JPS6254884B2 - - Google Patents

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JPS6254884B2
JPS6254884B2 JP54045246A JP4524679A JPS6254884B2 JP S6254884 B2 JPS6254884 B2 JP S6254884B2 JP 54045246 A JP54045246 A JP 54045246A JP 4524679 A JP4524679 A JP 4524679A JP S6254884 B2 JPS6254884 B2 JP S6254884B2
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conductive component
composite filament
conductive
wedge
component
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Teruhiko Adachi
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、非導電性成分と導電性成分とよりな
る帯電防止性複合フイラメントおよびその製造方
法に関し、その目的とするところは、色相、耐久
性に優れ、またフイラメント自体好ましくないス
パイラル状の自己巻縮性を有せず、かつ巻縮加工
性が良好で、極めて商品価値が高く、しかも製糸
性、生産歩留が高く製造コストの安い有用な帯電
防止性複合フイラメント及びその製造方法を提供
することにある。 近年非導電性成分と導電性成分とよりなる帯電
防止性複合フイラメントは多々提案されている。 例えば特公昭52−31450号公報記載の帯電防止
性合成フイラメントは導電性カーボンブラツクを
分散した芯および非導電性のさやとからなり、フ
イラメント芯抵抗は2KVの直流電圧において0.4
×1011オーム/cm未満であるとされている。 しかしながら、かかるフイラメントは第1図に
示す如く芯b1が非導電性のさやa1に覆われている
ため、耐久性、色相は良好であるものの、かかる
フイラメントをカーペツト等に混用してもその帯
電防止効果は末だ充分とはいえない。 一方、特公昭53−44579号公報記載の人造帯電
防止性織物フイラメントは、電気伝導性カーボン
ブラツクを分散した第二成分に非導電性合成熱可
塑性繊維形成性重合体である第一成分をフイラメ
ント軸方向に接着してなり、その接着面は第一成
分が第二成分を部分包囲する如くわん曲界面を形
成していて、そのフイラメント抵抗は0.1ボルト
の直流電圧において1×1010オーム/cm以下であ
る。 かかるフイラメントは、その横断面形状が規定
されているが第2図に示す如く、第一成分a2と第
二成分b2とからなるわん曲界面からしても分割剥
離し易く、製糸性が悪く、得られるフイラメント
も色相が悪く耐久性に乏しい。また同フイラメン
トの中、わん曲界面が三日月形を有し、好ましい
態様とされているものは、本発明者等の試行した
結果によると安定な製糸の可能な条件の選定が至
難であり、実用上かかるわん曲界面を有するフイ
ラメントを得ることは困難である。しかも得られ
るフイラメントは、中途半端なスパイラル状の自
己巻縮性を有していて他の糸条と合糸して捲縮加
工を施した場合特異な捲縮を発現しやすく、これ
を例えばカーペツトに混用すると品位を低下せし
める一因ともなる。 これに対してさらに前記特公昭53−44579号公
報と同一発明者、出願人による特開昭54−2420号
公報には導電性成分と非導電性成分の二成分とよ
りなる二成分伝導性繊維が記載されている。この
2成分伝導性繊維は第3図に具示する如く、非導
電性成分a3が凸面、導電性成分b3が凹面を形成
し、導電性成分が繊維の周縁の一部Lに沿つて、
そしてそれから距離Dだけ内側に延びていてしか
もL:D=4:1〜100:1の範囲にあるという
ものであり装置も簡単、条件制御も容易としてい
る。 ところが、かかる特開昭54−2420号公報記載の
二成分伝導性繊維は、その導電性成分(その明細
書中に特に記載されているとおり有用なものはカ
ーボンブラツクである)は黒色を有しており、色
相の面で実用面で大きな制約をうける。また剥離
性はないとしているが本質的に導電性成分が拡が
