JPS6238426B2 - - Google Patents
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- JPS6238426B2 JPS6238426B2 JP10910879A JP10910879A JPS6238426B2 JP S6238426 B2 JPS6238426 B2 JP S6238426B2 JP 10910879 A JP10910879 A JP 10910879A JP 10910879 A JP10910879 A JP 10910879A JP S6238426 B2 JPS6238426 B2 JP S6238426B2
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- JP
- Japan
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- temperature
- less
- equivalent
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Description
本発明は減衰係数が大きく、かつ低温靭性の良
好な低温タービンブレード用鋼およびその熱処理
法に関するものである。 液化天然ガス(LNG)を使用する火力発電法
においては通常−162℃の液化天然ガスを15気圧
程度に昇圧後海水熱交換器により単純に気化させ
た後発電用燃料として使用しているが、最近省エ
ネルギー対策の一環として液化天然ガスの気化時
の膨張エネルギーを電気エネルギーとして回収す
るプラントが検討されつつある。火力発電用のタ
ービンブレードとしては通常減衰係数が大きく、
かつ高温特性の優れた12%Cr―Fe鋼が用いられ
ているが液化天然ガスの気化時の膨張エネルギー
を電気エネルギーとして回収するプラント用とし
ては従来の12%Cr―Fe鋼は必らずしも好適では
ない。すなわち上記プラント用のタービンブレー
ドは−75℃程度の低温環境に曝されるため、大き
な減衰能を有すると同時に低温特性が良好である
ことが必須の条件であるが12%Cr―Fe鋼はもと
もと高温特性は良好であるが低温特性については
とくに靭性値が低いという問題があり低温タービ
ンブレード用としては好ましくない。 そこで本発明者等は低温タービンブレード用と
して好ましい鋼を見いだすために減衰能の大きい
12%Cr―Fe鋼を基本組成として各種成分元素お
よび熱処理の影響を調査した結果、以下のように
成分調整した鋼を用いて限定された温度条件で焼
入れ,焼もどし処理を施すことにより低温タービ
ンブレード用として要求される特性を充分に満足
することを見い出した。 すなわち本発明は、 (1) C+N:0.05〜0.25%,Si:0.1〜1.50%,
Mn:0.1〜2.0%,Ni:2.0〜6.0%,Cr:10.0〜
14.0%とNb,Ta,Zrから選んだ元素を1種ま
たは2種以上合計0.02〜0.30%を含有し残部が
実質的にFeからなり、かつ次式に示されるNi
当量/Cr当量が0.1〜0.5の範囲となるように調
整した低温タービンブレード用鋼。 Ni当量:Ni%+0.5Mn% Cr当量:Cr%−15(C+N)%+1.5Si% (2) 基本発明鋼にたいしてさらにMo:3.0%以
下,W:3.0%以下,V:1.0%以下,Co:2.0
%以下,Cu:2.0%以下,Ti:1.0%以下,
Al:0.5%以下,B:0.01%以下,Ca:0.02%
以下,Te:0.2S〜0.1%,REM:0.2S〜0.1%
から選んだ元素を1種または2種以上を含有し
た低温タービンブレード用鋼。 (3) 基本発明鋼を用いて850〜1150℃の温度に加
熱保持後焼入処理を行ないつづいて該鋼のAc1
〜Ac1+80℃の温度範囲で焼もどし処理を施す
ことを特徴とする低温タービンブレード用鋼の
熱処理方法。 本発明鋼は12%Cr―Fe鋼にたいしてNiとと
もにNb,Ta,Zrから選んだ元素を添加し、さ
らにNi当量/Cr当量を調整した鋼であり、焼
入後AC1+Ac1+80℃の温度で焼もどし処理を
