JPS6148561B2 - - Google Patents

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JPS6148561B2
JPS6148561B2 JP55061302A JP6130280A JPS6148561B2 JP S6148561 B2 JPS6148561 B2 JP S6148561B2 JP 55061302 A JP55061302 A JP 55061302A JP 6130280 A JP6130280 A JP 6130280A JP S6148561 B2 JPS6148561 B2 JP S6148561B2
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JP
Japan
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powder
steel
steel powder
phase
alloy
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JP55061302A
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English (en)
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JPS56158843A (en
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Minoru Nitsuta
Haruo Ogawa
Toshiharu Ito
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP6130280A priority Critical patent/JPS56158843A/ja
Publication of JPS56158843A publication Critical patent/JPS56158843A/ja
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、高合金水アトマイズ鋼粉、とくに
純鉄粉を代表例とする基地母材に対し適切な配合
量で、必要により分散媒、黒鉛粉さらには各種金
属または合金粉などとともに配合し、いわゆる混
粉法として粉末冶金焼結体の製造に有利に使用す
ることができるように配慮を加えた、合金成分の
高率含有になる水アトマイズ鋼粉の改良を提案す
るものである。 この発明の高合金水アトマイズ鋼粉は、水アト
マイズ工程を経ただけで、またその後に非酸化性
もしくは還元性雰囲気中における脱酸、脱窒さら
には脱炭などを伴う焼なましを加え、とくにその
脱炭によつて炭素含有量を0.4重量%(以下%表
示について同じ)以下に低減させる場合を含め、
γ相もしくはγ相とδ相との混相<以下(γ+
δ)相という>、またはγ主体相もしくはγ主体
相とδ主体相との混和<以下(γ+δ)主体相で
あらわす>あるいはこれらに若干の炭化物を含む
ような相状態である鋼粉として、上記の用途に適
合する。 この発明は、水アトマイズ法により不規則粒子
形状を有し、それによる圧縮性改善の下で、α相
形成元素の拡散性を損わずに、γ相形成元素の拡
散により、この発明による高合金水アトマイズ鋼
粉を用いた粉末冶金製品の機械的性質、とくに耐
熱性、耐摩耗性の向上を図つたものである。 この発明による高合金水アトマイズ鋼粉は、基
地母材すなわち純鉄粉、低合金鋼粉またはステン
レス鋼粉に配合して粉末冶金に用いるがその配合
量は、適量10ないし50%とする。 この発明のアトマイズ粉を原料粉末とする焼結
体は、たとえば近年、高出力化の著しい内燃機関
において無鉛ガソリンや、LPGの使用により、従
来よりははるかにか酷な条件にさらされて通常
400〜500℃をこえるような高温下の弁操作の度毎