つている分だけ耐久性におとり、一方、紡糸装置
が簡単、条件制御範囲が広く容易としているが、
本質的には、曳糸性が本来の熱可塑性繊維形成性
重合体よりもかなり劣る導電性物質含有の導電性
成分が繊維表面の10〜80%を占める繊維であるた
め、その製糸性が相当不良となることは自明であ
り、このことは本発明者等が実験的に確認してい
るところである。 本発明者等はこれらの知見に基いて制電性、耐
久性、色相に優れた帯電防止性フイラメントを得
るべく鋭意検討した結果、本発明に到達したもの
である。 すなわち、本発明は、繊維形成性熱可塑性合成
重合体より構成された非導電性成分と、微粒子状
の導電性物質を分散含有した熱可塑性合成重合体
より構成された導電性成分とを、フイラメント軸
方向に沿つてサイドバイサイド型に接合せしめた
帯電防止性複合繊維において、次の(a)〜(e)のすべ
ての条件を兼ね備えるものである。 (a) 導電性成分の横断面形状が、複合フイラメン
トの横断面の一方の側から中心部に向つて打込
んだ「くさび」状を該「くさび」の先端は、該
「くさび」以外の導電性成分によつてフイラメ
ント表面に連通することなく、該「くさび」の
基部のみがフイラメント表面に露出しているこ
と、 (b) 前記「くさび」の先端の内角θが1〜45度で
あること、 (c) 前記「くさび」の長さWと「くさび」の長さ
方向で測つた複合フイラメント横断面の太さ
(直径)Dとの比が0.5<W/D<0.8であるこ
と、 (d) 導電性成分の横断面積が複合フイラメント横
断面積の1〜25%を占めること、 (e) 100Vの直流電圧における複合フイラメント
の電気抵抗が1×109Ω/cm以下であること、 以下、図面を参照しながら本発明の帯電防止性
複合フイラメントについて説明する。 第4〜8図は、本発明の一実施態様で帯電防止
性複合フイラメント横断面の拡大模式図である。 本発明の帯電防止性複合フイラメントは本質的
にフイラメント軸長に沿つて一方の成分である非
導電性成分と他方の成分である導電性成分とがサ
イドバイサイド型に接合された後述の横断面形状
を有する複合フイラメントである。 本発明で使用しうる非導電性成分としては、任
意の適当な繊維形成性熱可塑性合成重合体および
共重合体が可能である。たとえばポリエチレン、
ポロプロピレン等のポリオレフイン、ナイロン6
(ポリカプロラクタム)、ナイロン66(ポリヘキサ
メチレンアジパシド)等のポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアク
リロニトリル等のポリビニル、ポリウレタン等が
あげられる。かかる重合体は、染色変性剤、艶消
剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤を加えるこ
とが出来る。特に色相がより重要な分野において
は艶消剤として1.5〜10wt%、好ましくは4〜
7wt%の酸化チタンが添加剤として用いられる。 導電性成分を構成する熱可塑性合成重合体は、
特に繊維形成性のあるものに限定されないが、導
電性成分と非導電性成分のより良好な接着のため
には両成分の重合体が同一群のものであること、
例えば共にポリアミドであるかまたは共にポリエ
ステルであることが好しい。商業的観点からは特
に好ましい重合体はナイロン6、ナイロン66、ポ
リエチレンテレフタレートであり、さらにカーペ
ツトやカーマツト等の制電性用途にはナイロン
6、ナイロン66が最も適している。 本発明は後述するように1つのスピンブロツク
で同一のポリマー温度で紡糸可能であるが製糸性
の面から言えば非導電性成分を構成する極限粘度
〔η〕Aと導電性成分を構成する重合体の極限粘度
〔η〕Bの関係は〔η〕A>〔η〕Bが好ましく、さら
に、非導電性成分の溶融粘度μAと導電性成分の
同一温度、同一剪断速度での溶融粘度μBとが1/
2μA≦μB≦μAとなるように〔η〕Aと〔η〕B
を選定するのが好ましい。 μBが1/2μAより小さくなると2成分間の溶
融粘度差が大きくなりすぎ製糸性、歩留が非常に
不安定になる。一方μBがμAよりも大となると
加熱溶融輸送過程における導電性成分への剪断応
力が大となり導電性カーボンブラツクの構造が破
壊され導電性能が低下し好ましくない。 従つてポリカプロラクタムの場合には、〔η〕A
(35℃メタクレゾール中で測定)は1.00〜1.40、