施すことにより残留オーステナイト量が15%以
下の焼もどしマルテンサイト組織が得られると
ころに特徴があり、12%Cr―Fe鋼が保有する
高い減衰能を推持するとともに−100℃の温度
においても15Km/cm2以上のシヤルピー衝撃値
(JIS4号)が得られる低温特性の優れた鋼であ
る。 次に本発明における成分組成および熱処理条件
の限定理由を以下に述べる。 C+N:0.05〜0.25% CとNは母材強度を確保するために有効な元
素であり、少なくとも合計で0.05%以上添加す
る必要がある。ただし多量に添加すると靭性が
劣化するため合計で0.25%以下に限定した。 Si:0.10〜1.50% 溶製時の脱酸元素として通常0.1%以上添加
するが多量に添加すると被削性および低温靭性
が劣化するため1.50%以下とする。 Mn:0.10〜2.0% 溶製時の脱酸、脱硫元素としての効果のほか
低温靭性の改善にも有効であり少なくとも0.01
%以上添加する必要がある。ただし多量に添加
すると被削性が著しく劣化するため2.0%以下
に限定した。 Ni:2.0〜6.0% 衝撃遷移温度を低下させ低温靭性を向上させ
るために必要な元素であり、少なくとも2.0%
以上添加する必要がある。ただし多量に添加す
ると焼入状態でのオーステナイト量が多くなり
減衰係数および低温靭性が低下するため6.0%
以下に限定した。 Cr:10.0〜14.0% 耐食性と同時に良好な減衰係数を確保するた
めに必要な元素であり、少なくとも10.0%以上
添加する必要がある。ただし多量に添加すると
δフエライトが生成し、低温における靭性が著
るしく劣化するため14.0%以下に限定した。 Nb,Ta,Zr:1種または2種以上合計0.02〜
0.30% 結晶粒を微細化し低温靭性を向上させるため
に有効な元素であり合計量で少なくとも0.02%
以上添加する必要がある。ただし多量に添加す
ると凝固時にNb(Ta)(Zr)炭窒化物が形成
され靭性が著るしく低下するため0.30%以下に
限定した。 上記元素の調整にて減衰能が大きくかつ低温
靭性が優れたタービンブレード用鋼が得られる
がさらに以下の元素を添加することによりその
性能をより一層向上することができる。 Mo:3.0%以下,W:3.0%以下,V:1.0%以下 上記元素はM23C6型炭化物中に固溶し炭化物
の成長を抑制する効果がありその結果焼もどし
軟化抵抗を著るしく向上させる元素であり必要
に応じて適量添加することが望ましい。ただし
多量に添加すると低温においてへき開破壊が起
りやすくなり靭性が低下するためそれぞれMo
にあつては3.0%以下Wにあつては3.0%以下,
Vにあつては1.0%以下が望ましい。 Ti:1.0%以下,Al:0.50%以下 上記元素は結晶粒を微細化し低温靭性を改善
するために有効な元素であり、必要に応じて適
量添加することが望ましい。ただし多量に添加
してもその効果の向上は望めなくむしろ鋼の清
浄度を害し靭延性に悪影響をおよぼすためTi
にあつては1.0%以下,Alにあつては0.50%以
下が望ましい。 Co:2.0%以下,Cu:2.0%以下 上記元素はマトリツクスに固溶し、基地の強
度を向上させるために有効な元素であり必要に
応じて適量添加することが望ましい。ただし多
量に添加すると熱間加工性が劣化するためそれ
ぞれ2.0%以下が望ましい。 B:0.01%以下 微量の添加で熱間加工性を著るしく向上でき
る元素であり必要に応じて適量添加することが
望ましい。ただし多量に添加するとB4C型炭化
物が析出し熱間加工性がそこなわれるため0.01
%以下に限定した。 Ca:0.02%以下 微量の添加で被削性を著るしく向上できる元
素であり必要に応じて適量添加することが望ま
しい。ただし多量に添加すると靭性が劣化する
ため0.02%以下に限定した。 Te:0.2S〜0.1%,REM:0.2S〜0.1% 上記元素は不純物元素として混入するSなど
により構成される硫化物系介在物を球状化さ
せ、異方性を改善するために有効な元素であ
り、必要に応じて添加することが望ましい。た
だし多量に添加すると靭延性が低下するため
0.10%以下に限定した。 Ni当量/Cr当量:0.1〜0.5 Ni当量とCr当量の成分バランスは焼入後の