にはげしい熱間衝撃を受け乍ら摺動して充分な耐
摩耗性が必要とされ、しかも弁との接触面で損傷
や損耗を与え、また受けないことがのぞまれる弁
座部材を典型例として、その他パワーステアリン
グのカムリングやローターあるいはギヤートラン
スミツシヨン部分ないしは高温度軸受材料部分な
どの用途における適合を目指すものである。 一般にこの種の高強度機械部品類の焼結体の製
造には、プレミツクス法、プレアロイ法、さらに
最近に至つては硬質粒子の配合について開発が進
められている。 プレミツクス法(単粉混合法)は、従来鉄粉に
Cu、Mn、Cr、Ni、Mo、Coなどの単体金属粉
や、製鋼精錬過程で脱酸剤や合金剤として用いら
れるフエロアロイの機械的破砕粉、またはそれら
のアトマイズ粉などを黒鉛粉や潤滑剤とともに、
最終製品に要求される特性や組成に応じ配合して
用いるが、焼結体中に成分元素の拡散が不十分な
ため優れた特性は得られ難く、その故に高温長時
間の焼結処理が必要となつてそれに起因する変形
や品質のばらつきなどに問題がある。 プレアロイ法(予合金鋼粉法)は、圧縮性の観
点でCを抜いた組成に合金鋼粉を調製するが、耐
熱性および強度上の要求特性を満たすために二成
分以上の複合組成においてそれらの合金量を高く
するので、成形性、圧縮性にやはり問題があり、
高密度高強度材の製造には困難が伴われる。 また分散硬化相に、ステライト組成の特殊合金
粉を用い基地母材中に一部拡散させる方法にあつ
ては、通常C:1.0〜3.0%、Cr:20〜40%、W:
10〜20%およびCo:40〜60%からなり球状を呈
するアトマイズ特殊合金粉が用いられるところ、
その合金溶湯の水アトマイズの際にCOガスの発
生量が多く粒子内部に空孔や表面に通じた空洞を
生じ易く、また焼結時には、カーケンダル効果に
よつて、拡散による粒子内空孔や境界に空隙が発
生し易い。そのために粒子形状をとくに球状に変
える必要があり、また合金化もしくは配合をした
Coによつて成分元素の拡散を抑制しなければ硬
化相として十分機能しない欠点もある。 一方高炭素Cr合金粉、とくにFe−Cr系、Fe−
Ni−Cr系のσ相粉末を用いる方法では、サブシ
ーブ粉のような微細粉末としない限り効果がな
く、そして広範な粒度構成のσ相粉末の使用は、
はじめにのべたプレミツクス法と変らないし、ま
た高炭素Cr合金粉の配合では、通常C:6.0〜9.5
%の高硬度粒子を基地母材に分散させ耐摩耗性を
得ようとするが、アトマイズ法によると空孔や空
洞を生じるところに問題がある。 一般に金属粉末は高温長時間焼結するほど焼結
は進行する。しかし鉄粉は高温焼結しても、さほ
ど焼結は進まず緻密な焼結体が得られないが、こ
れはB.C.C.構造のα・FeよりF.C.C.構造のγ・
Feの方がFeの拡散が遅いためであり、したがつ
て焼結時にα相を安定させる元素、例えばFeと
の2元状態図で示されるγループ形成元素である
Si、Cr、Mo、W、V、Alなどを添加し、添加元
素の固溶強化をともなう強靭な焼結体を得ること
ができる。プレミツクス法(単粉混合法)、プレ
アロイ法(予合金鋼粉法)など粉末冶金的手法に
よつて高強度焼結体を得る方法は、ほとんどこの
事実に基づいている。 この発明においてもこのような基本的考え方に
基づいて、純鉄粉、低合金鋼粉、ステンレス鋼粉
などの鉄鋼粉を基地母材としてこれに配合を施す
母合金法(マザーアロイ法)に従い粉末冶金的手
法によつて機械構造部品を製造するのに好適な原
料粉末としての高合金水アトマイズ鋼粉を提供す
るもので、C:0.40%以下、Si:1.50%以下、
Mn:0.40%以下、O:1.00%以下、Cr:10.0〜
40.0%、Mo:3.0〜20.0%とさらにNi:3.0〜40.0
%、Co:3.0〜40.0%のうちから選ばれる1種ま
たは2種の元素を含有し、水アトマイズ生鋼粉の
ままで、あるいはC:0.40%を超える高C水アト
マイズ鋼粉は水焼入れ硬化相を非酸化性雰囲気中
