を得るための方法に関する。 核燃料被覆管として広くルカロイ管が用いられ
ていることはつとに周知である。このジルカロイ
管はコールドピルガーミルによる圧延工程を経て
製造されている。 第1図はピルガーミルによるジルカロイ管の圧
延工程の主要部概略を現わし、図中1,2は各カ
ム状の変形加工面を有する上下一対のロールダイ
ス、3はマンドレル4の挿通を介してダイス1,
2間で圧延される母管を示す。すなわち、この種
ミルによる管圧延方法は、母管3を一定角度ずつ
回転し乍ら一定量回転するダイス1,2間に送り
込んで圧延し、ダイス1,2と母管3との図示の
如き軸方向の間欠相対往復動作により連続的に管
径と肉厚の減少された圧延管5を圧延して行く。 ところで、上記ピルガーミルにより製造される
ジルカロイ管には次のような2つの問題がある。 その一つは水素吸収の問題であつて、特に原子
炉用被覆管ではジルコニウムと冷却水との反応で
発生した水素の一部を吸収し、脆いジルコニウム
水素化物として材質中に析出することである。こ
れについて詳しく説明すると、重要なことは析出
する水素化物の板状晶の長さの方向性である。す
なわち、被覆管は円周方向に応力がかかる使用状
態におかれるため、水素化物が管の円周方向に析
出しているときは左程その延性が損われることは
ないが、一方管の半径方向つまり応力と直交する
方向に析出しているときは被覆管は著しく脆弱な
ものとなる。 ところで、従来からジルカロイ管における水素
化物の析出方向がその製造条件、特に最終圧延工
程における肉厚方向と径加工の比に依存すること
が定性的に知られている。しかしそれはあくまで
も抽象的な認識水準にすぎず、ピルガーミルによ
る製造条件に具体的に反映できる因果関係につい
ては不明である。 従つて、ジルカロイ被覆管の製造技術として、
その最終加工工程に当るピルガー圧延工程で水素
化物の析出方向性を自在にコントロールすること
ができる加工手段を確立するのが技術的課題とさ
れる。 今一つの問題は、一般にコールドピルガーミル
による薄肉管の圧延では圧延管内面に焼付きによ
る摺り傷等を発生し易いことであつて、かかる焼
付き摩擦現象を起こすとマンドレル等の工具の損
傷を招くことになるばかりでなく、特に管内面性
状に優秀なものが要求される原子炉用被覆管の用
途には使用に耐えないものとなる。 これについて詳しく説明すると、従来圧延管内
面に発生する焼付きは負荷、即ち、ロールダイス
の往動時における加工中の負荷が大きく潤滑が不
充分なときに発生すると考えられていた。従つ
て、従来においては、管内面焼き防止対策として
潤滑剤を改善することが重要とされていた。 しかるに、潤滑剤を改善すると確かに管内面焼
付き防止の一助となるが、例えば高粘度潤滑剤を
用いるとその除去が非常に困難となり、場合によ
つては管内面に肌荒れを生じるという問題があ
る。 また管内面焼付きが加工中(負荷時)に生じる
のであれば、軽加工したり圧延速度を低下すれば
よいが、これでは生産性が大幅に低下し、実操業
と相容れない。更に焼付き発生部分を研削等で除
去することも採用されているが、これでは管寸法
精度や材料歩留りの点で問題が残るし、加工中焼
付きが累積すると摺り傷の発生を避けることがで
きず、場合によつてはマンドレル、マンドレルロ
ツドに異常な張力が発生してその連結部等の折
損、切断等の事故を発生することがある。 その他、管内面焼付き防止対策として、マンド
レルのテーパー角を大きくすることも知られてい
るが、この場合では管材寸法精度に悪影響を与え
ることから望ましくない。 このように従来では、ピルガー圧延における管
内面の焼付き現象を防止するための有効な対策手
段は見当らない。これは本質的にはそのような現
象の発生原因が殆んど解明されていないことに起
因するものである。従つて、ジルカロイ被覆管の
製造技術として、ピルガーミルにより圧延される
管内面に焼付きによる摺り傷等のない健全なもの
を確実に得ることができる加工手段を確立するこ
とも大きな技術的課題とされる。 本発明はかかる技術的背景に鑑み、ピルガーミ
ルによるジルカロイ管について、その機械的性質
特に延性を確保し被覆管としての耐用性、安全性
を向上する目的から、定量的かつ一定の確実性を
もつて析出水素化物の方向を管の円周方向に指向
せしめることができ、かつ又管内面に傷の無い健
全な圧延管を得ることができる製造方法を提供せ
んとするものである。 すなわち、本発明では後に明らかとされる如
く、圧延管の水素化物方向性並びに圧延管とマン
ドレルの双方の弾性回復量のいずれとも定量的に
関係づけられる加工パラメータQT〓を新たに定義
導入し、このQT〓値と水素化物方向性並びに焼付
現象との間の一定の相関関係から定まる目的条件
により、加工領域において次の条件を満足すべく
ピルガー圧延を実施することを特徴とするもので
ある。 1.8≦QT〓≦−5t1/D1+2.9 但し、t1:圧延途中管の任意の位置での管肉厚 D1:圧延途中管の任意の位置(t1と対応する)
での管外径 なお、このQT〓値の意義については後に詳述さ
れる。 以下本発明について詳説する。そこでまず、管
の水素化物析出方向を所望方向に制御するための
製造条件について述べて行く。 前述のようにジルカロイ管の機械的性質特に延
性に大きな影響を与える水素化物の方向性につい
ては、次のパラメータFn値によつて定量的に評
価することができる。すなわち、ジルカロイ管に
水素を富化し、水素化物を析出させてその方向を
測定することにより求められる水素化物方向性パ
ラメータFn値は、次の如く定義される。 Fn*=管半径方向に対し40゜以内の角度をもつ板状水素化物の数/観察した板状水素化物の総数 *JIS H4751(1981) 上記定義から明らかなように、Fn値は0から
1までの範囲で与えられ、1に近い大きな値を示
すとき程半径方向に析出した水素化物の比率が大
きく、逆に0に近い小さな値を示すとき程円周方
向に析出した水素化物の比率が大きいことを意味
している。 一方、先にも述べた如くジルカロイ管のピルガ
ー圧延における肉厚方向と径加工の比が水素化物
の方向性制御に重要な因子として定性的に知られ
ている。当該技術分野では、従来から一般に管を
加工するときの管径減少と肉厚減少の割合を加工
モードと呼称している。そして、これを表わすパ
ラメータとして、Q=(肉厚減少率)/(管径減
少率)が使用されている。またパラメータQ値を
修正するものとして、パラメータQ〓値を使用す
ることも提唱されている。 今加工パラメータQ,Q〓についての定義を掲
