JPS6343472B2 - - Google Patents

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JPS6343472B2
JPS6343472B2 JP56079912A JP7991281A JPS6343472B2 JP S6343472 B2 JPS6343472 B2 JP S6343472B2 JP 56079912 A JP56079912 A JP 56079912A JP 7991281 A JP7991281 A JP 7991281A JP S6343472 B2 JPS6343472 B2 JP S6343472B2
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JP
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ferric
ions
electrode
acid
solution
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JP56079912A
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Kingo Itaya
Kimio Shibayama
Shinobu Sotojima
Tatsuaki Ataka
Koji Iwasa
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Instruments Inc
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Priority to DE8282302686T priority patent/DE3263364D1/de
Priority to CA000403614A priority patent/CA1212075A/en
Priority to EP82302686A priority patent/EP0068634B1/en
Priority to KR8202320A priority patent/KR870001161B1/ko
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ヘキサシアノ鉄酸鉄の合成法に関
する。
この発明に用いられるヘキサシアノ鉄酸鉄と
は、一般にプルシアンブルー(紺青)として知ら
れている青色の顔料であり、化学的には、 Fe()4Fe()3(CN)18……不溶性プルシアン
ブルー M+Fe()Fe()(CN)6 -……可溶性プルシ
アンブルー (ここで、M+は、Li+,Na+,K+その他のア
ルカリ金属イオンである)。の2種の化合物群を
さす。
この発明は、第二鉄イオン、Fe()3+とヘキ
サシアノ鉄(三価)イオン〔Fe()(CN)63-
を含む溶液を電解する方法によつて、陰極上に、
ヘキサシアノ鉄酸鉄の三次元錯体を青色の析出物
として生成させる電解合成法に関するものであ
る。電解合成法によつて、従来困難であつた反応
速度の制御を容易にし、また、陰極表面に密着し
た析出層として、電子電導性固体表面に、直接、
ヘキサシアノ鉄酸鉄の三次元錯体の薄膜を形成で
きるようにすることが、この発明の目的である。
従来、プルシアンブルーの合成法としては、三
価の鉄イオンを含む溶液とヘキサシアノ鉄(二
価)イオンを含む溶液とを混合するか、あるいは
反対に、二価の鉄イオンを含む溶液とヘキサシア
ノ鉄(三価)イオンを含む溶液とを混合すると混
合溶液中に不溶性の青色沈澱としてプルシアンブ
ルーが析出する方法等が知られている。それらの
合成法で用いられる三価の鉄イオンを含む溶液と
しては、たとえば、塩化第二鉄あるいは硫酸第二
鉄の水溶液が用いられ、また、ヘキサシアノ鉄
(二価)イオンを含む溶液としては、たとえば、
フエロシアン化カリウムあるいはフエロシアン化
ナトリウムの水溶液が用いられた。また、前記と
反対に、二価の鉄イオン溶液とヘキサシアノ鉄
(三価)イオン溶液とを組み合せて用いる場合に
は、前者として、たとえば塩化第一鉄または硫酸
第一鉄の水溶液を用い、後者としては、たとえ
ば、フエリシアン化カリウムまたはフエリシアン
化ナトリウムの水溶液が用いられた。どちらの組
み合せを用いる場合でも、従来の方法では、2種
の溶液を混合すると同時に、混合溶液中での化学
反応が極めて急速に進行してしまうから、反応速
度を外部から任意に制御してヘキサシアノ鉄酸鉄
の合成を行うことは、極めて困難であつた。ま
た、ヘキサシアノ鉄酸鉄の生成反応は、混合溶液
内部全体で同時に起り、不溶性の三次元錯体粒子
を形成して沈澱するから、ヘキサシアノ鉄酸鉄の
三次元錯体の薄膜を、直接、基板上に析出形成さ
せることは不可能であつた。プルシアンブルー顔
料を塗料中に分散させて基板上に塗布する方法
で、ヘキサシアノ鉄酸鉄を含有する塗膜を形成す
ることは可能であつても、直接、基板上に形成さ
れたヘキサシアノ鉄酸鉄の三次元錯体の薄膜を得
る方法は、知られていなかつた。
この発明では、従来と異なり、三価の第二鉄イ
オンと、ヘキサシアノ鉄(三価)イオンとを含む
混合溶液中に、一対の電極を浸漬して電解を行う
ことにより、陰極表面でのみ、電気化学的還元に
よるヘキサシアノ鉄酸鉄の不溶性の三次元錯体を
析出させることができる。電解法を用いる場合に
は、電解電圧、電流、時間等によつて電極反応の
速度と反応生成物の量とを容易に制御できるか
ら、電極反応で析出するヘキサシアノ鉄酸鉄の生
成速度、生成量の制御を極めて容易に行なえる。
また、ヘキサシアノ鉄酸鉄の三次元錯体形成は、
陰極表面でのみ、析出速度を完全に制御された条