または還元雰囲気中で900℃好ましくは1000℃以
上でC:0.40%以下に脱炭焼鈍し、同時に脱酸、
脱窒、γ結晶粒の粗大化、炭化物の粗大化、球状
化析出をさせ80メツシユ篩通過粉の見掛密度が
2.00〜3.20g/cm3、成形圧力7t/cm2における圧粉
密度が6.00g/cm3以上の不規則粒子形状と圧縮性
を持たせ、基地鉄鋼粉粒子と密着させ合金元素の
拡散有効面積を増大させることによつて、焼結時
のα相形成元素の固溶拡散を損わずに、γ相形成
元素の拡散を良好ならしめることの相乗効果によ
つて基地母材をさらに強靭化し耐熱耐摩耗性のい
つそう向上を図つたものである。この場合、基地
鉄鋼粉に配合したこの発明の鋼粉は完全均一組成
には固溶拡散せず、残留した未拡散鋼粉部は生成
する炭化物とともに分散硬化相としての機能も果
たす。 この発明の鋼粉の製造上、水アトマイズ法は工
業的規模での量産性経済性に優れるのみならず、
水焼入れのため合金組成によつてα′主体相、(α
+δ)主体相、γまたは(γ+δ)主体相からな
りさらに適宜な温度と雰囲気を選んで還元焼鈍す
ることによつて、α主体相、γ主体相あるいは上
記各相の混合状態からなる合金鋼粉の製造が可能
であり、表面酸化物の還元と同時に脱炭焼鈍、溶
体化処理することで炭化物、窒化物、金属間化合
物などを析出、溶体化することによつて、圧縮性
の改善を図ることができる。また水アトマイズ法
は噴射水の動圧摩擦と急冷効果によつて見掛密度
3.20g/cm3以下の不規則状粒子製造条件範囲が広
く、粒度分布が広いことなどの粉体特性のうえか
ら冷間金型成形に適しており、不規則状粒子形状
なるがゆえにもたらされる粒子相互のからみ合い
と密着性によつて焼結時の合金元素の拡散性が良
好な母合金鋼粉の好適な製造法といえる。 さてCは溶解、成分調整、注入、水アトマイズ
の各工程において最つも重要な元素の1つであ
り、それというのは、まず溶銑プールを形成し可
急速やかに溶銑温度を1600℃以上、好ましくは
1700℃以上に加熱保持することによつて、Cの優
先酸化による還元状態での他合金元素の溶解を行
ない、Si、Crの酸化を抑制するとともに、水ア
トマイズ時の粒子表面酸化を抑制するのに役立つ
からである。 水アトマイズ鋼粉は注入溶湯C含有量が増加す
るにつれて、空孔や空洞を持つ粒子が多くなつて
このような中空状粒子の形状は球状化し易く、そ
の表面は平滑となるため焼結性が悪く、しかも中
空であるため高強度材を得ることができない。こ
の中空状粒子は合金組成により多少異なるが、C
量が0.40%を超えると認められるようになり、
Fe−C2元状態図での共析点すなわち0.80%を超
えると著しく増加する。 母合金鋼粉(マスターアロイ粉)または分散硬
化相としてこの発明の鋼を用いる場合、最終製品
に要求される特性とくに硬度に応じ、炭化物形成
合金元素量とのかねあいで合金C量を適宜変化さ
せ得る。この場合、鋼粉硬度が過剰に硬すぎる
と、かえつて相手材を損耗するなどの問題がある
ため水アトマイズ生鋼粉のままで使用するときに
は粒子断面のマイクロビツカース硬さを1000以下
にする必要がありこのためC含有量の上限を0.40
%にしなければならない。また母合金鋼粉(マス
ターアロイ粉)または分散硬化相として使用する
場合には圧縮性、成形性に優れていることが重要
であり、侵入型に固溶するCはα相、γ相をとも
に硬化し、水アトマイズ時にα′相あるいは微細
炭化物を生成して圧縮性を損う。 C:0.40%以下より好ましくは0.20%以下の溶
鋼を水アトマイズすることによつて、α′相をほ
とんど含まない相状態の生鋼粉を製造でき、成形
圧力7t/cm2における圧粉密度が6.00g/cm3以上を
示すことが究明され、さらに低Cにする程、生鋼
粉の圧縮性はいつそう改善され、また脱酸、脱
炭、脱窒焼鈍あるいは溶体化処理することによつ
て圧縮性の向上を計れる。このような理由から下
限値の設定を必要としない。 Crを含む溶鋼は〔C〕もしくは〔Si〕または