〔η〕B(35℃メタクレゾール中で測定)は0.75〜
0.90が好ましい例である。 そして、導電性成分を構成する熱可塑性合成重
合体には微粒子状態の導電性物質が分散含有され
ているが、本発明のフイラメントの製造に有用な
導電性物質はその体質抵抗率が500Ω/cm以下のカ
ーボンブラツクであることが好ましい。 その他の導電性物質としては、例えば粉末金
属、CuI、CuS、CdS等を使用することも可能で
ある。これら導電性物質は既知の混合操作で導電
性成分を構成する重合体中に分散させることが出
来る。導電性カーボンブラツクの場合にはその導
電性成分中に20〜50wt%好ましくは25%〜35wt
%のカーボンブラツクを含有せしめると導電性、
操作性等の良好なフイラメントが得られる。該カ
ーボンブラツクが20wt%以下の場合には放電性
能すなわち制電性能が不十分であり、50wt%以
上の場合には、重合体とカーボンブラツクの混和
が非常に困難となり、得られる導電性成分も製糸
性が非常に不良となり、また得られるフイラメン
トもその放電性能の耐久性(耐摩耗性及び耐伸長
応力性)が非常に劣るようになり実用的ではな
い。 このように本発明の帯電防止性複合フイラメン
トは、フイラメントの軸方向に沿つて一方の成分
として非導電性成分と、他方の成分として微粒子
状の導電性物質を分散含有した導電性成分とがサ
イドバイサイド型に接合された複合フイラメント
であるが、該フイラメントの横断面形状は接合部
分において特定の形態を有している。 すなわち、第4〜5図に示す如く、導電性成分
b4,b5の横断面形状が複合フイラメント横断面の
一方の側から中心部に向つて打込んだ「くさび」
状を呈する如く形成されている。従つて非導電性
成分a4,a5は、この「くさび」を取囲むように位
置し該複合フイラメントの外周面の殆んどを形成
している。「くさび」の側面は第4図の如く直線
状でもよく、また第5図の如く内側にわん曲した
曲線状でもよい。 一般にフイラメントの摩擦静電気を防止するた
めに織編物等にある程度の低い混合比率で混入さ
れる帯電防止フイラメントの制電効果に対する最
大の作用は、通常の非導電性フイラメント部分で
生じた静電気を直接接触することなしに放電作用
で散逸させることにある。このことはスフ状で混
入しても制電効果を有し、またカツトカーペツト
でも制電効果を有していることからも明らかであ
る。この放電作用は少量混入される帯電防止性フ
イラメントの基本的性質、形状と密接に関係して
いる。放電作用はその導電性部分の導電性能(電
気抵抗値)と形状に大きく依存する。電気抵抗値
は低ければ低いほど放電効果も良好となるが一方
形状としては、電荷集中の生じやすい形状、電荷
が均一化されにくく表面電荷密度の高い部分の生
じやすい形状、すなわち鋭く尖つた部分を有する
形状が同一電気抵抗値の中で一番放電性能がすぐ
れているのである。 また、「くさび」状導電性成分の先端は、該
「くさび」以外の導電性成分によつて、フイラメ
ント表面に連通することなく、該「くさび」の基
部のみがフイラメント表面に露出していることが
必要である。例えば、特開昭54−30919号公報、
第2図に示されているように、「くさび」状導電
性成分の先端が、他の「くさび」状導電性成分に
よつてフイラメント表面に連通していると、電気
抵抗値、放電特性が劣り、色相も不十分で、更に
導電性成分のところでフイラメントが2つに剥離
し易くなり、製糸性、耐久性が低下するという問
題が生ずるので避けなければならない。 このように導電性成分の横断面形状は、複合フ
イラメントの横断面の片側から中心方向に向つて
打込んだ「くさび」状を呈し、「くさび」の先端
は、他の導電性成分によつてフイラメント表面に
連通することなく、「くさび」基部のみがフイラ
メント表面に露出していることが本発明のフイラ
メントに欠くことのできない一要件であるが、さ
らに、かかる「くさび」の先端の内角、長さもき
わめて重要な要件である。 即ち第6図に示す如く、くさびbの先端の内角
θは、1〜45度、好ましくは3〜30度が必要であ
る。1度未満の場合は導電性成分bの部分があま
り少なすぎて電気抵抗値が大きくなり好ましくな
く、45度を越えると尖つた先端の効果がやや減少
し、また色相不良、強度不良、製糸性不良とな
る。 また「くさび」の先端は複合フイラメント横断
面の中心を越えて導電性成分がフイラメント表面