げると次の通りである。 Q=φt/φD ……(1) φt:肉厚減少率T−t/T×100(%) φD:外径減少率D−d/D×100(%) Q〓=ln(t/T)/ln(/) ……(2) ここに、T、t:母管および圧延管の肉厚 D、d:母管および圧延管の外径 、:母管および圧延管の平均径 (以上第2図参照) 上記(1)、(2)式から理解されるように、パラメー
タQは肉厚の公称歪と外径の公称歪の比から定義
されるものであり、一方Q〓は肉厚と平均径の真
歪の比で定義されるものである。従つて、Q〓の
方が定量的パラメータとしては適したものであ
る。 しかし乍ら、上記加工パラメータQおよびQ〓
のいずれも水素化物の方向性パラメータFn値と
定量的に結びつけることは適当ではない。すなわ
ち、上記QおよびQ〓値はいずれにしても母管寸
法と圧延寸法により定義されるもので、歪の経路
(工具形状)の影響を無視しているためである。 この理由について詳述する。第2図に示すよう
に、ピルガー圧延では母管内径とマンドレルの間
にクリアランスが必要であることから、管の圧延
は大別して次の2ステツプで加工されて行く。つ
まり図中X−X′の領域では、マンドレルと管と
の接触は無く管の外径絞りのみが行われる。従つ
て、この間では(肉歪)/(径歪)はゼロとな
る。一方図中X′−Yの領域では、管の肉厚と外
径が同時に減少する。今X′−Yの間での歪比を
一定に与え、圧延途中位置と微小歪比の関係を示
すと第3図の如く現わされる。このときX′−Y
間の歪比は母管とマンドレルとのクリアランス量
と共に増加する。ところで、Fn値を支配するの
は後に明らかにされるようにX−X′間の加工で
はなく、X′−Y間の加工である。この点、既知
の加工パラメータQ,Q〓ではいずれもX′−Y
間の歪比を正しく反映していない。換言すれば、
水素化物の方向性パラメータFnはパススケジユ
ールでなく、工具形状に支配されるものであるか
らである。 そこで本発明者は、かかる予盾を解消しピルガ
ー圧延の加工領域における歪経路を正当に評価す
ることができるものとして、新たに次の如く定義
される加工パラメータQT〓を導入した。 QT〓=ln(t/T′)/ln(d/′)……(3) ここに、′とT′は第2図のX′点における平均
径と肉厚を示す。即ち、 T′:圧延途中で肉厚加工が開始される位置での
母管肉厚 ′:圧延途中で肉厚加工が開始される位置での
母管平均径 しかして、本発明はこのQT〓値とFn値との相
関関係にもとづき、ジルカロイ管における水素化
物の析出方向性をコントロールするものである。 そこで加工履歴と水素化物の方向性との因果関
係を明らかにする。第4図はFn値に与える歪の
経路の影響を調べるために、同一素材から異なる
3つの歪の経路を経て同一寸法に冷間加工された
材料の水素化物の方向性を調査したものである
(別紙に添付する参考写真は、この加工の経路
に対応して素材及び各工程での材料の組織断面図
を示している)。 この試験結果から明らかなように、圧縮加工さ
れたジルカロイでは、水素化物はその圧縮方向に
垂直に析出する。即ち、〓、〓のものでは、(A1
工程)、(C1工程)の各圧縮方向に垂直に水素化
物は並んでいる。次に又、〓、〓、〓で得られる材
料の水素化物の析出方向は全く異なることが看取
される。そして〓、〓のものについては、その水
素化物の析出方向は各々(A2工程)、(C2工程)
の圧縮方向に垂直に並んでおり、(A1工程)、(C1
工程)とは無関係である。 以上のような事実から次の結論を導くことがで
きる。 (i) 同一寸法を与える加工工程によつても、歪の
経路が異なると水素化物の析出方向は別異なも
のとなる。 (ii) 水素化物の析出方向は、より後の歪のパター
ンに支配される。 上記結論をジルカロイ被覆管のピルガー圧延に
適用すると、水素化物の方向性は第2図における
X−Y加工領域での歪のパターン(Q値やQ〓
値)ではなく、X′−Y加工領域での歪のパター
ン(QT〓値)に支配されると考えるのが妥当であ
る(但しX′−Y間での微少の歪比を一定とす
る)。 以上のことから、ジルカロイ管の水素化物方向
性パラメータFnと定量的に関係づけられる加工
パラメータとして、既知のQやQ〓に比較してQ
T〓が適したものであることが判る。 次にQT〓とFn値との具体的な相関関係を明ら
かにする。下記表1は各種工程でピルガー圧延し
たジルカロイ管に水素富化を行い、そのFn値を
実測してQT〓(参考のためQ、Q〓を併記)との
関係を示したものである。
ウム合金管(以下ジルカロイ管という)の製造方
法に係り、特に圧延管における水素化物の析出方
向を円周方向に制御することができると共に、圧
延管の内面に焼付きによる摺り傷等のない高品質
のジルカロイ等を得るための方法に関する。 核燃料被覆管として広くルカロイ管が用いられ
ていることはつとに周知である。このジルカロイ
管はコールドピルガーミルによる圧延工程を経て
製造されている。 第1図はピルガーミルによるジルカロイ管の圧
延工程の主要部概略を現わし、図中1,2は各カ
ム状の変形加工面を有する上下一対のロールダイ
ス、3はマンドレル4の挿通を介してダイス1,
2間で圧延される母管を示す。すなわち、この種
ミルによる管圧延方法は、母管3を一定角度ずつ
回転し乍ら一定量回転するダイス1,2間に送り
込んで圧延し、ダイス1,2と母管3との図示の
如き軸方向の間欠相対往復動作により連続的に管
径と肉厚の減少された圧延管5を圧延して行く。 ところで、上記ピルガーミルにより製造される
ジルカロイ管には次のような2つの問題がある。 その一つは水素吸収の問題であつて、特に原子
炉用被覆管ではジルコニウムと冷却水との反応で
発生した水素の一部を吸収し、脆いジルコニウム
水素化物として材質中に析出することである。こ
れについて詳しく説明すると、重要なことは析出
する水素化物の板状晶の長さの方向性である。す
なわち、被覆管は円周方向に応力がかかる使用状
態におかれるため、水素化物が管の円周方向に析
出しているときは左程その延性が損われることは
ないが、一方管の半径方向つまり応力と直交する
方向に析出しているときは被覆管は著しく脆弱な
ものとなる。 ところで、従来からジルカロイ管における水素
化物の析出方向がその製造条件、特に最終圧延工
程における肉厚方向と径加工の比に依存すること
が定性的に知られている。しかしそれはあくまで
も抽象的な認識水準にすぎず、ピルガーミルによ
る製造条件に具体的に反映できる因果関係につい
ては不明である。 従つて、ジルカロイ被覆管の製造技術として、
その最終加工工程に当るピルガー圧延工程で水素
化物の析出方向性を自在にコントロールすること
ができる加工手段を確立するのが技術的課題とさ