件で行わせることができるから、電子電導性を有
する固体表面に、任意の厚さで、密着した、ヘキ
サシアノ鉄酸鉄の三次元錯体の薄膜を、直接、形
成させることができる。
この発明に用いられる第二鉄イオンを含む溶液
としては、たとえば、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、
過塩素酸第二鉄、硝酸第二鉄、リン酸第二鉄、ピ
ロリン酸第二鉄、等の無機酸の第二鉄塩の群、あ
るいは、シユウ酸第二鉄、詐酸第二鉄、クエン酸
第二鉄、乳酸第二鉄、酒石酸第二鉄、等の有機酸
の第二鉄塩の群、あるいは、硫酸第二鉄アンモニ
ウム、シユウ酸第二鉄アンモニウム、クエン酸第
二鉄アンモニウム、等の、第二鉄アンモニウム複
塩の群、等のいずれかより選ばれた1種の化合
物、または、2種以上の化合物を混合して溶解し
た溶液が用いられる。一般に、溶液としたときに
第二鉄イオンを解離するどのような化合物を用い
てもこの発明に必要な第二鉄イオンを含む溶液と
なり得ることは明らかである。
この発明に用いられるヘキサシアノ鉄(三価)
イオンを含む溶液としては、フエリシアン化カリ
ウム、フエリシアン化ナトリウム、フエリシアン
化リチウム、フエリシアン化ルビジウム、フエリ
シアン化アンモニウム、等のフエリシアン化物の
群から選ばれる化合物を溶解した溶液が用いられ
る。一般に、溶液中にヘキサシアノ鉄(三価)イ
オンを供給することのできるどのような化合物を
用いても、この発明に必要なヘキサシアノ鉄(三
価)イオンを含む溶液となり得ることが明らかで
ある。
上記の第二鉄イオンを含む溶液と、上記のヘキ
サシアノ鉄(三価)イオンを含む溶液とは、それ
ぞれ別個に調整した後、使用直前に両者を混合し
て、混合溶液とした方がよい。一般に、フエリシ
アン化物の溶液は、光や酸素の存在のもとでは分
解する性質があり、第二鉄イオンが液中に同時に
存在すると、その性質がより顕著になる傾向があ
るからである。第二鉄イオンを含む溶液、およ
び、ヘキサシアノ鉄(三価)イオンを含む溶液、
または、両者の混合溶液のいずれか、または全部
に、安定な状態で電解を行うための支持剤とし
て、塩酸、硫酸、過塩素酸、硝酸、リン酸、ピロ
リン酸、ヘキサフルオロリン酸、ホウ酸、テトラ
フルオロホウ酸、炭酸、シユウ酸、酢酸、クエン
酸、乳酸、酒石酸、フタル酸、等の無機または有
機の酸の群、あるいは、それら無機または有機の
酸の、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
ウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウ
ム、四級アルキルアンモニウム、等の塩類の群の
いずれかから選ばれた1種以上の化合物を溶解し
て用いることができる。それらの支持剤の添加
は、溶液の酸度の調整、溶液導電率の改良、溶質
の化学的安定性の改善のために有効なもので、一
般に、電解液調整に用いられる支持電解質、PH調
整剤、バツフア等を利用できることが明らかであ
る。
上記の第二鉄イオンを含む溶液およびヘキサシ
アノ鉄(三価)イオンを含む溶液を調整する際に
用いる溶媒としては、通常、水が用いられるが、
アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N―
ジメチルホルムアミド、等の極性溶媒を用いても
よい。一般に、溶液中で第二鉄イオン、ヘキサシ
アノ鉄(三価)イオン、および必要に応じて添加
される支持剤が安定に存在できるならば、どのよ
うな溶媒でも使用できることが明らかである。
電解に用いる電極材質としては、原理的に、少
なくとも表面が電子電導性のある材料、例えば、
金属、炭素、導電性金属酸化物、半導体、導電性
プラスチツク材料、または水銀、等であればいず
れも使用可能である。陰極表面に密着した安定な
三次元錯体としてヘキサシアノ鉄酸鉄の青色薄膜
を形成する目的では、一対の電極のうち、少なく
とも陰極として用いられる電極が、白金、金、
銀、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、ステン
レススチール、等の不活性金属、あるいは、カー
ボン、あるいは、酸化スズ、酸化インジウム、酸
化カドミウム、酸化アンチモン、等の導電性金属
酸化物あるいは半導体、であるか、少なくとも表
面が前記の不活性金属、あるいは炭素、あるいは
導電性金属酸化物あるいは半導体で被覆された卑
金属またはセラミツク、ガラス、プラスチツク
ス、等の固体であることが望ましい。
電解法としては、定電位電解、または、定電流
電解のいずれも用いられる。
定電位電解法では、前記の第二鉄イオンを含む
溶液とヘキサシアノ鉄(三価)イオンを含む溶液
との混合溶液中に、前記した一対の電極を浸漬
し、さらに、電気化学セルで一般に用いられる飽
和甘汞電極等の参照電極を用いて、一対の電極の
うち陰極の分極電位が参照電極に対して一定とな
るように制御された電解を行う。陰極分極電位
は、対極に対して負に分極されていればどの値の
ときでも、ヘキサシアノ鉄酸鉄の析出が可能であ
る。特に、密着のよい安定な三次元錯体の薄膜を
析出させようとする場合には、飽和甘汞電極に対
して、陰極の分極電位が、約0.5Vから約0.8Vの
範囲内で一定となるように制御された電解を行う
のがよい。陰極電位が0.5Vから0.8Vの範囲外で
あつても、ヘキサシアノ鉄酸鉄を合成することは
できるが、その場合は電流効率が低下し、析出膜
の密着性が不安定となり易い。
定電流電解法では、前記一対の電極間に流す電
流を、陰極に対して一定の電流密度となるように
制御された電解を行う。密着のよいヘキサシアノ
鉄酸鉄錯体の薄膜を安定に形成しようとする場