に露出している「くさび」の基部と対向する側ま
で達し、フイラメントの直径Dと「くさび」の長
さ即ち「くさび」状の導電性成分bのフイラメン
ト表面から「くさび」の先端までの距離Wの比が
0.5<W/D<0.8、好ましくは0.6≦W/D≦0.75で
あることが必要である。 W/Dが0.5以下の場合尖つた先端の位置が相対
するフイラメント表面から隔つたかなり内部に位
置するためその放電特性がやや劣ることになる。
一方W/Dが0.8以上の場合くさびによる分割的性
質が発現しやすく、フイラメント全体の強度低
下、製糸性低下をまねき好ましくない。またW/
Dが0.5以下の場合くさび部分(導電性成分)と
非くさび部分(非導電性成分)の物性差が発現し
やすく、熱処理等によりスパイラル状の自己捲縮
性が発現するため非捲縮性用途の場合逆に欠点に
なる。またカーペツト用途等、後で他の糸条と合
糸して捲縮加工を施す場合も他の糸条とクリンプ
の波形が異なるため捲縮糸の風合が劣る結果とな
る。 しかしてこのようなくさび型断面の導電性成分
を有する複合フイラメントが低湿でも十分な制電
効果を有するためには、フイラメントが100ボル
トの直流電圧で1×1009Ω/cm以下の電気抵抗を
有することが必要である。 従つて導電性成分としては、フイラメントに
100ボルトの直流電圧で1×109Ω/cm以下の電気
抵抗を与えるに充分な量の導電性物質を含んでい
ることが必要であり、このため導電性物質が導電
性カーボンブラツクの場合はくさび形断面の導電
性成分中に20〜50wt%、特に25〜35wt%含有せ
しめるのが適当である。 なお、本発明の帯電防止性複合フイラメントに
ついては以上の如く、そのフイラメント横断面形
状が円形の場合について説明したが、さらにその
他の異形断面例えばマルチローバル(多葉形)で
あつてもよい。 カーペツト等特にY形あるいはトライローバル
形断面のフイラメントを多用する分野では本発明
のフイラメントは色相の面からもその横断面形状
がトライローバル(第7図)あるいはY形(第8
図)であり、導電性成分のくさび形状の基部(フ
イラメント表面に露出した部分)がトライローバ
ル又はY形の凹面に位置し、くさびの先端が反対
の頂点にのびている如く位置することが好まし
い。 さらにこのトライローバルあるいはY形の導電
性成分b7,b8が表面に出ている凹面部分の二つの
接線がなす角度が240〜320度であることが好ま
しい。 角度が240度未満では、得られるフイラメン
トの帯電防止性、耐久性が乏り、色相上も好まし
くない。また320度を越えると、フイラメント表
面に位置する導電性成分が遮蔽され過ぎて帯電防
止性が低下する。このように、フイラメントがト
ライローバルあるいはY形異形の横断面形状を有
する場合には、導電性成分(特にカーボンブラツ
ク特有の黒色)を非導電性成分自体で立体的に遮
蔽することができ特に好ましいのである。 以上の如く、本発明のフイラメントは、非導電
性成分と導電性成分とがフイラメント軸方向に沿
つてサイドバイサイド型に接着されており、導電
性成分の横断面形状が特定のくさび形状を有して
いるため、帯電防止性、耐久性、色相が優れ、か
つ中途半端な自己巻縮を有せず巻縮加工性が良好
である。また、本発明の帯電防止性フイラメント
は単独かあるいはその他のフイラメントと組合せ
または混合して、織編物品たとえばカーペツト、
マツト類、毛布、カーテン壁かけ等のインテリア
製品、一般衣料製品の帯電を防止あるいは減少さ
せることが出来る。 このフイラメントは連続フイラメントの形状で
用いることはもちろんステープルの形で使用する
ことも出来る。またカーペツトに用いた場合、カ
ツトカーペツトにおいてカツトされても連続フイ
ラメントよりはいくぶん制電性能は低下するもの
のなお十分にその制電性能を有している。 かくして、本発明の複合フイラメントは、鞘芯
型の紡糸口金を用い繊維形成性熱可塑性合成重合
体より構成された非導電性成分を鞘成分、微粒子
状態の導電性物質を分散した熱可塑性合成重合体
より構成された導電性成分を芯成分とし、紡糸口
金内における鞘成分と芯成分との接合時に鞘成分
の圧力分布を紡糸口金外周方向に沿つて順次低下
せしめて同時紡糸することにより得られる。 以下本発明の帯電防止性フイラメントの製造方
法を図面を用いて説明する。 第9図は、本発明に用いられる紡糸口金の一実