残留オーステナイト量を大きく変化させる。す
なわち上記組成範囲内であつてもNi%+0.5Mn
%で示されるNi当量とCr%−15(C+N)%
+1.5Siで示されるCr当量との比が高ずぎる
と、焼入処理後に残留オーステナイト量が多く
なり減衰係数および低温靭性を劣化させる。 本発明者等の多くの実験によれば上記関係式
で示されるNi当量/Cr当量を0.1〜0.5の範囲に
調整すれば焼入処理後の残留オーステナイト量
は15%以下となり本発明鋼の減衰係数および低
温靭性を劣化させないことを確認したためNi
当量/Cr当量は0.1〜0.5に限定した。 焼入れ:850〜1150℃ 本発明成分組成の鋼を焼入れするために必要
な加熱温度は該鋼のオーステナイト化温度すな
わち850℃以上に加熱する必要がある。ただし
必要以上に高温加熱するとδフエライトが生成
され熱処理後の靭延性を低下させるため1150℃
以下に限定した。 焼もどし:Ac1〜Ac1+80℃ 一般の焼もどし処理はAc1以下の温度で行な
われるのが普通であるが、本発明鋼の場合用途
的に低温における靭性と良好な減衰能が要求さ
れるため、焼もどしによる脆化は当然避けなけ
ればならず、また残留オーステナイトの生成も
極力おさえる必要がある。 このような観点から焼もどし脆性が生じるこ
となく、また残留オーステナイトの少なくなる
温度すなわちAc1変態点以上の温度で焼もどし
処理する必要がある。 ただし必要以上に高い温度で処理すると均一
な焼もどし組織が得られず、逆に低温衝撃値の
低下をきたすためAc1+80℃以下に限定した。 次に本発明鋼の特徴を実施例により詳細に説明
する。 実施例 1 真空溶解法により第1表に示すごとき成分組成
の本発明鋼および比較鋼を溶製した。
好な低温タービンブレード用鋼およびその熱処理
法に関するものである。 液化天然ガス(LNG)を使用する火力発電法
においては通常−162℃の液化天然ガスを15気圧
程度に昇圧後海水熱交換器により単純に気化させ
た後発電用燃料として使用しているが、最近省エ
ネルギー対策の一環として液化天然ガスの気化時
の膨張エネルギーを電気エネルギーとして回収す
るプラントが検討されつつある。火力発電用のタ
ービンブレードとしては通常減衰係数が大きく、
かつ高温特性の優れた12%Cr―Fe鋼が用いられ
ているが液化天然ガスの気化時の膨張エネルギー
を電気エネルギーとして回収するプラント用とし
ては従来の12%Cr―Fe鋼は必らずしも好適では
ない。すなわち上記プラント用のタービンブレー
ドは−75℃程度の低温環境に曝されるため、大き
な減衰能を有すると同時に低温特性が良好である
ことが必須の条件であるが12%Cr―Fe鋼はもと
もと高温特性は良好であるが低温特性については
とくに靭性値が低いという問題があり低温タービ
ンブレード用としては好ましくない。 そこで本発明者等は低温タービンブレード用と
して好ましい鋼を見いだすために減衰能の大きい
12%Cr―Fe鋼を基本組成として各種成分元素お
よび熱処理の影響を調査した結果、以下のように
成分調整した鋼を用いて限定された温度条件で焼
入れ,焼もどし処理を施すことにより低温タービ
ンブレード用として要求される特性を充分に満足
することを見い出した。 すなわち本発明は、 (1) C+N:0.05〜0.25%,Si:0.1〜1.50%,
Mn:0.1〜2.0%,Ni:2.0〜6.0%,Cr:10.0〜
14.0%とNb,Ta,Zrから選んだ元素を1種ま
たは2種以上合計0.02〜0.30%を含有し残部が
実質的にFeからなり、かつ次式に示されるNi
当量/Cr当量が0.1〜0.5の範囲となるように調
整した低温タービンブレード用鋼。 Ni当量:Ni%+0.5Mn% Cr当量:Cr%−15(C+N)%+1.5Si% (2) 基本発明鋼にたいしてさらにMo:3.0%以
下,W:3.0%以下,V:1.0%以下,Co:2.0
%以下,Cu:2.0%以下,Ti:1.0%以下,
Al:0.5%以下,B:0.01%以下,Ca:0.02%
以下,Te:0.2S〜0.1%,REM:0.2S〜0.1%
から選んだ元素を1種または2種以上を含有し