れる。 今一つの問題は、一般にコールドピルガーミル
による薄肉管の圧延では圧延管内面に焼付きによ
る摺り傷等を発生し易いことであつて、かかる焼
付き摩擦現象を起こすとマンドレル等の工具の損
傷を招くことになるばかりでなく、特に管内面性
状に優秀なものが要求される原子炉用被覆管の用
途には使用に耐えないものとなる。 これについて詳しく説明すると、従来圧延管内
面に発生する焼付きは負荷、即ち、ロールダイス
の往動時における加工中の負荷が大きく潤滑が不
充分なときに発生すると考えられていた。従つ
て、従来においては、管内面焼き防止対策として
潤滑剤を改善することが重要とされていた。 しかるに、潤滑剤を改善すると確かに管内面焼
付き防止の一助となるが、例えば高粘度潤滑剤を
用いるとその除去が非常に困難となり、場合によ
つては管内面に肌荒れを生じるという問題があ
る。 また管内面焼付きが加工中(負荷時)に生じる
のであれば、軽加工したり圧延速度を低下すれば
よいが、これでは生産性が大幅に低下し、実操業
と相容れない。更に焼付き発生部分を研削等で除
去することも採用されているが、これでは管寸法
精度や材料歩留りの点で問題が残るし、加工中焼
付きが累積すると摺り傷の発生を避けることがで
きず、場合によつてはマンドレル、マンドレルロ
ツドに異常な張力が発生してその連結部等の折
損、切断等の事故を発生することがある。 その他、管内面焼付き防止対策として、マンド
レルのテーパー角を大きくすることも知られてい
るが、この場合では管材寸法精度に悪影響を与え
ることから望ましくない。 このように従来では、ピルガー圧延における管
内面の焼付き現象を防止するための有効な対策手
段は見当らない。これは本質的にはそのような現
象の発生原因が殆んど解明されていないことに起
因するものである。従つて、ジルカロイ被覆管の
製造技術として、ピルガーミルにより圧延される
管内面に焼付きによる摺り傷等のない健全なもの
を確実に得ることができる加工手段を確立するこ
とも大きな技術的課題とされる。 本発明はかかる技術的背景に鑑み、ピルガーミ
ルによるジルカロイ管について、その機械的性質
特に延性を確保し被覆管としての耐用性、安全性
を向上する目的から、定量的かつ一定の確実性を
もつて析出水素化物の方向を管の円周方向に指向
せしめることができ、かつ又管内面に傷の無い健
全な圧延管を得ることができる製造方法を提供せ
んとするものである。 すなわち、本発明では後に明らかとされる如
く、圧延管の水素化物方向性並びに圧延管とマン
ドレルの双方の弾性回復量のいずれとも定量的に
関係づけられる加工パラメータQT〓を新たに定義
導入し、このQT〓値と水素化物方向性並びに焼付
現象との間の一定の相関関係から定まる目的条件
により、加工領域において次の条件を満足すべく
ピルガー圧延を実施することを特徴とするもので
ある。 1.8≦QT〓≦−5t1/D1+2.9 但し、t1:圧延途中管の任意の位置での管肉厚 D1:圧延途中管の任意の位置(t1と対応する)
での管外径 なお、このQT〓値の意義については後に詳述さ
れる。 以下本発明について詳説する。そこでまず、管
の水素化物析出方向を所望方向に制御するための
製造条件について述べて行く。 前述のようにジルカロイ管の機械的性質特に延
性に大きな影響を与える水素化物の方向性につい
ては、次のパラメータFn値によつて定量的に評
価することができる。すなわち、ジルカロイ管に
水素を富化し、水素化物を析出させてその方向を
測定することにより求められる水素化物方向性パ
ラメータFn値は、次の如く定義される。 Fn*=管半径方向に対し40゜以内の角度をもつ板状水素化物の数/観察した板状水素化物の総数 *JIS H4751(1981) 上記定義から明らかなように、Fn値は0から
1までの範囲で与えられ、1に近い大きな値を示
すとき程半径方向に析出した水素化物の比率が大
きく、逆に0に近い小さな値を示すとき程円周方
向に析出した水素化物の比率が大きいことを意味
している。 一方、先にも述べた如くジルカロイ管のピルガ
ー圧延における肉厚方向と径加工の比が水素化物
の方向性制御に重要な因子として定性的に知られ
ている。当該技術分野では、従来から一般に管を
加工するときの管径減少と肉厚減少の割合を加工
モードと呼称している。そして、これを表わすパ
ラメータとして、Q=(肉厚減少率)/(管径減
少率)が使用されている。またパラメータQ値を
修正するものとして、パラメータQ〓値を使用す
ることも提唱されている。 今加工パラメータQ,Q〓についての定義を掲
げると次の通りである。 Q=φt/φD ……(1) φt:肉厚減少率T−t/T×100(%) φD:外径減少率D−d/D×100(%) Q〓=ln(t/T)/ln(/) ……(2) ここに、T、t:母管および圧延管の肉厚 D、d:母管および圧延管の外径 、:母管および圧延管の平均径 (以上第2図参照) 上記(1)、(2)式から理解されるように、パラメー
タQは肉厚の公称歪と外径の公称歪の比から定義
されるものであり、一方Q〓は肉厚と平均径の真
歪の比で定義されるものである。従つて、Q〓の
方が定量的パラメータとしては適したものであ
る。 しかし乍ら、上記加工パラメータQおよびQ〓
のいずれも水素化物の方向性パラメータFn値と
定量的に結びつけることは適当ではない。すなわ
ち、上記QおよびQ〓値はいずれにしても母管寸
法と圧延寸法により定義されるもので、歪の経路
(工具形状)の影響を無視しているためである。 この理由について詳述する。第2図に示すよう
に、ピルガー圧延では母管内径とマンドレルの間
にクリアランスが必要であることから、管の圧延
は大別して次の2ステツプで加工されて行く。つ
まり図中X−X′の領域では、マンドレルと管と
の接触は無く管の外径絞りのみが行われる。従つ
て、この間では(肉歪)/(径歪)はゼロとな
る。一方図中X′−Yの領域では、管の肉厚と外
径が同時に減少する。今X′−Yの間での歪比を
一定に与え、圧延途中位置と微小歪比の関係を示
すと第3図の如く現わされる。このときX′−Y
間の歪比は母管とマンドレルとのクリアランス量
と共に増加する。ところで、Fn値を支配するの
は後に明らかにされるようにX−X′間の加工で
はなく、X′−Y間の加工である。この点、既知
の加工パラメータQ,Q〓ではいずれもX′−Y
間の歪比を正しく反映していない。換言すれば、
水素化物の方向性パラメータFnはパススケジユ
ールでなく、工具形状に支配されるものであるか
らである。 そこで本発明者は、かかる予盾を解消しピルガ
ー圧延の加工領域における歪経路を正当に評価す