施態様で該口金の断面図である。 さて、本発明のフイラメントは、二つの別々の
加熱溶融部を有し、上部分配板Aに穿設された2
本の導管1,2から同一パツク内に二成分のポリ
マーが同時に供給されそれを口金内にて並列二成
分フイラメントに配置するようになした溶融紡糸
装置とあとは通常の冷却部、油剤付与部及び捲取
部を有する紡糸装置によつて製造出来る。 加熱溶融部としては通常用いられる加熱格子あ
るいはエクストルーダーが用いられる。2本の導
管1,2を通じて同一パツク内に二成分を送りこ
む際導管をつつむスピンブロツクとしては各成分
毎の独立したスピンブロツクは必要なく、通常の
一成分紡糸装置と同じ1つのスピンブロツクを有
していればよい。 本発明のくさび型形状を有する複合フイラメン
トは導電性成分をいわゆる芯成分、非導電性成分
をいわゆる鞘成分として同時紡糸することによつ
て作られる。ここで“いわゆる”といつているの
は最終的にはフイラメント表面の一部に導電性成
分が出ているため出来たフイラメントは完全な鞘
芯タイプではなくサイドバイサイドタイプになる
ためである。 特公昭53−44579号公報、特開昭54−2420号公
報の記載からも明らかなように、二成分をサイド
バイサイドタイプの紡糸口金でコンジユゲート化
すると一般的に高粘度成分が凸部を形成し、低粘
度成分が凹部を形成する。 前に述べたように導電性能低下を防止するため
には非導電性成分の溶融粘度μAと導電性成分の
溶融粘度μBの間で1/2μA≦μB≦μAが望ま
しい。この場合には一般的なサイドバイサイドタ
イプの紡糸口金では必ず導電性成分が凹型、非導
電性成分が凸型となり本発明の導電性成分がくさ
び型に突出した形状は得られない。 μA≧μBの条件下で導電性成分をくさび型に
するためには非導電性成分をいわゆる鞘成分、導
電性成分をいわゆる芯成分とする鞘芯型コンジユ
ゲート紡糸が好ましい。 さらに鞘芯型コンジユゲート紡糸において口金
構造を適当に工夫することによつて導電性成分の
断面形状がくさび型になつた複合フイラメントを
同一ポリマー温度で、1/2μA≦μB≦μAなる
条件にて製造することが出来る鞘芯型口金でくさ
び型形状を得る一つの方法としては、導電性成分
が内部オリフイス3から吐出されそれを非導電性
成分である鞘成分がとりかこむときに、非導電性
成分の導電性成分との接合時の圧力分布が紡糸口
金周辺方向に向つて順次変化するようにしてやれ
ば達成出来る。 より具体的な上記圧力分布を方向によつて変化
させる方法は、導電性成分を口金板の中心部分よ
り導管1に供給し、内部オリフイス3を有する内
部口金板Bと外部オリフイス4を有する外部口金
板Cの間隔5を、口金の中心方向から周辺方向へ
向つて小となした紡糸口金を用いて紡糸する方法
である。この間隔5を変化させるのには連続的に
変化させてもよいし、また階段状に変化させても
よい。 またくさびの先端の位置を0.5<W/D<0.8にす
るためには内部オリフイス3を外部オリフイス4
に対して、間隔5が小となる方向、即ち口金の周
辺方向に偏心させてやればよい。 このようにすることによつて本発明に係る特定
のくさび形状を有する帯電防止性複合フイラメン
トを製糸性、歩留りが良好な状態で安価に得るこ
とができる。 以下実施例にもとづきより詳細に説明する。 本発明の複合フイラメントにおける帯電防止性
能に関してはすべてにのべたように、放電作用に
基づいており、その放電作用は導電性成分の導電
性能(電気抵抗値)とその形状に依存する。そし
てこの放電作用を定量化するものとしては以下に
述べる臨界印加電圧Ec(KV)が非常に実用的で
ある。 <放電特性、臨界印加電圧Ec(KV)> サンプルフイラメントを約200mmの長さにと
り、片方の端部にアルミ箔電極を導電性接着剤で
接着し、両端をアクリル板で絶縁した長さ180
mm、直径54mmのアルミ円筒からなる測定器内に、
アクリル板の中心を通して張り渡す。フイラメン
トサンプルの電極のない方は絶縁テープで固定
し、電極は高圧直流電源(ユタカ電機製作所HV
―15302型)に接続する。一方、アルミ円筒から
導線を導き、振動容量型微小電流電圧計(タケダ
理研TR―84M型)を介して、高圧直流電源の一
方に接続する。高圧直流電源の電圧を徐々に上げ
てゆき、電流が10-6アンペアとなるときの高圧直
流電源の印加電圧を臨界印加電圧Ec(KV)と定