た低温タービンブレード用鋼。 (3) 基本発明鋼を用いて850〜1150℃の温度に加
熱保持後焼入処理を行ないつづいて該鋼のAc1
〜Ac1+80℃の温度範囲で焼もどし処理を施す
ことを特徴とする低温タービンブレード用鋼の
熱処理方法。 本発明鋼は12%Cr―Fe鋼にたいしてNiとと
もにNb,Ta,Zrから選んだ元素を添加し、さ
らにNi当量/Cr当量を調整した鋼であり、焼
入後AC1+Ac1+80℃の温度で焼もどし処理を
施すことにより残留オーステナイト量が15%以
下の焼もどしマルテンサイト組織が得られると
ころに特徴があり、12%Cr―Fe鋼が保有する
高い減衰能を推持するとともに−100℃の温度
においても15Km/cm2以上のシヤルピー衝撃値
(JIS4号)が得られる低温特性の優れた鋼であ
る。 次に本発明における成分組成および熱処理条件
の限定理由を以下に述べる。 C+N:0.05〜0.25% CとNは母材強度を確保するために有効な元
素であり、少なくとも合計で0.05%以上添加す
る必要がある。ただし多量に添加すると靭性が
劣化するため合計で0.25%以下に限定した。 Si:0.10〜1.50% 溶製時の脱酸元素として通常0.1%以上添加
するが多量に添加すると被削性および低温靭性
が劣化するため1.50%以下とする。 Mn:0.10〜2.0% 溶製時の脱酸、脱硫元素としての効果のほか
低温靭性の改善にも有効であり少なくとも0.01
%以上添加する必要がある。ただし多量に添加
すると被削性が著しく劣化するため2.0%以下
に限定した。 Ni:2.0〜6.0% 衝撃遷移温度を低下させ低温靭性を向上させ
るために必要な元素であり、少なくとも2.0%
以上添加する必要がある。ただし多量に添加す
ると焼入状態でのオーステナイト量が多くなり
減衰係数および低温靭性が低下するため6.0%
以下に限定した。 Cr:10.0〜14.0% 耐食性と同時に良好な減衰係数を確保するた
めに必要な元素であり、少なくとも10.0%以上
添加する必要がある。ただし多量に添加すると
δフエライトが生成し、低温における靭性が著
るしく劣化するため14.0%以下に限定した。 Nb,Ta,Zr:1種または2種以上合計0.02〜
0.30% 結晶粒を微細化し低温靭性を向上させるため
に有効な元素であり合計量で少なくとも0.02%
以上添加する必要がある。ただし多量に添加す
ると凝固時にNb(Ta)(Zr)炭窒化物が形成
され靭性が著るしく低下するため0.30%以下に
限定した。 上記元素の調整にて減衰能が大きくかつ低温
靭性が優れたタービンブレード用鋼が得られる
がさらに以下の元素を添加することによりその
性能をより一層向上することができる。 Mo:3.0%以下,W:3.0%以下,V:1.0%以下 上記元素はM23C6型炭化物中に固溶し炭化物
の成長を抑制する効果がありその結果焼もどし
軟化抵抗を著るしく向上させる元素であり必要
に応じて適量添加することが望ましい。ただし
多量に添加すると低温においてへき開破壊が起
りやすくなり靭性が低下するためそれぞれMo
にあつては3.0%以下Wにあつては3.0%以下,
Vにあつては1.0%以下が望ましい。 Ti:1.0%以下,Al:0.50%以下 上記元素は結晶粒を微細化し低温靭性を改善
するために有効な元素であり、必要に応じて適
量添加することが望ましい。ただし多量に添加
してもその効果の向上は望めなくむしろ鋼の清
浄度を害し靭延性に悪影響をおよぼすためTi
にあつては1.0%以下,Alにあつては0.50%以
下が望ましい。 Co:2.0%以下,Cu:2.0%以下 上記元素はマトリツクスに固溶し、基地の強
度を向上させるために有効な元素であり必要に
応じて適量添加することが望ましい。ただし多
量に添加すると熱間加工性が劣化するためそれ
ぞれ2.0%以下が望ましい。 B:0.01%以下 微量の添加で熱間加工性を著るしく向上でき
る元素であり必要に応じて適量添加することが
望ましい。ただし多量に添加するとB4C型炭化
物が析出し熱間加工性がそこなわれるため0.01
%以下に限定した。 Ca:0.02%以下 微量の添加で被削性を著るしく向上できる元