その両方を多くして、〔C〕もしくは〔Si〕の優
先酸化領域に溶鋼温度を保持する。圧縮性、成形
性を重要視する場合、C量を0.10%好ましくは
0.05%以下とし、Siを0.50%以上として〔Si〕の
優先酸化領域の溶鋼を注入し、水アトマイズする
ことにより粒子表面に生成する保護被膜により鋼
粉O量は0.20%以下となる。 しかし、Siを1.50%を超えて合金すると鋼粉を
硬化し圧縮性を阻害する。よつて1.50%を上限と
する。 圧縮性、焼結性または寸法安定性などから鋼粉
粒子表面の酸化被膜は薄い方が望ましいが、母合
金鋼粉(マスターアロイ粉)または分散硬化相と
して使用する鋼粉のO量は1%まで実用上何ら支
障がないが1.00%を越えると酸化被膜の厚みが厚
くなり焼結時の合金元素の拡散を阻害する。 次にMnは粒子を球状化する傾向を持つ元素で
成形性を損い、Crを含む溶鋼においてMnの量が
多くなると〔Mn〕の優先酸化域が拡がり、Mnが
0.40%を超えると水アトマイズ時の粒子表面の酸
化が著しくなり、生成したMnOは焼結時に還元
され難く焼結を阻害する。従つてMnは0.40%以
下であることが必要である。 Cr、Moはともにα相形成元素であり、焼結時
にα相を形成して焼結を促進する。またこれらの
合金元素の一部は予じめ合金したCまたは配合し
た黒鉛粉と反応して炭化物を形成する。 Cr、Moは固溶強化、焼結促進、耐熱耐酸化
性、炭化物形成の観点から基本成分の1つであ
り、溶解作業性のほか圧縮性、焼結性および最終
製品に要求される特性などから合金組成が、そし
て混粉法で使用する際の配合量も決定される。 CrはFeとの2元系状態図において、約13%以
上で焼結時にα相を形成する。γ相生成域はCr
含有量に応じたC濃度範囲があるが、Cr含有量
の増加とともにγ相生成域は減少しCr:19〜20
%で完全に消失する。したがつてCr含有量を増
加させC含有量を低くすることによつて水アトマ
イズ生鋼粉はα+δ相となり生鋼粉の圧縮性は向
上してくる。しかし40.0%を超えてくると融点が
1550℃を越えるようになり、溶鋼注入のための溶
鋼処理作業での温度降下を見込むと1700℃以上必
要となり、小口径溶湯ノズルを使用するときには
1800℃を越えてスーパーヒートしなければなら
ず、炉壁損耗など溶解作業、溶鋼処理上の問題を
生じてくる。またCr含有量が40.0%を越えた生鋼
粉を焼鈍するとσ相に変態する量が増加しかえつ
て圧縮性を損うことになる。よつてCrについて
は40.0%を上限とする。 この発明による鋼粉を母合金鋼粉として配合
し、基地母材への固溶拡散による基地強化を図
り、耐熱耐摩耗性を付与するためにはCr含有量
は高い方が望ましいが、配合作業性を考慮して
10.0%を下限値とする。 MoはCrと共存させることにより、焼結時のα
相形成を促進し、固溶拡散の相乗効果により拡散
層の強靭化と耐熱耐摩耗性を改善することができ
る。Moはσ相変態促進元素であるが水アトマイ
ズ生鋼粉の焼鈍温度を好ましくは1000℃以上とす
ることによりσ相の生成を抑制して圧縮性を改善
することができる。MoはFeとの2元状態図にお
いてα相安定域は3〜35%であるが、工業炉によ
る焼結温度を考慮した実用的な合金量は3.0〜
20.0%である。 Ni、Coはともにγ相安定元素であるため水ア
トマイズ生鋼粉のままでγ相として、あるいは焼
鈍時のσ相の生成を抑制し、炭化物の球状化を促
進するため圧縮性、成形性の向上を図ることがで
き、焼結時、α相形成元素の拡散を損うことなく
基地母材に固溶拡散し、基地強化、耐熱性、耐酸
化性、耐腐食性を各善する。γ相を形成して圧縮
性を改善するにはNiもしくはCoまたは両方の元
素の含有量は3.0%以上必要である。この2元素
はともに融点を下げ、溶解を促進し、湯流れを改
善する。しかし40.0%を越えて合金するとγ相を
安定化して焼結性を損う。また経済性の点からも
これらの元素の合金量は低い方が好ましい。 この発明の鋼粉は、残余成としてFe:50.0%