ることができるものとして、新たに次の如く定義
される加工パラメータQT〓を導入した。 QT〓=ln(t/T′)/ln(d/′)……(3) ここに、′とT′は第2図のX′点における平均
径と肉厚を示す。即ち、 T′:圧延途中で肉厚加工が開始される位置での
母管肉厚 ′:圧延途中で肉厚加工が開始される位置での
母管平均径 しかして、本発明はこのQT〓値とFn値との相
関関係にもとづき、ジルカロイ管における水素化
物の析出方向性をコントロールするものである。 そこで加工履歴と水素化物の方向性との因果関
係を明らかにする。第4図はFn値に与える歪の
経路の影響を調べるために、同一素材から異なる
3つの歪の経路を経て同一寸法に冷間加工された
材料の水素化物の方向性を調査したものである
(別紙に添付する参考写真は、この加工の経路
に対応して素材及び各工程での材料の組織断面図
を示している)。 この試験結果から明らかなように、圧縮加工さ
れたジルカロイでは、水素化物はその圧縮方向に
垂直に析出する。即ち、〓、〓のものでは、(A1
工程)、(C1工程)の各圧縮方向に垂直に水素化
物は並んでいる。次に又、〓、〓、〓で得られる材
料の水素化物の析出方向は全く異なることが看取
される。そして〓、〓のものについては、その水
素化物の析出方向は各々(A2工程)、(C2工程)
の圧縮方向に垂直に並んでおり、(A1工程)、(C1
工程)とは無関係である。 以上のような事実から次の結論を導くことがで
きる。 (i) 同一寸法を与える加工工程によつても、歪の
経路が異なると水素化物の析出方向は別異なも
のとなる。 (ii) 水素化物の析出方向は、より後の歪のパター
ンに支配される。 上記結論をジルカロイ被覆管のピルガー圧延に
適用すると、水素化物の方向性は第2図における
X−Y加工領域での歪のパターン(Q値やQ〓
値)ではなく、X′−Y加工領域での歪のパター
ン(QT〓値)に支配されると考えるのが妥当であ
る(但しX′−Y間での微少の歪比を一定とす
る)。 以上のことから、ジルカロイ管の水素化物方向
性パラメータFnと定量的に関係づけられる加工
パラメータとして、既知のQやQ〓に比較してQ
T〓が適したものであることが判る。 次にQT〓とFn値との具体的な相関関係を明ら
かにする。下記表1は各種工程でピルガー圧延し
たジルカロイ管に水素富化を行い、そのFn値を
実測してQT〓(参考のためQ、Q〓を併記)との
関係を示したものである。
【表】
なお、表1中の管名称5と6および管名称7と
8は、各々同一寸法工程に対し2種類のマンドレ
ルを使用して圧延したもので、この場合QとQ〓
は各々同一の値を示すのに対し、QT〓は異なる値
を示す。また表1の結果から、Fn値はQT〓によ
く対応するのに対し、QやQ〓には対応しないこ
とが裏付けられる(特に管名称5と6、管名称7
と8の比較による)。 ここで、管名称5と6、管名称7と8に対した
前記2種類のマンドレルは次の通りである。
8は、各々同一寸法工程に対し2種類のマンドレ
ルを使用して圧延したもので、この場合QとQ〓
は各々同一の値を示すのに対し、QT〓は異なる値
を示す。また表1の結果から、Fn値はQT〓によ
く対応するのに対し、QやQ〓には対応しないこ
とが裏付けられる(特に管名称5と6、管名称7
と8の比較による)。 ここで、管名称5と6、管名称7と8に対した
前記2種類のマンドレルは次の通りである。
【表】
但し、表2における符号(A)、(B)について
は第2図を参照されたい。
第5図は上記表1の結果を図示するものであつ
て、この図からQT〓とFn値との間に一定の相関
関があること、またFn値の増加傾向にはQT〓値
に対応して一定の臨界点が存在することが理解さ
れる。すなわち、Fn値はQT〓の減少につれて次
第に増大しQT〓〓1.8を臨界値として、QT〓<1.8
ではFn値が急増することが判る。従つて、QT〓
≧1.8を満足する圧延条件の下ではジルカロイ管
にある一定値以下の低いFn値を有するものが得
られ、しかもそれが第5図から明らかなように少
なくともFn<0.2の満足すべき範囲にあることが
理解される。 以上の事実から、第1の結論として、被覆管と
して望ましい水素化物の方向性を有するものを得
るためには、Q〓≧1.8を満足することが必要十
分条件であることが判る。換言すれば、ジルカロ
イ管のピルガー圧延にさいし、この条件を満足す
るように工具設計すれば、その圧延管には必ず所
望の水素化物の方向性を有したものが得られる。 次に管内面の焼付現象を防止するための製造条
件について説明して行く。 そこでまず、本発明者は焼付現象の発生原因を
解明すべく種々実験、検討を重ねた結果、管内面
の焼付きは負荷時でなく、本質的には母管送り時
の管内面とマンドレルの間のフリクシヨンに基因
することを知見した。 しかして、管内面の焼付き、摺り傷等の発生原
因が、ロールダイスが除荷されて母管を送込むと
きの圧延管とマンドレルとのフリクシヨンに基因
するものであれば、そのフリクシヨンを小さくす
ることが管内面の焼付き等の防止に有効となるこ
とが明らかである。 しかし乍ら、除荷時において圧延管及びマンド
レルは共に弾性回復することに注意しなければな
らない。すなわち、除荷時の圧延管内径がマンド
レル外径より大きければ、管内面とマンドレルと
の接触は無く両者間に隙間が形成され、このとき
には理論的にフリクシヨンを生じないことにな
る。 この意味で、圧延管とマンドレルの弾性回復量
を比較したとき、圧延管内径の弾性回復量の方が
マンドレルのそれよりも大きい場合、管内面とマ
ンドレルとに隙間を生じることになり、この場合
には焼付き、摺り傷を生じない。 ところで、このような焼付現象を本質的に支配
する除荷時における圧延管とマンドレルとの間の
弾性回復量は、材料特性、工具形状及び圧延条件
等から算出することができ、最終的には先に定義
した加工パラメータQT〓値と定量的に関係づける
ことのできるものである。 本発明は以上のような考え方をもとに、理論計
算並びに基づく実測結果から、焼付き、摺り傷等
の発生を防止するための臨界条件を見出すことに
成功したものである。 以下この焼付防止手段に
ついて具体的に説明して行く。 管材内面に焼付きが発生しているのは、除荷時
における管材送りのときであることが圧延中の諸
応力測定試験から明らかである。 即ち、第6図は圧延中の圧下力、管材(母管)
及びマンドレルの軸応力更にマンドレルの軸方向
変位量の実測例を示している。 第6図で明らかな如く圧延負荷のない除圧時、
即ち、管材送り時に管材には圧縮が、マンドレル
には引張りの応力がそれぞれ図中符号Aで示す如