素であり必要に応じて適量添加することが望ま
しい。ただし多量に添加すると靭性が劣化する
ため0.02%以下に限定した。 Te:0.2S〜0.1%,REM:0.2S〜0.1% 上記元素は不純物元素として混入するSなど
により構成される硫化物系介在物を球状化さ
せ、異方性を改善するために有効な元素であ
り、必要に応じて添加することが望ましい。た
だし多量に添加すると靭延性が低下するため
0.10%以下に限定した。 Ni当量/Cr当量:0.1〜0.5 Ni当量とCr当量の成分バランスは焼入後の
残留オーステナイト量を大きく変化させる。す
なわち上記組成範囲内であつてもNi%+0.5Mn
%で示されるNi当量とCr%−15(C+N)%
+1.5Siで示されるCr当量との比が高ずぎる
と、焼入処理後に残留オーステナイト量が多く
なり減衰係数および低温靭性を劣化させる。 本発明者等の多くの実験によれば上記関係式
で示されるNi当量/Cr当量を0.1〜0.5の範囲に
調整すれば焼入処理後の残留オーステナイト量
は15%以下となり本発明鋼の減衰係数および低
温靭性を劣化させないことを確認したためNi
当量/Cr当量は0.1〜0.5に限定した。 焼入れ:850〜1150℃ 本発明成分組成の鋼を焼入れするために必要
な加熱温度は該鋼のオーステナイト化温度すな
わち850℃以上に加熱する必要がある。ただし
必要以上に高温加熱するとδフエライトが生成
され熱処理後の靭延性を低下させるため1150℃
以下に限定した。 焼もどし:Ac1〜Ac1+80℃ 一般の焼もどし処理はAc1以下の温度で行な
われるのが普通であるが、本発明鋼の場合用途
的に低温における靭性と良好な減衰能が要求さ
れるため、焼もどしによる脆化は当然避けなけ
ればならず、また残留オーステナイトの生成も
極力おさえる必要がある。 このような観点から焼もどし脆性が生じるこ
となく、また残留オーステナイトの少なくなる
温度すなわちAc1変態点以上の温度で焼もどし
処理する必要がある。 ただし必要以上に高い温度で処理すると均一
な焼もどし組織が得られず、逆に低温衝撃値の
低下をきたすためAc1+80℃以下に限定した。 次に本発明鋼の特徴を実施例により詳細に説明
する。 実施例 1 真空溶解法により第1表に示すごとき成分組成
の本発明鋼および比較鋼を溶製した。
【表】
第1表の供試材を用いて熱間鍛造加工により40
mm×50mm断面の角材を製造し、各種特性値を調査
した。 低温引張強度特性 第1表の供試材を用いて焼入れ:950℃×
1hrOQ焼もどし:(Ac1+20℃)×2hrAC処理を
施した後JIS4号引張試験片を採取し、−75℃の低
温における引張強度を測定した。その結果を第2
表に示す。
mm×50mm断面の角材を製造し、各種特性値を調査
した。 低温引張強度特性 第1表の供試材を用いて焼入れ:950℃×
1hrOQ焼もどし:(Ac1+20℃)×2hrAC処理を
施した後JIS4号引張試験片を採取し、−75℃の低
温における引張強度を測定した。その結果を第2
表に示す。
【表】
【表】
同表にみられるごとく本発明鋼の低温における
引張強さは100Kg/mm2以上であり、かつ靭延性の
尺度となる伸びも30%程度を示している。これに
たいして比較鋼では引張強さは高いが伸び、絞り
値がきわめて低く破壊にたいする不安定性を示し
ている。 低温衝撃特性 第1表の供試材のうちNo.2,5,6,9,10を
用いて焼入:950℃×1hrOQ,焼もどし:(Ac1
+20℃)×2hrAC処理を施した後,JIS4号シヤル
ピー衝撃試験片を採取し、試験に供した。なお試
験は−196℃〜100℃の各温度で実施した。その結
果を第1図に示した。 同図にみられるごとく比較鋼のNo.9および10の
衝撃特性は0℃において不安定な状態にあり−50
℃においては7Kg.m/cm2以下の低いシヤルピー
衝撃値を示している。これにたいして本発明鋼で
は−50℃の温度においても安定な衝撃特性を示
し、−100℃においても15Kg.m/cm2以上のシヤル
ピー衝撃値を示している。以上のように本発明鋼
は低温における衝撃特性はきわめて優れているこ
とを示している。 減衰能 第1表の供試材を用いて焼入950℃×1hrOQ焼