合、電解中に電極電位が大きく変動することがな
いような限界値を超えない範囲に、電流値を設定
する必要がある。限界を超えて大きな電流を流し
た場合は、電解途中で急激な電極電位の低下が起
り、そのような条件で析出する膜は、電極表面へ
の密着が悪く、また電解効率も低い。
定電位電解法および定電流電解法のどちらを用
いる場合でも、陰極で合成されるヘキサシアノ鉄
酸鉄の析出速度は、陰極電流に比例する。また、
合成される量は、陰極に流れる電気量に比例す
る。
定電位電解の場合、電流は電圧によつて変える
ことができるから、陰極電位を制御することによ
つて、間接的に容易に析出速度を制御することが
できるし、また析出量は電気量計を用いて制御で
きる。定電流電解の場合は、定電流値を設定する
ことにより、析出速度は直接制御され、また、単
に電解時間を決めるのみで、析出量を自由に制御
することができる。
この発明を実施する場合に、混合溶液中の第二
鉄イオンの濃度と、ヘキサシアノ鉄(三価)イオ
ンの濃度と、溶液のPHとを実用上十分な安定性が
得られる範囲に調整することが望ましい。第二鉄
イオンおよびヘキサシアノ鉄(三価)イオンの濃
度は、混合溶液としたときにそれぞれ5ミリモ
ル/リツトル以上の濃度であれば、安定な析出膜
としてヘキサシアノ鉄酸鉄を合成できることがわ
かつた。濃度の上限については、第二鉄イオン、
ヘキサシアノ鉄(三価)イオンのいずれについて
も制限はなく、溶液中に飽和する濃度まで使用で
きることがわかつた。混合溶液のPHに関しては安
定な領域があり、PH0.3以上、5以下の範囲で良
好な析出膜を合成することができた。PH0.2以下
の強酸性とした場合には、電流効率が低下し、析
出膜は脆くなり、またPH5を超える中性およびア
ルカリ性とした場合には、陰極に析出するヘキサ
シアノ鉄酸鉄中に水酸化鉄が同時に生成して混入
するため、良好な結果が得られなかつた。
以下に、実施例によつてこの発明を具体的に説
明する。
実施例 1 第二鉄イオンを含む溶液として、濃度が25ミリ
モル/リツトルの塩化第二鉄(FeCl3)の水溶液
を用い、ヘキサシアノ鉄(三価)イオンを含む溶
液として、濃度が25ミリモル//リツトルのヘキ
サシアノ鉄()酸ナトリウム(Na3Fe(CN)6
の水溶液を用い、それら2つの水溶液を同容量づ
つ混合したところ、褐色透明な混合溶液となつ
た。
次に、作用極として表面積0.1cm2の白金板と、
対極として表面積10cm2の白金板とで作られた2本
の電極を、前記の褐色の混合溶液中に浸漬して電
解槽を構成し、電解した。
作用極を陰極とし、電流密度50μA/cm2の定電
流電解を行つたところ、作用極表面に、美しい青
色の、不溶性の電解生成物が析出した。
実施例 2 第二鉄イオンを含む溶液として、濃度25ミリモ
ル/リツトルの硫酸第二鉄(Fe2(SO43)の水溶
液を用い、ヘキサシアノ鉄(三価)イオンを含む
溶液として、ヘキサシアノ鉄()酸ナトリウム
(Na3Fe(CN)6)の水溶液を用い、両者を同容量
ずつ混合すると、褐色透明な混合溶液となつた。
次に、実施例1で述べた方法と同じ、50μA/
cm2の陰極定電流電解を行つたところ、作用極表面
に、美しい青色の、不溶性電解生成物が析出し
た。
実施例 3 第二鉄イオンを含む溶液として、濃度25ミリモ
ル/リツトルの過塩素酸第二鉄(Fe(ClO43)の
水溶液と、ヘキサシアノ鉄(三価)イオンを含む
溶液として、濃度25ミリモル/リツトルのヘキサ
シアノ鉄()酸カリウム(K3Fe(CN)6)の水
溶液との、等量混合液は、褐色透明な混合溶液と
なつた。
次に、実施例1で述べたのと同じ方法で、陰極
定電流電解を行つたところ、作用極表面に、美し
い青色の、不溶性電解生成物が析出した。
実施例 4 第二鉄イオンを含む溶液として濃度25ミリモ
ル/リツトルの塩化第二鉄(FeCl3)水溶液と、
ヘキサシアノ鉄(三価)イオンを含む溶液として
濃度25ミリモル/リツトルのヘキサシアノ鉄
()酸カリウム(K3Fe(CN)6)水溶液との等量
混合液も、褐色透明な混合溶液となつた。
次に、実施例1と同じ方法で電解を行い、作用
極表面に、美しい青色の、不溶性電解生成物が析
出した。
実施例 5 第二鉄イオンを含む溶液として濃度50ミリモ
ル/リツトルの塩化第二鉄(FeCl3)の水溶液
と、ヘキサシアノ鉄(三価)イオンを含む溶液と
して濃度50ミリモル/リツトルのヘキサシアノ鉄
()酸カリウム(K3Fe(CN)6)水溶液との等量
混合液に、更に、濃度1モル/リツトルの塩化カ
リウム(KCL)の水溶液を、先の等量混合液と
等容量比で混合したところ、褐色透明な混合溶液
となつた。
次に、実施例1と同じ電解を行つて、作用極に
美しい青色の、不溶性電解生成物を析出した。
実施例 6 第二鉄イオン溶液として濃度25ミリモル/リツ
トルの硫酸第二鉄(Fe2(SO43)を溶解し、さら
に、硫酸(H2SO4)を加えて酸濃度が0.01規定に
調整された水溶液を用い、ヘキサシアノ鉄(三
価)イオン溶液として濃度25ミリモル/リツトル
のヘキサシアノ鉄()酸ナトリウム(Na3―Fe
(CN)6)を溶解し、さらに、硫酸を加えて酸濃度
が0.01規定に調整された水溶液を用い、それらの
等量混合液は、褐色透明な混合溶液であつた。
次に、実施例1と同じ電解を行つて、作用極表
面に、美しい青色の、不溶性電解生成物を析出し
た。
実施例 7 第二鉄イオン溶液として濃度25ミリモル/リツ
トルの塩化第二鉄を溶解し、さらに、Clark―
Lubsの緩衝液によつてPH値を2.0に調整した水溶
液を用い、ヘキサシアノ鉄(三価)イオン溶液と
して濃度25ミリモル/リツトルのヘキサシアノ鉄
()酸カリウムを溶解し、さらに、Cl―ark―