義する。この臨界印加電圧Ecを放電特性の尺度
として用いる。 なお、測定室及びサンプルは、必要に応じて調
湿して測定するが、本発明のコンジユゲートタイ
プ導電性繊維に関しては、Ecの温湿度依存性は
見られない。この値Ecはもちろんアルミ円筒の
形状により大きく変化するので一義的な物理量と
はならないが、同一測定条件下での放電特性を記
述するのには電気抵抗値よりも適している。すな
わち、電気抵抗値はその断面積には依存するが断
面形状には依存せず放電特性の形状依存性を記述
できないのに対してこのEcは導電性と形状効果
をふすめた放電性能を記述しているからである。 同一形状では繊維の電気抵抗値とこのEcとは
一対一に対応しており、カーペツトの制電性能を
表わすカーペツト上の人間が歩行したときの人体
帯電圧とも一対一に対対応している。 このEcを用いて導電性成分の断面形状を種々
変えてその放電性能の形状依存性を比較したのが
実施例、である。 又、実施例中、電気抵抗値および放電特性は下
記方法により測定した。 <電気抵抗値 R(Ω/cm)> サンプルのフイラメントを2cmの長さになるよ
う両端にアルミハクの電極を作りアルミハクとフ
イラメントは導電性接着剤(たとえば藤倉化成の
ドータイト)にて接着したものをサンプルとし、
20%RHの雰囲気中で振動容量型微小電流電圧計
(タケダ理研TR―84M型)により100Vの直流電
圧をかけて測定する。 得られる電気抵抗値の1/2がΩ/cm単位の電気抵
抗値である。 実施例 非導電性成分として〔η〕=1.15、酸化チタン
3.0%含有のナイロン6チツプを用い、導電性成
分として〔η〕=0.80のナイロン6にCabot社製の
導電性カーボンブラツクバルカンXC―72を25wt
%混入したマスターチツプを用い、各々水分率を
0.05wt%に調湿して、各々別々の30m/mエクス
トルーダーに供給し、共通のスピンブロツク内を
260℃に保つて、各成分を別個の計量ポンプをへ
て、紡糸口金に送り同一のポリマー温度260℃に
て各種紡糸口金にてコンジユゲート紡糸を行つ
た。計量ポンプは導電性成分が7wt%になるよう
調整し、紡糸速度600m/minで未延伸糸を得、
この未延伸糸を180℃に加熱した20cmのプレート
状ヒーター上で延伸(延伸倍率3.10、延伸速度
600m/min)した。紡糸口金としては(イ)特公昭
52−31450に記載の通常の鞘芯型口金(ロ)特公昭53
−44579に記載の通常のサイドバイサイド型口金
(ハ)本発明にかかわる、導電成分を口金板の中心部
分より供給し、内部オリフイスを有する内部口金
板と外部オリフイスを有する外部口金板の間隔を
口金中心部大、周辺部小とし、内部オリフイスを
外部オリフイスに対して、口金の周辺方向に偏心
させた偏心鞘芯型口金(第9図)の3種を用い、
鞘芯型については導電性成分を芯ポリマーとし
た。 この紡糸・延伸結果・繊維の断面形状、導電性
能〜電気抵抗値、放電特性、糸質、色相を第1表
にまとめる。
【表】
【表】 この結果からも明らかなように同一成分同一条
件の製糸方法ではテストNo.1の鞘芯型タイプは導
電性能〜放電特性で劣り十分な制電性が得られな
い。 またテストNo.2のタイプはNo.1よりも放電性能
はかなり良好であるがその黒色がかなり目立ち、
耐久性(耐まもう性能)も劣り、強度が不十分、
なによりも製糸安定性に劣り歩留が極端に悪い
等、非常に多くの欠点を有している。これに対し
本発明にかかわるテストNo.3は電気抵抗値はNo.2
とほぼ同一、放電性能はNo.2よりも良好であり、
くさび型の形状をとつたことの効果があらわれて
いる。このくさび型形状は先端の位置がW/D=
0.65、くさびの角度18゜を有していた。 また糸質、色相ともNo.1よりやや劣るとはいえ
まずまずであり、耐久性、製糸性も良好で、性
能、生産性にすぐれたフイラメントである。 実施例 非導電性成分として〔η〕=1.15、酸化チタン
3.0%含有のナイロン6チツプを用い、導電性成
分として〔η〕=1.02のナイロン6にCabot社の導
電性カーボンブラツクバルカンXC―72を25wt%
混入したマスターチツプを用い、各々水分率を
0.05wt%に調湿して、各々別々の30m/mエクス
トルーダーに供給し、共通のスピンブロツク内を
260℃に保つて各成分を別個の計量ポンプをへ
て、紡糸口金に送り、同一のポリマー温度260℃