もどし(Ac1+20℃)×2hrA.C処理を施した後試
験片を採取し減衰係数を測定した。その結果を第
3表に示した。
引張強さは100Kg/mm2以上であり、かつ靭延性の
尺度となる伸びも30%程度を示している。これに
たいして比較鋼では引張強さは高いが伸び、絞り
値がきわめて低く破壊にたいする不安定性を示し
ている。 低温衝撃特性 第1表の供試材のうちNo.2,5,6,9,10を
用いて焼入:950℃×1hrOQ,焼もどし:(Ac1
+20℃)×2hrAC処理を施した後,JIS4号シヤル
ピー衝撃試験片を採取し、試験に供した。なお試
験は−196℃〜100℃の各温度で実施した。その結
果を第1図に示した。 同図にみられるごとく比較鋼のNo.9および10の
衝撃特性は0℃において不安定な状態にあり−50
℃においては7Kg.m/cm2以下の低いシヤルピー
衝撃値を示している。これにたいして本発明鋼で
は−50℃の温度においても安定な衝撃特性を示
し、−100℃においても15Kg.m/cm2以上のシヤル
ピー衝撃値を示している。以上のように本発明鋼
は低温における衝撃特性はきわめて優れているこ
とを示している。 減衰能 第1表の供試材を用いて焼入950℃×1hrOQ焼
もどし(Ac1+20℃)×2hrA.C処理を施した後試
験片を採取し減衰係数を測定した。その結果を第
3表に示した。
【表】
同表にみられるごとく本発明鋼は比較鋼のNo.9
(12%Cr―Fe鋼)にくらべて若干低い減衰係数を
示すが実用上問題のない値を示している。 実施例 2 本発明鋼の好適な焼もどし条件を見つけるため
に、第1表の供試材のうちNo.1,2,3,9鋼を
用いて、焼入処理後各種温度で焼もどし処理を施
した。つづいてシヤルピー衝撃試験片(JIS4号)
を採取して−75℃における試験に供した。その結
果を第2図に示した。 すなわち第2図はNi含有量と焼もどし温度で
整理した低温衝撃特性を示す図であり図中の数値
はシヤルピー衝撃値を示す。同図より良好な低温
衝撃特性が得られる焼もどし温度はNi含有量に
より大きく影響されることがわかる。すなわち
Ni含有量が低いNo.9では良好な低温衝撃特性は
得られないが、2%以上のNiを含有するNo.1,
2,3ではNi含有量が多いほど低い焼もどし温
度で良好な低温衝撃特性が得られることが確認し
た。第2図において良好な低温衝撃特性が得られ
る領域を斜線で図示したが、この領域をさらに明
瞭にするため供試材No.2のシヤルピー衝撃値を焼
もどし温度で整理した結果を第3図に示した。 なお同図中には残留オーステナイト量を併記し
た。第3図にみられるごとくシヤルピー衝撃値は
焼もどし温度に大きく依存する。すなわち600℃
以上の焼もどし処理によりシヤルピー衝撃値は急
上昇し670℃程度でピーク値を示すが、それ以上
の温度ではシヤルピー衝撃値の低下がみられる。
一方残留オーステナイト量は600℃の焼もどし処
理でピーク値を示しそれ以上の温度では急減す
る。この結果から本発明鋼の600℃以上の焼もど
し処理における低温衝撃特性の向上は残留オース
テナイト量の急減に基づくものであることが容易
に推察される。第3図の結果から本発明鋼の好適
な焼もどし条件すなわち良好な低温衝撃特性が得
られる範囲は第3図に図示したごとく該鋼のAc1
〜Ac1+80℃程度の温度であることを確認した。 なお、本発明鋼のうち、第二発明鋼について
も、その熱処理にあたつて焼戻温度をAc1〜Ac1
+80℃とすることによつて良好な低温衝撃特性が
得られる。 以上のごとく本発明鋼は低温タービンブレード
用として好適な鋼であつて、その特徴とするとこ
ろは低温衝撃特性が優れ、かつ減衰係数も従来の
タービンブレード材と大差ないものである。した
がつて液化天然ガスを使用する発電装置などのご
とく低温環境で用いられるタービンブレード用と
して価値のある鋼である。
(12%Cr―Fe鋼)にくらべて若干低い減衰係数を
示すが実用上問題のない値を示している。 実施例 2 本発明鋼の好適な焼もどし条件を見つけるため
に、第1表の供試材のうちNo.1,2,3,9鋼を
用いて、焼入処理後各種温度で焼もどし処理を施