Lubsの緩衝液によつてPH値を2.0に調整した水溶
液を用い、それらの等量混合液は、褐色透明な混
合溶液であつた。
次に、実施例1と同じ電解を行つて、作用極表
面に、美しい青色の、不溶性電解生成物が析出し
た。
実施例 8 第二鉄イオン溶液として濃度100ミリモル/リ
ツトルの塩化第二鉄を、酸濃度0.1期定の塩酸に
溶解した溶液を用い、ヘキサシアノ鉄(三価)イ
オン溶液として濃度100ミリモル/リツトルのヘ
キサシアノ鉄()酸カリウムを、0.1規定の塩
酸に溶解した溶液を用い、両者を混合して、褐色
透明な混合溶液となつた。
次に、実施例1と同じ電解を行つて、作用極の
表面に、美しい青色の、不溶性電解生成物が析出
した。
以上、実施例1〜8によつてわかるように、第
二鉄イオン溶液として種々の第二鉄塩を溶解した
溶液を用い、ヘキサシアノ鉄(三価)イオン溶液
として種々のヘキサシアノ鉄()酸塩を溶解し
た溶液を用いて、それらの溶液の混合溶液、ある
いはさらに、それらの混合溶液に他の酸または塩
類を加えた混合溶液をつくつた場合に、それらの
混合溶液は、すべて同様な、褐色透明溶液となつ
た。また、それらの混合溶液の電解液として陰極
電解を行うと、すべての場合に、作用極表面に、
美しい青色の、不溶性電解生成物が析出して得ら
れた。
第二鉄イオンとヘキサシアノ鉄(三価)イオン
との混合溶液が褐色透明溶液となるのは、それら
のイオンが混合溶液中で、次の反応式(1)で示す化
学平衡に達するからである。
Fe3++Fe()(CN)6 3-Fe()Fe()
(CN)6 ……(1) 混合溶液の呈する褐色は、(1)式の右辺で生成し
ているFe()Fe()(CN)6錯体の吸収による
ものである。
第二鉄イオンとヘキサシアノ鉄(三価)イオン
との褐色の混合液を電解液として電解するとき、
陰極表面に生成する青色の不溶性析出物は、次の
反応式(2)または(3)による電解生成物である。
3Fe()Fe()(CN)6+Fe3++3e ――→ Fe
()〔Fe()Fe()(CN)63 ……(2) Fe()Fe()(CN)6+M+++e ――→ M〔Fe()Fe()(CN)6〕 ……(3) (3)式において、M+は、電解液中に存在する他
の金属イオンである。反応式(2)による電解生成物
は不溶性プルシアンブルーとして、また、反応式
(3)による電解生成物は可溶性プルシアンブルーと
して知られているヘキサシアノ鉄酸鉄の不溶性錯
体である。電解中には、(2),(3)のどちらの反応も
起り得るから、この発明によつて合成されるヘキ
サシアノ鉄酸鉄を、どちらか一方の反応式で限定
することはできない。
第二鉄イオンとヘキサシアノ鉄(三価)イオン
との褐色混合液中で電解した場合の、陰極での電
解生成物が、前記(1),(2),(3)の反応によるヘキサ
シアノ鉄酸鉄であることを検証するため、次の実
施例9および10を行つた。
実施例 9 この実施例で用いた電解液は、実施例8と同じ
褐色透明な混合溶液であつた。作用極として面積
0.1cm2の白金極と、対極として面積10cm2の白金極
と、さらに、参照極として飽和甘汞電極との3本
の電極を混合溶液中に浸漬して電解槽を構成し
た。電解電源としてポテンシヨスタツトを使用し
た。
1 作用極に対し、走査速度50ミリボルト/秒で
変化する電圧で電解するサイクリツクボルタン
メトリーを行つたところ、参照極に対する作用
極の電位が+0.8Vよりも負になる領域で作用
極表面に、前述した実施例1〜8の場合と同様
の、美しい青色の、不溶性電解生成物が析出し
た。このときのサイクリツクボルタンモグラム
を第1図に示してある。
第1図によると、0.8V以下0.5V付近までの
電位で、第二鉄イオンの還元やヘキサシアノ鉄
(三価)イオンの還元とは異なる、新しい波形
が出現している。
2 次に、前記1)、で用いた電解液を0.1規定塩
酸で希釈する方法によつて、溶液中の第二鉄イ
オンとヘキサシアノ鉄(三価)イオンとの濃度
が異る。4種類の褐色混合液を調整した。それ
らの混合液は、酸濃度が一定であり、平衡式(1)
によつて液中のFe()Fe()―(CN)6錯体
の濃度は、混合液中の第二鉄イオンとヘキサシ
アノ鉄(三価)イオンとの濃度によつて定まる
はずである。波長500nmの吸収はFe()Fe
()(CN)6錯体のみによつて生じるから、4
種類の混合液について波長500nmでの吸光度
を測定したところ、吸光度は、液濃度に比例す
る結果が得られた。
調整した4種類の濃度の異なる褐色混合溶液
を用いて、前記1)、と同じ方法によるサイク
リツクボルタンメトリーを行つた。4種類のど
の濃度でも、作用極電位が参照極に対し0.8V
より負の領域で、前記と同様に、美しい青色
の、不溶性析出物が認められた、各濃度の電解
液について、作用極電位が参照極に対し0.5V
のときの電解電流を測定し、それらの値と、各
濃度における波長500nmでの吸光度との関係
を、第2図にプロツトして示した。第2図から
電位0.5Vでの電解電流は、波長500nmの吸光
度、すなわち、Fe()Fe()(CN)6錯体の
濃度、に比例していることがわかつた。
上記1),2)の結果から、作用極表面に析出
する不溶性の青色の生成物は、参照極に対し
0.8V以下0.4Vまでの付近でのFe()Fe()
(CN)6錯体の電解還元によることが明らかとなつ
た。
次に、作用極表面に生成する不溶性析出物がプ
ルシアンブルーであることを確認するため、実施
例10を行つた。
実施例 10 この実施例で用いた電解液も、実施例8と同じ
褐色透明な混合溶液であつた。作用極として面積
1.0cm2の、ガラス基板上に形成された酸化スズ透
明導電膜電極を用い、対極には面積10cm2の白金板
電極を用い、両電極を混合溶液中に浸漬して電解
槽を構成した。