以上を必要とする。 母合金鋼粉(マスターアロイ粉)として基地母
材鉄鋼粉に配合して焼結すると、カーケンダル効
果によつて母合金鋼粉粒内や合金元素拡散層内外
に空孔や空隙を生じ、材質劣化をもたらすことが
多々おこる。そこでFeを50.0%以上とすること
によつてこれを抑制するためである。 次にこの発明による水アトマイズ鋼粉の物性値
の限定理由を説明する。 見掛密度:2.00〜3.20g/cm3について 通常、粉末冶金法における粗粒粉は焼結性が悪
く、焼結材の表面が粗くなり品質のバラツキの原
因となることから80メツシユ篩通過粉より好まし
くは100メツシユ篩通過粉が使用され、この発明
の鋼粉においても同様であるから、JIS Z 2504
により80メツシユ篩通過粉の見掛密度を測定し、
上記粒度で使用する。 この発明において見掛密度は、合金成分のうち
C、Si、Mn、Cr、Ni、Coの含有量と水アトマイ
ズ条件のうち、とくに注入溶鋼温度(スーパーヒ
ート量)、水圧、スプレーフオームによつて変わ
つてくる。例えばスーパーヒート量を高くし、
Mn含有量を多くし、低水圧により注入溶鋼をア
トマイズ点(以下焦点という)からバラバラに飛
散落下させると、溶滴が凝固するまでに噴射水の
動力摩擦と冷却作用が緩慢になり、粒子は球状化
して見掛密度が高くなる。さらにC含有量の増加
にともない、COガス多量に発生すると中空状と
なり、その粒子表面は膨張により平滑化してく
る。 見掛密度が3.20g/cm3を超えて球状化高見掛密
度化すると、混粉切出し時の配合粉や黒鉛粉の偏
析が著しくなつている。また圧粉体強度が弱くな
つて圧粉体の搬送ができなくなり、焼結性が悪く
なつて焼結材の品質のバラツキなどの問題が起つ
てくる。よつてこの発明では鋼粉の見掛密度の上
限を3.20g/cm3とする。 一方、スーパーヒート量を低くし、高水圧によ
り注入溶鋼を焦点から収束させ水柱状で落下させ
ると、噴射水の動圧摩擦と冷却作用を十分受けて
溶滴は不規則粒子となつて凝固し、見掛密度が低
くなる。合金成分のうちSi、Cr、Ni、Coは不規
則形状化促進元素である。 その理由の1つに溶鋼の凝固点より非常に高い
凝固点の酸化物をその粒子表面に形成すると不規
則状化すると考えられる。そしてこれらの不規則
形状促進合金元素を含み、かつC含有量が0.80%
を超えて高くなると中空状粒子を多数生ずるよう
になり見掛密度はますます低下して、ついには
2.00g/cm3より低くなる。C含有量が0.80%以下
好ましくは0.40%以下の溶鋼であれば水アトマイ
ズによつて実質的に問題のない程度か完全に空
孔、空洞のない中実な不規則粒子を製造すること
ができる。なお、この発明に従う鋼粉の合金組成
では実施例に示す水アトマイズ条件の範囲におい
て、水アトマイズ生鋼粉の見掛密度は2.00g/cm3
より低い鋼粉は得られなかつた。 成形圧力7t/cm2における圧粉密度:6.00g/cm3
上について 圧粉密度はJSPM標準1−64により粉末中であ
らかじめ潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を1%
(外枠)混合して測定する方法による。 この発明の鋼粉は純鉄粉、低合金鋼粉、ステン
レス鋼粉などの鉄鋼粉の基地母材に母合金鋼粉
(マザーアロイ粉)として混粉して使用するのに
好適な高合金鋼粉であり、その配合割合は前記の
ように10.0%以上50.0%以下の範囲で用いられ
る。この配合割合が10.0%より少ないと材質改善
効果があまり認められず、50.0%を超えるともは
や基地母材として取扱うべきものとなる。一般に
耐熱耐摩耗性焼結材の密度は6.50g/cm3以上必要
で、原料粉粒子は不規則である程粒子相互のから
み合いが増し接触面積が増して、焼結時、合金元
素の固溶拡散が促進して強靭化してくる。また密
度は高い程強靭化する。よつて基地母材となる鉄
鋼粉も母合金鋼粉も不規則状でかつ高圧縮性が要
望されることになる。この本発明の鋼粉は基地母