く発生していることが判る。 この応力は管材の供給を妨げるもので、管材と
マンドレルが弾性的に固着された状態のまま管材
を前方に送り出すことによつて生じている。 なお、図中、符号Bは管材とマンドレル間の弾
性的固着を外すのに要した力である。また、図中
符号Cは管材とマンドレルが極めて高速で摩擦が
生じていることを意味しており、この時に摺り傷
が発生する。 即ち、管内面のメタルの一部がマンドレル表面
に擬着すると、これは圧延とともに成長し管内面
の摺り傷を除々に大きいものとし、内面焼付きの
程度はこのようにして大きくなるのである。 圧延管によるマンドレルの固着は、その程度に
応じて所謂ムラ送りや管内面焼付き、更にはマン
ドレルやロツドの損傷事故を引き起すことは既述
の通りであり、従つて健全なピルガー圧延を行な
うには固着を発生させないことが絶対条件にな
る。 ここで、固着とは、ロールダイスによる圧延負
荷が上死点または下死点で解放されれときに管内
面がマンドレルを弾性的に抱くことであつて、管
内径の弾性回復量が十分大きく、管内径がマンド
レル径より大きくなるような条件下では固着は発
生しない。 この考え方にもとずいて与られた工具形状及び
圧延条件下での管内径弾性回復量を次のように見
出している。 第7図は、第1図に示したコールドピルガーミ
ルで、同一のロールダイスを用いマンドレル形状
を変えて同一寸法管材から同一寸法管を圧延した
ときの第6図で示すB点での送り抵抗の実測値と
計算で求めた管内径弾性回復量の関係を示してい
る。 第7図から管材内径の弾性回復量fが0.03mmに
臨界が存在し、f<0.03mmで送り抵抗が急増する
ことが判る。 即ち、弾性回復量fが小さいほど管とマンドレ
ルの弾性的固着が大きくなることが判る。事実、
f<0.03mmの圧延管内面には焼付き、摺り傷の存
在が確認された。 このことから、コールドピルガーミルによる管
材の圧延において、管内径弾性回復量fが、f<
0.03mmで焼付き、摺り傷発生領域であつて、f≧
0.03mmがその安全領域といえる。 次に、コールドピルガーミルによるピルガー圧
延中の管内径弾性回復量fにつき、計算手順を説
明する。 〔圧延管の内径弾性回復量〕 (1) 応力とひずみ増分の関係式 dΕθ/Σθ′=dΕr/Σr′=dΕz/Σz′=
dλ……(5) 但し、(5)式中、Σθ′;偏差周方向応力 Σr′;偏差径方向応力 Σz′;偏差軸方向応力 Σθ;周方向応力 Σr;径方向応力 Σz;軸方向応力 Σθ′=Σθ−Σ ……(6) Σr′=Σr−Σ ……(7) Σz′=Σz−Σ ……(8) Σ=Σθ+Σr+Σz/3 ……(9) 管圧延ではΣz=0と考えることができる。
……(10) 上式(5)〜(10)式より dΕr/dΕθ=2Σr−Σθ/2Σθ−Σr=QT
〓……(11) (2) 降伏条件式 (Σr−Σθ)2+(Σθ−Σz)2 +(Σz−Σr)2=2Y2 ……(12) なお、(12)式中、Yは降伏応力を示す。 (10)(11)(12)式について連立方程式を解いてΣr、
Σθを求める。 (11)式を変形すると、 (7)式と(11)′式を(11)式に代入すると、 正値だけをとると、 (13)′式を(8)′式に代入すると、 (3) フツクの法則 弾性歪量と応力の関係は(15)(16)式で与
えられる。 Ee〓=Σθ−ν(Σr+Σz)/E ……(15) (15)式中、E;弾性係数 ν;ポアソン比 Εe r=Σr−ν(Σθ+Σz)/E ……(16) (7)(13)′(14)式で応力は与えられている
から、これらを(15)(16)式に代入する。 (4) 内径弾性回復量 負荷除去後の内径弾性回復量は次の通りであ
る。 f=(D1−t1)Εe〓−t1Εe r ……(17) (15)′(16)′式を(17)式に代入すると、 となる。 次に、第8図を参照してfの計算を示す。 〔弾性回復量fの計算〕 (1) 送り伸張度の計算 第8図において、 V0+π/4∫l−〓0(Dχ2−dχ2)dχ=π/4∫l 0(Dχ2−dχ2)dχ (V0=π{(D0/2)2−(D0−2t0/2)2}・a) 〓4t0(D0−t0)・a=∫l l−〓(Dχ2−dχ2)dχ 但し、Dχ;位置χでの管外径 dχ;位置χでの管内径 ここで、位置lにおけるD1t1は工具寸法表で
与えられる。 また、l−χにおけるD1′、t1′を数値計算で
求められる。 なお、χは任意位置lでの送り伸張度を示し
ている。 (2) fの計算 弾性回復量fは、管外径D1、管肉厚t1、降伏
応力Y、ヤング率E、加工パラメータQT〓、ポ
アソン比νの関係である。 (a) D1t1は工具寸法表から与えられる。通常、
分割点でのデータを用いる。 (b) Yは次式で与えられる。 Y=KΕn K;定数、
は第2図を参照されたい。
第5図は上記表1の結果を図示するものであつ
て、この図からQT〓とFn値との間に一定の相関
関があること、またFn値の増加傾向にはQT〓値
に対応して一定の臨界点が存在することが理解さ
れる。すなわち、Fn値はQT〓の減少につれて次
第に増大しQT〓〓1.8を臨界値として、QT〓<1.8
ではFn値が急増することが判る。従つて、QT〓
≧1.8を満足する圧延条件の下ではジルカロイ管
にある一定値以下の低いFn値を有するものが得
られ、しかもそれが第5図から明らかなように少
なくともFn<0.2の満足すべき範囲にあることが
理解される。 以上の事実から、第1の結論として、被覆管と
して望ましい水素化物の方向性を有するものを得
るためには、Q〓≧1.8を満足することが必要十
分条件であることが判る。換言すれば、ジルカロ
イ管のピルガー圧延にさいし、この条件を満足す
るように工具設計すれば、その圧延管には必ず所
望の水素化物の方向性を有したものが得られる。 次に管内面の焼付現象を防止するための製造条
件について説明して行く。 そこでまず、本発明者は焼付現象の発生原因を
解明すべく種々実験、検討を重ねた結果、管内面
の焼付きは負荷時でなく、本質的には母管送り時
の管内面とマンドレルの間のフリクシヨンに基因
することを知見した。 しかして、管内面の焼付き、摺り傷等の発生原
因が、ロールダイスが除荷されて母管を送込むと
きの圧延管とマンドレルとのフリクシヨンに基因
するものであれば、そのフリクシヨンを小さくす
ることが管内面の焼付き等の防止に有効となるこ
とが明らかである。 しかし乍ら、除荷時において圧延管及びマンド
レルは共に弾性回復することに注意しなければな
らない。すなわち、除荷時の圧延管内径がマンド
レル外径より大きければ、管内面とマンドレルと
の接触は無く両者間に隙間が形成され、このとき