作用極を陰極として、電流50μAで2分間の定
電流電解を行つたところ、酸化スズ透明電極の表
面に密着した、前記実施例1〜10の場合と同様
の、美しい青色の不溶性電解生成物が、薄膜とし
て析出した。
上記電解生成物で被覆された酸化スズ透明電極
を混合溶液から取り出し、洗浄後乾燥して、分光
光度計を用いて吸光スペクトルを測定した。測定
結果を第3図に示してある。従来知られている化
学的に合成されたヘキサシアノ鉄酸鉄であるプル
シアンブルー顔料のコロイド溶液の吸収スペクト
ルは、波長680nm付近に吸収極大があるが、こ
の実施例で得られた酸化スズ表面の青色層もま
た、第3図で明らかなように、680nm付近に同
様の吸収極大を示した。
上記実施例10によつて、この発明による合成法
を用いて陰極表面に、美しい青色の、不溶性電解
生成物として得られる析出物は、一般にプルシア
ンブルー顔料として知られている、ヘキサシアノ
鉄酸鉄であることが明らかである。
この発明で電解合成に用いる電極材質として
は、反応式(1),(2),(3)をみれば明らかなように、
原理的には、少なくとも表面が電子電導性である
電極であれば、どのような材質であつても、ヘキ
サシアノ鉄酸鉄が合成されると考えられる。電解
中に電極自体が反応する副反応によつて、生成す
るヘキサシアノ鉄酸鉄中に不純物が混入するのを
防止するためには、不活性金属、炭素、または、
導電性金属酸化物等の不活性な材料で少なくとも
表面が被覆された電極を用いるのが望ましい。実
施例1〜9は、不活性金属の例として白金を電極
に用いた場合を示し、実施例10は、金属酸化物の
例として酸化スズ電極の場合を示している。他の
電極材質の例として炭素電極の場合を次の実施例
11に示した。
実施例 11 この実施例で用いた電解液、実施例1で用いた
と同じ、褐色透明な混合溶液であつた。
作用極として表面積0.1cm2のクラツシーカーボ
ン電極を用い、対極として表面積10cm2のグラフア
イト電極を用いて、両電極を混合溶液中に浸漬
し、作用極を陰極として、電流密度50μA/cm2
定電流電解を2分間行つた。
作用極としたクラツシーカーボン電極長面に、
前記実施例1〜10の場合と同様に、青色の不溶性
電解生成物が析出した。
この発明に用いる電解法としては、対極に対し
て作用極を負に分極させる電解を行えば、定電流
電解によつても定電位電解によつても、作用極表
面でヘキサシアノ鉄酸鉄を合成することができ
た。
しかしながら、作用極の表面に密着した薄膜と
してヘキサシアノ鉄酸鉄の層を、効率よく形成さ
せる目的には、電解電位を規制した電解法を行う
必要がある。電解電位の条件をどのように設定す
ればよいかについて、次の実施例12および13によ
つて検討を行つた。
実施例 12 第二鉄イオン溶液として、濃度20ミリモル/リ
ツトルの塩化第二鉄(FeCl3)を0.1規定塩酸に溶
解した溶液と、ヘキサシアノ鉄(三価)イオン溶
液として、濃度20ミリモル/リツトルのヘキサシ
アノ鉄()酸カリウム(K3Fe()(CN)6)を
0.1規定塩酸に溶解した溶液とを用い、両者を混
合して、褐色透明な混合溶液を調製した。
作用極として面積0.1cm2の白金電極、対極とし
て面積10cm2の白金電極、参照極として飽和甘汞電
極を、上記の混合溶液中に浸漬して電解槽を構成
した。電解電源としてポテンシヨスタツトを使用
した。
作用極の電位を、参照極に対して+1.0Vから、
順次負の方向に変化させて、定電位電解を行つた
ところ、+0.8V付近から作用極表面に、前記実施
例1〜11と同様の、青色の電解生成物析出が開始
され、+0.8V以下、−0.2V以上の電位範囲内で、
青色の析出物としてヘキサシアノ鉄酸鉄の生成が
認められた。
各電位において20秒間定電位電解を行つたと
き、作用極表面に析出したヘキサシアノ鉄酸鉄の
電荷密度と電解効率とを測定し、その結果を第4
図にグラフで示した。第4図で明らかなように、
ヘキサシアノ鉄酸鉄を合成するときの電解効率
は、飽和甘汞電極に対して0.5V付近に規制した
定電位電解を行うとき、最も高くなる。
次に、各電位で作用極に析出させたヘキサシア
ノ鉄酸鉄層の、電極表面への密着性を、セロハン
粘着テープを用いる剥離試験によつて調べたとこ
ろ、+0.8Vから+0.4V付近の間の電位で得られる
層の密着性は良好であつたが、それよりも負の電
位で得られた層は密着が不良であつた。
実施例 13 第二鉄イオン溶液として濃度25ミリモル/リツ
トルの塩化第二鉄(FeCl3)水溶液と、ヘキサシ
アノ鉄(三価)イオン溶液として濃度25ミリモ
ル/リツトルのヘキサシアノ鉄()酸カリウム
水溶液との等量混合液として褐色透明な電解液を
調製した。その電解液中に、前記実施例12と同じ
作用極、対極、参照極を浸漬し、ポテンシヨスタ
ツトを接続して電解を行つた。
作用極を陰極として、種々の電流密度で、70秒
間以上の定電流電解を行い、各電流密度で電解中
の作用極の電位の時間変化を、参照極を基準とし
て測定した。測定結果は、第5図に示されてい
る。第5図で明らかなように、電流密度50μA/
cm2以下では、作用極の参照極に対する電位は電解
時間にかかわらず常に、0.5Vから0.8Vの範囲内
に保持されたが、75μA/cm2以上の電流密度で電
解した場合は、電解中の電位が途中から0.5Vよ
りも負に変化した。
次に、各々の電流密度で、作用極表面に生成し
たヘキサシアノ鉄酸鉄層の電極表面への密着性
を、セロテープを用いる剥離試験で調べたとこ
ろ、電解中の作用極電位が、0.8Vから0.5Vの範
囲内で定電流電解された層の密着性は良好であつ
たが、電解中に電位が0.5Vより負に変化する電
流密度で電解された層の密着は不良であつた。
上記の実施例12,13によつて明らかなように、