にて各種紡糸口金にてコンジユゲート紡糸を行な
つた、計量ポンプは導電成分が7wt%になるよう
調整し、以下実施例と同一条件で口金(ロ)、(ハ)を
用いて製糸した。 この結果を第2表にまとめる。
【表】
【表】 これは従来既知の凸部タイプと本発明のくさび
型の比較を行つたものである。従来既知の口金(ロ)
を用いて導電性成分凸型の断面形状を得るため
に、導電性成分のベースポリマーとして〔η〕=
1.02のナイロン6を用いたため導電性能(電気抵
抗)自体がテストNo.2、3より劣るがさらにテス
トNo.4、5を比較すると放電特性でNo.4はNo.5よ
り劣り製糸性、色相、耐久性の面もNo.4はNo.5よ
り劣る。 テストNo.3、5の比較からも非導電性成分のポ
リカプロラクムの〔η〕が1.00〜1.40の場合導電
性成分のポリカプロラクタムの〔η〕は0.75〜
0.90が望ましい。 実施例 非導電成分として〔η〕=1.15、酸化チタン
3.0wt%含有のナイロン6チツプを用い、導電性
成分として〔η〕=0.80のナイロン6にCabot社の
導電性カーボンブラツクバルカンXC―72を25wt
%混入したマスターチツプを用い、実施例と同
様条件で製糸した。ただし計量ポンプの送液量を
変えて、導電性成分の比率を種々変更した。また
用いた紡糸口金は基本型は(ハ)の偏心鞘芯型でその
内部口金板と外部口金板との間隔を種々変更、偏
心度も種々変更したものを用いた。結果を第3表
に示す。
【表】 これはくさび型形状の差によつて導電性能、放
電特性、導電性耐久性、製糸性、糸質、色相、捲
縮特性がどのように変化するかを示して、くさび
型の必要な形状を明確化している。 テストNo.10はくさびのなす角が45度より大とな
り製糸性不良、色相不良、導電性耐久性不良、強
度不足となつている例である。テストNo.11はくさ
びの先端の位置がD/W>0.8となつて2成分に分
割しやすくなつてしまつた例であり、テストNo.12
は、くさびの角が大きくまた尖点の位置もW/D
<0.5のため製糸性、色相不良となりまた潜在捲
縮性を有してしまつている例である。 実施例 非導電性成分として〔η〕=1.30、酸化チタン
3.0wt%含有のナイロン6チツプを用い、導電成
分として〔η〕=0.80のナイロン6にCabot社の導
電性カーボンブラツクバルカンXC―72を25wt%
混入したマスターチツプを用い、実施例と同様
条件で製糸した。用いた紡糸口金は基本型は(ハ)タ
イプであるが外部オリフイスがトライローバル又
はY異形をしており、外部オリフイスを構成する
三つのスリツトのうちの一つが紡糸口金の中心を
向くように穿設されていて、内部オリフイスは外
部オリフイスを構成する各スリツトの交点(外部
オリフイスの中心)から紡糸口金の周辺方向に偏
心して配置されているものを用いた。結果を第4
表に示す。 テストNo.13、14ともに色相の面でテストNo.6、
7等の実施例よりさらに向上している。
【表】 実施例 (テストNo.15、比較例) 実施例テストNo.3において、1つの「くさ
び」状導電性成分を配するかわりに、2つの「く
さび」状導電性成分を、その先端が互いに当接し
て一直線上に配列し、各「くさび」の両基部がそ
れぞれフイラメント表面に露出するような断面形
状(特開昭54−30919号公報第2図と同様の断面
形状)とし、その他の条件はテストNo.3と同一に
して、紡糸、延伸したフイラメントについて評価
したところ、100Vにおける電気抵抗値6.4×107
Ω/cm、放電特性Ec6.0KV、製糸性不良(紡
糸、延伸歩留60〜70%)、強度1.9g/de、伸度32
%、色相不十分、導電性能耐久性不良で、帯電防
止性フイラメントとしては劣つたものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は従来の帯電防止性複合フイラメン
ト横断面の拡大模式図、第4〜8図は本発明の一
実施態様で帯電防止性複合フイラメントの拡大模
式図、第9図は、本発明の帯電防止性複合フイラ
メント製造に係る紡糸口金の側断面図である。 第1〜8図において、a1〜a8:非導電性成分、
b1〜b8:導電性成分、第9図において、3:内部
オリフイス、4:外部オリフイス。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繊維形成性熱可塑性合成重合体より構成され