材として純鉄粉が最も好適であり、したがつて純
鉄粉にこの発明の鋼粉を最大50.0%配合したと
き、成形圧力7t/cm2における圧粉密度6.50g/cm3
を満足すべきこの発明の鋼粉単味の同一成形圧力
における圧粉密度値として規制される値が6.00
g/cm3以上である。すなわち、混合粉における圧
粉密度は単味の圧粉密度の配合比例混合則が成り
立ち、一般に市販純鉄粉単味の成形圧力7t/cm2
おける圧粉密度は7.00g/cm3以上を有するから、
50.0%配合で圧粉密度6.50g/cm3以上を出すには
この発明の鋼粉単体のそれは6.00g/cm3以上が不
可欠である。ここで成形圧力7t/cm2は通常金型寿
命の点から採用し得る最大成形圧力である。 次にこの発明による水アトマイズ鋼粉の製造法
について述べる。 この発明の鋼粉の製造上の特徴は、その溶解法
にある。すなわち当業者らにおいて、原料事情の
違いによつて操業方法が異なつてくるため統一さ
れた方法はなく、冶金反応に基づく経済的観点に
立脚したノウ−ハウ的色彩の濃いのが現状である
が、発明者らは製統鋼一貫製鉄所の原料入手事情
を背景としてとくに経済的に、かつ目標値の実現
が難しいC、Siの的中率を改善した迅速溶解法を
確立した。 以下に通常法と比較して説明する。 Cを合金しない場合のこの発明の鋼粉の製造方
法を、時期的に操業内容、目的、特徴について従
来法と対処し、次表に示した。
【表】
【表】
【表】 またCを合金する場合、この発明の鋼粉製造法
においては加炭剤による溶鋼の〔C〕脱酸が最後
まで有効に作用する点で従来法も同様であるが、
C、Siの的中率は発明法が格段に優れる。従来、
合金鋼などの精錬で、溶落ちから還元精錬に入り
出鋼する無酸化溶解法あるいは転炉での操業法の
1つとしてCr還元法が知られているが、これら
の方法はできるだけ多量の原料を装入して溶解
し、溶鋼へFe−CrなどのCr合金剤を添加する方
法で、Crの酸化が避けられない。 ところが加炭剤のみあるいは加炭剤とCrを含
む合金剤のみを炉床装入して加熱溶解し、可急速
やかに溶銑温度を1600℃以上、好ましくは1700℃
以上に保持して、融点の高い合金剤から順次溶解
し、最初から最後まで高温、還元溶精することに
よつてSi、Crをほとんど酸化せずに溶解するこ
とが可能である。よつてこの発明法においては加
炭剤、合金剤、造滓剤および鉄源を厳選すること
が必要であり、それは脱S、脱Pをはじめとする
酸化精錬による不純物の除去をとくに行なわない
からである。とくに加炭剤はその配合量を最小限
にとどめ、溶解初期からの低温域でのSiの酸化を
極力防止し、かつP、Sおよびその他の不純物の
混入を避けるため、重量%でC:4.00%以上、
Si:1.50%以下、P、Sおよびその他の不純物が
おのおの0.100%以下であるのが望ましい。 以上要するに、Cを合金しない場合はもちろん
のこと、Cを合金する場合においても、まずCr
を含む合金剤あるいは鉄銑(溶銑)を加炭剤とし
てCrを含む合金剤を溶解して、それらの溶鋼ま
たは溶銑プールを形成して、可急速やかに1600℃
以上、好ましくは1700℃以上に保持し、Siあるい
はCによつて〔O〕を〔Cr〕との平衡値以下に
することで、その後工程を還元状態で遂行でき、
その他の合金剤および鉄源の溶解時間短縮、目標
合金組成の的中精度向上、SiまたはCの燃焼損失
を時間のみの要因で制御できるものである。 次にこの発明の実施例について述べる。 この発明の鋼粉を水アトマイズするに先立つて
必要な原料溶鋼の調製に関し高周波誘導溶解炉に
よる大気雰囲気での溶解法について述べる。 Cを合金する場合: 製鋼銑(C:4.40%、Si:0.54%、Mn:0.83
%、P:0.096%、S:0.034%)を炉床装入し、
加熱溶解した後、全出力を負荷して可急速やかに
溶銑温度を1700℃以上に保持した。次にフエロク
ロムを装入して完全溶解し、目標組成に応じ、
Fe−Mo、金属Co、Fe−Ni(または金属Ni)の