この発明によつてヘキサシアノ鉄酸鉄を合成する
場合に、電極表面に密着性の良い析出膜を高い効
率で得るためには、電極電位が飽和甘汞電極に対
して、常に、0.8V以下、0.5V付近の電位範囲内
に規制された定電位電解、または、電位が飽和甘
汞電極に対し電解中に0.5V以下に変化しない範
囲の電流密度に設定された定電流電解を行うのが
良い。
電解液中の第二鉄イオンとヘキサシアノ鉄(三
価)イオンの濃度に関しては、両者のイオン濃度
がそれぞれ5ミリモル/リツトル以上であれば、
電解によつてヘキサシアノ鉄酸鉄を析出させるこ
とができた。また、定電位電解法で合成を行う場
合には、電解液中の両イオンの濃度が5ミリモ
ル/リツトル以上のとき、電極電位を飽和甘汞電
極に対して0.8V以下、0.5V付近までの範囲内に
規制して電解すれば、電極表面に密着した不溶性
析出物としてヘキサシアノ鉄酸鉄の層を形成させ
ることが可能であつた。しかしながら、定電流電
解法によつて電極表面に密着性のよう皮膜を析出
させようとする場合には、電極電位が飽和甘汞電
極に対し0.5Vから0.8Vの範囲内に常に維持され
ていて、かつ一定電流を保持できるような濃度に
電解液を調製することが必要である。電解液濃度
を変化させて定電流電解を行つた場合に、電極電
位がどのように変化するかを、次の実施例14によ
つて説明する。
実施例 14 第二鉄イオン濃度をヘキサシアノ鉄(三価)イ
オン濃度とが等しい、基本的に実施例13と同じ褐
色透明な混合溶液を用いたが、但し、上記混合溶
液を水で希釈することによつて、第二鉄イオンと
ヘキサシアノ鉄(三価)イオンとの濃度が、それ
ぞれ、25,16,12.5,10、および5各ミリモル/
リツトルである5種類の濃度の異る電解液を調製
した。実施例13で用いたと同じ作用極、対極、お
よび参照極をポテンシヨスタツトに接続して用
い、作用極を陰極として、電流密度50μA/cm2
定電流電解を行い、電解中の作用極の電位変化を
飽和甘汞電極を基準にして測定した。測定結果を
第6図に示してある。
第6図に明らかなように、電解液中のイオン濃
度が、25ミリモル/リツトル以上のときは、作用
極電位は、電解中常に、飽和甘汞電極に対し、
0.8V以下0.5V付近の一定電位に維持されるが、
25ミリモル/リツトルより低い濃度の電解液で
は、作用極電位が、電解途中で、0.5Vよりも負
に変化した。
次に、各濃度の電解液によつて作用極に析出し
たヘキサシアノ鉄酸鉄の電極表面への密着性を、
セロテープ粘着剥離試験によつて調べたところ、
電解中の電極電位が0.8以下0.5V付近までの範囲
に保持できる電解液濃度で析出したヘキサシアノ
鉄酸鉄の層は、良好な密着性を示したが、電極電
位が0.5Vより負に変化してしまう電解液濃度で
は、密着性不良となつた。
上記の実施例14においても、前記実施例12およ
び13と同様に、電解中の電極電位が飽和甘汞電極
を基準として0.8V以下0.5V付近までの範囲内に
あるような条件で電解を行うときに電極表面に密
着した不溶性膜として、ヘキサシアノ鉄酸鉄の層
を析出させることができた。実施例13および14に
よつて明らかになつたことは、定電流電解法によ
つて電極表面に密着性の良好な膜を形成させよう
とするならば、電解中常に電極電位が0.8V以下
0.5V付近までの範囲に保持されている必要があ
り、そのためには、電解液の濃度に応じて上限が
定まる電流密度以下の定電流に設定することもで
きるし(実施例13)、または、設定した電流密度
に応じて下限が異なる電解液濃度以上のイオン濃
度に電解液を調整して用いることもできる(実施
例14)ということである。
さらに一般性のある表現を用いれば、定電流電
解法を適用して、電極表面を密着して被覆するヘ
キサシアノ鉄酸鉄の層を合成するためには、電解
中に電極電位が急激により負な電位に変化しない
ように、電流密度と電解液濃度とを選択して用い
る必要がある。なぜならば、用いる第二鉄塩とヘ
キサシアノ鉄()酸塩の種類と濃度、PH調整等
に用いる支持剤の種類と濃度、または電極材質等
によつて、望ましい電極電位の範囲は微妙に変る
かも知れないが、上記のより一般性のある表現を
用いれば、この発明が包含する電解条件の範囲を
より適切に規定できるからである。
前記した実施例1から実施例14までのすべての
実施例において、説明の繁雑さを避けるため、用
いた電解液は、第二鉄イオンとヘキサシアノ鉄
(三価)イオンとが等濃度である混合溶液とした。
しかしながら、この発明に用いられる電解液と
しては、第二鉄イオン濃度とヘキサシアノ鉄(三
価)イオン濃度とが等濃度である必要はない。両
者の濃度が異る場合として、次の実施例15を行つ
た。
実施例 15 1 第二鉄イオン溶液として濃度10ミリモル/リ
ツトルの塩化第二鉄水溶液と、ヘキサシアノ鉄
(三価)イオン溶液として濃度50ミリモル/リ
ツトルのヘキサシアノ鉄()酸カリウム水溶
液とを等量混合して、褐色透明な電解液を得
る。
作用極として面積0.1cm2の白金、対極として
面積10cm2の白金を用い、作用極を飽和甘汞電極
に対し0.5Vに分極する定電位電解を行つたと
ころ、作用極表面に、美しい青色の不溶性電解
析出膜としてヘキサシアノ鉄酸鉄の層が形成さ
れた。
2 第二鉄イオン溶液として濃度50ミリモル/リ
ツトルの塩化第二鉄水溶液と、ヘキサシアノ鉄
(三価)イオン溶液として濃度10ミリモル/リ
ツトルのヘキサシアノ鉄()酸カリウム水溶
液とを等量混合して、褐色透明な電解液を得
た。
前記1)と同条件の定電位電解を行つたとこ
ろ、前記同様に、作用極表面に、美しい青色の不
溶性電解析出膜としてヘキサシアノ鉄酸鉄の層が
形成された。
上記実施例15によつて明らかなように、この発