には理論的にフリクシヨンを生じないことにな
る。 この意味で、圧延管とマンドレルの弾性回復量
を比較したとき、圧延管内径の弾性回復量の方が
マンドレルのそれよりも大きい場合、管内面とマ
ンドレルとに隙間を生じることになり、この場合
には焼付き、摺り傷を生じない。 ところで、このような焼付現象を本質的に支配
する除荷時における圧延管とマンドレルとの間の
弾性回復量は、材料特性、工具形状及び圧延条件
等から算出することができ、最終的には先に定義
した加工パラメータQT〓値と定量的に関係づける
ことのできるものである。 本発明は以上のような考え方をもとに、理論計
算並びに基づく実測結果から、焼付き、摺り傷等
の発生を防止するための臨界条件を見出すことに
成功したものである。 以下この焼付防止手段に
ついて具体的に説明して行く。 管材内面に焼付きが発生しているのは、除荷時
における管材送りのときであることが圧延中の諸
応力測定試験から明らかである。 即ち、第6図は圧延中の圧下力、管材(母管)
及びマンドレルの軸応力更にマンドレルの軸方向
変位量の実測例を示している。 第6図で明らかな如く圧延負荷のない除圧時、
即ち、管材送り時に管材には圧縮が、マンドレル
には引張りの応力がそれぞれ図中符号Aで示す如
く発生していることが判る。 この応力は管材の供給を妨げるもので、管材と
マンドレルが弾性的に固着された状態のまま管材
を前方に送り出すことによつて生じている。 なお、図中、符号Bは管材とマンドレル間の弾
性的固着を外すのに要した力である。また、図中
符号Cは管材とマンドレルが極めて高速で摩擦が
生じていることを意味しており、この時に摺り傷
が発生する。 即ち、管内面のメタルの一部がマンドレル表面
に擬着すると、これは圧延とともに成長し管内面
の摺り傷を除々に大きいものとし、内面焼付きの
程度はこのようにして大きくなるのである。 圧延管によるマンドレルの固着は、その程度に
応じて所謂ムラ送りや管内面焼付き、更にはマン
ドレルやロツドの損傷事故を引き起すことは既述
の通りであり、従つて健全なピルガー圧延を行な
うには固着を発生させないことが絶対条件にな
る。 ここで、固着とは、ロールダイスによる圧延負
荷が上死点または下死点で解放されれときに管内
面がマンドレルを弾性的に抱くことであつて、管
内径の弾性回復量が十分大きく、管内径がマンド
レル径より大きくなるような条件下では固着は発
生しない。 この考え方にもとずいて与られた工具形状及び
圧延条件下での管内径弾性回復量を次のように見
出している。 第7図は、第1図に示したコールドピルガーミ
ルで、同一のロールダイスを用いマンドレル形状
を変えて同一寸法管材から同一寸法管を圧延した
ときの第6図で示すB点での送り抵抗の実測値と
計算で求めた管内径弾性回復量の関係を示してい
る。 第7図から管材内径の弾性回復量fが0.03mmに
臨界が存在し、f<0.03mmで送り抵抗が急増する
ことが判る。 即ち、弾性回復量fが小さいほど管とマンドレ
ルの弾性的固着が大きくなることが判る。事実、
f<0.03mmの圧延管内面には焼付き、摺り傷の存
在が確認された。 このことから、コールドピルガーミルによる管
材の圧延において、管内径弾性回復量fが、f<
0.03mmで焼付き、摺り傷発生領域であつて、f≧
0.03mmがその安全領域といえる。 次に、コールドピルガーミルによるピルガー圧
延中の管内径弾性回復量fにつき、計算手順を説
明する。 〔圧延管の内径弾性回復量〕 (1) 応力とひずみ増分の関係式 dΕθ/Σθ′=dΕr/Σr′=dΕz/Σz′=
dλ……(5) 但し、(5)式中、Σθ′;偏差周方向応力 Σr′;偏差径方向応力 Σz′;偏差軸方向応力 Σθ;周方向応力 Σr;径方向応力 Σz;軸方向応力 Σθ′=Σθ−Σ ……(6) Σr′=Σr−Σ ……(7) Σz′=Σz−Σ ……(8) Σ=Σθ+Σr+Σz/3 ……(9) 管圧延ではΣz=0と考えることができる。
……(10) 上式(5)〜(10)式より dΕr/dΕθ=2Σr−Σθ/2Σθ−Σr=QT
〓……(11) (2) 降伏条件式 (Σr−Σθ)2+(Σθ−Σz)2 +(Σz−Σr)2=2Y2 ……(12) なお、(12)式中、Yは降伏応力を示す。 (10)(11)(12)式について連立方程式を解いてΣr、
Σθを求める。 (11)式を変形すると、 (7)式と(11)′式を(11)式に代入すると、 正値だけをとると、 (13)′式を(8)′式に代入すると、 (3) フツクの法則 弾性歪量と応力の関係は(15)(16)式で与
えられる。 Ee〓=Σθ−ν(Σr+Σz)/E ……(15) (15)式中、E;弾性係数 ν;ポアソン比 Εe r=Σr−ν(Σθ+Σz)/E ……(16) (7)(13)′(14)式で応力は与えられている
から、これらを(15)(16)式に代入する。 (4) 内径弾性回復量 負荷除去後の内径弾性回復量は次の通りであ
る。 f=(D1−t1)Εe〓−t1Εe r ……(17) (15)′(16)′式を(17)式に代入すると、 となる。 次に、第8図を参照してfの計算を示す。 〔弾性回復量fの計算〕 (1) 送り伸張度の計算 第8図において、 V0+π/4∫l−〓0(Dχ2−dχ2)dχ=π/4∫l 0(Dχ2−dχ2)dχ (V0=π{(D0/2)2−(D0−2t0/2)2}・a) 〓4t0(D0−t0)・a=∫l l−〓(Dχ2−dχ2)dχ 但し、Dχ;位置χでの管外径 dχ;位置χでの管内径 ここで、位置lにおけるD1t1は工具寸法表で
与えられる。 また、l−χにおけるD1′、t1′を数値計算で
求められる。 なお、χは任意位置lでの送り伸張度を示し
ている。 (2) fの計算 弾性回復量fは、管外径D1、管肉厚t1、降伏
応力Y、ヤング率E、加工パラメータQT〓、ポ
アソン比νの関係である。 (a) D1t1は工具寸法表から与えられる。通常、
分割点でのデータを用いる。 (b) Yは次式で与えられる。 Y=KΕn K;定数、
【式】
平均径の真歪Εθ、Εθ=ln〓 ;平均
径 肉厚の真歪εr、εr=lnt1′/t0 t;肉
厚 ここで、nは加工硬化指数である。 nZry−2=0.15、nSUS316=0.366 (c) ヤング率Eは定数 E Zry−2=10000 E SUS316=20500 (d) 加工パラメータQT〓は既に定義した通り (e) νポアソン比は定数 νZry−2=0.3 νSUS316=0.305 上記(a)〜(e)を工具の各セクシヨンについて求
め、これをfを与える式に代入すれば、各セク
シヨンのf値が求められる。 以上のことからf値は材料特性に関連する項目