順に溶解後、溶鋼温度1700℃を確認して金属Sを
投入してSiを調整し、最後に低炭リムド鋼片を投
入して溶製した。このとき溶解開始から出鋼まで
を一定時間で行なうと、〔C〕または〔Si〕重量
%=装入全炭素量または装入全Si量(重量%)−
CまたはSi燃焼損失量(重量%)コンスタントで
制御することができる。 Cを合金しない(C:0.10%以下)場合またはC
およびSiとも合金しない(C:0.10%以下、Si:
0.10%以下)の場合: 低炭素フエロクロム1号(FCrL1)を炉床装
入し溶解後、全出力を負荷して可急速やかに溶鋼
温度を1700℃以上に保持し、目標組成に応じFe
−Mo、金属Co、Fe−Ni(金属Ni)の順に溶解
後、溶鋼温度1700℃を確認して金属Siを投入して
Siを調整し(ただしSi:0.10%以下の場合は投入
しない)、最後に低炭リムド鋼片を投入して溶製
した。溶鋼温度が1700℃と高く、Cr酸化物、Fe
酸化物、Si酸化物が湯面に生じないために、合金
剤は速やかに溶け込み、すべての合金剤の合金歩
留りは95%以上であつた。 以上の溶解方法に対し、まず鉄源である低炭リ
ムド鋼を炉床装入して溶解した後、1600℃に昇温
した溶鋼に脱酸剤としてFe−SiをSi量で0.25%添
加し、次いでFe−Crを投入した場合には、溶鋼
を脱酸状態に保持することができず、過酸化状態
となり、Cr酸化物およびSi酸化物の鋼滓が多量
に発生し、投入したFe−Crが覆われて溶解不可
能となつた。 また脱酸剤としてFe−SiをSi量で0.25%添加
し、続いて加炭剤である製鋼銑を投入したが、そ
のほとんどのCが燃焼して歩留らず突沸を起して
溶鋼を噴き上げ、溶解作業を進めることが困難で
あつた。 次にこの発明につき上記した溶解法によつて目
標合金組成とし、1700℃以上に保持した溶鋼を通
常の水アトマイズ法により粉砕して表1に示すこ
の発明の鋼粉を得た。ここに通常の水アトマイズ
法とは、目標合金組成に溶解精錬した溶鋼をあら
かじめ800〜1000℃以上に十分加熱したタンデイ
ツシユに受け、その底部に埋設したジルコニア
質、アルミナ質などの耐火材製溶湯ノズルから6
〜30mmφの柱状落下流が得られるように注入し、
そのまわりから30〜180Kg/cm2Gの高圧水をこの柱
状落下流に衝突させて鉄鋼粉を得るものである。
このときの溶鋼注入および水アトマイズ雰囲気は
適宜選択されるが、低O量の鋼粉を得るには不活
性雰囲気とし、そのO2濃度は好ましくは0.5容量
%以下にする。また脱水、乾燥雰囲気下も適宜選
択され、脱水法として大気を強制的に脱水鉄鋼粉
層に供給する真空過法を採用しない限り、脱水
中の酸化は無視し得るし、乾燥条件として、200
℃以下の温度で100torrより高真空あるいはO2
度が3容量%以上の不活性雰囲気で乾燥する限り
乾燥中の酸化増量は無視し得る。
【表】
【表】
【表】
【表】 表1に示すこの発明の実施例は、日本特許第
892659号明細書(特公昭52−19540号公報)記載
の水ノズルにより高圧水を噴射して水アトマイズ
した鋼粉である。なお注入溶鋼の合金組成はO量
を除いて水アトマイズのままの鋼粉とほぼ同値で
あつた。このうち供試番号6はMoを含有しない
高見掛密度高合金鋼粉、同7はC:2.41%の低見
掛密度高合金鋼粉で、ともにこの発明の鋼粉に対
する比較例である。比較例6は焼結性が悪いため
目的とする焼結材の強度を満足できないし、また
同7はC含有量が0.80%を超えているために大多
数が中空状粒子となつた。 この発明の鋼粉はおもに粉末冶金的手法により
他の鉄鋼粉と配合した混粉(プレミツクス粉また
はマスターアロイ粉)で冷間金型成形して使用さ
れ従つて圧縮性および成形性は最つも重要な特性
の1つである。表2はC量が0.28%γ主体相から
成る成形圧力7t/cm2における圧粉密度が6.00g/
cm3以上の水アトマイズ生鋼粉(実施例5)の圧粉
密度とラトラー値を示す。なおラトラー値は