明に用いられる電解液中の第二鉄イオンとヘキサ
シアノ鉄(三価)イオンとの濃度比に関しては、
何らの制限も設けられるべきではない。
電極表面に密着した不溶性の析出膜として、質
の良いヘキサシアノ鉄酸鉄の層を形成しようとす
る場合に、用いる電解液のPH値は、最適範囲内に
調整して用いる必要がある。電解液のPH値が高い
中性からアルカリ性の領域では、第二鉄イオンが
加水分解を受けるため、電解析出膜中に水酸化鉄
が同時に混合して生成するし、また、PH値が極め
て小さい強酸性の領域では、酸の分解が起るため
密着の良い膜が得られない。次の実施例16によつ
て、電解液の最適PH範囲は、PH0.3以上、PH5以
下の酸性であることがわかつた。
実施例 16 基本的には、実施例13で用いたのと同じ電解液
を使用したが、ただし、電解液のPH値を、塩酸ま
たは、必要に応じて1規定水酸化カリウム溶液を
用いて、PH0.2,0.3,0.5,0.8,1.5,2.0,3.0,
4.0,5.0,6.0,7.0および9.0の12段階に変化され
た電解液を調製した。これらPH値の異なる電解液
を、実施例13で用いたのと同じ電極と電源を用い
て、電流密度50μA/cm2で2分間の定電流電解を
行い、作用極表面に析出したヘキサシアノ鉄酸鉄
の層の密着性をセロテープ粘着剥離試験によつて
調べた。
その結果、PH0.3以上5.0以下の範囲に調整され
た電解液から析出した層は、電極表面に対し密着
性が良好であつたが、PH0.2、およびPH6.0以上に
調整された電解液からの析出層は密着がよくなか
つた。
以上、数多くの実施例によつて具体的に説明し
たように、第二鉄イオンとヘキサシアノ鉄(三
価)イオンとの混合溶液を電解液に用い、陰極表
面に、美しい青色の不溶性電解生成物として析出
物を形成させる、この発明によるヘキサシアノ鉄
酸鉄の合成法によつて、 (1) 外部から反応速度と生成量とを自由に制御し
て、ヘキサシアノ鉄酸鉄の合成を行うことがで
きる。
(2) 電解液の組成、PH範囲、電解電圧、電流等の
条件を適切に設定することによつて、電極表面
に、直接、密着した青色の不溶性析出膜とし
て、ヘキサシアノ鉄酸鉄の層を形成することが
できる。
等の、工業的に応用した場合に、極めて実用性に
すぐれた合成法を実現できた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、塩化第二鉄とヘキサシアノ鉄()
酸カリウムとの混合水溶液のサイクリツクボルタ
ンモグラムである。第2図は、電解液濃度を変化
させた場合の、電解電圧0.5V(VS.SCE)におけ
る電解電流と、電解液の波長500nmにおける吸
光度との関係を表わすグラフである。第3図は、
この発明で得られるヘキサシアノ鉄酸鉄の吸収ス
ペクトル―波長特性図である。第4図は定電位電
解における電解電位と析出物の電解効率、およ
び、電荷密度との関係を表わすグラフである。第
5図は、電解液濃度一定のとき、種々の電流密度
で定電流電解を行つた場合の、電解電位の時間変
化を表わすグラフである。第6図は、種々の電解
液濃度での、一定電流密度における電極電位の時
間変化を表わすグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 第二鉄イオンを含む溶液と、ヘキサシアノ鉄
    (三価)イオンを含む溶液との混合溶液中に、少
    なくとも表面が電子電導性を有する固体である一
    対の電極を浸漬して、前記一対の電極の一方を陽
    極、他方を陰極として電解する方法により、前記
    の陰極とした少なくとも表面が電子電導性を有す
    る固体の表面に、青色の電解生成物として析出さ
    せる方法で得られるヘキサシアノ鉄酸鉄の合成
    法。 2 第二鉄イオンを含む溶液が、塩化第二鉄、硫
    酸第二鉄、過塩素酸第二鉄、硝酸第二鉄、リン酸
    第二鉄、ピロリン酸第二鉄を含む無機酸の第二鉄
    塩の群、または、シユウ酸第二鉄、酢酸第二鉄、
    クエン酸第二鉄、乳酸第二鉄、酒石酸第二鉄を含
    む有機酸の第二鉄塩の群、または、硫酸第二鉄ア
    ンモニウム、クエン酸第二鉄アンモニウムを含む
    第二鉄アンモニウム塩の群の、いずれかの群より
    選ばれた少なくとも1種の化合物を溶解した溶液
    である。特許請求の範囲1記載のヘキシアノ鉄酸
    鉄の合成法。 3 ヘキサシアノ鉄(三価)イオンを含む溶液
    が、フエリシアン化カリウム、フエリシアン化ナ
    トリウム、フエリシアン化リチウム、フエリシア
    ン化ルビジウム、フエリシアン化アンモニウムを
    含むフエリシアン化合物の群より選ばれた少なく
    とも1種の化合物を溶解した溶液である、特許請
    求の範囲1記載のヘキサシアノ鉄酸鉄の合成法。 4 第二鉄イオンを含む溶液とヘキサシアノ鉄
    (三価)イオンを含む溶液との混合溶液が、塩化
    第二鉄硫酸第二鉄、過塩素酸第二鉄、硝酸第二
    鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄を含む無機
    酸の第二鉄塩の群、または、シユウ酸第二鉄、酢
    酸第二鉄、クエン酸第二鉄、乳酸第二鉄、酒石酸
    第二鉄を含む有機酸の第二鉄塩の群または、硫酸
    第二鉄アンモニウム、シユウ酸第二鉄アンモニウ
    ム、クエン酸第二鉄アンモニウムを含む第二鉄ア
    ンモニウム塩の群の、いずれかの群より選ばれた
    少なくとも1種の化合物を溶解した第二鉄イオン
    を含む溶液と、フエリシアン化カリウム、フエリ
    シアン化ナトリウム、フエリシアン化リチウム、
    フエリシアン化ルビジウム、フエリシアン化アン