を固定するとt1/D1、QT〓に支配される関係であ
ることが判る。 次に、f臨界値の管寸法による補正につき説明
する。 前記の結果ではf=0.03mmが臨界値であつた。
この値はマンドレル径の弾性変形量に相当するも
のである。 従つて、マンドレルの弾性変形量が異なればf
の臨界値もそれに伴つて変動する。 ところで、マンドレル径の弾性変形量は同一レ
ベルの面圧下では一次的な近似でマンドレル径に
正比例すると仮定できる。 前記第7図で示した実験ではマンドレル径10.7
mmを対象としたものであつたことから、任意のマ
ンドレル径mにおける臨界値fc(m)は次式で与
えることができる。 fc(m)=m/10.7×0.03 ……(18) 前記(4)式を書き直すと (19)式に(18)式を代入することにより臨界
条件を求める。 (20)式は材料特性に対応する項目を固定する
と、t1/D1とQT〓のどちらか一方を与えると他方
が決まることになる。 次に、第9図を参照して各種圧延工程における
発生状況を説明する。 第9図はジルカロイ管を対象に3機のコールド
ピルガーミル(第1図で示したものと同様なミル
である)を用いて各種圧延を行なつたときの管内
面の焼付き、摺り傷の有無とt1/D1、QT〓の関係
を示している。 第9図から実験式としての臨界線として次式の
ものが得られた。 QT〓=−5・t1/D1+2.9 ……(21) 又、これから次のことが明らかである。 QT〓≦−5・t1/D1+2.9であれば管内面に焼
付 き、摺り傷のない領域であることが判る。 逆に、QT〓>−5・t1/D1+2.9であれば管内
面に 焼付き、摺り傷の発生があることが判る。 第9図には、前記(20)式を基に計算で求めた
焼付き臨界線を破線で示しているが前記(21)式
とよく一致していることが判る。 なお、参考写真は第9図中のa,b,cに対
応する工程での圧延管内面の走査型電子顕微鏡写
真を示しているが、a,bでは内面にやきつきが
観察できる。 以上から、焼付きを防止するには第9図の
(21)式よりQT〓≦−5・t1/D1+2.9を満足す
る範囲 で寸法工程を選び加工領域全域でこの条件を満す
ように工具形状を与えることによつて可能とな
る。 以上の事実から、第2の結論として、被覆管と
して焼付きによる摺り傷のない良好な内面性状の
ものを得るためには、QT〓≦−5t1/D1+2.9を
満足 することが必要十分条件であることが判る。 以上に述べた第1の結論と第2の結論とを総括
すると、望ましい水素化物の方向性を有しかつ内
面性状の優秀な所期目的のジルカロイ被覆管を製
造するため条件は、結局下記の条件を満足するこ
とであることが理解される。 1.8≦QT〓≦−5t1/D1+2.9 第10図は、このような製造条件を図示表示し
たものであつて、図中斜線部分が上上記特定領域
に相当する。 本発明は以上に詳述した通りであつて、ピルガ
ー圧延によつて製造されるジルカロイ管につい
て、そのFn値と定量的に関係づけることができ
ると同時に、焼付現象発生の臨界条件とも一定の
関係を有する加工パラメータQT〓を定義導入し、
この加工パラメータQT〓値との各一定の相関関係
にもとづきジルカロイ管のピルガー圧延における
最適加工条件1.8≦QT〓≦−5t1/D1+2.9を見出
した ものである。 従つて、本発明に従いこの条件を満足するよう
に工具設計されたピルガーミルにより圧延すれ
ば、管の円周方向に析出する水素化物の比率が大
きく、かつ管内面に傷のなない高品質のジルカロ
イ管が確実に製造される。すなわち、本発明に従
い製造されたものでは、ジルカロイ被覆管として
の使用条件に適合する内面性状に優れ、耐用性、
安全性の高いものが提供される。
径 肉厚の真歪εr、εr=lnt1′/t0 t;肉
厚 ここで、nは加工硬化指数である。 nZry−2=0.15、nSUS316=0.366 (c) ヤング率Eは定数 E Zry−2=10000 E SUS316=20500 (d) 加工パラメータQT〓は既に定義した通り (e) νポアソン比は定数 νZry−2=0.3 νSUS316=0.305 上記(a)〜(e)を工具の各セクシヨンについて求
め、これをfを与える式に代入すれば、各セク
シヨンのf値が求められる。 以上のことからf値は材料特性に関連する項目
を固定するとt1/D1、QT〓に支配される関係であ
ることが判る。 次に、f臨界値の管寸法による補正につき説明
する。 前記の結果ではf=0.03mmが臨界値であつた。
この値はマンドレル径の弾性変形量に相当するも
のである。 従つて、マンドレルの弾性変形量が異なればf
の臨界値もそれに伴つて変動する。 ところで、マンドレル径の弾性変形量は同一レ
ベルの面圧下では一次的な近似でマンドレル径に
正比例すると仮定できる。 前記第7図で示した実験ではマンドレル径10.7
mmを対象としたものであつたことから、任意のマ
ンドレル径mにおける臨界値fc(m)は次式で与
えることができる。 fc(m)=m/10.7×0.03 ……(18) 前記(4)式を書き直すと (19)式に(18)式を代入することにより臨界
条件を求める。 (20)式は材料特性に対応する項目を固定する
と、t1/D1とQT〓のどちらか一方を与えると他方
が決まることになる。 次に、第9図を参照して各種圧延工程における
発生状況を説明する。 第9図はジルカロイ管を対象に3機のコールド
ピルガーミル(第1図で示したものと同様なミル
である)を用いて各種圧延を行なつたときの管内
面の焼付き、摺り傷の有無とt1/D1、QT〓の関係
を示している。 第9図から実験式としての臨界線として次式の
ものが得られた。 QT〓=−5・t1/D1+2.9 ……(21) 又、これから次のことが明らかである。 QT〓≦−5・t1/D1+2.9であれば管内面に焼
付 き、摺り傷のない領域であることが判る。 逆に、QT〓>−5・t1/D1+2.9であれば管内
面に 焼付き、摺り傷の発生があることが判る。 第9図には、前記(20)式を基に計算で求めた
焼付き臨界線を破線で示しているが前記(21)式
とよく一致していることが判る。 なお、参考写真は第9図中のa,b,cに対
応する工程での圧延管内面の走査型電子顕微鏡写
真を示しているが、a,bでは内面にやきつきが
観察できる。 以上から、焼付きを防止するには第9図の
(21)式よりQT〓≦−5・t1/D1+2.9を満足す
る範囲 で寸法工程を選び加工領域全域でこの条件を満す
ように工具形状を与えることによつて可能とな
る。 以上の事実から、第2の結論として、被覆管と
して焼付きによる摺り傷のない良好な内面性状の