した。つづいてシヤルピー衝撃試験片(JIS4号)
を採取して−75℃における試験に供した。その結
果を第2図に示した。 すなわち第2図はNi含有量と焼もどし温度で
整理した低温衝撃特性を示す図であり図中の数値
はシヤルピー衝撃値を示す。同図より良好な低温
衝撃特性が得られる焼もどし温度はNi含有量に
より大きく影響されることがわかる。すなわち
Ni含有量が低いNo.9では良好な低温衝撃特性は
得られないが、2%以上のNiを含有するNo.1,
2,3ではNi含有量が多いほど低い焼もどし温
度で良好な低温衝撃特性が得られることが確認し
た。第2図において良好な低温衝撃特性が得られ
る領域を斜線で図示したが、この領域をさらに明
瞭にするため供試材No.2のシヤルピー衝撃値を焼
もどし温度で整理した結果を第3図に示した。 なお同図中には残留オーステナイト量を併記し
た。第3図にみられるごとくシヤルピー衝撃値は
焼もどし温度に大きく依存する。すなわち600℃
以上の焼もどし処理によりシヤルピー衝撃値は急
上昇し670℃程度でピーク値を示すが、それ以上
の温度ではシヤルピー衝撃値の低下がみられる。
一方残留オーステナイト量は600℃の焼もどし処
理でピーク値を示しそれ以上の温度では急減す
る。この結果から本発明鋼の600℃以上の焼もど
し処理における低温衝撃特性の向上は残留オース
テナイト量の急減に基づくものであることが容易
に推察される。第3図の結果から本発明鋼の好適
な焼もどし条件すなわち良好な低温衝撃特性が得
られる範囲は第3図に図示したごとく該鋼のAc1
〜Ac1+80℃程度の温度であることを確認した。 なお、本発明鋼のうち、第二発明鋼について
も、その熱処理にあたつて焼戻温度をAc1〜Ac1
+80℃とすることによつて良好な低温衝撃特性が
得られる。 以上のごとく本発明鋼は低温タービンブレード
用として好適な鋼であつて、その特徴とするとこ
ろは低温衝撃特性が優れ、かつ減衰係数も従来の
タービンブレード材と大差ないものである。した
がつて液化天然ガスを使用する発電装置などのご
とく低温環境で用いられるタービンブレード用と
して価値のある鋼である。
第1図は本発明鋼と比較鋼の各温度におけるシ
ヤルピー衝撃値を示す図、第2図はシヤルピー衝
撃値におよぼすNi含有量および焼もどし温度の
影響を示す図、第3図はシヤルピー衝撃値および
残留オーステナイト量におよぼす焼もどし温度の
影響を示す図である。
ヤルピー衝撃値を示す図、第2図はシヤルピー衝
撃値におよぼすNi含有量および焼もどし温度の
影響を示す図、第3図はシヤルピー衝撃値および
残留オーステナイト量におよぼす焼もどし温度の
影響を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C+N:0.05〜0.25%,Si:0.1〜1.50%,
Mn:0.1〜2.0%,Ni:2.0〜6.0%,Cr:10.0〜
14.0%とNb,Ta,Zrから選んだ元素を1種また
は2種以上合計0.02〜0.30%を含有し、残部が実
質的にFeからなり、かつ次式で示されるNi当
量/Cr当量が0.1〜0.5の範囲となるように調整し
た低温タービンブレード用鋼。 Ni当量:Ni%+0.5Mn% Cr当量:Cr%−15(C+N)%+1.5Si% 2 C+N:0.05〜0.25%,Si:0.1〜1.50%,
Mn:0.1〜2.0%,Ni:2.0〜6.0%,Cr:10.0〜
14.0%とNb,Ta,Zrから選んだ元素を1種また
は2種以上合計0.02〜0.30%とさらにMo:3.0%
以下,W:3.0%以下,V:1.0%以下,Co:2.0
%以下,Cu:2.0%以下,Ti:1.0%以下,Al:
0.5%以下,B:0.01%以下,Ca:0.02%以下,
Te:0.2S〜0.1%,REM:0.2S〜0.1%から選ん
だ元素を1種または2種以上を含有し、残部が実
質的にFeからなり、かつ次式で示されるNi当
量/Cr当量が0.1〜0.5の範囲となるように調整し
た低温タービンブレード用鋼。 Ni当量:Ni%+0.5Mn% Cr当量:Cr%−1.5(C+N)%+1.5Si% 3 C+N:0.05〜0.25%,Si:0.1〜1.50%,