    モニウムを含むフエリシアン化合物の群より選ば
    れた少なくとも1種の化合物を溶解したヘキサシ
    アノ鉄(三価)イオンを含む溶液とを混合し、か
    つ、塩酸、硫酸、過位素酸、硝酸、リン酸、ピロ
    リン酸、ヘキサフルオロリン酸、ホウ酸、テトラ
    フルオロホウ酸、炭酸、シユウ酸、酢酸、クエン
    酸、乳酸、酒石酸、フタル酸を含む無機酸または
    有機酸の群、あるいは、前記の無機酸または有機
    酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ル
    ビジウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩を含
    む金属塩類またはアンモニウム塩、四級アルキル
    アンモニウム塩類の群の、いずれかの群より選ば
    れた少なくとも1種の化合物を支持剤として溶解
    した混合溶液である。特許請求の範囲1記載のヘ
    キサシアノ鉄酸鉄の合成法。 5 特許請求の範囲1に記した電解する方法とし
    て、前記した第二鉄イオンを含む溶液とヘキサシ
    アノ鉄(三価)イオンを含む溶液との混合溶液中
    に少なくとも表面が電子電導性を有する一対の固
    体電極と、電解電位の基準を定めるための参照電
    極とを浸漬して、前記一対の固体電極の陰極とし
    た方の電極電位が、前記の参照電極に対して常に
    一定であるように制御された定電位電解法を用い
    る、特許請求の範囲1,2,3もしくは4に記載
    したヘキサシアノ鉄酸鉄の合成法。 6 前記の少なくとも表面が電子電導性を有する
    一対の固体電極のうち、少なくとも陰極として用
    いる固体電極が、白金、金、ロジウム、パラジウ
    ム、ルテニウム、銀、ステンレススチールを含む
    不活性金属の群、あるいは炭素、あるいは、酸化
    スズ、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化ア
    ンチモンを含む電子電導性を有する金属酸化物の
    群の、いずれかより選ばれた少なくとも1種の材
    料を含む固体電極であるか、または、前記した不
    活性金属の群、炭素、電子電導性を有する金属酸
    化物の群のいずれかより選ばれた少なくとも1種
    の材料を含む層によつて表面を被覆された、卑金
    属か、または、セラミツク、ガラス、合成樹脂を
    含む非電導性固体かのいずれかである、小なくと
    も表面が電子電導性を有する固体電極を用いる特
    許請求の範囲5記載のヘキサシアノ鉄酸鉄の合成
    法。 7 陰極の電極電位が参照電極に対して常に一定
    に制御された定電位電解法を用いる場合に、参照
    電極として飽和甘汞電極を用いるとき、陰極の電
    極電位が参照電極に対して、0.5Vと0.8Vの範囲
    内の一定電位となるように制御された定電位電解
    法を用いることによつて、前記した陰極の表面に
    密着した青色の薄膜層としてヘキサシアノ鉄酸鉄
    を電解析出させる、特許請求の範囲5もしくは6
    記載のヘキサシアノ鉄酸鉄の合成法。 8 特許請求の範囲1に記した電解する方法とし
    て、前記した第二鉄イオンを含む溶液とヘキサシ
    アノ鉄(三価)イオンとを含む溶液との混合溶液
    中に、前記特許請求の範囲6に記した少なくとも
    表面が電子電導性を有する一対の電極を浸漬し
    て、それらの電極間に、電解途中で陰極分極電位
    が急激に負の方向へ変化せず、ほぼ常に一定電位
    であるように制御された一定の電流を流す定電流
    電解法を用いることにより、陰極の表面に密着し
    た青色の薄膜としてヘキサシアノ鉄酸鉄の層を電
    解析出させる、特許請求の範囲1,2,3、もし
    くは4記載のヘキサシアノ鉄酸鉄の合成法。 9 定電流電解で用いられる電流値が、陰極分極
    電位が飽和甘汞電極に対して約0.8V以下0.5V付
    近までの電位範囲内を常に保持できるように選択
    して設定された一定電流値である、陰極表面に密
    着した青色の薄膜としてヘキサシアノ鉄酸鉄の層
    を電解析出させる。特許請求の範囲8記載の合成
    法。 10 用いる第二鉄イオンを含む溶液中の第二鉄
    イオンの濃度が、10ミリモル/リツトル以上の水
    溶液であり、用いるヘキサシアノ鉄(三価)イオ
    ンを含む溶液中のヘキサシアノ鉄(三価)イオン
    の濃度が、10ミリモル/リツトル以上の水溶液で
    あり、それらの第二鉄イオン溶液とヘキサシアノ
    鉄(三価)イオン溶液との混合溶液中での濃度
    は、第二鉄イオンとヘキサシアノ鉄(三価)イオ
    ンとが、それぞれについて、少なくとも5ミリモ
    ル/リツトル以上であるように調整された混合溶
    液を用いる、特許請求の範囲5,6,7もしくは
    8記載のヘキサシアノ鉄酸鉄の合成法。 11 特許請求の範囲9に記述した第二鉄イオン
    濃度とヘキサシアノ鉄(三価)イオン濃度とが、
    それぞれについて5ミリモル/リツトル以上であ
    る混合溶液に、特許請求の範囲4で記述した酸ま
    たは酸の塩を支持塩として溶解することにより、
    前記混合溶液のPHを、PH0.3からPH5の範囲に調
    整して用いる。特許請求の範囲5,6,7もしく
    は8記載のヘキサシアノ鉄酸鉄の合成法。
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