ものを得るためには、QT〓≦−5t1/D1+2.9を
満足 することが必要十分条件であることが判る。 以上に述べた第1の結論と第2の結論とを総括
すると、望ましい水素化物の方向性を有しかつ内
面性状の優秀な所期目的のジルカロイ被覆管を製
造するため条件は、結局下記の条件を満足するこ
とであることが理解される。 1.8≦QT〓≦−5t1/D1+2.9 第10図は、このような製造条件を図示表示し
たものであつて、図中斜線部分が上上記特定領域
に相当する。 本発明は以上に詳述した通りであつて、ピルガ
ー圧延によつて製造されるジルカロイ管につい
て、そのFn値と定量的に関係づけることができ
ると同時に、焼付現象発生の臨界条件とも一定の
関係を有する加工パラメータQT〓を定義導入し、
この加工パラメータQT〓値との各一定の相関関係
にもとづきジルカロイ管のピルガー圧延における
最適加工条件1.8≦QT〓≦−5t1/D1+2.9を見出
した ものである。 従つて、本発明に従いこの条件を満足するよう
に工具設計されたピルガーミルにより圧延すれ
ば、管の円周方向に析出する水素化物の比率が大
きく、かつ管内面に傷のなない高品質のジルカロ
イ管が確実に製造される。すなわち、本発明に従
い製造されたものでは、ジルカロイ被覆管として
の使用条件に適合する内面性状に優れ、耐用性、
安全性の高いものが提供される。
第1図はコールドピルガーミルの要部を示す側
面断面図である。第2図はピルガー圧延における
工具と管の配置状態を示す側断面図である。第3
図は管圧延における母管とマンドレル間のクリア
ランスと歪比の関係を示す図である。第4図はジ
ルカロイ歪の履歴と水素化物の析出方向の関係を
説明するための図である。第5図は加工パラメー
タQT〓と水素化物方向性パラメータFn値との関
係を示す図である。第6図は圧延試験結果を示す
圧下力、母管、マンドレルの軸応力、マンドレル
の軸方向変位の各実測図である。第7図は管内径
弾性回復量と固着力の関係を示す図である。第8
図は送り伸長度の計算のための管断面説明図であ
る。第9図はジルカロイ管圧延における加工パラ
メータと内面焼付の発生状況の関係を示す図であ
る。第10図は品質の優れたジルカロイ被覆管を
得るために最終ピルガー圧延工程で適用されるべ
き加工パラメータの領域を示す図である。
面断面図である。第2図はピルガー圧延における
工具と管の配置状態を示す側断面図である。第3
図は管圧延における母管とマンドレル間のクリア
ランスと歪比の関係を示す図である。第4図はジ
ルカロイ歪の履歴と水素化物の析出方向の関係を
説明するための図である。第5図は加工パラメー
タQT〓と水素化物方向性パラメータFn値との関
係を示す図である。第6図は圧延試験結果を示す
圧下力、母管、マンドレルの軸応力、マンドレル
の軸方向変位の各実測図である。第7図は管内径
弾性回復量と固着力の関係を示す図である。第8
図は送り伸長度の計算のための管断面説明図であ
る。第9図はジルカロイ管圧延における加工パラ
メータと内面焼付の発生状況の関係を示す図であ
る。第10図は品質の優れたジルカロイ被覆管を
得るために最終ピルガー圧延工程で適用されるべ
き加工パラメータの領域を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ジルコニウム合金管のピルガー圧延にさい
し、加工領域における加工パラメータQT〓が、 1.8≦QT〓=ln(t/T′)/ln(/〓′)≦−5t1/D1+2.9 を満足する条件の下に圧延することを特徴とする
優れた品質を有するジルコニウム被覆管の製造方
法。 但し、t:圧延終了部での管肉厚、 D1:圧延途中管の任意の位置での管外径 :圧延管平均径 t1:D1と対応する位置での管肉厚 T′:圧延途中で肉厚加工が開始される位置で
の母管肉厚 ′:圧延途中で肉厚加工が開始される位置で
の母管平均径
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13327582A JPS5935814A (ja) | 1982-07-29 | 1982-07-29 | 優れた品質を有するジルコニウム合金被覆管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13327582A JPS5935814A (ja) | 1982-07-29 | 1982-07-29 | 優れた品質を有するジルコニウム合金被覆管の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5935814A JPS5935814A (ja) | 1984-02-27 |
| JPS6128403B2 true JPS6128403B2 (ja) | 1986-06-30 |
Family
ID=15100818
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13327582A Granted JPS5935814A (ja) | 1982-07-29 | 1982-07-29 | 優れた品質を有するジルコニウム合金被覆管の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5935814A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3428954A1 (de) * | 1984-08-06 | 1986-02-13 | Kraftwerk Union AG, 4330 Mülheim | Huellrohr aus einer zirkoniumlegierung insbesondere fuer einen kernreaktorbrennstab und verfahren zum herstellen dieses huellrohres |
-
1982
- 1982-07-29 JP JP13327582A patent/JPS5935814A/ja active Granted
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| ZIRCONIUM IN THE NUCLEAR INDUSTRY=1980 * |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5935814A (ja) | 1984-02-27 |
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