JSPM標準4−69で測定した値である。 第1図は市販水アトマイズ鉄粉(−80#)に、
実施例5に掲げたこの発明の鋼粉を配合した場合
の成形圧力7t/cm2における圧粉密度に及ぼす影響
を市販ステンレス鋼粉:SUS316L(−100#)を
配合した場合の圧粉密度と比較して示す。第1図
に見られるように混合粉の配合割合に対する圧粉
密度には比例混合則が成り立つことが判る。
【表】 表3は市販水アトマイズ鉄粉(−80#)に実施
例5と6(−80#)および市販ステンレス鋼粉:
SUS316L(−100#)を、母合金鋼粉(マスター
アロイ粉)として配合した混粉法(プレミツクス
法)により製造した焼結体の特性を示す。なおこ
の焼結体の目標組成は重量%で0.75C−3Cr−2Ni
−4Mo−1Wとし、これに揃うように、黒鉛粉末
(ACP500)、フエロモリブデン粉末(搗砕粉、−
100#)、フエロタングステン粉末(搗砕粉、−
100#)、および潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を
1%(外枠)で配合し、V型混合機で混合した。
焼結体はJSPM標準2−64、JIS Z 2505に基づ
いて引張試験および焼結密度を測定した。焼結条
件は昇温:10℃/min、脱ろう:600℃、30分、均
熱温度、時間:1150℃、30分、降温:炉冷、雰囲
気:H275容量%+N225容量%である。
【表】 この結果からMoを含有しない高見掛密度高合
金粉(比較例6)を用いた場合、焼結性が悪いた
め焼結体強度が劣ることが判る。またこの発明の
鋼粉は市販ステンレス鋼粉:SUS316Lよりも焼
結密度が低いにもかかわらず同等の焼結体強度を
示す。 以上のようにしてCrを含む溶鋼、溶銑プール
のみを可急速やかに〔C〕、〔Si〕のいずれか一方
または両方の元素の優先酸化領域の高温度に加熱
保持することによつて、Crの酸化を防止する高
Cr合金鋼の溶製法のもとで、Cr酸化物が多量に
発生するために生ずるへい害、例えば高融点Cr
酸化物鋼滓の流動性の低下、鋼滓被覆による合金
剤の未溶解などを生ぜず有利に迅速溶解でき、生
産性の向上およびC、Siをはじめとする各合金量
の的中精度の向上が図れ、こうして溶製した高合
金溶鋼を水アトマイズすることにより容易にこの
発明の鋼粉をつくることができる。 この発明の鋼粉は焼結時にα相を形成する
Cr、Moを含むために焼結性が優れ、Moによる基
地強化とNi、Coによりγ相とすることによつて
圧縮性、成形性を向上し、基地の耐熱耐酸化耐腐
食性の改善にも役立ち、とくに耐熱耐摩材製造用
母合金鋼粉(マザーアロイ粉)として好適であ
る。 この発明の鋼粉は耐熱耐摩耗機械部品ばかりで
なく、高強度機械部品、焼結フイルターなどに利
用できさらに切削工具鋼材および特殊ステンレス
鋼用原料粉としてその用途の拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は水アトマイズ鉄粉とこの発明の鋼粉と
を配合した場合の配合割合と圧粉密度との関係を
示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重量で0.40%以下の炭素、1.50%以下のけい
    素、0.40%以下のマンガン、1.00%以下の酸素な
    らびに10.0%から40.0%までのクロム、3.0%から
    20.0%までのモリブデンを含み、かつ、3.0%な
    いし40.0%の範囲でニツケルおよび/またはコバ
    ルトを、残余50%以上を占める実質的に鉄ととも
    に含有する組成に成り、80メツシユ篩を通過する
    粒度にて見掛密度は2.00ないし3.20g/cm3、そし
    て単位面積当り荷重で7トン/cm2の成形圧力下の
    圧粉密度が6.00g/cm3以上である高合金水アトマ
    イズ鋼粉。
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