Mn:0.1〜2.0%,Ni:2.0〜6.0%,Cr:10.0〜
14.0%とNb,Ta,Zrから選んだ元素を1種また
は2種以上合計0.02〜0.30%を含有し残部が実質
的にFeからなり、かつ次式で示されるNi当量/
Cr当量が0.1〜0.5の範囲となるように調整した合
金を用いて、850〜1150℃の温度に加熱保持後焼
入処理を行ない、つづいて該鋼のAc1−Ac1+80
℃の温度範囲で焼もどし処理を施すことを特徴と
する低温タービンブレード用鋼の熱処理方法。 Ni当量:Ni%+0.5Mn% Cr当量:Cr%−15(C+N)%+1.5Si%
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10910879A JPS5635754A (en) | 1979-08-29 | 1979-08-29 | Low temperature turbine blade steel and its heat treatment |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10910879A JPS5635754A (en) | 1979-08-29 | 1979-08-29 | Low temperature turbine blade steel and its heat treatment |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5635754A JPS5635754A (en) | 1981-04-08 |
| JPS6238426B2 true JPS6238426B2 (ja) | 1987-08-18 |
Family
ID=14501767
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10910879A Granted JPS5635754A (en) | 1979-08-29 | 1979-08-29 | Low temperature turbine blade steel and its heat treatment |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5635754A (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS602380B2 (ja) * | 1981-05-30 | 1985-01-21 | 川崎製鉄株式会社 | 低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼オ−トバイデイスクブレ−キ用材料 |
| DE3789776T2 (de) * | 1986-02-05 | 1994-08-18 | Hitachi Ltd | Hitzebeständiger Stahl und daraus hergestellte Gasturbinenteile. |
| JPS63171856A (ja) * | 1987-01-09 | 1988-07-15 | Hitachi Ltd | 耐熱鋼 |
| CN105463327A (zh) * | 2015-12-12 | 2016-04-06 | 郭策 | 大型水电站混流式水轮机涡壳 |
| CN105603319B (zh) * | 2016-01-01 | 2017-11-14 | 衢州市联橙环保科技有限公司 | 一种厨余垃圾破碎装置 |
| CN110205539B (zh) * | 2019-07-05 | 2020-11-20 | 浙江朋诚科技有限公司 | 一种飞剪用高强合金刀片及其制备方法 |
-
1979
- 1979-08-29 JP JP10910879A patent/JPS5635754A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5635754A (en) | 1981-04-08 |
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