    た非導電性成分と微粒子状の導電性物質を分散含
    有した熱可塑性合成重合体より構成された導電性
    成分とをフイラメント軸方向に沿つてサイドバイ
    サイド型に接合せしめた帯電防止性複合フイラメ
    ントにおいて、 (イ) 導電性成分の横断面形状が、該複合フイラメ
    ント横断面の一方の側から中心部へ向つて打込
    んだ「くさび」状を呈しており、該「くさび」
    の先端は、該「くさび」以外の導電性成分によ
    つて、フイラメント表面に連通することなく、
    該「くさび」の基部のみがフイラメント表面に
    露出し、しかも該「くさび」の先端の内角θが
    1〜45度であつて、「くさび」の長さWと「く
    さび」の長さ方向に沿つて測定した該複合フイ
    ラメントの太さDとの比が、0.5<W/D<0.8
    の範囲内にあると共に、 (ロ) 導電性成分の横断面積が該複合フイラメント
    の全横断面積の1〜25%を占め、且つ (ハ) 該複合フイラメントの100Vの直流電圧にお
    ける電気抵抗が1×109Ω/cm以下である、 ことを特徴とする帯電防止性複合フイラメント。 2 非導電性成分を構成する繊維形成性熱可塑性
    合成重合体および/または導電性成分を構成する
    熱可塑性合成重合体がポリアミドである特許請求
    の範囲第1項記載の帯電防止性複合フイラメン
    ト。 3 ポリアミドがポリカプロラクタムである特許
    請求の範囲第2項記載の帯電防止性複合フイラメ
    ント。 4 非導電性成分を構成するポリカプロラクタム
    の極限粘度〔η〕(35℃メタクレゾール中で測
    定)が1.00〜1.40であり、導電性成分を構成する
    ポリカプロラクタムの極限粘度〔η〕が0.75〜
    0.90である特許請求の範囲第2項または第3項記
    載の帯電防止性複合フイラメント。 5 導電性物質が導電性カーボンブラツクである
    特許請求の範囲第1項記載の帯電防止性複合フイ
    ラメント。 6 「くさび」の先端の内角が3〜30度である特
    許請求の範囲第1項記載の帯電防止性複合フイラ
    メント。 7 「くさび」の長さWと「くさび」の長さ方向
    で測定した複合フイラメント横断面の太さDとの
    比が0.6≦W/D≦0.75である特許請求の範囲第
    1項記載の帯電防止性複合フイラメント。 8 導電性成分の横断面積が複合フイラメントの
    全横断面積の3〜20%である特許請求の範囲第1
    項記載の帯電防止性複合フイラメント。 9 複合フイラメント横断面の形状がトライロー
    バルまたはY形である特許請求の範囲第1項記載
    の帯電防止性複合フイラメント。 10 導電性成分の横断面形状が複合フイラメン
    ト横断面の外周における一凹部より該複合フイラ
    メント横断面の中心部に向つて打込んだ「くさ
    び」状を呈する特許請求の範囲第9項記載の帯電
    防止性複合フイラメント。 11 「くさび」の基部が位置する複合フイラメ
    ント横断面の凹部における接線のなす角度が
    240〜320度である特許請求の範囲第10項記載の
    帯電防止性複合フイラメント。 12 鞘芯型の紡糸口金を用い、繊維形成性熱可
    塑性合成重合体より構成された非導電性成分を鞘
    成分、微粒子状の導電性物質を分散した熱可塑性
    合成重合体より構成された導電性成分を芯成分と
    し、紡糸口金における鞘成分と芯成分との接合時
    に鞘成分の圧力分布を紡糸口金周辺方向に向つて
    順次低下せしめて同時紡糸することを特徴とする
    帯電防止性複合フイラメントの製造方法。 13 非導電性成分と導電性成分を同一スピンブ
    ロツク内で同一溶融温度で紡糸口金に供給する特
    許請求の範囲第12項記載の帯電防止性複合フイ
    ラメントの製造方法。 14 非導電性成分の溶融粘度μAと導電性成分
    の溶融粘度μBとが、1/2μA≦μB≦μAを満
    足する条件で同時紡糸する特許請求の範囲第12
    項または第13項記載の帯電防止性フイラメント
    の製造方法。
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